(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】工作機械、制御方法、および制御プログラム
(51)【国際特許分類】
B23Q 17/00 20060101AFI20240806BHJP
B23Q 11/10 20060101ALI20240806BHJP
G05B 19/409 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
B23Q17/00 E
B23Q11/10 E
B23Q17/00 A
G05B19/409 C
(21)【出願番号】P 2023208576
(22)【出願日】2023-12-11
【審査請求日】2024-01-12
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000146847
【氏名又は名称】DMG森精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100185719
【氏名又は名称】北原 悠樹
(74)【代理人】
【識別番号】100150072
【氏名又は名称】藤原 賢司
(72)【発明者】
【氏名】船越 元気
【審査官】増山 慎也
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-079348(JP,A)
【文献】特開2008-209353(JP,A)
【文献】国際公開第2018/062317(WO,A1)
【文献】特開平06-314031(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23Q 17/00、24
B23Q 11/10
G05B 19/409
G01N 21/00-958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを加工することが可能な工作機械であって、
表示機器と、
クーラントの流路と、
前記流路に設けられており、前記流路内のクーラントの濃度を検出するための濃度センサと、
制御装置とを備え、
前記制御装置は、
前記クーラントが前記流路を流れているか否かを判断する処理と、
前記クーラントが前記流路を流れていないと判断した場合に、前記濃度に関する表示事項を前記表示機器に表示することを禁止する処理とを実行する、工作機械。
【請求項2】
前記制御装置は、さらに、前記クーラントが前記流路を流れていると判断した場合に、前記表示事項を前記表示機器に表示する処理を実行する、請求項1に記載の工作機械。
【請求項3】
前記表示事項は、前記濃度と、前記濃度が予め定められた正常範囲内にあるか否かを示す警告との少なくとも一方を含む、請求項1または2に記載の工作機械。
【請求項4】
前記工作機械は、さらに、前記クーラントを前記流路に送るためのポンプを備え、
前記制御装置は、前記判断する処理では、
前記ポンプが駆動されている場合に、前記クーラントが前記流路を流れていると判断
し、
前記ポンプが駆動され
ていない場合に、前記クーラントが前記流路を流れていないと判断
する、請求項1または2に記載の工作機械。
【請求項5】
前記工作機械は、さらに、前記工作機械に対する操作を受け付ける操作盤を備え、
前記表示機器は、前記操作盤に設けられている、請求項1または2に記載の工作機械。
【請求項6】
前記表示機器は、前記濃度センサに設けられている、請求項1または2に記載の工作機械。
【請求項7】
ワークを加工することが可能な工作機械の制御方法であって、
前記工作機械は、
表示機器と、
クーラントの流路と、
前記流路に設けられており、前記流路内のクーラントの濃度を検出するための濃度センサとを備え、
前記制御方法は、
前記クーラントが前記流路を流れているか否かを判断することと、
前記クーラントが前記流路を流れていないと判断した場合に、前記濃度に関する表示事項を前記表示機器に表示することを禁止することとを備える、制御方法。
【請求項8】
ワークを加工することが可能な工作機械の制御プログラムであって、
前記工作機械は、
表示機器と、
クーラントの流路と、
前記流路に設けられており、前記流路内のクーラントの濃度を検出するための濃度センサとを備え、
前記制御プログラムは、前記工作機械に、
前記クーラントが前記流路を流れているか否かを判断する処理と、
前記クーラントが前記流路を流れていないと判断した場合に、前記濃度に関する表示事項を前記表示機器に表示することを禁止する処理とを実行させる、制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、工作機械、制御方法、および制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2023-35216号公報(特許文献1)は、工作機械に用いられる屈折率式濃度センサを開示している。当該濃度センサは、流体の濃度が変化すると屈折率が変化するという特性を利用して、クーラントの濃度を検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
異物が濃度センサに付着した場合には、濃度センサによって検出された濃度値が不安定になりやすい。このような濃度値がユーザに表示されると、クーラントの濃度測定に対する信頼性が損なわれる。したがって、濃度センサの値が不安定な際に対処するための技術が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一例では、ワークを加工することが可能な工作機械が提供される。上記工作機械は、表示機器と、クーラントの流路と、上記流路に設けられており、上記流路内のクーラントの濃度を検出するための濃度センサと、制御装置とを備える。上記制御装置は、上記クーラントが上記流路を流れているか否かを判断する処理と、上記クーラントが上記流路を流れていないと判断した場合に、上記濃度に関する表示事項を上記表示機器に表示することを禁止する処理とを実行する。
【0006】
本開示の一例では、上記制御装置は、さらに、上記クーラントが上記流路を流れていると判断した場合に、上記表示事項を上記表示機器に表示する処理を実行する。
【0007】
本開示の一例では、上記表示事項は、上記濃度と、上記濃度が予め定められた正常範囲内にあるか否かを示す警告との少なくとも一方を含む。
【0008】
本開示の一例では、上記工作機械は、さらに、上記クーラントを上記流路に送るためのポンプを備える。上記判断する処理では、上記ポンプが駆動されている場合に、上記クーラントが上記流路を流れていると判断され、上記ポンプが駆動されいない場合に、上記クーラントが上記流路を流れていないと判断される。
【0009】
本開示の一例では、上記工作機械は、さらに、上記工作機械に対する操作を受け付ける操作盤を備える。上記表示機器は、上記操作盤に設けられている。
【0010】
本開示の一例では、上記表示機器は、上記濃度センサに設けられている。
【0011】
本開示の他の例では、ワークを加工することが可能な工作機械の制御方法が提供される。上記工作機械は、表示機器と、クーラントの流路と、上記流路に設けられており、上記流路内のクーラントの濃度を検出するための濃度センサとを備える。上記制御方法は、上記クーラントが上記流路を流れているか否かを判断することと、上記クーラントが上記流路を流れていないと判断した場合に、上記濃度に関する表示事項を上記表示機器に表示することを禁止することとを備える。
【0012】
本開示の他の例では、ワークを加工することが可能な工作機械の制御プログラムが提供される。上記工作機械は、表示機器と、クーラントの流路と、上記流路に設けられており、上記流路内のクーラントの濃度を検出するための濃度センサとを備える。上記制御プログラムは、上記工作機械に、上記クーラントが上記流路を流れているか否かを判断する処理と、上記クーラントが上記流路を流れていないと判断した場合に、上記濃度に関する表示事項を上記表示機器に表示することを禁止する処理とを実行させる。
【0013】
本発明の上記および他の目的、特徴、局面および利点は、添付の図面と関連して理解される本発明に関する次の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図3】工作機械内の加工エリアの様子を概略的に示す図である。
【
図5】濃度センサの内部構成を説明するための図である。
【
図6】工作機械における駆動機構の構成例を示す図である。
【
図7】CPU(Central Processing Unit)ユニットのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図8】操作盤のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図9】工作機械の表示処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しつつ、本発明に従う各実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、これらについての詳細な説明は繰り返さない。なお、以下で説明される各実施の形態および各変形例は、適宜選択的に組み合わされてもよい。
【0016】
<A.工作機械100の外観>
まず、
図1を参照して、実施の形態に従う工作機械100について説明する。
図1は、工作機械100の外観を示す図である。
【0017】
本明細書でいう「工作機械」とは、ワークを加工する機能を備えた種々の装置を包含する概念である。工作機械100は、横形のマシニングセンタであってもよいし、立形のマシニングセンタであってもよい。あるいは、工作機械100は、旋盤であってもよいし、その他の切削機械、研削機械、複合加工機、5軸加工機などであってもよい。また、工作機械100は、除去加工のみを行うものに限られず、除去加工に加えて付加加工を行うものであってもよい。
【0018】
工作機械100は、たとえば、カバー体130と、チップコンベア150と、操作盤200とを含む。カバー体130は、スプラッシュガードとも呼ばれ、工作機械100の外観を成すとともに、ワークの加工エリアARを区画形成している。
【0019】
工作機械100は、加工エリアARにクーラントを吐出しながらワークを加工する。加工に用いられたクーラントは、ワークの切り屑を加工エリアARからチップコンベア150に流される。チップコンベア150は、クーラントからワークの切り屑を分離し、当該切り屑を排出口27から工作機械100の外に排出する。ワークの切り屑を除去したクーラントは、ワークの加工に再利用される。
【0020】
操作盤200は、汎用のコンピュータであり、加工に関する各種情報を表示するためのディスプレイ206を有する。ディスプレイ206は、たとえば、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、またはその他の表示機器である。また、ディスプレイ206は、タッチパネルを備え、工作機械100に対する各種操作をタッチ操作で受け付ける。
【0021】
<B.表示禁止処理>
次に、
図2を参照して、工作機械100による表示禁止処理について説明する。
図2は、表示禁止処理を説明するための図である。
【0022】
図2に示されるように、工作機械100は、表示禁止処理に係る構成として、制御装置50と、濃度センサ70と、表示機器80とを備える。
【0023】
工作機械100は、加工エリアARにクーラントを吐出しながらワークを加工する。加工エリアARに吐出されたクーラントは、工作機械100内を循環する。
図2には、クーラントの循環経路の一部である流路R1が示されている。
【0024】
流路R1は、クーラントが流れる配管である。流路R1には、濃度センサ70が設けられている。濃度センサ70は、流路R1内のクーラントの濃度を検出するように構成されている。濃度センサ70によって検出されたクーラント濃度は、定期的に制御装置50に出力される。
【0025】
クーラントの濃度は、水分が蒸発することにより工作機械100内を循環している間に変化する。そのため、制御装置50は、クーラント濃度に関する表示事項を表示機器80に表示する。作業者は、当該表示事項を確認することで、クーラント濃度が正常範囲内であるか否かを判断することができる。
【0026】
クーラントの内部には、異物が含まれている。当該異物としては、ワークの切り屑、スラッジ、油分などが挙げられる。異物が濃度センサ70に付着した場合には、濃度センサ70によって検出される濃度値が不安定になる。特に、クーラントが流路R1内を流れていない場合に、異物は、濃度センサ70に蓄積しやすい。
【0027】
異物が濃度センサ70に蓄積した状態では、クーラント濃度の異常が誤って表示機器80で報知されることがある。クーラント濃度の異常が表示機器80で報知されると、作業者は、濃度センサ70を清掃し、濃度センサ70から異物を除去することになる。しかしながら、濃度センサ70に付着した異物は、クーラントが流れ出すことで当該クーラントとともに流れることが多い。そのため、クーラントが流れていない時にクーラント濃度の異常が表示機器80に表示されると、作業者は、本来は行う必要が無い作業を行うことになる。
【0028】
そこで、制御装置50は、クーラントが流路R1を流れているか否かを判断し、クーラントが流路R1を流れていないと判断した場合に、クーラント濃度に関する表示事項を表示機器80に表示することを禁止する。当該禁止処理は、たとえば、制御装置50が濃度センサ70の検出値を破棄することにより実現される。あるいは、当該禁止処理は、制御装置50が濃度センサ70の検出値を特定の値(たとえば、NULL値など)に書き換えることで実現されてもよい。一方で、制御装置50は、クーラントが流路R1を流れていると判断した場合に、クーラント濃度に関する表示事項を表示機器80に表示する。これにより、クーラントの濃度測定に対する信頼性が高くなる。また、濃度センサ70の清掃という余計な手間を作業者にかけさせずに済む。
【0029】
禁止される表示事項は、たとえば、濃度センサ70によって検出されたクーラント濃度と、当該クーラント濃度が予め定められた正常範囲内にあるか否かを示す警告との少なくとも一方を含む。
図2の例では、クーラント濃度と警告との両方の表示が禁止されている。
【0030】
一方で、制御装置50は、クーラントが流路R1を流れていると判断した場合には、表示事項の禁止を解除する。すなわち、この場合には、制御装置50は、濃度センサ70によって検出されたクーラント濃度と、当該クーラント濃度が予め定められた正常範囲内にあるか否かを示す警告とを表示機器80に表示する。当該警告の表示態様は任意である。一例として、当該警告は、正常または異常を示すメッセージとして表示されてもよいし、色の違いで示されてもよい。
【0031】
なお、表示機器80は、工作機械100に設けられている任意の表示機器である。一例として、表示機器80は、上述の操作盤200に設けられているディスプレイ206(
図1参照)であってもよいし、濃度センサ70に設けられているディスプレイ(図示しない)であってもよい。
【0032】
<C.切り屑の排出機構>
次に、
図3を参照して、ワークの加工により発生した切り屑を工作機械100の外部に排出するための機構について説明する。
図3は、工作機械100内の加工エリアARの様子を概略的に示す図である。
【0033】
上述のように、工作機械100は、カバー体130を備える。カバー体130は、工作機械100の外観を成すとともに、ワークの加工を行うための加工エリアARを区画形成している。加工エリアARには、たとえば、主軸132と、クーラントの吐出機構134,136と、チップコンベア150とが設けられている。
【0034】
主軸132は、ハウジングの内部に設けられ、当該ハウジングによって回転可能に支持されている。主軸132には、被加工物であるワークを加工するための工具Tが装着される。主軸132は、その軸方向を中心として工具Tを回転させながら工具Tをワークに接触することでワークを加工する。
【0035】
吐出機構134は、流路R1から圧送される清浄クーラントを加工エリアAR全体に向けて吐出するための機構である。吐出機構134が加工エリアARにクーラントを吐出することで、加工エリアAR内にあるワークの切り屑がチップコンベア150に排出される。
【0036】
吐出機構136は、流路R1から圧送される清浄クーラントをベッドBD上に向けて吐出する。吐出機構136がベッドBD上にクーラントを吐出することで、ベッドBD上に溜まっている切り屑がチップコンベア150に排出される。
【0037】
チップコンベア150は、筐体152と、ドラムフィルタ154と、タンク156とを有する。
【0038】
筐体152は、チップコンベア150の外観を成す。また、筐体152は、ワークの加工に用いられたクーラントが流れ込むように構成されている。
【0039】
ドラムフィルタ154は、筐体152に対して回転可能に支持されているおり、ワークの切り屑などの異物をクーラントから捕集可能に構成されている。ドラムフィルタ154を通過したクーラントは、チップコンベア150のタンク156に排出される。
【0040】
タンク156には、ポンプP0が設けられている。ポンプP0は、ドラムフィルタ154を通過してタンク156に溜まっているクーラントを汲み上げ、当該クーラントを流路RAに圧送する。
【0041】
<D.スラッジの分離機構>
ドラムフィルタ154によって切り屑が分離されたクーラントには、スラッジが含まれている。スラッジとは、ワークの加工により生じる微細な切粉である。
【0042】
以下では、
図4を参照して、スラッジの分離機構について説明する。
図4は、スラッジを分離機構の一例を示す図である。
【0043】
図4に示されるように、工作機械100は、スラッジの分離機構として、タンクSU1と、サイクロンフィルタ400とを含む。
【0044】
上述の流路RA(
図3参照)から圧送されたクーラントは、タンクSU1に溜められる。タンクSU1に溜められているクーラントは、スラッジを含有している。
【0045】
サイクロンフィルタ400は、タンクSU1から供給されるクーラントを遠心力により、清浄なクーラントと汚れたクーラントとに分離する。これにより、清浄なクーラントにおけるスラッジの含有量は、汚れたクーラントにおけるスラッジの含有量よりも少なくなる。
【0046】
より具体的には、サイクロンフィルタ400には、流路R0と、流路R1と、流路R2とが接続されている。流路R0~R2は、配管である。
【0047】
流路R0の一端は、タンクSU1に接続されている。一方で、流路R0の他端は、サイクロンフィルタ400の流入口に接続されている。また、流路R0上には、ポンプP1が設けられている。ポンプP1は、タンクSU1内のクーラントを流路R0に圧送し、サイクロンフィルタ400の流入口に当該クーラントを送る。
【0048】
サイクロンフィルタ400に送られたクーラントは、サイクロンフィルタ400の内部で螺旋状に流れる。この過程で、重いスラッジは、クーラントの一部とともに重力方向に落ちていき、サイクロンフィルタ400の下側の流出口から排出される。これにより、スラッジを多く含む汚れたクーラントが流路R2に排出される。
【0049】
また、サイクロンフィルタ400には、絞り機構402が設けられている。絞り機構402は、流路R2内を流れる汚れたクーラントの流量を制限するための機構である。絞り機構402が抵抗となり、クーラントは、サイクロンフィルタ400の内部で螺旋状に流れている過程で重力方向とは反対側に上昇する。その結果、スラッジを含まない清浄なクーラントが流路R1に排出される。
【0050】
また、流路R1上には、ポンプP2が設けられている。ポンプP2は、サイクロンフィルタ400から清浄クーラントを圧送する。これにより、清浄クーラントは、流路R1内に圧送され、上述の吐出機構134,136などに送られる。
【0051】
なお、
図4の例では、清浄クーラントが流れる流路R1上に濃度センサ70が設けられている例が示されているが、濃度センサ70の設置位置は、流路R1上に限定されない。濃度センサ70は、たとえば、流路RAに設けられてもよいし、流路R0に設けられてもよい。
【0052】
<E.濃度センサ70>
次に、
図5を参照して、上述の
図2に示される濃度センサ70について説明する。
図5は、濃度センサ70の内部構成を説明するための図である。
【0053】
図5には、流路R1内を流れるクーラントCLが示されている。濃度センサ70は、クーラントCL中に差し込まれている。
【0054】
クーラントCLの濃度が変化すると、クーラントCLの屈折率が変化する。濃度センサ70は、このような特性を利用してクーラントCLの濃度を検出する。
【0055】
より具体的には、濃度センサ70は、光源71と、投光レンズ72と、拡散板73と、プリズム74と、受光レンズ75と、撮像素子76とを備える。
【0056】
光源71は、たとえば、LED(Light Emitting Diode)などの発光体である。投光レンズ72は、光源71によって発せられた光を受けて、各箇所で受けた入射光を平行にするように構成されている。
【0057】
拡散板73は、投光レンズ72を通過した平行光を拡散する。拡散板73によって拡散された光は、プリズム74の面SF1で受けられる。
【0058】
プリズム74の面SF2は、クーラントCLと接している。拡散板73で拡散された光は、面SF1を通じてプリズム74の内部に入り、クーラントCLとの接触面である面SF2で反射する。当該反射光は、面SF3を通じてプリズム74の外部に出る。
【0059】
プリズム74の面SF3を通過した光は、受光レンズ75によって集光され、撮像素子76で受けられる。撮像素子76は、たとえば、一列に並べられたCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)センサで構成される。クーラントCLの濃度が変化すると、屈折率が変化し、撮像素子76に入射する光の位置が変化する。すなわち、各CMOSの受光量は、クーラントCLの濃度に応じて変化する。このような特性を利用して、濃度センサ70は、クーラント濃度を検出する。
【0060】
異物がプリズム74の面SF2に付着した場合には、濃度センサ70の検出値が不安定になる。特に、クーラントCLが流路R1を流れていない場合には、異物がプリズム74の面SF2に蓄積しやすい。このようなクーラントCLが流路R1を流れていない場合には、工作機械100は、濃度センサ70の検出値に関する表示事項を表示機器80に表示しない。濃度センサ70の検出値が不安定なときに、濃度センサ70の検出値の表示を禁止することで、クーラントの濃度測定に対する信頼性が高くなる。
【0061】
また、クーラント濃度の異常が表示機器80に示されると、作業者は、プリズム74を清掃することになる。しかしながら、プリズム74に付着した異物は、クーラントCLが流れ出すことでクーラントCLとともに流れることが多い。そのため、クーラントCLが流れていない時にクーラントCL濃度の異常が表示機器80に表示されると、作業者は、本来は行う必要が無い作業を行うことになる。クーラントCLが流路R1を流れていない場合に、クーラントCL濃度に関する表示事項が表示機器80に表示されないことで、上記のような余計な手間を作業者にかけることを防止することができる。
【0062】
なお、上述では、クーラントCL中に差し込まれるタイプの濃度センサ70について説明を行ったが、濃度センサ70のタイプは、これに限定されない。一例として、濃度センサ70は、プリズム74の面SF2のみがクーラントCLに接するタイプのセンサであってもよい。この場合、プリズム74の面SF2が流路R1の一部を構成することになり、プリズム74の面SF2以外は、流路R1の外部に設けられることになる。また、上述では、光学式の濃度センサ70について説明を行ったが、濃度センサ70は、光学式に限定されない。
【0063】
<F.駆動機構>
次に、
図6を参照して、工作機械100における各種の駆動機構について説明する。
図6は、工作機械100における駆動機構の構成例を示す図である。
【0064】
図6に示されるように、工作機械100は、駆動機構に係る構成として、制御装置50と、モータドライバ111A~111Dと、モータMA~M3と、上述のポンプP0~P2と、上述のチップコンベア150とを含む。
【0065】
上述のように、ポンプP0は、流路RA(
図3および
図4参照)にクーラントを圧送するための装置である。ポンプP0には、モータMAが接続されている。モータMAは、交流モータであってもよいし、ステッピングモータであってもよいし、サーボモータであってもよいし、その他の種類のモータであってもよい。
【0066】
モータMAは、モータドライバ111Aによって駆動される。モータドライバ111Aは、制御回路およびインバータなどで構成される。モータドライバ111Aは、制御装置50から制御信号の入力を受け、当該制御信号に応じた周波数の交流電流をモータMAに出力する。これにより、モータMAの回転数が変化し、上述の流路RAに圧送されるクーラントの流量が制御される。
【0067】
上述のように、ポンプP1は、流路R0(
図4参照)にクーラントを圧送するための装置である。ポンプP1には、モータMBが接続されている。モータMBは、交流モータであってもよいし、ステッピングモータであってもよいし、サーボモータであってもよいし、その他の種類のモータであってもよい。
【0068】
モータMBは、モータドライバ111Bによって駆動される。モータドライバ111Bは、制御回路およびインバータなどで構成される。モータドライバ111Bは、制御装置50から制御信号の入力を受け、当該制御信号に応じた周波数の交流電流をモータMBに出力する。これにより、モータMBの回転数が変化し、上述の流路R0に圧送されるクーラントの流量が制御される。
【0069】
上述のように、ポンプP2は、流路R1(
図3および
図4参照)にクーラントを圧送するための装置である。ポンプP2には、モータMCが接続されている。モータMCは、交流モータであってもよいし、ステッピングモータであってもよいし、サーボモータであってもよいし、その他の種類のモータであってもよい。
【0070】
モータMCは、モータドライバ111Cによって駆動される。モータドライバ111Cは、制御回路およびインバータなどで構成される。モータドライバ111Cは、制御装置50から制御信号の入力を受け、当該制御信号に応じた周波数の交流電流をモータMCに出力する。これにより、モータMCの回転数が変化し、上述の流路R1に圧送されるクーラントの流量が制御される。
【0071】
上述のチップコンベア150(
図3参照)には、モータMDが接続されている。モータMDは、交流モータであってもよいし、ステッピングモータであってもよいし、サーボモータであってもよいし、その他の種類のモータであってもよい。
【0072】
モータMDは、モータドライバ111Dによって駆動される。モータドライバ111Dは、制御回路およびインバータなどで構成される。モータドライバ111Dは、制御装置50から制御信号の入力を受け、当該制御信号に応じた周波数の交流電流をモータMDに出力する。これにより、モータMDの回転数が変化し、チップコンベア150におけるコンベアの回転速度が制御される。
【0073】
<G.CPUユニット20のハードウェア構成>
次に、
図7を参照して、上述の
図2に示される制御装置50の一例であるCPUユニット20のハードウェア構成について説明する。
図7は、CPUユニット20のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0074】
CPUユニット20は、制御回路101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、通信インターフェイス104,105と、補助記憶装置120とを含む。これらのコンポーネントは、内部バス109に接続される。
【0075】
制御回路101は、たとえば、少なくとも1つの集積回路によって構成される。集積回路は、たとえば、少なくとも1つのCPU、少なくとも1つのGPU(Graphics Processing Unit)、少なくとも1つのASIC(Application Specific Integrated Circuit)、少なくとも1つのFPGA(Field Programmable Gate Array)、またはそれらの組み合わせなどによって構成され得る。
【0076】
制御回路101は、制御プログラム122などの各種プログラムを実行することでCPUユニット20の動作を制御する。制御プログラム122は、本明細書で記載されている各種処理を実現するためのプログラムである。制御回路101は、制御プログラム122の実行命令を受け付けたことに基づいて、補助記憶装置120またはROM102からRAM103に制御プログラム122を読み出す。RAM103は、ワーキングメモリとして機能し、制御プログラム122の実行に必要な各種データを一時的に格納する。
【0077】
通信インターフェイス104は、フィールドネットワークを用いて外部機器と定周期通信を行なうためのインターフェイスである。当該外部機器は、たとえば、上述の濃度センサ70と、上述のモータドライバ111A~111Dとを含む。フィールドネットワークとしては、たとえば、EtherCAT(登録商標)、EtherNet/IP(登録商標)、CC-Link(登録商標)、またはCompoNet(登録商標)などが採用される。
【0078】
通信インターフェイス105には、LANやアンテナなどが接続される。CPUユニット20は、通信インターフェイス105を介してネットワークに接続される。これにより、CPUユニット20は、ネットワークに接続される外部機器とデータをやり取りする。当該外部機器は、たとえば、上述の操作盤200やサーバー(図示しない)などを含む。
【0079】
補助記憶装置120は、たとえば、ハードディスクやフラッシュメモリなどの記憶媒体である。補助記憶装置120は、制御プログラム122などを格納する。なお、制御プログラム122の格納場所は、補助記憶装置120に限定されず、制御回路101の記憶領域(たとえば、キャッシュメモリ)、ROM102、RAM103、外部機器(たとえば、サーバー)などに格納されていてもよい。
【0080】
また、制御プログラム122は、単体のプログラムとしてではなく、任意のプログラムの一部に組み込まれて提供されてもよい。この場合、本実施の形態に従う各種処理は、任意のプログラムと協働して実現される。このような一部のモジュールを含まないプログラムであっても、本実施の形態に従う制御プログラム122の趣旨を逸脱するものではない。さらに、制御プログラム122によって提供される機能の一部または全部は、専用のハードウェアによって実現されてもよい。さらに、少なくとも1つのサーバーが制御プログラム122の処理の一部を実行する所謂クラウドサービスのような形態で制御装置50が構成されてもよい。
【0081】
<H.操作盤200のハードウェア構成>
次に、
図8を参照して、上述の
図2に示される制御装置50の一例である操作盤200のハードウェア構成について説明する。
図8は、操作盤200のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0082】
操作盤200は、制御回路201と、ROM202と、RAM203と、通信インターフェイス204と、表示インターフェイス205と、入力インターフェイス207と、補助記憶装置220とを含む。これらのコンポーネントは、バス209に接続される。
【0083】
制御回路201は、たとえば、少なくとも1つの集積回路によって構成される。集積回路は、たとえば、少なくとも1つのCPU、少なくとも1つのGPU、少なくとも1つのASIC、少なくとも1つのFPGA、またはそれらの組み合わせなどによって構成され得る。
【0084】
制御回路201は、制御プログラム222やオペレーティングシステムなどの各種プログラムを実行することで操作盤200の動作を制御する。制御回路201は、制御プログラム222の実行命令を受け付けたことに基づいて、補助記憶装置220またはROM202からRAM203に制御プログラム222を読み出す。RAM203は、ワーキングメモリとして機能し、制御プログラム222の実行に必要な各種データを一時的に格納する。
【0085】
通信インターフェイス204には、LANやアンテナなどが接続される。操作盤200は、通信インターフェイス204を介してネットワークに接続される。これにより、操作盤200は、ネットワークに接続される外部機器とデータをやり取りする。当該外部機器は、たとえば、上述のCPUユニット20やサーバー(図示しない)などを含む。
【0086】
表示インターフェイス205には、ディスプレイ206が接続される。表示インターフェイス205は、制御回路201などからの指令に従って、ディスプレイ206に対して、画像を表示するための画像信号を送出する。ディスプレイ206は、たとえば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、またはその他の表示機器である。なお、ディスプレイ206は、操作盤200と一体的に構成されてもよいし、操作盤200とは別に構成されてもよい。
【0087】
入力インターフェイス207には、入力デバイス208が接続される。入力デバイス208は、たとえば、マウス、キーボード、タッチパネル、またはユーザの操作を受け付けることが可能なその他の装置である。なお、入力デバイス208は、操作盤200と一体的に構成されてもよいし、操作盤200とは別に構成されてもよい。
【0088】
補助記憶装置220は、たとえば、ハードディスクやフラッシュメモリなどの記憶媒体である。補助記憶装置220は、制御プログラム222などを格納する。制御プログラム222の格納場所は、補助記憶装置220に限定されず、制御回路201の記憶領域(たとえば、キャッシュメモリなど)、ROM202、RAM203、または外部機器(たとえば、サーバー)などに格納されていてもよい。
【0089】
また、制御プログラム222は、単体のプログラムとしてではなく、任意のプログラムの一部に組み込まれて提供されてもよい。この場合、本実施の形態に従う各種処理は、任意のプログラムと協働して実現される。このような一部のモジュールを含まないプログラムであっても、本実施の形態に従う制御プログラム222の趣旨を逸脱するものではない。さらに、制御プログラム222によって提供される機能の一部または全部は、専用のハードウェアによって実現されてもよい。さらに、少なくとも1つのサーバーが制御プログラム222の処理の一部を実行する所謂クラウドサービスのような形態で制御装置50が構成されてもよい。
【0090】
<J.フローチャート>
次に、
図9を参照して、工作機械100の表示処理について説明する。
図9は、工作機械100の表示処理の流れを示すフローチャートである。
【0091】
図9に示される処理は、制御装置50の一例であるCPUユニット20によって実行される。あるいは、
図9に示される処理は、制御装置50の一例である操作盤200によって実行される。あるいは、
図9に示される処理は、制御装置50の一例であるCPUユニット20と操作盤200とが協働することにより実現される。他の局面において、処理の一部または全部が、CNC(Computer Numerical Control)、回路素子、またはその他のハードウェアによって実行されてもよい。
【0092】
ステップS110において、制御装置50は、工作機械100内のクーラントの流れを制御するための制御情報に基づいて、濃度センサ70が設けられている流路(たとえば、流路R1)においてクーラントが流れているか否かを判断する。以下では、濃度センサ70が流路R1に設けられている前提で説明を行うが、濃度センサ70は、流路R1以外の流路(たとえば、流路R1,R0など)に設けられてもよい。
【0093】
クーラントが流路R1内を流れているか否かは、種々の方法で判断される。一例として、制御装置50は、クーラントを流路R1に送るための上述のポンプP2が駆動されている場合に、クーラントが流路R1を流れていると判断する。一方で、制御装置50は、ポンプP2が駆動されていない場合に、クーラントが流路R1を流れていないと判断する。
【0094】
なお、クーラントは、流路RA、R0、R1を循環する。そのため、制御装置50は、ポンプP2の制御情報ではなく、流路RAにクーラントを送るための上述のポンプP0の制御情報に基づいて、クーラントが流路R1を流れているか否かを判断してもよい。あるいは、制御装置50は、流路R0にクーラントを送るための上述のポンプP1の制御情報に基づいて、クーラントが流路R1を流れているか否かを判断してもよい。
【0095】
他の例として、流量センサ(図示しない)がクーラントの流路(たとえば、流路RA,R0,R1,R2のいずれか)に設けられており、制御装置50は、当該流量センサ(図示しない)の出力値に基づいて、クーラントが流路R1内を流れているか否かを判断する。この場合、制御装置50は、当該流量センサの出力値が所定値を超えている場合に、クーラントが流路R1内を流れていると判断する。一方で、制御装置50は、当該流量センサの出力値が所定値以下である場合に、クーラントが流路R1内を流れていないと判断する。
【0096】
制御装置50は、クーラントが流路R1内を流れていると判断した場合(ステップS110においてYES)、制御をステップS120に切り替える。そうでない場合には(ステップS110においてNO)、制御装置50は、制御をステップS112に切り替える。
【0097】
ステップS112において、制御装置50は、上述の濃度センサ70によって検出されたクーラント濃度に関して表示を禁止する。当該表示の禁止処理については、
図2で説明した通りであるので、その説明については繰り返さない。
【0098】
ステップS120において、制御装置50は、上述の濃度センサ70によって検出されたクーラント濃度を取得する。
【0099】
ステップS130において、制御装置50は、ステップS120で取得したクーラント濃度が予め定められた正常範囲内であるか否かを判断する。当該正常範囲は、下限と上限との少なくとも一方で規定されている。当該正常範囲は、予め設定されていてもよいし、ユーザによって任意に設定されてもよい。制御装置50は、ステップS120で取得したクーラント濃度が予め定められた正常範囲内であると判断した場合(ステップS130においてYES)、制御をステップS132に切り替える。そうでない場合には(ステップS130においてNO)、制御装置50は、制御をステップS142に切り替える。
【0100】
ステップS132において、制御装置50は、クーラント濃度が正常であることを報知するための表示処理を実行する。一例として、制御装置50は、クーラント濃度の値と、クーラント濃度が正常であることを示すメッセージとを表示機器80に表示する。好ましくは、当該値および当該メッセージは、正常を示す特定の色(たとえば、緑色)で表示される。
【0101】
ステップS142において、制御装置50は、クーラント濃度が異常であることを報知するための表示処理を実行する。一例として、制御装置50は、クーラント濃度の値と、クーラント濃度が異常であることを示すメッセージとを表示機器80に表示する。好ましくは、当該値および当該メッセージは、ステップS132での表示とは異なる色で表示される。一例として、当該値および当該メッセージは、異常を示す特定の色(たとえば、黄色または赤色)で表示される。
【0102】
なお、上述では、ステップS120の処理がステップS110の後に実行される例について説明を行ったが、ステップS120の処理は、ステップS110の前に実行されてもよい。この場合、制御装置50は、クーラントが流れているか否かに関わらず、濃度センサ70からクーラント濃度を取得する。そして、制御装置50は、クーラントが流れていない場合には、当該取得したクーラント濃度を破棄する。
【0103】
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0104】
20 CPUユニット、27 排出口、50 制御装置、70 濃度センサ、71 光源、72 投光レンズ、73 拡散板、74 プリズム、75 受光レンズ、76 撮像素子、80 表示機器、100 工作機械、101 制御回路、102 ROM、103 RAM、104 通信インターフェイス、105 通信インターフェイス、109 内部バス、111A モータドライバ、111B モータドライバ、111C モータドライバ、111D モータドライバ、120 補助記憶装置、122 制御プログラム、130 カバー体、132 主軸、134 吐出機構、136 吐出機構、150 チップコンベア、152 筐体、154 ドラムフィルタ、156 タンク、200 操作盤、201 制御回路、202 ROM、203 RAM、204 通信インターフェイス、205 表示インターフェイス、206 ディスプレイ、207 入力インターフェイス、208 入力デバイス、209 バス、220 補助記憶装置、222 制御プログラム、400 サイクロンフィルタ、402 絞り機構、AR 加工エリア、BD ベッド、CL クーラント、MA モータ、MB モータ、MC モータ、MD モータ、P0 ポンプ、P1 ポンプ、P2 ポンプ、R0 流路、R1 流路、R2 流路、RA 流路、SF1 面、SF2 面、SF3 面、SU1 タンク、T 工具。
【要約】
【課題】濃度センサの値が不安定な際に対処するための技術が求められている。
【解決手段】ワークを加工することが可能な工作機械は、表示機器と、クーラントの流路と、流路に設けられており、流路内のクーラントの濃度を検出するための濃度センサと、制御装置とを備える。制御装置は、クーラントが流路を流れているか否かを判断する処理と、クーラントが流路を流れていないと判断した場合に、濃度に関する表示事項を表示機器に表示することを禁止する処理とを実行する。
【選択図】
図2