(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-06
(45)【発行日】2024-08-15
(54)【発明の名称】間仕切り壁
(51)【国際特許分類】
E04B 2/80 20060101AFI20240807BHJP
E04B 2/76 20060101ALI20240807BHJP
【FI】
E04B2/80
E04B2/76
(21)【出願番号】P 2020199995
(22)【出願日】2020-12-02
【審査請求日】2023-10-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】仁科 勇輝
【審査官】坂田 誠
(56)【参考文献】
【文献】実開昭61-198406(JP,U)
【文献】特開平7-233573(JP,A)
【文献】実開昭54-103011(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 2/80
E04B 2/76
E04B 2/72
E04B 2/74
E04B 2/56
E04C 2/38
E04C 2/30
B27M 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の縦枠材の間に複数の横枠材を架け渡して形成された枠体と、前記枠体を挟んで対向する一対のパネル材と、を備えた間仕切り壁であって、
前記一対の縦枠材には、前記一対のパネル材がそれぞれ固定され、
前記複数の横枠材の少なくとも一つには、接合材を介して前記一対のパネル材のうちの一方のみが固定され、
前記接合材は、前記横枠材に固定される一方のパネル材と前記横枠材とを貫通し、前記横枠材に固定されない他方のパネル材に先端部が接触する
ことを特徴とする間仕切り壁。
【請求項2】
請求項1に記載された間仕切り壁において、
前記複数の横枠材は、いずれも前記一対のパネル材のいずれか一方が固定されている
ことを特徴とする間仕切り壁。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載された間仕切り壁において、
前記接合材の前記先端部には、前記横枠材に固定されない他方のパネル材に接触する平坦面が形成されている
ことを特徴とする間仕切り壁。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載された間仕切り壁において、
前記複数の横枠材は、高さ方向に沿って所定間隔をあけて配置されると共に、前記一対のパネル材のうちの一方が固定された横枠材と、前記一対のパネル材のうちの他方が固定された横枠材とが交互に配置されている
ことを特徴とする間仕切り壁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一対の縦枠材の間に横枠材を架け渡して形成された枠体の両面に一対のパネル材が設けられた間仕切り壁に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、一対の縦枠材の間に横枠材を架け渡して形成された枠体の両面を、石膏ボート等の一対のパネル材で挟み、一対のパネル材を枠体にそれぞれ固定する間仕切り壁が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の間仕切り壁では、一対のパネル材が縦枠材の両面及び横枠材の両面にそれぞれ接触した状態で固定されている。このため、一対のパネル材の間隔を広くするためには、枠体の厚さを増す必要があり、枠体のコストが上昇するという問題が生じる。
【0005】
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、一対のパネル材の間隔に拘らず、枠体のコスト上昇を抑制することができる間仕切り壁を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明は、一対の縦枠材の間に複数の横枠材を架け渡して形成された枠体と、前記枠体を挟んで対向する一対のパネル材と、を備えた間仕切り壁である。ここで、前記一対の縦枠材には、前記一対のパネル材がそれぞれ固定されている。また、前記複数の横枠材の少なくとも一つには、接合材を介して前記一対のパネル材のうちの一方のみが固定されている。そして、前記接合材は、前記横枠材に固定される一方のパネル材と前記横枠材とを貫通し、前記横枠材に固定されない他方のパネル材に先端部が接触する。
【発明の効果】
【0007】
よって、本発明の間仕切り壁では、一対のパネル材の間隔に拘らず、枠体のコスト上昇を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施例1の間仕切り壁を備えた建物の内部構成を示す水平断面図である 。
【
図2】実施例1の間仕切り壁を示す分解斜視図である。
【
図3】(a)は実施例1の間仕切り壁を示す垂直断面図であり、(b)は実施例1の間仕切り壁を示す水平断面図である。
【
図4】(a)は実施例1の間仕切り壁に使用する第2接合材を示す説明図であり、(b)は実施例1の第2接合材の変形例を示す説明図である。
【
図5】実施例1の間仕切り壁に対し、第1パネル材から第2パネル材に向かって力が入力したときの力の伝達を示す説明図である。
【
図6】実施例1の間仕切り壁に対し、第2パネル材から第1パネル材に向かって力が入力したときの力の伝達を示す説明図である。
【
図7】実施例1の間仕切り壁の面外曲げ剛性試験の結果、及び、比較例の間仕切り壁の面外曲げ剛性試験の結果を示す図である。
【
図8】(a)は実施例2の間仕切り壁を示す垂直断面図であり、(b)は実施例2の間仕切り壁に使用する第2接合材を示す説明図である。
【
図9】実施例2の間仕切り壁の面外曲げ剛性試験の結果、及び、比較例の間仕切り壁の面外曲げ剛性試験の結果を示す図である。
【
図10】実施例3の間仕切り壁を示す分解斜視図である。
【
図11】実施例3の間仕切り壁を示す垂直断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の間仕切り壁を実施するための形態を、図面に示す実施例1~実施例3に基づいて説明する。
【0010】
(実施例1)
実施例1の間仕切り壁10は、
図1に示すユニット建物等の建物1の屋内空間2に設置され、屋内空間2の内部を仕切るために用いられる。なお、
図1に示す例では、屋内空間2の内部が2つの間仕切り壁10、10によって仕切られ、リビングルーム2Aと、ダイニング・キッチンルーム2Bと、寝室2Cと、の3つの部屋が形成されている。
【0011】
実施例1の間仕切り壁10は、
図2に示すように、枠体11と、枠体11を挟み込む一対のパネル材14a、14bと、各パネル材14a、14bを枠体11に固定する複数の接合材15と、を備えている。以下の説明では、間仕切り壁10において、一対のパネル材14a、14bが対向する方向を厚さとし、屋内空間2に設置された状態での上下方向を高さとし、高さ及び厚さに直交する方向を幅とする。
【0012】
枠体11は、一対の縦枠材12、12と、複数の横枠材13と、を有している。
【0013】
一対の縦枠材12、12は、いずれも高さ方向に延びる木材や鋼材等からなる角材であり、幅方向に所定の間隔をあけて配置されている。
【0014】
複数の横枠材13は、いずれも幅方向に延びる木材や鋼材等からなる角材であり、一対の縦枠材12、12の間に架け渡されている。各横枠材13は、両端が一対の縦枠材12、12の間に挟み込まれ、釘等によって固定されている。ここで、複数の横枠材13は、上端横枠材13aと、下端横枠材13bと、中間横枠材13cと、を有している。上端横枠材13aは、一対の縦枠材12、12の上端部間に架け渡されている。下端横枠材13bは、一対の縦枠材12、12の下端部間に架け渡されている。中間横枠材13cは、上端横枠材13aと下端横枠材13bとの間に配置され、高さ方向に一定の間隔をあけて複数設けられている。
図2に示す例では、中間横枠材13cは五本設けられている。
【0015】
また、
図3(a)及び
図3(b)に示すように、各横枠材13の厚さW3は、いずれも一対の縦枠材12、12の厚さW2よりも薄く設定されている。さらに、各横枠材13は、厚さ方向の一方の側面13dが各縦枠材12の厚さ方向の一方の側面12dと面一にされている。そして、各縦枠材12の厚さ方向の他方の側面12eと、各横枠材13の厚さ方向の他方の側面13eとの間には、段差が生じている。以下では、縦枠材12の一方の側面12dと横枠材13の一方の側面13dとが面一にされた枠体11の一方の側面を第1側面という。また、縦枠材12の他方の側面12eと横枠材13の他方の側面13eとの間に段差が生じている枠体11の他方の側面を第2側面という。
【0016】
一対のパネル材14a、14bは、石膏ボード、硅酸カルシウム板、ALC板(Autoclaved Lightweight aerated Concrete:軽量気泡コンクリート)等からなる平板材である。以下では、枠体11の第1側面を覆う一方のパネル材を第1パネル材14aといい、枠体11の第2側面を覆う他方のパネル材を第2パネル材14bという。
【0017】
第1パネル材14aは、一対の縦枠材12、12及び複数の横枠材13の全てに対し、接合材15を介して固定されている。すなわち、第1パネル材14aは、枠体11に固定された際、一対の縦枠材12、12及び複数の横枠材13の全てに接触する。
【0018】
第2パネル材14bは、一対の縦枠材12、12に対してのみ接合材15を介して固定され、横枠材13には固定されていない。すなわち、第2パネル材14bは、枠体11に固定された際、一対の縦枠材12、12にのみ接触し、複数の横枠材13には接触しない。
【0019】
接合材15は、ネジや釘等の棒状部材であり、第1パネル材14a及び第2パネル材14bをそれぞれ縦枠材12に固定する第1接合材15aと、第1パネル材14aを横枠材13に固定する第2接合材15bと、を有している。
【0020】
第1接合材15aは、胴部の周面に螺旋状のねじ山が形成されたネジ形状を呈し、各パネル材14a、14bを貫通し、縦枠材12に捩じ込まれる。このとき、
図3(b)に示すように、第1接合材15aは、縦枠材12を貫通せず、縦枠材12の内部に先端が収まる。
【0021】
第2接合材15bは、
図4(a)に示すように、胴部の周面に螺旋状のネジ山が形成されたネジ形状を呈し、先端部15cに軸方向に対して直交する平坦面15dが形成されている。第2接合材15bは、
図3(a)において拡大して示すように、第1パネル材14a及び横枠材13を貫通し、先端部15cに形成された平坦面15dが第2パネル材14bに接触する。
【0022】
なお、実施例1の第2接合材15bは、
図4(a)に示すように、胴部の先端部15cが平坦面15dに向かって先細りとなっている。この場合、第2接合材15bは、第1パネル材14aや横枠材13を貫通しやすくなる。しかしながら、第2接合材15bの形状はこれに限らない。例えば、
図4(b)に示す第2接合材15b´のように、胴部を全長にわたって同じ太さとし、先端部15cに平坦面15dを形成してもよい。この場合には、胴部が先細りになっている実施例1の第2接合材15bよりも平坦面15dの面積を大きく確保することが可能となる。
【0023】
次に、実施例1の間仕切り壁10における作用を説明する。
【0024】
従来から建築分野では、枠体の両面にパネル材を設けた間仕切り壁を使用している。ここで、石膏ボードは防火性能に優れ、安価なことから、間仕切り壁のパネル材として一般的に多用されている。しかしながら、石膏ボードは安価なものでは脆く、枠体として用いられる木材や鋼材等と一体になって入力荷重を支えることで、間仕切り壁に求められる面外曲げ剛性や耐衝撃性能を満足させている。
【0025】
これに対し、実施例1の間仕切り壁10では、枠体11の縦枠材12に第1パネル材14a及び第2パネル材14bが固定されている。また、第1パネル材14aは、複数の横枠材13にも固定されている。一方、第2パネル材14bは、横枠材13に固定されておらず、横枠材13と第2パネル材14bとの間には、縦枠材12の他方の側面12eと横枠材13の他方の側面13eとの間に生じた段差の分だけ隙間が生じている。そして、第1パネル材14aを横枠材13に固定する第2接合材15bが、第1パネル材14a及び横枠材13を貫通し、先端部15cに形成した平坦面15dが第2パネル材14bに接触している。
【0026】
これにより、第1パネル材14aの外側から第2パネル材14bに向かって厚さ方向に力Fが入力したときには、
図5に示すように、力Fは、第1パネル材14aから横枠材13及び第2接合材15bに伝達される。そして、第2接合材15bに伝達された力Fは、第2接合材15bの先端部15cから第2パネル材14bに伝達される。また、第2パネル材14bの外側から第1パネル材14aに向かって厚さ方向に力F´が入力したときには、
図6に示すように、力F´は、第2パネル材14bから第2接合材15bに入力される。そして、第2接合材15bに入力した力F´は、第2接合材15bを介して横枠材13に伝わり、横枠材13から第1パネル材14aに伝達される。
【0027】
このように、実施例1の間仕切り壁10では、第2パネル材14bを横枠材13に固定せず、横枠材13と第2パネル材14bとの間に隙間が生じているものの、第2接合材15bを介して一対のパネル材14a、14bの間で力を伝達することができる。さらに、第2接合材15bを介して横枠材13にも入力された力を伝えることができる。
【0028】
これにより、実施例1の間仕切り壁10は、一対のパネル材14a、14bと、枠体11の縦枠材12及び横枠材13とで一体になって入力荷重を支えることができ、求められる面外曲げ剛性や耐衝撃性能等を満足させることができる。また、横枠材13の厚さW3は、一対のパネル材14a、14bの間隔に拘らず、任意に設定することができる。すなわち、実施例1の間仕切り壁10は、面外曲げ剛性等の必要な性能を担保しつつ、横枠材13の厚さW3を縦枠材12の厚さW2よりも薄くして、枠体11の材積を減らすことができる。この結果、一対のパネル材14a、14bの間隔に拘らず、枠体11のコスト上昇を抑制することができる。
【0029】
また、実施例1の間仕切り壁10では、一対のパネル材14a、14bの間で力を伝達する第2接合材15bの先端部15cに、第2パネル材14bに接触する平坦面15dが形成されている。これにより、一対のパネル材14a、14bの間で力を伝達する際、第2接合材15bが第2パネル材14bに刺さりにくくでき、安定して力を伝達することができる。
【0030】
また、実施例1の間仕切り壁10は、複数の横枠材13が、いずれも第1パネル材14aに固定されている。そのため、一対のパネル材14a、14bの間で伝わる力を、複数の横枠材13の全てに対して伝達することができる。よって、間仕切り壁10の面外曲げ剛性や耐衝撃性能等の向上を図ることができる。
【0031】
なお、間仕切り壁の面外曲げ剛性は、面外曲げ剛性試験によって測定されるパネル材変位量と押圧荷重との関係に基づいて確認することが可能である。つまり、間仕切り壁の面外曲げ剛性は、パネル材変位量に対する押圧荷重が大きいほど高いと判断できる。「面外曲げ剛性試験」とは、間仕切り壁の上端部と下端部をそれぞれ支持し、油圧ジャッキ等を用いて間仕切り壁の中間部を水平方向に押圧する試験である。
【0032】
そして、縦枠材の両面及び横枠材の両面に一対のパネル材をそれぞれ接触させて固定した間仕切り壁を「比較例の間仕切り壁」とする。この場合、実施例1の間仕切り壁10の面外曲げ剛性試験の結果と、比較例の間仕切り壁の面外曲げ剛性試験の結果とを比較すると、
図7に示すように、パネル材変位量と押圧荷重との関係は、ほぼ同様になる。つまり、実施例1の間仕切り壁10では、比較例の間仕切り壁の面外曲げ剛性と同程度の面外曲げ剛性を担保できることが分かる。
【0033】
また、破壊荷重についても、
図7に示すように、実施例1の間仕切り壁10と比較例の間仕切り壁との間でほぼ同じ値にすることができる。よって、実施例1の間仕切り壁10において、比較例の間仕切り壁と同程度の面外曲げ剛性及び強度を満足できることが実証された。
【0034】
(実施例2)
実施例2の間仕切り壁10Aは、
図8(a)に示すように、枠体11と、枠体11を挟み込む一対のパネル材14a、14bと、各パネル材14a、14bを枠体11に固定する複数の接合材15と、を備えている。ここで、実施例2の接合材15のうち、第1パネル材14aを横枠材13に固定する第2接合材16は、
図8(b)に示すように、胴部の先端部16bが尖っており、平坦面を有していない。この場合、第2接合材16は、第1パネル材14a及び横枠材13を容易に貫通することができる。
【0035】
なお、実施例2の間仕切り壁10Aの面外曲げ剛性試験の結果と、比較例の間仕切り壁の面外曲げ剛性試験の結果とを比較すると、
図9に示すように、破壊するまでの間は、パネル材変位量の変化量に対する押圧荷重の変化量をほぼ同程度にすることができる。よって、実施例2の間仕切り壁10Aであっても、求められる面外曲げ剛性や耐衝撃性能を満足させることが可能である。
【0036】
(実施例3)
実施例3の間仕切り壁10Bは、
図10に示すように、枠体11と、枠体11を挟み込む一対のパネル材14a、14bと、各パネル材14a、14bを枠体11に固定する複数の接合材15と、を備えている。ここで、枠体11は、高さ方向に延びる一対の縦枠材12、12と、一対の縦枠材12、12の間に架け渡され、高さ方向に沿って所定の間隔をあけて配置された複数の横枠材13と、を有している。複数の横枠材13は、いずれも厚さW3が、一対の縦枠材12、12の厚さW2よりも薄く設定されている。
【0037】
さらに、複数(実施例3では七本)の横枠材13は、
図11に示すように、高さ方向に沿って交互に配置される第1横枠材13αと第2横枠材13βとを有している。「第1横枠材13α」は、厚さ方向の一方の側面13dが各縦枠材12の厚さ方向の一方の側面12dと面一になり、他方の側面13eと各縦枠材12の厚さ方向の他方の側面12eとの間に段差が生じている横枠材である。また、「第2横枠材13β」は、厚さ方向の他方の側面13eが各縦枠材12の厚さ方向の他方の側面12eと面一になり、厚さ方向の一方の側面13dと各縦枠材12の厚さ方向の一方の側面12dとの間に段差が生じている横枠材である。
【0038】
そして、第1横枠材13αには第1パネル材14aが固定され、第2横枠材13βには第2パネル材14bが固定される。すなわち、複数の横枠材13は、高さ方向(鉛直方向)に沿って所定間隔をあけて配置されると共に、一対のパネル材14a、14bのうちの一方(第1パネル材14a)が固定された第1横枠材13αと、一対のパネル材14a、14bのうちの他方(第2パネル材14b)が固定された第2横枠材13βとが交互に配置されている。
【0039】
また、第1パネル材14a及び第1横枠材13αを貫通した第2接合材15bは、先端部15cが第2パネル材14bに接触する。一方、第2パネル材14b及び第2横枠材13βを貫通した第2接合材15bは、先端部15cが第1パネル材14aに接触する。
【0040】
これにより、実施例3の間仕切り壁10Bでは、一対のパネル材14a、14bの双方を、それぞれ複数の横枠材13のいずれかに固定することができる。また、第1パネル材14aが固定された第1横枠材13αと、第2パネル材14bが固定された第2横枠材13βとが交互に配置されたことから、各パネル材14a、14bを全面にわたってバランスよく複数の横枠材13に固定することができる。
【0041】
この結果、一対のパネル材14a、14bのそれぞれと枠体11との連結強度を確保することができる。そのため、例えば、第2パネル材14bに棚等を設けた状態で厚さ方向に力が作用しても、棚等が設けられた第2パネル材14bが枠体11から外れることを防止できる。
【0042】
以上、本発明の間仕切り壁を実施例1~実施例3に基づいて説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例1~3に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
【0043】
実施例1における間仕切り壁10では、第1接合材15a及び第2接合材15bが、いずれも胴部の周面にネジ山を有するネジ形状を呈する例を示したが、これに限らない。接合材15は、一方のパネル材と横枠材を貫通し、先端部が他方のパネル材に接触すればよいので、例えば胴部の周面が滑らかな釘形状を呈していてもよい。
【0044】
また、実施例1の間仕切り壁10では、複数の横枠材13の全ての厚さW3を、縦枠材12の厚さW2よりも薄く設定し、第1パネル材14aが複数の横枠材13の全てに対して固定される例を示したがこれに限らない。複数の横枠材13のいずれか一つが一対のパネル材14a、14bのいずれか一方に固定されていればよい。そのため、例えば、上端横枠材13aと下端横枠材13bは、厚さW3を縦枠材12の厚さW2と同程度に設定し、中間横枠材13cの厚さW3だけを縦枠材12の厚さW2よりも薄く設定する。そして、上端横枠材13a及び下端横枠材13bに対して、第1パネル材14a及び第2パネル材14bの双方を固定し、中間横枠材13cには第1パネル材14aのみを固定するようにしてもよい。
【0045】
また、実施例3の間仕切り壁10Bでは、第1パネル材14aが固定された第1横枠材13αと、第2パネル材14bが固定された第2横枠材13βとを交互に配置した例を示したが、これに限らない。例えば、枠体11の上部に配置された横枠材13には第1パネル材14aのみを固定し、枠体11の下部に配置された横枠材13には第2パネル材14bのみを固定するようにしてもよい。つまり、第1横枠材13αと第2横枠材13βとは、交互に配置されていなくてもよい。
【0046】
また、実施例1の間仕切り壁10では、中間横枠材13cを複数設けた例を示したが、これに限らない。枠体11は、横枠材13として、少なくとも上端横枠材13aと下端横枠材13bとを有していればよい。そのため、中間横枠材13cの数は任意に設定することができるし、中間横枠材13cを設けなくてもよい。さらに、横枠材13は、幅方向に延びていなくてもよく、幅方向に対して傾斜して延在していてもよい。
【符号の説明】
【0047】
10、10A、10B 間仕切り壁
11 枠体
12 縦枠材
13 横枠材
14a 第1パネル材
14b 第2パネル材
15、16 接合材
15a 第1接合材
15b 第2接合材
15c、16b 先端部
15d 平坦面