(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-06
(45)【発行日】2024-08-15
(54)【発明の名称】プログラム
(51)【国際特許分類】
H04M 11/00 20060101AFI20240807BHJP
G08B 21/02 20060101ALI20240807BHJP
G08B 25/04 20060101ALI20240807BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20240807BHJP
H04M 1/72415 20210101ALI20240807BHJP
【FI】
H04M11/00 301
G08B21/02
G08B25/04 K
H04Q9/00 301D
H04M1/72415
(21)【出願番号】P 2020107338
(22)【出願日】2020-06-22
【審査請求日】2023-05-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】100111383
【氏名又は名称】芝野 正雅
(74)【代理人】
【識別番号】100170922
【氏名又は名称】大橋 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100203862
【氏名又は名称】西谷 香代子
(72)【発明者】
【氏名】藤井 善行
(72)【発明者】
【氏名】中島 佑樹
(72)【発明者】
【氏名】西山 善朗
(72)【発明者】
【氏名】青木 功
(72)【発明者】
【氏名】福田 智也
(72)【発明者】
【氏名】川端 裕之
(72)【発明者】
【氏名】古川 隆史
(72)【発明者】
【氏名】津川 明彦
【審査官】山岸 登
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-047182(JP,A)
【文献】国際公開第2015/011854(WO,A1)
【文献】特開2020-017162(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24D18/00
F24H1/00
1/18-1/20
4/00-4/06
15/196
G08B19/00-31/00
H03J9/00-9/06
H04M1/00
1/24-3/00
3/16-3/20
3/38-3/58
7/00-7/16
11/00-11/10
99/00
H04Q9/00-9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のふろ関連機能を実行するふろ機能装置とサーバを介して通信する携帯端末装置の制御部に、所定の機能を実行させるプログラムであって、
入浴者に呼び掛けを行うための呼び掛け操作を受け付ける機能と、
前記呼び掛け操作が行われたことに基づいて呼び掛け指令を前記サーバに送信する機能と、
少なくとも前記ふろ機能装置に対する前記呼び掛けの実行に関する通信履歴を含む履歴情報を、前記サーバから受信する機能と、
前記呼び掛け操作の受け付けの際に、前記履歴情報を表示させるための機能と、を含み、
前記履歴情報を表示させるための機能は、前記呼び掛け操作の受付画面に、前記履歴情報を表示させるための操作ボタンを含め、前記操作ボタンが操作されたことに基づいて、前記履歴情報を表示させる機能を含む、プログラム。
【請求項2】
所定のふろ関連機能を実行するふろ機能装置とサーバを介して通信する携帯端末装置の制御部に、所定の機能を実行させるプログラムであって、
入浴者に呼び掛けを行うための呼び掛け操作を受け付ける機能と、
前記呼び掛け操作が行われたことに基づいて呼び掛け指令を前記サーバに送信する機能と、
少なくとも前記ふろ機能装置に対する前記呼び掛けの実行に関する通信履歴を含む履歴情報を、前記サーバから受信する機能と、
前記呼び掛け操作の受け付けの際に、前記履歴情報を表示させるための機能と、を含み、
前記履歴情報を表示させるための機能は、前記呼び掛け操作の受付画面に、前記履歴情報を表示させる機能を含む、プログラム。
【請求項3】
請求項
1または2に記載のプログラムにおいて、
前記履歴情報を表示させるための機能は、浴室に対する最新の入室以降の前記履歴情報を、前記最新の入室より前の前記履歴情報から区別可能に表示させる機能を含む、プログラム。
【請求項4】
請求項
3に記載のプログラムにおいて、
前記履歴情報を表示させるための機能は、浴室に対する最新の入室以降の前記履歴情報のみを表示させる機能を含む、プログラム。
【請求項5】
請求項
1ないし
4の何れか一項に記載のプログラムにおいて、
前記呼び掛け操作を受け付ける機能は、入浴時間が所定の設定時間を超過したことを示す長時間入浴通知を前記サーバから受信したことに基づいて、入浴が設定時間を超過したことの報知を、前記呼び掛けの操作の受け付け画面において行う機能を含む、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末装置の制御部に所定の機能を実行させるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、給湯装置から浴槽に湯水を供給する方式のふろ機能装置が知られている。この他、浴槽に溜められた水を燃焼器に循環させて浴槽内の水を暖める方式のふろ機能装置も知られている。これらのふろ機能装置では、たとえば、浴室や台所に設置された複数のリモートコントローラによって、追い焚きや足し湯等のふろ関連機能が実行される。
【0003】
また、近年、スマートフォン等の携帯端末装置を用いて宅外から給湯装置を遠隔制御するシステムが開発されている。このシステムでは、携帯端末装置を用いて、宅外から、入浴者を見まもる機能を備え得る。たとえば、見まもり機能を備えた給湯システムが、以下の特許文献1に記載されている。このシステムでは、入浴時間が所定の設定時間を超過した場合に、携帯端末装置にその旨が通知される。携帯端末装置の使用者は、この通知に応じて、適宜、入浴者に呼び掛けを行うための操作を行う。これにより、浴室内のリモートコントローラから入浴者に対し、安否確認のための呼び掛けが行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のようなシステムでは、宅内でお年寄り等の家族が入浴している場合に、携帯端末装置を用いて、入浴者に呼び掛けがなされるため、入浴者の安全性を高めることができる。
【0006】
しかしながら、複数の使用者が、個々に、呼び掛けを行い得る携帯端末装置を所持している場合、各使用者は、他の使用者が既に呼び掛けを行ったか否かを把握できない。このため、各使用者は、自身で呼び掛けを行うべきか、あるいは、このまま放置すべきかを判断できず、対応に困るといった問題が起こり得る。
【0007】
かかる課題に鑑み、本発明は、浴室に対する呼び掛けの要否を、携帯端末装置の使用者において適切に判断することが可能なプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明の第1の態様は、所定のふろ関連機能を実行するふろ機能装置とサーバを介して通信する携帯端末装置の制御部に、所定の機能を実行させるプログラムに関する。この態様に係るプログラムは、入浴者に呼び掛けを行うための呼び掛け操作を受け付ける機能と、前記呼び掛け操作が行われたことに基づいて呼び掛け指令を前記サーバに送信する機能と、少なくとも前記ふろ機能装置に対する前記呼び掛けの実行に関する通信履歴を含む履歴情報を、前記サーバから受信する機能と、前記呼び掛け操作の受け付けの際に、前記履歴情報を表示させるための機能と、を含む。前記履歴情報を表示させるための機能は、前記呼び掛け操作の受付画面に、前記履歴情報を表示させるための操作ボタンを含め、前記操作ボタンが操作されたことに基づいて、前記履歴情報を表示させる機能を含む。
【0025】
本態様に係るプログラムによれば、携帯端末装置において、呼び掛け操作の受け付けの際に、少なくとも呼び掛けの実行に関する通信履歴を含む履歴情報が表示される。これにより、当該携帯端末装置の使用者は、自身の携帯端末装置により呼び掛け操作を行おうとする際に、履歴情報を参照することで、他の携帯端末装置を介して呼び掛けが行われたか否かを知ることができる。よって、各使用者は、自身で呼び掛けを行うべきか、あるいは、このまま放置すべきかを判断でき、浴室内に対する呼び掛けを適切に行うことができる。また、受付画面に対する操作の際に、呼び掛け実行に関する履歴情報を表示させることができるため、各使用者は、自身で呼び掛けを行うべきか、あるいは、このまま放置すべきかを判断でき、呼び掛け操作の受付画面に対する対応を円滑に進めることができる。
【0027】
本発明の第2の態様は、所定のふろ関連機能を実行するふろ機能装置とサーバを介して通信する携帯端末装置の制御部に、所定の機能を実行させるプログラムに関する。この態様に係るプログラムは、入浴者に呼び掛けを行うための呼び掛け操作を受け付ける機能と、前記呼び掛け操作が行われたことに基づいて呼び掛け指令を前記サーバに送信する機能と、少なくとも前記ふろ機能装置に対する前記呼び掛けの実行に関する通信履歴を含む履歴情報を、前記サーバから受信する機能と、前記呼び掛け操作の受け付けの際に、前記履歴情報を表示させるための機能と、を含む。前記履歴情報を表示させるための機能は、前記呼び掛け操作の受付画面に、前記履歴情報を表示させる機能を含む。
【0028】
本態様に係るプログラムによれば、携帯端末装置において、呼び掛け操作の受け付けの際に、少なくとも呼び掛けの実行に関する通信履歴を含む履歴情報が表示される。これにより、当該携帯端末装置の使用者は、自身の携帯端末装置により呼び掛け操作を行おうとする際に、履歴情報を参照することで、他の携帯端末装置を介して呼び掛けが行われたか否かを知ることができる。よって、各使用者は、自身で呼び掛けを行うべきか、あるいは、このまま放置すべきかを判断でき、浴室内に対する呼び掛けを適切に行うことができる。また、受付画面に対する操作の際に、呼び掛け実行に関する履歴情報を表示させることができるため、各使用者は、自身で呼び掛けを行うべきか、あるいは、このまま放置すべきかを判断でき、呼び掛け操作の受付画面に対する対応を円滑に進めることができる。
【0029】
本態様に係るプログラムにおいて、前記履歴情報を表示させるための機能は、浴室に対する最新の入室以降の前記履歴情報を、前記最新の入室より前の前記履歴情報から区別可能に表示させる機能を含み得る。
【0030】
この機能によれば、携帯端末装置の使用者は、現時点の入室に対して呼び掛けが行われたか否かを、的確に把握できる。よって、使用者は、呼び掛けの要否を円滑に判断でき、呼び掛けの対応を適切に進めることができる。
【0031】
この場合、前記履歴情報を表示させるための機能は、浴室に対する最新の入室以降の前記履歴情報のみを表示させる機能を含み得る。
【0032】
この機能によれば、携帯端末装置の使用者は、現時点の入浴に対して呼び掛けが行われたか否かを、より的確に把握できる。よって、使用者は、呼び掛けの要否をより円滑に判断でき、呼び掛けの対応をより適切に進めることができる。
【0033】
本態様に係るプログラムにおいて、前記呼び掛け操作を受け付ける機能は、入浴時間が所定の設定時間を超過したことを示す長時間入浴通知を前記サーバから受信したことに基づいて、入浴が設定時間を超過したことの報知を、前記呼び掛けの操作の受け付け画面において行う機能を含み得る。
【0034】
この機能によれば、携帯端末装置の使用者は、上記報知により長時間の入浴が生じたことを把握でき、さらに、その際に、履歴情報を参照することで、当該長時間入浴に対して呼び掛けを行うべきか否かを適切に判断できる。よって、使用者は、長時間入浴に対する呼び掛け操作を、より円滑に進めることができる。
【発明の効果】
【0035】
以上のとおり、本発明によれば、浴室に対する呼び掛けの要否を、携帯端末装置の使用者において適切に判断することが可能なプログラムを提供することができる。
【0036】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】
図1は、実施形態に係る、給湯システムの構成を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る、給湯システムを構成する各機器の回路ブロックを示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る、給湯器と浴槽との間の接続形態を模式的に示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る、ペアリング情報の構成を示す図である。
【
図5】
図5(a)は、実施形態に係る、アプリケーションブログラムの起動時に携帯端末装置の表示部に表示されるホーム画面の構成を示す図である。
図5(b)は、実施形態に係る、入浴タイマーの設定画面の構成を示す図である。
【
図6】
図6(a)は、実施形態に係る、サーバに記憶される通信履歴を示す図である。
図6(b)は、実施形態に係る、サーバから携帯端末装置に送信される履歴情報を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る、入浴タイマー動作時に浴室リモコンが実行する制御を示すフローチャートである。
【
図8】
図8(a)、(b)は、それぞれ、実施形態に係る、入浴タイマー動作時にサーバおよび携帯端末装置が実行する制御を示すフローチャートである。
【
図9】
図9(a)、(b)は、それぞれ、実施形態に係る、ホーム画面および設定画面の表示形態を示す図である。
【
図10】
図10(a)~(d)は、それぞれ、実施形態に係る、浴室リモコンにおける呼び掛け動作を模式的に示す図である。
【
図11】
図11(a)、(b)は、それぞれ、実施形態に係る、履歴情報の表示動作時に携帯端末装置およびサーバが実行する制御を示すフローチャートである。
【
図12】
図12(a)、(b)は、それぞれ、実施形態に係る、履歴情報を表示するための履歴画面の構成例を示す図である。
【
図13】
図13(a)、(b)は、それぞれ、実施形態に係る、履歴情報を表示するための履歴画面の他の構成を示す図である。
【
図14】
図14(a)は、変更例1に係る、設定画面の構成を示す図である。
図14(b)は、変更例2に係る、受付画面の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0039】
以下の実施形態では、給湯システム1が、特許請求の範囲に記載の「ふろシステム」に対応し、給湯装置10が、特許請求の範囲に記載の「ふろ機能装置」に対応する。給湯装置10は、ふろ関連機能とともに、台所の蛇口や、浴室のカラン等に対する給湯機能も実行する。また、設定画面700が、特許請求の範囲に記載の「受付画面」に対応する。
【0040】
ただし、上記記載は、あくまで、特許請求の範囲の構成と実施形態の構成とを対応付けることを目的とするものであって、上記対応付けによって特許請求の範囲に記載の発明が実施形態の構成に何ら限定されるものではない。
【0041】
図1は、実施形態に係る給湯システム1の構成を示す図である。
【0042】
図1に示すように、給湯システム1は、給湯装置10と、サーバ50とを備え、ルータ20および外部通信網40を介して、携帯端末装置30により遠隔制御される。
【0043】
給湯装置10は、給湯器11と、リモートコントローラ12、13とを備えている。給湯器11は、ガスを燃料として湯を供給するガス給湯器である。給湯器11により生成された湯は、給湯口11aにそれぞれ接続された配管を介して、台所の蛇口や、浴槽、カラン等に供給される。給湯器11が、床暖房機能や、浴室暖房機能およびパネルヒータによる暖房機能を備える場合、これら機能を実現する機器に対して、給湯器11から湯が供給される。
【0044】
リモートコントローラ12、13は、給湯器11に接続され、給湯装置10の各機能について種々の設定を行うために用いられる。リモートコントローラ12は、表示部121と、入力部122とを備え、リモートコントローラ13は、タッチパネルからなる表示入力部131と、運転ボタン132とを備える。操作者は、表示部121に表示された画面に従って入力部122を操作することにより、湯張りや給湯温度調節等について、任意の設定を行うことができる。また、操作者は、表示入力部131を操作することによっても、湯張り等の設定を行える。
【0045】
リモートコントローラ12は、浴室に設置され、リモートコントローラ13は、キッチン等に設置される。リモートコントローラ12、13には、音声を入出力するための音声窓12a、13aが設けられている。
【0046】
以下、浴室に設置されるリモートコントローラ12を、「浴室リモコン12」と称し、キッチン等に設置されるリモートコントローラ13を、「台所リモコン13」と称する。
【0047】
浴室リモコン12の入力部122には、運転ボタン122aが含まれている。運転ボタン122a、132は、給湯器11を運転オン状態と運転オフ状態とに切り替えるためのボタンである。
【0048】
浴室リモコン12および台所リモコン13が運転オフ状態にあるとき、表示部121および表示入力部131は消灯状態にあり、運転ボタン122a、132以外の操作ボタンの操作は受け付けられない。運転ボタン122a、132が操作され、運転オン状態になると、表示部121および表示入力部131が点灯して設定内容が表示され、各操作ボタンの操作が受け付け可能となる。
【0049】
さらに、入力部122および表示入力部131には、給湯温度を変更するためのボタンが含まれている。操作者は、このボタンを操作することにより、給湯の設定温度を変更することができる。この他、入力部122および表示入力部131には、追い焚き機能や、足し湯、足し水、ふろ自動機能等を実行するためのボタン等、給湯器11の動作を制御するためのボタンが含まれている。
【0050】
ルータ20は、建物内(ここでは、宅内H10)に存在する各機器を、外部通信網40に接続するための通信中継器である。携帯端末装置30が宅内H10に存在する場合、携帯端末装置30は、無線通信によりルータ20に接続されて、サーバ50と通信可能である。携帯端末装置30は、たとえば、携帯電話機である。この他、携帯端末装置30が、携帯型のタブレット端末等の他の携帯可能な端末装置であってもよい。外部通信網40は、たとえば、インターネットである。
【0051】
外部通信網40には、給湯装置10に対する遠隔制御を管理するためのサーバ50が接続されている。台所リモコン13は、ルータ20および外部通信網40を介して、サーバ50と通信を行う。携帯端末装置30が宅内H10に存在する場合、携帯端末装置30は、ルータ20および外部通信網40を介してサーバ50と通信を行う。また、携帯端末装置30が宅外にある場合、携帯端末装置30は、外部に設置されたルータ60または基地局70を介して外部通信網40に接続され、サーバ50と通信を行う。
【0052】
台所リモコン13と携帯端末装置30には、給湯システム1のアプリケーションプログラムが、サーバ50からダウンロードされ、インストールされている。このアプリケーションプログラムに、サーバ50にアクセスするためのアドレス情報(たとえば、IPアドレス)が含まれている。台所リモコン13と携帯端末装置30は、このアドレス情報に基づいて、サーバ50にアクセスし、通信を行う。
【0053】
台所リモコン13のアドレス情報は、初期設定の際に、サーバ50に送信されて、サーバ50に登録される。このとき同時に、台所リモコン13のID情報(識別情報)が、台所リモコン13からサーバ50に送信されて、サーバ50に登録される。また、給湯装置10に対して遠隔制御を行うことが可能な携帯端末装置30が、給湯装置10に対応付けて、サーバ50に登録される。具体的には、給湯装置10(台所リモコン13)のID情報と携帯端末装置30のID情報およびアドレス情報とが互いに対応づけられて、サーバ50に登録される。
【0054】
こうして、携帯端末装置30に関する情報がサーバ50に登録されることにより、当該携帯端末装置30の使用者は、宅内H10と宅外の何れにおいても、携帯端末装置30を用いて、給湯装置10に対する遠隔制御を行うことができる。
【0055】
すなわち、携帯端末装置30が宅内H10と宅外の何れにある場合も、使用者から携帯端末装置30に入力された設定要求は、外部通信網40を介して、一旦、サーバ50に送信される。これを受けて、サーバ50は、設定要求を受信した携帯端末装置30に予め対応付けられている給湯装置10に対して、受信した設定要求を送信する。これにより、設定要求が、外部通信網40およびルータ20を介して、対応する給湯装置10の台所リモコン13に送信される。こうして、使用者が要求する内容の設定が、遠隔操作により、給湯装置10に適用される。
【0056】
また、給湯装置10の状態情報が、所定周期で随時、台所リモコン13からルータ20を介してサーバ50に送信される。状態情報は、現在の給湯装置10の設定状態および動作状態を示す情報である。携帯端末装置30は、給湯システム1のアプリケーションプログラムにより、最新の状態情報をサーバ50から取得して表示させることができる。これにより、携帯端末装置30の使用者は、宅内H10および宅外の何れにおいても、給湯装置10の状態を監視することができる。
【0057】
図2は、給湯システム1を構成する各機器の回路ブロックを示す図である。
【0058】
給湯器11は、制御部111と、記憶部112と、通信部113と、水位センサ114と、を備える。制御部111は、マイクロコンピュータを備え、記憶部112に記憶されたプログラムに従って、給湯器11内の各部の制御を行う。記憶部112は、メモリを備え、所定の制御プログラムを記憶する。
【0059】
本実施形態では、記憶部112に記憶された制御プログラムによって、入退浴検知部111aの機能が制御部111に付与される。入退浴検知部111aは、後述のように、水位センサ114の検知結果に基づいて、浴槽に対する人の入退浴を検知する。
【0060】
通信部113は、制御部111からの制御に従って、浴室リモコン12および台所リモコン13と通信を行う。通信部113は、2芯通信線L1、L2を介して、浴室リモコン12の通信部125および台所リモコン13の通信部135と接続されている。また、2芯通信線L1、L2は、通信部113の内部において、互いに接続されている。したがって、浴室リモコン12の通信部125と台所リモコン13の通信部135は、2芯通信線L1、L2によって互いに接続されている。このため、通信部113、125、135の何れかから送信された信号は、他の通信部に同時に送信される。
【0061】
水位センサ114は、後述のように、給湯器11内の管路に配置され、当該管路内の水圧に基づいて浴槽内の水位を検出する。制御部111は、水位センサ114の検出結果に基づいて、浴槽内の水位を検知する。また、制御部111は、水位センサ114により検知された水位の変動に基づいて、入退浴検知部111aの機能により、浴槽に対する人の入退を検知する。入退浴の検知結果は、2芯通信線L1、L2を介して、随時、制御部111から浴室リモコン12および台所リモコン13に送信され、さらに、無線通信部138を介してサーバ50に送信される。
【0062】
図3は、給湯器11と浴槽2との間の接続形態を模式的に示す図である。
【0063】
図3に示すように、給湯器11は、
図2に示した構成の他、給湯部210と、追い焚き部220と、バイパス部230とを備える。
【0064】
給湯部210は、給水管路211と、給湯熱交換器212と、給湯管路213と、給湯燃焼器214と、給気ファン215とを含む。給水管路211は、水道管と給湯熱交換器212とに繋がり、給湯管路213は、給湯熱交換器212と浴室水栓3および外部水栓4とに繋がる。給湯燃焼器214には、ガス電磁弁216により開閉される給湯ガス管路217を通じてガス(燃料ガス)が供給される。給湯燃焼器214は、ガスを燃料として燃焼する。給気ファン215は、給湯燃焼器214に燃焼用の空気を供給する。
【0065】
追い焚き部220は、
図2に示した水位センサ114の他、戻り管路221と、ふろ熱交換器222と、往き管路223と、ふろ燃焼器224と、循環ポンプ225とを含む。戻り管路221は、浴槽2の循環アダプタ2aとふろ熱交換器222とに繋がり、往き管路223は、ふろ熱交換器222と循環アダプタ2aとに繋がる。
【0066】
ふろ燃焼器224には、ガス電磁弁226により開閉されるふろガス管路227を通じてガス(燃料ガス)が供給される。ふろ燃焼器224は、ガスを燃料として燃焼する。給気ファン215が給湯部210と追い焚き部220との間で共用され、給気ファン215からふろ燃焼器224に燃焼用の空気が供給される。戻り管路221に、循環ポンプ225および水位センサ114が配置される。水位センサ114は、戻り管路221内の水圧に基づいて浴槽2内の水位を検出する。
【0067】
バイパス部230は、バイパス管路231と、給湯電磁弁232とを含む。バイパス管路231は、給湯管路213と戻り管路221とに繋がる。給湯電磁弁232は、バイパス管路231を開閉する。
【0068】
制御部111は、給湯部210の給湯燃焼器214、給気ファン215およびガス電磁弁216、追い焚き部220のふろ燃焼器224、循環ポンプ225、水位センサ114およびガス電磁弁226、バイパス部230の給湯電磁弁232などを制御する。
【0069】
浴室水栓3または外部水栓4が開かれると、給湯機能が実行される。水道管からの水が給水管路211を通じて給湯熱交換器212に導入されるとともに、給湯燃焼器214が燃焼して給湯熱交換器212が加熱される。給湯熱交換器212に導入された水が加熱されて湯となり、湯が給湯管路213を通じて浴室水栓3または外部水栓4に供給される。浴室水栓3または外部水栓4が閉じられると、水道管から給水管路211への給水が停止するとともに給湯燃焼器214の燃焼が停止する。
【0070】
また、浴室リモコン12または台所リモコン13から浴槽2への湯張りの指令を受けると、制御部111は、湯張り機能(ふろ自動機能)を実行する。この場合、給湯電磁弁232が開放されるとともに、水道管からの水が給水管路211を通じて給湯熱交換器212に導入され、給湯熱交換器212で加熱される。そして、給湯熱交換器212からの湯が給湯管路213およびバイパス管路231を通じて戻り管路221に導入される。
【0071】
戻り管路221に導入された湯の一部は、戻り管路221を循環アダプタ2a側へと流れ、循環アダプタ2aから浴槽2内に注がれる。戻り管路221に導入された湯の残りは、戻り管路221をふろ熱交換器222側へと流れ、さらにふろ熱交換器222および往き管路223を流れて循環アダプタ2aから浴槽2内に注がれる。
【0072】
給湯が行われて浴槽2内に湯が溜められると、戻り管路221、ふろ熱交換器222および往き管路223が水で満たされた状態となる。これにより、水位センサ114での浴槽2内の水位検出が可能となる。浴槽2内の水位が予め設定された水位に到達したことが水位センサ114により検出されると、給湯電磁弁232が閉じられ、水道管から給水管路211への給水が停止するとともに給湯燃焼器214の燃焼が停止する。
【0073】
なお、湯が張られた浴槽2内に人が入ると浴槽2内の水位が上昇する。また、浴槽2内から人が出ると水位が下降する。この浴槽2内への人の出入りに基づく水位変動を、水位センサ114によって検出することができる。これにより、上記のように、入退浴検知部111aの機能により、浴槽2に対する人の入退が検知される。
【0074】
また、追い焚き機能の実行時には、循環ポンプ225が作動するとともにふろ燃焼器224が燃焼する。浴槽2内の湯が、戻り管路221、ふろ熱交換器222および往き管路223からなる循環路と浴槽2との間で循環し、その間にふろ熱交換器222で加熱される。浴槽2内の湯温が予め設定された上限温度よりも高くなると、循環ポンプ225とふろ燃焼器224が停止する。
【0075】
足し湯機能では、湯張り機能(ふろ自動機能)と同様の制御により、所定量の湯が浴槽2に注入される。足し水機能の実行時には、給湯燃焼器214およびふろ燃焼器224を停止させた状態で、湯張り機能(ふろ自動機能)と同様の制御が実行され、所定量の水が浴槽2に注入される。
【0076】
図2に戻り、浴室リモコン12は、上述の表示部121および入力部122の他、制御部123と、記憶部124と、通信部125と、スピーカ126と、マイク127と、人感センサ128とを備える。表示部121は、たとえば、液晶パネルにより構成される。入力部122は、温度設定ボタン等の各種操作ボタンを備える。表示部121が、タッチパネルであってもよい。
【0077】
制御部123は、マイクロコンピュータを備え、記憶部124に記憶されたプログラムに従って所定の制御を行う。記憶部124は、メモリを備え、所定の制御プログラムを記憶する。通信部125は、制御部123からの制御に従って、給湯器11および台所リモコン13と通信を行う。
【0078】
本実施形態では、記憶部124に記憶された制御プログラムによって、入浴タイマー部123aおよび安否確認部123bの機能が制御部123に付与される。
【0079】
入浴タイマー部123aは、給湯器11の入退浴検知部111aから入浴が検知されたことの通知を受信するとカウント(計時)を開始し、入退浴検知部111aから退浴が検知されたことの通知を受信するとカウント(計時)を終了して初期値にリセットされる。安否確認部123bは、スピーカ126を介して浴室内に呼び掛けを行うための処理を実行する。
【0080】
スピーカ126は、制御部123により生成された音声信号に基づく音声を出力する。制御部123は、記憶部124に記憶されている音声情報を随時読み出して、音声信号を生成する。スピーカ126から出力された音声は、
図1の音声窓12aから出力される。マイク127は、
図1の音声窓12aを介して、音声を集音する。
【0081】
人感センサ128は、浴室に対する人の入退室を検知するための人検知センサである。人感センサ128は、たとえば、赤外線を用いた焦電センサである。人感センサ128の検出範囲は、浴室内の洗い場と浴槽2をカバーする範囲に設定される。人感センサ128が、洗い場の範囲と浴槽の範囲を個別に検出可能であってもよい。制御部123は、人感センサ128の出力に基づいて、浴室に対する人の入退室を検知する。制御部123は、人感センサ128の出力により、人の動きを検出してもよい。
【0082】
台所リモコン13は、上述の表示入力部131および運転ボタン132の他、制御部133と、記憶部134と、通信部135と、スピーカ136と、マイク137と、無線通信部138とを備える。
【0083】
制御部133は、マイクロコンピュータを備え、記憶部134に記憶されたプログラムに従って所定の制御を行う。記憶部134は、メモリを備え、所定の制御プログラムを記憶する。通信部135は、制御部133からの制御に従って、給湯器11および浴室リモコン12と通信を行う。
【0084】
スピーカ136は、制御部133により生成された音声信号に基づく音声を出力する。制御部133は、記憶部134に記憶されている音声情報を随時読み出して、音声信号を生成する。スピーカ136から出力された音声は、
図1の音声窓13aから出力される。マイク137は、
図1の音声窓13aを介して、音声を集音する。
【0085】
無線通信部138は、ルータ20との間で無線通信が可能な無線通信モジュールである。サーバ50には、台所リモコン13(給湯装置10)のアドレス情報およびID情報として、無線通信部138のアドレス情報およびID情報が登録される。
【0086】
携帯端末装置30は、制御部301と、記憶部302と、無線通信部303と、表示入力部304と、スピーカ305と、マイク306と、を備える。
【0087】
制御部301は、CPU(Central Processing Unit)を備え、記憶部302に記憶されたプログラムに従って所定の制御を行う。記憶部302は、メモリを備え、所定の制御プログラムを記憶する。記憶部302には、給湯システム1のアプリケーションプログラムが記憶され、制御部301は、このプログラムに従って、遠隔制御の処理を実行する。無線通信部303は、制御部301からの制御に従って、ルータ20および外部通信網40と通信を行う。無線通信部303は、ルータ20および外部通信網40との間で無線通信が可能な無線通信モジュールである。無線通信部303にもIPアドレスが割り振られている。
【0088】
表示入力部304は、たとえば、タッチパネルにより構成される。スピーカ305およびマイク306は、携帯端末装置30に対する音声の入出力に用いられる。
【0089】
サーバ50は、制御部501と、記憶部502と、通信部503を備える。制御部501は、CPUを備え、記憶部502に記憶されたプログラムに従って所定の制御を行う。記憶部502は、メモリおよびハードディスクを備え、所定の制御プログラムおよびデータベースを記憶する。通信部503は、制御部501からの制御に従って、所定の制御を行う。
【0090】
本実施形態では、記憶部502に記憶された制御プログラムによって、呼び掛け処理部501aの機能が制御部501に付与される。呼び掛け処理部501aは、携帯端末装置30からの指令により、給湯装置10に呼び掛け指令を送信する。
【0091】
本実施形態では、予め、給湯装置10に対して遠隔制御を行うことが可能な携帯端末装置30が、給湯装置10(台所リモコン13)に対応付けて、サーバ50に登録される。すなわち、予め、給湯装置10と携帯端末装置30とがペアリングされ、ペアリングを示す情報(ペアリング情報)が、サーバ50において管理される。具体的には、給湯装置10(台所リモコン13)のID情報と携帯端末装置30のID情報とが互いに対応づけられて、ペアリング情報が構成される。
【0092】
このようなペアリングは、たとえば、給湯装置10が設置された宅内H10に設置された台所リモコン13を介して、携帯端末装置30がサーバ50と通信することにより行われる。これにより、悪意の第三者によって不当に、携帯端末装置30と給湯装置10とがペアリングされる可能性が減少する。
【0093】
【0094】
ここでは、給湯装置10が台所リモコン13(無線通信部138)のID情報により特定されている。台所リモコン13のID情報に、当該給湯装置10を制御可能な携帯端末装置30のID情報とアドレス情報が対応づけられる。また、ペアリングの際に設定された各携帯端末装置30の所有者の名前が、各携帯端末装置30のID情報に対応づけられる。
【0095】
この他、各携帯端末装置30のID情報には、入浴タイマーの設定の有無が対応づけられる。ここで、入浴タイマーとは、入浴状態のまま設定時間が経過すると、そのことを携帯端末装置30に報知する機能である。入浴タイマーの設定の有無(オン/オフ)は、携帯端末装置30に表示される所定の設定画面を用いて設定される。
【0096】
図5(a)は、携帯端末装置30にインストールされた給湯システム1のアプリケーションプログラムが起動された場合に、携帯端末装置30の表示入力部304に表示されるホーム画面600を示す図である。
【0097】
ホーム画面600は、領域610、620、630に区分されている。領域610には、名称表示部611と、給湯温度表示部612と、ふろ温度表示部613と、ふろ湯量表示部614と、浴槽画像615と、入浴時間表示部616と、が含まれている。
【0098】
名称表示部611には、遠隔監視が適用される給湯装置10の名称が表示される。名称表示部611には、ペアリングの際に設定された給湯装置10の名称が表示される。給湯温度表示部612、ふろ温度表示部613およびふろ湯量表示部614には、それぞれ、随時、サーバ50から携帯端末装置30が受信した状態情報に基づいて、現在の給湯温度、ふろ温度およびふろ湯量の設定状態が示される。
【0099】
浴槽画像615には、現在のふろ湯量の設定状態が浴槽に溜められる水の画像として表示される。上記のように、水位センサ114からの出力により浴槽に人が入浴中であることが検知される場合、そのことを示す情報が、随時、サーバ50から携帯端末装置30に送信される。これにより、浴槽画像615に、人が浴槽に入浴していることを示す画像M1が付加される。また、入浴時間表示部616には、随時、サーバ50から携帯端末装置30に送信される入浴タイマーの計測時間に基づいて、浴槽に対する現在の入浴時間が表示される。
【0100】
なお、浴室に人がいるが、入浴中でないことが、人感センサ128および水位センサ114の出力から判定される場合、画像M1に代えて、浴槽の外に人がいることを示す画像が領域610に含まれる。
【0101】
領域620には、所定の設定等を行うためのボタン621~624が表示される。ボタン621~624は、それぞれ、追い焚き機能の設定、ふろ自動機能の設定、ふろ洗浄機能の設定および入浴タイマーの設定のためのボタンである。領域630には、遠隔操作の対象となる機能を切り替えるための4つのボタンが表示される。
【0102】
携帯端末装置30の使用者は、ホーム画面600を参照することにより、給湯装置10の状況を確認できる。すなわち、使用者は、自宅に居る人のふろの使用状況を種々確認することができる。これにより、使用者は、宅外および宅内の何れにいる場合にも、ふろの使用状況を的確に把握できる。
【0103】
また、使用者は、ホーム画面600においてボタン624を操作することにより、入浴タイマーを設定できる。
【0104】
図5(b)は、入浴タイマーの設定画面700を示す図である。
【0105】
設定画面700は、
図5(a)のホーム画面600において、使用者がボタン624を操作することにより表示される。設定画面700は、領域710、720、730、740に区分されている。領域710には、この表示画面が入浴タイマーの設定画面であることを示す見出しが表示される。領域720には、入浴タイマーの機能の説明と、領域730の数字の意味を示す表記が含まれている。領域730には、入浴タイマーの設定時間が表示される。使用者は、領域730を上下にスワイプすることにより、入浴タイマーの設定時間を設定できる。領域740には、4つのボタン741、742、743、744が含まれている。
【0106】
領域730の設定時間が設定された後、ボタン741が操作されると、設定された設定時間で当該携帯端末装置30に入浴タイマー機能が設定される。また、入浴タイマー機能が設定されている状態において、ボタン741が操作されると、入浴タイマー機能が解除される。これにより、ボタン741の標記がOFFに変更される。ボタン744が操作されると、設定画面700が閉じられて、
図5(a)のホーム画面600に戻る。入浴タイマーが設定されると、
図4のペアリング情報に、入浴タイマーがオンであることを示す情報と設定時間が登録される。
【0107】
このとき、どの携帯端末装置30の設定時間が優先されるかを示す優先情報が併せて登録される。優先情報で優先権が付与された携帯端末装置30により設定された設定時間が、1つの給湯装置10にペアリングされた携帯端末装置30のグループにおける入浴タイマーの設定時間として用いられる。
【0108】
図5(b)の設定画面700において、ボタン742が操作されると、当該携帯端末装置30に対応づけられた給湯装置10の浴室リモコン12において、呼び掛け動作が実行される。これにより、浴室リモコン12から、浴室内の人に異常がないかを問い合わせるための音声メッセージが出力される。
【0109】
使用者は、
図5(a)のホーム画面600を参照して、浴室内に人がいることを把握すると、任意に、ボタン742を操作して、浴室内の人に対して呼び掛けを行える。すなわち、入浴タイマーに設定された設定時間が経過しない場合であっても、使用者は、必要に応じて、ボタン742を操作して、浴室内の人に対して呼び掛けを行うことができる。
【0110】
さらに、
図5(b)の設定画面700において、ボタン743が操作されると、当該携帯端末装置30に対応づけられた給湯装置10と、サーバ50との間の通信履歴のうち、少なくとも、呼び掛けの実行に関する通信履歴を含む履歴情報が、携帯端末装置30において表示される。
【0111】
図6(a)は、サーバ50の記憶部502に記憶される通信履歴を示す図である。
図6(b)は、サーバ50から携帯端末装置30に送信される履歴情報を示す図である。
【0112】
図6(a)に示すように、サーバ50の記憶部502は、給湯装置10(台所リモコン13のID情報)ごとに、当該給湯装置10との間の通信履歴を記憶する。具体的には、サーバ50の制御部501は、給湯装置10との間で情報を送受信するごとに、その内容(イベント)を送受信の日時に対応付けて、随時記憶する。すなわち、
図6(a)の通信履歴は、サーバ50と給湯装置10との間で行われた送受信の履歴を示すログ情報である。記憶部502に記憶される通信履歴には、
図6(a)に例示した呼び掛け、入浴、入室および退室のイベントの他、給湯温度の設定や、浴槽2の湯量(水位)の検知結果等の他のイベントも含まれる。
【0113】
サーバ50の制御部501は、記憶部502に記憶されている通信履歴から、少なくとも、呼び掛け指令を給湯装置10に送信したことを示す通信履歴を含む通信履歴を抽出して、
図6(b)に示す履歴情報を構成する。ここでは、呼び掛け指令を給湯装置10に送信したことを示す通信履歴(イベント:呼び掛け)の他、呼び掛けに対して応答があったことを示す通信履歴(イベント:応答)と、浴室に対する人の入退室を示す情報を給湯装置10から受信したことを示す通信履歴(イベント:入室、退室)と、浴槽に対する人の入退浴を示す情報を給湯装置10から受信したことを示す通信履歴(イベント:入浴、退浴)とが、状態情報に含まれている。
【0114】
携帯端末装置30の使用者は、
図5(b)の設定画面700において、ボタン743を操作することにより、
図6(b)に示す履歴情報に含まれる通信履歴を、時系列で、携帯端末装置30に表示させることができる。これにより、使用者は、
図5(b)のボタン742を操作して浴室内に呼び掛けを行う前に、既に、他の携帯端末装置30の使用者から呼び掛けが行われたか否かを確認でき、さらに、入室および入浴の経過時間を把握することができる。
【0115】
次に、入浴タイマー動作時における制御について説明する。
【0116】
図7および
図8(a)、(b)は、それぞれ、入浴タイマー動作時に、浴室リモコン12、サーバ50および携帯端末装置30が実行する制御を示すフローチャートである。
【0117】
図7を参照して、浴室リモコン12の制御部123は、給湯器11の入退浴検知部111aから入浴開始の通知を受信すると(S101:YES)、入浴タイマー部123aを起動する(S102)。入浴タイマー部123aのカウント値が設定時間に到達する前に(S103:NO)、入浴者が浴槽2から退出したことの通知を入退浴検知部111aから受信すると(S105:YES)、制御部123は、入浴タイマー部123aを終了させて(S106)、処理を終了する。
【0118】
他方、入浴者が浴槽2から退出しないまま(S105:NO)、入浴タイマー部123aのカウント値が入浴タイマーの設定時間に到達すると(S103:YES)、制御部123は、入浴状態が入浴タイマーの設定時間以上継続したこと(長時間入浴が生じたこと)を示す長時間入浴通知を、安否確認部123bにより、台所リモコン13を介して、サーバ50に送信する(S104)。そして、制御部123は、入浴タイマー部123aの計時を終了させて(S106)、処理を終了する。
【0119】
図8(a)を参照して、サーバ50の制御部501は、台所リモコン13から長時間入浴通知を受信すると(S201:YES)、受信した長時間入浴通知を、呼び掛け処理部501aの機能により、当該台所リモコン13に対応付けられ、且つ、
図4のペアリング情報において入浴タイマーがONに設定されている全ての携帯端末装置30に送信する(S202)。
【0120】
図8(b)を参照して、携帯端末装置30の制御部301は、サーバ50から長時間入浴通知を受信すると(S301:YES)、入浴者に呼び掛けを行うための呼び掛け操作を受け付ける処理を実行する(S302)。
【0121】
ステップS302の処理において、制御部301は、給湯システム1のアプリケーションプログラムの起動時に表示するホーム画面600において、
図9(a)に示すように、ボタン624を点滅させて、入浴時間が設定時間を超過したことを報知し、当該携帯端末装置30の使用者に、ボタン624の操作を促す。これに応じて、使用者がボタン624を操作すると、制御部301は、画面を、
図9(b)の設定画面700に切り替えて、ボタン742を点滅させ、当該使用者に、ボタン742の操作を促す。
【0122】
このとき、使用者は、
図5(b)の場合と同様、ボタン743を操作することにより、
図6(b)に示す履歴情報を、携帯端末装置30の表示入力部304に表示させることができる。
【0123】
図8(b)に戻り、
図9(b)の設定画面700において、使用者によりボタン742を操作されると(S303:YES)、浴室内に呼び掛けを行うための呼び掛け指令をサーバ50に送信する(S304)。
【0124】
図8(a)を参照して、サーバ50の制御部501は、
図8(b)のステップS304において送信された呼び掛け指令を、何れかの携帯端末装置30から受信すると(S203:YES)、呼び掛け処理部501aの機能により、当該携帯端末装置30に対応付けられている給湯装置10(台所リモコン13)に対して、呼び掛け指令を送信する(S204)。
【0125】
こうして、サーバ50の制御部501から給湯装置10(台所リモコン13)に呼び掛け指令が送信されると、台所リモコン13は、受信した呼び掛け指令を浴室リモコン12に転送する。これにより、浴室リモコン12の制御部123は、安否確認部123bの機能により、入浴者に対する呼び掛けを実行する。
【0126】
具体的には、制御部123は、スピーカ126から状況を問い合わせるための音声を出力させる。これにより、
図10(a)に示すように、音声窓12aから問い合わせの音声が出力される。たとえば、浴室内の人に対して「大丈夫ですか」と問いかける音声が、音声窓12aを介して、
図2のスピーカ126から出力される。
【0127】
さらに、制御部123は、入浴者からの応答を受けるために、
図10(b)に示すように、浴室リモコン12の入力部122に配置された何れかのボタンを操作することを入浴者に促すメッセージ音声を、音声窓12aを介して、スピーカ126から出力させる。このメッセージに対し、入浴者は、自身に異常が無い場合、
図10(c)に示すように、入力部122に配置された何れかのボタンを操作する。これに応じて、制御部123は、入浴者が正常であることを示す応答をサーバ50に送信する。
【0128】
この応答は、
図6(a)に示す通信履歴として、サーバ50の記憶部502に記憶され、
図6(b)の履歴情報として、サーバ50から、当該給湯装置10に対応付けられている各携帯端末装置30に送信される。後述のように、この応答は、
図5(b)または
図9(b)のボタン743が操作された場合に、履歴情報として、携帯端末装置30の表示入力部304に表示される。
【0129】
他方、入浴者に異常が生じている場合、入浴者は、
図10(a)、(b)の問いかけに対して、適切に応答することができない。たとえば、入浴者が気を失っている場合、入浴者は、入力部122のボタンを操作できない。この場合、制御部123は、
図10(b)のメッセージ音声を出力した後、入力部122に対する操作がないまま所定時間(たとえば数十秒)が経過したタイミングで、入浴者に異常が生じたことを示す異常通知をサーバ50に送信する。このとき、制御部123は、
図10(d)に示すように、異常の連絡を携帯端末装置30に行うことのメッセージを、音声窓12aを介して、スピーカ126から出力させてもよい。
【0130】
この異常通知は、
図6(a)に示す通信履歴として、サーバ50の記憶部502に記憶され、さらに、サーバ50から当該給湯装置10に対応付けられている各携帯端末装置30に送信される。これにより、各携帯端末装置30において、入浴者に異常が生じたことを使用者に報知する処理が行われる。なお、この異常通知が、
図6(b)の履歴情報として、サーバ50から、当該給湯装置10に対応付けられている各携帯端末装置30に送信されてもよい。この場合、
図5(b)または
図9(b)のボタン743が操作されることに応じて、異常通知が履歴情報として携帯端末装置30の表示入力部304に表示される。
【0131】
次に、
図5(b)または
図9(b)の設定画面700において、履歴情報を表示させるためのボタン743が操作された場合の制御について説明する。
【0132】
図11(a)、(b)は、
図5(b)または
図9(b)の設定画面700において、履歴情報を表示させるためのボタン743が操作された場合の、携帯端末装置30およびサーバ50における制御を示すフローチャートである。
【0133】
図11(a)を参照して、携帯端末装置30の制御部301は、使用者からの履歴表示の操作を受け付けたか否かを判定する(S311)。具体的には、制御部301は、
図5(b)または
図9(b)の設定画面において、履歴情報を表示させるためのボタン743が操作されたか否かを判定する。ボタン743が操作された場合(S311:YES)、制御部301は、履歴情報の送信要求(履歴要求通知)を、サーバ50に送信する(S312)。
【0134】
図11(b)を参照して、サーバ50の制御部501は、携帯端末装置30から履歴要求通知を受信すると(S211:YES)、
図6(a)、(b)を参照して説明したとおり、当該携帯端末装置30に対応付けられている給湯装置10(台所リモコンID)の通信履歴から履歴情報を抽出し(S212)、抽出した履歴情報を、履歴要求通知の送信元の携帯端末装置30に送信する(S213)。
【0135】
図11(a)を参照して、携帯端末装置30の制御部301は、サーバ50から履歴情報を受信すると(S313:YES)、受信した履歴情報を時系列で、表示入力部304に表示させる(S314)。そして、制御部301は、履歴情報の表示画面において、履歴情報の表示を終了させる操作がなければ(S315:NO)、処理をステップS312に戻して、所定の周期で、履歴要求通知をサーバ50に送信する。これにより、最新の履歴情報が随時サーバ50から携帯端末装置30に送信されて、履歴情報の表示が、随時、更新される。
【0136】
図12(a)、(b)は、
図11(a)のステップ314において表示される履歴画面800の構成例を示す図である。
【0137】
履歴画面800は、領域810と、領域820とに区分されている。このうち、領域810に、履歴情報が時系列で表示される。領域820には、履歴画面800を閉じるためのボタン821が配置されている。ボタン821が操作されると、履歴画面800が閉じられて、
図5(b)または
図9(b)の設定画面700に戻る。
【0138】
図12(a)に示すように、領域810には、日時が最新のイベントから各イベントが下方向に時系列の順で並ぶように、履歴情報に含まれる各通信履歴がその日時とともに表示される。
図12(a)の例では、最新のイベントが「呼び掛け」の通信履歴であり、これに、「入浴」および「入室」の通信履歴が続いて表示されている。使用者は、領域810を上下方向にスワイプすることにより、領域810に表示される通信履歴を時系列方向にスクロールさせることができる。
図12(b)には、領域810を白抜きの矢印の方向にスワイプしたときの状態が示されている。
【0139】
ここで、制御部301は、履歴情報に含まれる履歴情報のうち、浴室に対する最新の入室以降の履歴情報を、最新の入室より前の履歴情報から区別可能に、表示入力部304に表示させる。
図12(a)の表示例では、上から3段目のイベントが最新の入室に対応する。したがって、領域810には、上から3段目までの通信履歴が、4段目以降の通信履歴から区別可能に、表示入力部304に表示される。ここでは、上から3段目までの通信履歴の背景色を、4段目以降の通信履歴の背景色と相違させることにより、浴室に対する最新の入室以降の履歴情報が、最新の入室より前の履歴情報から区別可能となっている。
【0140】
なお、区別の方法は、背景色を相違させる方法に限られるものではなく、他の方法であってもよい。たとえば、文字の色や、フォント、文字サイズ、文字の太さを相違させることにより、浴室に対する最新の入室以降の履歴情報が、最新の入室より前の履歴情報から区別可能となっていてもよい。あるいは、
図13(a)に示すように、太線等の区切りを示す図形を最新の入室とそれ以前のイベントとの間の境界に追加することにより、浴室に対する最新の入室以降の履歴情報が、最新の入室より前の履歴情報から区別可能となっていてもよい。
【0141】
さらには、
図13(b)に示すように、最新の入室より前の履歴情報を表示から消す(最新の入室以降の履歴情報のみを表示させる)ことにより、浴室に対する最新の入室以降の履歴情報が、最新の入室より前の履歴情報から区別可能となっていてもよい。
【0142】
また、
図12(a)および
図13(a)における履歴画面800の表示形態では、最新の入室より前の履歴情報についても、入室から退室までの通信履歴を1単位として、時系列方向に隣り合う2つの単位が、互いに区別可能に表示されてもよい。
【0143】
なお、本実施形態では、
図6(b)に示すように、履歴情報に入室および退室に関する通信履歴が含まれるため、
図12(a)に示すように、最新の入室に関する通信履歴と、それ以降の通信履歴とが、最新の入室より前の通信履歴に対して区別可能に表示された。これに対し、履歴情報に入室および退室に関する通信履歴が含まれない場合は、最新の入室以降の履歴情報は、最新の入浴に関する通信履歴と、それ以降の通信履歴となる。したがって、この場合は、最新の入浴以降の通信履歴が、最新の入浴より前の通信履歴に対して区別可能に、表示入力部304に表示される。
【0144】
使用者は、履歴画面800を参照することにより、現在の入浴に対して既に他の携帯端末装置30から呼び掛けが行われたか否かを把握でき、さらに、入室および入浴の継続時間を把握できる。
図12(a)の例では、最新の入浴に対して、既に、呼び掛けが行われている。これにより、使用者は、さらに自身が、呼び掛け操作を行うべきか否かを適切に判断することができる。
【0145】
<実施形態の効果>
実施形態によれば、以下の効果が奏され得る。
【0146】
図6(b)に示したように、少なくとも、呼び掛けの実行に関する通信履歴を含む履歴情報が、携帯端末装置30に送信されるため、
図12(a)に示したように、当該携帯端末装置30において、呼び掛けの状況を時系列で表示できる。これにより、当該携帯端末装置30の使用者は、他の携帯端末装置30を介して既に呼び掛けが行われたか否かを知ることができる。よって、各使用者は、自身で呼び掛けを行うべきか、あるいは、このまま放置すべきかを判断でき、浴室内に対する呼び掛けを適切に行うことができる。
【0147】
また、
図6(b)に示したように、履歴情報は、呼び掛けに対する応答の通信履歴を含んでいる。これにより、
図12(b)に示したように、呼び掛けに対して入浴者から応答があった場合に、その旨が携帯端末装置30に表示される。よって、携帯端末装置30の使用者は、自身が呼び掛けを行うべきか否かを、より適切に判断できる。
【0148】
また、
図6(b)に示したように、履歴情報は、浴槽に対する入退浴の検知結果に関する通信履歴を含んでいる。これにより、
図12(a)に示したように、入退浴に関する通信履歴が、日時とともに、時系列で、携帯端末装置30に表示され、この表示により、携帯端末装置30の使用者は、入退浴の事実と、入浴が継続している場合は、その経過時間を知ることができる。よって、使用者は、自身が呼び掛けを行うべきか否かを、より適切に判断できる。
【0149】
また、
図6(b)に示したように、履歴情報は、浴室に対する入退室の検知結果に関する通信履歴を含んでいる。これにより、
図12(a)に示したように、入退室に関する通信履歴が、日時とともに、時系列で、携帯端末装置30に表示され、この表示により、携帯端末装置30の使用者は、入退室の事実と、入室が継続している場合は、その経過時間を知ることができる。よって、使用者は、自身が呼び掛けを行うべきか否かを、より適切に判断できる。
【0150】
また、
図8(a)に示したように、サーバ50は、入浴タイマー部123aにより入浴時間が所定の設定時間を超過したと判定されたことに基づいて、長時間入浴通知を携帯端末装置30に送信する(S202)。これにより、
図9(b)に示したように、携帯端末装置30において、入浴時間が所定の設定時間を超過したことが、ボタン742の点滅により、使用者に報知される。携帯端末装置30の使用者は、この報知を受けた際に、ボタン743を操作して履歴情報を確認することにより、自身が呼び掛けを行うべきか否かを適切に判断できる。よって、使用者は、長時間の入浴が生じた場合に、適切に、呼び掛け操作を行うことができる。
【0151】
また、
図5(b)および
図9(b)に示したように、携帯端末装置30では、呼び掛け操作の受け付けの際に、ボタン743が操作されることにより、少なくとも呼び掛けの実行に関する通信履歴を含む履歴情報が表示される。これにより、当該携帯端末装置30の使用者は、自身の携帯端末装置30により呼び掛け操作を行おうとする際に、履歴情報を簡易な操作で確認でき、他の携帯端末装置30を介して呼び掛けが行われたか否かを円滑に知ることができる。よって、各使用者は、自身で呼び掛けを行うべきか、あるいは、このまま放置すべきかを判断でき、浴室内に対する呼び掛けを適切に行うことができる。
【0152】
また、
図12(a)~
図14(b)に示したように、携帯端末装置30の制御部301は、浴室に対する最新の入室以降の履歴情報を、最新の入室より前の履歴情報から区別可能に表示させる。これにより、携帯端末装置30の使用者は、現時点の入浴に対して呼び掛けが行われたか否かを、的確に把握できる。よって、使用者は、呼び掛けの要否をより円滑に判断でき、呼び掛けの対応をより適切に進めることができる。
【0153】
また、
図9(b)に示したように、携帯端末装置30の制御部301は、入浴時間が所定の設定時間を超過したことを示す長時間入浴通知をサーバ50から受信したことに基づいて、入浴が設定時間を超過したことの報知(ボタン742の点滅)を、設定画面700(呼び掛けの操作の受け付け画面)において行う。これにより、携帯端末装置30の使用者は、長時間入浴が生じたことを把握でき、さらに、その際に、履歴情報を参照することで、当該長時間入浴に対して呼び掛けを行うべきか否かを適切に判断できる。よって、使用者は、長時間入浴に対する呼び掛け操作を、より円滑に進めることができる。
【0154】
<変更例1>
上記実施形態では、
図5(b)および
図9(b)に示したように、履歴情報を表示させるためのボタン743を、設定画面700(呼び掛け操作の受付画面)に含めておき、このボタン743が操作されることによって、
図12(a)の履歴画面800が表示されたが、たとえば、
図14(a)に示すように、設定画面700(呼び掛け操作の受付画面)に、履歴情報が直接表示されてもよい。
【0155】
図14(a)の構成例では、
図5(b)および
図9(b)の設定画面700に比べて、ボタン743が省略され、履歴情報を表示するための領域745が新たに含まれる。領域745には、履歴情報に含まれる通信履歴が、通信の日時とともに、時系列で表示される。表示される履歴情報は、領域745のサイズとの関係から、
図12(a)に比べて簡略化されている。使用者は、領域745を上下方向にスワイプすることにより、領域745に表示される履歴情報を時系列方向にスクロールさせることができる。この場合も、上記実施形態と同様、履歴情報は、最新の入室以降の通信履歴が、それより前の通信履歴から区別可能に表示される。
【0156】
この変更例によれば、使用者は、上記実施形態のようにボタン743を操作しなくても、設定画面700において、そのまま、履歴情報を確認できる。よって、より円滑に、呼び掛けの要否を判断することができる。
【0157】
<変更例2>
上記実施形態では、
図5(a)および
図9(a)のホーム画面600においてボタン624が点滅し、また、
図5(b)および
図9(b)の設定画面700においてボタン742が点滅することにより、入浴時間が設定時間を超過したことが報知されたが、長時間入浴の報知の方法はこれに限られるものではない。また、呼び掛け操作の受け付け方法および履歴情報の表示方法も、
図5(b)および
図9(b)の設定画面700による方法に限られるものではない。
【0158】
たとえば、
図8(b)のステップS302において、
図14(b)に示す受付画面900が、表示入力部304に表示されてもよい。受付画面900は、長時間入浴が生じたことの報知および呼び掛け要否の問い合わせを含むメッセージ901と、呼び掛けの要否を受け付けるボタン902、903と、履歴情報を表示するための領域904と、を含んでいる。
【0159】
領域904に、履歴情報に含まれる通信履歴が、通信の日時とともに、時系列で表示される。表示される履歴情報は、
図14(a)の領域745と同様、簡略化されている。使用者は、領域904を上下方向にスワイプすることにより、領域904に表示される履歴情報を時系列方向にスクロールさせることができる。この場合も、上記実施形態と同様、履歴情報は、最新の入室以降の通信履歴が、それより前の通信履歴から区別可能に表示される。
図14(b)の例では、仕切り線904aによって、最新の入室以降の通信履歴が、それより前の通信履歴から区別されている。
【0160】
ボタン902が操作されると、
図8(b)のステップS303の判定がYESとなって、ステップS304により、携帯端末装置30からサーバ50に、呼び掛け指令が送信される。ボタン903が操作されると、
図8(b)のステップS303の判定がNOとなって、処理が終了し、画面がホーム画面600へと移行する。
【0161】
この変更例によっても、使用者は、呼び掛け操作を行う際に、領域904に表示された履歴情報を参照することにより、既に、他の携帯端末装置30から呼び掛けが行われたか否かを知ることができる。よって、使用者は、ボタン902、903により呼び掛け操作の実行および回避を円滑に選択することができる。
【0162】
<その他の変更例>
上記実施形態では、長時間入浴が生じていない場合に表示される
図5(b)の設定画面700においても、履歴情報を表示させるためのボタン743が含まれたが、長時間入浴が生じていない場合に表示される
図5(b)の設定画面700では、ボタン743が省略され、長時間入浴が生じた場合のみ、設定画面700に、履歴情報を表示させるためのボタン743が含まれてもよい。
【0163】
また、上記実施形態では、履歴情報が
図6(b)に示す構成であったが、履歴情報は、少なくとも、呼び掛けに関する通信履歴を含んでいればよく、たとえば、
図6(b)の構成から、入退室に関する通信履歴が省略されてもよく、あるいは、呼び掛けに対する応答がないことを示す異常通知等の他の通信履歴が追加されてもよい。
【0164】
また、
図11(a)、(b)の制御では、携帯端末装置30からサーバ50に履歴要求通知が送信されることにより、サーバ50から携帯端末装置30に履歴情報が送信されたが、履歴要求通知を受信することなく、サーバ50から随時、最新の履歴情報が携帯端末装置30に送信されてもよい。この場合、
図11(a)のステップS312および
図11(b)のステップS211は省略される。
【0165】
また、履歴情報の表示形態は、
図12(a)~
図14(b)に示した形態に限られるものではなく、種々変更が可能である。たとえば、呼び掛けを行った携帯端末装置30の所有者の名前(
図4参照)がさらに表示されてもよい。
【0166】
また、上記実施形態では、水位センサ114の出力に基づいて、入浴の有無が検知されたが、入浴の有無の検知方法はこれに限られるものではない。たとえば、人感センサ128の検出範囲が浴槽の範囲をカバーする場合は、人感センサ128の出力に基づいて入浴の有無が検知されてもよい。あるいは、浴室リモコン12の入力部122に、入退浴時に入浴者が操作するボタンが配置される場合、このボタンの操作に基づいて入浴の有無が検知されてもよい。
【0167】
また、上記実施形態では、呼び掛けに対する応答が入力部122の何れかのボタンへの操作によって行われたが、呼び掛けに対する応答方法はこれに限られるものではない。たとえば、浴室リモコン12が音声認識機能を備える場合、音声窓12aを介した音声入力により、呼び掛けに対する応答がなされてもよい。また、浴室リモコン12が音声認識機能を備えない場合、音声入力の有無により、入浴者の正常および異常を判定してもよい。
【0168】
また、上記実施形態では、入浴タイマー部123aが浴室リモコン12に設けられたが、入浴タイマー部123aの配置はこれに限られるものではない。たとえば、入浴タイマー部が、台所リモコン13またはサーバ50に設けられてもよい。あるいは、給湯システム1に
図2以外の制御装置が配置される場合、この制御装置に入浴タイマー部123aが設けられてもよい。同様に、入退浴検知部111aも、
図2の配置に限られず、給湯器11以外の、給湯装置10を構成する他の装置に配置されてもよい。
【0169】
また、上記実施形態では、給湯装置10を構成する台所リモコン13に無線通信部138が設けられたが、無線通信部が給湯器11に設けられて給湯器11がルータ20に接続されてもよい。あるいは、給湯器11、浴室リモコン12および台所リモコン13以外に無線通信部を備えた制御ユニットが給湯装置10に配置され、この制御ユニットがルータ20に接続されてもよい。この場合、上記実施形態における台所リモコン13による制御は、制御ユニットによって行われる。
【0170】
また、給湯器11の構成は、
図3に示した構成に限られるものではなく、他の構成であってもよい。たとえば、
図3の構成では、浴槽2内の湯をふろ熱交換器222に循環させることによって、浴槽2内の湯に対する追い焚きが行われたが、給湯器11が、高温の湯を浴槽に追加することにより追い焚き機能が実行されてもよい。
【0171】
なお、給湯装置10を遠隔制御する端末装置に、携帯性がなく所定の場所に設置される据え置き型の端末装置が含まれてもよい。また、給湯装置10は、ガス燃料を用いるものに限らず、オイルを燃料とする給湯装置であってもよい。給湯装置10は、貯留タンクを用いた貯留式のものであってもよく、燃料電池等の発電ユニットをさらに備えた構成であってもよい。
【0172】
また、上記実施形態では、浴槽に対する所定のふろ機能を実行するふろ機能装置として、ふろ関連機能とともに給湯機能を備えた給湯装置10が例示されたが、ふろ機能装置は、ふろ関連機能のみを実行可能な装置であってもよい。たとえば、浴槽2に溜められた水を、熱交換器に循環させて暖める機能のみを有するふろ機能装置を、ふろシステムが備える構成であってもよい。この場合、ふろ機能装置は、ふろを沸かすための構成と、ふろシステムのサーバと通信するための構成とを備えていればよい。たとえば、ふろ機能装置は、上記実施形態と同様の浴室リモコンおよび台所リモコンの少なくとも一方を備え、このリモコンを介して、サーバに接続される構成であってもよい。
【0173】
この他、本発明の実施形態は、特許請求の範囲に記載の範囲で適宜種々の変更可能である。
【符号の説明】
【0174】
1 給湯システム(ふろシステム)
10 給湯装置(ふろ機能装置)
30 携帯端末装置
40 外部通信網
50 サーバ
111a 入退浴検知部
123a 入浴タイマー部
123b 安否確認部
501a 呼び掛け処理部
700 設定画面(受付画面)
743 ボタン