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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】パッケージ基板の製作方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/12 20060101AFI20240806BHJP
【FI】
H01L23/12 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023502730
(86)(22)【出願日】2021-07-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-08
(86)【国際出願番号】 CN2021105394
(87)【国際公開番号】W WO2022012422
(87)【国際公開日】2022-01-20
【審査請求日】2023-01-13
(31)【優先権主張番号】202010679169.X
(32)【優先日】2020-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520350546
【氏名又は名称】珠海越亜半導体股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHUHAI ACCESS SEMICONDUCTOR CO., LTD
(73)【特許権者】
【識別番号】517438583
【氏名又は名称】ネクスペリア ベー.フェー.
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100196117
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 利恵
(72)【発明者】
【氏名】陳 先明
(72)【発明者】
【氏名】バーマイスター フランク
(72)【発明者】
【氏名】馮 磊
(72)【発明者】
【氏名】趙 玉君
(72)【発明者】
【氏名】黄 本霞
(72)【発明者】
【氏名】易 錦馨
(72)【発明者】
【氏名】馮 進▲東▼
(72)【発明者】
【氏名】李 源
(72)【発明者】
【氏名】姜 麗娜
(72)【発明者】
【氏名】テナ エドワード
(72)【発明者】
【氏名】王 聞▲師▼
【審査官】庄司 一隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-013092(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0084370(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0270211(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0291228(US,A1)
【文献】特開2018-093141(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0287930(US,A1)
【文献】特開2005-064498(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0037601(US,A1)
【文献】特開2010-157777(JP,A)
【文献】特開2011-258909(JP,A)
【文献】特開平09-064231(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベアリングプレート(700)を提供し、前記ベアリングプレート(700)上に第1の配線層(210)のパターンを製作し、金属を堆積させ、前記第1の配線層(210)を形成することと、
前記第1の配線層(210)の上面にキャビティ(240)パターンを製作し、金属を堆積させ且つエッチングして金属キャビティ(230)を形成し、前記金属キャビティ(230)の表面に誘電層(100)を圧着して薄くし、前記金属キャビティ(230)の上面を露出させることと、
前記ベアリングプレート(700)を除去し、前記金属キャビティ(230)をエッチングしてキャビティ(240)を露出させ、前記キャビティ(240)の表面と側壁及び前記誘電層(100)の表面に金属を堆積させてパターン製作とエッチングを行い、第2の配線層(220)を形成することと、
前記第1の配線層(210)と前記第2の配線層(220)の表面に第1のソルダレジスタ層(310)と第2のソルダレジスタ層(320)をそれぞれ対応して形成し、前記第1のソルダレジスタ層(310)又は前記第2のソルダレジスタ層(320)に対してパターン製作を行ってパッド(330)を形成することと、
前記キャビティ(240)、前記第1の配線層(210)、前記第2の配線層(220)、前記第1のソルダレジスタ層(310)と前記第2のソルダレジスタ層(320)を切断することと、を含む、
ことを特徴とするパッケージ基板の製作方法。
【請求項2】
前述した、金属を堆積させることは、順次に、金属シード層(500)を堆積させることと、配線層を堆積させることとを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のパッケージ基板の製作方法。
【請求項3】
前記金属シード層(500)の材料は、金属チタンと金属銅を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載のパッケージ基板の製作方法。
【請求項4】
前記配線層と前記パッド(330)の表面にそれぞれ設置される保護層(400)をさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のパッケージ基板の製作方法。
【請求項5】
前記保護層(400)の材料は、ニッケルパラジウム金、ニッケル金、スズ、銀、プレフラックスを含む
請求項4に記載のパッケージ基板の製作方法。
【請求項6】
金属を堆積させる方式は、
物理スパッタリングによって金属堆積を行うことと、
無電解メッキによって金属堆積を行うことと、のうちの少なくとも1つを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のパッケージ基板の製作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、半導体パッケージの技術分野に関し、特にパッケージ基板の製作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロエレクトロニクス技術の発展に伴い、電子産業はますます複雑化・小型化しており、特に携帯電話や携帯型パソコンなどのモバイルデバイスにますます多くの半導体デバイスが集積されている。電子機器の中核となるチップも複雑化しており、より多くの機能ニーズに対応するためには、より多くの入出力接点を必要としている。
【0003】
チップパッケージは、ピンの種類に応じてピンありパッケージとピンなしパッケージに分けることができ、ピンなしパッケージ半導体デバイスは、ピンありパッケージに対して、リードインダクタンスが低く、熱伝導が良好であり、パッケージの厚さが軽くて薄いという利点があり、PCB(プリント回路基板)上での占有面積を小さくすることができる。
【0004】
リードレスパッケージ半導体デバイスには、通常、Leadframe(リードフレーム)をベースにパッケージを完成したQFN(角型フラットリードレスデバイス)と有機パッケージ基板をベースに完成したLGA(Land Grid Array、グリッドアレイパッケージ)とBGA(Ball Grid Array、ボールグリッドアレイパッケージ)があり、前者については、QFNをPCB上に取り付けた後、自動光学検査システムを使用してその溶接状況に対して欠陥検出を行うことができ、後者については、LGAやBGAのピン設計がパッケージのエッジを避けて露出できないため、検出の不感帯が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願は、関連技術における技術課題の1つを少なくともある程度解決することを意図する。このため、本願は、パッケージ基板の製作方法を提供し、以下は、本明細書で詳細に記述されているテーマへの概要である。本概要は、特許請求の範囲の保護範囲を限定するものではない。前記技術案は、以下の通りである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様では、本願の実施形態は、パッケージ基板の製作方法を提供し、前記方法は、
ベアリングプレートを提供し、ベアリングプレート上に第1の配線層のパターンを製作し、金属を堆積させ、第1の配線層を形成することと、
第1の配線層の上面に金キャビティパターンを製作し、金属を堆積させ且つエッチングして金属キャビティを形成し、前記金属キャビティの表面に誘電層を圧着して薄くし、前記金属キャビティの上面を露出させることと、
前記ベアリングプレートを除去し、前記金属キャビティをエッチングしてキャビティを露出させ、前記キャビティの表面と側壁及び誘電層の表面に金属を堆積させてパターン製作とエッチングを行い、第2の配線層を形成することと、
前記第1の配線層と前記第2の配線層の表面に第1のソルダレジスタ層と第2のソルダレジスタ層をそれぞれ対応して形成し、前記第1のソルダレジスタ層又は前記第2のソルダレジスタ層に対してパターン製作を行ってパッドを形成することと、
前記キャビティ、前記第1の配線層、前記第2の配線層、前記第1のソルダレジスタ層と前記第2のソルダレジスタ層を切断することと、を含む。
【0007】
本願の第1の態様の実施形態によるパッケージ基板の製作方法は少なくとも以下の有益な効果を有する。第1に、本願により提供されるパッケージ基板は、電子部品のピン溶接点をパッケージ基板の側辺に引き出すことができ、光学検出を容易にし、溶接状況を直接判断することができる。第2に、本願は、パッケージ基板上に多層配線の再分布を実現することができ、ワイヤボンディングとチップのダイパッケージ、及びマルチチップとマルチデバイスの集積パッケージに適用され、基板機能の多元化と集積化を向上させる。第3に、本願により提供されるパッケージ基板は、パッケージフローが簡単で、生産コストを削減する。
【0008】
選択的に、本願の一実施形態では、前記金属を堆積させることは、順次に、金属シード層を堆積させることと、配線層を堆積させることとを含む。
【0009】
選択的に、本願の一実施形態では、前記金属シード層の材料は、金属チタンと金属銅を含む。
【0010】
選択的に、本願の一実施形態では、前記配線層と前記パッドの表面に設置される保護層を形成することがさらに含まれる。
【0011】
選択的に、本願の一実施形態では、前記保護層の材料は、ニッケルパラジウム金、ニッケル金、スズ、銀、プレフラックスを含む。
【0012】
選択的に、本願の一実施形態では、金属を堆積させる方式は、
物理スパッタリングによって金属堆積を行うことと、
無電解メッキによって金属堆積を行うことと、のうちの少なくとも1つを含む。
【0013】
第2の態様では、本願の実施形態は、別のパッケージ基板の製作方法を提供し、前記方法は、
ベアリングプレートを提供し、ベアリングプレート上に第1の配線層のパターンを製作し、金属を堆積させ、第1の配線層を形成することと、
前記第1の配線層の上面に誘電層を積層し、前記誘電層に対してドリルを行い、キャビティを形成することと、
前記ベアリングプレートを除去し、前記キャビティの表面と側壁及び誘電層の表面に金属を堆積させてパターン製作とエッチングを行い、第2の配線層と第3の配線層を形成することと、前記第1の配線層と前記第2の配線層の表面に第1のソルダレジスタ層と第2のソルダレジスタ層をそれぞれ対応して形成し、前記第1のソルダレジスタ層又は前記第2のソルダレジスタ層に対してパターン製作を行ってパッドを形成することと、前記キャビティ、前記第1の配線層、前記第2の配線層、前記第1のソルダレジスタ層と前記第2のソルダレジスタ層を切断することと、を含む。
【0014】
本願の第2の態様の実施形態によるパッケージ基板の製作方法は少なくとも以下の有益な効果を有する。第1に、本願により提供されるパッケージ基板は、電子部品のピン溶接点をパッケージ基板の側辺に引き出すことができ、光学検出を容易にし、溶接状況を直接判断することができる。第2に、本願は、パッケージ基板上に多層配線の再分布を実現することができ、ワイヤボンディングとチップのダイパッケージ、及びマルチチップとマルチデバイスの集積パッケージに適用され、基板機能の多元化と集積化を向上させる。第3に、本願により提供されるパッケージ基板は、パッケージフローが簡単で、生産コストを削減する。
【0015】
選択的に、本願の一実施形態では、レーザでドリルする方式で前記誘電層に対してドリルを行う。
【0016】
選択的に、本願の一実施形態では、前記誘電層の材料は、プリプレグ、フィルム型樹脂とポリエチレン樹脂を含む。
【0017】
選択的に、本願の一実施形態では、前記誘電層(100)の厚さは、180um~250umの間にある。
【0018】
本願の他の特徴と利点は、後の明細書で説明され、部分的に明細書から明らかになるか、又は本願を実施することによって理解される。本願の目的と他の利点は、明細書、特許請求の範囲及び添付図面において特に指摘されている構造によって実現されて取得されることができる。
【0019】
添付図面は、本願の技術的解決手段を更に理解するために提供され、明細書の一部を構成し、本願の実施形態とともに本願の技術的解決手段を説明するためのものであり、本願の技術的解決手段を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、本願の一実施形態によるパッケージ基板の断面図である。
図2図2は、本願の別の実施形態によるパッケージ基板の製作方法ステップに対応する断面図である。
図3図3は、本願の別の実施形態によるパッケージ基板の製作方法ステップに対応する断面図である。
図4図4は、本願の別の実施形態によるパッケージ基板の製作方法ステップに対応する断面図である。
図5図5は、本願の別の実施形態によるパッケージ基板の製作方法ステップに対応する断面図である。
図6図6は、本願の別の実施形態によるパッケージ基板の製作方法ステップに対応する断面図である。
図7図7は、本願の別の実施形態によるパッケージ基板の製作方法ステップに対応する断面図である。
図8図8は、本願の別の実施形態によるパッケージ基板の製作方法ステップに対応する断面図である。
図9図9は、本願の別の実施形態によるパッケージ基板の製作方法ステップに対応する断面図である。
図10図10は、本願の別の実施形態によるパッケージ基板の製作方法ステップに対応する断面図である。
図11図11は、本願の別の実施形態によるパッケージ基板の製作方法ステップに対応する断面図である。
図12図12は、本願の別の実施形態によるパッケージ基板の製作方法ステップに対応する断面図である。
図13図13は、本願の別の実施形態によるパッケージ基板の製作方法ステップに対応する断面図である。
図14図14は、本願の別の実施形態によるパッケージ基板の製作方法ステップに対応する断面図である。
図15図15は、本願の別の実施形態によるパッケージ基板の製作方法ステップに対応する断面図である。
図16図16は、本願の別の実施形態によるパッケージ基板の製作方法ステップに対応する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本願の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下、図面と実施形態を参照しながら、本出願についてさらに詳細に説明する。ここに記述されている具体的な実施形態は、本願を解釈するためにのみ用いられ、本願を限定するためのものではないので、技術的な実質的意味を持たず、いかなる構造の修飾、比率関係の変更又は大きさの調整は、本願がもたらすことができる効果及び達成することができる目的に影響を与えることなく、本願に掲示される技術的内容がカバーすることができる範囲内に属すべきである。
【0022】
本部分は、本願の具体的な実施形態について詳細に記述し、本願の好ましい実施形態は、添付図面で示されており、添付図面は、明細書の文字部分の記述を図形で補足することで、本願の各技術的特徴及び全体的な技術案を直感的かつイメージ的に理解することができるようにすることを目的とするが、本願の保護範囲を制限するものと理解されるべきではない。
【0023】
本願の説明では、「いくつか」の意味は、1つ又は複数であり、「複数」の意味は、2つ及び2つ以上であり、よりも大きいこと、よりも小さいこと、超えることなどは、本数を含まないものとして理解され、「以上」、「以下」、「以内」などは、本数を含むものとして理解される。第1、第2が説明されている場合、それらは、単に技術的特徴を区別することを目的としたものであり、相対的重要性を指示又は暗示しているか、又は指示された技術的特徴の数を暗示しているか、又は指示された技術的特徴の前後関係を暗示していると理解されるべきではない。
【0024】
図1を参照すると、本願の一実施形態によるパッケージ基板は、誘電層100と、誘電層100の上面と下面にそれぞれ設置される第1の配線層210と第2の配線層220を含む配線層であって、ここで第1の配線層210が誘電層100の上面水平層から誘電層100の両端を延伸し、第2の配線層220が誘電層100の下面から延伸して誘電層100の側壁を経て第1の配線層210と重なり、サイドウィング構造を形成する配線層と、第1の配線層210と第2の配線層220の表面にそれぞれ設置される第1のソルダレジスタ層310と第2のソルダレジスタ層320を含むソルダレジスタ層であって、第1のソルダレジスタ層310又は第2のソルダレジスタ層320のうちの1つに配線層に接続されるパッド330が設置されるソルダレジスタ層とを含む。
【0025】
一実施形態では、誘電層100の上面と下面に第1の配線層210と第2の配線層220がそれぞれ被覆され、第1の配線層210と第2の配線層220の表面にソルダレジスタ層とパッド330が設置され、ここでパッケージ基板上に取り付けられる電子部品のピンに接続するためのパッド330が第1の配線層210に連通し、第1の配線層210が誘電層100の上面水平層から誘電層100の両端を延伸し、第2の配線層220が誘電層100の下面から延伸して誘電層100の側壁を経て第1の配線層210と重なり、サイドウィング構造を形成し、第1の配線層210と第2の配線層220とが誘電層100を内部に包み込み、誘電層100とサイドウィング構造とがスライド溝キャビティ240構造を構成し、LGA又はBGA等のピン位置の非側辺に露出した半導体電子部品を取り付ける場合、デバイスの下面に位置するピンがパッド330に接続され、パッド330が第1の配線層210に接続され、第1の配線層210がまたサイドウィング構造により引き出され、さらに電子部品の電気的特性を誘電層100の両側辺のサイドウィング構造上に引き出し、PCB溶接を行う場合、キャビティ240構造における第2の配線層220の表面にスズ鉛ハンダ、銀ハンダ、銅ハンダ等を含む溶接材料を浸潤すればよい。
【0026】
図1を参照すると、本願の一実施形態は、パッケージ基板を提供し、第1の配線層210と第2の配線層220は、絶縁材料により分離される第1の配線層の第1の端と第1の配線層の第2の端及び第2の配線層の第1の端と第2の配線層の第2の端をそれぞれ含む。
【0027】
一実施形態では、第1の配線層210と第2の配線層220は、2つの部分をそれぞれ含み、第1の配線層210の2つの部分は、2つのパッドの下面にそれぞれ対応して設置され、2つのパッドは、電子部品の正極と負極ピン上にそれぞれ接続され、第1の配線層の第1の端と第1の配線層の第2の端によって電子部品の正極と負極を基板の両側辺に引き出し、第2の配線層の第1の端と第2の配線層の第2の端に接続し、電気的区別を実現する。なお、基板上に複数のパッドが存在して複数の電子部品に対応して接続される場合、第1の配線層又は第2の配線層は、2つの部分からなり同一の電子部品の正負極に対応して接続することができ、第1の配線層又は第2の配線層は、非切断構造であってもよく、一層の金属で形成されたストリップ構造は、2つのパッドに接続され、2つのパッドは、1つの電子部品の正極(負極)と別の電子部品の負極(正極)にそれぞれ対応し、複数の電子部品の電気的接続を行う。
【0028】
図1を参照すると、本願の一実施形態は、パッケージ基板を提供し、配線層とパッド330の表面に設置される保護層400をさらに含み、一実施形態では、第2の配線層220とパッド330の表面に一層の保護層400が被覆され、保護層400を被覆することによって、露出した第2の配線層220又はパッド330の酸化を防止し、基板の信頼性を補強することができる。
【0029】
図1を参照すると、本願の一実施形態は、パッケージ基板を提供し、保護層400の材料は、ニッケルパラジウム金、ニッケル金、スズ、銀、プレフラックスを含む。
【0030】
上記パッケージ基板に基づき、本願のパッケージ基板の製作方法の各実施形態を提供する。
【0031】
図2図11を参照すると、本願の別の実施形態は、パッケージ基板の製作方法をさらに提供し、該方法は、以下のステップを含むが、それらに限らない。
【0032】
ステップS101:ベアリングプレート700を提供し、ベアリングプレート700上に第1の配線層210のパターンを製作し、金属を堆積させ、第1の配線層210を形成する。具体的には、図2に示すように、ベアリングプレート700の上面に感光性ドライフィルム600を施し、露光現像によって第1の配線層210のパターンを形成し、そしてメッキによって第1の配線層210を形成する。なお、ベアリングプレート700の両面は、取り外し可能な二層銅張積層板を含み、ベアリングプレート700の両面に第1の配線層210を形成することができ、本願の一実施形態では、好ましくは、単面を例として製作ステップを記述する。
【0033】
ステップS102:第1の配線層210の上面にキャビティ240のパターンを製作し、金属を堆積させ且つエッチングして金属キャビティ230を形成し、金属キャビティ230の表面に誘電層100を圧着して薄くし、金属キャビティ230の上面を露出させる。具体的には、図3に示すように、さらに感光性ドライフィルム600上に一層の感光性ドライフィルム600を付着し、露光現像によってキャビティ240のパターン製作を行い、メッキ又は無電解メッキによって保護層400を形成し、さらにメッキで金属キャビティ230を形成し、離膜薬液を利用して第1の感光性ドライフィルム600と第2の感光性ドライフィルム600を除去し、金属キャビティ230の上面と側壁を露出させる。図4に示すように、誘電層100を積載して積層し、図5に示すように、ストリップ金属キャビティ230の上面を露出させるまで、研削プロセスによって誘電体材料を薄くして平坦化し、金属キャビティ230の上面と誘電層100の上面とを同一平面にし、ベアリングプレート700を誘電層100から分離し、第1の配線層210と誘電層100の下面とを同一表面にする。
【0034】
なお、保護層400の材料は、化学的特性が不活性な金属、例えばニッケル、チタン等であり、誘電層100の材料は、プリプレグ(PP)、フィルム型樹脂(ABF)又はエポキシ樹脂(PID)を含み、プリプレグとフィルム型樹脂は、プラズマエッチング、研削研磨又はレーザドリル等によって薄くすることができ、エポキシ樹脂を露光現像等によって薄くすることができる。本願の一実施形態では、好ましくは、誘電層100としてプリプレグを用いて、積層の厚さは、180um~250umの間にあり、プリプレグは、処理された繊維布に樹脂糊液を浸漬し、さらに熱処理(プリベーク)されて樹脂を半硬化段階に入れて作製された薄シート材料であり、それは、加熱加圧で軟化し、冷却した後に反応して硬化する。
【0035】
ステップS103:ベアリングプレート700を除去し、金属キャビティ230をエッチングしてキャビティ240を露出させ、キャビティ240の表面と側壁及び誘電層100の表面に金属を堆積させてパターン製作とエッチングを行い、第2の配線層220を形成する。具体的には、図6に示すように、第1の金属層を含む誘電層100の下面に感光性ドライフィルム600を貼り付け、フォトリソグラフィプロセスによって感光性ドライフィルム600を硬化する。感光性ドライフィルム600は、第1の配線層210を保護し、金属エッチング液により金属キャビティ230をエッチング除去し、キャビティ240を形成するために、全面露光を採用する。キャビティ240の側壁は垂直であり、底部のサイズが最上部サイズと一致し、キャビティ240は、底層のニッケル金属保護層400と側壁の有機樹脂誘電層100からなる。図7に示すように、ニッケルエッチング薬液でニッケル金属保護層400を除去し、第1の配線層210の上面を露出させ、さらに離膜薬液で感光性ドライフィルム600を除去し、第1の配線層210の下面を露出させる。図8に示すように、第1の配線層210の上面と誘電層100の上面にスパッタリング又は無電解メッキによってシード層500を形成し、シード層500は、チタン、銅等の金属を含むが、上記金属に限らない。第1の配線層210の下面の一側に感光性ドライフィルム600を付着し、全面露光し、第1の配線層210を保護し、さらに全面メッキによってシード層500の上面に金属銅層を沈澱する。図9に示すように、金属銅層の上面の一側に感光性ドライフィルム600を付着し、フォトリソグラフィして特定のパターンを形成し、エッチングプロセスで金属銅層とシード層500をエッチングし、第2の配線層220を形成し、離膜薬液で上下面の感光性ドライフィルム600を除去する。
【0036】
なお、金属を堆積させる方式は、物理スパッタリングと無電解メッキを含み、好ましくは、本願の一実施形態は、無電解メッキで金属層の堆積を行う。
【0037】
ステップS104:第1の配線層210と第2の配線層220の表面に第1のソルダレジスタ層310と第2のソルダレジスタ層320をそれぞれ対応して形成し、第1のソルダレジスタ層310又は第2のソルダレジスタ層320に対してパターン製作を行ってパッド330を形成する。具体的には、図10に示すように、第1の配線層210と第2の配線層220の表面に第1のソルダレジスタ層310と第2のソルダレジスタ層320をそれぞれ施して第1のソルダレジスタ層310の特定の位置に第1の配線層210に接続するためのパッド330を形成し、さらにパッド330の表面と第2の配線層220の表面に対して金属表面処理を行い、保護層400を形成する。表面処理は、ニッケルパラジウム金、ニッケル金、スズ、銀等の化学的安定的な金属の堆積を含み、プレフラックスによる表面被覆をさらに含む。
【0038】
ステップS105:キャビティ240、第1の配線層210、第2の配線層220、第1のソルダレジスタ層310と第2のソルダレジスタ層320を切断する。具体的には、図11に示すように、電子部品の実装を行い、電子部品のピンをパッド330の位置に取り付けてモールド材料でモールドを行い、且つキャビティ240の位置を切断してパッケージユニットを形成し、電子部品のピンを第1の配線層210と第2の配線層220の切断された両端に引き出す。
【0039】
図2図12図16を参照すると、本願の別の実施形態は、別のパッケージ基板の製作方法をさらに提供し、該方法は、以下のステップを含むが、それらに限らない。
【0040】
ステップS201:ベアリングプレート700を提供し、ベアリングプレート700の上に第1の配線層210のパターンを製作し、金属を堆積させ、第1の配線層210を形成する。具体的には、図2に示すように、ベアリングプレート700の上に感光性ドライフィルム600を施し、露光現像によって第1の配線層210パターンを形成し、そしてメッキによって第1の配線層210を形成する。
【0041】
ステップS202:第1の配線層210の上面に誘電層100を積層し、誘電層100に対してドリルを行い、キャビティ240を形成する。具体的には、図12に示すように、誘電層100を積載して積層し、誘電層100が設計必要に応じて調整され、好ましくは、本願の一実施形態では、誘電層100の厚さは、180um~250umの間にあり、誘電層100の材料は、プリプレグもしくはフィルム型樹脂等の熱硬化性有機樹脂又はポリエチレン等の熱可塑性有機樹脂を含み、好ましくは、本願の一実施形態では、誘電層100は、プリプレグを採用し、プリプレグは、処理された繊維布に樹脂糊液を浸漬し、さらに熱処理(プリベーク)されて樹脂を半硬化段階に入れて作製された薄シート材料であり、それは、加熱加圧で軟化し、冷却した後に反応して硬化する。誘電層100に対してレーザドリルによってキャビティ240を形成し、キャビティ240の底部と第1の配線層210の上面とが面一となる。なお、キャビティ240の底部開口のサイズは、最上部開口のサイズよりも小さく、台形キャビティ240の構造を形成し、同様に電子部品ピンの引き出しを実現することができる。
【0042】
ステップS203:ベアリングプレート700を除去し、キャビティ240の表面と側壁及び誘電層100の表面に金属を堆積させてパターン製作とエッチングを行い、第2の配線層220を形成する。具体的には、図13に示すように、ベアリングプレート700を除去し、第1の配線層210の下面と誘電層100の下面とを同一平面にし、スパッタリング又は無電解メッキによってキャビティ240内と誘電層100の上面にシード層500を形成し、シード層500の上面に金属層を全面メッキで堆積し、堆積の厚さは、実際の設計に応じて設定されてもよく、本願の一実施形態では、好ましくは、堆積の厚さは、15um~30umの間にある。図14に示すように、金属層の上面と誘電層100の下面に感光性ドライフィルム600を同時に付着し、上面の感光性ドライフィルム600に対してパターン製作を行い、余分な金属層とシード層500をエッチングして除去し、第2の配線層220を形成し、離膜して上面と下面の感光性ドライフィルム600を除去する。
【0043】
ステップS204:第1の配線層210と第2の配線層220の表面に第1のソルダレジスタ層310と第2のソルダレジスタ層320をそれぞれ対応して形成し、第1のソルダレジスタ層310又は前記第2のソルダレジスタ層320に対してパターン製作を行ってパッド330を形成する。具体的には、図15に示すように、基板の上下面にソルダレジスタ層を施し、フォトリソグラフィプロセスによって特定のパッド330を形成し、表面処理プロセスによって、第2の配線層220の表面とパッド330の表面に保護層400を施す。
【0044】
ステップS205:キャビティ240、第1の配線層210、第2の配線層220、第1のソルダレジスタ層310と第2のソルダレジスタ層320を切断する。具体的には、図16に示すように、電子部品の実装を行い、電子部品のピンをパッド330の位置に取り付けてモールド材料でモールドを行い、且つキャビティ240の位置を切断してパッケージユニットを形成し、電子部品のピンを第1の配線層210と第2の配線層220の両端に引き出す。
【0045】
以上は、本願の好ましい実施を具体的に説明したが、本願は、上記実施形態に限定されるものではなく、当業者は、本願の精神に反することなく、様々な均等な変形又は置換を行うことができ、これらの均等な変形又は置換は、本願の請求項によって限定される範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0046】
100 誘電層
210 第1の配線層
220 第2の配線層
310 第1のソルダレジスタ層
320 第2のソルダレジスタ層
330 パッド
230 金属キャビティ
240 キャビティ
400 保護層
500 シード層
600 感光性ドライフィルム
700 ベアリングプレート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
図9
図10
図11
図12
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図16