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特許7534869事故予測方法、コンピュータプログラム及び事故予測装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-06
(45)【発行日】2024-08-15
(54)【発明の名称】事故予測方法、コンピュータプログラム及び事故予測装置
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20240807BHJP
   G08G 1/01 20060101ALI20240807BHJP
   G08G 1/13 20060101ALN20240807BHJP
【FI】
G08G1/00 A
G08G1/01 E
G08G1/13
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020086643
(22)【出願日】2020-05-18
(65)【公開番号】P2021182189
(43)【公開日】2021-11-25
【審査請求日】2023-03-15
(73)【特許権者】
【識別番号】390034463
【氏名又は名称】株式会社オリエンタルコンサルタンツ
(73)【特許権者】
【識別番号】517255566
【氏名又は名称】株式会社エクサウィザーズ
(73)【特許権者】
【識別番号】504147254
【氏名又は名称】国立大学法人愛媛大学
(73)【特許権者】
【識別番号】505389695
【氏名又は名称】首都高速道路株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】田中 淳
(72)【発明者】
【氏名】泉 典宏
(72)【発明者】
【氏名】後藤 秀典
(72)【発明者】
【氏名】城所 貴之
(72)【発明者】
【氏名】チャタクリ スバス
(72)【発明者】
【氏名】吉井 稔雄
(72)【発明者】
【氏名】坪田 隆宏
(72)【発明者】
【氏名】田畑 大
【審査官】▲高▼木 真顕
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-035639(JP,A)
【文献】特開2008-165604(JP,A)
【文献】特開2018-018214(JP,A)
【文献】特開2013-214225(JP,A)
【文献】特開2017-084268(JP,A)
【文献】特開2019-079117(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路の所定区間に係る時系列の交通情報と前記所定区間での事故の有無に係る時系列の事故情報とが対応付けられた学習用データを用いて予め機械学習がなされ、時系列の前記交通情報を入力として受け付けて前記事故情報を出力する学習モデルを備える情報処理装置が、
前記交通情報を取得し、
取得した前記交通情報から、所定時点以前の時系列の前記交通情報を前記学習モデルへ入力し、
前記学習モデルが出力する前記事故情報を取得し、
取得した前記事故情報に基づいて、前記所定時点より後の前記所定区間における事故発生確率を予測し、
前記所定区間の事故発生に係る実績値として過去の事故発生確率を取得し、
前記事故発生確率の予測値と共に、取得した前記実績値を出力する、
事故予測方法。
【請求項2】
道路の所定区間に係る時系列の交通情報と前記所定区間での事故の有無に係る時系列の事故情報とが対応付けられた学習用データを用いて予め機械学習がなされ、時系列の前記交通情報を入力として受け付けて前記事故情報を出力する学習モデルを備える情報処理装置が、
前記交通情報を取得し、
取得した前記交通情報から、所定時点以前の時系列の前記交通情報を前記学習モデルへ入力し、
前記学習モデルが出力する前記事故情報を取得し、
取得した前記事故情報に基づいて、前記所定時点より後の前記所定区間における事故発生確率を予測し、
前記所定区間の事故発生に係る実績値として過去の事故発生確率を取得し、
前記事故発生確率の予測値と共に、取得した前記実績値及び前記予測値の関連性を示す情報を出力する、
事故予測方法。
【請求項3】
道路の所定区間に係る時系列の交通情報と前記所定区間での事故の有無に係る時系列の事故情報とが対応付けられた学習用データを用いて予め機械学習がなされ、時系列の前記交通情報を入力として受け付けて前記事故情報を出力する学習モデルを備える情報処理装置が、
前記交通情報を取得し、
取得した前記交通情報から、所定時点以前の時系列の前記交通情報を前記学習モデルへ入力し、
前記学習モデルが出力する前記事故情報を取得し、
取得した前記事故情報に基づいて、前記所定時点より後の前記所定区間における事故発生確率を予測し、
予測した前記事故発生確率を記憶し、
前記事故発生確率の予測値と共に、記憶した複数の前記事故発生確率の平均値に対する前記予測値の倍率を出力する、
事故予測方法。
【請求項4】
前記情報処理装置は、事故の種別毎に用意された前記学習用データを用いて機械学習がなされた複数の事故種別毎の学習モデルを備え、
前記情報処理装置が、
所定時点以前の時系列の前記交通情報を複数の前記学習モデルへそれぞれ入力し、
複数の前記学習モデルが出力する前記事故情報をそれぞれ取得し、
取得した複数の前記事故情報に基づいて、前記所定時点より後の前記所定区間における事故種別毎の事故発生確率を予測する、
請求項1から請求項3までのいずれか1つに記載の事故予測方法。
【請求項5】
前記情報処理装置は、前記交通情報及び前記事故情報と時系列的な気象情報とが対応付けられた学習用データを用いて機械学習がなされた学習モデルを備え、
前記情報処理装置が、
前記気象情報を時系列に取得し、
所定時点以前の時系列の前記交通情報及び前記気象情報を前記学習モデルへ入力する、
請求項1から請求項4までのいずれか1つに記載の事故予測方法。
【請求項6】
前記情報処理装置は、前記交通情報及び前記事故情報と暦情報とが対応付けられた学習用データを用いて機械学習がなされた学習モデルを備え、
前記情報処理装置が、
前記暦情報を取得し、
所定時点以前の時系列の前記交通情報及び前記所定時点の前記暦情報を前記学習モデルへ入力する、
請求項1から請求項5までのいずれか1つに記載の事故予測方法。
【請求項7】
前記交通情報には、前記所定区間の道路と、該所定区間の周辺道路とに係る情報を含む、
請求項1から請求項6までのいずれか1つに記載の事故予測方法。
【請求項8】
予測した前記事故発生確率を記憶し、
前記事故発生確率の予測値と共に、記憶した複数の前記事故発生確率の平均値を出力する、
請求項1から請求項7までのいずれか1つに記載の事故予測方法。
【請求項9】
コンピュータに、
道路の所定区間に係る時系列の交通情報と前記所定区間での事故の有無に係る時系列の事故情報とが対応付けられた学習用データを用いて予め機械学習がなされ、時系列の前記交通情報を入力として受け付けて前記事故情報を出力する学習モデルを用いて、
前記交通情報を時系列に取得し、
取得した前記交通情報から、所定時点以前の時系列の前記交通情報を前記学習モデルへ入力し、
前記学習モデルが出力する前記事故情報を取得し、
取得した前記事故情報に基づいて、前記所定時点より後の前記所定区間における事故発生確率を予測し、
前記所定区間の事故発生に係る実績値として過去の事故発生確率を取得し、
前記事故発生確率の予測値と共に、取得した前記実績値を出力する、
処理を実行させるコンピュータプログラム。
【請求項10】
コンピュータに、
道路の所定区間に係る時系列の交通情報と前記所定区間での事故の有無に係る時系列の事故情報とが対応付けられた学習用データを用いて予め機械学習がなされ、時系列の前記交通情報を入力として受け付けて前記事故情報を出力する学習モデルを用いて、
前記交通情報を時系列に取得し、
取得した前記交通情報から、所定時点以前の時系列の前記交通情報を前記学習モデルへ入力し、
前記学習モデルが出力する前記事故情報を取得し、
取得した前記事故情報に基づいて、前記所定時点より後の前記所定区間における事故発生確率を予測し、
前記所定区間の事故発生に係る実績値として過去の事故発生確率を取得し、
前記事故発生確率の予測値と共に、取得した前記実績値及び前記予測値の関連性を示す情報を出力する、
処理を実行させるコンピュータプログラム。
【請求項11】
コンピュータに、
道路の所定区間に係る時系列の交通情報と前記所定区間での事故の有無に係る時系列の事故情報とが対応付けられた学習用データを用いて予め機械学習がなされ、時系列の前記交通情報を入力として受け付けて前記事故情報を出力する学習モデルを用いて、
前記交通情報を時系列に取得し、
取得した前記交通情報から、所定時点以前の時系列の前記交通情報を前記学習モデルへ入力し、
前記学習モデルが出力する前記事故情報を取得し、
取得した前記事故情報に基づいて、前記所定時点より後の前記所定区間における事故発生確率を予測し、
予測した前記事故発生確率を記憶し、
前記事故発生確率の予測値と共に、記憶した複数の前記事故発生確率の平均値に対する前記予測値の倍率を出力する、
処理を実行させるコンピュータプログラム。
【請求項12】
道路の所定区間に係る時系列の交通情報と前記所定区間での事故の有無に係る時系列の事故情報とが対応付けられた学習用データを用いて予め機械学習がなされ、時系列の前記交通情報を入力として受け付けて前記事故情報を出力する学習モデルと、
前記交通情報を時系列に取得する交通情報取得部と、
前記交通情報取得部が取得した前記交通情報から、所定時点以前の時系列の前記交通情報を前記学習モデルへ入力し、前記学習モデルが出力する前記事故情報を取得して、前記所定時点より後の前記所定区間における事故発生確率を予測する予測部と、
前記所定区間の事故発生に係る実績値として過去の事故発生確率を取得する実績値取得部と、
前記事故発生確率の予測値と共に、取得した前記実績値を出力する出力部と
を備える事故予測装置。
【請求項13】
道路の所定区間に係る時系列の交通情報と前記所定区間での事故の有無に係る時系列の事故情報とが対応付けられた学習用データを用いて予め機械学習がなされ、時系列の前記交通情報を入力として受け付けて前記事故情報を出力する学習モデルと、
前記交通情報を時系列に取得する交通情報取得部と、
前記交通情報取得部が取得した前記交通情報から、所定時点以前の時系列の前記交通情報を前記学習モデルへ入力し、前記学習モデルが出力する前記事故情報を取得して、前記所定時点より後の前記所定区間における事故発生確率を予測する予測部と、
前記所定区間の事故発生に係る実績値として過去の事故発生確率を取得する実績値取得部と、
前記事故発生確率の予測値と共に、取得した前記実績値及び前記予測値の関連性を示す情報を出力する出力部と
を備える事故予測装置。
【請求項14】
道路の所定区間に係る時系列の交通情報と前記所定区間での事故の有無に係る時系列の事故情報とが対応付けられた学習用データを用いて予め機械学習がなされ、時系列の前記交通情報を入力として受け付けて前記事故情報を出力する学習モデルと、
前記交通情報を時系列に取得する交通情報取得部と、
前記交通情報取得部が取得した前記交通情報から、所定時点以前の時系列の前記交通情報を前記学習モデルへ入力し、前記学習モデルが出力する前記事故情報を取得して、前記所定時点より後の前記所定区間における事故発生確率を予測する予測部と、
予測した前記事故発生確率を記憶する記憶部と、
前記事故発生確率の予測値と共に、記憶した複数の前記事故発生確率の平均値に対する前記予測値の倍率を出力する出力部と
を備える事故予測装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交通事故の発生確率を予測する事故予測方法、コンピュータプログラム及び事故予測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通信及びIoT(Internet of Things)等の技術発展に伴って様々な情報がビッグデータとして収集され、ビッグデータを活用する様々な技術が提案されている。例えば道路に設置された機器から得られる交通情報を利用して、道路における事故の発生を予測する技術の開発が行われている。
【0003】
特許文献1においては、路線上の各地点において過去に計測された第1の過去交通データと、その計測地点の上流側及び下流側に隣接する地点において計測された第2の過去交通データとを用いて事故発生を予測する事故発生予測システムが提案されている。このシステムでは、第1の過去交通データ及び第2の過去交通データを対応付けて学習を行って事故発生予測テーブルを作成し、現在に計測された第1の現在交通データ及び第2の現在交通データを取得して、事故発生予測テーブルと第1の現在交通データ及び第2の現在交通データとを用いて各地点の事故の発生しやすさを予測する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-84268号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら特許文献1に記載の事故発生予測システムは、現在の交通データに基づいて現在の事故の発生を予測することしかできないという問題がある。
【0006】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、将来の交通事故の発生確率を予測する事故予測方法、コンピュータプログラム及び事故予測装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態に係る事故予測方法は、道路の所定区間に係る時系列の交通情報と前記所定区間での事故の有無に係る時系列の事故情報とが対応付けられた学習用データを用いて予め機械学習がなされ、時系列の前記交通情報を入力として受け付けて前記事故情報を出力する学習モデルを備える情報処理装置が、前記交通情報を取得し、取得した前記交通情報から、所定時点以前の時系列の前記交通情報を前記学習モデルへ入力し、前記学習モデルが出力する前記事故情報を取得し、取得した前記事故情報に基づいて、前記所定時点より後の前記所定区間における事故発生確率を予測する。
【発明の効果】
【0008】
一実施形態による場合は、将来の交通事故の発生確率を予測することが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施の形態に係る事故予測システムの概要を説明するための模式図である。
図2】本実施の形態に係る事故予測サーバ装置の構成を示すブロック図である。
図3】本実施の形態に係る交通サーバ装置の構成を示すブロック図である。
図4】交通DBの一構成例を示す模式図である。
図5】本実施の形態に係る端末装置の構成を示すブロック図である。
図6】本実施の形態に係る事故予測モデルが交通事故の発生確率を予測する道路を説明するための模式図である。
図7】本実施の形態に係る事故予測モデルの学習処理に用いる学習用データを説明するための模式図である。
図8】本実施の形態に係る事故予測モデルの一構成例を示す模式図である。
図9】本実施の形態に係る事故予測サーバ装置が行う事故予測モデルの学習処理の手順を示すフローチャートである。
図10】本実施の形態に係る事故予測サーバ装置が行う事故予測処理の手順を示すフローチャートである。
図11】本実施の形態に係る端末装置による事故予測結果の一表示例を示す模式図である。
図12】本実施の形態に係る端末装置による事故予測結果の一表示例を示す模式図である。
図13】本実施の形態に係る端末装置による事故予測結果の一表示例を示す模式図である。
図14】本実施の形態に係る端末装置による事故予測結果の一表示例を示す模式図である。
図15】変形例に係る事故予測モデルの学習処理に用いる学習用データを説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態に係る事故予測システムの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0011】
<システム概要>
図1は、本実施の形態に係る事故予測システムの概要を説明するための模式図である。本実施の形態に係る事故予測システムは、道路に設置された複数の交通センサ5及び車両8等から得られる交通情報に基づいて、この道路における将来の交通事故の発生確率を、一又は複数のサーバ装置で構成されるサーバシステム1が予測するシステムである。サーバシステム1は、交通事故の発生確率の予測結果を事故予測情報として、例えば交通管制官が使用する端末装置6、ユーザが使用するスマートフォン等の端末装置7、車両8又は道路上に設置された路上装置9等へ送信する。
【0012】
サーバシステム1は、一又は複数のサーバ装置を含んで構成され、これらのサーバ装置の協働により将来の交通事故の発生確率を予測する処理を実現する。本実施の形態においてサーバシステム1は、事故予測サーバ装置2、交通サーバ装置3及び気象サーバ装置4の3つのサーバ装置を備えて構成されるが、これは一例であり、サーバシステム1を構成するサーバ装置の数及びその役割分担等は適宜に変更され得る。
【0013】
交通センサ5は、例えば道路上に数百メートル程度の所定間隔で配置され、道路上の交通量、交通密度、車両の速度又はオキュパンシー(占有率)等を検出し、検出結果を交通情報として交通サーバ装置3へ送信する。なおオキュパンシーとは、ある時点において道路に対する車両の占有空間の割合、又は、ある地点において所定時間のうち車両が存在した時間の割合等である。交通センサ5は、例えば道路をカメラで撮影した画像を解析してこれらの交通情報を得る装置、いわゆるトラフィックカウンタが用いられ得る。交通センサ5は、例えば数秒~数十秒程度の周期で交通サーバ装置3へ交通情報を送信する。
【0014】
車両8は、例えば自身の速度、加速度又は位置情報等の情報、いわゆるプローブデータを交通情報として交通サーバ装置3へ送信する。車両8は、例えばカーナビゲーション装置、ドライブレコーダ、デジタルタコグラフもしくはETC(Electronic Toll Collection)車載器等の車載装置、又は、車両8に乗車するユーザが所持するスマートフォン等の端末装置及びこの端末装置にインストールされたアプリケーションプログラム等にてこれらの情報を得ることができる。車両8は、携帯電話通信網等の無線通信を介して、交通サーバ装置3へ交通情報を送信する。交通サーバ装置3は、道路上を走行する複数の車両8から交通情報を受信する。
【0015】
交通サーバ装置3は、交通センサ5及び車両8等から得られる種々の交通情報をデータベースに記憶して蓄積する装置である。なお本実施の形態においては交通サーバ装置3が交通センサ5及び車両8から交通情報を取得するものとするが、交通情報の取得は交通センサ5及び車両8以外の様々な装置を介して行われてよい。また図示は省略するが、交通サーバ装置3には、例えば道路を管理する会社又は警察署等から、この道路で発生した交通事故に関する情報が事故情報として与えられる。交通サーバ装置3は、道路に関する交通情報と共に、この道路で発生した事故情報をデータベースに記憶する。
【0016】
気象サーバ装置4は、例えば天気、降水量、累積降水量、気温、路面温度、風向、日の出時刻又は日の入り時刻等の気象情報を事故予測サーバ装置2へ与える。気象サーバ装置4の気象情報には、過去の気象について実測された情報と、将来の気象を予測した情報とが含まれる。なお、気象サーバ装置4は、例えば気象庁又は気象予報会社等が備えるものであってよく、事故予測システムのサーバシステム1に含まれていなくてもよい。いずれにせよ、事故予測サーバ装置2は、過去の気象の実測情報と将来の気象の予測情報とを気象情報として取得することができる。
【0017】
事故予測サーバ装置2は、交通サーバ装置3が取得してデータベースに記憶した交通情報及び事故情報と、気象サーバ装置4が提供する気象情報とを取得して、取得したこれらの情報を基に道路上における将来の交通事故の発生確率を予測する処理を行う。詳細は後述するが、事故予測サーバ装置2は、過去の時系列の交通情報、事故情報及び気象情報を教師データとして用いた機械学習を予め行うことによって、将来の交通事故の発生確率を予測する学習モデルを生成する。生成された学習モデルは、時系列の交通情報及び気象情報の入力に対して、将来の交通事故の発生確率を出力する。事故予測サーバ装置2は、生成した学習モデルに対して、最新の時点(現時点)を含む所定期間内の時系列の交通情報及び気象情報を交通サーバ装置3及び気象サーバ装置4から取得して学習モデルへ入力し、学習モデルが出力する交通事故の発生確率を取得することによって、この道路上における将来の交通事故の発生確率を予測する。
【0018】
事故予測サーバ装置2の予測結果は、端末装置6,7、車両8又は路上装置9等の種々の装置へ与えられ、これらの装置が事故予測情報を表示することで道路の管制官又は車両8の運転手等のユーザに対して情報提供又は警告等が行われる。道路の管制官等は、端末装置6に表示された事故予測情報に基づいて、例えば事故の発生確率が高い道路に対するパトロールの強化等を行うことができる。端末装置7は、例えば地図を表示するアプリ(アプリケーションプログラム)において、事故の発生確率が高い道路に対する警告表示等を行い、ユーザに注意を促すことができる。車両8も同様に、例えばカーナビゲーション装置が表示する地図に警告表示等を行って運転者に注意を促すことができる。路上装置9は、例えば道路に設置された電光掲示板等の表示装置であり、道路を走行する車両8に対して交通事故の発生確率に関する情報を表示して運転者に注意を促すことができる。
【0019】
<装置構成>
図2は、本実施の形態に係る事故予測サーバ装置2の構成を示すブロック図である。本実施の形態に係る事故予測サーバ装置2は、処理部21、記憶部(ストレージ)22及び通信部(トランシーバ)23等を備えて構成されている。処理部21は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)又はGPU(Graphics Processing Unit)等の演算処理装置、ROM(Read Only Memory)、及び、RAM(Random Access Memory)等を用いて構成されている。処理部21は、記憶部22に記憶されたサーバプログラム22aを読み出して実行することにより、交通事故を予測する学習モデルを生成する処理及び生成した学習モデルを用いて交通事故を予測する処理等の種々の処理を行う。
【0020】
記憶部22は、例えばハードディスク等の大容量の記憶装置を用いて構成されている。記憶部22は、処理部21が実行する各種のプログラム、及び、処理部21の処理に必要な各種のデータを記憶する。本実施の形態において記憶部22は、処理部21が実行するサーバプログラム22aと、交通事故の発生確率を予測する事故予測モデル22bとを記憶している。
【0021】
本実施の形態においてサーバプログラム22aは、メモリカード又は光ディスク等の記録媒体99に記録された態様で提供され、事故予測サーバ装置2は記録媒体99からサーバプログラム22aを読み出して記憶部22に記憶する。ただし、サーバプログラム22aは、例えば事故予測サーバ装置2の製造段階において記憶部22に書き込まれてもよい。また例えばサーバプログラム22aは、遠隔の他のサーバ装置等が配信するものを事故予測サーバ装置2が通信にて取得してもよい。例えばサーバプログラム22aは、記録媒体99に記録されたものを書込装置が読み出して事故予測サーバ装置2の記憶部22に書き込んでもよい。サーバプログラム22aは、ネットワークを介した配信の態様で提供されてもよく、記録媒体99に記録された態様で提供されてもよい。
【0022】
本実施の形態に係る事故予測サーバ装置2が備える事故予測モデル22bは、時系列の交通情報及び気象情報の入力を受け付け、将来の交通事故の発生確率に係る情報を出力する機械学習モデルである。機械学習モデルは、入力値に対して所定の演算を行い、演算結果を出力するものであり、記憶部32にはこの演算を規定する関数の係数及び閾値等のデータが事故予測モデル22bとして記憶される。本実施の形態において事故予測モデル22bは、例えばRNN(Recurrent Neural Network)、LSTM(Long Short-Term Memory)、GRU(Gated Recurrent Unit)、MLP(Multi-Layer Perceptron)又はCNN(Convolutional Neural Network)等の種々のモデルが採用され得る。なおこれらのモデルは、既存の技術であるため、詳細な説明を省略する。
【0023】
また本実施の形態において事故予測モデル22bは、事故予測サーバ装置2にて予め学習処理がなされる。学習処理は、予め与えられた多数の学習用データを用いて、ニューラルネットワークを構成する各ニューロンの係数及び閾値等に適切な値を設定する処理である。本実施の形態に係る事故予測モデル22bは、交通サーバ装置3がデータベースに記憶している交通情報及び事故情報と、気象サーバ装置4から得られる気象情報とが対応付けられた学習用データ(教師データ)を用いて、いわゆる教師ありの機械学習の手法により学習がなされる。また事故予測モデル22bは、例えば1ヶ月又は1年等の周期で定期的に再学習の処理が行われ得る。なお本実施の形態においては事故予測サーバ装置2が学習処理を行うものとするが、これに限るものではなく、事故予測サーバ装置2とは別の装置が学習処理を行い、この装置から学習済の事故予測モデル22bを事故予測サーバ装置2が取得して記憶部32に記憶してもよい。
【0024】
また本実施の形態において事故予測サーバ装置2は、複数の事故予測モデル22bを生成し、複数の事故予測モデル22bを記憶部22に記憶している。詳しくは、事故予測サーバ装置2は、予測対象となる道路毎に事故予測モデル22bを生成すると共に、予測する事故の種別毎に事故予測モデル22bを生成する。このため、例えば予測対象となる道路が3つ存在し、事故の種別が2種類である場合、6つの事故予測モデル22bが生成される。事故予測サーバ装置2は、予測対象の道路が指定された場合、指定された道路に関する全事故種別の事故予測モデル22bを記憶部32から読み出して使用し、全種別について交通事故の発生確率を予測する。
【0025】
通信部23は、インターネット、携帯電話通信網及びLAN(Local Area Network)等を含むネットワークNを介して、種々の装置との間で通信を行う。本実施の形態において通信部23は、ネットワークNを介して、交通サーバ装置3、気象サーバ装置4、端末装置6,7、車両8及び路上装置9等の装置との間で通信を行う。通信部23は、処理部21から与えられたデータを他の装置へ送信すると共に、他の装置から受信したデータを処理部21へ与える。
【0026】
なお記憶部22は、事故予測サーバ装置2に接続された外部記憶装置であってよい。また事故予測サーバ装置2は、複数のコンピュータを含んで構成されるマルチコンピュータであってよく、ソフトウェアによって仮想的に構築された仮想マシンであってもよい。また事故予測サーバ装置2は、上記の構成に限定されず、例えば可搬型の記憶媒体に記憶された情報を読み取る読取部、操作入力を受け付ける入力部、又は、画像を表示する表示部等を含んでもよい。
【0027】
また本実施の形態に係る事故予測サーバ装置2の処理部21には、記憶部22に記憶されたサーバプログラム22aを処理部21が読み出して実行することにより、情報取得部21a、予測処理部21b、情報提供部21c及び学習処理部21d等がソフトウェア的な機能部として実現される。なおこれらの機能部は、事故予測及び機械学習等の処理に関する機能部であり、これ以外の機能部については図示及び説明を省略する。
【0028】
情報取得部21aは、交通事故の予測処理及び事故予測モデル22bの学習処理を事故予測サーバ装置2が行うために必要な情報を取得する処理を行う。情報取得部21aは、通信部23にて交通サーバ装置3との通信を行うことによって、交通サーバ装置3から交通情報及び事故情報を取得する。また情報取得部21aは、通信部23にて気象サーバ装置4との通信を行うことによって、気象サーバ装置4から気象情報を取得する。事故予測サーバ装置2が学習処理を行う場合、情報取得部21aは、学習用データとして用いる所定期間分(例えば数ヶ月~数年分)の交通情報及び事故情報を交通サーバ装置3から取得し、気象情報を気象サーバ装置4から取得する。また事故予測サーバ装置2が予測処理を行う場合、情報取得部21aは、例えば数分に1回程度の頻度で交通サーバ装置3から最新の交通情報を取得すると共に、例えば1時間に1回程度の頻度で気象サーバ装置4から気象情報を取得する。このときに取得する気象情報には、その時点で観測された最新の気象と、予測した将来の気象との情報が含まれる。
【0029】
予測処理部21bは、情報取得部21aが取得した交通情報及び気象情報と、記憶部22に記憶された事故予測モデル22bとを用いて、交通事故の発生確率を予測する処理を行う。予測処理部21bは、現時点(最新の時点)を含む所定期間の時系列の交通情報及び気象情報を事故予測モデル22bへ入力する。事故予測モデル22bは入力されたこれらの時系列の情報に対して、現時点から所定時間経過後の将来における交通事故の発生確率を出力する。予測処理部21bは、事故予測モデル22bが出力する情報を取得して、交通事故の発生確率の予測結果とする。
【0030】
情報提供部21cは、予測処理部21bによる交通事故の発生確率の予測結果を、通信部23にて他の装置へ送信することにより、交通事故に係る情報を提供する処理を行う。例えば情報提供部21cは、予測処理部21bが予測した交通事故の発生確率の数値をデータとして他の装置へ送信するのみであってもよく、この場合には他の装置が受信データに基づいて交通事故の発生確率をユーザに対して提示するための表示画面及びメッセージ等を生成する。また例えば情報提供部21cは、予測処理部21bが予測した交通事故の発生確率に基づいて、交通事故の発生確率をグラフ化して表示する画面、地図上の道路を交通事故の発生確率に応じて色分けした画面、又は、交通事故の発生確率が高い道路を一覧表示する画面等を他の装置が表示するためのデータを生成し、この表示用データを他の装置へ送信してもよい。情報提供部21cによる交通事故の発生確率に関する情報提供は、どのようなデータ形式で行われてもよい。
【0031】
学習処理部21dは、事故予測モデル22bを機械学習により生成する処理を行う。学習処理部21dは、交通サーバ装置3から取得する交通情報及び事故情報と、気象サーバ装置4から取得する気象情報とを基に、これらの情報を時系列で対応付けた学習用データ(教師データ)を生成する。学習処理部21dは、予め用意されたRNN又はLSTM等の学習モデルに対して、生成した学習用データを用いた機械学習を行う。学習処理部21dは、生成した学習済の事故予測モデル22bを記憶部22に記憶する。また学習処理部21dは、学習済の事故予測モデル22bに対して、例えば1ヶ月又は1年等の周期で再学習処理を行ってもよい。この場合に学習処理部21dは、以前に学習処理を行った時点より後に蓄積された交通情報、事故情報及び気象情報を基に学習用データを生成して再学習処理を行うことができる。
【0032】
図3は、本実施の形態に係る交通サーバ装置3の構成を示すブロック図である。本実施の形態に係る交通サーバ装置3は、処理部31、記憶部(ストレージ)32及び通信部(トランシーバ)33等を備えて構成されている。処理部31は、CPU、MPU又はGPU等の演算処理装置、ROM及びRAM等を用いて構成されている。処理部31は、記憶部32に記憶されたサーバプログラム32aを読み出して実行することにより、交通センサ5及び車両8等から情報を収集する処理及び収集した情報を事故予測サーバ装置2等へ提供する処理等の種々の処理を行う。
【0033】
記憶部32は、例えばハードディスク等の大容量の記憶装置を用いて構成されている。記憶部32は、処理部31が実行する各種のプログラム、及び、処理部31の処理に必要な各種のデータを記憶する。本実施の形態において記憶部32は、処理部31が実行するサーバプログラム32aを記憶する。また記憶部32には、交通センサ5及び車両8等から収集した情報を記憶して蓄積するための交通DB(データベース)32bが設けられている。
【0034】
本実施の形態においてサーバプログラム32aは、メモリカード又は光ディスク等の記録媒体98に記録された態様で提供され、交通サーバ装置3は記録媒体98からサーバプログラム32aを読み出して記憶部32に記憶する。ただし、サーバプログラム32aは、例えば交通サーバ装置3の製造段階において記憶部32に書き込まれてもよい。また例えばサーバプログラム32aは、遠隔の他のサーバ装置等が配信するものを交通サーバ装置3が通信にて取得してもよい。例えばサーバプログラム32aは、記録媒体98に記録されたものを書込装置が読み出して交通サーバ装置3の記憶部32に書き込んでもよい。サーバプログラム32aは、ネットワークを介した配信の態様で提供されてもよく、記録媒体99に記録された態様で提供されてもよい。
【0035】
図4は、交通DB32bの一構成例を示す模式図である。本実施の形態に係る交通DB32bには、例えば「日時」及び「場所」等の情報と、「交通情報」と、「事故情報」とが対応付けて記憶されている。「日時」は、対応する交通情報が交通センサ5及び車両8等にて測定された日時を示す情報である。「場所」は、対応する交通情報が測定された場所を示す情報であり、図示の例では「道路AセンサA01」及び「道路AセンサA02」等のように道路に付された識別情報と交通センサ5に付された識別情報の組み合わせとして場所が示されている。ただし「場所」は、例えば緯度及び経度等の情報であってもよく、これら以外の情報であってもよく、道路上の場所を一意に特定できる情報であればよい。
【0036】
交通DB32bに記憶される「交通情報」には、例えば「速度」、「交通量」及び「占有率」等の情報が含まれ得る。「速度」は、例えば道路を走行する車両の単位時間あたりの速度の平均値である。「交通量」は、例えば単位時間当たりに道路を通過した車両の台数である。「占有率」は、例えば所定時間のうち道路上に車両が存在した時間の割合である。なお図示の交通情報は一例であってこれに限るものではなく、速度、交通量及び占有率以外の種々の情報が交通DB32bに交通情報として記憶され得る。本実施の形態において交通DB32bに記憶される「交通情報」は、交通センサ5から取得した情報に基づくものである。ただし交通DB32bに記憶される「交通情報」には、車両8から取得した情報に基づくものが含まれていてもよい。交通サーバ装置3は、交通センサ5から取得した情報そのものを「交通情報」として記憶してもよく、取得した情報に対する演算又は加工等を行ったものを記憶してもよい。例えば交通サーバ装置3は、対象となる道路の地点を走行する複数の車両8から情報を取得し、取得した複数の情報から速度、交通量もしくは占有率等の情報、又は、これらに代用できる情報を算出して交通DB32bの「速度」に記憶することができる。
【0037】
交通DB32bに記憶される「事故情報」には、例えば「事故有無」及び「事故種別」等の情報が含まれ得る。「事故有無」は、この場所で交通事故が発生したか否かを示す情報であり、「0(事故なし)」又は「1(事故あり)」のいずれかの値が記憶される。「事故種別」は、発生した交通事故の種別を示す情報である。本実施の形態においては、「事故種別」として車両同士の接触又は追突等である「車両接触事故」、又は、車両の車両以外の施設に対する接触又は衝突等である「施設接触事故」の2種類に交通事故を分類する。ただし「事故種別」はこの2種類に限らず、種々の事故種別が採用されてよい。例えば「事故種別には、人と車両との接触事故、又は、落石等の自然災害に基づく事故等を含んでもよい。「事故情報」は、例えば交通センサ5及び車両8等から取得した情報に基づくものであってもよく、また例えば道路の管理会社又は警察署等から得られる事故の情報に基づくものであってもよい。交通サーバ装置3は、例えば交通事故の情報をリアルタイムに取得して交通DB32bに記憶してもよく、また例えば事後的に交通事故の情報を取得してもよい。また「事故情報」は、交通サーバ装置3を管理する管理者等の操作により入力される情報であってもよい。
【0038】
通信部33は、インターネット、携帯電話通信網及びLAN等を含むネットワークNを介して、種々の装置との間で通信を行う。本実施の形態において通信部33は、ネットワークNを介して、事故予測サーバ装置2、車両8及び路上装置9等の装置との間で通信を行う。通信部33は、処理部31から与えられたデータを他の装置へ送信すると共に、他の装置から受信したデータを処理部31へ与える。
【0039】
なお記憶部32は、交通サーバ装置3に接続された外部記憶装置であってよい。また交通DB32bは交通サーバ装置3とは別の装置が備えてもよく、この場合に交通サーバ装置3は取得した交通情報及び事故情報を別の装置へ送信する。また交通サーバ装置3は、複数のコンピュータを含んで構成されるマルチコンピュータであってよく、ソフトウェアによって仮想的に構築された仮想マシンであってもよい。また交通サーバ装置3は、上記の構成に限定されず、例えば可搬型の記憶媒体に記憶された情報を読み取る読取部、操作入力を受け付ける入力部、又は、画像を表示する表示部等を含んでもよい。
【0040】
また本実施の形態に係る交通サーバ装置3の処理部31には、記憶部32に記憶されたサーバプログラム32aを処理部31が読み出して実行することにより、情報取得部31a及び情報提供部31b等がソフトウェア的な機能部として実現される。情報取得部31aは、通信部33にて交通センサ5及び車両8等との通信を行うことによって、交通情報及び事故情報を取得する処理を行う。例えば情報取得部31aは、数秒~数十秒に1回程度の頻度で交通センサ5から交通情報を取得する。また例えば情報取得部31aは、車両8から送信される交通情報を通信部33にて受信することで、交通情報を取得する。また例えば情報取得部31aは、管理者等による事故情報の入力を受け付けることによって、事故情報を取得する。情報取得部31aは、取得した交通情報及び事故情報を、必要に応じて適宜の演算又は加工等を行った後、記憶部32の交通DB32bに記憶する。
【0041】
情報提供部31bは、交通DB32bに記憶した交通情報及び事故情報を、通信部33を介した通信により事故予測サーバ装置2へ送信する処理を行う。情報提供部31bは、例えば事故予測サーバ装置2が学習処理を行うために必要な所定期間に亘る交通情報及び事故情報を交通DB32bから読み出して送信する。また情報提供部31bは、例えば数分に1回程度の頻度で事故予測サーバ装置2との通信を行い、交通センサ5及び車両8から取得した最新のものを含む交通情報を周期的に送信する。なお交通サーバ装置3から事故予測サーバ装置2への情報送信は、交通サーバ装置3が自発的に行ってもよく、事故予測サーバ装置2からの要求に応じて交通サーバ装置3が行ってもよい。
【0042】
図5は、本実施の形態に係る端末装置6の構成を示すブロック図である。本実施の形態に係る端末装置6は、処理部61、記憶部(ストレージ)62、通信部(トランシーバ)63、表示部(ディスプレイ)64及び操作部65等を備えて構成されている。端末装置6は、例えば汎用のパーソナルコンピュータ又はタブレット型端末装置等の情報処理装置を用いて構成され得る。
【0043】
処理部61は、CPU又はMPU等の演算処理装置、ROM及びRAM等を用いて構成されている。処理部61は、記憶部62に記憶されたプログラム62aを読み出して実行することにより、交通事故の予測情報を表示する処理等の種々の処理を行う。
【0044】
記憶部62は、例えばハードディスク等の磁気記憶装置又はフラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ素子を用いて構成されている。記憶部62は、処理部61が実行する各種のプログラム、及び、処理部61の処理に必要な各種のデータを記憶する。本実施の形態において記憶部62は、処理部61が実行するプログラム62aを記憶している。本実施の形態においてプログラム62aは遠隔のサーバ装置等により配信され、これを端末装置6が通信にて取得し、記憶部62に記憶する。ただしプログラム62aは、例えば端末装置6の製造段階において記憶部62に書き込まれてもよい。例えばプログラム62aは、メモリカード又は光ディスク等の記録媒体97に記録されたプログラム62aを端末装置6が読み出して記憶部62に記憶してもよい。例えばプログラム62aは、記録媒体97に記録されたものを書込装置が読み出して端末装置6の記憶部62に書き込んでもよい。プログラム62aは、ネットワークを介した配信の態様で提供されてもよく、記録媒体97に記録された態様で提供されてもよい。
【0045】
通信部63は、社内LAN、無線LAN及びインターネット等を含むネットワークNを介して、種々の装置との間で通信を行う。本実施の形態において通信部63は、ネットワークNを介して、事故予測サーバ装置2との間で通信を行う。通信部63は、処理部61から与えられたデータを他の装置へ送信すると共に、他の装置から受信したデータを処理部61へ与える。
【0046】
表示部64は、液晶ディスプレイ等を用いて構成されており、処理部61の処理に基づいて種々の画像及び文字等を表示する。操作部65は、ユーザの操作を受け付け、受け付けた操作を処理部61へ通知する。例えば操作部65は、機械式のボタン又は表示部64の表面に設けられたタッチパネル等の入力デバイスによりユーザの操作を受け付ける。また例えば操作部65は、マウス及びキーボード等の入力デバイスであってよく、これらの入力デバイスは端末装置6に対して取り外すことが可能な構成であってもよい。
【0047】
また本実施の形態に係る端末装置6は、記憶部62に記憶されたプログラム62aを処理部61が読み出して実行することにより、表示処理部61a等がソフトウェア的な機能部として処理部61に実現される。なおプログラム62aは、本実施の形態に係る事故予測システムに専用のプログラムであってもよく、インターネットブラウザ又はウェブブラウザ等の汎用のプログラムであってもよい。
【0048】
表示処理部61aは、表示部64に種々の文字及び画像等を表示する処理を行う。本実施の形態において表示処理部61aは、事故予測サーバ装置2から送信される交通事故の発生確率の予測結果に関する情報を通信部63にて受信し、受信した情報に基づいて交通事故の発生確率を知らせるための画面表示を表示部64にて行う。表示処理部61aは、例えば事故発生確率の時間的な変化を示すグラフの表示、又は、事故発生確率に応じて色分けされた道路地図の表示等の種々の表示を行うことができる。
【0049】
<事故予測モデルの生成処理>
図6は、本実施の形態に係る事故予測モデル22bが交通事故の発生確率を予測する道路を説明するための模式図である。本図においては、例えば高速道路又は有料道路等のように、ある程度の距離に亘って分岐や合流が存在しない道路が一例として図示されている。これらの道路には例えばジャンクション及びインターチェンジ等の分岐点や合流点が存在する。本図においては、道路の分岐点又は合流点を実線の円で示している。また本図においては、道路に設置される交通センサ5を破線の円で示している。道路には、一方の分岐点から他方の分岐点へ向かう車両が走行する道路と、他方の分岐点から一方の分岐点へ向かう車両が走行する道路との2つの道路、いわゆる上りと下りの道路が含まれるが、本実施の形態においてはこの上りと下りとを別の道路とみなす。なお事故予測モデル22bによる予測は高速道路等に限らず、一般道路等の道路を予測対象としてもよい。
【0050】
本実施の形態に係る事故予測システムでは、予め道路の特定の区間を事故予測の対象区間として決定し、この対象区間毎に事故予測モデル22bを生成する。事故予測の対象区間は、例えば本システムの管理者等により予め決定される。本図においては対象区間を、一点鎖線で囲んで示している。
【0051】
また本実施の形態に係る事故予測モデル22bは、道路の対象区間と、この対象区間の周辺区間とに関する交通情報に基づいて、対象区間の事故発生確率の予測を行う。周辺区間は、対象区間から所定範囲内の道路の区間であり、対象区間に繋がる道路の区間である。本図においては周辺区間を、二点鎖線で囲んで示している。周辺区間は、対象区間と同様に本システムの管理者等が決定してもよく、対象区間に対して事故予測サーバ装置2等が決定してもよい。
【0052】
事故発生確率の予測に用いる交通情報には、対象区間及び周辺区間に設置された交通センサ5から得られる交通情報、これらの区間を走行する一又は複数の車両8から得られる情報から算出される速度、交通量もしくは占有率等の情報、これらに代用できる情報、又は、これらの情報を組み合わせた情報等が含まれ得る。
【0053】
交通サーバ装置3は、道路の対象区間及び周辺区間に設置された交通センサ5から、この区間を走行する車両の速度及び交通量等の交通情報を取得して交通DB32bに記憶する。また交通サーバ装置3は、道路の対象区間及び周辺区間に存在する一又は複数の車両8から位置情報及び速度等の交通情報を取得して交通DB32bに記憶する。
【0054】
本実施の形態においては、道路の対象区間毎に(更には対象区間の上り下り毎に)1つの事故予測モデル22bが機械学習により生成される。また事故予測モデル22bは交通事故の種別毎に1つ生成され、本実施の形態において交通事故の種別は施設接触事故及び車両接触事故の2種類である。このため、複数の対象区間について交通事故の発生確率の予測を行うためには複数の事故予測モデル22bを予め生成しておく必要があり、その数は(対象区間の数)×(交通事故の種別数)=(事故予測モデル22bの数)である。なお上記の交通事故の種別は一例であってこれに限るものではなく、例えば人身事故等の種々の種別が含まれ得る。事故の種別は2種類に限らず、1種類又は3種類以上であってよい。
【0055】
図7は、本実施の形態に係る事故予測モデル22bの学習処理に用いる学習用データを説明するための模式図である。本実施の形態において事故予測モデル22bの学習処理を行う事故予測サーバ装置2は、交通サーバ装置3及び気象サーバ装置4から取得できる情報を基に、事故予測モデル22bの学習処理に用いる学習用データを生成する。事故予測サーバ装置2は、交通サーバ装置3が交通DB32bに記憶して蓄積する速度情報、交通量情報及び占有率情報の3つの交通情報を取得する。図示の例では、速度情報、交通量情報及び占有率情報のそれぞれについて、P1~Pnのn個の地点において交通センサ5がそれぞれ測定した情報が用いられている。またこれら複数の情報は、例えば5分毎の時系列に並べられる。5分毎の各情報は、例えば交通センサ5の測定周期が5分であれば、各周期における測定値を採用することができ、また例えば測定周期が5分より短ければ複数の測定値の平均値又は最大値等の代表値を採用することができ、また例えば測定周期が5分より長ければ1つの測定値が複数回に亘って採用され得る。なお本例では情報を5分毎とするが、情報を区切る時間は5分でなくてよく、測定周期及び情報量等に基づいて適宜に設定され得る。
【0056】
また事故予測サーバ装置2は、5分毎の時系列の交通情報に対して、気象サーバ装置4から取得できる降水量及び累積降水量等の気象情報を対応付ける。降水量は例えば5分間に降った雨の量であり、累積降水量は例えば2時間に降った雨の量である。降水量及び累積降水量は、必ずしも対象区間の道路に振った雨の量の実測値である必要はなく、この対象区間を含む市町村区等の地域にて観測された降水量であってよい。気象サーバ装置4は、測定器等が設置された各地域から降水量等の測定値を取得してデータベースに記憶して蓄積している。事故予測サーバ装置2は、気象サーバ装置4が記憶した気象情報から、道路の対象区間の対応する地域の気象情報を取得して、取得した気象情報を交通情報に対応付ける。なお本例では降水量及び累積降水量を用いるが、例えばこれ以外に天候、気温、路面温度、風速、日の出時刻又は日の入り時刻等の種々の気象情報が採用され得る。
【0057】
また事故予測サーバ装置2は、交通サーバ装置3が交通DB32bに記憶している交通事故の有無に関する情報を取得する。本実施の形態において交通事故の有無は、1(事故あり)又は0(事故なし)の2値情報である。交通DB32bには事故の有無に対応付けて事故の種別が記憶されており、事故予測サーバ装置2は、作成する事故予測モデル22bが対象とする事故種別に関する事故の有無の情報を取得すればよい。事故予測サーバ装置2は、時系列に交通情報と気象情報と事故の有無とを対応付けた図7に示すデータを作成する。事故予測サーバ装置2が作成するこのデータは、例えば数ヶ月~数年の期間に亘る分量であってよい。事故予測サーバ装置2は、このデータから所望の情報を抽出することによって、事故予測モデル22bの学習処理に用いる学習用データを生成する。
【0058】
事故予測サーバ装置2は、交通サーバ装置3から取得した交通情報のうち、基準時点を含み、この基準時点より所定時間(例えば2時間)前の過去時点から基準時点までの範囲に含まれる交通情報を抽出する。また事故予測サーバ装置2は、気象サーバ装置4から取得した気象情報のうち、基準時点より所定時間前の過去時点から、基準時点から所定時間(例えば30分、1時間又は2時間等)が経過した後の将来時点までの範囲に含まれる気象情報を抽出する。また事故予測サーバ装置2は、基準時点から所定時間(例えば30分、1時間又は2時間等)が経過した後の将来時点における事故の有無の情報を抽出する。事故予測サーバ装置2は、抽出した過去時点から基準時点までの交通情報と、抽出した過去時点から将来時点までの気象情報と、抽出した将来時点の事故の有無とを対応付けたデータを、学習用データ(図6において太線で囲んだ情報)とする。事故予測サーバ装置2は、例えば基準時点を5分ずつ変化させて同様の情報取得を行うことで、複数の学習用データを生成する。
【0059】
図8は、本実施の形態に係る事故予測モデル22bの一構成例を示す模式図である。本実施の形態において事故予測モデル22bには、LSTMの学習モデルが採用されている。LSTMは、時系列的な情報の取扱いに適したRNNの一種であり、時系列的な情報の長期的な依存関係を学習することができる学習モデルである。LSTMは、セル状態を保持するメモリとこのメモリへの情報入出力を制御する一又は複数のゲートとを有するLSTMセル(又は、LSTMブロック)と呼ばれるセルを複数個組み合わせて構成される。なおLSTMセルの内部構造については、既存の技術であるため図示及び詳細な説明を省略するが、どのような構造が採用されてもよい。
【0060】
本実施の形態に係る事故予測モデル22bは、図8に示すように、10個のLSTMセルA~Jを備えて構成されている。前段の5個のLSTMセルA~Eのうちの4個のLSTMセルA~Dには、学習用データに含まれ2時間前の過去時点から基準時点までの交通情報及び気象情報を、30分毎となるよう4つに分割した情報がそれぞれ入力される。即ち、LSTMセルAには基準時点の2時間前から1時間30分前までの情報が入力され、LSTMセルBには1時間30分前から1時間前までの情報が入力され、LSTMセルCには1時間前から30分前までの情報が入力され、LSTMセルDには30分前から基準時点までの情報が入力される。またLSTMセルEには、基準時点から将来時点までの気象情報が入力される。またLSTMセルB~Eには、1つ前の時間の情報が入力されるLSTMセルA~Dの出力情報が入力される。
【0061】
また、後段の5個のLSTMセルF~Jには、対応する前段のLSTMセルA~Eの出力情報が入力される。またLSTMセルG~Jには、1つ前の時間に対応する情報が入力されるLSTMセルF~Iの出力情報が入力される。最終的にLSTMセルJの出力情報が、対象区間の道路に関する交通事故の予測結果となる。本実施の形態においてLSTMセルJの出力は、ソフトマックス関数により正規化されて0~1の範囲の数値となり、この数値が交通事故の発生確率として扱われる。また学習処理においては、この予測結果が、学習用データの事故の有無に対応付けられる。
【0062】
なお、図8においては示した事故予測モデル22bの構成は一例であって、これに限るものではない。事故予測モデル22bが有するLSTMセルは10個でなくてよく、9個以下又は11個以上であってよい。また複数のLSTMセルの配置及び接続等は図示のものに限らない。また事故予測モデル22bは、LSTMの学習モデルを採用せず、例えばGRU又はMLP等の学習モデルを採用してもよい。
【0063】
事故予測サーバ装置2は、図7に示した学習用データを用いて、図8に示した事故予測モデル22bの学習処理を行う。事故予測サーバ装置2による学習処理は、例えば勾配降下法、確率的勾配降下法又は誤差逆伝播法等の手法によりなされる。これらの学習方法は既存の技術であるため、詳細な説明は省略する。
【0064】
図9は、本実施の形態に係る事故予測サーバ装置2が行う事故予測モデル22bの学習処理の手順を示すフローチャートである。本実施の形態に係る事故予測サーバ装置2の処理部21は、例えば本システムの管理者等による入力を受け付けることによって、学習処理の対象とする道路の対象区間を決定すると共に(ステップS1)、その周辺区間を決定する(ステップS2)。
【0065】
処理部21の情報取得部21aは、ステップS1にて決定した対象区間及びステップS2にて決定した周辺区間に関する交通情報及び事故情報を、交通サーバ装置3から取得する(ステップS3)。また情報取得部21aは、ステップS1にて決定した対象区間及びステップS2にて決定した周辺区間に関する気象情報を、気象サーバ装置4から取得する(ステップS4)。
【0066】
処理部21の学習処理部21dは、ステップS3及びS4にて取得した交通情報、気象情報及び事故情報を対応付けた学習用データを生成する(ステップS4)。このときに学習処理部21dは、基準時点から所定時間前の過去時点までの時系列の交通情報と、過去時点から将来時点までの気象情報と、基準時点から所定時間後の将来時点の事故情報とを対応付けた学習用データを生成する。学習処理部21dは、予め生成された初期状態の事故予測モデル22bに対して、ステップS5にて生成した学習用データを用いた機械学習を行う(ステップS6)。学習処理部21dは、ステップS6にて機械学習を行った学習済の事故予測モデル22bを記憶部22に記憶して(ステップS7)、処理を終了する。
【0067】
<事故予測処理>
本実施の形態に係る事故予測サーバ装置2は、交通サーバ装置3との通信を例えば5分に1回の頻度で行い、交通サーバ装置3が交通DB32bに記憶した速度、交通量及び占有率等の交通情報を取得する。事故予測サーバ装置2が交通サーバ装置3から取得する交通情報には、前回に取得した交通情報より後に交通DB32bに記憶された情報から、最新の情報までが含まれる。事故予測サーバ装置2は、交通サーバ装置3から取得した交通情報を、少なくとも事故予測モデル22bに入力するために必要な期間分、例えば2時間分を記憶部22に記憶する。
【0068】
また事故予測サーバ装置2は、気象サーバ装置4との通信を例えば5分に1回の頻度で行い、降水量及び累積降水量等の気象情報を取得する。なおこのときに事故予測サーバ装置2が取得する気象情報は、所定時間(例えば2時間)前の過去時点から現時点までの過去の気象情報と、現時点から所定時間後の将来時点(予測時点)までの将来の気象情報とが含まれる。過去の気象情報は、降水量及び累積降水量等の実測値であってもよく、気象サーバ装置4が予測した予測値であってもよい。また例えば事故予測サーバ装置2は、過去の2時間分の気象情報のうち、1時間分を実測値とし、もう1時間分を予測値として気象情報を取得してもよい。将来の気象情報は、予測値である。事故予測サーバ装置2は、気象サーバ装置4から取得した気象情報を、少なくとも事故予測モデル22bに入力するために必要な期間分を記憶部22に記憶する。
【0069】
事故予測サーバ装置2は、交通サーバ装置3から取得した交通情報と、気象サーバ装置4から取得した気象情報とを記憶部22に記憶した学習済の事故予測モデル22bへ入力することによって、事故発生確率の予測を行う。事故予測サーバ装置2は、予測対象とする道路の区間及び事故の種別に応じて、記憶部22から対応する1つの事故予測モデル22bを読み出し、この事故予測モデル22bに過去時点から現時点までの時系列の交通情報と、過去時点から将来時点までの気象情報とを入力する。事故予測モデル22bは、入力された交通情報及び気象情報に応じて、現時点から所定時間経過後の将来時点における交通事故の発生確率の予測結果を出力する。事故予測サーバ装置2は、事故予測モデル22bが出力する予測結果を取得して、例えば端末装置6等へ送信することにより、端末装置6等に交通事故の発生確率の予測結果を表示させる。
【0070】
なお事故予測サーバ装置2は、予測対象とする道路の区間について、事故の種別毎に対応する事故予測モデル22bを読み出して上記の事故予測をそれぞれ実行し、全ての事故の種別について事故予測を行ってよい。また事故予測サーバ装置2は、道路の対象区間毎に対応する事故予測モデル22bを読み出して上記の事故予測をそれぞれ実行し、予測可能な全ての区間について事故予測を行ってよい。事故予測サーバ装置2は、予測可能な道路の全ての区間について全ての事故要因に関する事故発生確率を予測し、予測結果を端末装置6へ送信することができる。
【0071】
図10は、本実施の形態に係る事故予測サーバ装置2が行う事故予測処理の手順を示すフローチャートである。本実施の形態に係る事故予測サーバ装置2の処理部21の予測処理部21bは、交通事故の発生確率を予測する対象区間を決定する(ステップS21)。処理部21の情報取得部21aは、ステップS21にて決定した対象区間とその周辺区間に関する交通情報を、交通サーバ装置3から取得する(ステップS22)。このときに情報取得部21aは、所定時間前の過去時点から現時点(又は予測の基準とすべき時点)までの時系列の交通情報を取得する。また情報取得部21aは、ステップS21にて決定した対象区間とその周辺区間に関する気象情報を、気象サーバ装置4から取得する(ステップS23)。このときに情報取得部21aは、現時点(又は予測の基準とすべき時点)から所定時間後の将来時点までの時系列の気象情報を取得する。
【0072】
予測処理部21bは、ステップS21にて決定した対象区間に対応する事故予測モデル22bから、一の事故種別に対応する事故予測モデル22bを記憶部22から読み出す(ステップS24)。予測処理部21bは、ステップS22及びS23にて取得した時系列の交通情報及び気象情報を、ステップS24にて読み出した事故予測モデル22bへ入力する(ステップS25)。予測処理部21bは、ステップS25における情報の入力に応じて事故予測モデル22bが出力する予測結果を取得する(ステップS26)。
【0073】
予測処理部21bは、対象区間について全ての事故種別に関する予測結果を取得したか否かを判定する(ステップS27)。全ての事故種別について予測結果を取得していない場合(S27:NO)、予測処理部21bは、ステップS24へ処理を戻し、別の事故種別に対応する事故予測モデル22bを用いて同様の処理を行う。
【0074】
全ての事故種別について予測結果を取得した場合(S27:YES)、予測処理部21bは、予測可能な道路の全区間について予測結果を取得したか否かを判定する(ステップS28)。全ての区間について予測結果を取得していない場合(S28:NO)、予測処理部21bは、ステップS21へ処理を戻し、別の区間を対象区間に決定して同様の処理を行う。全ての区間について予測結果を取得した場合(S28:YES)、処理部21の情報提供部21cは、これらの予測結果を通信部33にて端末装置6,7、車両8及び路上装置9等へ送信し(ステップS29)、処理を終了する。
【0075】
事故予測サーバ装置2から予測結果を受信した端末装置6は、道路の対象区間における交通事故の発生確率の予測結果を表示する処理を行う。事故予測サーバ装置2の予測結果として単に交通事故の発生確率を表示するだけでは、この表示を見たユーザが、通常と比較して事故が発生し易いか否かを判断することが難しい。そこで本実施の形態に係る事故予測システムでは、通常と比較して事故が発生し易いか否かをユーザに判断しやすいように、例えば事故発生確率の実測値に対する予測値の倍率等の情報を表示する。以下に、本実施の形態に係る事故予測システムによる表示例をいくつか例示して説明する。
【0076】
図11は、本実施の形態に係る端末装置6による事故予測結果の一表示例を示す模式図である。本実施の形態に係る端末装置6は、予測対象の道路の区間について、例えば一日の事故発生確率の変化を図11に示すグラフで表示する。本例のグラフは、横軸を0時~24時の時刻とし、縦軸を事故発生確率とした、「ABC高速道路上り」における車両接触事故に関する事故発生率を示すグラフである。
【0077】
端末装置6は、例えば過去1年間の実績に基づく各時刻の「平均事故発生確率」(図11において実線で示す)と、過去1年間に事故予測サーバ装置2が予測した各時刻の事故発生確率の平均値である「AI予測値の平均」(図11において破線で示す)とを、折れ線グラフとして表示する。また端末装置6は、本日(又は予測対象日)について事故予測サーバ装置2が予測した各時刻の事故発生確率を「AI予測値」として、グラフ上に予測値に対応する点(図11において三角形で示す)を表示する。これらの表示により、端末装置6を利用する管制官等は、過去の交通事故の実績値と、過去のAIによる事故予想の平均値と、本日の予想値とを比較して確認することができる。
【0078】
更に本実施の形態に係る端末装置6は、この事故発生率のグラフと重ねて、横軸を0時~24時の時刻とし、縦軸をAI予想結果の倍率としたグラフを表示する。即ち端末装置6は、上記の「AI予測値」が「平均事故発生確率」の何倍に相当するかを、「AI予測値の平均事故発生確率との倍率」として、グラフ上にこの倍率に対応する点(図11において「X」で示す)を表示する。この表示により、端末装置6を利用する管制官等は、本日のAIによる事故発生確率の予測値が、過去の実績値に対してどの程度高いか又は低いかを容易に認識することができる。即ち端末装置6は、単純な事故発生確率を示すのみではなく、通常より事故が発生し易いか否かを「AI予測値の平均事故発生確率との倍率」により表示することができる。
【0079】
また端末装置6は、上記の「AI予測値」が「AI予測値の平均」の何倍に相当するかを、「AI予測値の平均値との倍率」として、グラフ上にこの倍率に対応する点(図11において「+」で示す)を表示する。これらの表示により、端末装置6を利用する管制官等は、本日のAIによる事故発生確率の予測値が、過去の予測の平均値に対してどの程度高いか又は低いかを容易に認識することができる。即ち端末装置6は、単純な事故発生確率を示すのみではなく、AI(事故予測モデル22b)の予測傾向を加味して、通常より事故が発生し易いか否かを「AI予測値の平均値との倍率」により表示することができる。
【0080】
なお、端末装置6がこれらの表示を行うためには、過去の実績値及び過去の予測値等の情報が必要である。本実施の形態においてこれらの表示に必要な情報は、事故予測サーバ装置2が端末装置6へ送信する。事故予測サーバ装置2は、表示に必要な情報を自身で記憶していてもよく、交通サーバ装置3から必要な情報を取得してもよい。例えば事故予測サーバ装置2は、これまでの予測結果を履歴として記憶部22に記憶しておき、端末装置6が「AI予測値の平均」として表示するための平均値を算出して端末装置6へ送信することができる。また例えば事故予測サーバ装置2は、交通サーバ装置3から過去1年間の事故有無の実績に関する情報を取得し、時刻毎に事故が発生した件数を集計して、事故が発生した日数の1年間(365日)に対する割合を「平均事故発生確率」として表示する確率として端末装置6へ送信することができる。また「平均事故発生確率」の算出は交通サーバ装置3が行い、事故予測サーバ装置2は算出結果を交通サーバ装置3から取得してもよい。なお「AI予測値の平均」及び「平均事故発生確率」の算出方法は上記の説明による方法に限らず、種々の算出方法が採用され得る。
【0081】
図12は、本実施の形態に係る端末装置6による事故予測結果の一表示例を示す模式図である。本実施の形態に係る端末装置6は、予測対象の道路の区間について、例えば特定の時刻における事故発生確率を図12に示すグラフで表示する。本例のグラフは、図11に示したグラフから特定の時刻についての情報を切り出して棒グラフとして表示したものに相当する。端末装置6は、図11に示したものと同様の「平均事故発生確率」、「AI予測値の平均」及び「AI予測値」の3つを棒グラフとして並べて表示する。更に端末装置6は、この事故発生確率の棒グラフと重ねて、AI予測結果の倍率を示す点を表示する。端末装置6は、「AI予測値の平均事故発生確率との倍率」に対応する点(図12において「X」で示す)と、「AI予測値の平均値との倍率」に対応する点(図12において「+」で示す)とを棒グラフと重ねて表示する。これらの表示により、端末装置6を利用する管制官等は、特定の時刻に着目して事故発生確率を確認することができる。
【0082】
図13は、本実施の形態に係る端末装置6による事故予測結果の一表示例を示す模式図である。本実施の形態に係る端末装置6は、「AI予測値(本日)」のタイトル文字列の下方に事故予測が可能な道路の全体地図を表示すると共に、この地図上に事故予測確率を色分けして示す矢印を重ねて表示する。各矢印の向きは、道路の上り/下りを区別している。これらの表示により、端末装置6を利用する管制官等は、道路全体のいずれの箇所が交通事故の発生確率が高いかを容易に確認することができる。なお、端末装置6がこれらの表示を行うために必要な地図画像は、端末装置6が記憶しているものとするが、事故予測サーバ装置2が端末装置6へ送信してもよい。
【0083】
図14は、本実施の形態に係る端末装置6による事故予測結果の一表示例を示す模式図である。図14に示す表示例は、図13と同様の表示方法で、「AI予測値の平均事故発生確率との倍率」又は「AI予測値の平均値との倍率」を地図上に色分け表示した例である。本実施の形態に係る端末装置6は、「AI予測値の倍率」のタイトル文字列の下方に道路の全体地図を表示し、この地図上にAI予測値の倍率を色分けして示す矢印を重ねて表示する。
【0084】
例えば、図13に示した「AI予測値(本日)」の画面では、事故発生確率が30%を超える道路が、地図の左上部に存在している。しかしながら、図14に示した「AI予測値の倍率」の画面では、この道路に関する倍率が1.0~1.25倍の低い倍率であることが分かる。即ち、この道路は常日頃から事故発生確率が高い道路であり、本日に限って事故発生確率が高いわけではないことを、道路の管制官等が図13及び図14の画面を見比べることで把握することができる。これにより端末装置6を利用する管制官等は、AIによる事故発生確率の予測値が過去の実績値又は予測値等に対して高い箇所がいずれであるかを容易に確認することができる。
【0085】
なお、本実施の形態において端末装置6が事故発生確率の予測結果を表示する例を3つ示したが、端末装置6はこれら以外の表示方法で予測結果を表示してよい。また端末装置7及び車両8についても端末装置6と同様の表示を行うことができる。路上装置9については、例えば事故予測サーバ装置2が予測した事故発生確率が閾値を超えた道路に設置された路上装置9にて、車両8の運転者への警告メッセージを表示することができる。
【0086】
<まとめ>
以上の構成の本実施の形態に係る事故予測システムは、道路の対象区間に係る時系列の交通情報及び事故情報が対応付けられた学習用データを用いて事故予測モデル22bの機械学習を予め行い、学習済の事故予測モデル22bを用いて事故予測サーバ装置2が対象区間の事故発生確率を予測する。事故予測モデル22bは、時系列の交通情報を入力として受け付けて事故情報を出力する。事故予測サーバ装置2は、交通サーバ装置3から交通情報を取得し、所定時点以前の時系列の交通情報を事故予測モデル22bへ入力する。事故予測サーバ装置2は、この入力に応じて事故予測モデル22bが出力する事故情報を取得し、取得した事故情報に基づいて所定時点より後の将来時点における道路の対象区間での事故発生確率を予測する。これにより本実施の形態に係る事故予測システムは、将来の交通事故の発生確率を精度よく予測することが期待できる。
【0087】
また本実施の形態に係る事故予測システムは、事故の種別毎に事故予測モデル22bを生成する。事故予測サーバ装置2は、事故の種別毎に生成された複数の事故予測モデル22bを記憶部22に記憶しており、事故の種別毎に事故発生確率を予測する。事故の種別に応じて発生し易い条件等は異なるため、事故の種別毎に事故予測モデル22bを用意することによって、事故予測サーバ装置2はより精度よく交通事故の発生確率を予測することが期待できる。ただし事故予測モデル22bは、事故の種別に分けて生成されなくてよく、事故の種別に関係なく発生確率を予測するモデルであってよい。また事故予測モデル22bは、複数の事故発生確率を出力する1つのモデルとして生成されてもよい。
【0088】
また本実施の形態に係る事故予測システムは、交通情報及び事故情報と共に気象情報が対応付けられた学習用データを用いて事故予測モデル22bの学習処理を行う。これにより交通情報と共に気象情報を考慮した予測を行うことができるため、事故予測サーバ装置2はより精度よく交通事故の発生確率を予測することが期待できる。また事故予測サーバ装置2は、交通事故の発生確率を予測する際に、気象サーバ装置4が予測した気象情報を取得して事故予測モデル22bへ入力してもよい。これにより事故予測サーバ装置2は、気象情報の実測値が得られない場合であっても、予測された気象情報に基づいて事故発生確率を予測する処理を行うことができるため、事故予測を迅速に行うことが期待できる。
【0089】
また本実施の形態に係る事故予測システムは、予測対象とする道路の対象区間と、この対象区間の周辺区間とに係る交通情報を基に、事故予測サーバ装置2が対象区間の事故発生確率を予測する。これにより事故予測サーバ装置2は、対象区間のみの交通情報に基づいて予測を行う場合と比較して、より精度のよい予測を行うことが期待できる。
【0090】
また本実施の形態に係る事故予測システムでは、事故予測サーバ装置2から与えられる情報に基づいて端末装置6等が、道路の対象区間について事故発生確率の予測値と共に実績値(平均事故発生確率)を出力(表示)する。また端末装置6等は、実績値及び予測値の関連性を示す情報として、実績値に対する予測値の倍率を出力する。また本実施の形態に係る事故予測システムは、事故予測サーバ装置2が予測した事故発生確率を記憶しておき、端末装置6等が事故発生確率の予測値と共に記憶した過去の事故発生確率の平均値(AI予測値の平均)を出力する。また端末装置6等は、平均値に対する予測値の倍率を出力する。端末装置6等がこれらの情報出力を行うことによって、端末装置6等を利用するユーザは、事故予測サーバ装置2の予測結果を容易且つ確実に把握することが期待できる。
【0091】
(変形例)
上述の実施の形態において事故予測モデル22bは、交通情報、気象情報及び事故情報が対応付けられた学習用データを用いて機械学習がなされるものとしたが、これに限るものではない。変形例に係る事故予測モデル22bは、交通情報、気象情報及び事故情報に加えて、暦情報が対応付けられた学習用データを用いて機械学習がなされる。機械学習がなされた事故予測モデル22bは、時系列の交通情報、気象情報及び暦情報の入力を受け付けて、交通事故の発生確率を出力する。暦情報は例えば年月日、曜日、時刻及び祝祭日の別等の情報であり、本実施の形態においては事故予測サーバ装置2が記憶及び管理等することができる情報である。
【0092】
図15は、変形例に係る事故予測モデル22bの学習処理に用いる学習用データを説明するための模式図である。変形例に係る事故予測サーバ装置2は、交通サーバ装置3から取得した速度、交通量及び占有率等の交通情報と、気象サーバ装置4から取得した降水量及び累積降水量等の気象情報と、事故予測サーバ装置2が管理する年月日、曜日及び時刻等の暦情報と、交通事故の有無等の事故情報とを時系列に対応付ける。事故予測サーバ装置2は、時系列に対応付けた交通情報及び暦情報のうち、基準時点を含み、この基準時点より所定時間(例えば2時間)前の過去時点から基準時点までの範囲に含まれる交通情報及び暦情報を抽出する。また事故予測サーバ装置2は、時系列に対応付けた気象情報のうち、基準時点より所定時間前の過去時点から、基準時点より所定時間(例えば30分、1時間又は2時間等)後の将来時点までの範囲に含まれる気象情報を抽出する。また事故予測サーバ装置2は、基準時点から所定時間(例えば30分、1時間又は2時間等)が経過した後の将来時点における事故の有無の情報を抽出する。事故予測サーバ装置2は、抽出した基準時点から所定時間前までの交通情報及び暦情報と、抽出した過去時点から将来時点までの気象情報と、抽出した将来時点の事故の有無とを対応付けたデータを、学習用データ(図15において太線で囲んだ情報)とする。事故予測サーバ装置2は、例えば基準時点を5分ずつ変化させて同様の情報取得を行うことで、複数の学習用データを生成する。
【0093】
変形例に係る事故予測モデル22bは、現時点(基準時点)より所定時間前の過去時点から現時点までの時系列の交通情報及び暦情報と、過去時点から将来時点までの気象情報とを入力として受け付け、基準時点より後の将来時点における交通事故の発生確率を出力する。事故予測サーバ装置2は、図15に示した学習用データを用いて、事故予測モデル22bの学習処理を行う。
【0094】
また変形例に係る事故予測サーバ装置2は、交通サーバ装置3から取得した交通情報と、気象サーバ装置4から取得した気象情報の実測値及び予測値と、自身が管理する暦情報とを学習済の事故予測モデル22bへ入力することによって、事故発生確率の予測を行う。このときに事故予測サーバ装置2は、自身の時計機能及びカレンダー機能等により管理される年月日、曜日及び時刻等に基づいて、予測する時点の年月日、曜日及び時刻等を暦情報として取得し、取得した暦情報を事故予測モデル22bへ入力する。事故予測モデル22bは、入力された交通情報、気象情報及び暦情報に応じて、現時点から所定時間経過後の将来の交通事故の発生確率を出力する。事故予測サーバ装置2は、事故予測モデル22bが出力する予測結果を取得して、例えば端末装置6等へ送信することにより、端末装置6等に交通事故の発生確率の予測結果を表示させる。
【0095】
以上の構成の変形例に係る事故予測システムでは、事故予測サーバ装置2が交通情報、気象情報、暦情報及び事故情報を対応付けた学習用データを用いて事故予測モデル22bの機械学習を行う。事故予測サーバ装置2は、交通サーバ装置3から取得した交通情報、気象サーバ装置4から取得した気象情報、及び、自身のカレンダー機能等により取得した暦情報を学習済の事故予測モデル22bへ入力し、事故予測モデル22bが出力する交通事故の発生確率を取得する。これにより、例えば金曜日に交通事故が発生し易い又は12月に交通事故が発生し易い等のように、交通事故の発生に暦に応じた傾向がある場合に、事故予測モデル22bはこの傾向を考慮して交通事故の発生確率を予測することができ、予測の精度を向上することが期待できる。
【0096】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0097】
1 サーバシステム
2 事故予測サーバ装置(事故予測装置)
3 交通サーバ装置
4 気象サーバ装置
5 交通センサ
6 端末装置
7 端末装置
8 車両
9 路上装置
21 処理部
21a 情報取得部
21b 予測処理部
21c 情報提供部
21d 学習処理部
22 記憶部
22a サーバプログラム(コンピュータプログラム)
22b 事故予測モデル(学習モデル)
23 通信部
31 処理部
31a 情報取得部
31b 情報提供部
32 記憶部
32a サーバプログラム
32b 交通DB
33 通信部
61 処理部
61a 表示処理部
62 記憶部
62a プログラム
63 通信部
64 表示部
65 操作部
97~99 記録媒体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15