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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-05
(45)【発行日】2024-08-14
(54)【発明の名称】復習日の検索付箋及びシステム
(51)【国際特許分類】
   B42D 9/00 20060101AFI20240806BHJP
   B42D 5/00 20060101ALI20240806BHJP
   G09F 3/00 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
B42D9/00 B
B42D5/00
G09F3/00 S
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2024021010
(22)【出願日】2024-02-15
【審査請求日】2024-02-15
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】509078551
【氏名又は名称】株式会社マイスターズインク
(74)【代理人】
【識別番号】100160657
【弁理士】
【氏名又は名称】上吉原 宏
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 正人
【審査官】内藤 万紀子
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-008735(JP,A)
【文献】登録実用新案第3216340(JP,U)
【文献】登録実用新案第3196226(JP,U)
【文献】特開2022-182302(JP,A)
【文献】登録実用新案第3207256(JP,U)
【文献】特開2001-180171(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42D 9/00
B42D 5/00
G09F 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
復習に適した日を確認できる復習日表示システムであって、
付箋10とレビュー日確認ツール20から成り、
前記付箋10には週毎に色分けされる色彩情報25と曜日情報23が表されており、
前記レビュー日確認ツール20は学習した日から起算して復習するに適した特定の曜日がわかるように表示する復習日表示機能50を備えたことを特徴とする復習日表示システム2。
【請求項2】
前記付箋10に、更に月情報27が表されていることを特徴とする請求項1に記載の復習日表示システム2。
【請求項3】
前記レビュー日確認ツール20が、固定盤21と回転盤22から成り、
前記固定盤21には一週間分の曜日情報23が環状に表され、前記回転盤22には学習した日から起算して復習するに適した特定の曜日がわかるように表示する表示窓24が設けられていることで前記復習日表示機能50を備えることを特徴とする請求項に記載の復習日表示システム2。
【請求項4】
前記レビュー日確認ツール20が、カレンダーから成り、
前記カレンダーには一週間分毎に色分けされた色彩情報25が表され、前記付箋10の曜日情報40に照らして復習するに適した特定の日がわかるようにする前記復習日表示機能50を備えたことを特徴とする請求項に記載の復習日表示システム2。
【請求項5】
前記レビュー日確認ツール20における前記復習日表示機能50が、携帯電話機端末70の表示画面に表示されるものであることを特徴とする請求項に記載の復習日表示システム2。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は付箋本体と付箋を着色した色彩情報を利用した復習するのに適したページを検索可能とする付箋であって、詳しくは、付箋に表示された曜日情報と色彩情報から記憶の忘却曲線に基づいて復習するのに適したページ並びに復習するのに適した日を検索可能とする付箋及びシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年付箋紙の普及は著しく、事務仕事や勉強時に欠かせないものとなっている。しかしながら、日常的に使用するにはまだまだ開発の余地があるといえ、益々便利に使用できる付箋紙の開発が進んでいる状況にある。
【0003】
開発の余地としては、特に学生や資格試験を目指す方々にとって、予習や復習を行うタイミングについて、現状では、学習者が個々に判断するか、家族や先生に促されて行なっているものである。しかしながら、このタイミングを自己で管理することは、意外と難しいものであるといえ、かといって、常に誰かが管理することも難しい現状にある。そこで、その管理を他人には頼らず、学習者自身が明確に管理する方法があれば便利といえる。
【0004】
予習復習の自己管理について、特に難しいのは、やりたいことの欲求を制御するということである。これはよほど自分に厳しい心の持ち主でなければタイミングよく切り替えることができないことがあげられる。かといって、人に言われて始めるのは、テンションが下がった状態から始めることとなり、好ましい状態とは言えない。そこで、自分の意志で付箋を使って、機械的にそのスケジュールを管理することで、自分で決めた約束事を付箋によって明確に、そして強制力を持ったシステムとして取り入れる方法があれば望ましいといえる。
【0005】
なお、人間が記憶したいことを忘れるメカニズムを表す忘却曲線を参考にすれば学習した翌日、4日後、一週間後、二週間後、三週間後に復習することが望ましく、これを意識した学習方法はすでに確立されている。しかしながら、それを簡単かつ身近なもので自己の管理によってできるシステムがあればより望ましいといえる。
【0006】
このような問題に鑑み、従来から、復習日に関しては種々の技術提案がなされている。例えば、発明の名称を「学習用付箋、学習用付箋セット、及びコンピュータープログラム」とする技術が開示されている(特許文献1参照)。具体的には、「復習の適切なタイミングを示す学習用付箋及び学習用付箋セット、並びに学習用付箋に示される情報を電子的に利用可能とするコンピュータープログラムを提供する」ことを課題とし、解決手段としては、「学習用付箋1は、付箋紙本体10と、付箋紙本体10に接続され、付箋紙本体10から順次切り離し可能な複数の切離部11,12,13とを備え、切離部11,12,13のそれぞれは、付箋紙本体10が被貼付体に貼付されている状態において視認可能な表示領域を有し、その表示領域のそれぞれには、学習のタイミングを示すタイミング情報が示される。」という発明が公開され公知技術となっている。係る技術は付箋紙を用いて学習のタイミングがわかる点において、本発明に係る付箋紙と一部共通する構成がある。しかしながら、特許文献1に記載の技術は、付箋紙に学習のタイミング情報が記載されたものを使用するものであり、付箋紙と日程盤を使用し、復習のタイミングをはかる本発明とは解決方法や構成を異にする。
【0007】
また、発明の名称を「付箋」とする技術が開示されている(特許文献2参照)。具体的には、「従来の目印やブックマークとしての付箋の基本的な構成を有すると共に、付箋本体の切断可能な除去部を2箇所設けることで、2度チェック出来る上に残存した基部の形状と表記部はその目的を達成したことを示し、付箋紙の変化のプロセスと意味内容の変化を楽しむことができる付箋を提供する」ことを課題とし、解決手段として、「付箋紙本体の上端部のてっぺんの中心点から左端と右端の任意の点まで斜め下にミシン目を入れることで、逆V字形の切断可能部を形成し、左右に切断除去可能な三角形の除去部と五角形の基部で構成され、主に学生の予習復習をする時に教科書、参考書、ノートの前面部又は側面部に表記部がはみ出し目印になるように貼り使用する」という発明が公開され公知技術となっている。係る技術は同じ箇所を複数回学習するという目的のための付箋を提供するという課題が共通している。しかしながら、特許文献2に記載の技術は、予習や復習を行うタイミングについては学習者が個々に判断して行うものであり、復習日を付箋と日程版にて確認し、学習する本発明とは目的と構成を異にするものである。
【0008】
また、発明の名称を「付箋紙」とする技術が開示されている(特許文献3参照)。具体的には、「進捗状況の管理に好適な付箋紙を提供する」ことを課題とし、解決手段として、「付箋紙は、裏面の一部に接着剤が設けられ、複数枚が積層される。付箋紙には、付箋紙を切断可能にする少なくとも1本の切断部により複数の範囲に区分され、付箋紙の表面に、切断部により区分される範囲別に進捗状況を表す文字または図形の少なくとも何れか一方による表記が印刷される。」という発明が公開され公知技術となっている。係る技術は日程を管理するという目的のための付箋を提供するという課題が共通している。しかしながら、特許文献3に記載の技術は、学習に特化したものではなく、管理や学習タイミングについては使用者が個々に判断して行うものであり、復習日を付箋とレビュー日確認ツールにて確認し、学習する本発明とは目的と構成を異にするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特許第7057055号
【文献】登録実用新案第3216340号
【文献】登録実用新案第3205504号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、学習を行う際に復習するのに適した間隔の時間をおいて、そのタイミングを効果的に活用するためのツールを提供するものであり、また、記憶の定着に資するといわれているエビングハウス理論の忘却曲線を効果的に活用し、復習するのに適したページ並びに復習するのに適した日を検索可能とすることで、学習の成果を高められる付箋及びシステムの提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、復習するのに適したページを検索可能とする付箋であって、週毎に色分けされる色彩情報と曜日情報が表された付箋を利用し、学習した日から起算して復習するに適した特定の曜日がわかるようにする機能を備える構成を採用した。
【0012】
また本発明は、復習に適した日を確認できる復習日表示システムであって、付箋とレビュー日確認ツールから成り、前記付箋には週毎に色分けされる色彩情報と曜日情報が表されており、前記レビュー日確認ツールは学習した日から起算して復習するに適した特定の曜日がわかるように表示する復習日表示機能を備える構成を採用することもできる。
【0013】
また本発明は、前記付箋10に、更に月情報27が表されている構成を採用することもできる。
【0014】
また本発明は、前記レビュー日確認ツールが、固定盤と回転盤から成り、前記固定盤には一週間分の曜日情報が環状に表され、前記回転盤には学習した日から起算して復習するに適した特定の曜日がわかるように表示する表示窓が設けられていることで前記復習日表示機能を備えたる構成とすることもできる。
【0015】
また、本発明は、前記レビュー日確認ツールが、カレンダーから成り、前記カレンダーには一週間分毎に色分けされた色彩情報が表され、前記付箋の曜日情報に照らして復習するに適した特定の日がわかるようにする前記復習日表示機能を備える構成を採用することもできる。
【0016】
また、本発明は、前記レビュー日確認ツールにおける前記復習日表示機能が、携帯電話機端末の表示画面に表示される構成を採用することもできる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る復習するのに適したページを検索可能とする付箋及び復習日表示システムによれば、復習するのに最も適した日に復習をすることができ、効果的な学習をすることができるという優れた効果を発揮する。
【0018】
また、本発明に係る復習するのに適したページを検索可能とする付箋及び復習日表示システムによれば、身近な付箋10という紙媒体を用いている為、安価で復習日の管理ができるという優れた効果を発揮するものである。
【0019】
また、本発明に係る復習するのに適したページを検索可能とする付箋及び復習日表示システムによれば、他人を煩わすことなく、自己により学習の日を管理することができるという優れた効果を発揮するものである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明に係る復習するのに適したページを検索可能とする付箋及び復習日表示システムの基本構成を説明する基本構成説明図である。
図2】本発明に係るレビュー日確認ツールが、固定盤と回転盤から構成される場合を説明する構成説明図である。
図3】本発明に係る復習日表示システムにおける、予習日の日程を示す日程説明図である。
図4】本発明に係る復習日表示システムにおいて、復習日等の情報を携帯端末に表示させた場合の表示状態説明図である。
図5】エビングハウス理論の忘却曲線を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、復習するのに適したページを検索可能とする付箋であって、週毎に色分けされる色彩情報25と曜日情報40が表された付箋10を利用し、学習した日から起算して復習するに適した特定の曜日がわかるように表示する復習日表示機能50を備えたことを最大の特徴とするものである。以下、図面に基づいて説明する。但し、係る図面に記載された形状や構成に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の創作として発揮する効果の得られる範囲内で変更可能である。
【0022】
図1は、本発明に係る復習するのに適したページを検索可能とする付箋及び復習日表示システムの基本構成を説明する基本構成説明図であり、図1(a)は、本発明に係る付箋10の一枚あたりに表示される曜日情報23と色彩情報25が示された状態を表し、最も左側に記載した付箋10は、付箋全体が着色された紙を用い、その着色された色が色彩情報25となり、その右側に記載した付箋10は、端部の一部を着色した色彩情報25が表されている。更にその右側に記載した付箋10は、端部に7セグメント式による月情報を備える実施例を示し、一番右側に記載した付箋10は、何回同じ所を復習したかを表示するカウントする復習回数確認情報26が設けられる構成の付箋10をそれぞれ示している。
【0023】
図1(b)は、本発明に係る付箋10が積層された状態であって、曜日情報23と、全面に色彩情報25が表された状態を示し、図1(c)は付箋10が積層された状態であって、曜日情報23と付箋10の一端側の一部に色彩情報25が表されている状態を示している。なお、この曜日情報23と色彩情報25を特定するだけで、書籍等に沢山貼られた付箋10の中から利用者が決めた復習日を特定することができる。例えば今週(日曜から始まる場合)の色が黄色の色彩で、先週の色が青色の色彩とした場合には、本日は水曜日だとして、三日前の付箋10は黄色の日曜日、六日前の付箋10は青色の木曜日となる。即ち、レビュー日確認ツール20を用いなくても係る付箋のみで復習するに適した曜日のページを検索することができる。なお、図1(b)の右端に記載した付箋10のみに、復習回数確認情報26が表示されているものを例示した。係る復習回数確認情報26が記載されていることによりモチベーションの維持が図られるという効果が発揮される。
【0024】
復習するのに適したページを検索可能とする付箋1は、復習するのに適したページを検索可能とする付箋10であって、週毎に色分けされる色彩情報25と曜日情報23が表された付箋10を利用し、学習した曜日から起算して復習するに適した特定の曜日がわかるように表示する復習日表示機能50を備えたことを特徴とする復習するのに適した曜日のページを検索可能とする付箋である。また、学習した曜日の学習曜日情報40を丸印等で記載することで、より基準となる曜日が明確となる。
【0025】
復習日表示システム2は、復習に適した日を確認できる復習日表示システムであって、色彩情報25と曜日情報40が表された付箋10から成り、学習した日から起算して復習するに適した特定の曜日がわかるように表示する復習日表示機能50を備えたことを基本構成とするものである。
【0026】
付箋10は、裏面に再剥離性粘着剤が塗布された紙媒体であり、少なくとも表示情報として色彩情報30と曜日情報23を表示し、更に、月情報27や復習回数確認情報26が表示されることが望ましい。
【0027】
レビュー日確認ツール20は、付箋10からの情報に基づいて復習に適した日を表示するものであり、参考書や辞書などの書物にはどうしても現実物(アナログ)の目印(見出し付箋など)が必要となり、それに対してその目印の有効利用のために用いられる器具である。具体的には、図3に示す週色つきのカレンダー、図2に示すレビュー日確認円盤、又は、図4に示す携帯電話端末のカレンダー機能を利用したアプリ表示は、それぞれレビュー日確認ツール20のうちの一つである。
【0028】
固定盤21は、固定盤21と回転盤22から成る構成のレビュー日確認ツール20である場合の固定側の盤状の基台である。回転盤22の方が前記固定盤21には一週間分の曜日情報23が環状に表され、前記回転盤22には学習した日から起算して復習するに適した特定の曜日がわかるように表示する表示窓24が設けられている。
【0029】
回転盤22は、固定盤21と回転盤22から成る構成のレビュー日確認ツール20である場合の回転側の盤状の表示部であり、復習するに適した曜日を表示窓24によって表示するものである。
【0030】
曜日情報23は、付箋10の一端側に表示される情報であり、月から日までの各曜日ごとの情報が表されてなるものである。
【0031】
表示窓24は、回転式のレビュー日確認ツール20の場合には回転盤を回転させることにより、効果的な復習日を表示する窓であり、例えば本日の曜日を合わせるとその効果的に復習するのに適した曜日が表示される。例えば付箋10に今週に該当する色彩情報により何週間目の情報であるかが一目でわかり、今日復習すべき曜日の分がレビュー日確認ツール20の表示窓24によって表示されるというものである。図2の例では、本日が金曜日の場合、一日前の木曜日と、四日前の月曜日、一週間前の金曜日に学習した部分を復習すると効果的だということが示されている。
【0032】
色彩情報25は、一週間の単位で色を変化させ、その週の学習情報を確認するものである。例えば第一週を赤色として第二週を青色として第三週を黄色として第四週を緑として、そうした場合は例えば今週が第三週にあたる場合は黄色の付箋10を見ればよいことになる。
【0033】
復習回数確認情報26は、何回同じ場所を復習したかが判るようにするための情報表示である。付箋10に例えば1から5の数字を表示した場合には同じ個所を何回復習したかを5回までチェックできるものである。これによって、学習のモチベーションが向上すると考えられる。係る復習回数確認情報26は、必須の要件ではなく表示があれば好適であるというものである。また、復習回数確認情報26の表示形態は特に限定するものではなく、図1(a)に例示したような「正」の字型で表したものや、図1(b)の一番右側に例示したような数字を列挙したもの等などカウントできるものであれば良い。なお、レビュー日確認ツール20における復習日表示機能50が、携帯電話機端末70の表示画面に表示されるものである場合は、係る復習回数確認情報26が重複した場合をカウントして表示することが考え得る。
【0034】
月情報27は、付箋10の一端側に表示される1月から12月までを月毎に表示するものである。係る月情報27が表される構成を採用した場合は、長期に渡って復習日の管理が可能となる。具体的には、7セグメント表示のような各セグメント(segment)を塗りつぶせるように表しておき、該当する月情報を表示させるようにするなどが考え得る。
【0035】
学習曜日情報40は、学習した曜日がわかるように記し等を表示した場合の情報であり、例えば図1(a)に示すように、日曜日に学習した場合は、その週に該当する色彩情報25の付箋10を用いて、曜日情報23の「日」の部分に丸印等の表示したものである。
【0036】
復習日表示機能50は、復讐するのに効果的な暗記力を発揮する見た目のエビングハウス理論の忘却曲線から、有効な勉強の復習タイミングを検討すると、一日後、四日後、一週間後に行うことが有効とされ、学習した日からこれらの曜日にあたる日を表示する機能である。なお、係る復習タイミングはこれらに限定されるものではなく、任意に変更可能であり、例えば、前日、3日前、5日前、1週間前のようにしてもよい。
【0037】
携帯電話機端末70は、スマートフォンやPDA、タブレット等の情報処理機能を備えた携帯用の電子デバイスであり、学習した本やノートに物理的な目印となる付箋10に表された曜日情報23と色彩情報25に基づいて、携帯電話機端末70が有する日付機能を活用し、本日どの曜日の復習をすればよいかを把握できる。
【0038】
図2は、本発明に係るレビュー日確認ツール20が、固定盤21と回転盤22から構成される場合を説明する構成説明図であり、図2(a)は、左側に一週間分の曜日が示された固定盤21を示し、右側に回転する回転盤22を示し、図2(b)は、回転盤22が回転して表示窓24に適切な復習日を表示する状態を示し、左側に本日が金曜日の場合、中央に本日が水曜日の場合、右側に本日が火曜日の場合をそれぞれ示し、図2(c)は、四週間分の曜日が示された固定盤21に回転盤22が回転自在に被覆した状態を示し、図2(d)は、四週分に対応するため、四色の色彩情報25を有する付箋10を示したものである。
【0039】
図3は、本発明に係る復習日表示システムにおける、予習日の日程を示す日程説明図であり、図3に示した通り、例えば、9月8日金曜日と9月16日土曜日と9月19日火曜日と9月26日火曜日に学習した場合、それぞれ学習したページに、その学習日に対応した週の色の付箋10を貼着し、該当するその日の曜日情報を記載する。そうすることで、過去の学習情報が教科書等の資料に示されていく。それぞれ学習日に対して一日後、四日後、一週間後に復習するのがエビングハウス理論の忘却曲線から効果的な復習のタイミングであり、これに対応した曜日がレビュー日確認ツール20の表示窓24に表示されている状態を表している。即ち、レビュー日確認ツール20の本日(TODAY)の曜日に合わせれば、どこを復習すべきかが一目瞭然となることを示し、例えば、本日が9月15日金曜日の場合には、色彩情報25が同じ青色の付箋10が貼られた前日の9月14日木曜日と、四日前の9月11日月曜日と、一週前の赤色の色彩情報25の付箋10が貼られた9月8日金曜日に学習した内容を復習するのが適した日となり、その情報がレビュー日確認ツール20の表示窓24に表されるものである。
【0040】
図4は、本発明に係る復習日表示システムにおいて、復習日等の情報を携帯端末に表示させた場合の表示状態説明図であり、図4(a)は本日復習すべき曜日の確認を行う確認画面を表示したものであり、図4(b)は、復習する日のデフォルトを示す画面であり、図4(c)は、カスタム設定された復習日を示している。すなわち、図4(a)で今週の付箋10の色彩情報25を示すとともに、それ以前に学習した内容を復習するに適した復習日が表示されるわけであるが、一週を月曜から日曜とした場合であって、12月11日月曜日には、いつのページを復習すればよいかが示され、例えば、前日の日の12月10日日曜日が1日前にあたり、12月7日木曜日が4日前にあたり、12月4日月曜日が7日前にあたり、11月27日月曜日が14日前にあたる。その効果的な復習日の曜日が週ごとの色分けに基づいて表示されている例を示している。また、図4(b)は、復習するに適した曜日の該当日のデフォルトを表示しており、エビングハウス理論の忘却曲線に対応してデフォルト値を1日前、4日前、7日前、14日前とすることを示しており、図4(c)では任意の間隔に自由に設定でき、図4(c)に示した例では、1日前、3日前、5日前、8日前、15日前という自由設定にした場合を示したものである。なお、図4に示した矢印線はタッチ操作等によって表示画面を切り替えることを表したものである。このように、本発明に係る復習日表示システムは、既存の書籍等の紙媒体と、電子デバイスとを組み合わせて利用するものであり、その架け橋として付箋10を利用するものである。係る架け橋としてバーコードや二次元コード等を用いることも考え得るが、コード作成の手間、コードの印刷、読み取りなどが必要となり、これでは煩雑で手軽さに欠けるといえる。
【0041】
図5は、エビングハウス理論の忘却曲線を示す説明図であり、図5(a)は節約率の変化を示し、図5(b)は効果的な復習日のタイミングを示している。なお「節約率」とは「記憶を覚えている割合」ではなく、「同じことを覚え直すコストが減少した割合」を指すものである。具体的には、20分後の節約率:58%、1時間後の節約率:44%、9時間後の節約率:35%、1日後の節約率:34%、2日後の節約率:27%、6日後の節約率:25%、1ヶ月後の節約率が21%である。これは、「忘却されるまでにかかる時間」ではなく、忘却されたことを「再度覚えるときに節約できる時間」である点に注意が必用である。エビングハウスの忘却曲線は、ドイツの心理学者であるヘルマン・エビングハウス(HermannEbbinghaus)が、1885年に自分自身を被験者とする記憶の実験を行った結果に基づくもので、学習による反復と記憶の定着に関する場面でしばしば応用されており、2013年に行われた、カナダのウォータールー大学の実験によると、1度学習した後に長期記憶を維持するためには、24時間以内に10分間の復習を、そして7日後に5分間の復習を、そして30日以内に2~4分の復習をするのが効果的だと実証されている。そこで、例えば、試験勉強や仕事に関する知識に関しては、1度学習したら1日以上の間を空けずに翌日に再度学習を行い、さらに1週間以内(4日後)に1回、1週間後(7日後)に1回、そして毎週同じ曜日に数回繰り返す。このように復習を重ねていくことで、記憶の保持が確固たるものとなることは明らかで、図5(b)はそのタイミングで復習するのが効果的であることを示したものである。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明に係る復習日表示システムによれば、暗記の定着を必要とする学生や資格試験の受験者等、多くの方々が利用でき、効果的に暗記を定着させる復習日を知ることができる点において、利用の頻度が高く、産業上利用可能性が高いものと思慮される。
【符号の説明】
【0043】
1 復習するのに適したページを検索可能とする付箋紙
2 復習日表示システム
10 付箋
20 レビュー日確認ツール
21 固定盤
22 回転盤
23 曜日情報
24 表示窓
25 色彩情報
26 復習回数確認情報
27 月情報
40 曜日情報
50 復習日表示機能
60 基台
61 摺動バー
70 携帯電話機端末
【要約】      (修正有)
【課題】本発明は、学習を行う際に復習するのに適した間隔の時間をおいて、そのタイミングを効果的に活用するためのツールを提供するものであり、また、記憶の定着に資するといわれているエビングハウス理論の忘却曲線を効果的に活用し、復習するのに適したページ並びに復習するのに適した日を検索可能とすることで、学習の成果を高められる付箋及びシステムの提供を課題とするものである。
【解決手段】本発明は、復習するのに適したページを検索可能とする付箋を目印とし、週毎に色分けされる色彩情報と曜日情報が表された付箋を利用することにより、学習した日から起算して復習するに適した特定の曜日がわかるように表示する復習日表示機能を備えたレビュー日確認ツール(基本は付箋とカレンダーからなる)を用いる構成を採用した。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5