(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】体型別身体バランス調節用パッド付き履き物
(51)【国際特許分類】
A43B 7/14 20220101AFI20240806BHJP
A43B 7/22 20060101ALI20240806BHJP
A43B 7/24 20060101ALI20240806BHJP
A43B 3/12 20060101ALI20240806BHJP
A43B 13/14 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
A43B7/14 A
A43B7/22
A43B7/24
A43B3/12 B
A43B13/14 B
(21)【出願番号】P 2023512466
(86)(22)【出願日】2020-09-04
(86)【国際出願番号】 KR2020011983
(87)【国際公開番号】W WO2022050460
(87)【国際公開日】2022-03-10
【審査請求日】2023-02-17
(31)【優先権主張番号】10-2020-0111558
(32)【優先日】2020-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】523058803
【氏名又は名称】ブ、シンフ
【氏名又は名称原語表記】BU, Jin Hoo
【住所又は居所原語表記】1504-ho, 101-dong, 60, Myeongjigukje 5-ro Gangseo-gu Busan 46726 (KR)
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】ブ、シンフ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ドンヨップ
【審査官】渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2011-0127058(KR,A)
【文献】特表2010-536505(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0229611(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0055635(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2010-0074110(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2013-0141751(KR,A)
【文献】特開2018-023691(JP,A)
【文献】特表2008-520323(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A43B 1/00- 13/30
A43C 1/00- 19/00
A43D 1/00-999/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の足が接触するソール(100)を有する履き物本体(200)と、
前記ソール(100)の表面の設定領域に取り付けられて上向きに突出し、使用者の足の状態に合わせて設定される素材、厚さ、硬度を持つ取付パッド(300)と、を含んでなり、
前記取付パッド(300)は、
足アーチに対応して中足部の内側縁部に配置され、半月状や流線状に膨らんで形成され、軽質素材からなり、足アーチの崩れた高さに対応する厚さに形成されることで、崩れた足のアーチを上げる機能を行う内側縦アーチパッド(310)と、前記内側縦アーチパッド(310)と繋がれるように配置され、足アーチに対応して後足部の内側縁部に配置され、曲線ラインで膨らんで形成され、軽質素材からなり、内側向きに崩れた踵を中立位に正しく立てる機能を行う内側ヒールパッド(320)と、前記内側ヒールパッド(320)と繋がれるように配置され、足アーチに対応して後足部の外側縁部に配置され、曲線ラインで膨らんで形成されることで、踵の崩れた角度に対応する外周縁の厚さを有する外側ヒールパッド(330)と、前記外側ヒールパッド(330)と繋がれるように配置され、中足部の外側縁部に配置され、ドーム状に膨らんで形成される立方骨パッド(340)とが連結されてなる連結パッドを含み、
前記取付パッド(300)は、更に、
踵骨に対応して中足部の後側中央部および後足部の前側中央部に配置され、円形状や楕円形状に膨らんで形成され、メモリフォーム素材からなり、踵骨に加えられる荷重を吸収して脂肪萎縮症による痛症、踵骨棘と足底腱膜炎による踵痛を低減させる踵パッド(350)と、
中足骨に対応して前足部の後側部および中足部の前側部に配置され、逆V字形状の足指受け条(361)が、足の親指と人差し指との間の部位に凸設され、バウンス特性を持つ素材からなり、足の親指をまっすぐに誘導することにより、歩行時に踵が持ち上げられるときに足の親指に反発力を付与するとともに正常歩行を誘導する中足骨パッド(360)と、よりなる群から選ばれた少なくとも一つを含み、
足裏の圧力の補正によって身体バランスを保たせることを特徴とする、体型別身体バランス調節用パッド付き履き物。
【請求項2】
前記履き物本体(200)は、前足部の内側領域、前足部の外側領域、中足部の内側領域、中足部の外側領域、後足部の内側領域、および後足部の外側領域の6つの分割領域(110)に画成され、
各分割領域(110)に対応する使用者の足型に合わせて、前記取付パッド(300)が配置される分割領域(110)が選択され、選択された分割領域(110)別に設定される硬度と厚さを持つ取付パッド(300)が当該分割領域(110)に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の体型別身体バランス調節用パッド付き履き物。
【請求項3】
前記取付パッド(300)は、バウンス特性を有する素材、メモリフォーム素材、軽質素材の群から選ばれたいずれか一つの素材からなり、各分割領域(110)に対応する使用者の足型に合わせて素材の選択が行われることを特徴とする、請求項2に記載の体型別身体バランス調節用パッド付き履き物。
【請求項4】
前記取付パッド(300)は、10種の足の異常形態にそれぞれ対応して選択される分割領域(110)に配置され、当該足の異常形態に合わせて設定される硬度、厚さ、形状、素材を持つ一つ以上の取付パッド(300)の組み合わせが前記履き物本体(200)に配置され、
前記10種の足の異常形態は、
正常足の後足部外反位の体重心の足型、正常なアーチの後足部過外反位の体重心の足型、正常なアーチの後足部内反位の体重心の足型、扁平足の中立位の体重心の足型、扁平足の後足部外反位の体重心の足型、扁平足の後足部過外反位の体重心の足型、凹足の中立位の体重心の足型、凹足の後足部外反位の体重心の足型、凹足の後足部過外反位の体重心の足型、凹足の後足部過内反位の体重心の足型であることを特徴とする、請求項2に記載の体型別身体バランス調節用パッド付き履き物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体型別身体バランス調節用パッド付き履き物に関し、より詳しくは、使用者の足の状態に合わせて設定される、素材、厚さ、硬度を持つ取付パッドを、ソールの表面の設定領域に取り付けることにより、踵が地面と90゜を維持する姿勢を誘導して立脚踵骨自然肢位(RSCP:Resting Calcaneal Stance Position)になって体の全バランスが保たれるようにする体型別身体バランス調節用パッド付き履き物に関する。
【背景技術】
【0002】
足は、体のバランスにおいて最も重要な部位であって、体の全バランスを保つためには、優先的に足のバランスを中立位(neutral position)に保つことで踵と地面との角度を90゜に維持することが重要である。足と足首とのバランスがとれない場合、体がねじれる歪みを招くことができる。
【0003】
また、足の領域別の圧力はそれぞれ異なるが、履き物の靴底(アウトソール)や中底(ミッドソール)は、大部分底全体が等しい硬度を持っている。このような履き物は、足裏の圧力の高い部位は摩耗しやすいため、一定期間が経過すると摩耗部と非摩耗部との間の差が大きくなって足がさらにねじれるようになり、そのような履き物を履き続けると体の不均衡は一層ひどくなる。
【0004】
これらの点を補完する技術が研究されているが、韓国公開特許公報第10-2005-0122205号の「人体バランスと歩行の向上、並びに足負傷防止のための装置及びその方法」、韓国登録特許公報第10-1557782号の「着脱自在な保持部材を有する足矯正機構及びこれを製造する方法」がかかる技術に当たる。
【0005】
前記「人体バランスと歩行の向上、並びに足負傷防止のための装置及びその方法」は、電極または振動アクチュエーター、インソール、靴下、シューズ、シューズ挿入部材、プラットホーム、および制御装置で構成され、非決定性ランダム信号と繰り返しパターン信号とを発生させて足の感覚向上、治療、血流の向上が行われることができるが、外部刺激が存在しなければならなく、通常歩行の際に持続的に体のバランスを取る効果には限界がある。
【0006】
前記「着脱自在な保持部材を有する足矯正機構及びこれを製造する方法」は、可撓性インソールサッシュ、足弓支持部材、中足骨支持部材、クッション層、および中間取付凹部からなることにより、気楽さ及び履き心地が向上することができるものの、個人の体型と特徴に合う履き物の製造で体のバランスを保つには限界がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明は、このような従来の技術の問題点を改善し、内側縦アーチパッド、内側ヒールパッド、外側ヒールパッド、立方骨パッド、中足骨パッドと一緒に、使用者の足の状態に合わせて設定される、素材、厚さ、硬度を持つ取付パッドを、ソールの表面の設定領域に取り付けることにより、踵が地面と90゜を維持(RSCP:Resting Calcaneal Stance Position)するように誘導して、足のバランスが中立位になることができる、新規形態の体型別身体バランス調節用パッド付き履き物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するための本発明の特徴によれば、本発明は、使用者の足が接触するソール100を有する履き物本体200と、前記ソール100の表面の設定領域に取り付けられて上向きに突出し、使用者の足の状態に合わせて設定される素材、厚さ、硬度を持つ取付パッド300と、を含んでなり、足裏の圧力の補正によって身体バランスを保たせることを特徴とする、体型別身体バランス調節用パッド付き履き物を技術的要旨とする。
【0009】
このような本発明による体型別身体バランス調節用パッド付き履き物において、前記履き物本体200は、前足部の内側領域、前足部の外側領域、中足部の内側領域、中足部の外側領域、後足部の内側領域、および後足部の外側領域の6つの分割領域110に画成され、各分割領域110に対応する使用者の足型に合わせて前記取付パッド300が配置される分割領域110が選択され、選択された分割領域110別に設定される硬度と厚さを持つ取付パッド300が当該分割領域110に配置されることを特徴とする。
【0010】
このような本発明による体型別身体バランス調節用パッド付き履き物において、前記取付パッド300は、バウンス特性を有する素材、メモリフォーム素材、軽質素材の群から選ばれたいずれか一つの素材からなり、各分割領域110に対応する使用者の足型に合わせて素材の選択が行われることを特徴とする。
【0011】
このような本発明による体型別身体バランス調節用パッド付き履き物において、前記取付パッド300は、足アーチに対応して中足部の内側縁部に配置され、半月状や流線状に膨らんで形成され、軽質素材からなり、足アーチの崩れた高さに対応する厚さに形成されることで、崩れた足のアーチを上げる機能を行う内側縦アーチパッド310と、前記内側縦アーチパッド310と繋がれるように配置され、足アーチに対応して後足部の内側縁部に配置され、曲線ラインで膨らんで形成され、軽質素材からなり、内側向きに崩れた踵を中立位に正しく立てる機能を行う内側ヒールパッド320と、前記内側ヒールパッド320と繋がれるように配置され、足アーチに対応して後足部の外側縁部に配置され、曲線ラインで膨らんで形成されることで、踵の崩れた角度に対応する外周縁の厚さを有する外側ヒールパッド330と、前記外側ヒールパッド330と繋がれるように配置され、中足部の外側縁部に配置され、ドーム状に膨らんで形成される立方骨パッド340と、踵骨に対応して中足部の後側中央部および後足部の前側中央部に配置されており、円形状や楕円形状に膨らんで形成され、メモリフォーム素材からなり、踵骨に加えられる荷重を吸収して脂肪萎縮症による痛症、踵骨棘と足底腱膜炎などによる踵痛を低減させる踵パッド350と、中足骨に対応して前足部の後側部および中足部の前側部に配置され、逆V字形状の足指受け条361が、足の親指と人差し指との間の部位に凸設され、バウンス特性を持つ素材からなり、足の親指をまっすぐに誘導することにより、歩行時に踵が持ち上げられるときに足の親指に反発力を付与するとともに正常歩行を誘導する中足骨パッド360と、よりなる群から選ばれたいずれか一つであることを特徴とする。
【0012】
このような本発明による体型別身体バランス調節用パッド付き履き物において、前記取付パッド300は、10種の足の異常形態にそれぞれ対応して選択される分割領域110に配置され、当該足の異常形態に合わせて設定される硬度、厚さ、形状、素材を持つ一つ以上の取付パッド300の組み合わせが前記履き物本体200に配置され、前記10種の足の異常形態は、正常足の後足部外反位の体重心の足型、正常なアーチの後足部過外反位の体重心の足型、正常なアーチの後足部内反位の体重心の足型、扁平足の中立位の体重心の足型、扁平足の後足部外反位の体重心の足型、扁平足の後足部過外反位の体重心の足型、凹足の中立位の体重心の足型、凹足の後足部外反位の体重心の足型、凹足の後足部過外反位の体重心の足型、凹足の後足部過内反位の体重心の足型であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明による体型別身体バランス調節用パッド付き履き物によれば、次の効果が得られる。
【0014】
第一、ソールの表面に取付パッドが取り付けられて踵のアライメントを中立位に近接させることにより、正常歩行とともに体の全バランスが保たれることができる。
【0015】
第二、正常足の中立位の体重心の足型を除き、残りの正常ではない足型を正常な足型に近い形態に保つことができる。
【0016】
このような本発明による効果は、前述した効果に限定されなく、上述していない別の効果は、請求の範囲の記載から当業者にとって明確に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1の(a)および(b)は、本発明の実施形態による体型別身体バランス調節用パッド付き履き物の例示図である。
【
図2】本発明の実施形態による履き物本体の分割領域を示す図である。
【
図3】本発明の実施形態による取付パッドが履き物本体の分割領域に配置される構成例示図である。
【
図4】本発明の実施形態による取付パッドが履き物本体の分割領域に配置される構成例示図である。
【
図5】本発明の実施形態による取付パッドの配置構成を、履き物本体の後端部から見た図である。
【
図6】本発明の実施形態による中足骨パッドの例示図である。
【
図7】本発明の実施形態による内側縦アーチパッドの例示図である。
【
図8】本発明の実施形態による内側ヒールパッドの例示図である。
【
図9】本発明の実施形態による外側ヒールパッドの例示図である。
【
図10】本発明の実施形態による立方骨パッドの例示図である。
【
図11】本発明の実施形態による正常足の中立位における体重心を測定した図である。
【
図12】本発明の実施形態による正常足の後足部外反位における体重心を測定した図である。
【
図13】本発明の実施形態による正常なアーチの後足部過外反位における体重心を測定した図である。
【
図14】本発明の実施形態による正常なアーチの後足部内反位における体重心を測定した図である。
【
図15】本発明の実施形態による扁平足の中立位における体重心を測定した図である。
【
図16】本発明の実施形態による扁平足の後足部外反位における体重心を測定した図である。
【
図17】本発明の実施形態による扁平足の後足部過外反位における体重心を測定した図である。
【
図18】本発明の実施形態による凹足の中立位における体重心を測定した図である。
【
図19】本発明の実施形態による凹足の後足部外反位における体重心を測定した図である。
【
図20】本発明の実施形態による凹足の後足部過外反位における体重心を測定した図である。
【
図21】本発明の実施形態による凹足の後足部過内反位における体重心を測定した図である。
【
図22】本発明の実施形態による足の状態を測定した図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明について説明する。本発明を説明するにおいて、関連した公知技術や構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を無駄に濁らす恐れがあると判断される場合に、その詳細な説明は省略する。
【0019】
そして、後述する用語は、本発明での機能を考慮して定義された用語であって、これらは、ユーザ、オペレータの意図または慣例などによって変わることができるので、本発明を説明する本明細書の全般にわたる内容に基づいてその定義が下ろされなければならない。
【0020】
本発明の実施形態による体型別身体バランス調節用パッド付き履き物は、
図1に示すように、履き物本体200と、取付パッド300とを含んでなる。
【0021】
ここで、本発明による身体バランス調節用パッド付き履き物の作製のために、使用者の足に対する測定が進められ、測定された結果が反映された取付パッド300が履き物に取り付けられてオーダーメード型の履き物を履くようになることで、歩行姿勢、足型、補正の際の足裏の圧力が補正され得るようにする。測定は、正常足の踵ラインが投影された透明なセロハン紙やアクリルからなるベース板、足が不均衡に載置されるように製造された不均衡パッドを通じて行われるが、測定すべき足を、不均衡パッド上に載せて測定者自ら中立位に位置させることで位置及びバランス値が測定され、ベース板と測定者の足との隙間を通じて測定される足型(foot type)が測定される。ここで、
図22に示すように、RCSP(Resting Calcaneus Stance Position)による足型の決定によって、Aは、中立位の足型を示し、正常な足が中立位を保つことが分かり、Bは、後足部外反の足型を示し、Cは、後足部内反の足型を示す。
【0022】
履き物本体200は、使用者の足が接触するソール100を持つものであって、
図1の(a)に示すように、アッパー210を備える運動靴や靴、短靴、長靴などの履き物であってもよく、
図1の(b)に示すように、サンダルバンド220を備えるサンダル、スリッパなどの履き物であってもよい。
【0023】
履き物本体200は、
図2に示すように、足指に最も近接した前面部である前足部、中間部である中足部、踵に最も近接した後面部である後足部に画成されることができ、アーチライン側領域を内側領域に、反対ライン側領域を外側領域にそれぞれ区分して、前足部の内側領域、前足部の外側領域、中足部の内側領域、中足部の外側領域、後足部の内側領域、および後足部の外側領域の6つの分割領域110に仕切られる。
【0024】
取付パッド300は、ソール100の上面設定領域に取り付けられて上向きに突出しているものであって、本発明の実施形態による取付パッド300は、ソール100を成すミッドソール(mid sole)の上面に取り付けられる。このような取付パッド300は、使用者の足の状態に合わせて設定される素材、厚さ、硬度を持つ。各分割領域110に対応する使用者の足型の特性に合わせて取付パッド300が配置される分割領域110が選択され、選択された分割領域110別に設定される硬度と厚さを持つ取付パッド300が当該分割領域110に配置される。
【0025】
取付パッド300は、跳ね反る性質であるバウンス特性を持つ素材、メモリフォーム素材、軽質素材の中から選ばれた素材からなり、各分割領域110に対応する使用者の足型特性に合わせて素材選択が行われる。取付パッド300としては、内側縦アーチパッド310、内側ヒールパッド320、外側ヒールパッド330、立方骨パッド340、および中足骨パッド350などが用いられる。
このとき、内側縦アーチパッド310、内側ヒールパッド320、外側ヒールパッド330、および立方骨パッド340が連結されるように構成されて連結パッドを形成し、連結パッドの形状は図3または図4から分かる。
【0026】
内側縦アーチパッド310は、
図3、
図4、
図7に示すように、足アーチに対応して中足部の内側縁部に配置されるものであって、
図3に示すような流線状、もしくは、
図4に示すような半月状に膨らんで形成されることができる。内側縦アーチパッド310は、軽質の素材からなり、足アーチの崩れた高さに対応する厚さに形成されて、崩れた足アーチを上げる機能を行う。
【0027】
内側ヒールパッド320は、
図3、
図4、
図8に示すように、内側縦アーチパッド310と繋がれるように配置されるものであって、足アーチに対応して後足部の内側縁部に配置され、曲線ラインで膨らんで形成される。このような内側ヒールパッド320は、
図5に示すように、外縁部を内側部よりも高く形成し、軽質の素材からなる内側向きに崩れた踵を、中立位に正しく立てる機能を行う。
【0028】
外側ヒールパッド330は、
図3、
図4、
図9に示すように、内側ヒールパッド320と繋がれるように配置され、足アーチに対応して後足部の外側縁部に配置され、曲線ラインで膨らんで形成され、踵の崩れた角度に対応する外周縁の厚さを有するが、
図5に示すように、外縁部を内側部よりも高く形成する。
【0029】
本発明の実施形態における立方骨パッド340は、
図10に示すように、外側ヒールパッド330と繋がれるように配置され、中足部の外側(立方骨と踵骨関節とがなす外側縦アーチ)の外縁部に配置され、半月状及びドーム状に膨らんで形成されて立方骨を支持する。
【0030】
踵パッド350は、踵骨に対応して中足部の後側中央部と後足部の前側中央部に配置されるものであって、
図5に示すように、円形状や楕円形状に膨らんで形成される。このような踵パッド350は、メモリフォーム素材で形成され、踵骨に加えられる荷重を吸収することにより、脂肪萎縮症による痛症、中骨棘と足底筋膜炎などによる踵痛を低減させる。
【0031】
中足骨パッド360は、
図3、
図4、
図6に示すように、中足骨に対応して前足部の後側部と中足部の前側部に配置されるものである。このような中足骨パッド360は、多様な形状の構造で形成されることができ、特に、
図6に示すように逆V字形状の足指受け条361が、足の親指と人差し指との間の部位に凸設され、バウンス特性を持つ素材からなり、足の親指をまっすぐに誘導することにより、歩行時に踵が持ち上げられるときに、真っすぐ伸ばした足の親指によって地面を踏むことにより、反発力が付与されて正常歩行を誘導するようになる。
【0032】
このような取付パッド300は、
図12、
図13、
図14、
図15、
図16、
図17、
図18、
図19、
図20、
図21に示すように、10種の足の異常形態にそれぞれ対応して選択される分割領域110に配置されるが、当該足の異常形態に合わせて設定される硬度、厚さ、形状、素材を持つ一つ以上の取付パッド300の組み合わせが履き物本体200に配置される。
【0033】
10種の足の異常形態には、正常足の後足部外反位の体重心の足型、正常なアーチの後足部過外反位の体重心の足型、正常なアーチの後足部内反位の体重心の足型、扁平足の中立位の体重心の足型、扁平足の後足部外反位の体重心の足型、扁平足の後足部過外反位の体重心の足型、凹足の中立位の体重心の足型、凹足の後足部外反位の体重心の足型、凹足の後足部過外反位の体重心の足型、凹足の後足部過内反位の体重心の足型が挙げられ、
図11は、正常足の中立位の体重心の足型を示し、
図12は、正常足の後足部外反位の体重心の足型を示す図であり、体重心の矢印が、足の全体にまんべんなく分布されていることが分かる。
【0034】
図13は、正常なアーチの後足部過外反位の体重心の足型を示す図であって、体重心の矢印が後足部に集中していることが分かる。
図14は、正常なアーチの後足部内反位の体重心の足型を示す図であって、体重心の矢印が比較的足の外側領域に集中していることが分かる。
図15は、扁平足の中立位の体重心の足型を示す図であり、体重心の矢印が比較的足の内側領域に集中しているが、まんべんなく分布されていることが分かる。
図16は、扁平足の後足部外反位の体重心の足型を示す図であって、体重心の矢印が足の内側領域に集中していることが分かる。
図17は、扁平足の後足部過外反位の体重心の足型を示す図であって、体重心の矢印が足の内側領域に集中していることが分かる。
図18は、凹足の中立位の体重心の足型を示す図であって、体重心の矢印が正常足の中立位の体重心と比較的類似するように、まんべんなく分布されていることが分かる。
図19は、凹足の後足部外反位の体重心の足型を示す図であって、体重心の矢印が後足部で曲げられていることが分かる。
図20は、凹足の後足部過外反位の体重心の足型を示す図であって、体重心の矢印が後足部で曲げられていることが分かる。
図21は、凹足の後足部過内反位の体重心の足型を示す図であって、後足部と外側領域で曲げられていることが分かる。
【0035】
以上、本発明の説明のために図示された図面は、本発明が具体化される一つの実施形態として図面に示されているように、本発明の要旨が実現されるために種々の形態の組み合わせが可能であることが分かる。
【0036】
したがって、本発明は、上述した実施形態を逸脱することなく、当該発明の属する分野における通常の知識を有する者であれば、誰でも様々な変更実施が可能な範囲まで本発明の技術的精神があると言える。