(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-06
(45)【発行日】2024-08-15
(54)【発明の名称】ホール素子センサおよびその動作方法
(51)【国際特許分類】
G01R 33/07 20060101AFI20240807BHJP
H10N 52/00 20230101ALI20240807BHJP
【FI】
G01R33/07
H10N52/00
(21)【出願番号】P 2020071323
(22)【出願日】2020-03-24
【審査請求日】2023-02-22
(73)【特許権者】
【識別番号】595176098
【氏名又は名称】甲神電機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】新地 信幸
【審査官】島▲崎▼ 純一
(56)【参考文献】
【文献】特表2007-525680(JP,A)
【文献】特開2019-012045(JP,A)
【文献】特表2010-507095(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 33/07
H10N 52/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコンホール素子と、スピニングカレントと、差動増幅器と、ローパスフィルタと、AC化されたオフセット電圧の検出器と、-オフセット電圧生成器と、加算器を備え、
前記AC化されたオフセット電圧の検出器は、バンドパスフィルタと少なくとも2つ以上の遅延回路とで構成され、前記少なくとも2つ以上の遅延回路の出力を加算平均する加算平均回路により、AC化されたオフセット電圧と同一の周波数信号であって、前記同一の周波数信号に含まれる前記AC化されたオフセット電圧に影響を及ぼすノイズを抑制し、
前記AC化されたオフセット電圧の検出器と、前記-オフセット電圧生成器と、前記加算器により負帰還を行うことを特徴とするホール素子センサ。
【請求項2】
前記AC化されたオフセット電圧の検出器を構成する少なくとも2つ以上の遅延回路のそれぞれが、前記AC化されたオフセット電圧の整数倍のそれぞれ別の周期であって、前記少なくとも2つ以上の遅延回路と、前記少なくとも2つ以上の遅延回路の出力を加算平均することを特徴とする請求項1に記載のホール素子センサの動作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はIC技術により形成されたシリコンホール素子を使用して磁界を検知するホール素子センサおよびその動作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ホール素子センサは磁石等で発生する磁界の強弱を検出してドアの開閉や回転角度を検出するだけでなく、電気モータの駆動電流に比例して発生する磁界を検出することで電気モータの可変速制御にも利用されており、特に電気モータの可変速制御では高精度な磁界検出が要求される。
【0003】
一般に、ホール素子センサは、ホール素子センサに備えられるシリコンホール素子のホール効果を利用して磁界を検出するセンサである。
また、ホール素子センサは、シリコンホール素子と、前記シリコンホール素子出力の増幅回路等から構成される。
【0004】
一般に、ホール素子センサは、ICチップ上に小型且つ安価に製造できるが、ホール素子センサに備えられるシリコンホール素子は感度が低く、且つ製造上の形状アンバランスによりオフセット電圧(不平衡電圧)が生じる。このオフセット電圧を除去または抑圧して高精度に磁界を検出するために、スピニングカレント等の技術が提案されている。
【0005】
スピニングカレントはホール素子センサに備えられるシリコンホール素子で得られる磁界に比例した感度出力とオフセット電圧(不平衡電圧)を分離してオフセット電圧(不平衡電圧)を除去または抑圧するもので、シリコンホール素子の正方形の4つの頂点に対応する位置に形成された4個の端子の、選択された1対の端子に電流(駆動電流)を流し、他の端子から電圧出力を得る動作を4個の端子に接続されるスイッチを用いて、駆動電流が流れる方向と電圧出力を得る方向を変えることで感度出力とオフセット電圧(不平衡電圧)を周波数分離するものである。
【0006】
ホール素子センサに関連する技術は、多くの技術文献に開示されている。例えば、対角的に(直交)配置された1対のホール素子を使用し、これら1対のホール素子に電流を交互に流して、その出力はサンプルホールド回路を介して増幅器に入力して増幅している。この構成により、電流の切り替えにより生じるスパイク電圧による影響を排除または軽減している(特許文献1および2参照)。
【0007】
対向する2対の端子を有するホール素子を使用し、その励磁方向を対向する2グループの端子間において第1フェーズおよび第2フェーズで交互に切り替えると共に、検出した信号電圧をキャパシタに保持し、比較器で比較してオフセットを補償する磁界検出器を開示している(特許文献3参照)。
【0008】
相互に角度を変えた複数のホール素子を使用し、これら複数のホール素子を交互に励磁して得た出力信号を高インピーダンス増幅器、A/D変換器およびデジタル加算器を介して出力することによりオフセット改善する磁界検出装置を開示している(特許文献4参照)。
【0009】
また、相互に90°の角度で配置された4個のホール素子を使用し、これらのホール素子を順次切り替えて励磁し、増幅器およびデジタル遅延回路を介して出力することにより測定精度および感度を改善する磁界測定方法および装置を開示している(特許文献5参照)。
【0010】
4個のホール素子の励磁方向をチョッピング回路により正スピンシーケンスおよび負スピンシーケンスで順次切り替え、これらホール素子の出力信号はデジタルローパスフィルタを介して出力する磁界センサシステムを開示している(特許文献6参照)。
【0011】
それぞれホール素子、電流源、スピンボックスおよび差動増幅器を含む多数のホール装置を横2列且つ上下鏡像関係に配置してIC化し、各ホール素子の端子を列と直交方向に配置形成すると共に、両側に出力バッファやデモジュレータを配置するホールセンサシステムを開示している(特許文献7および8参照)。
【0012】
スピニングカレントでは、前述の4個の端子に接続されるスイッチを用いて、駆動電流が流れる方向と電圧出力を得る方向を変える動作を連続して行うため、例えば、スイッチの第1の状態からそれに隣接する第2の動作状態に切り替えた後、前記第1の動作状態へ戻す動作により、発生するスパイク電圧を抑制する技術が提案されている(特許文献9)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【文献】日本特許第3022957号公報
【文献】米国特許第5621319号公報
【文献】米国特許第5604433号公報
【文献】米国特許第5406202号公報
【文献】米国特許公開第2007/0029999号公報
【文献】米国特許第8154281号公報
【文献】日本特許公開第2013-535661号公報
【文献】米国特許公開第2013/0099782号公報
【文献】日本特許第6431378号公報
【0014】
本発明の説明に先立ち、ホール素子におけるスピニングカレント技術について少し詳しく説明する。
図1(A)に示すように、ホール素子は、正方形の4つの頂点に対応する位置に形成された4個の端子A、B、CおよびDを有する。そして、選択された1対の端子に電流源(不図示)から選択された方向に電流(駆動電流)を流し、他の端子から電圧出力を得る。
図1(B)は、駆動電流を流す端子および方向、電圧出力を得る端子および動作状態(または角度)を示す表図である。
【0015】
図1(B)において、動作状態0°では、電流を端子AからCへ流し、端子BとD間の電圧を出力する。動作状態0°に対して右方向に90°回転している動作状態90°では、電流を端子BからDへ流し、端子CとA間の電圧を出力する。動作状態90°から更に90°右回転している動作状態180°では、電流を端子CからAへ流し、端子DとB間の電圧を出力する。また、動作状態180°から更に90°右回転(すなわち、上述した動作状態0°から90°左回転に相当)する動作状態270°では、電流を端子DからBへ流し、端子AとC間の電圧を出力する。
【0016】
次に、
図2(A)~(D)は、
図1(A)および
図1(B)を参照して上述したホール素子Hの4つの動作状態0°、90°、180°および270°における電流源および差動増幅器(AMP)の接続状態をそれぞれ示している。
図2において、説明の便宜上、ホール素子Hを、ブリッジ接続された4個の抵抗値(またはブリッジ抵抗値)R1~R4で、電流源をIrefで、そして電圧出力の増幅器を差動増幅器(AMP)で示している。
【0017】
図2(A)は、動作状態0°を示し、ホール素子Hの端子AからCへ電流を流し、端子BおよびDをそれぞれ差動増幅器(AMP)の非反転および反転入力端子に接続している。
図2(B)は、動作状態90°を示し、端子BからDへ電流を流し、端子CおよびAをそれぞれ差動増幅器(AMP)の非反転および反転入力端子に接続している。
図2(C)は、動作状態180°を示し、ホール素子の端子CからAへ電流を流し、端子DおよびBをそれぞれ差動増幅器(AMP)の非反転および反転入力端子に接続している。また、
図2(D)は、動作状態270°を示し、ホール素子の端子DからBへ電流を流し、端子AおよびCをそれぞれ差動増幅器(AMP)の非反転および反転端子に接続している。
【0018】
次に、
図3は、上述した4つの動作状態0°、90°、180°および270°を有するホール素子の回転動作、すなわち、スピニングカレントについて説明するイメージ図である。
図3には、電流の右(時計方向)回転を、矢印付の円により図示している。図示のように、電流源をホール素子の端子A~Dに順次切り替えて接続し、対向する端子間に電流を流し、残りの端子対を差動増幅器(AMP)の入力端子に順次接続する動作を反復する。そして、差動増幅器(AMP)の出力端子Voutから検出信号を出力する。
【0019】
次に、
図4は、
図1に示すホール素子を、上述した4つの動作状態0°~270°に切り替え動作させるための切り替え回路(スイッチ)を模型的に示している。
図4には、ブリッジ状に接続された4個の抵抗R1~R4で示すホール素子に電流源Irefを切り替えて接続する各々4個のスイッチを有する2対のスイッチS1~S4、ブリッジ抵抗の接続点A~Dを差動増幅器(AMP)の非反転(または正)入力端子Vout(+)に切り替え接続する4個のスイッチS1~S4および反転(または負)入力端子Vout(-)に切り替えて接続する4個のスイッチS1~S4を備えている。
【0020】
次に、
図5は、前述した
図4の切り替え回路(スイッチ)を組み合わせることにより、
図2の4つの動作状態を連続的に繰り返すことで、DC電圧の感度出力とAC化されたオフセット電圧(不平衡電圧)に周波数分離されることを示す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
従来技術においては、サンプルホールド回路等の付加回路を使用するか、またはスピニングカレントを、例えば、右回転した後に逆回転させている。その結果、正回転時の正のスパイク電圧を逆回転時の負のスパイク電圧により時間平均して抑圧または軽減している。
しかし、小型軽量で安価なホール素子センサをIC技術で実現するには、サンプルホールド回路や大きな容量のフィルタキャパシタを使用することができない。また、スピニングカレントの切り替え回路(スイッチ)により生じるスパイク電圧を十分に抑圧または軽減できず、ホール素子センサから高精度の検出出力を得ることができないという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明のホール素子センサの動作方法は、差動増幅器(AMP)で増幅したAC化されたオフセット電圧(不平衡電圧)を検出するためのAC化されたオフセット電圧(不平衡電圧)の検出器を備える。この前記AC化されたオフセット電圧(不平衡電圧)の検出器は、AC化されたオフセット電圧(不平衡電圧)と同一の周波数信号を通過させるバンドパスフィルタと、前記同一の周波数信号からAC化されたオフセット電圧(不平衡電圧)のみを検出する少なくとも2つ以上の遅延回路と、前記少なくとも2つ以上の遅延回路の出力を加算平均する加算平均回路を備える。
【0023】
また、前記AC化されたオフセット電圧(不平衡電圧)の検出器の出力から、前記AC化されたオフセット電圧(不平衡電圧)をDCに変換し、且つシリコンホール素子のオフセット電圧(不平衡電圧)と逆電圧に電圧調整する電圧調整器で構成された-オフセット電圧(-不平衡電圧)生成器を備える。
【0024】
また、前記-オフセット電圧(-不平衡電圧)生成器の出力を、シリコンホール素子の出力に加算する加算器を備える。
また、これらの前記AC化されたオフセット電圧(不平衡電圧)の検出器と、
前記-オフセット電圧(-不平衡電圧)生成器と、前記加算器は連続的に動作し、スピニングカレントの切り替え回路(スイッチ)で発生するスパイク電圧により増加した前記AC化されたオフセット電圧(不平衡電圧)を抑制する帰還ループを構成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明のホール素子センサおよびその動作方法によると、ホール素子センサは、AC化されたオフセット電圧(不平衡電圧)の検出器と、-オフセット電圧(-不平衡電圧)生成器と、加算器を備え、これらの前記AC化されたオフセット電圧(不平衡電圧)の検出器と、前記-オフセット電圧(-不平衡電圧)生成器と、前記加算器は連続的に動作し、前記AC化されたオフセット電圧(不平衡電圧)を抑制する帰還ループを構成することで、効果的にスピニングカレントの切り替え回路(スイッチ)で発生するスパイク電圧により増加したAC化されたオフセット電圧(不平衡電圧)を抑圧可能である。その結果、ホール素子センサの低ノイズ化及び高精度化に顕著な効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】一般的な半導体ホール素子の説明図であり、(A)はホール素子の模型図、(B)はホール素子の4つの動作状態を説明する表図である。
【
図2】
図1に示すようなホール素子を使用するホール素子センサの動作状態の説明図であり、(A)は動作状態0°、(B)は動作状態90°、(C)は動作状態180°、(D)は動作状態270°を示す。
【
図3】ホール素子センサのスピニングカレントの説明図である。
【
図4】
図3に示すスピニングカレント動作を行うためのホール素子、電流源および切り替え回路(スイッチ)の説明図である。
【
図5】
図4に示す切り替え回路(スイッチ)を組み合わせることにより、
図2の4つの動作状態を連続的に繰り返すことで、DC電圧の感度出力とAC化されたオフセット電圧(不平衡電圧)に周波数分離される説明図である。
【
図6】本発明によるホール素子センサの動作方法の好適実施例の説明図である。
【
図7】
図6に示すAC化されたオフセット電圧(不平衡電圧)の検出器2の説明図である。
【
図8】
図6に示す-オフセット電圧(-不平衡電圧)生成器3の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明によるホール素子センサおよびその動作方法の好適な実施形態について説明する。
【0028】
本発明は、AC化されたオフセット電圧(不平衡電圧)の検出器2と、-オフセット電圧(-不平衡電圧)生成器3と、加算器を備え、これらの前記AC化されたオフセット電圧(不平衡電圧)の検出器2と、前記-オフセット電圧(-不平衡電圧)生成器3と、前記加算器は連続的に動作し、前記AC化されたオフセット電圧(不平衡電圧)を抑制する帰還ループを構成することで、効果的にスピニングカレントの切り替え回路(スイッチ)で発生するスパイク電圧により増加したAC化されたオフセット電圧(不平衡電圧)を抑圧可能である。
【0029】
図6は、本発明によるホール素子センサ1の動作方法を説明するブロック図である。
図6のホール素子センサ1に配置されるシリコンホール素子は、製造上の形状アンバランスによるオフセット電圧(不平衡電圧)を有するが、スピニングカレントによって、前記オフセット電圧(不平衡電圧)はAC化され、シリコンホール素子の磁界検出に伴う感度出力(DC電圧)と共に差動増幅器(AMP)により増幅される。
また、スピニングカレントの切り替え回路(スイッチ)によって生じるスパイク電圧によって、前記AC化されたオフセット電圧(不平衡電圧)は増加する。
【0030】
増幅された前記AC化されたオフセット電圧(不平衡電圧)は、AC化されたオフセット電圧(不平衡電圧)の検出器2を通過することで、その他の信号成分(例えば回路駆動時に生じるノイズや、外部要因で生じるノイズ)と分離してAC化されたオフセット電圧(不平衡電圧)のみ出力される。
【0031】
その他の信号成分(例えば回路駆動時に生じるノイズや、外部要因で生じるノイズ)と分離して出力されたAC化されたオフセット電圧(不平衡電圧)は、-オフセット電圧(-不平衡電圧)生成器3でDC変換し、さらにシリコンホール素子のオフセット電圧(不平衡電圧)と逆電圧に電圧調整して出力される。
【0032】
前記DC変換と、前記反転且つ電圧調整されたAC化されたオフセット電圧(不平衡電圧)は、前記シリコンホール素子の後段に配置された加算器によって前記シリコンホール素子の出力と加算される。
また、これらの前記AC化されたオフセット電圧(不平衡電圧)の検出器2と、
前記-オフセット電圧(-不平衡電圧)生成器3と、前記加算器は連続的に動作し、前記AC化されたオフセット電圧(不平衡電圧)を抑制するために前記差動増幅器(AMP)の出力と前記シリコンホール素子の出力の帰還ループに配置されることを特徴とする。
また、前記帰還ループによって、前記抑制されたAC化されたオフセット電圧(不平衡電圧)は、前記差動増幅器(AMP)の後段に設置されるローパスフィルタによって、さらに低減される。
【0033】
次に、
図7は、
図6に示すAC化されたオフセット電圧(不平衡電圧)の検出器2を説明する動作図である。
【0034】
図7のAC化されたオフセット電圧(不平衡電圧)の検出器2は、
図6に示す差動増幅器(AMP)の出力を受け、
図7のバンドパスフィルタによって前記AC化されたオフセット電圧(不平衡電圧)と同一の周波数信号を通過させる。
前記バンドパスフィルタを通過した周波数信号は、少なくとも2つ以上の遅延回路と、前記少なくとも2つ以上の遅延回路の出力を加算平均する加算平均回路とによって、前記同一の周波数信号に含まれるAC化されたオフセット電圧(不平衡電圧)とは別の
その他の信号成分(例えば回路駆動時に生じるノイズや、外部要因で生じるノイズ)を抑制する効果を有する。なお、前記少なくとも2つ以上の遅延回路のそれぞれは、前記AC化されたオフセット電圧(不平衡電圧)の整数倍のそれぞれ別の周期であればよい。
【0035】
次に、
図8は、
図6に示す-オフセット電圧(-不平衡電圧)生成器3を説明する動作図である。
【0036】
図8の-オフセット電圧(-不平衡電圧)生成器3は、前記加算平均回路の出力をDC化するDC変換器と、前記シリコンホール素子の出力のオフセット電圧(不平衡電圧)と逆電圧に調整する電圧調整器を備える。
【0037】
以上、本発明によるホール素子センサの動作方法の好適な実施形態を説明した。しかし、本発明は、この実施形態に限定するものではなく、種々の変形変更が可能である。例えば、バンドパスフィルタ、遅延回路、加算平均回路等はデジタル回路で構成されても良い。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明によるホール素子センサおよびその動作方法は、ホール素子センサの低ノイズ化及び高精度化に顕著な効果を有し、IC技術により小型且つ安価に製造可能であるので、電気モータの可変速制御を行うための電流センサ等を含む広範囲の利用が可能である。
【符号の説明】
【0039】
1、ホール素子センサ
2、AC化されたオフセット電圧(不平衡電圧)の検出器
3、-オフセット電圧(-不平衡電圧)生成器