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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-06
(45)【発行日】2024-08-15
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/34 20120101AFI20240807BHJP
【FI】
G06Q50/34
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2023175381
(22)【出願日】2023-10-10
(62)【分割の表示】P 2019168058の分割
【原出願日】2019-09-17
(65)【公開番号】P2023175974
(43)【公開日】2023-12-12
【審査請求日】2023-10-24
(73)【特許権者】
【識別番号】500033117
【氏名又は名称】株式会社MIXI
(72)【発明者】
【氏名】高橋 雄次郎
【審査官】岡北 有平
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-142609(JP,A)
【文献】特開2010-86389(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、前記プロセッサは、
グループを構成する利用者のそれぞれに対応付けられた端末装置のいずれかから、複数の投票対象の選択を受け付け、
前記利用者のそれぞれから購入する投票対象の選択を受け付け、
選択した投票対象に基づいた利用者それぞれの購入費用を算出し、前記利用者のそれぞれから購入費用の負担額の変更の指示を受け付け可能にし、
前記投票対象を購入する購入指示を受け付けた場合に、前記グループに属する前記利用者のそれぞれの預託金の額を更新し、
前記投票対象に対して報酬が発生した場合に、前記投票対象の購入費用に対する各利用者の負担割合に基づいて、前記報酬に対する各利用者の報酬額を算出し、該報酬額を以降の投票対象の購入費用に利用可能な預託金として管理する、
情報処理装置。
【請求項2】
プロセッサに、グループを構成する利用者のそれぞれに対応付けられた端末装置のいずれかから、複数の投票対象の選択を受け付けさせ、
プロセッサに、前記利用者のそれぞれから購入する投票対象の選択を受け付けさせ、
プロセッサに、選択した投票対象に基づいた利用者それぞれの購入費用を算出し、前記利用者のそれぞれから購入費用の負担額の変更の指示を受け付け可能にさせ、
プロセッサに、前記投票対象を購入する購入指示を受け付けた場合に、前記グループに属する前記利用者のそれぞれの預託金の額を更新させ、
プロセッサに、前記投票対象に対して報酬が発生した場合に、前記投票対象の購入費用に対する各利用者の負担割合に基づいて、前記報酬に対する各利用者の報酬額を算出させ、該報酬額を以降の投票対象の購入費用に利用可能な預託金として管理させる、
処理を実行させるプログラム。
【請求項3】
プロセッサが、グループを構成する利用者のそれぞれに対応付けられた端末装置のいずれかから、複数の投票対象の選択を受け付け、
プロセッサが、前記利用者のそれぞれから購入する投票対象の選択を受け付け、
プロセッサが、選択した投票対象に基づいた利用者それぞれの購入費用を算出し、前記利用者のそれぞれから購入費用の負担額の変更の指示を受け付け可能にし、
プロセッサが、前記投票対象を購入する購入指示を受け付けた場合に、前記グループに属する前記利用者のそれぞれの預託金の額を更新し、
プロセッサが、前記投票対象に対して報酬が発生した場合に、前記投票対象の購入費用に対する各利用者の負担割合に基づいて、前記報酬に対する各利用者の報酬額を算出し、該報酬額を以降の投票対象の購入費用に利用可能な預託金として管理する、
情報処理方法。
【請求項4】
サーバと端末装置とを備え、
前記サーバは、
グループを構成する利用者のそれぞれに対応付けられた端末装置のいずれかから、複数の投票対象の選択を受け付け、
前記利用者のそれぞれから購入する投票対象の選択を受け付け、
選択した投票対象に基づいた利用者それぞれの購入費用を算出し、前記利用者のそれぞれから購入費用の負担額の変更の指示を受け付け可能にし、
前記投票対象を購入する購入指示を受け付けた場合に、前記グループに属する前記利用者のそれぞれの預託金の額を更新し、
前記投票対象に対して報酬が発生した場合に、前記投票対象の購入費用に対する各利用者の負担割合に基づいて、前記報酬に対する各利用者の報酬額を算出し、該報酬額を以降の投票対象の購入費用に利用可能な預託金として管理する、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
勝馬投票券や、勝者投票券、勝舟投票券、勝車投票券、スポーツ振興投票券等の様々な投票券が存在する。これらは、個人で購入することが多いが、複数人で共同購入することで、投票先の決定までの経緯を楽しむなど、個人での購入とは別の楽しみ方が生じることがある。
また、ボックス買い等の複数の投票券をまとめて購入する買い方をする場合には、比較的高額の費用が発生するため、個人で購入するのではなく、複数人で共同購入したいといった要望もある。
一方、複数人で共同購入を行う場合には、各人が購入費用を負担することとなり、これらの管理を行うことが必要となる。
なお、特許文献1には、共同決済のための技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6486593号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前述の投票に対して報酬が発生することがあるが、特許文献1に記載された技術では、発生した報酬に対処することが困難である。
【0005】
本発明は、かかる事情を鑑みてなされたものであり、複数人で投票券の共同購入を行う場合の資金管理を容易に行うことのできる情報処理装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、端末装置と通信可能な情報処理装置であって、受付部と管理部を備え、前記受付部は、グループを構成する利用者のそれぞれに対応付けられた端末装置のいずれかから、少なくとも1つの投票対象の選択を受け付け、前記管理部は、前記投票対象に対して報酬が発生した場合に、前記投票対象の購入費用に対する各利用者の負担割合に基づいて、前記報酬に対する各利用者の報酬額を算出し、該報酬額を以降の投票対象の購入費用に利用可能な預託金として管理する、情報処理装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、複数の利用者による投票の共同購入及び報酬の管理が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係る情報処理装置1を含めたシステム100の構成を示 した図である。
図2】情報処理装置1と端末3の機能的な構成を示すブロック図である。
図3】情報保持部104が記憶保持する利用者情報の一例を示した図である。
図4】情報保持部104が記憶保持するグループ情報の一例を示した図である。
図5】投票対象の共同購入処理の流れを示すアクティビティ図である。
図6】投票先情報の一例を示した図である。
図7】共同購入情報の一例を示した図である。
図8】報酬を分配する際の処理の流れを示すアクティビティ図である。
図9】情報保持部104が記憶保持する資金情報の一例を示した図である。
図10】出入金処理の流れを示すアクティビティ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。特に、本明細書において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報(プログラム、各コンテンツ等)を取り扱うが、これら情報は、0又は1で構成される2進数のビット集合体として信号値の高低によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0010】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0011】
1.全体構成
図1は、本発明の実施形態に係る情報処理装置1を含めたシステム100の構成を示した図である。同図に示すように、システム100は、情報処理装置1と複数の端末である、端末3-1~端末3-nを含んで構成される。情報処理装置1と端末3-1~端末3-nは、インターネット等のネットワーク2を介して相互に通信可能となっている。
【0012】
同図に示すように、情報処理装置1は、処理部11と、記憶部12と、一時記憶部13と、外部装置接続部14と、通信部15を有しており、これらの構成要素が情報処理装置1の内部において通信バス10を介して電気的に接続されている。
【0013】
処理部11は、例えば、中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)により実現されるもので、記憶部12に記憶された所定のプログラムに従って動作し、種々の機能を実現する。
【0014】
記憶部12は、様々な情報を記憶する不揮発性の記憶媒体である。これは、例えばハードディスクドライブ(Hard Disk Drive:HDD)やソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスにより実現される。なお、記憶部12は、情報処理装置1と通信可能な別の装置に配するようにすることも可能である。
【0015】
一時記憶部13は、揮発性の記憶媒体である。これは、例えばランダムアクセスメモリ
(Random Access Memory:RAM)等のメモリにより実現され、処理部11が動作する際に一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶する。
【0016】
外部装置接続部14は、例えばユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus:USB)や高精細度マルチメディアインターフェース(High-Definition Multimedia Interface:HDMI)といった規格に準じた接続部であり、キーボード等の入力装置やモニタ等の表示装置を接続可能としている。
【0017】
通信部15は、例えばローカルエリアネットワーク(Local Area Network:LAN)規格に準じた通信手段であり、情報処理装置1とネットワーク2の間の通信を実現する。
【0018】
なお、情報処理装置1には、汎用のサーバ向けのコンピュータ等を利用することが可能であり、複数のコンピュータを用いて情報処理装置1を構成することも可能である。
【0019】
また、端末3-1~端末3-nは、それぞれ、スマートフォンやタブレット端末等の通信手段を有する端末である。これらは、汎用のものであるため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0020】
2.情報処理装置1の機能
図2は、情報処理装置1と端末3の機能的な構成を示すブロック図である。同図に示す端末3は、図1に示した端末3-1~端末3-nのうちの任意のものである。この図2に示す各部は、情報処理装置1と端末3のそれぞれでプログラムを実行することにより実現される。
【0021】
同図に示すように、情報処理装置1は、管理部101と、提示部102と、受付部103と、情報保持部104とを備える。
【0022】
管理部101は、利用者情報の管理や、投票対象の購入費用に利用する預託金の管理、投票対象の購入費用の利用者毎の負担割合の管理、投票対象の購入費用の利用者毎の負担額の算出等を行う。
【0023】
例えば、管理部101は、受付部103が受け付けた指示に応じて負担割合を変更して購入費用の利用者毎の負担額を算出する。また、予め指定された時刻に達した際に、利用者の少なくとも一部に対応する預託金の額が負担額に満たない場合に、負担割合を変更する。
【0024】
また、管理部101は、投票対象に対して報酬が発生した場合に、投票対象の購入費用に対する各利用者の負担割合に基づいて、報酬に対する各利用者の報酬額を算出し、該報酬額を以降の投票対象の購入費用に利用可能な預託金として管理する。
【0025】
提示部102は、利用者に対して様々な情報を提示し、これらの端末3に通知する。例えば、提示部102は、利用者のうち、預託金の額が負担額に満たない利用者が存在する場合、負担額と預託金の額の差額を提示する。
【0026】
また、提示部102は、受付部103が投票対象の選択を受け付ける際に、グループの利用者である代表者に対応付けられた端末3で利用可能な販売元を提示する。投票対象の購入は、グループの代表者が行うため、代表者が利用登録等を行っていない販売元からの投票対象の購入は、困難となるためである。
【0027】
受付部103は、利用者やグループの登録を受け付ける。また、受付部103は、グループを構成する利用者のそれぞれに対応付けられた端末3のいずれかから、少なくとも1つの投票対象の選択を受け付ける。さらに、受付部103は、負担割合の増加と、負担割合の減少と、購入費用の負担額の指定とのうちのいずれかの指示を受け付ける。
【0028】
情報保持部104は、管理部101による管理に必要な情報を記憶保持する。なお、情報保持部104が記憶保持する情報の詳細については後述する。
【0029】
また、端末3は、画面表示部301と、通知部302と、操作入力部303とを備える。
【0030】
画面表示部301は、情報処理装置1の提示部102が提示する情報等を、画面に表示する。
【0031】
通知部302は、情報処理装置1の提示部102が情報を提示した際に、音又は振動により、利用者に通知を行う。
【0032】
操作入力部303は、情報処理装置1に対する指示等を入力する。操作入力部303に入力された指示等は、情報処理装置1の受付部103が受け付ける。
【0033】
3.利用者及びグループの登録
次に、情報処理装置1への利用者及びグループの登録について説明する。図3は、情報保持部104が記憶保持する利用者情報の一例を示した図である。また、図4は、情報保持部104が記憶保持するグループ情報の一例を示した図である。
【0034】
図3に示すように、情報保持部104が記憶保持する利用者情報は、利用者IDに、利用者の氏名と、当該利用者の利用可能な投票先等が関連付けられている。利用者IDは、利用者情報が登録された際に、管理部101が付与するユニークな識別情報である。氏名は、利用者の氏名であり、管理部101が受け付ける。また、利用者が利用可能な投票先は、例えば、競馬、競輪、競艇等の投票券をネットワーク2経由で購入することができるか否かを示し、具体的には、利用者が利用登録している投票先である。また、この他にも、メールアドレス等の連絡先等を利用者情報として登録させ、利用者情報として情報保持部104が記憶保持するようにしてもよい。
【0035】
これらの利用者情報は、利用者の各々が、端末3を利用して入力し、受付部103がこれを受け付け、管理部101が情報保持部104に記憶保持させる。
【0036】
図4に示すように、情報保持部104が記憶保持するグループ情報は、グループIDに、利用者IDと、代表者を示すフラグとが関連付けられている。グループは、各利用者が作成可能なものであり、グループの作成を利用する希望者が、端末3を利用してグループ作成の申請を行い、受付部103がこれを受け付けると、管理部101が新たなグループを作成する。このとき、管理部101は、ユニークな識別情報であるグループIDを付与する。また、グループを作成した時点では、グループの作成を申請した利用者が代表者となる。
【0037】
グループの代表者となった利用者は、その後、グループに加えた利用者に対して、口頭またはメール等でグループへの参加を促し、これを受けた利用者が端末3を操作してグループ参加の申請を行い、受付部103がこれを受け付けると、管理部101が当該利用者を、既存のグループに含めるように処理を行う。なお、グループへ参加する利用者が複数人になった際には、これら利用者のいずれかに代表者を変更することが可能であり、受付部103は、代表者の変更申請を適宜受け付ける。
【0038】
4.共同購入
次に、情報処理装置1による投票対象の共同購入処理について説明する。図5は、投票対象の共同購入処理の流れを示すアクティビティ図である。
【0039】
まず、受付部103が、端末3から新規の共同購入が申請されると、管理部101は、まず、投票対象範囲を特定する(A101)。管理部101による投票対象範囲の特定は、図6に示す投票先情報から、新規の共同購入を申請した利用者が属するグループ(当該利用者が複数のグループに属する場合には、当該利用者により選択されたグループ)の代表者が利用可能な投票先を特定する。図6は、投票先情報の一例を示した図である。
【0040】
投票先情報は、管理部101がネットワーク2を介して各投票先から販売中の投票対象の情報を収集したもので、情報保持部104に記憶保持されているものである。管理部101は、例えば、該当する代表者が利用可能な投票先が競馬のみであれば、投票先情報のうち、競馬の情報のみを、投票対象範囲として特定する。
【0041】
管理部101が投票対象範囲を特定すると、提示部102が新規の共同購入を申請した利用者の端末3に投票対象範囲を提示する(A102)。
【0042】
そして、新規の共同購入を申請した利用者が提示された投票対象範囲から所望の投票対象を選択すると、これを受付部103が受け付ける(A103)。
【0043】
受付部103が投票対象を受け付けると、管理部101が、当該投票対象を購入する際の各利用者の負担額を算出する(A104)。負担額は、該当するグループに属する各利用者の負担割合を等分として算出するが、予め負担割合が定められていた場合には、その負担割合に従って、グループに属する各利用者の負担額を算出する。
【0044】
管理部101が負担額を算出すると、提示部102が、各利用者の端末3に負担額を提示する(A105)。このとき、負担額の提示対象の利用者のうち、預託金の額が提示する負担額に満たない利用者が存在する場合、当該利用者には、負担額と預託金の額の差額を提示する。なお、預託金については後述する。
【0045】
また、購入対象や負担額等は、管理部101により、共同購入情報として情報保持部104に記憶保持される。図7は、共同購入情報の一例を示した図である。同図に示すように、共同購入情報は、共同購入IDに、グループID、投票先ID、利用者ID、購入金額、負担割合、負担額を関連付けられている。
【0046】
共同購入IDは、受付部103が投票対象を受け付けた際に、管理部101が生成するユニークな識別情報である。
【0047】
その後、指定時刻に到達する前に、受付部103がグループに属する利用者のいずれかから負担割合の変更指示を受け付けると、管理部101は、指示内容に従って、負担割合を変更する(A106)。指定時刻とは、該当する投票対象の販売終了時刻よりも一定時間前、例えば、30分前の時刻である。
【0048】
管理部101は、負担割合を変更すると、変更した負担割合に基づいて、当該投票対象を購入する際の各利用者の負担額を算出し(A104)、提示部102が、各利用者の端末3に負担額を提示する(A105)。
【0049】
なお、負担割合の変更指示は、負担割合の増加や減少は、もちろんのこと、負担割合を0とする指示も含む。また、負担割合の変更指示は、金額で指示するようにしてもよい。負担割合又は負担額が0の指示は、該当する投票対象の共同購入には参加しないという意思表示でもある。
【0050】
一方、指定時刻に到達すると、管理部101は、グループに属する各利用者の預託金の額と負担額を確認する。預託金の額が負担額以上であれば、提示部102が、代表者の端末3に該当する投票対象の購入を指示し、この指示に対する確認を受付部103が受け付けると(A107)、管理部101がグループに属する各利用者の預託金の額を更新して(A108)、共同購入処理を終了する。
【0051】
なお、代表者が利用登録している投票対象の販売元が、代表者以外にも購入情報を確認することを許容している場合(法令や契約等に基づく)、購入確認を管理部101が行うようにしてもよい。
【0052】
一方、指定時刻に到達した際に、預託金の額が負担額未満となる利用者がいた場合には、管理部101は、当該利用者の負担額が預託金の額以下となるように負担割合を変更する(A109)。続いて、管理部101は、変更した負担割合に基づいて、当該投票対象を購入する際の各利用者の負担額を算出し(A110)、提示部102が、各利用者の端末3に負担額を提示する(A111)。その結果に対して、受付部103が各利用者から確認を受け付け(A112)、預託金の不足が解消すれば、提示部102が、代表者の端末3に該当する投票対象の購入を指示し、この指示に対する確認を受付部103が受け付けると(A107)、管理部101がグループに属する各利用者の預託金の額を更新して(A108)、共同購入処理を終了する。
【0053】
預託金の不足が解消しなかった場合には、提示部102が各利用者の端末3に、共同購入が不成立であった旨を提示し(A113)、共同購入処理を終了する。
【0054】
投票対象を共同購入した結果、当該投票対象が当選する等により報酬が生じた場合には、その報酬は、負担割合に基づいて、共同購入を行った利用者に分配される。図8は、報酬を分配する際の処理の流れを示すアクティビティ図である。
【0055】
共同購入した投票対象に報酬が発生し、それを確認した代表者が端末3から入金確認操作をし、受付部103が当該指示を受け付けると(A201)、管理部101は、各利用者の個別の報酬額を算出する(A202)。報酬額の算出は、報酬総額を各利用者の負担割合に応じて分割した額である。管理部101は、各利用者の個別の報酬額を算出すると、各利用者の預託金の額を更新して(A203)、処理を終了する。
【0056】
5.資金管理
次に、資金管理について説明する。図9は、情報保持部104が記憶保持する資金情報の一例を示した図である。管理部101は、グループIDに利用者IDを関連付け、さらに、各利用者ID毎に、入金計、報酬計、購入計、出金計、残額を関連付け、グループの代表者である利用者の利用者IDには、債務額も関連付けて資金情報として管理する。
【0057】
また、管理部101は、資金を数字として管理するが、実際の資金については、代表者が管理する。これは、投票対象の購入時の支払いや報酬の受け取りは代表者の口座を介して行われるためである。
【0058】
入金計は、各利用者が代表者に託した現金の合計を示す。報酬計は、投票対象の報酬として分配された額の合計を示す。購入計は、投票対象の共同購入に際して負担した負担額の合計を示す。出金計は、各利用者が代表者から返還を受けた額の合計を示す。残額は、入金計と報酬計の合計額から購入計と出金計の合計額を減じた額であり、各利用者が代表者に預託している額となる。なお、前述した預託金の額は、この残額に相当する。また、債務額は、代表者がグループに属する他の利用者に返還する必要のある額の合計を示したものである。
【0059】
ここで、実際に現金の移動がある出入金処理について説明する。図10は、出入金処理の流れを示すアクティビティ図である。まず、受付部103が、出金通知と入金通知のいずれかを受け付けると(A301)、管理部101は、これらの通知に対する確認を待つ。出金通知は代表者が受付部103に対して行い、入金通知は代表者以外の利用者が受付部103に対して行う。一方、出金通知に対する確認は、代表者から現金の返還を受けた利用者が受付部103に対して行い、入金通知に対する確認は、代表者が受付部103に対して行う。
【0060】
受付部103が出金通知に対する確認又は入金通知に対する確認を受け付けると、これらに基づいて管理部101が預託金の額を更新して(A302)、処理を終了する。
【0061】
なお、出金通知に対する確認又は入金通知に対する確認は、例えば、インターネットバンキング等のサービスで、振込先への通知メールを情報処理装置1宛にする等の設定を行うことで、管理部101に自動で確認させることも可能である。
【0062】
6.その他
本発明は、次に記載の各態様で提供されてもよい。
前記情報処理装置において、前記受付部は、前記負担割合の増加と、前記負担割合の減少と、前記購入費用の負担額の指定とのうちのいずれかの指示を受け付け、前記管理部は、前記指示に応じて前記負担割合を変更して前記購入費用の前記利用者毎の負担額を算出する、情報処理装置。
前記情報処理装置において、提示部を備え、前記提示部は、前記利用者のうち、前記預託金の額が前記負担額に満たない利用者が存在する場合、前記負担額と前記預託金の額の差額を提示する情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記管理部は、予め指定された時刻に達した際に、前記利用者の少なくとも一部に対応する前記預託金の額が前記負担額に満たない場合に、前記負担割合を変更する情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記提示部は、前記受付部が前記投票対象の選択を受け付ける際に、前記グループの利用者である代表者に対応付けられた端末装置で利用可能な販売元を提示する情報処理装置。
コンピュータを端末装置と通信可能な情報処理装置として動作させるプログラムであって、前記情報処理装置は、受付部と管理部を備え、前記受付部は、グループを構成する利用者のそれぞれに対応付けられた端末装置のいずれかから、少なくとも1つの投票対象の選択を受け付け、前記管理部は、前記投票対象に対して報酬が発生した場合に、前記投票対象の購入費用に対する各利用者の負担割合に基づいて、前記報酬に対する各利用者の報酬額を算出し、該報酬額を以降の投票対象の購入費用に利用可能な預託金として管理する、プログラム。
もちろん、この限りではない。
【0063】
また、上述のプログラムを格納する、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として提供してもよい。
【0064】
また、本発明の各態様によれば、次に記載の効果を得ることができる。
・利用者による共同購入の参加が容易となるとともに、費用を容易に分担させることが可能となる。
・利用者は、預託すべく金額を容易に把握することが可能となる。
・利用者による預託金の入金が無かった場合に、その利用者を除外して投票券の共同購入を行うことが可能となる。
・購入可能な投票の種類をグループ内で共有することが可能となる。
【符号の説明】
【0065】
1 :情報処理装置
2 :ネットワーク
3 :端末
3-1 :端末
3-2 :端末
3-n :端末
10 :通信バス
11 :処理部
12 :記憶部
13 :一時記憶部
14 :外部装置接続部
15 :通信部
100 :システム
101 :管理部
102 :提示部
103 :受付部
104 :情報保持部
301 :画面表示部
302 :通知部
303 :操作入力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10