(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-06
(45)【発行日】2024-08-15
(54)【発明の名称】パソコンケースのカバー固定具及びカバー
(51)【国際特許分類】
G06F 1/16 20060101AFI20240807BHJP
H05K 5/03 20060101ALI20240807BHJP
【FI】
G06F1/16 312Q
H05K5/03 A
G06F1/16 312D
(21)【出願番号】P 2020189763
(22)【出願日】2020-11-13
【審査請求日】2023-09-12
(73)【特許権者】
【識別番号】520445495
【氏名又は名称】吉村 安弘
(74)【代理人】
【識別番号】110001601
【氏名又は名称】弁理士法人英和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉村 安弘
【審査官】征矢 崇
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2008-0096328(KR,A)
【文献】米国特許第10514732(US,B2)
【文献】特開2018-205499(JP,A)
【文献】特開平11-249789(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F1/16-1/18
H05K5/02-5/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体の上面に排気孔が設けられているパソコンケースの上方に上部カバーを取り付けるためのカバー固定具であって、
3個以上
の永久磁石よりなる下段柱状体及
び上段柱状体を備え、
前記下段柱状体は、高さが50mm以下、かつ、上面及び下面の面積が50~900mm
2であり、
前記上段柱状体は、下面の面積が前記下段柱状体の上面の面積の80~150%であ
って、
前記筐体の上面の排気孔の無い領域の3箇所以上に、前記下段柱状体の下面を磁力によって固着し、
前記上部カバーを前記3個以上の下段柱状体の上面に載置し、
前記上部カバーの上の前記下段柱状体の上面に対応する位置に前記上段柱状体を載置することにより、前記パソコンケースの上方に前記上部カバーを固定する
ことを特徴とするパソコンケースのカバー固定具。
【請求項2】
前記下段柱状体の下面に、厚さ0.1~2mmのクッション材が固着されている
ことを特徴とする請求項1に記載されているパソコンケースのカバー固定具。
【請求項3】
請求項1又は2に記載されているパソコンケースのカバー固定具と、前記パソコンケースの上方に取り付けられる上部カバーを備えており、
前記上部カバーは、前記パソコンケースの筐体の上面と平面視が同じ形状である
ことを特徴とするパソコンケースのカバー。
【請求項4】
前記上部カバーは、透明又は半透明のガラス板若しくは樹脂板である
ことを特徴とする請求項3に記載されているパソコンケースのカバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パソコンケースのカバー固定具及びカバーに関し、特に筐体の上面に排気孔が設けられているパソコンケースの上方に上部カバーを取り付けるためのカバー固定具及びそのカバー固定具と上部カバーを備えるパソコンケースのカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
パソコンケースには、筐体内に発生する熱を放散し易くするために、筐体上面に排気孔を設けるとともに、排気孔の上側に筐体上面と離した状態で、遮蔽板を着脱自在に固定するようになっているものがある。
例えば、特許文献1(実開平2-58376号公報)には、電子装置の筺体において、筐体(1)の上部開口を着脱自在に覆う上部カバー(3)を設ける点(明細書第5頁第10~13行及び第1図参照)や、上部カバー(3)を筺体(1)の上部定位置に載置し、摺動固定金具(10)の先端を筐体上部の枠形部材(2)の下面に遊挿・係合させた後、上部カバー(3)と摺動固定金具(10)とを、止めねじ(5)を用いて枠形部材(2)に固定する点(明細書第8頁第13~18行及び第1図参照)が記載されている。
また、特許文献2(米国特許第10514732号明細書)には、パソコンケース(smart computer case 100)の上部等に排気孔(exhaust vents 107)が設けられている点(第6頁第3~12行及びFIG.1参照)や、パソコンケース(100)の上部にトップパネル(top panels)が設けられている点(第6頁第20~29行及びFIG.1参照)が記載されている。
【0003】
しかし、特許文献1に記載の上部カバー(3)は、着脱自在ではあるものの、止めねじ(5)、摺動固定金具(10)、補強板(12)、U形の保持金具(13)及び取付ねじ(14)を用いて枠形部材(2)に固定するようになっているので、構造が複雑であり着脱作業が容易ではない。
また、特許文献2に記載のトップパネル(top panels)は、パソコンケース(100)の上面にどのようにして取り付けられているのか不明である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実開平2-58376号公報
【文献】米国特許第10514732号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、筐体の上面に排気孔が設けられているパソコンケースの上方に、上部カバーを容易かつ確実に固定するカバー固定具を提供するとともに、上部カバー及びカバー固定具を安価とすることを第1の課題としている。
また、本発明は、上部カバーの固定中や使用中に筐体や上部カバーの表面を傷つけず、カバー固定具が筐体の上面で移動しにくくすることを第2の課題とし、パソコンケースの見栄えを良くすることを第3の課題としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明は、筐体の上面に排気孔が設けられているパソコンケースの上方に上部カバーを取り付けるためのカバー固定具であって、
3個以上の永久磁石よりなる下段柱状体及び3個以上の永久磁石よりなる上段柱状体を備え、
前記下段柱状体は、高さが50mm以下、かつ、上面及び下面の面積が50~900mm2であり、
前記上段柱状体は、下面の面積が前記下段柱状体の上面の面積の80~150%であって、
前記筐体の上面の排気孔の無い領域の3箇所以上に、前記下段柱状体の下面を磁力によって固着し、
前記上部カバーを前記3個以上の下段柱状体の上面に載置し、
前記上部カバーの上の前記下段柱状体の上面に対応する位置に前記上段柱状体を載置することにより、前記パソコンケースの上方に前記上部カバーを固定することを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載されているパソコンケースのカバー固定具において、
前記下段柱状体の下面に、厚さ0.1~2mmのクッション材が固着されていることを特徴とする。
【0008】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載されているパソコンケースのカバー固定具と、前記パソコンケースの上方に取り付けられる上部カバーを備えているパソコンケースのカバーであって、
前記上部カバーは、前記パソコンケースの筐体の上面と平面視が同じ形状であることを特徴とする。
【0009】
請求項4に係る発明は、請求項3に記載されているパソコンケースのカバーにおいて、
前記上部カバーは、透明又は半透明のガラス板若しくは樹脂板であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る発明のパソコンケースのカバー固定具によれば、3個以上の永久磁石よりなる下段柱状体及び3個以上の永久磁石よりなる上段柱状体を備え、下段柱状体は、高さが50mm以下、かつ、上面及び下面の面積が50~900mm2であり、上段柱状体は、下面の面積が下段柱状体の上面の面積の80~150%であって、筐体の上面の排気孔の無い領域の3箇所以上に、下段柱状体の下面を磁力によって固着し、上部カバーを3個以上の下段柱状体の上面に載置し、上部カバーの上の下段柱状体の上面に対応する位置に上段柱状体を載置することにより、パソコンケースの上方に上部カバーを固定するので、筐体の上面に排気孔が設けられているパソコンケースの上方に、上部カバーを容易かつ確実に固定することができる。
【0011】
請求項2に係る発明のパソコンケースのカバー固定具によれば、請求項1に係る発明のパソコンケースによる効果に加えて、下段柱状体の下面に、厚さ0.1~2mmのクッション材が固着されているので、上部カバーの固定中や使用中に、磁性体若しくは永久磁石よりなる下段柱状体又は永久磁石よりなる上段柱状体が、直接筐体の上面や上部カバーの表面に接触することがない。
そのため、上部カバーの固定中や使用中に筐体や上部カバーの表面を傷つけることがなく、さらに、クッション材をエラストマーやゴム等の摩擦抵抗の大きい材質のものにすれば、下段柱状体が筐体の上面で移動しにくくなる。
【0012】
請求項3に係る発明のパソコンケースのカバーによれば、請求項1又は2に係る発明のパソコンケースのカバー固定具による効果に加えて、パソコンケースの上方に取り付けられる上部カバーを備え、上部カバーはパソコンケースの筐体の上面と平面視が同じ形状であるので、カバー固定具及び上部カバーを、ともに安価に提供することができる。
【0013】
請求項4に係る発明によれば、請求項3に係る発明のパソコンケースによる効果に加えて、上部カバーは、透明又は半透明のガラス板若しくは樹脂板であるので、パソコンケースに内蔵されている発光体の光が、筐体上面の排気孔及び上部カバーを通して、ユーザの目に届き、パソコンケースの見栄えを良くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】実施例の上部カバーを筐体の上面に取り付けた状態を示す斜視図。
【
図2】実施例の下段柱状体を配置する筐体の上面における位置を示す斜視図。
【
図3】実施例の上部カバーを固定した部分の断面図及びカバー固定具を示す図。
【
図4】変形例の上部カバーを固定した部分の断面図及びカバー固定具を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、実施例によって本発明の実施形態を説明する。
【実施例】
【0016】
図1は実施例の上部カバー3を筐体1の上面に取り付けた状態を示す斜視図であり、
図2は実施例の下段柱状体4を配置する筐体1の上面における位置を示す斜視図である。
図1に示すように、実施例に係るパソコンケースのカバーは、筐体1の上面に多数の排気孔2が設けられているパソコンケースの上方に、上部カバー3を筐体1の上面と所定の間隔をあけて取り付けるものである。
上部カバー3は、透明なガラス板であり、上面及び下面が平らで、筐体1の上面と平面視が同じ形状である長方形の平板ガラスである。
4組の下段柱状体4及び上段柱状体5は、いずれもネオジウム磁石からなっており、4個の下段柱状体4は、筐体1の上面の四隅に配置され、磁力によって固定される。
4個の上段柱状体5は、4個の下段柱状体4の上面に載置された上部カバー3の四隅(下段柱状体4の上面と対向する位置)に配置され、上部カバー3を磁力によって挟み付けて固定する。
【0017】
図3(A)は、実施例の上部カバー3を、下段柱状体4及び上段柱状体5で挟み付けて固定した部分の断面図であり、
図3(B)は実施例のカバー固定具を示す図である。
図3(A)及び(B)に示すように、実施例のカバー固定具は、ネオジウム磁石からなる下段柱状体4、上段柱状体5、下段柱状体4の下面及び上面に貼付したエラストマー製の透明粘着シール6からなっている。
また、下段柱状体4は、高さが15mmで断面形状が一辺12mmの正方形であり、上段柱状体5は、高さが15mmで断面形状が一辺12mmの正方形である。
なお、下段柱状体4及び上段柱状体5に代えて、
図3(C)に示すように、断面形状を直径12mmの円形、高さを15mmとした円柱状の下段柱状体4’及び断面形状を直径12mmの円形、高さを12mmとした円柱状の上段柱状体5’を用いても良い。
そして、下段柱状体4の下面及び上面に貼付したエラストマー製の透明粘着シール6及び下段柱状体4’の下面及び上面に貼付したエラストマー製の透明粘着シール6’は、いずれも厚さが0.8mmとなっており、下段柱状体4、4’の下面を磁力で筐体1の上面に吸着させる際に、下段柱状体4、4’が筐体1にぶつかって筐体1の表面に傷をつけたり、下段柱状体4、4’が欠けたりすることを防止できる。
さらに、エラストマー製の透明粘着シール6、6’は、下段柱状体4、4’を筐体1の上面に吸着させる際や、上部カバー3を下段柱状体4、4’と上段柱状体5、5’で挟み付けて固定した後において、下段柱状体4、4’が筐体1の上面で滑りにくくなり、上部カバー3が下段柱状体4、4’の上面で滑りにくくなるという効果も奏する。
【0018】
実施例の変形例を列記する。
(1)実施例のカバー固定具は、下段柱状体4、4’を筐体1の上面の四隅に配置したが、下段柱状体4、4’を筐体1の上面の少なくとも3箇所以上に配置するとともに、配置した下段柱状体4、4’の上に上部カバー3を載置したときに、上部カバー3の重心が下段柱状体4、4’の配置位置を頂点とする多角形の内部に含まれるようにすれば、上部カバー3を安定的に支持することができるので、下段柱状体4、4’及び上段柱状体5、5’は、3組以上備えていれば良い。
(2)実施例の下段柱状体4、4’及び上段柱状体5、5’は、いずれもネオジウム磁石からなっていたが、ネオジウム磁石に限らず永久磁石であれば良く、下段柱状体4、4’は磁性体からなる筐体1の上面に吸着させるのに十分な磁力を有し、上段柱状体5、5’は上部カバー3を下段柱状体4、4’との間に挟み付けて固定するのに十分な磁力を有していれば良い。
【0019】
(3)実施例の下段柱状体4、4’は、高さが15mmで断面形状が一辺12mmの正方形又は直径12mmの円形であったが、高さは、廃熱効果を上げたい場合25~50mmとした方が良く、音を遮蔽したい場合1~5mmとした方が良いので、希望に応じて50mm以下から選択する。ただし、通常は5~25mmから選択する。
また、断面形状は、筐体1の大きさや上部カバー3の重さや材質等に応じて、様々な形状及び大きさとすることができるが、円形とする場合には直径8~30mmの範囲から選択すれば良く、正方形とする場合には一辺8~30mmの範囲から選択すれば良い。
さらに、他の断面形状としては、長方形、菱形、三角形、六角形、八角形等を含む多角形、楕円形、半円形、扇形及びL字形からも選択でき、断面形状を変化させても良い。
いずれの場合も、下段柱状体の上面及び下面の面積は50~900mm2から選択し、80~400mm2から選択するのがより好ましい。
(4)実施例の上段柱状体5、5’は、高さが12mmで断面形状が一辺12mmの正方形又は直径12mmの円形(下段柱状体4、4’と同じ形状)であったが、高さや形状は持ち易さや意匠性を考慮して適宜選択可能である。ただし、上部カバー3を掃除するときに外し易く、かつ、使用時に邪魔にならないようにするため、高さは5~30mmとするのが好ましく、10~20mmとするのがより好ましい。
また、断面形状は、下段柱状体4、4’と同じ形状に限らず、異なる形状であっても良いが、下面の形状は、下段柱状体4、4’の上面と相似形状や類似形状(例えば、正方形に対して長方形や菱形、円形に対して楕円形)であった方がより良い。
そして、上段柱状体の下面の面積は、下段柱状体4の上面の面積の80~150%とするのが好ましく、90~120%とするのがより好ましい。
【0020】
(5)実施例の下段柱状体4、4’は、上面及び下面に厚さが0.8mmのエラストマー製の透明粘着シール6、6’を貼付してあったが、これらは筐体1の上面や上部カバー3の下面に傷がつくのを防止したり、下段柱状体4、4’が欠けるのを防止したり、下段柱状体4、4’と筐体1の上面や上部カバー3の下面との摩擦係数を大きくしたりすることを目的としているので、貼付してなくても下段柱状体4、4’の下面を筐体1の上面に磁力で吸着させて固定し、上部カバー3を下段柱状体4、4’と上段柱状体5、5’との間に磁力で挟み付けて固定することは可能であるから、なくても良い。
なお、上部カバー3の下面には傷がつきにくく、傷がついたとしてもそれほど気にならないので、クッション材を下段柱状体4、4’の下面のみに固着しても良い。
また、エラストマー製の透明粘着シール6、6’を貼付するのに代えて、エラストマー製の板や摩擦抵抗の大きいゴム製の板を接着剤や両面粘着シール等によって固着しても良く、
図4に示すように、下段柱状体4、4’の上面及び下面より少し小さい凹部を有するエラストマー製又はゴム製の干渉部材7、7’を用意し、下段柱状体4、4’の上面及び下面に干渉部材7、7’を押し込んで固着しても良く、下段柱状体4、4’の上面及び下面付近又は全面に樹脂コーティングを施しても良い。
そこで、本明細書及び特許請求の範囲では、エラストマー製の透明粘着シール6、6’、凹部を有するエラストマー製又はゴム製の干渉部材7、7’、エラストマー製の板、ゴム製の板及び樹脂コーティングのことを総称してクッション材と呼ぶことにする。
さらに、下段柱状体4、4’だけでなく、上段柱状体5、5’の少なくとも下面にクッション材を固着すれば、上段柱状体5、5’による上部カバー3上面の損傷や、上段柱状体5、5’の欠け及び上部カバー3上面での滑りを防止できるので、より良い。
(6)実施例においては、下段柱状体4、4’の上面及び下面に厚さが0.8mmのエラストマー製の透明粘着シール6、6’を貼り付け、
図4に示す変形例(5)においては、干渉部材7、7’を固着したが、エラストマー製の透明粘着シール6、6’及び干渉部材7、7’の厚さは、下段柱状体4、4’を筐体1の上面に磁力で固定する妨げにならなければ0.8mmに限られない。
ただし、厚すぎると磁着力が小さくなり、薄すぎるとクッション性や耐久性が悪くなるので、エラストマー製の透明粘着シール6、6’及び干渉部材7、7’(クッション材)の厚さは0.1~2mmが好ましく、0.6~1mmがより好ましい。
【0021】
(7)実施例においては、下段柱状体4、4’にエラストマー製の透明粘着シール6、6’を貼り付け、変形例(5)においては、ゴム製の板や干渉部材7、7’を固着したが、下段柱状体4、4’の下面には、クッション材の下側にクッション材より柔らかい素材の厚さ0.3~1mmのシート(極薄粘着シートであるTGシート等)を設けても良い。
その目的は、筐体1の上面が歪んでいたり一部に凹凸があったりすると、4個の下段柱状体4、4’の上面に上部カバー3を載置したとき、ガタツキが生じる場合があるところ、柔らかいシートの作用により4つの上面の高さを調整しガタツキを防ぐためである。
(8)実施例の上部カバー3は透明な平板ガラスであったが、半透明のガラス板や透明又は半透明の樹脂板であっても良く、不透明な樹脂、木又は金属の板であっても良い。
また、上面側の周囲を高くしたり、縁の周囲に少なくとも上面側に突出するフレームを取り付けたりすると、上部カバー3の上に載せていたものが落ちにくくなり、液体がこぼれた場合に上部カバー3から流出しにくくなるので、より良い。
さらに、上部カバー3を透明又は半透明のガラス板若しくは樹脂板として、パソコンケースに内蔵されている発光体の光が、上部カバーを通して見える場合には、上部カバー3の周囲の一部(上部カバー3が平面視で長方形である場合、1辺~3辺の全部又は一部)から上方に延びるミラー、反射板、透明板又は半透明板を設置すれば、光の反射効果や導光効果によって、パソコンケースの見栄えをより良くすることができる。
【0022】
(9)本発明に係るパソコンケースのカバー固定具及びカバーを、ユーザに提供する際には、次のような提供のしかたが考えられる。
A:パソコンケースのカバー固定具のみ(下段柱状体4、上段柱状体5及びエラストマー製の透明粘着シール6若しくは干渉部材7)を提供する。
この場合、ユーザは、所有するパソコンの筐体上面と同等の大きさを有する適当な厚さのガラス板や樹脂板等を購入して上部カバーとし、その上部カバーを、カバー固定具を用いて、所有しているパソコンの筐体の上面に取り付ければ良い。
B:パソコンケースの上部カバー3と、カバー固定具(パソコンケースのカバー)を提供する。
この場合、ユーザは、パソコンケースのカバーを入手するに際して、上部カバー3の大きさが所有するパソコンの筐体上面と同等の大きさであるか確認し、カバー固定具を用いて、所有しているパソコンの筐体の上面に上部カバー3を取り付ければ良い。
C:筐体1と、筐体1の上面の大きさに適合するパソコンケースのカバーを提供する。
この場合、ユーザは、筐体1に各種基板や電源等をセットした後、カバー固定具を用いて、筐体1の上面に上部カバー3を取り付ければ良い。
D:筐体1に各種基板や電源等をセットしたパソコンと、筐体1の上面の大きさに適合するパソコンケースのカバーを提供する。
なお、パソコンの筐体1にカバー固定具を用いて上部カバー3を取り付けた状態で提供しても良いし、パソコンケースのカバーを外した状態で提供しても良い。
そして、パソコンケースのカバーを外した状態で入手したユーザは、カバー固定具を用いて、筐体1の上面に上部カバー3を取り付けることとなる。
【符号の説明】
【0023】
1 筐体 2 排気孔 3 上部カバー
4、4’ 下段柱状体 5、5’ 上段柱状体
6、6’ エラストマー製の透明粘着シール 7、7’ 干渉部材