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  • 特許-スケール回収装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-06
(45)【発行日】2024-08-15
(54)【発明の名称】スケール回収装置
(51)【国際特許分類】
   B21J 13/02 20060101AFI20240807BHJP
   B21J 1/02 20060101ALI20240807BHJP
【FI】
B21J13/02 Z
B21J1/02 A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020097372
(22)【出願日】2020-06-04
(65)【公開番号】P2021186853
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2023-05-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000161909
【氏名又は名称】京都機械工具株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】並川 貴大
(72)【発明者】
【氏名】澤田 良夫
(72)【発明者】
【氏名】鍛冶 英行
【審査官】程塚 悠
(56)【参考文献】
【文献】実開平04-000442(JP,U)
【文献】特開平11-216503(JP,A)
【文献】実開昭60-112326(JP,U)
【文献】特開2018-99722(JP,A)
【文献】特開昭53-18430(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21J 1/00-13/14
B21J 17/00-19/04
B21K 1/00-31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを鍛造プレス機により熱間鍛造加工した際に生じるスケールを回収するスケール回収装置であって、
前記鍛造プレス機とは別体で、前記鍛造プレス機の外部に設けられ、前記鍛造プレス機近傍の所定の領域をエアカーテンによって遮蔽することで、前記スケールを該エアカーテンの気流方向に移動させるエアカーテン装置と、
前記エアカーテン装置により移動された前記スケールを回収するための回収容器と、を備え、
前記エアカーテン装置は、エアカーテンを形成した空気を該エアカーテンの気流方向の下流側で吸引する吸引装置を有するとともに、上側から下側へ向かう気流を発生させることを特徴とするスケール回収装置。
【請求項2】
請求項1に記載のスケール回収装置において、
前記エアカーテン装置により形成されるエアカーテンに向かって、前記スケールを移動させる送風装置を更に備えることを特徴とするスケール回収装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のスケール回収装置において、
前記エアカーテン装置は、
エア供給装置と、
前記エア供給装置により吐出されたエアを、前記鍛造プレス機におけるワーク加工部よりも上側に向かって流通させた後、エアカーテンを形成するように下側に向かって吹き出す配管装置と、
を有し、
前記配管装置の一部は、上下方向から見て、前記鍛造プレス機側に開口するU字状をなすことを特徴とするスケール回収装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1つに記載のスケール回収装置において、
前記スケールを前記回収容器に向かって案内するガイド部材が設けられていることを特徴とするスケール回収装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ここに開示された技術は、ワークを鍛造プレス機により鍛造加工した際に生じるスケールを回収するスケール回収装置に関する技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ワークを熱間鍛造加工するときには、ワークの表面が酸化されて生成されたスケールが、ワークがプレスされる際に該ワークから剥離して飛散することが知られている。スケールが堆積したときには、作業者が清掃を行う必要が生じるため作業性が悪化していた。これを抑制するために、スケールを回収するための装置が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、プレス機の上型及び下型のそれぞれの周囲を囲う上型カバー及び下型カバーと、プレス外部に設けられ、プレス外部から上型カバー内部にエアを噴射するエア噴射手段と、上型カバーに設けられ、エア噴射手段より送り込まれたエアを上型カバー内部に噴射するためのエア噴射口と、下型カバーに設けられ、プレス成形時にワークから剥離したスケールをプレス外部に排出する排出口と、プレス外部に設けられ、プレス外部から下型カバー内部を負圧とする負圧手段と、プレス外部に設けられ、ワークから剥離されたスケールを回収するためのスケール回収容器と、を有し、上型が下死点近傍に下降した際、上型カバーと下型カバーの先端部分が重なり合ってカバー内部が密閉状態となった時に、エア噴射手段よりカバー内部にエアを噴射すると同時に、負圧手段によりカバー内部を負圧とすることにより、スケールをプレス外部に設けたスケール回収容器に排出する、鍛造プレスのスケール回収装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-99722号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のスケール回収装置では、上型が下死点近傍に下降した際に、上型カバーと下型カバーの先端部分が重なり合ってカバー内部が密閉状態となるため、作業者は、鍛造プレス機がワークを加工する瞬間(インパクトの瞬間)を確認することができない。鍛造作業においては、ワークの位置合わせは加工精度を向上させる上で重要であり、インパクトの瞬間を確認できない場合、ワークの加工不良を招くおそれがある。また、インパクトの瞬間を確認できないと、ワークの加工不良が発生した場合にそれを改善するための調整が困難である。
【0006】
ここに開示された技術は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ワークの加工精度を向上させつつ、スケールを効率的に回収することが可能なスケール回収装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、ここに開示された技術は、ワークを鍛造プレス機により熱間鍛造加工した際に生じるスケールを回収するスケール回収装置を対象として、前記鍛造プレス機の外部に設けられ、前記鍛造プレス機近傍の所定の領域をエアカーテンによって遮蔽することで、前記スケールを該エアカーテンの気流方向に移動させるエアカーテン装置と、前記エアカーテン装置により移動された前記スケールを回収するための回収容器と、を備える、という構成とした。
【0008】
この構成によれば、鍛造プレス機によりワークを加工した際に飛び散るスケールをエアカーテンにより移動させて、回収容器に集めることができる。エアカーテンであれば、鍛造プレス機の周囲をカバーで覆う必要がないため、作業者が鍛造プレス機によるインパクトの瞬間を実際に確認することができる。したがって、ワークの加工精度を向上させつつ、スケールを効率的に回収することができる。
【0009】
前記スケール回収装置において、前記エアカーテン装置により形成されるエアカーテンに向かって、前記スケールを移動させる送風装置を更に備える、という構成でもよい。
【0010】
この構成によると、スケールをエアカーテンに向かって移動させることができるため、スケールの回収効率を向上させることができる。また、スケールがプレス機上に堆積することも抑制することができる。
【0011】
前記スケール回収装置において、前記エアカーテン装置は、エア供給装置と、前記エア供給装置により吐出されたエアを、前記鍛造プレス機におけるワーク加工部よりも上側に向かって流通させた後、エアカーテンを形成するように下側に向かって吹き出す配管装置と、前記配管装置から排出されてエアカーテンを形成した空気を吸引する吸引装置と、を有し、前記配管装置の一部は、上下方向から見て、前記鍛造プレス機側に開口するU字状をなす、という構成でもよい。
【0012】
この構成によると、鍛造プレス機近傍の領域をエアカーテンで囲むことができる。これにより、スケールの回収効率をより向上させることができる。
【0013】
前記スケール回収装置において、前記スケールを前記回収容器に向かって案内するガイド部材が設けられている、という構成でもよい。
【0014】
この構成によると、スケールを回収容器に案内することができる。これにより、スケールの回収効率を一層向上させることができる。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、ここに開示された技術によると、エアカーテンを利用してスケールを回収するようにしたことで、作業者が鍛造プレス機によるインパクトの瞬間を実際に確認することができる状態で、スケールを回収することができる。したがって、ワークの加工精度を向上させつつ、スケールを効率的に回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】例示的な実施形態に係るスケール回収装置を含む鍛造加工システムの概略図である。
図2】鍛造加工システムを上側から見た概略平面図である。
図3】エアカーテン装置を示す斜視図である。
図4】エアカーテン装置のガイド部を示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、例示的な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の説明において、鍛造プレス機2の動作方向を上下方向とし、鍛造プレス機2を基準に、作業者Hが位置する側を前側といい、その反対側を後側という。また、前側から後側を見たときの右側を右側といい、左側を左側という。尚、これら、上下、前後、左右は、実際の鍛造加工システム1及びスケール回収装置10における方向を限定するものではない。
【0018】
図1は、スケール回収装置10を含む鍛造加工システム1を概略的に示す。この鍛造加工システム1は、熱間鍛造加工を行うシステムであって、ワークWを加工する鍛造プレス機2を有する。鍛造プレス機2は、上型3及び下型4を有する。上型3は昇降台に接続されており、下型4は工場の床等に固定されている。上型3は、下型4に対して相対的に上下動可能になっている。下型4には、ワークWを配置するためのワーク加工部4aが設けられている。ワークWは、該ワークWがワーク加工部4aに載置された状態で上型3が下降することでプレスされる。
【0019】
鍛造加工システム1は、鍛造プレス機2を挟んで、作業者Hの作業領域とは反対側(つまり、鍛造プレス機2の後側)には鍛造加工時に飛散するスケール(酸化物)を回収するためのスケール回収装置10を有する。図3及び図4に示すように、スケール回収装置10は、キャスター61が設けられたフレーム60に取付固定されている。フレーム60はキャスター61により移動可能となっている。スケール回収装置10もフレーム60の移動に伴って移動可能となっている。尚、前述の「鍛造加工時」とは、ワークWを実際にプレスする時のみだけでなく、ワークWを加工部4aに載置する工程、及びプレスが完了したワークWを加工部4aから移動させる工程等も含む、ワークWの加工に関する一連の工程を表す。
【0020】
スケール回収装置10は、鍛造プレス機2の外部に設けられ、鍛造プレス機2近傍の所定の領域をエアカーテンによって遮蔽することで、スケールを該エアカーテンAの気流方向に移動させるエアカーテン装置20と、エアカーテンに向かってスケールを移動させる送風装置30と、エアカーテン装置20により移動されたスケールを回収するための回収容器40とを備える。
【0021】
エアカーテン装置20は、エアカーテンを形成するためのエアを供給するエア供給装置21と、エア供給装置21から供給されたエアが通る配管装置22と、エアカーテンを形成したエアを吸引する吸引装置26とを有する。吸引装置26とエア供給装置21は、循環路29を介して接続されており、吸引装置26により吸引されたエアは、循環路29を通って吸引装置26からエア供給装置21に戻るようになっている。
【0022】
エア供給装置21は、例えば、エアコンプレッサにより構成されている。エア供給装置21から噴射されたエアは、エア導入路21aを通って、配管装置22のエア分配部23に導入される。
【0023】
配管装置22は、上側から下側に向かって流れる第1エアカーテンA1を形成するためのエアが流れる上側配管24と、鍛造プレス機2側に向かって流れる第2エアカーテンA2を形成するための側方配管25と、エア導入路21aから導入されたエアを上側配管24と各側方配管25とに分配するエア分配部23とを有する。
【0024】
エア分配部23は、エア導入路21aから導入されたエアを上側配管24と側方配管25とに所望の比率でもって分配する。図示は省略するが、エア分配部23内には、側方配管25に供給するエアの流量を調整するためのバルブが設けられている。該バルブの開度を調整することで、側方配管25に供給するエアの流量が調整されて、これに伴い上側配管24に供給するエアの流量も調整される。例えば、バルブの開度を小さくすると、側方配管25に供給されるエアの流量が減少して、その分だけ上側配管24に供給されるエアの流量が増加する。尚、前記バルブは必ずしも設ける必要はなく、エア分配部23内の配管の太さを異ならせることで、上側配管24と側方配管25とのエアの流量を調整してもよい。また、上側配管24と側方配管25とに均等にエアが流入するようにしてもよい。
【0025】
図2及び図3に示すように、上側配管24は、エア分配部23の左右の側壁から上側に向かってそれぞれ延びる一対の上側縦延び部24aと、一対の上側縦延び部24aの上側端部にそれぞれ接続する上側連結部24bと、上側連結部24bの左右の端部から前側に向かってそれぞれ延びる一対の上側横延び部24cとを有する。一対の上側縦延び部24aは、フレーム60にブラケット62を介してそれぞれ取付支持されている。一対の上側横延び部24cの前側端部は閉塞されている。上側連結部24b及び各上側横延び部24cは、エアを吹き出して第1エアカーテンA1を形成するための複数の吹出口24dを有する。各吹出口24dは、上側連結部24b及び各上側横延び部24cの下側部分にそれぞれ形成されている。上側連結部24b及び各上側横延び部24cは、上下方向から見て、鍛造プレス機2側に開口するU字状をなすように配置されている。これにより、鍛造プレス機2よりも後側の領域が、上側から下側に向かって流れる第1エアカーテンA1により囲まれるようになる。
【0026】
側方配管25は、図3に示すように、上下方向に延びる一対の側方縦延び部25aと、側方縦延び部25aの下端部とエア分配部23とを連結する側方横延び部25bとを有する。各側方縦延び部25aは、フレーム60にブラケット62を介して、それぞれ取付支持されている。各側方縦延び部25aの上側端部は、それぞれ閉塞されている。図示は省略するが、側方縦延び部25aの前側部分には、後側から前側に向かって流れる第2エアカーテンA2を形成するための吹出口が設けられている。
【0027】
吸引装置26は、負圧発生装置26aを有する。負圧発生装置26aは、エア分配部23の下側に設けられたエア回収部26bと、吸引路26cを介して接続されている。図示は省略するが、エア回収部26bの前側の部分にはスケールを吸い込まないようにするためのフィルターが設けられている。負圧発生装置26aは、例えば、サイクロン式の負圧発生装置であって、装置内の空気を排出することで吸引用の負圧を発生させている。
【0028】
送風装置30は、図1及び図2に示すように、ここでは作業者Hを挟んで鍛造プレス機2とは反対側から該鍛造プレス機2に向かって送風するように構成されている。本実施形態の送風装置30は、鍛造加工により発生するスケールをエアカーテン装置20に向かって移動させると同時に、作業者Hを冷却する効果もある。尚、送風装置30は、スケールをエアカーテン装置20に向かって移動させることができれば、種々の形態のものを採用することができ、例えば、作業者Hが操作するエアブローガンで構成されていてもよい。
【0029】
回収容器40は、断面U字状のバケットで構成されている。回収容器40は、エア分配部23の下側において、フレーム60に支持されている。回収容器40は、フレーム60に対して取り外し可能となっており、作業者は、回収容器40にスケールが溜まったときには、回収容器40をフレーム60から取り外してスケールを廃棄することができる。
【0030】
フレーム60には、スケールを回収容器40に向かって案内するガイド部材41が取り付けられている。ガイド部材41は、下型4の上面部付近から回収容器40の上側の位置まで斜めに延びかつスケールを回収容器40までスライド移動させるスライド部材42と、スライド部材42の上側に位置する複数(ここでは5つ)のシールド部材43とを有する。
【0031】
スライド部材42は、その前側端部が上側横延び部24cに設けられた吹出口24dのうち最も前側に位置する吹出口24dの位置と同じか該吹出口24dよりも前側に位置している。これにより、第1エアカーテンA1により落とされたスケールを適切に回収できる。
【0032】
複数のシールド部材43は、上側かつ前側に斜めに延びる傾斜部43aと、上下に真っ直ぐに伸びる縦壁部43bとをそれぞれ有する。各傾斜部43aの各前側端部は上側連結部24bよりも後側に位置する。つまり、各傾斜部43aは、第1エアカーテンA1よりも後側に位置する。各縦壁部43bは、前側から見て、下側に相隣接するシールド部材43における傾斜部43aとそれぞれ部分的に重複するようになっている。各縦壁部43bの下側端部は、相隣接するシールド部材43とは接触しないようになっている。これにより、相隣接するシールド部材43同士の間に隙間が形成されて、該隙間からスケールが落下できるようになっている。各シールド部材43は、前後方向に僅かに回動できるようになっている。
【0033】
複数のシールド部材43があることにより、スケールが第1エアカーテンA1を通り抜けたとしても該シールド部材43がスケールを回収容器40に向かって案内する。これにより、スケールの回収効率を向上させることができる。
【0034】
このように、本実施形態では、スケール回収装置10は、鍛造プレス機2の外部に設けられ、鍛造プレス機2近傍の所定の領域を第1及び第2エアカーテンA1,A2によって遮蔽することで、スケールを該エアカーテンの気流方向に移動させるエアカーテン装置20と、エアカーテン装置20により移動されたスケールを回収するための回収容器40と、を備える。これにより、鍛造プレス機2によりワークWを加工した際に飛び散るスケールを第1及び第2エアカーテンA1,A2により移動させて、回収容器40に集めることができる。第1及び第2エアカーテンA1,A2であれば、従来のように鍛造プレス機2の周囲をカバーで覆う必要がないため、作業者Hが鍛造プレス機2によるインパクトの瞬間を実際に確認することができる。鍛造作業においては、ワークWの位置合わせは加工精度を向上させる上で重要であり、インパクトの瞬間を確認できるようになれば、ワークWの加工精度を向上させることが可能である。したがって、本実施形態に係るスケール回収装置10により、ワークWの加工精度を向上させつつ、スケールを効率的に回収することができる。
【0035】
また、本実施形態では、エアカーテン装置20により形成される第1エアカーテンA1に向かって、スケールを移動させる送風装置30を備える。これにより、スケールを第1エアカーテンA1に向かって移動させることができるため、スケールの回収効率を向上させることができる。また、スケールが鍛造プレス機2上に堆積することも抑制することができる。
【0036】
また、本実施形態では、エアカーテン装置20は、エア供給装置21と、エア供給装置21により吐出されたエアを、鍛造プレス機2におけるワーク加工部4aよりも上側に向かって流通させた後、第1エアカーテンA1を形成するように下側に向かって吹き出す配管装置22と、配管装置22から排出されて第1エアカーテンA1を形成した空気を吸引する吸引装置26と、を有し、配管装置の一部(特に上側配管24)は、上下方向から見て、鍛造プレス機2側に開口するU字状をなす。これにより、鍛造プレス機2近傍の領域を第1エアカーテンA1で囲むことができる。これにより、スケールの回収効率をより向上させることができる。
【0037】
ここに開示された技術は、前記実施形態に限られるものではなく、請求の範囲の主旨を逸脱しない範囲で代用が可能である。
【0038】
例えば、前述の実施形態では、側方配管25により鍛造プレス機2側に向かって流れる気流により形成される第2エアカーテンA2を形成していたが、第1エアカーテンA1が形成できるのであれば、第2エアカーテンA2は必ずしも形成しなくてもよい。この場合、一対の側方配管25を省略することができる。
【0039】
前述の実施形態は単なる例示に過ぎず、本開示の範囲を限定的に解釈してはならない。本開示の範囲は請求の範囲によって定義され、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本開示の技術の範囲内のものである。
【産業上の利用可能性】
【0040】
ここに開示された技術は、ワークを鍛造プレス機により鍛造加工した際に生じるスケールを回収するスケール回収装置として有用である。
【符号の説明】
【0041】
2 鍛造プレス機
10 スケール回収装置
20 エアカーテン装置
21 エア供給装置
22 配管装置
24 上側配管(配管装置の一部)
26 吸引装置
30 送風装置
40 回収容器
41 ガイド部材
A1 第1エアカーテン
A2 第2エアカーテン
図1
図2
図3
図4