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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-06
(45)【発行日】2024-08-15
(54)【発明の名称】LED灯具
(51)【国際特許分類】
   F21S 45/48 20180101AFI20240807BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20240807BHJP
   F21V 29/503 20150101ALI20240807BHJP
   F21V 29/70 20150101ALI20240807BHJP
   F21S 45/60 20180101ALI20240807BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240807BHJP
【FI】
F21S45/48
F21S2/00 663
F21V29/503 100
F21V29/70
F21S45/60
F21Y115:10
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020196860
(22)【出願日】2020-11-27
(65)【公開番号】P2022085262
(43)【公開日】2022-06-08
【審査請求日】2023-11-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000175722
【氏名又は名称】サンコール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001597
【氏名又は名称】弁理士法人アローレインターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】小早川 浩也
【審査官】谷口 東虎
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-256676(JP,A)
【文献】特開2012-134305(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 45/48
F21S 2/00
F21V 29/503
F21V 29/70
F21S 45/60
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口が設けられたケース本体と、前記開口を閉塞するように前記ケース本体に連結される透光性カバーと、前記透光性カバーを介して光が外方へ放射されるように前記ケース本体に収容された複数のLEDモジュールとを備え、
前記LEDモジュールは、導電性平板状部材によって形成され、対向する側面の間に間隙が存する状態で同一平面内に配置された複数のバスバーと、前記間隙を跨ぐように前記複数のバスバーの厚み方向一方側の第1面に接着されて、前記複数のバスバーが前記間隙を存する状態で連結されてなるバスバー連結体を形成する絶縁性樹脂フィルムであって、前記複数のバスバーのそれぞれの第1面のうちの所定領域を露出させて前記複数のバスバーのそれぞれの第1面側接続部を形成する一又は複数の第1面側開口が設けられた絶縁性樹脂フィルムと、素子本体及び前記素子本体の厚み方向一方側及び他方側にそれぞれ配設された第1電極層及び第2電極層を有する一又は複数のLED素子であって、前記第2電極層が前記複数のバスバーのうちの一部における前記第1側接続部に電気的に接続された状態で装着され、且つ、前記第1電極層が前記複数のバスバーのうちの残余のバスバーにおける前記第1面側接続部に電気接続部材を介して電気的に接続された一又は複数のLED素子と、前記透光性カバーよりも高熱伝導性部材によって形成された平面視環状の枠体であって、平面視において前記一又は複数のLED素子を囲んだ状態で前記絶縁性樹脂フィルムの周縁に固着された枠体とを有し、
前記枠体の厚み方向一方側の第1面及び前記透光性カバーの内表面の間には、平面視において前記一又は複数のLED素子を囲むような環状形状の弾性部材であって、前記透光性カバーよりも高熱伝導性部材によって形成された弾性部材が介挿されており、
前記透光性カバーの内表面のうち前記弾性部材の軸線方向一方側の第1側が当接される領域の少なくとも一部には、前記透光性カバーよりも高熱伝導性部材によって形成された熱伝導体が設けられていることを特徴とするLED灯具。
【請求項2】
開口が設けられたケース本体と、前記開口を閉塞するように前記ケース本体に連結される透光性カバーと、前記透光性カバーを介して光が外方へ放射されるように前記ケース本体に収容された複数のLEDモジュールとを備え、
前記LEDモジュールは、導電性平板状部材によって形成され、対向する側面の間に間隙が存する状態で同一平面内に配置された複数のバスバーと、前記間隙内に充填された間隙充填部及び前記間隙充填部によって連結されてなるバスバー連結体の厚み方向一方側の第1面を覆う第1面側積層部を一体的に含み、絶縁性樹脂塗膜によって形成された絶縁層であって、前記複数のバスバーのそれぞれの第1面のうちの所定領域を露出させて前記複数のバスバーのそれぞれの第1面側接続部を形成する一又は複数の第1面側開口が設けられた絶縁層と、素子本体及び前記素子本体の厚み方向一方側及び他方側にそれぞれ配設された第1電極層及び第2電極層を有する一又は複数のLED素子であって、前記第2電極層が前記複数のバスバーのうちの一部における前記第1面側接続部に電気的に接続された状態で装着され、且つ、前記第1電極層が前記複数のバスバーのうちの残余のバスバーにおける前記第1面側接続部に電気接続部材を介して電気的に接続された一又は複数のLED素子と、前記透光性カバーよりも高熱伝導性部材によって形成された平面視環状の枠体であって、平面視において前記一又は複数のLED素子を囲んだ状態で前記第1面側積層部の周縁に固着された枠体とを有し、
前記枠体の厚み方向一方側の第1面及び前記透光性カバーの内表面の間には、平面視において前記一又は複数のLED素子を囲むような環状形状の弾性部材であって、前記透光性カバーよりも高熱伝導性部材によって形成された弾性部材が介挿されており、
前記透光性カバーの内表面のうち前記弾性部材の軸線方向一方側の第1側が当接される領域の少なくとも一部には、前記透光性カバーよりも高熱伝導性部材によって形成された熱伝導体が設けられていることを特徴とするLED灯具。
【請求項3】
前記絶縁層は、前記バスバー連結体の厚み方向他方側の第2面及び側面をそれぞれ覆う第2面側積層部及び側面側積層部を一体的に有し、
前記第2面側積層部には、前記複数のバスバーのそれぞれの厚み方向他方側の第2面のうちの所定領域を露出させて前記複数のバスバーのそれぞれの第2面側接続部を形成する一又は複数の第2面側開口が設けられていることを特徴とする請求項2に記載のLED灯具。
【請求項4】
前記弾性部材はコイルばねとされていることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のLED灯具。
【請求項5】
前記透光性カバーは、前記複数のLEDモジュールの各々毎に対して設けられた複数のスリット群を有し、
前記複数のスリット群の各々は、前記透光性カバーの外表面及び内表面の間を貫通する複数のスリットであって、対応するLEDモジュールにおける前記弾性部材の平面視環状形状に沿って直列配置され、且つ、隣接する一のスリット及び他のスリットの間には非スリット領域が設けられている複数のスリットを含み、
前記熱伝導体は、前記複数のスリットにそれぞれ嵌入された複数の熱伝導部材を有していることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載のLED灯具。
【請求項6】
前記透光性カバーは、前記弾性部材の平面視環状形状に沿った環状溝を内表面に有し、
前記熱伝導体は、前記環状溝に嵌入されていることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載のLED灯具。
【請求項7】
前記熱伝導体は、前記弾性部材の平面視環状形状に沿った熱伝導体側係入溝を内表面に有し、
前記弾性部材の軸線方向一方側の第1側は前記熱伝導体側係入溝に係入されていることを特徴とする請求項1から6の何れかに記載のLED灯具。
【請求項8】
前記熱伝導体は、前記弾性部材の平面視環状形状に沿った熱伝導体側係合突起を内表面に有し、
前記弾性部材の軸線方向一方側の第1側は前記熱伝導体側係合突起に外挿されていることを特徴とする請求項1から6の何れかに記載のLED灯具。
【請求項9】
前記枠体は、前記弾性部材の平面視環状形状に沿った枠体側係入溝を前記第1面に有し、
前記弾性部材の軸線方向他方側の第2側は前記枠体側係入溝に係入されていることを特徴とする請求項1から8の何れかに記載のLED灯具。
【請求項10】
前記枠体は、前記弾性部材の平面視環状形状に沿った枠体側係合突起を前記第1面に有し、
前記弾性部材の軸線方向他方側の第2側は前記枠体側係合突起に外挿されていることを特徴とする請求項1から8の何れかに記載のLED灯具。
【請求項11】
前記弾性部材の軸線方向他方側の第2側は、前記枠体の前記第1面に固着されていることを特徴とする請求項1から10の何れかに記載のLED灯具。
【請求項12】
前記LEDモジュールは、前記LED素子及び前記電気接続部材を囲繞するように前記枠体によって画される空間に設けられた透光性封止樹脂体を有していることを特徴とする請求項1から11の何れかに記載のLED灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED素子を光源として用いた交通信号機、車両用ヘッドランプ、車両用リヤランプ等のLED灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
LED素子は白熱電球に比してエネルギー効率に優れており、白熱電球に代えてLED素子を光源として用いたLED灯具が、交通信号機や車両用灯具として利用されている。
【0003】
その一方で、LED素子は白球電球に比して発熱量が少ない為、LED灯具には、透光性カバーに雪や霜が付着し易く、また、一旦付着した雪や霜を通常の使用状態によって除去し難いという短所がある。
【0004】
この点に関し、例えば、LED素子と、LED素子を収容するケーシング本体と、前記ケーシング本体に取り付けられる透光性カバーとを備えたLED灯具であって、前記LED素子の電流制御用抵抗器が取り付けられた基板を前記ケーシング本体の外表面に固着させ、前記基板と前記透光性カバーとを金属線によって接続した構成(以下、従来構成1という。下記特許文献1参照)が提案されている。
【0005】
従来構成1は、通電時における電流制御用抵抗器の発熱を利用して透光性カバーに付着した雪や霜を溶かすものであり、その為、電流制御用抵抗器が取り付けられた基板を前記ケーシングの近傍に配置させる必要がある。従って、前記基板の存在によって、前記LED灯具が適用される車両等の装置の設計自由度が損なわれるという問題がある。
【0006】
また、他の構成(以下、従来構成2という)として、LED素子と、LED素子を収容するケーシング本体と、前記ケーシング本体に取り付けられる透光性カバーとを備えたLED灯具であって、LED素子によって生じる熱を、当該LED素子の光の放射方向とは異なる車室内側に放散する為のヒートシンクを設け、且つ、前記LED素子を覆う透光性カバーの外表面に当該透光性カバーよりも高熱伝導性の熱電導体を設け、前記ヒートシンクと前記熱伝導体とを接続可能としたLED灯具が提案されている(下記特許文献2参照)。
【0007】
この従来構成2においても、前記LED素子の近傍に前記ヒートシンクを配置させる必要があり、前記ヒートシンクの存在によって、前記LED灯具が適用される車両等の装置の設計自由度が損なわれるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2003-085718号公報
【文献】特開2009-187707号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、斯かる従来技術に鑑みなされたものであり、LED素子を光源として用いたLED灯具であって、適用される装置の設計自由度を損なうことなく、前記LED素子による放射光の通路となる透光性カバーに付着した雪や霜を効率的に融解可能なLED灯具の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するために、本発明の第1態様は、開口が設けられたケース本体と、前記開口を閉塞するように前記ケース本体に連結される透光性カバーと、前記透光性カバーを介して光が外方へ放射されるように前記ケース本体に収容された複数のLEDモジュールとを備え、前記LEDモジュールは、導電性平板状部材によって形成され、対向する側面の間に間隙が存する状態で同一平面内に配置された複数のバスバーと、前記間隙を跨ぐように前記複数のバスバーの厚み方向一方側の第1面に接着されて、前記複数のバスバーが前記間隙を存する状態で連結されてなるバスバー連結体を形成する絶縁性樹脂フィルムであって、前記複数のバスバーのそれぞれの第1面のうちの所定領域を露出させて前記複数のバスバーのそれぞれの第1面側接続部を形成する一又は複数の第1面側開口が設けられた絶縁性樹脂フィルムと、素子本体及び前記素子本体の厚み方向一方側及び他方側にそれぞれ配設された第1電極層及び第2電極層を有する一又は複数のLED素子であって、前記第2電極層が前記複数のバスバーのうちの一部における前記第1側接続部に電気的に接続された状態で装着され、且つ、前記第1電極層が前記複数のバスバーのうちの残余のバスバーにおける前記第1面側接続部に電気接続部材を介して電気的に接続された一又は複数のLED素子と、前記透光性カバーよりも高熱伝導性部材によって形成された平面視環状の枠体であって、平面視において前記一又は複数のLED素子を囲んだ状態で前記絶縁性樹脂フィルムの周縁に固着された枠体とを有し、前記枠体の厚み方向一方側の第1面及び前記透光性カバーの内表面の間には、平面視において前記一又は複数のLED素子を囲むような環状形状の弾性部材であって、前記透光性カバーよりも高熱伝導性部材によって形成された弾性部材が介挿されており、前記透光性カバーの内表面のうち前記弾性部材の軸線方向一方側の第1側が当接される領域の少なくとも一部には、前記透光性カバーよりも高熱伝導性部材によって形成された熱伝導体が設けられているLED灯具を提供する。
【0011】
前記目的を達成するために、本発明の第2態様は、開口が設けられたケース本体と、前記開口を閉塞するように前記ケース本体に連結される透光性カバーと、前記透光性カバーを介して光が外方へ放射されるように前記ケース本体に収容された複数のLEDモジュールとを備え、前記LEDモジュールは、導電性平板状部材によって形成され、対向する側面の間に間隙が存する状態で同一平面内に配置された複数のバスバーと、前記間隙内に充填された間隙充填部及び前記間隙充填部によって連結されてなるバスバー連結体の厚み方向一方側の第1面を覆う第1面側積層部を一体的に含み、絶縁性樹脂塗膜によって形成された絶縁層であって、前記複数のバスバーのそれぞれの第1面のうちの所定領域を露出させて前記複数のバスバーのそれぞれの第1面側接続部を形成する一又は複数の第1面側開口が設けられた絶縁層と、素子本体及び前記素子本体の厚み方向一方側及び他方側にそれぞれ配設された第1電極層及び第2電極層を有する一又は複数のLED素子であって、前記第2電極層が前記複数のバスバーのうちの一部における前記第1面側接続部に電気的に接続された状態で装着され、且つ、前記第1電極層が前記複数のバスバーのうちの残余のバスバーにおける前記第1面側接続部に電気接続部材を介して電気的に接続された一又は複数のLED素子と、前記透光性カバーよりも高熱伝導性部材によって形成された平面視環状の枠体であって、平面視において前記一又は複数のLED素子を囲んだ状態で前記第1面側積層部の周縁に固着された枠体とを有し、前記枠体の厚み方向一方側の第1面及び前記透光性カバーの内表面の間には、平面視において前記一又は複数のLED素子を囲むような環状形状の弾性部材であって、前記透光性カバーよりも高熱伝導性部材によって形成された弾性部材が介挿されており、前記透光性カバーの内表面のうち前記弾性部材の軸線方向一方側の第1側が当接される領域の少なくとも一部には、前記透光性カバーよりも高熱伝導性部材によって形成された熱伝導体が設けられているLED灯具を提供する。
【0012】
前記第2態様に係るLED灯具において、好ましくは、前記絶縁層は、前記バスバー連結体の厚み方向他方側の第2面及び側面をそれぞれ覆う第2面側積層部及び側面側積層部を一体的に有し得る。
【0013】
この場合、前記第2面側積層部には、前記複数のバスバーのそれぞれの厚み方向他方側の第2面のうちの所定領域を露出させて前記複数のバスバーのそれぞれの第2面側接続部を形成する一又は複数の第2面側開口が設けられる。
【0014】
本発明に係るLED灯具の種々の構成において、好ましくは、前記弾性部材はコイルばねとされる。
【0015】
本発明に係るLED灯具の種々の構成において、例えば、前記透光性カバーは、前記複数のLEDモジュールの各々毎に対して設けられた複数のスリット群を有し得る。
【0016】
前記複数のスリット群の各々は、前記透光性カバーの外表面及び内表面の間を貫通する複数のスリットであって、対応するLEDモジュールにおける前記弾性部材の平面視環状形状に沿って直列配置され、且つ、隣接する一のスリット及び他のスリットの間には非スリット領域が設けられている複数のスリットを含むものとされ、前記熱伝導体は、前記複数のスリットにそれぞれ嵌入された複数の熱伝導部材を有するものとされる。
【0017】
これに代えて、前記透光性カバーは、前記弾性部材の平面視環状形状に沿った環状溝を内表面に有するものとされ得る。
この場合、前記熱伝導体は前記環状溝に嵌入される。
前記熱伝導体は、単一部材又は複数部材とされ得る。
【0018】
本発明に係るLED灯具の種々の構成において、好ましくは、前記熱伝導体は、前記弾性部材の平面視環状形状に沿った熱伝導体側係入溝を内表面に有するものとされる。
この場合、前記弾性部材の軸線方向一方側の第1側は前記熱伝導体側係入溝に係入される。
【0019】
これに代えて、前記熱伝導体は、前記弾性部材の平面視環状形状に沿った熱伝導体側係合突起を内表面に有し得る。
この場合、前記弾性部材の軸線方向一方側の第1側は前記熱伝導体側係合突起に外挿される。
【0020】
本発明に係るLED灯具の種々の構成において、好ましくは、前記枠体は、前記弾性部材の平面視環状形状に沿った枠体側係入溝を前記第1面に有し得る。
この場合、前記弾性部材の軸線方向他方側の第2側は前記枠体側係入溝に係入される。
【0021】
これに代えて、前記枠体は、前記弾性部材の平面視環状形状に沿った枠体側係合突起を前記第1面に有し得る。
この場合、前記弾性部材の軸線方向他方側の第2側は前記枠体側係合突起に外挿される。
【0022】
本発明に係るLED灯具の種々の構成において、好ましくは、前記弾性部材の軸線方向他方側の第2側は、前記枠体の前記第1面に固着される。
【0023】
本発明に係るLED灯具の種々の構成において、好ましくは、前記LEDモジュールは、前記LED素子及び前記電気接続部材を囲繞するように前記枠体によって画される空間に設けられた透光性封止樹脂体を有し得る。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係るLED灯具によれば、当該LED灯具が適用される装置の設計自由度を損なうことなく、LED素子の動作時に生じる発熱を利用して、LED素子による放射光の通路となる透光性カバーに付着した雪や霜を効率的に融解させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、本発明の実施の形態1に係るLED灯具の正面図である。
図2図2は、図1におけるII部拡大図である。
図3図3は、図2におけるIII-III線に沿った断面図である。
図4図4は、図3におけるIV部拡大図である。
図5図5は、図4におけるV-V線に沿った断面図である。
図6図6(a)及び(b)は、それぞれ、前記実施の形態1に係るLED灯具におけるLEDモジュールを形成するバスバー連結体の平面図及び図6(a)におけるVI-VI線に沿った断面図である。図6(c)は、前記バスバー連結体の変形例の平面図である。
図7図7は、図4におけるVII-VII線に沿った断面図である。
図8図8は、前記実施の形態の第1変形例に係るLED灯具の縦断面図である。
図9図9は、図8におけるIX-IX線に沿った断面図である。
図10図10は、前記実施の形態1の第2変形例に係るLED灯具の縦断面図である。
図11図11は、図10におけるXI-XI線に沿った断面図である。
図12図12は、前記実施の形態1の第3変形例に係るLED灯具の縦断面図である。
図13図13は、図12におけるXIII-XIII線に沿った断面図である。
図14図14は、本発明の実施の形態2に係るLED灯具の部分縦断面図であり、図4に対応した縦断面図である。
図15図15(a)~(c)は、それぞれ、前記実施の形態2に係るLED灯具におけるLEDモジュールを形成するバスバー連結体の平面図、図15(a)におけるXV-XV線に沿った断面図及び前記バスバー連結体の底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
実施の形態1
以下、本発明に係るLED灯具の一実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1に、本実施の形態に係るLED灯具1の正面図を示す。
また、図2に、図1におけるII部拡大図を示す。
さらに、図3に、図2におけるIII-III線に沿った断面図を示す。
【0027】
図1及び図2に示すように、前記LED灯具1は交通信号機の形態をなしている。
当然ながら、本発明に係るLED灯具は、光源として?ED素子を用いている限り、車両用ヘッドランプや車両用リヤランプ等の種々の形態をとり得る。
【0028】
図1図3に示すように、前記LED灯具1は、開口18が設けられたケース本体10と、前記開口18を閉塞するように前記ケース本体10に連結される透光性カバー20と、前記透光性カバー20を介して光が外方へ放射されるように前記ケース本体10に収容された複数のLEDモジュール100とを備えている。
【0029】
前記透光性カバー20は、前記LEDモジュール100からの光を透過させ得るポリカーボネート樹脂等の透光性樹脂によって形成される。
【0030】
図4に、図3におけるIV部拡大図を示す。
また、図5に、図4におけるV-V線に沿った断面図を示す。
【0031】
図4及び図5に示すように、前記LEDモジュール100は、導電性平板状部材によって形成され、対向する側面の間に間隙119が存する状態で同一平面内に配置された複数のバスバー110と、前記間隙119を跨ぐように前記複数のバスバー110の厚み方向一方側の第1面111に接着されて、前記複数のバスバー110が前記間隙119を存する状態で連結されてなるバスバー連結体を形成する絶縁性樹脂フィルム120とを有している。
【0032】
図6(a)に、前記バスバー連結体の平面図を示す。
また、図6(b)に、図6(a)におけるVI-VI線に沿った断面図を示す。
【0033】
前記バスバー10は、Cu等の導電性金属によって形成される。
本実施の形態においては、図4図6に示すように、前記LEDモジュール100は、前記複数のバスバー110として、第1~第3バスバー110(1)~110(3)の3つのバスバーを有しており、前記間隙119として、第1及び第2間隙119(1)、119(2)を有している。
【0034】
即ち、前記LEDモジュール100は、前記第1バスバー110(1)と、第1間隙119(1)を介して前記第1バスバー110(1)に隣接配置された第2バスバー110(2)と、第2間隙119(2)を介して前記第2バスバー110(2)に隣接配置された第3バスバー110(3)とを有している。
【0035】
前記絶縁性樹脂フィルム120は、絶縁性を有し且つ前記複数のバスバー110を連結させ得る強度を有する種々の材質によって形成され、好適には、ポリアミドイミドが用いられる。
【0036】
図6(a)及び(b)に示すように、前記絶縁性フィルム120には、前記第1~第3バスバー110(1)~110(3)のそれぞれの第1面111のうちの所定領域を露出させて前記第1~第3バスバー110(1)~110(3)のそれぞれの第1面側接続部112を形成する3つの第1面側開口122(1)~122(3)が設けられている。
【0037】
これに代えて、図6(c)に示すように、前記絶縁性フィルム120に、前記第1~第3バスバー110(1)~110(3)の全ての第1面111に跨るように単一の第1面側開口122を設けて、前記第1~第3バスバー110(1)~110(3)のそれぞれの第1面側接続部112を形成することも可能である。
【0038】
図4及び図6(b)に示すように、本実施の形態においては、前記第1~第3バスバー110(2)の厚み方向他方側の第2面113は全体が露出されており、第2面113の全体が第2面側接続部114を形成している。
この第2面側接続部114は、前記第1~第3バスバー110(1)~110(3)を外部に電気的に接続する為の外部用接続端子として作用する。
【0039】
当然ながら、前記第1及び第2間隙119(1)、119(2)を跨ぐように前記第1~第3バスバー110(1)~110(3)の第2面113に第2面側絶縁性樹脂フィルム(図示せず)を接着することも可能である。
【0040】
この場合、前記第2面側絶縁性樹脂フィルムには、前記第1~第3バスバー110(1)~110(3)のそれぞれの第2面113のうちの所定領域を露出させて前記第1~第3バスバー110(1)~110(3)のそれぞれの第2面側接続部114を形成する一又は複数の第2面側開口が設けられる。
【0041】
図4及び図5に示すように、前記LEDモジュール100は、さらに、前記複数のバスバー110(本実施の形態においては前記第1~第3バスバー110(1)~110(3))のうちの一部のバスバー(本実施の形態においては前記第1及び第2バスバー110(1)、110(2))の第1面側接続部112に装着された一又は複数のLED素子150(本実施の形態においては第1及び第2LED素子150(1)、150(2))と、平面視において前記一又は複数のLED素子150(本実施の形態においては前記第1及び第2LED素子150(1)、150(2))を囲んだ状態で前記絶縁性樹脂フィルム120の厚み方向一方側の第1面の周縁に固着された平面視環状の枠体130とを有している。
【0042】
前記LED素子150は、素子本体155と、前記素子本体155の厚み方向一方側及び他方側にそれぞれ配設された第1電極層151及び第2電極層152とを有している。
【0043】
前記第1LED素子150(1)は、前記第2電極層152が対応する前記第1バスバー110(1)の第1側接続部112に電気的に接続された状態で装着され、前記第2LED素子150(2)は、前記第2電極層152が対応する前記第2バスバー110(2)の第1側接続部112に電気的に接続された状態で装着されている。
【0044】
その上で、図4及び図5に示すように、前記第1LED素子150(1)の第1電極層151は、LED素子150が装着されていない残余のバスバー(本実施の形態においては第3バスバー110(3))の第1面側接続部112にワイヤ等の第1電気接続部材160(1)を介して電気的に接続されている。
【0045】
同様に、前記第2LED素子150(2)の第1電極層151は、前記残余のバスバー(本実施の形態においては第3バスバー110(3))の第1面側接続部112にワイヤ等の第2電気接続部材160(2)を介して電気的に接続されている。
【0046】
前記枠体130は、前記絶縁性樹脂フィルム120と共働して前記バスバー連結体を保持し得る剛性を有し、且つ、前記透光性カバー20よりも高熱伝導性部材によって形成される。
【0047】
好ましくは、前記枠体130は、Cu、ステンレス、アルミニウム等の金属によって形成され、より好ましくは、前記バスバー10と同一材質によって形成される。
【0048】
図4に示すように、本実施の形態においては、前記LEDモジュール100は、さらに、前記LED素子(本実施の形態においては前記第1及び第2LED素子150(1)、150(2))及び前記電気接続部材(本実施の形態においては前記第1及び第2電気接続部材160(1)、160(2))を囲繞するように、前記枠体130によって画される空間内に充填された封止樹脂体170を有している。
【0049】
前記封止樹脂体170は、前記LED素子150から放射される光を透過可能な樹脂材料、例えば、ポリイミド、ポリアミド、エポキシ等の透光性樹脂材料によって形成される。
【0050】
前記LEDモジュール100においては、前記複数のバスバー110のうちLED素子150が装着されたバスバー(本実施の形態においては前記第1及び第2バスバー110(1))が正極側電極及び負極側電極の一方(例えば、正極側電極)である第1電極として作用し、前記複数のバスバー110のうちLED素子150が装着されていない残余のバスバー(本実施の形態においては前記第3バスバー110(3))がが正極側電極及び負極側電極の他方(例えば、負極側電極)である第2電極として作用する。
【0051】
前述の通り、前記第1~第3バスバー110(1)~110(3)の第2面側接続部114が外部用接続端子として作用する。
【0052】
図4及び図5に示すように、本実施の形態においては、前記ケース本体10には、前記LEDモジュール100を当該ケース本体10に設置させた際に、前記複数のバスバー110(本実施の形態においては前記第1~第3バスバー110(1)~110(3))の第2面側接続部114にそれぞれ電気的に接続される複数の導電性部材40(本実施の形態においては第1~第3導電性部材40(1)~40(3))が設けられている。
【0053】
前記導電性部材40は、前記ケース本体10に対しては絶縁された状態で、対応するバスバー110の第2面側接続部114に電気的に接続され、外部との電気接続中継部材として作用する。
【0054】
なお、本実施の形態においては、前記第1及び第2バスバー110(1)、110(2)が第1電極として作用し、且つ、前記第3バスバー110(3)が第2電極として作用している。
【0055】
従って、前記第1及び第2バスバー110(1)、110(2)の第2面側接続部114を単一の共通導電性部材に接続させ、前記第3バスバー110(3)の第2面側接続部114を他の導電性部材に接続させるように変形することも可能である。
【0056】
図7に、図4におけるVII-VII線に沿った断面図を示す。
図4図5及び図7に示すように、本実施の形態に係るLED灯具1は、さらに、弾性部材50と、熱伝導体60とを有している。
【0057】
前記弾性部材50は、平面視において前記一又は複数のLED素子(本実施の形態においては前記第1及び第2LED素子150(1)、150(2))を囲むような平面視環状形状とされており、前記枠体130の厚み方向一方側の第1面及び前記透光性カバー20の内表面の間に介挿されている。
【0058】
前記熱伝導体60は、前記透光性カバー20の内表面のうち前記弾性部材50の軸線方向一方側の第1側が当接される領域の少なくとも一部に設けられている。
【0059】
前記弾性部材50及び前記熱伝導体60は、前記透光性カバー20よりも高熱伝導性の部材によって形成され、例えば、Cu、ステンレス、ばね鋼、アルミニウム等の金属によって形成される。
【0060】
斯かる構成の前記LED灯具1によれば、従来のLED灯具においては当該LED灯具の近傍に設けられていた抵抗器付きの基板やヒートシンクを備えることなく、前記LED素子(本実施の形態においては前記第1及び第2LED素子150(1)、150(2))の動作時に生じる熱を、高熱伝導性部材によって形成された前記枠体130、前記弾性部材50及び前記熱伝導体60を介して前記透光性カバー20に効率的に伝達することができる。
【0061】
従って、前記LED灯具1が装着又は適用される装置の設計自由度を損なうことなく、前記透光性カバー20に付着した雪や霜を効率的に融解することができる。
【0062】
さらに、前記枠体130と前記透光性カバー20に設けられた前記熱伝導体60との間を前記弾性部材50によって伝熱している為、前記枠体130及び前記弾性部材50の間の係合関係、並びに、前記弾性部材50及び前記熱伝導体60の間の係合関係を良好に維持することができる。
【0063】
図4等に示すように、本実施の形態においては、前記弾性部材50はコイルばねとされている。
これに代えて、前記弾性部材50として、板ばねやアコーディオンばねを用いることも可能である。
【0064】
好ましくは、前記弾性部材50を、前記枠体130、又は、前記透光性カバー20に設けられた前記熱伝導体60の何れか一方に固着させることができる。
即ち、前記弾性部材50の軸線方向一方側の第1側を前記透光性カバー20に設けられた前記熱伝導体60の内表面に固着させるか、又は、前記弾性部材50の軸線方向他方側の第2側を前記枠体30に固着させることができる。
斯かる構成によれば、前記複数のLEDモジュール100を収容した状態の前記ケース本体10と前記透光性カバー20との組立作業の効率化を図ることができる。
【0065】
図2図4及び図7等に示すように、本実施の形態においては、前記透光性カバー20は、前記複数のLEDモジュール100の各々毎に対して設けられた複数のスリット群30を有している。
【0066】
前記複数のスリット群30の各々は、前記透光性カバー20の外表面及び内表面の間を貫通する複数のスリット32(本実施の形態においては第1~第4スリット32(1)~32(4))を有している。前記複数のスリット32は、対応するLEDモジュール100における前記弾性部材50の平面視環状形状に沿って間隙(非スリット領域)34を存しつつ直列配置されている(即ち、隣接する一のスリット32及び他のスリット32の間に間隙(非スリット領域)34が設けられている)。
【0067】
そして、前記熱伝導体60は、前記複数のスリット32にそれぞれ嵌入された複数の熱伝導部材62(本実施の形態においては第1~第4熱伝導部材62(1)~62(4))を有している。
【0068】
図8に、本実施の形態の第1変形例に係るLED灯具2Aの縦断面図であって、図4に対応した縦断面図を示す。
また、図9に、図8におけるIX-IX線に沿った断面図を示す。
【0069】
前記第1変形例に係るLED灯具2Aは、前記透光性カバー20及び前記熱伝導体60が透光性カバー25及び熱伝導体65に変更されている点においてのみ、本実施の形態に係るLED灯具1と相違している。
【0070】
図8及び図9に示すように、前記透光性カバー25は、前記弾性部材50の平面視環状形状に沿った環状溝35を内表面に有している。
【0071】
前記熱伝導体65は、前記環状溝35に嵌入されている。
この場合、前記熱伝導体65を前記環状溝35に対応した環状の単一部材(図9参照)とすることも可能であるし、複数に分割された複数部材とすることも可能である。
【0072】
図10に、本実施の形態の第2変形例に係るLED灯具2Bの縦断面図であって、図4に対応した縦断面図を示す。
また、図11に、図10におけるXI-XI線に沿った断面図を示す。
なお、図中、本実施の形態及び前記第1変形例におけると同一部材には同一符号を付している。
【0073】
前記第2変形例に係るLED灯具2Bは、前記熱伝導体65が熱伝導体70に変更されている点、及び、前記LEDモジュール100がLEDモジュール100Bに変更されている点において、前記第1変形例に係るLED灯具2Aと相違している。
【0074】
図10及び図11に示すように、前記熱伝導体70は、前記弾性部材50の平面視環状形状に沿った熱伝導体側係入溝72を内表面に有しており、前記弾性部材50の軸線方向一方側の第1側は前記熱伝導体側係入溝72に係入されている。
斯かる構成によれば、前記弾性部材50と前記熱伝導体70との係合を良好に維持することができる。
【0075】
前記LEDモジュール100Bは、前記枠体130が枠体180に変更されている点においてのみ、前記LEDモジュール100と相違している。
【0076】
図10に示すように、前記枠体180は、前記弾性部材50の平面視環状形状に沿った枠体側係入溝182を前記第1面に有しており、前記弾性部材の軸線方向他方側の第2側は前記枠体側係入溝に係入されている。
斯かる構成によれば、前記弾性部材と前記枠体との係合を良好に維持することができる。
【0077】
図12に、本実施の形態の第3変形例に係るLED灯具2Cの縦断面図であって、図4に対応した縦断面図を示す。
また、図13に、図12におけるXIII-XIII線に沿った断面図を示す。
なお、図中、本実施の形態、前記第1変形例及び前記第2変形例におけると同一部材には同一符号を付している。
【0078】
前記第3変形例に係るLED灯具2Bは、前記熱伝導体60が熱伝導体75に変更されている点、及び、前記LEDモジュール100がLEDモジュール100Cに変更されている点において、本実施の形態に係るLED灯具1と相違している。
【0079】
前記熱伝導体75は、前記複数のスリット32(前記第1~第4スリット32(1)~32(4))にそれぞれ嵌入された複数の熱伝導部材77(第1~第4熱伝導部材77(1)~77(4))を有している。
【0080】
前記複数の熱伝導部材77の各々の内表面は、前記弾性部材50の軸線方向一方側の第1側が係合される基準面78と、前記基準面78から軸線方向他方側(前記LEDモジュール100Cに近接する方向)へ突出された熱伝導体側係合突起79を有している。
【0081】
前記第1~第4熱伝導部材77(1)~77(4)の熱伝導体側係合突起79は、前記弾性部材50の平面視環状形状に沿うように配置されており、前記弾性部材50の軸線方向一方側の第1側は、前記第1~第4熱伝導部材77(1)~77(4)の熱伝導体側係合突起に外挿されている。
斯かる構成においても、前記弾性部材50と前記熱伝導体75との係合を良好に維持することができる。
【0082】
前記LEDモジュール100Cは、前記枠体130が枠体185に変更されている点においてのみ、前記LEDモジュール100と相違している。
【0083】
図12に示すように、前記枠体185の第1面は、前記弾性部材50の軸線方向他方側の第2側が係合される基準面186と、前記基準面186から軸線方向一方側(前記透光性カバー20に近接する方向)へ突出された枠体側係合突起187とを有している。
【0084】
前記枠体側係合突起187は、前記弾性部材50の平面視環状形状に沿うように配置されており、前記弾性部材50の軸線方向他方側の第2側は、前記枠体側係合突起187に外挿されている。
斯かる構成においても、前記弾性部材50と前記枠体185との係合を良好に維持することができる。
【0085】
なお、前記熱伝導体65が単一部材によって形成されている前記第1変形例に係るLED灯具2Aに前記第3変形例の構成(即ち、前記熱伝導体側係合突起79)を適用することも可能である。
【0086】
実施の形態2
以下、本発明に係るLED灯具の他の実施の形態について添付図面を参照しつつ説明する。
図14に、本実施の形態に係るLED灯具3の部分縦断面図であって、前記実施の形態1の図4に対応した縦断面図を示す。
なお、図中、前記本実施の形態及び前記第1~第3変形例におけると同一部材には同一符号を付している。
【0087】
本実施の形態に係るLED灯具3は、前記LEDモジュール100がLEDモジュール200に変更されている点においてのみ、本実施の形態に係るLED灯具1と相違している。
【0088】
前記LEDモジュール200は、前記複数のバスバー110(前記第1~第3バスバー110(1)~110(3))及び前記絶縁性フィルム120が複数のバスバー210(第1~第3バスバー210(1)~210(3))及び絶縁層220に変更されている点においてのみ、前記LEDモジュール100と相違している。
【0089】
即ち、前記LEDモジュール200においては、対向する側面の間に間隙119(前記第1及び第2間隙119(1)、119(2))が存する状態で同一平面内に配置された前記複数のバスバー210が前記絶縁層220によって連結されることで、バスバー連結体が形成されている。
【0090】
図15(a)~(c)に、それぞれ、前記バスバー連結体の平面図、図15(a)におけるXV-XV線に沿った断面図及び前記バスバー連結体の底面図を示す。
【0091】
前記絶縁層220は、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリアミド、エポキシ等の耐熱性及び絶縁性を有する絶縁性樹脂塗膜によって形成され、好適には、インシュリード(登録商標)を用いて形成される。
【0092】
図15(a)~(c)2に示すように、前記絶縁層220は、前記複数のバスバーの対向する側面の間の間隙119内に充填された間隙充填部229と、前記間隙充填部229によって連結されてなるバスバー連結体の厚み方向一方側の第1面を覆う第1面側積層部221とを一体的に有している。
【0093】
前記LEDモジュール200は、前記複数のバスバー210として第1~第3バスバー210(1)~210(3)を有しており、前記間隙119として、前記第1及び第2間隙119(1)、119(2)を有している。
【0094】
即ち、前記LEDモジュール200は、前記第1バスバー210(1)と、前記第1間隙119(1)を介して前記第1バスバー210(1)に隣接配置された前記第2バスバー210(2)と、前記第2間隙119(2)を介して前記第2バスバー210(2)に隣接配置された前記第3バスバー110(3)とを有している。
【0095】
前記絶縁層220は、前記間隙充填部229として、前記第1及び第2間隙119(1)、119(2)にそれぞれ充填された第1及び第2間隙充填部229(1)、229(2)を有している。
【0096】
図15(a)及び(b)に示すように、前記第1面側積層部221には、前記第1~第3バスバー210(1)~210(3)のそれぞれの第1面211のうちの所定領域を露出させて前記第1~第3バスバー210(1)~210(3)のそれぞれの第1面側接続部212を形成する3つの第1面側開口222(1)~222(3)が設けられている。
【0097】
本実施の形態においては、前記絶縁層220は、図15(a)~(c)に示すように、前記間隙充填部及229及び前記第1面側積層部221に加えて、前記バスバー連結体の厚み方向他方側の第2面213及び側面215をそれぞれ覆う第2面側積層部223及び側面側積層部225を一体的に有している。
【0098】
前記第2面側積層部223には、前記第1~第3バスバー210(1)~210(3)のそれぞれの厚み方向他方側の第2面213のうちの所定領域を露出させて前記第1~第3バスバー210(1)~210(3)のそれぞれの第2面側接続部214を形成する一又は複数(図示の形態においては3つ)の第2面側開口224(1)~224(3)が設けられている。
【0099】
本実施の形態においては、図15(b)及び(c)に示すように、前記第1~第3バスバー210(1)~210(3)の第2面213のうち、前記第2面側開口224(1)~224(3)を介して外方へ露出する前記第2面側接続部214は、前記第2面側積層部223が設けられる領域に比して、厚み方向他方側(外方側)に位置されており、前記第2面側接続部214の外表面は、前記第2面側積層部223の外表面と厚み方向に関し同一位置に位置されている。
【0100】
斯かる構成によれば、前記LEDモジュール200を前記ケース本体10に設置した際の設置姿勢の安定化を図ることができ、前記第1~第3バスバー210(1)~210(3)の第2面側接続部214と対応する前記第1~第3導電性部材40(1)~40(3)との電気接続を確実に行うことができる。
【0101】
なお、前記第2面側接続部214の外表面を前記第2面側積層部223の外表面よりも厚み方向他方側へ突出させることも可能であり、斯かる構成によっても同様の効果を得ることができる。
【0102】
当然ながら、本実施の形態に係るLED灯具3に、前記実施の形態1における前記第1~第3変形例の変形構成を適用することも可能である。
【0103】
前記各実施の形態及び前記各変形例に係るLED灯具においては、前記LEDモジュールは3つのバスバー(前記第1~第3バスバー)を有しているが、当然ながら、前記LEDモジュールが2つ又は4つ以上のバスバーを有するように変形することも可能である。
【0104】
また、前記各実施の形態及び前記各変形例に係るLED灯具においては、熱伝導効率を高める為に、前記枠体の外周面が露出されているが、前記LED素子から前記透光性カバーへ伝わる熱量が十分に確保される場合には、前記枠体の外周面を絶縁性樹脂塗膜によって形成される絶縁層によって覆うことも可能である。
【符号の説明】
【0105】
10 ケース本体
18 開口
20 透光性カバー
30 スリット群
32(1)~(4) 第1~第4スリット
50 弾性部材
60、65、70、75 熱伝導体
62(1)~(4) 第1~第4熱伝導部材
72 熱伝導体側環状溝
79 熱伝導体側係合突起
100 LEDモジュール
110(1)~(3) 第1~第3バスバー
112 第1面側接続部
119(1)、(2) 第1及び第2間隙
120 絶縁性フィルム
122(1)~(3) 第1面側開口
130、180、185 枠体
170 封止樹脂体
182 枠体側係入溝
187 枠体側係合突起
150(1)、(2) 第1及び第2LED素子
151 第1電極層
152 第2電極層
155 素子本体
160(1)、(2) 第1及び第2電気接続部材
210(1)~(3) 第1~第3バスバー
212 第1面側接続部
220 絶縁層
221 第1面側積層部
222(1)~(3) 第1面側開口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15