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特許7534643空気調和装置の据え付け支援システム、据え付け支援方法、および据え付け支援装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-06
(45)【発行日】2024-08-15
(54)【発明の名称】空気調和装置の据え付け支援システム、据え付け支援方法、および据え付け支援装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/36 20180101AFI20240807BHJP
   F24F 11/52 20180101ALI20240807BHJP
   F24F 11/89 20180101ALI20240807BHJP
   F25B 49/02 20060101ALI20240807BHJP
【FI】
F24F11/36
F24F11/52
F24F11/89
F25B49/02 520Z
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021075298
(22)【出願日】2021-04-27
(65)【公開番号】P2022169326
(43)【公開日】2022-11-09
【審査請求日】2024-03-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】南 淳哉
【審査官】奥隅 隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-143800(JP,A)
【文献】特開2018-91550(JP,A)
【文献】特開2016-173224(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/36
F25B 49/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気調和装置(10)の使用冷媒量Mに関する情報と、空調の対象空間(S)を形成する第1室(R1)に対応する第1容積V1に関する情報と、前記第1室(R1)に隣り合う第2室(R2)に対応する第2容積V2に関する情報を取得し、
前記第1容積V1のみを有効容積Vaとするか、前記第1容積と前記第2容積の合計を前記有効容積Vaとするかを特定する判断情報を取得する第1処理と、
前記判断情報に基づいて決定された有効容積Vaと、前記空気調和装置(10)の使用冷媒量に関する情報とに基づいて、冷媒の漏洩対策のための安全装置(5)を設けるか否かを判定する第2処理とを実行する制御部(130,C8)を備えている
空気調和装置の据え付け支援システム。
【請求項2】
制御部(130,C8)は、第1処理の前に、前記判断情報を人に入力させるための問合せ情報を表示させる
請求項1に記載の空気調和装置の据え付け支援システム。
【請求項3】
前記制御部(130,C8)は、
前記第1処理の前に、建物のレイアウト情報に基づき前記第1室(R1)と前記第2室(R2)とを繋ぐ開口(O)があるか否かを判定する第3処理を実行し、
前記第3処理において前記開口(O)があると判定された場合に、前記問合せ情報を表示させる
請求項2に記載の空気調和装置の据え付け支援システム。
【請求項4】
前記制御部(130,C8)は、
前記第1処理の前に、前記空気調和装置(10)の使用冷媒量Mに関する情報と、前記第1容積V1に関する情報とに基づき、冷媒の漏洩対策のための安全装置(5)を設けるか否かを判定する第4処理を実行し、
前記第4処理において前記安全装置(5)が必要と判断された場合に、前記問合せ情報を表示させる
請求項2に記載の空気調和装置の据え付け支援システム。
【請求項5】
前記制御部(130,C8)は、
前記第1処理の前に、建物のレイアウト情報に基づき前記第1室(R1)と前記第2室(R2)とを繋ぐ開口(O)があるか否かを判定する第3処理と、前記空気調和装置(10)の使用冷媒量に関する情報と、前記第1容積V1に関する情報とに基づき、冷媒の漏洩対策のための安全装置(5)を設けるか否かを判定する第4処理とを実行し、
前記第3処理において前記開口(O)があると判定され、且つ前記第4処理において前記安全装置(5)が必要と判断された場合に、前記問合せ情報を表示させる
請求項2に記載の空気調和装置の据え付け支援システム。
【請求項6】
前記制御部(130,C8)は、前記問合せ情報を表示させるときに、前記第1室(R1)と前記第2室(R2)とを繋ぐ開口(O)に関する情報を表示させる
請求項2~5のいずれか1つに記載の空気調和装置の据え付け支援システム。
【請求項7】
前記制御部(130,C8)は、前記第1室(R1)の床面(F)から前記空気調和装置(10)までの高さに基づいて前記第1容積V1および前記第2容積V2に関する情報を取得する
請求項1~6のいずれか1つに記載の空気調和装置の据え付け支援システム。
【請求項8】
空気調和装置(10)の使用冷媒量Mに関する情報と、空調の対象空間(S)を形成する第1室(R1)に対応する第1容積V1に関する情報と、前記第1室(R1)に隣り合う第2室(R2)に対応する第2容積V2に関する情報を取得し、
前記第1容積V1のみを有効容積Vaとするか前記第1容積と前記第2容積の合計を前記有効容積Vaとするかを特定する判断情報を取得し、
前記判断情報に基づいて決定された有効容積Vaと、前記空気調和装置(10)の使用冷媒量Mに関する情報とに基づいて、冷媒の漏洩対策のための安全装置(5)を設けるか否かを判定する
空気調和装置の据え付け支援方法。
【請求項9】
空気調和装置(10)の使用冷媒量Mに関する情報と、空調の対象空間(S)を形成する第1室(R1)に対応する第1容積V1に関する情報と、前記第1室(R1)に隣り合う第2室(R2)に対応する第2容積V2に関する情報を取得し、
前記第1容積V1のみを有効容積Vaとするか、前記第1容積V1と前記第2容積V2の合計を前記有効容積Vaとするかを特定する判断情報を取得する第1処理と、
前記判断情報に基づいて決定された有効容積Vaと、前記空気調和装置(10)の使用冷媒量に関する情報とに基づいて、冷媒の漏洩対策のための安全装置(5)を設けるか否かを判定する第2処理とを実行する制御部(130,C8)を備えている
空気調和装置の据え付け支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空気調和装置の据え付け支援システム、据え付け支援方法、および据え付け支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、安全装置としての遮断弁を備えた空気調和装置を開示している。遮断弁は、空気調和装置の冷媒配管に設けられる。対象空間において冷媒が漏洩すると、遮断弁が閉じる。このような安全装置により、対象空間の冷媒の漏洩を抑制できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-9267号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
対象空間に対応する安全装置を設けるか否かは、空気調和装置の使用冷媒量、および対象空間の容積に基づいて判断できる。対象空間に漏洩した冷媒の濃度が高くなるほど、安全装置の必要性が高くなるからである。しかし、漏洩した冷媒は、対象空間だけでなく、対象空間に隣接する他の空間に拡散することがある。このような状況下では、冷媒が漏洩しうる実際の空間の容積を特定する必要があり、安全装置が必要か否かの判断が困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の観点の空気調和装置の据え付け支援システムは、制御部(130,C8)を備える。制御部(130,C8)は、空気調和装置(10)の使用冷媒量Mに関する情報と、空調の対象空間(S)を形成する第1室(R1)に対応する第1容積V1に関する情報と、前記第1室(R1)に隣り合う第2室(R2)に対応する第2容積V2に関する情報を取得する。制御部(130,C8)は、前記第1容積V1のみを有効容積Vaとするか、前記第1容積V1と前記第2容積V2の合計を前記有効容積Vaとするかを特定する判断情報を取得する第1処理を実行する。制御部(130,C8)は、前記判断情報に基づいて決定された有効容積Vaと、前記空気調和装置(10)の使用冷媒量に関する情報とに基づいて、冷媒の漏洩対策のための安全装置(5)を設けるか否かを判定する第2処理を実行する。
【0006】

第1の観点によれば、制御部(130,C8)は、第1処理において、対象空間(S)である第1室(R1)の第1容積V1のみを有効容積Vaとするか、第1室(R1)の第1容積V1と、第2室(R2)の第2容積V2との合計を有効容積Vaとするかを特定する判断情報を取得する。制御部(130,C8)は、第2処理において、判断情報に基づいて決定された有効容積Vaと、冷媒使用量Mとに基づいて、安全装置(5)が必要か否かを自動的に判定する。
【0007】
第2の観点は、第1の観点において、制御部(130,C8)は、第1処理の前に、前記判断情報を人に入力させるための問合せ情報を表示させる。
【0008】
第2の観点によれば、制御部(130,C8)が問合せ情報を表示させることで、人に対して判断情報の入力を促すことができる。
【0009】
第3の観点は、第2の観点において、前記制御部(130,C8)は、前記第1処理の前に、建物のレイアウト情報に基づき前記第1室(R1)と前記第2室(R2)とを繋ぐ開口(O)があるか否かを判定する第3処理を実行し、前記第3処理において前記開口(O)があると判定された場合に、前記問合せ情報を表示させる。
【0010】
第3の観点によれば、第3処理において、第1室(R1)と第2室(R2)とを繋ぐ開口(O)があると判断されると、制御部(130,C8)が問合せ情報を表示させる。この問合せ情報に応じて、人が判断情報を入力する。制御部(130,C8)は、第2処理において、この判断情報に基づき有効容積Vaを決定し、安全装置(5)が必要か否かを判断する。
【0011】
第4の観点は、第2の観点において、前記制御部(130,C8)は、前記第1処理の前に、前記空気調和装置(10)の使用冷媒量Mに関する情報と、前記第1容積V1に関する情報とに基づき、冷媒の漏洩対策のための安全装置(5)を設けるか否かを判定する第4処理を実行する。前記制御部(130,C8)は、前記第4処理において前記安全装置(5)が必要と判断された場合に、前記問合せ情報を表示させる
第4の観点によれば、第4処理において、使用冷媒量Mと第1容積V1とに基づいて安全装置(5)が必要と判断されると、制御部(130,C8)が問合せ情報を表示させる。この問合せ情報に応じて、人が判断情報を入力する。制御部(130,C8)は、第2処理において、この判断情報に基づき有効容積Vaを決定し、安全装置(5)が必要か否かを判断する。
【0012】
第5の観点は、第2の観点において、制御部(130,C8)は、前記第1処理の前に、建物のレイアウト情報に基づき前記第1室(R1)と前記第2室(R2)とを繋ぐ開口(O)があるか否かを判定する第3処理を実行する。制御部(130,C8)は、前記空気調和装置(10)の使用冷媒量に関する情報と、前記第1容積V1に関する情報とに基づき、冷媒の漏洩対策のための安全装置(5)を設けるか否かを判定する第4処理を実行する。制御部(130,C8)は、前記第3処理において前記開口(O)があると判定され、且つ前記第4処理において前記安全装置(5)が必要と判断された場合に、前記問合せ情報を表示させる。
【0013】
第5の観点によれば、第3処理において第1室(R1)と第2室(R2)とを繋ぐ開口(O)があると判断され、且つ第4処理において、使用冷媒量Mと第1容積V1とに基づいて安全装置(5)が必要と判断されると、制御部(130,C8)が問合せ情報を表示させる。この問合せ情報に応じて、人が判断情報を入力する。制御部(130,C8)は、第2処理において、この判断情報に基づき有効容積Vaを決定し、安全装置(5)が必要か否かを判断する。
【0014】
第6の観点は、第2~第5のいずれか1つの観点において、前記制御部(130,C8)は、前記問合せ情報を表示させるときに、前記第1室(R1)と前記第2室(R2)とを繋ぐ開口(O)に関する情報を表示させる。
【0015】
第6の観点では、人は、表示部(112)により、問合せ情報ととともに開口(O)に関する情報を知ることができる。人は、開口(O)に関する情報に基づき第1容積V1に対して第2容積V2を合算するか否かを判断し易くなる。
【0016】
第7の観点は、第1~第6のいずれか1つの観点において、前記制御部(130,C8)は、前記第1室(R1)の床面(F)から前記空気調和装置(10)までの高さに基づいて前記第1容積V1および前記第2容積V2に関する情報を取得する。
【0017】
第7の観点によれば、空気調和装置(10)から床面(F)までの範囲を冷媒が漏洩する高さとみなせるので、制御部(130,C8)は、この高さに基づいて第1容積V1および第2容積V2の情報を取得する。
【0018】
第8の観点の空気調和装置(10)の据え付け支援方法は、以下のステップを含む。空気調和装置(10)の使用冷媒量Mに関する情報と、空調の対象空間(S)を形成する第1室(R1)に対応する第1容積V1に関する情報と、前記第1室(R1)に隣り合う第2室(R2)に対応する第2容積V2に関する情報を取得するステップ。前記第1容積V1のみを有効容積Vaとするか、前記第1容積V1と前記第2容積V2の合計を前記有効容積Vaとするかを特定する判断情報を取得するステップ。前記判断情報に基づいて決定された有効容積Vaと、前記空気調和装置(10)の使用冷媒量Mに関する情報とに基づいて、冷媒の漏洩対策のための安全装置(5)を設けるか否かを判定するステップ。
【0019】
第9の観点の空気調和装置(10)の据え付け支援装置は、制御部(130,C8)を備える。制御部(130,C8)は、空気調和装置(10)の使用冷媒量Mに関する情報と、空調の対象空間(S)を形成する第1室(R1)に対応する第1容積V1に関する情報と、前記第1室(R1)に隣り合う第2室(R2)に対応する第2容積V2に関する情報を取得する。制御部(130,C8)は、前記第1容積V1のみを有効容積Vaとするか前記第1容積V1と前記第2容積V2の合計を前記有効容積Vaとするかを特定する判断情報を取得する第1処理を実行する。制御部(130,C8)は、前記判断情報に基づいて決定された有効容積Vaと、前記空気調和装置(10)の使用冷媒量に関する情報とに基づいて、冷媒の漏洩対策のための安全装置(5)を設けるか否かを判定する第2処理とを実行する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、実施形態としての据え付け支援システムが用いられる、空気調和装置の概略の配管系統図である。
図2図2は、空気調和装置および安全装置の概略の構成図である。
図3図3は、空気調和システムの概略の構成図である。
図4図4は、安全装置の動作を示すフローチャートである。
図5図5は、据え付け支援システムの概略の構成図である。
図6図6は、情報取得部が取得するデータの一例である。
図7図7は、据え付け支援システムが用いられる対象空間を模式的に表した斜視図である。
図8図8は、端末装置、およびその表示画面を示す模式図である。
図9図9は、サーバ制御部の動作、あるいは据え付け支援方法を示すフローチャートである。
図10図10は、端末装置の動作を示すフローチャートである。
図11図11は、変形例1に係る図9に相当する図である。
図12図12は、変形例2に係る図9に相当する図である。
図13図13は、変形例3に係る図9に相当する図である。
図14図14は、変形例4にかかる据え付け支援システムの概略の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
《実施形態》
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本開示は、以下に示される実施形態に限定されるものではなく、本開示の技術的思想を逸脱しない範囲内で各種の変更が可能である。各図面は、本開示を概念的に説明するためのものであるから、理解の容易のために必要に応じて寸法、比、または数を、誇張あるいは簡略化して表す場合がある。
【0022】
(1)据え付け支援システムの概要
本開示の据え付け支援システム(70)は、空気調和装置(10)に安全装置(5)を設けるか否かの判定を支援するシステムである。安全装置(5)は、冷媒漏洩に伴う危険のリスクが高い対象空間(S)に対応して設けられる。安全装置(5)は、冷媒の漏洩を検出するための冷媒センサ(45)と、冷媒センサ(45)の検出信号に基づき、冷媒の漏洩の対策を講じる対策装置とを含む。対策装置は、遮断装置(50)、換気装置(55)、および警報装置(60)の少なくとも1つを含む。
【0023】
(2)空気調和装置の全体構成
据え付け支援システム(70)による判定の対象となる空気調和装置(10)について説明する。以下に説明する空気調和装置(10)には、詳細は後述する据え付け支援システム(70)の判定結果に基づき、安全装置(5)が設けられている。図1は、空気調和装置(10)の配管系統図である。図2は、空気調和装置(10)の基本要素を示す概略の構成図である。図2では、第2利用ユニット(30B)の図示は省略している。
【0024】
空気調和装置(10)は、空調の対象空間(S)の空気の温度を調節する。本例の対象空間(S)は、ビルなどの室内空間である。空気調和装置(10)は、対象空間(S)の冷房や暖房を行う。空気調和装置(10)は、複数の利用ユニット(30)を有するマルチ式である。空気調和装置(10)は、熱源ユニット(20)、複数の利用ユニット(30)、連絡配管(12)、および空調制御部(AC)を有する。複数の利用ユニット(30)と熱源ユニット(20)とは、連絡配管(12)を介して互いに接続される。この接続により、閉回路である冷媒回路(11)が構成される。
【0025】
(2-1)冷媒回路
冷媒回路(11)は、熱源ユニット(20)に設けられる熱源回路(20a)と、各利用ユニット(30)にそれぞれ設けられる利用回路(30a)とを含む。
【0026】
冷媒回路(11)には、微燃性の冷媒が充填される。本例の微燃性の冷媒は、R32(ジフルオロメタン)である。R32はGWP(Global Warming Potential,地球温暖化係数)が比較的低いが、微燃性を有する。このため、冷媒が対象空間(S)に漏洩し、対象空間(S)の冷媒濃度が高くなると冷媒が燃焼してしまう可能性がある。冷媒の密度は空気の密度よりも大きい。したがって、冷媒が対象空間(S)に漏れると、冷媒は対象空間(S)の下部へ流れる。
【0027】
(2-2)連絡配管
連絡配管(12)は、第1連絡配管(13)と第2連絡配管(14)とを含む。
【0028】
第1連絡配管(13)は、液連絡配管である。第1連絡配管(13)は、第1主管(13a)と、第1主管(13a)から分岐する複数の第1分岐管(13b)とを含む。第1主管(13a)の一端は、液閉鎖弁である第1閉鎖弁(15)を介して熱源回路(20a)に接続する。複数の第1分岐管(13b)のそれぞれの一端は、第1主管(13a)と接続する。複数の第1分岐管(13b)のそれぞれの他端は、対応する利用回路(30a)に接続する。
【0029】
第2連絡配管(14)は、ガス連絡配管である。第2連絡配管(14)は、第2主管(14a)と、第2主管(14a)から分岐する複数の第2分岐管(14b)とを含む。第2主管(14a)の一端は、ガス閉鎖弁である第2閉鎖弁(16)を介して熱源ユニット(20)に接続する。複数の第2分岐管(14b)のそれぞれの一端は、第2主管(14a)と接続する。複数の第2分岐管(14b)のそれぞれの他端は、対応する利用ユニット(30)に接続する。
【0030】
(2-3)熱源ユニット
熱源ユニット(20)は、室外に配置される室外ユニットである。熱源ユニット(20)は、例えばビルなどの屋上や地上に配置される。
【0031】
熱源ユニット(20)は、圧縮機(21)、熱源熱交換器(22)、および熱源ファン(23)を有する。熱源ユニット(20)は、冷媒の流路を切り換える切換機構(24)と、熱源膨張弁(25)とを有する。
【0032】
圧縮機(21)は、吸入した冷媒を圧縮する。圧縮機(21)は、圧縮した冷媒を吐出する。圧縮機(21)は、スクロール式、揺動ピストン式、ローリングピストン式、スクリュー式などの回転式圧縮機である。圧縮機(21)は、インバータ装置により運転周波数(回転数)が可変に構成される。
【0033】
熱源熱交換器(22)は、室外熱交換器である。熱源熱交換器(22)は、フィンアンドチューブ式の空気熱交換器である。熱源熱交換器(22)は、その内部を流れる冷媒と室外空気とを熱交換させる。
【0034】
熱源ファン(23)は、室外において熱源熱交換器(22)の近傍に配置される。本例の熱源ファン(23)は、プロペラファンである。熱源ファン(23)は、熱源熱交換器(22)を通過する空気を搬送する。
【0035】
切換機構(24)は、冷房サイクルである第1冷凍サイクルと、暖房サイクルである第2冷凍サイクルとを切り換えるように、冷媒回路(11)の流路を変更する。切換機構(24)は、四方切換弁である。切換機構(24)は、第1ポート、第2ポート、第3ポート、および第4ポートを有する。切換機構(24)の第1ポートは、圧縮機(21)の吐出部と繋がる。切換機構(24)の第2ポートは、圧縮機(21)の吸入部と繋がる。切換機構(24)の第3ポートは、第2閉鎖弁(16)を介して第2連絡配管(14)と繋がる。切換機構(24)の第4ポートは、熱源熱交換器(22)のガス端と繋がる。
【0036】
切換機構(24)は、第1状態と第2状態とに切り換わる。第1状態(図1の実線で示す状態)の切換機構(24)は、第1ポートと第4ポートとを連通し且つ第2ポートと第3ポートとを連通する。第2状態(図1の破線で示す状態)の切換機構(24)は、第1ポートと第3ポートとを連通し、第2ポートと第4ポートとを連通する。
【0037】
熱源膨張弁(25)は、冷媒を減圧する。熱源膨張弁(25)は、室外膨張弁である。熱源膨張弁(25)は、熱源回路(20a)において、第1閉鎖弁(15)と熱源熱交換器(22)の間に配置される。熱源膨張弁(25)は、開度が調節可能な電子膨張弁である。
【0038】
熱源ユニット(20)は、空調制御部(AC)に含まれる第1制御装置(C1)を有する。
【0039】
(2-4)利用ユニット
本例の複数の利用ユニット(30)は、第1利用ユニット(30A)と、第2利用ユニット(30B)とを含む。利用ユニット(30)の数は、3つ以上であってもよい。第1利用ユニット(30A)および第2利用ユニット(30B)の構成は、基本的に同じある。以下では、便宜上、第1利用ユニット(30A)および第2利用ユニット(30B)を単に利用ユニット(30)と述べる場合がある。
【0040】
利用ユニット(30)は、ビルなどの室内に設置される室内ユニットである。ここでいう「室内」は、天井パネルの裏側の空間を含む意味である。本例の利用ユニット(30)は、天井設置式である。ここでいう「天井設置式」は、利用ユニット(30)が吊り下げられる天井吊り下げ式、および利用ユニット(30)が天井面の開放部に配置される天井埋め込み式を含む意味である。
【0041】
利用ユニット(30)は、利用膨張弁(31)、利用熱交換器(32)、および利用ファン(33)を有する。
【0042】
利用膨張弁(31)は、冷媒を減圧する。利用膨張弁(31)は、室内膨張弁である。利用膨張弁(31)は、利用回路(30a)における利用熱交換器(32)の液側の流路に配置される。利用膨張弁(31)は、開度が調節可能な電子膨張弁である。
【0043】
利用熱交換器(32)は、室内熱交換器である。利用熱交換器(32)は、フィンアンドチューブ式の空気熱交換器である。利用熱交換器(32)は、その内部を流れる冷媒と室内空気とを熱交換させる。
【0044】
利用ファン(33)は、室内において利用熱交換器(32)の近傍に配置される。本例の利用ファン(33)は、遠心ファンである。利用ファン(33)は、利用熱交換器(32)を通過する空気を搬送する。
【0045】
利用ユニット(30)は、空調制御部(AC)に含まれる第2制御装置(C2)を有する。各利用ユニット(30)の第2制御装置(C2)と、第1制御装置(C1)とは、第1通信線(W1)を介して互いに接続される。第1通信線(W1)は、有線または無線である。
【0046】
(2-5)リモートコントローラ
空気調和装置(10)は、リモートコントローラ(40)を有する。本例のリモートコントローラ(40)は、対応する利用ユニット(30)のそれぞれに1つずつ設けられる。リモートコントローラ(40)は、空気調和装置(10)を操作するための機器である。図2に示すように、リモートコントローラ(40)は、機能部としての第1操作部(41)および第1表示部(42)を有する。なお、ここでいう、あるいは以下で述べる「機能部」という用語は、ハードウェアのみによって実現される機能部、ソフトウェアのみによって実現される機能部、およびハードウェアとソフトウェアとが協調して実現される機能部を含む。
【0047】
第1操作部(41)は、人が空気調和装置(10)に対する各種の指示を入力するための機能部である。第1操作部(41)は、スイッチ、ボタン、またはタッチパネルを含む。
【0048】
第1表示部(42)は、空気調和装置(10)に対する設定内容や、空気調和装置(10)の状態を表示する機能部である。第1表示部(42)は、ディスプレイを含む。
【0049】
リモートコントローラ(40)は、空調制御部(AC)に含まれる第3制御装置(C3)を有する。第3制御装置(C3)と第2制御装置(C2)とは、第2通信線(W2)を介して互いに接続される。第2通信線(W2)は有線または無線である。
【0050】
(2-6)冷媒センサ
図1に示す例の空気調和装置(10)は、冷媒センサ(45)を有する。冷媒センサ(45)は、安全装置(5)が必要と判断された対象空間(S)に対応して設けられる。本例では、詳細は後述するように、第1対象空間(S1)に対応する安全装置(5)が必要と判断されたとする。この場合、冷媒センサ(45)は、第1対象空間(S1)に配置される。
【0051】
冷媒センサ(45)は、半導体方式のセンサである。冷媒センサ(45)は、漏洩した冷媒の濃度が高くなるほど、強度(例えば電流値)の大きな検出信号を出力する。冷媒センサ(45)は、半導体方式に限られず、例えば赤外線方式などの他の方式であってもよい。
【0052】
冷媒センサ(45)と、第1利用ユニット(30A)の第2制御装置(C2)とは、第3通信線(W3)によって互いに接続される。第3通信線(W3)は、有線または無線である。冷媒センサ(45)から出力された検出信号は第3通信線(W3)を介して第2制御装置(C2)に入力される。
【0053】
(2-7)遮断装置
空気調和装置(10)は、対策装置としての遮断装置(50)を有する。遮断装置(50)は、安全装置(5)が必要と判断された対象空間(S)に対応して設けられる。本例では、第1対象空間(S1)、あるいは第1利用ユニット(30A)に対応して遮断装置(50)が設けられる。遮断装置(50)は、第1遮断弁(51)および第2遮断弁(52)を有する。
【0054】
第1遮断弁(51)は、液側遮断弁である。本例の第1遮断弁(51)は、第1利用ユニット(30A)に接続する第1分岐管(13b)に設けられる。第1遮断弁(51)は、例えば電磁弁や電動弁などの開閉弁である。
【0055】
第2遮断弁(52)は、ガス側遮断弁である。本例の第2遮断弁(52)は、第1利用ユニット(30A)に接続する第2分岐管(14b)に設けられる。第2遮断弁(52)は、例えば電磁弁や電動弁などの開閉弁である。
【0056】
遮断装置(50)は、空調制御部(AC)に含まれる第4制御装置(C4)を有する。第4制御装置(C4)と、第1利用ユニット(30A)の第2制御装置(C2)とは、第4通信線(W4)を介して互いに接続される。第4通信線(W4)は、有線または無線である。
【0057】
(2-8)換気装置
空気調和装置(10)は、対策装置としての換気装置(55)を有する。換気装置(55)は、安全装置(5)が必要と判断された対象空間(S)に対応して設けられる。本例では、第1対象空間(S1)、あるいは第1利用ユニット(30A)に対応して換気装置(55)が設けられる。遮断装置(50)は、換気ファン(56)を有する。換気ファン(56)は、対象空間(S)の空気を、排気路(図示省略)を介して室外に排出する。
【0058】
換気装置(55)は、空調制御部(AC)に含まれる第5制御装置(C5)を有する。第5制御装置(C5)と、第1利用ユニット(30A)の第2制御装置(C2)とは、第5通信線(W5)を介して互いに接続される。第5通信線(W5)は、有線または無線である。
【0059】
(2-9)警報装置
空気調和装置(10)は、対策装置としての警報装置(60)を有する。警報装置(60)は、安全装置(5)が必要と判断された対象空間(S)に対応して設けられる。本例では、第1対象空間(S1)、あるいは第1利用ユニット(30A)に対応して警報装置(60)が設けられる。警報装置(60)は、警報器あるいは報知部としての、発光部(61)および音発生部(62)を有する。発光部(61)は、冷媒漏洩を光によって人に知らせる。発光部(61)は、例えばLEDである。音発生部(62)は、冷媒漏洩を音によって人に知らせる。音発生部(62)は、例えばスピーカである。
【0060】
警報装置(60)は、第6制御装置(C6)を有する。第6制御装置(C6)と、第1利用ユニット(30A)の第2制御装置(C2)とは、第6通信線(W6)を介して互いに接続される。第6通信線(W6)は、有線または無線である。
【0061】
(2-10)空調制御部
空調制御部(AC)は、空気調和装置(10)の動作を制御する。空調制御部(AC)は、第1制御装置(C1)、第2制御装置(C2)、第3制御装置(C3)、第4制御装置(C4)、第5制御装置(C5)、第6制御装置(C6)、第1通信線(W1)、第2通信線(W2)、第3通信線(W3)、第4通信線(W4)、第5通信線(W5)、および第6通信線(W6)を含む。第1制御装置(C1)、第2制御装置(C2)、第3制御装置(C3)、第4制御装置(C4)、第5制御装置(C5)、および第6制御装置(C6)のそれぞれは、MCU(Micro Control Unit,マイクロコントローラユニット)、電気回路、電子回路を含む。MCUは、CPU(Central Processing Unit,中央演算処理装置)、メモリ、通信インターフェースを含む。メモリには、CPUが実行するための各種のプログラムが記憶されている。
【0062】
第1制御装置(C1)は、熱源制御部である。第1制御装置(C1)は、圧縮機(21)、熱源膨張弁(25)、熱源ファン(23)を制御する。
【0063】
第2制御装置(C2)は、利用制御部である。第2制御装置(C2)は、利用膨張弁(31)および利用ファン(33)を制御する。第2制御装置(C2)は、冷媒センサ(45)の検出信号を入力する。第2制御装置(C2)は、冷媒センサ(45)の検出信号に基づき、冷媒が漏洩していることを示す第1条件が成立するか否かを判定する。第2制御装置(C2)は、第1条件が成立すると、対策装置を作動させるための信号を出力する。
【0064】
第3制御装置(C3)は、第1操作部(41)の入力に基づく指示を第2制御装置(C2)に出力する。第3制御装置(C3)は、第1操作部(41)の入力に応じて第1表示部(42)に所定の情報を表示させる。
【0065】
第4制御装置(C4)は、第1遮断弁(51)および第2遮断弁(52)の開閉状態を制御する。第2制御装置(C2)から出力された信号が第4制御装置(C4)に入力されると、第4制御装置(C4)は第1遮断弁(51)および第2遮断弁(52)を閉じる。
【0066】
第5制御装置(C5)は、換気ファン(56)を制御する。第2制御装置(C2)から出力された信号が第5制御装置(C5)に入力されると、第5制御装置(C5)は換気ファン(56)を運転させる。
【0067】
第6制御装置(C6)は、報知部を制御する。第2制御装置(C2)から出力された信号が第6制御装置(C6)に入力されると、第6制御装置(C6)は、発光部(61)および音発生部(62)を作動させる。
【0068】
(3)空気調和システム
図3に示すように、上述した空気調和装置(10)は、1つの冷媒回路(11)を有する1系統の装置である。ビルなどにおいては、複数の系統の空気調和装置(10)を含む空気調和システム(1)が構成される。空気調和システム(1)は、複数の空気調和装置(10)と、集中監視装置(65)とを有する。
【0069】
集中監視装置(65)は、機能部としての第2操作部(66)および第2表示部(67)を有する。
【0070】
第2操作部(66)は、人(管理者など)が各空気調和装置(10)に対する各種の指示を入力するための機能部である。第2操作部(66)は、スイッチ、ボタン、またはタッチパネルを含む。
【0071】
第2表示部(67)は、各空気調和装置(10)に対する設定内容や、各空気調和装置(10)の状態を表示する機能部である。第2表示部(67)は、ディスプレイを含む。
【0072】
集中監視装置(65)は、第7制御装置(C7)を有する。第7制御装置(C7)と、各空気調和装置(10)の空調制御部(AC)とは、第7通信線(W7)を介して互いに接続される。第7通信線(W7)は有線または無線である。
【0073】
第7制御装置(C7)は、MCU(Micro Control Unit,マイクロコントローラユニット)、電気回路、電子回路を含む。MCUは、CPU(Central Processing Unit,中央演算処理装置)、メモリ、通信インターフェースを含む。メモリには、CPUが実行するための各種のプログラムが記憶されている。
【0074】
(4)運転動作
空気調和装置(10)の運転動作について図1を参照しながら説明する。空気調和装置(10)は、冷房運転と暖房運転とを切り換えて行う。なお、図1では、冷房運転時の冷媒の流れを実線矢印で示し、暖房運転時の冷媒の流れを破線矢印で示している。
【0075】
(4-1)冷房運転
冷房運転では、第1制御装置(C1)が圧縮機(21)および熱源ファン(23)を運転させ、切換機構(24)を第1状態とし、熱源膨張弁(25)を全開とする。第2制御装置(C2)が利用ファン(33)を運転させ、利用膨張弁(31)を所定開度に調節する。通常の冷房運転時において、第1遮断弁(51)および第2遮断弁(52)は開状態となる。
【0076】
冷房運転時の冷媒回路(11)は、第1冷凍サイクルを行う。第1冷凍サイクルでは、熱源熱交換器(22)が放熱器(厳密には、凝縮器)として機能し、利用熱交換器(32)が蒸発器として機能する。
【0077】
具体的には、圧縮機(21)で圧縮された冷媒は、熱源熱交換器(22)を流れる。熱源熱交換器(22)では、冷媒が室外空気へ放熱して凝縮する。熱源熱交換器(22)で凝縮した冷媒は、第1連絡配管(13)を流れ、各利用回路(30a)に分流する。各利用回路(30a)では、冷媒が利用膨張弁(31)で減圧された後、利用熱交換器(32)を流れる。利用熱交換器(32)では、冷媒が室内空気から吸熱して蒸発する。各利用熱交換器(32)で蒸発した冷媒は、第2連絡配管(14)で合流した後、圧縮機(21)に吸入される。
【0078】
(4-2)暖房運転
暖房運転では、第1制御装置(C1)が圧縮機(21)および熱源ファン(23)を運転させ、切換機構(24)を第2状態とし、熱源膨張弁(25)を所定開度に調節する。第2制御装置(C2)が利用ファン(33)を運転させ、利用膨張弁(31)を所定開度に調節する。通常の暖房運転時において、第1遮断弁(51)および第2遮断弁(52)は開状態となる。
【0079】
暖房運転時の冷媒回路(11)は、第2冷凍サイクルを行う。第2冷凍サイクルでは、利用熱交換器(32)が放熱器(厳密には、凝縮器)として機能し、熱源熱交換器(22)が蒸発器として機能する。
【0080】
具体的には、圧縮機(21)で圧縮された冷媒は、第2連絡配管(14)を流れ、各利用回路(30a)に分流する。各利用回路(30a)では、冷媒が利用熱交換器(32)を流れる。利用熱交換器(32)では、冷媒が室内空気に放熱して凝縮する。各利用熱交換器(32)で凝縮した冷媒は、各利用膨張弁(31)で減圧されたのち、第1連絡配管(13)で合流する。第1連絡配管(13)の冷媒は、熱源膨張弁(25)で減圧された後、熱源熱交換器(22)を流れる。熱源熱交換器(22)では、冷媒が室外空気から吸熱して蒸発する。熱源熱交換器(22)で蒸発した冷媒は、圧縮機(21)に吸入される。
【0081】
(5)冷媒漏洩時の動作
冷媒漏洩時の空気調和装置(10)の動作について図4を参照しながら説明する。
【0082】
第1利用ユニット(30A)から冷媒が漏洩すると、漏洩した冷媒は第1対象空間(S1)に流れる。具体的には、冷媒の密度は空気の密度より大きいため、冷媒は第1対象空間(S1)の下方へ流れる。その結果、第1対象空間(S1)の冷媒の濃度が徐々に高くなる。
【0083】
ステップS11において、冷媒センサ(45)は冷媒の漏洩を検出する。冷媒センサ(45)の検出値は、第3通信線(W3)を介して、第1利用ユニット(30A)の第2制御装置(C2)に入力される。
【0084】
ステップS12において、第2制御装置(C2)は、冷媒センサ(45)の検出信号に基づき、冷媒が漏洩していることを示す第1条件が成立するか否かを判定する。第1条件は、冷媒センサ(45)の検出値(例えば電流値)が所定値以上であるかである。第2制御装置(C2)は、第1条件が成立すると、対策装置を作動させる信号を出力する。
【0085】
第2制御装置(C2)から出力された信号が対策装置に入力されると、ステップS13において、対策装置が作動する。具体的には、ステップS13において、第2制御装置(C2)から出力された信号が第4制御装置(C4)に入力されると、第4制御装置(C4)は、遮断装置(50)の第1遮断弁(51)および第2遮断弁(52)を閉じる。ステップS13において、第2制御装置(C2)から出力された信号が第5制御装置(C5)に入力されると、第5制御装置(C5)は、換気ファン(56)を運転させる。ステップS13において、第2制御装置(C2)から出力された信号が第6制御装置(C6)に入力されると、第6制御装置(C6)は、報知部を作動させる。より詳細には、第6制御装置(C6)は、発光部(61)から光を発生させる。加えて、第6制御装置(C6)は、音発生部(62)から警告音などの音を発生させる。
【0086】
以上の動作により、1つの系統の空気調和装置(10)の冷媒回路(11)の冷媒が、第1対象空間(S1)に漏れることを抑制できる。
【0087】
(6)据え付け支援システムの概要
据え付け支援システム(100)は、空気調和装置(10)の据え付けの設計時に用いられる。据え付け支援システム(100)は、空気調和装置(10)の実際の据え付け時に用いられてもよい。設計業者、施工業者、管理者などのユーザが据え付け支援システム(100)を利用する。ユーザは据え付け支援システム(100)の判定結果に基づき、対象空間(S)に対応する安全装置(5)を取り付けるか否かを判断する。
【0088】
据え付け支援システム(100)は、空気調和装置(10)の使用冷媒量Mと、対象空間(S)の有効容積Vaに基づいて安全装置(5)を設けるか否かを判定する。据え付け支援システム(100)は、使用冷媒量M(kg)と有効容積Va(m)との比率M/Va(kg/m)が所定値より高い場合に、安全装置(5)を設ける必要があると判断する。比率M/Vaは、空間における冷媒濃度を意味する。したがって、比率M/Vaが高いと、冷媒の発火のリスクが高くなる。
【0089】
本例の据え付け支援システム(100)は、例えば図7に示す第1室(R1)を対象とする。第1室(R1)は、安全装置(5)が設けられる否かを判定する対象空間(S)である。第1室(R1)には、対象空間(S)を空調する利用ユニット(30)が設けられる。第2室(R2)は、壁(W)を隔てて第1室(R1)と隣接する空間である。第1室(R1)と第2室(R2)とは壁(W)に形成される開口(O)を通じて繋がる。
【0090】
開口(O)は、第1室(R1)と第2室(R2)とを繋ぐ扉の通路、第1室(R1)と第2室(R2)を仕切るパーティションと床面(F)との間の隙間、第1室(R1)と第2室(R2)とを繋ぐ通気口などを含む。
【0091】
対象空間(S)が開口(O)を通じて隣接する空間と繋がっている場合、この空間の容積を有効容積Vaに含むか否かの判断が必要となる。そこで、本実施形態の据え付け支援システム(100)は、取得した判断情報に基づき有効容積Vaを決定する。ここで、判断情報は、対象空間(S)のみの容積を有効容積とするか、対象空間(S)の容積と該対象空間(S)に隣接する空間の容積の合計を有効容積Vaとするかを特定する情報である。
【0092】
図5に示すように、据え付け支援システム(100)は、端末装置(110)と、データ提供装置(180)と、サーバ装置(120)とを有する。端末装置(110)、データ提供装置(180)、およびサーバ装置(120)はインターネットなどの通信回線(101)を介して互いに接続される。
【0093】
(6-1)端末装置
端末装置(110)は、ユーザが判断情報を入力する入力部である。端末装置(110)は、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン、携帯電話端末などのユーザが使用する端末である。端末装置(110)は、機能部としての第3操作部(111)および第3表示部(112)を有する。
【0094】
第3操作部(111)は、ユーザが必要な情報を入力するための機能部である。第3操作部(111)は、キーボード、タッチパッド、マウス、またはタッチパネルを含む。
【0095】
第3表示部(112)は、本開示の表示部に対応する。第3表示部(112)は、据え付け支援用のアプリケーションを表示する機能部である。第3表示部は、ディスプレイを含む。
【0096】
端末装置(110)は、第8制御装置(C8)を含む。第8制御装置(C8)は、MCU(Micro Control Unit,マイクロコントローラユニット)、電気回路、電子回路を含む。MCUは、CPU(Central Processing Unit,中央演算処理装置)、メモリ、通信インターフェースを含む。メモリには、CPUが実行するための各種のプログラムが記憶されている。
【0097】
図8に示すように、第3表示部(112)は、判断情報をユーザに入力させるための問合せ情報を表示する。加えて、第3表示部(112)は、ユーザの判断を助けるために、開口(O)に関する情報を表示する。これらの詳細は後述する。
【0098】
(6-2)データ提供装置
データ提供装置(180)は、記憶部(181)と第9制御装置(C9)とを有する。
【0099】
記憶部(181)は、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、SSD(Solid State Drive)などを含む。記憶部(181)は、据え付け支援システム(100)が用いられる建物のレイアウト情報を記憶する。厳密には、記憶部(181)は、建物の3次元データを記憶する。3次元データのレイアウト情報は、図6に示すように、第1室(R1)の第1容積V1に関する情報、第2室(R2)の第2容積V2に関する情報、開口(O)に関する情報が含まれる。レイアウト情報は、どの部屋とどの部屋とが隣り合っているか、隣り合う部屋の間に開口があるか否かに関する情報を含む。レイアウト情報は、第1室(R1)の床面積F1、第2室の床面積F2、有効高さHo、開口の幅Wo、開口(O)の高さHo、開口(O)の高さ位置h1,h2を含む。これらの詳細は後述する。
【0100】
第9制御装置(C9)は、MCU(Micro Control Unit,マイクロコントローラユニット)、電気回路、電子回路を含む。MCUは、CPU(Central Processing Unit,中央演算処理装置)、メモリ、通信インターフェースを含む。メモリには、CPUが実行するための各種のプログラムが記憶されている。
【0101】
(6-3)サーバ装置の全体構成
サーバ装置(120)は、サーバ制御部(130)を有する。サーバ制御部(130)は、本開示の制御部に対応する。サーバ制御部(130)は、MCU(Micro Control Unit,マイクロコントローラユニット)、電気回路、電子回路を含む。MCUは、CPU(Central Processing Unit,中央演算処理装置)、メモリ、通信インターフェースを含む。メモリには、CPUが実行するための各種のプログラムが記憶されている。メモリには、空気調和装置(10)の据え付け支援用のプログラムが記憶される。
【0102】
図5に示すように、サーバ制御部(130)は、機能部として、プログラム送信部(131)と、情報取得部(140)と、情報出力部(150)と、安全対策判定部(160)と、判定結果出力部(170)とを有する。
【0103】
プログラム送信部(131)は、端末装置(110)からサーバ装置(120)のアクセスに対応して、端末装置(110)に入力プログラムを送信する。端末装置(110)は、受信したプログラムに応じて、据え付け支援用のアプリケーションを実行する。ユーザは、アプリケーション上において、上述した入力データを、第3操作部(111)を用いて手動で入力する。
【0104】
(6-4)情報取得部の全体構成
情報取得部(140)は、対象空間(S)に対応する安全装置(5)を据え付けるか否かを判定するための情報を取得する。本例の情報取得部(140)は、図6に示す各種の情報を取得する。図5に示すように、情報取得部(140)は、機能部として、冷媒情報取得部(141)、容積情報取得部(142)、開口情報取得部(143)、および判断情報取得部(144)を有する。
【0105】
(6-5)冷媒情報取得部
冷媒情報取得部(141)は、空気調和装置(10)の使用冷媒量に関する情報を取得する。空気調和装置(10)の使用冷媒量に関する情報は、対象空間(S)に対応する空気調和装置(10)の冷媒回路(11)に充填される全体の冷媒量(kg)である。言い換えると、冷媒量は、冷媒回路(11)の冷媒が対象空間(S)に全て漏洩した場合に、対象空間(S)に漏洩した冷媒量である。
【0106】
本例では、ユーザが端末装置(110)に使用冷媒量Mに関する情報を入力する。端末装置(110)からサーバ制御部(130)に使用冷媒量Mに関する情報が出力されると、情報取得部(140)は、この情報を取得する。冷媒使用量Mに関する情報は、データ提供装置(180)や他の装置から出力されてもよい。
【0107】
(6-6)容積情報取得部
容積情報取得部(142)は、第1室(R1)の第1容積V1に関する情報、および第2室(R2)の第2容積V2に関する情報を取得する。これらの情報は、データ提供装置(180)から出力される。
【0108】
第1室(R1)の第1容積V1に関する情報は、第1室(R1)の床面積F1と有効高さHaとを含む。第2室(R2)の第2容積V2に関する情報は、第2室(R2)の床面積F2と有効高さHaとを含む。本例の容積情報取得部(142)は、第1室(R1)の床面積F1と有効高さHaを乗算し、第1容積V1(m)を取得する。本例の第1容積V1は、第1室(R1)の実際の容積ではない。なお、データ提供装置(180)が第1容積V1や第2容積V2を出力し、容積情報取得部(142)が第1容積V1や第2容積V2を直接取得してもよい。
【0109】
本例の有効高さHaは、第1室(R1)の床面(F)から空気調和装置(10)の利用ユニット(30)までの鉛直方向の距離である。したがって、図7に模式的に示すように、利用ユニット(30)が天井埋め込み式である場合、有効高さHaは実質的には天井面(Cp)の高さに相当する。
【0110】
(6-7)開口情報取得部
開口情報取得部(143)は、開口(O)に関する情報を取得する。この情報は、データ提供装置(180)から出力される。開口(O)に関する情報は、開口(O)の寸法、開口(O)の高さ位置、開口(O)の種別、開口(O)の有効面積Aを含む。
【0111】
開口(O)の寸法は、開口(O)の幅Wo、および開口(O)の高さHoを含む。
【0112】
開口(O)の高さ位置は、開口(O)の上端(上辺)の高さ位置h1、および開口(O)の下端(下辺)の位置h2を含む。高さ位置h1は、床面(F)から開口(O)の上端までの鉛直方向の距離である。高さ位置h2は、床面(F)から開口(O)の下端までの鉛直方向の距離である。開口(O)が床面(F)まで延びている場合、高さ位置h2はゼロになる。
【0113】
開口(O)の種別は、開口(O)が人の導線上にあるか否かの情報を含む。例えば扉の開口(O)は人が通るが、パーティションの下側の隙間や通気口は人が通らない。したがって、開口(O)が扉の開口である場合、開口(O)の種別は「人の導線上にある」となる。開口(O)がパーティションの隙間や通気口である場合、開口(O)の種別は「人の導線上にない」となる。
【0114】
開口(O)の有効面積Aは、開口(O)の寸法から求めた開口面積である。有効面積Aは、必ずしも開口(O)の実際の面積でなくてもよく、特に冷媒が流れ易い開口(O)だけの面積であってもよい。具体的には、所定の基準高さ位置より低い開口(O)の面積を有効面積Aとし、基準高さ位置より高い開口(O)は有効面積Aの算出対象から除外してもよい。あるいは、床面(F)に沿った開口(O)の面積を有効面積Aとし、床面(F)から所定高さ離れた開口(O)は有効面積Aの算出対象から除外してもよい。
【0115】
第1室(R1)と第2室(R2)とを繋ぐ開口(O)が2つ以上ある場合、データ提供装置(180)は、複数の開口(O)毎の上記の情報をそれぞれ出力する。開口情報取得部(143)は、複数の開口(O)毎の上記の情報をそれぞれ取得する。開口情報取得部(143)は、複数の開口(O)の面積の合計を有効面積Aとして取得してもよい。
【0116】
(6-8)判断情報取得部
判断情報取得部(144)は、判断情報を取得する。判断情報は、第1容積V1のみを有効容積Vaとするか、第1容積V1と第2容積V2の合計を有効容積Vaとするかを特定する情報である。本例では、ユーザが判断情報を端末装置(110)に入力する。端末装置(110)に入力された判断情報は、端末装置(110)からサーバ装置(120)へ出力される。
【0117】
(6-9)情報出力部
情報出力部(150)は、機能部として、問合せ情報出力部(151)と、開口情報出力部(152)とを有する。問合せ情報出力部(151)は、情報取得部(140)が判断情報を取得する前に、問合せに関する情報を端末装置(110)に出力する。開口情報出力部(152)は、情報取得部(140)が判断情報を取得する前に、開口(O)に関する情報を端末装置(110)に出力する。
【0118】
(6-10)安全対策判定部
安全対策判定部(160)は、情報取得部(140)が取得した使用冷媒量Mと、判断情報に基づいて決定した有効容積Vaとに基づいて、対象空間(S)に対応する安全装置(5)が必要か否かを判定する。具体的には、安全対策判定部(160)は、判断情報によって特定された容積を有効容積Vaとする。安全対策判定部(160)は、使用冷媒量Mを有効容積Vaで除し、比率M/Vaを求める。安全対策判定部(160)は、比率M/Vaが所定の第1基準値B1以上である場合、安全装置(5)が必要と判断する。安全対策判定部(160)は、比率M/Vaが所定の第1基準値B1未満である場合、安全装置(5)が不要と判断する。
【0119】
(6-11)判定結果出力部
判定結果出力部(170)は、安全対策判定部(160)で得られた判定結果に関するデータを、通信回線(101)を介して端末装置(110)へ出力する。端末装置(110)がこのデータを受信すると、第3表示部(112)において判定結果が表示される。サーバ装置(120)において安全装置(5)が必要と判断された場合、端末装置(110)の第3表示部(112)には、安全装置(5)が必要であることを示す情報が表示される。サーバ装置(120)において安全装置(5)が不要と判断された場合、端末装置(110)の第3表示部(112)には、安全装置(5)が不要であることを示す情報が表示される。これらの情報は、文字、記号、アイコン、図形などを含む。
【0120】
(7)第3表示部の表示画面
図8に示すように、端末装置(110)の第3表示部(112)は、判断情報を人(ユーザ)に入力させるための問合せ情報を表示する。問合せ情報は、第1容積V1のみを有効容積Vaとするか、第1容積V1と第2容積V2の合計を有効容積Vaとするかをユーザに問合せるための情報である。問合せ情報は、ユーザによる判断情報の入力を促す情報であればよい。問合せ情報は、文字、記号、アイコン、図形などを含む。
【0121】
図8に示すように、本例の端末装置(110)の第3表示部(112)は、問合せ情報(I1)とともに、開口(O)に関する情報(I2)を表示する。開口(O)に関する情報(I1)は、図6に示すように、開口(O)の寸法、開口の高さ位置、開口(O)の種別(導線の有無)、開口(O)の有効面積Aを含む。複数の開口がある場合、第3表示部(112)は、複数の開口(O)毎のこれらの情報を表示する。第3表示部(112)は、複数の開口(O)の面積の合計を有効面積Aとして表示してもよい。
【0122】
ユーザは、これらの情報(I1,I2)を確認し、第3操作部(111)により判断情報を端末装置(110)に入力する。
【0123】
具体的に、図8の例では、問合せ情報(I1)において、「第1室の第1容積と第2室の第2容積とを合算しますか?」という質問が表示される。ユーザは、開口(O)に関する情報を確認し、第1容積V1に第2容積V2を合算すべきか否かを判断する。より詳細には、ユーザは、第1室(R1)の漏洩した冷媒が開口(O)を通じて第2室(R2)に拡散するか否かを、開口(O)の関する情報に基づき判断する。
【0124】
例えば開口(O)の有効面積Aが大きい、開口(O)の高さ位置が比較的低い、あるいは開口(O)が床面(F)付近にある場合、第1室(R1)の冷媒は開口(O)を通じて第2室(R2)へ流れ易い。また、開口(O)が導線上にある場合、開口(O)が床面(F)の設置物によって塞がれる可能性はほぼないため、第1室(R1)の冷媒は開口(O)を通じて第2室(R2)へ流れ易い。したがって、開口(O)に関する情報が、このような傾向にある場合、ユーザは端末装置(110)において「YES」を選択する。この場合、“第1容積V1と第2容積V2の合計を有効容積Vaとする”という判断情報が、端末装置(110)からサーバ装置(120)へ出力される。
【0125】
例えば開口(O)の有効面積Aが小さい、開口(O)の高さ位置が比較的高い、あるいは開口(O)が床面(F)付近にない場合、第1室(R1)の冷媒は開口(O)を通じて第2室(R2)へ流れにくい。また、開口(O)が導線上にない場合、開口(O)が床面(F)の設置物によって塞がれる可能性があり、第1室(R1)の冷媒は開口(O)を通じて第2室(R2)へ流れにくい。したがって、開口(O)に関する情報が、このような傾向にある場合、ユーザは端末装置(110)において「NO」を選択する。この場合、“第1容積V1を有効容積Vaとする”という判断情報が、端末装置(110)からサーバ装置(120)へ出力される。
【0126】
なお、本例では、問合せ情報(I1)と開口(O)に関する情報(I2)とが同じ画面上に表示されている。しかしながら、両者の情報(I1,I2)を異なるタイミングや異なる画面上に表示してもよい。第3表示部(112)は、問合せ情報(I1)を表示することに同期して開口(O)に関する情報(I2)を表示すればよい。
【0127】
(8)据え付け支援方法
据え付け支援システム(100)による据え付け支援方法について、図9および図10のフローチャートを参照しながら説明する。図9はサーバ装置(120)の主要な動作、図10は端末装置(110)の主要な動作を示す。
【0128】
ステップS21において、情報取得部(140)は、データ提供装置(180)から出力された建物のレイアウト情報に基づき、第1容積V1、第2容積V2、開口(O)に関する情報を取得する。本例では、ステップS22において、情報取得部(140)は、端末装置(110)から出力された使用冷媒量Mに関する情報を取得する。ステップS23において、情報出力部(150)は、問合せに関する情報を端末装置(110)に出力する。ステップS24において、情報出力部(150)は、開口(O)に関する情報を出力する。
【0129】
端末装置(110)が問合せに関する情報、および開口(O)に関する情報を取得すると、図10のステップS31において、端末装置(110)の第3表示部(112)は、問合せに関する情報を表示する。ステップS32において、端末装置(110)の第3表示部(112)は、開口(O)に関する情報を表示する。ユーザは、端末装置(110)の第3表示部(112)において、問合せ情報(I1)、および開口(O)に関する情報(I2)を確認する(図8を参照)。ユーザは、開口(O)に関する情報に基づき判断情報を決定する。ユーザが決定した判断情報は、ステップS33において、端末装置(110)に入力される。ステップS34において、端末装置(110)は、入力された判断情報をサーバ制御部(130)に出力する。
【0130】
端末装置(110)から判断情報が出力されと、図9のステップS25において、情報取得部(140)は端末装置(110)からの判断情報を取得する。
【0131】
ステップS26において、安全対策判定部(160)は、M/Vaが第1基準値B1以上であるか否かを判定する。ここで、判断情報が「第1容積V1のみを有効容積Vaとする」である場合、安全対策判定部(160)は、第1容積V1を有効容積Vaとして、M/Vaを求める。判断情報が「第1容積V1と第2容積V2の合計値を有効容積Vaとする」である場合、安全対策判定部(160)は、第1容積V1と第2容積V2の合計を有効容積Vaとして、M/Vaを求める。
【0132】
M/Vaが第1基準値B1以上である場合(ステップS26のYES)、ステップS27において、安全対策判定部(160)は、対象空間(S)に対応する安全装置(5)が必要と判定する。M/Vaが第1基準値B1未満である場合(ステップS26のNO)、ステップS28において、安全対策判定部(160)は、対象空間(S)に対応する安全装置(5)が不要と判定する。
【0133】
ステップS29において、判定結果出力部(170)は、安全対策判定部(160)で得られた判定結果を端末装置(110)に出力する。端末装置(110)の第3表示部(112)は、この判定結果を表示する。ユーザは、この判定結果に基づき対象空間(S)に対応する安全装置(5)が必要か否かを知ることができる。安全装置(5)が必要と判断された場合、ユーザは、対象空間(S)に対応する安全装置(5)を据え付ける。
【0134】
(9)空気調和装置の据え付け支援のためのプログラム
サーバ制御部(130)に記憶されるプログラムは、以下のステップをコンピュータに実行させる。
【0135】
空気調和装置(10)の使用冷媒量Mに関する情報と、空調の対象空間(S)を形成する第1室(R1)に対応する第1容積V1に関する情報と、第1室(R1)に隣り合う前記第2室(R2)に対応する第2容積V2に関する情報を取得する。第1容積V1のみを有効容積Vaとするか第1容積と第2容積の合計を有効容積Vaとするかを特定する判断情報を取得する。判断情報に基づいて決定された有効容積Vaと、空気調和装置(10)の使用冷媒量Mに関する情報とに基づいて、冷媒の漏洩対策のための安全装置(5)を設けるか否かを判定する。
【0136】
サーバ制御部(130)に記憶されるプログラムは、図9に示す据え付け支援方法のステップ(S21~S29)の処理をコンピュータに実行させる。
【0137】
(10)特徴
(10-1)
空気調和装置(10)の据え付け支援システム(100)のサーバ制御部(130)は、空気調和装置(10)の使用冷媒量Mに関する情報と、空調の対象空間(S)を形成する第1室(R1)に対応する第1容積V1に関する情報と、前記第1室(R1)に隣り合う前記第2室(R2)に対応する第2容積V2に関する情報を取得する。サーバ制御部(130)は、第1容積V1のみを有効容積Vaとするか、第1容積V1と前記第2容積V2の合計を前記有効容積Vaとするかを特定する判断情報を取得する第1処理(ステップS25)を実行する。サーバ制御部(130)は、判断情報に基づいて決定された有効容積Vaと、前記空気調和装置(10)の使用冷媒量に関する情報とに基づいて、冷媒の漏洩対策のための安全装置(5)を設けるか否かを判定する第2処理(ステップS26~S28)を実行する。
【0138】
これにより、ユーザは、安全装置(5)が必要か否かの判断結果を容易に知ることができる。この判断結果は、第1室(R1)の漏洩した冷媒が第2室(R2)へ拡散するか否かも考慮している。したがって、冷媒が拡散しにくいにも拘わらず、安全装置(5)が不要と判断されることを抑制できる。あるいは、冷媒が拡散し易いにも拘わらず、安全装置(5)が必要と判断されることを抑制できる。
【0139】
(10-2)
サーバ制御部(130)は、第1処理の前に、判断情報をユーザに入力させるための問合せ情報を第3表示部(112)に表示させる(図8を参照)。この問合せ情報が、ユーザによる判断情報の入力を促すことができる。
【0140】
(10-3)
サーバ制御部(130)は、問合せ情報を表示させるときに、第1室(R1)と第2室(R2)とを繋ぐ開口(O)に関する情報を第3表示部(112)に表示させる(図8を参照)。このため、ユーザは、開口(O)に関する情報に基づき、第1容積V1と第2容積V2とを合算すべきか否かを容易に判断できる。
【0141】
(10-4)
サーバ制御部(130)は、第1室(R1)の床面(F)から空気調和装置(10)までの高さに基づいて第1容積V1および第2容積V2に関する情報を取得する。
【0142】
空気調和装置(10)から冷媒が漏洩する場合、冷媒が存在しうる高さの範囲は、床面(F)から空気調和装置(10)までの高さになる。この高さと床面積により第1容積V1や第2容積V2を求めることで、冷媒が漏洩しうる空間の容積を精度よく求めることができる。
【0143】
(10-5)
据え付け支援システム(100)は、建物のレイアウト情報に基づき、第1容積V1、第2容積V2、および開口(O)に関する情報を自動的に取得する。ユーザがこれらの情報を適宜入力する必要がないので、安全装置(5)が必要か否かを容易に判断できる。
【0144】
(11)変形例
上記実施形態は、以下の変形例としてもよい。以下では、実施形態と異なる点について説明する。
【0145】
(11-1)変形例1
変形例1に係る据え付け支援システム(100)は、開口(O)があると判断された場合に、ユーザに判断情報を問合せる。サーバ制御部(130)は、第1処理の前に、建物のレイアウト情報に基づき開口(O)があるか否かを判定する第3処理を実行する。第3処理において開口(O)があると判定された場合に、問合せ情報を表示する。変形例1の据え付け支援システム(100)の動作について、図11を参照しながら詳細に説明する。
【0146】
ステップS21において、情報取得部(140)は、建物のレイアウト情報に基づき、第1容積V1、第2容積V2、および開口(O)に関する情報を取得する。ステップS22において、情報取得部(140)は、使用冷媒量Mに関する情報を取得する。
【0147】
ステップS41において、サーバ制御部(130)は、建物のレイアウト情報に基づき第1室(R1)と第2室(R2)とを繋ぐ開口(O)があるか否かを判定する。
【0148】
第1室(R1)と第2室(R2)とを繋ぐ開口(O)があると判定されると(ステップS41のYES)、サーバ制御部(130)は、問合せに関する情報および開口(O)に関する情報を端末装置(110)へ出力する(ステップS23、S24)。
【0149】
次いで、図10のステップS31において、端末装置(110)の第3表示部(112)は、問合せに関する情報を表示する。ステップS32において、端末装置(110)の第3表示部(112)は、開口(O)に関する情報を表示する。ステップS33において、ユーザが決定した判断情報が、端末装置(110)に入力される。ステップS34において、端末装置(110)は、入力された判断情報をサーバ制御部(130)に出力する。
【0150】
次いで、ステップS25において、情報取得部(140)は端末装置(110)からの判断情報を取得する。その後の動作は、実施形態と同様である(ステップS26~S29)。
【0151】
ステップS41において、第1室(R1)と第2室(R2)とを繋ぐ開口(O)がないと判定されると(ステップS41のNO)、サーバ制御部(130)は、第1容積V1のみを有効容積Vaとする。この場合、ユーザの判断情報に基づかず、有効容積Vaが第1容積V1に決定される。開口(O)がないのであれば、第1室(R1)の冷媒が第2室(R2)へ拡散する可能性がほぼなく、ユーザの判断情報を必要としないためである。その後の動作は、実施形態と同様である(ステップS26~S29)。
【0152】
変形例1のサーバ制御部(130)は、第1処理(ステップS25)の前に、建物のレイアウト情報に基づき第1室(R1)と第2室(R2)とを繋ぐ開口(O)があるか否かを判定する第3処理(ステップS41)を実行する。サーバ制御部(130)は、第3処理において開口(O)があると判定された場合に、第3表示部(112)に問合せ情報を表示させる。
【0153】
変形例1によれば、サーバ制御部(130)により開口(O)がないと判断された場合には、第3表示部(112)は問合せ情報を表示せず、判断情報を確認しない。したがって、ユーザの判断情報なしに安全装置(5)が必要か否かを判断できる。
【0154】
サーバ制御部(130)により開口(O)があると判断された場合には、実施形態と同様にして、ユーザの判断情報に基づき安全装置(5)が必要な否かを判断できる。
【0155】
(11-2)変形例2
変形例2に係る据え付け支援システム(100)は、まず、第1容積V1のみを有効容積Vaとし、安全装置(5)が必要か否かを判断する。安全装置(5)が必要と判断された場合に、ユーザに判断情報を問合せる。言い換えると、サーバ制御部(130)は、第1処理の前に、空気調和装置(10)の使用冷媒量Mに関する情報と、第1容積V1に関する情報とに基づき、冷媒の漏洩対策のための安全装置(5)を設けるか否かを判定する第4処理を実行する。第3表示部(112)は、第4処理において安全装置(5)が必要と判断された場合に、問合せ情報を表示する。変形例2の据え付け支援システム(100)の動作について、図12を参照しながら詳細に説明する。
【0156】
ステップS21において、情報取得部(140)は、建物のレイアウト情報に基づき、第1容積V1、第2容積V2、開口(O)に関する情報を取得する。ステップS22において、情報取得部(140)は、使用冷媒量Mに関する情報を取得する。
【0157】
ステップS50において、サーバ制御部(130)の安全対策判定部(160)は、第1容積V1のみを有効容積Vaとする。ステップS51において、安全対策判定部(160)は、M/Vaと第1基準値M1とを比較する。ここで、Va=V1となる。M/Vaが第1基準値M1以上である場合(ステップS51のYES)、ステップS52において、安全対策判定部(160)は、安全装置(5)が必要と判定する。M/Vaが第1基準値M1未満である場合(ステップS51のNO)、安全対策判定部(160)は、安全装置(5)が不要と判定する(ステップS53)。
【0158】
第1容積V1のみを考慮し安全装置(5)が不要と判断された場合、仮に第1容積V1と第2容積V2との合算値を有効容積Vaとしたとしても、安全装置(5)は不要と判断される。この場合、有効容積Vaは大きくなり、比率M/Vaが小さくなるからである。したがって、ステップS53において安全装置(5)が不要と判断された場合、据え付け支援システム(100)は、ユーザに判断情報を問合せない。この場合、ステップS29において、サーバ制御部(130)は、“安全装置(5)が不要である”旨の判定結果を端末装置(110)へ出力する。
【0159】
ステップS52において安全装置(5)が必要と判断された場合、ステップS23が実行される。その後の流れは、実施形態と同様である。
【0160】
変形例2のサーバ制御部(130)は、第1処理(ステップS25)の前に、空気調和装置(10)の使用冷媒量Mに関する情報と、第1容積V1に関する情報とに基づき、冷媒の漏洩対策のための安全装置(5)を設けるか否かを判定する第4処理(ステップS50~S53)を実行する。サーバ制御部(130)は、第4処理において安全装置(5)が必要と判断された場合に、第3表示部(112)に問合せ情報を表示させる。
【0161】
変形例2によれば、第1容積Vaのみを有効容積Vaとして安全装置(5)が不要と判断された場合には、第3表示部(112)は問合せ情報を表示せず、判断情報を確認しない。したがって、ユーザの判断情報なしに安全装置(5)が必要か否かを判断できる。
【0162】
第1容積Vaのみを有効容積Vaとして安全装置(5)が不要と判断された場合には、実施形態と同様にして、ユーザの判断情報に基づき安全装置(5)が必要な否かを再判断する。したがって、冷媒の拡散を考慮しつつ、安全装置(5)が必要か否かを判断できる。
【0163】
(11-3)変形例3
変形例3に係る据え付け支援システム(100)は、変形例1の判定と、変形例2の判定とを組み合わせて行う。変形例3の据え付け支援システム(100)の動作について、図13を参照しながら詳細に説明する。なお、本例の据え付け支援システム(100)は、変形例2に係る第4処理の判定の後、変形例1に係る第3処理の判定を行う。
【0164】
ステップS21、ステップS22の後、ステップS50において、サーバ制御部(130)は、第1容積V1のみを有効容積Vaとする。ステップS51において、安全対策判定部(160)は、M/Vaと第1基準値M1とを比較する。ここで、Va=V1となる。M/Vaが第1基準値M1以上である場合(ステップS51のYES)、ステップS52において、安全対策判定部(160)は、安全装置(5)が必要と判定する。M/Vaが第1基準値M1未満である場合(ステップS51のNO)、安全対策判定部(160)は、安全装置(5)が不要と判定する(ステップS53)。
【0165】
ステップS53において、安全装置(5)が不要と判断された場合、変形例2と同様、据え付け支援システム(100)は、ユーザに判断情報を問合せない。この場合、ステップS29において、サーバ制御部(130)は、“安全装置(5)が不要である”旨の判定結果を端末装置(110)へ出力する。
【0166】
ステップS52において、安全装置(5)が必要と判断された場合、ステップS41において、サーバ制御部(130)は、建物のレイアウト情報に基づき開口(O)があるか否かを判定する。開口(O)がないと判定されると(ステップS41のYES)、ステップS42において、サーバ制御部(130)は第1容積V1を有効容積Vaとする。この場合、据え付け支援システム(100)は、ユーザに判断情報を問合せない。次いで、ステップS26~S29において、実施形態と同様の動作が行われる。
【0167】
ステップS41において、開口(O)があると判定されると、サーバ制御部(130)は問合せに関する情報および開口(O)に関する情報を端末装置(110)へ出力する(ステップS23、S24)。それ以降の動作は、実施形態と同様である。
【0168】
変形例3のサーバ制御部(130)は、第1処理の前に、建物のレイアウト情報に基づき第1室(R1)と前記第2室(R2)とを繋ぐ開口(O)があるか否かを判定する第3処理(ステップ41)を実行する。サーバ制御部(130)は、空気調和装置(10)の使用冷媒量に関する情報と、第1容積V1に関する情報とに基づき、冷媒の漏洩対策のための安全装置(5)を設けるか否かを判定する第4処理(ステップS50~S53)を実行する。サーバ制御部(130)は、第3処理において開口(O)があると判定され、且つ第4処理において安全装置(5)が必要と判断された場合に、第3表示部(112)に問合せ情報を表示させる。
【0169】
変形例3によれば、第1容積V1に基づき安全装置(5)が不要と判断された場合や、開口(O)がないと判断された場合において、ユーザに判断情報を問い合わせることなく、安全装置(5)が必要か否かを容易に判断できる。
【0170】
(11-4)変形例4
図14に示す変形例4は、実施形態のサーバ制御部(130)の基本的な要素が、端末装置(110)の第8制御装置(C8)に設けられる。ただし、第8制御装置(C8)は、実施形態のプログラム送信部(131)、情報出力部(150)、判定結果出力部(170)は有さない。変形例4の端末装置(110)は、空気調和装置(10)の据え付け支援装置に対応する。第8制御装置(C8)は、本開示の制御部に対応する。
【0171】
端末装置(110)は、通信回線(101)を介してデータ提供装置(180)と接続される。端末装置(110)の情報取得部(140)は、データ提供装置(180)から出力される建物のレイアウト情報に基づき第1容積V1、第2容積V2、開口(O)に関する各情報を取得する。情報取得部(140)は、ユーザが端末装置(110)に入力した使用冷媒量Mに関する情報を取得する。
【0172】
端末装置(110)の第3表示部(112)は、実施形態と同様、問合せ情報を表示する。加えて、第3表示部(112)は、実施形態と同様、開口(O)に関する情報を表示する(図8を参照)。ユーザは、開口(O)に関する情報に基づき判断情報を端末装置(110)に入力する。端末装置(110)の安全対策判定部(160)は、この判断情報と、使用冷媒量Mに関する情報に基づき、安全装置(5)が必要か否かを判断する。第3表示部(112)は、この判断結果を表示する。
【0173】
(11-5)変形例5
実施形態では、床面(F)から空気調和装置(10)までの高さを有効高さHaとしている。しかし、有効高さHaは以下の高さであってもよい。
【0174】
空気調和装置(10)よりも低い位置に連絡配管の継手部がある場合、有効高さHaは、床面(F)から継手部までの高さであってもよい。特に、継手部が機械継手である場合、有効高さHaは、床面(F)から継手部分までの高さとするのが好ましい。機械継手は、ロウ付けなどの火を使う継手と比較して冷媒が漏洩する可能性が高いからである。
【0175】
また、空気調和装置(10)が床置き式であり、空気調和装置(10)の上部に吹出口がある場合、有効高さは、床面(F)から吹出口までの高さであってもよい。床置き式の空気調和装置(10)では、吹出口から冷媒が漏洩する可能性が高いからである。
【0176】
(11-6)変形例6
実施形態では、有効容積Vaを特定するための判断情報をユーザが端末装置(110)に入力している。しかし、判断情報は、制御部(130,C8)や他の装置が自動的に求める情報であってもよい。例えば制御部(130,C8)や他の装置が、開口(O)に関する情報に基づいて判断情報を求めてもよい。
【0177】
(11-7)変形例7
実施形態では、制御部(130,C8)が開口(o)に関する情報を取得している。しかし、制御部(130,C8)は、開口(o)に関する情報を取得せず、端末装置(110)からの判断情報に基づき安全装置(5)を設けるか否かを判定してもよい。
【0178】
《その他の実施形態》
上述した実施形態、およびその変形例においては、以下の構成としてもよい。
【0179】
1)空気調和装置(10)は、マルチ式でなくてもよく、1つの利用ユニット(30)と1つの熱源ユニット(20)とを有するペア式であってもよい。空気調和装置(10)は、複数の熱源ユニット(20)を有してもよい。
【0180】
2)冷媒回路(11)に充填される冷媒は、R32以外の冷媒であってもよい。冷媒は、米国のASHRAE34 Designation and safety classification of refrigerantの規格、またはISO817 Refrigerants- Designation and safety classificationの 規格において、 Class3(強燃性)、 Class2(弱燃性)、 Subclass2L(微燃性)に該当する冷媒を含む。
【0181】
例えば冷媒は、R1234yf、R1234ze(E)、R516A、R445A、 R444A、R454C、R444B、R454A、R455A、R457A、R459B、 R452B、R454B、R447B、R32、R447A、R446A、およびR459からなる単一冷媒である。
【0182】
あるいは、冷媒は、R1234yf、R1234ze(E)、R516A、R445A、 R444A、R454C、R444B、R454A、R455A、R457A、R459B、 R452B、R454B、R447B、R32、R447A、R446A、およびR459から選択される2つ以上の冷媒からなる混合冷媒である。
【0183】
3)切換機構(24)は、四方切換弁でなくてもよい。切換機構(24)は、4つの流路とこれらを開閉する開閉弁を組み合わせた構成であってもよいし、2つの三方弁を組み合わせた構成であってもよい。
【0184】
4)熱源膨張弁(25)や利用膨張弁(31)は、電子膨張弁でなくてもよく、感温式の膨張弁や、回転式の膨張機構であってもよい。
【0185】
5)利用ユニット(30)は、天井設置式でなくてもよく、壁掛け式や床置式であってもよい。
【0186】
以上、実施形態および変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態、変形例、その他の実施形態は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。
【0187】
以上に述べた「第1」、「第2」、「第3」…という記載は、これらの記載が付与された語句を区別するために用いられており、その語句の数や順序までも限定するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0188】
以上に説明したように、本開示は、空気調和装置の据え付け支援システム、据え付け支援方法、および据え付け支援装置について有用である。
【符号の説明】
【0189】
R1 第1室
R2 第2室
S 対象空間
5 安全装置
10 空気調和装置
112 第3表示部(表示部)
130 サーバ制御部(制御部)
C8 第8制御装置(制御部)
図1
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