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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-06
(45)【発行日】2024-08-15
(54)【発明の名称】捕捉機構付き湾曲弾性体
(51)【国際特許分類】
   B29C 65/08 20060101AFI20240807BHJP
   D06B 13/00 20060101ALI20240807BHJP
   A61F 13/15 20060101ALI20240807BHJP
【FI】
B29C65/08
D06B13/00
A61F13/15 355B
A61F13/15 311Z
【請求項の数】 23
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020147443
(22)【出願日】2020-09-02
(65)【公開番号】P2021041161
(43)【公開日】2021-03-18
【審査請求日】2023-09-01
(31)【優先権主張番号】62/896,063
(32)【優先日】2019-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518127956
【氏名又は名称】カート ジー.ジョア、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フリッツ,ジェフリー ダブリュ.
【審査官】▲高▼橋 理絵
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-056156(JP,A)
【文献】国際公開第2019/003908(WO,A1)
【文献】特表2018-516189(JP,A)
【文献】国際公開第2018/154680(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/15
D06B 1/00-23/30
B29C 65/00-65/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性複合材構造体(102)を製造するための接合装置アセンブリであって、
第1回転アンビル(32)、および
第2回転アンビル(32)を備え、
前記第1回転アンビル(32)は、第1溶接線(62)を、備え
前記第1溶接線(62)は、前記第1溶接線(62)の第1接触表面(82)に形成された第1ノッチ(74)を備え、前記第1ノッチ(74)は、第1の弾性糸(18)およびウェブ層(12)の第1部分をその中に受容するように構成された第1内側部(89)を有し、
前記第1ノッチ(74)は、前記第1内側部(89)の一部を画定する第1対向表面(86、88)を備え、
前記第1接触表面(82)の平面に垂直な第1接触表面軸(94)に対する前記第1対向表面(86、88)に垂直な第1面軸(92)の最小配向角(98、100)は、90度未満の第1角度であり、
前記第2回転アンビル(32)は、第2溶接線(62)を備え、
前記第2溶接線(62)は、前記第2溶接線(62)の第2接触表面(82)に形成された第2ノッチ(74)を備え、前記第2ノッチ(74)は、第2の弾性糸(18)および前記ウェブ層(12)の第2部分を受容するように構成された第2内側部(89)を有し、
前記第2ノッチ(74)は、前記第2内側部(89)の一部を画定する第2対向表面(86、88)を備え、
前記第2接触表面(82)の平面に垂直な第2接触表面軸(94)に対する第2対向表面(86、88)に垂直な第2面軸(92)の配向角(98、100)は、前記第1面軸(92)の前記最小配向角(98、100)とは異なる、接合装置アセンブリ。
【請求項2】
前記第2面軸(92)の前記配向角(98、100)は、前記第2面軸(92)の最小配向角(98、100)であり、90度未満である、請求項1に記載の接合装置アセンブリ。
【請求項3】
前記第2面軸(92)の配向角(98、100)は90度である、請求項2に記載の接合装置アセンブリ。
【請求項4】
弾性複合材構造体を製造するための装置であって、
アンビルを備え、前記アンビルは、
前記アンビルの面から外側に延在するとともに、機械方向を横断する横断方向に離隔した第1の端縁および第2の端縁を有する第1接触表面であって、前記第1の端縁および前記第2の端縁の間に形成され、且つ、前記第1の端縁および前記第2の端縁から前記横断方向に離間する第1ノッチを含む第1接触表面備え
前記第1ノッチは、弾性糸の一部およびウェブ層の一部をその中に受容するように構成された内側部を有し、
前記第1ノッチは、前記内側部の少なくとも一部を画定する第1対向表面および第2対向表面を備え、
前記第1対向表面および前記第2対向表面のそれぞれは、前記第1接触表面に対して非垂直方向に配向され、前記第1接触表面の前記第1の縁に向かうように角度を成している、装置。
【請求項5】
前記第1対向表面および前記第2対向表面が交差している、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記ノッチの底面が湾曲している、請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記第1接触表面が、前記第1ノッチによって分離された一対のランド表面を備える、請求項4に記載の装置。
【請求項8】
前記第1接触表面が、前記アンビルの第1溶接線の一部を画定する、請求項4に記載の装置。
【請求項9】
前記アンビルの前記面上に配置された複数の溶接線をさらに備え、前記複数の溶接線の各溶接線は、接触表面を備えるとともに、前記弾性糸の一部および前記ウェブ層の一部をその中に受容するように構成された第1内側部を有する第1ノッチを含む、請求項4に記載の装置。
【請求項10】
前記複数の溶接線のうち1つの溶接線の第1ノッチは、前記複数の溶接線のうち別の溶接線の第1ノッチよりも幅広である、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記ウェブ層を機械方向に移動させるように構成された第1ローラをさらに備える、請求項4に記載の装置。
【請求項12】
前記弾性糸のレイダウンパターンを案内するように構成されたレイダウンガイドをさらに備える、請求項4に記載の装置。
【請求項13】
超音波ホーンをさらに備える、請求項4に記載の装置。
【請求項14】
前記アンビルの前記面から外側に延在するとともに、第2ノッチを含む第2接触表面をさらに備え、前記第2ノッチは、第2の弾性糸の一部、および、前記ウェブ層の一部をその中に受容するように構成された前記第2ノッチの内側部の少なくとも一部を画定する、第1対向表面および第2対向表面を備え、前記第1対向表面および前記第2対向表面は、前記第2接触表面と垂直である、請求項4に記載の装置。
【請求項15】
弾性複合材構造体を製造するための装置であって、
アンビルの面から外側に延在するとともに、第1ノッチを含む第1接触表面を備えるアンビルを備え、
前記第1ノッチは、第1の弾性糸の一部、および、ウェブ層の一部をその中に受容するように構成された前記第1ノッチの内側部の少なくとも一部を画定する、第1対向表面および第2対向表面を備え、
前記第1対向表面および前記第2対向表面は前記第1接触表面に対して角度を成しており、前記第2対向表面の前記第1接触表面側の端縁は、前記第1の弾性糸の一部を前記第1ノッチ内に保持するのを補助するように、前記第1ノッチの内側に向けて張り出している、装置。
【請求項16】
前記第1ノッチの底面が湾曲している、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記第1ノッチの底面が平坦である、請求項15に記載の装置。
【請求項18】
前記第1接触表面は、前記第1ノッチによって分離された一対のランド表面を備える、請求項15に記載の装置。
【請求項19】
前記ウェブ層を機械方向に移動させるように構成された第1ローラと、
前記第1の弾性糸のレイダウンパターンを案内するように構成されたレイダウンガイドと、をさらに備える、請求項15に記載の装置。
【請求項20】
前記アンビルの前記面から外側に延在するとともに、第2ノッチを含む第2接触表面を備え、
前記第2ノッチは、第2の弾性糸の一部、および、前記ウェブ層の一部をその中に受容するように構成された前記第2ノッチの内側部の少なくとも一部を画定する、第1対向表面および第2対向表面を備え、
前記第1対向表面および前記第2対向表面は、前記第2接触表面と垂直である、請求項15に記載の装置。
【請求項21】
超音波ホーンをさらに備える、請求項15に記載の装置。
【請求項22】
前記アンビルの前記面上に配置された複数の溶接線をさらに備え、前記複数の溶接線の各溶接線は接触表面を備えるとともに、前記弾性糸の一部および前記ウェブ層の一部をその中に受容するように構成された第1内側部を有する第1ノッチを含む、請求項15に記載の装置。
【請求項23】
前記複数の溶接線のうち1つの溶接線の第1ノッチは、前記複数の溶接線のうち、別の溶接線の第1ノッチよりも幅広である、請求項22に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、その開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、2019年9月5日に提出された同時係属中の米国特許出願第62/896063号の非仮出願であり、その恩典を主張する。
【背景技術】
【0002】
使い捨ておむつなどの吸収性衛生製品は、通常、1つ以上の弾性糸を含む弾性複合材構造体を備えている。これらの弾性複合材構造体は、ウエストバンド、レッグカフ領域内を含む製品全体、ならびに製品の前面または背面パネルの全てまたは一部の、様々な場所に配置される。弾性複合材構造体の典型的な製造プロセスの間、弾性糸は張架状態にあり、不織布材料またはウェブの2つの対向する層の間に弾性糸を固着するために接着剤が使用される。その後、弾性糸の張力が解放され、接着した弾性糸を含む領域でウェブ材料にしわを寄せるかまたは折り畳む。
【0003】
弾性複合材構造体内の弾性糸と接合するための接着剤の使用は、消耗材に関連する費用および最終製品の望ましくない触覚特性(たとえば、剛性)を含む、最終製品および製造方法の両方における多くの不都合を呈する。弾性複合材構造体内の弾性糸を接合するための代替例として熱または超音波溶接技術が提案されてきたが、製造プロセス中のアンビル上のノッチの間または外側の弾性糸の移動または変位は、所与の弾性糸の破損またはその長さの1つ以上の部分にわたる未固定を生じる可能性がある。
【0004】
したがって、糸破損を低減し、弾性複合材構造体内の所定位置に弾性糸を固定する接合の信頼性を向上させる吸収性衛生製品の弾性複合材構造体を製造するための、改良された装置および方法の需要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態は、概して吸収性衛生製品に関し、より具体的には、吸収性衛生製品で使用するための湾曲弾性捕捉機構を含む弾性複合材構造体を製造するための改良された装置および方法に関する。
【0006】
本発明の一態様によれば、弾性複合材構造体を製造するための装置は、ウェブ層を機械方向に搬送するように構成された第1ローラと、複数の弾性糸のレイダウンパターンを案内するように構成されたレイダウンガイド(laydown guide)とを含む。回転アンビルは、第1溶接線の接触表面に形成された第1ノッチを有する第1溶接線を備え、第1ノッチは、複数の弾性糸の第1の弾性糸の一部およびウェブ層の一部をその中に受容するように構成された第1内側部を有する。第1ノッチは、第1内側部の少なくとも一部を画定する対向表面を備える。接触表面に垂直な接触表面軸に対する対向表面に垂直な第1面軸の最小配向角は、90度未満の第1角度である。
【0007】
本発明の別の態様によれば、弾性複合材構造体を製造するための接合装置アセンブリは、第1溶接線を備える第1回転アンビルを備え、第2溶接線を備える第2回転アンビルを備える。第1溶接線は、第1溶接線の第1接触表面に形成された第1ノッチを含み、第1ノッチは、第1の弾性糸およびウェブ層の第1部分をその中に受容するように構成された第1内側部を有する。第1ノッチは、第1内側部の一部を画定する第1対向表面を備え、第1接触表面の平面に垂直な第1接触表面軸に対する第1対向表面に垂直な第1面軸の最小配向角は、90度未満の第1角度である。第2溶接線は、第2溶接線の第2接触表面に形成された第2ノッチを備え、第2ノッチは、第2の弾性糸およびウェブ層の第2部分をその中に受容するように構成された第2内側部を有する。第2ノッチは、第2内側部の一部を画定する第2退行表面を備え、第2接触表面の平面に垂直な第2接触表面軸に対する第2対向表面に垂直な第2面軸の配向角は、第1面軸の最小配向角とは異なる。
【0008】
本発明の別の態様によれば、弾性複合材構造体を製造する方法は、機械方向に、第1ローラを介して回転アンビルに隣接して第1ウェブ層を案内するステップと、レイダウンガイドを介して回転アンビルに隣接して弾性糸を案内するステップとを備える。回転アンビルは、溶接線の接触表面に形成されたノッチを有する溶接線を備え、ノッチは、弾性糸の一部および第1ウェブ層の一部をその中に受容するように構成された内側部を有する。ノッチは、内側部の少なくとも一部を画定する対向表面を備え、接触表面に垂直な接触表面軸に対する対向表面に垂直な第1面軸の最小配向角は、90度未満の第1角度である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図面は、本発明を実行するために現在考えられる実施形態を示す。
【0010】
図中、
【0011】
図1】弾性複合材構造体を製造するための製造ラインの一部の概略斜視図である。
【0012】
図2】本発明の一実施形態による、図1の製造ラインの一部の概略斜視図である。
【0013】
図3】本発明の一実施形態による、図1の製造ラインで使用可能な接合装置の概略断面図である。
【0014】
図4】本発明の一実施形態による、回転アンビル上の固定溶接部と位置合わせされたホーンを示す、図3の接合装置の一部の詳細図である。
【0015】
図5】本発明の一実施形態による、図1の製造ラインで使用可能な例示的なアンビルパターンの平坦化された表現である。
【0016】
図5A図5の回転アンビルの一部の詳細図である。
【0017】
図6】本発明の別の実施形態による、図1の製造ラインで使用可能な例示的なアンビルパターンの平坦化された表現である。
【0018】
図7】本発明の一実施形態による、図1の製造ラインで使用可能な接合ユニットの一部の断面図である。
【0019】
図8】一実施形態による、回転アンビルスロットへの弾性ストランドの挿入中の、図7の接合ユニットの一部の断面図である。
【0020】
図9】別の実施形態による、回転アンビルスロットへの弾性ストランドの挿入中の、図7の接合ユニットの一部の断面図である。
【0021】
図10】別の実施形態による、回転アンビルスロットへの弾性ストランドの挿入中の、図7の接合ユニットの一部の断面図である。
【0022】
図11】別の実施形態による、回転アンビルスロットへの弾性ストランドの挿入中の、図7の接合ユニットの一部の断面図である。
【0023】
図12】一実施形態による、マルチセクション回転アンビルの概略図である。
【0024】
図13】別の実施形態による、マルチセクション回転アンビルの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の実施形態は、たとえば、おむつ、使い捨て成人用パンツ、または女性用ケア製品など吸収性衛生製品で使用可能な弾性複合材構造体を製造するための方法および装置を提供する。
【0026】
吸収性衛生製品の製造中、製品内に輪郭付けまたは弾性化された領域を形成するために、不織布材料の対向する層の間に弾性糸を固着することが望ましい場合が多い。このような製品は、通常、「機械方向」と呼ばれる縦方向で実質的に連続して製品が移動する、組み立てラインまたは製造ライン上で製造される。
【0027】
ここで図1を参照すると、本発明の一実施形態による例示的な製造ライン10の一部が示されている。図示されるように、第1ウェブ層12は機械方向14に供給される。第2ウェブ層16も同様に機械方向14に供給される。第1ウェブ層12および第2ウェブ層16は、グルーなどの接着剤の中間層を使用せずにウェブ12、16の一方または両方を軟化または溶融および互いに結合させる印加エネルギーの印加時に、互いに融合することが可能な材料である。対向するウェブ層12、16の対は、代替実施形態により、同じタイプの材料であっても異なる材料であってもよい。非限定例として、第1および第2ウェブ層12、16は、不織布材料、織材料、フィルム、発泡体、および/またはこれらの材料タイプの複合体または積層体を含み得る。
【0028】
1つ以上の弾性糸18は、第1および第2ウェブ層12、16の間に配置される。以下の説明は複数形の弾性糸に言及しているが、本明細書に記載される方法が、単一の弾性糸または任意の数の複数の弾性糸を含む弾性複合材構造体を製造するために使用され得ることは、理解されるべきである。弾性糸18は、クリールアセンブリ(図示せず)または類似の装置からの張力下で機械方向14に移動する。弾性糸18は、非限定例として、たとえば熱可塑性エラストマー、天然または合成ゴム、またはLYCRAのような弾性ストランドのシート、ストランド、またはリボンを含む、いずれか適切な弾性材料で構成され得る。各弾性糸18は、個々のエラストマーストランドの形態で提供されてもよく、または単一の癒合した弾性糸18を形成するために、乾式紡糸製造プロセスなどによって、互いに結合した多くの個々のエラストマーフィラメントを含む製造マルチフィラメント製品であってもよい。
【0029】
弾性糸18は、所望の弾性、視覚的美観、および製造可能性を有する弾性複合材構造体の形成を容易にする、いずれの適切な断面形状を有してもよい。非限定例として、弾性糸18は、各弾性糸18がマルチフィラメント製品である場合のように、円形、長方形、正方形、または不規則な断面形状を有し得る。
【0030】
第1ウェブ層12および第2ウェブ層16は物理的に別個の構成要素として図1に示され本明細書に記載されているが、代替実施形態は、単一ウェブ構造の上層と下層との間に弾性糸18を捕捉するために、折り畳まれた単一ウェブ構造を利用してもよいと考えられる。このような実施形態では、弾性糸18の下に位置する単一構造の部分は第1ウェブ層12と呼ばれ、弾性糸18の上に位置する単一構造の部分は第2ウェブ層16と呼ばれる。
【0031】
製造ライン10は、弾性糸18が接合装置22に向かって機械方向14に移動する際にこれらを正確に位置決めして(任意選択的に)張力をかけるために採用される、ガイドローラなどの1つ以上の供給アセンブリ20を含む。接合装置22のすぐ上には、第1および第2ウェブ層12、16ならびに弾性糸18を接合装置22に供給および案内する1つ以上のアセンブリがある。図示される実施形態では、これらの供給アセンブリ20は、上部ローラ24、下部ローラ26、ならびに第1ウェブ層12、第2ウェブ層16、および弾性糸18を含む複合アセンブリ30を接合装置22内に案内するストランド・ガイド・ローラ28を含む。代替実施形態では、ローラ24、26、28は他の既知のタイプの供給アセンブリに置き換えられてもよく、および/または単一のローラユニットまたは他の既知のタイプの供給アセンブリに置き換えられてもよいと考えられる。
【0032】
接合装置22は、代替実施形態では、非限定例として回転超音波溶接システムまたはブレード超音波溶接システムを含む、いずれの既知の超音波溶接システムであってもよい。図示される実施形態では、接合装置22は、回転アンビル32と、第1ウェブ層12を第2ウェブ層16に接合(すなわち、融合)するために互いに協働する、ソノトロードとしても知られる超音波固定ブレードホーン34とを含む。代替実施形態は、複数の固定ブレードホーン、または1つ以上の回転ホーンを含んでもよい。接合プロセス中、弾性糸18は、以下に詳細に説明されるように、第1および第2ウェブ層12、16に対して所定位置に固着または固定される。
【0033】
接合装置22はまた、超音波ホーン34を駆動するモータ(図示せず)と、ホーン34を超音波によって励磁してホーン34を振動させる振動制御ユニット(図示せず)と、アンビル32を駆動する第2のモータ(図示せず)とを支持および/または収容する、1つ以上のフレーム36も含む。ホーン34およびアンビル32は、弾性糸18がホーン34とアンビル32の間の空間内に保持されている間に第1および第2ウェブ層12、16を互いに超音波接合するのを容易にするために、互いに対して離間した関係で配置される。接合プロセス中、第1および第2ウェブ層12、16は、第1および第2ウェブ層12、16内の粒子の振動を増加させる、ホーン34からの超音波放射に曝される。超音波放射またはエネルギーは、消耗接着剤を必要とせずに摩擦熱が第1および第2ウェブ層12、16を互いに融合する特定の接合点に集中する。接合装置22は、第1ウェブ層12を第2ウェブ層16に超音波で融合する超音波接合アセンブリとして本明細書に記載されるが、本明細書に記載される技術は、音波、熱、または圧力接合技術、および業界で知られるその他の様々な形態の溶接を含む、接着剤を使用せずに2つ以上の材料層を融合するその他いずれの既知の溶接または接合技術にも及び得ると考えられる。
【0034】
図2は、超音波接合装置22の上流の製造ライン10の一部を機械方向14に見た図である。図示されるように、弾性糸18は、弾性糸18間の分離を維持するために、供給アセンブリ20のそれぞれの案内セクション38の中に配置される。各案内セクション38は、図示されるように単一の弾性糸18を、または代替実施形態では複数の糸18を案内するために使用され得る。図示される実施形態では、案内セクション38は、弾性糸18の位置合わせおよび案内を補助するノッチ40を含む。ノッチは、図示されるようにV字型であってもよく、湾曲またはその他の代替的な幾何形状を有してもよく、または代替実施形態において完全に省略されてもよい。
【0035】
弾性糸18の一部は、供給アセンブリ20内のそれぞれの案内セクション38からストランド・ガイド・ローラ28に向かって外向きに供給される。図示される実施形態では、ストランド・ガイド・ローラ28は、ホーン34とアンビル32との間に受容される際に弾性糸の位置合わせおよび案内を補助するノッチ40のアレイを含む。これらのノッチ40は、図示される方法でストランド・ガイド・ローラ28の全てにわたって均一に離間していてもよく、または代替実施形態ではその一部のみに及んでもよい。さらに別の実施形態では、ノッチ40は、得られた弾性複合材構造体の弾性糸18の設計仕様ならびに所望の配置および間隔に応じて、ストランド・ガイド・ローラ28の長さに沿って不規則な間隔で配置されてもよい。ノッチ40による弾性糸18の配置は、ウエストまたは腹部弾性部分などの弾性セクションのために、アンビル32に沿った弾性糸18の直線的な配置を可能にする。
【0036】
やはり図2には、概して側方に移動する(たとえば、揺動によって)、または側方に摺動するアーム44によって側方移動する機能を有する、弾性レイダウンガイド42が示されている。弾性レイダウンガイド42の側方移動は、レッグまたはレッグカフ弾性部分もしくはその他の湾曲したウエスト弾性部分など、非直線的弾性セクションのためにアンビル32に沿った弾性ストランドの弓状の弧を一般的に含む、レイダウンパターンをもたらし得る。各弾性レイダウンガイド42は、1つ以上の弾性糸18を同時に案内し得る。弾性レイダウンガイド42はまた、直線的弾性セクションのための直線的パターンを置くように動作し得る。
【0037】
図3を参照すると、本発明の一実施形態によるアンビル32が示されている。図示されるように、アンビル32は、アンビル面48から外向きに延在する別個の突起または溶接部46の配置を含む。これらの溶接部46は、(A)第1および第2ウェブ層12、16を互いに融合し、(B)製造された弾性複合材構造体の中で第1および第2ウェブ層12、16に対して所定位置に弾性糸18を保持または固定するように、構築される。以下により詳細に説明されるように、固定突起46は、アンビル32の面48上の2つの隣り合う固定突起46の間を通過する弾性糸18が、一対の得られた接合部を弾性糸18が摺動するのを防ぐ摩擦抵抗によって、第1および第2ウェブ層12、16に対して所定位置に固定されるように、設計されている。
【0038】
図3に示されるように、ローラアセンブリ50は、弾性糸18ならびに第1および第2ウェブ層12、16が接合装置22に向かって移動する際にこれらを正確に位置決めして(任意選択的に)張力をかけるために採用される、ローラ24、26、28を含む。代替実施形態では、ローラ24、26、28は他の既知のタイプの供給アセンブリに置き換えられてもよく、および/または単一のローラユニットまたは他の既知のタイプの供給アセンブリに置き換えられてもよいと考えられる。
【0039】
固定突起46の特定のサイズ、形状、および一般的な配置、ならびに図3に示される突起46の総数は、アンビル32上の突起の全体的なパターン46の代表的で非限定的な例を示すことを意図している。代替実施形態は、最終製品上で所望の接合部のパターンを実現するために、任意の数の代替構成で配置された任意の数の突起46を含み得る。突起46のそれぞれの作用表面は、代替実施形態において類似のサイズおよび形状の接合部、または異なるサイズおよび/または形状の接合部を形成するように構成され得る。非限定例として、突起46のそれぞれのランド表面は、円形、長方形、三日月形であってもよく、または最終製品上で所望の全体的なパターンを形成するために選択され得る不規則形状を有してもよい。得られた接合部のパターンは、1つ以上の弾性糸18を張力下で第1および第2ウェブ層12、16に対して所定位置に固定する1つ以上の固定ゾーンを含むことになる。
【0040】
好適な実施形態では、突起46は、アンビル32の面48に対して所望の突起46の隆起パターンを作成するためにアンビル32からバルク材料を除去する機械加工プロセスを使用して、アンビル32上に形成される。あるいは、突起46は、アンビル32の面48と機械的に結合される1つ以上のインサート上に設けられてもよい。
【0041】
さらに図3を参照すると、ホーン34の作用表面52は、非限定例な一実施形態では、平滑な、または実質的に平滑な表面輪郭を有する。あるいは、作用表面52は、第1ウェブ層12を第2ウェブ層16に融合すること、および弾性糸18を第1および第2ウェブ層12、16に対して所定位置に固着させることをさらに容易にするために、アンビル32上の突起46のパターンと一致または位置合わせした突起46の配置を含んでもよい。
【0042】
製造プロセス中、第1および第2ウェブ層12、16は、図3に示されるように、アンビル32の面48とホーン34の作用表面52との間に配置される。弾性糸18は、第1および第2ウェブ層12、16の間に張架状態で配置される。図3に一般的に示され、図4にさらに詳細に示されるように、ホーン34の位置は、ホーン34の作用表面52と固定突起46のランド表面56との間にニップギャップ54を維持するように制御される。ニップギャップ54のサイズは、第1および第2ウェブ層12、16の間の接合を容易にするために、製造プロセスのパラメータに基づいて決定される。接合装置22は、ホーン34とアンビル32との間に所望のニップギャップ54を維持するためにホーン34およびアンビル32のうちの少なくとも1つに力を加える任意の既知の位置決め手段58を含み得る。位置決め手段58は、非限定例として、空気圧アセンブリ(図示せず)または機械的カムシャフト(図示せず)であってもよい。
【0043】
固定突起46は、代替実施形態では、平らな作用表面、平らな側面、または湾曲および直線状の作用表面および側面の何らかの混合を有してもよい。図4に示される実施形態では、固定突起46のランド表面56は、平らな作用表面および側面を有する。ランド表面56が弧状または湾曲した表面プロファイル代替実施形態では、この湾曲プロファイルは、第1および第2のウェブ層12、16が接合プロセス中にアンビル32の面48に対して滑ることを可能にし、こうして張架弾性ストランド18ならびに第1および第2ウェブ層12、16を含む複合アセンブリ30が接合装置22に向かって前進する速度を、アンビル32の回転速度に対して上昇または低下させる。複合ウェブ/糸アセンブリ30がアンビル32の速度よりも速い速度で前進するとき、得られた接合部は、アンビル面48上の隣り合う突起46の間の径方向間隔よりも長い距離だけ離間する。同様に、アンビル32の速度に対して複合ウェブ/糸アセンブリ30の供給速度を低下させることで、アンビル面48上の隣り合う突起46の間の径方向間隔よりも短い距離だけ離間した接合部となる。ウェブ速度とアンビル速度との間の速度のミスマッチまたは差は、最終製品におけるサイズの変化に対応するために制御され得る。その結果、ワンサイズのおむつ用の弾性複合材の接合は、ほとんどまたは全く滑りなしで実行され得るが、より大きいまたは小さいおむつ用の弾性複合材の接合は、より大量の滑りを伴って実行され得る。異なるサイズの製品で使用するための複数のサイズの弾性複合材構造体を製造するために同じアンビルを使用できるので、湾曲した表面プロファイルを有する突起46を含むアンビルが設けられた製造ライン10はこのように、製造ラインの工具設定を変更する必要なしに、動的なサイズ変更を提供する。
【0044】
図5は、アンビル32が、固定ゾーンを形成する突起のパターン60を含む実施形態による、アンビル32の外周面48の平坦化された表現である。突起のパターン60は、アンビル面48の周方向軸64に沿って互いに離間した複数の固定溶接線62を含む。固定溶接線62は、突起のパターン60の固定領域66を画定する。上記の固定突起46と同様に、好適な実施形態では、固定溶接線62は、アンビル32の面48に対する固定溶接線62の所望の隆起パターンを作成するためにアンビル32からバルク材料を除去する機械加工プロセスを使用して、アンビル32上に形成される。あるいは、固定溶接線62は、アンビル32の面48と機械的に結合される1つ以上のインサート上に設けられてもよい。
【0045】
図5は、実質的に回転アンビル32の縦方向68全体(たとえば、線62A)にわたって延在する固定溶接線62、ならびに縦方向に沿って部分的にのみ延在する短い固定溶接線62(たとえば、線62B)を示す。縦方向68は、概して機械を横断する方向に延在する。固定溶接線62Bのない回転アンビル32のセクションによって形成される接合部または結合部は、固定溶接線62Bを含むセクションによって形成される接合部よりもさらに離間している。弾性ウェブのウエストキャップ部分で弾性糸18と第1および第2ウェブ層12、16(図5には図示せず;たとえば図1図2図3参照)を互いに接合するとき、固定溶接線62Bを含むセクションによって形成される、間隔の狭い接合結合部の方が好ましい。しかしながら、隣接する固定溶接線62の間の間隔、ならびに縦方向68に沿った各固定溶接線62の長さおよび配置は、完成品で望まれる接合パターンの設計の影響下にあり得る。
【0046】
図5Aに提供される詳細図でより具体的に示されるように、各溶接線62は、アンビル32の面48から離れて外向きに延在する別個の突起70、72のパターンを含む。突起70、72は、所与の対の隣接する突起70、72の間に位置するギャップ76の幅によって画定されるノッチ74によって、互いに離間している。ギャップ76の幅またはサイズは、(1つまたは複数の)弾性糸18が隣接する接合部の間にしっかりと保持されるように、突起70、72によって形成された隣接する接合部の間に1つ以上の弾性糸18を固定し得る。このようにして、たとえば、隣接する接合部は、(1つまたは複数の)弾性糸18が破損した場合に(1つまたは複数の)弾性糸18が隣接する接合部の間に保持されるように、(1つまたは複数の)弾性糸18を拘束する。
【0047】
アンビル32は、追加または代替で、本明細書で積層または非固定突起78と呼ばれる1つ以上の突起を含み得る。図5に示されるように、複数の積層突起78が、固定溶接線62Aの1つの積層部分80に示されている。保持または固定突起70、72と同様に、積層突起78は第1および第2ウェブ層12、16を互いに融合する。積層突起78は、第1および第2ウェブ層12、16に対して弾性糸18を固定しないので、固定突起70、72とは異なる。したがって、破損した弾性糸18は、固定溶接接合部に関して上記で説明されたものとは対照的に、隣接する積層溶接接合部の間のギャップから収縮する。このような積層突起78は、接合されたウェブ層12、16の非弾性部分を作成するために弾性糸18が意図的に破壊される弾性不活性化のために設計された領域で第1および第2ウェブ層12、16を積層するときに、有利である。図5にはいくつかの積層突起78のみが示されているが、本発明の実施形態では、積層突起78の任意の数および配置の使用または不使用が考えられる。
【0048】
再び図5Aを参照すると、代替実施形態では、突起70、72の接触表面82は異なる幾何形状を有し得ると考えられる。非限定例として、突起70、72は、円形、長方形、三日月形であってもよく、または最終製品上で所望の全体的なパターンを形成するために選択され得る不規則形状を有してもよい。さらに別の実施形態では、隣接する溶接線62の対応する突起70、72は、周方向軸64と平行な線内で互いに位置合わせされてもよい(図5)。あるいは、連続する溶接線62の突起70、72は、機械を横断する方向で互いにずれていてもよく、これにより、第1および第2ウェブ層12、16上に形成された接合線を通る階段状または非直線的な通路を画定する。
【0049】
図6は、本発明の別の実施形態による固定溶接線62の非直線的な配置を示す。弾性糸18(図1)ならびに第1および第2ウェブ層12、16(図1)が互いに接合されたとき、図5に示される直線的な配置を使用して形成された集合パターンと比較して異なる集合パターンを作成する、正弦パターンが示されている。本発明の別の実施形態では、別の配置パターンが固定溶接線62に形成され得ると考えられる。このような別の配置パターンは、弾性糸18と第1および第2ウェブ層12、16とを互いに接合して、最終製品上で、直線、曲線に配置された、もしくはロゴ、写真、他の連続した繰り返しパターン、または他のデザインを作成するように別途配置された幾何学的またはその他のパターンにしてもよい。
【0050】
ここで図7を参照すると、本発明の一実施形態による、アンビル32およびホーン34の一部の断面図が提供されている。図示されるように、アンビル32の面48は、突起70、72の対応する対の間に位置する、少なくとも1つのノッチ74によって画定された溶接線62を含む。ノッチ74および対応する対の突起70、72の1つの事例のみが図7に示されているが、アンビル32上の各溶接線62は代替的に複数のノッチ74を含んでもよく、各ノッチ74は対応する対の突起70、72の間に同様に配置されてもよいと考えられる。図示される実施形態では、ノッチ74は、突起70、72の底面84および対向表面86、88によって画定されたU字型の幾何形状を有する。表面84、86、88は、ノッチ74の内側部89も画定する。対向表面86、88は、表面86、88に垂直な軸92(たとえば、面軸)の角度90がランド表面56または接触表面82に垂直な軸94(たとえば、接触表面軸)に対して直交するように、配向される。表面84、86、88の1つ以上は、図示されるように平らであってもよく、または代替実施形態では湾曲していてもよい。
【0051】
製造プロセス中、第1および第2ウェブ層12、16は、アンビル32の面48とホーン34の面96との間に配置される。弾性糸18は、第1および第2ウェブ層12、16の間に張架状態で配置され、ノッチ74の上方で位置合わせされる。図8に示されるように、弾性糸18がノッチ74に挿入されると、第2ウェブ層16はノッチ74内に引き込まれる。図示されるようにランド表面56に対して直交配向のとき、表面86、88の配向により、第1ウェブ層12は、特に、弾性レイダウンガイド42(図1)が右に回転する際に弾性糸18の張力が図8の右に向かって糸18を引っ張る傾向がある、図2に示されるような湾曲した弾性セクションを作成するときに、ノッチ74から弾性糸18を滑り出させるノッチ74内の傾斜表面を作成できる。弾性レイダウンガイド42が左に回転するときも、同様の状況が生じる可能性がある。
【0052】
したがって、改良されたノッチの幾何形状が図9に示されている。図示されるように、対向表面86および88は、第1ウェブ層12およびノッチ表面84、88に作用する弾性力が弾性ストランド18をノッチ74内に傾向があるように、非垂直方向に配向される。軸92と軸94との間の最小角度98によって示されるように、対向表面86、88の配向は、突起70、72の接触表面82またはランド表面56に対して90度未満である。
【0053】
弾性レイダウンガイド42の側方移動は、弾性糸18をノッチ74の一方または他方の側に引っ張ることができる。図9に示されるように、弾性糸18は、たとえば弾性糸18について図9に示される位置よりも回転アンビル32の右に向かってさらに遠い弾性レイダウンガイド42によって、および弾性糸18の張力によって引き起こされるであろうノッチ74の右下コーナーに向かって着座している。一般に、弾性レイダウンガイド42がそれぞれのノッチ74の一方または他方の側に向かって遠くなり、弾性張力が強いほど、弾性糸18はノッチ74のそれぞれのコーナーにさらに引き込まれるかまたは押し込まれる。傾斜した対向表面88を含む、本発明の実施形態は、ノッチ74から弾性糸18が滑り出すのを最小限に抑える。
【0054】
図10はまた、対向表面86、88の配向は、突起70、72の接触表面82またはランド表面56に対して90度未満であることを示している。代替の底面84もまた、湾曲または丸みを帯びているものとして示されており、これは平坦な表面よりも丸みを帯びた弾性糸18により適合できる。
【0055】
図9および図10に示されるように、対向表面86、88の軸94の配向は、軸92に対して90度未満の同じ最小角度98であり得る。しかしながら、図11に示されるように、両方の角度98、100が異なるが突起70、72の接触表面82に対して90度未満である、異なる配向角98、100が考えられる。底面84はまた、図11に示されるように省略されることも可能である。たとえば、対向表面86、88は、ノッチ74の最大深さで互いに交差してもよい。
【0056】
固定溶接線62内の各ノッチ74の対向表面86、88の配向は変動して、互いに独立することができると考えられる。さらに、隣接する固定溶接線62の各ノッチ74の対向表面86、88の配向は、回転アンビル32の外周に沿って異なっていてもよい。たとえば、弾性糸18の弾性力が、弾性レイダウンガイド42を介したその配置によって糸18を右に引っ張る傾向がある回転アンビル32の1つのセクションでは、ノッチ74の対向表面86、88の配向は、図9図10、または図11のいずれか、またはこれらのいずれかの組み合わせに示される通りであり得る。弾性糸18の弾性力が、弾性レイダウンガイド42を介したその配置によって糸18を左に引っ張る傾向がある回転アンビル32の別のセクションでは、ノッチ74の対向表面86、88の配向は、図9図10、または図11に示されるものに対して鏡映しの配向であり得る。このため、ノッチ対向表面86、88の配向は、対向表面86、88が垂直に配向されている配向を含み、回転アンビル32の外周に沿って右向き弾性力配向から左向き弾性力配向へ揺動することができる。したがって、回転アンビル32の異なるセクションは、望み通りに湾曲した弾性部分または直線的な弾性部分を受け入れるように準備することができる。
【0057】
図12は、このような異なるセクションを有する回転アンビル32の概略図を示す。おむつなどの使い捨て製品の前部または後部の形成に使用可能な弾性ウェブ102は、ウエストキャップ弾性部分104、腹部弾性部分106、および脚部弾性部分108を含む。ウエストキャップ弾性部分104は、固定溶接線62の隣接するノッチ74が使用されるように、弾性糸18の密な部分を含むことができる。たとえば、図5を参照すると、隣接する溶接線62Aの対応するノッチ74とともに、固定溶接線62Bの8つ全てのノッチ74が使用され得る。しかしながら、より少ない数の弾性糸18が使用されてもよいと考えられる。腹部弾性部分106は、固定溶接線62の使用されたノッチ74の間に1つ以上の空のノッチ74が存在し得るように、弾性糸18のあまり密ではない部分を含むことができる。
【0058】
ウエストキャップ弾性部分104および腹部弾性部分106は、回転アンビル32上にそれぞれ対応するウエストキャップアンビル部分110および腹部アンビル部分112を有し得る。ウエストキャップアンビル部分110および腹部アンビル部分112に置かれた弾性糸18は実質的に直線的なので、これらの領域内で旋回弾性レイダウンガイド42を使用する必要はないが、ストランド・ガイド・ローラ28ではノッチ74を使用する必要がある。しかしながら、一実施形態によれば、旋回弾性レイダウンガイド42が使用され、静止位置に保持されてもよい。さらに、ウエストキャップアンビル部分110および腹部アンビル部分112のノッチ74は、これらの領域の弾性糸18に湾曲が予想されない場合、図7に示されるように垂直配向に配向されてもよい。
【0059】
脚部弾性部分108に対応する回転アンビル32の脚部アンビル部分114は、本明細書に開示されるように角度がつけられて変動する固定溶接線62のノッチ74を有してもよい。たとえば、ノッチ74は、図9図11などのいずれかに示されるように形成されてもよい。さらに、図12に示される脚部弾性部分108について示されるように、弾性糸18は、脚部弾性部分108の内側縁116からその外側縁118に向かって延在しながら湾曲して、この領域内に配置される。機械方向14に移動しながら、弾性糸18は、第1脚部分120内では内側縁116から外側縁118に向かって、第2脚部分122では外側縁118から内側縁116に向かって移動する。ウェブ投入動作において、第2脚部分122は、そこに形成される脚部開口に接するように意図される連続湾曲弾性領域を作成するために、第1脚部分120の直前に作られる。
【0060】
第1脚部分120に対応する固定溶接線62の部分は、(1つまたは複数の)弾性レイダウンガイド42によって弾性糸18が配置されるときの弾性力の方向の変化に対応するために、第2脚部分122に対応するものと反対に角度がつけられたノッチ74を有し得る。さらに、ノッチ74の角度は、必要に応じてより鋭角または鈍角になるように、脚部分120、122内で変化または変動し得る。たとえば、回転アンビル32が回転するにつれて弾性力が強くなるので、対応するノッチ74の角度/配向はますます急峻になり得る。
【0061】
図12は複数のセクション(たとえば、110、112、114)を有する単一の回転アンビル32を示すが、本発明の実施形態は、互いに隣接して配置された相応に形成された固定溶接線62を有する別個のアンビルを含む。好適な実施形態では、別個のアンビルは、類似の外周を有し、互いに隣接して配置され、共通の回転軸の周りを回転するように構成されている。別個のアンビルは、たとえば、同じ車軸を共有してもよい。しかしながら、各アンビル上の固定溶接線62のパターンおよび配向は異なってもよい。
【0062】
図13は、ウエストキャップアンビル部分110が、脚部アンビル部分114と接する腹部アンビル部分112と両側で接するように、鏡像セクションを有する回転アンビル32の概略図を示す。したがって、所望の設計にしたがって、本明細書では、弾性ウェブ102の直線/湾曲セクションに対応するアンビル部分の異なる構成が考えられる。
【0063】
本明細書に示されるように、脚部弾性部分108に示されるもののような湾曲した弾性糸18は、超音波接合を介して所定位置に保持され、接着剤は必要とされない。弾性ウェブ102の後続の処理は、弾性ウェブ102を別個のセクションに切断するステップと、脚部開口を形成して、第1および第2脚部分120、122の間に延在する弾性糸18の部分を切除するために、線124(図12)に沿って切断するステップとを含むことができる。
【0064】
したがって、本発明の一実施形態によれば、弾性複合材構造体を製造するための装置は、ウェブ層を機械方向に搬送するように構成された第1ローラと、複数の弾性糸のレイダウンパターンを案内するように構成されたレイダウンガイドとを含む。回転アンビルは、第1溶接線の接触表面に形成された第1ノッチを有する第1溶接線を備え、第1ノッチは、複数の弾性糸の第1の弾性糸の一部およびウェブ層の一部をその中に受容するように構成された第1内側部を有する。第1ノッチは、第1内側部の少なくとも一部を画定する対向表面を備える。接触表面に垂直な接触表面軸に対する対向表面に垂直な第1面軸の最小配向角は、90度未満の第1角度である。
【0065】
本発明の別の実施形態によれば、弾性複合材構造体を製造するための接合装置アセンブリは、第1溶接線を備える第1回転アンビルを備え、第2溶接線を備える第2回転アンビルを備える。第1溶接線は、第1溶接線の第1接触表面に形成された第1ノッチを含み、第1ノッチは、第1の弾性糸およびウェブ層の第1部分をその中に受容するように構成された第1内側部を有する。第1ノッチは、第1内側部の一部を画定する第1対向表面を備え、第1接触表面の平面に垂直な第1接触表面軸に対する第1対向表面に垂直な第1面軸の最小配向角は、90度未満の第1角度である。第2溶接線は、第2溶接線の第2接触表面に形成された第2ノッチを備え、第2ノッチは、第2の弾性糸およびウェブ層の第2部分をその中に受容するように構成された第2内側部を有する。第2ノッチは、第2内側部の一部を画定する第2退行表面を備え、第2接触表面の平面に垂直な第2接触表面軸に対する第2対向表面に垂直な第2面軸の配向角は、第1面軸の最小配向角とは異なる。
【0066】
本発明の別の実施形態によれ、弾性複合材構造体を製造する方法は、機械方向に、第1ローラを介して回転アンビルに隣接して第1ウェブ層を案内するステップと、レイダウンガイドを介して回転アンビルに隣接して弾性糸を案内するステップとを備える。回転アンビルは、溶接線の接触表面に形成されたノッチを有する溶接線を備え、ノッチは、弾性糸の一部および第1ウェブ層の一部をその中に受容するように構成された内側部を有する。ノッチは、内側部の少なくとも一部を画定する対向表面を備え、接触表面に垂直な接触表面軸に対する対向表面に垂直な第1面軸の最小配向角は、90度未満の第1角度である。
【0067】
本発明は、限られた数の実施形態のみに関連して詳細に説明されてきたが、本発明がこのような開示された実施形態に限定されないことは、容易に理解されるべきである。むしろ、本発明は、これまでに説明されていないが、本発明の精神および範囲に相応の変形、変更、置換、または同等の構成をいくつでも組み込むように修正されることが可能である。加えて、本発明の様々な実施形態が説明されてきたが、本発明の態様が、記載された実施形態の一部のみを含み得ることは、理解されるべきである。したがって、本発明は、上記の説明によって限定されると見なされるべきではなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
図1
図2
図3
図4
図5
図5A
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13