(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】画像における山火事識別
(51)【国際特許分類】
G06V 20/13 20220101AFI20240806BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20240806BHJP
【FI】
G06V20/13
G06T7/00 640
(21)【出願番号】P 2023578092
(86)(22)【出願日】2022-06-22
(86)【国際出願番号】 US2022034462
(87)【国際公開番号】W WO2023283046
(87)【国際公開日】2023-01-12
【審査請求日】2024-02-16
(32)【優先日】2021-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516326438
【氏名又は名称】エックス デベロップメント エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【氏名又は名称】佐藤 睦
(72)【発明者】
【氏名】コーワン,エリオット ジュリアン
(72)【発明者】
【氏名】コーワン,エイブリー ノーム
(72)【発明者】
【氏名】グプタ,アクシナ
【審査官】岡本 俊威
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2021/0110136(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 7/00
G06V 20/00-20/17
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ実装方法であって、
サーバによって、地理的領域の衛星画像、及び前記衛星画像が生成されたときに対応する日付を取得することと、
前記サーバによって、前記
取得された衛星画像内の火災が発生しているとして示されるピクセルの数を判定することと、
前記サーバによって、前記衛星画像が生成された前記日付の前の
期間にわたる前記地理的領域の衛星画像を取得することと、
前記サーバによって、前記
取得された衛星画像から
前記取得された衛星画像の各画像が火災を示すピクセルの数を反映する前記期間にわたる統計分布を生成することと、
前記サーバによって、火災が発生していると示される前記衛星画像内のピクセルの前記判定された数と前記生成された統計分布との比較に基づいて、前記
取得された衛星画像が火災を示す尤度を判定することと、
前記サーバによって、前記判定された尤度を閾値と比較することと、
前記サーバによって、前記判定された尤度が前記閾値を満たすと判定することと、
前記判定された尤度が前記閾値
を満たすとの判定に応答して、前記サーバによって、前記
取得された衛星画像が火災を示すという指標を提供することとを含む方法。
【請求項2】
前記衛星画像が生成された日付の前から前記地理的領域の前記衛星画像を取得することが、
前記サーバによって、前記地理的領域を説明する位置を取得することと、
前記サーバによって、及び
衛星画像データベースに前記地理的領域を説明する前記位置と、前記
取得された衛星画像が生成されたときに対応する前記日付とを提供することと、
前記位置及び前記日付を前記衛星画像データベースに提供することに応答して、前記サーバによって、前記日付より前の期間から前記地理的領域を示す前記衛星画像を取得することとを更に含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項3】
前記衛星画像から
前記期間にわたる前記統計分布を生成することが、
前記サーバによって、前記取得された衛星画像から衛星画像のサブセットを選択することを更に含み、前記選択することが、
前記サーバによって、前記統計分布を生成するための
前記期間を識別することであって、前記期間が、前記衛星画像が捕捉された日付より前の期間に対応する、前記統計分布を生成するための期間を識別することと、
前記サーバによって、前記期間に基づいて前記
取得された衛星画像から前記画像のサブセットを選択することと、
前記サーバによって、前記衛星画像のサブセットからの1つ以上のピクセルが火災を示すかどうかの指標を判定することと、
前記サーバによって、前記サブセットの1つ以上の衛星画像が火災を示す場合、火災を示す前記1つ以上のピクセルを閾値と比較することによって、前記衛星画像のサブセットを調整することとを含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項4】
前記
取得された衛星画像から
前記期間にわたる前記統計分布を生成することが、
前記衛星画像のサブセットを調整することに応答して、
前記サーバによって、火災を示す前記衛星画像のサブセットの各日におけるピクセルの数を判定することと、
前記サーバによって、火災を示す前記衛星画像のサブセットの各日における前記ピクセルの数の平均を判定することと、
前記サーバによって、前記判定された平均を前記1つ以上のパラメータに設定することによって前記統計分布を生成することとによって、前記サーバによって、統計分布の1つ以上のパラメータを生成することを更に含む、請求項3に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項5】
前記
取得された衛星画像内の、火災が発生していると示されるピクセルの数を判定することが、
前記サーバによって、前記
取得された衛星画像においてトリミングされたバウンディングボックス内の1つ以上のピクセルにわたって実行される火災検出アルゴリズムに基づいて、火災が発生していると示される前記
取得された衛星画像内のピクセルの数を判定すること、
又は
前記サーバによって、各ピクセルについての強度値を第2の閾値と比較することに基づいて、火災が発生していると示される前記
取得された衛星画像内の前記バウンディングボックス内の、前記ピクセルの数を判定すること、及び、
前記バウンディングボックス内の前記ピクセルの数からピクセルの設定数がそれぞれ前記第2の閾値よりも大きいと判定したことに応答して、前記サーバによって、前記取得された衛星画像内の
火災を示すピクセルとして前記ピクセルの設定数を判定すること
のうちの1つ以上を更に含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項6】
火災が発生しているとして示される前記
取得された衛星画像内の前記判定されたピクセルの数と、前記生成された統計分布との前記比較に基づいて、前記
取得された衛星画像が火災を示す前記尤度を判定することが、前記サーバによって、前記生成された統計分布への入力として、前記取得された衛星画像内の
前記火災を示すピクセルとして、前記ピクセルの設定数を表すデータを提供することを更に含む、請求項5に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項7】
前記判定された尤度を前記閾値と比較することに応答して、前記サーバによって、前記尤度がある前記閾値の側に応じて、前記
取得された衛星画像が
火災を示すかどうかを判定する、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項8】
前記
取得された衛星画像が火災を示すという前記指標に応答して、前記サーバによって、前記判定された尤度が前記閾値未満であると判定することを更に含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項9】
前記
取得された衛星画像が火災を示すという前記指標を提供することが、前記サーバによって、前記
取得された衛星画像及び前記
取得された衛星画像が火災を示すという対応する指標をディスプレイ上のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)に提供することを更に含み、前記GUIが、様々な地理的領域にわたって互いにつなぎ合わされた複数の衛星画像を、前記複数の衛星画像内の火災ピクセルの1つ以上の指標と共に示す、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項10】
1つ以上のコンピュータと、前記1つ以上のコンピュータによって実行されたとき、前記1つ以上のコンピュータに、動作を遂行するように動作可能な命令を記憶する1つ以上のストレージデバイスとを含み、
前記動作が、
サーバによって、地理的領域の衛星画像、及び前記衛星画像が生成されたときに対応する日付を取得することと、
前記サーバによって、前記
取得された衛星画像内の火災が発生しているとして示されるピクセルの数を判定することと、
前記サーバによって、前記衛星画像が生成された前記日付の前からの
期間にわたる前記地理的領域の衛星画像を取得することと、
前記サーバによって、前記
取得された衛星画像から
前記取得された衛星画像の各画像が火災を示すピクセルの数を反映する前記期間にわたる統計分布を生成することと、
前記サーバによって、火災が発生していると示される前記衛星画像内のピクセルの前記判定された数と前記生成された統計分布との比較に基づいて、前記
取得された衛星画像が火災を示す尤度を判定することと、
前記サーバによって、前記判定された尤度を閾値と比較することと、
前記サーバによって、前記判定された尤度が前記閾値を満たすと決定するステップと
前記判定された尤度が前記閾値
を満たすとの判定に応答して、前記サーバによって、前記
取得された衛星画像が火災を示すという指標を提供することとを含む動作を遂行させる、システム。
【請求項11】
前記衛星画像が生成された前記日付の前から前記地理的領域の前記衛星画像を取得することが、
前記サーバによって、前記地理的領域を説明する位置を取得することと、
前記サーバによって、
及び衛星画像データベースに前記地理的領域を説明する前記位置と、前記
取得された衛星画像が生成されたときに対応する前記日付とを提供することと、
前記位置及び前記日付を前記衛星画像データベースに提供することに応答して、前記サーバによって、前記日付より前の期間から前記地理的領域を示す前記衛星画像を取得することとを更に含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記衛星画像から
の前記期間にわたる前記統計分布を生成することが、
前記サーバによって、前記取得された衛星画像から衛星画像のサブセットを選択することを更に含み、前記選択することが、
前記サーバによって、前記統計分布を生成するための
前記期間を識別することであって、前記期間が、前記衛星画像が捕捉された日付より前の期間に対応する、識別することと、
前記サーバによって、前記期間に基づいて前記
取得された衛星画像から前記画像のサブセットを選択することと、
前記サーバによって、前記衛星画像のサブセットからの1つ以上のピクセルが火災を示すかどうかの指標を判定することと、
前記サーバによって、前記サブセットの1つ以上の衛星画像が火災を示す場合、火災を示す前記1つ以上のピクセルを閾値と比較することによって、前記衛星画像のサブセットを調整することとを含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記
取得された衛星画像から
前記期間にわたる前記統計分布を生成することが、
前記衛星画像のサブセットを調整することに応答して、
前記サーバによって、火災を示す前記衛星画像のサブセットの各日におけるピクセルの数を判定することと、
前記サーバによって、火災を示す前記衛星画像のサブセットの各日における前記ピクセルの数の平均を判定することと、
前記サーバによって、前記判定された平均を前記1つ以上のパラメータに設定することによって前記統計分布を生成することとによって、前記サーバによって、統計分布の1つ以上のパラメータを生成することを更に含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記
取得された衛星画像内の、火災が発生していると示されるピクセルの数を判定することが、
前記サーバによって、前記
取得された衛星画像においてトリミングされたバウンディングボックス内の1つ以上のピクセルにわたって実行される火災検出アルゴリズムに基づいて、火災が発生していると示される前記
取得された衛星画像内のピクセルの数を判定すること、
又は
前記サーバによって、各ピクセルについての強度値を第2の閾値と比較することに基づいて、火災が発生していると示される前記
取得された衛星画像内の前記バウンディングボックス内の、前記ピクセルの数を判定すること、及び、
前記バウンディングボックス内の前記ピクセルの数からピクセルの設定数がそれぞれ前記第2の閾値よりも大きいと判定したことに応答して、前記サーバによって、前記取得された衛星画像内の
火災を示すピクセルとして前記ピクセルの設定数を識別すること
のうち1つ以上を更に含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項15】
前記
取得された衛星画像が火災を示す尤度又はを、前記
取得された衛星画像内の火災が発生していると示される前記判定されたピクセルの数と前記生成された統計分布との前記比較に基づいて判定することが、前記サーバによって、前記取得された衛星画像内の
前記火災を示すピクセルとして前記ピクセルの設定数を表すデータを、前記生成された統計分布への入力として提供することを更に含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記判定された尤度を前記閾値と比較することに応答して、前記サーバによって、前記尤度が存在する前記閾値の側に応じて、前記
取得された衛星画像が
火災を示すかどうかを判定する、請求項10に記載のシステム。
【請求項17】
前記
取得された衛星画像が火災を示すという前記指標に応答して、前記サーバによって、前記判定された尤度が前記閾値未満であると判定することを更に含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項18】
前記
取得された衛星画像が火災を示すという前記指標を提供することが、前記サーバによって、前記
取得された衛星画像及び前記
取得された衛星画像が火災を示すという対応する指標をディスプレイ上のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)に提供することを更に含み、前記GUIが、様々な地理的領域にわたって互いにつなぎ合わされた複数の衛星画像を、前記複数の衛星画像内の火災ピクセルの1つ以上の指標と共に示す、請求項10に記載のシステム。
【請求項19】
1つ以上のコンピュータによって実行可能な命令を含むソフトウェアを記憶する非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記命令が、かかる実行時に、前記1つ以上のコンピュータに、
サーバによって、地理的領域の衛星画像、及び前記衛星画像が生成されたときに対応する日付を取得することと、
前記サーバによって、前記
取得された衛星画像内の火災が発生しているとして示されるピクセルの数を判定することと、
前記サーバによって、前記衛星画像が生成された前記日付の前からの
期間にわたる前記地理的領域の衛星画像を取得することと、
前記サーバによって、前記
取得された衛星画像から
前記取得された衛星画像の各画像が火災を示すピクセルの数を反映する前記期間にわたる統計分布を生成することと、
前記サーバによって、火災が発生していると示される前記衛星画像内のピクセルの前記判定された数と前記生成された統計分布との比較に基づいて、前記
取得された衛星画像が火災を示す尤度を判定することと、
前記サーバによって、前記判定された尤度を閾値と比較することと、
前記サーバによって、前記判定された尤度が前記しきい値を満たすと決定するステップと
前記判定された尤度が前記閾値
を満たすとの判定に応答して、前記サーバによって、前記
取得された衛星画像が火災を示すという指標を提供することと
を含む動作を遂行させる、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項20】
前記衛星画像が生成された前記日付の前から前記地理的領域の前記衛星画像を取得することが、
前記サーバによって、前記地理的領域を説明する位置を取得することと、
前記サーバによって、
及び衛星画像データベースに前記地理的領域を説明する前記位置と、前記
取得された衛星画像が生成されたときに対応する前記日付とを提供することと、
前記位置及び前記日付を前記衛星画像データベースに提供することに応答して、前記サーバによって、前記日付より前の期間から前記地理的領域を示す前記衛星画像を取得することとを更に含む、請求項19に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、参照により組み込まれる、2021年7月6日に出願され、「Wildfire Identification in Images」と題された米国非仮出願第17/368,256号の利益を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本明細書は、一般に、コンピュータシミュレーションに関し、1つの特定の実装態様は、統計分布及び衛星画像を使用して山火事の指標を判定することに関する。
【背景技術】
【0003】
森林火災、原野火災、農村火災などを含み得る山火事は、様々な地理的領域で発生し得る。山火事は、ある地理的領域で発生し、ある期間にわたって別の地理的領域に拡散する可能性がある。山火事は、いくつかの例を挙げると、気候、植生、更には人間の活動などの要因によって引き起こされ得る。
【発明の概要】
【0004】
本明細書に記載の技術は、衛星画像内の山火事を識別することができる。特に、サーバは、衛星画像内のピクセルを分析し、衛星画像が山火事を示す可能性を判定する統計分布を生成することができる。いくつかの実装態様では、これらの技術は、サーバが衛星画像内のノイズから山火事を区別することを可能にする。場合によっては、1つ以上の衛星画像を含むことができる衛星画像は、典型的なシステムが山火事として識別することができるノイズを含むことができる。ノイズは、いくつかの例を挙げると、例えば川や湖などの地理的特徴からのグレア、又は車両のフロントガラスからのグレア、又は建物や居住用不動産の窓からのグレアに対応することができる。具体的には、本明細書に記載された技術は、サーバが、そのノイズが実際に山火事であるかどうかを高い信頼性で区別することを可能にする。
【0005】
衛星画像が山火事を含むかどうかを識別する技術は、この識別を他の用途で利用及び必要とすることができるため、重要である。例えば、サーバは、対応する衛星画像が山火事を含むという識別を、衛星画像のみから山火事を識別するように訓練することができる機械学習アルゴリズムに提供することができる。更に、サーバは、衛星画像が山火事を含むという指示を、山火事を含んでも含まなくてもよい複数の領域を示すために互いにつなぎ合わされた複数の衛星画像を表示することができるグラフィカルユーザインターフェースに提供することができる。外部ユーザは、グラフィカルユーザインターフェースを検討することができ、検出された山火事について当局にリアルタイムで通知するかどうか、又は、特定の地理的位置が他の地理的位置よりも山火事になりやすい理由を分析したい場合に判断することができる。
【0006】
いくつかの実装態様では、サーバは、地理的位置の衛星画像と、衛星画像が衛星によって撮影されたときに対応する日付を受信することができる。日付は、山火事の寿命における特定の日付、例えば、開始日、終了日、又は開始日と終了日との間の何らかの日付を示すことができる。地理的領域は、例えば、縦座標及び横座標、並びにこれらの位置座標を囲む領域又は領域を含む位置データによって定義され、これを伴うことができる。
【0007】
サーバは、様々な地理的領域の衛星画像を取得するために衛星画像データベースと通信することができる。衛星画像データベースは、様々な期間にわたる地球の様々な地理的領域の赤外線及び他の衛星データなどの衛星画像を記憶することができる。衛星画像はまた、ピクセル毎に燃焼及び品質保証情報を含む他の処理された衛星画像製品、例えばMODIS MCD45A1を含むことができる。衛星画像データベースは、いくつかの要因、例えば、地理的領域の位置データ、時間、日数、及び境界領域によって衛星画像にインデックスを付けることができる。
【0008】
サーバは、地理的領域に関連付けられる位置データ及び衛星画像が衛星によって撮影された日付を使用して、衛星画像を識別及び検索することができる。特に、サーバは、位置データ及び日付を衛星画像データベースに提供し、提供された日付より前の期間から衛星画像を取得することができる。サーバは、一定期間にわたって地理的領域を示す衛星画像を返すことができる。
【0009】
いくつかの実装態様では、サーバは、画像に関連付けられた日付の前の期間からの特定の地理的領域の取得された衛星画像に基づいて統計分布を生成することができる。以下で更に説明するように、サーバは、入力日より前の期間に対応する衛星画像のベースラインを生成することができ、ベースライン内の各画像は、定義された期間にわたる地理的領域を示す。サーバが統計分布を生成すると、サーバは、衛星画像が山火事を示しているかどうかを判定することができる。
【0010】
統計分布を構築する際に、サーバは、入力日より前の地理的領域の期間、例えば、入力日より3か月前の地理的領域の期間に対応する衛星画像を選択することができる。入力日から3か月後は、統計分布のベースライン画像が火災ピクセルを含まず、含まないことを保証するように選択される。更に、サーバは、山火事の最小の既知の周囲内の衛星画像をフィルタリングすることができる。これについては、以下で更に説明する。サーバは、衛星画像を生成された統計分布と比較して、衛星画像が山火事を示しているかどうかを識別することができる。
【0011】
いくつかの実装態様では、サーバは、衛星画像が出力のために山火事を示すかどうかの指標を提供することができる。サーバは、ネットワークを介してクライアントデバイスに、機械学習パイプラインに、山火事を分析する別のプロセスに、更には後の使用のために記憶装置に指標を提供することができる。
【0012】
1つの一般的な態様では、方法は、サーバによって遂行される。本方法は、サーバによって、地理的領域の衛星画像、及び衛星画像が生成されたときに対応する日付を取得することと、サーバによって、衛星画像内の火災が発生しているとして示されるピクセルの数を判定することと、サーバによって、衛星画像が生成された日付の前から地理的領域の衛星画像を取得することと、サーバによって、衛星画像から統計分布を生成することと、サーバによって、火災が発生していると示される衛星画像内の判定されたピクセルの数と生成された統計分布との比較に基づいて、衛星画像が火災を示す尤度を判定することと、サーバによって、判定された尤度を閾値と比較することと、判定された尤度を閾値と比較することに応答して、サーバによって、衛星画像が火災を示しているという指標を提供することとを含む。
【0013】
この他の実施形態及び本開示の他の態様は、コンピュータストレージデバイス上に符号化された、この方法の動作を実行するように構成された対応するシステム、装置、及びコンピュータプログラムを含む。1つ以上のコンピュータのシステムは、動作中にシステムに動作を遂行させる、システム上にインストールされたソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、又はそれらの組み合わせによってそのように構成することができる。1つ以上のコンピュータプログラムは、データ処理装置によって実行されると、装置に動作を実行させる命令を有する特長によってそのように構成されることができる。
【0014】
上記及び他の実施形態は、各々が、以下の特徴のうちの1つ以上を単独で又は組み合わせて任意選択で含むことができる。例えば、一実施形態は、以下の全ての特徴を組み合わせて含む。
【0015】
いくつかの実装態様では、衛星画像が生成された日付の前から地理的領域の衛星画像を取得することが、サーバによって、地理的領域を説明する位置を取得することと、サーバによって、地理的領域を説明する位置及び衛星画像が生成されたときに対応する日付を衛星画像データベースに提供することと、位置及び日付を衛星画像データベースに提供することに応答して、サーバによって、日付より前の期間から地理的領域を示す衛星画像を取得することとを更に含むことを、本方法は含む。
【0016】
いくつかの実装態様では、サーバによって、取得された衛星画像から衛星画像のサブセットを選択することを更に含む衛星画像から統計分布を生成することを本方法は含み、選択することは、
サーバによって、統計分布を生成するための期間を識別することであって、期間は、衛星画像が捕捉された日付より前の期間に対応する、識別することと、サーバによって、期間に基づいて衛星画像から画像のサブセットを選択することと、サーバによって、衛星画像のサブセットからの1つ以上のピクセルが火災を示すかどうかの指標を判定することと、サーバによって、サブセットの1つ以上の衛星画像が火災を示す場合、火災を示す1つ以上のピクセルを閾値と比較することによって、衛星画像のサブセットを調整することとを含む。
【0017】
いくつかの実装態様では、衛星画像から統計分布を生成することが、衛星画像のサブセットを調整することに応答して、サーバによって、火災を示す衛星画像のサブセットの各日のピクセルの数を判定することと、サーバによって、火災を示す衛星画像のサブセットの各日におけるピクセルの数の平均を判定することと、サーバによって、判定された平均を1つ以上のパラメータに設定することによって統計分布を生成することとによって、統計分布の1つ以上のパラメータ生成することを更に含むことを、本方法は含む。
【0018】
いくつかの実装態様では、方法は、火災が発生しているとして示される衛星画像内のピクセルの数を決定することが、サーバによって、衛星画像上でトリミングされたバウンディングボックス内の1つ以上のピクセルにわたって実行される火災検出アルゴリズムに基づいて、火災が発生しているとして示される衛星画像内のピクセルの数を判定すること、サーバによって、各ピクセルの強度値を第2の閾値と比較することに基づいて、火災が発生していると示される衛星画像のバウンディングボックス内のピクセルの数を判定すること、又はバウンディングボックス内のピクセルの数からピクセルの設定数がそれぞれ第2の閾値よりも大きいと判定したことに応答して、サーバによって、取得された衛星画像内の山火事を示すピクセルとしてピクセルの設定数を識別することの1つ以上を更に含むことを、本方法は含む。
【0019】
いくつかの実装態様では、方法は、火災が発生しているとして示される衛星画像内の判定されたピクセルの数と、生成された統計分布との比較に基づいて、衛星画像が火災を示す尤度又は尤度プロキシを判定することが、サーバによって、生成された統計分布への入力として、取得された衛星画像内の山火事を示すピクセルとして、ピクセルの設定数を表すデータを提供することを更に含むことを本方法は含む。
【0020】
いくつかの実装態様では、本方法は、判定された尤度を閾値と比較することに応答して、サーバによって、尤度が存在する閾値の側に応じて、衛星画像が山火事を示しているかどうかを判定することを含む。
【0021】
いくつかの実装態様では、本方法は、判定された尤度を閾値と比較することに応答して、サーバによって、尤度が存在する閾値の側に応じて、衛星画像が山火事を示しているかどうかを判定することを含む。
【0022】
いくつかの実装態様では、衛星画像が火災を示しているという指標を提供することが、サーバによって、衛星画像及び、衛星画像が火災を示しているという対応する指標とをディスプレイ上のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)に提供することを更に含み、GUIは、複数の衛星画像内の火災ピクセルの1つ以上の指標と共に、様々な地理的領域にわたって互いにつなぎ合わされた複数の衛星画像を示すことを本方法は含む。
【0023】
本明細書に記載の主題は、様々な実施形態において実施することができ、以下の利点の1つ以上をもたらし得る。いくつかの実装態様では、システムは衛星画像内の山火事を識別することができる。より具体的には、システムは、グレア又は山火事と区別できない可能性がある他の自然発生現象など、山火事と類似しているように見える衛星画像のピクセルから山火事を区別することができる。衛星画像で山火事を検出することにより、システムは、リアルタイムで、又は場合によっては、特定の地理的位置が他の地理的位置よりも山火事に傾く可能性がある理由を分析したい場合に、潜在的に検出された山火事について当局に通知することができる。これは、当局がそのエリアで検出された山火事を不動産所有者に通知したい場合、又は山火事の可能性があるエリアに接近しようとしている他者に警告したい場合に有用であり得る。システムは、衛星画像を、同様の領域を示す以前の期間からの衛星画像と比較することによって、衛星画像における山火事の検出を強化することができる。この比較により、システムは、衛星画像のノイズが山火事を示しているかどうか、又は何か異なることを示しているかどうかを判定するのに役立つベースラインを生成することができる。
【0024】
本明細書の主題の1つ以上の実施形態の詳細は、添付の図面及び以下の説明に記載される。主題の他の特徴、態様、及び利点は、説明、図面、及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1A】衛星画像において山火事を識別するためのシステムの一例を示すブロック図である。
【
図1B】衛星画像が山火事を示すかどうかを判定するときに統計分布を生成するためのシステムの一例を示すブロック図である。
【
図2】1つ以上の地理的領域で識別された山火事の可能性を示す例示的なグラフィカルユーザインターフェースである。
【
図3】衛星画像における山火事を識別するためのプロセスの一例を示すフロー図である。
【0026】
種々の図面における同様の参照番号及び名称は、同様の要素を示す。ここに示されている構成要素、それらの接続及び関係、並びにそれらの機能は、例にすぎず、本明細書に記載及び/又は特許請求されている実装態様を限定するものではない。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1Aは、衛星画像において山火事を識別するためのシステムの一例を示すブロック図である。システム100は、画像サーバシステム106、衛星画像データベース112、テンポラルデータベース108、及び時空間データベース110を含む。システム100はまた、衛星画像が山火事を示しているかどうかの指標を表示し、ユーザが画像サーバシステム106と対話することを可能にするために、ディスプレイ124などの画像サーバシステム106に接続されたモニタを含むことができる。簡潔には、システム100は、衛星画像が撮影された日付、衛星画像、及び衛星画像に示された対応する位置に基づいて、衛星画像が山火事を示すかどうかを判定することができる。システム100は、統計分布を生成し、衛星画像を生成された統計分布と比較して山火事判定を行うことができる。
【0028】
システム100は、典型的には衛星画像が山火事と混同され得るノイズを含むので、衛星画像が山火事を示しているかどうかを判定しようとする。例えば、衛星画像のノイズは山火事を示すだけでなく、グレアを示すこともできる。グレアは、衛星画像では山火事に似ているように見える可能性があり、車両のフロントガラス、居住用及び商業用施設の窓から反射することができ、湖、河川、海洋、及び他の水で満たされた地理的領域から反射することができる。衛星及び他のシステムでは、グレア及び山火事が同様に見える場合がある。画像サーバシステム106は、統計技術及び他の尺度を衛星画像に適用して、グレアを山火事と区別し、山火事を山火事と区別できない可能性がある他の自然発生現象と区別することができる。
【0029】
いくつかの実装態様では、画像サーバシステム106は、ローカルに又はネットワークを介して接続された1つ以上のサーバ又はコンピュータを含むことができる。システム100は、例えば、ローカルネットワーク、Wi-Fiネットワーク、イントラネット、インターネット接続、Bluetooth接続、衛星ネットワーク、又は画像サーバシステム106が様々なデータベース、様々なコンピュータ、及び他の様々な構成要素と通信、例えば、送受信することを可能にする何らかの他の接続とすることができるネットワーク104を含むことができる。
図1Aは、示されたシーケンス又は別のシーケンスで遂行することができるステージ(A)~(I)の様々な動作を示す。
【0030】
画像サーバシステム106はまた、衛星ネットワークを介して衛星102と通信することができる。衛星は、地球の地理的領域のメディア、例えば画像及び映像を捕捉することができる。画像サーバシステム106は、衛星と通信して、地球の様々な地理的領域の捕捉された媒体を要求し、受信することができる。これについては以下で更に説明する。
【0031】
いくつかの実装態様では、衛星画像データベース112は、地球の1つ以上の地理的領域を示す衛星画像を記憶する1つ以上のデータベースを含むことができる。衛星画像は、高品質の衛星画像、中質の衛星画像、ノイズの多い衛星画像、及び他の衛星画像を含み得る。更に、衛星画像データベース112は、ある期間にわたる地球の1つ以上の地理的領域を示す衛星画像を記憶することができる。例えば、衛星画像は、現在時刻から過去1年、5年、10年、15年、又はそれ以上前の地球の特定の地理的領域の媒体、例えば、画像及び映像を含むことができる。衛星画像データベース112は、過去の期間にわたる各日の衛星画像を含むことができる。ある場合には、衛星画像データベース112は、地理的領域の各日からの複数の画像又は複数の映像を含むことができる。
【0032】
衛星画像データベース112は、様々な期間にわたって地球の複数の地理的領域の衛星媒体を記憶することができる。例えば、衛星画像データベース112は、地理的領域1から地理的領域Nまでの衛星画像を記憶し、これらの地理的領域のそれぞれについて様々な期間の衛星画像を記憶することができる。これらの例では、衛星画像データベース112は、地理的領域1の過去10年間の各日の衛星画像及び地理的領域2の過去20年間の各日の衛星画像を記憶することができる。
【0033】
いくつかの実装態様では、衛星画像の寸法は、衛星102上で利用されるカメラ及び衛星102の位置に対応することができる。衛星102は、地球から特定の距離で地球の周囲を航行し、その距離から地球の画像を捕捉することができる。例えば、衛星は、地球から800キロメートル(km)又は497.097マイルの距離で地球の周りの低軌道を航行することができる。いくつかの実装態様では、衛星に関連付けられたカメラはま、ズーム機能を有し得る。
【0034】
いくつかの実装態様では、衛星カメラの解像度は、全ての衛星画像にわたって均一性を確保するために標準解像度に設定されてもよい。例えば、地球の地理的領域を撮影する場合、カメラの解像度は、水平及び垂直に375メートルに設定されてもよい。他の実装態様では、異なる衛星は異なる解像度を有することができる。したがって、衛星カメラは、ズーム能力を調整して、各衛星からの衛星画像にわたって解像度の均一性を保証することができる。
【0035】
いくつかの実装態様では、テンポラルデータベース108は、衛星によって捕捉され、衛星画像データベース112に記憶された衛星画像の期間を記憶する1つ以上のデータベースを含むことができる。期間は、例えば、定義された日付、日付範囲、及び時間範囲を含むことができる。例えば、テンポラルデータベース108は、2018年1月1日~2019年1月1日の時間範囲、又は2018年1月1日の12:00PM~2019年1月1日の12:01PMの時間範囲を記憶することができる。
【0036】
更に、テンポラルデータベース108は、更なる特定の日付範囲を記憶することができる。より具体的な日付範囲は、時間及び分の範囲の下の特異性を含むことができる。例えば、テンポラルデータベース108は、2018年1月1日の12:00PMから2019年1月1日の12:30PMまでの時間範囲を記憶することができる。
【0037】
いくつかの実装態様では、衛星102は、メタデータを用いて衛星画像データベース112に衛星画像を提供することができる。メタデータは、衛星画像が捕捉された地理的領域の位置データ、衛星画像を補足した衛星を識別するデータ、衛星画像が捕捉された日時、及び衛星画像を捕捉するときに衛星が宇宙のどこに位置したかを示す位置データを含むことができる。例えば、衛星102がワシントンD.C.の地理的領域の画像を捕捉した場合、衛星102は、以下のメタデータを画像に関連付けることができる:(1)38.89773、-77.03653としての地理的領域の位置データ、(2)衛星画像が捕捉された2020年6月19日の日付の1:55 PM PT、(3)画像を捕捉した衛星の名前及びモデルを示すデータ、例えば、SATELLITE111及びモデル2、(4)画像が捕捉されたときの衛星の位置データ、例えば38.89773、-77.03653の位置座標の800km上方。衛星画像データベース112は、要求された衛星画像を識別するために、画像サーバシステム106によって提供された山火事の日付及び位置を衛星画像のメタデータと照合することができる。
【0038】
これにより、画像サーバシステム106は、システム100内の各データベースにメタデータを配信することができる。例えば、衛星が衛星画像を画像サーバシステム106に提供する場合、画像サーバシステム106は、衛星画像及びメタデータを記憶目的で衛星画像データベース112に提供することができる。更に、画像サーバシステム106は、メタデータからテンポラルデータを抽出し、テンポラルデータをテンポラルデータベース108に提供することができる。テンポラルデータは、衛星画像が衛星102によって撮影された日時を示すことができる。更に、画像サーバシステム106は、メタデータから地理的領域の位置データを抽出し、位置データを時空間データベース110に提供することができる。画像サーバシステム106は、この抽出及び配信処理を、衛星から取得される衛星画像毎に遂行することができる。
【0039】
いくつかの実装態様では、時空間データベース110は、衛星によって撮影され、衛星画像データベース112に記憶された衛星画像内で識別された位置の位置データを記憶する1つ以上のデータベースを含むことができる。位置データは、例えば、緯度及び経度座標、住所、ランドマークの名前、及び都市、州、郡を識別する日付、並びに地球上の位置を識別する他のデータを含むことができる。
【0040】
時空間データベース110は、衛星画像内の山火事を示すエリア、例えば地理的領域又は座標の位置を示す1つ以上のバウンディングボックスを含むことができる。バウンディングボックスは、例えば、山火事が燃えている地理的領域又は山火事が燃えている地理的領域の周りの領域を示すポリゴンを含むことができる。バウンディングボックスは、画像サーバシステム106が火災ピクセルをカウントする場所を決定できるように、衛星画像に適用されてもよい。例えば、以下で更に説明するように、画像サーバシステム106は、衛星画像に適用されるバウンディングボックス内の火災ピクセルの数をカウントすることができる。
【0041】
ポリゴン内には、1つ以上の地理的特徴及び山火事の1つ以上の特徴を含むことができる。例えば、山火事の1つ以上の特徴は、火災が発生していない1つ以上の領域、活発に火災が発生している1つ以上の領域、最近火災が発生した1つ以上の焼損領域、及び火災に起因する1つ以上の痕跡領域を含むことができる。時空間データベース110は、画像サーバシステム106又は別の外部サービスによって取り込むことができる。
【0042】
画像サーバシステム106は、画像サーバシステム106が衛星画像を取得することに応答して、テンポラルデータベース108及び時空間データベース110にデータを記憶することができる。いくつかの実装態様では、画像サーバシステム106は、衛星画像データベース112が要求されたときに適切な衛星画像を提供できることを保証するために、衛星画像のメタデータからテンポラル及び時空間データを記憶することができる。この場合、画像サーバシステム106がテンポラルデータベース108及び時空間データベース110内に含まれるデータの外側の衛星画像を要求する場合、衛星画像データベース112は、要求されたデータが衛星画像範囲外であることを示すエラーメッセージを返すことができる。
【0043】
いくつかの実装態様では、画像サーバシステム106の外部のプロセスは、衛星画像データベース112、テンポラルデータベース108、及び時空間データベース110のポピュレーションを遂行することができる。この場合、画像サーバシステム106は、テンポラルデータベース108、時空間データベース110、及び衛星画像データベース112にアクセスすることによって、衛星画像が山火事を示しているかどうかを判定することに関連するプロセスを遂行することができる。
【0044】
ステージ(A)中に、画像サーバシステム106は、ネットワーク104を介して衛星102に要求105を送信することができる。要求105は、地球上の地理的領域の1つ以上の衛星画像を撮影するように衛星102に示すことができる。要求105は、衛星102が地球の周りをナビゲートするときに、1つ以上の画像を捕捉するための領域の位置座標、例えば緯度及び経度座標を含むことができる。
【0045】
ステージ(B)中に、衛星102は、要求105によって提供された地理的領域の1つ以上の衛星画像を捕捉することができる。衛星102は、衛星画像を捕捉するための1つ以上の衛星カメラを含むことができる。例えば、システム100に示されるように、衛星102が捕捉するように命令される地理的領域は、湖、運転車両の車道、森林、火及び煙がある地理的領域、及び他の領域を含むことができる。他の地理的領域は、システム100に示されたものよりも多い、少ない、又は異なる地理的特徴を含むことができる。
【0046】
衛星102は、要求された地理的領域の衛星画像を捕捉することができる。例えば、衛星102は、複数の画像を捕捉することができる。複数の画像は、湖、車道の一部、及び他の地理的特徴を示す衛星画像103-1を含むことができる。複数の画像はまた、衛星画像103-2及び103-3を含むことができる。衛星画像103-2は、車道の一部、フィールド、車道を走行する1つ以上の車両、及び他の地理的特徴を示すことができる。衛星画像103-3は、現在火災が発生しており、煙を含む森林を示すことができる。
【0047】
衛星画像の各々、例えば103-1から103-3は、地理的領域内の互いに近接した領域に対応することができる。いくつかの実装態様では、画像サーバシステム106は、互いに近接していない地球上の複数の地理的領域の衛星画像を捕捉するように衛星102に命令することができる。例えば、画像サーバシステム106は、衛星102に、米国の東岸に沿って北を横切り、ノースカロライナ州とペンシルバニア州との間の様々な領域を捕捉するよう命令することができる。
【0048】
衛星は、要求された1つ以上の地理的領域を毎日航行することができ、したがって、要求された1つ以上の地理的領域の衛星画像を毎日提供することができる。いくつかの実装態様では、衛星102は、1日当たり複数の画像、複数の映像、又はその両方で地理的領域を捕捉することができる。この場合、画像サーバシステム106は、1日に複数の衛星画像及び映像、翌日に複数の衛星画像及び映像の異なるセットなどを見ることができる。
【0049】
いくつかの実装態様では、衛星カメラによって捕捉された1つ以上の地理的領域は、山火事に関連付けられる1つ以上の場所を含むことができる。例えば、山火事に関連付けられる1つ以上の場所は、火災が発生していない1つ以上の領域、活発に火災が発生している1つ以上の領域、最近火災が発生した1つ以上の焼損領域、及び火災に起因する1つ以上の痕跡領域を含むことができる。システム100に示すように、地理的領域内の山火事に関連付けられる1つ以上の位置は、火災が発生していない1つ以上の領域、例えば衛星画像103-1及び103-2内の位置、活発に火災が発生している1つ以上の領域、例えば衛星画像103-N内の位置、最近火災が発生した1つ以上の焼損領域、及び火災に起因する1つ以上の痕跡領域を含むことができる。
【0050】
更に、103-1及び103-2からの衛星画像は両方ともグレアを含むことができる。衛星画像103-1のグレアは、湖の表面に反射することができる。衛星画像103-2のグレアは、車両のフロントガラスで反射される。グレアは、太陽光、車道を照らす光、懐中電灯、又は他の人工及び非人工の光源によって引き起こされ得る。
【0051】
衛星102は、パッケージ107内の衛星画像103-1、103-2、及び103-N(集合的に「衛星画像103」)の捕捉された媒体を、ネットワーク104を介して画像サーバシステム106に送信することができる。いくつかの実装態様では、衛星102は、パッケージ107内の衛星画像103の捕捉された媒体を衛星画像データベース112に直接送信し、画像サーバシステム106を直接バイパスすることができる。この場合、後の時点で、画像サーバシステム106は、(i)捕捉された衛星画像103内の山火事を識別し、及び/又は(ii)他の画像の中でも捕捉された衛星画像103を使用して統計分布を構築するために、捕捉された衛星画像103を識別するデータを取得することができる。パッケージ107は、衛星画像103、衛星102を識別するデータ、各衛星画像103に関連付けられるメタデータ、タイムスタンプ情報、及び衛星画像103に対して衛星によって遂行される任意の処理を識別するデータを含むことができる。処理は、例えば、衛星画像103に見られる統計的ノイズの量を低減するためのデジタル信号処理技術を含むことができる。
【0052】
ステージ(C)中に、画像サーバシステム106は、衛星画像データ114-Nを取得し、山火事が衛星画像データ114-Nに示されているかどうかを判定することができる。特に、衛星画像データ114-Nは、衛星画像115、衛星画像115に示されている地理的位置を示す位置116、及び衛星102が衛星画像115を捕捉したときを示す日付117を含むことができる。各衛星画像データ内の位置はまた、例えば、ランドマークの名前、都市の名前、地理的領域の名前、又は特定のアドレスなどの他の記述子を含むことができる。
【0053】
いくつかの実装態様では、外部プロセスは、衛星画像データ114-Nを取得するために、テンポラルデータベース108、時空間データベース110、及び衛星画像データベース112にアクセスすることができる。外部プロセスは、画像サーバシステム106上で実行される別のアプリケーション又は外部サーバ上で実行される別のアプリケーション若しくはプロセスを含むことができる。いくつかの実装態様では、ユーザは、画像サーバシステム106と対話することができ、衛星画像115が山火事を示しているかどうかを判定するように画像サーバシステム106に要求することができる。更に、ユーザは、画像サーバシステム106と対話することができ、複数の画像、例えば衛星画像データ114-1の衛星画像及び衛星画像データ114-2の衛星画像が山火事を示すかどうかを判定するように画像サーバシステム106に要求することができる。
【0054】
例えば、衛星画像データ114-Nは、衛星102によって捕捉された衛星画像103-Nに対応する衛星画像115を含むことができる。位置116は、41.37165、-123.99500の位置座標を含むことができ、捕捉された日付117は、2020年1月1日を示すことができる。衛星画像データ114-1は、衛星102によって捕捉された衛星画像103-1に対応する衛星画像を含むことができる。衛星画像データ114-1内の位置は、34.04150、-118.7097の位置座標を含むことができ、捕捉された日付は2020年1月1日を示すことができる。衛星画像データ114-2は、衛星102によって捕捉された衛星画像103-2に対応する衛星画像を含むことができる。衛星画像データ114-2内の位置は、32.68770、-117.17873の位置座標を含むことができ、キャプチャされた日付は、2020年1月1日を示すことができる。画像サーバシステム106はまた、処理のために他の以前に捕捉された衛星画像データを取得することができる。
【0055】
いくつかの実装態様では、画像サーバシステム106は、衛星画像115内で山火事が発生した位置を示すポリゴンを時空間データベース110から検索することができる。画像サーバシステム106は、衛星画像115に関連付けられた日付117及び位置116に基づいてポリゴンを取得することができる。画像サーバシステム106によって遂行される処理の量を制限するために、画像サーバシステム106は、衛星画像を取得した後に、取得されたポリゴンを取得された衛星画像115にトリミングすることができる。この場合、ポリゴンは、衛星画像115内で画像サーバシステム106によって探索されるピクセル数を空間的に制限することができる。ポリゴンは、衛星画像内の山火事を示す1つ以上のピクセルを包含するボックス又は多面領域とすることができる。例えば、システム100に示すように、画像サーバシステム106は、山火事が発生した可能性が高い衛星画像115内の領域にポリゴン109をトリミングすることができる。
【0056】
いくつかの実装態様では、画像サーバシステム106は、統計分布を構築するために衛星画像データベース112から衛星画像を取得することができる。例えば、画像サーバシステム106は、衛星画像データ114-Nに関連付けられた日付117及び位置116を衛星画像データベース112に提供して、日付117より前の位置及び期間範囲の衛星画像を取得することができる。いくつかの実装態様では、画像サーバシステム106は、衛星画像を取得するための日付117の前の期間を衛星画像データベース112に示すことができる。期間は、例えば、日付117の1年前、日付117の2年前、日付117の5年前、又は統計分布を構築するのに十分な日付117の他の期間を含むことができる。例えば、画像サーバシステム106は、統計分布を構築するために日付117の前に少なくとも1年の衛星画像を必要とし、その結果、日付117の前に衛星画像データベース112から2年以上の衛星画像を要求することができる。
【0057】
いくつかの実装態様では、衛星画像データベース112は、その記憶された衛星画像を位置によってインデックスすることができる。例えば、画像サーバシステム106は、衛星画像データベース112に位置116を更に提供することができ、衛星画像データベース112は、その視野内に位置116、例えば、位置座標又は別の地理的若しくは位置的記述を含む衛星画像にアクセスすることができる。衛星画像データベース112は、衛星画像のメタデータを分析することによって、対応する衛星画像の視野内の位置116を決定することができる。
【0058】
次いで、衛星画像データベース112は、時間範囲によって位置116を含むそれらの画像をフィルタリングすることができる。例えば、衛星画像データベース112は、日付117より後のタイムスタンプ及び日付を有し、日付117より前の期間外に存在する衛星画像を除外又はフィルタリングすることができる。例えば、画像サーバシステム106は、衛星画像データベース112に示して、2020年1月1日の2年前、例えば2018年1月1日から2020年1月1日までの位置116を示す全ての衛星画像を提供することができる。画像サーバシステム106は、2018年1月1日の日付の前及び2020年1月1日の日付の後の位置116を示す全ての衛星画像を除外することができる。
【0059】
衛星画像データベース112は、画像サーバシステム106の基準を満たす識別された衛星画像を識別し、画像サーバシステム106に戻して提供することができる。識別された衛星画像は、位置116を含む衛星画像の1つ以上の画像又は映像を含むことができ、例えば、日付117の2年前の時間範囲にあるタイムスタンプを有することができる。いくつかの例では、識別された衛星画像は、2018年1月1日から2020年1月1日までの各日の衛星画像を含むことができ、又は2018年1月1日から2020年1月1日までの各日の複数の衛星画像又は映像を含むことができる。場合によっては、2018年1月1日から2020年1月1日までの日のうちの1つ以上は、衛星がそれらの日に位置116の周りの画像を捕捉しなかった場合、衛星画像を含まないことがある。
【0060】
いくつかの実装態様では、衛星画像データ114の各媒体は、指定された解像度を含むことができる。例えば、各媒体は、水平方向に325メートル、垂直方向に325メートルの解像度を含むことができる。この解像度により、画像サーバシステム106は、位置116だけでなく、位置116を囲む領域も視覚的に検査することができる。山火事は特定の場所で発生し、位置116の周りのバウンディングボックス又はポリゴンなどの位置116に近接した広い領域を見ることによって別の位置に移動する可能性があるため、画像サーバシステム106は、山火事が衛星画像に存在するかどうかの判定を改善することができる。例えば、バウンディングボックス又はポリゴンは、山火事を包含する領域を示す衛星画像を有するエリア又は領域に対応することができる。バウンディングボックスは、衛星画像内の山火事をカバーする最小エリア、又は山火事と山火事外の両方を包含するエリアを含むことができる。
【0061】
更に、位置116が識別された衛星画像の縁にある場合、衛星画像データベース112はまた、縁のある衛星画像内の位置116に隣接する衛星画像を提供することができる。この場合、画像サーバシステム106は、位置116が衛星画像の縁部、例えば垂直又は水平にある場合でも、衛星画像に示される位置116が常に画像のエリア、例えば画像解像度によって囲まれることを保証することができる。いくつかの実装態様では、画像サーバシステム106は、位置116の周囲のバウンディング領域又はエリアを衛星画像データベース112に示すことができる。次いで、衛星画像データベース112が画像サーバシステム106の基準を満たす衛星画像を識別すると、衛星画像データベース112は、最初に識別された衛星画像がバウンディン領域又はエリアの基準内にない場合に提供する追加の衛星画像を識別することができる。
【0062】
いくつかの実装態様では、衛星画像データベース112は、識別された衛星画像をネットワークを介して画像サーバシステム106に提供することができる。他の実装態様では、衛星画像データベース112は、衛星画像の検索を遂行するために、識別された衛星画像のインデックスを画像サーバシステム106に提供することができる。場合によっては、衛星画像データベース112はまた、画像サーバシステム106による迅速な検索のために、識別された衛星画像へのリンクを提供することもできる。リンクは、例えば、zipファイル、クラウドストレージへのアクセス、又は衛星画像のダウンロードのための何らかの他の形態を含むことができる。
【0063】
ステージ(D)中に、画像サーバシステム106は、統計分布を生成するための衛星画像データ114-Nを提供することができる。更に、画像サーバシステム106は、統計分布を生成するために、衛星画像データベース112から取得された識別された衛星画像を提供することができる。画像サーバシステム106は、識別された衛星画像及び衛星画像データ114-Nに基づいて統計分布を生成することができる。
【0064】
ステージ(E)中に、画像サーバシステム106は、識別された衛星画像及び衛星画像データ114-Nに基づいて統計分布120を生成することができる。いくつかの実装態様では、画像サーバシステム106は、衛星画像115の山火事の尤度を判定するために、衛星画像115と比較するための統計分布120を生成することができる。特に、統計分布120は、ある期間にわたる特定の地理的領域における衛星ノイズの周波数モデルに対応することができる。いくつかの例では、周波数モデルは、正規分布、ガウス分布、又はポアソン分布に基づくことができる。
【0065】
いくつかの実装態様では、衛星画像データベース112から識別された衛星画像は、様々なランドマーク、建物、道路、及び他の地理的特徴を示すことができる。他の地理的特徴は、例えば、河川、海洋、湖、丘、平地を含むことができる。衛星画像はまた、人々、車両、動物、及び地理的領域で一般的に見られる他の特徴を示すことができる。衛星画像はまた、グレア、グリント、及び歪んだピクセルなどのノイズの多い特性を含むことができる。
【0066】
いくつかの実装態様では、衛星画像は様々な火災領域を示すことができる。これらの領域は、例えば、火災が発生していない1つ以上の領域、活発に火災が発生している1つ以上の領域、最近火災が発生した1つ以上の焼損領域、及び火災に起因する1つ以上の痕跡領域を含むことができる。火災が発生していない領域は、火災が発生していない地理的領域をもう1つ示すことがある。活発に燃焼している領域は、例えば、活発な火、煙、又は残り火を示す領域を含むことができる。最近火災が発生した焼損領域は、火災が発生したがもはや活発ではない地理的領域を示すことができるが、それらの地理的領域は依然として熱く危険である。痕跡領域は、一度燃えたがもはや活発ではなく、それらの地理的領域がもはや熱くも危険でもない地理的領域を示すことができる。
【0067】
画像サーバシステム106は、統計分布120を生成及び利用して、衛星画像115における山火事の検出の精度を向上させることができる。特に、画像サーバシステム106は、最初に山火事を示すように見える衛星画像115のピクセル数を識別することによって、衛星画像115を生成された統計分布120と比較するプロセスを開始することができる。識別されたピクセルのいくつかは、山火事を示さず、むしろノイズの多いピクセルを示すことができる。この問題を軽減するために、画像サーバシステム106は、山火事を示すように見える衛星画像115内で識別されたピクセルの数を生成された統計分布120と比較して、ノイズの多い特性を有する画像をフィルタリングすることができる。
【0068】
そのような比較を行うことができるように、画像サーバシステム106は、進行中の山火事を示していない位置116と同じ位置を示す衛星画像データベース112から取得された歴史的衛星画像を用いて統計分布120を構築することができる。例えば、画像サーバシステム106は、最初に、山火事を示していない衛星画像データベース112からの識別された衛星画像内の日付117より前の期間を識別しなければならない。対応する衛星画像に山火事がないことを保証する日付117の3か月前の日付を識別することに加えて、画像サーバシステム106は、歴史的気象報告及び他の気候データベースを識別して、衛星画像で識別された地理的領域などの特定の地理的領域に火災があったかどうかを確認することができる。衛星画像ベースラインを生成することにより、画像サーバシステム106は、ベースラインの基準から外れた衛星画像内の任意のピクセルを識別し、対応する衛星画像が山火事を示すように見えることを示すことができる。この場合、画像サーバシステム106は、まず、日付117の3か月前の日付を判定する。システム100の例では、日付117の3か月前の日付は2019年10月1日である。
【0069】
画像サーバシステム106は、一般に、山火事は3か月より長く続かないので、日付117の3か月前の日付を決定することができる。日付117の3か月前の日付を識別することにより、画像サーバシステム106は、衛星画像データ114-Nからのデータによって識別された潜在的な山火事は、対応する衛星画像、例えば日付117の3か月前の日付の衛星画像において活発ではないか、又は点灯されていないと安全に仮定することができる。いくつかの実装形態では、画像サーバシステム106が、日付117の3か月前の日付に衛星画像データベース112からの識別された衛星画像に依然として発生している山火事を識別する場合、画像サーバシステム106は、更に早い日付を識別することができる。場合によっては、画像サーバシステム106は、日付117と日付117の3か月前の日付との間の期間中に1つ以上の他の山火事が活発であったかどうかを識別することができる。1つ以上の他の山火事は、異なる起源を有し、日付117によって識別される山火事を引き起こさなかった山火事に対応し得る。画像サーバシステム106は、この時間ウィンドウの間に別の山火事がアクティブであったかどうかを判定するために、1つ以上の公開山火事データベースにアクセスすることができる。しかしながら、衛星画像データ114-Nによって潜在的に識別された山火事と同じ地理的領域で活動している別の山火事の発生はまれである。
【0070】
例えば、画像サーバシステム106は、2019年10月1日からの日付を、例えば2019年9月1日に戻すことができる。画像サーバシステム106が、2019年9月1日の日付の識別された衛星画像内のピクセルが山火事を示しているように見えないと判定した場合、画像サーバシステム106は、2019年9月1日を統計分布を構築する時間範囲の終了日として設定することができる。画像サーバシステム106は、時間範囲の終了日を識別するプロセスを繰り返し遂行することができ、例えば、対応する衛星画像に山火事がない開始日が示されるまで、1日、1か月、又は1週間遡って移動し続ける。
【0071】
いくつかの実装態様では、画像サーバシステム106は、時間範囲について決定された終了日の1年前の日を決定することができる。時間範囲の決定された終了日の1年前の日付は、時間範囲の開始日として知られている。画像サーバシステム106は、統計分布120を構築するために衛星画像を識別するための時間範囲の開始日及び終了日を識別することができる。システム100の例を続けると、画像サーバシステム106は、時間範囲の開始日を2018年10月1日、例えば、2019年10月1日の終了日の1年前に決定することができる。
【0072】
しかしながら、画像サーバシステム106が開始日を2018年10月1日に設定する場合、画像サーバシステム106は、歴史的火災の外部データベースからのデータを使用して、位置116を示す衛星画像が開始日、例えば例えば2018年10月1日と終了日、例えば2019年10月1日との間の活発な山火事を示さないことを保証することができる。画像サーバシステム106が、例えば、2018年10月1日から2019年10月1日までの地理的領域において山火事があった、又は活発だったことを示す歴史的火災の外部データベースからのデータを識別した場合、画像サーバシステム106は、それに応じて開始日又は終了日を調整することができる。画像サーバシステム106が衛星画像内の進行中の山火事を検出又は識別する方法は、以下で更に説明される。
【0073】
時間範囲内の衛星画像が進行中の山火事を示しているかどうかを判定するために、画像サーバシステム106は、衛星画像内の火災ピクセルの数を識別し、火災ピクセルの数を閾値と比較することができる。時間範囲内の衛星画像が進行中の山火事を示しているかどうかを判断するために、画像サーバシステム106は、衛星画像内の火災ピクセルの数を特定し、火災ピクセルの数を閾値と比較することができる。例えば、画像サーバシステム106は、衛星画像に対して火災検出アルゴリズムを実行して、火災を含むピクセルの数を判定することができる。火災検出アルゴリズムは、例えば、活発な火災検出アルゴリズムを含むことができる。衛星画像内の火災ピクセルの数が閾値未満である場合、画像サーバシステム106は、特定の衛星画像が火災を含まないことを示すことができる。
【0074】
例えば、画像サーバシステム106は、2018年10月1日から2019年10月6日までの間に、衛星画像データベース112からの識別された衛星画像から衛星画像のサブセットを選択することができる。画像サーバシステム106は、その時間範囲内の各日からの各画像又は映像を処理し、山火事を示すように見えるピクセルを探索することができる。画像サーバシステム106が、2018年10月4日に山火事を示すように見えるピクセル、例えば、ピクセル数が閾値よりも大きく、他の日には検出しない場合、画像サーバシステム106は、2018年10月5日から2019年10月1日までの時間範囲を調整することができる。あるいは、画像サーバシステム106が、2019年10月1日に山火事を示すように見えるピクセル、例えば、ピクセル数が閾値より大きいことを検出した場合、画像サーバシステム106は、2018年10月1日から2019年9月31日までの時間範囲を調整することができる。
【0075】
場合によっては、画像サーバシステム106が、2018年12月1日又は2018年11月1日などの時間範囲の途中で山火事を示すように見えるピクセルを検出した場合、例えば、ピクセル数が閾値より大きい場合、画像サーバシステム106は、それらの日を時間範囲から削除し、時間範囲を複数の連続したサブ時間範囲に調整することができる。例えば、連続するサブ時間範囲は、2018年10月1日~2018年10月31日、2018年11月2日~2018年11月31日(まで)、2018年12月2日~2019年10月1日(まで)を含むことができる。したがって、画像サーバシステム106は、衛星画像分布を構築するための単一の連続時間範囲又は複数の連続サブ時間範囲を作成することができる。
【0076】
いくつかの実装態様では、画像サーバシステム106は、日付117の3か月後の日付の9か月前の日付を判定することができる。例えば、画像サーバシステム106が、2019年10月1日の日付の衛星画像が山火事を示しているようには見えないと判定した場合、画像サーバシステム106は、時間範囲の開始の2019年10月1日の9か月前の日付を識別することができる。時間範囲の終了日は2019年10月1日となる。2019年10月1日の9か月前の日付は、2019年1月1日に対応する。したがって、画像サーバシステム106は、2019年1月1日~2019年10月1日の時間範囲に基づいて統計分布120を構築することができる。
【0077】
画像サーバシステム106は、画像サーバシステム106が統計分布120をより短い9か月の時間範囲、例えば、2019年1月1日から2019年10月1日に基づく場合、より迅速に統計分布120を生成し、処理速度/電力を節約することができる。しかしながら、画像サーバシステム106は、画像サーバシステム106が統計分布120をより長い1年の時間範囲、例えば2018年10月1日から2019年10月1日に基づく場合、位置116のより正確で代表的な統計分布120を生成することができる。いくつかの例では、典型的には、山火事は、8月及び9月頃に始まる標準的な3か月間の火災シーズン中に、特定の領域、例えばカリフォルニア領域で発生する可能性がある。この火災シーズン中に発生する火災では、1年間のウィンドウの代わりに9か月のウィンドウを選択して、ベースライン分布において前年の火災シーズンからの山火事を偶発的に含む衛星画像が選択される尤度を減らすことができる。いくつかの実装態様では、画像サーバシステム106は、時間範囲又はベースライン分布に火災が誤って含まれる可能性を減らすために、時間範囲に対応する衛星画像から火災シーズンを除去することができる。
【0078】
衛星画像データベース112からの識別された衛星画像からの識別された時間範囲内の衛星画像の識別に応答して、画像サーバシステム106は、山火事を示すように見える識別された衛星画像の各日のピクセル数を判定することができる。例えば、画像サーバシステム106は、2018年10月1日から2019年10月1日までの識別された時間範囲の間の各日の衛星画像を分析し、各日の火災ピクセルの数を判定することができる。いくつかの実装態様では、画像サーバシステム106は、時空間データベース110から検索されたポリゴンを識別された衛星画像に適用することができる。山火事が発生した位置を示す識別された衛星画像にポリゴンをトリミングすることにより、画像サーバシステム106は、識別された衛星画像内で探索されるピクセルの量低減することができる。この場合、画像サーバシステム106は、検索されたポリゴン内の識別された衛星画像内のピクセルを探索することができる。
【0079】
画像サーバシステム106は、例えば、2018年10月1日に100個の火災ピクセルをカウントし、10月2日に111個の火災ピクセルをカウントし、2019年10月1日まで毎日衛星画像をカウントし続けることができる。1年間の時間範囲又は複数の連続したサブ時間範囲を有する時間範囲の衛星画像を分析する場合にも、同じプロセスが当てはまる。画像サーバシステム106は、例えば、火災検出アルゴリズムを使用して、山火事を示すように見える火災ピクセル又はピクセルの数をカウントすることができる。
【0080】
いくつかの実装態様では、画像サーバシステム106は、各日について検出された火災ピクセルの数を正規化することができる。例えば、画像サーバシステム106は、2018年10月1日には一つの衛星画像を分析し、2018年10月2日には100個の衛星画像を分析し、2018年10月3日には30個の衛星画像を分析することができる。画像サーバシステム106は、日毎に検出された火災ピクセルの数を衛星画像の数で除算して、検出を正規化することができる。正規化する理由は、生成された統計分布120が滑らかな曲線を生成することを確実にするためである。値が正規化されていない場合、生成された分布120の曲線は、ギザギザの縁部を含み、確率予測を歪めることができる。
【0081】
いくつかの実装態様では、識別された時間範囲の衛星画像内又は衛星画像のポリゴン内の各日の火災ピクセルの数を判定した後、画像サーバシステム106は統計分布120を生成することができる。例えば、画像サーバシステム106は、進行中の山火事を示すように見える衛星画像において識別されたピクセル数の頻度ヒストグラムを生成することができる。頻度ヒストグラムは、グラフ表現、X軸上の日数、及びY軸上の火災ピクセル数で示すことができる。
【0082】
次いで、画像サーバシステム106は、頻度ヒストグラムの平均を判定し、平均又は標準偏差などの他のデータ記述子を統計分布に適合させることができる。例えば、画像サーバシステム106は、頻度ヒストグラムの平均をポアソン分布又は別の統計分布に適合させることができる。ポアソン分布では、平均は分散と同等である。システム100の場合、所与の時間間隔、例えば、1年における山火事を示すために識別されたピクセルの平均数は、ポアソン分布の分散と同等である。
【0083】
いくつかの実装態様では、大量の山火事がベースライン分布で発生した場合、ベースライン分布又は統計分布は、もはや同等の平均及び分散を有さない可能性がある。言い換えれば、ベースライン分布はもはやポアソン分布に従わない可能性がある。この場合、画像サーバシステム106は、ベースライン分布、例えば統計分布120の平均及び分散が同等であるかどうかを判定する試験を遂行することができる。試験は、例えば、統計分布120におけるサンプルの平均を分析し、サンプルの分散を分析することにより遂行される。画像サーバシステム106が統計分布120の平均及び分散が同等でないことを検出した場合、画像サーバシステム106は、時間範囲及び対応する衛星画像を調整し、調整された時間範囲からの衛星画像に基づいて新しい統計分布120を構築することができる。画像サーバシステム106は、同等の平均及び分散を有する統計分布120が構築されるまで、このプロセスを繰り返すことができる。統計分布120が構築されると、山火事を示すように見えるピクセルの平均数などの1つのパラメータのみが、事象の確率を判定するために必要とされる。以下の式は、ポアソン確率変数の確率分布関数を示す。
【0084】
【0085】
ポアソン分布を示す上記の式1において、値λベースラインからの山火事を示すように見えるピクセルの平均数に対応する。値kは、確率変数又は事象が発生する回数、例えば、入力画像から山火事を示すように見えるピクセルの数に対応する。結果として得られる値、f(k;λ)は、ポアソン確率分布関数を表す確率に対応する。いくつかの実装態様では、画像サーバシステム106は、値λが判定されると、ポアソン分布を返すことができる。
【0086】
ポアソン分布は、入力画像との比較中に、所与の期間に事象が発生する可能性を示す結果値を提供することができる。特に、ポアソン分布の確率密度関数(PDF)は、カウントされたピクセルがkである特定の日がノイズの分布から自然に発生した確率を返すことができる。したがって、PDFによって出力される値が低いほど、例えば山火事などの外力がk値のカウントに寄与している可能性が高くなります。あるいは、PDFによって出力される値が高くなるほど、外力がk値のカウントに寄与する可能性が低くなり、画像がベースライン分布からの画像により密接に類似していることを示す。例えば、確率が0.01などの低い値に対応する場合、画像サーバシステム106は、画像が山火事を示している可能性が高いと判定することができる。あるいは、確率が0.95などの高い値に対応する場合、画像サーバシステム106は、画像が進行中の山火事を示していない可能性が高いと判定することができる。いくつかの実装態様では、画像サーバシステム106は、確率を生成するためにポアソン分布のPDFの代わりに累積密度関数(CDF)を使用することができる。
【0087】
ステージ(F)中に、画像サーバシステム106は、山火事を示すように見える衛星画像115のピクセル数を判定することができる。いくつかの実装態様では、画像サーバシステム106は、火災検出アルゴリズムを使用して、ピクセルが山火事を示しているかどうかを判定することができる。いくつかの実装態様では、画像サーバシステム106は、衛星画像115のポリゴン109内のピクセル数を分析して、火災検出アルゴリズムによる低減された処理のために探索されるピクセルの量を低減することができる。他の実装態様では、画像サーバシステム106は、ピクセルの輝度を分析して、ピクセルが山火事を示しているかどうかを判定することができる。例えば、画像サーバシステム106は、各ピクセルの輝度を分析し、ピクセルの輝度を閾値と比較することによって、2020年1月1日の衛星画像115の山火事を示すように見えるピクセルの数を決定することができる。例えば、画像サーバシステム106は、ピクセルの赤色、青色、及び緑色RGB)値を平均化することによって、ピクセルの輝度を判定することができる。いくつかの実装態様では、画像サーバシステム106は、RGB値以外の波長を分析して、どのピクセルが火災が発生しているかを判定することができる。例えば、RGB以外の波長は、赤外線波長を含むことができる。平均が低いほど、ピクセルは明るくなく、逆もまた同様である。別の例では、画像サーバシステム106は、以下の式を使用して相対輝度値を計算することによってピクセルの輝度を決定することができる。
Y=0.2126*R+0.7152*G+0.0722*B (2)
【0088】
上記の式2は、ピクセルのRGB値に基づいてピクセルの相対輝度値を計算することを示している。例えば、画素の赤色値が100であり、緑色値が100であり、青色値が100である場合、相対輝度値は100である。相対輝度値が大きいほど、ピクセルの輝度は大きくなる。ピクセルの輝度は、そのピクセルが山火事を表しているのかノイズを表しているのかを示すものではないが、ピクセルの輝度はピクセルが火災発生しているように見える指標であり得る。いくつかの実装態様では、画像サーバシステム106はまた、ピクセルの強度を分析して、ピクセルに山火事が存在するかどうかを判定することができる。他の実装態様では、画像サーバシステム106は、対応するピクセルが山火事を示すかどうかを判定するために外部ソースに依存することができる。例えば、画像サーバシステム106は、衛星画像からの赤外線帯域をピクセルのRGB帯域と組み合わせることによって、ピクセルがどこで火災が発生していたか、それとも火災が発生していなかったかを判定するためにNASAによって開発された可視赤外線撮像放射計スイート(VIIRS)アクティブファイア製品を利用することができる。典型的には、各衛星は、対応する機器の仕様に最適化された独自の検出アルゴリズムを含む。
【0089】
いくつかの実装態様では、画像サーバシステム106は、特定の日の衛星画像に時空間データベース110から取得されたポリゴンを適用することができる。画像サーバシステム106は、各ピクセルの輝度又は強度を分析し、ピクセルの輝度を閾値と比較することによって、2020年1月1日の衛星画像のポリゴン内で山火事を示すように見えるピクセルの数を判定することができる。衛星画像にポリゴンを組み込むことにより、画像サーバシステム106は、衛星画像内のより少ない量のピクセルが探索されるため、処理の複雑さを低減し、処理時間を短縮することができる。
【0090】
画像サーバシステム106は、2020年1月1日の衛星画像又は2020年1月1日の衛星画像に適用されたポリゴン内の各ピクセルの輝度を計算することができる。そして、各ピクセルについて、画像サーバシステム106は、各ピクセルの輝度を閾値と比較することができる。例えば、画像サーバシステム106は、50の閾値又は別の輝度値を指定することができる。衛星画像の特定のピクセルが閾値より大きい場合、画像サーバシステム106は、そのピクセルがカウントに含まれると見なすことができる。画像サーバシステム106は、このプロセスを衛星画像のピクセル毎に繰り返す。
【0091】
いくつかの実装態様では、画像サーバシステム106は、衛星画像115内の山火事を示すピクセルを識別することができる。状況に応じて、山火事を示すことができるピクセルは、ポリゴン内の領域、例えば、活発に火災が発生している領域及び最近火災が発生した可能性のある焼損領域に対応することができる。最近火災になった焼損領域が火災からの1つ以上の残り日を含む場合、画像サーバシステム106は、衛星画像内のそれらの残り火に関連付けられたピクセルを火災が発生しているピクセルとして検出及び識別することができる。しかしながら、火災が発生していない領域及び火災の結果生じた痕跡領域に関連付けられたピクセルは、火災を示すものとして画像サーバシステム106によって検出されない。
【0092】
例えば、システム100に示すように、画像サーバシステム106は、衛星画像115が山火事を示すように見える115個のピクセルを含むと判定することができる。画像サーバシステム106は、生成された統計分布120に山火事を示しているように見える115個のピクセルを出力118に提供することができる。
【0093】
ステージ(G)中に、画像サーバシステム106は、生成された統計分布120への入力として山火事を示すように見えるピクセルの数を提供することによって、衛星画像115が山火事を示す確率を判定することができる。例えば、画像サーバシステム106は、衛星画像115内のカウントされたピクセル数を、ポアソン分布、例えば統計分布120の式1の値kに入力することができる。例えば、画像サーバシステム106は、頻度ヒストグラムをポアソン分布に適合させ、以下の式を決定した可能性がある。
【0094】
【0095】
式3に示すように、値λの代わりに100という数字が付けられています。これは、毎日のベースライン分布から山火事を示すために現れるピクセルの平均数に対応する。更に、値λは、ポアソン分布曲線の広さを説明することができる。式3は、統計分布120のポアソン分布の確率密度関数又は連続確率密度関数である。値kは、山火事を示すように見える2020年1月1日の衛星画像において見出されるピクセルの数に対応する。例えば、特定の画像のピクセルカウントは115の値に対応し、式3は以下の値をもたらす。
【0096】
【0097】
式4に示されるように、画像サーバシステム106は、115個の火災ピクセルの事象がベースライン分布において発生する可能性がある確率を1.272%と計算した。更に、計算確率は、ベースライン分布から判定される、例えば2018年10月1日から2019年10月1日までの1年間に発生する火災ピクセルの既知の平均率に対する、例えば2020年1月1日の1日の衛星画像で発生した事象、例えば火災ピクセルの数を示す。システム100に示すように、画像サーバシステム106は、1.27%の確率122を判定する。
【0098】
いくつかの実装態様では、計算された確率は、衛星画像が火災が発生していない確率のプロキシであるメトリックに対応することができる。プロキシが与えられると、画像サーバシステム106は、尤度が閾値のどちら側にあるかに応じて、衛星画像が山火事を示すかどうかを判定することができる。尤度がより大きい場合、尤度は、衛星画像が山火事を示していることを示すことができる。あるいは、尤度がより小さい場合、尤度は、衛星画像が山火事を示していないことを示すことができる。
【0099】
ステージ(H)中に、画像サーバシステム106は、出力確率を閾値と比較して、2020年1月1日の衛星画像115がベースライン分布と同様の数の火災ピクセルを有するかどうかを判定することができる。例えば、画像サーバシステム106は、閾値を5%や6%に設定してもよい。画像サーバシステム106が、確率122が閾値未満であると判定した場合、画像サーバシステム106は、衛星画像115が火災を示している可能性が高いと判定することができる。あるいは、出力確率が閾値よりも大きいと画像サーバシステム106が判定した場合、画像サーバシステム106は、衛星画像115が火災を示していないと判定することができる。システム100に示すように、画像サーバシステム106は、確率122と閾値との比較に基づいて、衛星画像115が火災を含む可能性が高いことを示す出力123を提供した。
【0100】
いくつかの実装態様では、画像サーバシステム106は、衛星画像データ114-1、衛星画像データ114-2、及び衛星画像データ114-Nのそれぞれに対してステージ(C)~(H)のプロセスを遂行することができる。画像サーバシステム106は、この判定を行うために画像サーバシステム106によって使用される出力123及びデータをメモリに集合的に保存することができる。例えば、画像サーバシステム106は、出力123、対応する確率122、生成された統計分布120、衛星画像115でカウントされたピクセル数を示す出力118、及び衛星画像データ114-Nをメモリに保存することができる。画像サーバシステム106は、各衛星画像データ114のこのデータを保存して、衛星画像における将来の火災検出を改善するのを助けることができる。例えば、画像サーバシステム106が、将来の衛星画像データが、以前に記憶された統計分布及び火災ピクセルのカウントと同様の火災ピクセルの分布及びカウントをそれぞれ含むと判定した場合、画像サーバシステム106は、以前の結果に基づいて追加の処理を遂行することなく、将来の衛星画像データにおける火災又は無火災を示す迅速な結果を提供することができる。
【0101】
ステージ(I)中に、画像サーバシステム106は、出力のために出力123を提供することができる。例えば、システム100に示すように、画像サーバシステム106は、出力123及び対応する衛星画像115を、画像サーバシステム106に接続されたディスプレイ124に提供することができる。ディスプレイ124上の出力ディスプレイ130は、衛星画像115が山火事を示している可能性が高いことを示している。同様に、画像サーバシステム106は、対応する衛星画像データ114-1の結果出力を生成し、対応する衛星画像データ114-2の結果出力を生成することができる。次いで、画像サーバシステム106は、結果として得られた出力及びそれらのそれぞれの衛星画像の両方をディスプレイ124に提供することができる。システム100に示すように、ディスプレイ124上の出力ディスプレイ126は、衛星画像データ114-1に関連付けられた衛星画像が山火事を示していないことを示す。同様に、ディスプレイ124上の出力ディスプレイ128は、衛星画像データ114-2に関連付けられた衛星画像が山火事を示していないことを示す。
【0102】
いくつかの実装形態では、画像サーバシステム106は、衛星画像が山火事を示しているかどうかの指示を、1つ以上の内部又は外部パイプラインに提供することができる。内部パイプラインは、例えば、訓練データとして、又は異なる山火事予測のための分析を生成するために異なる機械学習モデルに提供するデータとして、異なる機械学習モデルとすることができる。異なる機械学習モデルは、将来の衛星画像からの山火事識別、衛星画像からリアルタイムでの山火事の検出、及び山火事の発生源の識別などのアプリケーションを遂行することができる。他の例では、衛星画像が、特定の領域で燃焼する山火事の歴史的な長さ又は深刻度を判定する異なるプロセスに対する山火事を示しているかどうかの指標。
【0103】
他の内部パイプラインは、例えば、システム100で識別されたプロセスに基づいて山火事を含む場合も含まない場合もある複数の領域を示すために、互いにつなぎ合わされた1つ以上の衛星画像を示す地理的領域の1つ以上のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を含むことができる。GUIを使用して、外部ユーザは、GUIをレビューし、潜在的に検出された山火事について当局にリアルタイムで通知するかどうか、又は個人が、特定の地理的位置が他の地理的位置よりも山火事になりやすい理由を分析したい場合に判断することができる。外部パイプラインは、例えば、衛星画像で山火事検出を遂行し、山火事などの気候の危機を遠隔監視し、森林及びその成長を監視する外部プログラムであり得る。他の例では、外部パイプラインは、衛星が適切に動作していることを保証するため、又は衛星及び火災検出アルゴリズムの精度を評価するための機能に対応することができる。他の例では、外部パイプラインは、第1対応者、例えば消防士又は民間人の利益のための山火事監視を含むことができる。
【0104】
画像サーバシステム106はまた、対応する衛星画像115の出力123を、ネットワークを介して1つ以上の外部装置に提供することができる。例えば、画像サーバシステム106は、提供された衛星画像が山火事を含むか否かを検討するために、モバイルデバイス、パーソナル携帯端末、タブレット、又は別のクライアントデバイスなどのクライアントデバイスに出力123を提供することができる。クライアントデバイスは、以前の衛星画像が山火事を示しているかどうかの指示の受信に応答して、画像サーバシステム106が処理するための別の衛星画像を提供することができる。
【0105】
図1Bは、衛星画像が山火事を示すかどうかを判定するときに統計分布を生成するためのシステム101の一例を示すブロック図である。システム101は、システム100からのステージ(E)中に遂行されるプロセスを示す。システム101はポアソン分布の生成を示しているが、他の分布がシステム101によって生成されてもよい。
図1Bは、示された順序又は別の順序で遂行することができるステージ(J)~(N)の様々な動作を示す。
【0106】
いくつかの実装態様では、システム101は、統計分布を生成するためのプロセスを示す。画像サーバシステム106は、いくつかの例を挙げると、統計分布をポアソン分布、正規分布、又はガウス分布になるように生成することができる。統計分布を生成するためのプロセスは、一般に、特に次のことが含まれる。(i)提供された日付の3か月前の第1の日付を識別する、(ii)第1の日付の1年又は9か月前である第2の日付を識別する、(iii)第1の日付と第2の日付との間の時間範囲に基づいて、取得された衛星画像から衛星画像のサブセットを選択する、(iv)衛星画像のサブセットからの火災ピクセルの平均、標準偏差、及び他の統計的特性を決定し、(v)衛星画像のサブセットからの火災ピクセルの統計的特性に基づいて統計分布を生成する。
【0107】
ステージ(J)中に、画像サーバシステム106は、衛星画像に関連付けられた提供された日付の3か月前の第1の日付121を決定することができる。例えば、画像サーバシステム106は、システム100に示すように、衛星画像の提供された日付が2020年1月1日の日付に対応する場合、最初の日付121を2019年10月1日と決定することができる。画像サーバシステム106は、提供された日付の3か月前の日付を識別して、ベースライン画像を構築するときに、統計分布のベースライン画像が火災ピクセルを含まないことを保証する。
【0108】
ステージ(K)中、画像サーバシステム106は、第1の日付121の1年前である第2の日付127を決定することができる。例えば、画像サーバシステム106は、第1の日付127が2019年10月1日に対応する場合、第2の日付121を2018年10月1日に決定することができる。いくつかの実装態様では、画像サーバシステム106は、第1の日付121の9か月前の第2の日付127を決定することができる。例えば、画像サーバシステム106は、第2の日付127を、9か月の時間窓の2019年1月1日であると決定することができる。
【0109】
ステージ(L)中に、画像サーバシステム106は、取得された衛星画像から衛星画像のサブセットを選択することができる。システム101に示すように、画像サーバシステム106は、衛星画像115に示される地理的領域の位置116及び、衛星画像115が衛星102によって捕捉された日付117を取得することができる。日付は、例えば、2020年1月1日を示す文字列とすることができ、位置は、41.37165,-123.99500Eの緯度及び経度座標を示す文字列又は数字とすることができる。このステージは、システム100からのステージ(C)と同様である。
【0110】
次いで、画像サーバシステム106は、日付117、位置116、及び期間134を提供することにより、衛星画像データベース112から衛星画像を要求することができる。期間134は、例えば、衛星画像を取得するための日付117より前の期間を示すことができる。例えば、期間134は、1年、3年、5年、又は統計分布を構築するのに十分な別の期間を示すことができる。
【0111】
衛星画像データベース112は、地球の様々な地理的領域を示す衛星画像を含むことができる。例えば、衛星画像は、高解像度画像113b、ノイズの多い画像113a、及び赤外線映像及び他の媒体などの他のタイプの画像を含むことができる。
【0112】
いくつかの実装態様では、画像サーバシステム106は、衛星画像を取得し、取得された衛星画像から衛星画像のサブセットを選択することができる。例えば、システム101に示すように、画像サーバシステム106は、取得された衛星画像から衛星画像113cを選択することができる。衛星画像113cは、高解像度画像、ノイズの多い解像度画像、低解像度画像、衛星映像、及び他の衛星媒体を示す衛星画像のセットを含むことができる。画像サーバシステム106は、システム101のステージ(J)及び(K)で識別された期間、衛星画像のセットにおける火災ピクセル検出を回避する1つ以上の時間範囲、及び他の基準に基づいて衛星画像113cを選択することができる。
【0113】
ステージ(M)中に、画像サーバシステム106は、識別された時間範囲にわたって毎日の火災ピクセル検出を判定することができる。このステージは、システム100からのステージ(F)と同様である。例えば、画像サーバシステム106は、衛星画像113cからの各衛星画像を分析し、山火事を示すように見える衛星画像のセットの各日のピクセル数を判定することができる。例えば、画像サーバシステム106は、2018年10月1日から2019年10月1日までの識別された時間範囲の間の各日の衛星画像113cを分析し、各日の火災ピクセルの数を判定することができる。別の例では、画像サーバシステム106は、2018年10月1日から2019年10月1日までの各日の間の衛星画像113cのポリゴン内を分析し、ポリゴン内の各日の火災ピクセルの数を判定することができる。画像サーバシステム106は、例えば、2018年10月1日に5つの火災ピクセルをカウントし、10月2日に3つの火災ピクセルをカウントし、2019年10月1日まで毎日衛星画像をカウントし続けることができる。
【0114】
ステージ(E)中に、衛星画像113c内の各日の火災ピクセル数の判定に応答して、画像サーバシステム106は統計分布を生成することができる。例えば、画像サーバシステム106は、分布の平均及び分散などのポアソン分布であり得る統計分布のための1つ又は複数のパラメータを生成することができる。統計分布がポアソン分布である場合、画像サーバシステム106は、火災を示すように見える衛星画像113cのセットからピクセルの平均数を判定することができる。この場合、識別された時間範囲にわたって山火事を示すように見える識別されたピクセルの平均数は、例えば5であってもよく、この値はポアソン分布の分散に相当する。衛星画像における火災ピクセル検出の平均の識別及び平均の適合に応答して、画像サーバシステム106は、様々な用途のための統計分布120を提供することができる。
【0115】
図2は、1つ以上の地理的領域において識別された山火事の尤度を示す例示的なグラフィカルユーザインターフェース(GUI)200である。例えば、GUI200は、カリフォルニア、オレゴン、及びネヴァダにおける1つ又は複数の地理的領域を示す。画像サーバシステム106などの画像サーバシステムは、GUI200に示される様々な地理的領域の衛星画像を受信することができる。画像サーバシステムは、システム100及び101に記載されたプロセスを使用して、衛星画像に山火事が存在するかどうかを判定するために、様々な地理的領域の衛星画像のそれぞれを処理することができる。
【0116】
衛星画像が山火事を示しているかどうかを判定することに応答して、画像サーバシステムは、衛星画像及び対応する山火事の判定を表示のためにGUI200に提供することができる。画像サーバシステムは、外部のレビュアが分析できるように、衛星画像とそれに対応する山火事の判定とをつなぎ合わせることができます。例えば、GUI200に示すように、画像サーバシステムは、衛星画像202、衛星画像204、及び衛星画像206を処理し、これらの衛星画像が山火事を示すかどうかについて判定を行うことができる。次いで、画像サーバシステムは、以下をGUI200に提供することができる。山火事が衛星画像202に示されているという判定を伴う衛星画像202、山火事が衛星画像204に示されていないという判定を伴う衛星画像204、及び山火事が衛星画像206に示されていないという判定を伴う衛星画像206。この判定はGUI200でも明らかであり、衛星画像202は山火事208を示し、衛星画像204及び206は山火事を示していない。
【0117】
いくつかの実装態様では、GUI200は、フィルタ火災を示すボタン212を含むことができる。ボタン212は、衛星画像内の火災判定をオン又はオフに切り替えるためにユーザが対話することができるGUIボタンとすることができる。例えば、外部ユーザがオンに切り替えるボタン212を選択した場合、GUI200は、システム200に示すように、「火災の可能性がある」又は「火災なし」を示す様々な衛星画像の1つ以上の領域を示すことができる。更に、GUI200は、トグルがオンであるとき、202,204及び206に示されるボックスなどの点線ボックスによって領域を強調表示することができる。ボタン212がオフ位置に切り替えられると、「火災の可能性がある」又は「火災なし」の説明及び点線ボックスがGUI200から除去される。
【0118】
他の実装態様では、ボタン212をオンに切り替えると、GUI200に示されたドットの下に説明が追加され得る。例えば、GUI200は、その地理的領域における可能性のある山火事を示すことができるドット214などのドットを示すことができる。しかしながら、前述のように、衛星画像はノイズ特性を含む可能性があり、これにより、衛星画像に山火事が実際に存在するかどうかを判定することが困難になる可能性がある。例えば、ノイズ特性は、山火事の検出から既存のシステムを混乱させる可能性があるグレア、グリント、及び他の明るい光などの特性を含むことができる。いくつかの衛星ノイズは、他のものよりも地理的領域においてよりノイズが多い可能性がある。グレア及びグリントは、車の窓のフロントガラス、家の窓、建物の窓、川、湖、及び海の表面、及び他の光沢のある物体のフロントガラスから反射する可能性がある。グレア及びグリントは、実際には、グレア及びグリントが衛星画像内のノイズを示していて山火事が発生していない場合、山火事が発生している指標を衛生に与える可能性がある。
【0119】
ボタン212をオン状態に切り替えることにより、画像サーバシステムは、システム100及び101に関して説明したプロセスを使用して衛星画像、例えば衛星画像202、204及び206を処理し、山火事を衛星画像に示される他の種類のノイズと区別することができる。画像サーバシステムは、「火災の可能性がある」又は「火災なし」の表示又は説明をドットの近くのディスプレイに提供することができる。
【0120】
図3は、衛星画像内の山火事を識別するためのプロセス300の一例を示すフロー図である。システム100の画像サーバシステム102は、プロセス100を遂行することができる。
【0121】
画像サーバシステムは、地理的領域の衛星画像及び衛星画像が生成されたときに対応する日付を取得することができる(302)。例えば、画像サーバシステムは、外部のサーバ又はプロセスから衛星画像を取得することができ、衛星が衛星画像を捕捉した日付を取得することができる。
【0122】
画像サーバシステムは、火災が発生しているとして示される衛星画像内のピクセルの数を判定することができる(304)。画像サーバシステムは、衛星画像上でトリミングされたバウンディングボックス内の1つ以上のピクセルにわたって実行される火災検出アルゴリズムに基づいて、火災が発生していると示される衛星画像内のピクセルの数を判定することができる。あるいは、又はこれに加えて、画像サーバシステムは、各ピクセルの強度値を第2の閾値と比較することに基づいて、火災が発生していると示される衛星画像内のバウンディングボックス内のピクセル数を判定することができる。各々が第2の閾値よりも大きいバウンディングボックス内のピクセルの設定数を判定することに応答して、又は火災検出アルゴリズムによって示されるように、画像サーバシステムは、ピクセルの設定数を、取得された衛星画像における山火事を示すピクセルとして識別することができる。
【0123】
画像サーバシステムは、衛星画像が生成された日付の前から地理的領域の衛星画像を取得することができる(306)。例えば、画像サーバシステムは、地理的領域を説明する位置を取得することができる。それに応答して、画像サーバシステムは、地理的領域を説明する位置及び衛星画像が生成されたときに対応する日付を衛星画像データベースに提供することができる。位置及び日付を衛星画像データベースに提供することに応答して、画像サーバシステムは、日付より前の期間から地理的領域を示す衛星画像を取得することができる。
【0124】
画像サーバシステムは、衛星画像から統計分布を生成することができる(308)。画像サーバシステムは、取得された衛星画像から衛星画像のサブセットを選択することができる。例えば、画像サーバシステムは、統計分布を生成するための期間を識別することによって衛星画像のサブセットを選択し、その期間に基づいて衛星画像から画像のサブセットを選択することができる。画像サーバシステムは、衛星画像のサブセットからの1つ以上のピクセルが火災を示しているかどうかの指標を判定することができる。それに応答して、画像サーバシステムは、衛星画像のサブセットの1つ以上の衛星画像が火災を示す場合、火災を示す1つ以上のピクセルを閾値と比較することによって衛星画像のサブセットを調整することができる。
【0125】
いくつかの実装態様では、画像サーバシステムは、火災ピクセルを回避するために衛星画像のサブセットが洗練されると、統計分布の1つ以上のパラメータを生成することができる。画像サーバシステムは、火災を示す衛星画像のサブセットの各日のピクセル数を判定することによって1つ以上のパラメータを生成することができる。次いで、画像サーバシステムは、火災を示す衛星画像のサブセットの各日のピクセル数の平均を判定することができる。それに応答して、画像サーバシステムは、判定された平均を1つ以上のパラメータに設定することによって統計分布を生成することができる。例えば、画像サーバシステムは、判定された平均をポアソン分布の平均及び分散に設定し、ポアソン分布を生成することができる。ポアソン分布又は他の分布の確率密度関数(PDF)又は累積密度関数(CDF)を生成することができる。
【0126】
画像サーバシステムは、衛星画像が火災を示している尤度を、火災が発生していると示された衛星画像内の判定されたピクセル数と生成された統計分布との比較に基づいて決定することができる(310)。例えば、画像サーバシステムは、生成された統計分布への入力として、取得された衛星画像内の山火事を示すピクセルとしてピクセルの設定数を表すデータを提供することによって、衛星画像が火災を示す尤度又は尤度プロキシを決定することができる。特に、生成された統計分布は、火災が発生していなかった衛星画像が正確にk個のノイズの多い火災ピクセルを有する確率を出力することができる。言い換えれば、出力確率は、衛星画像が火災が発生していないことを示すか、又は衛星画像が火災が発生していることを示すことができる。ここでは、生成された統計分布のPDF又はCDFのいずれを用いてもよい。
【0127】
画像サーバシステムは、判定された尤度を閾値と比較することができる(312)。例えば、判定された尤度を閾値と比較することに応答して、画像サーバシステムは、尤度が存在する閾値の側に応じて、衛星画像が山火事を示しているかどうかを判定することができる。尤度が閾値よりも高い場合、画像サーバシステムは、衛星画像が山火事を示していることを示すことができる。あるいは、尤度が閾値よりも低い場合、画像サーバは、衛星画像が山火事を示していないことを示すことができる。
【0128】
判定された尤度を閾値と比較することに応答して、画像サーバシステムは、衛星画像が火災を示しているという指示を提供することができる(314)。あるいは、画像サーバはまた、衛星画像が火災を示していないという指標を提供することもできる。例えば、画像サーバシステムは、衛星画像及び衛星画像が火災を示しているという対応する指標をディスプレイ上のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)に提供することができ、GUIは、複数の衛星画像内の1つ以上の火災ピクセルの指標と共に様々な地理的領域にわたって互いにつなぎ合わされた複数の衛星画像を示す。衛星画像及び衛星画像が火災を示すか、又は火災なしを示す対応する指標は、他の内部又は外部パイプラインに提供することもできる。
【0129】
本明細書で説明された本発明の実施形態及び機能的動作の全ては、デジタル電子回路内に、又は本明細書に開示された構造及びそれらの構造上の均等物を含むコンピュータソフトウェア、ファームウェア、若しくはハードウェア内に、又はそれらのうちの1つ以上を組み合わせて実装され得る。本発明の実施形態は、1つ以上のコンピュータプログラム製品、すなわち、データ処理装置により実施するための、又はデータ処理装置の動作を管制するための、コンピュータ可読媒体上に符号化されたコンピュータプログラム命令の1つ以上のモジュールとして実装され得る。コンピュータ可読媒体は、非一時的なコンピュータ可読格納媒体、機械可読ストレージデバイス、機械可読ストレージ基板、メモリデバイス、機械可読伝播信号を引き起こす物質の組成物、又はこれらのうちの1つ以上の組み合わせであり得る。用語「データ処理装置」は、例としてプログラマブルプロセッサ、コンピュータ、又は複数のプロセッサ若しくはコンピュータを含む、データを処理するための全ての装置、デバイス、及び機械を包含する。装置は、ハードウェアに加えて、問題のコンピュータプログラムのための実行環境を作成するコード、例えば、プロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム、又はそれらのうちの1つ以上の組み合わせを構成するコードを含み得る。伝播信号は、人工的に生成された信号、例えば、好適な受信機装置への送信のために情報を符号化するために生成された機械生成電気信号、光信号、又は電磁信号である。
【0130】
コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、スクリプト、又はコードとしても知られている)は、コンパイル式又はインタープリット式言語を含む、任意の形式のプログラミング言語で書かれてもよく、独立型プログラムとして、又はモジュール、コンポーネント、サブルーチン、若しくはコンピューティング環境で使用するために好適な他のユニットとして含まれる任意の形式でデプロイされ得る。コンピュータプログラムは、必ずしもファイルシステム内のファイルに対応する必要はない。プログラムは、他のプログラム若しくはデータ(例えば、マークアップ言語文書に記憶された1つ以上のスクリプト)を保持するファイルの一部分内に、問題のプログラム専用の単一ファイル内に、又は複数の調整されたファイル(例えば、1つ以上のモジュール、サブプログラム、若しくはコードの一部分を記憶するファイル)内に、記憶され得る。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上で、又は1つのサイトに位置するか若しくは複数のサイトにわたって分散され、通信ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータ上で実行されるように展開され得る。
【0131】
本明細書に記載されるプロセス及び論理フローは、入力データに対して動作し、出力を生成することによって機能を実施するために、1つ以上のコンピュータプログラムを実行する1つ以上のプログラマブルプロセッサによって実施され得る。プロセス及び論理フローはまた、専用論理回路、例えば、FPGA(field programmable gate array、フィールドプログラマブルゲートアレイ)又はASIC(application specific integrated circuit、特定用途向け集積回路)によって実施され得、装置はまた、専用論理回路、例えば、FPGA又はASICとして実装され得る。
【0132】
コンピュータプログラムの実行に好適なプロセッサは、例として、汎用マイクロプロセッサ及び専用マイクロプロセッサの両方、並びに任意の種類のデジタルコンピュータの任意の1つ以上のプロセッサを含む。概して、プロセッサは、読み出し専用メモリ若しくはランダムアクセスメモリ又はその両方から命令及びデータを受信する。コンピュータの必須要素は、命令を実施するためのプロセッサ、並びに命令及びデータを記憶するための1つ以上のメモリデバイスである。概して、コンピュータはまた、データを記憶するための1つ以上の大容量記憶デバイス、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、又は光ディスクを含むか、又は1つ以上の大容量記憶デバイスからデータを受信するか若しくは1つ以上の大容量記憶デバイスにデータを転送するか、又はその両方を行うように動作可能に結合される。しかしながら、コンピュータは、そのようなデバイスを有する必要はない。更に、コンピュータは、別のデバイス、例えば、ごく一部ながら例を挙げると、タブレットコンピュータ、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、モバイルオーディオプレーヤ、全地球測位システム(GPS)受信機に組み込まれ得る。コンピュータプログラム命令及びデータを記憶するのに好適なコンピュータ可読媒体は、例として、半導体メモリデバイス、例えば、EPROM、EEPROM、及びフラッシュメモリデバイスと、磁気ディスク、例えば、内蔵ハードディスク又はリムーバブルディスクと、光磁気ディスクと、CD-ROM及びDVD-ROMディスクと、を含む。プロセッサ及びメモリは、専用論理回路によって補完され得るか、又は専用論理回路に組み込まれ得る。
【0133】
ユーザとの対話を提供するために、本発明の実施形態は、コンピュータ上で実装され得、当該コンピュータは、ユーザに情報を表示するための表示デバイス、例えば、CRT(陰極線管)若しくはLCD(液晶ディスプレイ)モニタ、並びにユーザがコンピュータに入力を提供できるキーボード及びポインティングデバイス(例えば、マウス、トラックボール)を有する。他の種類のデバイスを使用して、ユーザとの対話を提供し得る。例えば、ユーザに提供されたフィードバックは、任意の形態の感覚フィードバック、例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、又は触覚フィードバックであり得、ユーザからの入力は、音響、音声、又は触覚入力を含む任意の形態で受信され得る。
【0134】
本発明の実施形態は、バックエンドコンポーネント(例えば、データサーバとして)を含むか、又はミドルウェアコンポーネント(例えば、アプリケーションサーバ)を含むか、又はフロントエンドコンポーネント(例えば、ユーザが本発明の実装態様と対話し得るグラフィカルユーザインターフェース若しくはウェブブラウザを有するクライアントコンピュータ)を含む、コンピューティングシステム、又は1つ以上のそのようなバックエンド、ミドルウェア、又はフロントエンドコンポーネントの任意の組み合わせに実装され得る。システムの構成要素は、デジタルデータ通信の任意の形態又は媒体、例えば、通信ネットワークによって相互接続され得る。通信ネットワークの実施例は、ローカルエリアネットワーク(local area network、「LAN」)と、ワイドエリアネットワーク(wide area network、「WAN」)、例えば、インターネットと、を含む。
【0135】
コンピューティングシステムは、クライアント及びサーバを含み得る。クライアント及びサーバは概して互いに離れており、典型的には通信ネットワークを介して対話する。クライアント及びサーバの関係は、それぞれのコンピュータ上で実行され、互いにクライアント-サーバ関係を有するコンピュータプログラムによって生じる。
【0136】
いくつかの実装態様については上記で詳細に説明したが、他の修正も可能である。例えば、クライアントアプリケーションはデリゲートにアクセスするものとして説明されているが、他の実装態様では、デリゲートは、1つ以上のサーバで実行されるアプリケーションなど、1つ以上のプロセッサによって実装される他のアプリケーションによって採用されてもよい。加えて、図に描写されたロジックフローは、望ましい結果を達成するために、示された特定の順序、又は連続した順序を必要としない。更に、説明されたフローから他の動作が提供されたり、説明されたフローから動作が削除されたり、他の構成要素が説明されたシステムに追加されたり、説明されたシステムから削除されたりされてもよい。したがって、他の実装態様は、以下の特許請求の範囲の範囲内にある。
【0137】
本明細書は多くの特定の実装態様の詳細を含むが、これらは、いずれかの発明の範囲、又は請求され得る事項の範囲を限定するものとして解釈されるべきではなく、むしろ特定の発明の特定の実施形態に特有の特徴の説明として解釈されるべきである。別個の実施形態の文脈において本明細書に説明されるある特定の特徴はまた、単一の実施形態において組み合わせて実装することもできる。逆に、単一の実施形態の文脈で説明されている種々の特徴は、複数の実施形態で別個に、又は任意の好適な部分的組み合わせで実装することもできる。更に、特徴は、ある特定の組み合わせで作用するものとして上記で説明され、かつ最初にそのように特許請求されることさえあり得るが、特許請求された組み合わせからの1つ以上の特徴は、場合によっては、組み合わせから削除され得、特許請求された組み合わせは、部分組み合わせ又は部分組み合わせの変形に向けられ得る。
【0138】
同様に、動作は特定の順序で図面に描写されているが、これは、所望の結果を達成するために、そのような動作が示された特定の順序で若しくは連続的な順序で実施されること、又は全ての例示された動作が実施されることを必要とすると理解されるべきではない。ある特定の状況では、マルチタスキング及び並列処理が有利であり得る。更に、上で説明された実施形態における様々なシステムモジュール及びコンポーネントの分離は、全ての実施形態においてかかる分離を必要とすると理解されるべきではなく、説明されたプログラムコンポーネント及びシステムは、概して、単一のソフトウェア製品にともに一体化され得るか、又は複数のソフトウェア製品にパッケージ化され得ることを理解されたい。
【0139】
主題の特定の実施形態が説明されてきた。他の実施形態は、以下の特許請求の範囲内である。例えば、特許請求の範囲内に記載された動作は、異なる順序で実施することができ、それでも所望の結果を達成することができる。一実施例として、添付の図面内に描写されたプロセスは、所望の結果を達成するために、示される特定の順序、又は連続的な順序を必ずしも必要としない。特定の実装形態では、マルチタスク処理及び並列処理が有利である場合がある。