(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-06
(45)【発行日】2024-08-15
(54)【発明の名称】モータ装置、圧縮機、冷凍装置
(51)【国際特許分類】
H02K 5/04 20060101AFI20240807BHJP
【FI】
H02K5/04
(21)【出願番号】P 2022159392
(22)【出願日】2022-10-03
(62)【分割の表示】P 2021158594の分割
【原出願日】2021-09-29
【審査請求日】2022-10-03
(31)【優先権主張番号】P 2020163277
(32)【優先日】2020-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平塚 大佑
(72)【発明者】
【氏名】日比野 寛
【審査官】三島木 英宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-177946(JP,A)
【文献】特開平08-275470(JP,A)
【文献】特開2013-150506(JP,A)
【文献】国際公開第2014/017051(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシング(20)と、
前記ケーシング(20)内に収容されるステータ(60)と、
前記ステータ(60)の内周に設けられるロータ(70)と、
前記ロータ(70)の内周に設けられるシャフト(50)と、
前記ステータ(60)または前記シャフト(50)である第1部材の外周に設けられる機能部(11)と、
前記ケーシング(20)または前記ロータ(70)である第2部材と前記機能部(11)との間に設けられる耐熱部(12)とを備え
、
前記第1部材は、前記ステータ(60)であり、
前記第2部材は、前記ケーシング(20)であり、
前記機能部(11)は、前記ステータ(60)の軸方向または周方向の端面に沿うように径方向内方へ向けて延出する延出部(11a,11b)を有し、
前記耐熱部(12)は、前記ステータ(60)との間に前記機能部(11)の延出部(11a,11b)を挟んだ状態で、前記ステータ(60)の軸方向または周方向の端面に沿うように径方向内方へ向けて延出する延出部(12a,12b)を有する
モータ装置。
【請求項2】
請求項1のモータ装置において、
前記機能部(11)は、前記第1部材と前記第2部材とを絶縁する機能および前記第1部材と前記第2部材との間の振動の伝達を抑制する機能の少なくとも一方を有する
モータ装置。
【請求項3】
請求項1または2のモータ装置において、
前記第1部材と前記機能部(11)と前記耐熱部(12)は、前記第2部材を焼き嵌めすることにより締結され、
前記耐熱部(12)の融点または分解温度は、焼き嵌め温度よりも高い
モータ装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1つのモータ装置において、
前記耐熱部(12)は、前記第2部材と前記機能部(11)との間の熱伝達を阻害する機能を有する
モータ装置。
【請求項5】
ケーシング(20)と、
前記ケーシング(20)内に収容されるステータ(60)と、
前記ステータ(60)の内周に設けられるロータ(70)と、
前記ロータ(70)の内周に設けられるシャフト(50)と、
前記ステータ(60)または前記シャフト(50)である第1部材の外周に設けられる機能部(11)と、
前記ケーシング(20)または前記ロータ(70)である第2部材と前記機能部(11)との間に設けられる耐熱部(12)とを備え、
前記耐熱部(12)は、前記第2部材から前記機能部(11)に印加される応力の集中を緩和する機能を有する
モータ装置。
【請求項6】
請求項5のモータ装置において、
前記耐熱部(12)の前記機能部(11)と接触する面の表面粗さは、前記第2部材の内周面の表面粗さよりも小さい
モータ装置。
【請求項7】
請求項5または6のモータ装置において、
前記耐熱部(12)の前記機能部(11)と接触する面の輪郭度は、前記第2部材の内周面の輪郭度よりも小さい
モータ装置。
【請求項8】
請求項5~7のいずれか1つのモータ装置において、
前記耐熱部(12)の前記機能部(11)と接触する面の表面硬さは、前記第2部材の内周面の表面硬さよりも柔らかい
モータ装置。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1つのモータ装置において、
前記耐熱部(12)は、前記第1部材および前記第2部材の一方が他方に対して軸方向に移動することを阻害するように構成される
モータ装置。
【請求項10】
請求項1~8のいずれか1つのモータ装置において、
前記耐熱部(12)は、前記第1部材および前記第2部材の一方が他方に対して回転することを阻害するように構成される
モータ装置。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1つのモータ装置を備える圧縮機。
【請求項12】
請求項11の圧縮機を備える冷凍装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、モータ装置、圧縮機、冷凍装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電動機を圧縮機構とともに容器に収容した圧縮機が開示されている。この圧縮機では、固定子および容器の双方の接触を防止するように、電動機の固定子と容器との間に、非導電性材料が設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の装置では、熱に起因する悪影響から機能部(特許文献1では非導電性材料)を保護することができない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1の態様は、モータ装置に関し、このモータ装置は、ケーシング(20)と、前記ケーシング(20)内に収容されるステータ(60)と、前記ステータ(60)の内周に設けられるロータ(70)と、前記ロータ(70)の内周に設けられるシャフト(50)と、前記ステータ(60)または前記シャフト(50)である第1部材の外周に設けられる機能部(11)と、前記ケーシング(20)または前記ロータ(70)である第2部材と前記機能部(11)との間に設けられる耐熱部(12)とを備える。
【0006】
第1の態様では、第2部材と機能部(11)との間に耐熱部(12)を設けることにより、熱に起因する悪影響から機能部(11)を保護することができる。
【0007】
本開示の第2の態様は、第1の態様において、前記機能部(11)は、前記第1部材と前記第2部材とを絶縁する機能および前記第1部材と前記第2部材との間の振動の伝達を抑制する機能の少なくとも一方を有するモータ装置である。
【0008】
第2の態様では、第1部材と第2部材との絶縁、および、第1部材と第2部材との間における振動の伝達の抑制の少なくとも一方を実現することができる。
【0009】
本開示の第3の態様は、第1または第2の態様において、前記第1部材と前記機能部(11)と前記耐熱部(12)は、前記第2部材を焼き嵌めすることにより締結され、前記耐熱部(12)の融点または分解温度は、焼き嵌め温度よりも高いモータ装置である。
【0010】
第3の態様では、耐熱部(12)の融点または分解温度を焼き嵌め温度よりも高くすることにより、焼き嵌め時の熱による耐熱部(12)の劣化を抑制することができる。
【0011】
本開示の第4の態様は、第1~第3の態様のいずれか1つにおいて、前記耐熱部(12)は、前記第2部材と前記機能部(11)との間の熱伝達を阻害する機能を有するモータ装置である。
【0012】
第4の態様では、第2部材と機能部(11)との間における熱伝達を阻害することができる。
【0013】
本開示の第5の態様は、第1~第4の態様のいずれか1つにおいて、前記耐熱部(12)は、前記第2部材から前記機能部(11)に印加される応力の集中を緩和する機能を有するモータ装置である。
【0014】
第5の態様では、第2部材から機能部(11)に印加される応力の集中を緩和することができる。
【0015】
本開示の第6の態様は、第5の態様において、前記耐熱部(12)の前記機能部(11)と接触する面の表面粗さは、前記第2部材の内周面の表面粗さよりも小さいモータ装置である。
【0016】
第6の態様では、耐熱部(12)は、第2部材から機能部(11)に印加される応力の集中を緩和する機能を有することができる。
【0017】
本開示の第7の態様は、第5または第6の態様において、前記耐熱部(12)の前記機能部(11)と接触する面の輪郭度は、前記第2部材の内周面の輪郭度よりも小さいモータ装置である。
【0018】
第7の態様では、耐熱部(12)は、第2部材から機能部(11)に印加される応力の集中を緩和する機能を有することができる。
【0019】
本開示の第8の態様は、第5~第7の態様のいずれか1つにおいて、前記耐熱部(12)の前記機能部(11)と接触する面の表面硬さは、前記第2部材の内周面の表面硬さよりも柔らかいモータ装置である。
【0020】
第8の態様では、耐熱部(12)は、第2部材から機能部(11)に印加される応力の集中を緩和する機能を有することができる。
【0021】
本開示の第9の態様は、第1~第8の態様のいずれか1つにおいて、前記耐熱部(12)は、前記第1部材および前記第2部材の一方が他方に対して軸方向に移動することを阻害するように構成されるモータ装置である。
【0022】
第9の態様では、第1部材および第2部材の一方が他方に対して軸方向に移動するという事態の発生を防止することができる。
【0023】
本開示の第10の態様は、第1~第8の態様のいずれか1つにおいて、前記耐熱部(12)は、前記第1部材および前記第2部材の一方が他方に対して回転することを阻害するように構成されるモータ装置である。
【0024】
第10の態様では、第1部材および第2部材の一方が他方に対して回転するという事態の発生を防止することができる。
【0025】
本開示の第11の態様は、圧縮機に関し、この圧縮機は、第1~第10の態様のいずれか1つのモータ装置を備える。
【0026】
本開示の第12の態様は、冷凍装置に関し、この冷凍装置は、第11の態様の圧縮機を備える。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】
図1は、実施形態1のモータ装置を例示する縦断面図である。
【
図2】
図2は、実施形態1のモータ装置を例示する横断面図である。
【
図3】
図3は、実施形態1の変形例1のモータ装置の要部を例示する縦断面図である。
【
図4】
図4は、実施形態1の変形例2のモータ装置の要部を例示する横断面図である。
【
図5】
図5は、実施形態1の変形例3のモータ装置の要部を例示する縦断面図である。
【
図6】
図6は、実施形態1の変形例4のモータ装置の要部を例示する横断面図である。
【
図7】
図7は、実施形態1の変形例5のモータ装置の要部を例示する縦断面図である。
【
図8】
図8は、実施形態2のモータ装置の要部を例示する縦断面図である。
【
図9】
図9は、実施形態2のモータ装置の要部を例示する横断面図である。
【
図10】
図10は、実施形態2の変形例1のモータ装置の要部を例示する縦断面図である。
【
図11】
図11は、実施形態2の変形例2のモータ装置の要部を例示する横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一の符号を付しその説明は繰り返さない。
【0029】
(実施形態1)
図1および
図2は、実施形態1のモータ装置(10)の構成を例示する。
図2では、ハッチングを省略している。モータ装置(10)は、ケーシング(20)とモータ(30)とを備える。この例では、モータ装置(10)は、流体を圧縮する圧縮機を構成する。このモータ装置(10)は、空気調和機の冷媒回路に設けられて冷媒を圧縮する。言い換えると、この圧縮機は、圧縮機構(40)とモータ装置(10)とを備える。なお、モータ装置(10)は、空気調和機ではない他の機器に設けられてもよい。
【0030】
この例では、モータ装置(10)は、ケーシング(20)とモータ(30)とに加えて、圧縮機構(40)とシャフト(50)とを備える。シャフト(50)は、モータ(30)と圧縮機構(40)とを連結する。
【0031】
〔ケーシング〕
ケーシング(20)は、モータ装置(10)の構成部品を収容する。この例では、ケーシング(20)は、上下方向に延びて両端が閉塞された円筒状に形成される。ケーシング(20)の内周面は、円筒面となっている。ケーシング(20)は、モータ(30)と圧縮機構(40)とシャフト(50)を収容する。シャフト(50)は、上下方向に延びる。モータ(30)は、圧縮機構(40)の上方に配置される。
【0032】
この例では、ケーシング(20)には、吸入管(21)と吐出管(22)とが設けられる。吸入管(21)は、ケーシング(20)の胴部を貫通して圧縮機構(40)に接続される。吐出管(22)は、ケーシング(20)の上部を貫通してケーシング(20)の内部空間と連通する。
【0033】
〔モータ〕
モータ(30)は、シャフト(50)を回転駆動する。シャフト(50)の回転駆動により、圧縮機構(40)が駆動する。この例では、モータ(30)は、シャフト(50)を一方向にのみ回転駆動する。
【0034】
〔圧縮機構〕
圧縮機構(40)は、流体を圧縮する。この例では、圧縮機構(40)は、吸入管(21)を通じて吸入した冷媒を圧縮し、その圧縮された冷媒をケーシング(20)の内部空間に吐出する。ケーシング(20)の内部空間に吐出された冷媒は、吐出管(22)を通じて吐出される。この例では、圧縮機構(40)は、ロータリ式の圧縮機構である。
【0035】
〔モータの構成〕
モータ(30)は、ステータ(60)と、ロータ(70)とを備える。
【0036】
以下の説明において、「軸方向」は、ステータ(60)の軸線(ロータ(70)の回転中心)の方向のことである。「径方向」は、ステータ(60)の軸線の方向と直交する方向のことである。「周方向」は、ステータ(60)の軸線回りの方向のことである。「縦断面」は、軸方向に沿う断面のことであり、「横断面」は、軸方向と直交する断面のことである。
【0037】
ステータ(60)は、ケーシング(20)内に収容される。ロータ(70)は、ギャップ(G)を隔ててステータ(60)の径方向内側に配置される。この例では、モータ(30)は、埋込磁石モータである。
【0038】
(ステータ)
ステータ(60)は、ステータコア(61)と、コイル(65)とを有する。
【0039】
ステータコア(61)は、バックヨーク(62)と、ティース(63)と、突出部(64)とを有する。この例では、6つのティース(63)と、6つの突出部(64)とが設けられる。ステータコア(61)は、積層コアである。具体的には、ステータコア(61)は、それぞれが電磁鋼板で構成されて略円環状に形成された複数の電磁鋼板を軸方向に積層することにより構成される。
【0040】
バックヨーク(62)は、略円筒状に形成される。
【0041】
ティース(63)は、バックヨーク(62)の内周面から径方向内方へ向けて延びる。この例では、6つのティース(63)が周方向に等ピッチ(具体的には60°ピッチ)で配置される。
【0042】
突出部(64)は、バックヨーク(62)の外周面から径方向外方へ向けて突出する。この例では、突出部(64)の外周面は、円弧面となっている。また、6つの突出部(64)が周方向に等ピッチ(具体的には60°ピッチ)で配置される。
【0043】
コイル(65)は、ティース(63)に巻回される。この例では、コイル(65)は、集中巻によりティース(63)に巻回される。
【0044】
(ロータ)
ロータ(70)は、ステータ(60)の内周に設けられる。ロータ(70)は、ロータコア(71)と、永久磁石(75)とを有する。この例では、4つの永久磁石(75)が設けられる。
【0045】
ロータコア(71)には、スロット(72)と、軸孔(73)とが設けられる。この例では、4つの永久磁石に対応する4つのスロット(72)が設けられる。ロータコア(71)は、積層コアである。具体的には、ロータコア(71)は、それぞれが電磁鋼板で構成されて略円形状に形成された複数の電磁鋼板を軸方向に積層することにより構成される。
【0046】
スロット(72)は、永久磁石(75)を収容する。この例では、4つのスロット(72)が周方向に等ピッチ(具体的には90°ピッチ)で配置される。
【0047】
軸孔(73)は、ロータコア(71)の中心部を軸方向に貫通する。軸孔(73)には、シャフト(50)が挿入されて固定される。シャフト(50)は、ロータ(70)の内周に設けられる。
【0048】
永久磁石(75)は、ロータ(70)の磁極を構成する。この例では、4つの永久磁石(75)が4つのスロット(72)に収容されることで、4つの磁極が構成される。また、永久磁石(75)は、焼結磁石である。
【0049】
〔機能部と耐熱部〕
モータ装置(10)は、上記の構成に加えて、機能部(11)と耐熱部(12)とを備える。この例では、ステータ(60)の6つの突出部(64)に対応する6つの機能部(11)と、6つの機能部(11)に対応する6つの耐熱部(12)とが設けられる。モータ(30)のステータ(60)と機能部(11)と耐熱部(12)は、ケーシング(20)を焼き嵌めすることにより締結される。焼き嵌めなどを含むモータ装置(10)の製造方法については、後で詳しく説明する。
【0050】
〔機能部〕
機能部(11)は、ステータ(60)またはシャフト(50)である第1部材の外周に設けられる。この例では、機能部(11)は、ステータ(60)の外周に設けられる。機能部(11)は、ステータ(60)と接触する。ステータ(60)は、第1部材の一例である。
【0051】
この例では、機能部(11)は、ステータ(60)の突出部(64)の外周面を覆う。具体的には、機能部(11)は、軸方向において突出部(64)の外周面に沿うように延びる。また、機能部(11)は、周方向において突出部(64)の外周面に沿うように延びる。機能部(11)の横断面形状は、円弧状となっている。
【0052】
なお、機能部(11)は、突出部(64)よりも大きくてもよいし、突出部(64)よりも小さくてもよい。例えば、機能部(11)の表面積(突出部(64)と接触する部分の面積)は、突出部(64)の外周面の面積よりも大きくてもよいし、突出部(64)の外周面の面積よりも小さくてもよい。
【0053】
機能部(11)は、ステータ(60)とケーシング(20)とを絶縁する機能、および、ステータ(60)とケーシング(20)との間の振動の伝達を抑制する機能の少なくとも一方を有する。このような構成により、ステータ(60)とケーシング(20)との絶縁、および、ステータ(60)とケーシング(20)との間における振動の伝達の抑制の少なくとも一方を実現することができる。
【0054】
以下では、ステータ(60)とケーシング(20)とを絶縁する機能を「第1機能」と記載し、ステータ(60)とケーシング(20)との間の振動の伝達を抑制する機能を「第2機能」と記載する。
【0055】
第1機能を有する機能部(11)を構成する物質の例としては、非導電性材料が挙げられる。非導電性材料の例としては、樹脂、セラミックなどが挙げられる。第1機能を有する機能部(11)を構成する樹脂の例としては、PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂、LCP(液晶ポリマー)樹脂、PBT(ポリブチレンテレフタレート)樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などが挙げられる。第1機能を有する機能部(11)を構成するセラミックの例としては、アルミナ、ガラス、ジルコニアなどが挙げられる。
【0056】
第2機能を有する機能部(11)を構成する物質の例としては、制振材料、防振材料などが挙げられる。制振材料、防振材料の例としては、樹脂、ゴムなどが挙げられる。第2機能を有する機能部(11)を構成する樹脂の例としては、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、これらの発泡体などが挙げられる。第2機能を有する機能部(11)を構成するゴムの例としては、防振ゴム、合成ゴムなどが挙げられる。
【0057】
〔耐熱部〕
耐熱部(12)は、ケーシング(20)またはロータ(70)である第2部材と機能部(11)との間に設けられる。この例では、耐熱部(12)は、ケーシング(20)と機能部(11)との間に設けられる。耐熱部(12)は、ケーシング(20)と機能部(11)の両方と接触する。耐熱部(12)は、ケーシング(20)と機能部(11)との接触を防止する。ケーシング(20)は、第2部材の一例である。ステータ(60)とケーシング(20)との組合せは、第1部材と第2部材との組合せの一例である。
【0058】
この例では、耐熱部(12)は、機能部(11)の外周面を覆う。具体的には、耐熱部(12)は、軸方向において機能部(11)の外周面に沿うように延びる。また、耐熱部(12)は、周方向において機能部(11)の外周面に沿うように延びる。耐熱部(12)の横断面形状は、円弧状となっている。なお、耐熱部(12)は、機能部(11)の全面(外周面全体)を覆っていなくてもよい。
【0059】
なお、耐熱部(12)は、機能部(11)よりも大きくてもよいし、機能部(11)よりも小さくてもよい。例えば、耐熱部(12)の表面積(機能部(11)と接触する部分の面積)は、機能部(11)の表面積よりも大きくてもよいし、機能部(11)の表面積よりも小さくてもよい。また、耐熱部(12)は、ステータ(60)の突出部(64)よりも大きくてもよいし、ステータ(60)の突出部(64)よりも小さくてもよい。
【0060】
また、この例では、ステータ(60)と機能部(11)と耐熱部(12)は、ケーシング(20)を焼き嵌めすることにより締結される。耐熱部(12)が熱により変質する温度は、焼き嵌め温度よりも高い。耐熱部(12)が熱により変質する温度は、熱により耐熱部(12)の変形、融解、分解などが生じる温度である。熱により変形、融解、分解などが生じる温度の例としては、融点、分解温度などが挙げられる。この例では、耐熱部(12)の融点または分解温度は、焼き嵌め温度よりも高い。このような構成により、焼き嵌め時の熱による耐熱部(12)の劣化を抑制することができる。
【0061】
耐熱部(12)を構成する物質の例としては、金属、熱硬化性樹脂などが挙げられる。耐熱部(12)を構成する金属は、高融点であることが好ましい。耐熱部(12)を構成する金属の例としては、鉄、アルミニウムなどが挙げられる。なお、鉄は、鋳鉄であってもよいし、炭素鋼であってもよい。耐熱部(12)を構成する熱硬化性樹脂は、低熱伝導性を有することが好ましい。耐熱部(12)を構成する熱硬化性樹脂の例としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ワニス、これらの発泡体などが挙げられる。
【0062】
耐熱部(12)は、ケーシング(20)と機能部(11)との間の熱伝達を阻害する機能、および、ケーシング(20)から機能部(11)に印加される応力の集中を緩和する機能の少なくとも一方を有する。以下では、ケーシング(20)と機能部(11)との間の熱伝達を阻害する機能を「第1保護機能」と記載し、ケーシング(20)から機能部(11)に印加される応力の集中を緩和する機能を「第2保護機能」と記載する。
【0063】
〈第1保護機能〉
第1保護機能は、以下のように耐熱部(12)を構成することにより実現される。
【0064】
耐熱部(12)は、製造過程において耐熱部(12)に加えられる熱が耐熱部(12)から機能部(11)に伝達することを阻害することで、機能部(11)をステータ(60)と耐熱部(12)との間に保持するための保持力の熱による低下が阻害されて機能部(11)がステータ(60)と耐熱部(12)との間に保持される状態が維持されるように構成される。
【0065】
このような構成により、製造過程において耐熱部(12)に加えられる熱から機能部(11)を保護することができる。これにより、機能部(11)がステータ(60)と耐熱部(12)との間に保持される状態を維持することができる。
【0066】
なお、上記のような保持力の低下の例としては、熱による機能部(11)の変形、融解、分解などが挙げられる。例えば、熱により機能部(11)が変形すると、機能部(11)と耐熱部(12)との間の密着性または機能部(11)とステータ(60)との間の密着性が低下し、その結果、機能部(11)がステータ(60)と耐熱部(12)との間に保持されなくなる可能性がある。
【0067】
この例では、ステータ(60)と機能部(11)と耐熱部(12)は、ケーシング(20)を焼き嵌めすることにより締結される。機能部(11)が熱により変質する温度は、耐熱部(12)が熱により変質する温度よりも低い。機能部(11)が熱により変質する温度は、熱により機能部(11)の変形、融解、分解などが生じる温度である。熱により変形、融解、分解などが生じる温度の例としては、融点、分解温度などが挙げられる。この例では、機能部(11)の融点または分解温度は、耐熱部(12)の融点または分解温度よりも低い。耐熱部(12)は、焼き嵌め時の機能部(11)の温度が機能部(11)の融点または分解温度以下となるように構成される。なお、耐熱部(12)は、焼き嵌め時に、ケーシング(20)と接触する表面の温度よりも、機能部(11)と接触する表面の温度および機能部(11)の温度が低くなるよう構成されてもよい。また、耐熱部(12)は、焼き嵌め時に、焼き嵌め温度よりも、機能部(11)の温度が低くなるよう構成されてもよい。
【0068】
このような構成により、焼き嵌めにおいて耐熱部(12)に加えられる熱から機能部(11)を保護することができる。これにより、機能部(11)がステータ(60)と耐熱部(12)との間に保持される状態を維持することができる。
【0069】
以上のような構成により、耐熱部(12)は、第1保護機能を有することができる。これにより、ケーシング(20)と機能部(11)との間の熱伝達を阻害することができる。例えば、焼き嵌め時においてケーシング(20)と機能部(11)との間の熱伝達を阻害することができる。
【0070】
〈第2保護機能〉
第2保護機能は、以下の3つの構成の少なくとも1つとなるように耐熱部(12)を構成することにより実現される。
【0071】
耐熱部(12)の機能部(11)と接触する面の表面粗さは、ケーシング(20)の内周面の表面粗さよりも小さい。
【0072】
耐熱部(12)の機能部(11)と接触する面の輪郭度は、ケーシング(20)の内周面の輪郭度よりも小さい。
【0073】
耐熱部(12)の機能部(11)と接触する面の表面硬さは、ケーシング(20)の内周面の表面硬さよりも柔らかい。
【0074】
以上のような構成により、耐熱部(12)は、第2保護機能を有することができる。これにより、ケーシング(20)から機能部(11)に印加される応力の集中を緩和することができる。例えば、焼き嵌め時においてケーシング(20)から機能部(11)に印加される応力の集中を緩和することができる。
【0075】
〔モータ装置の製造方法〕
モータ装置(10)は、以下の3つの製造方法により製造することが可能である。
【0076】
製造方法1:インサート成形により機能部(11)と耐熱部(12)とをステータ(60)の突出部(64)に固定し、その機能部(11)と耐熱部(12)とが固定されたステータ(60)に、ケーシング(20)を焼き嵌めする。具体的には、加熱によりケーシング(20)の径を膨張させ、その径を膨張させたケーシング(20)の内側に、ステータ(60)と機能部(11)と耐熱部(12)とからなる組立体を配置し、冷却によりケーシング(20)の径を収縮させる。これにより、ステータ(60)と機能部(11)と耐熱部(12)とがケーシング(20)により締結される。
【0077】
製造方法2:機能部(11)と耐熱部(12)とを作製し、その作製された機能部(11)と耐熱部(12)とをステータ(60)の突出部(64)に配置し、その機能部(11)と耐熱部(12)とが配置されたステータ(60)に、ケーシング(20)を焼き嵌めする。
【0078】
製造方法3:接着剤により機能部(11)と耐熱部(12)とをステータ(60)の突出部(64)に固定し、その機能部(11)と耐熱部(12)とが固定されたステータ(60)に、ケーシング(20)を焼き嵌めする。
【0079】
〔実施形態1の効果〕
以上のように、実施形態1のモータ装置(10)では、ケーシング(20)と機能部(11)との間に耐熱部(12)を設けることにより、熱に起因する悪影響から機能部(11)を保護することができる。
【0080】
なお、焼き嵌め時に高温のケーシング(20)が機能部(11)に直接的に接触する場合、機能部(11)の温度が急上昇して機能部(11)が劣化してしまうおそれがある。これは、熱に起因する悪影響の一例である。
【0081】
実施形態1のモータ装置(10)では、耐熱部(12)の第1保護機能により、ケーシング(20)と機能部(11)との間における熱伝達を阻害することができるので、焼き嵌め時において機能部(11)の温度上昇を抑制することができる。これにより、焼き嵌め時の温度の急上昇による機能部(11)の劣化を抑制することができる。
【0082】
また、焼き嵌め時にケーシング(20)が機能部(11)と直接的に接触する場合、ケーシング(20)から熱が放出されてケーシング(20)の径が収縮していくと、ケーシング(20)と機能部(11)との接触部の条件によっては、ケーシング(20)から機能部(11)に印加される応力が集中して機能部(11)が劣化してしまうおそれがある。これは、熱に起因する悪影響の一例である。
【0083】
実施形態1のモータ装置(10)では、耐熱部(12)の第2保護機能により、焼き嵌め時においてケーシング(20)から機能部(11)に印加される応力の集中を緩和することができるので、応力を集中により機能部(11)の劣化を抑制することができる。
【0084】
(実施形態1の変形例1)
実施形態1の変形例1のモータ装置(10)は、機能部(11)および耐熱部(12)の形状が実施形態1のモータ装置(10)と異なる。実施形態1の変形例1のモータ装置(10)のその他の構成は、実施形態1のモータ装置(10)の構成と同様である。
【0085】
〔機能部〕
図3に示すように、実施形態1の変形例1のモータ装置(10)では、機能部(11)の軸方向の両端部は、ステータ(60)の突出部(64)の軸方向の両端部に沿うように径方向内方へ向けて延出する。
図3の例では、機能部(11)の縦断面形状は、径方向内方に開口するU字状に形成される。機能部(11)の軸方向の両端部(延出部)は、突出部(64)を軸方向に挟む。
【0086】
言い換えると、機能部(11)は、2つの延出部(11a)を有する。2つの延出部(11a)は、機能部(11)の軸方向の両端部にそれぞれ設けられる。2つの延出部(11a)の各々は、ステータ(60)の突出部(64)の軸方向の端面に沿うように径方向内方へ向けて延出する。2つの延出部(11a)は、ステータ(60)の突出部(64)を軸方向に挟む。
【0087】
〔耐熱部〕
また、
図3に示すように、実施形態1の変形例1のモータ装置(10)では、耐熱部(12)の軸方向の両端部は、機能部(11)の軸方向の両端部(延出部)に沿うように径方向内方へ向けて延出する。
図3の例では、耐熱部(12)の縦断面形状は、径方向内方に開口するU字状に形成される。耐熱部(12)の軸方向の両端部(延出部)は、機能部(11)を軸方向に挟む。
【0088】
言い換えると、耐熱部(12)は、2つの延出部(12a)を有する。2つの延出部(12a)は、耐熱部(12)の軸方向の両端部にそれぞれ設けられる。2つの延出部(12a)の各々は、ステータ(60)の突出部(64)との間に機能部(11)の延出部(11a)を挟んだ状態で、ステータ(60)の突出部(64)の軸方向の端面に沿うように径方向内方へ向けて延出する。2つの延出部(12a)は、ステータ(60)の突出部(64)との間に機能部(11)の延出部(11a)を挟んだ状態で、ステータ(60)の突出部(64)を軸方向に挟む。
【0089】
また、耐熱部(12)は、第1部材および第2部材の一方が他方に対して軸方向に移動することを阻害するように構成される。この例では、耐熱部(12)は、ステータ(60)がケーシング(20)に対して軸方向に移動することを阻害するように構成される。
【0090】
具体的には、耐熱部(12)の延出部(12a)は、ステータ(60)の突出部(64)を軸方向に支持する。このような構成により、ステータ(60)がケーシング(20)に対して軸方向に移動しようとしても、ステータ(60)の外周に設けられた機能部(11)の延出部(11a)がケーシング(20)の内周に設けられた耐熱部(12)の延出部(12a)に当たるので、ステータ(60)のケーシング(20)に対する軸方向への移動が阻害される。
【0091】
なお、実施形態1の変形例1のモータ装置(10)は、上記の製造方法1~3の他に、次の製造方法4により製造することが可能である。
【0092】
製造方法4:縦断面形状が径方向内方に開口するU字状に形成された機能部(11)および耐熱部(12)を作製し、その作製された機能部(11)および耐熱部(12)でステータ(60)の突出部(64)を軸方向に挟み、機能部(11)および耐熱部(12)に突出部(64)を挟まれたステータ(60)に、ケーシング(20)を焼き嵌めする。
【0093】
〔実施形態1の変形例1の効果〕
以上のように、実施形態1の変形例1のモータ装置(10)では、機能部(11)の軸方向の両端部がステータ(60)の突出部(64)の軸方向の両端部に沿うように径方向内方へ向けて延出しているので、機能部(11)を剥がれにくくすることができる。
【0094】
また、実施形態1の変形例1では、耐熱部(12)の軸方向の両端部が機能部(11)の軸方向の両端部に沿うように径方向内方へ向けて延出しているので、耐熱部(12)を剥がれにくくすることができる。
【0095】
また、実施形態1の変形例1では、ステータ(60)のケーシング(20)に対する軸方向への移動を阻害することができるので、ステータ(60)がケーシング(20)に対して軸方向に移動するという事態の発生を防止することができる。これにより、例えば、ステータ(60)の落下止めを行うことができる。
【0096】
なお、以上の説明では、耐熱部(12)が2つの延出部(12a)を有する場合を例に挙げたが、これに限定されない。例えば、耐熱部(12)は、2つの延出部(12a)の片側のみを有するものであってもよい。
【0097】
ステータ(60)に対して、軸方向の一端から他端に向かう方向に、軸方向の他端から一端に向かう方向よりも大きな力が作用する構成の場合、言い換えると、ステータ(60)に対して、軸方向の一端から他端に向かって移動させようとする力が作用する構成の場合、耐熱部(12)は、ステータ(60)の軸方向の他端側のみに径方向内方へ向けて延出する延出部(12a)を有してもよい。例えば、軸方向が鉛直方向に沿う場合、言い換えると、シャフト(50)が上下方向に延びる場合、耐熱部(12)は、ステータ(60)の鉛直方向の下方側のみに径方向内方へ向けて延出する延出部(12a)を有してもよい。
【0098】
(実施形態1の変形例2)
実施形態1の変形例2のモータ装置(10)は、機能部(11)と耐熱部(12)の形状が実施形態1のモータ装置(10)と異なる。実施形態1の変形例2のモータ装置(10)のその他の構成は、実施形態1のモータ装置(10)の構成と同様である。
【0099】
図4に示すように、実施形態1の変形例2のモータ装置(10)では、機能部(11)の周方向の両端部は、ステータ(60)の突出部(64)の周方向の両端部(延出部)に沿うように径方向内方へ向けて延出する。
図4の例では、機能部(11)の横断面形状は、径方向内方に開口するU字状に形成される。機能部(11)の周方向の両端部(延出部)は、突出部(64)を周方向に挟む。
【0100】
言い換えると、機能部(11)は、2つの延出部(11b)を有する。2つの延出部(11b)は、機能部(11)の周方向の両端部にそれぞれ設けられる。2つの延出部(11b)の各々は、ステータ(60)の突出部(64)の周方向の端面に沿うように径方向内方へ向けて延出する。2つの延出部(11b)は、ステータ(60)の突出部(64)を周方向に挟む。
【0101】
また、
図4に示すように、実施形態1の変形例2のモータ装置(10)では、耐熱部(12)の周方向の両端部は、機能部(11)の周方向の両端部に沿うように径方向内方へ向けて延出する。
図4の例では、耐熱部(12)の横断面形状は、径方向内方に開口するU字状に形成される。耐熱部(12)の周方向の両端部(延出部)は、機能部(11)を周方向に挟む。
【0102】
言い換えると、耐熱部(12)は、2つの延出部(12b)を有する。2つの延出部(12b)は、耐熱部(12)の周方向の両端部にそれぞれ設けられる。2つの延出部(12b)の各々は、ステータ(60)の突出部(64)との間に機能部(11)の延出部(11b)を挟んだ状態で、ステータ(60)の突出部(64)の周方向の端面に沿うように径方向内方へ向けて延出する。2つの延出部(12b)は、ステータ(60)の突出部(64)との間に機能部(11)の延出部(11b)を挟んだ状態で、ステータ(60)の突出部(64)を周方向に挟む。
【0103】
また、耐熱部(12)は、第1部材および第2部材の一方が他方に対して回転することを阻害するように構成される。この例では、耐熱部(12)は、ステータ(60)がケーシング(20)に対して回転することを阻害するように構成される。
【0104】
具体的には、耐熱部(12)の延出部(12b)は、ステータ(60)の突出部(64)を周方向に支持する。このような構成により、ステータ(60)がケーシング(20)に対して回転しようとしても、ステータ(60)の外周に設けられた機能部(11)の延出部(11b)がケーシング(20)の内周に設けられた耐熱部(12)の延出部(12b)に当たるので、ステータ(60)のケーシング(20)に対する回転が阻害される。
【0105】
なお、実施形態1の変形例2のモータ装置(10)は、上記の製造方法1~3の他に、次の製造方法5により製造することが可能である。
【0106】
製造方法5:横断面形状が径方向内方に開口するU字状に形成された機能部(11)および耐熱部(12)を作製し、その作製された機能部(11)および耐熱部(12)でステータ(60)の突出部(64)を周方向に挟み、機能部(11)および耐熱部(12)に突出部(64)を挟まれたステータ(60)に、ケーシング(20)を焼き嵌めする。
【0107】
〔実施形態1の変形例2の効果〕
以上のように、実施形態1の変形例2のモータ装置(10)では、機能部(11)の周方向の両端部がステータ(60)の突出部(64)の周方向の両端部に沿うように径方向内方へ向けて延出しているので、機能部(11)を剥がれにくくすることができる。
【0108】
また、実施形態1の変形例2では、耐熱部(12)の周方向の両端部が機能部(11)の周方向の両端部に沿うように径方向内方へ向けて延出しているので、耐熱部(12)を剥がれにくくすることができる。
【0109】
また、実施形態1の変形例2では、ステータ(60)のケーシング(20)に対する回転を阻害することができるので、ステータ(60)がケーシング(20)に対して回転するという事態の発生を防止することができる。これにより、例えば、ステータ(60)の回り止めを行うことができる。
【0110】
なお、以上の説明では、耐熱部(12)が2つの延出部(12b)を有する場合を例に挙げたが、これに限定されない。例えば、耐熱部(12)は、2つの延出部(12b)の片側のみを有するものであってもよい。
【0111】
ステータ(60)に対して、周方向の一方向に、他方向よりも大きな力が作用する構成の場合、耐熱部(12)は、機能部(11)の延出部(11b)の周方向の一方向の下流側の端部のみに沿うように径方向内方へ向けて延出する延出部(12a)を有してもよい。例えば、ロータ(70)が一方向にのみ回転するよう構成される場合、耐熱部(12)は、機能部(11)の延出部(11b)の端部のうち、ロータ(70)の回転方向の上流側の端部のみに沿うように径方向内方へ向けて延出する延出部(12a)を有してもよい。
【0112】
(実施形態1の変形例3)
実施形態1の変形例3のモータ装置(10)は、耐熱部(12)の形状が実施形態1の変形例1のモータ装置(10)と異なる。実施形態1の変形例3のモータ装置(10)のその他の構成は、実施形態1の変形例1のモータ装置(10)の構成と同様である。
【0113】
図5に示すように、実施形態1の変形例3のモータ装置(10)では、耐熱部(12)の縦断面形状は、波状となっている。
図5の例では、耐熱部(12)は、板状部材であり、軸方向において波状に形成されている。また、耐熱部(12)は、弾性を有する。
【0114】
〔実施形態1の変形例3の効果〕
以上のように、実施形態1の変形例3のモータ装置(10)では、耐熱部(12)の縦断面形状を波状にすることにより、耐熱部(12)がケーシング(20)と機能部(11)とに密に接触する場合よりも、ケーシング(20)と機能部(11)との間の熱伝達を阻害することができる。
【0115】
また、実施形態1の変形例3では、耐熱部(12)が弾性を有するので、耐熱部(12)により弾性支持構造を構成することができる。これにより、ステータ(60)とケーシング(20)との間の振動の伝達を抑制することができる。
【0116】
なお、耐熱部(12)は、弾性を有していなくてもよい。
【0117】
(実施形態1の変形例4)
実施形態1の変形例4のモータ装置(10)は、耐熱部(12)の形状が実施形態1の変形例2のモータ装置(10)と異なる。実施形態1の変形例4のモータ装置(10)のその他の構成は、実施形態1の変形例2のモータ装置(10)の構成と同様である。
【0118】
図6に示すように、実施形態1の変形例4のモータ装置(10)では、耐熱部(12)の横断面形状は、波状となっている。
図6の例では、耐熱部(12)は、板状部材であり、周方向において波状に形成されている。また、耐熱部(12)は、弾性を有する。
【0119】
〔実施形態1の変形例4の効果〕
以上のように、実施形態1の変形例4のモータ装置(10)では、耐熱部(12)の横断面形状を波状にすることより、耐熱部(12)がケーシング(20)と機能部(11)とに密に接触する場合よりも、ケーシング(20)と機能部(11)との間の熱伝達を阻害することができる。
【0120】
また、実施形態1の変形例4では、耐熱部(12)が弾性を有するので、耐熱部(12)により弾性支持構造を構成することができる。これにより、ステータ(60)とケーシング(20)との間の振動の伝達を抑制することができる。
【0121】
なお、耐熱部(12)は、弾性を有していなくてもよい。
【0122】
(実施形態1の変形例5)
実施形態1の変形例5のモータ装置(10)は、耐熱部(12)の形状が実施形態1の変形例1のモータ装置(10)と異なる。実施形態1の変形例5のモータ装置(10)のその他の構成は、実施形態1の変形例1のモータ装置(10)の構成と同様である。
【0123】
図7に示すように、実施形態1の変形例5のモータ装置(10)では、ケーシング(20)と耐熱部(12)との間に空間15(空気層)が形成されている。
【0124】
〔実施形態1の変形例5の効果〕
以上のように、実施形態1の変形例5のモータ装置(10)では、ケーシング(20)と耐熱部(12)との間に空間15(空気層)が形成されているので、耐熱部(12)がケーシング(20)と密に接触する場合よりも、ケーシング(20)と機能部(11)との間の熱伝達を阻害することができる。
【0125】
なお、実施形態1の変形例2のモータ装置(10)において、ケーシング(20)と耐熱部(12)との間に空間15(空気層)が形成されてもよい。
【0126】
(実施形態1の変形例6)
実施形態1の変形例6のモータ装置(10)は、製造方法が実施形態1のモータ装置(10)と異なる。実施形態1の変形例6のモータ装置(10)のその他の構成は、実施形態1のモータ装置(10)の構成と同様である。
【0127】
実施形態1の変形例6のモータ装置(10)では、耐熱部(12)は、ステータ(60)と機能部(11)とが密着し、且つ、機能部(11)と耐熱部(12)とが密着した状態で、溶接によりケーシング(20)と接合される。
【0128】
(実施形態2)
図8および
図9は、実施形態2のモータ装置(10)の構成を例示する。実施形態2のモータ装置(10)は、機能部(11)および耐熱部(12)が実施形態1のモータ装置(10)と異なる。実施形態2のモータ装置(10)のその他の構成は、実施形態1のモータ装置(10)の構成と同様である。
【0129】
〔機能部〕
実施形態2では、機能部(11)は、シャフト(50)の外周に設けられる。機能部(11)は、シャフト(50)と接触する。シャフト(50)は、第1部材の一例である。
【0130】
この例では、機能部(11)は、円筒状に形成され、シャフト(50)の外周面のうち径方向においてロータ(70)の内周面と対向する部分である対向面を覆う。具体的には、機能部(11)は、軸方向においてシャフト(50)の対向面に沿うように延びる。また、機能部(11)は、周方向においてシャフト(50)の対向面に沿うように延びる。機能部(11)の横断面形状は、円環状となっている。
【0131】
なお、機能部(11)は、シャフト(50)の対向面よりも大きくてもよいし、シャフト(50)の対向面よりも小さくてもよい。例えば、機能部(11)の表面積(シャフト(50)の対向面と接触する部分の面積)は、シャフト(50)の対向面の面積よりも大きくてもよいし、シャフト(50)の対向面の面積よりも小さくてもよい。
【0132】
機能部(11)は、シャフト(50)とロータ(70)とを絶縁する機能、および、シャフト(50)とロータ(70)との間の振動の伝達を抑制する機能の少なくとも一方を有する。このような構成により、シャフト(50)とロータ(70)との絶縁、および、シャフト(50)とロータ(70)との間における振動の伝達の抑制の少なくとも一方を実現することができる。
【0133】
〔耐熱部〕
実施形態2では、耐熱部(12)は、ロータ(70)と機能部(11)との間に設けられる。耐熱部(12)は、ロータ(70)と機能部(11)の両方と接触する。耐熱部(12)は、ロータ(70)と機能部(11)との接触を防止する。ロータ(70)は、第2部材の一例である。シャフト(50)とロータ(70)との組合せは、第1部材と第2部材との組合せの一例である。
【0134】
この例では、耐熱部(12)は、円筒状に形成され、機能部(11)の外周面を覆う。具体的には、耐熱部(12)は、軸方向において機能部(11)の外周面に沿うように延びる。また、耐熱部(12)は、周方向において機能部(11)の外周面に沿うように延びる。耐熱部(12)の横断面形状は、円環状となっている。
【0135】
なお、耐熱部(12)は、機能部(11)よりも大きくてもよいし、機能部(11)よりも小さくてもよい。例えば、耐熱部(12)の表面積(機能部(11)と接触する部分の面積)は、機能部(11)の表面積よりも大きくてもよいし、機能部(11)の表面積よりも小さくてもよい。また、耐熱部(12)は、ロータ(70)の内周面よりも大きくてもよいし、ロータ(70)の内周面よりも小さくてもよい。
【0136】
また、この例では、シャフト(50)と機能部(11)と耐熱部(12)は、ロータ(70)を焼き嵌めすることにより締結される。耐熱部(12)が熱により変質する温度は、焼き嵌め温度よりも高い。具体的には、耐熱部(12)の融点または分解温度は、焼き嵌め温度よりも高い。このような構成により、焼き嵌め時の熱による耐熱部(12)の劣化を抑制することができる。
【0137】
また、実施形態2では、耐熱部(12)は、シャフト(50)とロータ(70)とを絶縁する機能、および、シャフト(50)とロータ(70)との間の振動の伝達を抑制する機能の少なくとも一方を有する。以下では、ロータ(70)と機能部(11)との間の熱伝達を阻害する機能を「第1保護機能」と記載し、ロータ(70)から機能部(11)に印加される応力の集中を緩和する機能を「第2保護機能」と記載する。
【0138】
なお、実施形態2の第1保護機能を実現するための構成は、実施形態1の第1保護機能を実現するための構成と同様である。具体的には、実施形態2の第1保護機能を実現するための構成は、実施形態1の第1保護機能を実現するための構成のうち「ステータ(60)」を「シャフト(50)」に置き換えて「ケーシング(20)」を「ロータ(70)」に置き換えた構成に該当する。
【0139】
〔実施形態2の効果〕
以上のように、実施形態2のモータ装置(10)では、ロータ(70)と機能部(11)との間に耐熱部(12)を設けることにより、熱に起因する悪影響から機能部(11)を保護することができる。
【0140】
また、実施形態2のモータ装置(10)では、実施形態1のモータ装置(10)の効果と同様の効果を得ることができる。
【0141】
(実施形態2の変形例1)
実施形態2の変形例1のモータ装置(10)は、機能部(11)および耐熱部(12)の形状が実施形態2のモータ装置(10)と異なる。実施形態2の変形例1のモータ装置(10)のその他の構成は、実施形態2のモータ装置(10)の構成と同様である。
【0142】
〔機能部〕
図10に示すように、実施形態2の変形例1のモータ装置(10)では、機能部(11)の軸方向長さは、シャフト(50)の対向面(シャフト(50)の外周面のうち径方向においてロータ(70)の内周面と対向する部分)の軸方向長さより短い。
【0143】
〔耐熱部〕
また、
図10に示すように、実施形態2の変形例1のモータ装置(10)では、耐熱部(12)の軸方向の両端部は、機能部(11)の軸方向の両端部に沿うように径方向内方へ向けて延出し、機能部(11)を軸方向に挟む。
【0144】
言い換えると、耐熱部(12)は、2つの延出部(12c)を有する。2つの延出部(12c)は、耐熱部(12)の軸方向の両端部にそれぞれ設けられる。2つの延出部(12c)の各々は、円環状に形成され、機能部(11)の軸方向の端面に沿うように径方向内方へ向けて延出する。2つの延出部(12c)は、機能部(11)を軸方向に挟む。
【0145】
また、この例では、耐熱部(12)は、ロータ(70)がシャフト(50)に対して軸方向に移動することを阻害するように構成される。具体的には、耐熱部(12)の延出部(12c)は、機能部(11)を軸方向に挟む。このような構成により、ロータ(70)がシャフト(50)に対して軸方向に移動しようとしても、ロータ(70)の内周に設けられた耐熱部(12)の延出部(12c)がシャフト(50)の外周に設けられた機能部(11)に当たるので、ロータ(70)のシャフト(50)に対する軸方向への移動が阻害される。
【0146】
〔実施形態2の変形例1の効果〕
以上のように、実施形態2の変形例1のモータ装置(10)では、ロータ(70)のシャフト(50)に対する軸方向への移動を阻害することができるので、ロータ(70)がシャフト(50)に対して軸方向に移動するという事態の発生を防止することができる。これにより、例えば、ロータ(70)の落下止めを行うことができる。
【0147】
なお、以上の説明では、耐熱部(12)の延出部(12c)が径方向内方へ向けて延出する場合を例に挙げたが、これに限定されない。例えば、耐熱部(12)の延出部(12c)は、ロータ(70)の軸方向の端面に沿うように、径方向外方へ向けて延出してもよい。この場合、ロータ(70)の軸方向の端面の中心部に、耐熱部(12)の延出部(12c)が嵌合する凹部が設けられてもよい。
【0148】
また、以上の説明では、耐熱部(12)が2つの延出部(12c)を有する場合を例に挙げたが、これに限定されない。例えば、耐熱部(12)は、2つの延出部(12c)の片側のみを有するものであってもよい。
【0149】
ロータ(70)に対して、軸方向の一端から他端に向かう方向に、軸方向の他端から一端に向かう方向よりも大きな力が作用する構成の場合、言い換えると、ロータ(70)に対して、軸方向の一端から他端に向かって移動させようとする力が作用する構成の場合、耐熱部(12)は、ロータ(70)の軸方向の他端側のみに径方向内方へ向けて延出する延出部(12c)を有してもよい。例えば、軸方向が鉛直方向に沿う場合、言い換えると、シャフト(50)が上下方向に延びる場合、耐熱部(12)は、ロータ(70)の鉛直方向の下方側のみに、径方向内方へ向けて延出する延出部(12c)を有してもよい。
【0150】
また、以上の説明では、耐熱部(12)の延出部(12c)が径方向内方へ向けて延出する場合と、径方向外方へ向けて延出する場合とを例に挙げたが、これに限定されない。例えば、耐熱部(12)の延出部(12c)は、径方向内方へ向けて延出する2つの延出部(12c)と、径方向外方へ向けて延出する2つの延出部(12c)とを有するものであってもよい。
【0151】
また、耐熱部(12)の延出部(12c)は、径方向内方へ向けて延出する1つの延出部(12c)と、径方向外方へ向けて延出する1つの延出部(12c)とを有するものであってもよい。この場合、径方向内方へ向けて延出する1つの延出部(12c)は、径方向外方へ向けて延出する1つの延出部(12c)が設けられた軸方向端部とは別の軸方向端部に設けられてもよい。
【0152】
ロータ(70)に対して、軸方向の一端から他端に向かう方向に、軸方向の他端から一端に向かう方向よりも大きな力が作用する構成の場合、言い換えると、ロータ(70)に対して、軸方向の一端から他端に向かって移動させようとする力が作用する構成の場合、径方向内方へ向けて延出する1つの延出部(12c)を軸方向の他端側に設け、径方向外方へ向けて延出する1つの延出部(12c)を軸方向の一端側に設けてもよい。例えば、軸方向が鉛直方向に沿う場合、言い換えると、シャフト(50)が上下方向に延びる場合、径方向内方へ向けて延出する1つの延出部(12c)を鉛直方向の下方側に設け、径方向外方へ向けて延出する1つの延出部(12c)を鉛直方向の上方側に設けてもよい。
【0153】
(実施形態2の変形例2)
実施形態2の変形例2のモータ装置(10)は、耐熱部(12)の形状が実施形態2のモータ装置(10)と異なる。実施形態2の変形例2のモータ装置(10)のその他の構成は、実施形態2のモータ装置(10)の構成と同様である。
【0154】
〔耐熱部〕
図11に示すように、耐熱部(12)には、複数の突出部(12d)が設けられる。複数の突出部(12d)の各々は、耐熱部(12)から径方向内方へ向けて突出して機能部(11)に食い込む。この例では、耐熱部(12)には、周方向において等間隔に配置された4つの突出部(12d)が設けられる。
【0155】
また、この例では、耐熱部(12)は、ロータ(70)がシャフト(50)に対して回転することを阻害するように構成される。具体的には、耐熱部(12)の突出部(12d)は、径方向内方へ向けて突出して機能部(11)に食い込む。このような構成により、ロータ(70)がシャフト(50)に対して回転しようとしても、ロータ(70)の内周に設けられた耐熱部(12)の突出部(12d)がシャフト(50)の外周に設けられた機能部(11)に当たるので、ロータ(70)のシャフト(50)に対する回転が阻害される。
【0156】
〔実施形態2の変形例2の効果〕
以上のように、実施形態2の変形例2のモータ装置(10)では、ロータ(70)のシャフト(50)に対する回転を阻害することができるので、ロータ(70)がシャフト(50)に対して回転するという事態の発生を防止することができる。これにより、例えば、ロータ(70)の回り止めを行うことができる。
【0157】
なお、以上の説明では、耐熱部(12)が4つの突出部(12d)を有する場合を例に挙げたが、これに限定されない。例えば、耐熱部(12)は、3つ以下の突出部(12d)を有するものであってもよいし、5つ以上の突出部(12d)を有するものであってもよい。
【0158】
また、以上の説明では、耐熱部(12)の突出部(12d)が径方向内方へ向けて延出する場合を例に挙げたが、これに限定されない。例えば、耐熱部(12)の突出部(12d)は、径方向外方へ向けて延出してロータ(70)に食い込んでもよい。この場合、ロータ(70)の内周面に、耐熱部(12)の突出部(12d)が嵌合する凹部が設けられてもよい。
【0159】
(実施形態2の変形例3)
実施形態2の変形例3のモータ装置(10)は、製造方法が実施形態2のモータ装置(10)と異なる。実施形態2の変形例3のモータ装置(10)のその他の構成は、実施形態2のモータ装置(10)の構成と同様である。
【0160】
実施形態2の変形例3のモータ装置(10)では、耐熱部(12)は、シャフト(50)と機能部(11)とが密着し、且つ、機能部(11)と耐熱部(12)とが密着した状態で、溶接によりロータ(70)と接合される。
【0161】
(冷凍装置)
図12は、モータ装置(10)を有する圧縮機(CC)を備えた冷凍装置(RR)の構成を例示する。冷凍装置(RR)は、冷媒が充填された冷媒回路(RR1)を有する。冷媒回路(RR1)は、圧縮機(CC)と、放熱器(RR5)と、減圧機構(RR6)と、蒸発器(RR7)とを有する。この例では、減圧機構(RR6)は、膨張弁である。冷媒回路(RR1)は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う。
【0162】
冷凍サイクルでは、圧縮機(CC)から吐出された冷媒は、放熱器(RR5)において放熱する。放熱器(RR5)から流出した冷媒は、減圧機構(RR6)において減圧され、蒸発器(RR7)において蒸発する。そして、蒸発器(RR7)から流出した冷媒は、圧縮機(CC)に吸入される。
【0163】
この例では、冷凍装置(RR)は、空気調和機である。空気調和機は、冷房専用機であってもよいし、暖房専用機であってもよい。また、空気調和機は、冷房と暖房とを切り換える空気調和機であってもよい。この場合、空気調和機は、冷媒の循環方向を切り換える切換機構(例えば四方切換弁)を有する。また、冷凍装置(RR)は、給湯器、チラーユニット、庫内の空気を冷却する冷却装置などであってもよい。冷却装置は、冷蔵庫、冷凍庫、コンテナなどの内部の空気を冷却する。
【0164】
(その他の実施形態)
以上の説明では、ステータ(60)が突出部(64)を有する場合を例に挙げたが、これに限定されない。ステータ(60)は、突出部(64)を有さなくてもよい。例えば、ステータ(60)の外周面は、円筒面になっていてもよい。また、機能部(11)および耐熱部(12)は、ステータ(60)の外周の全周に亘って形成されてもよい。
【0165】
また、実施形態および変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態および変形例は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり置換したりしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0166】
以上説明したように、本開示は、モータ装置として有用である。
【符号の説明】
【0167】
10 モータ装置
11 機能部
12 耐熱部
20 ケーシング
30 モータ
40 圧縮機構
50 シャフト
60 ステータ
61 ステータコア
62 バックヨーク
63 ティース
64 突出部
70 ロータ
CC 圧縮機
RR 冷凍装置