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特許7534833ゲームライブ配信システム及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-06
(45)【発行日】2024-08-15
(54)【発明の名称】ゲームライブ配信システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/86 20140101AFI20240807BHJP
   A63F 13/35 20140101ALI20240807BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20240807BHJP
   A63F 13/80 20140101ALI20240807BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20240807BHJP
   A63F 13/87 20140101ALI20240807BHJP
   A63F 13/53 20140101ALI20240807BHJP
   H04N 21/258 20110101ALI20240807BHJP
【FI】
A63F13/86
A63F13/35
A63F13/79 520
A63F13/80 A
A63F13/69
A63F13/87
A63F13/53
H04N21/258
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2024002309
(22)【出願日】2024-01-11
【審査請求日】2024-01-11
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和5年12月20日に提供開始したオンラインゲーム「カリギュラ ドライブ」
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518260552
【氏名又は名称】株式会社ミラティブ
(74)【代理人】
【識別番号】110001106
【氏名又は名称】弁理士法人キュリーズ
(72)【発明者】
【氏名】栗田 健悟
(72)【発明者】
【氏名】杉原 健太郎
【審査官】安田 明央
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-074256(JP,A)
【文献】特開2019-054838(JP,A)
【文献】特開2014-161532(JP,A)
【文献】特開2017-000343(JP,A)
【文献】特開2022-081469(JP,A)
【文献】特開2018-171283(JP,A)
【文献】特開2001-340643(JP,A)
【文献】特開2023-069639(JP,A)
【文献】特開2016-116638(JP,A)
【文献】特開2021-023514(JP,A)
【文献】特開2019-165022(JP,A)
【文献】特開2006-280472(JP,A)
【文献】特許第7335538(JP,B1)
【文献】特開2001-046745(JP,A)
【文献】特開2008-200538(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98
A63F 9/24
H04N 21/258
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配信者によるゲームの実況動画を視聴者に対してライブ配信により配信するためのゲームライブ配信システムであって、
プレイヤーが別のプレイヤーに勝利することで前記別のプレイヤーの保有アイテムを前記プレイヤーが奪取することが可能な対戦ゲームを提供するゲーム提供部と、
前記配信者が前記プレイヤーとしてプレイする前記対戦ゲームの実況動画を視聴する前記視聴者の状況に基づいて、前記対戦ゲームにおいて前記配信者が勝利しやすくなるように制御するゲーム制御部と、を備え
前記ゲーム提供部は、
各プレイヤーをその保有アイテムと対応付けて示す対戦相手の候補表示画面を各プレイヤーに提示し、
前記ライブ配信中の前記配信者を他のプレイヤーが前記候補表示画面で選択できないように制御する
ゲームライブ配信システム。
【請求項2】
前記対戦ゲームは、ゲーム空間に配置された対象オブジェクトを前記配信者が選択して同種の対象オブジェクトの組を揃える仮想ボードゲームを行うボードゲームモードを含む
請求項1に記載のゲームライブ配信システム。
【請求項3】
前記ゲーム制御部は、
前記仮想ボードゲームにおいて前記配信者に有利な効果を生じさせる応援ギフトの前記配信者への贈与希望を前記視聴者から受け付け、
前記応援ギフトに応じた前記有利な効果を生じさせる
請求項2に記載のゲームライブ配信システム。
【請求項4】
前記ゲーム制御部は、前記ボードゲームモードにおいて、
前記配信者による前記対象オブジェクトの選択を補助するためのコメントの投稿を前記視聴者から受け付け、
前記コメントを前記配信者に提示する
請求項2又は3に記載のゲームライブ配信システム。
【請求項5】
前記ゲーム提供部は、前記ボードゲームモードにおいて、
前記保有アイテムを前記配信者が奪取するために用いる第1アイテムを対象オブジェクトに対応付け、
前記第1アイテムが対応付けられた対象オブジェクトの組を前記配信者が選択して揃えた場合、前記第1アイテムを前記配信者に付与する
請求項2に記載のゲームライブ配信システム。
【請求項6】
前記ゲーム提供部は、
前記保有アイテムを含む複数の特典が対応付けられた複数の選択肢のいずれかを前記第1アイテムを用いて選択する操作を前記配信者から受け付け、
前記第1アイテムを用いて選択された選択肢と対応付けられた特典を前記配信者に付与する
請求項5に記載のゲームライブ配信システム。
【請求項7】
配信者によるゲームの実況動画を視聴者に対してライブ配信により配信するためのゲームライブ配信システムであって、
プレイヤーが別のプレイヤーに勝利することで前記別のプレイヤーの保有アイテムを前記プレイヤーが奪取することが可能な対戦ゲームを提供するゲーム提供部と、
前記配信者が前記プレイヤーとしてプレイする前記対戦ゲームの実況動画を視聴する前記視聴者の状況に基づいて、前記対戦ゲームにおいて前記配信者が勝利しやすくなるように制御するゲーム制御部と、を備え、
前記対戦ゲームは、ボードゲームモードを含み、
前記ゲーム提供部は、
前記保有アイテムを含む複数の特典が対応付けられた複数の選択肢のいずれかを、前記ボードゲームモードで得られた第1アイテムを用いて選択する操作を前記配信者から受け付け、
前記第1アイテムを用いて選択された選択肢と対応付けられた特典を前記配信者に付与するとともに、前記視聴者にも特典を付与する
ゲームライブ配信システム。
【請求項8】
前記ゲーム提供部は、前記ボードゲームモードにおいて、
前記保有アイテムを対象オブジェクトに対応付け、
前記保有アイテムが対応付けられた対象オブジェクトの組を前記配信者が選択して揃えた場合、前記保有アイテムを前記配信者に付与する
請求項2に記載のゲームライブ配信システム。
【請求項9】
前記対戦ゲームは、前記ボードゲームモードの結果と、前記配信者に対応する第1能力値及び前記別のプレイヤーに対応する第2能力値とに基づいて、前記配信者と前記別のプレイヤーとの対戦を行う対戦モードをさらに含む
請求項2に記載のゲームライブ配信システム。
【請求項10】
前記ゲーム提供部は、前記ボードゲームモードにおいて、
前記第1能力値を上昇させる又は前記第2能力値を低下させる補助効果を生じさせる第2アイテムを対象オブジェクトに対応付け、
前記第2アイテムが対応付けられた対象オブジェクトの組を前記配信者が選択して揃えた場合、前記第2アイテムを前記配信者に付与する
請求項9に記載のゲームライブ配信システム。
【請求項11】
配信者によるゲームの実況動画を視聴者に対してライブ配信により配信するためのゲームライブ配信システムであって、
プレイヤーが別のプレイヤーに勝利することで前記別のプレイヤーの保有アイテムを前記プレイヤーが奪取することが可能な対戦ゲームを提供するゲーム提供部と、
前記配信者が前記プレイヤーとしてプレイする前記対戦ゲームの実況動画を視聴する前記視聴者の状況に基づいて、前記対戦ゲームにおいて前記配信者が勝利しやすくなるように制御するゲーム制御部と、を備え、
前記対戦ゲームは、
ボードゲームモードと、
前記ボードゲームモードの結果と、前記配信者に対応する第1能力値及び前記別のプレイヤーに対応する第2能力値とに基づいて、前記配信者と前記別のプレイヤーとの対戦を行う対戦モードと、を含み、
前記ゲーム制御部は、
前記ボードゲームモードで用いる対象オブジェクトに、前記第1能力値を上昇させる又は前記第2能力値を低下させる補助効果を生じさせる補助効果アイテムと前記視聴者を対応付け、
前記ボードゲームモードにおいて前記対象オブジェクトを前記配信者が選択したことに基づいて、前記ゲーム提供部が前記補助効果アイテムを前記配信者に付与すると共に、前記ゲーム制御部が前記視聴者のランクに応じて前記補助効果を増大させる
ゲームライブ配信システム。
【請求項12】
前記ゲーム制御部は、前記視聴者の数に応じて、前記補助効果を増大させる
請求項10又は11に記載のゲームライブ配信システム。
【請求項13】
前記ゲーム提供部は、
前記対戦モードにおいて前記配信者が勝利したことに応じて、前記保有アイテムを前記配信者が奪取するために用いる第1アイテムを前記配信者に付与し、
前記保有アイテムを含む複数の特典が対応付けられた複数の選択肢のいずれかを前記第1アイテムを用いて選択する操作を前記配信者から受け付け、
前記第1アイテムを用いて選択された選択肢と対応付けられた特典を前記配信者に付与する
請求項9に記載のゲームライブ配信システム。
【請求項14】
前記ゲーム制御部は、
前記第1能力値を上昇させる又は前記第2能力値を低下させる補助効果を生じさせる応援ギフトの前記配信者への贈与希望を前記視聴者から受け付け、
前記対戦モードにおいて、前記応援ギフトに応じた前記補助効果を生じさせる
請求項9に記載のゲームライブ配信システム。
【請求項15】
前記ゲーム制御部は、前記応援ギフトに応じた前記補助効果を、前記視聴者の数に応じて調整する
請求項14に記載のゲームライブ配信システム。
【請求項16】
配信者によるゲームの実況動画を視聴者に対してライブ配信により配信するためのゲームライブ配信システムであって、
プレイヤーが別のプレイヤーに勝利することで前記別のプレイヤーの保有アイテムを前記プレイヤーが奪取することが可能な対戦ゲームを提供するゲーム提供部と、
前記配信者が前記プレイヤーとしてプレイする前記対戦ゲームの実況動画を視聴する前記視聴者の状況に基づいて、前記対戦ゲームにおいて前記配信者が勝利しやすくなるように制御するゲーム制御部と、を備え、
前記対戦ゲームは、前記配信者に対応する第1能力値及び前記別のプレイヤーに対応する第2能力値に基づいて、前記配信者と前記別のプレイヤーとの対戦を行う対戦モードを含み、
前記ゲーム提供部は、前記配信者が前記ライブ配信を行う場合、前記配信者が前記ライブ配信を行わない場合に比べて、前記第1能力値を上昇させる又は前記第2能力値を低下させる
ゲームライブ配信システム。
【請求項17】
配信者によるゲームの実況動画を視聴者に対してライブ配信により配信するためのゲームライブ配信システムであって、
プレイヤーが別のプレイヤーに勝利することで前記別のプレイヤーの保有アイテムを前記プレイヤーが奪取することが可能な対戦ゲームを提供するゲーム提供部と、
前記配信者が前記プレイヤーとしてプレイする前記対戦ゲームの実況動画を視聴する前記視聴者の状況に基づいて、前記対戦ゲームにおいて前記配信者が勝利しやすくなるように制御するゲーム制御部と、を備え、
前記ゲーム提供部は、複数のプレイヤーによって形成されるグループを管理し、
前記ゲーム制御部は、前記配信者と同じグループに属する前記視聴者による前記配信者への補助効果を、前記配信者と異なるグループに属する前記視聴者による前記配信者への補助効果よりも高くするよう制御する
ゲームライブ配信システム。
【請求項18】
前記ゲーム提供部は、前記ボードゲームモードにおいて、
前記配信者に不利な効果を生じさせるアイテムであって前記別のプレイヤーにより設定された第3アイテムを対象オブジェクトに対応付け、
前記第3アイテムが対応付けられた対象オブジェクトを前記配信者が選択した場合、前記配信者に不利な効果を生じさせる
請求項2に記載のゲームライブ配信システム。
【請求項19】
前記不利な効果は、前記ボードゲームモードの強制終了、前記対象オブジェクトのシャッフル、前記ボードゲームモードの残り手数又は残り時間の減少、前記保有アイテムを前記配信者が奪取するために用いる獲得済みの第1アイテムの減少のうち、少なくとも1つである
請求項18に記載のゲームライブ配信システム。
【請求項20】
配信者によるゲームの実況動画を視聴者に対してライブ配信により配信するためのプログラムであって、コンピュータを、
プレイヤーが別のプレイヤーに勝利することで前記別のプレイヤーの保有アイテムを前記プレイヤーが奪取することが可能な対戦ゲームを提供するゲーム提供部と、
前記配信者が前記プレイヤーとしてプレイする前記対戦ゲームの実況動画を視聴する前記視聴者の状況に基づいて、前記対戦ゲームにおいて前記配信者が勝利しやすくなるように制御するゲーム制御部と、として機能させ
前記ゲーム提供部は、
各プレイヤーをその保有アイテムと対応付けて示す対戦相手の候補表示画面を各プレイヤーに提示し、
前記ライブ配信中の前記配信者を他のプレイヤーが前記候補表示画面で選択できないように制御する
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームライブ配信システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、通信ネットワークを介して行うゲームであるオンラインゲームが知られている。このようなオンラインゲームとしては、プレイヤーが別のプレイヤーに勝利することで当該別のプレイヤーの保有アイテムを当該プレイヤーが奪取することが可能な対戦ゲームがある。
【0003】
一方、神経衰弱ゲームをプレイヤーに提供するオンラインゲームも知られている(例えば、特許文献1参照)。このようなゲームでは、伏せられたカードをゲーム空間でプレイヤーがオープンしていき、オープンしたカードでペアが成立すると、当該プレイヤーに特典が付与される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-000343号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、スマートフォン等の各種デバイスの高性能化・高機能化と、インターネットによる通信の高速化とに伴い、配信者がプレイしつつ実況するプレイ動画である実況動画をリアルタイムで視聴者に配信するゲームライブ配信サービスが提供されるようになっている。こうしたゲームライブ配信サービスでは、視聴者がコメント(チャット)により配信者とのコミュニケーションを図ることが可能になっていたり、視聴者から配信者に対してゲームライブ配信サービス上でギフト(応援ギフト)を贈ることが可能になっていたりする。
【0006】
従来のオンライン型の対戦ゲームでは、プレイヤーに対応する能力値が別のプレイヤーに対応する能力値よりも高ければ、基本的に当該プレイヤーが当該別のプレイヤーに勝利できるため、ゲームとしての面白みに欠けることが多い。特に、このような対戦ゲームをゲームライブ配信サービス上で提供する場合、配信者は単に対戦ゲームをプレイし、視聴者はコメント投稿やギフト贈与を行うだけであり、対戦ゲームにおける配信者と視聴者との一体感を高めることが難しく、ゲームライブ配信の盛り上がりを醸成する点で改善の余地がある。
【0007】
そこで、本発明は、対戦ゲームにおける配信者と視聴者との一体感を高めてゲームライブ配信の盛り上がりを醸成することが可能なゲームライブ配信システム及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の態様に係るゲームライブ配信システムは、配信者によるゲームの実況動画を視聴者に対してライブ配信により配信するためのシステムである。前記ゲームライブ配信システムは、プレイヤーが別のプレイヤーに勝利することで前記別のプレイヤーの保有アイテムを前記プレイヤーが奪取することが可能な対戦ゲームを提供するゲーム提供部と、前記配信者が前記プレイヤーとしてプレイする前記対戦ゲームの実況動画を視聴する前記視聴者の状況に基づいて、前記対戦ゲームにおいて前記配信者が勝利しやすくなるように制御するゲーム制御部と、を備える。
【0009】
第2の態様に係るプログラムは、配信者によるゲームの実況動画を視聴者に対してライブ配信により配信するためのプログラムである。前記プログラムは、コンピュータを、プレイヤーが別のプレイヤーに勝利することで前記別のプレイヤーの保有アイテムを前記プレイヤーが奪取することが可能な対戦ゲームを提供するゲーム提供部と、前記配信者が前記プレイヤーとしてプレイする前記対戦ゲームの実況動画を視聴する前記視聴者の状況に基づいて、前記対戦ゲームにおいて前記配信者が勝利しやすくなるように制御するゲーム制御部と、として機能させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、対戦ゲームにおける配信者と視聴者との一体感を高めてゲームライブ配信の盛り上がりを醸成することが可能なゲームライブ配信システム及びプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態に係るゲームライブ配信システムの構成を示す図である。
図2】実施形態に係る配信サーバの構成を示す図である。
図3】実施形態に係るオンラインゲームのゲーム構造の一例を示す図である。
図4】配信者の端末(及び視聴者の端末)で表示されるお宝シリーズ画面の一例を示す図である。
図5】配信者の端末(及び視聴者の端末)で表示されるお宝リスト画面の一例を示す図である。
図6】配信者の端末(及び視聴者の端末)で表示されるお宝個別画面の一例を示す図である。
図7】配信者の端末(及び視聴者の端末)で表示されるお宝リスト画面の他の例を示す図である。
図8】配信者の端末(及び視聴者の端末)で表示される対戦者リスト画面の一例を示す図である。
図9】配信者の端末(及び視聴者の端末)で表示される神経衰弱画面の一例を示す図である。
図10】補助アイテムの種類を説明するための図である。
図11】配信者の端末(及び視聴者の端末)で表示される神経衰弱画面の他の例を示す図である。
図12】視聴者のランクに応じて補助アイテムの補助効果を増大させる動作を説明するための図である。
図13】配信者の端末(及び視聴者の端末)で表示される対戦画面の一例を示す図である。
図14】配信者の端末(及び視聴者の端末)で表示される対戦リザルト画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図面を参照しながら、実施形態に係るゲームライブ配信システムについて説明する。ゲームライブ配信システムは、配信者及び視聴者を含む複数のユーザ間でのゲームライブ配信を行うためのシステムである。図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
【0013】
(1)システム構成
図1は、本実施形態に係るゲームライブ配信システム1の構成を示す図である。
【0014】
ゲームライブ配信システム1は、配信者がプレイしつつ実況するプレイ動画である実況動画をリアルタイムで視聴者に提供するゲームライブ配信サービスを実現する。図示の例では、配信者による実況動画を視聴する視聴者が1人であるが、配信者による実況動画を視聴する視聴者が複数人であってもよい。なお、配信者及び視聴者を区別しないときは、これらを単に「ユーザ」とも称する。ユーザは、ゲームライブ配信サービスの利用者である。ユーザは、ゲームライブ配信サービスのアカウントを有しているものとする。
【0015】
ゲームライブ配信システム1は、配信サーバ100と、複数の端末200とを有する。配信サーバ100及び端末200は、通信ネットワーク10を介して相互に通信可能に接続されている。通信ネットワーク10は、インターネットを含む。通信ネットワーク10は、LAN(Local Area Network)を含んでもよい。
【0016】
配信サーバ100は、1つ以上のコンピュータにより構成され、ゲームライブ配信サービスを提供する事業者の情報処理装置である。配信サーバ100は、ゲームライブ配信サーバと称されてもよい。配信サーバ100は、例えばワークステーション又はPC(Personal Computer)のような汎用コンピュータとしてもよいし、クラウド・コンピューティング(分散コンピューティング)によって論理的に実現されてもよい。つまり、配信サーバ100は、1つのコンピュータで構成してもよいし、複数のコンピュータで構成してもよい。
【0017】
配信サーバ100は、本実施形態に係るオンラインゲームを提供する。本実施形態に係るオンラインゲームの詳細については後述する。本実施形態に係るオンラインゲームをプレイするユーザを「プレイヤー」とも称する。本実施形態に係るオンラインゲームの実況動画を配信する配信者は、本実施形態に係るオンラインゲームのプレイヤーでもある。
【0018】
複数の端末200は、配信者(プレイヤーA)の端末200aと、視聴者の端末200bと、プレイヤーBの端末200cとを有する。ゲームライブ配信サービスでは、ユーザは、自身がゲームを選択してプレイ及び実況動画の配信を開始することで配信者になる。一方、ユーザは、いずれかの配信者を選択して実況動画の視聴を開始することで視聴者になる。つまり、1人のユーザは、配信者及び視聴者のいずれにもなり得る。但し、1人のユーザは、同時に配信者及び視聴者になることはできないものとする。配信サーバ100は、各端末200からのアクセスを受け付け、配信者の端末200aにより提供されるゲーム実況動画(音声を含む)を視聴者の端末200bに配信する。
【0019】
端末200は、例えば、PC、スマートフォン、タブレット端末、又はウェアラブル端末等である。端末200は、ユーザとのインターフェイスと、通信ネットワーク10とのインターフェイスとを有する。ユーザとのインターフェイスは、例えば、ディスプレイ、キーボード、マウス、タッチパッド、タッチパネルディスプレイ、マイク、及びスピーカのうち、少なくとも1つを含む。通信ネットワーク10とのインターフェイスは、有線通信インターフェイス及び無線通信インターフェイスのうち少なくとも1つを含む。以下の実施形態の説明では、各端末200がスマートフォンである場合を主として想定する。各端末200には、ゲームライブ配信サービスを利用するためのアプリケーションプログラムがインストールされているものとする。但し、各端末200は、汎用のウェブブラウザにより、ウェブサービスとして提供されるゲームライブ配信サービスを利用可能であってもよい。端末200は、インストールされたアプリケーションプログラムを介して配信サーバ100にアクセスすることにより、配信サーバ100が提供する各種のゲームをプレイすることができると共に、当該実況動画を配信又は視聴できる。
【0020】
ゲームライブ配信システム1では、配信者の端末200aからゲームの実況動画(具体的には、映像データ及び音声データ)を配信サーバ100に送信し、配信サーバ100は当該実況動画に対して各種の情報処理を行って当該実況動画を視聴者の端末200bに送信(配信)し、視聴者の端末200bは配信サーバ100から受信した実況動画を表示する。
【0021】
このようなゲームライブ配信システム1では、ゲームの実況動画を配信する配信者と当該実況動画を視聴する視聴者との間でコミュニケーションを可能とすべく、種々のコミュニケーション機能が実装されている。例えば、ゲームライブ配信システム1では、端末200にゲームの実況動画を表示させると共にチャット領域を表示させて、視聴者がコメント(チャット)により配信者とのコミュニケーションを図ることが可能になっている。さらに、視聴者から配信者に対してゲームライブ配信サービス上でギフトを贈ることが可能になっている。このようなギフトを視聴者が購入して配信者に贈ることにより、視聴者が好みの配信者を応援したり、コミュニケーションを図る際のきっかけにしたりすることができる。ゲームライブ配信サービスでは、配信者がプレイ中のゲームの実況動画を視聴者に配信し、視聴者は当該実況動画を視聴しながらコメントやギフトを配信者に提供する。
【0022】
ゲームライブ配信システム1では、視聴者がお気に入りの配信者を登録(フォロー)できる。一般的に、視聴者は、自身がフォローする配信者のファンを構成し、お気に入りの配信者を応援するモチベーションを有する。配信者は、自身のファンを増やすために実況配信を行うモチベーションを有する。また、ゲームライブ配信システム1では、配信者が得たギフトの量や総視聴時間(視聴者数×視聴時間)に応じて配信者に配信報酬が付与されてもよい。配信報酬は、一定の条件を満たす配信者が対象となり、ギフトの量や総視聴時間に応じて定まる配信時給に配信時間を乗じた金額が配信報酬として付与されてもよい。このような配信報酬により、配信者の配信のモチベーションをさらに高めることができる。
【0023】
(2)配信サーバ
図2は、本実施形態に係る配信サーバ100の構成を示す図である。配信サーバ100は、通信部110と、記憶部120と、処理部130とを有する。
【0024】
通信部110は、通信ネットワーク10に接続されるネットワークインターフェイスである。通信部110による通信は、有線通信であってもよいし、無線通信を含んでもよい。通信部110は、処理部130の制御下で、通信ネットワーク10を介して各端末200との通信を行う。
【0025】
記憶部120は、例えば、ROM(Read Only Memory)及び補助記憶装置等の種々のメモリを含んで構成される。処理部130により実行されるプログラム(ゲームライブ配信プログラム)は、例えば、記憶部120のROM及び/又は補助記憶装置に記憶されている。記憶部120は、ゲームライブ配信サービスに関する各種データベースを記憶する。本実施形態では、記憶部120が記憶するデータベースは、ユーザ情報データベース121と、ゲーム情報データベース122と、ギフト情報データベース123とを有する。
【0026】
ユーザ情報データベース121は、ゲームライブ配信サービスのユーザごとに、ユーザIDと、ニックネームと、所持コイン情報とを記憶する。ユーザIDは、ユーザのアカウント情報を構成し、ゲームライブ配信サービスで一意のID及び/又はオンラインゲーム内で一意のIDを含む。ニックネームは、ゲームライブ配信サービス及び/又はオンラインゲームで用いられるユーザの呼び名である。所持コイン情報は、ゲームライブ配信サービスで提供される各ゲームで利用可能な価値であって、ユーザが所持するゲーム通貨の情報である。コインは、換金が不可である。コインには、ゲームライブ配信サービスで所定条件が満たされること(例えば、サービスにログインすること)で得られる無償コインと、ゲームライブ配信サービス上で購入可能な有償コインとがある。ゲームライブ配信サービスで贈られる一般的なギフトは、視聴者がコインを消費することでギフトを購入することで行われる。また、コインは、ゲームライブ配信サービス上で用いるアバター及び/又はその衣装の購入にも利用可能であってもよい。
【0027】
ゲーム情報データベース122は、本実施形態に係るオンラインゲームに関する情報を記憶する。例えば、ゲーム情報データベース122は、各ゲームオブジェクトの描画データや、各プレイヤーに関する情報等を記憶する。
【0028】
ギフト情報データベース123は、配信者を応援するために視聴者から贈られる様々なギフトに関する情報を記憶する。すなわち、視聴者は、自身が所持するコインを消費して配信者にギフトを贈ることができる。
【0029】
処理部130は、1つ又は複数のプロセッサと、プロセッサのワークエリアとして用いるRAM(Random Access Memory)とにより構成される。本実施形態では、処理部130は、記憶部120に格納されているプログラムをRAMに展開して実行することにより、ゲーム提供部131、配信部132、及びゲーム制御部133として機能する。ゲーム提供部131、配信部132、及びゲーム制御部133のそれぞれは、記憶部120に格納されている情報を用いて情報処理を行う。
【0030】
ゲーム提供部131は、本実施形態に係るオンラインゲームを提供する。図3は、本実施形態に係るオンラインゲームのゲーム構造の一例を示す図である。
【0031】
図3に示すように、本実施形態に係るオンラインゲームは、プレイヤー(例えば、プレイヤーA)が別のプレイヤー(例えば、プレイヤーB)に勝利することで当該別のプレイヤーの保有アイテムを当該プレイヤーが奪取することが可能な対戦ゲーム(G4)を含む。当該別のプレイヤーの保有アイテムは、本実施形態に係るオンラインゲームにおいて、当該別のプレイヤーが獲得したゲーム内アイテムであって、オンラインゲーム内で希少価値を有するアイテムである。以下の実施形態の説明では、このようなゲーム内アイテムを「お宝」若しくは「お宝アイテム」とも称する。各プレイヤーは、例えば、ボスとのバトル(G3)に勝利する等の条件が満たされた場合にお宝アイテムを獲得できる。
【0032】
本実施形態に係る対戦ゲーム(G4)では、プレイヤー間で対戦して勝利したプレイヤーは、対戦に負けたプレイヤーが保有するお宝アイテムを奪取できる。すなわち、プレイヤー間でお宝アイテムを奪い合うことができる。各プレイヤーは、対戦ゲーム(G4)を活用し、より多くのお宝アイテムの獲得、例えば、全種類のお宝アイテムの獲得であるお宝コンプリート(G5)を目指してゲームを楽しむことができる。また、各プレイヤーは、ゲーム進行状況やバトル(対戦)の戦績に基づくランキング(G6)のランクを上げることを目指してゲームを楽しむことができる。
【0033】
本実施形態に係る対戦ゲーム(G4)は、本実施形態に係るオンラインゲームの一部を構成するゲームであってもよい。例えば、本実施形態に係るオンラインゲームは、メインのゲーム(「インゲーム」とも称する)と、サブのゲーム(「アウトゲーム」とも称する)とを含む。本実施形態に係る対戦ゲーム(G4)は、アウトゲームであってもよい。
【0034】
インゲームでは、各プレイヤーは、例えば、自身のキャラクターをバトル(G1)により育成(G2)し、育成したキャラクターにより各ステージのボスバトル(G3)に挑み、ボスバトル(G3)に勝利すると、お宝アイテムを獲得して次のステージ(G1)に進むことができる。
【0035】
これに対し、アウトゲーム(本実施形態に係る対戦ゲーム(G4))では、各プレイヤーは、自身の所望のお宝アイテムを保有する別のプレイヤーを選択し、プレイヤー間で対戦して勝利することで、当該別のプレイヤーのお宝アイテムを獲得(奪取)できる。
【0036】
本実施形態では、アウトゲーム(対戦ゲーム(G4))は、疑似PvP(Player versus Player)の形式で提供される。疑似PvPは、別のプレイヤーとの対戦を模倣したゲームであり、別のプレイヤーが実際にゲームプレイ中の状態でなくてもよい。例えば、別のプレイヤーは、オフラインの状態であってもよいし、本実施形態に係るオンラインゲームとは別のゲームをプレイしていてもよい。疑似PvPでは、各プレイヤーの能力値に基づくシンプルな操作(例えば、選択肢をタップするだけの操作)の対戦が行われる。
【0037】
図2に戻り、配信部132は、配信者によるオンラインゲームの実況動画を視聴者に対してライブ配信により配信する。ユーザは、自身がオンラインゲームを選択して実況動画の配信を開始することで配信者になる。一方、ユーザは、いずれかの配信者を選択して実況動画の視聴を開始することで視聴者になる。配信部132は、配信者の端末200aからオンラインゲームの実況動画(映像データ及び音声データ)を取得し、当該実況動画に対して各種の情報処理を行って当該実況動画を視聴者の端末200bに配信する。
【0038】
ゲーム制御部133は、配信者がプレイヤー(例えば、プレイヤーA)としてプレイする対戦ゲーム(G4)の実況動画を視聴する視聴者の状況に基づいて、ゲーム提供部131が提供する対戦ゲーム(G4)において配信者が勝利しやすくなるように制御する。これにより、対戦ゲーム(G4)における配信者と視聴者との一体感を高めることが可能になり、ゲームライブ配信の盛り上がりを醸成することが容易になる。
【0039】
図3に示すように、本実施形態に係る対戦ゲーム(G4)は、ボードゲームモード(M1)を含む。ボードゲームモード(M1)は、ゲーム空間に配置された対象オブジェクトを配信者が選択して同種の対象オブジェクトの組を揃える仮想ボードゲームを行うモードである。対戦ゲーム(G4)がボードゲームモード(M1)を含むことにより、単に対戦だけを行う場合に比べて、対戦ゲーム(G4)に面白みを追加できる。
【0040】
本実施形態に係る仮想ボードゲームは、カードゲーム、具体的には、神経衰弱ゲームである。その場合、対象オブジェクトは、カードオブジェクトである。このような神経衰弱ゲームは、プレイヤーの記憶力を必要とするゲームであり、伏せられたカードをゲーム空間でプレイヤーがオープンしていき、オープンしたカードが同種のカードの組(ペア)である場合に、当該組に応じた特典がプレイヤーに付与される。なお、カードオブジェクトの形状は、矩形に限らず、例えば多角形の形状又は円形の形状等であってもよい。
【0041】
ゲーム制御部133は、ボードゲームモード(M1)において、配信者による対象オブジェクトの選択を補助するためのコメントの投稿を視聴者から受け付け、当該コメントを配信者に提示してもよい。例えば、ゲーム制御部133は、視聴者が入力したコメントを端末200bから取得し、取得したコメントを配信者の端末200aに表示させる。神経衰弱ゲームは、プレイヤー(配信者)の記憶力を必要とするゲームであるが、視聴者が自信の記憶を頼りに配信者にアドバイスを与えることが可能になり、配信者と視聴者との一体感をより高めることが可能になる。
【0042】
ゲーム制御部133は、仮想ボードゲーム(本実施形態では、神経衰弱ゲーム)において配信者に有利な効果を生じさせる応援ギフトの配信者への贈与希望を視聴者から受け付けてもよい。その場合、ゲーム制御部133は、当該応援ギフトに応じた有利な効果を生じさせる。当該有利な効果は、神経衰弱ゲームにおける配信者の残り手数及び/又は残り時間を増加させる効果であってもよい。これにより、配信者は、視聴者の補助を受けて、神経衰弱ゲームにおける残り手数及び/又は残り時間を増加させることができるため、配信者と視聴者との一体感をより高めることが可能になる。
【0043】
当該有利な効果は、配信者が別のプレイヤーからの対戦(挑戦)を受ける際に利用可能な罠アイテムを配信者が取得することであってもよい。配信者は、ペナルティーの内容が異なる複数種類の罠カードのうちいずれかの罠カードをランダムに取得可能であってもよい。罠アイテムは、配信者のカードオブジェクトに対応付けることができる。別のプレイヤーは、罠アイテムが対応付けられたカードオブジェクトを選択すると、ペナルティーを受ける。ペナルティーは、ボードゲームモードの強制終了、カードオブジェクトのシャッフル、保有アイテムを奪取するために用いる獲得済みの鍵アイテムの減少の何れかである。
【0044】
ゲーム提供部131は、ボードゲームモード(M1)において、別のプレイヤーの保有アイテム(お宝アイテム)を配信者が奪取するために用いる第1アイテム(鍵アイテム)をカードオブジェクトに対応付けてもよい。ゲーム提供部131は、第1アイテム(鍵アイテム)が対応付けられたカードオブジェクトの組を配信者が選択して揃えた場合、第1アイテム(鍵アイテム)を配信者に付与してもよい。
【0045】
その後、ゲーム提供部131は、図3に示すリザルトモード(M3)において、別のプレイヤーの保有アイテム(お宝アイテム)を含む複数の特典が対応付けられた複数の選択肢のいずれかを第1アイテム(鍵アイテム)を用いて選択する操作を配信者から受け付ける。そして、ゲーム提供部131は、第1アイテム(鍵アイテム)を用いて選択された選択肢と対応付けられた特典を配信者に付与する。また、ゲーム提供部131は、第1アイテム(鍵アイテム)を用いて選択された選択肢と対応付けられた特典を配信者に付与するとともに、視聴者にも特典を付与してもよい。視聴者に付与される特典は、別のプレイヤーの保有アイテム(お宝アイテム)以外の特典であって、例えばゲーム内アイテムであってもよい。これにより、配信者と視聴者との一体感をより高めることができる。
【0046】
例えば、複数の特典が対応付けられた複数の選択肢は、それぞれ特典を格納する宝箱である。配信者は、複数の宝箱のいずれかを第1アイテム(鍵アイテム)を用いてオープンし、オープンした宝箱に格納された特典を獲得する。獲得される特典は、別のプレイヤーの保有アイテム(お宝アイテム)であり得る。配信者は、ボードゲームモード(M1)において獲得した第1アイテム(鍵アイテム)の数だけ、宝箱をオープンすることが可能である。
【0047】
或いは、ゲーム提供部131は、ボードゲームモード(M1)において、別のプレイヤーの保有アイテム(お宝アイテム)をカードオブジェクトに対応付けてもよい。その場合、ゲーム提供部131は、別のプレイヤーの保有アイテム(お宝アイテム)が対応付けられたカードオブジェクトの組を配信者が選択して揃えた場合、当該保有アイテム(お宝アイテム)を配信者に付与する。
【0048】
図3に示すように、本実施形態に係る対戦ゲーム(G4)は、配信者と別のプレイヤーとの対戦を行う対戦モード(M2)をさらに含む。対戦モード(M2)は、ボードゲームモード(M1)の結果と、配信者に対応する第1能力値(以下、単に「第1能力値」とも称する)及び別のプレイヤーに対応する第2能力値(以下、単に「第2能力値」とも称する)とに基づいて、配信者と別のプレイヤーとの対戦(疑似PvPの対戦)を行うモードである。ここで、能力値とは、プレイヤー又はその使用キャラクターの強さに影響を与えるパラメータであり、例えば、残り体力を示すヒットポイント(HP)、攻撃能力の高さを示す攻撃力、守備能力の高さを示す守備力、通常よりも高い攻撃力を発揮するクリティカル攻撃の確率(クリティカル率)、クリティカル攻撃の威力のうち少なくとも1つである。
【0049】
ゲーム提供部131は、ボードゲームモード(M1)において、第1能力値を上昇させる又は第2能力値を低下させる補助効果を生じさせる第2アイテム(補助アイテム)をカードオブジェクトに対応付けてもよい。ゲーム提供部131は、第2アイテム(補助アイテム)が対応付けられたカードオブジェクトの組を配信者が選択して揃えた場合、第2アイテム(補助アイテム)を配信者に付与してもよい。これにより、単に能力値だけが対戦モード(M2)における勝敗に影響を与えるのではなく、ボードゲームモード(M1)の結果も対戦モード(M2)における勝敗に影響するようになり、対戦ゲームの面白みを追加することが可能になる。
【0050】
ゲーム制御部133は、第2アイテム(補助アイテム)が対応付けられたカードオブジェクトに視聴者を対応付けてもよい。ゲーム制御部133は、第2アイテム(補助アイテム)及び視聴者が対応付けられたカードオブジェクトの組を配信者が選択して揃えた場合、ゲーム提供部131が第2アイテム(補助アイテム)を配信者に付与すると共に、ゲーム制御部133が視聴者のランクに応じて第2アイテム(補助アイテム)の補助効果を増大させてもよい。視聴者のランクとは、本実施形態に係るオンラインゲームにおける当該視聴者のプレイヤーとしてのランク(ランキングの順位)であってもよい。これにより、ゲーム習熟度の高い視聴者が応援する配信者は、第2アイテム(補助アイテム)による補助効果を増大させることができる。また、視聴者に対しては、プレイヤーとしてオンラインゲームをやり込むモチベーションを高めることができる。また、ゲーム制御部133は、視聴者の数に応じて、当該補助効果を増大させてもよい。例えば、ゲーム制御部133は、視聴者の数が多くなるにつれて、当該補助効果が大きくなるように制御してもよい。これにより、より多くの視聴者を集めるモチベーションを配信者に与えやすくなるとともに、多数の視聴者によりゲームが盛り上がりやすくなる。
【0051】
ゲーム提供部131は、対戦モード(M2)において配信者が勝利したことに応じて、別のプレイヤーの保有アイテム(お宝アイテム)を配信者が奪取するために用いる第1アイテム(鍵アイテム)を配信者に付与してもよい。その後、ゲーム提供部131は、リザルトモード(M3)において、当該保有アイテム(お宝アイテム)を含む複数の特典が対応付けられた複数の選択肢(複数の宝箱)のいずれかを第1アイテム(鍵アイテム)を用いて選択する操作を配信者から受け付け、第1アイテム(鍵アイテム)を用いて選択された選択肢(宝箱)と対応付けられた特典を配信者に付与してもよい。
【0052】
ゲーム制御部133は、第1能力値を上昇させる又は第2能力値を低下させる補助効果を生じさせる応援ギフトの配信者への贈与希望を視聴者から受け付けてもよい。ゲーム制御部133は、対戦モード(M2)において、当該応援ギフトに応じた補助効果を生じさせてもよい。例えば、視聴者は、対戦モード(M2)中に、配信者を応援するために当該応援ギフトを配信者に贈ることで、配信者が対戦モード(M2)で勝利しやすくなり、配信者と視聴者との一体感をより高めることが可能になる。また、ゲーム制御部133は、応援ギフトに応じた補助効果を、視聴者の数に応じて調整してもよい。例えば、ゲーム制御部133は、視聴者の数が多くなるにつれて、当該補助効果が大きくなるように制御してもよい。これにより、より多くの視聴者を集めるモチベーションを配信者に与えやすくなるとともに、多数の視聴者によりゲームが盛り上がりやすくなる。
【0053】
ゲーム提供部131は、配信者がライブ配信を行う場合、配信者がライブ配信を行わない場合に比べて、第1能力値を上昇させる又は第2能力値を低下させてもよい。配信者は、実況動画をライブ配信せずに、単にプレイヤーとしてオンラインゲームをプレイするという選択肢を有する。しかしながら、配信者がライブ配信を行う場合には、第1能力値を上昇させる又は第2能力値を低下させるような特典を配信者に付与することで、配信者が実況動画をライブ配信するモチベーションを高めることができる。
【0054】
ゲーム提供部131は、複数のプレイヤーによって形成されるグループ(「同盟」又は「ギルド」と称されることもある)を管理してもよい。ゲーム制御部133は、配信者と同じグループに属する視聴者による配信者への補助効果を、配信者と異なるグループに属する視聴者による配信者への補助効果よりも高くするよう制御する。すなわち、同じグループ(同じ同盟)に所属するユーザ間では、視聴時の補助効果(いわゆる、バフ)が強化される。
【0055】
ゲーム提供部131は、ボードゲームモード(M1)において、配信者に不利な効果を生じさせるアイテムであって別のプレイヤーにより設定された第3アイテム(罠アイテム)をカードオブジェクトに対応付けてもよい。ゲーム提供部131は、第3アイテム(罠アイテム)が対応付けられたカードオブジェクトを配信者が選択した場合、配信者に不利な効果を生じさせてもよい。例えば、不利な効果は、ボードゲームモード(M1)の強制終了、カードオブジェクトのシャッフル、ボードゲームモード(M1)の残り手数又は残り時間の減少、獲得済みの第1アイテム(鍵アイテム)の減少のうち、少なくとも1つであってもよい。
【0056】
ゲーム提供部131は、各プレイヤーをその保有アイテム(お宝アイテム)と対応付けて示す対戦相手の候補表示画面(対戦者リスト画面)を各プレイヤーに提示してもよい。ゲーム提供部131は、ライブ配信中の配信者を他のプレイヤーが候補表示画面(対戦者リスト画面)で選択できないように制御してもよい。これにより、配信者は、少なくともライブ配信中は疑似PvPの選択肢に出ないようになり、自身の保有アイテム(お宝アイテム)を守ることができる。
【0057】
(3)対戦ゲームの動作の一例
図4乃至図13を参照して、本実施形態に係る対戦ゲーム(G4)の動作の一例について説明する。
【0058】
(3.1)事前動作の一例
まず、本実施形態に係る対戦ゲーム(G4)における事前動作の一例について説明する。この事前動作は、ボードゲームモード(M1)に先立って行われる動作である。
【0059】
図4は、配信者の端末200a(及び視聴者の端末200b)で表示されるお宝シリーズ画面の一例を示す図である。配信サーバ100は、このような画面を配信者の端末200a(及び視聴者の端末200b)に表示させる。
【0060】
図4に示す画面は、視聴者から投稿されるコメントが表示されるチャット欄A1と、インゲームについて表示する領域A2と、アウトゲームであるお宝シリーズを選択するための領域A3乃至A5とを有する。お宝シリーズでは、複数のお宝(図示の例では、7つのお宝)が用意されており、プレイヤーは各お宝シリーズにおける全てのお宝を獲得する(すなわち、コンプリートする)ことを目的として各お宝シリーズをプレイする。
【0061】
図示の例では、3つのお宝シリーズに対応する3つの領域A3乃至A5が表示されている。領域A3は、「お宝AAAシリーズ」に対応する領域であり、当該シリーズの全てのお宝が獲得済みであることを示す「complete」が表示されている。領域A4は、「お宝BBBシリーズ」に対応する領域であり、当該シリーズにおける「5/7」のお宝が獲得済みであることが示されている。領域A5は、「お宝CCCシリーズ」に対応する領域であり、当該シリーズにおける「1/7」のお宝が獲得済みであることが示されている。ここでは、配信者が領域A4の「お宝BBBシリーズ」を選択(タップ)したものとして説明を進める。
【0062】
図5は、配信者の端末200a(及び視聴者の端末200b)で表示されるお宝リスト画面の一例を示す図である。配信サーバ100は、このような画面を配信者の端末200a(及び視聴者の端末200b)に表示させる。
【0063】
配信者が図4の「お宝BBBシリーズ」を選択(タップ)すると、図5に示す画面に遷移する。図5に示す画面は、「お宝BBBシリーズ」における各お宝を示すアイコンからなるお宝リストを表示する領域B1を有する。各アイコンに付されている「1」又は「0」の数字は、自プレイヤー(配信者)が保有しているお宝の数を表している。ここでは、配信者は、「1」が付されたアイコン(すなわち、保有しているお宝)を選択(タップ)したものとする。
【0064】
図6は、配信者の端末200a(及び視聴者の端末200b)で表示されるお宝個別画面の一例を示す図である。配信サーバ100は、このような画面を配信者の端末200a(及び視聴者の端末200b)に表示させる。
【0065】
配信者が図5において「1」が付されたアイコン(すなわち、自身が保有しているお宝)を選択した場合、図6に示す画面に遷移する。図6に示す画面は、選択されたお宝について表示する領域C1を有する。この画面において、配信者は、当該お宝が別のプレイヤーに奪取されることを妨害するための罠(罠アイテム)を設定できる。
【0066】
図示の例では、「罠1」及び「罠2」の2種類の罠が用意されており、配信者は、各罠を個別に選択して設定(ON/OFF)できる。各罠の所持数が「99」であり、配信者が罠を設定する又は当該罠が実際に使用されると、当該罠が消費される。「罠1」は、「罠2」に比べて強いペナルティーを課すものであってもよい。例えば、「罠1」は、神経衰弱ゲーム(ボードゲームモード)を強制的に終了させるものであってもよい。「罠2」は、カードオブジェクトのシャッフル、手数の減少、残り時間の減少、鍵(鍵アイテム)を1個失う、といったペナルティーのうち、いずれかをランダムに発生させるものであってもよい。
【0067】
図7は、配信者の端末200a(及び視聴者の端末200b)で表示されるお宝リスト画面の他の例を示す図である。配信サーバ100は、このような画面を配信者の端末200a(及び視聴者の端末200b)に表示させる。図7に示す画面は、「お宝BBBシリーズ」における各お宝を示すアイコンからなるお宝リストを表示する領域D1を有する。ここでは、配信者は、「0」が付されたアイコン(すなわち、自身が保有していないお宝)を選択(タップ)したものとする。
【0068】
図8は、配信者の端末200a(及び視聴者の端末200b)で表示される対戦者リスト画面の一例を示す図である。配信サーバ100は、このような画面を配信者の端末200a(及び視聴者の端末200b)に表示させる。
【0069】
配信者が図7において「0」が付されたアイコン(すなわち、自身が保有していないお宝)を選択した場合、図8に示す画面に遷移する。図8に示す画面は、当該お宝を保有している複数の別プレイヤーをリスト状に表示する領域E1を有する。領域E1は、当該お宝を保有している別のプレイヤーの情報をその強さ(強い、普通、弱い)順に表示している。ここでは、配信者が「対戦者名B」を選択(タップ)したものとして説明を進める。その場合、「対戦者名B」を対戦相手としたボードゲームモード(M1)に遷移する。
【0070】
なお、配信サーバ100は、図8に示す対戦者リスト画面において、対戦ゲーム(G4)をライブ配信中の別のプレイヤーを表示しないことで、当該別のプレイヤーが選択できないようにする。
【0071】
(3.2)ボードゲームモードの動作の一例
次に、本実施形態に係る対戦ゲーム(G4)におけるボードゲームモード(M1)の動作の一例について説明する。
【0072】
図9は、配信者の端末200a(及び視聴者の端末200b)で表示される神経衰弱画面の一例を示す図である。配信サーバ100は、このような画面を配信者の端末200a(及び視聴者の端末200b)に表示させる。
【0073】
図9に示す画面は、複数のカードオブジェクトを表示する領域F1を有する。図示の例では、カードオブジェクトが縦3×横5の合計15枚である。神経衰弱ゲームの開始時には、全てのカードオブジェクトが伏せられた状態(クローズ状態)であるが、説明の便宜上、全てのカードオブジェクトがオープンされた状態(オープン状態)を図示している。
【0074】
図示の例では、神経衰弱の手数が「10」であり、残り時間(制限時間)が「60秒」である。手数は、プレイヤーが2枚のカードオブジェクトを選択してオープンすると、1手としてカウントされる。但し、罠又はスカを選択してオープンした場合は1枚目であっても終了し、1手としてカウントされる。制限時間切れ、又は残り手数がゼロになると、「バトル」ボタンが表示され、「バトル」ボタンが選択(タップ)されると対戦モード(M2)に遷移する。
【0075】
カードオブジェクトには次の1)乃至4)の4つのタイプがあるが、各カードオブジェクトがランダムに配置される。
【0076】
1)鍵アイテムが対応付けられたカードオブジェクト(鍵カード):
図示の例では、鍵アイテムが「鍵1」乃至「鍵3」の3種類である。そのため、鍵アイテムが対応付けられたカードオブジェクトは、合計で6枚であり得る。
【0077】
2)補助アイテムが対応付けられたカードオブジェクト(補助カード):
補助アイテムとしては、図10に示す6種類がある。これらの6種類のうち、例えば、3種類又は4種類の補助アイテムがカードオブジェクトに対応付けられる。そのため、補助アイテムが対応付けられたカードオブジェクトは、合計で6枚又は8枚であり得る。
【0078】
3)罠アイテムが対応付けられたカードオブジェクト(罠カード):
罠アイテムとしては、例えば、上述の「罠1」及び「罠2」の2種類がある。「罠1」は、神経衰弱ゲーム(ボードゲームモード)を強制的に終了させるものであってもよい。「罠2」は、カードオブジェクトのシャッフル、手数の減少、残り時間の減少、鍵(鍵アイテム)を1個失う、といったペナルティーのうち、いずれかをランダムに発生させるものであってもよい。罠アイテムが対応付けられたカードオブジェクトは、合計で0枚乃至2枚であり得る。
【0079】
4)何も対応付けられていないカードオブジェクト(スカ):
何も対応付けられていないカードオブジェクト(スカ)は、合計で0枚乃至1枚であり得る。
【0080】
配信者(プレイヤー)は、一般的な神経衰弱ゲームに従い、伏せられたカードオブジェクトをオープンしていき、オープンしたカードが同種のカードの組(ペア)である場合に、当該組に応じた特典(すなわち、鍵アイテム又は補助アイテム)を獲得できる。
【0081】
配信サーバ100は、配信者による対象オブジェクトの選択を補助するためのコメントの投稿を視聴者から受け付け、当該コメントを領域F2において配信者に提示してもよい。神経衰弱ゲームは、プレイヤー(配信者)の記憶力を必要とするゲームであるが、視聴者が自信の記憶を頼りに配信者にアドバイスを与えることが可能である。
【0082】
配信サーバ100は、神経衰弱ゲームにおいて、配信者に有利な効果を生じさせる応援ギフトの配信者への贈与希望を視聴者から受け付け、当該応援ギフトに応じた有利な効果を生じさせてもよい。当該有利な効果は、神経衰弱ゲームにおける配信者の残り手数及び/又は残り時間を増加させる効果であってもよい。
【0083】
このようにして、配信サーバ100は、神経衰弱ゲームにおいて、鍵アイテムが対応付けられたカードオブジェクトの組を配信者が選択して揃えた場合、当該鍵アイテムを配信者に付与する。
【0084】
また、配信サーバ100は、神経衰弱ゲームにおいて、第1能力値を上昇させる又は第2能力値を低下させる補助効果を生じさせる補助アイテムをカードオブジェクトに対応付ける。配信サーバ100は、補助アイテムが対応付けられたカードオブジェクトの組を配信者が選択して揃えた場合、補助アイテムを配信者に付与する。
【0085】
図11は、配信者の端末200a(及び視聴者の端末200b)で表示される神経衰弱画面の他の例を示す図である。配信サーバ100は、このような画面を配信者の端末200a(及び視聴者の端末200b)に表示させる。
【0086】
配信サーバ100は、配信者の実況動画を視聴する視聴者が存在する前提下で、神経衰弱ゲームの開始時に視聴者の中から3名を抽選で選出する。そして、配信サーバ100は、選出した視聴者を補助カードのいずれか3枚に対応付け(割り当て)、当該視聴者を表すアイコンを当該補助カードに付与する。
【0087】
なお、当該アイコンは、対応する視聴者のランクに応じて表示態様が異なっていてもよい。例えば、ランクが高い視聴者については、豪華な枠で表示したり、エフェクトを付けたりする。これにより、視聴者がランキングを上げるモチベーションを高めることができる。
【0088】
配信サーバ100は、視聴者のアイコンを含む補助カードの組(ペア)を配信者が選択して揃えた場合、当該補助アイテムを配信者に付与すると共に、当該視聴者のランクに応じて補助アイテムの補助効果を増大させる。具体的には、図12に示すように、視聴者のランクが高いほど、補助アイテムの補助効果を増大させる。
【0089】
(3.3)対戦モードの動作の一例
次に、本実施形態に係る対戦ゲーム(G4)における対戦モード(M2)の動作の一例について説明する。
【0090】
図13は、配信者の端末200a(及び視聴者の端末200b)で表示される対戦画面の一例を示す図である。配信サーバ100は、このような画面を配信者の端末200a(及び視聴者の端末200b)に表示させる。
【0091】
図13に示す画面は、配信者と別のプレイヤーとの対戦状況を表示する領域H1と、獲得済みの補助カードによる補助効果及び応援ギフトによる補助効果について表示する領域H2とを有する。
【0092】
配信サーバ100は、対戦モード(M2)では、神経衰弱ゲームの結果と、第1能力値(攻撃者である配信者に対応する能力値)及び第2能力値(防衛側である別のプレイヤーに対応する能力値)とに基づいて、配信者と別のプレイヤーとの対戦(疑似PvPの対戦)の進行を行う。図示の例では、対戦時間(制限時間)は30秒であり、この時間内にHPがゼロになる又は制限時間の経過時にHPが少ない方が敗者になる。配信者は、勝者になることで鍵を1本獲得できる。
【0093】
配信サーバ100は、領域H2において、対戦の開始に先立ち、神経衰弱ゲームで配信者が獲得した補助アイテムに応じて補助効果を生じさせて、第1能力値を上昇させる及び/又は第2能力値を低下させる。
【0094】
また、配信サーバ100は、視聴者から応援ギフトが贈られた場合、領域H2において、当該応援ギフトによる補助効果について表示し、当該応援ギフトに応じて補助効果を生じさせる(第1能力値を上昇させる及び/又は第2能力値を低下させる)。当該応援ギフトは、例えば、攻撃者である配信者側の攻撃力をアップさせる補助効果、防衛側である別のプレイヤー側にHP10%の固定ダメージを与える補助効果、制限時間を延長する補助効果、配信者側のHPを回復する補助効果のうち、少なくとも1つの補助効果を生じさせてもよい。例えば、対戦の状況が拮抗している場合に視聴者が応援ギフトを贈ることにより、配信者が勝利しやすくなる。
【0095】
(3.4)リザルトモードの動作の一例
次に、本実施形態に係る対戦ゲーム(G4)におけるリザルトモード(M3)の動作の一例について説明する。上述のように、配信サーバ100は、ボードゲームモード(M1)で配信者が鍵カードの組を揃えたことに応じて、鍵アイテムを配信者に付与する。また、配信サーバ100は、対戦モード(M2)において配信者が勝利したことに応じて、鍵アイテムを配信者に付与する。対戦モード(M2)において配信者が勝利すると、リザルトモード(M3)に遷移し、対戦した別のプレイヤーが保有するお宝アイテムを配信者が獲得(奪取)することが可能になる。
【0096】
図14は、配信者の端末200a(及び視聴者の端末200b)で表示される対戦リザルト画面の一例を示す図である。配信サーバ100は、このような画面を配信者の端末200a(及び視聴者の端末200b)に表示させる。
【0097】
図14に示す画面は、配信者が対戦した別のプレイヤーが保有するお宝アイテムを含む特典が格納された複数の宝箱を表示する領域J1を有する。図示の例では、4つの宝箱(金庫)が表示されている。ボードゲームモード(M1)で配信者が最大で3つの鍵を獲得でき、対戦モード(M2)の勝利により配信者が1つの鍵を獲得できる。そのため、配信者は、最大で4つの鍵を獲得でき、その場合は全ての宝箱をオープンできる。各宝箱の中身は、目的のお宝、強化素材、又はコインであってもよい。配信サーバ100は、配信者が鍵を用いてオープンした宝箱に格納された特典を配信者に付与する。
【0098】
(4)他の実施形態
上述の実施形態では、ボードゲームモード(M1)における仮想ボードゲームが神経衰弱ゲームである一例について説明した。しかしながら、仮想ボードゲームは、神経衰弱ゲームとは異なるカードゲーム、例えば、ポーカーゲームであってもよい。その場合、プレイヤーは、自身にランダムにカードオブジェクトが配布され、配布されたカードオブジェクトの中に同種のカードオブジェクトの組がある場合に、当該組に応じた特典がプレイヤーに付与されてもよい。或いは、仮想ボードゲームは、カードゲーム以外のボードゲームであってもよい。例えば、仮想ボードゲームは、ビンゴゲームであってもよい。プレイヤーは、行列状に配置され、それぞれ番号が付与されたオブジェクトのうち、ランダムに選ばれた番号に対応するオブジェクトを選択してオープンしていき、同じ行(横方向)又は同じ列(縦方向)でオブジェクトがすべてオープンされて揃った場合や、斜め方向でオブジェクトがすべてオープンされて揃った場合、プレイヤーに特典が付与されてもよい。或いは、仮想ボードゲームは、スロットゲームであってもよい。プレイヤーは、仮想スロットマシーンを所定回数だけ回して、同種のオブジェクトが揃った場合に、プレイヤーに特典が付与されてもよい。
【0099】
上述の実施形態における動作フロー及び動作例は、必ずしもフロー図又はシーケンス図に記載された順序に沿って時系列に実行されなくてよい。例えば、動作におけるステップは、フロー図又はシーケンス図として記載した順序と異なる順序で実行されても、並列的に実行されてもよい。また、動作におけるステップの一部が削除されてもよく、さらなるステップが処理に追加されてもよい。また、上述の実施形態における動作フロー及び動作例は、別個独立に実施してもよいし、2以上の動作フロー及び動作例を組み合わせて実施してもよい。例えば、1つの動作フローの一部のステップを他の動作フローに追加してもよいし、1つの動作フローの一部のステップを他の動作フローの一部のステップと置換してもよい。
【0100】
上述の実施形態に係る動作をコンピュータに実行させるプログラムが提供されてもよい。プログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、コンピュータにプログラムをインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD-ROMやDVD-ROM等の記録媒体であってもよい。
【0101】
本開示で使用されている「に基づいて(based on)」、「に応じて(depending on/in response to)」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」、「のみに応じて」を意味しない。「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」及び「に少なくとも部分的に基づいて」の両方を意味する。同様に、「に応じて」という記載は、「のみに応じて」及び「に少なくとも部分的に応じて」の両方を意味する。「含む(include)」、「備える(comprise)」、及びそれらの変形の用語は、列挙する項目のみを含むことを意味せず、列挙する項目のみを含んであってもよいし、列挙する項目に加えてさらなる項目を含んであってもよいことを意味する。また、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。さらに、本開示で使用されている「第1」、「第2」等の呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定するものではない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本明細書で使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみがそこで採用され得ること、又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。本開示において、例えば、英語でのa,an,及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、これらの冠詞は、文脈から明らかにそうではないことが示されていなければ、複数のものを含むものとする。
【0102】
以上、図面を参照して実施形態について詳しく説明したが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【0103】
(5)付記
上述の実施形態に関する特徴について付記する。
【0104】
(付記1)
配信者によるゲームの実況動画を視聴者に対してライブ配信により配信するためのゲームライブ配信システムであって、
プレイヤーが別のプレイヤーに勝利することで前記別のプレイヤーの保有アイテムを前記プレイヤーが奪取することが可能な対戦ゲームを提供するゲーム提供部と、
前記配信者が前記プレイヤーとしてプレイする前記対戦ゲームの実況動画を視聴する前記視聴者の状況に基づいて、前記対戦ゲームにおいて前記配信者が勝利しやすくなるように制御するゲーム制御部と、を備える
ゲームライブ配信システム。
【0105】
(付記2)
前記対戦ゲームは、ゲーム空間に配置された対象オブジェクトを前記配信者が選択して同種の対象オブジェクトの組を揃える仮想ボードゲームを行うボードゲームモードを含む
付記1に記載のゲームライブ配信システム。
【0106】
(付記3)
前記ゲーム制御部は、
前記仮想ボードゲームにおいて前記配信者に有利な効果を生じさせる応援ギフトの前記配信者への贈与希望を前記視聴者から受け付け、
前記応援ギフトに応じた前記有利な効果を生じさせる
付記2に記載のゲームライブ配信システム。
【0107】
(付記4)
前記ゲーム制御部は、前記ボードゲームモードにおいて、
前記配信者による前記対象オブジェクトの選択を補助するためのコメントの投稿を前記視聴者から受け付け、
前記コメントを前記配信者に提示する
付記2又は3に記載のゲームライブ配信システム。
【0108】
(付記5)
前記ゲーム提供部は、前記ボードゲームモードにおいて、
前記保有アイテムを前記配信者が奪取するために用いる第1アイテムを対象オブジェクトに対応付け、
前記第1アイテムが対応付けられた対象オブジェクトの組を前記配信者が選択して揃えた場合、前記第1アイテムを前記配信者に付与する
付記2乃至4のいずれかに記載のゲームライブ配信システム。
【0109】
(付記6)
前記ゲーム提供部は、
前記保有アイテムを含む複数の特典が対応付けられた複数の選択肢のいずれかを前記第1アイテムを用いて選択する操作を前記配信者から受け付け、
前記第1アイテムを用いて選択された選択肢と対応付けられた特典を前記配信者に付与する
付記5に記載のゲームライブ配信システム。
【0110】
(付記7)
前記ゲーム提供部は、前記第1アイテムを用いて選択された選択肢と対応付けられた特典を前記配信者に付与するとともに、前記視聴者にも特典を付与する
付記6に記載のゲームライブ配信システム。
【0111】
(付記8)
前記ゲーム提供部は、前記ボードゲームモードにおいて、
前記保有アイテムを対象オブジェクトに対応付け、
前記保有アイテムが対応付けられた対象オブジェクトの組を前記配信者が選択して揃えた場合、前記保有アイテムを前記配信者に付与する
付記2乃至4のいずれかに記載のゲームライブ配信システム。
【0112】
(付記9)
前記対戦ゲームは、前記ボードゲームモードの結果と、前記配信者に対応する第1能力値及び前記別のプレイヤーに対応する第2能力値とに基づいて、前記配信者と前記別のプレイヤーとの対戦を行う対戦モードをさらに含む
付記2乃至8のいずれかに記載のゲームライブ配信システム。
【0113】
(付記10)
前記ゲーム提供部は、前記ボードゲームモードにおいて、
前記第1能力値を上昇させる又は前記第2能力値を低下させる補助効果を生じさせる第2アイテムを対象オブジェクトに対応付け、
前記第2アイテムが対応付けられた対象オブジェクトの組を前記配信者が選択して揃えた場合、前記第2アイテムを前記配信者に付与する
付記9に記載のゲームライブ配信システム。
【0114】
(付記11)
前記ゲーム制御部は、前記第2アイテムが対応付けられた対象オブジェクトに前記視聴者を対応付け、
前記第2アイテム及び前記視聴者が対応付けられた対象オブジェクトの組を前記配信者が選択して揃えた場合、前記ゲーム提供部が前記第2アイテムを前記配信者に付与すると共に、前記ゲーム制御部が前記視聴者のランクに応じて前記補助効果を増大させる
付記10に記載のゲームライブ配信システム。
【0115】
(付記12)
前記ゲーム制御部は、前記視聴者の数に応じて、前記補助効果を増大させる
付記10又は11に記載のゲームライブ配信システム。
【0116】
(付記13)
前記ゲーム提供部は、
前記対戦モードにおいて前記配信者が勝利したことに応じて、前記保有アイテムを前記配信者が奪取するために用いる第1アイテムを前記配信者に付与し、
前記保有アイテムを含む複数の特典が対応付けられた複数の選択肢のいずれかを前記第1アイテムを用いて選択する操作を前記配信者から受け付け、
前記第1アイテムを用いて選択された選択肢と対応付けられた特典を前記配信者に付与する
付記9乃至12のいずれかに記載のゲームライブ配信システム。
【0117】
(付記14)
前記ゲーム制御部は、
前記第1能力値を上昇させる又は前記第2能力値を低下させる補助効果を生じさせる応援ギフトの前記配信者への贈与希望を前記視聴者から受け付け、
前記対戦モードにおいて、前記応援ギフトに応じた前記補助効果を生じさせる
付記9乃至13のいずれかに記載のゲームライブ配信システム。
【0118】
(付記15)
前記ゲーム制御部は、前記応援ギフトに応じた前記補助効果を、前記視聴者の数に応じて調整する
付記14に記載のゲームライブ配信システム。
【0119】
(付記16)
前記ゲーム提供部は、前記配信者が前記ライブ配信を行う場合、前記配信者が前記ライブ配信を行わない場合に比べて、前記第1能力値を上昇させる又は前記第2能力値を低下させる
付記9乃至15のいずれかに記載のゲームライブ配信システム。
【0120】
(付記17)
前記ゲーム提供部は、複数のプレイヤーによって形成されるグループを管理し、
前記ゲーム制御部は、前記配信者と同じグループに属する前記視聴者による前記配信者への補助効果を、前記配信者と異なるグループに属する前記視聴者による前記配信者への補助効果よりも高くするよう制御する
付記9乃至16のいずれかに記載のゲームライブ配信システム。
【0121】
(付記18)
前記ゲーム提供部は、前記ボードゲームモードにおいて、
前記配信者に不利な効果を生じさせるアイテムであって前記別のプレイヤーにより設定された第3アイテムを対象オブジェクトに対応付け、
前記第3アイテムが対応付けられた対象オブジェクトを前記配信者が選択した場合、前記配信者に不利な効果を生じさせる
付記2乃至17のいずれかに記載のゲームライブ配信システム。
【0122】
(付記19)
前記不利な効果は、前記ボードゲームモードの強制終了、前記対象オブジェクトのシャッフル、前記ボードゲームモードの残り手数又は残り時間の減少、前記保有アイテムを前記配信者が奪取するために用いる獲得済みの第1アイテムの減少のうち、少なくとも1つである
付記18に記載のゲームライブ配信システム。
【0123】
(付記20)
前記ゲーム提供部は、
各プレイヤーをその保有アイテムと対応付けて示す対戦相手の候補表示画面を各プレイヤーに提示し、
前記ライブ配信中の前記配信者を他のプレイヤーが前記候補表示画面で選択できないように制御する
付記1乃至19のいずれかに記載のゲームライブ配信システム。
【0124】
(付記21)
配信者によるゲームの実況動画を視聴者に対してライブ配信により配信するためのプログラムであって、コンピュータを、
プレイヤーが別のプレイヤーに勝利することで前記別のプレイヤーの保有アイテムを前記プレイヤーが奪取することが可能な対戦ゲームを提供するゲーム提供部と、
前記配信者が前記プレイヤーとしてプレイする前記対戦ゲームの実況動画を視聴する前記視聴者の状況に基づいて、前記対戦ゲームにおいて前記配信者が勝利しやすくなるように制御するゲーム制御部と、として機能させる
プログラム。
【符号の説明】
【0125】
1 :ゲームライブ配信システム
10 :通信ネットワーク
100 :配信サーバ
110 :通信部
120 :記憶部
121 :ユーザ情報データベース
122 :ゲーム情報データベース
123 :ギフト情報データベース
130 :処理部
131 :ゲーム提供部
132 :配信部
133 :ゲーム制御部
200 :端末
【要約】
【課題】対戦ゲームにおける配信者と視聴者との一体感を高めてゲームライブ配信の盛り上がりを醸成することを可能とする。
【課題手段】配信者によるゲームの実況動画を視聴者に対してライブ配信により配信するためのゲームライブ配信システムは、プレイヤーが別のプレイヤーに勝利することで前記別のプレイヤーの保有アイテムを前記プレイヤーが奪取することが可能な対戦ゲームを提供するゲーム提供部と、前記配信者が前記プレイヤーとしてプレイする前記対戦ゲームの実況動画を視聴する前記視聴者の状況に基づいて、前記対戦ゲームにおいて前記配信者が勝利しやすくなるように制御するゲーム制御部と、を備える。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
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図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図14