(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-06
(45)【発行日】2024-08-15
(54)【発明の名称】樹脂切断装置、造粒機およびペレット製造方法
(51)【国際特許分類】
B29B 9/06 20060101AFI20240807BHJP
B29C 48/05 20190101ALI20240807BHJP
【FI】
B29B9/06
B29C48/05
(21)【出願番号】P 2020180994
(22)【出願日】2020-10-29
【審査請求日】2023-04-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000004215
【氏名又は名称】株式会社日本製鋼所
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小岩 哲也
(72)【発明者】
【氏名】河野 裕之
(72)【発明者】
【氏名】石川 誠
(72)【発明者】
【氏名】松田 宗一郎
(72)【発明者】
【氏名】原脇 六四
【審査官】田村 佳孝
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-059411(JP,A)
【文献】特開2017-164920(JP,A)
【文献】特開2012-066387(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29B 9/06
B29C 48/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂を混練して押し出す押出機の樹脂吐出側に設けられたダイスと、
前記ダイスに設けられた複数のノズルと、
前記複数のノズルから吐出される前記樹脂をペレットに切断する複数のカッタ刃と、
前記複数のカッタ刃が配置されたカッタヘッドと、
前記カッタヘッドに取り付けられた回転軸と、
前記回転軸を回転させるモータと、
前記カッタヘッドと接する密閉空間を構成する密閉室と、
前記密閉室に流体を流入させる流入口と、
前記密閉室から前記流体および前記ペレットを流出させる流出口と、
前記複数のカッタ刃を前記ダイスに押し付けるカッタ刃押付力を制御するように構成された制御部と、
前記回転軸に回転軸前進力を発生させる回転軸前進力発生部と、
前記回転軸に回転軸後退力を発生させる回転軸後退力発生部と、
を備える、樹脂切断装置であって、
前記制御部は、
前記回転軸の回転数を制御するように構成された回転数制御部と、
前記回転軸前進力の大きさを制御するように構成された回転軸前進力制御部と、
前記回転軸後退力の大きさを制御するように構成された回転軸後退力制御部と、
を有し、
前記制御部は、前記回転軸の回転数と前記回転軸前進力の大きさと前記回転軸後退力の大きさをそれぞれ可変制御するように構成され
、
前記制御部は、前記カッタ刃押付力が一定となるように、前記回転軸の回転数と前記回転軸前進力の大きさと前記回転軸後退力の大きさをそれぞれ可変制御するように構成されている、樹脂切断装置。
【請求項2】
請求項1に記載の樹脂切断装置において、
前記カッタ刃押付力をFとし、
前記回転軸前進力をFfとし、
前記複数のカッタ刃の回転によって発生するカッタ刃推進力であって、前記回転軸の回転数に応じて大きさが変化する前記カッタ刃推進力をFsとし、
前記回転軸後退力をFbとし、
前記密閉室に充填されている前記流体の流体圧に起因する後退力をFwとし、
前記回転軸の前進あるいは後退に起因する摺動抵抗力をFrとした場合、
前記カッタ刃押付力は、
F=Ff+Fs-Fb-Fw±Fr
で表される、樹脂切断装置。
【請求項3】
請求項
2に記載の樹脂切断装置において、
前記回転軸後退力制御部は、
Fb=a×Nc+b
で表される一次関係式に基づいて、前記回転軸後退力を制御するように構成されている、樹脂切断装置。
ここで、
a:定数
Nc:回転軸の回転数
b:定数
【請求項4】
請求項
2に記載の樹脂切断装置において、
前記回転軸後退力制御部は、
Fb=a×Nc2+b×Nc+c
で表される二次関係式に基づいて、前記回転軸後退力を制御するように構成されている、樹脂切断装置。
ここで、
a:定数
Nc:回転軸の回転数
b:定数
c:定数
【請求項5】
請求項1に記載の樹脂切断装置において、
刃幅比=(前記複数のカッタ刃のうちの隣り合うカッタ刃の間隔)/(前記複数のカッタ刃のそれぞれの刃幅)と定義する場合、
前記刃幅比≦4の関係を満たす、樹脂切断装置。
【請求項6】
請求項
5に記載の樹脂切断装置において、
前記刃幅比は、円周率×(前記ダイスに設けられた前記複数のノズルのうちの前記ダイスの再内周に配置されたノズルを通る円の直径)/(前記複数のカッタ刃の枚数×前記複数のカッタ刃のそれぞれの刃幅)で算出される、樹脂切断装置。
【請求項7】
樹脂を混練して押し出す押出機と、
前記押出機から押し出された前記樹脂を切断してペレットにする樹脂切断装置と、
を備える、造粒機であって、
前記樹脂切断装置は、
前記押出機の樹脂吐出側に設けられたダイスと、
前記ダイスに設けられた複数のノズルと、
前記複数のノズルから吐出される前記樹脂をペレットに切断する複数のカッタ刃と、
前記複数のカッタ刃が配置されたカッタヘッドと、
前記カッタヘッドに取り付けられた回転軸と、
前記回転軸を回転させるモータと、
前記カッタヘッドと接する密閉空間を構成する密閉室と、
前記密閉室に流体を流入させる流入口と、
前記密閉室から前記流体および前記ペレットを流出させる流出口と、
前記複数のカッタ刃を前記ダイスに押し付けるカッタ刃押付力を制御するように構成された制御部と、
前記回転軸に回転軸前進力を発生させる回転軸前進力発生部と、
前記回転軸に回転軸後退力を発生させる回転軸後退力発生部と、
を備え、
前記制御部は、
前記回転軸の回転数を制御するように構成された回転数制御部と、
前記回転軸前進力の大きさを制御するように構成された回転軸前進力制御部と、
前記回転軸後退力の大きさを制御するように構成された回転軸後退力制御部と、
を有し、
前記制御部は、前記回転軸の回転数と前記回転軸前進力の大きさと前記回転軸後退力の大きさをそれぞれ可変制御するように構成され
、
前記制御部は、前記カッタ刃押付力が一定となるように、前記回転軸の回転数と前記回転軸前進力の大きさと前記回転軸後退力の大きさをそれぞれ可変制御するように構成されている、造粒機。
【請求項8】
請求項
7に記載の造粒機において、
前記カッタ刃押付力をFとし、
前記回転軸前進力をFfとし、
前記複数のカッタ刃の回転によって発生するカッタ刃推進力であって、前記回転軸の回転数に応じて大きさが変化する前記カッタ刃推進力をFsとし、
前記回転軸後退力をFbとし、
前記密閉室に充填されている前記流体の流体圧に起因する後退力をFwとし、
前記回転軸の前進あるいは後退に起因する摺動抵抗力をFrとした場合、
前記カッタ刃押付力は、
F=Ff+Fs-Fb-Fw±Fr
で表される、造粒機。
【請求項9】
請求項
8に記載の造粒機において、
前記回転軸後退力制御部は、
Fb=a×Nc+b
で表される一次関係式に基づいて、前記回転軸後退力を制御するように構成されている、造粒機。
ここで、
a:定数
Nc:回転軸の回転数
b:定数
【請求項10】
請求項
8に記載の造粒機において、
前記回転軸後退力制御部は、
Fb=a×Nc2+b×Nc+c
で表される二次関係式に基づいて、前記回転軸後退力を制御するように構成されている、造粒機。
ここで、
a:定数
Nc:回転軸の回転数
b:定数
c:定数
【請求項11】
請求項
7に記載の造粒機において、
刃幅比=(前記複数のカッタ刃のうちの隣り合うカッタ刃の間隔)/(前記複数のカッタ刃のそれぞれの刃幅)と定義する場合、
前記刃幅比≦4の関係を満たす、造粒機。
【請求項12】
請求項
11に記載の造粒機において、
前記刃幅比は、円周率×(前記ダイスに設けられた前記複数のノズルのうちの前記ダイスの再内周に配置されたノズルを通る円の直径)/(前記複数のカッタ刃の枚数×前記複数のカッタ刃のそれぞれの刃幅)で算出される、造粒機。
【請求項13】
樹脂を混練して押し出す押出機の樹脂吐出側に設けられたダイスと、
前記ダイスに設けられた複数のノズルと、
前記複数のノズルから吐出される前記樹脂をペレットに切断する複数のカッタ刃と、
前記複数のカッタ刃が配置されたカッタヘッドと、
前記カッタヘッドに取り付けられた回転軸と、
前記回転軸を回転させるモータと、
前記カッタヘッドと接する密閉空間を構成する密閉室と、
前記密閉室に流体を流入させる流入口と、
前記密閉室から前記流体および前記ペレットを流出させる流出口と、
前記複数のカッタ刃を前記ダイスに押し付けるカッタ刃押付力を制御するように構成された制御部と、
前記回転軸に回転軸前進力を発生させる回転軸前進力発生部と、
前記回転軸に回転軸後退力を発生させる回転軸後退力発生部と、
を備え、
前記制御部は、
前記回転軸の回転数を制御するように構成された回転数制御部と、
前記回転軸前進力の大きさを制御するように構成された回転軸前進力制御部と、
前記回転軸後退力の大きさを制御するように構成された回転軸後退力制御部と、
を有する樹脂切断装置を使用して前記ペレットを製造するペレット製造方法であって、
前記ペレット製造方法は、前記回転数制御部で前記回転軸の回転数を可変制御し、かつ、前記回転軸前進力制御部で前記回転軸前進力の大きさを可変制御し、かつ、前記回転軸後退力制御部で前記回転軸後退力の大きさを可変制御しながら、前記ダイスから吐出される前記樹脂を前記複数のカッタ刃で切断する工程を有
し、
前記工程において、前記制御部は、前記カッタ刃押付力が一定となるように、前記回転軸の回転数と前記回転軸前進力の大きさと前記回転軸後退力の大きさをそれぞれ可変制御する、ペレット製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂切断装置、造粒機およびペレット製造技術に関し、例えば、複数のカッタ刃をダイスに押し付けるカッタ刃押付力が一定となるように制御しながら、複数のカッタ刃で樹脂を切断する技術に適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許第3751014号公報(特許文献1)には、カッタ刃押付力を一定になるように制御する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、樹脂切断装置では、ダイスに設けられたノズルから吐出される樹脂を回転するカッタ刃で切断することにより、ペレットを製造する。このとき、樹脂切断装置において、樹脂をペレットに正常に切断するためには、カッタ刃をダイスに接触させて摺動させる必要がある。この点に関し、摺動によって、カッタ刃は摩耗することから、カッタ刃をダイスに押し付けるカッタ刃押付力が大きすぎるとカッタ刃の摩耗量が増大する。一方、カッタ刃押付力が小さいと、カッタ刃がダイスから離れてしまい、樹脂をペレットに正常に切断できなくなる切断トラブルの発生原因となる。このことから、樹脂切断装置で樹脂をペレットに正常に切断するためには、カッタ刃押付力を適切な値に一定制御する必要がある。
【0005】
ところが、本発明者の検討によると、ペレットの製造効率を向上するために、ダイスに設けられるノズルの数を増大させるとともに、カッタ刃の数を増加させると、カッタ刃押付力が一定となるように制御することが困難になることを新規に見出した。したがって、ペレットの製造効率を向上させる構成を採用する場合であっても、カッタ刃押付力を一定に制御することが望まれている。
【0006】
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施の形態における樹脂切断装置において、カッタ刃押付力を制御する制御部は、カッタ刃押付力が一定となるように、カッタヘッドに取り付けられた回転軸の回転数と回転軸前進力の大きさと回転軸後退力の大きさをそれぞれ可変制御するように構成される。
【0008】
一実施の形態における造粒機は、上述した構成を有する樹脂切断装置を含む。
【0009】
上述した構成を有する樹脂切断装置を使用したペレット製造方法では、カッタ刃押付力が一定となるように、回転数制御部で回転軸の回転数を可変制御し、かつ、回転軸前進力制御部で回転軸前進力の大きさを可変制御し、かつ、回転軸後退力制御部で回転軸後退力の大きさを可変制御しながら、ダイスから吐出される樹脂を複数のカッタ刃で切断する。
【発明の効果】
【0010】
一実施の形態によれば、ペレットの製造効率を向上させる構成を採用する場合であっても、カッタ刃押付力を一定に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】造粒システムの模式的な構成を示す図である。
【
図2】樹脂切断装置の模式的な構成を示す図である。
【
図3】ダイスの模式的な構成例を示す平面図である。
【
図4】カッタヘッドの模式的な構成例を示す平面図である。
【
図5】樹脂切断装置の主要部の模式的な構成を示す図である。
【
図7】回転軸前進力制御部によって回転軸前進力を減少させるだけでは、カッタ刃押付力を一定に保持することが困難となることを説明する図である。
【
図8】回転軸前進力を可変制御するだけでなく、回転軸後退力も可変制御するという本実施の形態の特徴点を説明する図である。
【
図9】刃幅比の算出に使用するパラメータを図示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。なお、図面をわかりやすくするために平面図であってもハッチングを付す場合がある。
【0013】
<造粒システム>
図1は、造粒システムの模式的な構成を示す図である。
【0014】
造粒システム100は、押出機1および樹脂切断装置2を含む造粒機10と、配管4と、ポンプ5と、脱水機6と、タンク7と、遠心脱水乾燥機8と、振動篩9とを有している。
【0015】
押出機1は、回転するスクリュによって樹脂原料20を混練して、混練された樹脂を樹脂切断装置2のダイスに設けられた複数のノズルから押し出すように構成されている。
【0016】
樹脂切断装置2は、ダイスに設けられた複数のノズルから押し出された溶融状態の樹脂を複数のカッタ刃で切断してペレットを製造するように構成されている。
【0017】
配管4は、温水(流体)を流す流路として機能する。また、ポンプ5は、配管4を流れる温水を循環させる機能を有する。そして、タンク7は、温水を貯蔵する貯蔵槽である。
【0018】
脱水機6は、ペレットを温水から分離する機能を有するとともに、遠心脱水乾燥機8は、さらに、ペレットを乾燥させる機能を有する。振動篩9は、ペレットをサイズ別に分別するように構成されている。
【0019】
このように構成されている造粒システム100は、以下に示すように動作する。すなわち、まず、押出機1に樹脂原料20を供給する。すると、押出機1に供給された樹脂原料20は、スクリュによって混練された後、溶融状態の樹脂は、ダイスに設けられた複数のノズルから押し出される。押し出された樹脂は、樹脂切断装置2に設けられている複数のカッタ刃で切断される。この樹脂の切断は、温水が流れている密閉室の内部で行われる。これにより、溶融状態の樹脂は、所定のサイズのペレット30に切断された後、温水で冷却されて固化する。このようにして、押出機1と樹脂切断装置2を含む造粒機10によって、固化したペレット30が製造される。
【0020】
このとき、配管4とポンプ5によって、タンク7と密閉室の間を温水が循環している。この結果、密閉室で生成されたペレット30と温水との混合物であるスラリー3は、配管4を通って脱水機6に運ばれる。脱水機6では、ペレット30と温水とが分離され、温水は、タンク7に還流する。一方、少量の温水とペレット30の混合物であるスラリー3は、遠心脱水乾燥機8に運ばれる。遠心脱水乾燥機8では、ペレット30に付着した少量の温水が分離される。そして、遠心脱水乾燥機8で少量の温水から分離されて乾燥したペレット30は、振動篩9に運ばれるとともに、遠心脱水乾燥機8で分離された少量の温水は、タンク7に還流する。その後、振動篩9では、ペレット30がサイズ別に分別される。
【0021】
以上のようにして、造粒システム100によってペレット30を製造することができる。
【0022】
<樹脂切断装置の基本構成>
続いて、造粒システム100の構成要素となる樹脂切断装置2の構成を説明する。
【0023】
図2は、樹脂切断装置の模式的な構成を示す図である。
【0024】
図2において、樹脂切断装置2は、ダイス50と、カッタヘッド51と、回転軸52と、モータ53と、スリーブ54と、ハウジング55と、密閉室60と、流入口60aと、流出口60bを有している。
【0025】
ダイス50は、樹脂を混練して押し出す押出機の樹脂吐出側に設けられており、このダイス50には、複数のノズルが設けられている。これらの複数のノズルのそれぞれからは、押出機から押し出された樹脂が吐出されるようになっている。
【0026】
カッタヘッド51は、ダイス50に押し付けられるように配置され、このカッタヘッド51には、複数のカッタ刃が設けられている。これらの複数のカッタ刃は、ダイス50に設けられている複数のノズルから吐出される樹脂をペレットに切断する機能を有する。
【0027】
また、カッタヘッド51には、回転軸52が取り付けられており、この回転軸52には、モータ53が取り付けられている。この結果、カッタヘッド51は、モータ53によって回転する回転軸52に取り付けられていることになるため、回転可能に構成されている。
【0028】
回転軸52の周囲には、回転軸52の軸方向に摺動可能なスリーブ54が設けられており、このスリーブ54の外側には、ハウジング55が設けられている。ここで、回転軸52は、スリーブ54に対して回転可能である一方、回転軸52の軸方向のスリーブ54に対する相対移動はできないように構成されている。すなわち、回転軸52とスリーブ54は、回転軸52の軸方向には一体的に移動するように構成されている。このスリーブ54は、ハウジング55に対して回転軸52の軸方向に相対移動が可能なように構成される。
【0029】
密閉室60は、カッタヘッド51と接する密閉空間を構成する。この密閉室60には、例えば、温水などの流体を流入させる流入口60aと、密閉室60から流体およびペレットを流出させる流出口が設けられている。
【0030】
<<ダイスの構成例>>
図3は、ダイスの模式的な構成例を示す平面図である。
【0031】
図3において、ダイス50は、例えば、平面形状が略円形形状をしており、複数のノズル50aを有している。この複数のノズル50aのそれぞれからは、押出機で混練されて溶融した樹脂が吐出するようになっている。
【0032】
<<カッタヘッドの構成例>>
図4は、カッタヘッドの模式的な構成例を示す平面図である。
【0033】
図4において、カッタヘッド51は、例えば、平面形状が略円形形状をしており、このカッタヘッド51には、複数のカッタ刃51aが設けられている。これらの複数のカッタ刃51aのそれぞれは、平面形状が略矩形形状をしている。
【0034】
カッタヘッド51は、ダイス50に押し付けられながら回転するように構成されており、これによって、カッタヘッド51に設けられた複数のカッタ刃51aで、ダイス50に設けられた複数のノズル50aから吐出する樹脂を切断するようになっている。
【0035】
<樹脂切断装置の基本動作>
樹脂切断装置2は、このように構成されており、以下に、その動作について
図2を参照しながら説明することにする。
【0036】
まず、押出機で混練された樹脂は、溶融状態で、ダイス50に設けられた複数のノズルから密閉室60に吐出される。吐出された溶融状態の樹脂は、モータ53により回転する回転軸52に取り付けられて高速回転するカッタヘッド51に設けられた複数のカッタ刃で切断される。そして、切断された樹脂は、密閉室60の流入口60aから流れ込む温水で冷却されて固化することにより、ペレットが生成される。このとき、密閉室60に流れ込んだ温水は、密閉室60の流出口60bから流出することから、生成されたペレットも流出口60bから排出される。排出された温水とペレットの混合物であるスラリーは、例えば、
図1に示すように、配管4を通って脱水機6に運ばれる。その後の動作は、
図1に示す造粒システムの動作で説明した通りである。以上のようにして、樹脂切断装置2では、溶融状態の樹脂を切断することにより、固化したペレットを製造できる。
【0037】
<カッタ刃押付力を制御する必要性>
ここで、カッタヘッド51に設けられた複数のカッタ刃をダイス50に押し付けるカッタ刃押付力は、適切な一定値に制御する必要がある。なぜなら、カッタ刃をダイス50に押し付けると、カッタ刃は摩耗することから、カッタ刃をダイスに押し付けるカッタ刃押付力が大きすぎるとカッタ刃の摩耗量が増大する一方、カッタ刃押付力が小さいと、カッタ刃がダイスから離れてしまい、樹脂をペレットに正常に切断できなくなる切断トラブルの発生原因となるからである。したがって、樹脂切断装置2は、カッタ刃押付力を一定に制御するための構成を有している。以下では、この構成について説明する。
【0038】
<カッタ刃押付力を制御する構成>
図2において、樹脂切断装置2は、制御部70と、回転軸前進力発生部80と、回転軸後退力発生部90を有している。
【0039】
回転軸前進力発生部80は、回転軸52に回転軸前進力Ffを発生させるように構成されている。例えば、回転軸前進力発生部80は、第1空隙室に注入する圧力媒体の圧力によって、回転軸前進力を発生するように構成されている。具体的に、第1空隙室の受圧面積と圧力媒体による圧力との積が回転軸前進力Ffとなる。この回転軸前進力Ffとは、回転軸52(スリーブ54)をダイス50に近づける方向の力であり、回転軸前進力発生部80で発生される力である。
【0040】
回転軸後退力発生部90は、回転軸52に回転軸後退力Fbを発生させるように構成されている。例えば、回転軸後退力発生部90は、第2空隙室に注入する圧力媒体の圧力によって、回転軸後退力を発生するように構成されている。具体的に、第2空隙室の受圧面積と圧力媒体による圧力との積が回転軸後退力Fbとなる。回転軸前進力Fbとは、回転軸52(スリーブ54)をダイス50から遠ざける方向の力であり、回転軸後退力発生部90で発生される力である。
【0041】
制御部70は、複数のカッタ刃をダイス50に押し付けるカッタ刃押付力を制御するように構成されており、回転数制御部71と、回転軸前進力制御部72と、回転軸後退力制御部73を有している。
【0042】
回転数制御部71は、回転軸52の回転数を制御するように構成されている。具体的には、回転軸52が取り付けられているモータ53の回転を制御することにより、回転軸52の回転数を制御するように構成されている。
【0043】
回転軸前進力制御部72は、第1空隙室に注入する圧力媒体の圧力を調整することにより、回転軸前進力Ffを制御するように構成されている。
【0044】
回転軸後退力制御部73は、第2空隙室に注入する圧力媒体の圧力を調整することにより、回転軸前進力Fbを制御するように構成されている。
【0045】
このように構成されている制御部70では、例えば、以下の関係式で表されるカッタ刃押付力が一定となるように制御するように構成されている。
【0046】
具体的に、カッタ刃押付力をFとし、回転軸前進力をFfとし、複数のカッタ刃の回転によって発生するカッタ刃推進力であって、回転軸の回転数に応じて大きさが変化するカッタ刃推進力をFsとし、回転軸後退力をFbとし、密閉室に充填されている流体の流体圧に起因する後退力をFwとし、回転軸の前進あるいは後退に起因する摺動抵抗力をFrとした場合、カッタ刃押付力Fは、F=Ff+Fs-Fb-Fw±Frで表される。
【0047】
例えば、
図5は、樹脂切断装置の主要部の模式的な構成を示す図である。この
図5において、回転軸前進力Ff、カッタ刃推進力Fs、回転軸後退力Fbとし、密閉室に充填されている流体の流体圧に起因する後退力Fw、摺動抵抗力をFrが図示されている。
【0048】
このとき、「Fw」と「Fr」は、樹脂切断装置2の構造によって決まるほぼ一定の値(定数)であり、予め推定することが可能である。したがって、樹脂切断装置2の制御部70は、カッタ刃押付力Fを一定に保つために、「Ff+Fs-Fb」の値が一定となるように制御する。以下では、この制御部70の動作例について説明する。
【0049】
<制御部70の動作例>
図6は、制御部70の動作例を説明するグラフである。
【0050】
図6において、横軸は回転軸の回転数(Nc)を示している一方、縦軸は力を示している。まず、制御部70がモータ53を動作させると、モータ回転数の増加に合わせて、回転軸52の回転数Ncも増加する。このとき、造粒機10の樹脂生産量に合わせて回転軸52の回転数Ncは調整される。すなわち、造粒機10の樹脂生産量が小さいときは回転軸52の回転数Ncは小さくなり、造粒機10の樹脂生産量が大きいときは回転軸52の回転数Ncは大きくなる。ここで、カッタ刃推進力Fsは、回転軸52の回転数Ncが大きくなるにしたがって増加するという特性がある。
【0051】
このことから、回転数Ncが変化しても「Ff+Fs-Fb」を一定に保つためには、回転軸前進力Ffと回転軸後退力Fbとを制御する必要がある。具体的には、
図6に示すように、回転軸52の回転数Ncが大きくなるにしたがって、回転軸前進力制御部72は、カッタ刃推進力Fsの増加を相殺するように回転軸前進力Ffを減少させている。そして、回転軸後退力制御部73は、回転軸52の回転数Ncが変化しても、回転軸後退力Fbが一定値となるように制御する。ここで、回転軸後退力制御部73において、回転軸52の回転数Ncが変化しても、回転軸後退力Fbが一定値となるように制御する理由は、制御の安定性および調整の簡便性を重視しているからである。すなわち、回転軸前進力制御部72によって回転軸前進力Ffを可変制御するとともに、回転軸後退力制御部73によって回転軸後退力Fbを可変制御すると、制御が複雑化する。このため、回転軸前進力制御部72によって、カッタ刃推進力Fsの増加を相殺するように回転軸前進力Ffを減少させることができれば、回転軸後退力制御部73によって回転軸後退力Fbを可変制御する必要がなくなり、制御の安定性および調整の簡便性を実現できる。
【0052】
このようにして、
図6に示す制御部70の動作例によれば、回転軸52の回転数Ncが変化しても、カッタ刃押付力Fを一定に保持することができる。
【0053】
<本発明者が見出した新たな知見>
続いて、本発明者が見出した新たな知見について説明する。
【0054】
近年では、造粒システム100で製造されるペレットの製造効率を向上させることが検討されている。この場合、ダイス50が大型化される傾向がある。なぜなら、ダイス50を大型化することにより、ダイス50に設けられるノズル50aの数を増加させることができるからである。すなわち、ダイス50に設けられるノズル50aの数が増加すれば、ノズル50aから吐出する樹脂をカッタ刃51aで切断して取得されるペレットの個数を増加させることができるからである。そして、ダイス50の大型化に伴って、ダイス50に押し付けられるカッタヘッド51のサイズも大きくなる。この結果、カッタヘッド51に設けられるカッタ刃51aの枚数も増加する。このように、ダイス50の大型化に伴うノズル50aの個数の増加と、カッタヘッド51の大型化に伴うカッタ刃51aの枚数の増加の相乗要因によって、ペレットの製造効率を向上することができる。
【0055】
ここで、カッタヘッド51に設けられるカッタ刃51aの枚数が増加すると、カッタ刃推進力Fsが増加する。なぜなら、カッタ刃推進力Fsは、回転方向に対して迎え角をもってカッタヘッド51に取り付けられたカッタ刃51aが、密閉室60内部の温水中で回転することにより、プロペラと同様に発生する力であり、カッタ刃51aの枚数が増加すれば、それだけカッタ刃推進力Fsが大きくなることは明らかであるからである。
【0056】
このことは、回転軸52の回転数Ncを変化させた場合のカッタ刃推進力Fsの変動範囲が大きくなることを意味する。この結果、カッタ刃推進力Fsの増加を相殺するように回転軸前進力Ffを減少させるという上述した「<制御部70の動作例>」で説明した制御技術では、カッタ刃押付力Fを一定に保持することが困難となることを本発明者は新規に見出した。すなわち、本発明者が見出した新たな知見とは、造粒システム100で製造されるペレットの製造効率を向上させるために、カッタヘッド51に設けられるカッタ刃51aの枚数を増加させると、カッタ刃推進力Fsの変動範囲が大きくなって、回転軸前進力Ffを減少させるだけでは、カッタ刃押付力Fを一定に保持することが困難となるという知見である。
【0057】
図7は、回転軸前進力制御部72によって回転軸前進力Ffを減少させるだけでは、カッタ刃押付力Fを一定に保持することが困難となることを説明する図である。
【0058】
図7において、カッタ刃推進力Fsは、カッタ刃51aの枚数が少ない場合よりもカッタ刃51aの枚数が多くなると、回転軸52の回転数Ncを変化させたときの変動範囲が大きくなる。したがって、カッタ刃押付力Fを一定に保持するためには、回転軸52の回転数Ncの変化に伴うカッタ刃推進力Fsの変動範囲に合わせて、回転軸前進力Ffの変動範囲も大きくしなければならない。ところが、回転軸前進力Ffには、例えば、圧力媒体仕様や樹脂切断装置2のサイズに代表される仕様による設定限界値が存在することから、調整可能な回転軸前進力Ffの変動範囲が制限される。
【0059】
この点に関し、カッタ刃押付力Fを一定に保持するために、回転軸前進力Ffの変動範囲を大きくするためには、第1空隙室の受圧面積を大きくするか、あるいは、圧力媒体による圧力を大きくする必要がある。しかしながら、圧力媒体による圧力は、ユーザが供給する圧力媒体の仕様で決まるため、圧力媒体による圧力を大きくすることは困難である。一方、第1空隙室の受圧面積を大きくするためには、第1空隙室のサイズを大きくする必要があり、これは、樹脂切断装置2のサイズの増大や製造コストの増大に繋がる。
【0060】
このように、カッタ刃51aの枚数が多くなると、カッタ刃推進力Fsの変動範囲が、回転軸前進力Ffの制御可能な変動範囲を超える結果、回転軸前進力制御部72による回転軸前進力Ffの制御だけでは、カッタ刃押付力Fを一定に保持することが困難となる。すなわち、カッタ刃51aの枚数が多くなると、カッタ刃押付力Fを一定に保持する制御を実現する観点から改善の余地が顕在化する。
【0061】
そこで、本実施の形態では、この改善の余地に対する工夫を施している。以下では、この工夫を施した本実施の形態における技術的思想について説明する。
【0062】
<実施の形態における特徴>
本実施の形態における特徴点は、カッタ刃押付力Fを一定に保持するために、回転軸前進力Ffを可変制御するだけでなく、回転軸後退力Fbも可変制御する点にある。つまり、本実施の形態における特徴点は、回転軸後退力Fbを一定値に制御するのではなく、回転軸後退力Fbも可変制御する点にある。これにより、本実施の形態によれば、カッタ刃51aの枚数が多くなって、カッタ刃推進力Fsの変動範囲が、回転軸前進力Ffの制御可能な変動範囲を超えたとしても、回転軸後退力Fbを増加させるように制御することによって、回転数Ncが変化しても「Ff+Fs-Fb」を一定に制御することができる。この結果、本実施の形態によれば、たとえ、カッタヘッド51に設けられるカッタ刃51aの枚数が多くなったとしても、カッタ刃押付力Fを一定に保持することができるため、安定して樹脂をペレットに切断することができる。つまり、樹脂切断装置2を使用してペレットを製造するペレット製造方法において、カッタ刃押付力Fが一定となるように、回転数制御部71で回転軸52の回転数を可変制御し、かつ、回転軸前進力制御部72で回転軸前進力Ffの大きさを可変制御し、かつ、回転軸後退力制御部73で回転軸後退力Fbの大きさを可変制御しながら、ダイス50から吐出される樹脂を複数のカッタ刃51aで切断することにより、安定してペレットを製造することができる。
【0063】
図8は、回転軸前進力Ffを可変制御するだけでなく、回転軸後退力Fbも可変制御するという本実施の形態の特徴点を説明する図である。
【0064】
図8において、カッタ刃推進力Fsは、カッタ刃51aの枚数が多くなると、回転軸52の回転数Ncを変化させたときの変動範囲が大きくなる。この点に関し、本実施の形態では、カッタ刃押付力Fを一定に保持するために、回転軸52の回転数が増加するに伴って、回転軸前進力Ffを減少させる制御と回転軸後退力Fbを増加させる制御とを組み合わせることにより、カッタ刃推進力Fsの増加を相殺している。これにより、本実施の形態によれば、たとえ、カッタ刃推進力Fsの変動範囲が、回転軸前進力Ffの制御可能な変動範囲を超えたとしても、回転軸後退力Fbを増加させるように制御することによって、回転数Ncが変化してもカッタ刃押付力Fを一定に制御することができる。
【0065】
例えば、回転軸後退力制御部73は、Fb=a×Nc+bで表される一次関係式に基づいて、回転軸後退力Fbを制御するように構成されている。ここで、「a」は定数であり、「Nc」は回転軸52の回転数であり、「b」は定数である。この場合、回転軸後退力Fbの制御が容易であるという利点を得ることができる。
【0066】
ただし、回転軸後退力制御部73による回転軸後退力Fbの制御は、これに限らず、例えば、回転軸後退力制御部73は、Fb=a×Nc2+b×Nc+cで表される二次関係式に基づいて、回転軸後退力Fbを制御するように構成されていてもよい。ここで、「a」は定数であり、「Nc」は回転軸52の回転数であり、「b」と「c」は定数である。この場合、以下に示す利点を得ることができる。すなわち、回転軸52の回転数の変化に伴うカッタ刃押付力Fの変化は、一般的に線形ではなく非線形である。したがって、回転軸後退力制御部73による回転軸後退力Fbの制御を線形(一次関係式)ではなく、非線形(二次関係式)で実施することにより、カッタ刃押付力Fを一定に制御しやすくなる。
【0067】
<実施の形態における効果>
本実施の形態における技術的思想によれば、例えば、以下に示す効果が得られる。
【0068】
(1)カッタ刃51aの枚数が多くなって、カッタ刃推進力Fsの変動範囲が、回転軸前進力Ffの制御可能な変動範囲を超えたとしても、回転軸後退力Fbを増加させるように制御することによって、回転数Ncが変化してもカッタ刃押付力Fを一定に制御できる。
【0069】
(2)カッタ刃51aの枚数が多くなっても、回転軸前進力Ffの変動範囲を変更せずに、回転軸後退力Fbを可変制御することにより、カッタ刃押付力Fを一定に制御できることから、回転軸前進力発生部80の構成を変更する必要がない利点が得られる。
【0070】
(3)回転軸前進力発生部80の構成を変更する必要がないことは、第1空隙室の受圧面積を増加させるために、樹脂切断装置2のサイズを大型化する必要がないことを意味する。この結果、本実施の形態によれば、樹脂切断装置2の製造費用の増大を抑制できる。
【0071】
(4)回転軸前進力Ffを制御する制御プログラムは変更する必要がないため、回転軸前進力Ffを制御する新たな制御プログラムを開発する手間と費用を削減できる。
【0072】
(5)回転軸後退力制御部73による回転軸後退力Fbの制御は、例えば、上述した一次関係式や二次関係式にしたがってスムーズに行われることから、樹脂切断装置2を動作させて回転軸52の回転数を増加させる際、急激な変動が起こることはなく、スムーズに回転軸52の回転数を増加させることができる。
【0073】
(6)回転軸後退力制御部73による回転軸後退力Fbの制御は、例えば、上述した一次関係式や二次関係式であり、複雑な制御ではない。このことから、一次関係式や二次関係式で表される制御線の調整も数点の運転条件を確認するだけで設定することが可能であり、調整が容易であるという利点が得られる。
【0074】
<定量的な要件>
最後に、カッタ刃51aの枚数が多くなることを具体的に規定する。すなわち、カッタ刃51aの枚数がどの程度多くなる場合に、回転軸前進力Ffを可変制御するだけでなく、回転軸後退力Fbも可変制御するという本実施の形態における特徴点を採用する優位性が顕在化するかについて説明する。
【0075】
カッタヘッド51に設けられるカッタ刃51aの枚数が多くなるほど、発生するカッタ刃推進力Fsは大きくなる。このとき、互いに隣り合うカッタ刃51aの間隔は狭くなる。
【0076】
ここで、刃幅比を(前記複数のカッタ刃のうちの隣り合うカッタ刃の間隔)/(前記複数のカッタ刃のそれぞれの刃幅)と定義する。この場合、カッタヘッド51に設けられるカッタ刃51aの枚数が多くなるほど刃幅比は小さくなる。つまり、刃幅比が小さくなるほどカッタヘッド51に設けられるカッタ刃51aの枚数が多くなる。
【0077】
この刃幅比は、例えば、
図9に示すように、円周率×(ダイスに設けられた複数のノズルのうちのダイスの最内周に配置されたノズル50bを通る円の直径D)/(複数のカッタ刃51aの枚数×複数のカッタ刃51aのそれぞれの刃幅L)で算出される。本発明者の検討によると、本実施の形態における特徴点は、例えば、刃幅比≦4の関係を満たす場合に適用して有効である。
【0078】
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0079】
1 押出機
2 樹脂切断装置
3 スラリー
4 配管
5 ポンプ
6 脱水機
7 タンク
8 遠心脱水乾燥機
9 振動篩
10 造粒機
20 樹脂原料
30 ペレット
50 ダイス
50a ノズル
51 カッタヘッド
51a カッタ刃
52 回転軸
53 モータ
54 スリーブ
55 ハウジング
60 密閉室
60a 流入口
60b 流出口
70 制御部
71 回転数制御部
72 回転軸前進力制御部
73 回転軸後退力制御部
D 直径
Fb 回転軸後退力
Ff 回転軸前進力
Fs カッタ刃推進力
L 刃幅
Nc 回転数
100 造粒システム