(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-06
(45)【発行日】2024-08-15
(54)【発明の名称】放射線撮像装置
(51)【国際特許分類】
A61B 6/42 20240101AFI20240807BHJP
G01T 1/24 20060101ALI20240807BHJP
H04N 5/32 20230101ALI20240807BHJP
H04N 23/30 20230101ALI20240807BHJP
H04N 25/70 20230101ALI20240807BHJP
H04N 25/79 20230101ALI20240807BHJP
H01L 27/144 20060101ALI20240807BHJP
H01L 27/146 20060101ALI20240807BHJP
【FI】
A61B6/42 500S
G01T1/24
H04N5/32
H04N23/30
H04N25/70
H04N25/79
H01L27/144 K
H01L27/146 F
H01L27/146 D
(21)【出願番号】P 2023505014
(86)(22)【出願日】2021-03-11
(86)【国際出願番号】 JP2021009870
(87)【国際公開番号】W WO2022190321
(87)【国際公開日】2022-09-15
【審査請求日】2023-09-04
(73)【特許権者】
【識別番号】304023318
【氏名又は名称】国立大学法人静岡大学
(73)【特許権者】
【識別番号】516088329
【氏名又は名称】株式会社ANSeeN
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124800
【氏名又は名称】諏澤 勇司
(74)【代理人】
【識別番号】100170818
【氏名又は名称】小松 秀輝
(72)【発明者】
【氏名】青木 徹
(72)【発明者】
【氏名】都木 克之
(72)【発明者】
【氏名】小池 昭史
【審査官】亀澤 智博
(56)【参考文献】
【文献】特表2007-524234(JP,A)
【文献】国際公開第2019/004230(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/192471(WO,A1)
【文献】特開2012-198195(JP,A)
【文献】米国特許第8120683(US,B1)
【文献】特開2011-226902(JP,A)
【文献】特開2011-091770(JP,A)
【文献】特開2009-186475(JP,A)
【文献】特開2003-264280(JP,A)
【文献】米国特許第5629524(US,A)
【文献】特開平03-150487(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00 - 6/58
G01T 1/00 - 7/12
H04N 5/30 - 5/325
H04N 25/00 -25/79
H01L 27/14 -27/148
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射した放射線のエネルギ又は粒子の数に対応する電荷を生成する電荷生成チップと、
前記電荷生成チップに電気的に接続されて、前記電荷生成チップから受けた前記電荷に基づくデジタル値を出力する第1読出チップと、
前記電荷生成チップに電気的に接続されて、前記電荷生成チップから受けた前記電荷に基づくデジタル値を出力すると共に前記第1読出チップに隣接する第2読出チップと、
前記第1読出チップ及び前記第2読出チップが配置された回路基板と、を備え、
前記電荷生成チップは、前記第1読出チップに対面する第1出力領域と、前記第2読出チップに対面する第2出力領域と、を含む電荷出力面を有し、
前記第1読出チップは、前記電荷出力面に対面する第1読出面と、前記第1読出面に設けられた第1信号入出力電極と、を有し、
前記第2読出チップは、前記電荷出力面に対面する第2読出面と、前記第2読出面に設けられた第2信号入出力電極と、を有し、
前記電荷生成チップは、前記電荷出力面において前記第1出力領域から前記第2出力領域に延び、前記第1信号入出力電極を前記第2信号入出力電極に電気的に接続する信号接続配線を有する、放射線撮像装置。
【請求項2】
前記電荷生成チップは、前記電荷出力面に設けられた複数の電荷出力電極を有し、
前記第1読出チップは、前記第1読出面に設けられ、前記電荷出力電極に対面すると共に前記電荷出力電極に対して電気的に接続される複数の電荷読出電極を有する、請求項1に記載の放射線撮像装置。
【請求項3】
前記電荷生成チップは、前記信号接続配線及び前記電荷出力電極が設けられた前記電荷出力面を含むと共に、前記電荷を前記電荷出力電極から出力する半導体検出部を有し、
前記第1読出チップは、前記第1信号入出力電極及び前記電荷読出電極が設けられた前記第1読出面を含むと共に、前記半導体検出部から受けた前記電荷に基づく前記デジタル値を生成するリードアウト部を有する、請求項2に記載の放射線撮像装置。
【請求項4】
前記電荷生成チップは、前記信号接続配線及び前記電荷出力電極が設けられた前記電荷出力面を含む電荷再配線部と、互いに離間する複数の画素電極を介して前記電荷を前記電荷再配線部に出力する半導体検出部と、を有し、
前記第1読出チップは、前記第1信号入出力電極及び前記電荷読出電極が設けられた前記第1読出面を含むと共に、前記電荷再配線部から受けた前記電荷に基づく前記デジタル値を生成するリードアウト部を有し、
前記画素電極の配置間隔は、前記電荷出力電極の配置間隔と異なる、請求項2に記載の放射線撮像装置。
【請求項5】
前記電荷生成チップは、前記信号接続配線及び前記電荷出力電極が設けられた前記電荷出力面を含むと共に、前記電荷を前記電荷出力電極から出力する半導体検出部を有し、
前記第1読出チップは、前記第1信号入出力電極及び前記電荷読出電極が設けられた前記第1読出面を含む読出再配線部と、互いに離間する複数の再配線電極を介して前記読出再配線部から受けた前記電荷に基づいて前記デジタル値を生成するリードアウト部と、を有し、
前記再配線電極の配置間隔は、前記電荷読出電極の配置間隔と異なる、請求項2に記載の放射線撮像装置。
【請求項6】
前記電荷生成チップは、前記信号接続配線及び前記電荷出力電極が設けられた前記電荷出力面を含む電荷再配線部と、互いに離間する複数の画素電極を介して前記電荷を前記電荷再配線部に出力する半導体検出部と、を有し、
前記第1読出チップは、前記第1信号入出力電極及び前記電荷読出電極が設けられた前記第1読出面を含む読出再配線部と、互いに離間する複数の再配線電極を介して前記読出再配線部から受けた前記電荷に基づいて前記デジタル値を生成するリードアウト部と、を有し、
前記画素電極の配置間隔は、前記電荷出力電極の配置間隔と異なり、
前記再配線電極の配置間隔は、前記電荷読出電極の配置間隔と異なる、
請求項2に記載の放射線撮像装置。
【請求項7】
前記電荷生成チップに電気的に接続されて、前記電荷生成チップから受けた前記電荷に基づくデジタル値を出力すると共に前記第2読出チップに隣接する第3読出チップをさらに備え、
前記第3読出チップは、前記電荷出力面に対面する第3読出面と、前記第3読出面に設けられた第3信号入出力電極と、を有し、
前記電荷生成チップの前記電荷出力面は、前記第3読出部に対面する第3出力領域をさらに含み、
前記第2読出チップは、前記第2読出面に設けられた第2追加信号入出力電極をさらに有し、
前記電荷生成チップは、前記第2出力領域から前記第3出力領域に延び、前記第2追加信号入出力電極を前記第3信号入出力電極に電気的に接続する追加信号接続配線をさらに有する、請求項1~6何れか一項に記載の放射線撮像装置。
【請求項8】
前記電荷生成チップに電気的に接続されて、前記電荷生成チップから受けた前記電荷に基づくデジタル値を出力すると共に前記第2読出チップに隣接する第3読出チップをさらに備え、
前記第3読出チップは、前記電荷出力面に対面する第3読出面と、前記第3読出面に設けられた第3信号入出力電極と、を有し、
前記電荷生成チップの前記電荷出力面は、前記第3読出部に対面する第3出力領域をさらに含み、
前記信号接続配線は、前記第1出力領域、前記第2出力領域及び前記第3出力領域に亘って設けられ、前記第1信号入出力電極、前記第2信号入出力電極及び前記第3信号入出力電極を互いに電気的に接続する、請求項1~6何れか一項に記載の放射線撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
放射線を検出する技術が開発されている。放射線検出技術は、医療分野、工業分野、セキュリティ分野などへの応用が期待されている。放射線を検出する装置として、放射線画像を得る放射線撮像装置がある。例えば、特許文献1が開示する放射線撮像装置は、放射線検出素子と、集積回路素子と、を備える。放射線検出素子は、集積回路素子とは別の部品である。放射線検出素子は、集積回路素子の上に配置されている。そして、放射線検出素子の裏面と集積回路素子の主面とが複数の電極によって電気的に接続されている。検出素子と回路素子とが積層された構造を採用したセンサは、例えば、特許文献2にも開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-155562号公報
【文献】特開2012-9607号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
放射線撮像装置の技術分野では、有効画素領域の大面積化が望まれている。しかしながら、放射線撮像装置を構成する放射線検出器は、1個あたりの大面積化が難しい。そこで、複数の放射線検出器を回路基板に配置することにより、有効画素領域を拡大する構造が検討されている。
【0005】
複数の放射線検出器を回路基板に配置する構造を採用した場合には、放射線撮像装置の製造工程において、回路基板に放射線検出器を取り付ける作業を複数回繰り返す必要がある。このような取付作業の繰り返しが増加すると、複数の放射線検出器のうち、正常に機能しない放射線検出器を生じさせる可能性も高まる。つまり、有効画素領域を大面積化するためには、放射線検出器の数を増やす必要があるが、放射線検出器の数が増えると取付作業の不良が発生する可能性も高まる。その結果、有効画素領域の大面積化するほど、歩留まりが低下する傾向にある。
【0006】
本発明は、歩留まりの低下を抑制できる放射線撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一形態である放射線撮像装置は、入射した放射線のエネルギ又は粒子の数に対応する電荷を生成する電荷生成チップと、電荷生成チップに電気的に接続されて、電荷生成チップから受けた電荷に基づくデジタル値を出力する第1読出チップと、電荷生成チップに電気的に接続されて、電荷生成チップから受けた電荷に基づくデジタル値を出力すると共に第1読出チップに隣接する第2読出チップと、第1読出チップ及び第2読出チップが配置された回路基板と、を備える。電荷生成チップは、第1読出チップに対面する第1出力領域と、第2読出チップに対面する第2出力領域と、を含む電荷出力面を有する。第1読出チップは、電荷出力面に対面する第1読出面と、第1読出面に設けられた第1信号入出力電極と、を有する。第2読出チップは、電荷出力面に対面する第2読出面と、第2読出面に設けられた第2信号入出力電極と、を有する。電荷生成チップは、電荷出力面において第1出力領域から第2出力領域に延び、第1信号入出力電極を第2信号入出力電極に電気的に接続する信号接続配線を有する。
【0008】
放射線撮像装置の第1及び第2読出チップは、電荷生成チップに対面する第1及び第2読出面に設けられた第1及び第2信号入出力電極を有する。第1信号入出力電極は、電荷生成チップに設けられた信号接続配線によって第2信号入力電極に接続される。従って、第1及び第2読出チップにまたがるように電荷生成チップを配置するだけで、第1読出チップを第2読出チップに接続することができる。その結果、第1読出チップを第2読出チップに容易に接続できるので、放射線撮像装置を組み立てるときの作業不良の発生が抑制される。従って、歩留まりの低下を抑制することができる。
【0009】
一形態の放射線撮像装置の電荷生成チップは、電荷出力面に設けられた複数の電荷出力電極を有してもよい。第1読出チップは、第1読出面に設けられ、電荷出力電極に対面すると共に電荷出力電極に対して電気的に接続される複数の電荷読出電極を有してもよい。この構成によれば、電荷生成チップを第1及び第2読出チップにまたがるように配置するだけで、第1読出チップと第2読出チップとの接続、電荷生成チップと第1読出チップとの接続、及び、電荷生成チップと第2読出チップとの接続を行うことができる。
【0010】
一形態の放射線撮像装置の電荷生成チップは、信号接続配線及び電荷出力電極が設けられた電荷出力面を含むと共に、電荷を電荷出力電極から出力する半導体検出部を有してもよい。第1読出チップは、第1信号入出力電極及び電荷読出電極が設けられた第1読出面を含むと共に、半導体検出部から受けた電荷に基づくデジタル値を生成するリードアウト部を有してもよい。この構成では、半導体検出部に設けられた電荷出力電極が有効画素領域を規定する。そして、電荷生成チップの電荷出力電極の配置と読出チップの電荷読出電極の配置が一致する。その結果、電荷出力電極の配置を電荷読出電極の配置に整合させる構成が不要である。従って、放射線撮像装置の構造を簡易にすることができる。
【0011】
一形態の放射線撮像装置の電荷生成チップは、信号接続配線及び電荷出力電極が設けられた電荷出力面を含む電荷再配線部と、互いに離間する複数の画素電極を介して電荷を電荷再配線部に出力する半導体検出部と、を有してもよい。第1読出チップは、第1信号入出力電極及び電荷読出電極が設けられた第1読出面を含むと共に、電荷再配線部から受けた電荷に基づくデジタル値を生成するリードアウト部を有してもよい。画素電極の配置間隔は、電荷出力電極の配置間隔と異なってもよい。この構成では、半導体検出部に設けられた画素電極が有効画素領域を規定する。そして、電荷再配線部は、画素電極の配置と電荷読出電極の配置とを互いに整合させる。その結果、有効画素領域を規定する画素電極の配置が電荷読出電極の配置によって制限されない。従って、有効画素領域を規定する画素電極の配置の自由度を高めることができる。
【0012】
一形態の放射線撮像装置の電荷生成チップは、信号接続配線及び電荷出力電極が設けられた電荷出力面を含むと共に、電荷を電荷出力電極から出力する半導体検出部を有してもよい。第1読出チップは、第1信号入出力電極及び電荷読出電極が設けられた第1読出面を含む読出再配線部と、互いに離間する複数の再配線電極を介して読出再配線部から受けた電荷に基づいてデジタル値を生成するリードアウト部と、を有してもよい。再配線電極の配置間隔は、電荷読出電極の配置間隔と異なってもよい。この構成では、半導体検出部に設けられた電荷出力電極の配置が有効画素領域を規定する。読出再配線部は、電荷出力電極に対面する電荷読出電極の配置と再配置電極の配置とを互いに整合させる。その結果、有効画素領域を規定する電荷出力電極の配置が再配置電極の配置によって制限されない。従って、有効画素領域を規定する電荷出力電極の配置の自由度を高めることができる。
【0013】
一形態の放射線撮像装置の電荷生成チップは、信号接続配線及び電荷出力電極が設けられた電荷出力面を含む電荷再配線部と、互いに離間する複数の画素電極を介して電荷を電荷再配線部に出力する半導体検出部と、を有してもよい。第1読出チップは、第1信号入出力電極及び電荷読出電極が設けられた第1読出面を含む読出再配線部と、互いに離間する複数の再配線電極を介して読出再配線部から受けた電荷に基づいてデジタル値を生成するリードアウト部と、を有してもよい。画素電極の配置間隔は、電荷出力電極の配置間隔と異なってもよい。再配線電極の配置間隔は、電荷読出電極の配置間隔と異なってもよい。この構成では、半導体検出部に設けられた画素電極が有効画素領域を規定する。そして、電荷再配線部は、画素電極の配置と電荷読出電極の配置とを互いに整合させる。さらに、読出再配線部は、電荷出力電極に対面する電荷読出電極の配置と再配置電極の配置とを互いに整合させる。その結果、有効画素領域を規定する画素電極の配置が再配置電極の配置によって制限されない。従って、有効画素領域を規定する画素電極の配置の自由度を高めることができる。
【0014】
一形態の放射線撮像装置は、電荷生成チップに電気的に接続されて、電荷生成チップから受けた電荷に基づくデジタル値を出力すると共に第2読出チップに隣接する第3読出チップをさらに備えてもよい。第3読出チップは、電荷出力面に対面する第3読出面と、第3読出面に設けられた第3信号入出力電極と、を有してもよい。電荷生成チップの電荷出力面は、第3読出部に対面する第3出力領域をさらに含んでもよい。第2読出チップは、第2読出面に設けられた第2追加信号入出力電極をさらに有してもよい。電荷生成チップは、第2出力領域から第3出力領域に延び、第2追加信号入出力電極を第3信号入出力電極に電気的に接続する追加信号接続配線をさらに有してもよい。この構成によれば、1個の電荷生成チップによって3個の読出チップを電気的に接続することができる。
【0015】
一形態の放射線撮像装置は、電荷生成チップに電気的に接続されて、電荷生成チップから受けた電荷に基づくデジタル値を出力すると共に第2読出チップに隣接する第3読出チップをさらに備えてもよい。第3読出チップは、電荷出力面に対面する第3読出面と、第3読出面に設けられた第3信号入出力電極と、を有してもよい。電荷生成チップの電荷出力面は、第3読出部に対面する第3出力領域をさらに含んでもよい。信号接続配線は、第1出力領域、第2出力領域及び第3出力領域に亘って設けられ、第1信号入出力電極、第2信号入出力電極及び第3信号入出力電極を互いに電気的に接続してもよい。この構成によっても、1個の電荷生成チップによって3個の読出チップを電気的に接続することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、歩留まりの低下を抑制できる放射線撮像装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、第1実施形態の放射線撮像装置の斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1の電荷生成チップと読出チップとを示す分解斜視図である。
【
図3】
図3は、
図1の電荷生成チップの電荷出力面を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、
図1の放射線撮像装置の接続構成を示す図である。
【
図6】
図6は、
図1の放射線撮像装置の機能ブロック図である。
【
図7】
図7は、第2実施形態の放射線撮像装置が備える電荷生成チップと読出チップとを示す分解斜視図である。
【
図8】
図8は、
図7の放射線撮像装置の接続構成を示す図である。
【
図9】
図9は、第3実施形態の放射線撮像装置が備える電荷生成チップと読出チップとを示す分解斜視図である。
【
図11】
図11は、第4実施形態の放射線撮像装置が備える電荷生成チップと読出チップとを示す分解斜視図である。
【
図13】
図13は、第1変形例の放射線撮像装置が備える電荷生成チップと読出チップとを示す分解斜視図である。
【
図14】
図14は、第2変形例の放射線撮像装置が備える電荷生成チップと読出チップとを示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1に示す放射線撮像装置1は、検査対象から到達する放射線に基づく二次元画像を得る。放射線とは、例えば、ガンマ線、X線、アルファ線及びベータ線などである。放射線撮像装置1は、電荷生成器2と、読出器3と、回路基板4と、を有する。電荷生成器2は、読出器3の上に配置されている。電荷生成器2は、複数の電荷生成チップ20を含む。電荷生成チップ20は、読出器3の上において二次元状に配置されている。電荷生成器2は、入射した放射線に応じた電荷を読出器3に出力する。
【0019】
読出器3は、回路基板4上に配置されている。読出器3は、複数の読出チップ30を含む。読出チップ30は、回路基板4上において二次元状に配置されている。読出器3は、回路基板4を介して制御器5から制御信号を受ける。読出器3は、電荷に応じた画素信号を生成する。また、読出器3は、回路基板4を介して画像生成器6に画像信号を出力する。具体的には、読出器3は、信号入出力電極30eを介して画像信号を回路基板4へ出力する。信号入出力電極30eは、読出器3の外周部に設けられている。信号入出力電極30eには、ボンディングワイヤ7の第1端部が接続されている。ボンディングワイヤ7の第2端部は、回路基板4基板電極40eに接続されている。
【0020】
読出器3と回路基板4との間の信号の入出力は、ボンディングワイヤ7が接続された信号入出力電極30eのみによって行われる。つまり、読出チップ30は、読出チップ裏面30bに設けられたバンプ電極を備えていない。読出チップ裏面30bは、電極が設けられていない平坦面である。本実施形態でいう「平坦面」とは、電極またはその他の電気的な構造が設けられていないことを意味する。従って、読出チップ30における外部との信号の入出力は、読出チップ表面30aからのみに限定されている。つまり、読出チップ30における外部との信号の入出力は、読出チップ裏面30bからは行われない。
【0021】
しかし、ボンディングワイヤ7が接続された読出チップ30は、読出器3における最外周に配置されたものだけである。以下の説明において、読出器3における最外周に配置された読出チップ30を、外側読出チップ30Sと称する。つまり、外側読出チップ30Sには、ボンディングワイヤ7が接続されている。一方、外側読出チップ30Sに囲まれた領域に配置された読出チップ30を内側読出チップ30Kと称する。つまり、内側読出チップ30Kには、ボンディングワイヤ7が接続されない。なお、以下の説明では、必要に応じて外側読出チップ30S及び内側読出チップ30Kとの用語を用いる。特に区別の必要がない場合には、単に読出チップ30と称する。
【0022】
請求項でいう第1読出チップ及び第2読出チップは、互いに隣接する読出チップを意味する。従って、外側読出チップ30Sが第1読出チップであり、内側読出チップ30Kが第2読出チップである場合もあり得る。また、外側読出チップ30Sが第1読出チップであり、当該外側読出チップ30Sに隣接する別の外側読出チップ30Sが第2読出チップである場合もあり得る。さらに、内側読出チップ30Kが第1読出チップであり、当該内側読出チップ30Kに隣接する別の内側読出チップ30Kが第2読出チップである場合もあり得る。
【0023】
内側読出チップ30Kは、外側読出チップ30Sを介して信号の入出力を行う。例えば、
図1に示す内側読出チップ30Kは、隣接する外側読出チップ30Sを介して画像信号を出力する。なお、内側読出チップ30Kが隣接する別の内側読出チップ30Kを介して隣接する外側読出チップ30Sに接続される場合もあり得る。
【0024】
この接続構成は、
図2に示す読出チップ30の信号入出力電極30e(第1信号入出力電極)と、当該読出チップ30に隣接する別の読出チップ30の信号入出力電極30e(第2信号入出力電極)と、を電気的に接続する構成によって実現できる。つまり、一方の読出チップ30の信号入出力電極30eを他方の読出チップ30の信号入出力電極30eに信号接続配線20eによって接続する。信号接続配線20eは、電荷生成チップ20に設けられている。つまり、電荷生成チップ20を互いに隣接する読出チップ30にまたがるように配置する。その結果、電荷生成チップ20に設けられた信号接続配線20eは、一方の読出チップ30を他方の読出チップ30に電気的に接続する。本実施形態の放射線撮像装置1の電荷生成チップ20は、放射線を受けて電荷を出力する第1機能に加えて、互いに隣接する読出チップ30を電気的に接続する第2機能も有する。
【0025】
<電荷生成チップ>
電荷生成チップ20は、入射した放射線に応じた電荷を生成する。電荷生成チップ20は、電荷を読出チップ30に出力する。電荷生成チップ20及び読出チップ30の形状は、板状である。平面視したとき、電荷生成チップ20の形状は、読出チップ30の形状と一致していてもよい。また、電荷生成チップ20の形状は、読出チップ30の形状と異なっていてもよい。以下の説明では、電荷生成チップ20の平面形状は、読出チップ30の平面形状と同じであるとする。
【0026】
電荷生成チップ20は、読出チップ30の上に配置されている。電荷生成チップ20は、2個以上の読出チップ30の上に配置されている。
図2に示す例では、1個の電荷生成チップ20は、4個の読出チップ30にまたがっている。例えば、電荷生成チップ20の端面は、読出チップ30の端面に対してずれている。具体的には、電荷生成チップ20の端面と読出チップ30の端面とのずれは、電荷生成チップ20の一辺の半分である。このような構成によると、電荷生成チップ20が発生した電荷は、4個の読出チップ30のそれぞれに移動する。
【0027】
電荷生成チップ20が4個の読出チップ30にまたがって配置されるとき、電荷生成チップ20の電荷出力面21bは、4か所の出力領域を含む。
図3に示すように、電荷出力面21bは、出力領域21F1(第1出力領域)、出力領域21F2(第2出力領域)、出力領域21F3(第3出力領域)、出力領域21F4(第4出力領域)を含む。
【0028】
再び
図2を参照する。電荷生成チップ20は、半導体検出部21と、制御電極部22と、電荷出力電極20gと、信号接続配線20eと、を有する。
【0029】
半導体検出部21は、受けたX線によって電子正孔対(電荷対)を生成する。つまり、半導体検出部21は、受けた放射線をそのエネルギに対応した電流信号(電荷信号)に変換する。半導体検出部21の平面形状は、矩形である。半導体検出部21の大きさは、例えば、9.6mm×9.6mm程度である。半導体検出部21は、X線などの放射線を受ける半導体入射面21aと、電荷を出力する電荷出力面21bと、を有する。電荷に基づく信号は、電荷出力面21bから読出チップ30に提供される。半導体検出部21としては、例えば、Cd(Zn)Te電荷生成器、Si電荷生成器、Ge電荷生成器、GaAs電荷生成器、GaN電荷生成器及びTlBr電荷生成器等を利用してよい。また、半導体検出部21として、シンチレータと光検出器とを備えた装置を用いてもよい。シンチレータは、X線を光に変換する。光検出器は、シンチレータが生成した光を電荷に変換する。
【0030】
制御電極部22は、半導体入射面21aに設けられている。制御電極部22は、半導体入射面21aの全面を覆う。平面視すると、制御電極部22の平面形状は、半導体入射面21aの平面形状と一致する。制御電極部22は、半導体検出部21が配置される領域に、電界を形成する。電界は、半導体検出部21に発生した電荷が移動する方向を決める。制御電極部22が発生する電界は、半導体検出部21の内部において電荷を電荷出力面21bに向かって移動させる。
【0031】
図3は、電荷生成チップ20を電荷出力面21bの側から見た斜視図である。
図3に示すように、複数の電荷出力電極20gは、電荷出力面21bに設けられている。電荷出力電極20gは、バンプであってもよい。複数の電荷出力電極20gは、格子状に配置されている。
図3に示す電荷生成チップ20は、縦方向に電荷出力電極20gが6個並んでおり、横方向にも電荷出力電極20gが6個並んでいる。つまり、
図3に示す電荷生成チップ20は、36個の電荷出力電極20gを有する。1個の電荷出力電極20gは、1個の画素G(
図5参照)に対応する。従って、電荷出力電極20gが配置されている領域は、有効画素領域である。互いに隣接する電荷出力電極20gの間には、隙間が形成されている。この隙間は、電荷出力面21bを露出させる。
【0032】
複数の信号接続配線20eは、電荷出力面21bに設けられている。信号接続配線20eは、電荷出力電極20gの間に設けられている。
図3に示す電荷生成チップ20は、8個の信号接続配線20eを有する。信号接続配線20eは、電荷生成チップ20を平面視したときの中心線20L1をまたぐ。つまり、信号接続配線20eの第1端部が配置される出力領域と、信号接続配線20eの第2端部が配置される出力領域と、は、異なっている。例えば、
図3に示す信号接続配線20eaは、出力領域21F1から出力領域21F2に向かって延びている。また、信号接続配線20eは、電荷生成チップ20を平面視したときの別の中心線20L2をまたぐ。これらの中心線20L1、20L2は、電荷生成チップ20を読出チップ30上に配置したとき、互いに隣接する読出チップ30の間に形成される隙間に重複する。信号接続配線20eの短手方向の長さは、電荷出力電極20gの配置間隔よりも小さい。信号接続配線20eの長手方向の長さは、電荷出力電極20gの一辺よりも長い。例えば、信号接続配線20eの長手方向の長さは、電荷出力電極20gの2個分の長さと、隙間の1か所分の長さとの合計であってもよい。信号接続配線20eの厚みは、電荷出力電極20gの厚みとおおむね同じであってもよい。
【0033】
<読出チップ>
図4は、読出チップ30の斜視図である。なお、チップ単体として見た場合には、外側読出チップ30Sと内側読出チップ30Kとで本質的に相違はない。
【0034】
読出チップ30は、半導体検出部21が発生した電荷に基づく画素信号を生成する。画素信号は、デジタル値である。読出チップ30は、隣接する別の読出チップ30を介して画素信号を回路基板4に出力する(
図5参照)。読出チップ30は、読出再配線層31(読出再配線部)と、リードアウト基板32(リードアウト部)と、を有する。
【0035】
読出再配線層31は、半導体検出部21から電荷を受ける。読出再配線層31は、受けた電荷をリードアウト基板32に渡す。読出再配線層31は、読出再配線入力面31a(第1読出面、第2読出面)と、読出再配線出力面31bと、を有する。読出再配線入力面31aは、電荷生成器10に対面する。読出再配線出力面31bは、リードアウト基板32に対面する。
【0036】
読出再配線入力面31aは、半導体検出部21の電荷出力面21bに対面する。読出再配線入力面31aには、複数の電荷読出電極30gが二次元状に等間隔に配置されている。
図4に示す読出チップ30では、読出再配線入力面31aの全面に、複数の電荷読出電極30gが配置されている。電荷読出電極30gは、電荷出力電極20gに対面する。従って、電荷読出電極30gの配置間隔は、電荷出力電極20gの配置間隔とおおむね同じである。なお、電荷読出電極30gが電荷出力電極20gに対面していればよい。この対面は、電荷読出電極30gの一部が電荷出力電極20gに対面していることも許容する。つまり、電荷読出電極30gの全面が電荷出力電極20gに対して対面していることは必ずしも要しない。そして、電荷読出電極30gは、電荷出力電極20gに対してハンダなどによって電気的に接続されている。なお、電荷読出電極30gと電荷出力電極20gとは、電気的に接続されていればよく、互いに固定されていてもよいが、必ずしも固定されていることを要しない。
【0037】
読出再配線入力面31aには、複数の信号入出力電極30eが配置されている。信号入出力電極30eは、電荷読出電極30gの間に設けられている。具体的には、信号入出力電極30eは、読出再配線入力面31aの最外周に配置された電荷読出電極30gの間に設けられている。例えば、読出再配線入力面31aの辺部には、電荷読出電極30gと信号入出力電極30eとが交互に設けられる。信号入出力電極30eは、読出再配線入力面31aからリードアウト基板32に向かって延びている。信号入出力電極30eの第1端部は、読出再配線入力面31aに露出する。信号入出力電極30eの第2端部は、リードアウト基板32の内部に配置されている(
図5参照)。つまり、信号入出力電極30eの第2端部は、リードアウト基板32の裏面側に露出しない。換言すると、信号入出力電極30eは、読出チップ30を貫通しない。つまり、信号入出力電極30eは、いわゆる貫通電極ではない。
【0038】
図5に示すように、信号入出力電極30eは、リードアウト基板32に設けられた信号処理器33に接続されている。信号入出力電極30eは、電荷生成チップ20に設けられた信号接続配線20eに電気的に接続されている。従って、信号入出力電極30eは、信号接続配線20eに対面する。信号入出力電極30eは、信号接続配線20eによって隣接する読出チップ30の信号入出力電極30eに接続されている。また、外側読出チップ30Sの一部の信号入出力電極30eは、読出器3の入出力端として機能する。つまり、外側読出チップ30Sの一部の信号入出力電極30eには、ボンディングワイヤ7が接続される。
【0039】
信号入出力電極30eは、信号処理器33から読出チップ30の外部へ信号を出力する。また、信号入出力電極30eは、読出チップ30の外部から受けた信号を信号処理器33へ渡す。この場合には、信号処理器33は、ある信号入出力電極30eから受けた信号を、そのまま別の信号入出力電極30eに渡す。この場合には、一方側に隣接する内側読出チップ30Kから受けた信号を、他方側に隣接する外側読出チップ30Sに出力する。
【0040】
読出再配線出力面31bは、リードアウト基板32のリードアウト入力面32aと接する。読出再配線出力面31bには、複数の再配線電極31pが二次元状に配置されている。読出再配線層31は、再配線電極31pを介してリードアウト基板32に電荷を渡す。再配線電極31pは、読出再配線層31とリードアウト基板32との電気的な接続点である。再配線電極31pの具体的な構成は、特に制限はない。再配線電極31pの数は、電荷読出電極30gの数と同じである。つまり、1個の再配線電極31pには1個の電荷読出電極30gが繋がっている。再配線電極31pは、読出再配線出力面31bにおいて二次元状に配置されている。再配線電極31pの配置間隔は、電荷読出電極30gの配置間隔と異なる。具体的には、再配線電極31pの配置間隔は、電荷読出電極30gの配置間隔より狭い。
【0041】
リードアウト基板32は、リードアウト入力面32aと、リードアウト裏面32bと、信号処理器33と、を有する。
【0042】
リードアウト入力面32aには、再配線電極31pが配置される。再配線電極31pは、信号処理器33に接続されている。信号処理器33は、電荷をデジタル値である画素信号に変換する。信号処理器33は、電荷生成器10が出力する電荷を画素信号であるエネルギ積分信号に変換する。エネルギ積分信号は、少なくとも入射した放射線が有していたエネルギの情報を含む。信号処理器33は、信号入出力電極30eを介して画像信号を出力する。信号処理器33は、信号入出力電極30eから制御信号を受ける。また、信号処理器33は、ある信号入出力電極30eから受けた画像信号又は制御信号を、別の信号入出力電極30eにそのまま渡す。
【0043】
リードアウト裏面32bは、回路基板主面4aに対面する。リードアウト裏面32bには、電気的又は物理的な構成部位は形成されていない。例えば、信号入出力電極30eの第2端部がリードアウト裏面32bに露出することはない。リードアウト裏面32bは、回路基板主面4aに対して物理的に固定されているだけである。従って、回路基板主面4aにおいて、リードアウト裏面32bに対面する領域にも、電気的又は物理的な構成部位は形成されていない。つまり、読出チップ30の平坦なリードアウト裏面32bは、回路基板4平坦な回路基板主面4aに取り付けられる。
【0044】
信号処理器33は、複数の信号処理部33aを有する。1個の信号処理部33aは、1個の画素Gに対応する。従って、1個の信号処理部33aには、1個の再配線電極31pが接続される。
【0045】
ここで、信号処理部33aの配置間隔と、画素Gの配置間隔とが互いに異なる点に注目する。具体的には、信号処理部33aの配置間隔は、画素Gの配置間隔より狭い。なぜならば、画素Gが電荷生成チップ20の全面にわたって配置されるのに対して、信号処理部33aは信号入出力電極30eに囲まれた領域に配置されるからである。信号入出力電極30eに囲まれた領域は、電荷生成チップ20の全面の領域よりも狭い。そして、1個の画素Gは、1個の信号処理部33aに対応する。つまり、画素Gの数と信号処理部33aの数は等しい。従って、信号処理部33aの配置間隔を画素Gの配置間隔より狭くする必要がある。そこで、読出チップ30は、信号処理部33aの配置間隔を、画素Gの配置間隔に変換するための読出再配線層31を備えている。つまり、読出再配線層31は、ピッチ変換基板である。
【0046】
なお、信号処理部33aの配置間隔と画素Gの配置間隔との関係は、上記の関係に限定されない。信号処理部33aの配置間隔と画素Gの配置間隔とを一致させる構成も実現可能である。その場合には、読出再配線層31を省略することもできる。さらに、配置間隔を変換する機能を奏する構成は、画素Gと信号処理部33aとの間に存在すればよい。つまり、配置間隔を変換する機能を奏する構成は、電荷生成チップ20に設けられてもよい。さらに、配置間隔を変換する機能を奏する構成は、電荷生成チップ20及び読出チップ30の両方に設けられてもよい。これらの例については、第2実施形態、第3実施形態及び第4実施形態として後に説明する。
【0047】
図6に示すように、読出チップ30は、信号変換器33a1と、メモリ33a2と、を有する。信号変換器33a1及びメモリ33a2は、信号処理部33aを構成する。つまり、電荷生成チップ20の1個の画素に対して、1個の信号変換器33a1及び1個のメモリ33a2が接続されている。
【0048】
1個の信号変換器33a1は、読出再配線層31の配線31cを介して電荷生成チップ20の1個の電荷出力電極20gに接続されている(
図5参照)。信号変換器33a1は、電荷生成チップ20から電荷φ1を受ける。信号変換器33a1は、電荷φ1に基づくアナログ信号を離散化する。アナログ信号は、電圧として表現される。電圧は、電荷生成チップ20の対応する画素Gに入射した放射線のエネルギ又は粒子の数に対応する。従って、信号変換器33a1は、デジタル信号を出力するA/D変換器である。例えば、信号変換器33a1の分解能は、10ビットであるとしてよい。
【0049】
メモリ33a2は、信号変換器33a1に接続される。メモリ33a2は、信号変換器33a1からデジタル信号φ2を受ける。そして、メモリ33a2は、デジタル信号φ2が入力されるたびに、デジタル信号φ2を保存する。メモリ33a2は、デジタル信号φ2を所定のメモリ空間に逐次保存する。そして、メモリ33a2は、制御器5から提供される制御信号θに応じて、デジタル信号φ2を画像生成器6に出力する。
【0050】
<作用効果>
以下、放射線撮像装置1の開発に至った経緯を述べると共に、放射線撮像装置1の作用効果について説明する。
【0051】
本願発明者らは、放射線撮像装置1を製造するプロセスについて研究開発を行っている。放射線撮像装置1を製造するプロセスには、例えば、半導体検出器に電極を形成する工程、ウェハからチップを切り出す工程及びチップ同士を接合する工程が挙げられる。
【0052】
放射線の検出器として、シンチレーション検出器と半導体検出部とが挙げられる。シンチレーション検出器と半導体検出部とを比較した場合に、半導体検出器はX線のイメージング技術において高感度及び高解像を容易に実現することができる。半導体検出器を備えた放射線撮像装置1は、より細かなX線画像をより短時間で撮像することができる。その結果、半導体検出器を備えた放射線撮像装置1は、医療、工業、非破壊検査、セキュリティ及び産業・社会インフラ検査などで利用されている。
【0053】
しかし、半導体検出器は、単一の素子で大きな検出面積を実現することが難しい。単一の半導体検出器における検出面積は、一例として20mm×20mm程度である。上述した放射線撮像装置1が利用される分野では、例えば400mm×400mmといった検出面積が要求される。そこで、単一の半導体検出器では実現できない大きな検出面積を、複数の半導体検出部によって実現する手法が検討されている。
【0054】
放射線の入射によって半導体検出器が出力する信号は、半導体検出器だけでは読み出すことができない。つまり、放射線撮像装置1は、半導体検出器に加えて、半導体検出器が出力する信号を処理する読出回路を備えている。半導体検出器と読出回路は積層されている。このように、半導体検出器と読出回路とを備えたものを、検出器モジュールと呼ぶ。そして、半導体検出器の画素ごとに出力される信号は、読出回路における信号処理によってデジタル値に変換される。デジタル値は、さらなる信号処理によって放射線画像に変換される。従って、放射線画像を生成する処理を行う処理装置に読出回路からデジタル値を伝送する必要がある。つまり、処理装置と読出回路とを電気的に接続する必要がある。
【0055】
このような接続構成として、回路基板に配置された複数の読出回路ごとに、回路基板と読出回路とをボンディングワイヤによって接続する構成が挙げられる。しかし、このような構成では、読出回路の周囲にボンディングパッドを配置する必要がある。つまり、互いに隣り合う読出回路の間にはボンディングパッドを配置可能な程度の大きな隙間が生じてしまう。読出回路の上には半導体検出器が設けられている。従って、読出回路間の隙間は、半導体検出器の隙間であるともいえる。半導体検出器の隙間は、放射線の検出領域として機能しない。その結果、撮像装置として不利である。
【0056】
読出チップを回路基板に接続する別の技術として、読出チップの裏面に露出する貫通電極を用いるものがある。このような技術は、貫通シリコンビア(TSV:Though Silicon Via)とも称される。貫通シリコンビアは、読出チップの裏面に露出しているから、読出チップと回路基板との接続箇所は、読出チップと回路基板との対面部分である。そうすると、読出チップの周囲にボンディングパッドを設ける必要がないので、読出回路の隙間を小さくすることができる。
【0057】
しかし、貫通シリコンビアを設けるためには、貫通シリコンビアを設ける読出チップを所定の厚さまで薄くする必要がある。その結果、読出チップの機械的強度が低下する。読出チップの機械的強度が低下すると、電荷生成チップと読出チップの接合工程の難易度が高まる。具体的には、電荷生成チップ及び読出チップの保持が困難になる。また、読出チップを回路基板に配置する工程の難易度も高まる。
【0058】
上述の技術的背景から、本願発明者らは、放射線撮像装置1を発明するに至った。つまり、電荷生成チップ20と読出チップ30を一対一に積層せず、電荷生成チップ20と読出チップ30との位置が水平方向に沿ってずれるように積層する。そして、読出チップ30同士は、読出チップ30の表面に設けた電極を電荷生成チップ20に設けた信号接続配線20eによって互いに接続する。
【0059】
要するに、放射線撮像装置1の読出チップ30は、電荷生成チップ20に対面する読出再配線入力面31aに設けられた信号入出力電極30eを有する。例えば、外側読出チップ30Sの信号入出力電極30eは、電荷生成チップ20に設けられた信号接続配線20eによって内側読出チップ30Kの信号入出力電極30eに接続される。従って、互いに隣接する読出チップ30にまたがるように電荷生成チップ20を配置するだけで、外側読出チップ30Sを内側読出チップ30Kに接続することができる。その結果、外側読出チップ30Sを内側読出チップ30Kに容易に接続できるので、放射線撮像装置1を組み立てるときの作業不良の発生が抑制される。従って、歩留まりの低下を抑制することができる。
【0060】
このような接続構成によれば、読出チップ30ごとに、読出チップ30の周囲にボンディングパッドを設ける必要がない。さらに、読出チップ30に電荷生成チップと読出チップを設ける必要もない。
【0061】
その結果、放射線撮像装置1は、以下のような効果を得ることができる。読出チップ30の周囲にボンディングパッドを設ける必要がないので、読出チップ30の間隔を小さくすることができる。読出チップ30と電荷生成チップ20とをずらして配置しているので、読出チップ30の隙間の上には電荷生成チップ20が存在する。従って、読出チップ30の隙間の影響を電荷生成チップ20が受けにくい。読出チップ30に貫通シリコンビアを設ける必要がないので、読出チップ30を薄膜化する必要がない。その結果、薄膜化による機械強度の低下が抑制されるので、読出チップ30の取り扱いが容易になる。さらに、読出チップ30が十分な厚みを有するので、動作中に発生する熱に起因して読出チップ30に発生する熱応力にも耐えることができる。
【0062】
さらに、読出チップ30の裏面には貫通シリコンビアが露出しない。従って、貫通シリコンビアと回路基板4の電極とを接続する工程が不要である。そのうえ、読出チップ30の裏面には貫通シリコンビアが露出しないので、読出チップ30の裏面は平坦である。従って、回路基板4に対する読出チップ30の取付の寸法誤差を小さくすることができる。具体的には、回路基板4の表面に対して読出チップ30を平行に容易に取り付けることができる。また、回路基板4表面を基準として高さ方向の位置を読出チップ30ごとに容易に揃えることができる。
【0063】
薄膜化されたチップの取り回しや、貫通シリコンビアの電気的接合、要求される取付精度を満たす組み立てなどは、いずれも作業不良の要因となり得る。放射線撮像装置1は、放射線撮像装置1の製造工程におけるこれらの不具合を排除することができる。その結果、放射線撮像装置1の製造において生じる不良品の発生を抑制することができる。従って、放射線撮像装置1の製造の歩留まりを向上することができる。
【0064】
<第2実施形態>
図7は、第2実施形態の放射線撮像装置1Aが備える電荷生成チップ20Aと読出チップ30Aとを示す分解斜視図である。
図8は、
図7の放射線撮像装置1Aの接続構成を示す図である。上述したように、画素Gの配置間隔と信号処理部33aの配置間隔とが異なる場合には、配置間隔を整合させる構成として読出再配線層31を要することを述べた。第2実施形態では、画素Gの配置間隔と信号処理部33aの配置間隔とが同じである放射線撮像装置1Aについて説明する。つまり、第2実施形態の放射線撮像装置1Aは、配置間隔を変更する構成を備えない。
【0065】
放射線撮像装置1Aは、電荷生成器2Aと、読出器3Aと、を有する。電荷生成器2Aは、複数の電荷生成チップ20Aを有する。第1実施形態の放射線撮像装置1では、電荷出力電極20gの配置は、信号処理部33aの配置によって制限されない。逆に、信号処理部33aの配置は、電荷出力電極20gの配置によって制限されない。一方、第2実施形態の放射線撮像装置1Aでは、電荷出力電極20gの構成は、信号処理部33aの構成によって制限される。つまり、信号処理器33を構成する複数の信号処理部33aの配置に対応するように、電荷出力電極20gを配置する。電荷生成チップ20Aは、電荷出力電極20gの構成が第1実施形態の電荷生成チップ20の電荷出力電極20gの構成と相違する。具体的には、電荷出力面21bにおいて、信号処理部33aと重複する領域だけに電荷出力電極20gを設ける。つまり、信号処理部33aと重複しない領域には、電荷出力電極20gを設けない。信号処理部33aと重複しない領域とは、信号接続配線20eが設けられた領域である。従って、第2実施形態の電荷生成チップ20Aは、第1実施形態の電荷生成チップ20のように、信号接続配線20eの間に電荷出力電極20gは設けられていない。
【0066】
この条件を満たす場合には、電荷生成チップ20Aの厚み方向及び読出チップ30Aの厚み方向において、電気的に互いに接合される電荷出力電極20gと信号処理部33aとを重複させることができる。つまり、電荷出力電極20gの配置間隔が信号処理部33aの配置間隔に対応するので、それぞれの配置間隔を整合させる構成は必要ない。その結果、
図7に示されるように、第2実施形態の読出チップ30Aは、読出再配線層31を備えていない。第2実施形態の読出チップ30Aは、リードアウト基板32のみを有する。そして、リードアウト基板32のリードアウト入力面32aに、電荷読出電極30gと信号入出力電極30eとが設けられる。
【0067】
第2実施形態の放射線撮像装置1Aによれば、読出チップ30Aの構成を単純にすることができる。
【0068】
<第3実施形態>
図9は、第3実施形態の放射線撮像装置1Bが備える電荷生成チップ20Bと読出チップ30Bとを示す分解斜視図である。
図10は、
図9の放射線撮像装置1Bの接続構成を示す図である。第3実施形態の放射線撮像装置1Bは、第1実施形態の放射線撮像装置1と同様に、電荷出力電極20gの配置を信号処理部33aの配置によって制限させない構成を採用する。第1実施形態では、配置間隔を整合させる構成を読出チップ30に設けた。配置間隔を整合させる構成は、半導体検出部21と信号処理部33aとの間に設ければよい。そこで、第3実施形態の放射線撮像装置1Bでは、配置間隔を整合させる構成を電荷生成チップ20Bに設ける。
【0069】
図9に示すように、放射線撮像装置1Bは、電荷生成器2Bと、読出器3Bと、を有する。そして、電荷生成器2Bは、複数の電荷生成チップ20Bを有する。読出器3Bは、複数の読出チップ30Bを有する。
【0070】
電荷生成チップ20Bは、半導体検出部21と、制御電極部22と、電荷再配線層23(電荷再配線部)と、を有する。電荷再配線層23は、画素Gの配置間隔を、信号処理部33aの配置間隔に整合させる。電荷再配線層23は、半導体検出部21の電荷出力面21bに設けられる。電荷再配線層23は、電荷出力面21bに対面する電荷再配線入力面23aと、読出チップ30Bに対面する電荷再配線出力面23bと、を有する。第3実施形態では、電荷再配線出力面23bが請求項で言う電荷出力面に対応する。
【0071】
電荷再配線入力面23aには、複数の画素電極23pが設けられる。画素電極23pは、互いに離間して二次元状に配置されている。第3実施形態では、画素電極23pの配置が、画素Gの配置に対応する。つまり、画素電極23pの配置が、有効画素領域を決定する。電荷再配線出力面23bには、電荷出力電極20gと、信号接続配線20e、20fと、が設けられる。ここで、電荷再配線層23は、1個の画素電極23pと1個の電荷出力電極20gとを互いに電気的に接続する配線23cを含む(
図10参照)。この配線23cによって、電荷出力電極20gの配置間隔を画素電極23pの配置間隔と異ならせることができる。
【0072】
そこで、電荷出力電極20gを、信号接続配線20e、20fが設けられていない領域に設ける。この場合に、電荷出力電極20gの配置は、読出チップ30Bの信号処理部33aの配置に対応してもよい。つまり、電荷出力電極20gと信号処理部33aとの間には、配置間隔を整合させる構成を設ける必要がない。さらに、電荷再配線出力面23bにおいて、電荷出力電極20gが設けられる領域と信号接続配線20e、20fが設けられる領域とが互いに重複しない。その結果、信号接続配線20e、20fの構成は、電荷出力電極20gの構成に制限されずに決定できる。例えば、第1実施形態では、電荷出力電極20gの間に信号接続配線20eを設けていた。従って、信号接続配線20eの幅は、電荷出力電極20gの間隔に制限されていた。つまり、信号接続配線20eの幅は、電荷出力電極20gの間隔より大きくすることはできなかった。また、電荷出力電極20gが設けられた場所に、信号接続配線20eを設けることもできなかった。
【0073】
これに対して、第3実施形態の放射線撮像装置1Bでは、信号接続配線20e、20fが設けられる領域に、電荷出力電極20gが設けられない。従って、信号接続配線20e、20fの配置は、電荷出力電極20gの配置に制限されない。例えば、第1幅を有する信号接続配線20eと、第1幅よりも大きい第2幅を有する信号接続配線20fと、を設けることができる。また、信号接続配線20e、20fを設置可能な領域において、信号接続配線20e、20fを任意の場所に配置することもできる。
【0074】
読出チップ30Bは、リードアウト基板32を有する。つまり、読出チップ30Bは、読出再配線層31を備えていない。リードアウト基板32のリードアウト入力面32a(第1読出面、第2読出面)は、電荷生成チップ20Bに対面する。リードアウト入力面32aには、電荷読出電極30gと、信号入出力電極30e、30fが設けられている。電荷読出電極30gは、電荷出力電極20gに対面する。電荷読出電極30gは、電荷出力電極20gに電気的に接続されている。電荷読出電極30gの配置は、信号処理部33aの配置に対応してもよい。信号入出力電極30eは、信号接続配線20eに対面する。信号入出力電極30eは、信号接続配線20eに電気的に接続されている。信号入出力電極30fは、信号接続配線20fに対面する。信号入出力電極30fは、信号接続配線20fに電気的に接続されている。
【0075】
第3実施形態の放射線撮像装置1Bによれば、有効画素領域を十分に確保できると共に、信号接続配線20e、20fの形状及び配置の自由度を高めることができる。
【0076】
<第4実施形態>
図11は、第4実施形態の放射線撮像装置1Cが備える電荷生成チップ20Cと読出チップ30Cとを示す分解斜視図である。
図12は、
図11の放射線撮像装置1Cの接続構成を示す図である。第4実施形態の放射線撮像装置1Cも、第1実施形態及び第3実施形態と同様に、画素Gの配置を信号処理部33aの配置によって制限させない構成を採用する。そこで、第4実施形態の放射線撮像装置1Cでは、電荷生成チップ20Cに配置間隔を整合させる構成を設けると共に、読出チップ30Cにも配置間隔を整合させる構成を設ける。
【0077】
図11に示すように、第4実施形態の放射線撮像装置1Cは、電荷生成器2Cと、読出器3Cと、を有する。そして、電荷生成器2Cは、複数の電荷生成チップ20Cを有する。読出器3Cは、複数の読出チップ30Cを有する。
【0078】
電荷生成チップ20Cは、半導体検出部21と、制御電極部22と、電荷再配線層23と、を有する。電荷再配線層23の電荷再配線入力面23aには、画素電極23pが設けられる。画素電極23pの配置は、有効画素領域に基づいて決定してよい。電荷再配線出力面23bには電荷出力電極20gと信号接続配線20eとが設けられている。電荷出力電極20gの配置と信号接続配線20eの配置とに特に制限はない。例えば、
図11に示すように、電荷出力電極20gが設けられる領域と、信号接続配線20eが設けられる領域とが、互いに重複しなくてもよい。また、例えば、第1実施形態のように、電荷出力電極20gが設けられる領域と、信号接続配線20eが設けられる領域とを、互いに一部重複させてもよい。なお、電荷出力電極20gの配置は、信号処理部33aの配置には対応しない。
【0079】
読出チップ30Cは、読出再配線層31と、リードアウト基板32と、を有する。読出再配線層31の読出再配線入力面31a(第1読出面)には、電荷読出電極30gが設けられている。電荷読出電極30gの配置は、電荷出力電極20gの配置に対応する。つまり、電荷読出電極30gは、電荷出力電極20gに電気的に接続される。読出再配線層31の読出再配線出力面31bには、再配線電極31pが設けられている。再配線電極31pの配置は、信号処理部33aの配置に対応する。
【0080】
第1実施形態の放射線撮像装置1及び第3実施形態の放射線撮像装置1Bが、それぞれ1個の再配線層によって、画素Gの配置と信号処理部33aの配置とを互いに整合させる。第4実施形態の放射線撮像装置1Cは、2個の再配線層によって、画素Gの配置と信号処理部33aの配置とを互いに整合させる。この構成によれば、再配線層の1個当たりの整合長さを短くすることができる。
【0081】
本発明の放射線撮像装置1は、上記の実施形態に限定されない。
【0082】
<第1変形例>
図13は、第1変形例の放射線撮像装置1Dが備える電荷生成チップ20Dと読出チップ30D1~30D6とを示す分解斜視図である。第1実施形態の放射線撮像装置1では、1個の電荷生成チップ20が4個の読出チップ30にまたがっていた。従って、1個の電荷生成チップ20は、互いに隣接する読出チップ30を電気的に接続していた。例えば、
図13に示す第1変形例の放射線撮像装置1Dのように、電荷生成チップ20Dは、4個以上の読出チップ30D1~30D6にまたがっていてもよい。
図13に示す電荷生成チップ20Dは、第1読出チップ30D1、第2読出チップ30D2、第3読出チップ30D3、第4読出チップ30D4、第5読出チップ30D5及び第6読出チップ30D6にまたがっている。従って、電荷生成チップ20Dは、第1出力領域20F1、第2出力領域20F2、第3出力領域20F3、第4出力領域20F4、第5出力領域20F5及び第6出力領域20F6を有する。第1出力領域20F1、第2出力領域20F2、第3出力領域20F3、第4出力領域20F4、第5出力領域20F5及び第6出力領域20F6は、それぞれ、第1読出チップ30D1、第2読出チップ30D2、第3読出チップ30D3、第4読出チップ30D4、第5読出チップ30D5及び第6読出チップ30D6に対面する。
【0083】
電荷生成チップ20Dは、紙面左右方向に並ぶ3個の第1読出チップ30D1、第2読出チップ30D2及び第3読出チップ30D3(第3読出チップ)を接続する。第3読出チップ30D3は、第3読出面である読出再配線入力面31aと、第3信号入出力電極である信号入出力電極30eと、を有する。さらに、電荷生成チップ20Dは、紙面左右方向に並ぶ3個の第4読出チップ30D4、第5読出チップ30D5及び第6読出チップ30D6も接続する。電荷生成チップ20Dは、第1信号接続配線20e1と、第2信号接続配線20e2と、第3信号接続配線20e3と、第4信号接続配線20e4と、を有する。第1信号接続配線20e1は、第1読出チップ30D1の信号入出力電極30eを第2読出チップ30D2の信号入出力電極30e1に接続する。第2信号接続配線20e2(追加信号接続配線)は、第2読出チップ30D2の別の信号入出力電極30e2(第2追加信号入出力電極)を第3読出チップ30D3の信号入出力電極30eに接続する。第3信号接続配線20e3は、第4読出チップ30D4の信号入出力電極30eを第5読出チップ30D5の信号入出力電極30eに接続する。第4信号接続配線20e4は、第5読出チップ30D5の信号入出力電極30eを第6読出チップ30D6の信号入出力電極30eに接続する。このような構成によれば、1個の電荷生成チップ20Dによって、第1読出チップ30D1を、第2読出チップ30D2を介して第3読出チップ30D3に接続することができる。同様に、第4読出チップ30D4を、第5読出チップ30D5を介して第6読出チップ30D6に接続することができる。
【0084】
<第2変形例>
図14は、第2変形例の放射線撮像装置1Eが備える電荷生成チップ20Eと読出チップ30E1~30E6とを示す分解斜視図である。第2変形例の放射線撮像装置1Dでは、1個の第1信号接続配線20e1は、読出チップ30K1を読出チップ30K2に電気的に接続していた。例えば、
図14の第2変形例の放射線撮像装置1Eが備える信号接続配線20e5は、第1読出チップ30E1から第2読出チップ30E2を経由して第3読出チップ30E3まで延びていてもよい。同様に、信号接続配線20e6も、第4読出チップ30E4から第5読出チップ30E5を経由して第6読出チップ30E6まで延びていてもよい。この構成によれば、1個の電荷生成チップ20Eによって、第1読出チップ30E1を、信号接続配線20e5によって直接に第3読出チップ30E3に接続することができる。同様に、第4読出チップ30E4を、信号接続配線20e6によって直接に第6読出チップ30E6に接続することができる。
【符号の説明】
【0085】
1,1A,1B,1C,1D,1E…放射線撮像装置、4…回路基板、20,20A,20B,20C,20D,20E…電荷生成チップ、20e,20f…信号接続配線、20e2…第2信号接続配線(追加信号接続配線)、20F1…第1出力領域、20F2…第2出力領域、20F3…第3出力領域、20F4…第4出力領域、20g…電荷出力電極、21…半導体検出部、23…電荷再配線層(電荷再配線部)、23p…画素電極、30e…信号入出力電極(第1信号入出力電極、第2信号入出力電極)、30e2…信号入出力電極(第2追加信号入出力電極)、30g…電荷読出電極、31…読出再配線層(読出再配線部)、31p…再配線電極、32…リードアウト基板(リードアウト部)。