(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-06
(45)【発行日】2024-08-15
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/36 20060101AFI20240807BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240807BHJP
【FI】
G03G15/36
G03G21/00 386
G03G21/00 500
G03G21/00 510
(21)【出願番号】P 2020161208
(22)【出願日】2020-09-25
【審査請求日】2023-03-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100065248
【氏名又は名称】野河 信太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100159385
【氏名又は名称】甲斐 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100163407
【氏名又は名称】金子 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100166936
【氏名又は名称】稲本 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100174883
【氏名又は名称】冨田 雅己
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 直岐
【審査官】加藤 昌伸
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-201484(JP,A)
【文献】特開平11-282223(JP,A)
【文献】特開2015-032893(JP,A)
【文献】特開2019-068218(JP,A)
【文献】特開昭62-282962(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/36
G03G 21/00
G03G 15/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送路に沿って記録媒体を搬送する搬送部と、
画像データに基づき前記記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
画像濃度調整用の
単一の反射型光センサと、
前記
単一の反射型光センサの検知結果に基づき画像濃度を調整する画像濃度調整部と、
制御部とを備えた画像形成装置であって、
前記画像形成部は、
感光体と、
前記感光体に接触して帯電する帯電部と、
前記感光体に静電潜像を形成する露光部と、
前記感光体にトナーを供給して前記静電潜像に対応するトナー像を形成する現像部と、
前記トナー像を前記記録媒体に転写する転写部と、
定着ローラにより前記トナー像を前記記録媒体に加熱定着する定着部とを備え、
前記
単一の反射型光センサは、前記搬送路を挟んで前記感光体に対向し、かつ、前記搬送路の中央線から主走査方向に予め定められた距離だけ離れた位置に光を照射するように設けられ、
前記制御部は、画像濃度調整時には、前記帯電部、前記露光部および前記現像部を制御して、予め定められたパッチトナー像を前記感光体に形成させた後、前記
単一の反射型光センサを制御して前記パッチトナー像に光を照射させ、その反射光に基づき、前記画像濃度調整部に画像濃度を調整させ、
画像形成時には、前記搬送部および前記
単一の反射型光センサを制御して前記記録媒体の予め定められた先端領域が通過するタイミングで前記
単一の反射型光センサに光を照射させ、前記
単一の反射型光センサが前記先端領域から検知した反射光に基づき、前記記録媒体の主走査方向の幅が予め定められた基準幅よりも長いか否かを判定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記画像データに基づく画像のサイズが、前記
単一の反射型光センサの検知結果に基づき判定された前記記録媒体の主走査方向の幅に一致しないと判定した場合、前記画像形成部に画像の形成を中断させる請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
ユーザーから前記記録媒体のサイズの設定を受け付ける操作部をさらに備え、
前記制御部は、ユーザーによって設定された前記記録媒体のサイズが、前記
単一の反射型光センサの検知結果に基づき判定された前記記録媒体の主走査方向の幅に一致しないと判定した場合、前記画像形成部に画像の形成を中断させる請求項1または2のいずれか一つに記載の画像形成装置。
【請求項4】
ユーザーに予め定められたメッセージを報知する報知部をさらに備え、
前記制御部は、ユーザーによって設定された前記記録媒体のサイズが、前記
単一の反射型光センサの検知結果に基づき判定された前記記録媒体の主走査方向の幅に一致しないと判定した場合、前記報知部に前記記録媒体のサイズを確認すべき旨のメッセージを報知させる請求項2または3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記操作部は、前記記録媒体のサイズの検知を有効にすべきか否かの設定を受け付け、
前記記録媒体のサイズの検知の設定が有効である場合においてのみ、画像形成時には、前記搬送部および前記
単一の反射型光センサを制御して、前記記録媒体の主走査方向の幅が予め定められた基準幅よりも長いか否かを判定する請求項3に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成装置に関し、より詳しくは、印刷用紙サイズ検知機能を有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複合機等の画像形成装置において、印刷用紙のサイズ検知機能を備えたものが知られている。
【0003】
このような画像形成装置において、従来、印刷用紙のサイズが設定された用紙サイズと一致するか否かを検知すべく、印刷用紙の搬送経路に専用の読取センサが設けられていた。
【0004】
例えば、このような読取センサを備えた画像形成装置の発明として、搬送路中央付近に配設されたレバー52及び搬送路端部付近に配設されたレバー53の上部が用紙無しの時にフォトセンサ51を横切るタイミング、或いは横切る動作の有無により、用紙の搬送方向長及び幅を検出し、小サイズ紙の場合には、定着ローラの非通紙領域をファンで冷却したり、用紙の定着ローラ通過位置を定着ローラ表面温度に応じて変える画像形成装置の発明が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
また、印刷用紙の搬送路上に主走査方向の中央から所定の基準位置(例えば、80.25mmの位置)に専用の読取センサが設けられ、この読取センサにより主走査方向の用紙サイズの幅が所定の基準幅より長いか、または短いかを判定する画像形成装置の発明も知られている。
【0007】
これにより、印字すべき画像の副走査方向の長さに対して、印刷用紙のサイズが合っているか否かがわかるため、印字すべき画像より小さいサイズの用紙が給紙されたときの転写による汚れの発生を防止することができる。
【0008】
しかしながら、このような専用の読取センサが設けられた画像形成装置は、印刷用紙のサイズ検知のために専用の読取センサを設ける必要があるため、コストがかかるという問題があった。
【0009】
この発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、その目的は、専用の読取センサを用いることなく、印刷用紙のサイズを読み取り可能な画像形成装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)この発明は、搬送路に沿って記録媒体を搬送する搬送部と、画像データに基づき前記記録媒体に画像を形成する画像形成部と、画像濃度調整用の反射型光センサと、前記反射型光センサの検知結果に基づき画像濃度を調整する画像濃度調整部と、制御部とを備えた画像形成装置であって、前記画像形成部は、感光体と、前記感光体に接触して帯電する帯電部と、前記感光体に静電潜像を形成する露光部と、前記感光体にトナーを供給して前記静電潜像に対応するトナー像を形成する現像部と、前記トナー像を前記記録媒体に転写する転写部と、定着ローラにより前記トナー像を前記記録媒体に加熱定着する定着部とを備え、前記反射型光センサは、前記搬送路を挟んで前記感光体に対向し、かつ、前記搬送路の中央線から主走査方向に予め定められた距離だけ離れた位置に光を照射するように設けられ、前記制御部は、画像濃度調整時には、前記帯電部、前記露光部および前記現像部を制御して、予め定められたパッチトナー像を前記感光体に形成させた後、前記反射型光センサを制御して前記パッチトナー像に光を照射させ、その反射光に基づき、前記画像濃度調整部に画像濃度を調整させ、画像形成時には、前記搬送部および前記反射型光センサを制御して前記記録媒体の予め定められた先端領域が通過するタイミングで前記反射型光センサに光を照射させ、その反射光に基づき、前記記録媒体の主走査方向の幅が予め定められた基準幅よりも長いか否かを判定することを特徴とする画像形成装置を提供する。
【0011】
この発明において、「画像形成装置」は、トナーによる像形成に電子写真方式を用いるプリンタなどの複写(コピー)機能を有する複写機や複合機、または複写以外の機能をも含むMFP(Multifunctional Peripheral:多機能周辺装置)など、画像を形成して出力する装置である。
【0012】
実施形態1において、この発明の「反射型光センサ」は、画質調整用センサ78によって実現する。また、この発明の「感光体」、「帯電部」、「露光部」、「現像部」、「転写部」および「定着部」はそれぞれ、感光体ドラム202、帯電器203、レーザー書込ユニット201、現像器204、転写器205および定着ユニット208によって実現する。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、専用の読取センサを用いることなく、既存の画像濃度調整用の反射型光センサを併用することで、印刷用紙のサイズを読み取り可能な画像形成装置が実現される。
【0014】
さらに、この発明の好ましい態様について説明する。
【0015】
(2)この発明による画像形成装置において、前記制御部は、前記画像データに基づく画像のサイズが、前記反射型光センサの検知結果に基づき判定された前記記録媒体の主走査方向の幅に一致しないと判定した場合、前記画像形成部に画像の形成を中断させるものであってもよい。
【0016】
このようにすれば、画像データに基づく画像のサイズが、反射型光センサに基づく印刷用紙の幅に一致しないと判定した場合に、印刷を中断する画像形成装置を実現できる。
【0017】
(3)この発明による画像形成装置において、ユーザーから前記記録媒体のサイズの設定を受け付ける操作部をさらに備え、前記制御部は、ユーザーによって設定された前記記録媒体のサイズが、前記反射型光センサの検知結果に基づき判定された前記記録媒体の主走査方向の幅に一致しないと判定した場合、前記画像形成部に画像の形成を中断させるものであってもよい。
【0018】
このようにすれば、ユーザーによって設定された印刷用紙のサイズが、反射型光センサに基づく印刷用紙の幅に一致しないと判定した場合に、印刷を中断する画像形成装置を実現できる。
【0019】
(4)この発明による画像形成装置において、ユーザーに予め定められたメッセージを報知する報知部をさらに備え、前記制御部は、ユーザーによって設定された前記記録媒体のサイズが、前記反射型光センサの検知結果に基づき判定された前記記録媒体の主走査方向の幅に一致しないと判定した場合、前記報知部に前記記録媒体のサイズを確認すべき旨のメッセージを報知させるものであってもよい。
【0020】
このようにすれば、ユーザーによって設定された印刷用紙のサイズが、反射型光センサに基づく印刷用紙の幅に一致しないと判定した場合に、ユーザーに印刷用紙のサイズを確認すべき旨のメッセージを報知する画像形成装置を実現できる。
【0021】
(5)この発明による画像形成装置において、前記操作部は、前記記録媒体のサイズの検知を有効にすべきか否かの設定を受け付け、前記記録媒体のサイズの検知の設定が有効である場合においてのみ、画像形成時には、前記搬送部および前記反射型光センサを制御して、前記記録媒体の主走査方向の幅が予め定められた基準幅よりも長いか否かを判定するものであってもよい。
【0022】
このようにすれば、印刷用紙のサイズの検知が有効にすべき場合においてのみ、反既存の画像濃度調整用の反射型光センサにより印刷用紙のサイズを読み取り可能な画像形成装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】この発明の画像読取装置を備えたデジタル複合機の外観を示す斜視図である。
【
図2】
図1のデジタル複合機の内部構成を示す断面図である。
【
図3】
図1のデジタル複合機の概略構成を示すブロック図である。
【
図4】
図1のデジタル複合機の可視像形成ユニットの概略構成を示す説明図である。
【
図5】
図1のデジタル複合機の記録媒体のサイズ検知の一例を示す説明図である。
【
図6】
図1のデジタル複合機の記録媒体のサイズ検知処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】この発明の実施形態2のデジタル複合機の記録媒体のサイズ検知処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を用いてこの発明をさらに詳述する。なお、以下の説明は、すべての点で例示であって、この発明を限定するものと解されるべきではない。
【0025】
(実施形態1)
<デジタル複合機1の構成>
以下、
図1および
図2に基づき、この発明の実施形態1に係る画像形成装置の一例としてのデジタル複合機1の概要について説明する。
【0026】
図1は、この発明の実施形態1に係るデジタル複合機1の外観を示す斜視図である。
図2は、
図1のデジタル複合機1の内部構成を示す断面図である。
【0027】
デジタル複合機1は、複写機能やスキャナ機能、ファクシミリ機能を有し、原稿から読み取った画像データをデジタル処理して出力する装置である。
【0028】
デジタル複合機1は、印刷モードとしてコピー(複写)機能、プリント機能、FAX機能を有しており、タッチパネル17(
図3)からの操作入力や、パーソナルコンピュータ等の外部装置からの印刷ジョブの受信に応じた印刷機能が、制御部10(
図3)によって選択される。
【0029】
<デジタル複合機1の内部構成>
図2において、デジタル複合機1はモノクロ複合機であり、原稿から画像を読み取って画像データを生成する画像読取ユニット100、画像データに基づいて記録媒体31上に画像形成を行う画像形成ユニット200、該画像形成ユニット200に供給搬送する記録媒体31を収容する給紙ユニット300、および画像形成ユニット200にて画像形成された記録媒体31を排出する排紙ユニット400を備えている。
【0030】
画像読取ユニット100は、光源ユニット110、ミラーユニット120、およびCCD読取ユニット130(CCD:Charge Coupled Device)からなる画像読取部15を備えており、プラテンガラス製の原稿台101に載置された原稿、または原稿を1枚ずつ分離給送する自動原稿搬送装置102から搬送された原稿の画像を光学的に読み取る。
【0031】
光源ユニット110は、読取用の照射光を原稿に照射する光源111と、原稿からの反射光の光路を90°変更するために原稿台101の面に対して反射面を45°に傾けて設置されたミラー112とを備えている。
また、この光源ユニット110は、図に示していないステッピングモータにより原稿台101の面に対して平行に移動するように構成されており、原稿台101に載置された原稿の読取面を走査するようにしている。
【0032】
ミラーユニット120は、光源ユニット110のミラー112によって90°変更された反射光の光路を更に180°変更するために、反射面が相互に直交するように配置された一対のミラー121,122を備えている。
CCD読取ユニット130は、結像レンズ131およびCCDセンサ132を備えており、光源ユニット110およびミラーユニット120を経由する原稿からの反射光を、結像レンズ131を介してCCDセンサ132に結像させる。
【0033】
CCDセンサ132に結像させた画像はアナログ電気信号として取り出され、図に示していないAD変換器によりデジタル信号に変換する。
変換されたデジタル信号は、原稿読取時の光源の配光特性、CCDセンサ132の感度ムラ等の補正がされた後、デジタル形式の画像データとして画像メモリ(不図示)でいったん保持され、画像形成ユニット200へ送出される。
【0034】
画像形成ユニット200は、レーザー書込ユニット201、感光体ドラム202、帯電器203、現像器204、転写器205、クリーナー206、除電器207等からなる画像形成部12を備えており、画像読取ユニット100により生成された画像データ、外部の情報処理装置(不図示)からのプリントジョブを展開して得られた画像データ、または外部のファクシミリ装置(不図示)からのファクシミリデータを復号化して得られた画像データに基づいて、自身の内部に備える給紙カセット210、側面部に設けられた手差トレイ211、または画像形成ユニット200の下部に設けられた給紙ユニット300から供給搬送される記録媒体31上に画像形成を行う。
【0035】
給紙ユニット300は、種々のサイズの記録媒体31を大量に収容する用紙カセット301,302を備えている。
用紙カセット301,302に収容された記録媒体31は、画像形成ユニット200からの指示で呼込ローラ301a,302aにより1枚ずつ分離供給され、用紙搬送路303,212を通じて画像形成ユニット200の画像形成部12に搬送される。
【0036】
以下、画像形成ユニット200の動作について説明する。前述した画像データは記憶部13(
図3)に送出されて記憶部13内の所定の記憶領域に格納されている。
格納された画像データは、制御部10(
図3)が指示するタイミングにて順次的に読み出され、光書込装置であるレーザー書込ユニット201に転送される。
【0037】
レーザー書込ユニット201は、記憶部13から転送されてきた画像データに応じてレーザー光を発する半導体レーザー光源、レーザー光を等角速度偏向するポリゴンミラー、等角速度で偏向されたレーザー光が感光体ドラム202上で、等角速度で偏向されるように補正するf-θレンズなどから構成されている。
【0038】
なお、この発明の実施形態1では、光書込装置としてレーザー書込ユニット201を用いているが、LED(Light Emitting Diode)、EL(Electro Luminescence)等の発光素子アレイを用いた固定走査型の光書込ヘッドユニットを用いてもよい。
【0039】
感光体ドラム202の周囲には、感光体ドラム202を所定の電位に帯電させる帯電器203、感光体ドラム202上に形成された静電潜像にトナーを供給して顕像化する現像器204、感光体ドラム202表面に形成されたトナー像を、給紙カセット210、手差トレイ211、または給紙ユニット300から搬送されてきた記録媒体31上に転写する転写器205、トナー像が転写された記録媒体31から電荷を取り除き、感光体ドラム202から記録媒体31を引き剥がす除電器207、トナー像を転写した後に残留したトナーを回収するクリーナー206が配置されている。
【0040】
画像が転写された記録媒体31は、定着ユニット208へと搬送され、定着ユニット208により記録媒体31上に画像が定着される。
画像が定着された記録媒体31は排紙ローラ209によって排紙ユニット400へ送られる。
【0041】
また、画像形成ユニット200は、画像形成した記録媒体31の裏面に再度画像形成を行わせて両面印刷を実行することができる。
そのため、画像形成した記録媒体31の表裏を反転させて画像形成部12へ搬送するためのスイッチバック路220および両面ユニット221を備えている。
スイッチバック路220は排紙ローラ209の上流側に設けられており、記録媒体31の表裏を反転させる場合には、記録媒体31を排紙ユニット400側へ送り出すときにその記録媒体31の端部をいったん排紙ローラ209により把持し、排紙ローラ209を逆転駆動してスイッチバック路220へ搬送する。
そして、両面ユニット221および用紙搬送路212を経由して画像形成部12に搬送し、記録媒体31の裏面に画像形成を行う。
【0042】
なお、スイッチバック路220は、記録媒体31の両面に画像形成を行うときだけでなく、画像形成した面を下側にして排出するときにも利用される。
【0043】
排紙ユニット400は画像形成ユニット200の側面部に設けられている。排紙ユニット400は、プリントジョブにより画像形成された記録媒体31を排出するための排紙トレイ404を備えている。
【0044】
プリントジョブを受付けて画像形成ユニット200にて画像形成が行われた場合、画像形成ユニット200の排紙ローラ209から送り出された記録媒体31は、用紙搬送路401を通じて排紙ユニット400の排紙ローラ403から排紙トレイ404上に排出される。
【0045】
次に、
図3に基づき、デジタル複合機1の概略構成を説明する。
【0046】
図3は、
図1のデジタル複合機1の概略構成を示すブロック図である。
【0047】
図3に示すように、デジタル複合機1は、制御部10、通信部11、画像形成部12、記憶部13、画像処理部14、画像読取部15、搬送部16、タッチパネル17および画像濃度調整部18を備える。
【0048】
以下、デジタル複合機1の各構成要素を説明する。
【0049】
制御部10は、デジタル複合機1を統合的に制御するものであって、CPU、RAM、ROM、各種のインターフェース回路等からなる。
【0050】
制御部10は、デジタル複合機1全体の動作をコントロールするために、各センサの検知、モーター、クラッチ、タッチパネル17等、あらゆる負荷の監視・制御を行う。
【0051】
通信部11は、ネットワーク等を介して、コンピュータや携帯情報端末、外部の情報処理装置やファクシミリ装置等との通信をおこない、メールやFAXなどの種々の情報をこれら外部の通信装置と送受信する部分である。
【0052】
画像形成部12は、画像処理部14によって生成された画像データを記録媒体31上に印刷出力する部分であり、LSU1210を備える。
【0053】
LSU1210は、画像読取部15によって取得されたデジタル信号からなる画像情報に対応するレーザー光を帯電状態にある感光体ドラム202の表面に照射して、静電潜像を形成する装置である。
【0054】
記憶部13は、デジタル複合機1の各種機能を実現するために必要な情報や、制御プログラムなどを記憶する素子や記憶媒体である。例えば、RAMやROM等の半導体素子、ハードディスク、フラッシュ記憶部、SSD等の記憶媒体が用いられる。
【0055】
なお、データを保持する領域がハードディスクドライブで、プログラムを保持する領域がフラッシュ記憶部で構成するといったように、プログラムとデータが異なる装置に保持されてもよい。
【0056】
画像処理部14は、画像読取部15によって読み取られた原稿の画像を適正な電気信号に変換して画像データを生成する部分である。
【0057】
画像読取部15は、原稿セット台に置かれた原稿または用紙トレイから搬送されてきた原稿を検知して読み取り、画像データを生成する部分である。
【0058】
搬送部16は、手差トレイ211、給紙カセット210、用紙カセット301,302および原稿台101に格納された記録媒体31を画像形成部12まで搬送する部分である。
【0059】
タッチパネル17は、各種情報の表示を行い、タッチパネル機能によりユーザーからの指令を受け付ける部分である。
【0060】
タッチパネル17は、液晶パネル等から構成された表示パネルと、表示パネルに重ねて配置され、指がタッチされた位置を検出する静電容量方式等のタッチパネルとから構成され、表示部171および操作部172を備える。
【0061】
表示部171は、例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、ELディスプレイなどで構成され、オペレーティングシステムやアプリケーションソフトウェアが処理状態など電子的なデータを表示するためのモニタやラインディスプレイなどの表示装置である。
【0062】
制御部10は、表示部171を通じて、デジタル複合機1の動作および状態の表示を行う。
【0063】
操作部172は、デジタル複合機1を操作するためのインターフェースであり、ユーザーからの指令を受け付ける部分である。
【0064】
画像濃度調整部18は、画質調整用センサ78(
図4)の検出結果に基づき、画像濃度を調整する部分である。
【0065】
<デジタル複合機1の記録媒体31のサイズ検知処理>
次に、
図4~
図6に基づき、デジタル複合機1における記録媒体31のサイズ検知処理について説明する。
【0066】
図4は、
図1のデジタル複合機1の可視像形成ユニット51Kの概略構成を示す説明図である。
図5は、
図1のデジタル複合機1の記録媒体31のサイズ検知の一例を示す説明図である。
図6は、
図1のデジタル複合機1の記録媒体31のサイズ検知処理の一例を示すフローチャートである。
【0067】
図4において、感光体ドラム202は、回転方向R1(紙面に向かって反時計回りの方向)に回転する。
【0068】
画像形成時において、感光体ドラム202の表面は、帯電器203により一様に帯電される。
【0069】
レーザー書込ユニット201は、帯電された感光体ドラム202の表面をレーザー光源からのビームで露光することによって、感光体ドラム202の表面に静電潜像を形成する。
【0070】
レーザー書込ユニット201からのレーザー光は、不図示のポリゴンミラーや各種レンズを通して、感光体ドラム202へ照射される。
【0071】
レーザー書込ユニット201は画像情報に基づいて制御され、感光体ドラム202の表面に画像情報に応じた静電潜像が形成される。
【0072】
現像器204は、感光体ドラム202上の静電潜像を現像し、トナー像を形成する。
【0073】
感光体ドラム202上に形成された静電潜像は、現像器204によってトナーとキャリアを含む現像剤により顕像化され、トナー像が形成される。
【0074】
図4に示すように、現像器204は、感光体ドラム202に対向して設けられる現像用のユニットであり、現像剤担持体としての現像ローラ204aは、感光体ドラム202の回転軸に平行な回転軸に回転自在に設けられる。
【0075】
現像器204は、例えば硬質の合成樹脂などからなる中空の容器状部材である。現像器204の中には、前述のようにトナーとキャリアとを含む2成分現像剤が収容されるが、トナーだけを含む1成分現像剤であってもよい。
【0076】
現像ローラ204aは、極性が異なる磁石部材を略交互に周方向に配置して形成されたマグローラである。
【0077】
現像ローラ204aは、その磁力によって現像器204内に収容された現像剤を吸着する。
【0078】
吸着された現像剤は、図示しない現像剤規制部材によって所定量の厚さに規制され、現像ローラ204aと感光体ドラム202とが近接する現像ニップ部に運ばれる。
【0079】
現像ローラ204aは、現像電圧を印加することにより、感光体ドラム202の非露光部の表面電位よりも低い所定の電圧に帯電させられる。
【0080】
その結果、感光体ドラム202の帯電極性と同極性に帯電したトナーが感光体ドラム202の露光部の表面電位に吸着してトナー像を形成する。
【0081】
一方、感光体ドラム202の非露光部の表面電位は、現像ローラ204aの電位よりも低いため、トナーの付着は防止される。
【0082】
転写器205には、トナーと逆極性の電圧が印加されており、感光体ドラム202に現像されたトナー像を、転写器205と感光体ドラム202が近接する転写領域で、記録媒体31上に転写する。
【0083】
その後、トナー像を担持した記録媒体31は、定着ユニット208に搬送され、定着ローラおよび加圧ローラによって十分に加熱され、未定着のトナー像が記録媒体31に溶融・固着し、用紙搬送路401を経由して排紙ローラ403から排紙トレイ404に排出される。
【0084】
両面印刷の場合は、定着ユニット208を通過して記録媒体31の表面の画像形成が終了した後、スイッチバック路220を経由して記録媒体31を反転させて裏面の画像形成を行う。
【0085】
画質調整用センサ78は、画質調整のため、感光体ドラム202に形成されたテスト用のパッチに光を当て、反射光から当該パッチの画像濃度を読み取るための反射型センサである。
【0086】
図5(A)に示すように、用紙搬送路RT上の主走査方向の中心線CLから主走査方向に予め定められた距離D1だけ離れた位置に画質調整用センサ78が設けられる。
【0087】
記録媒体31のサイズ検知の際に、画質調整用センサ78は、記録媒体31Aの予め定められた先端領域TAからの反射光を検知する。
【0088】
これは、感光体ドラム202にトナーが形成されていると、誤認識が生じるおそれがあるため、感光体ドラム202にトナーが形成されていないタイミングで検知する必要があるためである。
【0089】
なお、記録媒体31Aの先端領域TAに限らず、記録媒体31Aの予め定められた後端領域RAからの反射光を検知するようにしてもよい。
【0090】
図5(A)においては、記録媒体31Aが画質調整用センサ78からの光を遮光する。
【0091】
一方、
図5(B)においては、記録媒体31Bは画質調整用センサ78からの光を遮光せず、感光体ドラム202からの反射光を検知する。
【0092】
このようにして、画質調整用センサ78は、記録媒体31のサイズが予め定められた基準サイズよりも大きいか否かを判定することが可能となる。
【0093】
次に、デジタル複合機1の記録媒体31のサイズ検知処理について説明する。
【0094】
図6において、印刷を開始した後、制御部10は、ステップS1において、印刷用紙サイズ検知設定が有効か否かを判定する(ステップS1)。
【0095】
印刷用紙サイズ検知設定が有効でない場合(ステップS1の判定がNoの場合)、制御部10は、ステップS2において、通常どおり記録媒体31のサイズを検知せずに記録媒体31を印刷して排紙する(ステップS2)。
【0096】
その後、制御部10は、印刷処理を終了する。
【0097】
一方、印刷用紙サイズ検知設定が有効な場合(ステップS1の判定がYesの場合)、制御部10は、ステップS3において、記録媒体31の搬送を搬送部16に開始させ、記録媒体31の先端領域TAで主走査方向の長さを画質調整用センサ78に検知させる。また、記録媒体31の画像形成を画像形成部12に開始させる(ステップS3)。
【0098】
続いて、ステップS4において、制御部10は、画質調整用センサ78の検知結果に基づき、記録媒体31のサイズが不適切か否かを判定する(ステップS4)。
【0099】
記録媒体31のサイズが適切な場合(ステップS4の判定がNoの場合)、制御部10は、ステップS5において、記録媒体31を画像形成部12に画像形成させた後、排紙トレイ404に排紙する(ステップS5)。
その後、制御部10は、印刷処理を終了する。
【0100】
一方、記録媒体31のサイズが適切な場合(ステップS4の判定がYesの場合)、制御部10は、ステップS6において、画像形成部12に記録媒体31の画像形成を中断させ、排紙トレイ404に排紙する(ステップS6)。
【0101】
続くステップS7において、制御部10は、ユーザーに記録媒体31のサイズを確認すべき旨のメッセージを表示部171に表示させる(ステップS7)。
その後、制御部10は、印刷処理を終了する。
【0102】
このようにして、既存の画質調整用センサ78を活用することにより、専用の読取センサを用いることなく、記録媒体31のサイズを読み取り可能なデジタル複合機1を実現できる。
【0103】
(実施形態2)
<この発明の実施形態2のデジタル複合機1の記録媒体31のサイズ検知処理>
次に、
図7に基づき、この発明の実施形態2のデジタル複合機1における記録媒体31のサイズ検知処理について説明する。
【0104】
実施形態2のデジタル複合機1の構成は、実施形態1のデジタル複合機1の構成(
図1~4)と同様であるため、説明を省略する。
【0105】
図7は、この発明の実施形態2のデジタル複合機1の記録媒体31のサイズ検知処理の一例を示すフローチャートである。
【0106】
なお、
図7のステップS11~S14およびS18~S19の処理は、それぞれ
図6のステップS1~S4およびS6~S7の処理に対応するため、説明を省略する。
【0107】
ここでは、実施形態1に記載のない
図7のステップS15~S17の処理について説明する。
【0108】
図7のステップS14の判定において、用紙サイズが適切な場合(ステップS14の判定がNoの場合)、制御部10は、ステップS15において、印刷設定が両面印刷になっているか否かを判定する(ステップS15)。
【0109】
印刷設定が両面設定になっている場合(ステップS15の判定がYesの場合)、ステップS16において、制御部10は、記録媒体31の両面を画像形成部12に画像形成させた後、排紙トレイ404に排紙する(ステップS16)。
その後、制御部10は、印刷処理を終了する。
【0110】
一方、印刷設定が片面設定になっている場合(ステップS15の判定がNoの場合)、ステップS17において、制御部10は、記録媒体31の片面を画像形成部12に画像形成させた後、排紙トレイ404に排紙する(ステップS17)。
その後、制御部10は、印刷処理を終了する。
【0111】
このようにして、片面・両面印刷を選択可能な場合も、既存の画質調整用センサ78を活用することにより、専用の読取センサを用いることなく、記録媒体31のサイズを読み取り可能なデジタル複合機1を実現できる。
【0112】
この発明の好ましい態様には、上述した複数の態様のうちの何れかを組み合わせたものも含まれる。
【0113】
前述した実施の形態の他にも、この発明について種々の変形例があり得る。それらの変形例は、この発明の範囲に属さないと解されるべきものではない。この発明には、請求の範囲と均等の意味および前記範囲内でのすべての変形とが含まれるべきである。
【符号の説明】
【0114】
1:デジタル複合機、 10:制御部、 11:通信部、 12:画像形成部、 13:記憶部、 14:画像処理部、 15:画像読取部、 16:搬送部、 17:タッチパネル、 18:画像濃度調整部、 31,31A,31B:記録媒体、 51K:可視像形成ユニット、 78:画質調整用センサ、 100:画像読取ユニット、 101:原稿台、 102:自動原稿搬送装置、 110:光源ユニット、 111:光源、 112,121,122:ミラー、 120:ミラーユニット、 130:CCD読取ユニット、 131:結像レンズ、 132:CCDセンサ、 171:表示部、 172:操作部、 200:画像形成ユニット、 201:レーザー書込ユニット、 202:感光体ドラム、 203:帯電器、 204:現像器、 204a:現像ローラ、 205:転写器、 206:クリーナー、 207:除電器、 208:定着ユニット、 209,403:排紙ローラ、 210:給紙カセット、 211:手差トレイ、 212:用紙搬送路、 220:スイッチバック路、 221:両面ユニット、 300:給紙ユニット、 303,401:用紙搬送路、 301,302:用紙カセット、 301a,302a:呼込ローラ、 305:スイッチバック路、 400:排紙ユニット、 404:排紙トレイ、 1210:LSU、 CL:中心線、 D1:距離、 R1:回転方向、 RA:後端領域、 RT:用紙搬送路、 TA:先端領域