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特許7534784水分量センサ並びにそれを用いた水分量測定方法及びその装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-06
(45)【発行日】2024-08-15
(54)【発明の名称】水分量センサ並びにそれを用いた水分量測定方法及びその装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/12 20060101AFI20240807BHJP
   A01K 1/015 20060101ALI20240807BHJP
   A01K 29/00 20060101ALI20240807BHJP
   G01N 27/00 20060101ALI20240807BHJP
   G01N 27/06 20060101ALI20240807BHJP
【FI】
G01N27/12 L
A01K1/015 B
A01K29/00 B
G01N27/12 K
G01N27/00 H
G01N27/06 A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021005791
(22)【出願日】2021-01-18
(65)【公開番号】P2022110401
(43)【公開日】2022-07-29
【審査請求日】2024-01-12
(73)【特許権者】
【識別番号】392032410
【氏名又は名称】株式会社太陽機械製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100067448
【弁理士】
【氏名又は名称】下坂 スミ子
(74)【代理人】
【識別番号】100213746
【弁理士】
【氏名又は名称】川成 渉
(74)【代理人】
【識別番号】100221752
【弁理士】
【氏名又は名称】古川 雅与
(72)【発明者】
【氏名】日比野 秀昭
(72)【発明者】
【氏名】水田 旭
(72)【発明者】
【氏名】川口 真平
【審査官】黒田 浩一
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-66427(JP,A)
【文献】国際公開第2006/008866(WO,A1)
【文献】特開2000-019136(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 27/00-27/49
A01K 1/015
A01K 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1対の電極を備えた検出プレートと、
検出プレートに載置された保水層とから構成される水分量センサを、
所要の検知エリアに用意し、
検知エリアに流入した水分量により変化する水分量センサの抵抗値を所定の時間間隔で出力抵抗値として演算装置に入力する計測ステップと、
入力された出力抵抗値について演算対象抽出条件を適用して演算対象となる演算抵抗値を抽出する選択抽出ステップと、
抽出された演算抵抗値から得られた照合測定値と基準テーブルに記憶された値とを照合して検知エリアに流入した水分量を特定する照合特定ステップと
を含むことを特徴とする水分量の測定方法。
【請求項2】
前記水分量センサは、検知エリアを複数に区画した各区画のそれぞれに配置され、
前記計測ステップで計測された水分量センサの出力抵抗値のうちの少なくとも1つの出力抵抗値が閾値を通過したとき、当該閾値を通過した水分量センサを基点センサとして認定し、該基点センサに対して所定の位置関係にある少なくとも1つの水分量センサを対象センサとして選択すると共に、選択された対象センサの出力抵抗値について演算対象抽出条件を適用することにより演算対象となる演算抵抗値を抽出する選択抽出ステップをさらに含み、
前記照合特定ステップは、選択抽出ステップで抽出された演算抵抗値が所定の抵抗値範囲区分のいずれの区分に属するかを各水分量センサについて判定して各抵抗値範囲区分に属する水分量センサの数を計数することにより各抵抗値範囲区分毎の水分量センサの数を示す分布パターンを作成し、当該分布パターンと基準テーブルに記憶された基準分布パターンとを照合することを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の検知エリアに流入した水分量の測定方法。
【請求項3】
一方の面に少なくとも1対の電極を所定の間隔を有して設けられた基板と、基板の電極に密着するように設けられる、含有する湿度に応じて電気抵抗が変化する感湿材とから構成される検出プレートと、検出プレートの少なくとも電極を備えた側に設けられる保水層とから構成され、
前記感湿材はセルロースナノファイバーにより形成され、前記基板は少なくとも感湿材を設ける側の面が不導体によって形成される
ことを特徴とする水分量センサ。
【請求項4】
検知エリアの各区画毎に配置される請求項3に記載の水分量センサと、
各水分量センサの出力抵抗値に基づいて検知エリアへ流入した水分量を決定する演算装置とから構成され、
前記演算装置は、
各水分量センサの抵抗値を計測するための計測部と、
所定の水分量における各水分量センサの抵抗値に基づいて、複数の抵抗値範囲区分における各区分に属する水分量センサの数を示す分布パターンを各水分量毎に記憶した基準テーブルと、
計測部で計測した各水分量センサの抵抗値の変化に基づいて、演算処理の対象とする水分量センサを対象センサとして選択すると共に、対象センサの抵抗値の中から演算処理の対象とする抵抗値を抽出するための選択抽出部と、
選択抽出部で抽出された抵抗値に基づいて生成される、所定の抵抗値範囲区分のそれぞれの区分に属する水分量センサの数を示す分布パターンと、基準テーブルに記憶された分布パターンとを照合することにより流入した水分量を特定するための照合特定部と
を含むことを特徴とする水分量測定装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水分量センサ並びにそれを用いた水分量測定方法及びその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
出願人は印刷技術により安価で簡易に大量生産が可能な湿度センサを特許第6357270号(特開2019-664272号)において提案した。この湿度センサは、薄くフレキシブルな基質上へ電極を印刷技術により形成すると共に、その上に感湿材を配置した構成を有するものであり、薄くフレキシブルである特徴を活かして様々な形態の多様な物品への組み込みが可能となっている。当該湿度センサは、湿度を感知することができるため、例えば湿度90~100%を水分とみなすことで、測定エリアにおける水分の存在を検知することも可能ではある。しかし、測定エリアに流入した水分についてその量を確定することまではできなかった。当該湿度センサで水分の量を測定することができれば、その薄くフレキシブルである特徴を活かして、様々な物品の小型軽量化に貢献すると共に、様々な用途への応用も可能となり、暮らしの利便性向上に資すると期待される。
【0003】
水分を吸収する手段を備えた物品の例としては、ペット用のトイレがある。一般的によく使用されているものは、吸水ポリマーの層を有するペットシートをトイレユニットの上に敷いて使用するタイプのもので、ペットの排尿後に毎回又は定期的に使用済みのペットシートを交換するものである。ペットシートを使用することで、ペットが排尿等をしたときに吸水ポリマーに尿を吸収し保持することでトイレの清潔を保つことできるという利点がある。
【0004】
簡易なものでは、排尿を確認した飼い主が人手によって、使用済みペットシートを交換するものが一般的であるが、ロール状のペットシートをトイレユニット内に設置することで、排尿が検知されると自動的に使用済み部分が巻き上げられるとともに、未使用部分が繰り出されるようにしたものもある(特開2019-122299号公報)。
【0005】
更に、排尿を検知する機能を利用して、排尿回数や排尿量のデータを携帯端末等の通信デバイスへ送信することで、排尿の通知、すなわちシートの交換を促す通知を行うことのみならず、当該データをペットの健康管理に利用することも提案されている。現在、提案されているこれらのペット用トイレにおける排尿の検知方法は、排尿前後のトイレの重さを計測することによって排尿量を求める重量検知タイプが主流である。また、光センサ等によってペットがトイレユニット内に侵入したこと検知し、更に、ペットのトイレユニット内の滞在時間を計測することでトイレ回数としてカウントするものも提案されている。しかし、これら侵入検知タイプであっても、トイレに侵入はしたものの排尿はしなかったという場合もあることを考慮して、前述の重量計測と組み合わせて、侵入前後の重量変化からトイレ回数や排尿量を求めるものが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2019-664272号公報
【文献】特開2019-122299号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、ペット用トイレに重量測定の機構を組み込んだ場合、トイレユニットそのもののコンパクト軽量化が難しくなるという問題があった。また、トイレという性格上、使用するペットの体長に合わせた排尿スペースを確保する必要があり、大型犬のようにある程度体長のあるペットを対象とする場合には、必然的にトイレユニットが大型化することとなる。このため、トイレが大型になればなるほど、トレイユニットの本体以外の部分、例えば計測部等をできるだけ薄く軽量化することが望ましいが、排尿スペース全体に広げたペットシート全体の重量を計測する必要性から、排尿スペースが大きくなると必然的に重量測定機構も大型重量化せざるを得なかった。
【0008】
また、重量計測ではなく電気抵抗値を測定することで排尿を検知するタイプのセンサもあったが、従来の水分量測定用のセンサは、セラミック基板を使用するものであり、センサ自体が固くある程度の厚みを持ったものである。そして、当該センサは大面積化が困難であるという問題があった。このため、前述した薄く軽量でかつフレキシブルである特許第6357270号に開示された湿度センサによって水分量を計測することができれば、これらの課題を解決できるのみならず、印刷技術を用いることで大面積化したセンサを安価に生産できるメリットを活かすことが可能となり、ペット用トイレへの適用に限らず他の多種多様な物品への応用が期待できることとなる。
【0009】
例えば、近年問題となることが多い、夏季における熱中症や、冬季におけるヒートショックへ対策への応用が考えられる。熱中症の対策として、発汗したら適切に水分補給をすることが推奨されているが、自分の意思を的確に伝えることが難しい乳児や幼児、また加齢により発汗を感じ難くなると言われている高齢者では、発汗に応じた適切な水分補給が難しいという実情がある。また、冬季における高温エリアと低温エリアの温度差によって引き起こされるヒートショックを防ぐために、例えばヒートショックを起こし易い入浴前に適切な水分摂取をおこなうことが推奨されている。しかし、冬季は、高齢者に限らず若年層であっても、発汗したという実感を得難いため、水分摂取がおろそかになり易いことから、隠れた脱水症状が進行し易い季節でもあると言われる。このため、夏季のみならず冬季においても発汗量を適切に知ることが大切であると言える。
【0010】
しかし、発汗量を知るために大げさな装置を身体に装着することは現実的ではない。そこで、薄くフレキシブルなセンサによって水分量の測定が可能になれば、湿布や使い捨てカイロ、冷却シートのように手軽に身体に貼り付けて使用することが可能となる。更にこのような形で発汗量を知ることができれば、近年普及が進む一人暮らし老人の見守りシステムにも応用することもできる。従来の見守りシステムとして、ポットやベットの使用の有無を監視する方法のものもあったが、これらは、それらの物品を使用しない事情がある場合には対応できない。また、映像によって監視する方法も考えられるが、これはプライバシーの問題を生じるため導入が難しいという実情がある。そこで、人間の生理現象である発汗をモニタすることができれば、これらの問題を生じない見守りシステムの構築が可能となる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者は、鋭意検討した結果、少なくとも保水層と電極とを備えたセンサを用いて測定した抵抗値のデータを所定の方法で演算することで、単に水分の有無のみならず、存在する水分の量をも測定できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
前記課題を解決するために、本発明の水分量センサは、少なくとも1対の電極を備えた検出プレートと、検出プレートに載置された保水層とから構成されることを特徴としている。この構成により、センサの保水層に保持された水分の量を、電極の抵抗値の変化から検出し、検知エリアに流入した水分量を算出するものである。
【0013】
更に、本発明の水分量測定方法は、検知エリアに用意された、前記水分量センサから所定時間間隔で出力される抵抗値(出力抵抗値)を演算装置に入力し、
入力された出力抵抗値について演算対象抽出条件を適用して演算対象となる演算抵抗値を抽出し、
抽出された演算抵抗値から得られた照合測定値と、基準テーブルに記憶された値とを照合して水分量を特定することにより、検知エリアに流入した水分の量を測定することを特徴としている。
【0014】
更に、上記の水分量測定方法において、
前記水分量センサは、検知エリアを複数に区画した各区画のそれぞれに配置され、
計測された水分量センサの出力抵抗値のうちの少なくとも1つの出力抵抗値が閾値を通過したとき、当該閾値を通過した水分量センサを基点センサとして認定し、
該基点センサに対して所定の位置関係にある少なくとも1つの水分量センサを対象センサとして選択すると共に、
選択された対象センサの出力抵抗値について演算対象抽出条件を適用することにより演算対象となる演算抵抗値を抽出することを特徴としている。
【0015】
更に、上記の水分量測定方法において、
前記の抽出された演算抵抗値が所定の抵抗値範囲区分のいずれの区分に属するかを各水分量センサについて判定して、各抵抗値範囲区分に属する水分量センサの数を計数することにより各抵抗値範囲区分毎の水分量センサの数を示す分布パターンを作成し、
当該分布パターンと基準テーブルに記憶された基準分布パターンとを照合して水分量を特定することにより、検知エリアに流入した水分の量を測定することを特徴としている。
【0016】
そして、前記水分量センサは、一方の面に少なくとも1対の電極を所定の間隔を有して設けられた基板と、基板の電極に密着するように設けられる、含有する湿度に応じて電気抵抗が変化する感湿材とから構成される検出プレートと、検出プレートの少なくとも電極を備えた側に設けられる保水層とから構成され、
前記感湿材はセルロースナノファイバーにより形成され、前記基板は少なくとも感湿材を設ける側の面が不導体によって形成されることを特徴としている。
【0017】
そして更に、本発明の水分量測定装置は、
検知エリアの各区画毎に配置される前記水分量センサと、
各水分量センサの出力抵抗値に基づいて検知エリアへ流入した水分量を決定する演算装置とから構成され、
当該演算装置は、
各水分量センサの抵抗値を計測するための計測部と、
所定の水分量における各水分量センサの抵抗値に基づいて、複数の抵抗値範囲区分における各区分に属する水分量センサの数を示す分布パターンを各水分量毎に記憶した基準テーブルと、
計測部で計測した各水分量センサの抵抗値の変化に基づいて、演算処理の対象とする水分量センサを対象センサとして選択すると共に、対象センサの抵抗値の中から演算処理の対象とする抵抗値を抽出するための選択抽出部と、
選択抽出部で抽出された抵抗値に基づいて生成される、所定の抵抗値範囲区分のそれぞれの区分に属する水分量センサの数を示す分布パターンと、基準テーブルに記憶された分布パターンとを照合することにより流入した水分量を特定するための照合特定部と
を含むことを特徴としている。
【発明の効果】
【0018】
本発明の水分量センサは、印刷技術を介して薄くフレキシブルな基質上に構成可能である検出プレートに、保水層を組合わせたものであるため、重量や容量増加をほとんど伴うことなく広く種々の物品に適用可能である。また、安価に大量生産が可能であるため、例えばペット用トイレでは、従来から使用されているペットシートと同じように使い捨てすることで清潔を保つ使用方法にも対応することができる。また、大面積化したものも安価に生産可能であるため、例えば大型ペット用のトイレにも容易に対応可能であると共に、大型化による過大なコストアップを生じることがない。
【0019】
また、本発明の水分量測定方法は、上述の本発明の水分量センサより出力される抵抗値データを、予め記憶された基準テーブルの値と照合することで検知エリアに流入した水分量を特定するものであるため、基準テーブルを変えることで演算対象とするセンサの数を必要に応じて選択することが可能となり、概算測定を目的とする簡易測定から精度の高い測定まで目的に応じた測定装置の設計が可能となる。
【0020】
更に、本発明の水分量測定方法は、所定の抵抗値区分に属するセンサ数の分布パターンを利用して、基準テーブルとの照合をおこなうことにより、より精度の高い、水分量測定が可能となるものである。
【0021】
これらの特徴から、本発明の水分量センサ並びにそれを用いた水分量測定方法及びその装置によれば、多種多様な物品に当該センサ若しくは測定装置を組み込んで水分量を求めることも可能である。例えば、上述のペット用トイレの他に、乳児用のオムツや寝具シーツへの応用のみならず、湿布や使い捨てカイロ型のように身体に貼るタイプの発汗量モニタ、帽子やマフラーのような身につける衣料品内に組み込んだ発汗量モニタ、入り組んだ配管にも適用可能なフレキシブルなシート状の漏水検出センサ、窓等の結露量検出センサ等、広範囲の目的で様々な物品に組み込んで水分量を測定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の水分量センサの一実施形態における層構成を示す部分破砕斜視図である。
図2】本発明の水分量センサを構成する検出プレートの一実施形態を示す図であって、(a)はシート状の基板の上面に設けられた感湿材及びその上に設けられた一対の電極を示す平面図、(b)は感湿材を示す平面図、(c)は一対の電極を示す平面図である。
図3】本発明の水分量センサを構成する保水層の一実施形態における層構成を示す分解斜視図である。
図4】本発明の水分量センサの一実施形態における層構成を示す分解斜視図である。
図5】本発明の水分量測定装置を示すブロック図である。
図6】本発明の水分量センサを構成する検出プレートを、本発明の水分量測定装置の計測部に接続した状態の一例を示す図である。
図7図6に示した検出プレートに保水層を載置して本発明の水分量センサの一例とした外観を示す図である。
図8】(a)は、検知エリアの区画の一実施例を示す平面図であり、(b)は、(a)の例における検出プレートの配置例を示す平面図である。
図9a】本発明の水分量センサを構成する検出プレートの実施例を示す平面図である。
図9b図9aに示す検出プレートと同面積の範囲について、2つの検出プレートで構成した一例を示す平面図である。
図9c図9aに示す検出プレートと同面積の範囲について、3つの検出プレートで構成した一例を示す平面図である。
図9d図9aに示す検出プレートと同面積の範囲について、4つの検出プレートで構成した一例を示す平面図である。
図10】検知エリアの区画の別の実施例を示す平面図である。
図11】(a)~(l)はそれぞれ、図10に示す検知エリアにおける基点センサに対する位置パターンの例を示す平面図である。
図12】本発明の水分量センサを帽子に使用する場合の、検出プレートの一実施例を示す図であり、(a)は帽子を展開した状態を示す図、(b)は検出プレートの部分拡大図である。
図13】本発明の水分量測定方法において、対象センサが1つである場合の基準テーブルを生成するための近似式を求めたグラフである。
図14】(a)は本発明の水分量センサをオムツに使用する場合の、検出プレートの一実施例を示す図であり、(b)は(a)に示す検出プレートにおいて測定電極を切り換えた場合の測定エリアを示す図である。
図15】検知エリアが長方形である場合の、検出プレートの一実施形態を示す平面図である。
図16】検知エリアが正方形である場合の、検出プレートの一実施形態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
本発明の水分量センサ並びにそれを用いた水分量測定方法及びその装置は、以下の構成を有する。以下に記載する構成は、基本的構成のみであり、必要に応じて他の構成を適宜追加できることは言うまでもない。
【0024】
本発明の水分量センサ1は、少なくとも電極21と保水層3を備えたものである。図1は、本発明の水分量センサの一例を示したものである。このうち、電極21は、水分の存在により抵抗値が変化するものであれば公知の電極を使用することができる。本発明の測定方法に特に好ましく用いることができる水分量センサ1としては、基板23上に感湿材22と一対の電極21(211、212)を設けた検出プレート2と、当該検出プレート2の電極21を設けた側の面2aに、更に保水層3を設けたものを好適に使用することができる。ここで、検出プレートとしては、図2に示した、特許第6357270号において出願人が提案した感湿素子を好ましく用いることができる。本発明の検出プレートとして好ましく使用することができる構成の詳細については後述する。
【0025】
本発明の水分量センサに用いられる保水層3としては、水分を吸収し保持する性質を持つものであれば広く様々な材質のものを使用することが可能である。例えば、紙や布等の繊維、スポンジ、PVAスポンジ、珪藻土、保水セラミック、マイクロファイバー(ポリエステル)ヤシ殻チップを原料とするもの等、水分を吸収しその中に水分を保持する能力がある物であれば使用可能であるが、特に好ましく使用できるのは、いわゆる吸水ポリマーと呼ばれる高分子物質である。吸水ポリマーや高分子吸水ポリマーと呼ばれるものは、アクリル酸の重合体であるポリアクリル酸ナトリウムや、アクリルアミドの重合体が主流である。本発明では、これらの高分子を特に好ましく使用できるが、自身で合成したものに限らず、紙おむつやペットシートとして市販されている物品に使用されているものを手軽に利用することもできる。
【0026】
例えば、前記の検出プレートの電極を設けた側の面に、保水層3として市販のペットシート等を載置又は貼付けることで本発明の水分量センサとして利用することも可能である。市販のペットシートの構成の一例を図3に示した。図3は模式図であるため、各層の正確な厚さは表現されていないことに留意されたい。このタイプは、真ん中にある保水の役割を持つ高分子ポリマー(吸水ポリマー)31を、吸水紙33で挟み、吸水面(図の上面)は不織布32で構成され、吸水面の反対面(図の下側)には防水シート34が置かれているものである。このように、防水シート34が貼ってあるペットシートを使用する場合には、この防水シート34を剥がして、電極面が保水層側(吸水ポリマー31が存在する側)に来るように検出プレート2を貼り付けることで、簡易に本発明の水分量センサ1とすることができる。
【0027】
この際に、剥がした防水シート34を、センサの検出プレート2の裏側面(保水層と反対側)に再び貼付けるようにすると、大量の水分が保水層3通過して滲み出す事態となっても、この防水シート面で留まることとなり、衛生的に使用できる点で好ましい。図4は、そのようにして作成した水分量センサ1の層構成の一例を示したものである。ここで、図4は模式図であるため、各層の正確な厚さは表現されていない点に留意されたい。また、検出プレートの基板をプラスチックシート等の防水性のある材質として、この上に感湿材と電極を印刷することで、検出プレート自体に防水性を持たせることも可能である。この方法は、防水シートの再貼付の手間を省略できる利点がある。また、剥がした防水シートそのものに感湿材と電極を印刷することで、この防水シートそのものを検出プレート2とすることも可能である。もちろん、保水層3として市販のペットシート等を転用することなく、例えば、ポリアクリル酸ナトリウムを用いて保水層3を作成し、それに直接、電極を有する検出プレート2を貼付け又は載置することで本発明の水分量センサ1を作成することも可能である。貼付けは、公知の技術を用いることができ、位置ずれを起こさないよう外枠部分のみを接着、圧着、クリップ留め等によって貼付けることが望ましい。
【0028】
なお、ペットシート等の市販品では、図3のように保水層の中核となる吸水ポリマー31以外に不織布32や吸収紙33が含まれているものが多いが、本発明の水分量センサ1に利用するに当たって、特にこれらを除去する必要はなく、市販されている形態のままで本発明に使用することも可能である。保水層の選択にあたっては、測定目的に合わせて、予想される流入量を十分に吸収保持できる保水層を選択することが望ましい。これは、保水層の容量、すなわち、例えばペットシートであればその厚みや面積について適切な物を選択することで目的を達することができる。
【0029】
本発明の水分量測定装置は、検知エリア5に配置された、少なくとも1つの本発明の水分量センサ1と、当該各センサの抵抗値を測定することにより、検知エリア5へ流入した水分量を決定する演算装置4とから構成される。ここで検知エリア5とは、測定対象とする、水分の流入が予定された面範囲であり、水平な平坦面に限らず曲面であってもよい。例えば、ペット用トイレの例では、トイレユニットにおける排尿スペースが検知エリアとなる。そして、この検知エリア5の全域をカバーするように本発明の水分量センサ1を複数個並べて設置することが望ましい。図5に、本発明の水分量測定装置の一実施形態を示した。この図では検知エリア5を4つの区画Pに区分けし、それぞれに水分量センサ1(1a、1b、1c、1d)を配置した。この図において、各区画Pに対して水分量センサ1はやや小さく表現されているが、水分量センサの大きさは1つの区画に対して略同じ大きさであればよい。
【0030】
そして、演算装置4は、図5に示すように、演算部41と計測部42を少なくとも備える。このうちの演算部41は、少なくとも選択抽出部43と照合特定部44を備え、演算装置の内部又は外部に置かれる記憶部45と接続される。記憶部45には、基準テーブル45aや演算対象条件45b等が記憶されている。演算装置4の各部の具体的な働きは、以下に述べる水分量の測定方法において明らかにされる。
【0031】
図6及び図7は、本発明の水分量センサの一実施態様を示したものである。図6は、検出プレート2の状態が分かるように、保水層3を載置する前の状態で、検知プレート2と演算装置4の計測部42の接続例を示している。図7は、検知プレート2に保水層3としてペットシートを載置した状態を示したものである。この状態では、外部から確認できるのは、保水層3(ペットシート)の最上面である不織布32のみとなる。
【0032】
本発明の測定方法は、少なくとも1対の電極21を備えた検出プレート2と、
検出プレート2に載置された保水層3とから構成される水分量センサ1を、所要の検知エリア5を複数に区画した各区画のそれぞれに配置し、
検知エリア5に流入した水分量により変化する水分量センサ1の抵抗値を所定の時間間隔で出力抵抗値として演算装置4に入力する計測ステップと、
前記計測ステップで計測された水分量センサ1の出力抵抗値のうちの少なくとも1つの出力抵抗値が閾値を通過したとき、当該閾値を通過した水分量センサ1を基点センサとして認定し、該基点センサに対して所定の位置関係にある少なくとも1つの水分量センサ1を対象センサとして選択すると共に、選択された対象センサの出力抵抗値について演算対象抽出条件を適用することにより演算対象となる演算抵抗値を抽出する選択抽出ステップと、
抽出された演算抵抗値から得られた照合測定値と基準テーブル45aに記憶された値とを照合して検知エリア5に流入した水分量を特定する照合特定ステップとを含むことを特徴としている。
【0033】
そして、好ましくは、前記照合特定ステップは、選択抽出ステップで抽出された演算抵抗値が所定の抵抗値範囲区分のいずれの区分に属するかを各水分量センサ1について判定して各抵抗値範囲区分に属する水分量センサ1の数を計数することにより各抵抗値範囲区分毎の水分量センサ1の数を示す分布パターンを作成し、当該分布パターンと基準テーブル45aに記憶された基準分布パターンとを照合して検知エリア5に流入した水分量を特定するものである。
【0034】
本発明の測定方法について、最初に、各ステップ毎にその概要を説明する。
<水分量測定ステップ>
SPーM1)
検知エリア5内に配置された1又は複数の水分量センサ1(1a、1b、1c、1d・・・)のそれぞれの抵抗値が、所定時間間隔毎に演算装置4の計測部42へ出力される。この出力された抵抗値を以下、出力抵抗値と称する。
SPーM2)
検知エリア5に配置された全水分量センサのうち、少なくとも1つセンサについて、その出力抵抗値が閾値を通過したとき、演算装置4の選択抽出部43は、閾値を通過した出力抵抗値が測定された時点をT=0と入力する。
SPーM3)
同時に、選択抽出部43は、閾値を通過した当該センサの位置を基準として、全水分量センサのうちから選ばれる1のセンサを基点センサと認定する。
SPーM4)
次に、選択抽出部43は、記憶部45に記憶された位置パターンに基づいて、基点センサの位置から、1又は複数の対象センサを選択する。
SPーM5)
続いて選択抽出部43は、対象センサとして選択された水分量センサそれぞれの出力抵抗値について、記憶部45に記憶された演算対象抽出条件45bに基づいて、演算対象とする範囲に該当する出力抵抗値を抽出する。抽出された出力抵抗値の値を、説明の便宜のために以下、演算抵抗値と称する。
SPーM6)
選択抽出部43により、演算抵抗値について演算処理が行われ、照合測定値が決定される。照合測定値の例としては、各演算抵抗値が、所定の範囲で区分された抵抗値区分のどの区分に属する値であるかを求め、各区分に属するセンサの数をカウントすることで作成される分布パターンを用いることができる。
SPーM7)
照合特定部44は、照合測定値と、基準テーブル45aに記憶された値とを照合し、一致した値に該当する水分量として基準テーブル45aに記憶された水分量を、検知エリアに流入した水分量として特定する。
【0035】
以上が本発明の水分量の測定方法の概要であるが、ここで、上記SPーM7)で照合される基準テーブル45aは、実際の測定を行う前に予め作成しておく必要がある。基準テーブル45aを作成するためにおこなう計測を、以下の説明において準備計測と称する。準備計測は、実際の測定(上記SP―M1からSP-M7:以下、実測と称する場合がある)に用いる水分量センサと同じ構成を有する水分量センサを用いて行われる。以下、説明の便のために、この準備計測で用いる水分量センサを特に準備センサと称する。
準備計測の概要を以下に説明する。
【0036】
<準備計測>
SP-P1)
準備センサを、保水層を設けた側を上面として平置し、準備センサの略中心に既知量の水を滴下する。この時、水を滴下した時点をT=0とする。尚、準備センサは、上記SP-M3において選ばれる対象センサと同数のセンサを用いる。
SP-P2)
所定の時間間隔毎に準備センサの抵抗値を記録する。SP-P1からSP-P2を、複数の既知量の水に対して繰り返す。
SP-P3)
測定結果から、水分滴下時(T=0)から抵抗値が安定するまでの時間tを求める。tは、どの水分量においても抵抗値が安定する時間を選択することが望ましい。
SP-P4)
次に、T=tにおける各センサの出力抵抗値から、照合測定値を決定する。
SP-P5)
求めた照合測定値を記憶した基準テーブル45aを作成する。
以上が、準備計測の各ステップの概要である。
【0037】
次に、本発明の水分量測定方法について、具体的な測定値の一例を示しながら、ここまで概要を説明した準備計測及び実測の各ステップについて詳細に説明する。
まず準備段階として、基準テーブル45aを作成するための準備計測を行う。準備計測を行うにあたっては、実際の測定(実測)に用いる水分量センサと同じ構成を有する水分量センサ1を用意する。
【0038】
本発明に用いる水分量センサ1は、電極21の具体的な構成の違い、保水層3の素材やその厚み(容量)によって決定される吸水保持できる保水能力の違いによって、同一の水分量に対しても、異なる抵抗値を示すこととなる。準備計測の第一の目的は、実測の演算時に参照される基準データを記憶した基準テーブル45aを作成することであるが、実測に使用するセンサと同構成のセンサを使用して基準テーブル45aを作成することで、センサの機差を補正し、より精度の高い測定をすることができるメリットがある。よって、準備センサは、実測に用いるセンサと可能な限り同構成のセンサとすることが理想である。ただし、概算測定のように、ある程度の測定誤差が許容される場合には、類似構成の準備センサを用いて作成した基準テーブルによって演算をおこなうことも可能である。ここで同じ構成とは、実測に用いるのと同一の電極21に、同一の保水層3を組合せたものであることを意味する。本発明の測定方法に最も適したセンサである、特許第6357270号において開示された櫛形電極センサを用いる場合には、実測に用いるセンサと電極21及び感湿材22が同一である検出プレート2に、同一の保水層3を組合せたものを準備センサとして使用することが最も望ましい。
【0039】
尚、一般的に市販されている吸水ポリマーの多くは、その特性上、水分は滴下された位置から狭い範囲に留まってほとんど広がらない。このような吸水ポリマーを保水層3として用いる場合には、電極21及び保水層3の大きさの違いは測定値にはほとんど影響を生じない。このため、準備測定に用いるセンサの大きさについては実測のセンサと必ずしも同一である必要はない。
【0040】
ここまで述べてきたように、本発明の測定方法は、保水層3を有する水分量センサ1を用いて、所定の面範囲(検知エリア5)に流入した水分量を測定するものである。ここで、流入とは、文字通りエリア内に液体が流れ込むことのみに限られず、浸み出しによる侵入、高湿度に伴うエリア内での結露等を含むものであり、広くエリア内に水分が入ってくることを意味する。
【0041】
本発明の測定方法では、検知エリア5にn個の水分量センサ1を並べて設置し、各水分量センサから出力される抵抗値を演算処理することによって、検知エリア5に流入した水分の量を求めるものである。水分量センサ1は、検知エリア5の全面に対応する大きさの1のセンサ(n=1)を設けるようにしてもよいが、より精度の高い測定をおこなうためには、検知エリアをm個に区画し、各区画に1の水分量センサを配置することで、検知エリア5全体としてm個の水分量センサ1を設けることが望ましい。検知エリア5の区画の一例を図8(a)に示す。このように各区画は必ずしも形状や面積が同一である必要はない。検知エリア内で水分の流入確率が高いと予想される場所については、区画を細かくすることで測定の分解能を上げることが可能となる。
【0042】
尚、区画分けは、例えば、図9に示したように電極の形状を変えることで行うこともできる。図9の検出プレート例では、(a)に示した検出プレートと同面積に対して、(b)は2つの検出プレート、(c)は3つの検出プレート、(d)は4つの検出プレートで構成したものである。本発明の測定方法では、1つのセンサを配置した部分が1区画となるので、図9(a)~(d)に示した検出プレートの各例では、(a)と同面積の区画をそれぞれ1~4区画に区分したのと同じこととなる。これらを、例えば図8の(b)のように検知エリアに並べることで、容易に思い通りの区画分けが可能である。特許第6357270号で開示された櫛形電極を用いる場合、電極は印刷を介して作成されるためどのような形状の電極でも容易に作成できるため、このような方法にも容易に対応可能である。
【0043】
本発明の測定方法では、概要で説明したように、水分が流入した位置にあるセンサ又は流入位置と所定の位置関係にあるセンサを基点センサと認定し、その基点センサの位置を基準として、演算処理の対象とする対象センサが選択される。対象センサは1のセンサのみであってもよいが、基点センサの近隣に位置する複数のセンサを対象センサとして選択することで測定の精度を高めることができる。
【0044】
複数のセンサを対象センサとして実測が行われる場合、準備計測は実測の対象センサと同数のセンサを使用して行われる。ここでは、4つのセンサを対象センサとする場合を例として説明を行う。説明のため、4つのセンサそれぞれを便宜上、左から順にセンサA、B、C、Dとする。具体的には、図9(d)に示した、横に4つの同じ大きさの電極を並べた検知プレート上に、保水層として「株式会社ウェルファン製 No.390 ポリマーシート」を載せたものを準備センサとした。保水層は特に分割等はおこなわず4つの電極(4つのセンサ)全体を覆う大きさのものを上に載置することで水分量センサ1とした。
【0045】
<準備計測>
次に、準備計測の具体的な手順について説明する。
SP-P1)
準備センサを、保水層を設けた側を上面として平置し、準備センサの略中心に既知量の水を滴下して、その時点をT=0とする。準備センサの数が複数である場合、すなわち対象センサとして複数のセンサを選択して測定を行う場合には、複数個のセンサを並べた全体を1つのエリアとみなして、当該エリアの略中心に既知量の水を滴下することが望ましい。本例では、エリア全体の略中心となる、センサBとCとの間の真ん中付近に水を滴下した。
【0046】
SP-P2)
T=0から、所定時間、所定の時間間隔毎に各準備センサの抵抗値を測定する。ここで所定時間とは、滴下した水が保水層に吸収されて保水層を通過した湿度がセンサに検知されるのに十分な時間とすることが望ましい。具体的には、準備センサの抵抗値を記録し、抵抗値が一定のオーダーで安定した時間を所定時間と設定することができる。
SP-P1からSP-P2を、複数の既知量の水に対して繰り返す。
【0047】
得られる測定値の一例として、以下のセンサを用いて測定した結果を表1に示した。本例では、2ml、3ml、5ml、8mlの水を滴下した場合の各センサにおける各時間の抵抗値を示す。
[使用センサ]
センサの厚さ:約100μm(フィルムの厚み:100μm + 電極・感湿材2μm)
センサの寸法:75mm × 80mm
セルロースナノファイバー
一対の電極:
第1及び2線状電極の線長 = 14mm(図9(d)電極の場合)、
74mm(図9(a)電極の場合)
第1及び2線状電極の線幅 = 285μm
第1及び2電極の線間 = 450μm
【0048】
【表1】
【0049】
SP-P3)
この測定結果から、どの水分量においても抵抗値が安定した滴下からの時間tを選択する。例えば、表1においては、t=2m20sを選択できる。水を滴下してから時間が経過するほど抵抗値は安定する傾向にあるが、ここで選択された時間tが実測時の測定時間となることを踏まえて、全センサの抵抗値がある程度安定したなるべく早い時間をtとして選択することが望ましい。
【0050】
SP-P4)
このステップは、T=tにおける各センサの出力抵抗値から、照合測定値を決定するステップである。照合測定値としては、例えば、測定された各センサの抵抗値が、抵抗値範囲のどの範囲に属するかを区分として判定し、各区分に属するセンサの数をカウントすることで得られる分布パターンを用いることができる。具体的には、まず、T=tにおける各電極の抵抗値を読み取り、当該抵抗値が、予め定めておいた抵抗値区分のどの区分に属するものであるかを判定する。本例では、t=2m20sのときの各センサの抵抗値を読み取り、表2に示した抵抗値区分のどの区分に属するかを判定した。表1の測定値に対してこの区分を適用した各センサの区分判定は、センサABCDの順に判定された区分を表示すると、2mlでは「4224」、3mlでは「3224」、5mlでは[2122」、8mlでは「1111」となる
【0051】
【表2】
【0052】
この結果から各区分に属するセンサの数をカウントすることで分布パターンを作成できる。水分量2mlのときの前記判定区分「4224」は、4つのセンサのうち区分2のセンサが2個、区分4のセンサが2個、区分1及び3のセンサは0個であることを表している。よって、求められる分布パターンは、区分1~4までのセンサ数を順に並べて、0202となる。同様にして導かれる各水分量における分布パターンは表1に示したように、3mlのときの区分「3224」から「0211」が、同様に5mlのときの区分「2122」から「1300」が、8mlのときの区分「1111」から「4000」がそれぞれの分布パターンと決定される。本例ではこの分布パターンを照合測定値とする。尚、分布パターンは、対象センサの数から導かれる全てのパターンについて、対応する水分量を求めておくことが理想である。しかし、後述するように、実測における演算で基準テーブルにない分布パターンに対応する水分量を演算によって補間することも可能である。
【0053】
SP-P5)
求めた照合測定値を記憶した基準テーブルを作成する。
基準テーブルは、水分量毎に照合測定値を示したものである。本例で作成された基準テーブルを表3に示す。作成された基準テーブルは、演算装置の記憶部に記憶される。
以上が、準備計測の手順となる。
【0054】
【表3】
【0055】
<実測における水分量の決定手順>
次に、本発明の測定方法における実測でのステップについて説明する。
準備計測の説明と同様に、4個のセンサを対象センサとする場合を例として説明を行う。実測は、検知エリアをAn個に区画し、各区画毎に1の水分量センサを配置して測定される。検知エリアの区画の一例を図10に示した。各区画に1個配置される水分量センサは、上記の<準備計測>において用いたセンサと同型の電極に同構成の保水層を組合わせたものを使用することが最も望ましい。この例では、全体で48区画とし、外周は大12区画、センター部分は小32区画となっている。センサは各区画の大きさと略同じ大きさの水分量センサ1をそれぞれ配置した。使用センサは、外周の大区画には図9(a)と同様の電極のものを使用し、センター部分の小区画は、大区画の大きさを縦横2ずつで4等分した電極を用いたセンサを配置することで4区画とした。
【0056】
本発明の測定方法に用いる水分量センサについて、その大きさに関する制限は特にない。本発明の水分量センサとして最も好適に使用できる特許第6357270号に記載の櫛形電極を備えたセンサは印刷技術を介して作成できるため、大面積の大型検出プレートを容易に安価に作成することができる。最大で、使用する印刷機の印刷可能幅のものを作成できるため、大型の印刷機を使用することで容易に検出プレートの大型化が可能である。これに吸水ポリマーを含む市販の保水層(ペットシート等)を貼り付けて本発明の水分量センサとできるが、このとき、保水層については、必ずしも検出プレートと同等の大きさものを用意する必要はなく、いくつかの保水層を検出プレート上に敷き詰めるように並べて貼り付けるようにしてもよい。この方法では、より容易に大面積の水分量センサを作ることができる。
【0057】
SPーM1)
検知エリア5に設置されたn個のセンサそれぞれから、所定の時間間隔、例えば20秒毎に抵抗値が演算装置の計測部42へ出力される(出力抵抗値)。ここでいう所定の時間間隔は、水分量を測定する目的に応じて適宜決定される。例えば、配管の水漏れ検知のように、水分が検知エリアに流入したらすぐにその量に応じてアラームを出したいような場合には、数十秒毎としてもよいし、窓の結露量の測定のようにある程度の時間に渡って侵入してくる水分量の合計を測定するような場合には数時間毎としてもよい。そして、例えばペットのトイレ用の場合には、ペットが排尿したら速やかにペットシートを交換してトイレの清潔を保つことが望ましいことから、このような目的であれば比較的短い間隔、例えば60~180秒毎に抵抗値が出力されるように設定することが適当であろう。この場合には、タイマーやプログラムにより、ペットの活動が活発である昼間は短い時間間隔とし、ペットの不活性となる夜間は数十分毎のように、適宜間隔を変化させることも当然に可能である。
【0058】
SPーM2)
検知エリア内のセンサの1以上で出力抵抗値に変化が認められた時点がT=0と入力される。この変化の検知は、出力抵抗値が予め定めた閾値を通過したときとしてもよいし、コンパイラーを用いて前出力抵抗値と比較を行なって、出力抵抗値にオーダー単位の変化が認められたときとしてもよい。
【0059】
SPーM3)
T=0の入力と同時に、演算装置の選択抽出部43により基点センサの認定が行われる。例えば、最初に閾値を通過したセンサが1のみである場合には、当該センサを基点センサとすればよい。複数のセンサが同時に閾値を通過した場合には、出力抵抗値の変化量が一番大きかったセンサを基点センサとすることもできる。また、検知エリア5における各区画に予め優先度を設定しておいて、優先度のより高いセンサを基点センサとすることもできる。この方法は、例えばペット用トイレのように、ペットが放尿する確率が高いであろうと予想されるトイレ中央付近に配置したセンサの優先度を高く、トイレの外縁付近に配置されるセンサの優先度を低く設定する等、使用目的に応じて適宜設定することが可能である。
【0060】
SPーM4)
選択抽出部43は、認定された基点センサの位置から、記憶部45に記憶された位置パターンに基づいて、基点センサの近隣に位置するセンサを対象センサとして選択する。ここで、本発明における位置パターンとは、基点センサに対して、近隣のどのセンサを対象センサとして選択するかの情報を記憶したものである。位置パターンの一例を図11に示す。○で示した位置が基点センサの位置であり、網がけで表示した部分が対象センサとして選択される区画位置となる。(a)は対象センサ数が2、(b)は対象センサ数が3、(c)~(f)は対象センサ数が4、(g)~(k)は対象センサ数が5、(l)は対象センサ数が7の場合の一例である。これらのように位置パターンは、測定目的や要求される精度に応じて自由なパターンを設定することができる。これらのパターンはあくまでも一例に過ぎず、実測と同じ位置パターンに準備センサを配置して準備計測を行うことで基準テーブルを作成するようにすれば、どのようなパターンについても対応可能である。尚、図11において示した位置パターンであれば、横一列に並べた準備センサを使用して行われた準備計測によって作成された基準テーブルであっても、概ね実用的な誤差内で水分量を測定することが可能である。
【0061】
図11に示したように、対象センサの選択は、基点センサを中心としてその近隣にある複数のセンサを、基点センサも含めて対象センサとすることが望ましい。対象センサとして選択されるセンサ数が多いほど分解能が高くなり測定の精度は高くなる、しかし、対象センサ数が多くなるほど演算量が増えることとなるため、水分の概算量を知ることができれば十分である測定目的の場合には、1の基点センサのみを対象センサとすることも可能である。
【0062】
また、検知エリアへ短時間に多くの水分が流入することが想定される場合、流入地点である基点センサ及びその近隣に位置するセンサの抵抗値は振り切った状態となることが予想される。このような場合は、出力抵抗値の値は水分量に対応する差が出にくい状態となることが予想されるため、基点センサを演算対象から除外すべく、基点センサからやや離れた場所に位置するセンサのみを対象センサとして選択することが有効である。この方法では、水分量に応じた水分の広がりをファクターとして取り入れ、水分が広がる外縁に位置するセンサの値について演算することとなる。本発明の測定方法では、位置パターンの設定を変更することにより、どこに位置するセンサを演算対象とするかについてどのようにも設定できるため、このような対応も容易である。
【0063】
対象センサとするセンサの数は、水分が液体として検知エリアに流入することとなる、ペット用トイレや配管の水漏検知のような測定目的では1から8程度が好ましく、更に好ましくは3から5程度である。この程度のセンサ数を演算対象とすることで、実用的な測定精度を保ちつつ、演算量を抑えることができる。また、例えば帽子内における発汗量の測定や窓の結露量の測定のように、水分が湿度に近い状態で検知エリアに侵入することが想定される場合には、検知エリア内の全て若しくはほぼ全てのセンサを対象センサとすることが好ましい。例えば、図12に示した発汗量測定用の帽子では、帽子内部のほぼ全エリアをカバーすべく、対象センサの数は8~14程度とすることが好ましい。
【0064】
SPーM5)
続いて選択抽出部は、対象センサとして選択された水分量センサそれぞれの出力抵抗値について、記憶部に記憶された演算対象抽出条件45bに基づいて、演算対象とする範囲に該当する出力抵抗値(演算抵抗値)を抽出する。ここで、演算対象抽出条件45bとは、対象センサが所定時間間隔ごとに出力した出力抵抗値の中から、どの範囲を演算対象とするかを決定するための条件のことをいう。演算対象抽出条件45bは、予め、測定目的に合わせて設定され、記憶部45に記憶されている。
【0065】
演算対象抽出条件45bの具体的な例を挙げると、例えば、前述のSPーM2)においてT=0と入力された時点を起点として、そのt1秒後(T=t1)からt2秒後(T=t2)の間にセンサから出力された出力抵抗値を演算対象として選択することとできる。この場合、その間に出力された抵抗値の平均をとって、演算抵抗値とすることができる。ここでいうt1、t2は、準備計測における抵抗値の変化から、どのセンサについても抵抗値が安定した範囲から適宜選択することができる。他の実施形態としては、単純に、T=0を起点として、そのt1秒後以降に最初に出力される出力抵抗値を演算抵抗値とするようにしてもよい。
【0066】
SPーM6)
選択抽出部43により、演算抵抗値について演算処理が行われ、照合測定値が決定される。このステップは、準備計測におけるSP-P4)と同じ演算処理を行うことが望ましい。すなわち、照合測定値としては、測定された各センサの抵抗値が、抵抗値範囲のどの範囲に属するかを区分として判定し、各区分に属するセンサの数をカウントすることで得られる分布パターンを用いることが好ましい。このとき使用される抵抗値区分は、準備計測で用いたものと同じ区分を使用することが望ましいことは言うまでもない。一例として、準備センサと同構成のセンサを用いて測定した値の具体例を表4に示した
【0067】
【表4】
【0068】
SPーM7)
照合特定部44は、照合測定値と、基準テーブル45aに記憶された値とを照合し、一致した値に該当する水分量として基準テーブル45aに記憶された水分量を、検知エリア5に流入した水分量として特定する。具体的には、照合測定値とした分布パターンと、基準テーブル45aに記憶されている基準分布パターンを照合して、一致する分布パターン値に該当する水分量として基準テーブルに記憶されている水分量を、検知エリア5に流入した水分量として特定することとなる。
【0069】
測定例の各出力測定値から求めた抵抗値区分、区分から求めた分布パターンはそれぞれ表4の通りである。この分布パターンを表3の基準テーブルと照合することで、それぞれ水分量が特定される。具体的には、試験番号P-1とP-2では、センサAからセンサDの各出力抵抗値から求めた分布パターンが[0202]となったため、この値を基準テーブルと照合して、一致する分布パターンである[0202]が示す水分量2mlが検知エリアに流入した水分量として特定されることになる。同様に、試験番号P-3とP-4では、得られた分布パターンが[1300]となったため、基準テーブルと照合して、水分量が5mlであると特定される。
【0070】
ここで、基準テーブルは、対象センサ数から導かれるすべてのパターンについて対応する水分量が記憶されていることが理想である。しかし、測定によって得られた分布パターンが基準テーブルにない場合には、例えば、抵抗値範囲区分の1から順に照合して、番号の若い区分で差が小さいパターンに近似する等の近似方法によって補間を行って対応することも可能である。また、水分量センサに用いる保水層の性質によって、更に検知エリア全体の水分量を推測する演算処理をおこなってもよい。通常の吸水ポリマーであれば、吸収した水分が広がることなく吸収した位置周辺に留まるよう設計されているため、使用目的から予想される流入水分量に応じた保水能力を持つ吸水ポリマーを選択すれば、このような推定のための追加的な演算処理は不要である。しかしながら、可能な限り測定装置の薄型を図りたいような場合には、保水能力よりも薄さを優先して保水層を選択して、流入してくる水分を広いエリアで捕捉する設計とすることができる。すなわち、敢えて基点センサから離れた位置にあるセンサを選択センサとして選択することで広がった範囲をファクターとして加えることができる。想定される水分流入量に対して、保水層の水分保持能力が低い場合には、基点センサ及びその近隣センサを選択センサとすると出力抵抗値に差が出ないため、演算によって水分量を求めることが困難となる。しかし、敢えて、基点センサから離れた場所に位置するセンサを選択センサとすることで水分がどの範囲まで広がったかをファクターに加えて演算することができる。
【0071】
次に、他の実施形態として、対象センサの数を1とする場合について説明する。対象センサの数を多く設定するほど測定精度が上がるが、センサ数に比例して演算量が増えるため演算部に対する負荷も増大することとなる。このため、水分量の概算量が求められれば十分であるような測定目的の場合には、対象センサの数を1として演算処理を軽減することができる。以下の説明は、これまで説明した対象センサ数が複数の場合と異なる点のみを説明する。
【0072】
<準備計測>
SP-P1)
準備センサとして用いるセンサを1のセンサのみとする他は、前述の場合と同様である。
SP-P2)
このステップについては、前述の場合と異なる点はない。
SP-P3)
このステップについては、前述の場合と同様に、抵抗値が安定するまでの時間tを選択することとしてもよいが、1センサの場合には、出力抵抗値が予め決められた第2の閾値を通過するまでの時間を用いるのが簡便である。表5に測定値の具体例を示す。
【0073】
【表5】
【0074】
SP-P4)
T=tにおける各センサの出力抵抗値から、照合測定値を決定するステップである。1センサの場合には、照合測定値を単純に各水分量における出力抵抗値が第2の閾値を通過するまでの時間とすることができる。本例では、第2の閾値を100kΩと設定して、出力抵抗値が100kΩ以下となるまでの経過時間を照合測定値とした。表5より、2mlのときは2m30s、3mlのときは2m00s、5mlのときは0m30sとなった。
SP-P5)
求めた照合測定値を記憶した基準テーブルを作成するステップである。1センサの場合の基準テーブル例を表6に示した。このようにテーブル形式としてもよいが、対象センサが1センサの場合には、図13のようにグラフから近似式を求めて、当該近似式に実測における測定値を代入して水分量を求めるようにすることが簡便である。また、この近似式を先に求めてから準備測定の滴下水量を補間した基準テーブルを作成するようにしてもよい。
【0075】
【表6】
【0076】
<実測における水分量の決定手順>
検知エリアをAn個に区画し、各区画毎に1の水分量センサを配置して、実測が行われる点は複数センサの場合と同様である。SPーM1)SPーM2)、及びSPーM3)については複数センサの場合と変わりはない。SPーM4)については、複数センサと同様に位置バターンを利用して1のセンサを対象センサとして選択することもできるが、単純に基点センサをそのまま対象センサとすることが簡便である。そして、SPーM5)及びSPーM6)については、対象センサが1の場合は、演算対象抽出条件を用いた一連の演算処理は不要である。SPーM2)で入力されたT=0から、出力抵抗値が第2の閾値を通過するまでの時間が計測され、その時間T=tを照合測定値とする。SPーM7)において、照合特定部は、照合測定値と、基準テーブルに記憶された値とを照合し、一致した値に該当する水分量として基準テーブルに記憶された水分量を、検知エリアに流入した水分量として特定することは、複数センサの場合と同様である。ここで、テーブルそのものを参照せずに、テーブルを近似式に変換し、当該近似式に照合測定値を代入して水分量を求めることが簡便である。
測定例について結果を表7に示す。
【0077】
【表7】
【0078】
次に本発明の水分量センサ1の検出プレート2として最も好適に使用することができる櫛形電極を備えた検出プレートについて説明する。
【0079】
この実施形態で示す検出プレート2は、特許6357270号において湿度センサとして開示したものを好ましく使用することができる。検出プレート2は、図2に示すように、基板23と、この基板23の一方の面2aに沿って薄膜状に設けられた感湿材22と、この感湿材22の表面に密着し、所定の間隔をおいて設けられた一対の電極21(211、212)とを備えている。
【0080】
基板23は、10~300μmの厚さの絶縁性を有するプラスチックフィルム(例えばポリイミド(PI)フィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム等)20によって屈曲自在に形成されている。
【0081】
感湿材22は、所定の厚さ(例えば0.1~25μm)で、平面視において所定の大きさの四角形状(例えば正方形状や長方形状)に形成されている。なお、この例では、平面視において一辺が3~20mmの正方形状又は長方形状に形成されている。
【0082】
この感湿材22は、セルロースナノファイバーによって形成されたものであり、空気中の水分(即ち、湿度)に応じて電気抵抗が変化するようになっている。セルロースナノファイバーは、繊維径が4~100nmであり、繊維長が1~50μmのものである。また、セルロースナノファイバーは、[分子式が(C10)であり]、構造式が次の化1の通りとなっている。
【化1】
【0083】
前記感湿材22は、水を有する液体に前記セルロースナノファイバーを分散させることによって得られたインキ状物質を、印刷、スピンコート又はディップコートにより前記基板の前記面に付着させることによって、当該面に前記セルロースナノファイバーによる薄膜状のものとして形成することができる。そして、前記印刷は、フレキソ印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷、グラビア印刷及びグラビアオフセット印刷を用いることができ、各印刷の特性に応じた適切な生産工程を組むことができる。
【0084】
この場合、インクジェット印刷を用いた場合には、印刷のための版を必要としないので、少量生産に適し、かつ低コストの湿度センサを得ることができる。
【0085】
また、フレキソ印刷の場合は、ロール・ツー・ロール方式の印刷が可能になるので、極めて大量の湿度センサを効率よく生産することができると共に、湿度センサの単価を下げる上で効果がある。また、フレキソ印刷の場合は版の凸部に付着したインキ状物質を基板に圧力をかけながら転写することになるので、基板に転写されたインキ状物質の厚さを10μm以下となるように極めて薄く形成することができると共に、その厚さのばらつきを極めて小さく抑えることができる。従って、極めて薄くかつ一定の厚さの感湿材を基板に形成することができるので、湿度の測定感度及び測定精度の向上を図ることができる。なお、グラビア印刷及びグラビアオフセット印刷の場合も、フレキソ印刷の場合と同様の効果を奏する。
【0086】
スクリーン印刷の場合は、インキ状物質をスキージによってスクリーンの編目から流出させることによって、基板に感湿材を形成することになるので、当該感湿材の厚さがフレキソ印刷の場合より厚い10μm以上となる。よって、湿度の測定感度の点で、フレキソ印刷より若干劣ることになる。また、ロール・ツー・ロール方式の印刷が可能であることから、フレキソ印刷より生産性が少し劣るものの、湿度センサの単価を下げる上で効果がある。なお、比較的安価な平面状のスクリーンの版を用いて間欠的に感湿材を形成する場合にはフレキソ印刷に比べて量産性が大分劣ることになるが、インクジェット印刷よりは
量産性が優れ、かつ低コストの湿度センサを得ることができる。
【0087】
なお、感湿材22は、水を有する液体にセルロースナノファイバーを分散させることに
よって得られたインキ状物質をフレキソ印刷により基板23の一方の面2aに付着させることによって、当該面2aにセルロースナノファイバーによる薄膜状のものとして形成されている。インキ状物質は、セルロースナノファイバーを0.3~3質量%含み、残部が上記水を有する液体及び不可避不純物からなっている。上記水を有する液体は、当該水と有機溶剤との混合物であり、その有機溶剤が水に対して1/3~2/3質量の割合で混合したものとなっている。有機溶剤はエタノールである。
【0088】
なお、上記フレキソ印刷に代えて、スクリーン印刷、インクジェット印刷、グラビア印刷、グラビアオフセット印刷、スピンコート又はディップコート等により、インキ状物質を基板23の一方の面2aに付着させることにより、セルロースナノファイバーによる薄膜状の感湿材22を当該一方の面2aに形成するようにしてもよい。
【0089】
上記有機溶剤としてエタノールを用いた例を示したが、この有機溶剤としては、エタノール、メチルエチルケトン(MEK)、酢酸エチル及びトルエン等からなるから選択される1つ又は2つ以上を混合したものであってもよい。
【0090】
一対の電極21(211、212)は、感湿材22の表面に密着するようにして、所定の間隔をおいて設けられたものであり、当該電極211、212間の感湿材22の電気抵抗を検出することが可能になっている。この場合、各電極211、212は、それぞれ直線状に延在する複数(この例では3本ずつ)の第1線状電極211a、第2線状電極212aを有するものとなっている。
【0091】
第1線状電極211a及び第2線状電極212aは、感湿材22に密着した状態で互い違いとなるように配置されている。第1線状電極211a及び第2線状電極212aの線長と線幅は、同じ寸法であることが好ましいが、センサの形状によっては、異なる寸法を採用することも可能である。電極の体積抵抗率が5μΩ・cm、平均膜厚が400nmの時、線長が2mm以上であり、線幅が30μm以上である。第1線状電極211aと第2線状電極212aの隙間の寸法(即ち、線間)が10μm~3mmである。なお、好ましくは、線長が6mm以上、線幅が70~130μmであり、第1線状電極211aと第2線状電極212aの隙間の寸法が30~500μmである。更に好ましくは、線長が25mm以上、線幅が100μmであり、第1線状電極211aと第2線状電極212aの隙間の寸法が50μmである。
【0092】
このように構成された電極211、212は、導体粉として銀粉を溶媒に分散させた導電インキを用いてフレキソ印刷により、感湿材22の表面に形成されるようになっている。なお、フレキソ印刷に代えて、上述のスクリーン印刷、インクジェット印刷、グラビア印刷、グラビアオフセット印刷、その他の印刷を用いてもよい。
【0093】
上記のように構成された検出プレート2を製造するには、基板23の一方の面2aに感湿材22を設けた後、その感湿材22の上に一対の電極211、212を設けることになる。
【0094】
感湿材22については、インキ状物質がフレキソ印刷によりプラスチックフィルム20に印刷されることにより、当該プラスチックフィルム20からなる基板23に設けられた状態になる。この場合、図示しないフレキソ印刷機の版胴に巻かれた凸版から直接的に又はブランケット胴を介して間接的にインキ状物質がプラスチックフィルム20に転写されることになる。この際、上記凸版における凸部の上面に付着したインキ状物質が直接的に又は間接的にプラスチックフィルム20に転写されることにより、四角形状で薄膜状の感湿材22が当該プラスチックフィルム20上に印刷されることになる。この場合、プラスチックフィルム20が版胴やブランケット胴等の周速度と同等の速度で移動する過程で、当該プラスチックフィルム20に感湿材22が高速で印刷されることになる。
【0095】
印刷後の感湿材22は、一対の電極211、212が設けられる前に、インキ状物質に含まれる上述の水及び有機溶剤が乾燥工程において除かれることになる。乾燥工程は、プラスチックフィルム20が連続して移動する状態で行われる。
【0096】
一対の電極211、212は、上記乾燥工程後において、感湿材22の表面に導電インキをフレキソ印刷することにより、当該感湿材22上に設けられることになる。即ち、上記版胴とは異なる版胴に巻き付けた凸版から直接的に又はブランケット胴を介して間接的に、導電インキが感湿材22の表面に転写されることにより、一対の電極211、212が感湿材22上に設けられることになる。また、印刷した電極211、212に含まれる上述の溶媒については、その印刷後の乾燥工程において除かられることになる。これらの電極211、212の印刷工程及びその乾燥工程も、プラスチックフィルム20が連続的に移動する状態で行われる。
【0097】
即ち、プラスチックフィルム20が連続的に移動する過程で、当該プラスチックフィルム20に複数の感湿材22及び一対の電極211、212が形成されることになる。そして、プラスチックフィルム20を基板23の形状に切断することにより、複数の検出プレート2を得ることができる。このため、いわゆるロール・ツー・ロール方式の印刷や切断に基づいて複数の検出プレート2を大量に製造することが可能になる。
【0098】
なお、インキ状物質の水や有機溶媒と、導電インキの溶媒との相性がよい場合には、感湿材22の乾燥前に、当該感湿材22の表面に一対の電極211、212を印刷するようにしてもよい。
【0099】
尚、上記の薄膜及び電極をフレキソ印刷により形成する場合、乾燥速度が0.1m秒~10秒と高速であるため、検出プレート2を安価に大量生産することが可能である。本発明の水分量センサ1を例えばペット用トイレに用いる場合等は、この利点を活かして検出プレートそのものを使い捨てとすることが可能となる。保水層3として、同様に使い捨てタイプであるペットシートを組み合わせて水分量センサ1を製造することで、水分量センサ1そのものを使い捨てとすることも可能となり、交換の手間の軽減とともに、ペット飼育環境の衛生を保つことが容易になる。ただし、本発明の水分量測定センサは、一度使用したものでも保水層を交換して、センサ自体が乾燥すれば再度、水分量センサとして使用することも可能であるので、保水層(ペットシート等)のみを交換するといった使用方法にも対応可能である。更に、本発明の水分量センサは、一度水分を検出した後に、更に水分が流入するような場合でも問題なく使用することができる。すなわち、保水層の保水能力の範囲内である限り、保水層に流入した水分量の総量を検出することが可能である。ペット用トイレでは、ペットの排尿の度にペットシートを交換するといった使用方法に限らず、例えば1日1回の交換のように交換頻度を決めて使用することがある。このような使用方法では、保水層にペットの複数回の排尿に耐えうる保水能力が必要であることはもちろんであるが、センサ自体も複数回の排尿に対応できる必要がある。本発明の水分量センサは、複数回に渡って水分が流入するような場合でも、その都度、問題なく水分量の測定が可能であるため、このような使用方法にも問題なく対応できるものである。
【0100】
本発明の水分量センサ1は、これまで述べたようにフレキシブルな基板に電極及び感湿材を形成することで、センサそのものを薄くフレキシブルな形状とすることができる。この特性を活かして様々な物品への応用が可能である。例えば、これまで説明してきたようにペット用トイレの排尿検知システムに応用することができる。ペットの排尿が、少量で無色であるような場合、ペットシートが濡れているかが判別しにくい場合がある。特に、排尿に気づかず時間が経過したような場合には、乾燥することでますます判別が難しくなって交換が遅くなってしまう等の問題があった。本発明の水分量センサを利用してペットの排尿を検知し、表示手段を介して飼い主に通知するのみでも、このような問題を解決できる。更に、単に水分の有無のみでなく、その量を測定できる本発明の特性を活かして、ペットの排尿量をその都度計測して記録することで、ペットの健康管理に資することが可能となる。
【0101】
また、一定以上の排尿があったときに、巻き上げ機構等を利用して使用済みペットシートを自動的に交換するようにすることもできる。排尿回数を記録するとともに、ペットシートの交換回数や頻度も同時に記録することで、ペットシートの在庫管理や次回購入時期の予測に利用するシステムも提案されているが、ペットのそのときの健康状態や成長度合いによって予想誤差が生じることがある。しかし、ペットの排尿回数だけでなくその量も管理することで、常時、ペットの最新の健康状態に基づいてペットシートの使用予測を立てることが可能となるため、在庫管理の精度を上げることができる。これらの、情報管理にあたっては、本発明の水分量測定装置にデータ送信部を併設して、例えばクラウドサーバーに排尿量データを送信するように構成して、サーバーを介して飼い主の情報端末に管理情報を表示するようにしてもよい。このように、本発明の水分量測定装置と公知の技術を組み合わせることで、様々な利用方法への応用が可能である。
【0102】
また、薄くフレキシブルである特性から、例えば、ベッドのシーツに組み込むことで就寝中の発汗量の測定や管理に応用することもできる。そして、更なる応用例として、発汗量を測定することで、高齢者の見守りシステムへ応用することも可能である。本発明の水分量センサによれば、湿布や使い捨てカイロ、冷却シートのように身体に貼り付けて使用する薄く小型な水分量センサとすることも容易である。
【0103】
更に、薄くフレキシブルである特性から、平面的な形状に限らず、立体的形状の物品への応用も容易である。例えば、お椀型やドーム型であるオムツや帽子等の物品に応用できる。オムツへ応用する場合のセンサ(電極)配置例を図14に示した。本例では、例えば、電極E1-E2、E1-E3、E2-E3、E3-E4、E4-E5と、端子切替によって抵抗値測定に使用する電極を切替えることで、エリア毎の変化を検知することも可能となる。また、図12には帽子用のセンサ配置の一例を示した。印刷を介して作成される本発明の水分量センサによれば、どのような形状のものも容易に作成でき、本例のように展開したセンサの作成も容易である。本例も、測定電極をA-B、B-C、C-Dのように端子切替によって切替えて測定することで、頭頂部A-B、頭側部B-C、帽子下部にあたる額等の部分C-Dのように、エリア毎の発汗量を測定することも可能である。
【0104】
また、配管の水漏れ検知への応用もできる。水漏れの有無さえ検知できればよい場合には、特許第6357270号で開示した湿度センサを用いれば足りるが、本発明の水分量センサ及び水分量の測定方法を用いることで、漏水量を知ることも可能となる。ある程度大量の水漏れが予測される場合には、保水層を厚くして吸水能力を上げた平面上の本発明の水分量センサを配管のある床面に置いて測定することも可能である。また、滲み出すような漏水が予想される場所では、例えば、保水層を薄く構成するとともに、図15に示した短冊型のシート形状のセンサとすることで、これを直接、配管に巻いて測定することも可能である。本例においては、センサ中心部付近では区画をより小さく構成し、この部分を配管の接合部に位置するように設置することで、より高い精度での測定を可能としている。
【0105】
また、図16は、検知エリア5に水分が流入する位置がほぼ決まっている場合における、区画の例を示したものである。これは、これまで説明したペット用トイレや配管の水漏れ検知等、目的を問わず適用することができる。この区画例では、水分の流入予想地点を図16の区画例の中心部と一致するように水分量センサ1を配置することで、効率的に精度よく水分量を測定することが可能となる。
【実施例1】
【0106】
対象センサの数を4とした場合の水分量測定の結果を以下に示す。
<準備計測>
使用センサは、フレキソ印刷を用いて作成した。
使用センサの電極形状:図9(d)に示したものを使用した
センサの厚さ:約100μm(フィルムの厚み:100μm + 電極・感湿材2μm)
センサの寸法:75mm × 80mm
セルロースナノファイバー
一対の電極:
第1及び2線状電極の線長 = 14mm(図9(d)電極の場合)、
74mm(図9(a)電極の場合)
第1及び2線状電極の線幅 = 285μm
第1及び2電極の線間 = 450μm
保水層:市販のペットシート「株式会社ウェルファン製 No.390 ポリマーシート」を、裏面の防水シートを除いて使用した。
【0107】
[測定方法]
センサBとセンサCの間の略中心付近に、1ml、2ml、3ml、4ml、5mlの水を滴下して10秒毎に各センサの抵抗値を記録した。滴下前の抵抗値は、600,000kΩ以上、若しくは10,000kΩ以上であった。
表8に0m40s、1m30s、3m00s、4m00sにおける各センサの抵抗値を示した。そして、測定された各抵抗値について、表2に示した抵抗値区分に従って区分判定をおこなった。結果を表8に示した。
【0108】
【表8】
【0109】
この結果より、どの水分量でも抵抗値が安定したのは3m00sであったため、滴下後3m00s後の抵抗値から基準テーブルを作成することとした。滴下後3m00s後の抵抗値を用いた区分判定は、1mlではR「4214」、2mlではR「4114」、3mlではR「2114」、4mlではR「2114」、5mlではR「1112」を得た。これより求めた分布パターンは、1mlで「1102」、2mlで「2002」、3mlで「1201」、4mlで「2200」、5mlで「3100」を得た。
作成された基準テーブルを表9に示す。
【0110】
【表9】
【0111】
[実測]
検出プレート及び保水層を<準備計測>と同構成とした水分量センサ15個を用意した。これは、実証の効率化と複数のセンサを用いることでセンサの機差も含めた実証とするためである。本発明の水分量センサは、水分検知に一度使用したセンサであっても、保水層を取り外して常温で放置するのみで、通常は1分足らずの間に抵抗値が10MΩ以上の値に戻る。これは、検出プレートが完全に乾燥したことを示し、この状態に戻った検出プレートは、新たな保水層を載置することでふたたび水分量センサとして問題なく使用することが可能である。
【0112】
既知水分量1ml、2ml、5mlの水を、センサBとセンサCの略中心付近に滴下して、滴下後3m00s後の抵抗値を測定した。これを各水分量あたり5回測定を行った。測定を行った後はセンサを交換して、未使用センサを用いて次の測定を行った。測定結果を表10に示した。各測定とも滴下水分量に応じた分布パターンが作成され、滴下量と同じ量の水分量を測定結果として得た。尚、1ml滴下における試験番号1及び4は、センサAにおける抵抗値が他の試験番号2、3、5とは違った傾向を示している。これは、水が直下に滴下されずに位置がずれたことによって、センサB寄りに滴下されてしまったことが原因と考察される。その場合でも、本例のように対象センサの数を複数とし、かつ抵抗値そのものではなく、分布パターンを演算することによって水分量を算出することで、測定誤差を生じずに正確な水分量を測定できることが分かる。同様の現象は5mlにおける試験番号13においても認められるが、この場合も正確な水分量を得ることができた。
【0113】
【表10】
【実施例2】
【0114】
次に、測定目的とする水分量が多い場合に、保水層の容量を求める方法を示す。
本例では、想定水分量を40mlに設定した。対象センサの数は実施例と同様に4とした。また、センサの検出プレートは、実施例と同構成のものを使用した。保水層として、実施例1で使用した市販のペットシート「株式会社ウェルファン No.390 ポリマーシート(140mm×200mm)」を75mm×80mmにカットした後に防水シートを取り除いたものを表に示した枚数を重ねたものとした。
【0115】
[測定方法]
センサBとCの間の略中心付近に、40mlの水を滴下して10秒毎に各センサの抵抗値を記録した。表11に、0m20s、1m20s、2m00s、3m00s、4m00sにおける各センサの抵抗値を示した。各抵抗値から求めた分布パターンは、表11に示した通りである。
【0116】
【表11】
【0117】
この結果より、保水層として「株式会社ウェルファン No.390 ポリマーシート」14枚を使用した場合には、想定水分量40mlの水分が完全に保水層に吸収されてしまい、水分量センサで測定される抵抗値に差が生じていないことが分かる。よって、想定水分量が40mlの場合、ポリマーシートを13枚以下とすることが適当であることが分かる。
【実施例3】
【0118】
実施例の2の結果を受けて、「株式会社ウェルファン No.390 ポリマーシート」13枚を保水層として測定をおこなった。これ以外の、測定条件や使用したセンサの構成等は実施例2と同様である。得られた結果を表12に示した。
【0119】
【表12】
この結果より、1m30sで出力抵抗値が安定したことが分かる。本結果を準備測定として、1m30sにおける各センサの出力抵抗値から基準テーブルと作成した。得られた基準テーブルを表13に示した。
【0120】
【表13】
【0121】
表13に示した基準テーブルを用いた実測を行った。測定条件や使用した水分量センサは準備計測と同様である。得られた結果を表14に示した。
【0122】
【表14】
【0123】
この結果より、測定目的に応じた適切な吸水能力を有する保水層を選択することで、水分量が多い場合であっても実用的な測定結果が得られることが分かった。
【符号の説明】
【0124】
1 水分量センサ
2 検出プレート
20 プラスチックフィルム
21 電極
211 一方の電極
212 他方の電極
22 感湿材
23 基板
3 保水層
4 演算装置
41 演算部
42 計測部
43 選択抽出部
44 照合特定部
45 記憶部
45a 基準テーブル
45b 演算対象抽出条件
5 検知エリア

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9a
図9b
図9c
図9d
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16