(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-06
(45)【発行日】2024-08-15
(54)【発明の名称】ペットケージ
(51)【国際特許分類】
A01K 1/03 20060101AFI20240807BHJP
【FI】
A01K1/03
(21)【出願番号】P 2020123541
(22)【出願日】2020-07-20
【審査請求日】2023-07-14
(73)【特許権者】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100103078
【氏名又は名称】田中 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100130650
【氏名又は名称】鈴木 泰光
(74)【代理人】
【識別番号】100168099
【氏名又は名称】鈴木 伸太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100168044
【氏名又は名称】小淵 景太
(74)【代理人】
【識別番号】100200609
【氏名又は名称】齊藤 智和
(72)【発明者】
【氏名】小野寺 美樹
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 耕平
【審査官】星野 浩一
(56)【参考文献】
【文献】実開平02-063654(JP,U)
【文献】特開2019-176765(JP,A)
【文献】特開2008-278766(JP,A)
【文献】特開2008-220342(JP,A)
【文献】特開2004-254701(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 1/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底板部および当該底板部の外周に設けられた周縁部を有するトレーと、
前記底板部に対して起立した状態で設けられた側板部と、を備えるペットケージであって、
前記側板部は、少なくとも下端部が吸水性の材質からなり、
前記側板部を前記周縁部から離間させた状態で支持するスペーサをさらに備え
、
前記スペーサは、
円柱形状、円筒形状、四角柱形状、および多角柱形状のいずれかであり、前記側板部に挿入される
上側の細径部および
前記細径部の下側に位置する太径部を有し、
前記太径部は、前記側板部の下端と前記周縁部の底部との間に介在し、
前記太径部の幅は、前記側板部の幅より小さい、ペットケージ。
【請求項2】
前記周縁部は、平面視において前記底板部側に位置する第1壁部と当該第1壁部に対して外側に位置する第2壁部とを有する溝形状であり、
前記側板部の下端は、平面視において前記第1壁部と前記第2壁部との間に位置し、且つ高さ方向において前記第1壁部の上端および前記第2壁部の上端よりも低い位置にある、請求項1に記載のペットケージ。
【請求項3】
前記第1壁部の上端は、前記第2壁部の上端よりも高い、請求項2に記載のペットケージ。
【請求項4】
前記側板部は、木材からなり、
前記スペーサは、金属からなる、請求項1ないし3のいずれかに記載のペットケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペットケージに関する。
【背景技術】
【0002】
犬猫等のペットに屋内の専用空間を与えるために、ペットケージが広く用いられている。特許文献1には、従来のペットケージの一例が開示されている。同文献に開示されたペットケージは、トレーと、当該トレーから起立した状態で設けられた柵部とを備える。柵部は、針金等を格子状に固定して形成されている。柵部は、トレーの周縁部として設けられた溝に配置され、留め具等によってトレーに固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ペットケージは、飼い主の居宅等に配置されることが多く、その場のインテリア等の雰囲気に馴染むデザインが好ましい。しかし、針金等からなる柵部は、たとえば檻を連想させる等、インテリアの雰囲気にそぐわない場合がある。インテリアに馴染んだペットケージのデザイン手法として、たとえば針金等に代えて木材からなる部材を採用した場合、当該部材が、ペットの糞尿等によって腐敗したり悪臭が生じたりすることが懸念される。
【0005】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、美観を高めつつ適切な衛生状態に保つことが可能なペットケージを提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によって提供されるペットケージは、底板部および当該底板部の外周に設けられた周縁部を有するトレーと、前記底板部に対して起立した状態で設けられた側板部と、を備えるペットケージであって、前記側板部は、少なくとも下端部が吸水性の材質からなり、前記側板部を前記周縁部から離間させた状態で支持するスペーサをさらに備える。
【0007】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記周縁部は、平面視において前記底板部側に位置する第1壁部と当該第1壁部に対して外側に位置する第2壁部とを有する溝形状であり、前記側板部の下端は、平面視において前記第1壁部と前記第2壁部との間に位置し、且つ高さ方向において前記第1壁部の上端および前記第2壁部の上端よりも低い位置にある。
【0008】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第1壁部の上端は、前記第2壁部の上端よりも高い。
【0009】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記側板部は、木材からなり、前記スペーサは、金属からなる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、美観を高めつつ適切な衛生状態に保つことが可能なペットケージを提供することができる。
【0011】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るペットケージを示す斜視図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係るペットケージを示す斜視図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係るペットケージを示す(a)は平面図であり、(b)は正面図であり、(c)は底面図であり、(d)は側面図であり、(e)は背面図である。
【
図4】本発明の第1実施形態に係るペットケージを示す分解斜視図である。
【
図5】本発明の第1実施形態に係るペットケージを示す分解斜視図である。
【
図6】
図3(d)のVI-VI線に沿う要部拡大断面図である。
【
図7】
図3(e)のVII-VII線に沿う断面図である。
【
図8】本発明の第1実施形態に係るペットケージのスペーサを示す(a)は斜視図であり、(b)は正面図であり、(c)は(b)のVIII-VIII線に沿う断面図である。
【
図9】本発明の第2実施形態に係るペットケージを示す要部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0014】
本開示における「第1」、「第2」等の用語は、単にラベルとして用いたものであり、それらの対象物に順列を付することを意図していない。
【0015】
<第1実施形態>
図1~
図8は、本発明の第1実施形態に係るペットケージを示している。本実施形態のペットケージA1は、トレー1、柵部2、複数の側板部3,4、天板部5および複数のスペーサ6を備えている。ペットケージA1は、犬猫等のペットに屋内の専用空間を与えるためのものである。
【0016】
図1は、ペットケージA1を示す斜視図である。
図2は、ペットケージA1を示す斜視図である。
図3は、ペットケージA1を示す(a)は平面図であり、(b)は正面図であり、(c)は底面図であり、(d)は側面図であり、(e)は背面図である。
図4は、ペットケージA1を示す分解斜視図である。
図5は、ペットケージA1を示す分解斜視図である。
図6は、
図3(d)のVI-VI線に沿う要部拡大断面図である。
図7は、
図3(e)のVII-VII線に沿う断面図である。
図8は、ペットケージA1のスペーサを示す(a)は斜視図であり、(b)は正面図であり、(c)は(b)のVIII-VIII線に沿う断面図である。なお、これらの図においてz方向は、ペットケージA1が屋内の床等に載置された場合の鉛直方向に相当する。本開示において「平面視」とはz方向に沿って見た場合の説明である。また、本開示において「高さ方向」とはz方向に相当し、「高さ」はz方向における寸法に相当する。
【0017】
〔トレー1〕
トレー1は、z方向の下方に位置する部材であり、柵部2、複数の側板部3,4、天板部5および複数のスペーサ6を支持している。トレー1の材質は特に限定されず、たとえば樹脂からなる。
図4に示すように、トレー1は、底板部11および周縁部12を有する。
【0018】
底板部11は、ペットが滞在したり、ペット用の食器、トイレ、ベッド等が載置されるためのものである。底板部11は、全体としてx方向およびy方向に沿った平坦な部位である。底板部11は、使用目的等に応じて凹凸やリブ等を適宜有していてもよい。本実施形態の底板部11は、平面視においてx方向およびy方向に沿った四辺を有する矩形状であるが、底板部11の形状は特に限定されず、三角形状、多角形状、円形状、楕円形状等から適宜選択される。
【0019】
周縁部12は、底板部11の外周に設けられた部位であり、平面視において底板部11を取り囲む部位である。周縁部12は、柵部2および複数の3,4を直接または間接的に支持する。周縁部12の形状は、底板部11の形状に応じて適宜設定され、本実施形態においては、平面視において矩形環状である。
【0020】
図6および
図7に示すように、本実施形態の周縁部12は、第1壁部121、第2壁部122および底部123を有する溝形状である。第1壁部121は、底板部11の外周端縁に繋がっており、z方向上方に突出している。第2壁部122は、平面視において第1壁部121に対して外側に離間して位置しており、z方向上方に突出している。底部123は、平面視において第1壁部121と第2壁部122との間に位置しており、第1壁部121および第2壁部122のそれぞれの下端に繋がっている。底部123は、z方向に対して直角な平坦な形状である。
【0021】
図示された例においては、第1壁部121および第2壁部122の断面形状は、逆V字状であるが、第1壁部121および第2壁部122の断面形状は、これに限定されない。第1壁部121および第2壁部122の断面形状は、たとえば逆U字状であってもよいし、中実なリブ形状であってもよい。また、周縁部12は、平坦な形状の底部123を有する形状に限定されず、たとえば全体として断面形状がU字状であってもよい。また、図示された例においては、周縁部12の断面形状は、周縁部12の全周にわたって一定であるが、部分的に異なる構成であってもよい。
【0022】
本実施形態においては、第1壁部121の上端の底部123からの高さH1は、第2壁部122の上端の底部123からの高さH2よりも高い。なお、図示された例においては、高さH1と高さH2の関係は、周縁部12の全周にわたって一定であるが、高さH1と高さH2との関係が、部分的に異なる構成であってもよい。
【0023】
〔柵部2〕
柵部2は、
図1、
図2および
図3(b)に示すように、ペットケージA1のy方向正面側に配置された部材であり、z方向に起立した状態でトレー1の周縁部12に支持されている。柵部2は、ペットケージA1の内部を視認できるためや軽量化等を考慮して、本実施形態においては針金等からなる。図示された例においては、柵部2は、固定部21および扉部22を有する。
【0024】
図4に示すように、固定部21は、柵部2の本体となる部位である。固定部21は、開口211を有する。開口211は、y方向に沿って見て矩形状の開口部分であり、ペットの出入りやペット用の食器、トイレ、ベッド等の出し入れに用いられる。扉部22は、開口211を塞いだ閉状態と開口211を開放した開状態とをとる部材である。図示された例においては、柵部2は、2つの扉部22を有している。2つの扉部22は、x方向にスライド可能に固定部21に取付けられている。また、扉部22は、閉状態を維持するためのロック部材を有している。なお、扉部22の開閉機構は、スライド機構に限定されず、たとえば、観音開きタイプの開閉機構であってもよい。また、扉部22の個数は、1つでもよいし、3つ以上であってもよい。
【0025】
〔側板部3,4〕
複数の側板部3,4は、
図1~
図5に示すように、トレー1の底板部11に対して起立した状態で設けられている。
図6および
図7に示すように、複数の側板部3,4は、後述の複数のスペーサ6を介して間接的に周縁部12の底部123によって支持されている。本実施形態においては、x方向両側に位置する2つの側板部3と、y方向の背面側に位置する側板部4とが設けられている。複数の側板部3,4は、木材や圧縮された紙材、あるいは多孔質の樹脂材料等の吸水性の材質からなる。本実施形態においては、複数の側板部3,4が、木材からなる場合を例に説明する。なお、側板部3,4は、下端部が吸水性の材質からなる構成であればよく、たとえば下端部が木材等の吸湿性の材質からなり、下端部以外のいずれかの部位が、樹脂や金属等の非吸水性の材質からなる構成であってもよい。
【0026】
側板部3は、x方向を厚さ方向とし、y方向およびz方向に沿った四辺を有する矩形状である。なお、側板部3の形状は何ら限定されず、三角形状、多角形状、楕円形状等であってもよい。
図6に示すように側板部3は、凹部32を有する。凹部32は、側板部3のz方向の下端31からz方向上方に凹んでいる。凹部32の個数は何ら限定されず、図示された例においては、y方向に離間した2つの凹部32がそれぞれの側板部3に設けられている。
【0027】
側板部4は、y方向を厚さ方向とし、z方向およびx方向に沿った四辺を有する矩形状である。なお、側板部4の形状は何ら限定されず、三角形状、多角形状、楕円形状等であってもよい。
図7に示すように側板部4は、凹部42を有する。凹部42は、側板部4のz方向の下端41からz方向上方に凹んでいる。凹部42の個数は何ら限定されず、図示された例においては、x方向に離間した3つの凹部42が設けられている。
【0028】
なお、本発明に係るペットケージは、2つの側板部3および1つの側板部4を備える構成に限定されない。たとえば、2つの側板部3を備え、側板部4に代えて柵部2と同様の針金等からなる柵部をy方向の背面側に有する構成であってもよい。あるいは、上述の側板部4を備え、2つの側板部3に代えて柵部2と同様の針金等からなる柵部をx方向の両側または片側に有する構成であってもよい。さらに、柵部2が、木材等の吸湿性の材質からなる構成であってもよい。この場合、柵部2は、側板部3,4と同様に、後述のスペーサ6によって間接的にトレー1の周縁部12によって支持されることが好ましく、この場合、柵部2は、本発明の側板部の一例に相当する。
【0029】
〔天板部5〕
天板部5は、
図1~
図5に示すように、柵部2および複数の側板部3,4のz方向上端にトレー1と対向して配置されており、柵部2および複数の側板部3,4によって囲まれた空間をz方向上方から塞いでいる。天板部5の材質は何ら限定されず、木材、紙材、樹脂、針金等によって適宜形成される。図示された例においては、天板部5は、木材からなる。また、天板部5の形状は何ら限定されず、一般的にはトレー1と同様の形状とされ、図示された例においては、x方向およびy方向に沿った四辺を有する矩形状である。
【0030】
〔スペーサ6〕
複数のスペーサ6は、
図6および
図7に示すように、複数の側板部3,4をトレー1の周縁部12から離間した状態で支持するものである。スペーサ6の材質や形状等の具体的構成は何ら限定されない。スペーサ6の材質として、金属や樹脂、弾性部材(ゴム)が例示され、本実施形態においては、スペーサ6は、アルミやステンレス等の金属からなる。
【0031】
図8に示すように、本実施形態のスペーサ6は、細径部61および太径部62を有する。細径部61は、z方向上側の部位である。太径部62は、細径部61に対してz方向下側に位置する部位である。図示された例においては、細径部61および太径部62は、円柱形状または円筒形状である。また、細径部61および太径部62は、円柱に関わらず、たとえば四角柱形状や多角柱形状でもよい。細径部61の直径は、太径部62よりも細い。また、図示された例においては、細径部61には、複数の凸部611が形成されている。複数の凸部611は、z方向に並んで配置されており、各々が細径部61の径方向に突出したリング状の部位である。
【0032】
図6および
図7に示すように、スペーサ6の細径部61は、側板部3の凹部32および側板部4の凹部42のいずれかに挿入されている。複数の凸部611は、凹部32および凹部42に細径部61が圧入された状態を実現することに寄与している。太径部62は、側板部3の下端31および側板部4の下端41のいずれかとトレー1の周縁部12の底部123との間に介在する。本実施形態においては、1つの側板部3に2つのスペーサ6が取付けられ、1つの側板部4に3つのスペーサ6が取付けられているが、それぞれに取付けられるスペーサ6の個数は何ら限定されない。
【0033】
複数のスペーサ6によって支持された状態において、側板部3の下端31および側板部4の下端41と底部123とのz方向における距離D(太径部62の高さ)は、第1壁部121の上端の高さH1および第2壁部122の上端の高さH2のいずれよりも小さい。すなわち、下端31および下端41は、第1壁部121および第2壁部122のz方向上端よりも低い位置にある。また、周縁部12の底部123の幅W1(
図6におけるx方向寸法であり、
図7におけるy方向寸法)は、側板部3および側板部4の幅W2(側板部3および側板部4の厚さ)よりも大きい。また、スペーサ6の太径部62の幅W3(
図6におけるx方向寸法であり、
図7におけるy方向寸法)は、側板部3および側板部4の幅W2(側板部3および側板部4の厚さ)よりも小さい。
【0034】
次に、ペットケージA1の作用について説明する。
【0035】
本実施形態によれば、吸水性の材質からなる側板部3および側板部4は、
図6および
図7に示すように、スペーサ6を介してトレー1の周縁部12の底部123からz方向に離間した状態で設けられており、下端31および下端41と周縁部12の底部123との間には、隙間が設けられている。このため、周縁部12にペットの糞尿等や水が滞留した場合に、これらが側板部3の下端31や側板部4の下端41に付着することを抑制することが可能であり、側板部3および側板部4が腐敗したり、悪臭が生じたりすることを防止することができる。したがって、美観を高めつつ適切な衛生状態に保つことができる。
【0036】
図6および
図7に示すように、周縁部12は、第1壁部121および第2壁部122を有しており、第1壁部121の上端の高さH1は、第2壁部122の上端の高さH2よりも高い。このため、周縁部12に滞留した糞尿等や水が、底板部11に及ぶことを抑制することができる。また、下端31および下端41が、第1壁部121および第2壁部122のz方向上端よりも低い位置にあることにより、ペットケージA1外から意図しない物体がトレー1と側板部3および側板部4の隙間から誤って底板部11に入り込んでしまうことを抑制することができる。また、距離Dよりも第2壁部122の高さH2が高いことにより、下端31および下端41と周縁部12の底部123との隙間を、第2壁部122によって覆う格好となる。これにより、この隙間が外観に表れてペットケージA1の美観が損なわれることを回避することができる。また、太径部62の幅W3が側板部3および側板部4の幅W2よりも狭いことにより、周縁部12に滞留した糞尿等や水とスペーサ6とが接する面積を縮小することが可能であり、衛生状態の維持に好ましい。また、ペットケージA1の外観にスペーサ6(太径部62)が表れることを抑制可能であり、美観を高めるのに好ましい。
【0037】
側板部3,4が木材からなることにより、たとえば全体が針金等からなる柵部によって構成されたペットケージと比べて、ペットケージA1の外観から自然を感じさせる優しい印象を醸し出すことが可能であり、ペットケージA1が置かれたインテリアに馴染ませることができる。また、スペーサ6が金属からなることにより、スペーサ6が変質や変形することを抑制可能である。
【0038】
図9は、本発明の他の実施形態を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
【0039】
<第2実施形態>
図9は、本発明の第2実施形態に係るペットケージを示す要部拡大断面図である。本実施形態のペットケージA2においては、スペーサ6の構成が上述した実施形態と異なっている。
【0040】
本実施形態のスペーサ6は、トレー1と一体的に形成されている。すなわち、トレー1が樹脂成形品である場合に、複数のスペーサ6は、周縁部12の底部123の適所からz方向に突出する一部分として金型等によって一体成型されている。
【0041】
本実施形態によっても、美観を高めつつ適切な衛生状態に保つことができる。また、本実施形態から理解されるように、スペーサ6は、単独の部品であってもよいし、トレー1と一体的に形成されたものであってもよい。また、スペーサ6は、細径部61が側板部3および側板部4に挿入される構成に限定されず、側板部3および側板部4と当接することによって側板部3および側板部4を支持する構成であってもよい。また、スペーサ6およびトレー1の一方が他方に挿入されることにより、スペーサ6がトレー1に固定される構成であってもよい。
【0042】
本発明に係るペットケージは、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係るペットケージの各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【符号の説明】
【0043】
A1,A2:ペットケージ
1 :トレー
2 :柵部
3,4 :側板部
5 :天板部
6 :スペーサ
11 :底板部
12 :周縁部
21 :固定部
22 :扉部
31,41:下端
32,42:凹部
61 :細径部
62 :太径部
121 :第1壁部
122 :第2壁部
123 :底部
211 :開口
611 :凸部
D :距離
H1,H2:高さ