(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-06
(45)【発行日】2024-08-15
(54)【発明の名称】掘削バケットの修理部品、及び掘削バケット
(51)【国際特許分類】
E02F 3/40 20060101AFI20240807BHJP
E02F 9/28 20060101ALI20240807BHJP
【FI】
E02F3/40 Z
E02F9/28 Z
(21)【出願番号】P 2020186256
(22)【出願日】2020-11-09
【審査請求日】2023-10-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000005522
【氏名又は名称】日立建機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】512105598
【氏名又は名称】日立建機日本株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002664
【氏名又は名称】弁理士法人相原国際知財事務所
(72)【発明者】
【氏名】石川 幸太
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 一也
(72)【発明者】
【氏名】後藤 行昭
(72)【発明者】
【氏名】飛渡 純
(72)【発明者】
【氏名】斗沢 力
(72)【発明者】
【氏名】柏葉 史貴
【審査官】佐久間 友梨
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0123732(US,A1)
【文献】特開2005-090052(JP,A)
【文献】特開2019-031804(JP,A)
【文献】国際公開第2007/098542(WO,A1)
【文献】特開2002-294739(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 3/28-3/413
9/00-9/18
9/24-9/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建設機械に用いられる掘削バケットの修理対象箇所となる下部を除去してなる掘削バケット部品に取り付けられる掘削バケットの修理部品であって、
平板状の第1平坦部及び後方において上方に湾曲する第1湾曲部を含む第1底板部と、
前記第1平坦部及び前記第1湾曲部に取付けられ、前記第1底板部の左右両側から立設する平板状の一対の第1側板部と、
前記一対の第1側板部の前側に取付けられた平板状の一対の第1サイドエッジ部と、
前記第1底板部の前側に取付けられたカッティングエッジと、
該カッティングエッジの前側に取付けられた複数の掘削爪と、
前記第1底板部、前記一対の第1側板部、及び前記一対の第1サイドエッジ部の少なくともいずれか一つに取付けられた平板状のガイド部材と、を備え、
前記ガイド部材は、前記掘削バケット部品が取付けられるように、前記第1底板部、前記一対の第1側板部、及び前記一対の第1サイドエッジ部から上方に突出して
おり、
前記一対の第1側板部は、該一対の第1側板部の上端に、前後方向に延在する一対の第1側板上端部を含み、
前記一対の第1サイドエッジ部は、該一対の第1サイドエッジ部の上端に、前後方向に延在する一対の第1サイドエッジ上端部を含み、
前記第1底板部は、前記一対の第1側板部を越えて左右方向に突出する一対の突出部を含み、
前記ガイド部材は、前記一対の第1側板上端部及び前記一対の第1サイドエッジ上端部に沿って延在するように、前記一対の第1側板部及び前記一対の第1サイドエッジ部の外側に取付けられており、
前記ガイド部材の左右方向の厚さは、前記一対の突出部の各々の突出長さよりも小さく形成されている、ことを特徴とする掘削バケットの修理部品。
【請求項2】
建設機械に用いられる掘削バケットの修理対象箇所となる下部を除去してなる掘削バケット部品に取り付けられる掘削バケットの修理部品であって、
平板状の第1平坦部及び後方において上方に湾曲する第1湾曲部を含む第1底板部と、
前記第1平坦部及び前記第1湾曲部に取付けられ、前記第1底板部の左右両側から立設する平板状の一対の第1側板部と、
前記一対の第1側板部の前側に取付けられた平板状の一対の第1サイドエッジ部と、
前記第1底板部の前側に取付けられたカッティングエッジと、
該カッティングエッジの前側に取付けられた複数の掘削爪と、
前記第1底板部、前記一対の第1側板部、及び前記一対の第1サイドエッジ部の少なくともいずれか一つに取付けられた平板状のガイド部材と、を備え、
前記ガイド部材は、前記掘削バケット部品が取付けられるように、前記第1底板部、前記一対の第1側板部、及び前記一対の第1サイドエッジ部から上方に突出しており、
前記一対の第1側板部は、該一対の第1側板部の上端に、前後方向に延在する一対の第1側板上端部を含み、
前記一対の第1サイドエッジ部は、該一対の第1サイドエッジ部の上端に、前後方向に延在する一対の第1サイドエッジ上端部を含み、
前記一対の第1側板上端部及び前記一対の第1サイドエッジ上端部は、後側から前側にかけて下方向に斜めに延在して形成されている、ことを特徴とする掘削バケットの修理部品。
【請求項3】
前記第1底板部は、該第1底板部の上端に、左右方向に延在する第1底板上端部を含み
、
前記ガイド部材は、前記第1底板上端部、前記一対の第1側板上端部、及び前記一対の第1サイドエッジ上端部に沿って延在するように、前記第1底板部、前記一対の第1側板部、及び前記一対の第1サイドエッジ部に取付けられている、ことを特徴とする請求項1
または2記載の掘削バケットの修理部品。
【請求項4】
建設機械に用いられる掘削バケットにおいて、
前記掘削バケットの修理対象箇所となる下部を除去してなる掘削バケット部品と、
前記掘削バケット部品に取り付けられる前記掘削バケットの修理部品と、を備え、
前記修理部品は、
平板状の第1平坦部及び後方において上方に湾曲する第1湾曲部を含む第1底板部と、
前記第1平坦部及び前記第1湾曲部に取付けられ、前記第1底板部の左右両側から立設する平板状の一対の第1側板部と、
前記一対の第1側板部の前側に取付けられた平板状の一対の第1サイドエッジ部と、
前記第1底板部の前側に取付けられたカッティングエッジと、
該カッティングエッジの前側に取付けられた複数の掘削爪と、
前記第1底板部、前記一対の第1側板部、及び前記一対の第1サイドエッジ部の少なくともいずれか一つに取付けられた平板状のガイド部材と、を備え、
前記ガイド部材は、前記掘削バケット部品が取付けられるように、前記第1底板部、前記一対の第1側板部、及び前記一対の第1サイドエッジ部から上方に突出して構成され、
前記掘削バケット部品は、
平板状の第2平坦部及び後方において下方に湾曲する第2湾曲部を含み、前記第1底板部と結合される第2底板部と、
前記第2底板部の左右両側において前記第2平坦部及び前記第2湾曲部に取付けられ、前記一対の第1側板部と結合される平板状の一対の第2側板部と、を備え
、
前記一対の第2側板部の前側に取付けられ、前記一対の第1サイドエッジ部と結合される平板状の一対の第2サイドエッジ部を更に備え、
前記掘削バケット部品は、前記第2底板部、前記一対の第2側板部、及び前記一対の第2サイドエッジ部の少なくともいずれか一つで、前記修理部品の前記ガイド部材に結合されて
おり、
前記一対の第1サイドエッジ部及び前記一対の第2サイドエッジ部には、それぞれ前記第1サイドエッジ部及び前記第2サイドエッジ部を上下方向に跨ぐように、サイドエッジ補強部材が取付けられている、ことを特徴とする掘削バケット。
【請求項5】
前記第1底板部は、該第1底板部の上端に、左右方向に延在する第1底板上端部を含み、
前記一対の第1側板部は、該一対の第1側板部の上端に、前後方向に延在する一対の第1側板上端部を含み、
前記一対の第1サイドエッジ部は、該一対の第1サイドエッジ部の上端に、前後方向に延在する一対の第1サイドエッジ上端部を含み、
前記ガイド部材は、前記第1底板上端部、前記一対の第1側板上端部、及び前記一対の第1サイドエッジ上端部に沿って延在するように、前記第1底板部、前記一対の第1側板部、及び前記一対の第1サイドエッジ部に取付けられており、
前記第2底板部は、該第2底板部の下端に、左右方向に延在する第2底板下端部を含み、
前記一対の第2側板部は、該一対の第2側板部の下端に、前後方向に延在する一対の第2側板下端部を含み、
前記一対の第2サイドエッジ部は、該一対の第2サイドエッジ部の下端に、前後方向に延在する一対の第2サイドエッジ下端部を含み、
前記掘削バケット部品は、前記第2底板下端部、前記一対の第2側板下端部、及び前記一対の第2サイドエッジ下端部で、前記修理部品の前記ガイド部材に結合されている、ことを特徴とする請求項
4記載の掘削バケット。
【請求項6】
前記一対の第1サイドエッジ部には、該一対の第1サイドエッジ部から前方に突出する一対のサイドカッターが取付けられており、
前記サイドエッジ補強部材はそれぞれ、前記一対のサイドカッターの手前で終端するように、前記一対の第1サイドエッジ部及び前記一対の第2サイドエッジ部に取付けられている、ことを特徴とする請求項
4記載の掘削バケット。
【請求項7】
建設機械に用いられる掘削バケットにおいて、
前記掘削バケットの修理対象箇所となる下部を除去してなる掘削バケット部品と、
前記掘削バケット部品に取り付けられる前記掘削バケットの修理部品と、を備え、
前記修理部品は、
平板状の第1平坦部及び後方において上方に湾曲する第1湾曲部を含む第1底板部と、
前記第1平坦部及び前記第1湾曲部に取付けられ、前記第1底板部の左右両側から立設する平板状の一対の第1側板部と、
前記一対の第1側板部の前側に取付けられた平板状の一対の第1サイドエッジ部と、
前記第1底板部の前側に取付けられたカッティングエッジと、
該カッティングエッジの前側に取付けられた複数の掘削爪と、
前記第1底板部、前記一対の第1側板部、及び前記一対の第1サイドエッジ部に取付けられた平板状のガイド部材と、を備え、
前記ガイド部材は、前記掘削バケット部品が取付けられるように、前記第1底板部、前記一対の第1側板部、及び前記一対の第1サイドエッジ部から上方に突出して構成され、
前記掘削バケット部品は、
平板状の第2平坦部及び後方において下方に湾曲する第2湾曲部を含み、前記第1底板部と結合される第2底板部と、
前記第2底板部の左右両側において前記第2平坦部及び前記第2湾曲部に取付けられ、前記一対の第1側板部と結合される平板状の一対の第2側板部と、を備え、
前記一対の第2側板部の前側に取付けられ、前記一対の第1サイドエッジ部と結合される平板状の一対の第2サイドエッジ部を更に備え、
前記掘削バケット部品は、前記第2底板部、前記一対の第2側板部、及び前記一対の第2サイドエッジ部で、前記修理部品の前記ガイド部材に結合されており、
前記一対の第1側板部は、該一対の第1側板部の上端に、前後方向に延在する一対の第1側板上端部を含み、
前記一対の第1サイドエッジ部は、該一対の第1サイドエッジ部の上端に、前後方向に延在する一対の第1サイドエッジ上端部を含み、
前記第1底板部は、前記一対の第1側板部を越えて左右方向に突出する一対の突出部を含み、
前記ガイド部材は、前記一対の第1側板上端部及び前記一対の第1サイドエッジ上端部に沿って延在するように、前記一対の第1側板部及び前記一対の第1サイドエッジ部の外側に取付けられており、
前記ガイド部材の左右方向の厚さは、前記一対の突出部の各々の突出長さよりも小さく形成されており、
前記一対の第2側板部は、該一対の第2側板部の下端に、前後方向に延在する一対の第2側板下端部を含み、
前記一対の第2サイドエッジ部は、該一対の第2サイドエッジ部の下端に、前後方向に延在する一対の第2サイドエッジ下端部を含み、
前記掘削バケット部品は、前記一対の第2側板下端部及び前記一対の第2サイドエッジ下端部で、前記修理部品の前記ガイド部材に結合されており、
前記ガイド部材は、左右方向において前記一対の突出部の内側に配設されている、ことを特徴とす
る掘削バケット。
【請求項8】
建設機械に用いられる掘削バケットにおいて、
前記掘削バケットの修理対象箇所となる下部を除去してなる掘削バケット部品と、
前記掘削バケット部品に取り付けられる前記掘削バケットの修理部品と、を備え、
前記
修理部品は、
平板状の第1平坦部及び後方において上方に湾曲する第1湾曲部を含む第1底板部と、
前記第1平坦部及び前記第1湾曲部に取付けられ、前記第1底板部の左右両側から立設する平板状の一対の第1側板部と、
前記一対の第1側板部の前側に取付けられた平板状の一対の第1サイドエッジ部と、
前記第1底板部の前側に取付けられたカッティングエッジと、
該カッティングエッジの前側に取付けられた複数の掘削爪と、
前記第1底板部、前記一対の第1側板部、及び前記一対の第1サイドエッジ部に取付けられた平板状のガイド部材と、を備え、
前記ガイド部材は、前記掘削バケット部品が取付けられるように、前記第1底板部、前記一対の第1側板部、及び前記一対の第1サイドエッジ部から上方に突出して構成され、
前記掘削バケット部品は、
平板状の第2平坦部及び後方において下方に湾曲する第2湾曲部を含み、前記第1底板部と結合される第2底板部と、
前記第2底板部の左右両側において前記第2平坦部及び前記第2湾曲部に取付けられ、前記一対の第1側板部と結合される平板状の一対の第2側板部と、を備え、
前記一対の第2側板部の前側に取付けられ、前記一対の第1サイドエッジ部と結合される平板状の一対の第2サイドエッジ部を更に備え、
前記掘削バケット部品は、前記第2底板部、前記一対の第2側板部、及び前記一対の第2サイドエッジ部で、前記修理部品の前記ガイド部材に結合されており、
前記一対の第1側板部は、該一対の第1側板部の上端に、前後方向に延在する一対の第1側板上端部を含み、
前記一対の第1サイドエッジ部は、該一対の第1サイドエッジ部の上端に、前後方向に延在する一対の第1サイドエッジ上端部を含み、
前記一対の第1側板上端部及び前記一対の第1サイドエッジ上端部は、後側から前側にかけて下方向に斜めに延在して形成されており、
前記一対の第2側板部は、該一対の第2側板部の下端に、前後方向に延在する一対の第2側板下端部を含み、
前記一対の第2サイドエッジ部は、該一対の第2サイドエッジ部の下端に、前後方向に延在する一対の第2サイドエッジ下端部を含み、
前記一対の第2サイドエッジ部には、該一対の第2サイドエッジ部の内面に一対のリブ部材が取付けられており、
前記一対の第2側板下端部及び前記一対の第2サイドエッジ下端部は、後側から前側にかけて前記一対のリブ部材から離れる方向に斜めに延在して形成されており、
前記掘削バケット部品は、前記一対の第2側板下端部及び前記一対の第2サイドエッジ下端部で、前記修理部品の前記ガイド部材に結合されている、ことを特徴とす
る掘削バケット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は掘削バケットの修理部品、及び当該修理部品を用いて修理された掘削バケットに関し、特に、油圧ショベル等の建設機械に装備される掘削バケットの修理部品、及び当該修理部品を用いて修理された掘削バケットに関する。
【背景技術】
【0002】
油圧ショベル等の建設機械には、地面の掘削作業等を行うための掘削バケットが装備されている。当該油圧ショベルで掘削作業を行う場合、ブーム、アームを回動させて掘削バケットの掘削爪及びカッティングエッジを地面に突き刺し、この状態から掘削バケットをアームの先端で回動させる。このような掘削作業を繰り返すと、掘削バケットの底板及び側板に摩耗が生じて強度が低下するため、これらの摩耗部位を修理することが行われている(例えば特許文献1)。
【0003】
特許文献1には、底板、側板の摩耗した部位に応じて当該底板、側板を部分的に切離し、掘削バケットの修理をすることが記載されている。具体的には、特許文献1には、底板の頂部位置線よりも上側寄りに設定された底板切断線で、底板を底板上側部分及び底板下側部分に切離するとともに、当該底板切断線から各サイドエッジに垂直に延びる側板切断線で、左右側板の各々を側板上側部分及び側板下側部分に切離することが記載されている。
【0004】
更に、特許文献1には、修理前の掘削バケットから底板下側部分及び左右の側板下側部分を取り外し、修理前の掘削バケットで使用していた底板上側部分、左右の側板上側部分、左右のサイドエッジ、カッティングエッジ、ブラケット、及び掘削爪を残して使用することが記載されている。そして、特許文献1に記載の修理方法では、取り外された底板下側部分及び左右の側板下側部分に換えて、交換用底板及び交換用側板を、修理前の掘削バケットに残された底板上側部分及び左右の側板上側部分等に溶接している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、掘削バケットは掘削作業時に掘削爪及びカッティングエッジから地面に突き刺すように使用されるため、掘削作業を繰り返すことで、底板及び側板だけでなく左右のサイドエッジ、カッティングエッジ、掘削爪等においても摩耗が進行する。このため、特許文献1に記載されるように底板及び側板だけを部分的に修理した場合、掘削作業の進行に伴って、例えば左右のサイドエッジ及びカッティングエッジ等を追加的に修理する必要があった。このように、摩耗の進行に応じてその都度摩耗部位の修理を行うことで、掘削バケットの修理に伴う作業工数が増加し、ひいては当該修理作業が非効率になるおそれがあった。
【0007】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、掘削バケットの修理作業の効率化を図る掘削バケットの修理部品、及び当該修理部品を用いて修理された掘削バケットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の掘削バケットの修理部品は、建設機械に用いられる掘削バケットの修理対象箇所となる下部を除去してなる掘削バケット部品に取り付けられる掘削バケットの修理部品であって、平板状の第1平坦部及び後方において上方に湾曲する第1湾曲部を含む第1底板部と、前記第1平坦部及び前記第1湾曲部に取付けられ、前記第1底板部の左右両側から立設する平板状の一対の第1側板部と、前記一対の第1側板部の前側に取付けられた平板状の一対の第1サイドエッジ部と、前記第1底板部の前側に取付けられたカッティングエッジと、該カッティングエッジの前側に取付けられた複数の掘削爪と、前記第1底板部、前記一対の第1側板部、及び前記一対の第1サイドエッジ部の少なくともいずれか一つに取付けられた平板状のガイド部材と、を備え、前記ガイド部材は、前記掘削バケット部品が取付けられるように、前記第1底板部、前記一対の第1側板部、及び前記一対の第1サイドエッジ部から上方に突出しており、前記一対の第1側板部は、該一対の第1側板部の上端に、前後方向に延在する一対の第1側板上端部を含み、前記一対の第1サイドエッジ部は、該一対の第1サイドエッジ部の上端に、前後方向に延在する一対の第1サイドエッジ上端部を含み、前記第1底板部は、前記一対の第1側板部を越えて左右方向に突出する一対の突出部を含み、前記ガイド部材は、前記一対の第1側板上端部及び前記一対の第1サイドエッジ上端部に沿って延在するように、前記一対の第1側板部及び前記一対の第1サイドエッジ部の外側に取付けられており、前記ガイド部材の左右方向の厚さは、前記一対の突出部の各々の突出長さよりも小さく形成されている、ことを特徴とする。
また、本発明の掘削バケットの修理部品は、建設機械に用いられる掘削バケットの修理対象箇所となる下部を除去してなる掘削バケット部品に取り付けられる掘削バケットの修理部品であって、前記一対の第1側板上端部及び前記一対の第1サイドエッジ上端部は、後側から前側にかけて下方向に斜めに延在して形成されている、ことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の掘削バケットは、建設機械に用いられる掘削バケットにおいて、前記掘削バケットの修理対象箇所となる下部を除去してなる掘削バケット部品と、前記掘削バケット部品に取り付けられる前記掘削バケットの修理部品と、を備え、前記修理部品は、平板状の第1平坦部及び後方において上方に湾曲する第1湾曲部を含む第1底板部と、前記第1平坦部及び前記第1湾曲部に取付けられ、前記第1底板部の左右両側から立設する平板状の一対の第1側板部と、前記一対の第1側板部の前側に取付けられた平板状の一対の第1サイドエッジ部と、前記第1底板部の前側に取付けられたカッティングエッジと、該カッティングエッジの前側に取付けられた複数の掘削爪と、前記第1底板部、前記一対の第1側板部、及び前記一対の第1サイドエッジ部の少なくともいずれか一つに取付けられた平板状のガイド部材と、を備え、前記ガイド部材は、前記掘削バケット部品が取付けられるように、前記第1底板部、前記一対の第1側板部、及び前記一対の第1サイドエッジ部から上方に突出して構成され、前記掘削バケット部品は、平板状の第2平坦部及び後方において下方に湾曲する第2湾曲部を含み、前記第1底板部と結合される第2底板部と、前記第2底板部の左右両側において前記第2平坦部及び前記第2湾曲部に取付けられ、前記一対の第1側板部と結合される平板状の一対の第2側板部と、を備え、前記一対の第2側板部の前側に取付けられ、前記一対の第1サイドエッジ部と結合される平板状の一対の第2サイドエッジ部を更に備え、前記掘削バケット部品は、前記第2底板部、前記一対の第2側板部、及び前記一対の第2サイドエッジ部の少なくともいずれか一つで、前記修理部品の前記ガイド部材に結合されており、前記一対の第1サイドエッジ部及び前記一対の第2サイドエッジ部には、それぞれ前記第1サイドエッジ部及び前記第2サイドエッジ部を上下方向に跨ぐように、サイドエッジ補強部材が取付けられている、ことを特徴とする。
また、本発明の掘削バケットは、建設機械に用いられる掘削バケットにおいて、前記一対の第1側板部は、該一対の第1側板部の上端に、前後方向に延在する一対の第1側板上端部を含み、前記一対の第1サイドエッジ部は、該一対の第1サイドエッジ部の上端に、前後方向に延在する一対の第1サイドエッジ上端部を含み、前記第1底板部は、前記一対の第1側板部を越えて左右方向に突出する一対の突出部を含み、前記ガイド部材は、前記一対の第1側板上端部及び前記一対の第1サイドエッジ上端部に沿って延在するように、前記一対の第1側板部及び前記一対の第1サイドエッジ部の外側に取付けられており、前記ガイド部材の左右方向の厚さは、前記一対の突出部の各々の突出長さよりも小さく形成されており、前記一対の第2側板部は、該一対の第2側板部の下端に、前後方向に延在する一対の第2側板下端部を含み、前記一対の第2サイドエッジ部は、該一対の第2サイドエッジ部の下端に、前後方向に延在する一対の第2サイドエッジ下端部を含み、前記掘削バケット部品は、前記一対の第2側板下端部及び前記一対の第2サイドエッジ下端部で、前記修理部品の前記ガイド部材に結合されており、前記ガイド部材は、左右方向において前記一対の突出部の内側に配設されている、ことを特徴とする。
また、本発明の掘削バケットは、建設機械に用いられる掘削バケットにおいて、前記一対の第1側板部は、該一対の第1側板部の上端に、前後方向に延在する一対の第1側板上端部を含み、前記一対の第1サイドエッジ部は、該一対の第1サイドエッジ部の上端に、前後方向に延在する一対の第1サイドエッジ上端部を含み、前記一対の第1側板上端部及び前記一対の第1サイドエッジ上端部は、後側から前側にかけて下方向に斜めに延在して形成されており、前記一対の第2側板部は、該一対の第2側板部の下端に、前後方向に延在する一対の第2側板下端部を含み、前記一対の第2サイドエッジ部は、該一対の第2サイドエッジ部の下端に、前後方向に延在する一対の第2サイドエッジ下端部を含み、前記一対の第2サイドエッジ部には、該一対の第2サイドエッジ部の内面に一対のリブ部材が取付けられており、前記一対の第2側板下端部及び前記一対の第2サイドエッジ下端部は、後側から前側にかけて前記一対のリブ部材から離れる方向に斜めに延在して形成されており、前記掘削バケット部品は、前記一対の第2側板下端部及び前記一対の第2サイドエッジ下端部で、前記修理部品の前記ガイド部材に結合されている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の掘削バケットの修理部品は、第1底板部及び一対の第1側板部に加え、一対の第1側板部の前側に取付けられた一対の第1サイドエッジ部と、第1底板部の前側に取付けられたカッティングエッジと、カッティングエッジの前側に取付けられた複数の掘削爪とを備える。このように、本発明の修理部品は、第1底板部、一対の第1側板部、一対の第1サイドエッジ部、カッティングエッジ、及び掘削爪が一体となって構成されているため、掘削作業の進行に伴い掘削バケットの摩耗が進行した場合、第1底板部、一対の第1側板部、一対の第1サイドエッジ部、カッティングエッジ、及び掘削爪をまとめて一回で修理(交換)することができる。このため、掘削バケットの修理の作業工数が低減され、当該修理作業を効率的に行うことができる。又、本発明の掘削バケットの修理部品において、第1底板部、前記一対の第1側板部、及び前記一対の第1サイドエッジ部の少なくともいずれか一つに取付けられたガイド部材は、掘削バケット部品が取付けられるように、第1底板部、一対の第1側板部、及び一対の第1サイドエッジ部から上方に突出している。このため、掘削バケットの修理をする際、修理対象の掘削バケット部品を当該ガイド部材に位置合わせすることで、修理部品に対する掘削バケット部品の位置合わせを迅速且つ確実に行うことができる。このように、本発明の掘削バケットの修理部品によれば、掘削バケットの修理を効率的に行うことができる。
ガイド部材は、一対の第1側板部及び一対の第1サイドエッジ部の外側に取付けられており、ガイド部材の左右方向の厚さは、一対の突出部の各々の突出長さよりも小さく形成され、左右方向において一対の突出部の内側に配設されているので、一対の第1側板部及び一対の第1サイドエッジ部の外側に取付けられたガイド部材により阻害されることなく、修理後の掘削バケットを用いた掘削作業を行うことが可能である。
また、一対の第1側板上端部及び一対の第1サイドエッジ上端部は、後側から前側にかけて下方向に斜めに延在して形成されていることにより、修理後の掘削バケットを用いて掘削作業を行う場合に、掘削バケット部品と修理部品の結合箇所に加わる応力を低くすることができ、当該結合箇所を中心とした亀裂の発生を抑制することが可能である。
【0011】
本発明の掘削バケットによれば、掘削バケット部品は、第2底板部、一対の第2側板部、及び一対の第2サイドエッジ部の少なくともいずれか一つでガイド部材に結合されている。このため、掘削バケットの修理をする際、掘削バケット部品をガイド部材に当接させることで、修理部品に対する掘削バケット部品の位置合わせを迅速且つ確実に行うことができる。又、掘削バケット部品を修理部品に直接結合するだけでなく、ガイド部材にも結合することで、修理部品と掘削バケット部品との結合強度を向上することができる。このように、修理部品と掘削バケット部品との結合強度を向上させることで、再修理の回数が低減され、ひいては修理作業全体の効率化を実現することができる。更に、掘削バケット部品において、第2底板部、一対の第2側板部、及び一対の第2サイドエッジ部等に凹みや歪みが生じていることが多いところ、ガイド部材を溶接時のバッキング部材として使用することができる。これにより、掘削バケット部品とガイド部材との溶接作業を迅速かつ確実に実行することができる。
そして、サイドエッジ補強部材は、それぞれ一対の第1サイドエッジ部及び一対の第2サイドエッジ部を上下方向に跨ぐように取付けられており、一対の第1サイドエッジ部及び一対の第2サイドエッジ部の溶接個所を補強することができ、サイドエッジ補強部材が取付けられている部分において、一対の第1サイドエッジ部及び一対の第2サイドエッジ部を、掘削作業における摩耗から保護することが可能である。
また、ガイド部材は、一対の第1側板部及び一対の第1サイドエッジ部の外側に取付けられており、ガイド部材の左右方向の厚さは、一対の突出部の各々の突出長さよりも小さく形成され、左右方向において一対の突出部の内側に配設されていることにより、一対の第1側板部及び一対の第1サイドエッジ部の外側に取付けられたガイド部材により阻害されることなく、修理後の掘削バケットを用いた掘削作業を行うことが可能である。
また、一対の第1側板上端部及び一対の第1サイドエッジ上端部は、後側から前側にかけて下方向に斜めに延在して形成され、一対の第2側板下端部及び一対の第2サイドエッジ下端部は、後側から前側にかけて一対のリブ部材から離れる方向に斜めに延在して形成されていることにより、修理後の掘削バケットを用いて掘削作業を行う場合に、掘削バケット部品と修理部品の結合箇所に加わる応力を低くすることができ、当該結合箇所を中心とした亀裂の発生を抑制することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る修理部品の全体構成を示す斜視図である。
【
図2】
図1の修理部品を右側から見た状態を示す右側面図である。
【
図3】
図1の修理部品を前側から見た状態を部分的に示す部分正面図である。
【
図4】本発明の第1実施形態に係る修理部品を掘削バケット部品に結合して構成された掘削バケットを右側から見た状態を示す右側面図である。
【
図5】
図4に示す掘削バケット部品を右側から見た状態を示す右側面図であり、サイドエッジ補強部材を省略して示す図である。
【
図6】
図5の掘削バケット部品を前側から見た状態を示す正面図である。
【
図7】本発明の第2実施形態に係る修理部品を右側から見た状態を示す右側面図である。
【
図8】
図7の修理部品を前側から見た状態を部分的に示す部分正面図である。
【
図9】本発明の第2実施形態に係る修理部品を掘削バケット部品に結合して構成された掘削バケットを右側から見た状態を示す右側面図である。
【
図10】本発明の第3実施形態に係る修理部品を右側から見た状態を示す右側面図である。
【
図11】本発明の第3実施形態に係る修理部品を掘削バケット部品に結合して構成された掘削バケットを右側から見た状態を示す右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。本実施形態では、油圧ショベルに装備される掘削バケットの修理部品を例に挙げて説明する。本実施形態に係る修理部品は、建設機械に用いられる掘削バケットの修理対象箇所となる下部を除去してなる掘削バケット部品に取り付けられる。具体的には、当該修理部品は、油圧ショベルに標準的に装備されるバックホウ式の掘削バケットの修理に用いられるものであり、当該掘削バケットから摩耗部位を切除して構成された掘削バケット部品に溶接等により結合される。なお、掘削バケットは、油圧ショベルのアームの先端に回動可能に取り付けられるものであり、当該アームに取付けられたバケットシリンダの伸縮に応じてアームに対し回動するように構成されている。油圧ショベルの構成自体は公知であるため、その詳細な説明を省略する。
【0014】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る修理部品1の全体構成を示す斜視図である。
図2は、
図1の修理部品1を右側から見た状態を示す右側面図である。
図3は、
図1の修理部品1を前側から見た状態を部分的に示す部分正面図である。
図4は、本発明の第1実施形態に係る修理部品1を掘削バケット部品100に結合して構成された掘削バケット200を右側から見た状態を示す右側面図である。
図5は、
図4に示す掘削バケット部品100を右側から見た状態を示す右側面図であり、サイドエッジ補強部材150を省略して示す図である。
図6は、
図5の掘削バケット部品100を前側から見た状態を示す正面図である。
【0015】
説明の便宜上、
図4に示すように、掘削バケット200の開口側を前側とし、当該開口側とは反対側を後側と定義し、掘削バケット200を前側から見たときを基準として、上側、下側、左側、右側を定義する。なお、ここで定義した、「前」、「後」、「上」、「下」、「左」、「右」は、各図に示されている。
【0016】
図1~
図6に示すように、本発明の第1実施形態に係る掘削バケットの修理部品1は、第1底板部10と、平板状の一対の第1側板部20と、平板状の一対の第1サイドエッジ部26と、カッティングエッジ30と、複数の掘削爪35と、平板状のガイド部材40と、棒状の補強部材50と、一対のサイドカッター60とを備える。
図1に示すように、当該修理部品1は、後側及び下側を第1底板部10によって閉じられ、左側及び右側を一対の第1側板部20によって閉じられ、前側及び上側において開口するように構成されている。又、
図4に示すように、修理部品1は、修理対象の掘削バケット部品100に溶接等によって取付けられる。
【0017】
図1及び
図2に示すように、第1底板部10は、平板状の第1平坦部10a、及び後方において上方に湾曲する第1湾曲部10bを含む。又、第1底板部10は、当該第1底板部10の上端に、左右方向に延在する第1底板上端部12を含む。具体的には、第1底板部10は、1枚の略長方形状の鋼板を湾曲して形成されており、前側から後方且つ上方に斜めに延在する第1平坦部10aと、当該第1平坦部10aの後端から上方に円弧状に湾曲した第1湾曲部10bとにより構成されている。
図2に示すように、第1底板上端部12は、第1湾曲部10bの上側端縁を含んで構成されており、第1底板部10の頂部Aより上側に設けられている。なお、第1底板部10の頂部Aは、第1湾曲部10bにおいて最も後方に位置する部分を意味する。第1底板部10は、第1平坦部10a及び第1湾曲部10bに亘って同一又は略同一の板厚で形成されている。又、第1底板部10の板厚は、修理前の掘削バケットにおける底板部よりも厚肉になるように形成されている。これにより、第1底板部10は、修理前の掘削バケットよりも高強度に形成される。
【0018】
図1及び
図2に示すように、一対の第1側板部20は、第1平坦部10a及び第1湾曲部10bに取付けられ、第1底板部10の左右両側から立設している。又、一対の第1側板部20は、当該一対の第1側板部20の上端に、前後方向に延在する一対の第1側板上端部22を含む。具体的には、
図1及び
図3に示すように、一対の第1側板部20は、第1底板部10の左側に設けられた第1左側板部20aと、第1底板部10の右側に設けられた第1右側板部20bとを含む。更に、第1左側板部20a及び第1右側板部20bはそれぞれ、第1左側板部20a及び第1右側板部20bの上端に、前後方向に延在する第1左側板上端部22a及び第1右側板上端部22bを含む。第1左側板部20a及び第1右側板部20bはそれぞれ、半弓形状をなす鋼板から形成され、第1底板部10の第1平坦部10a及び第1湾曲部10bの形状に沿って、第1底板部10と隙間なく結合されるように形成されている。そして、第1左側板部20a及び第1右側板部20bはそれぞれ、第1底板部10の左側端部及び右側端部に溶接等によって固定されている。なお、第1左側板部20a及び第1右側板部20bはそれぞれ、第1底板部10の左側端部及び右側端部とほぼ面一になるように配設されている。一対の第1側板部20はそれぞれ、全体に亘って同一又は略同一の板厚で形成されている。又、一対の第1側板部20の板厚は、修理前の掘削バケットにおける側板部よりも厚肉になるように形成されている。これにより、一対の第1側板部20は、修理前の掘削バケットよりも高強度に形成される。
【0019】
図1~
図3に示すように、一対の第1サイドエッジ部26は、一対の第1側板部20の前側に取付けられている。又、一対の第1サイドエッジ部26は、当該一対の第1サイドエッジ部26の上端に、前後方向に延在する一対の第1サイドエッジ上端部28を含む。具体的には、
図1及び
図3に示すように、一対の第1サイドエッジ部26は、第1左側板部20aの前側に溶接等により取付けられた第1左サイドエッジ部26aと、第1右側板部20bの前側に溶接等により取付けられた第1右サイドエッジ部26bとを含む。更に、第1左サイドエッジ部26a及び第1右サイドエッジ部26bはそれぞれ、第1左サイドエッジ部26a及び第1右サイドエッジ部26bの上端に、前後方向に延在する第1左サイドエッジ上端部28a及び第1右サイドエッジ上端部28bを含む。第1左サイドエッジ部26a及び第1右サイドエッジ部26bはそれぞれ、第1左側板部20a及び第1右側板部20bよりも厚肉な鋼板を用いて、上下方向に長尺な台形状に形成されている。そして、第1左サイドエッジ部26a及び第1右サイドエッジ部26bはそれぞれ、第1左側板部20a及び第1右側板部20bの前端、並びに、カッティングエッジ30の左右両端に溶接等によって固定されている。
【0020】
又、
図1~
図3に示すように、第1左側板部20aの第1左側板上端部22a及び第1左サイドエッジ部26aの第1左サイドエッジ上端部28a、並びに、第1右側板部20bの第1右側板上端部22b及び第1右サイドエッジ部26bの第1右サイドエッジ上端部28bは、それらの上面において互いに面一又は略面一になるように形成されている。
【0021】
又、
図1及び
図2に示すように、一対の第1サイドエッジ部26には、当該一対の第1サイドエッジ部26から前方に突出する一対のサイドカッター60が取付けられている。具体的には、
図1に示すように、一対のサイドカッター60は、第1左サイドエッジ部26aの左側面にボルトにより締結された左サイドカッター60aと、第1右サイドエッジ部26bの右側面にボルトにより締結された右サイドカッター60bとを含む。
【0022】
図1及び
図2に示すように、カッティングエッジ30は、第1底板部10の前側に取付けられている。具体的には、カッティングエッジ30は、第1底板部10の第1平坦部10aの前側の端部に取付けられている。カッティングエッジ30は、第1底板部10よりも厚肉な鋼板を用いて、左右方向に長尺な略長方形状に形成されている。そして、カッティングエッジ30は、第1底板部10の第1平坦部10aに溶接等により固定されている。又、
図1に示すように、掘削爪35は、カッティングエッジ30の前側に取付けられている。具体的には、掘削爪35は、カッティングエッジ30に左右方向に間隔をおいて設けられた複数個の掘削用部材である。
【0023】
ガイド部材40は、第1底板部10、一対の第1側板部20、及び一対の第1サイドエッジ部26に取付けられている。具体的には、
図1~
図3に示すように、ガイド部材40は、第1底板上端部12、一対の第1側板上端部22、及び一対の第1サイドエッジ上端部28に沿って延在するように、第1底板部10、一対の第1側板部20、及び一対の第1サイドエッジ部26に取付けられている。又、ガイド部材40は、後述する掘削バケット部品100が取付けられるように、第1底板部10、一対の第1側板部20、及び一対の第1サイドエッジ部26から上方に突出している。なお、このガイド部材40は、第1底板部10、一対の第1側板部20、及び一対の第1サイドエッジ部26の少なくともいずれか一つに取付けられても良い。
【0024】
より詳細には、
図1に示すように、ガイド部材40は、第1ガイド部材40a、第2ガイド部材40b、及び第3ガイド部材40cを含む。第1ガイド部材40aは、第1左側板上端部22a及び第1左サイドエッジ上端部28aの内面(即ち右側面)に溶接等により固定され、第1左側板上端部22a及び第1左サイドエッジ上端部28aから上方に突出する前後方向に長尺な略長方形状の鋼材である。第2ガイド部材40bは、第1右側板上端部22b及び第1右サイドエッジ上端部28bの内面(即ち左側面)に溶接により固定され、第1右側板上端部22b及び第1右サイドエッジ上端部28bから上方に突出する前後方向に長尺な略長方形状の鋼材である。第3ガイド部材40cは、第1底板上端部12の内面(即ち前側面)に溶接により固定され、第1底板上端部12から上方に突出する左右方向に長尺な略長方形状の鋼材である。
【0025】
図1~
図3に示すように、補強部材50は、一対の第1サイドエッジ部26を左右方向に横断するように、一対の第1サイドエッジ部26に取付けられている。補強部材50は、断面角形の棒状の鋼材によって形成されており、一対の第1サイドエッジ部26を超える長さに形成されている。具体的には、補強部材50は、第1左サイドエッジ部26a及び第1右サイドエッジ部26bの左右方向における間隔よりも長く形成され、第1左サイドエッジ部26a及び第1右サイドエッジ部26bに溶接等により固定されている。補強部材50は、少なくとも一つ設けられていればよく、その数が限定されるものではない。
【0026】
次いで、
図4~
図6を用いて、本発明の第1実施形態に係る掘削バケット200について説明する。
図4に示すように、掘削バケット200は、上述した修理部品1と、修理部品1に溶接等により取付けられた掘削バケット部品と100とを備える。この掘削バケット部品100は、修理対象となる掘削バケットの摩耗箇所や損傷箇所となる下部を切断して除去したものである。
【0027】
図4~
図6に示すように、掘削バケット部品100は、第2底板部110と、平板状の一対の第2側板部120と、平板状の一対の第2サイドエッジ部126と、一対のリブ部材170と、底板補強部材175と、一対のブラケット180とを備える。
図5及び
図6に示すように、掘削バケット部品100は、後側及び上側を第2底板部110によって閉じられ、左側及び右側を一対の第2側板部120によって閉じられ、前側及び下側において開口するように構成されている。
【0028】
図4及び
図5に示すように、第2底板部110は、第1底板部10と結合される部材である。第2底板部110は、平板状の第2平坦部110a、及び後方において下方に湾曲する第2湾曲部110bを含む。又、第2底板部110は、当該第2底板部110の下端に、左右方向に延在する第2底板下端部112を含む。具体的には、第2底板部110は、1枚の略長方形状の鋼板を湾曲して形成されており、前側から後方に直線的又は略直線的に延在する第2平坦部110aと、第2平坦部110aの後端から下方に円弧状に湾曲した第2湾曲部110bとにより構成されている。
図4及び
図5に示すように、第2底板下端部112は、第2湾曲部110bの下側端縁を含んで構成されている。第2底板部110は、第2平坦部110a及び第2湾曲部110bに亘って同一又は略同一の板厚で形成されている。又、第2底板部110の板厚は、第1底板部10の板厚よりも薄い。
【0029】
図4及び
図5に示すように、第2底板部110の第2平坦部110a及び第2湾曲部110bには、第2底板部110の上側において、底板補強部材175が溶接等によって固定されている。底板補強部材175は、第2底板部110の強度を高めるもので、鋼板を所定形状に折曲げることにより形成されている。更に、第2底板部110の第2平坦部110a及び第2湾曲部110bには、第2底板部110の上側において、一対のブラケット180が溶接等により固定されている。
図6に示すように、一対のブラケット180は、互いに左右方向に離間して配置される、左側ブラケット180a及び右側ブラケット180bを含む。一対のブラケット180には、アームの先端部とバケットシリンダに接続されたリンク機構が連結される(図示せず)。
【0030】
図4に示すように、一対の第2側板部120は、一対の第1側板部20と結合される部材である。
図4及び
図5に示すように、一対の第2側板部120は、第2底板部110の左右両側において第2平坦部110a及び第2湾曲部110bに溶接等により取付けられている。又、一対の第2側板部120は、一対の第2側板部120の下端に、前後方向に延在する一対の第2側板下端部122を含む。具体的には、一対の第2側板部120は、第2底板部110の左側に設けられた第2左側板部(符号なし)と、第2底板部110の右側に設けられた第2右側板部120bとを含む。更に、第2左側板部及び第2右側板部120bはそれぞれ、第2左側板部及び第2右側板部120bの下端に、前後方向に延在する第2左側板下端部及び第2右側板下端部122bを含む。なお、第2左側板部は、第2右側板部120bと同じ構成であるので、第2右側板部120b及び第2右側板下端部122bのみ符号を付して説明し、第2左側板部及び第2左側板下端部の説明を省略する。第2右側板部120bは、半弓形状をなす鋼板からなり、第2底板部110の第2平坦部110a及び第2湾曲部110bよりも大きな寸法で形成されている。つまり、
図4及び
図5に示すように、第2右側板部120bは、第2底板部110の第2平坦部110a及び第2湾曲部110bを越えて上方及び後方に突出して配設されている。そして、第2左側板部及び第2右側板部120bの間に第2底板部110が挟持され、第2左側板部及び第2右側板部120bは第2底板部110に溶接等により固定されている。一対の第2側板部120はそれぞれ、全体に亘って同一又は略同一の板厚で形成されている。又、一対の第2側板部120の板厚は、一対の第1側板部20の板厚よりも薄い。第2右側板下端部122bは、修理前の掘削バケットから掘削バケット部品100を切離する際のカットラインを含む。つまり、修理前の掘削バケットは、第2右側板下端部122bの下端縁に沿って前後方向に切断され、これにより掘削バケット部品100が切り出される。
【0031】
図4及び
図5に示すように、一対の第2サイドエッジ部126は、一対の第1サイドエッジ部26と結合される部材である。一対の第2サイドエッジ部126は、一対の第2側板部120の前側に取付けられている。又、一対の第2サイドエッジ部126は、当該一対の第2サイドエッジ部126の下端に、前後方向に延在する一対の第2サイドエッジ下端部128を含む。具体的には、
図4~
図6に示すように、一対の第2サイドエッジ部126は、第2左側板部の前側に溶接等により取付けられた第2左サイドエッジ部126a(
図6参照)と、第2右側板部120bの前側に溶接等により取付けられた第2右サイドエッジ部126bとを含む。更に、第2左サイドエッジ部126a及び第2右サイドエッジ部126bはそれぞれ、第2左サイドエッジ部126a及び第2右サイドエッジ部126bの下端に、前後方向に延在する第2左サイドエッジ下端部128a及び第2右サイドエッジ下端部128bを含む。第2左サイドエッジ下端部128a及び第2右サイドエッジ下端部128bは、一対の第2サイドエッジ下端部128を構成する部分である。第2左サイドエッジ部126a及び第2右サイドエッジ部126bはそれぞれ、第2左側板部及び第2右側板部120bよりも厚肉な鋼板を用いて、上下方向に長尺な台形状に形成されている。そして、第2左サイドエッジ部126a及び第2右サイドエッジ部126bはそれぞれ、第2左側板部及び第2右側板部120bの前端、並びに、第2底板部110の左右両端に溶接等によって固定されている。第2左サイドエッジ下端部128a及び第2右サイドエッジ下端部128bは、修理前の掘削バケットから掘削バケット部品100を切離する際のカットラインを含む。つまり、修理前の掘削バケットは、一対の第2側板下端部122に続いて、第2左サイドエッジ下端部128a及び第2右サイドエッジ下端部128bの下端縁に沿って前後方向に切断され、これにより掘削バケット部品100が切り出される。
【0032】
又、
図4及び
図5に示すように、第2右側板部120bの第2右側板下端部122b及び第2右サイドエッジ部126bの第2右サイドエッジ下端部128bは、それらの下面において面一又は略面一になるように形成されている。この点は、第2左側板部の第2左側板下端部及び第2左サイドエッジ部126aの第2左サイドエッジ下端部128aにおいても同様に構成されている。更に、
図4~
図6に示すように、一対の第2サイドエッジ部126には、当該一対の第2サイドエッジ部126の内面に一対のリブ部材170が取付けられている。一対のリブ部材170は、左リブ部材170a及び右リブ部材170bを含み、一対の第2サイドエッジ部126及び第2底板部110の強度を高める鋼材である。具体的には、
図6に示すように、左リブ部材170aは、第2左サイドエッジ部126aの内面(即ち右側面)及び第2底板部110の第2平坦部110aの内面(即ち下面)に溶接等により固定されている。又、右リブ部材170bは、第2右サイドエッジ部126bの内面(即ち左側面)及び第2底板部110の第2平坦部110aの内面(即ち下面)に溶接等により固定されている。
【0033】
掘削バケット部品100は、第2底板部110、一対の第2側板部120、及び一対の第2サイドエッジ部126の少なくともいずれか一つで、修理部品1のガイド部材40に結合されている。具体的には、
図4に示すように、掘削バケット部品100は、第2底板下端部112、一対の第2側板下端部122、及び一対の第2サイドエッジ下端部128で、修理部品1のガイド部材40に結合されている。
【0034】
より詳細には、
図4に示すように、掘削バケット部品100は、第2右側板下端部122b及び第2右サイドエッジ下端部128bが、修理部品1の第1右側板上端部22b及び第1右サイドエッジ上端部28bに直接溶接されるとともに、修理部品1に固定された第2ガイド部材40bに、その前後方向長さ全体に亘って溶接されている。同様に、掘削バケット部品100の第2左側板下端部及び第2左サイドエッジ下端部128aは、修理部品1の第1左側板上端部22a及び第1左サイドエッジ上端部28aに直接溶接されるとともに、修理部品1に固定された第1ガイド部材40aに、その前後方向長さ全体に亘って溶接されている。更に、掘削バケット部品100の第2底板下端部112は、修理部品1の第1底板上端部12に直接溶接されるとともに、修理部品1に固定された第3ガイド部材40cに、その左右方向長さ全体に亘って溶接されている。
【0035】
掘削バケット部品100を修理部品1に溶接する際、掘削バケット部品100の第2右側板下端部122b及び第2右サイドエッジ下端部128bは、右側から修理部品1の第2ガイド部材40bに当接される。これにより、修理部品1の第1右側板上端部22b及び第1右サイドエッジ上端部28bに対する掘削バケット部品100の第2右側板下端部122b及び第2右サイドエッジ下端部128bの、第2ガイド部材40bを用いた位置決めが完了する。同様に、掘削バケット部品100の第2左側板下端部及び第2左サイドエッジ下端部128aは、左側から第1ガイド部材40aに当接される。これにより、修理部品1の第1左側板上端部22a及び第1左サイドエッジ上端部28aに対する掘削バケット部品100の第2左側板下端部及び第2左サイドエッジ下端部128aの、第1ガイド部材40aを用いた位置決めが完了する。更に、掘削バケット部品100の第2底板下端部112は、後側から第3ガイド部材40cに当接される。これにより、修理部品1の第1底板上端部12に対する掘削バケット部品100の第2底板下端部112の、第3ガイド部材40cを用いた位置決めが完了する。このような位置決めの際、修理部品1及び掘削バケット部品100は、ガイド部材40によって互いの内面において段差なく一致するように位置決めされる。なお、上記溶接作業においては、第1ガイド部材40a、第2ガイド部材40b、第3ガイド部材40cに沿って、3か所程度の仮溶接を行い、一対の第1サイドエッジ部26及び一対の第2サイドエッジ部126に対するサイドエッジ補強部材150の溶接が終了した後、第1ガイド部材40a、第2ガイド部材40b、及び第3ガイド部材40cの全体に亘る本溶接を行うこととする。
【0036】
図4に示すように、サイドエッジ補強部材150は、補強部材50を一対の第1サイドエッジ部26から取り外して切断することで形成されるものである。つまり、サイドエッジ補強部材150は、修理部品1に溶接されていた補強部材50を一対の第1サイドエッジ部26から取り外し、補強部材50の中央又は略中央で切断することにより準備される。
図4に示すように、サイドエッジ補強部材150はそれぞれ、一対の第1サイドエッジ部26及び一対の第2サイドエッジ部126を上下方向に跨ぐように、一対の第1サイドエッジ部26及び一対の第2サイドエッジ部126の両方に溶接等により取付けられている。又、サイドエッジ補強部材150はそれぞれ、一対のサイドカッター60の手前(即ち上側)で終端するように、一対の第1サイドエッジ部26及び一対の第2サイドエッジ部126に沿って溶接等により取付けられている。
【0037】
具体的には、サイドエッジ補強部材150は、左サイドエッジ補強部材(図示せず)と右サイドエッジ補強部材150bを含む。なお、左サイドエッジ補強部材は、右サイドエッジ補強部材150bと同じ構成であるので、右サイドエッジ補強部材150bのみ符号を付して説明し、左サイドエッジ補強部材の説明を省略する。右サイドエッジ補強部材150bは、修理部品1に溶接されていた補強部材50の一部であり、第1右サイドエッジ部26b及び第2右サイドエッジ部126bを上下方向に跨ぐように、第1右サイドエッジ部26b及び第2右サイドエッジ部126bの前側に溶接等により固定されている。又、右サイドエッジ補強部材150bは、右サイドカッター60bの手前(即ち上側)で終端するように、第1右サイドエッジ部26b及び第2右サイドエッジ部126bに溶接等により固定されている。
【0038】
次いで、本発明の第1実施形態に係る修理部品1の作用、効果について説明する。第1実施形態に係る修理部品1は、第1底板部10及び一対の第1側板部20に加え、一対の第1側板部20の前側に取付けられた一対の第1サイドエッジ部26と、第1底板部10の前側に取付けられたカッティングエッジ30と、カッティングエッジ30の前側に取付けられた複数の掘削爪35とを備える。このように、修理部品1は、第1底板部10、一対の第1側板部20、一対の第1サイドエッジ部26、カッティングエッジ30、及び掘削爪35が一体となって構成されているため、掘削作業の進行に伴い掘削バケットの摩耗が進行した場合、第1底板部10、一対の第1側板部20、一対の第1サイドエッジ部26、カッティングエッジ30、及び掘削爪35をまとめて一回で修理(交換)することができる。このため、掘削バケットの修理の作業工数が低減され、当該修理作業を効率的に行うことができる。又、第1実施形態に係る修理部品1において、第1底板部10、一対の第1側板部20、及び一対の第1サイドエッジ部26の少なくともいずれか一つに取付けられたガイド部材40は、掘削バケット部品100が取付けられるように、第1底板部10、一対の第1側板部20、及び一対の第1サイドエッジ部26から上方に突出している。このため、掘削バケットの修理をする際、修理対象の掘削バケット部品100をガイド部材40に当接させることで、修理部品1に対する掘削バケット部品100の位置合わせを迅速且つ確実に行うことができる。このように、本発明の第1実施形態に係る修理部品1によれば、掘削バケットの修理を効率的に行うことができる。
【0039】
又、本発明の第1実施形態に係る修理部品1によれば、ガイド部材40は、第1底板上端部12、一対の第1側板上端部22、及び一対の第1サイドエッジ上端部28に沿って延在するように、第1底板部10、一対の第1側板部20、及び一対の第1サイドエッジ部26に取付けられている。このため、掘削バケットの修理をする際、掘削バケット部品100をガイド部材40(即ち、第1ガイド部材40a、第2ガイド部材40b、第3ガイド部材40c)に当接させることで、修理部品1の第1底板上端部12、一対の第1側板上端部22、及び一対の第1サイドエッジ上端部28に沿って、掘削バケット部品100の第2底板下端部112、一対の第2側板下端部122、及び一対の第2サイドエッジ下端部128を迅速且つ確実に位置合わせすることができる。このように、本発明の第1実施形態に係る修理部品1によれば、掘削バケットの修理を効率的に行うことができる。
【0040】
又、本発明の第1実施形態に係る修理部品1は、一対の第1サイドエッジ部26を左右方向に横断するように、一対の第1サイドエッジ部26に取付けられた少なくとも一つの棒状の補強部材50を備える。このため、修理部品1を製造する際に生じる歪、具体的には、第1底板部10に一対の第1側板部20を溶接し且つ該一対の第1側板部20に一対の第1サイドエッジ部26を溶接する際に生じる、一対の第1側板部20及び一対の第1サイドエッジ部26の歪(曲がり)を抑制することができる。これにより、よって、修理部品1に対する掘削バケット部品100の位置合わせを迅速且つ確実に行うことができ、ひいては掘削バケットの修理を効率的に行うことができる。
【0041】
又、本発明の第1実施形態に係る掘削バケット200によれば、掘削バケット部品100は、第2底板部110、一対の第2側板部120、及び一対の第2サイドエッジ部126の少なくともいずれか一つでガイド部材40に結合されている。このため、掘削バケットの修理をする際、掘削バケット部品100をガイド部材40に当接させることで、修理部品1に対する掘削バケット部品100の位置合わせを迅速且つ確実に行うことができる。又、掘削バケット部品100を修理部品1に直接結合するだけでなく、ガイド部材40にも結合することで、修理部品1と掘削バケット部品100との結合強度を向上することができる。このように、修理部品1と掘削バケット部品100との結合強度を向上させることで、再修理の回数が低減され、ひいては修理作業全体の効率化を実現することができる。更に、掘削バケット部品100において、第2底板部110、一対の第2側板部120、及び一対の第2サイドエッジ部126等に凹みや歪みが生じていることが多いところ、ガイド部材40を溶接時のバッキング部材として使用することができる。これにより、掘削バケット部品100とガイド部材40との溶接作業を迅速かつ確実に実行することができる。
【0042】
又、本発明の第1実施形態に係る掘削バケット200によれば、掘削バケット部品100は、第2底板下端部112、一対の第2側板下端部122、及び一対の第2サイドエッジ下端128部でガイド部材40に結合されている。このため、掘削バケットの修理をする際、掘削バケット部品100をガイド部材40(即ち、第1ガイド部材40a、第2ガイド部材40b、第3ガイド部材40c)に当接させることで、掘削バケット部品100の第2底板下端部112、一対の第2側板下端部122、及び一対の第2サイドエッジ下端部128を、修理部品1の第1底板上端部12、一対の第1側板上端部22、及び一対の第1サイドエッジ上端部28に沿って、迅速且つ確実に位置合わせすることができる。
【0043】
又、本発明の第1実施形態に係る掘削バケット200によれば、サイドエッジ補強部材150はそれぞれ、一対の第1サイドエッジ部26及び一対の第2サイドエッジ部126を上下方向に跨ぐように、一対の第1サイドエッジ部26及び一対の第2サイドエッジ部126の両方に取付けられている。これにより、掘削バケット200において、一対の第1サイドエッジ部26及び一対の第2サイドエッジ部126の溶接個所を補強することができる。更に、サイドエッジ補強部材150が取付けられている部分において、一対の第1サイドエッジ部26及び一対の第2サイドエッジ部126を、掘削作業における摩耗から保護することができる。
【0044】
又、本発明の第1実施形態に係る掘削バケット200によれば、サイドエッジ補強部材150はそれぞれ、一対のサイドカッター60の手前で終端するように、一対の第1サイドエッジ部26及び一対の第2サイドエッジ部126に取付けられている。このため、一対の第1サイドエッジ部26への一対のサイドカッター60の取付けが阻害されない。更に、サイドエッジ補強部材150が取付けられている部分において、一対の第1サイドエッジ部26及び一対の第2サイドエッジ部126を、掘削作業における摩耗から保護することができる。
【0045】
<第2実施形態>
次いで、本発明の第2実施形態に係る掘削バケットの修理部品2、及び掘削バケット300について説明する。本発明の第2実施形態に係る修理部品2は、第1底板部10が一対の第1側板部20を越えて左右方向に突出する一対の突出部11を含み、且つ、ガイド部材40が一対の第1側板部20及び一対の第1サイドエッジ部26の外側に取付けられている点で、このような構成を有しない上記第1実施形態に係る修理部品1と異なる。以下、上記1実施形態に係る修理部品1と同じ又は類似する機能を有する構成については、第1実施形態に係る修理部品1と同一の符号を付してその説明を省略し、異なる部分について説明する。又、本発明の第2実施形態に係る掘削バケット300についても、上記1実施形態に係る掘削バケット200と同じ又は類似する機能を有する構成については、第1実施形態に係る掘削バケット200と同一の符号を付してその説明を省略し、異なる部分について説明する。
【0046】
図7は、本発明の第2実施形態に係る修理部品2を右側から見た状態を示す右側面図である。
図8は、
図7の修理部品2を前側から見た状態を部分的に示す部分正面図である。
図9は、本発明の第2実施形態に係る修理部品2を掘削バケット部品100に結合して構成された掘削バケット300を右側から見た状態を示す右側面図である。
【0047】
図9に示すように、掘削バケット300は、修理部品2と掘削バケット部品100から構成されている。
図7及び
図8に示すように、修理部品2の第1底板部10は、一対の第1側板部20を越えて左右方向に突出する一対の突出部11を含む。具体的には、一対の突出部11は、第1左側板部20aを越えて左側へ突出する左側突出部11aと、第1右側板部20bを越えて右側へ突出する右側突出部11bとを含む。なお、
図8では、左側突出部11a及び右側突出部11bがそれぞれ、第1左サイドエッジ部26a及び第1右サイドエッジ部26bを越えて左右両側へ所定寸法だけ張り出した態様が示されている。
【0048】
図7~
図9に示すように、ガイド部材40は、一対の第1側板上端部22及び一対の第1サイドエッジ上端部28に沿って延在するように、一対の第1側板部20及び一対の第1サイドエッジ部26の外側に取付けられている。具体的には、第1ガイド部材40aは、第1左側板部20aの左側に取付けられており、第2ガイド部材40bは、第1右側板部20bの右側に取付けられている。又、ガイド部材40の左右方向の厚さは、一対の突出部11の各々の突出長さよりも小さく形成されている。具体的には、第1ガイド部材40aは、左側突出部11aから左方向に突出しない厚みに形成されており、第2ガイド部材40bは、右側突出部11bから右方向に突出しない厚みに形成されている。又、第3ガイド部材40cは、第1底板部10の頂部Aより上側に位置する第1底板上端部12に取付けられている。
【0049】
図9に示すように、掘削バケット部品100は、一対の第2側板下端部122及び一対の第2サイドエッジ下端部128で、修理部品2のガイド部材40に結合されている。又、ガイド部材40は、左右方向において一対の突出部11の内側に配設されている。具体的には、第1ガイド部材40aは、左側突出部11aの内側(即ち右側)に配設され、第2ガイド部材40bは、右側突出部11bの内側(即ち左側)に配設されている。
【0050】
掘削バケット部品100を修理部品2に溶接する際、掘削バケット部品100の第2右側板下端部122b及び第2右サイドエッジ下端部128bは、左側から修理部品2の第2ガイド部材40bに当接される。これにより、修理部品2の第1右側板上端部22b及び第1右サイドエッジ上端部28bに対する掘削バケット部品100の第2右側板下端部122b及び第2右サイドエッジ下端部128bの、第2ガイド部材40bを用いた位置決めが完了する。同様に、掘削バケット部品100の第2左側板下端部及び第2左サイドエッジ下端部128aは、右側から第1ガイド部材40aに当接される。これにより、修理部品2の第1左側板上端部22a及び第1左サイドエッジ上端部28aに対する掘削バケット部品100の第2左側板下端部及び第2左サイドエッジ下端部128aの、第1ガイド部材40aを用いた位置決めが完了する。更に、掘削バケット部品100の第2底板下端部112は、前側から第3ガイド部材40cに当接される。これにより、修理部品2の第1底板上端部12に対する掘削バケット部品100の第2底板下端部112の、第3ガイド部材40cを用いた位置決めが完了する。このような位置決めの際、修理部品2及び掘削バケット部品100は、ガイド部材40によって互いの外面において段差なく一致するように位置決めされる。
【0051】
次いで、本発明の第2実施形態に係る修理部品2、及び掘削バケット300の作用、効果について説明する。第2実施形態に係る修理部品2によれば、ガイド部材40は、一対の第1側板部20及び一対の第1サイドエッジ部26の外側に取付けられており、ガイド部材40の左右方向の厚さは、一対の突出部11の各々の突出長さよりも小さく形成されている。更に、第2実施形態に係る掘削バケット300によれば、ガイド部材40は、左右方向において一対の突出部11の内側に配設されている。このように、ガイド部材40は、一対の突出部11の内側に収まるような厚みに寸法設定されている。このため、一対の第1側板部20及び一対の第1サイドエッジ部26の外側に取付けられたガイド部材40により阻害されることなく、掘削バケット300を用いた掘削作業を行うことができる。
【0052】
<第3実施形態>
次いで、本発明の第3実施形態に係る掘削バケットの修理部品3、及び掘削バケット400について説明する。本発明の第3実施形態に係る修理部品3は、一対の第1側板部20及び一対の第1サイドエッジ部26が上端において斜めに形成されている点で、上記第1実施形態に係る修理部品1と異なる。以下、上記1実施形態に係る修理部品1と同じ又は類似する機能を有する構成については、第1実施形態に係る修理部品1と同一の符号を付してその説明を省略し、異なる部分について説明する。又、本発明の第3実施形態に係る掘削バケット400についても、上記1実施形態に係る掘削バケット200と同じ又は類似する機能を有する構成については、第1実施形態に係る掘削バケット200と同一の符号を付してその説明を省略し、異なる部分について説明する。
【0053】
図10は、本発明の第3実施形態に係る修理部品3を右側から見た状態を示す右側面図である。
図11は、本発明の第3実施形態に係る修理部品3を掘削バケット部品105に結合して構成された掘削バケット400を右側から見た状態を示す右側面図である。
【0054】
図11に示すように、掘削バケット400は、修理部品3と掘削バケット部品105から構成されている。修理部品3の一対の第1側板部20は、一対の第1側板部20の上端に、前後方向に延在する一対の第1側板上端部23を含む。又、修理部品3の一対の第1サイドエッジ部26は、一対の第1サイドエッジ部26の上端に、前後方向に延在する一対の第1サイドエッジ上端部29を含む。具体的には、
図10に示すように、一対の第1側板上端部23及び一対の第1サイドエッジ上端部29は、後側から前側にかけて下方向に斜めに延在して形成されている。
【0055】
一対の第1側板上端部23は、第1右側板部20bの上端に設けられ、後側から前側にかけて下方向に斜めに延在する第1右側板上端部23bを含む。同様に、一対の第1側板上端部23は、第1左側板部20aの上端に設けられ、後側から前側にかけて下方向に斜めに延在する第1左側板上端部(図示せず)を含む。又、一対の第1サイドエッジ上端部29は、第1右サイドエッジ部26bの上端に設けられ、後側から前側にかけて下方向に斜めに延在する第1右サイドエッジ上端部29bを含む。同様に、一対の第1サイドエッジ上端部29は、第1左サイドエッジ部26aの上端に設けられ、後側から前側にかけて下方向に斜めに延在する第1左サイドエッジ上端部(図示せず)を含む。
【0056】
掘削バケット部品105の一対の第2側板部120は、一対の第2側板部120の下端に、前後方向に延在する一対の第2側板下端部123を含む。又、掘削バケット部品105の一対の第2サイドエッジ部126は、一対の第2サイドエッジ部126の下端に、前後方向に延在する一対の第2サイドエッジ下端部129を含む。具体的には、
図11に示すように、一対の第2側板下端部123及び一対の第2サイドエッジ下端部129は、後側から前側にかけて一対のリブ部材170から離れる方向(下方に)に斜めに延在して形成されている。掘削バケット部品105における一対の第2側板下端部123及び一対の第2サイドエッジ下端部129は、修理前の掘削バケットから掘削バケット部品105を切離する際のカットラインを含む。つまり、修理前の掘削バケットは、一対の第2側板下端部123及び一対の第2サイドエッジ下端部129の下端縁に沿って前後方向に斜めに切断され、これにより掘削バケット部品105が切り出される。そして、掘削バケット部品105は、一対の第2側板下端部123及び一対の第2サイドエッジ下端部129でガイド部材40に結合されている。
【0057】
一対の第2側板下端部123は、第2右側板部120bの下端に設けられ、後側から前側にかけて下方向に斜めに延在する第2右側板下端部123bを含む。同様に、一対の第2側板下端部123は、第2左側板部120aの下端に設けられ、後側から前側にかけて下方向に斜めに延在する第2左側板下端部(図示せず)を含む。又、一対の第2サイドエッジ下端部129は、第2右サイドエッジ部126bの下端に設けられ、後側から前側にかけて下方向に斜めに延在する第2右サイドエッジ下端部129bを含む。同様に、一対の第2サイドエッジ下端部129は、第2左サイドエッジ部126aの下端に設けられ、後側から前側にかけて下方向に斜めに延在する第2左サイドエッジ下端部(図示せず)を含む。
【0058】
次いで、本発明の第3実施形態に係る修理部品3、及び掘削バケット400の作用、効果について説明する。第3実施形態に係る修理部品3によれば、一対の第1側板上端部23及び一対の第1サイドエッジ上端部29は、後側から前側にかけて下方向に斜めに延在して形成されている。又、本発明の第3実施形態に係る掘削バケット400によれば、一対の第2側板下端部123及び一対の第2サイドエッジ下端部129は、後側から前側にかけて一対のリブ部材170から離れる方向に斜めに延在して形成されている。このように、掘削バケット部品105と修理部品3の結合箇所を一対のリブ部材170から離れた位置に設けることができる。具体的には、一対のリブ部材170は、掘削作業中により大きな応力が加えられる掘削バケットの部分に設けられているところ、この一対のリブ部材170を避けた位置に、掘削バケット部品105と修理部品3の結合箇所を設けることができる。このため、修理後の掘削バケットを用いて掘削作業を行う場合に、掘削バケット部品105と修理部品3の結合箇所に加わる応力を低くすることができ、当該結合箇所を中心とした亀裂の発生を抑制することができる。
【0059】
以上、本発明の好適な実施形態の説明をしたが、本発明の態様は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、補強部材50の断面形状が角形である場合について説明したが、その断面形状は角形に限定されるものではなく、丸形、楕円形、三角形等、任意の形状であってよい。又、補強部材50の長さは、一対の第1サイドエッジ部26に取付けることが可能な長さであればよく、第1左サイドエッジ部26a及び第1右サイドエッジ部26bの左右方向における間隔と同等又は略同等であってもよい。
【0060】
又、本発明は上記実施形態に係る修理部品1,2,3、及び掘削バケット200,300,400に限定されるものではなく、本発明の概念及び特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含む。又、上述した課題及び効果を奏するように、各構成を適宜選択的に組み合わせても良い。例えば、上記実施形態における各構成要素の形状、材料、配置、サイズ等は、本発明の具体的態様によって適宜変更され得る。
【符号の説明】
【0061】
1,2,3 修理部品
10 第1底板部
10a 第1平坦部
10b 第1湾曲部
11 一対の突出部
12 第1底板上端部
20 一対の第1側板部
22,23 一対の第1側板上端部
26 一対の第1サイドエッジ部
28,29 一対の第1サイドエッジ上端部
30 カッティングエッジ
35 掘削爪
40 ガイド部材
50 補強部材
60 一対のサイドカッター
100,105 掘削バケット部品
110 第2底板部
110a 第2平坦部
110b 第2湾曲部
112 第2底板下端部
120 一対の第2側板部
122,123 一対の第2側板下端部
126 一対の第2サイドエッジ部
128,129 一対の第2サイドエッジ下端部
150 サイドエッジ補強部材
170 一対のリブ部材
200,300,400 掘削バケット