(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-06
(45)【発行日】2024-08-15
(54)【発明の名称】胃瘻管用のガイドワイヤを位置決めするためのシステム、装置、及び方法
(51)【国際特許分類】
A61M 25/09 20060101AFI20240807BHJP
【FI】
A61M25/09 530
(21)【出願番号】P 2021509720
(86)(22)【出願日】2019-04-26
(86)【国際出願番号】 US2019029351
(87)【国際公開番号】W WO2019210170
(87)【国際公開日】2019-10-31
【審査請求日】2022-04-26
(32)【優先日】2018-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520420285
【氏名又は名称】コープテック,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】トロペッロ,スティーブン ピー.
(72)【発明者】
【氏名】キャロラン,ハワード
【審査官】川上 佳
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2007/0021685(US,A1)
【文献】特開2009-232917(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0094116(US,A1)
【文献】国際公開第2017/176881(WO,A1)
【文献】特表2010-532669(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0053770(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/09
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1端部と第2端部とを有し且つ管腔を規定する細長い管と、
前記細長い管の前記第1端部に結合された膨張性部材であって、前記膨張性部材
の内部が前記管腔を介して流体を受け入れることができるように前記管腔に流体的に結合された前記膨張性部材と、
第1端部と第2端部とを有するガイドワイヤを含むガイドワイヤ組立体であって、前記ガイドワイヤ組立体の前記第1端部
は、前記膨張性部材の壁を通じて前記膨張性部材の内部に少なくとも部分的に挿入されるように構成されている結合部材を含む、ガイドワイヤ組立体と、を備え、
前記結合部材は、当該結合部材を前記膨張性部材の内部に保持するための第1形態と、当該結合部材を前記膨張性部材の内部に挿入するための第2形態と、の間で移行するように構成され、
前記第1形態の前記結合部材は、前記ガイドワイヤの中心軸線に対して前記第2形態の前記結合部材よりも大きな径方向の広がりを有し、
前記結合部材は、前記結合部材に及ぶ外力がない場合に、付勢力によって前記第1形態に復元するシステム。
【請求項2】
前記管腔
は、第1管腔であり、
前記膨張性部材の壁は、開口を規定するために破裂するように構成されており、
前記システムは、
前記開口を規定するために前記膨張性部材の壁を穿孔するように構成されている針を更に備え、前記針は、前記膨張性部材の壁が前記針により穿孔されたときに前記膨張性部材の内部に連通する第2管腔を規定し、前記第2管腔は、前記ガイドワイヤ組立体を受け入れるように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
流体を更に含み、前記流体は、前記膨張性部材の位置を超音波によって可視化できるように、前記細長い管の前記管腔を介して前記膨張性部材
の内部に配置されるように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記膨張性部材の位置を蛍光透視法によって可視化できるように、前記細長い管の前記管腔を介して前記膨張性部材
の内部に配置されるように構成された造影剤をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記ガイドワイヤ組立体が形状記憶材料を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記形状記憶材料がニチノールである、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記結合部材が、前記第1形態でのピッグテール形状と、前記第2形態での細長い形状とを有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記結合部材が、前記第2形態での真っ直ぐなワイヤとして成形される、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記結合部材が、針の管腔内に前記第2形態で保持されている間に前記針の前記管腔内において
前記膨張性部材の壁を通して少なくとも部分的に並進させて、前記針が前記結合部材に対して引き抜かれたときに前記第1形態に移行することによって、前記膨張性部材に結合するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記細長い管に第1力を加えることによって前記ガイドワイヤ組立体を並進させることができるように、前記結合部材を前記膨張性部材に結合することができ、
前記第1力よりも大きく且つ前記第1力とは反対向きの第2力であって、前記第1力と同時に加わる前記第2力を前記ガイドワイヤ組立体に加えることによって、前記結合部材が前記膨張性部材から外れることができる、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記結合部材が、第1形態から第2形態に少なくとも部分的に移行することによって前記膨張性部材から外れることができる、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記膨張性部材がポリウレタンを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記結合部材が第1磁性構成要素を含み、且つ前記膨張性部材が第2磁性構成要素を含み、前記第1磁性構成要素が、前記細長い管の並進によって前記ガイドワイヤ組立体を並進させるように前記第2磁性構成要素に磁気的に結合するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、「Systems, Apparatus, and Methods for Placing a Guidewire for a Gastrostomy Tube」という名称の、2018年4月27日に出願された米国仮特許出願第62/663,766号の優先権及び利益を主張するものであり、その開示全体は、あらゆる目的のために参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本明細書で説明する実施形態は、患者の食道を迂回する経路からの患者の胃へのアクセスを提供するために胃瘻管用のガイドワイヤを位置決めするためのシステム、装置、及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 患者の中には、食物及び液体を飲み込む患者の能力を低下させる病状に苦しむ者もいる。そのような病状には、例えば、癌、昏睡、脳卒中、糖尿病、クローン病、神経障害、及びHIVが含まれる可能性がある。胃瘻管(「G管」とも呼ばれる)は、患者の口及び食道を迂回する、患者の胃に栄養を直接送達するための経路を提供するために使用することができる。米国では、年間で約25万本の胃瘻管が位置決めされる。胃瘻管を位置決めするいくつかの方法は、患者の腹壁及び胃壁を貫通する切開部を作製することと、管の一端部が胃内に配置され且つ第2端部が患者の外側に配置されるように胃瘻管を切開部内に固定することとを含む。しかしながら,切開部の作製によって、有害な出血が起こる可能性があり,偶発的に臓器に孔が開く危険性が生じる。したがって、多くの場合、胃瘻管を位置決めするために、胃腸科専門医(例えば、内視鏡検査を用いる)又は介入放射線科医(例えば、蛍光透視法又はコンピュータ断層撮影などの画像診断法を使用する経皮放射線的胃瘻造設術による)などの高度な技術を有する専門医が必要とされる。
【0004】
[0004] したがって、患者への危険性を低減するとともに、胃瘻管が胃と連通するように迅速且つ容易に位置決めされ固定されることを可能にする、胃瘻管を位置決めするシステム、装置、及び方法が必要である。
【発明の概要】
【0005】
[0005] 本明細書では、胃瘻管用のガイドワイヤを位置決めするためのシステム、装置、及び方法について説明する。いくつかの実施形態では、システムは、細長い管と、膨張性部材と、ガイドワイヤ組立体とを含む。細長い管は、第1端部と、第2端部とを有することができ、且つ管腔を規定することができる。膨張性部材は、細長い管の第1端部に結合させることができ、且つ膨張性部材が管腔を介して流体を受け入れることができるように管腔に流体的に結合させることができる。ガイドワイヤ組立体は、第1端部と第2端部とを有するガイドワイヤを含むことができる。ガイドワイヤ組立体の第1端部は、結合部材を含むことができ、結合部材は、細長い管の並進によってガイドワイヤ組立体を並進させるように膨張性部材に結合するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】[0006]
図1は、実施形態による、患者の一部分の概略図である。
【
図2】[0007]
図2は、実施形態による、ガイドワイヤ位置決めシステムの概略図である。
【
図3】[0008]
図3は、実施形態による、方法のフローチャートである。
【
図4】[0009]
図4は、非膨張形態にある、実施形態による、患者の食道及び胃を通して延出させたシステムの膨張組立体の概略図である。
【
図5】[0010]
図5は、膨張組立体が膨張形態にある
図4のシステムの概略図である。
【
図6】[0011]
図6は、
図5の膨張組立体の膨張性部材を貫通する針を含む
図4のシステムの概略図である。
【
図7】[0012]
図7は、ガイドワイヤ組立体が針を通って膨張性部材内に延びる、
図4のシステムの概略図である。
【
図8】[0013]
図8は、針が取り外された
図4のシステムの概略図である。
【
図9】[0014]
図9は、ガイドワイヤ組立体が膨張組立体によって食道内に部分的に引き込まれた
図4のシステムの概略図である。
【
図10】[0015]
図10は、ガイドワイヤが患者の外側から、開口部を通って、食道を通って、胃を通って、及びアクセス開口を介して患者の外側に延びる、
図4のシステムの概略図である。
【
図11】[0016]
図11は、ガイドワイヤ組立体が膨張組立体から分離された
図4のシステムの概略図である。
【
図12】[0017]
図12は、結合部材がガイドワイヤ組立体から分離された
図4のシステムの概略図である。
【
図13】[0018]
図13は、栄養管がガイドワイヤ組立体上に通された
図4のシステムの概略図である。
【
図14】[0019]
図14は、栄養管が胃壁と係合され且つ胃壁におけるアクセス開口を通って延びる、
図4のシステムの概略図である。
【
図15】[0020]
図15は、代替的な係合方法による、針が膨張性部材を通って延びる、
図4のシステムの概略図である。
【
図16】[0021]
図16は、ガイドワイヤ組立体が針に通された、
図15のシステムの概略図である。
【
図17】[0022]
図17は、針が取り外され且つガイドワイヤ組立体が膨張性部材を通って延びる、
図15のシステムの概略図である。
【
図18】[0023]
図18は、膨張組立体がガイドワイヤ組立体を並進させた、
図15のシステムの概略図である。
【
図19】[0024]
図19は、膨張組立体がガイドワイヤ組立体をさらに並進させた、
図15のシステムの概略図である。
【
図20A】[0025]
図20Aは、種々の実施形態による、結合部材の種々のピッグテール形態の概略図である。
【
図20B】[0025]
図20Bは、種々の実施形態による、結合部材の種々のピッグテール形態の概略図である。
【
図20C】[0025]
図20Cは、種々の実施形態による、結合部材の種々のピッグテール形態の概略図である。
【
図20D】[0025]
図20Dは、種々の実施形態による、結合部材の種々のピッグテール形態の概略図である。
【
図21A】[0026]
図21Aは、種々の実施形態による、2次元結合部材の種々の形態の概略図である。
【
図21B】[0026]
図21Bは、種々の実施形態による、2次元結合部材の種々の形態の概略図である。
【
図21C】[0026]
図21Cは、種々の実施形態による、2次元結合部材の種々の形態の概略図である。
【
図21D】[0026]
図21Dは、種々の実施形態による、2次元結合部材の種々の形態の概略図である。
【
図21E】[0026]
図21Eは、種々の実施形態による、2次元結合部材の種々の形態の概略図である。
【
図21F】[0026]
図21Fは、種々の実施形態による、2次元結合部材の種々の形態の概略図である。
【
図22】[0027]
図22は、実施形態による、3次元結合部材の概略図である。
【
図23】[0028]
図23は、種々の実施形態による、膨張組立体とガイドワイヤ組立体との種々の係合形態の概略図である。
【
図24】[0028]
図24は、種々の実施形態による、膨張組立体とガイドワイヤ組立体との種々の係合形態の概略図である。
【
図25】[0028]
図25は、種々の実施形態による、膨張組立体とガイドワイヤ組立体との種々の係合形態の概略図である。
【
図26】[0028]
図26は、種々の実施形態による、膨張組立体とガイドワイヤ組立体との種々の係合形態の概略図である。
【
図27】[0029]
図27は、実施形態による、ガイドワイヤ組立体と係合させた第1膨張状態にある膨張組立体の概略図である。
【
図28】[0030]
図28は、第2膨張状態にある
図27の膨張組立体及びガイドワイヤ組立体の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[0031] いくつかの実施形態では、システムは、細長い管と、膨張性部材と、ガイドワイヤ組立体とを含む。細長い管は、第1端部と、第2端部とを有することができ、且つ管腔を規定することができる。膨張性部材は、細長い管の第1端部に結合させることができ、且つ膨張性部材が管腔を介して流体を受け入れることができるように管腔に流体的に結合させることができる。ガイドワイヤ組立体は、第1端部と第2端部とを有するガイドワイヤを含むことができる。ガイドワイヤ組立体の第1端部は、結合部材を含むことができ、結合部材は、細長い管の並進によってガイドワイヤ組立体を並進させるように膨張性部材に結合するように構成される。
【0008】
[0032] いくつかの実施形態では、方法は、患者の開口部を通して、患者の食道を通して、及び患者の胃内まで細長い管の膨張性部材を並進させることを含むことができる。次いで、膨張性部材は、膨張性部材が非膨張形態から膨張形態に移行するように、細長い管の管腔を介して膨張させることができる。ガイドワイヤ組立体の結合部材は、胃の胃壁を通して並進させることができる。ガイドワイヤ組立体は、結合部材に結合された第1端部と、患者の外側に配置された第2端部とを有するガイドワイヤを含むことができ、ガイドワイヤは胃壁を通って延びる。結合部材は、膨張性部材に結合させることができる。細長い管は、結合部材及びガイドワイヤの第1端部が開口部から引き抜かれるように、並びにガイドワイヤが患者の食道、胃及び胃壁を通って延び、且つガイドワイヤの第2端部が患者の外側に配置されるように、開口部を通して引き抜くことができる。
【0009】
[0033] いくつかの実施形態では、方法は、患者の開口部を通して細長い管の膨張性部材を患者内の第1位置まで並進させることを含むことができる。次いで、膨張性部材は、膨張性部材が非膨張形態から膨張形態に移行するように、細長い管の管腔を介して膨張させることができる。ガイドワイヤ組立体の結合部材は、患者の組織壁を通して第1位置の近傍の患者内の第2位置まで並進させることができる。ガイドワイヤ組立体は、結合部材に結合された第1端部と、患者の外側に配置された第2端部とを有するガイドワイヤを含むことができる。ガイドワイヤは、結合部材が第2位置に配置されたときに組織壁を通って延びることができる。次いで、結合部材は、膨張性部材に結合させることができる。その後、細長い管は、結合部材及びガイドワイヤの第1端部が開口部から引き抜かれるように、並びにガイドワイヤが患者の開口部、第1位置及び組織壁を通って延び、且つガイドワイヤの第2端部が患者の外側に配置されるように、開口部を通して引き抜くことができる。
【0010】
[0034]
図1は、患者Pの一部分の概略図である。患者Pは、開口部Oと、食道Eと、胃Sとを有する。開口部Oは、例えば、口腔又は鼻腔とすることができる。開口部Oは食道Eに結合され、且つ食道Eは、胃食道接合部Jにおいて胃Sに結合される。したがって、胃Sは、開口部Oから食道Eを介してアクセス可能である。胃Sは、胃壁Wを穿刺することによって胃Sの内部にアクセスできるような胃壁Wを含む。
【0011】
[0035] 患者Pが食物及び/又は液体を飲み込むことが困難である場合に、胃瘻管を通して胃に栄養を直接提供できるように胃壁Wに作られた胃瘻造設経路を介して胃瘻管を位置決めすることができる。例えば、胃壁Wは、胃瘻造設経路を作るために連続的に拡張させることができる。しかしながら,胃瘻造設経路の連続的な外側への拡張は、非常に時間がかかる。胃瘻造設の別の例として、剛性カテーテルの第1端部は、胃壁Wに予め形成された胃瘻造設経路を通して、胃Sを通して、及び食道Eを通して透視下で胃食道接合部Jに導くことができる。胃食道接合部Jを通して剛性カテーテルの第1端部を並進させた後に、ガイドワイヤは、カテーテルを通して、カテーテルの第1端部の外まで、及び患者の開口部Oを通して並進させることができる。次いで、胃瘻管は、ガイドワイヤ上で並進させ、且つ胃壁Wと係合する胃瘻造設経路に固定することができる。例えば、胃瘻管は、開口部Oから、食道Eを通って、胃S内に至り、胃壁Wと係合するようにガイドワイヤに押し被せることができる。代替的に、胃瘻管は、開口部Oから延びるガイドワイヤの第1端部(例えば、ループ状の端部)に結合させ、開口部Oを通して、食道Eを通して、胃S内に引き込まれ、ガイドワイヤによって胃壁Wと係合することができる。しかしながら、患者内を通してカテーテル及びガイドワイヤを誘導することは、困難であり且つ患者に危険を及ぼす可能性がある。例えば、患者内を通して剛性カテーテルを誘導するために蛍光透視法を長時間使用することは、患者への放射線誘発損傷の危険性を伴う。さらに、患者内を通してカテーテル及びガイドワイヤを誘導するのに内部案内(例えば、蛍光透視法)が使用されない場合、カテーテルは、患者内を通る経路を通り抜けるために、より高い剛性を有する必要があることがある。しかしながら、剛性の高いカテーテルは、意図しない破断及び/又は穿孔によって組織を損傷させる可能性が高い。
【0012】
[0036] しかしながら、いくつかの実施形態では、ガイドワイヤは、患者の食道及び開口部(例えば、鼻腔又は口腔)を通してガイドワイヤを引っ張ることができるように、患者の胃壁に挿通して胃内の細長い管に結合させることができる。例えば、
図2は、システム100の概略図である。システム100は、膨張組立体110とガイドワイヤ組立体120とを含む。膨張組立体110は、細長い管112と膨張性部材114とを含むことができる。細長い管112は、第1端部111と第2端部113とを有することができる。いくつかの実施形態では、細長い管112は、患者の少なくとも口腔又は鼻腔から患者の食道を介して患者の胃まで延びるのに十分な長さを有することができる。膨張性部材114は、細長い管112の第1端部111又はその近傍において、細長い管112に結合させることができる。膨張組立体110は、膨張性部材114と流体連通する膨張管腔116を含むことができる。いくつかの実施形態では、膨張管腔116は、細長い管112内に配置し及び/又は細長い管112によって規定することができる。
【0013】
[0037] いくつかの実施形態では、膨張性部材114は、膨張形態及び/又は非膨張形態において、細長い管112を取り囲むことができる。いくつかの実施形態では、膨張性部材114は、膨張形態及び/又は非膨張形態において、細長い管112から横方向に延びることができる。いくつかの実施形態では、膨張性部材114は、膨張形態及び/又は非膨張形態において、細長い管112の第1端部111から遠位側に延びることができる。いくつかの実施形態では、膨張性部材114は、膨張性部材114が膨張形態及び/又は非膨張形態にあるときに細長い管112の一部分が膨張性部材114の遠位側に延びるように、細長い管112上に配置することができる。いくつかの実施形態では、膨張性部材114は、2つの端部(例えば、カフ)を有することができ、且つ各端部は、細長い管112の外面に封着させることができる。細長い管112は、膨張性部材114を膨張形態と非膨張形態との間で移行させるために膨張管腔116が膨張性部材114の内部と流体連通するように、1つ又は複数の膨張孔を規定することができる。いくつかの実施形態では、膨張性部材114は、硬質の部分組立品上に、又は硬質の部分組立品の一部として形成することができ、硬質の部分組立品は、部分組立品の開口部内に細長い管112を受け入れることができ、次いで、細長い管112は部分組立品に封着させることができる。
【0014】
[0038] いくつかの実施形態では、膨張性部材114は、任意の好適な形状で、任意の適切なサイズで、且つ任意の好適な材料で形成することができる。例えば、膨張性部材114は、楕円形、球形、円筒形、矩形、涙滴形、又は任意の他の好適な形状とすることができる。いくつかの実施形態では、形状は、システム100の特定の用途に基づいて選択することができる。例えば、膨張性部材114の形状は、患者の身体の特定の領域における超音波可視化を改善するように選択されてもよい。さらに、膨張性部材114は、膨張性部材114とガイドワイヤ組立体120との係合及び保持を改善するような寸法とすることができる。
【0015】
[0039] 膨張性部材114は、穿刺の結果として破裂又は破断するのではなく膨張性部材114の壁に小さな孔を規定するために、(例えば、膨張させたときに)膨張性部材114を(例えば、針によって)穿刺できるように十分に柔軟なものとすることができる。いくつかの実施形態では、膨張性部材114は、例えば、ポリウレタン、シリコーン、及び/又はポリ塩化ビニル(PVC)で形成することができる。いくつかの実施形態では、膨張性部材114は、任意の好適な材料特性、壁厚、及び/又は膨張時の最外径を有することができる。
【0016】
[0040] いくつかの実施形態では、例えば、膨張性部材114は、楕円形状とし、且つ低デュロメータウレタンで形成することができる。膨張性部材114は、膨張形態での約40mm~約55mmの範囲の最外径と、約55mmの長さとを有することができる。膨張性部材114は、各端部において約5.46mm~約5.72mmの範囲の直径を有することができる。膨張形態にある最大バルーン直径における壁厚は、約0.029mm~約0.038mmとすることができる。膨張性部材114は、例えば、膨張形態では最大約50mlの流体で満たすことができる。
【0017】
[0041] ガイドワイヤ組立体120は、第1端部121と第2端部123とを有するガイドワイヤ122と、ガイドワイヤ122の第1端部121に配置された結合部材124とを含むことができる。結合部材124は、結合させたときに膨張組立体110の並進(例えば、第2端部113の引っ張りによる細長い管112の並進)によってガイドワイヤ組立体120が並進できるように、膨張性部材114に結合するように構成することができる。例えば、細長い管112に加わる力によって膨張性部材114を第1方向に移動させる場合に、結合部材124を膨張性部材114に結合することで、結合部材124及びガイドワイヤ122も第1方向に移動させることができる。結合部材124は、例えば、膨張性部材114によって捕捉されるか、膨張性部材の内部領域内に捕捉されるか、又は膨張性部材114の表面と係合されることによって、膨張性部材114と結合するように構成することができる。
【0018】
[0042] いくつかの実施形態では、結合部材124は、ガイドワイヤ122とは別個のものとし、且つ(例えば、接着剤によって)ガイドワイヤ122に固定的に結合させることができる。例えば、いくつかの実施形態では、結合部材124は、膨張性部材114の第2磁性部材に結合するように構成された第1磁性部材を含むことができる。
【0019】
[0043] いくつかの実施形態では、ガイドワイヤ122は、結合部材124を含むことができる。例えば、結合部材124は、ガイドワイヤ組立体120が単一片構造となるように、ガイドワイヤ122のシャフトと一体に形成することができる。同様に、いくつかの実施形態では、結合部材124及びガイドワイヤ122は、1つ又は複数の同じ材料で形成することができる。いくつかの実施形態では、結合部材124は、結合部材124が膨張性部材114の壁の少なくとも一部分と係合できるように成形することができる。例えば、結合部材124は、平面形状又は多面形状を有することができ、且つガイドワイヤ122に対するピッグテール状、フック状、コイル状、又はコルクねじ状の端部として形成することができる。したがって、いくつかの実施形態では、ガイドワイヤ122の第1端部121は、結合部材124が膨張性部材114内に配置されたときに、結合部材124によって膨張性部材114内に又は膨張性部材114の近傍に保持することができる。いくつかの実施形態では、結合部材124と膨張性部材114の第1壁部分との相互作用によりガイドワイヤ122が膨張性部材114によって保持されるように、ガイドワイヤ122が膨張性部材114の第1壁部分と、対向配置された第2壁部分とを貫通した状態で、結合部材124を膨張性部材114の外側に配置することができる。いくつかの実施形態では、膨張組立体110の移動によるガイドワイヤ組立体120の並進のためにガイドワイヤ組立体120が膨張性部材114に結合されるように、結合部材124を膨張性部材114内に部分的に配置し、且つ膨張性部材114の外側に部分的に配置することができる。
【0020】
[0044] いくつかの実施形態では、結合部材124は、挿入のための第2形態と保持又は結合のための第1形態との間で移行するように構成することができる。例えば、結合部材124が、第2形態では針130の管腔135の内側に収まることができ、且つ第2形態では拡張してガイドワイヤ124を膨張性部材114に対して保持できるように、結合部材124は、第2形態と比較して第1形態では、ガイドワイヤ124の中心軸線に対して大きな横方向の広がり(例えば、最外径)を有することができる。いくつかの実施形態では、結合部材124は、第1形態での第1形状と、第2形態での第2形状とを有することができ、結果として、結合部材124は、第2形態では膨張性部材114の少なくとも一方の側壁の開口を通って進むことができ、且つ膨張性部材114によって結合部材124が保持されるように、第1形態では膨張性部材114の側壁に係合することができる。いくつかの実施形態では、結合部材124は、結合部材124に及ぶ外力がない場合に、結合部材124が第1形態となるように付勢することができる。いくつかの実施形態では、結合部材124は、第2形態において、結合部材が真っ直ぐなワイヤとして成形されるように細長いものとすることができる。第1形態は、結合部材(例えば、ピッグテール、フック、コイル、又はコルクねじ形状)の非付勢形状又は形態に相当することができる。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤ122及び/又は結合部材124は、例えばニチノールなどの形状記憶材料で形成することができる。
【0021】
[0045] いくつかの実施形態では、結合部材124が針130の管腔135内にあるときに、針130は、結合部材が第2形態となるように結合部材124を圧縮することができる。したがって、結合部材124は、針130内にないときと比較して針130の管腔135内に配置されたときに、ガイドワイヤ124の中心軸線に対して小さな横方向の広がり(例えば、最外径)を有することができる。いくつかの実施形態では、管腔135及び結合部材124は、結合部材124が針130の管腔135内において真っ直ぐ又は略真っ直ぐになることができるような構造及び寸法とすることができる。例えば、管腔135は、結合部材124を横方向に圧縮してより小さな外径を有する形状にし、及び/又は針130の管腔135内で伸長させることができるように、結合部材124の外径(例えば、ガイドワイヤ組立体120の結合部材124部分を形成するワイヤの外径)と同様の内径を有することができる。いくつかの実施形態では、結合部材124を形成するワイヤの外径及び管腔135の内径は、結合部材124を形成するワイヤの外径が管腔135の内径よりも僅かに小さくなり且つ結合部材124と管腔130を規定する針130の内面とが滑り嵌めによって係合できるような相対的寸法とすることができる。したがって、結合部材124が針130の管腔135内に通されたときに、結合部材124を形成するワイヤは、管腔135の形状に対応するように真っ直ぐに伸ばされる。結合部材124を針
130の第1端部131の外まで並進させると、結合部材124は、第2形態から第1形態に移行することができる。例えば、結合部材124を針130の第1端部131から延出させると、第1端部131から延びる結合部材124の部分は、第1形態となるように付勢されることによって第1形態に移行することができ、その一方で、針130の管腔135内に留まる結合部材124の部分は、第2形態のままにすることができる。結合部材124が完全に針130の外側にある場合、結合部材124は、完全に第1形態にすることができる。
【0022】
[0046] いくつかの実施形態では、結合部材124は、膨張性部材114に及ぶ並進力が、結合部材124に及ぶ並進力とは反対方向の力よりも大きい場合に、膨張性部材114によって第1方向に並進させられるように構成することができる。結合部材124及び膨張性部材114は、結合部材124に及ぶ力が反対方向であり且つ膨張性部材114に及ぶ並進力よりも大きい場合に外れるように構成することができる。例えば、結合部材124がガイドワイヤ122に対するピッグテール状の端部であるいくつかの実施形態では、膨張性部材114に加わる力とは反対方向に結合部材124に十分な力を加えることによって、ピッグテール状の端部が真っ直ぐに伸びて膨張性部材114から外れることができる。したがって、いくつかの実施形態では、反対方向に向かう引っ張り力を結合部材124及び膨張性部材114の各々に加えることによって、結合部材124と膨張性部材114とを外すことができる。いくつかの実施形態では、結合部材124を膨張性部材114から分離するのに必要な解除力(例えば、反対方向に向かう引っ張り力による)が、膨張組立体110の引っ張りによる患者からの結合部材124の引き抜き中にガイドワイヤ122(ひいては結合部材124)に膨張性部材114とは反対方向に加わる最大力よりも大きな力となるように、結合部材124と膨張性部材114とを係合させることができる。したがって、解除力は、ガイドワイヤ122の結合部材124の引き抜きの際に不注意で引き抜き中に膨張性部材114と結合部材124とが分離されないが、膨張性部材114及び結合部材124が患者の身体の外側にあるときに、例えば、使用者が引っ張ることによって膨張性部材114と結合部材124とを分離できるように十分に高い。例えば、いくつかの実施形態では、解除力は、少なくとも約0.25ポンドの力、少なくとも約0.5ポンドの力、又は少なくとも約1.5ポンドの力とすることができる。非胃瘻造設術用途などの、システム100のいくつかの用途では、解除力は、膨張組立体110に及ぶ引き抜き力によって結合部材124及びガイドワイヤ122が引き抜き中に受ける可能性のある抵抗力に応じて大きくても小さくてもよい。
【0023】
[0047] いくつかの実施形態では、結合部材124は、結合部材124を膨張性部材114に挿入及び/又は挿通できるように、膨張性部材114を穿刺するように構成することができる。いくつかの実施形態では、システム100は、任意選択的に、第1端部131と第2端部133とを有し且つ管腔135を規定する針130を含むことができる。第1端部131は、膨張性部材114を穿刺して膨張性部材114へのアクセスを可能にするように構成された任意の好適な形状を有することができる。例えば、第1端部131は、テーパ状とすることができる鋭利な先端を有することができる。管腔135は、針130の第2端部123を通して、管腔135を通して、及び第1端部121を通してガイドワイヤ組立体120の結合部材124を並進させることができるような寸法とすることができる。いくつかの実施形態では、針130は、患者の胃壁に挿通し且つ膨張性部材114の側壁に挿通することができる。次いで、結合部材124及びガイドワイヤ122の一部分は、結合部材124とガイドワイヤ122の一部分の少なくとも一方が膨張性部材114内に少なくとも部分的に配置されるように、針130の管腔135を通して並進させることができる。その後、針130は、針130をガイドワイヤ122に沿って並進させることによって膨張性部材114から取り外すことができる。
【0024】
[0048] いくつかの実施形態では、膨張性部材114は、患者の胃内に配置された後に流体(例えば、液体流体又はガス状流体)で満たし及び/又は膨張させることができる。例えば、膨張性部材114は、膨張性部材114が、超音波画像診断を使用して検出可能なエコー発生空間を規定するように、流体及び/又は造影剤で満たし及び/又は膨張させることができる。いくつかの実施形態では、膨張性部材114は、蛍光透視法を使用して膨張性部材114の位置を可視化できるように、造影剤で満たし及び/又は膨張させることができる。また、膨張性部材114を膨張させることで、針130及び/又はガイドワイヤ122が側壁をより容易に穿刺できるように膨張性部材の側壁の表面張力を高めることができる。さらに、膨張性部材114の膨張によって、結合部材124を拡張させ及び/又は配置できるより広い内部空間を作り出すことができる。また、膨張性部材114の可視化のために並びに膨張性部材114を針130及び/又は結合部材124の標的にするために、膨張性部材114の膨張によって、膨張性部材の目標サイズを大きくすることができる。
【0025】
[0049] 使用時に、膨張組立体110は、膨張性部材114が患者の胃に配置され且つ細長い管112が胃内の膨張性部材114から食道を通って患者の開口部の外に延びるように、患者の開口部(例えば、患者の鼻又は口)に挿通し、患者の食道に挿通し、且つ患者の胃に挿入することができる。次いで、流体は、膨張管腔116を介して膨張性部材114に送達することができる。上で説明したように、流体は、画像化(例えば、超音波又は蛍光透視法)によって膨張性部材114が検出可能となるように、流体及び/又は造影剤を含むことができる。その後、膨張性部材114は、膨張性部材114の位置を特定できるように可視化することができる。
【0026】
[0050] 膨張性部材114の位置を可視化しながら、ガイドワイヤ組立体120を胃の胃壁に挿通して膨張性部材114に結合させることができる。例えば、針130は、針130の第1端部131(例えば先端)が膨張性部材114内に配置されるように、患者の腹壁及び胃壁に挿通し且つ膨張性部材114の側壁に挿通することができる。結合部材124及びガイドワイヤ122の一部分は、針130の管腔135に挿通し、管腔135を通して並進させる(例えば、前進させる)ことができる。次いで、結合部材124は、結合部材124が膨張性部材114内に配置されるように、針130の第1端部131の外まで並進させることができる。次いで、針130は、結合部材124及びガイドワイヤ122に対する針130の並進によって、結合部材124を膨張性部材114内に残し且つガイドワイヤ122が膨張性部材114の壁を通って延びたままで、患者から引き抜くことができる。追加的に、膨張性部材114は、食道を通して結合部材124と縦に並んだ状態で引き抜かれるための準備として収縮させることができる。
【0027】
[0051] 次いで、細長い管112は、膨張性部材114が結合部材124及びガイドワイヤ122を並進させるように患者の開口部を通して並進させる(例えば、引っ張る)ことができる。例えば、細長い管112は、食道を通して開口部の外まで膨張性部材114、結合部材124、及びガイドワイヤ122の第1端部121を並進させてガイドワイヤが第1端部121から、開口部を通って、食道を通って、胃内に、及び胃壁を通って、患者の外側に配置された第2端部123まで延びるまで、開口部に対して並進させることができる。したがって、ガイドワイヤ122の第1端部121は、患者の鼻又は口から延び、患者の頭部の近傍でアクセス可能とすることができ、且つガイドワイヤ122の第2端部123は、患者の胃壁から延び、患者の腹部の近傍でアクセス可能とすることができる。次いで、栄養管(図示せず)は、ガイドワイヤ122の第1端部121に押し被せ、栄養管の一部分が患者の皮膚又はその近傍における患者の外側に配置され且つ栄養管の一部分が患者の胃内に配置されるまで、ガイドワイヤ122に沿って食道を通して、胃内まで、及び胃壁を通して並進させることができる。その後、ガイドワイヤ122は、ガイドワイヤ122の第1端部121が、患者の胃壁を通して、胃を通して、食道を通して、及び患者の口腔又は鼻腔から引き出されるように、ガイドワイヤ122の第2端部123に引き戻し(例えば、引っ張り)力を加えることによって患者から取り外すことができる。代替的に、ガイドワイヤ122は、ガイドワイヤ122の第1端部121が、患者の口腔又は鼻腔を通して、食道を通して、胃を通して、胃壁から、及び患者の皮膚から引き出されるように、ガイドワイヤ122の第2端部123に引き戻し力を加えることによって患者から取り外すことができる。したがって、栄養管は、食道を通り抜けることなく栄養管を介して食物又は液体を胃内に配置できるように、患者の胃への直接アクセスを提供することができる。
【0028】
[0052] いくつかの実施形態では、膨張性部材114は、食道を介して結合部材124を患者の身体の外側に移動させるのではなく、結合部材124を身体の別の領域(例えば、胃の別の領域又は胃の外側)に移動させるために使用することができる。
【0029】
[0053]
図3は、実施形態による、方法200のフローチャートである。方法200は、上で説明したシステム100などの、本明細書で説明するシステム又は装置のいずれかを使用して実行することができる。方法200は、患者の開口部を通して、患者の食道を通して、及び患者の胃内まで細長い管の膨張性部材を並進させる202ことを含む。流体(例えば、液体流体又はガス状流体)は、膨張性部材が非膨張形態から膨張形態に移行するように、細長い管の管腔を介して膨張性部材に提供する204ことができる。いくつかの実施形態では、流体は造影剤を含むことができ、且つ方法200は、任意選択的に、超音波又は蛍光透視法によって膨張性部材の位置を可視化することを含むことができる。ガイドワイヤ組立体の結合部材は、胃の胃壁を通して並進させる206ことができる。ガイドワイヤ組立体は、結合部材に結合された第1端部と、患者の外側に配置された第2端部とを有するガイドワイヤを含むことができる。ガイドワイヤは、胃壁を通って延びることができる。いくつかの実施形態では、針は、胃の胃壁に挿通し、膨張性部材の側壁に挿通することができ、且つガイドワイヤ組立体の結合部材は、針の管腔を通して少なくとも部分的に並進させることができる。
【0030】
[0054] 結合部材は、膨張性部材に結合させることができる。いくつかの実施形態では、膨張性部材は、第1側壁部分と、第2側壁部分とを有することができ、且つ針は、ガイドワイヤ組立体の結合部材を膨張性部材の外側に配置できるように、第1側壁部分と第2側壁部分の両方を通して並進させることができ、且つガイドワイヤは、結合部材が膨張性部材に結合されるように、第1側壁と第2側壁とを貫通することができる。いくつかの実施形態では、結合部材は、結合部材が渦巻き状に巻かれる第1形態と、結合部材が真っ直ぐである第2形態との間で移行するように構成され、結合部材は第1形態となるように付勢される。次いで、膨張性部材への結合部材の結合は、結合部材が第2形態から第1形態に少なくとも部分的に移行するように、結合部材を針の遠位端部の遠位側に並進させることと、結合部材が膨張性部材によって胃内に保持されるように、結合部材に対して針を引き抜くこととを含むことができる。
【0031】
[0055] 細長い管は、結合部材及びガイドワイヤの第1端部が開口部から引き抜かれるように、並びにガイドワイヤが患者の食道、胃及び胃壁を通って延び、且つガイドワイヤの第2端部が患者の外側に配置されるように、開口部を通して引き抜く210ことができる。
【0032】
[0056]
図4~
図19は、種々の動作段階におけるシステム300の概略図である。システム300は、上で説明したシステム100などの、本明細書で説明するシステム又は装置のいずれかと構造及び/又は機能が同一又は同様のものとすることができる。
図4に示すように、膨張組立体310は、細長い管312と、細長い管312の第1端部311の近傍に配置された膨張性部材314とを含むことができる。膨張組立体310の一部分は、膨張性部材314が患者の胃Sに配置され且つ細長い管312が膨張性部材314から食道Eを通って患者の開口部Oの外に延びるように、患者の開口部O(例えば、患者の鼻又は口)に挿通し、患者の食道Eに挿通し、且つ患者の胃Sに挿入することができる。
【0033】
[0057]
図5に示すように、流体(例えば、液体流体又はガス状流体)は、膨張性部材314が満たされ及び/又は膨張されるように、細長い管312の膨張管腔(図示せず)を介して膨張性部材314に送達することができる。例えば、膨張性部材314は、膨張性部材314が、超音波画像診断を使用して検出可能なエコー発生空間を規定するように、流体及び/又は造影剤で満たし及び/又は膨張させることができる。いくつかの実施形態では、膨張性部材314は、蛍光透視法を使用して膨張性部材314の位置を可視化できるように、造影剤で満たし及び/又は膨張させることができる。その後、膨張性部材314は、膨張性部材314の位置を特定できるように画像化(例えば超音波又は蛍光透視法)を使用して可視化することができる。
【0034】
[0058]
図6に示すように、針330は、針330の第1端部331(例えば先端)が膨張性部材314内に配置されるように、患者の胃壁Wに挿通し且つ膨張性部材314の側壁部分315に挿通することができる。針330は、画像化(例えば、超音波又は蛍光透視法)を使用して、膨張性部材を標的とし、膨張性部材と係合することができる。
図7に示すように、結合部材324とガイドワイヤ322とを含むガイドワイヤ組立体320は、針330の管腔に挿通し、結合部材324が膨張性部材314内に配置されるまで針330の管腔を通して並進させる(例えば、前進させる)ことができる。
図7に示すように、結合部材324は、針330の第1端部331から延出させたときにピッグテール形状に移行するように構成することができる。結合部材324は、ピッグテール形状に移行するものとして示されているが、例えば、フック、コイル、又はコルクねじ形状などの、任意の好適な形状に移行するように構成することができる。
【0035】
[0059] 次に、
図8に示すように、針330は、結合部材324及びガイドワイヤ322に対する針330の並進によって、結合部材324を膨張性部材314内に残し且つガイドワイヤ322が膨張性部材314の壁部分315を通って延びたままで、患者から引き抜くことができる。追加的に、膨張性部材314は、食道を通して引き抜かれるための準備として収縮させることができる。
【0036】
[0060] 次に、
図9及び
図10に示すように、細長い管312は、膨張性部材314が結合部材324及びガイドワイヤ322を並進させるように、患者の開口部Oを通して縦に並んだ状態で並進させる(例えば、引っ張る)ことができる。例えば、細長い管312は、(
図9に示すように)食道Eを通して(
図10に示すように)開口部Oの外まで膨張性部材314、結合部材324、及びガイドワイヤ322の第1端部321を並進させるまで、開口部Oに対して並進させることができ、その結果、ガイドワイヤ322が、患者の外側の結合部材324の位置から、開口部Oを通って、食道Eを通って、胃S内に、及び胃壁Wを通って、患者の外側に配置されたガイドワイヤ322の第2端部323まで延びる。したがって、ガイドワイヤ322の第1端部321は、患者の鼻又は口から延び、患者の頭部の近傍でアクセス可能とすることができ、且つガイドワイヤ322の第2端部323は、患者の胃壁から延び、患者の腹部の近傍でアクセス可能とすることができる。
【0037】
[0061] 次に、
図11に示すように、膨張性部材314は、任意選択的に、ガイドワイヤ組立体320の結合部材324から外すことができる。例えば、使用者は、膨張性部材に第1力を加え、且つ結合部材324に第2力を第1力とは反対方向に加えることができる。反対方向の力によって、ピッグテール状の結合部材324が真っ直ぐに伸びて膨張性部材314から外れる(例えば、ガイドワイヤ322が内部に配置される針330によって作成された開口部から滑り出る)ことができる。
【0038】
[0062]
図12に示すように、栄養管がガイドワイヤ322に沿って通されるのを結合部材324が妨げないように、結合部材324をガイドワイヤ組立体320の残り部分から分離することができる。例えば、結合部材324をガイドワイヤから取り外すことができるように、ガイドワイヤ組立体320をガイドワイヤ322の第1端部321の近傍で切断することができる。その後、使用者は、結合部材324を廃棄することができる。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤ組立体320の残り部分から結合部材324を分離する前にガイドワイヤ組立体320から結合部材324を外すのではなく、ガイドワイヤ組立体320の残り部分からの結合部材324の分離の際に膨張性部材314と結合部材324とを係合させたままにすることができる。その後、使用者は、結合部材324と膨張性部材314とを同時に廃棄することができる。
【0039】
[0063] 次に、
図13に示すように、栄養管340は、ガイドワイヤ322の第1端部321に押し被せ、栄養管340の一部分が患者の皮膚又はその近傍における患者の外側に配置され且つ栄養管340の一部分が患者の胃内に配置されるまで、ガイドワイヤ322に沿って食道を通して、胃内まで、及び胃壁を通して並進させることができる。例えば、
図14に示すように、栄養管340は、管部分342と保持部分344とを含むことができる。保持部分344は、患者の胃の内壁と係合することができ、且つ管部分342は、患者の胃壁を通って患者の外側に延びることができる。その後、ガイドワイヤ322は、栄養管340が胃壁を通って適所に延びたままで、ガイドワイヤ322の第2端部323が、患者の胃壁を通して、胃を通して、食道を通して、及び患者の口腔又は鼻腔から引き出されるように、ガイドワイヤ322の第1端部321に引き戻し(例えば、引っ張り)力を加えることによって患者から取り外すことができる。代替的に、ガイドワイヤ322は、ガイドワイヤ322の第1端部321が、患者の口腔又は鼻腔を通して、食道を通して、胃を通して、胃壁から、及び患者の皮膚から引き出されるように、ガイドワイヤ322の第2端部323に引き戻し力を加えることによって患者から取り外すことができる。したがって、栄養管340は、食道を通り抜けることなく栄養管340を介して食物又は液体を胃内に配置できるように、患者の胃への直接アクセスを提供することができる。
【0040】
[0064] システム300は、膨張性部材314の内部に配置された結合部材324を示しているが、いくつかの実施形態では、結合部材324と膨張性部材314とが互いに結合されるときに、結合部材324を膨張性部材314の外側に配置して膨張性部材314の外面に結合させることができる。例えば、
図15に示すように、針330は、針330の第1端部331が膨張性部材314の外側に配置され且つ針330が膨張性部材314における2つのアクセス開口部を作成するように、第1側壁部分と、対向配置された第2側壁部分とを貫通することができる。次に、
図16に示すように、結合部材324は、結合部材324が膨張性部材314の外側に配置されるように、針330の第1端部を越えて延びることができる。次に、
図17に示すように、針330は、結合部材324に取り付けられたガイドワイヤ322が膨張性部材314における2つのアクセス開口部内に配置されたままとなり且つ結合部材324が膨張性部材314の外面と係合可能となるように、結合部材324に対して引き抜くことができる。
【0041】
[0065]
図18に示すように、膨張組立体310は、
図9に関して説明したのと同様に、結合部材324とガイドワイヤ322を膨張性部材314と同じ方向に並進させるように、(例えば、食道を通して)並進させることができる。
図19に示すように、膨張組立体310は、結合部材324も開口部の外まで並進させるように、且つガイドワイヤ322が開口部を通って、患者内の経路を通って、及び患者の別の開口部(患者の胃壁における開口部など)の外に延びるように、患者開口部の外まで(例えば、患者の口などの開口部の外まで)さらに並進させることができる。
【0042】
[0066] いくつかの実施形態では、ガイドワイヤ組立体は、任意の好適な形状及びサイズを有することができる。いくつかの実施形態では、結合部材の形状(例えば、ピッグテール)は、結合部材724を形成するワイヤの直径と、巻回数とに少なくとも部分的に依存することができる。いくつかの実施形態では、これらは、意図した用途(例えば、胃瘻造設術)に基づいて及び/又は結合部材と膨張性部材との係合のための及び膨張性部材と結合部材との並進のための解剖学的構造内で利用可能な空間の量に基づいて選択することができる。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤ組立体の結合部材は、任意の好適な数の巻回を有することができる。例えば、
図20A~
図20Dは、種々の巻回形状を含むピッグテール形状を有する結合部材の例である。
図20Aは、2回の巻回のピッグテールを含む結合部材424を示している。結合部材424は、遠位端部分427を含むことができる。結合部材424は、例えば0.030インチの直径D1を有することができる。結合部材424は、最外巻回の第1端部から第2端部までの例えば0.477インチの距離H1を有することができる。遠位端部分427は、長さL1を有する真っ直ぐな遠位端部分と、R1の曲率半径を有する湾曲部分とを含むことができる。長さL1は、例えば、約0.129インチとすることができ、且つ曲率半径R1は、例えば、約0.110インチとすることができる。
【0043】
[0067]
図20Bは、1.75回の巻回のピッグテールを含む結合部材524を示している。結合部材524は、遠位端部分527を含むことができる。結合部材524は、例えば0.129インチの直径D2を有することができる。結合部材524は、最外巻回の第1端部から第2端部までの例えば0.453インチの距離H2を有することができる。遠位端部分527は、長さL2を有する真っ直ぐな遠位端部分と、R2の曲率半径を有する湾曲部分とを含むことができる。長さL2は、例えば、約0.129インチとすることができ、且つ曲率半径R2は、例えば、約0.110インチとすることができる。
【0044】
[0068]
図20Cは、1.25回の巻回のピッグテールを含む結合部材624を示している。結合部材624は、遠位端部分627を含むことができる。結合部材624は、例えば0.030インチの直径D3を有することができる。結合部材624は、最外巻回の第1端部から第2端部までの例えば0.402インチの距離H3を有することができる。遠位端部分627は、長さL3を有する真っ直ぐな遠位端部分と、R3の曲率半径を有する湾曲部分とを含むことができる。長さL3は、例えば、約0.129インチとすることができ、且つ曲率半径R3は、例えば、約0.110インチとすることができる。
【0045】
[0069]
図20Dは、1.5回の巻回のピッグテールを含む結合部材724を示している。結合部材724は、遠位端部分727を含むことができる。結合部材724は、例えば0.030インチの直径D4を有することができる。結合部材724は、最外巻回の第1端部から第2端部までの例えば0.420インチの距離H4を有することができる。遠位端部分727は、長さL4を有する真っ直ぐな遠位端部分と、R4の曲率半径を有する湾曲部分とを含むことができる。長さL4は、例えば、約0.129インチとすることができ、且つ曲率半径R4は、例えば、約0.110インチとすることができる。
【0046】
[0070] ピッグテール形状に関して示し説明したのと同様に、本明細書で説明した結合部材のいずれかは、種々の数の巻回のコルクねじ又は種々の形状のフックを含むことができる。例えば、
図21A~
図21Fは、2次元ガイドワイヤ組立体の多数の可能な形状を示している。
図21A~
図21Fに示すガイドワイヤ組立体の各々は、本明細書で説明するシステム又は方法のいずれかに含めることができる。例えば、
図21Aは、ガイドワイヤ822と結合部材824とを含むガイドワイヤ組立体820を示している。結合部材824は、S字状に互いに逆向きの第1フック状部分及び第2フック状部分を有する。
図21Bは、ガイドワイヤ922と結合部材924とを含むガイドワイヤ組立体920を示している。結合部材924は、結合部材924の端部がガイドワイヤ922の一部分に隣接又はほぼ隣接するようにループとして成形される。
図21Cは、ガイドワイヤ1022と結合部材1024とを含むガイドワイヤ組立体1020を示している。結合部材1024は、ガイドワイヤ1022に対する部分的ループとして成形される。
図21Dは、ガイドワイヤ1122と結合部材1124とを含むガイドワイヤ組立体1120を示している。結合部材1124は、結合部材1124の第1部分が結合部材1124の第2部分に重なるようにループとして成形することができる。結合部材1124は、端部分1125が結合される結合部材1124の第1部分に略直交して配置される端部分1125を含むことができる。
図21Eは、ガイドワイヤ1222と結合部材1224とを有するガイドワイヤ組立体1220を示している。結合部材1224は、2回の巻回のピッグテールとして成形される。
図21Fは、ガイドワイヤ1322と結合部材1324とを有するガイドワイヤ組立体1320を示している。結合部材1324は、1回の巻回のピッグテールとして成形される。結合部材1324の端部分は、ある距離だけガイドワイヤ1322から離間していてもよい。例えば、結合部材1324の端部分と結合部材1324が結合されるガイドワイヤ1322との間の距離は、結合部材1324の幅の約半分であってもよい。
【0047】
[0071] いくつかの実施形態では、結合部材は、任意の好適な3次元形状を有することができる。例えば、
図22は、ガイドワイヤ1422と結合部材1424とを含むガイドワイヤ組立体1420を示している。図示のように、結合部材1424は、渦巻き形態(例えば、円錐状の渦巻き形態)を有することができる。いくつかの実施形態では、結合部材1424は、螺旋形態を有することができる。
【0048】
[0072] いくつかの実施形態では、本明細書で説明する膨張組立体のいずれかなどの、膨張組立体は、障壁と膨張性部材の内面との間で結合部材を膨張性部材と係合させることができるように、膨張性部材内に障壁を含むことができる。例えば、
図23は、システム1500の図である。システム1500は、本明細書で説明するシステムのいずれかと構造及び/又は機能が同一又は同様のものとすることができる。システム1500は、膨張組立体1510とガイドワイヤ組立体1520とを含む。膨張組立体1510は、細長い管1512と膨張性部材1514とを含むことができる。障壁1519は、膨張性部材1514内に含めることができる。ガイドワイヤ組立体1520は、ガイドワイヤ1522と結合部材1524とを含むことができる。
図23に示すように、結合部材1524は、結合部材1524が障壁1519と膨張性部材1514の内面との間に保持されるように、膨張性部材1514と係合させることができる。いくつかの実施形態では、障壁1519は、結合部材1524が膨張性部材1514を完全に貫通するのを防止することができる。いくつかの実施形態では、障壁1519は、細長い管1512に結合させることができる。
【0049】
[0073] いくつかの実施形態では、本明細書で説明する膨張組立体のいずれかなどの、システムは、ガイドワイヤ組立体の結合部材を膨張組立体の膨張性部材の内部に挿入して膨張性部材の壁の内面によって膨張性部材の内部に保持できるように構成することができる。例えば、
図24は、システム1600の図である。システム1600は、本明細書で説明するシステムのいずれかと構造及び/又は機能が同一又は同様のものとすることができる。システム1600は、膨張組立体1610とガイドワイヤ組立体1620とを含む。膨張組立体1610は、細長い管1612と膨張性部材1614とを含むことができる。ガイドワイヤ組立体1620は、ガイドワイヤ1622と結合部材1624とを含むことができる。結合部材1624は、例えば3回などの、任意の好適な数の巻回を有するピッグテールとして形成することができる。
図24に示すように、結合部材1624は、結合部材1624が膨張性部材1614の壁の内面によって膨張性部材1614の内部に保持されるように、膨張性部材1614と係合させることができる。
【0050】
[0074] いくつかの実施形態では、本明細書で説明する膨張組立体のいずれかなどの、システムは、ガイドワイヤ組立体の結合部材が1.5回のみの巻回を含むように構成することができる。例えば、
図25は、システム1700の図である。システム1700は、本明細書で説明するシステムのいずれかと構造及び/又は機能が同一又は同様のものとすることができる。システム1700は、膨張組立体1710とガイドワイヤ組立体1720とを含む。膨張組立体1710は、細長い管1712と膨張性部材1714とを含むことができる。ガイドワイヤ組立体1720は、ガイドワイヤ1722と結合部材1724とを含むことができる。
図25に示すように、結合部材1724は、1.5回の巻回を有するピッグテールとして形成することができる。結合部材1724は、結合部材1724が膨張性部材1714の壁の内面によって膨張性部材1714の内部に保持されるように、膨張性部材1714と係合させることができる。
【0051】
[0075] いくつかの実施形態では、本明細書で説明する膨張組立体のいずれかなどの、システムは、ガイドワイヤ組立体の結合部材がループ形状を含むように構成することができる。例えば、
図26は、システム1800の図である。システム1800は、本明細書で説明するシステムのいずれかと構造及び/又は機能が同一又は同様のものとすることができる。システム1800は、膨張組立体1810とガイドワイヤ組立体1820とを含む。膨張組立体1810は、細長い管1812と膨張性部材1814とを含むことができる。ガイドワイヤ組立体1820は、ガイドワイヤ1822と結合部材1824とを含むことができる。
図26に示すように、結合部材1824は、ループとして形成することができる。結合部材1824は、結合部材1824が膨張性部材1814の壁の内面によって膨張性部材1814の内部に保持されるように、膨張性部材1814と係合させることができる。
【0052】
[0076] いくつかの実施形態では、膨張性部材は、結合部材との係合後で且つ患者の身体の外への膨張性部材と結合部材の並進前に、収縮させることができる。例えば、
図27は、第1膨張状態にあるシステム1900の図である。システム1900は、本明細書で説明するシステムのいずれかと構造及び/又は機能が同一又は同様のものとすることができる。例えば、システム1900は、細長い管1912と膨張性部材1914とを含む膨張組立体1920を含むことができる。システム1900はまた、ガイドワイヤ1922と結合部材1924とを含むガイドワイヤ組立体1920を含むことができる。図示のように、結合部材1924は、結合部材1924が膨張性部材1914の外面に配置され且つガイドワイヤ1922が膨張性部材314における2つのアクセス開口部を貫通するように、膨張性部材1914と係合させることができる。膨張性部材1914は、部分的に収縮させることができる(例えば、膨張管腔を介して流体を抜き取ることができる)。
【0053】
[0077] 第2膨張状態にあるシステム1900の図である、
図28に示すように、膨張性部材1914は、さらに収縮させることができる。結合部材1924は、(例えば、細長い管1912の移動による)膨張性部材1914の移動によって結合部材1924が同様に移動するように、膨張性部材1914の外面と係合させることができる。
【0054】
[0078] 本明細書で説明するシステム及び方法について、患者内への栄養管又は胃瘻管の配置に関連して説明するが、システム及び方法は、任意の好適な処置に使用することができる。例えば、本明細書で説明するシステムは、アクセス開口の作成が必要である他の処置に使用することができる。いくつかの実施形態では、方法は、患者の開口部を通して細長い管の膨張性部材を患者内の第1位置まで並進させることを含むことができる。膨張性部材は、本明細書で説明する膨張性部材のいずれかと構造及び/又は機能が同一又は同様のものとすることができる。次いで、流体は、膨張性部材が非膨張形態から膨張形態に移行するように、細長い管の管腔を介して膨張性部材に提供することができる。本明細書で説明するガイドワイヤ組立体のいずれかなどの、ガイドワイヤ組立体の結合部材は、患者の組織壁を通して第1位置の近傍の患者内の第2位置まで並進させることができる。ガイドワイヤ組立体は、結合部材に結合された第1端部と、患者の外側に配置された第2端部とを有するガイドワイヤを含むことができる。ガイドワイヤは、結合部材が第2位置に配置されたときに組織壁を通って延びることができる。次いで、結合部材は、膨張性部材に結合させることができる。その後、細長い管は、結合部材及びガイドワイヤの第1端部が開口部から引き抜かれるように、並びにガイドワイヤが患者の開口部、第1位置及び組織壁を通って延び、且つガイドワイヤの第2端部が患者の外側に配置されるように、開口部を通して引き抜くことができる。
【0055】
[0079] いくつかの実施形態では、本明細書で説明するシステムのいずれかなどのシステムは、経皮的膀胱瘻造設術に使用することができる。例えば、本明細書で説明する膨張組立体のいずれかなどの膨張組立体は、尿道に挿通することができ、且つ本明細書で説明するガイドワイヤ組立体のいずれかなどのガイドワイヤ組立体は、ガイドワイヤ組立体の結合部材を膨張組立体の膨張性部材と係合させることができるように、患者の膀胱壁に挿通することができる。次いで、ガイドワイヤ組立体の結合部材も尿道を通して引き抜かれるように、尿道を通して膨張性部材を引き抜くことができる。その後、ガイドワイヤ組立体は、尿道を通って、膀胱を通って、及び膀胱壁を通って患者の外に延びることができる。いくつかの実施形態では、本明細書で説明するシステムのいずれかなどのシステムは、経皮的気管切開術に使用することができる。
【0056】
[0080] 種々の実施形態について上で説明してきたが、これらの実施形態は、限定的なものではなく、単なる例として提示されていることを理解されたい。上で説明した方法が、ある特定の順序で発生するある特定の事象を示す場合に、ある特定の事象の順序を修正してもよい。追加的に、事象のいくつかを、上で説明したように順次実行するのみならず、可能であれば、並列プロセスで同時に実行してもよい。
【0057】
[0081] 上で説明した概略図及び/又は実施形態が、ある特定の向き又は位置に配置されたある特定の構成要素を示す場合に、構成要素の配置を修正してもよい。特に実施形態を示し説明してきたが、形状及び細部の種々の変更が可能であることが理解されるであろう。本明細書で説明した装置及び/又は方法の任意の部分は、相互に排他的な組み合わせを除き、任意の組み合わせで組み合わせることができる。本明細書で説明した実施形態は、説明した異なる実施形態の機能、構成要素、及び/又は特徴の種々の組み合わせ及び/又は部分的な組み合わせを含むことができる。