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  • 特許-電波センサ装置および照明装置 図1
  • 特許-電波センサ装置および照明装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-06
(45)【発行日】2024-08-15
(54)【発明の名称】電波センサ装置および照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21V 23/00 20150101AFI20240807BHJP
   G01S 13/56 20060101ALI20240807BHJP
【FI】
F21V23/00 115
G01S13/56
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020194132
(22)【出願日】2020-11-24
(65)【公開番号】P2022082942
(43)【公開日】2022-06-03
【審査請求日】2023-08-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】小和田 貴勇
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-134184(JP,A)
【文献】特表2013-527584(JP,A)
【文献】特開2018-160822(JP,A)
【文献】特開2004-085363(JP,A)
【文献】特開2000-228290(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 23/00-99/00
G01S 13/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電波を送受信し、移動体を検知する電波センサと;
前記電波センサが前記移動体を検知可能とする検知範囲の境界を設定す設定モードを有する設定部と;
を備え、
前記設定モードは、前記電波センサの電波強度を徐々に変化させて前記移動体を検知する検知位置を前記検知範囲の前記境界に設定する
ことを特徴とする電波センサ装置
【請求項2】
前記設定部は、外部端末による遠隔操作により前記検知範囲の境界を設定可能とする
ことを特徴とする請求項1記載の電波センサ装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の電波センサ装置を備え、
前記電波センサ装置の検知に応じて調光する
ことを特徴とする照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、移動体を検知する電波センサ装置、およびこの電波センサ装置を備えた照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば階段通路に設置され、階段や踊り場などを照明する照明装置がある。この照明装置では、階段通路を移動する移動体である人の有無を検知する電波センサ装置を備え、人の有無の検知に応じて調光するものがある。
【0003】
電波センサ装置は、電波を送信し、移動する人で反射する電波を受信することで移動する人の存在を検知するが、移動する人を検知可能とする検知範囲は一定の範囲となっている。
【0004】
階段通路は広さや形状が一定でないため、階段通路と電波センサ装置の検知範囲との関係が不適切となる場合がある。例えば、階段通路に対して電波センサ装置の検知範囲が広い場合、電波の一部は壁などを通過するため、階段通路の壁の外に存在する人を検知し、階段通路に人が存在しないのに調光する誤動作が生じることがあり、また、階段通路に対して電波センサ装置の検知範囲が狭い場合、階段通路に人が存在するのに人を検知できないことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2019-102202号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、適切な検知範囲の境界を設定できる電波センサ装置および照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の電波センサ装置は、電波を送受信し、移動体を検知する電波センサと、電波センサが移動体を検知可能とする検知範囲の境界を設定す設定モードを有する設定部とを備える。設定モードは、電波センサの電波強度を徐々に変化させて移動体を検知する検知位置を検知範囲の境界に設定する。
【発明の効果】
【0008】
実施形態の電波センサ装置によれば、適切な検知範囲の境界を設定することが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態を示す電波センサ装置を備えた照明装置において電波センサの検知範囲の境界を自動設定する説明図である。
図2】同上照明装置において外部端末による遠隔操作により電波センサの検知範囲の境界を設定する説明図である。
図3】同上照明装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0011】
図1および図2に示すように、照明装置10は、上りおよび下りの階段1と踊り場2を含む階段通路3において、踊り場2の壁面または天井面などの設置面に設置され、階段1や踊り場2を照明する階段灯である。さらに、照明装置10は、常用電源の停電時に非常用電源で点灯する非常灯でもある。また、階段通路3には、踊り場2に続くフロアや壁を隔てた通路などの階段通路外エリア4が隣接されている。
【0012】
図3には照明装置10が壁面に設置された設置状態を示す。照明装置10は、幅方向に沿って長尺状に設けられている。照明装置10は、筐体11と、この筐体11の前面側に配置される常用光源である光源ユニット12、および非常用光源である非常灯ユニット13と、筐体11内に配置される端子台14、電源ユニット15、電波センサ装置16、非常用点灯ユニット18およびバッテリ19とを備えている。
【0013】
筐体11は、器具本体23、およびこの器具本体23の前面に着脱可能に取り付けられるカバー24を備えている。筐体11の前面には、短手方向の一方に向けて傾斜する傾斜面25が形成されている。
【0014】
器具本体23は、前面側が開口され、幅方向に沿って長尺状に形成されている。器具本体23の前面側で短手方向の一方である下側の領域に光源ユニット12および非常灯ユニット13が配置され、他方である上側の領域にカバー24によって開閉される前面開口が形成されている。器具本体23は、設置面から突出するボルトに対して取り付けられるもので、取付面となる背面部に設けられた取付孔に対し、ボルトを通し、ボルトの先端にナットを螺着して締め付けることにより、器具本体23が設置面に取り付けられる。
【0015】
カバー24は、器具本体23の前面の開口を覆い、器具本体23に着脱可能に取り付けられている。カバー24には筐体11の前面の傾斜面25が形成されている。この傾斜面25は、光源ユニット12の光を反射する反射面としても機能する。
【0016】
また、光源ユニット12は、照明装置10の幅方向に沿って長尺状に設けられている。光源ユニット12は、シャーシ、このシャーシの前面側に配置される可視光を放射する光源29、および光源29を覆ってシャーシに取り付けられる透光カバー30を備えている。光源29は、例えばLEDや有機ELなどの発光素子が用いられ、光源ユニット12の長手方向に沿って配置され、長尺な透光カバー30の長手方向の略全域を発光させる。そして、光源ユニット12は、器具本体23に対し取付ばねにより筐体11の前面の傾斜面25と平行に取り付けられる。
【0017】
また、非常灯ユニット13は、光源ユニット12の長手方向の両側に並ぶ位置で、器具本体23の前面に取り付けられている。非常灯ユニット13は、非常用光源33、およびこの非常用光源33を取り付けた非常用光源カバーである前面枠34を備えている。
【0018】
また、端子台14は、器具本体23内に引き込まれる外部電源線が接続される。端子台14は、電線である内部配線によって電源ユニット15、電波センサ装置16および非常用点灯ユニット18と電気的に接続されている。
【0019】
また、電源ユニット15は、一次側である外部電源入力部が端子台14に内部配線によって電気的に接続され、二次側である点灯電源出力側が接続配線によって光源ユニット12に電気的に接続される。電源ユニット15は、端子台14を通じて供給される交流電源などの外部電源を、光源ユニット12の光源29を点灯させるための直流電源などの点灯電源に変換して光源に供給する。電源ユニット15は、電波センサ装置16からの調光信号などを入力して光源ユニット12の光源29を調光制御する調光制御部38を備えている。
【0020】
また、電波センサ装置16は、電波を送信し、送信した電波の反射波を受信し、検知範囲40(図1および図2参照)内を移動する移動体の有無を検知する。なお、電波センサ装置16は、検知範囲40内を移動するものであれば人以外でも移動体として検出するが、以下、移動体を人41であるとして説明する。
【0021】
電波センサ装置16は、電波を送受信し、人41を検知するための電波センサ42と、この電波センサ42を制御する電波センサ制御部43とを備えている。
【0022】
電波センサ42は、例えば電波送受信回路およびアンテナが合成樹脂製のケースに内蔵されて構成されており、ケースを介して器具本体23に取り付けられている。電波センサ42は、カバー24に形成されたセンサ孔44から前方に突出されている。電波センサ42は、センサ孔44から突出する送受信面であるアンテナ面42aが所定角度、本実施形態では例えば30°下方へ向くように器具本体23に支持されている。そして、電波センサ42が人を検知可能とする検知範囲40は、電波センサ42を中心とする略扇形であり、この略扇形の最外径部となる境界40aつまり検知範囲40と検知範囲外との境界40aは、電波を送受信する電波強度が高い、低いに比例して位置が変化する。電波強度は、送信する電波強度、受信する電波強度、送信と受信の両方の電波強度が含まれる。
【0023】
電波センサ制御部43は、端子台14に内部配線によって電気的に接続され、外部電源の供給を受けて動作する。電波センサ制御部43は、電波センサ42と内部配線によって電気的に接続され、電波センサ42に動作電源を供給するとともに電波センサ42を制御して電波の送受信を実行させる。
【0024】
電波センサ制御部43は、電波センサ42で送受信した電波情報を取得する取得部、この電波情報から人41の存在の有無を検知する移動体検知部、人41の有無の検知に応じた調光信号を生成する調光信号生成部、電波センサ42が人41を検知可能とする検知範囲40の境界40aを任意の位置に設定する設定部43a、および検知範囲40の境界40aの設定時において報知を実行するための報知制御部である報知部43bなどの機能を備えている。
【0025】
設定部43aは、操作部である自動設定ボタン46の操作より、自動設定モードを実行して人41の検知位置に応じて検知範囲40の境界40aを自動設定する自動設定手段の機能と、リモコンなどの外部端末47の操作に応じて手動設定モードを実行して検知範囲40の境界40aを手動設定する手動設定手段の機能とを有している。
【0026】
報知部43bは、例えば光源29を利用し、光源29の調光状態を変化させることにより、自動設定モードにおいて検知範囲40の境界40aの自動設定が完了したこと、手動設定モードにおいて人41を検知したことを報知する。光源29の調光状態の変化は、例えば、光源29の消灯と点灯の変化、または光源29の明と暗の変化、または光源29の点灯と点滅の変化などが含まれる。なお、報知部43bは、光源29の利用に限らず、別途設けられた報知用表示部を利用して報知させてもよいし、また、光によって報知させることに限らず、音や音声案内によって報知させるようにしてもよい。
【0027】
電波センサ制御部43は、外部端末47と例えば赤外線信号などの無線信号を用いて通信可能とし、外部端末47からの無線信号を受信または外部端末47に対して無線信号を送受信する無線通信部48を有している。自動設定ボタン46および無線通信部48は、カバー24に形成された設定用窓49に配置されている。
【0028】
電波センサ制御部43は、内部配線によって電源ユニット15の調光制御部38と電気的に接続され、人41の有無の検知に応じた調光信号などを電源ユニット15の調光制御部38に送る。
【0029】
また、非常用点灯ユニット18は、端子台14に内部配線によって電気的に接続され、外部電源の供給を受けて動作し、また、バッテリ19に内部配線によって電気的に接続され、バッテリ19の充放電を制御する。非常用点灯ユニット18は、外部電源の停電を検知する停電検知回路、外部電源の供給時にバッテリ19を充電する充電回路、外部電源の停電時にバッテリ19の電源により非常用光源33に点灯電源を供給する非常用点灯回路などを備えている。さらに、非常用点灯ユニット18は、非常用光源33およびバッテリ19を含む非常点灯の点検を指示する点検部50、およびこの点検指示によって点検モードを実行する点検回路などを備えている。
【0030】
点検部50は、カバー24に形成された点検窓51に対向して器具本体23に配設されており、リモコンなどの外部端末47から送信される赤外線信号などの無線信号を受信する受信部、点検結果を外部端末に送信する送信部、手動操作で点検を指示するための点検スイッチ、および点検結果などを表示するモニタランプなどを備えている。そして、点検部50を介して、バッテリ19の電源によって非常用光源33が正常に点灯動作するかを定期的に点検可能となっている。
【0031】
なお、外部端末47は、設定部43aおよび点検部50とも遠隔操作可能であってもよいし、設定部43aの遠隔操作用と点検部50の遠隔操作用途に個別に設けられていてもよい。また、設定部43aの自動設定ボタン46および無線通信部48と点検部50とは、一緒に設けられていてもよく、この場合、無線信号の送受信部などは共通であってもよい。
【0032】
また、バッテリ19は、充放電可能な蓄電池であり、内部配線によって非常用点灯ユニット18に電気的に接続されている。
【0033】
次に、照明装置10の動作について説明する。
【0034】
図1および図2に示すように、照明装置10は、階段通路3の踊り場2の壁面に設置される。照明装置10の設置後に、電波センサ42の検知範囲40の境界40aを設定する設定作業が行われる。
【0035】
図1の2点鎖線に電波センサ42の検知範囲40の最大境界40bの例を示す。電波の一部は壁などを通過するため、検知範囲40の最大境界40bは階段通路3の壁の外の階段通路外エリア4に位置する。このまま電波センサ42の検知範囲40を最大境界40bで使用した場合、階段通路3内には人41が存在しないのに、階段通路外エリア4に存在する人41を検知し、光源29を点灯または増光してしまう虞があるため、階段通路3の広さや形状に適した検知範囲40の境界40aとするように設定作業する。設定作業は、自動設定と、外部端末47による遠隔操作での手動設定とがあり、いずれでも設定可能とする。
【0036】
自動設定する場合には、設定作業を行う人41は、設定部43aの自動設定ボタン46を操作し、検知範囲40の境界40aを設定したい位置に移動し、その位置で手を動かすなどの移動動作をする。例えば、設定作業を行う人41は、照明装置10が設置された踊り場2に対して階段1を介した反対側の踊り場2の奥側位置で、手を動かすなどの移動動作をする。
【0037】
設定部43aは、自動設定ボタン46が操作されると、自動設定モードを実行する。自動設定モードでは、設定作業を行う人41が検知範囲40の境界40aの位置に移動するまでに必要な所定時間経過後に、電波センサ42による電波の送受信を開始するとともに、電波強度を低い状態から徐々に高くしていく。つまり、検知範囲40の境界40aを狭い状態から徐々に広くしていく。
【0038】
電波強度を低い状態から徐々に高くしていく過程で、検知範囲40の境界40aが移動動作をする人41の位置に達すると、電波センサ42が移動動作をする人41を検知する。設定部43aは、電波センサ42が移動動作をする人41を検知すると、その検知位置での電波強度を照明装置10の設置場所での電波センサ42の電波強度に設定し、つまり、その検知位置に検知範囲40の境界40aを設定し、報知部43bにより光源29の調光状態を変化させて検知範囲40の境界40aの自動設定が完了したことを報知し、自動設定モードを完了する。
【0039】
なお、自動設定モードでは、上述とは逆に、電波センサ42の電波強度を強い状態から徐々に弱くし、つまり、検知範囲40の境界40aを広い状態から徐々に狭くしていくことでも、人41の検知位置に検知範囲40の境界40aを設定することができる。この場合、電波センサ42の電波強度が強い状態では移動動作する人41を検知しているが、電波センサ42の電波強度が徐々に弱くなっていく過程で、移動動作する人41を検知しなくなるため、検知しなくなった位置の手前の位置を検知位置とし、その検知位置での電波強度を設置場所での電波センサ42の電波強度に設定し、つまり、その検知位置に検知範囲40の境界40aを設定する。
【0040】
また、外部端末47に自動設定ボタンを備えることにより、外部端末47からの遠隔操作により自動設定モードを実行させるようにしてもよい。
【0041】
一方、手動設定する場合には、設定作業を行う人41は、検知範囲40の境界40aを設定したい位置に移動し、外部端末47の手動設定ボタンを操作する。設定部43aは、外部端末47の手動設定ボタンの操作に応じた無線信号を受信し、手動設定モードを実行する。
【0042】
設定作業を行う人41は、手を動かすなどの移動動作をしながら、外部端末47のボリュームボタンなどの電波強度を高くするボタンを操作する。設定部43aは、外部端末47から電波強度を高くする無線信号を受信し、電波センサ42による電波の送受信を開始するとともに、電波強度を弱い状態から徐々に強くしていく。つまり、検知範囲40の境界40aを狭い状態から徐々に広くしていく。
【0043】
電波強度を低い状態から徐々に高くしていく過程で、検知範囲40の境界40aが移動動作をする人41の位置に達すると、電波センサ42が移動動作をする人41を検知する。報知部43bは、電波センサ42が移動動作をする人41を検知すると、光源29の調光状態を変化させ、電波センサ42が移動動作をする人41を検知したことを報知する。
【0044】
設定作業を行う人41は、光源29の調光状態の変化を確認し、外部端末47のボリュームボタンなどの電波強度を高くするボタンの操作を止め、決定ボタンや手動設定ボタンなどの設定用ボタンを操作する。設定部43aは、外部端末47から設定の無線信号を受信し、その検知位置での電波強度を照明装置10の設置場所での電波センサ42の電波強度に設定し、つまり、その検知位置に検知範囲40の境界40aを設定し、報知部43bにより光源29の調光状態を変化させて検知範囲40の境界40aの手動設定が完了したことを報知し、手動設定モードを終了する。
【0045】
なお、報知部43bは、外部端末47による遠隔操作での手動設定モードの場合、外部端末47に報知信号を送信し、外部端末47の表示部で報知内容を表示させるようにしてもよい。
【0046】
また、この手動設定は、自動設定した後、検知範囲40の境界40aの設定を微調整したい場合などにも利用できる。
【0047】
そして、照明装置10の運用時において、照明装置10に外部電源が供給されている通常時には、電源ユニット15が外部電源を所定の点灯電源に変換して光源ユニット12に供給することにより、光源ユニット12の光源29が点灯し、階段通路3の階段1や踊り場2を照明可能とする。
【0048】
そして、通常時において、電波センサ装置16は、電波を送信し、送信した電波の反射波を受信し、検知範囲40内を移動する人41の存在を監視する。
【0049】
電波センサ装置16は、検知範囲40内に移動する人41の存在を検知しない場合、消灯または減光の調光信号を調光制御部38に送る。調光制御部38は、電波センサ装置16からの調光信号に応じて、光源ユニット12の光源29を消灯制御または減光制御する。減光制御する場合には、例えば光源29を調光可能な範囲での最小限の明るさとする。人41が階段通路3を使用しないときに光源29を消灯または減光することにより、照明装置10の省エネルギ化を図ることができる。
【0050】
電波センサ装置16は、検知範囲40内に移動する人41の存在を検知した場合、点灯または増光の調光信号を調光制御部38に送る。
【0051】
調光制御部38は、電波センサ装置16からの調光信号に応じて、光源ユニット12の光源29を点灯制御または増光制御する。これにより、人41が移動する階段通路3を所定の照度で照明し、人41が移動する階段1や踊り場2を視認しやすくする。
【0052】
また、通常時において、非常用点灯ユニット18は、外部電源の供給を検知しており、この外部電源によってバッテリ19を充電する。このとき、非常用光源33は消灯させている。
【0053】
また、照明装置10への外部電源の供給が止まった停電時には、非常用点灯ユニット18が外部電源の停電を検知し、バッテリ19の電源を所定の点灯電源に変換して非常用光源33に供給する。これにより、停電時には、光源ユニット12は消灯するが、非常用光源33が点灯し、階段1や踊り場2を照明する。
【0054】
そして、本実施形態の電波センサ装置16では、電波センサ42が人41を検知可能とする検知範囲40の境界40aを任意の位置に設定可能としているため、電波センサ装置16の設置場所の状況に応じて、適切な検知範囲40の境界40aを設定できる。
【0055】
さらに、電波センサ42による人41の検知位置に検知範囲40の境界40aを設定するため、適切な検知範囲40の境界40aを容易に設定できる。
【0056】
さらに、外部端末47による遠隔操作により検知範囲40の境界40aを設定可能とするため、遠隔操作しながら検知範囲40の境界40aを任意の位置に設定できる。
【0057】
なお、電波センサ装置16を用いた照明装置10は、階段灯や非常灯以外の照明装置にも適用できる。また、電波センサ装置16は、照明装置10以外の自動ドアや防犯機器などの機器にも適用できる。
【0058】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0059】
10 照明装置
16 電波センサ装置
40 検知範囲
40a 境界
41 移動体である人
42 電波センサ
43a 設定部
47 外部端末
図1
図2
図3