IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニムの特許一覧

特許7534531エアロゾル・風味発生装置用の交換可能なモジュール
<>
  • 特許-エアロゾル・風味発生装置用の交換可能なモジュール 図1
  • 特許-エアロゾル・風味発生装置用の交換可能なモジュール 図2
  • 特許-エアロゾル・風味発生装置用の交換可能なモジュール 図3a
  • 特許-エアロゾル・風味発生装置用の交換可能なモジュール 図3b
  • 特許-エアロゾル・風味発生装置用の交換可能なモジュール 図3c
  • 特許-エアロゾル・風味発生装置用の交換可能なモジュール 図4a
  • 特許-エアロゾル・風味発生装置用の交換可能なモジュール 図4b
  • 特許-エアロゾル・風味発生装置用の交換可能なモジュール 図4c
  • 特許-エアロゾル・風味発生装置用の交換可能なモジュール 図4d
  • 特許-エアロゾル・風味発生装置用の交換可能なモジュール 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】エアロゾル・風味発生装置用の交換可能なモジュール
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/30 20200101AFI20240806BHJP
   A24F 40/465 20200101ALI20240806BHJP
   A24F 40/42 20200101ALI20240806BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20240806BHJP
   A24F 40/40 20200101ALI20240806BHJP
【FI】
A24F40/30
A24F40/465
A24F40/42
A24F40/20
A24F40/40
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2023507637
(86)(22)【出願日】2021-08-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-01
(86)【国際出願番号】 EP2021071673
(87)【国際公開番号】W WO2022029123
(87)【国際公開日】2022-02-10
【審査請求日】2023-02-03
(31)【優先権主張番号】20189567.9
(32)【優先日】2020-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100228337
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 綾
(72)【発明者】
【氏名】アラメンディ フラヴィ
(72)【発明者】
【氏名】バティスタ ルイ ヌーノ ロドリゲス アルヴェス
(72)【発明者】
【氏名】ペン チェン
(72)【発明者】
【氏名】アクピナル ヤルチン
(72)【発明者】
【氏名】セレダ アレクサンドラ
【審査官】柳本 幸雄
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/037562(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0096767(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0118396(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0366250(US,A1)
【文献】特表2023-523024(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-40/95
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル・風味発生装置(1)用の交換可能なモジュール(3)であって、
前記交換可能なモジュール(3)が、空気チャンバー(35)を備え、
前記空気チャンバー(35)が、前記空気チャンバー(35)への気流の入口のための少なくとも一つの空気吸込み口(322)を備え、
前記空気チャンバー(35)が、前記空気チャンバー(35)からの前記気流の第一の部分の出口のための空気出口(333)を備え、前記空気出口(333)が、エアロゾル発生物品(2)を通って前記気流の前記第一の部分を方向付けるように前記エアロゾル発生物品(2)に接続されるように構成され、
前記空気チャンバー(35)が、前記空気チャンバー(35)から半径方向に前記気流の第二の部分の出口のために、前記空気チャンバー(35)の周囲に配置された少なくとも一つの開口部(31)を備え、
前記空気チャンバー(35)が、前記空気吸込み口(322)と前記開口部(31)との間に風味発生物品(6)を保持するための保持ユニット(321、332)を備え、
前記空気チャンバー(35)が、吸煙中に、前記空気吸込み口(332)と前記開口部(31)との間に配置され、前記気流を少なくとも部分的に遮断して、前記開口部(31)に近い前記空気チャンバー(3)内に乱気流を生じさせる乱流発生ユニット(331)を備える、交換可能なモジュール。
【請求項2】
風味発生物品(6)をさらに含む、請求項1に記載の交換可能なモジュール(3)。
【請求項3】
前記保持ユニット(321、332)が、遠位グリッド要素(321)および近位グリッド要素(332)を備え、その目的が、前記遠位グリッド要素(321)と前記近位グリッド要素(332)との間に前記風味発生物品(6)を保持するためである、請求項1~2のいずれか一項に記載の交換可能なモジュール(3)。
【請求項4】
前記乱流発生ユニット(331)が、前記近位グリッド要素(332)よりも前記気流に対して浸透性が低い、請求項に記載の交換可能なモジュール(3)。
【請求項5】
前記少なくとも一つの開口部(31)が、ユーザーの鼻にアクセス可能であるように構成されている鼻気流通路である、請求項1~4のいずれか一項に記載の交換可能なモジュール(3)。
【請求項6】
前記空気チャンバー(35)が複数の開口部(31)を備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の交換可能なモジュール(3)。
【請求項7】
前記空気チャンバー(35)が、前記少なくとも一つの開口部(31)を閉じるために、前記少なくとも一つの開口部(31)に対して移動可能なシャッタースカート(34)を備える、請求項1~6のいずれか一項に記載の交換可能なモジュール(3)。
【請求項8】
エアロゾル・風味発生装置(1)のための加熱システムであって、請求項1~7のいずれか一項に記載の交換可能なモジュール(3)と、エアロゾル発生物品(2)を加熱するための加熱ユニット(170)とを備え、前記交換可能なモジュール(3)が前記加熱ユニット(170)に可逆的に接続可能であり、前記交換可能なモジュール(3)の空気出口(333)が、前記エアロゾル発生物品(6)に接続されるように構成される、加熱システム。
【請求項9】
前記加熱ユニット(170)が、前記エアロゾル発生物品(2)に挿入される誘導発熱体(4)を備える、請求項8に記載の加熱システム。
【請求項10】
前記加熱ユニット(170)が、前記エアロゾル発生物品(2)を少なくとも部分的に取り囲むように構成された周辺ヒートソケット(111)を備える、請求項8に記載の加熱システム。
【請求項11】
請求項8~10のいずれか一項に記載の加熱システムおよび電源システム(100)を備え、前記電源システム(100)が、前記加熱システムにエネルギーを提供するように構成され、前記交換可能なモジュール(3)が、前記電源システム(100)と前記加熱システムとの間に可逆的に挿入可能である、エアロゾル・風味発生装置(1)。
【請求項12】
エアロゾル・風味発生装置(1)のための交換可能なモジュール(3)を通して気流を提供する方法であって、
- 請求項1~8のいずれか一項に記載の交換可能なモジュール(3)を提供することと、
- 前記交換可能なモジュール(3)の空気出口(333)に接続されたエアロゾル発生物品(2)を通して気流の第一の部分を供給することと、および/または
- 前記交換可能なモジュール(3)によって保持される風味発生物品(6)を通して、および前記交換可能なモジュール(3)の少なくとも一つの開口部(31)を通して、前記気流の第二の部分を供給することと、を含む、方法。
【請求項13】
ユーザーによる吸煙中、前記気流の前記第一の部分が前記ユーザーの口にアクセス可能であり、前記気流の第二の部分が前記ユーザーの鼻にアクセス可能である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
ユーザーによって吸煙することなく、前記気流の前記第二の部分の一部のみが提供され、前記風味発生物品(6)から前記ユーザーの鼻への拡散によって前記ユーザーの前記鼻からアクセス可能である、請求項12または13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル・風味発生装置のための交換可能なモジュール、エアロゾル・風味発生装置のための加熱システム、エアロゾル・風味発生装置、ならびにエアロゾル・風味発生装置のための交換可能なモジュールを通して気流を提供する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
EP 3 504 988 A1号は、エアロゾル発生ユニットを有して提供される非燃焼式の風味吸入器、風味発生ユニット、およびマウスピース端を開示している。エアロゾル発生ユニットには、エアロゾル源を保存するためのエアロゾル源貯蔵セクションと、エアロゾル源からエアロゾルを発生させるためのエアロゾル発生機構が提供されている。風味発生ユニットには、風味源を保存するための風味源貯蔵セクションが提供されている。エアロゾル発生ユニットには、エアロゾル発生ユニット内からマウスピース端に延びる第一の気流経路が提供されている。風味源貯蔵セクションには、外部と連通する少なくとも一つの穴を備える第二の気流経路と、風味源貯蔵セクション内から第一の気流経路またはマウスピース端に延びる第二の気流経路が提供されている。
【0003】
WO 2014/156537 A1号は、円筒形の部材、およびチップ様の風味源を備える非加熱式風味吸入器を開示している。円筒形の部材は、所定の方向に延びる空洞を形成する円筒形の外壁を有し、チップ様の風味源が空洞の中に充填される。さらに、円筒形の部材には、空気がその中に入り込む第一の端部と、空気がそこから出る第二の端部を有する。円筒形の部材はまた、外壁を貫通して空洞に接続する、第一の壁穴を有する。第一のフィルター壁は第一の端部に提供され、第二のフィルター壁は第二の端部に提供される。風味発生源で充填される間、空洞には空隙がある。所定の方向は、第二の端部が下向きになるように垂直に配向されているものの、第一の外壁穴は空洞の中へと充填される風味源に近接して位置付けられる。
【0004】
WO 2012/169905 A2号は、ある人物が長く深く一定の呼吸をするのを支援および奨励するための、鼻からの芳香呼吸用パイプを参照している。パイプは、呼吸の改善とリラクゼーション、位置と匂いの関連性、より落ち着いた明瞭な思考、ストレスや不安の低下を促進することで、ならびに喫煙、過食、過飲、及びその他の形での薬物乱用といった潜在的に有害な習慣の代替策を提供することで、ユーザーの健康改善を提供するよう設計されている。パイプはまた、既存の生理学的および心理的な健康状態の影響を低減する場合もある。
【0005】
先行技術の電気加熱式の喫煙システムまたはエアロゾル発生装置は、幾つかの利点を有するが、従来の喫煙物品、すなわち従来の紙巻たばこおよび葉巻たばこの標準的な性能と比較したとき、特に芳香の香調および風味の特徴の提供において、依然として改善の余地がある。
【発明の概要】
【0006】
従って、本発明の目的は、改善された芳香の香調および風味の特徴を提供する改善されたエアロゾル発生装置を提供することである。
【0007】
本開示の目的は、独立請求項の主題によって解決され、さらなる実施形態は従属請求項に組み込まれる。当然のことながら、以下に記載される本開示の態様は、エアロゾル・風味発生装置のための交換可能なモジュール、エアロゾル・風味発生装置のための加熱システム、エアロゾル・風味発生装置、ならびにエアロゾル・風味発生装置のための交換可能なモジュールを通して気流を提供する方法に適用される。
【0008】
本開示の態様によると、エアロゾル・風味発生装置用の交換可能なモジュールが提供される。交換可能なモジュールは、空気チャンバーを備える。空気チャンバーは、空気チャンバーへの気流の入口のための少なくとも一つの空気吸込み口を備える。
【0009】
空気チャンバーは、空気チャンバーからの気流の第一の部分の出口のための空気出口を備える。空気出口は、エアロゾル発生物品に接続されて、エアロゾル発生物品を通して気流の第一の部分を方向付けるように構成される。空気チャンバーは、空気チャンバーの外に半径方向に気流の第二の部分の出口のために、空気チャンバーの周囲に配置された少なくとも一つの開口部を備える。空気チャンバーは、空気吸込み口と開口部との間に風味発生物品を保持するための保持ユニットを備える。
【0010】
エアロゾル・風味発生装置用の本交換可能なモジュールは、芳香の香調および風味の特徴の観点で、従来の電気加熱式の喫煙システムと比較してより良い性能を可能にする。芳香の香調および風味の特徴は、従来の紙巻たばこおよび葉巻たばこの場合と同じくらい良好である場合がある。これは、ユーザーが従来の紙巻たばこおよび葉巻たばこからエアロゾル発生装置に変えるのを簡単にする場合がある。
【0011】
一次エアロゾルの流れがエアロゾル発生物品の口側端でマウスピースによって提供されて、ユーザーの口にエアロゾルを送達するだけでなく、風味発生物品からの風味と混合されたエアロゾルの流れが随意に提供されうるため、芳香の香調および風味の特徴が改善される。さらに、風味発生物品からの芳香の流れは、空気チャンバーの周囲に配置された開口部によって提供され、ユーザーの鼻に芳香を送達する。
【0012】
エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生物品からエアロゾルを発生する電気加熱式のエアロゾル・風味発生装置または喫煙システムとともに使用する、使い捨ての、単回使用の消耗品として理解することができる。エアロゾル発生物品は、ユーザーの口の中に挿入されるように構成された口側端を備えてもよい。エアロゾル発生物品の反対側の端は、エアロゾル発生物品からエアロゾルを発生する加熱式のエアロゾル・風味発生装置の中に挿入されるように構成されてもよい。エアロゾル発生物品は、マウスピース、および少なくともチッピングペーパーに巻かれたエアロゾル形成基体を備えてもよい。マウスピースは、ユーザーの口の中へと挿入されるように構成されると理解することができる。
【0013】
風味発生物品は、空気と接触することによって自然に揮発するように構成された感覚媒体または風味材料を備えると理解されうる。風味発生物品は、カプセル、カートリッジ、または感覚媒体を含むディスク型またはドーナツ形に成形された多孔性要素として提供されてもよい。風味発生物品の形状は、モジュール内部の気流に影響を与えうる。風味発生物品は、液体の感覚媒体を吸着するように構成された固体基体構造を備えてもよい。固体基体構造は、紙、セルロースアセテート、膨張した発泡体、またはワイヤメッシュのうちの少なくとも一つを備えてもよい。風味発生物品は、少なくとも一つの感覚媒体を放出するように構成された固体多孔質基体を備えてもよい。
【0014】
固体多孔質基体の提供は、風味発生物品の表面積を増加させうる。上述のように、風味発生物品のより大きな表面積は、有利なことに、空気チャンバーを通過する空気中に混入される感覚媒体の濃度を増加させうる。
【0015】
揮発した感覚媒体は、鼻を介して吸入されたときに、ユーザーによってそのように知覚されるような芳香であると理解されうる。揮発した感覚媒体は、口から吸入されたときに、ユーザーによってそのように知覚される風味であると理解されうる。
【0016】
揮発した感覚媒体は、気流と混合され、気流に運ばれてもよい。気流は、遠位位置または遠位端から近位位置または近位端に流れ、近位位置は、エアロゾル発生装置のマウスピースである。遠位位置は、交換可能なモジュールであってもよい。
【0017】
モジュールは、モジュールが所定の位置にあるか否かに関わらず、あるいは感覚媒体がモジュール内に追加されたかどうかに関わらず、ユーザーがエアロゾル発生装置の使用を楽しむことができるように、いつでも挿入またはエアロゾル発生装置から取外しができる、エアロゾル・風味発生装置用の交換可能なアクセサリとして理解されてもよい。交換可能なモジュールは、風味発生物品をさらに備えうる。
【0018】
空気チャンバーは、風味発生物品を収容する、モジュール内部の空洞であると理解されうる。
【0019】
空気吸込み口は、空気チャンバーの遠位端上の少なくとも一つの開口として理解されてもよく、空気チャンバーへの外部空気の入口を提供する。
【0020】
空気出口は、空気チャンバー内の気流の出口をエアロゾル発生物品に向かって提供する少なくとも一つの通路またはチャネルとして理解されうる。空気出口は、空気チャンバーの近位端上にあってもよく、近位端は遠位端と対向する。
【0021】
開口部は、空気出口の遠位の場所での空気チャンバーからモジュール外部への流体の流れを可能にする、空気チャンバーの外周の開口として理解されてもよい。開口部は、空気チャンバーから半径方向に延びてもよい。
【0022】
保持ユニットは、風味発生物品を空気チャンバー内に保持するための装置として理解されうる。保持ユニットは、風味発生物品の容易な変更を可能にしうる。保持ユニットは、空気チャンバー内の気流が、すべての側面から風味発生物品の周りを流れることができるように構成されうる。
【0023】
一実施形態では、空気チャンバーは、空気吸込み口と開口部との間に配置され、気流を少なくとも部分的に遮断して、空気チャンバー内に乱気流を生じさせる乱流発生ユニットを備える。これは、乱流発生ユニットが主軸の気流を遮断し、気流が乱流発生ユニットの上流および下流を通過するように強制して、開口部の半径方向の近傍で乱気流を生成するという点で理解されうる。結果として、気流の小部分は、開口部を通して空気チャンバーを出る一方、気流の本流は、空気出口を通してエアロゾル発生物品に向かって空気チャンバーを出る。言い換えれば、気流は、第一の部分と第二の部分に分割されうる。第一の部分は、ユーザーの口に提供されるように構成される気流の本流に対応し、第二の部分は、ユーザーの鼻に提供されるように構成される気流の小部分に対応する。従って、本モジュールは、芳香の香調および風味の特徴の観点で非常に良好な性能を可能にする。乱流発生ユニットは、プレートなどの横断ブロッカーであってもよい。
【0024】
一実施形態では、保持ユニットは、遠位グリッド要素と、遠位グリッド要素と近位グリッド要素との間に風味発生物品を保持するための近位グリッド要素とを備える。遠位グリッド要素は、風味発生物品の基部を保持してもよく、近位グリッド要素は、風味発生物品の頂部を保持してもよい。これは、風味発生物品が少なくとも部分的に保持要素を含まないという点で理解されうる。結果として、空気チャンバー内の気流は、感覚媒体の自然な揮発を供給する風味発生装置を通過する。さらに、保持ユニットは、風味発生物品の容易な交換を可能にしうる。結果として、風味発生物品は、同じタイプのエアロゾル発生物品または異なるタイプのエアロゾル発生物品と共に使用するために、任意の時点でユーザーによって異なる芳香に迅速に変更されうる。言い換えれば、ユーザーは、所望に応じて選択した芳香、芳香と風味を組み合わせてもよく、個人はその味覚に応じた芳香体験のための最も快適な組み合わせを選択できるように、ユニークかつカスタマイズされた方法で混合することができる。
【0025】
一実施形態では、乱流発生ユニットは、近位グリッド要素よりも気流に対して浸透性が低い。乱流発生ユニットは、空気吸込み口と空気出口または開口部との間の気流を塞ぐ。これは、空気吸込み口からの気流について、乱流発生ユニットが近位グリッドよりも大きな流れ抵抗であるという点で理解されうる。言い換えれば、気流は、乱流発生ユニットを通過するよりも容易にグリッド要素を通過することができる。結果として、空気吸込み口から来る気流は、乱流発生ユニットに衝突し、乱流発生ユニットによって偏向され、主に近位グリッド要素を通過する乱気流が生じる。
【0026】
一実施形態では、少なくとも一つの開口部は、ユーザーの鼻にアクセス可能であるように構成された鼻気流通路である。鼻気流通路は、ユーザーの鼻の近傍の位置で、空気チャンバーからモジュールの外側への流体の流れを可能にする、空気チャンバーの外表面における開口として理解されうる。これは、鼻気流通路が、エアロゾル発生物品に接続するよう構成される、空気出口の遠位に配置されるという点で理解されうる。結果として、気流は、エアロゾル発生物品のマウスピースによってユーザーの口に提供されるだけでなく、鼻気流通路によってユーザーの鼻にも提供されるように構成されることができる。気流は、ユーザーの口に加えて、ユーザーの鼻にアクセス可能であるか、または送達されるため、ユーザーは、芳香を嗅ぎ、また気流中に混合された風味を味わうことができる。
【0027】
一実施形態では、少なくとも一つの開口部は、0.007mm~0.09mmの直径を有する。少なくとも一つの開口部は、0.009mm~0.07mmの直径を有してもよい。少なくとも一つの開口部は、0.01mm~0.05mmの直径を有してもよい。言い換えれば、少なくとも一つの開口部は、気流の第二の部分がモジュールを出るのに十分大きく、少なくとも一つの開口部を通して汚染がモジュールに入ることができないほど十分に小さい。
【0028】
一実施形態では、空気チャンバーは複数の開口部を含む。複数の開口部は、一つ以上の、好ましくはいくつかの開口部として理解することができる。複数の開口部は、7~37個の開口部を含みうる。複数の開口部は、順序付けられた群で配置されることができる。複数の開口部は、空気チャンバーの周囲に沿って分布することができる。複数の開口部は、空気チャンバーの周囲を囲む少なくとも一つの輪の形状に配置することができる。複数の開口部は、空気チャンバーの周囲を囲むスパイラルの形状に配置されうる。隣接する開口部間の距離は、連続または不連続とすることができる。各開口部は、円形状の形態または断面を有してもよいが、他の形状も可能である。開口部は、同じまたは異なる形状およびサイズを有してもよい。複数の開口部は、複数の鼻流路通路であってもよい。
【0029】
一実施形態では、空気チャンバーは、少なくとも一つの開口部を閉じるために、少なくとも一つの開口部に対して移動可能なシャッタースカートを含む。言い換えれば、シャッタースカートは、気流の第二の部分が開口部を通って出るのを妨げ、それによって、開口部を通した芳香の放出を停止または中断させる。これにより、モジュール/装置が使用されていないときに、モジュール/エアロゾル・風味発生装置をポケットに格納することを可能にしうる。これはまた、風味発生装置の少なくとも一部分を節約し、それをより長持ちさせることを可能にしうる。
【0030】
一実施形態では、交換可能なモジュールは、少なくともモジュールベースおよびその取り付け可能なモジュールカバーをさらに備え、これらが共にモジュールハウジングを形成する。これは、モジュールベースがモジュールカバーから取り外し可能であるという点で理解されうる。これにより、ユーザーが風味発生物品を簡単かつ迅速に変更することを可能にしうる。
【0031】
一実施形態では、交換可能なモジュールは内部部材をさらに備える。内部部材は、複数の鼻気流通路のうちの一つ以上を選択的にブロックするために、鼻気流通路に対して回転可能でもよい。内部部材は、空気チャンバー内に配置されてもよい。言い換えれば、開口部は、空気チャンバー内部から内部部材によってブロックされてもよい。この配置は、コンパクトな装置につながる場合がある。
【0032】
別の実施形態において、内部部材は、空気チャンバーおよびモジュールハウジングの外側に配置されてもよい。言い換えれば、開口部は、内部部材によってモジュールの外側からブロックされてもよい。この配置は、修理が簡単であり、見るのが興味深い装置につながる場合がある。
【0033】
一実施形態では、内部部材は、モジュールの下部の開口部の少なくとも一つを覆い、モジュールの上部(装置の使用中に、ユーザーの鼻により近い部分)の開口部の少なくとも一つを開いた状態にするように、内部部材は重力によって回転可能である。
【0034】
これは、内部部材が、モジュールの下部で開口部の少なくとも一つを覆い、かつモジュールの上部で開口部の少なくとも他の一つを開いたままにするように、内部部材がモジュールおよび開口部に対して重力によって回転可能であってもよいという点で理解されうる。その後、モジュールの上部で開いた状態にされた開口部は、ユーザーの鼻にアクセス可能な開いた開口部を有するように構成されてもよい。言い換えれば、移動可能な内部部材は、少なくとも一つの開口部をブロックし、他の開口部を開放した状態にしうる。さらに、移動可能な内部部材は重力によって移動するため、空気チャンバーの上部に開口部を残してもよく、それによって、ユーザーの鼻に自動的にアクセス可能なように構成される。
【0035】
これは、ユーザーの鼻に割り当てられた風味付き気流の一部分を低減すること、および口に割り当てられた風味付き気流の一部分を最大に維持することを可能にしうる。言い換えれば、ユーザーの鼻の反対側にあり、従って鼻にアクセス可能でない開口部への芳香または風味の流れが「無駄」にされない場合がある。さらに、移動可能な内部部材は、重力によってユーザーの鼻からモジュールの反対側にある開口部を選択的にブロックし、自動的に正しい位置に回転されるため、ユーザーによるモジュールの保持の向きと無関係にこの機能を可能にする場合がある。
【0036】
一実施形態では、内部部材は、モジュールに対して半径方向の溝内に配置されてもよい。半径方向の溝は、モジュールおよび空気チャンバーの内部または外側に配置されてもよい。半径方向の溝は、モジュールに対して移動可能な内部部材の良好なガイダンスを可能にする場合がある。
【0037】
一実施形態では、内部部材は、モジュールに対してレール内に配置されてもよい。レールは、モジュールおよび空気チャンバーの内部または外側に配置されてもよい。レールは、溝内に配置されてもよく、またはモジュールに直接配置されてもよい。レールは、モジュールハウジングに対して移動可能な内部部材のさらなる改善されたガイダンスを可能にする場合がある。
【0038】
一実施形態では、内部部材は、リング本体と、リング本体の少なくとも部分的遮断とを備える中断されたリングとして形成されてもよい。これは、中断されたリングが、リング本体の位置でよりも中断の位置で軽量であるという事実につながる場合があり、これは、中断されたリングの形態の内部部材が、エアロゾル・風味発生装置の上側に中断があり、ユーザーの鼻にアクセス可能な位置へとモジュールに対して重力によって自動的に回転する場合があることを意味する。中断は、鼻のためにアクセス可能であるモジュールの上部上の開口部のうちの少なくとも一つを開くことをさらに可能にする場合がある。リング本体は、他の開口部をブロックしてもよい。結果として、ユーザーによるエアロゾル・風味発生装置の保持の向きにかかわらず、鼻にアクセス可能でない開口部への芳香の流れが「無駄」にされない場合がある。
【0039】
別の実施形態において、内部部材は二つの脚部分および中央部分を備えてもよい。中央部分は、二つの脚部分の間に配置されてもよい。中央部分は、重力によって中央部分がモジュールの下部に移動可能であるように、各脚部分よりも重いように構成されてもよい。構成要素の異なる材料、異なる厚さ、大規模で中空の構造、および/またはこれに類するものは、重量の差を実装してもよい。脚部分と中央部分の間の重量の差異は、内部部材が重力によってモジュールに対して、中央部分が下向き方向にある位置に自動的に回転してもよいという事実につながる場合がある。中央部分は、鼻から離れているモジュールの下部上の開口部の少なくとも一つをブロックすることを可能にしてもよい。脚部分もしくはその部分、または脚部分の間の中断は、別の開口部を開いてもよい。結果として、芳香の流れは、鼻にアクセス可能である開口部に限定されており、これは、ユーザーによるエアロゾル・風味発生装置の保持の向きと無関係に機能する。
【0040】
一実施形態では、交換可能なモジュールは、交換可能なモジュールの表面に配置された少なくとも一つの電気接点をさらに備えてもよい。内部部材は、モジュール上に提供された電気接点に導電性部分が接触する位置に回転可能な内部部材があるときに、電気回路を閉じるための導電性部分を備えてもよい。例えば、導電性部分は、内部部材の中央部分内に提供されてもよい。
【0041】
一実施形態では、回転可能な内部部材は、導電性部分がモジュールの表面に提供される電気接点に接触する位置にある。
【0042】
一実施形態では、交換可能なモジュールは、電気回路が閉じられているときに電気エネルギーが供給されるように構成されている少なくとも一つの照明ユニットをさらに備えてもよい。照明ユニットは、LED、画面、またはこれに類するものであってもよい。照明ユニットは、ユーザーによって感知される光を提供してもよい。実施形態において、光はユーザーの全体的な体験を高める場合がある。例えば、芳香の香調および風味の特徴が涼しいもの(例えばミントまたはメントールまたはユーカリの風味)である場合、光は青色光などの涼しい光であってもよい。この照明は、エアロゾルの味および匂いの涼しい芳香の香調および風味の特徴に対するユーザーの知覚を高めるように機能する場合がある。別の実施例において、芳香の香調および風味の特徴が柑橘類である場合、光は黄色またはオレンジ色の光であってもよい。この光は、柑橘類の芳香の香調および風味の特徴に対するユーザーの味および匂いの知覚を高める場合がある。照明はユーザーによって設定されてもよく、またはエアロゾルの芳香の香調および風味の特徴に従って設定されてもよい。
【0043】
追加的な実施形態において、照明ユニットは、地面および/またはユーザーに対するエアロゾル・風味発生装置の向き、エアロゾルまたは感覚媒体の味、電池寿命、吸煙回数、残りの感覚媒体の量、時間、残り時間、エアロゾル・風味発生装置の誤動作、装置の状態、エアロゾルの温度、および/またはこれに類するものについて、エアロゾル・風味発生装置の動作状態を知らせるように構成されてもよい。一実施形態では、照明ユニットは、電気エネルギーを供給されてもよく、それによって、移動可能な内部部材の位置に依存して、かつそれに応答して、オンに切り替えられてもよい。その結果として、照明ユニットは、地面に対するモジュールまたはエアロゾル・風味発生装置の位置に依存して、かつそれに応答して、オンに切り替えられてもよい。これは、例えばユーザーに好ましい保持位置を知らせるために使用されてもよい。
【0044】
一実施形態では、二つ以上の照明ユニットと、モジュールにある二つ以上の電気接点、または回転可能な内部部材にある二つ以上の導電性部分のいずれかがあってもよい。結果として、モジュールの電気接点と回転可能な内部部材の導電性部分との間の電気回路は、二つ以上の位置で閉じられることができる。これは、二つ以上の照明ユニットのうちの一つに電気エネルギーを選択的に供給してもよく、それによって、移動可能な内部部材の位置に依存して、かつそれに応答して、そのユニットのスイッチをオンにする効果につながってもよい。これは、ユーザーの目に面する照明ユニット(複数可)を点灯する一方で、他の照明ユニット(複数可)を暗いままにしてエネルギーを節約するために使用されてもよい。
【0045】
一実施形態では、照明ユニットは、移動可能な内部部材に配置されてもよい。照明ユニットは、マウスピースに向かって方向付けられた内部部材の前面に配置されてもよい。照明ユニットは、中断に隣接する内部部材のリング本体に配置されてもよい。照明ユニットは、脚部分の自由端に隣接する内部部材の脚部分のうちの一つに配置されてもよい。
【0046】
上記の内部部材実装におけるモジュールおよび導電性部分での電気接点に対する別の方法として、またはそれに追加的に、照明ユニット(第一の照明ユニット)の照明は、内部部材の位置データに基づいて、エアロゾル・風味発生装置の制御ユニットによって制御可能であってもよい。
【0047】
一実施形態では、交換可能なモジュールは、少なくとも別の照明ユニット(第二の照明ユニット)を備えてもよい。二つの照明ユニットのうちの一方(これは、もう一方の照明ユニットよりも床面から離れている)の照明は、内部部材の位置データに基づいて制御ユニットによって制御可能であってもよい。これは、二つ以上の照明ユニットの場合、予め画定された照明ユニット(複数可)のみ(例として、ユーザーの目に面する照明ユニット(複数可))を点灯する一方で、他の照明ユニット(複数可)を暗いままにしてエネルギーを節約するために使用されてもよいことを意味する。内部部材の位置データは、エアロゾル・風味発生装置に含まれるように構成されたジャイロスコープセンサによって提供されてもよい。
【0048】
一実施形態では、照明の色は、ユーザーによって選択されてもよい。
【0049】
一実施形態では、交換可能なモジュールは、照明の色を制御するように構成された色ユニットを備えてもよい。これは、上述のユーザーによる選択とは別の方法、または追加的でありうる。照明の色の制御は、例えば、モジュールまたはエアロゾル・風味発生装置で使用される風味発生物品のエアロゾル発生基体のタイプに基づくことができる。
【0050】
一実施形態では、交換可能なモジュールはローター要素を備えてもよい。ローター要素は、空気チャンバー内に配置されてもよい。ローター要素は、モジュールに対して回転可能であってもよい。ローター要素は、開口部の方向で半径方向に芳香または風味の流れの一部を移動するように構成されてもよい。これは、ローター要素のローターブレードおよび/またはローターブレードの外部部分が、開口部の方向で半径方向に芳香の流れの一部を移動するように形成または設計されていることで行うことができる。従って、芳香または風味の流れの開口部への移動がより効果的である場合がある。
【0051】
ローター要素は、空気チャンバーの長軸方向に沿って延びるローターシャフト上に配置されてもよい。ローターシャフトは、空気チャンバーの中心軸に沿って延びてもよい。
【0052】
ローター要素は、ユーザーの吸煙によって回転されるように構成されてもよい。これは、例えばモーターのための追加的なエネルギー供給を必要としないので、エネルギー効率が非常に高い。
【0053】
ローター要素はまた、モーターによって回転されるように構成されてもよい。モーターは電気モーターまたはこれに類するものであってもよい。モーターは、エアロゾルのより強い流れを可能にする場合がある。
【0054】
本開示の別の態様によると、エアロゾル・風味発生装置のための加熱システムが提供されている。加熱システムは、交換可能なモジュールおよびエアロゾル発生物品を加熱するための加熱ユニットを備える。交換可能なモジュールは、加熱ユニットに可逆的に接続可能である。交換可能なモジュールの空気出口は、エアロゾル発生物品に接続するように構成される。これは、モジュールが、空気出口を通して加熱ユニットおよびエアロゾル発生物品に向かって風味付き気流を放出するという点で理解されうる。加熱ユニットは、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体を加熱するエアロゾル発生領域を提供し、それによってエアロゾルを生成するように構成される。発生したエアロゾルは、風味のある空気と混合され、エアロゾル発生領域内に追加的に新鮮な風味を提供する。加熱ユニットは、電源ユニット(例えば、バッテリーパック)に可逆的に接続可能であってもよい。
【0055】
一実施形態では、加熱ユニットは、エアロゾル発生物品に挿入される誘導発熱体を備える。これは、エアロゾル発生物品がその内部にサセプタを組み込むという点で理解されうる。加熱システムは、エアロゾル発生装置を少なくとも部分的に受容するように構成されたインダクタコイルをさらに備える。結果として、エアロゾル発生領域は、エアロゾル発生物品と、エアロゾル発生物品内のサセプタを介した誘導によって生成される熱とに基づいてもよい。この配置は、コンパクトな装置につながる場合がある。誘導発熱体は、エアロゾル発生物品を囲むように構成されたインダクタコイルの中心に配置された平坦な薄い金属要素の形状であってもよい。
【0056】
別の実施形態では、加熱ユニットは、エアロゾル発生物品を少なくとも部分的に取り囲むように構成された周辺加熱ソケットを備える。言い換えれば、周辺加熱ソケットは、外部抵抗加熱または外部誘導加熱を使用する汎用加熱エンジンであってもよい。この配置は、修理が簡単な装置につながる場合がある。
【0057】
本開示の別の態様によると、エアロゾル・風味発生装置が提供される。エアロゾル・風味発生装置は、上述の加熱システムと電源システムを備える。上述の加熱システムは、交換可能なモジュールおよび加熱ユニットを備える。電源システムは、加熱システムにエネルギーを提供するように構成される。交換可能なモジュールは、電源システムと加熱システムとの間に可逆的に挿入される。
【0058】
上述の交換可能なモジュールを備えるエアロゾル・風味発生装置用の本交換可能なモジュールは、芳香の香調および風味の特徴の観点で、従来の電気加熱式の喫煙システムと比較してより良い性能を可能にする。風味発生物品によって提供されうる芳香の香調および風味の特徴または感覚媒体の例としては、例えば、バラ、ミント、メントール、チョコレート、バニラ、フローラル、ハーブ、またはスパイス香味剤のうちの少なくとも一つが挙げられる。エアロゾルの流れがエアロゾル発生物品の口側端でマウスピースによって提供されて、ユーザーの口にエアロゾルを送達するだけでなく、風味発生物品からの風味と混合されたエアロゾルの流れが提供されうるため、芳香の香調および風味の特徴は改善される。さらに、風味発生物品からの芳香の流れは、空気チャンバーの周囲に配置された開口部によって提供され、ユーザーの鼻に芳香が送達されうる。
【0059】
エアロゾル・風味発生装置を通る気流は、以下のように理解されうる。エアロゾル発生物品は、エアロゾル・風味発生装置の受容部分の中に部分的に挿入されてもよい。空気は、ユーザーがエアロゾル発生物品のマウスピースを吸う動作によってエアロゾル・風味発生装置内に引き出されうる。空気は特に、少なくとも空気吸込み口を通してエアロゾル・風味発生装置内に引き出されてもよい。空気吸込み口は、モジュール内部の空気チャンバーと流体連通してもよい。結果として、エアロゾル・風味発生装置に引き込まれた空気は、空気チャンバーを通過してもよく、風味発生物品の揮発した感覚媒体と混合してもよい。その後、引き出された風味のついた空気は、エアロゾル発生物品の遠位端においてエアロゾル形成基体に入ってもよい。引き出された風味の付いた空気は、加熱されてエアロゾルを発生し得るエアロゾル形成基体を通った後、エアロゾル発生物品のマウスピースまで進み、ユーザーに戻るように進みうる。
【0060】
本開示の別の態様によれば、エアロゾル・風味発生装置のための交換可能なモジュールを通して気流を提供する方法も提示される。交換可能なモジュールを通して気流を提供する方法は、以下の工程を含むが、必ずしもこの順序ではない。
- 上述のように交換可能なモジュールを提供すること、
- 交換可能なモジュールの空気出口に接続されたエアロゾル発生物品を通して気流の第一の部分を供給すること、および/または
- 気流の第二の部分を、交換可能なモジュールによって保持される風味発生物品を通して、および交換可能なモジュールの少なくとも一つの開口部を通して供給すること。
【0061】
純粋なエアロゾルの流れがエアロゾル発生物品の口側端でマウスピースによって提供されて、ユーザーの口にエアロゾルを送達するだけでなく、風味発生物品からの風味と混合されたエアロゾルの流れが提供されるため、芳香の香調および風味の特徴が改善される。さらに、風味発生物品からの芳香の流れは、空気チャンバーの周囲に配置された開口部によって提供され、ユーザーの鼻に芳香を送達する。
【0062】
一実施形態では、ユーザーによる吸煙中、気流の第一の部分はユーザーの口にアクセス可能であり、気流の第二の部分はユーザーの鼻にアクセス可能である。ユーザーによる吸込みまたは吸煙中、空気は、空気吸込み口を通してモジュールの空気チャンバー内に能動的に引き込まれる。空気チャンバー内で、空気は、風味発生物品からの揮発した感覚媒体と混合する。気流の第二の部分が開口部を通して排出される一方で、気流の第二の部分よりも大きい第一の部分が空気チャンバーの空気出口を通ってエアロゾル発生物品の中へと流れて、エアロゾル化を供給することになる、風味付き乱気流が生成される。吸煙中、風味発生物品の感覚媒体の最高レベルの自然な揮発がある(大量放出)。この配置は、エアロゾル発生物品のエアロゾル化領域内に、追加的な新鮮な風味成分を効果的に供給することを可能にする。この配置は、ユーザーの吸煙強度に応じて、風味を動的に提供することができる装置につながりうる。言い換えれば、吸煙が強ければ強いほど、より多くの風味が、好ましくは比例して、エアロゾル発生物品に流れ込む気流の第一の部分に向かって放出される。
【0063】
一実施形態では、ユーザーによる吸煙なしに、気流の第二の部分の一部のみが提供され、風味発生物品から鼻への拡散によって鼻にアクセス可能である。吸煙がないと、吸煙中のように、エアロゾル発生物品のマウスピースに向かう強制気流は存在しない。風味発生物品の感覚媒体が自然に揮発するという事実により、強制気流がない場合でも、吸煙時より少量の芳香放出が存在しうる。吸煙と吸煙の間、エアロゾル発生物品に向かう気流は存在しないため、かなりの量の風味付きの空気がモジュールの空気チャンバーにとどまり、その後、円周方向の開口部を介して自然に放出されうる。従って、吸煙と吸煙の間には、中量の芳香の放出が存在する。消費前でさえ、少量の芳香の放出が発生しうるように、感覚媒体の自然な揮発が、モジュール内の開口部を介した自然な気流に起因して生じうる。ユーザーはこのように鼻に近接した芳香に非常に敏感である場合があるため、芳香は、口/鼻領域の周りで装置を操作しているときでさえも、鼻を介して直ちに感知および吸入されうる。さらに、例えば、開口部を通して芳香がモジュールから出られないように、シャッタースカートを滑らせるか、または開口部の上にリングを閉めることによって、開口部が完全に閉じている非放出状態が提供されてもよい。こうした状態は、装置が使用されていないとき、例えば、ポケットに収納されたとき、または節約してより長持ちさせるために、感覚媒体の連続的で自然な揮発を無効にするときに有用でありうる。
【0064】
以下に、非限定的な実施例の非網羅的なリストが提供される。これらの実施例の任意の一つ以上の特徴は、本明細書に記載される別の実施例、実施形態、または態様の任意の一つ以上の特徴と組み合わせられてもよい。
【0065】
A. エアロゾル・風味発生装置のための交換可能なモジュールであって、
交換可能なモジュールが、空気チャンバーを備え、
空気チャンバーが、空気チャンバーへの気流の入口のための少なくとも空気吸込み口を備え、
空気チャンバーが、気流の第一の部分の出口のための空気出口を備え、空気出口が、エアロゾル発生物品を通して気流の第一の部分を方向付けるために、エアロゾル発生物品に接続するように構成され、
空気チャンバーが、空気チャンバーの外に半径方向に気流の第二の部分の出口のために、空気チャンバーの周囲に配置された少なくとも一つの開口部を備え、
空気チャンバーが、空気吸込み口と開口部との間に風味発生物品を保持するための保持ユニットを備える、交換可能なモジュール。
【0066】
B. 空気チャンバーが、空気吸込み口と開口部との間に配置される乱流発生ユニットを備え、気流を少なくとも部分的に遮断して、空気チャンバー内に乱気流を生じさせる、請求項Aに記載の交換可能なモジュール。
【0067】
C. 保持ユニットが、遠位グリッド要素および近位グリッド要素を備え、その目的が遠位グリッド要素と近位グリッド要素との間に風味発生物品を保持するためである、請求項A~Bのいずれか一項に記載の交換可能なモジュール。
【0068】
D. 乱流発生ユニットが、近位グリッド要素よりも気流に対して浸透性が低い、請求項BおよびCに記載の交換可能なモジュール。
【0069】
E. 開口部のうちの少なくとも一つが、ユーザーの鼻にアクセス可能であるように構成されている鼻気流通路である、請求項A~Dのいずれか一項に記載の交換可能なモジュール。
【0070】
F. 少なくとも一つの開口部が、0.007mm~0.09mmの直径を有する、請求項A~Eのいずれか一項に記載の交換可能なモジュール。
【0071】
G. 空気チャンバーが複数の開口部を含む、請求項A~Fのいずれか一項に記載の交換可能なモジュール。
【0072】
H. 空気チャンバーが、少なくとも一つの開口部を閉じるために、少なくとも一つの開口部に対して移動可能なシャッタースカートを備える、請求項A~Gのいずれか一項に記載の交換可能なモジュール。
【0073】
I. 少なくとも一つのモジュールベースおよびそれに取り付け可能なモジュールカバーをさらに備え、それらが共にモジュールハウジングを形成する、請求項A~Hのいずれか一項に記載の交換可能なモジュール。
【0074】
J. 空気チャンバー内に配置された内部部材をさらに備え、内部部材が鼻気流通路に対して回転可能であり、複数の鼻気流通路の一つ以上を選択的にブロックする、請求項A~Iのいずれか一項に記載の交換可能なモジュール。
【0075】
K. 内部部材が重力によって回転可能であり、そのため内部部材がモジュールの下部で鼻気流通路の少なくとも一つをカバーし、モジュールの上部で鼻気流通路の少なくとも一つを開いた状態にする、請求項A~Jに記載の交換可能なモジュール。
【0076】
L. 内部部材が、リング本体とリング本体の少なくとも部分的遮断とを備える遮断されたリングとして形成されている、請求項Jまたは請求項Kに記載の交換可能なモジュール。
【0077】
M. 内部部材が二つの脚部分および中央部分を備え、中央部分が二つの脚部分の間に配置されていて、かつ重力によって中央部分がマウスピース本体の下部に移動可能であるように、中央部分が各脚部分よりも重い、請求項Jまたは請求項Kに記載の交換可能なモジュール。
【0078】
N. 交換可能なモジュールの表面に配置された少なくとも一つの電気接点をさらに備える、請求項J~Mのいずれか一項に記載の交換可能なモジュール。
【0079】
O. 回転可能な内部部材が、モジュールの表面に提供された電気接点に導電性部分が接触する位置にあるときに電気回路を閉じるために、内部部材が導電性部分を備える、請求項A~Nに記載の交換可能なモジュール。
【0080】
P. 電気回路が閉じられているときに電気エネルギーが供給されるように構成されている、少なくとも一つの照明ユニットをさらに備える、請求項A~Oに記載の交換可能なモジュール。
【0081】
Q. 空気チャンバー内に配置されており、かつモジュールに対して回転可能である、ローター要素をさらに備える、請求項A~Pの一項に記載の交換可能なモジュール。
【0082】
R. ヒーターをさらに備える、請求項A~Qのいずれか一項に記載の交換可能なモジュール。
【0083】
S. 風味発生物品をさらに備える、請求項A~Rのいずれか一項に記載の交換可能なモジュール。
【0084】
T. エアロゾル・風味発生装置のための加熱システムであって、請求項A~Sのいずれか一項に記載の交換可能なモジュールと、エアロゾル発生物品を加熱するための加熱ユニットとを備え、交換可能なモジュールが、加熱ユニットに可逆的に接続可能であり、交換可能なモジュールの空気出口が、エアロゾル発生物品に接続するように構成されている、加熱システム。
【0085】
U. 加熱ユニットが、エアロゾル発生物品に挿入される誘導発熱体を備える、請求項Tに記載の加熱システム。
【0086】
V. 加熱ユニットが、エアロゾル発生物品を少なくとも部分的に取り囲むように構成された周辺加熱ソケットを含む、請求項Tに記載の加熱システム。
【0087】
W. エアロゾル・風味発生装置であって、請求項T~Vのいずれか一項に記載の加熱システムおよび電源システムを備え、電源システムが、加熱システムにエネルギーを提供するように構成され、交換可能なモジュールが、電源システムと加熱システムとの間に可逆的に挿入可能である、エアロゾル・風味発生装置。
【0088】
X. 交換可能なモジュールを通してエアロゾル・風味発生装置のための気流を提供する方法であって、
- 請求項A~Sのいずれか一項に記載の交換可能なモジュールを提供することと、
- 交換可能なモジュールの空気出口に接続されたエアロゾル発生物品を通して気流の第一の部分を供給することと、
- 気流の第二の部分を、交換可能なモジュールによって保持される風味発生物品を通して、および交換可能なモジュールの少なくとも一つの開口部を通して供給することと、を含む、方法。
【0089】
Y. ユーザーによる吸煙中、気流の第一の部分がユーザーの口にアクセス可能であり、気流の第二の部分がユーザーの鼻にアクセス可能である、請求項Xに記載の方法。
【0090】
Z. ユーザーによる吸煙なしに、気流の第二の部分の一部のみが提供され、風味発生物品から鼻への拡散によって鼻にアクセス可能である、請求項XまたはYに記載の方法。
【0091】
ここで、図を参照しながら実施例をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0092】
図1図1は、本開示によるエアロゾル・風味発生装置および本開示による風味発生物品を備えた交換可能なモジュールの、一実施形態の概略的かつ例示的な断面図である。
図2図2は、本開示によるエアロゾル・風味発生装置の実施形態、ならびに風味発生物品を有する交換可能なモジュールの一実施形態の概略的かつ例示的な部分断面図である。
図3a図3aは、風味発生物品を有さない本開示による交換可能なモジュールの一実施形態の概略的かつ例示的な断面図である。
図3b図3bは、風味発生物品を有する本開示による交換可能なモジュールの一実施形態の概略的かつ例示的な断面図である。
図3c図3cは、風味発生物品を有する交換可能なモジュールの一実施形態の概略的かつ例示的な分解図である。
図4a図4aは、本開示による交換可能なモジュールおよび本開示によるエアロゾル発生物品を有さない、組み立てられたエアロゾル・風味発生装置の一実施形態の概略的かつ例示的な図である。
図4b図4bは、本開示によるエアロゾル・風味発生装置、交換可能なモジュール、およびエアロゾル発生物品の一実施形態の概略的かつ例示的な分解図である。
図4c図4cは、本開示によるエアロゾルおよび発生装置、交換可能なモジュール、およびエアロゾル発生物品の一実施形態の概略的かつ例示的な部分組立図である。
図4d図4dは、本開示によるエアロゾル・風味発生装置、交換可能なモジュール、およびエアロゾル発生物品の一実施形態の概略的かつ例示的な組立図である。
図5図5は、本開示による気流を提供する方法の概略流れ図である。
【0093】
図1は、本開示によるエアロゾル・風味発生装置1を示す。エアロゾル・風味発生装置1は、電源システム100、加熱ユニット170、および交換可能な風味モジュール3を含む。
【0094】
電源システム100は、電源15、制御ユニット13および電力充電接続ポート16を備える。電源システム100およびそれゆえ制御ユニット13および電力源15は、モジュール3およびそれゆえ加熱ユニット170に可逆的に接続可能である。電源15は、少なくとも一つの電池を備え、加熱ユニット170にエネルギーを提供するように構成される。
【0095】
加熱ユニット170は、ホルダー11、ホルダー11内に配置されたインダクタコイル素子17、およびエアロゾル発生物品2内にあるサセプタなどの誘導発熱体4を備える。ホルダー11は、ユーザーの口の中に挿入されるマウスピースを有するエアロゾル発生物品2を受容するように構成される。モジュール3は、空気出口333がエアロゾル発生物品2に流体接続されるように、ホルダー11に可逆的に接続される。エアロゾル発生物品2は、誘導発熱体4が、インダクタコイル素子17の中央に配置されるように、ホルダー11に挿入されるように構成される。
【0096】
加熱ユニット170は、エアロゾル発生物品2、特に、エアロゾル発生物品2のエアロゾル形成基体を、加熱ユニット170およびエアロゾル発生物品2の重複領域で加熱し、よってエアロゾル発生領域7を生成するように構成される。この実施形態の加熱ユニット170は、インダクタコイル素子17およびエアロゾル発生物品2内部の誘導発熱体4を介した誘導によって熱を発生する。
【0097】
図2は、本開示によるエアロゾル・風味発生装置1の別の実施形態を示す。この実施形態によるエアロゾル・風味発生装置1は、ホルダーを備えていないが、エアロゾル発生物品2のホルダーとしても機能する周辺ヒートソケット111を備える外部加熱ユニットを備える。交換可能なモジュール3は、空気出口333がエアロゾル発生物品2に少なくとも流体接続されるように、周辺ヒートソケット111に可逆的に接続される。周辺ヒートソケット111は、エアロゾル発生物品2を少なくとも部分的に取り囲む。使用時に、周辺ヒートソケット111は、例えば、エアロゾル発生物品2の外側からのエアロゾル発生物品2の抵抗加熱によって、エアロゾル形成基体を加熱する。この実施形態によるエアロゾル・風味発生装置1はまた、図示されていない電源システムを備えることが注目される。
【0098】
図1および図2の交換可能なモジュール3は、二つの空気吸込み口322および空気出口333を有する空気チャンバー35を備える。各空気吸込み口322は、空気チャンバー35内に気流の入口を提供し、空気出口333は、エアロゾル発生物品2に向かって気流の出口を提供する。空気チャンバー35は、遠位グリッド要素321、近位グリッド要素332、乱流発生ユニット331および開口部31をさらに備える。遠位グリッド要素321は、モジュール3を通して流れる気流に関して近位グリッド要素332の上流に配置される。グリッド要素321、332は、遠位グリッド要素321と近位グリッド要素332との間に風味発生物品6を保持するための保持ユニットを形成する。開口部31は、近位グリッド要素332と空気出口333との間の空気チャンバー35の周囲に配置される。乱流発生ユニット331は、グリッド要素332と開口部31との間に配置される。
【0099】
乱流発生ユニット331は、空気チャンバー35の気流を完全にまたは少なくとも部分的に遮断し、それによって空気チャンバー35内に、好ましくは開口部31の近くに乱気流を作り出すように構成される。乱気流は、気流を第一の部分および第二の部分に分割することを可能にする。第一の部分は、気流の主要部分に対応し、空気出口333を通ってエアロゾル発生物品2に向かって流れる。第二の部分は、開口部31を通して空気チャンバー35を半径方向に出る気流の小さな部分に対応する。開口部31は、ユーザーの鼻へのアクセスを提供する鼻気流通路として構成される。
【0100】
使用時に、エアロゾル・風味発生装置1の気流は、自然な呼吸およびユーザーの吸煙によって駆動される。空気吸込み口322を通して空気チャンバー35に入る気流は、風味発生物品6の感覚媒体の揮発を介して生成される芳香と混合される。気流の第一の部分は、空気出口333を通って、エアロゾル発生物品2に向かって流れる。エアロゾル発生物品2において、風味付き気流は、エアロゾル発生物品2のエアロゾル形成基体を加熱することによって生成されるエアロゾルと混合する。従って、口を介してユーザーによって吸入される混合気流5は、風味発生物品6の風味と、エアロゾル発生物品2のエアロゾルとの混合を含む。空気チャンバー35内の気流の第二の部分は、好ましくはユーザーの鼻の下に近接して配置される開口部31を通して空気チャンバー35を半径方向に出る。従って、風味発生物品6の芳香と混合された第二の気流は、ユーザーの鼻を介して吸入されうる。
【0101】
言い換えれば、一実施形態では、モジュール3は、ユーザーの自然な呼吸に応じて、風味発生物品6の感覚媒体の揮発を介して発生した芳香/風味を適合的かつ動的に放出するように構成され、放出される芳香/風味のいくつかの異なる強度モードを可能にする。消費前の状態は、風味発生物品6の芳香の放出は、開口部31を通って空気チャンバー35から出る、強制されない自然な気流によって発生するため、少量の放出に対応する。ヒトは通常、鼻で感知される芳香、特に鼻の近傍での芳香に非常に敏感であるため、気流に含まれる芳香は、エアロゾル・風味発生装置1が口/鼻領域の周りで単に操作されたときでさえも(これは装置の使用中に一般的に起こる)、ユーザーによって鼻を介して吸入される。
【0102】
消費中、特に吸煙中、空気吸込み口322を通して空気チャンバー35に入る強制気流によって駆動される大量の放出がある。図1a~1cに関して記載したように、モジュール3内の配置により、乱気流が空気チャンバー35内に生成される。乱気流は、気流が開口部31を通して空気チャンバー35を部分的に出る一方、気流の主要部分は、エアロゾル発生物品2に向かって空気出口333を通して空気チャンバー35を出る。吸煙の間には、消費前の少量の放出と類似した中量の放出がある。しかしながら、感覚媒体の自然な揮発によって放出される芳香は、空気チャンバー内の空気の体積が消費前よりも多いため、より大きな度合で生じる。エアロゾル発生物品2に向かう気流がないという事実により、気流は実質的に空気チャンバー35にとどまり、その後開口部31を介して自然に放出される。吸煙中は、空気チャンバー35を通る体積気流の増加があり、従って、風味発生物品6の感覚媒体の揮発レベルの増加がある。従って、開口部31を介して流れ出る気流の第二の部分は、吸煙中のより大きな体積の気流であり、鼻を介して吸入される芳香強度の認識可能な変化を引き起こす。
【0103】
さらに、放出のないモードである場合がある。こうしたモードでは、望ましい場合、開口部31は、シャッタースカート34を開口部31の上方にスライドさせることによって完全に閉じてもよい。このモードは、好ましくは、エアロゾル・風味発生装置1が使用されていない場合、例えば、ポケットの中に保存される場合に、使用される。しかしながら、このモードはまた、消費中に、節約してより長持ちさせるために、感覚媒体の連続的で自然な揮発を無効にするのに有用でありうる。
【0104】
図3a、3bおよび3cは、本開示の実施形態による交換可能なモジュール3を示す。図3aは、風味発生物品6を有さない交換可能なモジュール3を示す。図3bは、交換可能なモジュール3に風味発生物品6が挿入された、交換可能なモジュール3を示す。図3cは、風味発生物品6を有する交換可能なモジュール3の分解図を示す。交換可能なモジュール3は、二つの空気吸込み口322および空気出口333を有する空気チャンバー35を備える。各空気吸込み口322は、空気チャンバー35への気流の入口を提供し、空気出口333は、エアロゾル発生物品2に向かう気流の出口を提供する(図1および図2を参照)。空気チャンバー35は、遠位グリッド要素321、近位グリッド要素332、乱流発生ユニット331および開口部31をさらに備える。図3bでは、グリッド要素321、332は、風味発生物品6を保持する。開口部31は、グリッド要素332と空気出口333との間の空気チャンバー35の周囲に配置される。乱流発生ユニット331は、グリッド要素332と開口部31との間に配置される。
【0105】
乱流発生ユニット331は、プレート、ディスク、またはワッシャーなどの流れ遮断要素である。乱流発生ユニット331は、中実であるか、または少なくともグリッド要素332よりも低い多孔性であってもよく、空気チャンバー35内の気流の全体的または少なくとも部分的な閉塞を引き起こし、それによって空気チャンバー35内に、好ましくは開口部31の近くに乱気流を作り出す。乱気流は、気流を第一の部分および第二の部分に分割することを可能にする。第一の部分は、気流の主要部分に対応し、空気出口333を通ってエアロゾル発生物品2に向かって流れる。第二の部分は、開口部31を通して空気チャンバー35を半径方向に出る気流の小さな部分に対応する。いくつかの開口部31が示されているが、任意の数の開口部、好ましくは7~37の開口部31が提供されてもよい。開口部31は、ユーザーの鼻へのアクセスを提供する鼻気流通路として構成される。開口部31は、0.007mm~0.09mm、好ましくは0.009mm~0.07mm、最も好ましくは0.01mm~0.05mmの直径を有してもよい。
【0106】
本開示の実施形態による交換可能なモジュール3は、モジュールベース32およびモジュールカバー33を備える。モジュールカバー33はモジュールベース32に可逆的に接続可能であり、共に交換可能なモジュール3のモジュールハウジング300を形成する。モジュールカバー33はモジュールベース32から取り外されてもよく、また交換可能なモジュール3はエアロゾル・風味発生装置1から取り外されてもよいため、交換可能なモジュール3は、風味発生物品6へのアクセスおよび容易な変更を可能にする。
【0107】
図1cでは、モジュール3の外表面に配置されたシャッタースカート34が追加的に提供されている。シャッタースカート34は、開口部31を閉じるために開口部31に対して少なくとも軸方向に移動可能であり、従って、風味付き空気が閉じられた開口部31を通って空気チャンバー35から出ることを防止する。
【0108】
図4aは、交換可能なモジュール3を有さないエアロゾル・風味発生装置1の実施形態を示す。この図では、電源システム100はホルダー11に直接結合されている。ホルダーは、エアロゾル発生物品2を受容するための開口部110を有する。図4bは、電源システム100とホルダー11との間に配置される交換可能なモジュール3を有する、本開示によるエアロゾル・風味発生装置1の分解図を示す。図4cは、図4bのエアロゾル・風味発生装置1を示し、交換可能なモジュール3は電源システム100に接続されている。図4dは、モジュール3が電源システム100およびホルダー11に接続されている、図4bおよび4cの実施形態を示す。さらに、エアロゾル発生物品2は、ホルダー11の開口部110に部分的に収容される。従って、図4dに示されるエアロゾル・風味発生装置1およびエアロゾル発生物品2の組立は、使用準備が整っている。
【0109】
図5は、本開示によるエアロゾル・風味発生装置1に組み立てられた交換可能なモジュール3を通して気流を提供する方法の流れ図を示す。第一の工程1000では、交換可能なモジュール3は、エアロゾル・風味発生装置1内に配置される。使用時に、例えば、ユーザーの吸煙によって、交換可能なモジュール3およびエアロゾル・風味発生装置1を通る気流が発生する。気流の第一の部分は、交換可能なモジュール3の空気出口333を通してエアロゾル発生物品2に供給され(工程2000)、従ってユーザーの口にアクセス可能である。気流の第二の部分は、風味発生物品6を通して供給され、交換可能なモジュール3の開口部31を通って出る(工程3000)。従って、気流の第二の部分は、ユーザーの鼻にアクセス可能である。
【0110】
本明細書および添付の特許請求の範囲の目的において、別途示されていない限り、量(amounts)、量(quantities)、割合などを表すすべての数字は、すべての場合において用語「約」によって修飾されるものとして理解されるべきである。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつそれらの任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されている場合もあり、列挙されていない場合もある。従って、この文脈において、数字AはA±20%として理解される。この文脈内で、数字Aは、数字Aが修正する特性の測定値に対する一般的な標準誤差内にある数値を含むと考えられてもよい。数字Aは、添付の特許請求の範囲で使用されるような一部の事例において、Aがそれによって逸脱する量が特許請求する本開示の基本的かつ新規の特性(複数可)に実質的に影響を及ぼさないという条件で、上記に列挙された割合だけ逸脱してもよい。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつそれらの任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されている場合もあり、列挙されていない場合もある。
【0111】
添付の図面を一部参照しながら、本開示の例示的な実施例が上述されているものの、本開示はこれらの実施例に限定されないことが理解されるべきである。本開示の実施例に対する変形は、図面、明細書および添付の特許請求の範囲を吟味した上での本開示の実施において、当業者によって理解され、かつ行われることができる。
【0112】
特許請求の範囲において、括弧内の任意の参照符号は、特許請求の範囲を限定するものとして解釈されないものとする。「含む(comprising)」という用語は、特許請求の範囲に列挙されるもの以外の要素または工程の存在を排除するものではない。要素に先行する「一つの(「a」または「an」)」という単語は、こうした要素の複数の存在を排除するものではない。本開示は、幾つかの別個の要素を備えるハードウェアによって実施されることができる。幾つかの手段を列挙する、装置の特許請求の範囲において、これらの手段の幾つかは、ハードウェアの全く同一の品目によって具現化されることができる。互いに異なる従属請求項において特定の測定値が列挙されているという単なる事実は、これらの測定値の組み合わせを有利に利用できないことを示唆するものではない。
図1
図2
図3a
図3b
図3c
図4a
図4b
図4c
図4d
図5