(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-06
(45)【発行日】2024-08-15
(54)【発明の名称】転落防止用手摺
(51)【国際特許分類】
E04F 11/18 20060101AFI20240807BHJP
E04B 1/00 20060101ALI20240807BHJP
【FI】
E04F11/18
E04B1/00 502L
(21)【出願番号】P 2024041714
(22)【出願日】2024-02-28
【審査請求日】2024-02-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524100286
【氏名又は名称】川元 亮真
(72)【発明者】
【氏名】川元 亮真
【審査官】兼丸 弘道
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-140335(JP,A)
【文献】実開昭56-045033(JP,U)
【文献】韓国登録特許第10-0620779(KR,B1)
【文献】韓国登録特許第10-0595482(KR,B1)
【文献】韓国登録特許第10-0585814(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 11/18
E04B 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベランダや屋上の床面から外方への転落を防止するための防護柵を構成する基体の上部に配設される手摺であって、
一対の外枠部と、一対の前記外枠部の上部間に横設した棒状の水平片と、で手摺部を構成し、
前記外枠部は、棒状の傾斜片と垂直片と、からなり、前記傾斜片と前記垂直片は、側面視で床面側に傾斜した前記傾斜片の下端部に前記垂直片を垂下して側面視へ字状に形成し、
前記垂直片は、前記基体に対して前記手摺部を回動自在とする回動軸を有する回動部と、前記回動軸を中心に下方に回動させた前記手摺部を上方に復帰させる付勢部と、前記手摺部の上方への回動を規制する上方規制部と、を中途部に形成し、
前記垂直片の下端側は、下方に回動させた前記手摺部が前記基体側と当接して回動を規制する下方規制部であることを特徴とする転落防止用手摺。
【請求項5】
前記下方規制部と前記基体側との当接箇所に当接を知らせる報知部を形成したことを特徴とする請求項2に記載の転落防止用手摺。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、幼児や子供のベランダからの転落を防止するベランダの転落防止用手摺に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、幼児や子供がベランダから転落し重傷又は死亡する事故が起きている。また、転落事故が起きる原因として、ベランダで遊んでいるときに置いてあった物を足場にして手摺を乗り越え転落、手摺に捕まり、前のめりになって転落するなどの例が挙げられる。このような上記で挙げた例から、幼児又は子供の転落を防ぐのに元々ある手摺や柵だけでは限界がある。従って、元々設置されている手摺や柵に転落防止が期待できるものを付加させることで、転落事故のリスクを減らすことが重要である。
【0003】
このように転落するのを防ぐための転落防止用柵に係る技術が、例えば特許文献1に開示されている。本技術によれば、転落防止柵が可動することは出来ないが安全な方向に傾いており、布団が干せる機能を有している。
【0004】
また、転落事故のリスクを減らすためには、手摺を可動させることで、安全な方向に倒れることが必要不可欠である。
【0005】
そこで、手摺(安全柵)の可動に係る技術が、例えば特許文献2に開示されている。本技術によれば、既存の手摺に主軸をもうけ、そこから上方に伸延する安全柵を取付けばねにより回転又は上下するもので、手摺(安全柵)を掴んだら安全柵が内側に倒れ乗り越えにくい構造になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開平11-140970号公報
【文献】特開2001-140335号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
確かに、特許文献2に開示された技術によれば、安全柵が回転又は上下するという機能は転落を防止する上で効果はあるが、安全柵の下端側で支持する主軸により可動するため、安全柵が下方の停止位置まで回転した後は安全柵の長さに応じて主軸周縁に過大なモーメントが集中してしまうため安全柵の耐久性に問題を有している。
【0008】
この発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、転落事故の防止を可能にすると共に、耐久性が向上した転落防止用手摺を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以上のような目的を達成するために、本発明は以下の技術を提供する。
【0010】
請求項1に係る発明では、ベランダや屋上の床面から外方への転落を防止するための防護柵を構成する基体の上部に配設される手摺であって、一対の外枠部と、一対の前記外枠部の上部間に横設した棒状の水平片と、で手摺部を構成し、前記外枠部は、棒状の傾斜片と垂直片と、からなり、前記傾斜片と前記垂直片は、側面視で床面側に傾斜した前記傾斜片の下端部に前記垂直片を垂下して側面視へ字状に形成し、前記垂直片は、前記基体に対して前記手摺部を回動自在とする回動軸を有する回動部と、前記回動軸を中心に下方に回動させた前記手摺部を上方に復帰させる付勢部と、前記手摺部の上方への回動を規制する上方規制部と、を中途部に形成し、前記垂直片の下端側は、下方に回動させた前記手摺部が前記基体側と当接して回動を規制する下方規制部であることを特徴とする転落防止用手摺を提供せんとする。
【0011】
請求項2に係る発明では、前記上方規制部は、前記回動部よりも上側に形成したことを特徴とする請求項1に記載の転落防止用手摺を提供せんとする。
【0012】
請求項3に係る発明では、前記付勢部は、前記上方規制部よりも上側に形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の転落防止用手摺を提供せんとする。
【0013】
請求項4に係る発明では、前記付勢部は、前記回動部よりも下側に形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の転落防止用手摺を提供せんとする。
【0014】
請求項5に係る発明では、前記下方規制部と前記基体側との当接箇所に当接を知らせる報知部を形成したことを特徴とする請求項2に記載の転落防止用手摺を提供せんとする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1記載の発明によれば、ベランダや屋上の床面から外方への転落を防止するための防護柵を構成する基体の上部に配設される手摺であって、一対の外枠部と、一対の外枠部の上部間に横設した棒状の水平片と、で手摺部を構成し、外枠部は、棒状の傾斜片と垂直片と、からなり、傾斜片と垂直片は、側面視で床面側に傾斜した傾斜片の下端部に垂直片を垂下して側面視へ字状に形成し、垂直片は、基体に対して手摺部を回動自在とする回動軸を有する回動部と、回動軸を中心に下方に回動させた手摺部を上方に復帰させる付勢部と、手摺部の上方への回動を規制する上方規制部と、を中途部に形成し、垂直片の下端側は、下方に回動させた手摺部が基体側と当接して回動を規制する下方規制部であることより、手摺を乗り越えにくい構造にし、さらに側面視へ字状の外枠部の垂直片の中途部に回動軸を配設したことで繰り返し可動させても耐久性を維持することができる。
【0016】
請求項2記載の発明によれば、上方規制部は、回動部よりも上側に形成したことより、重心が安定し、荷重が掛かっても耐久性を維持することができる。
【0017】
請求項3記載の発明によれば、付勢部は、上方規制部よりも上側に形成したことより、手摺の屈曲が安定し、耐久性を維持することができる。
【0018】
請求項4記載の発明によれば、付勢部は、回動部よりも下側に形成したことより、回動部への負荷が少なくなり、耐久性を維持することができる。
【0019】
請求項5記載の発明によれば、下方規制部と基体側との当接箇所に当接を知らせる報知部を形成したことより、当接をリアルタイムで検知し、音で警告を発することで早期の転落事故防止を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本実施形態に係る転落防止用手摺を設置した防護柵の斜視図である。
【
図2】付勢部と上方規制部を回動部よりも上方に配設した転落防止用手摺の透視側面図である。
【
図4】本実施形態に係る転落防止用手摺を設置した防護柵の背面図である。
【
図5】本実施形態に係る他の転落防止用手摺を設置した防護柵の斜視図である。
【
図6】付勢部を下方に配設した転落防止用手摺の透視側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施形態に係る転落防止用手摺の要旨は、ベランダや屋上の床面から外方への転落を防止するための防護柵を構成する基体の上部に配設される手摺であって、一対の外枠部と、一対の外枠部の上部間に横設した棒状の水平片と、で手摺部を構成し、外枠部は、棒状の傾斜片と垂直片と、からなり、傾斜片と垂直片は、側面視で床面側に傾斜した傾斜片の下端部に垂直片を垂下して側面視へ字状に形成し、垂直片は、基体に対して手摺部を回動自在とする回動軸を有する回動部と、回動軸を中心に下方に回動させた手摺部を上方に復帰させる付勢部と、手摺部の上方への回動を規制する上方規制部と、を中途部に形成し、垂直片の下端側は、下方に回動させた手摺部が基体側と当接して回動を規制する下方規制部であることを特徴とする。すなわち、転落事故の防止を可能にすると共に、側面視へ字状の外枠部の垂直片の中途部に回動軸を配設したことで回動部を付加したことにより繰り返し可動させても耐久性を維持することができる転落防止用手摺の提供を図ろうとするものである。
【0022】
本発明が対象とする転落防止用手摺1は、ベランダBや屋上の床面Fから外方Uへの転落を防止するための防護柵を構成する基体Aの上部に配設される手摺1であって、ベランダBや屋上から外方Uへの転落を防ぐものである。
【0023】
なお、本実施形態では基体Aの上部に後付けする転落防止用手摺として説明するが、基体Aと一体になった転落防止用手摺であっても構わない。
【0024】
以下、本発明に係る転落防止用手摺1について図面を参照しながら説明する。また、本説明中において左右同一又は左右対称の構造や部品については、原則として同一の符号を付し、左右何れか一方のみを説明して、他方については説明を適宜省略する。
【0025】
本発明の実施形態に係る転落防止用手摺1は、
図1に示すように、ベランダBや屋上の床面Fから外方Uへの転落を防止するための防護柵を構成する基体Aの上部に配設される手摺であって、一対の外枠部3と、一対の外枠部3の上部間に横設した棒状の水平片10と、で手摺部2を構成し、外枠部3は、棒状の傾斜片4と垂直片5と、からなり、傾斜片4と垂直片5は、側面視で床面F側に傾斜した傾斜片4の下端部に垂直片5を垂下して側面視へ字状に形成し、垂直片5は、基体Aに対して手摺部2を回動自在とする回動軸(回動軸線6を示す。以下同じ)を有する回動部12と、回動軸6を中心に下方に回動させた手摺部2を上方に復帰させる付勢部17と、手摺部2の上方への回動を規制する上方規制部18と、を中途部に形成し、垂直片5の下端側は、下方に回動させた手摺部2が基体A側と当接して回動を規制する下方規制部20であるように構成している。
【0026】
このように構成することで、手摺部2をなす外枠部3がへ字状に形成していることで乗り越えにくい構造になっており、また、付勢部17と回動軸6により繰り返し使用することが出来る。
【0027】
具体的には、
図1に示すベランダBの床面Fから立設した防護柵は便宜上コンクリート製で構成された矩形状の基体Aであり、本実施形態に係る転落防止用手摺1は、下方開放に配設した側面視コ字状の金属製の設置部41を介して基体Aの上部に設置される。
【0028】
設置部41は、
図2、
図4に示すように、基体Aの内側と当接する矩形板状の設置基準片42と、基体Aの外側から基体Aを押圧して設置基準片42との間で基体Aを挟持する押圧ボルト48を進退自在に形成した矩形板状の押圧基準片46と、がこれら基準片42,46の上端で連結する接続片49を介して一体に形成され、基体Aの上部に接続片49を載置するようにして固定される。
【0029】
本実施形態では、設置基準片42に転落防止用手摺1を配設し、押圧基準片46には、左右側に雌ネジ孔47を形成し、先端に緩衝材等が形成された押圧ボルト48を雌ネジ孔47に螺入することで押圧ボルト48の緩衝材等が基体Aを押圧して転落防止用手摺1を備えた設置部41を基体Aに取付けることができる。
【0030】
なお、基体Aを構成する防護柵はコンクリート製に限定されるものではなく、格子状や、その他形状であっても良く、また、ベランダBや屋上の床面Fから外方Uへの転落を防止するための防護柵であれば如何なる対象であっても本発明の要旨の範囲内において対象となることは言うまでもない。
【0031】
従って、上述した設置部41の構成は一実施例であり、本発明に係る転落防止用手摺1を設置する限り対象となる防護柵の形状等に応じて設置部41が種々の変形・変更を可能とすることも言うまでもない。
【0032】
次に、転落防止用手摺1の構成について図面を用いて具体的に詳述する。
【0033】
図1、
図2に示すように、外枠部3は、金属製の丸棒を平面視へ字状に屈曲して床面F側に傾斜させた上部を傾斜片4とし、傾斜片4の下端部に垂下する下部を垂直片5として一体に形成している。
【0034】
また、一対の外枠部3の上端部間には金属製の丸棒からなる水平片10を溶接にて接合することで横設し外枠部3と水平片10からなる手摺部2を構成している。
【0035】
なお、手摺部2は、
図5に示すように、水平片10の端部と垂直片5の下端部に至る金属製で丸棒状の補強片11を介設して手摺部2の強度を向上させることもできる。
【0036】
また、垂直片5の略中央には、
図2、
図3に示すように、基体Aに対して手摺部2が回動自在となるように、設置基準片42から床面F側に水平に伸延する金属製で丸棒状の固定片13の先端側に垂直片5を回動自在とした回動部12を形成している。
【0037】
具体的には、固定片13は後端側に雄ネジ14を螺刻して、設置基準片42に形成した雌ネジ孔43に螺入することで床面F側に向けて水平に配設され、先端側は丸棒の周縁を凸状に切削して縦方向に板状で所定厚の係合基部15を形成し、係合基部15の先端側に回動軸6を回動自在に枢止する回動軸孔16を穿設している。
【0038】
また、垂直片5は、係合基部15を枢支するために当該箇所を凹状に切削した係合受部7を形成し、垂直片5の側方から係合基部15の回動軸孔16を挿通するようにして回動軸6を嵌入固定している。
【0039】
このように回動部12を形成することで回動軸6を中心に基体Aに対して手摺部2が床面Fの下方側と復帰側に回動自在とすることができる。
【0040】
また、回動部12の上側には、
図2に示すように、回動軸6を中心に下方に回動させた手摺部2を上方に復帰させる付勢部17を形成している。
【0041】
具体的には、付勢部17は引張バネからなり、設置部41の床面F側の設置基準片42や接続片49の表面を円形凹状に切削して付勢部17の一端を挿入する第一挿入凹部44を形成し、対向する垂直片5の当該箇所にも円形凹状に切削した第二挿入凹部8を形成して付勢部17の他端を挿入することで設置基準片42と垂直片5との間隙に付勢部17を配設することができる。
【0042】
なお、付勢部17は、
図6に示すように、回動部12よりも下側に形成することもでき、この場合、付勢部17は圧縮バネを用いることで下方に回動させた手摺部2を上方に復帰させることができる。
【0043】
また、付勢部17と回動部12との間隙には、
図2に示すように、設置基準片42から床面F側に水平に伸延する金属製で丸棒状の上方規制部18を形成し、手摺部2の上方への回動を規制するよう構成している。
【0044】
具体的には、上方規制部18は後端側に雄ネジ19を螺刻して、設置基準片42に形成した雌ネジ孔45に螺入することで床面F側に向けて水平に配設され、先端側は丸棒のまま、又はゴム等の緩衝材を形成している。
【0045】
また、上方規制部18と対向する垂直片5の当該箇所には上方規制部18の先端側が干渉することなく挿入されるよう上方規制部18の外径よりも大径の円形凹状に切削した第三挿入凹部9を形成することで、回動させた手摺部2が復帰して上方規制部18の先端が第三挿入凹部9の中で垂直片5と当接して回動が停止すると垂直片5が略垂直の元の位置に戻るよう構成している。
【0046】
なお、上方規制部18の形状等や上方規制部18が当接する垂直片5の形状等も本実施形態に限定されず、例えば、上方規制部18を少しだけ短尺にして垂直片5の丸棒の当該箇所の周面を曲面から垂直面に切削することで上方規制部18の先端を垂直片5に当接させるだけの単純な形状とする等、回動させた手摺部2が復帰した際に垂直片5が略垂直の元の位置に戻るよう構成する限り本発明の要旨の範囲内で種々の変形・変更が可能である。
【0047】
また、垂直片5の下端側は、下方に回動させた手摺部2が基体A側と当接して回動を規制する下方規制部20であり、本実施形態では垂直片5の下方規制部20が設置部41の設置基準片42(又は報知部22)の表面と当接することで手摺部2の下方への回動が停止する。
【0048】
また、
図2に示すように、下方規制部20が当接する設置基準片42の表面には、当接を知らせる報知部22を形成しており、報知部22は機械的なベルにより音を発し危険を知らせるものや、鈴や電気的なスイッチ、当接することでスマホに送信される等の方法を採用することができる。
【0049】
なお、下方規制部20の先端にゴム等の緩衝材21を形成することで、設置基準片42の表面や報知部22との当接時の衝撃を緩和させることができる。
【0050】
また、報知部22を設置した場合、下方規制部20と報知部22との当接による衝撃を可能な限り緩和させるものとして、図示しない当接緩衝部を形成しても良い。
【0051】
当接緩衝部は、下方規制部20が報知部22と当接しつつ必要以上に押圧しない位置で手摺部2の回動を停止させるものであり、例えば、上述した上方規制部18のような構成からなる極短尺な当接緩衝部を報知部22の直上に配設し、垂直片5と当接緩衝部が当接することで手摺部2の下方への回動が停止するよう構成しても良い。
【0052】
以上説明したように、本実施形態に係る転落防止用手摺1は構成しており、ベランダBや屋上の床面Fから外方Uへの転落を防止するための防護柵を構成する基体Aの上部に配設される手摺であって、一対の外枠部3と、一対の外枠部3の上部間に横設した棒状の水平片10と、で手摺部2を構成し、外枠部3は、棒状の傾斜片4と垂直片5と、からなり、傾斜片4と垂直片5は、側面視で床面F側に傾斜した傾斜片4の下端部に垂直片5を垂下して側面視へ字状に形成し、垂直片5は、基体Aに対して手摺部2を回動自在とする回動軸6を有する回動部12と、回動軸6を中心に下方に回動させた手摺部2を上方に復帰させる付勢部17と、手摺部2の上方への回動を規制する上方規制部18と、を中途部に形成し、垂直片5の下端側は、下方に回動させた手摺部2が基体A側と当接して回動を規制する下方規制部20であることより、手摺を乗り越えにくい構造にし、さらに側面視へ字状の外枠部3の垂直片5の中途部に回動軸6を配設したことで繰り返し可動させても耐久性を維持することができる。
【0053】
また、上方規制部18は、回動部12よりも上側に形成したことより、重心が安定し、荷重が掛かっても耐久性を維持することができる。
【0054】
また、付勢部17は、上方規制部18よりも上側に形成したことより、手摺の屈曲が安定し、耐久性を維持することができる。
【0055】
更に、付勢部17は、回動部12よりも下側に形成したことより、回動部12への負荷が少なくなり、耐久性を維持することができる。
【0056】
しかも、下方規制部20と基体A側との当接箇所に当接を知らせる報知部22を形成したことより、当接をリアルタイムで検知し、音で警告を発することで早期の転落事故防止を図ることができる。
【0057】
以上、本発明の好ましい実施形態と変形例について説明したが、本発明は係る特定の実施形態や変形例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0058】
A 基体(防護柵)
B ベランダ
F 床面
U 外方
1 転落防止用手摺
2 手摺部
3 外枠部
4 傾斜片
5 垂直片
6 回動軸
7 係合受部
8 第二挿入凹部
9 第三挿入凹部
10 水平片
11 補強片
12 回動部
13 固定片
14 雄ネジ(固定片の後端部)
15 係合基部
16 回動軸孔
17 付勢部
18 上方規制部
19 雄ネジ(上方規制部の後端部)
20 下方規制部
21 緩衝材
22 報知部
41 設置部
42 設置基準片
43 雌ネジ孔(固定片の接続用)
44 第一挿入凹部
45 雌ネジ孔(上方規制部の接続用)
46 押圧基準片
47 雌ネジ孔
48 押圧ボルト
49 接続片
【要約】
【課題】転落事故の防止を可能にすると共に、耐久性が向上した転落防止用手摺を提供する。
【解決手段】本発明に係る転落防止用手摺1は、一対の外枠部3と、一対の外枠部3の上部間に横設した棒状の水平片10と、で手摺部2を構成し、外枠部3は、棒状の傾斜片4と垂直片5と、からなり、傾斜片4と垂直片5は、側面視で床面F側に傾斜した傾斜片4の下端部に垂直片5を垂下して側面視へ字状に形成し、垂直片5は、基体Aに対して手摺部2を回動自在とする回動軸6を有する回動部12と、回動軸6を中心に下方に回動させた手摺部2を上方に復帰させる付勢部17と、手摺部2の上方への回動を規制する上方規制部18と、を中途部に形成し、垂直片5の下端側は、下方に回動させた手摺部2が基体A側と当接して回動を規制する下方規制部20であることを特徴とする。
【選択図】
図1