(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-06
(45)【発行日】2024-08-15
(54)【発明の名称】対象物関連付けシステム
(51)【国際特許分類】
H05K 13/02 20060101AFI20240807BHJP
G06K 7/10 20060101ALI20240807BHJP
【FI】
H05K13/02 W
G06K7/10 432
(21)【出願番号】P 2020150824
(22)【出願日】2020-09-08
【審査請求日】2023-05-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000604
【氏名又は名称】弁理士法人 共立特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木村 元則
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-044094(JP,A)
【文献】特開2008-214016(JP,A)
【文献】特開2013-073454(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/02
G06K 7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対基板作業機が行う対基板作業において
用いられる、部品が収容されるキャリアテープが巻回されたリールと前記リールを着脱可能に保持して前記リールから前記部品を送り出すフィーダとを関連付ける対象物関連付けシステムであって、
前記
リール及び前記フィーダはそれぞれ、外面に付された個別情報を示す識別コードを有し、
前記リールの前記識別コードと前記フィーダの前記識別コードとは、前記リールが前記フィーダに保持された状態で、同時に視認可能な位置に配置され、
前記対象物関連付けシステムは、前記識別コードを読み取る読取部を備え、
前記読取部は、前記
リールが前記フィーダに保持された状態での前記リールの前記識別コードと前記フィーダの前記識別コードとの双方を包含する大きさである読取可能範囲と、前記読取可能範囲に前記
リール及び前記フィーダそれぞれの前記識別コードが含まれる場合に
前記リール及び前記フィーダそれぞれの前記識別コードを一括して読み取る一括読取部と、を有し、
前記対象物関連付けシステムは、前記一括読取部による
前記リール及び前記フィーダそれぞれの前記識別コードの一括した読み取りが成功した場合に、
前記リールと前記フィーダとを関連付ける関連付け制御部を備える、対象物関連付けシステム。
【請求項2】
前記関連付け制御部は、前記一括読取部による
前記リール及び前記フィーダそれぞれの前記識別コードの一括した読み取りにエラーが生じた場合に、
前記リールと前記フィーダとの関連付けを行わない、請求項1に記載された対象物関連付けシステム。
【請求項3】
前記対象物関連付けシステムは、前記読取可能範囲に含まれる前記識別コードの個数が予め定めた所定複数個とは異なる場合に、前記一括読取部による
前記リール及び前記フィーダそれぞれの前記識別コードの一括した読み取りにエラーが生じたと判定するエラー判定部を備える、請求項2に記載された対象物関連付けシステム。
【請求項4】
前記対象物関連付けシステムは、前記一括読取部による
前記リール及び前記フィーダそれぞれの前記識別コードの一括した読み取りを実行するか否かを選択するモード選択部を備える、請求項1乃至
3の何れか一項に記載された対象物関連付けシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物関連付けシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
対象物関連付けシステムは、対基板作業機が行う対基板作業において互いに組み合わされて扱われる複数の対象物の関連付けを行う。対基板作業機としては、電子部品などの部品を基板に装着する部品装着機や基板にはんだを印刷する印刷機などがある。部品装着機は、例えば、部品が収容されるリールと、リールを着脱可能に保持してリールから部品を送り出すフィーダと、を備えている。この部品装着機においては、リールが交換などでフィーダにセットされる際、リールとフィーダとを関連付けるために、作業者にベリファイ作業が求められる。このベリファイ作業は、作業者が、リールの表面に付された個別情報を示す識別コードと、フィーダの表面に付された個別情報を示す識別コードと、をコードリーダで読み取る作業を行うことにより実現される。
【0003】
各対象物に付された読取対象である識別コードを読み取る読取装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この読取装置において、各対象物の識別コードは、個々に読み取られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、複数の対象物それぞれの識別コードの読み取り作業が個別に行われるものとすると、フィーダに実際にセットされているリールとは異なるリールの識別コードが読み取られることなどに起因して、フィーダとリールとの関連付けが誤ったものとなるおそれがある。この場合は、部品装着機において基板に誤った部品が装着される可能性がある。
【0006】
本明細書は、互いに組み合わされて扱われるそれぞれコード読取対象である対象物同士の関連付けの正確性を向上させることが可能な対象物関連付けシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書は、対基板作業機が行う対基板作業において互いに組み合わされて扱われる複数の対象物を関連付ける対象物関連付けシステムであって、前記複数の対象物それぞれは、外面に付された個別情報を示す識別コードを有し、前記対象物関連付けシステムは、前記識別コードを読み取る読取部を備え、前記読取部は、前記複数の対象物が互いに組み合わされた状態での該複数の対象物の前記識別コードを包含する大きさである読取可能範囲と、前記読取可能範囲に前記複数の対象物それぞれの前記識別コードが含まれる場合に該複数の対象物それぞれの前記識別コードを一括して読み取る一括読取部と、を有し、前記対象物関連付けシステムは、前記一括読取部による前記複数の対象物それぞれの前記識別コードの一括した読み取りが成功した場合に、該複数の対象物を関連付ける関連付け制御部を備える、対象物関連付けシステムを開示する。
【0008】
本開示によれば、対基板作業において互いに組み合わされて扱われる複数の対象物の関連付けを、読取部の読取可能範囲に複数の対象物それぞれの識別コードが含まれる場合にそれらの複数の対象物それぞれの識別コードを一括して読み取ることにより行うことができる。この場合、複数の対象物それぞれの識別コードが別々のタイミングで個別に読み取られても、それらの識別コードの関連付けが行われない。従って、対基板作業において互いに組み合わされて扱われる複数の対象物の関連付けの正確性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態に係る対象物関連付けシステムが備える対基板作業機の平面図である。
【
図2】本実施形態の対基板作業機が有するリールが保持されたフィーダの側面図である。
【
図3】本実施形態の対象物関連付けシステムの構成図である。
【
図4】リールが保持されたフィーダとコードリーダの読取可能範囲との関係を表した図である。
【
図5】本実施形態の対象物関連付けシステムにおいて実行される制御ルーチンの一例のフローチャートである。
【
図6】第一変形形態に係る対象物関連付けシステムにおける対基板作業において互いに組み合わされて扱われるリールと収容ケースとの組み合わせを表した図である。
【
図7】第二変形形態に係る対象物関連付けシステムにおける対基板作業において互いに組み合わされて扱われるフィーダと収容ケースとの組み合わせを表した図である。
【
図8】第三変形形態に係る対象物関連付けシステムにおける対基板作業において互いに組み合わされて扱われるトレイとトレイパレットとの組み合わせを表した図である。
【
図9】第四変形形態に係る対象物関連付けシステムにおける対基板作業において互いに組み合わされて扱われるはんだ容器と収容ケースとの組み合わせを表した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、対象物関連付けシステムを具体化した一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0011】
1.対象物関連付けシステムの構成
本実施形態の対象物関連付けシステム1は、対基板作業機10が行う対基板作業において互いに組み合わされて扱われる複数の対象物を関連付けるシステムである。対基板作業機10は、対基板作業として電子部品などの基板2への部品の装着を行う部品装着機である。対基板作業機10は、
図1に示す如く、基板搬送部11と、部品供給部12と、部品移載部13と、を備えている。
【0012】
基板搬送部11は、基板2を搬送方向Xに搬送する部位である。基板搬送部11は、ベルトコンベアなどにより構成されている。基板搬送部11は、搬送方向Xに搬送した基板2を所定位置に位置決めする。
【0013】
部品供給部12は、基板2に装着される電子部品などの部品を部品移載位置Psに供給する部位である。部品供給部12は、部品を送り出すフィーダ12aを有している。フィーダ12aは、
図2に示す如く、扁平な箱形に形成されている。フィーダ12aは、対基板作業機10の本体に設けられたスロット12bに着脱可能に装着される。フィーダ12aは、搬送方向Xに並んで配置された複数のスロット12bのうちの任意のスロット12bに装着される。
【0014】
フィーダ12aは、リール15が着脱可能に保持されるリール保持部16を有している。リール15は、所定ピッチで基板2に装着すべき部品が収容されるキャリアテープが巻回される円板状の部材である。リール15は、フィーダ12aの本体に対して回転可能に保持される。フィーダ12aは、モータを用いてリール15に巻回されたキャリアテープを基板2の搬送方向Xに直交する水平方向Yに送り移動させることにより、キャリアテープに収容された部品をフィーダ12aの先端部の部品移載位置Psに送り出す。
【0015】
フィーダ12aは、外面に付された識別コード(以下、フィーダ識別コードC1と称す。)を有している。フィーダ識別コードC1は、フィーダ12aを識別するための個別情報を示すコードである。フィーダ識別コードC1は、例えば、バーコードなどの一次元コード、QRコード(登録商標)などの二次元コード、無線タグなどである。フィーダ識別コードC1は、シールに付された状態でフィーダ12aの側面に貼付されている。尚、フィーダ12aへのフィーダ識別コードC1の貼付は、フィーダ12aにおけるリール15の保持位置に近い位置(例えば、フィーダ12aの後端部)で行われることが好ましい。
【0016】
リール15は、外面に付された識別コード(以下、リール識別コードC2と称す。)を有している。リール識別コードC2は、例えば、バーコードなどの一次元コード、QRコード(登録商標)などの二次元コード、無線タグなどである。尚、リール識別コードC2は、上記のフィーダ識別コードC1の種類と同じ種類のコードであってもよいし、異なる種類のコードであってもよい。また、リール識別コードC2は、そのリール15に巻回されるキャリアテープが収容する部品の部品コード(例えば製造メーカ等が設定する部品の型番など)を含んでいてもよい。リール識別コードC2は、シールに付された状態でリール15の側面に貼付されている。
【0017】
フィーダ識別コードC1及びリール識別コードC2はそれぞれ、フィーダ12aにリール15が保持された状態で、それらの互いに組み合わされたフィーダ12a及びリール15の外方から見て同一面(例えば、フィーダ12a及びリール15における共通した側面)に配置されている。この状態で、作業者は、フィーダ識別コードC1及びリール識別コードC2の双方を同時に視認することが可能である。
【0018】
部品移載部13は、部品供給部12により部品移載位置Psに供給された部品を、基板搬送部11により所定位置に位置決めされている基板2に移載する部位である。部品移載部13は、任意の位置に移動可能な装着ヘッド13aを有している。装着ヘッド13aには、吸着ノズル(図示せず)が着脱可能に装着されている。この吸着ノズルは、負圧などを用いて部品を吸着することができる。装着ヘッド13aは、部品供給部12で部品移載位置Psに供給された部品を吸着ノズルにより吸着し、その後、その吸着部品が基板搬送部11で所定位置に位置決めされている基板2上に位置移動するように移動されると共に、負圧解除により吸着ノズルによる部品の吸着を解除して部品を基板2に移載する。
【0019】
対象物関連付けシステム1は、
図3に示す如く、コードリーダ20と、ホストコンピュータ30と、を備えている。コードリーダ20は、対基板作業機10に組み込まれていてもよいし、また、コードリーダ20は、台車に設置されて、対基板作業機10が設置された生産工場において移動可能であってもよい。
【0020】
コードリーダ20は、フィーダ12aに付されているフィーダ識別コードC1及びリール15に付されているリール識別コードC2を読み取ることが可能な読取部である。コードリーダ20は、一回のスキャンで読み取る識別コードの個数を変えることが可能であり、一つの識別コードを読み取るシングルモード機能と、複数個(本実施形態では二つ)の識別コードを一括して読み取るマルチモード機能と、を有している。コードリーダ20は、操作スイッチ部21と、撮像部22と、制御部23と、外部入出力部24と、表示部25と、を有している。
【0021】
操作スイッチ部21は、作業者により操作可能な部位である。操作スイッチ部21は、シングルモード機能とマルチモード機能とのうちから実行するモード機能を選択するためのモード選択部21aを含む。すなわち、このモード選択部21aは、フィーダ識別コードC1及びリール識別コードC2の一括した読み取りを実行するか否かを選択するための部位である。
【0022】
撮像部22は、操作スイッチ部21へのハンディ操作によりコード読取対象を撮像する部位である。制御部23は、撮像部22により撮像された画像データを変換してコード読取を行う部位である。外部入出力部24は、ホストコンピュータ30との通信を行う部位である。表示部25は、作業者が視認可能なモニタ部である。
【0023】
コードリーダ20の撮像部22は、コード読取作業を行う領域としての読取可能範囲Sを有している(
図4参照)。この読取可能範囲Sは、フィーダ12aにリール15が保持されて両者が互いに組み合わされた状態でのフィーダ12aのフィーダ識別コードC1とリール15のリール識別コードC2との双方を包含する大きさを有している。また、この読取可能範囲Sの大きさは、フィーダ12aに保持されるリール15の回転位置にかかわらず、フィーダ識別コードC1とリール識別コードC2との双方を包含する大きさである。
【0024】
コードリーダ20は、操作スイッチ部21に対して作業者によりコード読取のためのハンディ操作が行われると、コード読取作業を行う。コードリーダ20は、コード読取作業において読取可能範囲S内の識別コードを読み取って、その読取可能範囲Sにフィーダ識別コードC1及びリール識別コードC2のうち少なくとも何れかが含まれることを検知すると、その識別コードの情報をホストコンピュータ30に送信する。
【0025】
対基板作業機10とホストコンピュータ30との間の通信及びコードリーダ20とホストコンピュータ30との間の通信は、例えば無線LANや有線LANなどの通信システムを用いて行われる。
【0026】
ホストコンピュータ30は、CPUやメモリ,制御回路を有しており、予め定められたプログラムに従って各種処理を実行する。ホストコンピュータ30は、制御部31と、記憶部32と、を有している。記憶部32には、対基板作業機10などを制御するための制御プログラムや、基板2を計画通りに生産するためのジョブデータD1や管理データD2などが格納されている。制御部31は、記憶部32から制御プログラムを読み込んで実行し、管理対象の対基板作業機10の制御や管理を行うことが可能である。
【0027】
制御部31は、特に、コードリーダ20から送信される情報を受信して、その情報に基づいて各種制御を行う。具体的には、制御部31は、フィーダ12aにリール15が装着されて保持される際にそれらのフィーダ12aとリール15とを関連付けるためのベリファイを実行して、フィーダ12aとリール15との管理を行う。すなわち、制御部31は、コードリーダ20から送信される識別コードC1,C2の情報に基づいて、対基板作業機10の本体に装着されたフィーダ12aと、そのフィーダ12aに保持されたリール15と、を関連付けて両識別コードC1,C2を記憶部32に後述の管理データD2として記憶する。
【0028】
上記のジョブデータD1は、例えば、対基板作業機10により基板2に装着する部品の位置や順番及び基板2の生産枚数などの生産計画などを定めたデータである。ホストコンピュータ30は、基板2の生産時、ジョブデータD1を対基板作業機10に送信する。対基板作業機10は、ホストコンピュータ30からのジョブデータD1に従って基板2に部品を装着する。
【0029】
また、上記の管理データD2は、例えば、対基板作業機10の有するスロット12bにフィーダ12aが配置されているか否かを示すデータや、フィーダ12aに保持されているリール15を示すデータなどである。
【0030】
また、対基板作業機10は、装着されているフィーダ12aから供給可能な部品の部品コードや供給可能な部品の最大数、供給した(使用した)部品の数などの部品情報を取得して、フィーダ12aやリール15の識別コード(すなわち、フィーダ識別コードC1やリール識別コードC2)の情報と共にホストコンピュータ30へ送信する。ホストコンピュータ30は、対基板作業機10からの部品情報を受信すると、フィーダ識別コードC1を有するフィーダ12aとリール識別コードC2を有するリール15とを関連付けて記憶部32に記憶(管理)させる。ホストコンピュータ30は、例えば、フィーダ12aやリール15の部品残数、生産する基板2の一枚当たりに使用する部品の数、基板2の生産速度、部品の減少率などに基づいて、フィーダ12aにおいて部品切れが生じる部品切れ時刻などを演算可能である。
【0031】
2.対象物関連付けシステムの動作
例えばリールローダ装置などでリール15がフィーダ12aにセット保持される際、作業者は、コードリーダ20を用いてそれらのフィーダ12aとリール15とを関連付けるベリファイ作業を行う。
【0032】
具体的には、作業者は、リール15をフィーダ12aのリール保持部16に取り付けて保持させた後(
図5に示すステップS100)、その互いに組み合わされたリール15及びフィーダ12aの側方にコードリーダ20を移動させて、そのコードリーダ20の撮像部22をその互いに組み合わされたリール15及びフィーダ12aの側面に向ける。この際、コードリーダ20は、その撮像部22の読取可能範囲Sにフィーダ12aのフィーダ識別コードC1及びリール15のリール識別コードC2の双方が含まれるようにセットされる。そして、この状態で、作業者は、操作スイッチ部21のモード選択部21aにてマルチモード機能を選択したうえで、コード読取のためのハンディ操作を行う。
【0033】
上記のハンディ操作が行われると、コードリーダ20は、撮像部22にてその読取可能範囲Sを一回スキャンして撮像し、マルチモード機能による二つの識別コードC1,C2の一括した読み取りを実行するコード読取作業を行う(ステップS110)。コードリーダ20は、このコード読取作業において撮像部22の読取可能範囲Sにフィーダ12aのフィーダ識別コードC1及びリール15のリール識別コードC2の双方が含まれるか否かを検知する。そして、コードリーダ20は、外部入出力部24からホストコンピュータ30へその検知結果を送信する。
【0034】
上記の如く撮像部22の読取可能範囲Sにフィーダ12aのフィーダ識別コードC1及びリール15のリール識別コードC2の双方が含まれた状態で操作スイッチ部21がハンディ操作された場合、コードリーダ20の制御部23は、その読取可能範囲Sにフィーダ識別コードC1及びリール識別コードC2の双方が含まれることを検知する。すなわち、コードリーダ20は、マルチモード機能選択時において、撮像部22の読取可能範囲Sにフィーダ識別コードC1及びリール識別コードC2の双方が含まれる場合はそれらの両識別コードC1,C2を一括して読み取る(ステップS120)。
【0035】
そして、コードリーダ20は、両識別コードC1,C2の一括した読み取りが成功するか否かを判定する(ステップS130)。この判定は、読取可能範囲Sに含まれて読み取られた識別コードの個数が、マルチモード機能で予め定めた所定複数個(本実施形態では二つ)に一致するか否かに基づいて行われる。
【0036】
コードリーダ20は、読取可能範囲Sに含まれて読み取られた識別コードの個数がフィーダ識別コードC1及びリール識別コードC2の二つである場合は、両識別コードC1,C2の一括した読み取りが成功したと判定する(ステップS130の肯定判定)。この場合、コードリーダ20は、それらの識別コードC1,C2の示す情報を互いに関連付けた状態で外部入出力部24からホストコンピュータ30へ送信する(ステップS140)。
【0037】
ホストコンピュータ30の制御部31は、コードリーダ20から送信される互いに関連付けられた二つの識別コードC1,C2の情報が受信されると、コードリーダ20のマルチモード機能においてフィーダ識別コードC1及びリール識別コードC2の一括した読み取りが成功したとして、そのフィーダ識別コードC1を有するフィーダ12aとそのリール識別コードC2を有するリール15とを関連付けて記憶部32に記憶させる(ステップS150)。かかる記憶が行われると、それらのフィーダ12aとリール15とが関連付けられて両識別コードC1,C2が管理データD2として扱われ、対基板作業機10における基板生産などの対基板作業に利用される。
【0038】
尚、コードリーダ20によるフィーダ識別コードC1及びリール識別コードC2の一括した読み取りが成功した場合は、その読取成功の情報が表示部25に表示されることとしてもよい。この場合、作業者は、コードリーダ20の表示部25を視認して、両識別コードC1,C2の一括した読み取りが成功したか否かを認知することができる。
【0039】
一方、コードリーダ20は、読取可能範囲Sに含まれて読み取られた識別コードの個数が二つでなく一つ又は三つ以上である場合は、両識別コードC1,C2の一括した読み取りが成功しなかった、すなわち、その一括した読み取りにエラーが生じたと判定する(ステップS130の否定判定)。この場合、コードリーダ20は、それらの識別コードC1,C2の示す情報の関連付けた状態での送信を行わない(ステップS160)。
【0040】
ホストコンピュータ30の制御部31は、コードリーダ20から送信される互いに関連付けられた二つの識別コードC1,C2の情報が受信されない場合は、フィーダ12aとリール15との関連付けを行わず、それらのフィーダ識別コードC1及びリール識別コードC2の記憶部32への記憶を行わない(ステップS170)。この場合は、フィーダ12aとリール15とが関連付けられず、対基板作業機10における対基板作業には利用されない。
【0041】
尚、コードリーダ20によるフィーダ識別コードC1及びリール識別コードC2の一括した読み取りにエラーが生じた場合は、その読取失敗の情報が表示部25に表示されることとしてもよい。この場合、作業者は、コードリーダ20の表示部25を視認して、両識別コードC1,C2の一括した読み取りが失敗したことを認知することができる。
【0042】
このように、対象物関連付けシステム1においては、フィーダ識別コードC1及びリール識別コードC2が、リール15がフィーダ12aに保持された状態でそれらの互いに組み合わされたフィーダ12a及びリール15の外方から見て同一面に配置されたうえで、コードリーダ20が、その読取可能範囲Sにフィーダ識別コードC1及びリール識別コードC2の双方が含まれるように移動され、そのコードリーダ20によるマルチモード機能でのコード読取作業が行われる。この場合、コードリーダ20の読取可能範囲Sにフィーダ識別コードC1及びリール識別コードC2の双方が含まれれば、それらの両識別コードC1,C2が一スキャンで一括して読み取られる。
【0043】
そして、コードリーダ20による両識別コードC1,C2の一括した読み取りが成功した場合に、そのフィーダ識別コードC1を有するフィーダ12aとそのリール識別コードC2を有するリール15とが関連付けられて記憶部32に記憶される。一方、コードリーダ20による両識別コードC1,C2の一括した読み取りにエラーが生じた場合に、それらのフィーダ12aとリール15との関連付けが行われず、両識別コードC1,C2の記憶部32への記憶も行われない。
【0044】
従って、リール15がフィーダ12aに保持されることにより対基板作業機10において互いに組み合わされて扱われ、それぞれ識別コードC1又はC2が外面に付されたフィーダ12a及びリール15の関連付けを、リール15がフィーダ12aに保持された状態で、コードリーダ20を用いたマルチモード機能での両識別コードC1,C2の一括した読み取りにより行うことができる。この場合、リール15がフィーダ12aに保持されているか否かにかかわらずシングルモード機能などで両識別コードC1、C2が別々のタイミングで個別に読み取られても、それらのフィーダ12aとリール15との関連付けが行われない。
【0045】
このため、互いに組み合わされて扱われるフィーダ12aとリール15との関連付けが誤ったものとなるのを防止することができ、その関連付けの正確性を向上させることができる。これにより、対基板作業機10での対基板作業の誤実行(具体的には、対基板作業機10による基板2への部品の誤装着)を無くすことができ、対基板作業の信頼性を向上させることができる。
【0046】
尚、上記の実施形態においては、フィーダ12a及びリール15が特許請求の範囲に記載した「対象物」に相当する。フィーダ識別コードC1又はリール識別コードC2が特許請求の範囲に記載した「識別コード」に相当する。コードリーダ20が特許請求の範囲に記載した「読取部」に相当する。マルチモード機能選択時のコードリーダ20が請求の範囲に記載した「一括読取部」に相当する。制御部23がフィーダ識別コードC1及びリール識別コードC2の一括した読み取りが成功した場合にそのフィーダ12aとそのリール15とを関連付けることが特許請求の範囲に記載した「関連付け制御部」に相当する。制御部23がフィーダ識別コードC1及びリール識別コードC2の一括した読み取りにエラーが生じた場合にそのフィーダ12aとそのリール15との関連付けを行わないことが特許請求の範囲に記載した「エラー判定部」に相当する。
【0047】
3.変形態様
ところで、上記の実施形態においては、互いに組み合わされて扱われるコード読取対象である複数の対象物として、対基板作業機10においてリール15がフィーダ12aのリール保持部16に保持されるフィーダ12aとリール15との組み合わせを挙げている。しかし、本発明は、これに限定されるものではなく、それら複数の対象物として、保管庫などでリール15が収容ケース40に収容されるリール15と収容ケース40との組み合わせを挙げることとしてもよい(
図6参照)。この変形形態では、リール15のリール識別コードC2と収容ケース40のケース識別コードC41とがコードリーダ20により一括して読み取られ、リール識別コードC2のリール15とケース識別コードC41の収容ケース40とが関連付けられる。
【0048】
また、それら複数の対象物として、保管庫などでフィーダ12aが収容ケース50に収容されるフィーダ12aと収容ケース50との組み合わせを挙げることとしてもよい(
図7参照)。この変形形態では、フィーダ12aのフィーダ識別コードC1と収容ケース50のケース識別コードC51とがコードリーダ20により一括して読み取られ、フィーダ識別コードC1のフィーダ12aとケース識別コードC51の収容ケース50とが関連付けられる。
【0049】
また、それら複数の対象物として、部品が載置されるトレイ60がトレイパレット70に保持されるトレイ60とトレイパレット70との組み合わせを挙げることとしてもよい(
図8参照)。この変形形態では、トレイ60のトレイ識別コードC61とトレイパレット70のパレット識別コードC71とがコードリーダ20により一括して読み取られ、トレイ識別コードC61のトレイ60とパレット識別コードC71のトレイパレット70とが関連付けられる。
【0050】
また、それら複数の対象物として、はんだが収容されるはんだ容器80が収容ケース90に保持されるはんだ容器80と収容ケース90との組み合わせを挙げることとしてもよい(
図9参照)。この変形形態では、はんだ容器80のはんだ識別コードC81と収容ケース90のケース識別コードC91とがコードリーダ20により一括して読み取られ、はんだ識別コードC81のはんだ容器80とケース識別コードC91の収容ケース90とが関連付けられる。
【0051】
また、上記の実施形態においては、操作スイッチ部21のモード選択部21aでマルチモード機能が選択された場合に、コードリーダ20を用いて読取可能範囲Sにおけるフィーダ識別コードC1とリール識別コードC2との一括した読み取りを実行するコード読取作業が行われる。そして、その一括した読み取りが成功した場合に、そのフィーダ識別コードC1を有するフィーダ12aとそのリール識別コードC2を有するリール15とが関連付けられる。
【0052】
しかし、本発明は、これに限定されるものではなく、コードリーダ20がモード選択を伴うことなく読取可能範囲Sに含まれる識別コードを読み取って、その読み取った識別コードが読取可能範囲Sに領域を分けた状態で二つ含まれる場合に、読取可能範囲Sにおける二つの識別コードの一括した読み取りが成功したとして、それら二つの識別コードを有する対象物同士が関連付けられるものとしてもよい。
【符号の説明】
【0053】
1:対象物関連付けシステム、2:基板、10:対基板作業機、12a:フィーダ、15:リール、20:コードリーダ、21:操作スイッチ部、21a:モード選択部、22:撮像部、23:制御部、30:ホストコンピュータ、31:制御部、32:記憶部、C1:フィーダ識別コード、C2:リール識別コード、S:読取可能範囲。