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  • 特許-制御装置及び制御方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-06
(45)【発行日】2024-08-15
(54)【発明の名称】制御装置及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   B23H 7/02 20060101AFI20240807BHJP
   H04N 5/77 20060101ALI20240807BHJP
   H04N 5/92 20060101ALI20240807BHJP
   G05B 19/414 20060101ALI20240807BHJP
【FI】
B23H7/02 R
H04N5/77
H04N5/92 010
G05B19/414 Q
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020120709
(22)【出願日】2020-07-14
(65)【公開番号】P2022017882
(43)【公開日】2022-01-26
【審査請求日】2023-05-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000196705
【氏名又は名称】西部電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136180
【弁理士】
【氏名又は名称】羽立 章二
(72)【発明者】
【氏名】藤井 浩明
(72)【発明者】
【氏名】坂谷 榮康
【審査官】松田 長親
(56)【参考文献】
【文献】特開昭63-267121(JP,A)
【文献】特開平03-049833(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23H 1/00-11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御装置であって、
組み込み情報処理部と、制御部と、機械部を備え、
前記機械部は、撮影部と移動制御部を備え、
前記組み込み情報処理部は、検出処理部を備え、
前記制御部は、記憶部と、動作制御部を備え、
前記制御部と前記組み込み情報処理部との通信において使用される組み込み用通信プロトコルは、前記制御部と当該制御装置に組み込まれない外部情報処理装置との通信において使用される外部通信プロトコルとは異なり、
前記記憶部は、前記組み込み用通信プロトコルにより書き込みができて、前記外部通信プロトコルによっては書き込みができず、
利用者によって検出モードが指定されたならば、
前記検出処理部は、前記撮影部が対象物を撮影して得られた撮影データを分析して判断対象位置においてエッジが検出されたならば前記記憶部に対してエッジが検出されたことを示す情報を書き込み、
前記動作制御部は、前記記憶部にエッジが検出されたことを示す情報が書き込まれたか否かを判断して、書き込まれていないならば前記移動制御部に対して利用者の指示に従って前記対象物を移動させ、書き込まれたならば前記移動制御部に対して前記対象物を停止させ、
利用者によって通常モードが指定されたならば、前記移動制御部は利用者の指示に従って前記対象物を移動させて、前記動作制御部は前記移動制御部に対してエッジ検出結果によって対象物の移動を停止させない、制御装置。
【請求項2】
通常上限値は、前記通常モードにおける前記対象物の移動速度の上限値であり、
検出上限値は、前記検出モードにおける前記対象物の移動速度の上限値であり、
前記検出上限値は、前記通常上限値よりも遅く、
前記移動制御部は、
前記通常モードでは前記通常上限値を移動速度の上限値として利用者の指示に従って前記対象物を移動させ、
前記検出モードでは前記検出上限値を移動速度の上限値として利用者の指示に従って前記対象物を移動させる、請求項1記載の制御装置。
【請求項3】
制御装置における制御方法であって、
前記制御装置は、組み込み情報処理部と、制御部と、機械部を備え、
前記機械部は、撮影部と移動制御部を備え、
前記組み込み情報処理部は、検出処理部を備え、
前記制御部は、記憶部と、動作制御部を備え、
前記制御部と前記組み込み情報処理部との通信において使用される組み込み用通信プロトコルは、前記制御部と当該制御装置に組み込まれない外部情報処理装置との通信において使用される外部通信プロトコルとは異なり、
前記記憶部は、前記組み込み用通信プロトコルにより書き込みができて、前記外部通信プロトコルによっては書き込みができず、
利用者によって検出モードが指定されたならば、
前記検出処理部は、前記撮影部が対象物を撮影して得られた撮影データを分析して判断対象位置においてエッジが検出されたならば前記記憶部に対してエッジが検出されたことを示す情報を書き込み、
前記動作制御部は、前記記憶部にエッジが検出されたことを示す情報が書き込まれたか否かを判断して、書き込まれていないならば前記移動制御部に対して利用者の指示に従って前記対象物を移動させ、書き込まれたならば前記移動制御部に対して前記対象物を停止させ、
利用者によって通常モードが指定されたならば、前記移動制御部は利用者の指示に従って前記対象物を移動させて、前記動作制御部は前記移動制御部に対してエッジ検出結果によって対象物の移動を停止させないステップを含む制御方法。
【請求項4】
通常上限値は、前記通常モードにおける前記対象物の移動速度の上限値であり、
検出上限値は、前記検出モードにおける前記対象物の移動速度の上限値であり、
前記検出上限値は、前記通常上限値よりも遅く、
前記移動制御部は、
前記通常モードでは前記通常上限値を移動速度の上限値として利用者の指示に従って前記対象物を移動させ、
前記検出モードでは前記検出上限値を移動速度の上限値として利用者の指示に従って前記対象物を移動させる、請求項3記載の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ワイヤ放電加工機においてエッジ検出を行うことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-136964号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エッジ検出処理は放電加工に特有の処理ではなく、通常、機外の汎用計算機により実現されていた。機外の汎用計算機による一般的な情報処理では、ワイヤ放電加工機の制御と関連させることは困難であった。そのため、例えば、利用者が、汎用計算機によるエッジ検出処理を利用したエッジ検出によりワイヤ放電加工機をリモート制御するなどの処理を行っていた。しかしながら、人手で実現するとタイムラグが生じ、加工誤差が生じていた。
【0005】
近年、ワイヤ放電加工機においても、汎用計算機と同様の計算力を有する情報処理装置が組み込まれている。しかしながら、組み込まれた情報処理装置は、ワイヤ放電加工機の動作を直接制御することは難しい。そのため、組み込まれた情報処理装置を利用してエッジ検出処理を実現しても、エッジ検出結果によってワイヤ放電加工機を直接制御することは困難である。
【0006】
このような課題は、ワイヤ放電加工機に限定されず、従来は機械の動作を制御するための計算力が小さなコンピュータが組み込まれていたところ、近年では汎用計算機と同様の大きな計算力のコンピュータも併せて組み込まれている技術分野で同様に生じている。
【0007】
よって、本発明は、組み込まれている情報処理装置による情報処理を用いた制御装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願発明の第1の観点は、制御装置であって、組み込み情報処理部と、制御部と、機械部を備え、前記機械部は、対象物に変化を生じさせる変更部と、前記対象物を測定する測定部を備え、前記組み込み情報処理部は、検出処理部を備え、前記制御部は、記憶部と、動作制御部を備え、前記制御部と前記組み込み情報処理部との通信において使用される組み込み用通信プロトコルは、前記制御部と当該制御装置に組み込まれない外部情報処理装置との通信において使用される外部通信プロトコルとは異なり、前記記憶部は、前記組み込み用通信プロトコルにより書き込みができて、前記外部通信プロトコルによっては書き込みができず、前記測定部は、前記変更部によって変化する前記対象物を測定して測定データを得、前記検出処理部は、前記測定データにおいて検出状態が検出されると、前記記憶部に検出状態が検出されたことを示す情報を書き込み、前記動作制御部は、前記記憶部に検出状態が検出されたことを示す情報が書き込まれると、前記変更部による前記対象物の変化を停止させる。
【0009】
本願発明の第2の観点は、請求項1記載の制御装置であって、前記変更部は、前記対象物を移動させて位置を変化させるものであり、前記測定部は、前記対象物を撮影して撮影データを得るカメラであり、前記検出処理部は、前記撮影データにエッジ検出処理を行うものであり、前記検出処理部は、前記撮影データにおいてエッジを検出すると、前記記憶部にエッジが検出されたことを示す情報を書き込み、前記動作制御部は、前記記憶部にエッジが検出されたことを示す情報が書き込まれると、前記変更部による前記対象物の移動を停止する。
【0010】
本願発明の第3の観点は、第1又は第2の観点の移動制御装置であって、通常上限値を前記検出処理部が検出処理をしていない場合の前記対象物の変化速度の上限値とし、検出上限値を前記検出処理部が検出処理をしている場合の前記対象物の変化速度の上限値として、前記変更部は、前記検出上限値を前記通常上限値よりも遅い値にして、前記検出処理部が検出処理を行っている場合に、前記対象物を遅く変化させる。
【0011】
本願発明の第4の観点は、制御装置における制御方法であって、前記制御装置は、組み込み情報処理部と、制御部と、機械部を備え、前記機械部は、対象物に変化を生じさせる変更部と、前記対象物を測定する測定部を備え、前記組み込み情報処理部は、検出処理部を備え、前記制御部は、記憶部と、動作制御部を備え、前記制御部と前記組み込み情報処理部との通信において使用される組み込み用通信プロトコルは、前記制御部と当該制御装置に組み込まれない外部情報処理装置との通信において使用される外部通信プロトコルとは異なり、前記記憶部は、前記組み込み用通信プロトコルにより書き込みができて、前記外部通信プロトコルによっては書き込みができず、前記測定部は、前記変更部によって変化する前記対象物を測定して測定データを得、前記検出処理部は、前記測定データにおいて検出状態が検出されると、前記記憶部に検出状態が検出されたことを示す情報を書き込み、前記動作制御部が、前記記憶部に検出状態が検出されたことを示す情報が書き込まれると、前記変更部による前記対象物の変化を停止させるステップを含む。
【発明の効果】
【0012】
本願発明の各観点によれば、機内の通信プロトコルを利用して組み込み情報処理部による情報処理の結果を制御部が活用することにより、組み込み情報処理部の計算力を有効に活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】制御システム1の(a)構成の一例を示すブロック図と、(b)~(e)エッジ検出処理を説明するための図である。
図2図1(a)の制御システム1の動作の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本願発明の実施例について述べる。なお、本願発明の実施の形態は、以下の実施例に限定されるものではない。
【実施例
【0015】
本願発明の実施の形態に係る制御システム1について、エッジ検出処理を行う場合について説明する。図1は、制御システム1の(a)構成の一例を示すブロック図と、(b)~(e)エッジ検出処理を説明するための図である。
【0016】
図1(a)を参照して、制御システム1は、制御装置3(本願請求項の「制御装置」の一例)と、外部情報処理装置5と、入力装置7を備える。
【0017】
移動制御装置3は、例えば、ワイヤ電極を利用して放電加工を行うワイヤ放電加工機である。移動制御装置3は、組み込み情報処理部11(本願請求項の「組み込み情報処理部」の一例)と、制御部13(本願請求項の「制御部」の一例)と、機械部17(本願請求項の「機械部」の一例)を備える。
【0018】
組み込み情報処理部11は、検出処理部21(本願請求項の「検出処理部」の一例)を備える。検出処理部21は、分析部23と、判定部25と、書込部27を備える。
【0019】
制御部13は、例えばシーケンス・プログラムを用いて移動制御装置3の動作を制御する。制御部13は、記憶部29(本願請求項の「記憶部」の一例)と、動作制御部31(本願請求項の「動作制御部」の一例)を備える。
【0020】
機械部17は、撮影部33(本願請求項の「測定部」の一例)と、上側照明35と、対象物37と、設置台39と、下側照明41と、移動部43(本願請求項の「変更部」の一例)と、移動制御部45を備える。
【0021】
外部情報処理装置5は、通信処理部47を備える。
【0022】
入力装置7は、例えばリモコンであり、移動指示部49を備える。
【0023】
制御部13は、移動制御装置3に組み込まれている組み込み情報処理部11と組み込み用通信プロトコルを利用して通信をすることができる。また、移動制御装置3に組み込まれていない外部情報処理装置5とは、例えばLANなどを利用して外部通信プロトコルにより通信をすることができる。
【0024】
組み込み用通信プロトコルと外部通信プロトコルは異なる。記憶部29は、組み込み用通信プロトコルでは書き込みができるが、外部通信プロトコルによっては書き込むことができない。
【0025】
利用者は、入力装置7の移動指示部49を操作して、移動制御装置3における水平面上で対象物37を移動させる指示を行うことができる。利用者は、対象物37の移動方向と移動速度を指示することができる。移動制御部45は、利用者の指示に従い、移動部43を駆動して設置台39を移動させて、設置台39に設置された対象物37を移動させる。
【0026】
上側照明35及び下側照明41は、利用者の指示によって、それぞれ、対象物の上及び下からライトを照らす。
【0027】
撮影部33は、例えばカメラであり、対象物37の上方から対象物37を撮影して撮影データを得る。
【0028】
分析部23は、撮影データに対して、例えば撮影されている対象物を特定することなどの分析を行う。判定部25は、エッジが検出されたか否かを判定する。書込部27は、エッジが検出されると、組み込み用通信プロトコルを用いて、記憶部29にエッジが検出されたことを示す情報を書き込む。例えば、記憶部29の特定のアドレス(レジスタなどであってもよい)に、検出されていない場合とは異なるデータを書き込むことによって、エッジが検出されたことを示す情報を書き込む。
【0029】
動作制御部31は、シーケンス・プログラムによって、定期的(例えば8msごと)に記憶部29をチェックして、記憶部29にエッジが検出されたことを示す情報が書き込まれたか否かを判定する。エッジが検出されたことを示す情報が書き込まれるまで待ち、エッジが検出されたことを示す情報が書き込まれたならば、移動制御部45に対して対象物37の移動を停止する指示を行う。
【0030】
移動制御部45は、原則として、入力装置7の移動支持部49による移動指示に従って移動部43を制御して対象物37を移動させ、動作制御部31から移動の停止の指示があれば、対象物37の移動を停止する。
【0031】
ここで、精度にとって、検出処理部21によるエッジ検出の時刻から対象物37の停止の時刻までの時間に対象物37が移動する距離が重要である。そこで、例えば下記のように対象物37の移動速度の上限を変更する。検出処理部21がエッジ検出処理をしていない状態では、利用者は、移動速度を4段階で指定でき、第1移動速度が最も遅く、第2移動速度、第3移動速度の順に速くなり、第4移動速度が最も速い(第4移動速度が、本願請求項の「通常上限値」の一例)。他方、検出処理部21がエッジ検出処理をしている状態では、利用者は、移動速度を2段階で指定できる。一つは、第1移動速度である。もう一つは、第1移動速度と第2移動速度の間にある第5移動速度である。第5移動速度は、エッジ検出処理が行われている状態での最高移動速度である(第5移動速度が、本願請求項の「検出上限値」の一例)。第5移動速度は、エッジ検出処理が行われていない状態での最高移動速度である第4移動速度よりも遅い。このように、エッジ検出処理を行っている場合には対象物37の移動速度の上限を遅くすることにより、利用者は、エッジ検出を行っていない状態では希望のとおりに速い速度で移動させることができつつ、エッジ検出を行うときには遅く移動させるようにしてエッジ検出処理による制御の精度を確保することができる。
【0032】
図1(b)~(e)は、検出処理部21によるエッジ検出処理の一例を示す。ここで、エッジ検出は、対象物53が撮影されている部分と撮影されていない部分とのエッジを検出するものである。この例では、対象物53は白で、設置台51は白とは異なる色であるため、マーカー55の位置での色が白から白以外の色に変化することによってエッジを検出することができる。
【0033】
利用者は、入力装置7を操作して、設置台51上の対象物53を左に移動させている。図1(b)は、カメラの正面にあり、マーカー55は対象物53の中心に位置している。マーカー55の位置ではエッジを検出していないため、マーカーは白である。図1(c)、(d)の順に対象物53は左に移動している。マーカー55の位置ではエッジを検出していないため、マーカーは白のままである。図1(d)で、マーカー55の位置で、白から白以外の色に変化している。そのため、エッジを検出したとして、マーカー55の色は、白から黒へと変化している。なお、マーカーの色は、例えば緑色から赤色に変化するなど、他の色であってもよい。
【0034】
図2は、図1(a)の制御システム1の動作の一例を示すフロー図である。
【0035】
図2(a)を参照して、検出処理部21の動作の一例を説明する。
【0036】
移動制御装置3は、処理の開始時にはエッジ検出処理は行われておらず、通常モードで動作を開始する。検出処理部21は、エッジ検出処理が行われていない状態(通常モード)で動作を開始する(ステップSTA1)。
【0037】
移動制御装置3には、図示を省略する入出力部(例えばタッチパネル)が設けられている。利用者は、入出力部を操作して、例えば、エッジ検出処理を行うか否か(例えば、所定のチェックボックスのオンオフによる指示)、上側照明35及び下側照明41をそれぞれ使用するか否か並びに照明の強さ、エッジ検出の閾値などを指定することができる。
【0038】
検出処理部21は、利用者の指示により、エッジ検出処理を行うモード(検出モード)とするか否かを判定する(ステップSTA2)。例えば、利用者が、所定のチェックボックスをオフからオンに変更すると、検出モードとする指示があったと判定する。検出モードの指示があるまで待ち、検出モードの指示があればステップSTA3に進む。
【0039】
ステップSTA3において、検出処理部21は、移動制御装置3を検出モードにて動作させるように指示し、エッジ検出処理を開始する。
【0040】
検出処理部21は、利用者の指示により、上側照明35及び下側照明41の点灯と消灯を制御し、点灯するときの照明の強さを制御する(ステップSTA4)。
【0041】
分析部23は、撮影部33が撮影した撮影データを分析する。判定部25は、エッジが検出されたか否かを判定する(ステップSTA5)。エッジが検出されていないならばステップSTA7に進む。エッジが検出されたならば、書込部27は、記憶部29にエッジが検出されたことを示す情報を書き込み(ステップSTA6)、ステップSTA7に進む。
【0042】
ステップSTA7において、検出処理部21は、利用者の指示により、検出モードを終了するか否かを判定する。例えば、利用者が、所定のチェックボックスをオンからオフに変更すると、検出モードを終了とする指示があったと判定する。検出モードを終了する指示がないならばステップSTA4に戻る。検出モードを終了する指示があったならば、移動制御部3に対して通常モードに戻るように指示し(ステップSTA8)、ステップSTA2に戻る。
【0043】
図2(b)を参照して、動作制御部31の動作の一例を説明する。
【0044】
動作制御部31は、検出処理部21により検出モードを開始する指示(ステップSTA3参照)があるまで待ち、検出モードを開始する指示があればステップSTB2に進む(ステップSTB1)。
【0045】
動作制御部31は、定期的に記憶部29を監視して、エッジが検出されたことを示す情報が記憶されたか否かを判定する(ステップSTB2)。エッジが検出されたことを示す情報が記憶されていないならば、ステップSTB4に進む。エッジが検出されたことを示す情報が記憶されたならば、移動制御部45に対して停止させる指示を行い(ステップSTB3)、ステップSTB4に進む。
【0046】
ステップSTB4において、検出処理部21から通常モードに戻る指示(ステップSTA8参照)があったか否かを判定する。通常モードに戻る指示があればステップSTB1に戻り、なければステップSTB2に戻る。
【0047】
図2(c)を参照して、移動制御部45の動作の一例を説明する。
【0048】
移動制御部45は、対象物37の移動速度の上限を、通常上限値とする(ステップSTC1)。移動制御部45は、利用者による指示に従い、通常上限値の範囲内で対象物37を移動させる(ステップSTC2)。
【0049】
移動制御部45は、検出処理部21により検出モードを開始する指示(ステップSTA3参照)があるまでステップSTC2の移動処理を繰り返し、検出モードを開始する指示があればステップSTC4に進む(ステップSTC3)。
【0050】
ステップSTC4において、移動制御部45は、対象物37の移動速度の上限を、検出上限値とする。検出上限値は、通常上限値よりも遅い。移動制御部45は、利用者による指示に従い、検出上限値の範囲内で対象物37を移動させる(ステップSTC5)。
【0051】
移動制御部45は、動作制御部31により停止する指示(ステップSTB3参照)があるか否かを判定する(ステップSTC6)。停止する指示があれば対象物37の移動を停止して(ステップSTC7)、ステップSTC8に進む。停止する指示がなければステップSTC8に進む。
【0052】
ステップSTC8において、通常モードとするか否かを判定する。検出処理部21が通常モードとする指示を与えたならば(ステップSTA8参照)、対象物37の移動速度の上限を、通常上限値として(ステップSTC9)、ステップSTC2に戻る。検出処理部21が通常モードとする指示を与えていないならば、ステップSTC5に戻る。
【符号の説明】
【0053】
1 制御システム、3 移動制御装置、5 外部情報処理装置、7 入力装置、11 組み込み情報処理部、13 制御部、17 機械部、21 検出処理部、23 分析部、25 判定部、27 書込部、29 記憶部、31 動作制御部、33 撮影部、35 上側照明、37 対象物、39 設置台、41 下側照明、43 移動部、45 移動制御部、47 通信処理部、49 移動指示部、51 設置台、53 対象物、55 マーカー
図1
図2