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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-06
(45)【発行日】2024-08-15
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/04 20060101AFI20240807BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20240807BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20240807BHJP
   F21V 21/00 20060101ALI20240807BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240807BHJP
【FI】
F21S8/04 110
F21S2/00 230
F21V23/00 170
F21V23/00 160
F21V21/00 140
F21Y115:10
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020216872
(22)【出願日】2020-12-25
(65)【公開番号】P2022022954
(43)【公開日】2022-02-07
【審査請求日】2023-09-29
(31)【優先権主張番号】P 2020041333
(32)【優先日】2020-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2020159549
(32)【優先日】2020-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167438
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100166800
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 裕治
(72)【発明者】
【氏名】茂木 賢一
(72)【発明者】
【氏名】谷藤 直輝
(72)【発明者】
【氏名】芝野 瑠津子
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-018839(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0223235(US,A1)
【文献】特開平05-006707(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/04
F21S 2/00
F21V 23/00
F21V 21/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
灯具が取付器具の表側に着脱可能に取り付けられる照明装置において、
前記取付器具の取付部及び前記灯具の被取付部は、前記取付器具に対して前記灯具を取付方向に近づけた際に前記取付部及び被取付部の少なくとも一方が前記取付方向と交差する方向に弾性変形して、互いに係合し、
前記取付器具は、長尺状の器具側ベース部の短手方向の両端から表側に折り返された折返部を有する器具側ベースと、端子台取付具を介して前記器具側ベースに取り付けられる端子台とを備え、
前記取付器具は、前記器具側ベースの一対の折返部間の寸法より大きく、弾性変形させることで前記折返部間に配することが可能な支持板を備え、
前記端子台に接続されるワイヤが前記支持板により表側から支持されている
照明装置。
【請求項2】
前記灯具は、光源を搭載するための光源搭載部と前記被取付部とを有する一体成形品である灯具側ベースを備える
請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記端子台取付具は、前記端子台が固定される平板部と、前記器具側ベースの折返部に挿入して取り付けられる取付部と、前記器具側ベースの凹部側に折り曲げられた位置決め部とを有する
請求項1又は2に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は器具に灯具が着脱可能に装着される照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
天井や壁等の設置面の取付器具に取り付けられる灯具の光源に発光素子が用いられた照明装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
特許文献1において、取付器具への灯具の取り付けは、設置面に取り付けられた取付器具(6)の固定板(62)の第2固定片(621)のねじ孔(622)に、灯具(1)の取付具(5)の第2取付板(51)の第1挿通孔(510)を挿通する取付ねじ(54)をねじ込むことで行われている(第28段落)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-50259号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、ねじを用いているため、その取付作業や灯具の交換作業に時間を要していた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、灯具の取付器具への取り付けを簡単に行うことができる照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明に係る照明装置は、灯具が取付器具の表側に着脱可能に取り付けられる照明装置において、前記取付器具の取付部及び前記灯具の被取付部は、前記取付器具に対して前記灯具を取付方向に近づけた際に前記取付部及び被取付部の少なくとも一方が前記取付方向と交差する方向に弾性変形して、互いに係合する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、取付器具に対して灯具を近づけることで取り付けられる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態に係る照明装置を示す斜視図であり、(a)は表側から見た図であり、(b)は裏側から見た図である。
図2】(a)は(c)におけるA-A断面を矢印側から見た図であり、(b)は(c)におけるB-B断面を矢印側から図であり、(c)は照明装置の縦断面図である。
図3】分解状態の照明装置を示す斜視図であり、取付器具は表側から見た図であり、灯具は裏側から見た図であり、拡大図は取付器具の端部の図である。
図4】(a)及び(b)は器具側ベースに器具取付具を取り付けた状態の斜視図であり、(c)は器具側ベースに灯具取付具を取り付けた状態の断面図であり、(d)及び(e)は灯具取付具の斜視図である。
図5】(a)及び(b)は器具側ベースに端子台付きの端子台取付具を取り付けた状態の斜視図であり、(c)は器具側ベースに端子台取付具を取り付けた状態の断面図であり、(d)及び(e)は端子台取付具の斜視図である。
図6】灯具の分解状態を表側から見た斜視図である。
図7】灯具の分解状態を裏側から見た斜視図である。
図8】光源保持具、灯具側ベース、光源ユニット及び透光性カバーの分解状態を長手方向から見た図である。
図9】表側から見た斜視図であり、(a)は灯具側ベースから光源保持具を取り外した状態を示し、(b)は灯具側ベースに光源保持具を組み込んだ状態を示す。
図10】(a)は端部カバーの斜視図を示し、(b)及び(c)は固定具を表裏から見た斜視図であり、(d)は灯具の端部の縦断面を裏側から見た斜視図である。
図11】電源ユニット及び無線通信ユニットの周辺部の拡大図であり、(a)は縦断面図であり、(b)は裏側から見た平面図である。
図12】(a)及び(b)は位置合わせ具を表裏から見た斜視図であり,(c)は灯具における位置合わせ具周辺の縦断面拡大図である。
図13】(a)は第2実施形態の照明装置を示す斜視図であり、(b)は連結部分の拡大図であり、(c)は連結部分であって器具側ベースを取り外した状態の拡大図であり、(d)は連結部分の縦断面拡大図である。
図14】(a)は器具側ベースに連結具を組み込んだ状態の断面図であり、(b)は連結具の斜視図であり、(c)は器具側ベースに支持板を組み込んだ状態の断面図であり、(d)は支持板の斜視図である。
図15】(a)は第3実施形態の照明装置を表側から見た斜視図であり、(b)は照明装置の端側を切り欠いた状態を裏側から見た斜視図であり、拡大図は、(b)の切り欠き部分の図である。
図16】第4実施形態の照明装置を連結させる前の状態を説明する斜視図である。
図17】(a)は取付器具を連結させた状態を示す斜視図であり、(b)は灯具を連結させた状態を示す斜視図である。
図18】(a)は連結具が配されている部分の断面図の拡大図であり、(b)は連結具が配されている部分であって隣接する灯具間で切断した状態の斜視図であり、(c)は連結具が配されている部分であって屈曲部分が固定具に近接する部分の近傍で切断した状態の斜視図である。
図19】(a)は連結具を長手方向から見た図であり、(b)は連結具を表側から見た斜視図である。
図20】第5実施形態の照明装置であって取付器具から灯具を取り外した状態を表側から見た斜視図であり、部分的に拡大している。
図21】第5実施形態の照明装置であって取付器具から灯具を取り外した状態を裏側から見た斜視図である。
図22】器具側ベースの分解状態の端部の斜視図であり、(a)は表側から見た図であり、(b)は裏側から見た図である。
図23】(a)は灯具取付具の位置での照明装置の横断面図の拡大図であり、(b)は長手方向の端部での照明装置の横断面図の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<概要>
一態様に係る照明装置は、灯具が取付器具の表側に着脱可能に取り付けられる照明装置において、前記取付器具の取付部及び前記灯具の被取付部は、前記取付器具に対して前記灯具を取付方向に近づけた際に前記取付部及び被取付部の少なくとも一方が前記取付方向と交差する方向に弾性変形して、互いに係合する。これにより、ねじ等を利用せずに灯具を取付器具に取り付けることができる。
【0009】
別態様に係る照明装置において、前記灯具は、光源を搭載するための光源搭載部と前記被取付部とを有する一体成形品である灯具側ベースを備える。これにより、被取付部を別部材として光源搭載部に取り付ける必要がなく、組み立てコストを削減できる。
別態様に係る照明装置において、前記取付器具は、長尺状の器具側ベース部の短手方向の両端から表側に折り返された折返部を有する器具側ベースと、端子台取付具を介して前記器具側ベースに取り付けられる端子台とを備え、前記端子台取付具は、前記端子台が固定される平板部と、前記器具側ベースの折返部に挿入して取り付けられる取付部と、前記器具側ベースの凹部側に折り曲げられた位置決め部とを有する。これにより、ねじ等を用いることなく端子台取付具を器具側ベースに取り付けることができ、組み立てコストを削減できる。
別態様に係る照明装置において、前記取付器具は、前記器具側ベースの一対の折返部間の寸法より大きく、弾性変形させることで前記折返部間に配することが可能な支持板を備え、前記端子台に接続されるワイヤが前記支持板により表側から支持されている。これにより、ワイヤが垂れ下がって灯具と干渉するのを防止できる。なお、ワイヤを支持する観点に着目する照明装置では、長尺状の器具側ベース部の短手方向の両端から表側に折り返された折返部を有する器具側ベースと、支持板とを備えればよく、灯具の構成、端子台及び端子台取付具の有無は特に限定するものではない。
【0010】
<第1実施形態>
1.照明装置の全体構成
照明装置1は例えば天井等の設置面に取り付けられる長尺状のLEDベースライトである。照明装置1は、図1図3に示すように、設置面に固定される取付器具3と、取付器具3に取り付けられる灯具5とを備える。
照明装置1において光を出射する側を表側とし、単に「表側」とすることもある。照明装置1において設置面が存在する側を裏側とし、単に「裏側」とすることもある。長尺状の照明装置1の長手方向を単に「長手方向」とし、照明装置1の短手方向を単に「短手方向」とする。
また、長手方向の端部について、図2の無線通信ユニット56が位置する側を他端部とし、反対側を一端部とする。
【0011】
2.取付器具
主に図2及び図3を用いて説明する。
取付器具3は、例えば設置面(図示省略)に設けられた吊りボルト31にナット32が螺合することで、設置面に固定される。
取付器具3は、器具側ベース33と、灯具5を器具側ベース33に取り付けるための灯具取付具34とを備える。
ここでの取付器具3は、灯具取付具34以外に、灯具5に商用電源を供給するための端子台35とを備えている。なお、端子台35は、端子台取付具37を利用して器具側ベース33に取り付けられる。
以下、各部について説明する。
【0012】
(1)器具側ベース
器具側ベース33は、図3の拡大図に示すように、長手方向に長い矩形状をする器具側ベース部330と、器具側ベース部330の短手方向に間隔をおいて設けられ且つ長手方向に延伸する一対の溝部331,332と、器具側ベース部330の短手方向の端部に形成された折返部333,334と、折返部333,334から短手方向の外方へ突出する突条部335,336を有する。
器具側ベース33を長手方向から見ると、一対の溝部331,332間の中央(短手方向の中央である)を通り且つ表裏方向へ延伸する仮想線に対して線対称の形状をしている。
器具側ベース33は、樹脂材料や金属材料を利用した引抜品や押出品であってもよいし、金属板をプレス加工した加工品であってもよい。
【0013】
器具側ベース部330は設置面に当接する。器具側ベース部330の裏面は、溝部331,332を有しているが、平坦状をしている。
器具側ベース部330は、吊りボルト31用の貫通孔(図示省略)、灯具取付具34用の貫通孔330b(図4の(a)参照)、灯具5の無線通信ユニット56と干渉を防止するための貫通孔330c等を有している。貫通孔330a,330b,330cは、その目的に合致する形状・大きさを有している。
【0014】
一対の溝部331,332は、器具側ベース33を補強する機能を有する。一対の溝部331,332の表面は灯具取付具34(図4の(c)参照)や端子台取付具37(図5の(c)参照)に当接する。つまり、一対の溝部331,332は灯具取付具34や端子台取付具37を裏側から支持する機能を有する。なお、一対の溝部331,332の間は、端子台35を端子台取付具37に固定するためのねじ391(図5の(a)参照)用の収容空間となる。
【0015】
折返部333,334は、器具側ベース部330の両端から表側を経由して短手方向の内方へと折り返されている。換言すると、折返部333,334は、器具側ベース部330の両端から表側に「L」字状に張り出している。折返部333,334には、図5の(c)に示すように、端子台取付具37の取付部372が挿入される。この観点からは、折返部333,334は端子台取付具37の取付溝を構成する。
【0016】
突条部335,336は、図2の(a)及び(b)に示すように、灯具5が取付器具3に取り付けられた灯具5に裏側から当接する。つまり、突条部335,336は、灯具5を取付器具3に取り付ける際の
ストッパーとして機能する。
【0017】
(2)灯具取付具
主に、図4を用いて説明する。
灯具取付具34は、同図の(d)及び(e)に示すように、帯状の金属板を湾曲・屈曲させて構成されている。灯具取付具34は、器具側ベース33の溝部331,332と当接する平板部341と、灯具取付具34を器具側ベース33に固定するための固定部342と、灯具5を取り付ける取付部345,346とを有している。
【0018】
平板部341は、長手方向に長い矩形状をし、固定部342が設けられている。
固定部342は、器具側ベース33に対して短手方向の外方に平板部341が移動するのを規制する規制部分343と、器具側ベース33の貫通孔330bを利用して溝部331,332に係合する係合部分344とを有する。
ここでの固定部342は、規制部分343と係合部分344とを短手方向に有し、長手方向に2個ある。2組の規制部分343と係合部分344は、図4の(e)に示すように、長手方向の中央であって短手方向の中央の点を基準にした点対称の位置に設けられている。これにより、灯具5が取り付け際に、固定部342に作用する負荷バランスを均一化できる。
【0019】
規制部分343は、平板部341のコ字片341aから裏側に突出する凸部分により構成されている。コ字片341aは、平板部341に形成されたコ字状溝341bの内側に形成され部分である。規制部分343は、図4の(a)に示すように、器具側ベース33の貫通孔330b内で貫通孔330bに面する溝部331,332の端面330dに当接又は近接している。
【0020】
係合部分344は、平板部341のコ字状溝341bの内側部分のコ字片が裏側に湾曲して構成されている。係合部分344は、図4の(a)に示すように、器具側ベース33の貫通孔330bから裏側へと延出して溝部331,332の裏面に当接(係合)している。
【0021】
取付部345,346は、取付器具3に対して灯具5を取付方向(ここでは表裏方向である)に近づけた際に、取付方向と交差する方向に弾性変形可能に構成されている。取付部345,346は、平板部341の短手方向の端部から延伸する延伸部分で構成される。取付部345,346は、灯具5の取り付けの際に、取付方向と直交する方向であって間隔が狭くなる方向に弾性変形し、図2の(a)に示すように、灯具5の裏延伸部519に係合する。
具体的には、取付部345,346は、平板部341から延伸する弾性変形部分347と、弾性変形部分347に設けられた係合部分348とを有する。
弾性変形部分347は、平板部341の短手方向の端部から短手方向の外方であって表側に延伸する内側延伸領域347aと、内側延伸領域347aの延伸先端から短手方向の外方であって裏側に延伸する外側延伸領域347bとを有している。
係合部分348は、灯具側ベース51の裏延伸部519の張出部分519b(図8参照)の形状に対応し、外側延伸領域347bの延伸先端から短手方向の内方へ屈曲している。
【0022】
(3)端子台及び端子台取付具
主に、図5を用いて説明する。
端子台35は、ここでは、2芯用の端子台で、図2の(c)及び図3に示すように、商用電源側のハーネス2(図1及び図2参照)と接続される。
端子台35は、図5の(a)に示すように、ねじ391により端子台取付具37に固定され、端子台取付具37が器具側ベース33に取り付けられる。
【0023】
端子台取付具37は、同図の(d)及び(e)に示すように、金属板を湾曲・屈曲させて構成されている。端子台取付具37は、器具側ベース33の溝部331,332と当接する平板部371と、端子台取付具37を器具側ベース33に取り付けるための取付部372,373と、端子台取付具37を器具側ベース33に位置決めするための位置決め部374と、端子台35を支持する支持部375,376とを有している。
【0024】
平板部371は、長手方向に長い矩形状をし、短手方向の端部側に取付部372,373と支持部375,376とが設けられ、長手方向の少なくとも他端部に位置決め部374が設けられている。なお、平板部371は、端子台354がねじ391より表面に固定する端子台固定領域を有する。
【0025】
取付部372,373は、同図の(c)に示すように、器具側ベース33の折返部333,334に挿入される。換言すると、取付部372,373は折返部333,334に係合することで、端子台取付具37が器具側ベース33に取り付けられる。取付部372,373は、平板部371の短手方向の両端から短手方向の外方へと延伸する。具体的には、取付部372,373は、平板部371から短手方向の外方であって裏側に延伸する内延伸部分372a,373aと、内延伸部分372a,373aの延伸先端から短手方向の外方であって表側に延伸する外延伸部分372b,373bとを有している。これにより、取付部372,373は、表裏方向に弾性変形可能となり、器具側ベース33の折返部333,334に長手方向の端から取付部372,373を挿入する際に、平板部371を器具側ベース33の一対の溝部331,332の表面に当接させながら、所定位置まで端子台取付具37を挿入できる。
【0026】
位置決め部374は、平板部371のコ字状溝371aの内側部分で構成され、端子台取付具37を器具側ベース33の所定位置まで挿入(スライド)した後に、裏側へと折り曲げられる。これにより、位置決め部374は、平板部371から立設状態となり、器具側ベース33の溝部332の貫通孔332aに嵌る。これにより、端子台取付具37は、器具側ベース33に長手方向に位置決めされる。なお、貫通孔332aは、位置決め部374が折り曲げられる器具側ベース33の凹部の一例に相当する。
【0027】
支持部375,376は、取付部372,373の基部側と平板部371の短手方向の両端とに跨る領域に形成されたコ字状溝371bの内側部分が表側に折り曲げられて構成されている。つまり、取付部372,373の基部又は平板部371の両端から表側に立設する立設部分により構成される。支持部375,376は、図5の(a)に示すように、端子台35の側壁351に当接又は近接する。これにより、端子台35が器具側ベース33の短手方向の両側から支持される。
【0028】
平板部371は、端子台35内を挿通するねじ391が螺合するねじ孔371cや、アース接続するためのねじ392用のねじ孔371d,371eを有している。
【0029】
3.灯具
(1)全体
灯具5は、図6図7に示すように、少なくとも、発光素子の一例であるLED素子503(図8参照)を光源とする光源ユニット50と、光源ユニット50を表面に搭載する灯具側ベース51と、主に光源ユニット50を表側から覆う透光性カバー52とを備える。
灯具5は、光源ユニット50、灯具側ベース51、透光性カバー52以外に、光源ユニット50を灯具側ベース51に保持させるための複数の光源保持具53と、灯具側ベース51及び透光性カバー52の長手方向の両端を塞ぐ端部カバー54と、光源ユニット50に点灯電力を供給する電源ユニット55と、図外の照明制御装置から灯具5の点灯に関する点灯信号等を受信するための無線通信ユニット56とを備える。なお、複数の光源保持具53の内、長手方向の両側に位置する光源保持具53は固定具57により固定され、灯具5は灯具5を取付器具3に取り付ける際の位置合わせ用の位置合わせ具58を有している。
【0030】
(2)灯具側ベース
灯具側ベース51は、図6及び図7に示すように、長尺状をしている。灯具側ベース51は、図8に示すように、横断面形状が長手方向に一定である。灯具側ベース51は、例えば金属材料により構成され、引き抜き成形等による一体成形品を利用できる。
灯具側ベース51は、横断面形状において、短手方向の中央を通り且つ表裏方向に延伸する中心軸(以下、単に「縦中心軸」とする)Xに対して左右(短手方向の両側)対称な形状をしている。
灯具側ベース51は、少なくとも、光源(LED素子)を搭載する光源搭載部と、透光性カバー52を装着する透光性カバー装着部と、灯具5が取付器具3に取り付けられるための被取付部とを有する。ここでの灯具側ベース51は、光源搭載部、透光性カバー装着部及び被取付部以外に、電源ユニット55を裏側に搭載する電源ユニット搭載部と、無線通信ユニット56を裏側に搭載する無線通信ユニット搭載部とを有する。なお、光源搭載部は、光源を光源ユニットまたは光源モジュールとして搭載する。
【0031】
灯具側ベース51は、図8に示すように、縦中心軸X上から短手方向の外方であって裏側に向かう一対の傾斜部511を有する。つまり、傾斜部511は、縦中心軸Xに対して裏側拡がりに傾斜する。縦中心軸Xを挟んで2個ある傾斜部511は、例えば「V」字状をしている。傾斜部511の表面に光源ユニット50が搭載される。つまり、傾斜部511は光源搭載部を構成する。
【0032】
灯具側ベース51は、傾斜部511の裏側端から短手方向の外方へと延伸する内延伸部512と、内延伸部512の短手方向の外方端から裏側に立設する立設部513とを有する。
縦中心軸Xを挟んで2個ある内延伸部512と立設部513とで構成される空間に電源ユニット55や無線通信ユニット56(図2の(b)参照)が搭載される。つまり、内延伸部512と立設部513とは電源ユニット搭載部や無線通信ユニット搭載部を構成する。
灯具側ベース51は、一対の傾斜部511の各裏面からの裏側に延伸するリブ部514を長手方向の全長に亘って有している。2本のリブ部514の間隔は一定であり、2本のリブ部514により溝部515が形成される。溝部515には、電源ユニット55や無線通信ユニット56を固定するねじ559,569(図11参照)が螺合する。つまり、溝部515は、電源ユニット55を固定する電源ユニット固定部や、無線通信ユニット56を固定する無線通信ユニット固定部を構成する。
【0033】
灯具側ベース51は、立設部513の裏側端から短手方向の外方へ延伸する外延伸部516と、立設部513の表裏方向の中間部分に形成された中延伸部517とを有する。
外延伸部516は、短手方向の外方へ延伸した後に表側に屈曲している。つまり、表側に屈曲する「L」字状をしている。
中延伸部517は、立設部513の外面から短手方向の外方へと延伸した後に、裏側に屈曲する。つまり、裏側に屈曲する「L」字状をしている。
図2の(b)の拡大図に示すように、外延伸部516と中延伸部517とで形成される溝部518に、透光性カバー52におけるカバー側装着部523が挿入される。なお、挿入は、透光性カバー52を灯具側ベース51の長手方向の端部からスライドさせることで行われる。つまり、外延伸部516と中延伸部517は、透光性カバー52を装着する透光性カバー装着部を構成する。
【0034】
灯具側ベース51は、外延伸部516から裏側に延伸する裏延伸部519を有している。裏延伸部519は、外延伸部516の短手方向の中央から延伸する延伸部分519aと、延伸部分519aの延伸先端から短手方向に張り出す張出部分519bとを有する。
延伸部分519aは表裏方向(垂直方向)に延伸している。張出部分519bは、例えば短手方向の内方側に張り出す。ここでの張出部分519bは、延伸部分519aから「V」字状に屈曲している。裏延伸部519の張出部分519bは、取付器具3の灯具取付具34の係合部分348と係合する(図2の(b)拡大図参照)。このため、裏延伸部519(張出部分519b)は、取付器具3の係合部分348に係合される被係合部でもあり、被取付部を構成する。
【0035】
灯具側ベース51は、光源保持具53用の貫通孔51a(図9参照)や、光源ユニット50に給電するための配線用の貫通孔を有する。
【0036】
(3)光源ユニット
光源ユニット50は、図8に示すように、長手方向に長い矩形状の光源基板501と、光源基板501に実装された複数個のLED素子503とを備える光源モジュール505を複数個(ここでは4個である)備える。各光源モジュール505は、図8に示すように、縦中心軸Xに対して左右(短手方向の両側)対称となるように傾斜部511に配されている。
なお、各光源基板501は、電源ユニット55からのワイヤと接続するためのコネクタ507を有する。
【0037】
(4)透光性カバー
透光性カバー52は、光源ユニット50からの光を透過させて外部へと出射する。
透光性カバー52は、図6及び図7に示すように、長尺状であって両端と裏面が開放し、透光性樹脂により構成されている。透光性カバー52は、光源ユニット50を表側から覆うカバー本体部521と、灯具側ベース51に装着するためのカバー側装着部523とを有する。
【0038】
カバー本体部521は、図8に示すように、長手方向に延伸する開口521aを裏面に有し、当該開口521aを利用して透光性カバー52が灯具側ベース51に装着される。
カバー本体部521は、横断面形状が長手方向に沿って一定に構成され、横断面において、縦中心軸Xに対して左右(短手方向の両側)対称な形状をしている。これにより、左右対称な位置に配された光源モジュール505とで、左右で略対称な配光特性が得られる。なお、ここでのカバー本体部521は、横断面形状が短手方向に長い矩形状をしている。
【0039】
カバー側装着部523は、カバー本体部521の裏壁521bにおける開口521aの両側に形成され、例えば「N」状をしている。カバー側装着部523は、図2の(c)の拡大図に示すように、灯具側ベース51の溝部518と係合する。
カバー側装着部523は、図8に示すように、カバー本体部521の裏壁521bにおける開口521a側の端部から表側に延伸する外側表延伸部分523aと、外側表延伸部分523aから縦中心軸Xに向かう水平延伸部分523bと、水平延伸部分523bの縦中心軸X側の端から表側に延伸する内側表延伸部分523cとを有する。
外側表延伸部分523aは、図2の(b)の拡大図に示すように、灯具側ベース51の外延伸部516の表延伸部分516aと対向する。内側表延伸部分523cは、灯具側ベース51の立設部513と中延伸部517の裏延伸部分517aとの間に位置する。
【0040】
(5)光源保持具
光源保持具53は、短手方向に「V」字状に配された光源モジュール505を保持する。光源保持具53は、図8及び図9に示すように、保持具本体部531が灯具側ベース51の裏側に配され、光源モジュール505を保持する保持部532が灯具側ベース51の貫通孔51aから表側に露出している。保持具本体部531は、灯具側ベース51の貫通孔51aを表側に通過できない大きさであり、長手方向に延伸している光源モジュール505を保持することで光源保持具53が裏側へと抜けないようになっている。
換言すると、光源保持具53は、灯具側ベース51の裏面に当接する当接部と、灯具側ベース51の貫通孔51aから表側に露出する露出部と、露出部に設けられ且つ光源モジュール505を保持する保持部とを有している。
これにより、光源保持具53を灯具側ベース51にねじ等で固定せずに、光源ユニット50を支持できる。
【0041】
保持具本体部531は、図8に示すように、灯具側ベース51の傾斜部511に対応した一対の傾斜部533と、傾斜部533の各裏側端から短手方向の外方へと延伸する裏延伸部534とを有している。ここでは、一対の傾斜部533は、灯具側ベース51の「V」字状の傾斜部511に対応して、「V」字状をしている。
裏延伸部534の表面は、図9の(b)に示すように、灯具側ベース51の内延伸部512の裏面と当接する。なお、裏延伸部534は灯具側ベース51に当接する当接部を構成する。
保持具本体部531は、裏延伸部534の短手方向の端部に裏側に屈曲する屈曲部535を有している。屈曲部535は、灯具側ベース51の立設部513の内面と当接又は近接する。これにより、保持具本体部531が灯具側ベース51内で短手方向に位置決めされる。
【0042】
保持部532は、保持具本体部531から表側に延出して光源基板501の短手方向の端部を係止する係止部分537,538を有している。ここでの保持部532は、図8に示すように、中心軸を挟んだ左右両側に2組ある。
係止部分537は2個の傾斜部533の連結部分(表側端部)に設けられ、係止部分538は裏延伸部534における傾斜部533側に設けられている。
係止部分537,538は、「L」字状をし、光源基板501の端面と表面とに対向(当接)することで、光源基板501を保持する。
光源基板501は、保持部532における長手方向(灯具側ベース51の長手方向である)から係止部分537,538間に挿入される。このように、光源ユニット50は、ねじ等を利用せずに、係止部分537,538間に挿入するだけで保持され、光源ユニット50の組み込みを容易にできると共に組み込みコストを低減できる。
【0043】
(6)端部カバー
端部カバー54は、透光性カバー52の両端部を塞ぐ状態で灯具側ベース51に固定される。透光性カバー52の両端の端部カバー54の構成は同じであるため、長手方向の一方側の端部カバー54を示す図10の(a)及び(d)で説明する。
端部カバー54は、透光性カバー52の端部を塞ぐ端部カバー本体部541と、端部カバー本体部541の周縁付近から延伸して透光性カバー52の端部に嵌合する端部カバー嵌合部542と、端部カバーを灯具側ベース51にねじ549により固定するための固定部543とを有している。
固定部543は、端部カバー本体部541の裏側部分から灯具側ベース51の裏面へと延伸する板状部分544と、ねじ549用の貫通孔545とを有している。
【0044】
端部カバー54は、複数の照明装置1を長手方向に連結させる場合に、隣接する他の照明装置1から受電するためのハーネスやワイヤを受け入れるための受入口形成領域546を有している。受入口形成領域546は、図10の(a)に示すように、端部カバー本体部541における固定部543よりも裏側部分にあり、切り取り可能とするためのミシン溝(不連続な溝)547により囲まれている。
端部カバー54は、図10の(c)に示す固定具57の延伸部577の凸部分577bに嵌合する貫通孔548を板状部分544の貫通孔545の両側に有している。これにより、固定具57を長手方向に位置決めできる。
【0045】
(7)電源ユニット
主に、図11を用いて説明する。
電源ユニット55は、商用電源等の外部電源から受電する受電部と、受電した電力から光源ユニット50用の点灯電力を生成するための点灯電力生成部(図示省略)とを、灯具側ベース51に固定される電源ケース550内に備える。
点灯電力生成部は、無線通信ユニット56から入力される点灯条件に基づいて点灯電力を生成する。
点灯電力生成部を回路構成する複数個の電子部品551は、図11の(a)に示すように、電源基板552に実装されている。なお、図では、複数の電子部品551は1つのブロックとして記載している。
電源基板552には3個の接続端子(図示省略)が設けられている。2個の接続端子は、他端にコネクタ554を有するハーネス553(図6及び図7参照)に接続される。当該ハーネス553のコネクタ554は、図3に示す端子台35に接続されたハーネス352のコネクタ353に接続される。これにより、電源ユニット55は端子台35と電気的に接続される。なお、ハーネス553と電源ユニット55との接続、ハーネス352と端子台35との接続の図示は省略している。
1個の接続端子はアース用であり、灯具側ベース51にワイヤ555を介して接続されている。
接続端子は、端子台35側から受電するためのハーネス553と接続する他、他の照明装置1に給電するためのハーネス(所謂、送り配線)と接続可能となっている。これにより、照明装置1は、外部電源から受電すると共に他の照明装置1に給電したり、外部電源から受電せずに隣接する他の照明装置1から受電したり、外部電源から受電せずに他の照明装置1から受電してさらに他の照明装置1に給電したり可能となる。
【0046】
電源ケース550は、長手方向に長い箱状をし、長手方向の両端から長手方向に張り出す張出部557を有する。張出部557はねじ559により灯具側ベース51に固定される。なお、ねじ559は灯具側ベース51の溝部515に螺合する。
【0047】
(8)無線通信ユニット
主に図11を用いて説明する。
無線通信ユニット56は、点灯信号を受信して灯具5の電源ユニット55に点灯条件を出力したり、複数の照明装置1が1つの照明制御装置により制御されている場合に受信した受信信号が自装置に関するか否か等を判断したりする。無線通信ユニット56は、ハーネス568により電源ユニット55に接続され、電力供給されたり、点灯条件用の信号を出力したりする。
無線通信ユニット56は、無線通信モジュール561を通信ケース562内に有し、通信ケース562がねじ569により灯具側ベース51に固定される。なお、無線通信モジュール561には、照明装置1の識別情報等が書き込まれたドングル563を着脱可能に装着している。
【0048】
(9)固定具
主に図10の(b)、(c)及び(d)を用いて説明する。
固定具57は、図2の(b)に示すように、複数の光源保持具53の内、長手方向の両側の光源保持具53を裏側から覆うことで光源保持具53を灯具側ベース51に固定する。
固定具57は、光源保持具53を覆う箱状部571と、箱状部571の長手方向の外方側に位置する端壁574から外方側へ延伸する延伸部577と、箱状部571の蓋壁572の長手方向の内方側端と内方側に位置する端壁575とに跨る状態で表側に凹入する凹入部578とを有している。
箱状部571は、裏側から見ると、灯具側ベース51の長手方向に長い矩形状をし、図10の(d)に示すように、灯具側ベース51の立設部513間に嵌合するように構成されている。つまり、箱状部571の側壁573が立設部513に対向し且つ当接又は近接する。これにより、固定具57が短手方向に位置決めされる。
箱状部571は、両端壁の574,575の表側端(開口側端)に、灯具側ベース51の傾斜部511に合わせて表側に張り出す張出部分574a,575aを有している。これにより、固定具57と灯具側ベース51との隙間を小さくできる。
箱状部571は、両側壁573の開口側端に裏側に凹入する凹入部分573aを有する。凹入部分573aは光源保持具53の屈曲部535と当接する。これにより、光源保持具53は表裏方向に位置決めされる。
【0049】
延伸部577は、端壁574の短手方向の両端側から板状に延伸する板状部分577aと、板状部分577aから裏側に突出する凸部分577bとを有している。凸部分577bは、図10の(d)に示すように、端部カバー54の固定部の543の貫通孔548に表側から嵌合する。これにより、端部カバー54が灯具側ベース51から外れ難くできる。
凹入部578は、その底部分578aに貫通孔578bを有する。図10の(d)に示すように、当該貫通孔578bを挿通するねじ579により固定具57が灯具側ベース51に固定される。
【0050】
(10)位置合わせ具
主に、図12を用いて説明する。
位置合わせ具58は、灯具5を取付器具3に取り付ける際の位置合わせ用である。具体的には、取付器具3の灯具取付具34に灯具5の位置合わせ具58が位置するように、灯具5を取付器具3に取り付ける。
位置合わせ具58は、図12の(a)及び(b)に示すように、矩形箱状部581と、矩形箱状部581の天壁583の角部分から裏側に突出する合計4個の凸部582とを有する。
平面視において、矩形箱状部581の長手方向は、灯具側ベース51の長手方向と一致する。矩形箱状部581における長辺に相当する側壁584は、灯具側ベース51の立設部513と対向する状態で接触又は近接する。これにより、位置合わせ具58は、灯具側ベース51に対して短手方向に位置決めされる。
【0051】
凸部582は、突出量の高い高凸部585と、突出量の低い低凸部586とを有し、長手方向の各端部に高凸部585と低凸部586とを有している。長手方向の両側にある高凸部585は、平面視においての中心(対角線の交点)に対して点対称の位置に存在する。凸部582の長手方向の間隔は、灯具取付具34の長手方向の寸法に対応している。これにより、図12の(c)に示すように、位置合わせ具58の長手方向の両側の凸部582間に灯具取付具34が位置することとなり、灯具取付具34に対して灯具5を長手方向に位置合わせできる。なお、位置合わせ具58の位置合わせにより、取付器具3に対する灯具5の位置合わせがなされる。
【0052】
位置合わせ具58は、天壁583のボス部583aの底部を貫通するねじ589が灯具側ベース51の溝部515に螺合することで、灯具側ベース51に固定される。なお、位置合わせ具58は、側壁584とボス部583aとを結合するリブ部583bから表側に突出する凸部分583cが灯具側ベース51の内延伸部512の貫通孔(図示省略)に嵌合する。これにより位置合わせ具58は、灯具側ベース51に対して長手方向に位置合わせされる。
【0053】
<第2実施形態>
第1実施形態は、1台の照明装置1について説明したが、複数の照明装置1をその長手方向に接続して使用してもよい。
以下、長手方向に隣接する照明装置1A,1Bについて説明する。
1.全体
図13に示す照明装置1Aと照明装置1Bは、第1実施形態で説明した照明装置1と基本的に同じ構成をしているが、照明装置1Aの端子台35Aが商用電源に接続され、照明装置1Bは照明装置1Aからの送り配線により受電している。
つまり、照明装置1Aは、第1実施形態の照明装置1において、照明装置1B用の送り配線を電源ユニット55に接続した点が異なる。
照明装置1A,1Bにおいて、第1実施形態と同じ構成については、図面に現れていない場合でも、符号に「A」又は「B」を付している。
以下、図13を用いて説明する。
【0054】
電源ユニット55Aの接続端子には、端子台35Aにコネクタ353A,554Aを介して接続されたハーネス553Aと、図13の(c)及び(d)に示すように、照明装置1Bの端子台35Bに送り配線するためのハーネス2Bとが接続される。
ハーネス2Bは、照明装置1Aの取付器具3Aの器具側ベース33Aの表側に配されて、灯具5Aの端部カバー54Aの裏側を通って照明装置1Bから導出されている。導出されたハーネス2Bは、照明装置1Bの端部カバー54Bの裏側から照明装置1B内に導入され、器具側ベース33Bの表側を通り、端子台35Bに接続される。
端子台35Bは、同図の(c)に示すように、端子台取付具37Bを介して器具側ベース33Bに取り付けられている。このように、端子台35Bは端子台取付具37Bを介して器具側ベース33Bに位置変更可能に容易に取り付けることができる。
【0055】
端子台35Bには、電源ユニット55Bにコネクタ353,554Bを介して接続するためのハーネス553Bが接続される。ハーネス2Bは、器具側ベース33A,33Bと固定具57A,57Bとの間を通過する。固定具57A,57Bは、図10に示すように、その蓋壁572の短手方向の両端が裏側に隆起して中間部分が凹入する形状をしており、ハーネス2Bは固定具57A,57Bの蓋壁572A,572Bにより保持される。
【0056】
照明装置1Aは、図13の(c)に示すように長手方向に隣接する他の照明装置1Bと連結する又は連結を補助するため連結具38Aを備えてもよい。なお、連結具は、照明装置1Bに含まれる構成としてもよいし、照明装置1A,1Bに含まれない構成としてもよい。連結具38Aは、照明装置1Aの器具側ベース33Aと、照明装置1Bの器具側ベース33Bとを連結する。
【0057】
2.連結具
連結具38Aは、図14の(a)及び(b)に示すように、薄肉の板状をしている。連結具38Aは、器具側ベース33Aの折返部333A,334Aに係合することで、器具側ベース33Aに取り付けられる。
連結具38Aは、器具側ベース33Aの溝部331A,332Aと当接する平板部381Aと、連結具38Aを器具側ベース33Aに取り付けるための取付部382A,383Aと、連結具38Aを器具側ベース33Aに位置決めするための位置決め部384Aとを有している。
【0058】
平板部381Aは、長手方向に長い矩形状をし、短手方向の端部に取付部382A,383Aが設けられ、長手方向の少なくとも他端部に位置決め部384Aが設けられている。
取付部382A,383Aは、平板部381Aから短手方向の外方へ弾性変形可能に延伸する。具体的には、取付部382A,383Aは、端子台取付具37Aの取付部372A,373Aと同様に、内延伸部分382Aa,383Aaと外延伸部分382Ab,383Abとを有している。これにより、器具側ベース33Aに長手方向の端から連結具38Aを挿入する際に、平板部381Aを器具側ベース33Aの一対の溝部331A,332Aの表面に当接させながら、所定位置まで連結具38Aを挿入できる。
【0059】
位置決め部384Aは、平板部381Aの他端から一端側に延伸する一対の溝385A間に形成され、厚み方向に弾性変形可能に構成されている。位置決め部384Aは、図13の(b)に示すように、器具側ベース33Aの貫通孔330Afに嵌合する凸部分386Aを有している。これにより、連結具38Aが器具側ベース33Aに位置決め及び固定される。
【0060】
照明装置1Aは、図14の(c)に示すように、ハーネス352Aを表側から支持する支持板39Aを備えてもよい。これにより、ハーネス352Aが器具側ベース33Aの表側に垂れ下がって灯具5Aと干渉するのを防止できる。
支持板39Aは、薄肉の板状に形成され、器具側ベース33Aの一対の折返部333A,334A間の寸法より大きく、弾性変形させることで、折返部333A,334A間に配することが可能である。なお、支持板39Aは、照明装置1Bに設けられるとしてもよい。
支持板39Aは、図14の(c)及び(d)に示すように、平板部391Aと、平板部391Aの短手方向から延伸する取付部392A,393Aを有している。支持板39Aは、例えば、一方の取付部392Aを器具側ベース33Aの一方の折返部333Aに係合させた状態で、平板部391Aと他方の取付部393Aとを湾曲させて他方の折返部343Aに挿入することで、器具側ベース33Aに着脱可能に取り付けられる。これにより、支持板39Aを容易に取り付けることができる。また、ハーネス352Aを配置した後、支持板39Aを器具側ベース33Aに取り付けることができる。
なお、器具側ベース33A,33Bを連結させる連結具に着目する場合、一対の折返部333A,334A,333B,334Bを有する器具側ベース33A,33Bと、一対の折返部333A,334A,333B,334Bに取り付けられる連結具38とを備えればよく、器具側ベース33A,33Bにおいて、端子台等を備えなくてもよい。
【0061】
<第3実施形態>
第1及び第2実施形態の照明装置1,1A,1Bは設置面に直接取り付けられる直付けタイプであったが、例えば、埋め込みタイプ等の他のタイプの照明装置であってもよい。
以下、第3実施形態の照明装置1Cについて図15を用いて説明する。第3実施形態においても、図15に現れていない場合でも、符号に「C」を付して説明する。
【0062】
照明装置1Cは、設置面9Cの貫通孔90Cに埋設される取付器具3Cと、取付器具3Cに着脱可能に取り付けられる灯具5Cとを備える。なお、灯具5Cは、第1実施形態の灯具5と同じ構成であり、その説明を省略する。
取付器具3Cは器具側ベース33Cを備え、当該器具側ベース33Cに、灯具取付具34C、端子台35C、端子台取付具37C、支持板39C等が設けられている。
第1実施形態とは器具側ベース33Cと灯具取付具34Cとが異なる。このため、この構成について説明し、他の構成の説明は省略する。
【0063】
器具側ベース33Cは、同図の(b)の拡大図に示すように、ベース本体部337Cと、ベース本体部337Cに設けられた筐体部338Cとを有する。
ベース本体部337Cは、第1実施形態と同様に、器具側ベース部分330C、溝部分331C,332C、折返部分333C,334Cを有している。
筐体部338Cは、表側が開放する箱状部分339Cと、箱状部分339Cの天壁339Caに形成された長手方向に長い貫通孔339Cbの両側から裏側に立設して折返部分333C,334Cに連結する連結部分340Cとを有している。
【0064】
灯具取付具34Cは、表側が開放するコ字状部341Cと、コ字状部341Cの開放側端部に設けられた取付部345C,346Cとを有する。
灯具取付具34Cは、取付部345C,346Cをベース本体部337Cの貫通孔337Caから表側に延出させると共にコ字状部341Cの平板部分341Caを器具側ベース33Cの一対の溝部分331C,332Cに載置した状態で、平板部分341Caの貫通孔を挿通するねじ349Cが器具側ベース部分330Cに螺合することで、器具側ベース33Cに固定される。
なお、灯具5Cは、灯具側ベース51Cの裏延伸部519が灯具取付具34Cの係合部分348Cに係合することで、取付器具3Cに取り付けられる。
【0065】
<第4実施形態>
第2実施形態は、複数台(例えば2台)の照明装置1A,1Bをその長手方向に接続する際に連結具38Aを利用している。この連結具38Aは、隣接する2台の照明装置1A,1Bにおいて、器具側ベース33Aと器具側ベース33Bとを連結する又は連結を補助する。
複数台の照明装置を長手方向に接続する際に、連結具38Aに加えて、又は連結具38Aに代えて、連結具59を利用してもよい。
以下、長手方向に隣接する照明装置1A,1Bを、連結具38A,59を利用して接続(連結)する形態について説明する。
【0066】
1.全体
図16に示す照明装置1A,1Bは、第2実施形態で説明した照明装置1A,1Bと同じ構成をしている。照明装置1A,1B等の説明において、図面に現れていない場合でも、第1実施形態と同じ構成については第1実施形態の構成の符号に「A」又は「B」を付した符号を用い、第2実施形態と同じ構成については第2実施形態と同じ符号を用いる。また、図面に現れている場合であってその説明がない符号の構成は、符号の数字と同じ数字の符号を用いた第1実施形態の構成と同じであり、同じ符号を用いた第2実施形態の構成と同じである。
照明装置1A,1Bは、図16に示すように、取付器具3A,3Bと灯具5A,5Bとを備え、取付器具3A,3Bは連結具38Aにより長手方向に連結され、灯具5A,5Bは連結具59により長手方向に連結される。
照明装置1Aの中央側の端子台35Aは、商用電源とハーネス2Aを介して接続されると共に照明装置1Bに送り配線するためのハーネス21Aを介して端側(他方の照明装置1B側に位置する)の端子台35Aに接続される。端側の端子台35Aは、送り配線用のハーネス2Bを介して照明装置1Bの端側の端子台35Bに接続される。照明装置1Bの端側の端子台35Bは、ハーネス21Bを介して中央側の端子台35Bに接続される。
なお、照明装置1A,1Bの中央側の端子台35A,35Bは、コネクタ353A,353B、554A,554Bを介して電源ユニット55A,55Bに接続される(図6参照)。
【0067】
2.灯具
灯具5A,5Bは、少なくとも、光源ユニット50A,50B、灯具側ベース51A,51B、透光性カバー52A,52B、端部カバー54A,54B、固定具57A,57Bを備える。ここでは、灯具5A,5Bは、さらに、光源保持具53A,53B、電源ユニット55A,55B、無線通信ユニット56A,56B、位置合わせ具58A,58Bを備える。なお、これらの構成は、第1実施形態及び第2実施形態と同じである。
灯具5A,5Bは、隣接する他の灯具5B,5Aと反対側の端部を覆う端部カバー54aA,54aBを有している。端部カバー54aA,54aBは、透光性カバー52A,52Bの端部だけでなく、灯具側ベース51A,51Bの端部も覆う。これにより、連結した照明装置1A,1Bの両側端部の意匠性を向上できる。
【0068】
3.連結具
連結具59は、図19に示すように、薄肉の板状をしている。連結具59は、図18に示すように、灯具側ベース51A,51Bの一対の裏延伸部519A,519B間に取り付けられる。具体的には、連結具59は、裏延伸部519A,519Bの張出部分519bA,519bBよりも光源ユニット50A,50B側に位置する延伸部分519aA,519a間に取り付けられる。
連結具59は、図19に示すように、長手方向と直交する断面において(つまり、図19の(a)である)、全体が「V」字状をし且つその連結部分が平坦な形状の本体部591と、本体部591の開口側端(裏側端)に設けられた湾曲部592とを少なくとも有している。ここでは、湾曲部592の裏側端から裏側へと延伸する延伸部593を有する。
連結具59は、例えば、薄肉の金属板をプレス加工して得られる。このため、本体部591が短手方向(灯具5の短手方向である)に寸法が大小するように弾性変形可能に構成される。これにより、連結具59の灯具5A,5Bへの取り付け、取り外しを容易に行える。なお、連結具59は、灯具側ベース51A,51Bに対して表裏方向に遠近させることで取り付け、取り外しを行う。
なお、灯具5A,5Bを連結させる連結具に着目する場合、一対の裏延伸部519A,519Bを有する灯具側ベース51A,51Bと、一対の裏延伸部519A,519Bに取り付けられる連結具59とを備えればよく、灯具において、光源ユニット、透光性カバー、端部カバー等の構成は特に限定するものではなく、電源ユニット、無線通信ユニット等を備えなくてもよい。
【0069】
(1)本体部
本体部591は、上述のように、断面形状が全体として「V」字状をし、短手方向に広がる平坦部分591aと、平坦部分591aの両端から短手方向に広がりながら裏側に延伸する傾斜部分591bとを有している。
連結具59は、本体部591の平坦部分591aが光源ユニット50A,50B側に位置するように、灯具側ベース51A,51Bに取り付けられる。これにより、器具側ベース33A,33Bと本体部591との間に空間が形成され、例えば、送り配線用のハーネス2Bを外部に露出させることなく、配することができる。
平坦部分591aは、固定具57A,57Bの裏面と面接触するため、連結具59の姿勢が常時一定となる。これにより、連結具59を灯具5A,5Bに安定した状態で取り付けることができる。
【0070】
本体部591は、長さ方向の中央に短手方向に延伸する開口591cを有している。開口591cは、図17の(b)及び図18の(b)に示すように、灯具5A,5Bの端部カバー54A,54Bに対応して設けられている。これにより、連結具59と端部カバー54A,54Bとが干渉するのを防止できる。また、開口591cの長手方向(灯具5A,5Bの長手方向である)の大きさが、近接する2つの端部カバー54A,54Bの長手方向の寸法に対応している。つまり、開口591cが2つの端部カバー54A,54Bの裏側部分に嵌合する。これにより、連結具59が、灯具5A,5Bに対して、長手方向に位置決めされる。
本体部591は、平坦部分591aの開口591dを利用して表側に屈曲する屈曲部分591eを有している。連結具59は、平坦部分591aが固定具57A,57Bの裏面に当接又は近接するように、灯具側ベース51A,51Bに配される。
屈曲部分591eは、図18の(c)に示すように、灯具5Aの固定具57Aの端面に対向する。これにより連結具59が長手方向に位置決めされる。この固定具57Aの端面は、隣接する他方の灯具5Bが位置する側の端面である。なお、開口591cと屈曲部分591eとの長手方向の距離は、灯具5Aの端部カバー54Aと固定具57Aとの距離に等しい。
【0071】
(2)湾曲部
湾曲部592は、短手方向の外方へ張り出すように湾曲する。ここでは、円弧状に湾曲する。これにより、連結具59が、灯具側ベース51A,51Bの一対の裏延伸部519A,519Bの張出部分519bA,519bB間をスムーズに通過でき、連結具59の灯具5A,5Bへの取り付け、取り外しを容易に行える。なお、湾曲部592は張出部ともいえる。
湾曲部592は、本体部591の平坦部分591aが固定具57A,57Bに当接又は近接する状態において、裏延伸部519A,519Bの張出部分519bA,519bBよりも光源ユニット50A,50B側に位置する。これにより、ねじ等の固定具を利用することなく、連結具59が灯具側ベース51A,51Bから裏側へと外れるのを防止できる。
【0072】
本体部591の平坦部分591aが固定具57A,57Bに当接する状態において、湾曲部592におけるもっとも張り出す部分に対して取付器具3A,3B側に位置する部分(つまり湾曲部592の裏側部分)592aが、灯具側ベース51A,51Bの張出部分519bA,519bBの表側部分と当接する。これにより、灯具5A,5Bにおける連結具59の表裏方向の位置が一定な状態で、連結具59を取り付けることができ、隣接する灯具5A,5Bの連結部分での表裏方向の段差(ずれ)を小さくできる。
連結具59が灯具5A,5Bに取り付けられた状態では、湾曲部592は、本体部591の復元力により延伸部分519aA,519aBを押圧する。これにより、灯具5A,5Bにおける連結具59の短手方向の位置が一定となり、隣接する灯具5A,5Bの連結部分での短手方向の段差(ずれ)を小さくできる。なお、短手方向の段差(ずれ)が小さくなると、光源ユニット50A,50Bが長手方向に略一直線となり、きれいに発光できる。
連結具59は、図17の(b)に示すように、本体部591が長手方向に隣接する2つの固定具57A,57Bに当接する長さを有しているため、隣接する2つの灯具5A,5Bを長手方向、短手方向、表裏方向に効果的に位置決めできる。
【0073】
連結具59は、灯具5A,5Bの裏面に当接する当接部(平坦部分591a)と、灯具5A,5Bの張出部分519bA,519bBに表側から係合する係合部(湾曲部592)とを有している。これにより、連結具59を容易に灯具5A,5Bに取り付けることができると共に灯具5A,5Bから外れ難くできる。
連結具59は、係合部を灯具5A,5Bの一対の延伸部分519aA,519aB側に付勢する付勢部(本体部591の傾斜部分591b)を有している。これにより、連結する2台(複数台)の灯具5A,5Bを略一直線状に連結できる。
【0074】
<第5実施形態>
第1~第4実施形態の取付器具3A,3B,3Cは、器具側ベース33A,33B,33Cを一部材として備えているが、器具側ベースを複数の部材により構成してもよい。つまり、複数の部材により構成された器具側ベースを備える照明装置であってもよい。
以下、第5実施形態の照明装置1Eについて、図20図23を用いて説明する。第5実施形態においても、第1~第4実施形態の構成に対応する構成には、図面に現れていない場合でも、その符号に「E」を付して説明する。
【0075】
1.全体
1又は複数の照明装置1Eは、図20に示すように、設置面に固定される取付器具3Eと、取付器具3Eに取り付けられる灯具5Aとを備える。ここでの灯具5Aは、第1実施形態で説明した灯具5Aと同じあるが、取付器具3Eに取り付けられる構成を有していれば、他の構成の灯具であってもよい。
【0076】
2.取付器具
取付器具3Eは、図21及び図22に示すように、例えば、吊りボルト31や、タッピングねじ32E等を利用して設置面に固定される。
取付器具3Eは、器具側ベース4Eと灯具取付具34Eとを備える。ここでの取付器具3Eは、器具側ベース4E、灯具取付具34E以外に端子台35を備えている。
以下、器具側ベース4Eと灯具取付具34Eについて説明する。
【0077】
(1)器具側ベース
器具側ベース4Eは、図22に示すように、長手方向に長い器具側裏ベース41と、長手方向に長い器具側表ベース45とを有している。なお、器具側裏ベース41は、裏側(設置面側)に位置し、器具側表ベース45は器具側裏ベース41の表側(灯具5A側)に配置される。
【0078】
器具側裏ベース41は、図23に示すように、器具側裏ベース部410と、器具側裏ベース部410の短手方向に間隔をおいて設けられ且つ長手方向に延伸する複数本の溝部411,412,413と、器具側裏ベース部410の短手方向の端部に形成された裏折返部414とを有する。
ここでの器具側裏ベース41は、器具側裏ベース部410、溝部(411,412,413)、裏折返部414の他、器具側裏ベース部410の短手方向に間隔をおいて設けられ且つ長手方向に延伸する複数本の裏リブ部415,416,417を裏面に有する。
器具側裏ベース41を長手方向から見ると、短手方向の中央を通り且つ表裏方向へ延伸する仮想線に対して線対称の形状をしている。
【0079】
器具側裏ベース部410は長手方向に長い矩形状をしている。
器具側裏ベース部410は、図22に示すように、吊りボルト31、タッピングねじ32E、商用電源側のハーネス2を挿通させるための貫通孔410a,410b,410cや、器具側表ベース45と結合させるための結合具49用の貫通孔410f(図23の(a)参照)を有する。
器具側裏ベース部410は、複数台の照明装置1Eを長手方向に連結可能とする場合、連結具38E用の欠け部410eを長手方向の端部に有してもよい。
【0080】
複数本の溝部(411,412,413)は例えば3本ある。3本の溝部には、図23に示すように、器具側裏ベース部410の短手方向の中央に位置する中央溝部411と、中央溝部411に対して器具側裏ベース部410の短手方向の外側に位置する第1溝部412と、第1溝部412に対して器具側裏ベース部410の短手方向の外側に位置する第2溝部413とがある。
複数本の溝部411,412,413の幅(器具側裏ベース部410の短手方向の寸法)は、少なくとも1つの溝部にハーネス352を配置できるように構成されている。ハーネス352は、例えば、図20において、端子台35aが商用電源側のハーネス2が長手方向中央の端子台35aに接続された場合、端子台35aと端子台35bとを接続したり、端子台35aと端子台35cとを接続したりする。これにより、複数台の照明装置1Eを長手方向に連結する際に他の照明装置1Eに電力を供給する送り配線が可能となる。なお、図20において、端子台35cに送り配線用のハーネス2aが接続されている。
ここでは、第1溝部412の幅が小さく、第2溝部413にハーネス352が配されている。
【0081】
3本の溝部411,412,413は、器具側裏ベース部410の表面から表側に突出し且つ長手方向に延伸する表リブ部(421,422)と裏折返部414により構成される。
表リブ部には、器具側裏ベース部410の短手方向の中央に近い位置に形成された一対の内側表リブ部421と、内側表リブ部421に対して短手方向の外側に位置する一対の外側表リブ部422とがある。これにより、器具側裏ベース部410を補強できる。
内側表リブ部421と外側表リブ部422との突出量(表裏方向の長さ)は同じである。
中央溝部411は一対の内側表リブ部421間に形成される。第1溝部412は内側表リブ部421と外側表リブ部422との間に形成される。第2溝部413は外側表リブ部422と裏折返部414との間に形成される。
器具側裏ベース部410における中央溝部411には、器具側裏ベース41と器具側表ベース45とを結合する結合具49が収容されるように構成されている。結合具49としてねじを利用する場合、ねじを締め込んだ際に、表リブ部421,422及び裏折返部414が表裏方向に突っ張り、器具側裏ベース部410と器具側表ベース部450とが互に近接する方向に変形することを防止できる。
【0082】
裏折返部414は、裏折返部414の折返先端が表リブ部421,422の突出先端と表裏方向において同じ位置となるように、折り返されている(屈曲している)。これにより、表リブ部421,422と裏折返部414との各先端が器具側表ベース45(器具側表ベース部450)に当接し、設置面又は器具側裏ベース部410と平行に器具側表ベース部450を支持(結合)できる。
裏折返部414は、ここでは、器具側裏ベース部410の短手方向の外側広がりの段差状をしている。これにより裏折返部414を補強できる。裏折返部414は、外側広がりの段差状をしているため、後述の器具側表ベース45の爪部456が裏側から係合でき、器具側表ベース45が器具側裏ベース41から外れ難くできる。
【0083】
裏リブ部には、器具側裏ベース部410の短手方向の中央に近い位置に形成された一対の内側裏リブ部415と、内側裏リブ部415に対して短手方向の外側に位置する一対の外側裏リブ部416と、短手方向の両端に形成された一対の端側裏リブ部417とがある。これにより、器具側裏ベース部410を補強できる。
裏リブ部415,416,417の突出量(表裏方向の長さ)は同じである。これにより、器具側裏ベース部410を設置面と平行な状態で、器具側裏ベース41を設置面に固定できる。
内側裏リブ部415は内側表リブ部421の裏側に位置し、外側裏リブ部416は外側表リブ部422の裏側に位置し、端側裏リブ部417は裏折返部414の裏側に位置する。なお、裏折返部414は端側表リブ部としてもよい。
一対の内側表リブ部421間及び裏リブ部415間には、器具側表ベース45を結合するための結合具(ねじ)49が配される。裏リブ部415,416,417の裏側への突出量は、結合具49の頭部の厚みより大きい。これにより、結合具49の頭部が設置面と接触(干渉)するのを防止できる。
【0084】
器具側表ベース45は、図22に示すように、器具側表ベース部450と、器具側表ベース部450の短手方向の端部に形成された表折返部454とを有する。
器具側表ベース45を長手方向から見ると、短手方向の中央を通り且つ表裏方向へ延伸する仮想線に対して線対称の形状をしている。
器具側表ベース部450は、吊りボルト31、タッピングねじ32E、商用電源側のハーネス2を挿通させるための貫通孔450a,450b,450cや、器具側表ベース45と結合させるための結合具49用のねじ孔450dを有する。
器具側表ベース部450は、灯具取付具34Eを取り付けるためのねじ孔450eや位置決め用の貫通孔450fを有する。器具側表ベース部450は、端子台35を取り付けるためのねじ孔450g、アース接続用のねじ孔450h等を有する。
表折返部454は裏側へと折り返されている。表折返部454は、裏折返部414の内面又は外面と当接又は対向する。ここでは、表折返部454の内面が裏折返部414の外面に当接又は近接する。
表折返部454は、図23に示すように、段差状の裏折返部414の段差部分よりも裏側へと延伸する。
表折返部454は、器具側表ベース部450の幅方向の内方側に張り出す爪部456を有している。爪部456は、裏側から表側であって器具側表ベース部450の短手方向の内側に傾斜状に延伸すると共に短手方向に弾性変形可能に構成されている。これにより、器具側裏ベース41に器具側表ベース45を近接させた際に、爪部456が器具側裏ベース41の裏折返部414に接触するが、そのまま器具側表ベース45を裏側に押し込むことで、爪部456が弾性変形した後に裏折返部414の段差部分で復元する。これに爪部456が段差部分に係合可能となる。なお、爪部456は、一対の表折返部454のそれぞれに長手方向に間隔をおいて複数個設けられている。
器具側裏ベース41と器具側表ベース45とを結合具(ねじ)49により結合すると、図23に示すように、器具側裏ベース部410と器具側表ベース部450とが間隔を空けて対向するが、表リブ部421,422及び裏折返部414が器具側表ベース部450と当接するため、器具側ベース4Eとして全体の剛性が向上する。
【0085】
(2)灯具取付具
灯具取付具34Eは、帯状の金属板を湾曲・屈曲させてなる。灯具取付具34Eは、器具側表ベース45(器具側表ベース部450)と当接する平板部341Eと、灯具取付具34Eを器具側表ベース45に固定するための固定部342Eと、灯具5Aを取り付けるための取付部345E,346Eとを有している。
【0086】
平板部341Eは、長手方向に長い矩形状をし、長手方向の中央部分に固定部342Eが、長手方向の両端に位置決め部分347Eを有する。
灯具取付具34Eの取り付けにはねじ349が利用され、固定部342Eはねじ349の用の貫通孔により構成される。ねじ349は、器具側表ベース部450のねじ孔450eに螺合する。
位置決め部分347Eは、裏側へ屈曲し、器具側表ベース部450の貫通孔450fに進入する。
取付部345E,346Eは、取付器具3Eに対して灯具5Aを取付方向(ここでは表裏方向である)に近づけた際に、取付方向と交差する方向に弾性変形可能に構成されている。取付部345E,346Eは、灯具5Aの取り付けの際に、取付方向と直交する方向であって間隔が狭くなる方向に弾性変形し、図23の(a)に示すように、灯具5Aの裏延伸部519に係合する。
【0087】
(3)連結具
連結具38Eは、薄肉の板状をしている。連結具38Eは、弾性変形して、器具側裏ベース41の器具側裏ベース部410、折返部414、器具側表ベース45の器具側表ベース部450との当接するように構成されている。これにより、長手方向に隣接する器具側ベース4をガタツキの少ない状態で連結できる。
【0088】
3.取付器具
取付器具3Eは、器具側裏ベース41と器具側表ベース45とを備える器具側ベース4Eを備えることで、器具側ベース4Eの剛性を高めることができる。
この観点に着目すると、設置面に取り付けられ且つ灯具が取り付けられる取付器具は、表ベースと裏ベースとを表裏方向に結合してなる器具側ベースを備え、表ベース及び裏ベースの少なくとも一方に相手側に延伸するリブを有し、表ベースと裏ベースとの間に空間を有する。なお、表ベースの一例が第5実施形態の器具側表ベースであり、裏ベースの一例が第5実施形態の器具側裏ベースである。
これにより、背景技術で説明した特許文献1において、板状の器具本体6の剛性に対して不安があるという課題を解決できる。
剛性に着目した取付器具は、裏ベースの設置面への取り付け、灯具の取り付けは特に限定するものではなく、第1~第5実施形態で説明した以外の構造・方法であってもよい。例えば、取付器具の取付部及び灯具の被取付部は、取付器具に対して灯具を取付方向に近づけた際に取付部及び被取付部の少なくとも一方が取付方向と交差する方向に弾性変形して互いに係合するような構成を有しなくてもよい。
【0089】
以上、第1~第4実施形態を説明したが、これらの実施形態に限られるものではなく、例えば、以下のような変形例であってもよい。また、各実施形態と変形例、変形例同士を組み合わせたものであってもよい。
また、実施形態や変形例に記載していない例や、要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。
【0090】
<変形例>
1.取付部及び被取付部
第1実施形態では、取付部は器具側ベース33に取り付けられる灯具取付具34の取付部345,346により構成され、被取付部は、灯具5の灯具側ベース51に一体に設けられた裏延伸部519により構成されている。
しかしながら、取付部と被取付部は、取付器具に対して灯具を取付方向に近づけた際に取付部及び被取付部の少なくとも一方が取付方向と交差する方向に弾性変形して、互いに係合すればよく、例えば、灯具側ベースに被取付部が一体に設けられたことを特徴としない場合、器具側ベースは、取付部を器具側ベース部に一体に設けた一体成形品とし、灯具側ベースに別部材として設けた被取付具の被取付部が取り付けの際に弾性変形可能としてもよい。さらに、取付部と被取付部とが互いに弾性変形して係合するようにしてもよい。
また、取付部345,346は、器具側ベース33と別部材の灯具取付具34に設けられていたが、器具側ベース33に一体(一体成形品として)に設けられてもよい。 同様に、被取付部519は、灯具側ベース51に一体に設けられていたが、灯具側ベースに被取付部が一体に設けられたことを特徴としない場合、灯具側ベースと別材の被取付具に設けられてもよい。
【0091】
第1及び第3実施形態では、灯具5,5Cの取付器具3,3Cの取り付け方向は、表裏方向であったが、例えば、取付器具の一方の取付部を係合溝部とし、灯具の一方の被取付部を前記係合溝部に係合する係合部とし、灯具の係合部を取付器具の係合溝部に係合させた状態で係合部分回りに灯具を回転させることで取付器具に近づけて、取付器具3の他方の取付部346を弾性変形させて灯具5の被取付部519が取り付けられるようにしてもよい。
【0092】
取付部345,346及び被取付部519は、上下方向と直交する方向(短手方向)の内方へ凹入する形状をしていたが、直交する方向(短手方向)の外方側に凸出する形状であってもよいし、凹入と凸出とを組み合わせた形状であってもよい。つまり、取付部と被取付部とが互いに係合できる形状であればよい。
【0093】
2.灯具側ベース
灯具側ベースは、光源搭載部と被取付部とを一体に有する場合、他の機能部を有してもよいし、有さなくてもよい。他の機能部としては、透光性カバー52を装着するための溝部518、電源ユニット55を位置決めする立設部513、ねじが螺合可能な溝部515等である。
但し、灯具側ベースとして、引き抜き成形品等を利用する場合、多くの機能部を有する方が、組み立て工数、部品点数の削減の観点から好ましい。
【0094】
3.器具側ベース
器具側ベース33Aは、端子台35A(端子台取付具37A)、連結具38A、支持板39Aを取り付けるための折返部333A,334Aを有しているが、折返部を利用して器具側ベースに取り付けることを特徴する場合を除いて、端子台35A(端子台取付具37A)、連結具38A、支持板39Aを別の方法で器具ベースに取り付けてもよい。但し、器具側ベースに1又は複数の部材を取り付ける場合、折返部を利用して取り付ける方が、組み立て工数、部品点数の削減の観点から好ましい。
器具側ベース33は、端子台取付具37の位置決め部374が折り曲げられる凹部の一例として貫通孔332aを有していたが、例えば、凹部を有してもよい。また器具側ベースは、表側に突出する一対の突出部を有し、当該突出部間に位置決め部が折り曲げられてもよい。この場合、一対の突出部間に凹部が形成される。
【0095】
4.連結具
平坦部分591aは、固定具57A,57Bに当接していたが、例えば、位置合わせ具58を長手方向の端側に設け、当該位置合わせ具58に当接するようにしてもよいし、灯具側ベース51の裏面に当接するようにしてもよい。
傾斜部分591bは、直線状をしていたが湾曲状であってもよいし、直線領域と湾曲領域とを有してもよい。
湾曲部(係合部)は、円弧状をしていたが、例えば、「>」状であってもよいし、「U」字状であってもよい。
【0096】
5.表ベースと裏ベース
(1)器具側表ベースと器具側裏ベースとの間の空間に存在するリブは、第5実施形態では器具側裏ベースに設けられていたが、器具側表ベースに設けられてもよいし、器具側裏ベースと器具側表ベースの両方に設けられてもよい。なお、溝部は、リブが設けられたベースに形成されることとなる。
(2)第5実施形態では、器具側表ベース45の表折返部454は、器具側裏ベース41の裏折返部414の外側に位置しているが、裏折返部414の内側に位置するようにしてもよい。
(3)第5実施形態の結合具48は、頭部が器具側裏ベースの裏側に位置しているが、例えば、結合具を表裏反転させて、器具側表ベースの表側に位置するようにしてもよい。この場合、器具側裏ベースの裏リブの突出量は、器具側裏ベース部から裏側に突出するねじ部の長さ以上が好ましい。
(4)第5実施形態の溝部411,412,413の大きさは、空間に収容する対象物に合わせて適宜設定されてもよく、各溝部の大きさは特に限定するものではない。
【符号の説明】
【0097】
1 照明装置
3 取付器具
5 灯具
34 灯具取付具
35 端子台
37 端子台取付具
51 灯具側ベース
345 取付部
346 取付部
519 裏延伸部(被取付部)
図1
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