(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-06
(45)【発行日】2024-08-15
(54)【発明の名称】在庫管理装置、在庫管理方法および在庫管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20230101AFI20240807BHJP
【FI】
G06Q30/06
(21)【出願番号】P 2021017522
(22)【出願日】2021-02-05
【審査請求日】2023-08-15
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加治屋 彬
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】平井 嗣人
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-124916(JP,A)
【文献】特開2018-112821(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備える在庫管理装置であって、
商品識別情報、当該商品識別情報で特定される商品の在庫数量、および当該商品の資産所有区分を含む在庫レコードを含む在庫データテーブルと、
商品の受注データテーブルと、
商品の売上データテーブルと、
にアクセス可能であり、
前記制御部は、
前記在庫データテーブル、前記受注データテーブル、および前記売上データテーブルを参照して、他社資産に相当する資産所有区分に紐付く商品識別情報の中から、オペレータの指定に基づく、受注済みか否かおよび売上計上済みか否かに関する抽出条件を満たす商品識別情報を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段で抽出した商品識別情報および前記抽出条件に応じたステータス情報を対応付けて画面に表示させる表示制御手段と、
自社資産への切り替えの対象とする商品識別情報が前記画面上で指定されると、前記ステータス情報に応じて、1)当該指定された商品識別情報および他社資産に相当する資産所有区分を含む在庫レコードに対する在庫数量の減算処理と、2)当該指定された商品識別情報、当該減算処理での減算数量に応じた在庫数量、および自社資産に相当する資産所有区分を含む在庫レコードを生成し、当該生成した在庫レコードを前記在庫データテーブルに格納する生成処理、または、当該指定された商品識別情報および自社資産に相当する資産所有区分を含む在庫レコードに対する在庫数量の加算処理と、を実行する更新手段と、
を備えること、
を特徴とする在庫管理装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、
前記更新手段が前記減算処理と、前記生成処理または前記加算処理と、を実行した場合、他社資産に相当する資産所有区分が自社資産に相当する資産所有区分に切り替わった日付を前記画面に表示させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の在庫管理装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、
前記更新手段が前記減算処理と、前記生成処理または前記加算処理と、を実行した場合、他社資産に相当する資産所有区分が自社資産に相当する資産所有区分に切り替わった後の仕入金額の合計、売価金額の合計および粗利合計のいずれか1つ以上を前記画面に表示させる、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の在庫管理装置。
【請求項4】
前記抽出手段は、
他社資産に相当する資産所有区分に紐付く商品識別情報の中から、前記抽出条件を満たす複数の商品識別情報を抽出し、
前記表示制御手段は、
前記抽出手段で抽出した複数の商品識別情報を前記画面に表示させ、
前記更新手段は、
複数の商品識別情報の中から、オペレータによって指定され
た商品識別情報に対して、前記減算処理と、前記生成処理または前記加算処理と、を実行する、
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載の在庫管理装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、
前記抽出手段で抽出した複数の商品識別情報を一括で選択可能な指示信号の入力を受け付ける一括選択入力部を前記画面に表示させる、
ことを特徴とする請求項4に記載の在庫管理装置。
【請求項6】
前記表示制御手段は、
前記在庫データテーブル、前記受注データテーブル、および前記売上データテーブルを参照して、前記抽出手段で抽出した商品識別情報の受託日、受注日および売上日のいずれか一つ以上を前記画面に表示させる、
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一つに記載の在庫管理装置。
【請求項7】
前記表示制御手段は、
前記在庫データテーブルから他社資産の在庫状態の計上済を抽出する指示信号の入力を受け付ける計上済入力部と、前記在庫データテーブルから他社資産の在庫状態の登録済を抽出する指示信号の入力を受け付ける登録済入力部と、前記在庫データテーブルから他社資産の在庫状態の在庫を抽出する指示信号の入力を受け付ける在庫入力部と、を前記画面に表示させ、
前記抽出手段は、
他社資産に相当する資産所有区分に紐付く商品識別情報の中から、オペレータによって前記計上済入力部、前記登録済入力部および前記在庫入力部のいずれか1つ以上の指定に基づく前記抽出条件を満たす商品識別情報を抽出する、
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一つに記載の在庫管理装置。
【請求項8】
前記表示制御手段は、
前記在庫データテーブルから、受託日の期間を指示する指示信号の入力を受け付ける受託日入力部と、受注日の期間を指示する指示信号の入力を受け付ける受注日入力部と、売上日の期間を指示する指示信号の入力を受け付ける売上日入力部と、を前記画面に表示させ、
前記抽出手段は、
他社資産に相当する資産所有区分に紐付く商品識別情報の中から、オペレータによって前記受託日入力部、前記受注日入力部および前記売上日入力部のいずれか1つ以上の指定に基づく前記抽出条件を満たす商品識別情報を抽出する、
ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一つに記載の在庫管理装置。
【請求項9】
制御部を備える在庫管理装置で実行される在庫管理方法であって、
前記在庫管理装置は、
商品識別情報、当該商品識別情報で特定される商品の在庫数量、および当該商品の資産所有区分を含む在庫レコードを含む在庫データテーブルと、
商品の受注データテーブルと、
商品の売上データテーブルと、
にアクセス可能であり、
前記制御部で実行される、
前記在庫データテーブル、前記受注データテーブル、および前記売上データテーブルを参照して、他社資産に相当する資産所有区分に紐付く商品識別情報の中から、オペレータの指定に基づく、受注済みか否かおよび売上計上済みか否かに関する抽出条件を満たす商品識別情報を抽出する抽出ステップと、
前記抽出ステップで抽出した商品識別情報および前記抽出条件に応じたステータス情報を対応付けて画面に表示させる表示制御ステップと、
自社資産への切り替えの対象とする商品識別情報が前記画面上で指定されると、前記ステータス情報に応じて、1)当該指定された商品識別情報および他社資産に相当する資産所有区分を含む在庫レコードに対する在庫数量の減算処理と、2)当該指定された商品識別情報、当該減算処理での減算数量に応じた在庫数量、および自社資産に相当する資産所有区分を含む在庫レコードを生成し、当該生成した在庫レコードを前記在庫データテーブルに格納する生成処理、または、当該指定された商品識別情報および自社資産に相当する資産所有区分を含む在庫レコードに対する在庫数量の加算処理と、を実行する更新ステップと、
を含むこと、
を特徴とする在庫管理方法。
【請求項10】
制御部を備える在庫管理装置で実行される在庫管理プログラムであって、
前記在庫管理装置は、
商品識別情報、当該商品識別情報で特定される商品の在庫数量、および当該商品の資産所有区分を含む在庫レコードを含む在庫データテーブルと、
商品の受注データテーブルと、
商品の売上データテーブルと、
にアクセス可能であり、
前記制御部に、
前記在庫データテーブル、前記受注データテーブル、および前記売上データテーブルを参照して、他社資産に相当する資産所有区分に紐付く商品識別情報の中から、オペレータの指定に基づく、受注済みか否かおよび売上計上済みか否かに関する抽出条件を満たす商品識別情報を抽出する抽出ステップと、
前記抽出ステップで抽出した商品識別情報および前記抽出条件に応じたステータス情報を対応付けて画面に表示させる表示制御ステップと、
自社資産への切り替えの対象とする商品識別情報が前記画面上で指定されると、前記ステータス情報に応じて、1)当該指定された商品識別情報および他社資産に相当する資産所有区分を含む在庫レコードに対する在庫数量の減算処理と、2)当該指定された商品識別情報、当該減算処理での減算数量に応じた在庫数量、および自社資産に相当する資産所有区分を含む在庫レコードを生成し、当該生成した在庫レコードを前記在庫データテーブルに格納する生成処理、または、当該指定された商品識別情報および自社資産に相当する資産所有区分を含む在庫レコードに対する在庫数量の加算処理と、を実行する更新ステップと、
を
実行させること、
を特徴とする在庫管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、在庫管理装置、在庫管理方法および在庫管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、販売委託品の一部と個別管理対象商品の一部について仕入処理を行った場合、販売委託品および個別管理対象商品も同じデータとして扱うことによって、委託元に対する債務の残高を管理する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、小売業界、特に宝飾業界または呉服業界等では、他社資産の受託品の取り扱いが多く、受託品を自社資産の社内品に切り替えるタイミング(所謂、債務を発生させるタイミング)が多岐にわたる。この切り替えるタイミングには、在庫状態であったり、購入者が決定した状態(受注確定状態)であったり、売上計上した後の状態であったりといったタイミングが想定される。
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1のような技術では、他社資産の受託品を自社資産の社内品に切り替えるタイミングが多岐にわたることで、販売委託品等の受託品在庫の管理をシステムで行うことが難しく、システム外となっている。このため、上述した特許文献1のような技術では、他社資産の受託品の管理が煩雑となるという問題点があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、簡易に他社資産の受託品の管理を行うことができる在庫管理装置、在庫管理方法および在庫管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る在庫管理装置は、制御部を備える在庫管理装置であって、商品識別情報、当該商品識別情報で特定される商品の在庫数量、および当該商品の資産所有区分を含む在庫レコードを含む在庫データテーブルと、商品の受注データテーブルと、商品の売上データテーブルと、にアクセス可能であり、前記制御部は、前記在庫データテーブル、前記受注データテーブル、および前記売上データテーブルを参照して、他社資産に相当する資産所有区分に紐付く商品識別情報の中から、オペレータの指定に基づく、受注済みか否かおよび売上計上済みか否かに関する抽出条件を満たす商品識別情報を抽出する抽出手段と、前記抽出手段で抽出した商品識別情報および前記抽出条件に応じたステータス情報を対応付けて画面に表示させる表示制御手段と、自社資産への切り替えの対象とする商品識別情報が前記画面上で指定されると、前記ステータス情報に応じて、1)当該指定された商品識別情報および他社資産に相当する資産所有区分を含む在庫レコードに対する在庫数量の減算処理と、2)当該指定された商品識別情報、当該減算処理での減算数量に応じた在庫数量、および自社資産に相当する資産所有区分を含む在庫レコードを生成し、当該生成した在庫レコードを前記在庫データテーブルに格納する生成処理、または、当該指定された商品識別情報および自社資産に相当する資産所有区分を含む在庫レコードに対する在庫数量の加算処理と、を実行する更新手段と、を備えること、を特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る在庫管理方法は、制御部を備える在庫管理装置で実行される在庫管理方法であって、前記在庫管理装置は、商品識別情報、当該商品識別情報で特定される商品の在庫数量、および当該商品の資産所有区分を含む在庫レコードを含む在庫データテーブルと、商品の受注データテーブルと、商品の売上データテーブルと、にアクセス可能であり、前記制御部で実行される、前記在庫データテーブル、前記受注データテーブル、および前記売上データテーブルを参照して、他社資産に相当する資産所有区分に紐付く商品識別情報の中から、オペレータの指定に基づく、受注済みか否かおよび売上計上済みか否かに関する抽出条件を満たす商品識別情報を抽出する抽出ステップと、前記抽出手段で抽出した商品識別情報および前記抽出条件に応じたステータス情報を対応付けて画面に表示させる表示制御ステップと、自社資産への切り替えの対象とする商品識別情報が前記画面上で指定されると、前記ステータス情報に応じて、1)当該指定された商品識別情報および他社資産に相当する資産所有区分を含む在庫レコードに対する在庫数量の減算処理と、2)当該指定された商品識別情報、当該減算処理での減算数量に応じた在庫数量、および自社資産に相当する資産所有区分を含む在庫レコードを生成し、当該生成した在庫レコードを前記在庫データテーブルに格納する生成処理、または、当該指定された商品識別情報および自社資産に相当する資産所有区分を含む在庫レコードに対する在庫数量の加算処理と、を実行する更新ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る在庫管理プログラムは、制御部を備える在庫管理装置で実行される在庫管理プログラムであって、前記在庫管理装置は、商品識別情報、当該商品識別情報で特定される商品の在庫数量、および当該商品の資産所有区分を含む在庫レコードを含む在庫データテーブルと、商品の受注データテーブルと、商品の売上データテーブルと、アクセス可能であり、前記在庫データテーブル、前記受注データテーブル、および前記売上データテーブルを参照して、他社資産に相当する資産所有区分に紐付く商品識別情報の中から、オペレータの指定に基づく、受注済みか否かおよび売上計上済みか否かに関する抽出条件を満たす商品識別情報を抽出する抽出ステップと、前記抽出手段で抽出した商品識別情報および前記抽出条件に応じたステータス情報を対応付けて画面に表示させる表示制御ステップと、自社資産への切り替えの対象とする商品識別情報が前記画面上で指定されると、前記ステータス情報に応じて、1)当該指定された商品識別情報および他社資産に相当する資産所有区分を含む在庫レコードに対する在庫数量の減算処理と、2)当該指定された商品識別情報、当該減算処理での減算数量に応じた在庫数量、および自社資産に相当する資産所有区分を含む在庫レコードを生成し、当該生成した在庫レコードを前記在庫データテーブルに格納する生成処理、または、当該指定された商品識別情報および自社資産に相当する資産所有区分を含む在庫レコードに対する在庫数量の加算処理と、を実行する更新ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、簡易に他社資産の受託品の管理を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施形態に係る在庫管理装置の構成の一例を示すブロック図での概要を示す模式図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る商品データにおける商品データテーブルの一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る在庫データにおける在庫データテーブルの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る受注データにおける受注データテーブルの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る売上データにおける売上データテーブルの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る在庫管理装置が受託品から社内品へ、日付、数量よび金額ベースで切り替える受託品仕入切替処理の実行時におけるデータの流れの概要を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る在庫管理装置が実行する処理の概要を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、実施形態に係る受託品仕入切替処理画面の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係る抽出条件として在庫のみ選択された場合における商品識別情報を含む抽出結果一覧の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係る抽出条件として登録済・在庫が選択された場合における商品識別情報を含む抽出結果一覧の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、実施形態に係る抽出条件として計上済・登録済・在庫が選択された場合における商品識別情報を含む抽出結果一覧の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、実施形態に係る更新部によって更新された在庫データにおける在庫データテーブルの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明に係る在庫管理装置、在庫管理方法および在庫管理プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0013】
[1.構成]
本実施形態に係る在庫管理装置の構成の一例について、
図1等を参照して説明する。
図1は、在庫管理装置の構成の一例を示すブロック図での概要を示す模式図である。
【0014】
図1に示す在庫管理装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、在庫管理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0015】
在庫管理装置100は、制御部102と、通信インターフェース部104と、記憶部106と、入出力インターフェース部108と、を備えている。在庫管理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0016】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、在庫管理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と、通信回線と、を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、在庫管理装置100と、サーバ200と、を相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、記憶部106に格納されるデータは、例えばサーバ200に格納されてもよい。
【0017】
入出力インターフェース部108には、入力装置112と、出力装置114と、が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0018】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。記憶部106は、商品データ106aと、在庫データ106bと、受注データ106cと、売上データ106dと、仕入データ106eと、を記憶している。
【0019】
商品データ106aは、商品情報に関する情報を保持する。具体的には、商品データ106aは、品番と、原価と、売価と、仕入先と、を対応付けた商品データテーブルを保持する。
【0020】
図2は、商品データ106aにおける商品データテーブルの一例を示す図である。
図2に示す商品データテーブルT1(商品情報)には、商品を識別する商品識別情報としての品と、商品の原価と、商品の売価と、商品の仕入先と、を対応付けて保持されている。例えば、
図2に示すように、商品データテーブルT1には、複数の商品の各々を識別する品番としての識別番号「0101000001」と、原価としての金額「561,00」と、売価としての金額「850,000」と、複数の仕入先の各々を識別する仕入先識別情報としての番号「101」と、を対応付けて保持されている。
【0021】
在庫データ106bは、仕入先から受託した社内品および受託品の入庫処理を行うことによって生成された在庫データを保持する。ここで、社内品とは、資産所有区分における自社資産である。また、受託品とは、資産所有区分における他社資産である。また、在庫状態を以下で定義する。在庫とは、未受注未売上状態である。さらに、受託済とは、受託済未売上状態である。さらにまた、売上計上済とは、受注済売上計上済(後述する受託品から数量のマイナスではなく、社内品の在庫数が「-1」となっている状態)である。
【0022】
図3は、在庫データ106bにおける在庫データテーブルの一例を示す図である。なお、
図3に示す在庫データ106bでは、説明を簡略化するため、在庫として受託品および社内品の2つを1つの表で記載するが、これに限定されることなく、在庫として受託品および社内品の各々の在庫データテーブルを作成して記憶部106に格納させてもよい。
【0023】
図3に示す在庫データテーブルT2(在庫情報)には、店舗と、店舗名と、在庫区分と、品番と、在庫状態を示すバーコード(1次元情報)と、仕入先コードと、数量と、を対応付けて保持されている。例えば、在庫データテーブルT2の1列目には、店舗としての店舗識別番号「100」と、店舗名としての名前「三重」と、在庫区分としての区部「受託品」と、品番としての番号「0101000001」と、在庫状態を示すバーコード「2100000000001」と、仕入先としての仕入先識別番号「101」と、数量「1」と、を対応付けて保持されている。なお、実施形態では、店舗と、店舗名と、在庫区分と、品番と、在庫状態を示すバーコード(1次元情報)と、仕入先コードと、数量と、が商品識別情報として機能する。また、数量における単位は、SKU(Stock keeping Unit)における最初の単位とする。さらに、実施形態では、在庫状態を示すバーコードがステータス状態として機能する。
【0024】
ここで、各バーコードの内容について説明する。
バーコード「2100000000001」は、受注・売上未登録の状態を示す。
バーコード「2100000000002」は、受注・売上未登録の状態を示す。
バーコード「2100000000003」は、受注済・未売上の状態を示す。
バーコード「2100000000004」は、受注済・売上計上済の状態を示す。
バーコード「2100000000005」は、受注済・売上計上済の状態を示す。
バーコード「2100000000006」は、受注済・売上計上済の状態を示す。
なお、実施形態では、在庫状態をバーコードで示しているが、2次元情報、例えばQRコード(登録商標)や他の識別可能なコードや番号等を用いることができる。
【0025】
受注データ106cは、受注品に関する情報を保持する。具体的には、受注データ106cは、店舗と、店舗名と、受注日と、在庫状態を示すバーコードと、を対応付けて保持している。
【0026】
図4は、受注データ106cにおける受注データテーブルの一例を示す図である。
図4に示す受注データテーブルT3には、店舗と、店舗名と、受注日と、在庫状態を示すバーコード(1次元情報)と、を対応付けて保持されている。例えば、受注データテーブルT3の1列目には、店舗としての店舗識別番号「100」と、店舗名としての名前「三重」と、受注日としての日付「2020/8/1」、在庫状態を示すバーコード「2100000000003」と、を対応付けて保持されている。なお、実施形態における在庫管理装置100では、オペレータが受注登録した場合、在庫区分によらず、在庫状態を示すバーコードによって集計して在庫チェックを行うことによって、在庫不足状態での売上が計上されることを防止している。
【0027】
売上データ106dは、受託品の売上に関する情報を保持する。具体的には、売上データ106dは、店舗と、店舗名と、売上日と、在庫状態を示すバーコードと、を対応付けて保持している。
【0028】
図5は、売上データ106dにおける売上データテーブルの一例を示す図である。
図5に示す売上データテーブルT4には、店舗と、店舗名と、売上日と、在庫状態バーコードと、を対応付けて保持されている。例えば、売上データテーブルT4には、店舗としての店舗識別番号「100」と、店舗名としての名前「三重」と、売上日としての日付「2020/10/4」、在庫状態を示すバーコード「2100000000004」と、を対応付けて保持されている。
【0029】
仕入データ106eは、受託品仕入切替処理によって受託品から社内品に切り替わった際に発生する仕入に関する情報を保持する。
【0030】
制御部102は、在庫管理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、抽出部102aと、表示制御部102bと、更新部102cと、を備える。
【0031】
抽出部102aは、在庫データテーブルT2、受注データテーブルT3、および売上データテーブルT4を参照して、他社資産に相当する資産所有区分に紐付く商品識別情報の中から、オペレータの指定に基づく、受注済みか否かおよび売上計上済みか否かに関する抽出条件を満たす商品識別情報を抽出する。また、抽出部102aは、他社資産に相当する資産所有区分に紐付く商品識別情報の中から、抽出条件を満たす複数の商品識別情報を抽出する。
【0032】
表示制御部102bは、抽出部102aで抽出した商品識別情報および抽出条件に応じたステータス情報を対応付けて出力装置114の画面に表示させる。
【0033】
更新部102cは、自社資産への切り替えの対象とする商品識別情報が出力装置114の画面上で指定されると、ステータス情報に応じて、1)指定された商品識別情報および他社資産に相当する資産所有区分を含む在庫レコードに対する在庫数量の減算処理(以下、単に「減算処理」という)と、2)指定された商品識別情報、減算処理での減算数量に応じた在庫数量、および自社資産に相当する資産所有区分を含む在庫レコードを生成し、この生成した在庫レコードを在庫データ106bの在庫データテーブルT2に格納する生成処理(以下、単に「生成処理」という)、または、この指定された商品識別情報および自社資産に相当する資産所有区分を含む在庫レコードに対する在庫数量の加算処理(以下、単に「加算処理」という)と、を実行する。また、更新部102cは、複数の商品識別情報の中から、オペレータによって指定された商品識別情報に対して、減算処理と、生成処理または加算処理と、を実行する。
【0034】
[2.データの流れの概要]
次に、在庫管理装置100が受託品から社内品へ、日付、数量よび金額ベースで切り替える受託品仕入切替処理の実行時におけるデータの流れについて説明する。
図6は、在庫管理装置100が受託品から社内品へ、日付、数量よび金額ベースで切り替える受託品仕入切替処理の実行時におけるデータの流れの概要を示す図である。また、実施形態に係る品番のバーコードは、商品1点につき1つ採番される番号であり、品物そのものを表すものと定義する。即ち、品番のバーコードの数量が複数になることは無い。
【0035】
図6に示すように、まず、オペレータは、仕入先からの受託品を入庫する受託品入庫処理を行う(ステップS1)。この場合、オペレータは、仕入先からの受託品の商品データ106a(例えば
図2を参照)を在庫管理装置100に入力することによって、受託品としての在庫が在庫データ106bに計上される。
【0036】
続いて、オペレータは、在庫管理装置100から出力される受託品仕入切替画面上で所定の操作を行うことによって受託品仕入切替処理を行う(ステップS2)。この場合、在庫管理装置100は、在庫データ106b、受注データ106cおよび売上データ106dを参照し、他社資産に相当する資産所有区分に紐付く商品識別情報の中から、オペレータの指定に基づく、受注済みか否かおよび売上計上済みか否かに関する抽出条件を満たす受託品を抽出可能な状態となる。さらに、在庫管理装置100は、受託品を売上計上することによって、社内品での在庫数を「-1」とする。さらにまた、在庫管理装置100は、オペレータの操作に応じて、受託品から社内品に切り替え操作が行われた場合、その際に仕入データ106eを同時に発生させる。これにより、在庫データ106bには、社内品が増加する一方、受託品が減少する。なお、受注データ106cでは、同一の在庫状態を示すバーコードをオペレータが指定できないように制限されている。
【0037】
このように、在庫管理装置100によれば、在庫状態別(在庫、受注済、売上計上済)に、受託品を社内品に切り替え、仕入データを生成する仕入(債務)計上処理を行うことができる。
【0038】
[3.在庫管理装置100による処理]
次に、在庫管理装置100が実行する処理について説明する。
図7は、在庫管理装置100が実行する処理の概要を示すフローチャートである。
【0039】
図7に示すように、まず、表示制御部102bは、受託品仕入切替処理画面を出力装置114へ出力する(ステップS101)。
【0040】
図8は、受託品仕入切替処理画面の一例を示す図である。
図8に示す受託品仕入切替処理画面P1は、オペレータがデータを読み出す際に各種条件を入力する入力領域R1と、入力領域R1に入力された各種条件に応じて抽出されたデータの一覧が表示される表示領域R2と、を有する。
【0041】
入力領域R1には、オペレータの操作に応じて切替日の入力を受け付ける切替日セルK1と、オペレータの操作に応じて品番の入力を受け付ける品番セルK2と、オペレータの操作に応じて商品の入力を受け付ける商品セルK3と、オペレータの操作に応じて仕入先の入力を受け付ける仕入先セルK4と、仕入先セルK4に入力した店舗名を表示する店舗名セルK5と、オペレータの操作に応じて商品名の入力を受け付ける商品名セルK6と、が含まれる。
【0042】
さらに、入力領域R1には、オペレータの操作に応じて受託日の抽出開始日の入力を受け付ける受託開始日セルK7と、オペレータの操作に応じて受託日の抽出終了日の入力を受け付ける受託終了日セルK8と、オペレータの操作に応じて受注日の抽出開始日の入力を受け付ける受注開始日セルK9と、オペレータの操作に応じて受注日の抽出終了日の入力を受け付ける受注終了日セルK10と、オペレータの操作に応じて売上日の抽出開始日の入力を受け付ける売上開始日セルK11と、オペレータの操作に応じて売上日の抽出終了日の入力を受け付ける売上終了日セルK12と、が含まれる。なお、実施形態では、受託開始日セルK7および受託終了日セルK8が受託日入力部として機能し、受注開始日セルK9および受注終了日セルK10が受注日入力部として機能し、売上開始日セルK11および売上終了日セルK12が売上日入力部として機能する。
【0043】
さらにまた、入力領域R1には、オペレータの操作に応じて、在庫データ106bから受託品の在庫状態の計上済を抽出する計上済チェックボックスK13と、在庫データ106bから受託品の在庫状態の登録済を抽出する登録済チェックボックスK14と、在庫データ106bから受託品の在庫状態の在庫を抽出する在庫チェックボックスK15と、が含まれる。なお、実施形態では、計上済チェックボックスK13が計上済入力部として機能し、登録済チェックボックスK14が登録済入力部として機能し、在庫チェックボックスK15が在庫入力部として機能する。
【0044】
表示領域R2には、後述する他社資産に相当する資産所有区分に紐付く商品識別情報の中から、オペレータの指定に基づく、受注済みか否かおよび売上計上済みか否かに関する抽出条件を満たす商品識別情報を抽出した抽出結果一覧J1が含まれる。抽出結果一覧J1には、複数の商品識別情報と、抽出条件に応じたステータス情報(在庫状態および在庫状態を示すバーコード)と、が含まれる。具体的には、抽出結果一覧J1の行No1には、オペレータの選択の有無を示すチェックボックスの状態と、在庫状態「売上計上済」と、受託日「2020/1/5」と、受注日「2020/8/14」と、売上日「2020/10/4」と、店舗「100」と、店舗名「三重」と、バーコード「2100000000001」と、品番「0101000001」と、商品名「着物」と、数量「1」と、原価「561,000」と、売価「850,000」と、を対応付けて表示されている。
【0045】
さらに、表示領域R2には、抽出結果一覧J1に含まれる複数のチェックボックスを全て選択する一括選択ボタンB1と、抽出結果一覧J1に含まれる複数のチェックボックスを全て解除する一括解除ボタンB2と、が含まれる。なお、実施形態では、一括選択ボタンB1が一括選択入力部として機能する。
【0046】
さらにまた、表示領域R2には、仕入金額の合計原価が表示される合計原価セルH1と、売価金額の合計売価が表示される合計売価セルH2と、合計粗利が表示される合計粗利セルH3と、が含まれる。
【0047】
図7に戻り、ステップS102以降の説明を続ける。
ステップS102において、抽出部102aは、オペレータによる受託品仕入切替処理画面P1での操作に基づいて、在庫データ106b、受注データ106c、および売上データ106dを参照して、他社資産に相当する資産所有区分に紐付く商品識別情報の中から、オペレータの指定に基づく、受注済みか否かおよび売上計上済みか否かに関する抽出条件を満たす商品識別情報を抽出する。具体的には、抽出部102aは、在庫データ106b、受注データ106c、および売上データ106dの各々が保持する在庫状態を示すバーコードに基づいて、他社資産に相当する資産所有区分に紐付く商品識別情報の中から、オペレータの操作によって計上済チェックボックスK13、登録済チェックボックスK14および在庫チェックボックスK15のいずれか1つ以上の選択結果に応じた抽出条件を満たす商品識別情報を抽出する。
【0048】
図9は、抽出条件として在庫のみ選択された場合における商品識別情報を含む抽出結果一覧の一例を示す図である。
図9に示すように、抽出部102aは、オペレータによって在庫チェックボックスK15のみが選択された場合、抽出条件として在庫のみの商品識別情報を含む抽出結果テーブルT5を抽出する。
【0049】
図10は、抽出条件として登録済・在庫が選択された場合における商品識別情報を含む抽出結果一覧の一例を示す図である。
図10に示すように、抽出部102aは、オペレータによって登録済チェックボックスK14および在庫チェックボックスK15が選択された場合、抽出条件として登録済・在庫の商品識別情報を含む抽出結果テーブルT6を抽出する。
【0050】
図11は、抽出条件として計上済・登録済・在庫が選択された場合における商品識別情報を含む抽出結果一覧の一例を示す図である。
図11に示すように、抽出部102aは、オペレータによって計上済チェックボックスK13、登録済チェックボックスK14および在庫チェックボックスK15が選択された場合、抽出条件として計上済・登録済・在庫の商品識別情報を含む抽出結果テーブルT7を抽出する。
【0051】
図7に戻り、ステップS103以降の説明を続ける。
ステップS103において、表示制御部102bは、抽出部102aが抽出した商品識別情報および抽出条件に応じたステータス情報を対応付けた抽出結果を含む受託品仕入切替処理画面P1を出力装置114に出力することによって表示する。
【0052】
続いて、更新部102cは、自社資産への切り替えの対象とする商品識別情報が受託品仕入切替処理画面P1上で指定されると、ステータス情報に応じて、1)減算処理と、2)生成処理、または、加算処理と、を実行する、更新処理を実行する(ステップS103)。ステップS103の後、在庫管理装置100は、本処理を終了する。
【0053】
図12は、更新部102cによって更新された在庫データ106bにおける在庫データテーブルの一例を示す図である。なお、
図12に示す在庫データテーブルT8では、説明を簡略化するため、在庫として受託品および社内品の2つを1つの表で記載するが、これに限定されることなく、受託品および社内品の各々の表(在庫データテーブル)を作成して記憶部106に格納してもよい。また、
図12の在庫データテーブルT8では、在庫状態を示すバーコードに対し数量が「1」と仮定しているが、複数の数量の場合にも対応している。
【0054】
まず、更新部102cによって受託品が在庫および受注済(登録済)の場合に行う更新処理について説明する。
【0055】
図12に示すように、更新部102cは、自社資産への切り替えの対象とする商品識別情報が受託品仕入切替処理画面P1上で指定されると、ステータス情報に応じて、当該指定された商品識別情報および他社資産に相当する資産所有区分を含む在庫レコードに対する在庫数量の減算処理を行う。具体的には、
図12の在庫データテーブルT8における1列目m1、3列目m3および5列目m5に示すように、更新部102cは、自社資産への切り替えの対象とする商品識別情報が受託品仕入切替処理画面P1上で指定された場合、ステータス情報であるバーコード「2100000000001」、「2100000000002」、「2100000000003」に応じて、指定された商品識別情報および他社資産に相当する資産所有区分の受託品の在庫レコード「1」を「0」とする減算処理を行うことによって在庫データテーブルT8を更新する更新処理を行う。
【0056】
さらに、
図12に示すように、更新部102cは、オペレータによって指定された商品識別情報、減算処理での減算数量に応じた在庫数量、および自社資産に相当する資産所有区分を含む在庫レコードを生成し、この生成した在庫レコードを在庫データテーブルT8に格納する生成処理を行うことによって更新処理を行う。具体的には、
図12の在庫データテーブルT8における2列目m2、4列目m4および6列目m6に示すように、更新部102cは、オペレータによって指定された商品識別情報、上述した減算処理での減算数量に応じた在庫数量「1」(「0」→「1」)、および自社資産に相当する資産所有区分(例えば社内品)を含む在庫レコード(例えば2列目m2を参照)を新たに生成し、この在庫レコードを在庫データテーブルT8に格納することによって更新処理を行う。
【0057】
次に、更新部102cによって受託品が売上計上済の場合に行う更新処理について説明する。
【0058】
図12に示すように、更新部102cは、自社資産への切り替えの対象とする商品識別情報が受託品仕入切替処理画面P1上で指定されると、ステータス情報に応じて、当該指定された商品識別情報および他社資産に相当する資産所有区分を含む在庫レコードに対する在庫数量の減算処理を行う。具体的には、
図12の在庫データテーブルT8における7列目m7、9列目m9、11列目m11に示すように、更新部102cは、自社資産への切り替えの対象とする商品識別情報が受託品仕入切替処理画面P1上で指定された場合、ステータス情報であるバーコード「2100000000004」、「2100000000005」、「2100000000006」に応じて、指定された商品識別情報および他社資産に相当する資産所有区分の受託品の在庫レコード「0」(「1」→「0」)に減算する減算処理を行うことによって在庫データテーブルT8を更新する更新処理を行う。
【0059】
続いて、
図12の在庫データテーブルT8における8列目m8、10列目m10、12列目m12に示すように、更新部102cは、オペレータによって指定された商品識別情報、減算処理での減算数量に応じた在庫数量、および、指定された商品識別情報および自社資産に相当する資産所有区分を含む在庫レコードに対する在庫数量の加算処理を行うことによって更新処理を行う。具体的には、
図12の在庫データテーブルT8における7列目m17および8列目m18に示すように、更新部102cは、指定された商品識別情報および自社資産に相当する資産所有区分を含む在庫レコード「-1」に対する在庫数量の加算処理「0」(「-1」→「1」)を行うことによって更新処理を行う。
【0060】
このように在庫管理装置100によれば、在庫状態別(在庫、受注済、売上計上済)に、受託品を社内品に切り替え、仕入(債務)計上処理を行うことができる。さらに、在庫管理装置100によれば、オペレータが受託品仕入切替処理画面P1上で受託品となった日付や、仕入金額の合計、切り替えた際の粗利を確認する事が可能となっており、日付・金額ベースでの切り替えを行うことができる。さらにまた、在庫管理装置100によれば、同一商品だが、コード管理を1点ものとしている場合であっても、必要な数だけ社内品に切り替えられるよう、受託品仕入切替処理画面P1上で切替対象を選択することができる。
【0061】
以上説明した実施形態によれば、更新部102cが自社資産への切り替えの対象とする商品識別情報が受託品仕入切替処理画面P1上で指定されると、ステータス情報に応じて、1)減算処理と、2)生成処理、または、加算処理と、を実行するため、簡易に他社資産の受託品の管理を行うことができる。
【0062】
また、実施形態によれば、表示制御部102bが更新部102cによって減算処理と、生成処理または加算処理と、を実行した場合、他社資産に相当する資産所有区分が自社資産に相当する資産所有区分に切り替わった日付を受託品仕入切替処理画面P1に表示させる。この結果、オペレータは、受託品が自社資産に相当する資産所有区分に切り替わった日付を直感的に把握することができる。
【0063】
また、実施形態によれば、表示制御部102bが更新部102cによって減算処理と、生成処理または加算処理と、を実行した場合、他社資産に相当する資産所有区分が自社資産に相当する資産所有区分に切り替わった後の仕入金額の合計、売価金額の合計および粗利合計のいずれか1つ以上を受託品仕入切替処理画面P1に表示させる。この結果、オペレータは、仕入金額の合計、切り替えた際の粗利を直感的に把握することができる。
【0064】
また、実施形態によれば、抽出部10aが他社資産に相当する資産所有区分に紐付く商品識別情報の中から、抽出条件を満たす複数の商品識別情報を抽出し、表示制御部102bが複数の商品識別情報を受託品仕入切替処理画面P1に表示させる。その後、更新部102cが複数の商品識別情報の中から、オペレータによって指定された商品識別情報に対して、減算処理と、生成処理または加算処理と、を実行する。この結果、オペレータは、所望の商品に対して、受託品から社内品への切替操作を簡易に行うことができる。
【0065】
また、実施形態によれば、表示制御部102bが複数の商品識別情報を一括で選択可能な指示信号の入力を受け付ける一括選択ボタンB1を受託品仕入切替処理画面P1に表示させる。この結果、オペレータは、一つの操作で複数の商品識別情報を選択することができる。
【0066】
また、実施形態によれば、表示制御部102bが商品識別情報の受託日、受注日および売上日のいずれか一つ以上を受託品仕入切替処理画面P1に表示させる。この結果、オペレータは、受託品仕入切替処理画面P1上で受託品となった日付、受注日および売上日を直感的に把握することができる。
【0067】
また、実施形態によれば、表示制御部102bが計上済チェックボックスK13、登録済チェックボックスK14および在庫チェックボックスK15の各々を受託品仕入切替処理画面P1に表示させ、抽出部102aが他社資産に相当する資産所有区分に紐付く商品識別情報の中から、オペレータによって計上済チェックボックスK13、登録済チェックボックスK14および在庫チェックボックスK15のいずれか1つ以上の指定に基づく抽出条件を満たす商品識別情報を抽出する。この結果、オペレータは、直感的な操作で所望の抽出条件を指定することができる。
【0068】
また、実施形態によれば、表示制御部102bが受託開始日セルK7と、受託終了日セルK8と、受注開始日セルK9と、受注終了日セルK10と、売上開始日セルK11と、売上終了日セルK12と、を受託品仕入切替処理画面P1に表示させ、抽出部102aが他社資産に相当する資産所有区分に紐付く商品識別情報の中から、オペレータによって指定された各項目の期間に基づく抽出条件を満たす商品識別情報を抽出する。この結果、この結果、オペレータは、直感的な操作で所望の抽出条件を指定することができる。
【0069】
[4.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8および9に貢献することが可能となる。
【0070】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13および15に貢献することが可能となる。
【0071】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0072】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0073】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0074】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0075】
また、在庫管理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0076】
例えば、在庫管理装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。なお、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて在庫管理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0077】
また、このコンピュータプログラムは、在庫管理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0078】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0079】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0080】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0081】
また、在庫管理装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、在庫管理装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0082】
さらに、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明は、自社の社員または同グループ企業の社員への販売が混在する販売業務が存在する業界(例えば食品業界)などにおいて有用である。
【符号の説明】
【0084】
100 在庫管理装置
102 制御部
102a 抽出部
102b 表示制御部
102c 更新部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 商品データ
106b 在庫データ
106c 受注データ
106d 売上データ
106e 仕入データ
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク