(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-06
(45)【発行日】2024-08-15
(54)【発明の名称】パエニバチルス・テラエによる動物害虫の防除方法
(51)【国際特許分類】
A01N 63/25 20200101AFI20240807BHJP
A01P 7/04 20060101ALI20240807BHJP
A01P 17/00 20060101ALI20240807BHJP
A01N 25/02 20060101ALI20240807BHJP
A01P 5/00 20060101ALI20240807BHJP
【FI】
A01N63/25
A01P7/04
A01P17/00
A01N25/02
A01P5/00
(21)【出願番号】P 2021515110
(86)(22)【出願日】2019-09-18
(86)【国際出願番号】 US2019051638
(87)【国際公開番号】W WO2020061140
(87)【国際公開日】2020-03-26
【審査請求日】2022-09-15
(32)【優先日】2018-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【微生物の受託番号】NRRL B-50972
【微生物の受託番号】NRRL B-67129
【微生物の受託番号】NRRL B-67304
【微生物の受託番号】NRRL B-67306
【微生物の受託番号】NRRL B-67615
(73)【特許権者】
【識別番号】507124988
【氏名又は名称】バイエル クロップサイエンス エルピー
【氏名又は名称原語表記】BAYER CROPSCIENCE LP
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100203035
【氏名又は名称】五味渕 琢也
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100202267
【氏名又は名称】森山 正浩
(74)【代理人】
【識別番号】100182132
【氏名又は名称】河野 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】ジュネジャ,プニタ
(72)【発明者】
【氏名】テイラー,コリーン・エス
(72)【発明者】
【氏名】ウィトソン-ウェンナン,エミリー・エル
【審査官】三須 大樹
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/137353(WO,A1)
【文献】特表2018-517396(JP,A)
【文献】特開昭59-067210(JP,A)
【文献】特開2004-275111(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01N
A01P
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物害虫を防除する方法であって、
パエニバチルス・テラエ(Paenibacillus terrae)株の生物学的に純粋な培養物または当該株の無細胞調製物を含む組成物の有効量を動物害虫に施用することを含み、
前記動物害虫が、昆虫または線虫であり、
前記パエニバチルス・テラエ株が、NRRL B-50972もしくはNRRL B-67129、または、その殺虫性突然変異株であり、
前記殺虫性突然変異株が、パエニバチルス・テラエ株NRRL B-67306、パエニバチルス・テラエ株NRRL B-67304またはパエニバチルス・テラエ株NRRL B-67615であり、
ただし、前記組成物を人体に施用することを含む方法は除外される、方法。
【請求項2】
動物害虫の被害から保護を必要とする有用植物または有用植物の一部を保護する方法であって、
動物害虫、植物、植物繁殖体、植物の種子および/または植物が成長しているか若しくは成長することが意図される場所に、パエニバチルス・テラエの生物学的に純粋な培養物または当該株の無細胞調製物を含む組成物の有効量を接触させることを含み、
前記動物害虫の被害が、昆虫または線虫からのものであり、
前記パエニバチルス・テラエ株が、NRRL B-50972もしくはNRRL B-67129、または、その殺虫性突然変異株であり、
前記殺虫性突然変異株が、パエニバチルス・テラエ株NRRL B-67306、パエニバチルス・テラエ株NRRL B-67304またはパエニバチルス・テラエ株NRRL B-67615であり、
ただし、前記組成物を人体に施用することを含む方法は除外される、方法。
【請求項3】
動物害虫による被害から種子または当該種子がそこから成長する植物を保護する方法であって、
動物害虫、種子および/または種子が成長しているか若しくは成長することが意図される場所を、パエニバチルス・テラエ株の生物学的に純粋な培養物または当該株の無細胞調製物を含む組成物の有効量で処理することを含み、
前記動物害虫が、昆虫または線虫であり、
前記パエニバチルス・テラエ株が、NRRL B-50972もしくはNRRL B-67129、または、その殺虫性突然変異株であり、
前記殺虫性突然変異株が、パエニバチルス・テラエ株NRRL B-67306、パエニバチルス・テラエ株NRRL B-67304またはパエニバチルス・テラエ株NRRL B-67615であり、
ただし、前記組成物を人体に施用することを含む方法は除外される、方法。
【請求項4】
前記種子がトランスジェニック種子である、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記殺虫性突然変異株が、
パエニバチルス・テラエ株NRRL B-67615である、請求項
1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記動物害虫が、甲虫目、鱗翅目または半翅目に由来する昆虫である、請求項1~
5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記昆虫が、甲虫目に由来し、アカントセリデス・オブテクツス(Acanthoscelides obtectus)、アドレツス属種(Adoretus spp.)、アゲラスチカ・アルニ(Agelastica alni)、アグリオテス属種(Agriotes spp.)、アムフィマロン・ソルスチチアリス(Amphimallon solstitialis)、アノビウム・プンクタツム(Anobium punctatum)、アノプロホラ属種(Anoplophora spp.)、アントノムス属種(Anthonomus spp.)、アントレヌス属種(Anthrenus spp.)、アポゴニア属種(Apogonia spp.)、アトマリア属種(Atomaria spp.)、アタゲヌス属種(Attagenus spp.)、ブルキジウス・オブテクツス(Bruchidius obtectus)、ブルクス属種(Bruchus spp.)、セウトリンクス属種(Ceutorrhynchus spp.)、クレオヌス・メンジクス(Cleonus mendicus)、コノデルス属種(Conoderus spp.)、コスモポリテス属種(Cosmopolites spp.)、コステリトラ・ゼアランジカ(Costelytra zealandica)、クルクリオ属種(Curculio spp.)、クリプトリンクス・ラパチ(Cryptorhynchus lapathi)、デルメステス属種(Dermestes spp.)、ジアブロチカ属種(Diabrotica spp.)、エピラクナ属種(Epilachna spp.)、ファウスチヌス・クバエ(Faustinus cubae)、ギビウム・プシロイデス(Gibbium psylloides)、ヘテロニクス・アラトル(Heteronychus arator)、ヒラモルファ・エレガンス(Hylamorpha elegans)、ヒロトルペス・バジュルス(Hylotrupes bajulus)、ヒペラ・ポスチカ(Hypera postica)、ヒポテネムス属種(Hypothenemus spp.)、ラクノステルナ・コンサングイネア(Lachnosterna consanguinea)、レプチノタルサ・デセムリネアタ(Leptinotarsa decemlineata)、リッソロプトルス・オリゾフィルス(Lissorhoptrus oryzophilus)、リキスス属種(Lixus spp.)、リクツス属種(Lyctus spp.)、メリゲテス・アエネウス(Meligethes aeneus)、メロロンタ・メロロンタ(Melolontha melolontha)、ミグドルス属種(Migdolus spp.)、モノカムス属種(Monochamus spp.)、ナウパクツス・キサントグラフス(Naupactus xanthographus)、ニプツス・ホロレウクス(Niptus hololeucus)、オリクテス・リノセロス(Oryctes rhinoceros)、オリザエフィルス・スリナメンシス(Oryzaephilus surinamensis)、オチオリンクス・スルカツス(Otiorhynchus sulcatus)、オウレマ・オリザエ(Oulema oryzae)、オキシセトニア・ジュンクンダ(Oxycetonia jucunda)、ファエドン・コクレアリアエ(Phaedon cochleariae)、フィロファガ属種(Phyllophaga spp.)、ポピリア・ジャポニカ(Popillia japonica)、プレムノトリペス属種(Premnotrypes spp.)、プシリオデス・クリソセファラ(Psylliodes chrysocephala)、プチヌス属種(Ptinus spp.)、リゾビウス・ベントラリス(Rhizobius ventralis)、リゾペルタ・ドミニカ(Rhizopertha dominica)、シトフィルス属種(Sitophilus spp.)、スフェノホルス属種(Sphenophorus spp.)、ステルネクス属種(Sternechus spp.)、シムフィレテス属種(Symphyletes spp.)、テネブリオ・モリトル(Tenebrio molitor)、トリボリウム属種(Tribolium spp.)、トロゴデルマ属種(Trogoderma spp.)、チキウス属種(Tychius spp.)、キシロトレクス属種(Xylotrechus spp.)またはザブルス属種(Zabrus spp.)である、請求項
6に記載の方法。
【請求項8】
前記昆虫が、鱗翅目に由来し、アクロニクタ・マジョル(Acronicta major)、アエジア・レウコメラス(Aedia leucomelas)、アグロチス属種(Agrotis spp.)、アラバマ・アルギラセア(Alabama argillacea)、アンチカルシア属種(Anticarsia spp.)、バラトラ・ブラシカエ(Barathra brassicae)、ブックラトリキス・ツルベリエラ(Bucculatrix thurberiella)、ブパルス・ピニアリウス(Bupalus piniarius)、カコエシア・ポダナ(Cacoecia podana)、カプア・レチクラナ(Capua reticulana)、カルポカプサ・ポモネラ(Carpocapsa pomonella)、ケイマトビア・ブルマタ(Cheimatobia brumata)、キロ属種(Chilo spp.)、コリストネウラ・フミフェラナ(Choristoneura fumiferana)、クリシア・アムビグエラ(Clysia ambiguella)、クナファロセルス属種(Cnaphalocerus spp.)、エアリアス・インスラナ(Earias insulana)、エフェスチア・クエーニエラ(Ephestia kuehniella)、エウプロクチス・クリソロエア(Euproctis chrysorrhoea)、エウキソア属種(Euxoa spp.)、フェルチア属種(Feltia spp.)、ガレリア・メロネラ(Galleria mellonella)、ヘリコベルパ属種(Helicoverpa spp.)、ヘリオチス属種(Heliothis spp.)、ホフマンノフィラ・プセウドスプレテラ(Hofmannophila pseudospretella)、ホモナ・マグナニマ(Homona magnanima)、ヒポノメウタ・パデラ(Hyponomeuta padella)、ラフィグマ属種(Laphygma spp.)、リトコレチス・ブランカルデラ(Lithocolletis blancardella)、リトファネ・アンテンナタ(Lithophane antennata)、ロキサグロチス・アルビコスタ(Loxagrotis albicosta)、リマントリア属種(Lymantria spp.)、マラコソマ・ネウストリア(Malacosoma neustria)、マメストラ・ブラシカエ(Mamestra brassicae)、モシス・レパンダ(Mocis repanda)、ミチムナ・セパラタ(Mythimna separata)、オリア属種(Oria spp.)、パノリス・フランメア(Panolis flammea)、ペクチノホラ・ゴッシピエラ(Pectinophora gossypiella)、フィロクニスチス・シトレラ(Phyllocnistis citrella)、ピエリス属種(Pieris spp.)、プルテラ・キシロステラ(Plutella xylostella)、プロデニア属種(Prodenia spp.)、プセウダレチア属種(Pseudaletia spp.)、プセウドプルシア・インクルデンス(Pseudoplusia includens)、ピラウスタ・ヌビラリス(Pyrausta nubilalis)、スポドプテラ属種(Spodoptera spp.)、テルメシア・ゲンマタリス(Thermesia gemmatalis)、チネア・ペリオネラ(Tinea pellionella)、チネオラ・ビッセリエラ(Tineola bisselliella)、トルトリキス・ヴィリダナ(Tortrix viridana)またはトリコプルシア属種(Trichoplusia spp.)である、請求項
6に記載の方法。
【請求項9】
前記昆虫が、半翅目および異翅目亜目に由来し、アエリア属種(Aelia spp.)、アナサ・トリスチス属種(Anasa tristisspp.)、アンテスチオプシス属種(Antestiopsis spp.)、ボイセア属種(Boisea spp.)、ブリスス属種(Blissus spp.)、カロコリス属種(Calocoris spp.)、カムピロンマ・リビダ(Campylomma livida)、カベレリウス属種(Cavelerius spp.)、シメキス属種(Cimex spp.)、コラリア属種(Collaria spp.)、クレオンチアデス・ジルツス(Creontiades dilutus)、ダシヌス・ピペリス(Dasynus piperis)、ジケロプス・フルカツス(Dichelops furcatus)、ジコノコリス・ヘウェッチ(Diconocoris hewetti)、ジスデルクス属種(Dysdercus spp.)、エウスキスツス属種(Euschistus spp.)、エウリデマ属種(Eurydema spp.)、エウリガステル属種(Eurygaster spp.)、ハリオモルファ・ハリス(Halyomorpha halys)、ヘリオパルチス属種(Heliopeltis spp.)、ホルシアス・ノビレルス(Horcias nobilellus)、レプトコリサ属種(Leptocorisa spp.)、レプトコリサ・バリコルニス(Leptocorisa varicornis)、レプトグロスス・オッシデンタリス(Leptoglossus occidentalis)、レプトグロスス・フィロプス(Leptoglossus phyllopus)、リゴコリス属種(Lygocoris spp.)、リグス属種(Lygus spp.)、マクロペス・エキスカバツス(Macropes excavatus)、メガコプタ・クリブラリア(Megacopta cribraria)、ミリダエ(Miridae)、モナロニオン・アトラツム(Monalonion atratum)、ネザラ属種(Nezara spp.)、ニシウス属種(Nysius spp.)、オエバルス属種(Oebalus spp.)、ペントミダエ(Pentomidae)、ピエスマ・クアドラタ(Piesma quadrata)、ピエゾドルス属種(Piezodorus spp.)、プサルス属種(Psallus spp.)、プセウダシスタ・ペルセア(Pseudacysta persea)、ロドニウス属種(Rhodnius spp.)、サールベルゲラ・シングラリス(Sahlbergella singularis)、スカプトコリス・カスタネア(Scaptocoris castanea)、スコチノホラ属種(Scotinophora spp.)、ステファニチス・ナシ(Stephanitis nashi)、チブラカ属種(Tibraca spp.)またはトリアトマ属種(Triatoma spp.)である、請求項
6に記載の方法。
【請求項10】
前記線虫が線虫門に由来する、請求項1~
5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記線虫が、アグレンクス属種(Aglenchus spp.)、アングイナ属種(Anguina spp.)、アフェレンコイデス属種(Aphelenchoides spp.)、ベロノライムス属種(Belonolaimus spp.)、ブルサフェレンクス属種(Bursaphelenchus spp.)、カコパウルス属種(Cacopaurus spp.)、クリコネメラ属種(Criconemella spp.)、クリコネモイデス属種(Criconemoides spp.)、ジチレンクス属種(Ditylenchus spp.)、ドリコドルス属種(Dolichodorus spp.)、グロボデラ属種(Globodera spp.)、ヘリコチレンクス属種(Helicotylenchus spp.)、ヘミクリコネモイデス属種(Hemicriconemoides spp.)、ヘミシクリオホラ属種(Hemicycliophora spp.)、ヘテロデラ属種(Heterodera spp.)、ホプロライムス属種(Hoplolaimus spp.)、ロンギドルス属種(Longidorus spp.)、メロイドギネ属種(Meloidogyne spp.)、メロイネマ属種(Meloinema spp.)、ナコッブス属種(Nacobbus spp.)、ネオチレンクス属種(Neotylenchus spp.)、パラロンギドルス属種(Paralongidorus spp.)、パラフェレンクス属種(Paraphelenchus spp.)、パラトリコドルス属種(Paratrichodorus spp.)、プラチレンクス属種(Pratylenchus spp.)、プセウドハレンクス属種(Pseudohalenchus spp.)、プシレンクス属種(Psilenchus spp.)、プンクトデラ属種(Punctodera spp.)、クイニスルシウス属種(Quinisulcius spp.)、ラドホルス属種(Radopholus spp.)、ロチレンクルス属種(Rotylenchulus spp.)、ロチレンクス属種(Rotylenchus spp.)、スクテロネマ属種(Scutellonema spp.)、スバングイナ属種(Subanguina spp.)、トリコドルス属種(Trichodorus spp.)、チレンクルス属種(Tylenchulus spp.)、チレンコリンクス属種(Tylenchorhynchus spp.)またはキシフィネマ属種(Xiphinema spp.)である、請求項
10に記載の方法。
【請求項12】
前記組成物が、パエニバチルス・テラエ株の発酵産物を含む、請求項1~
11のいずれか一項記載の方法。
【請求項13】
前記組成物が液体製剤である、請求項
12に記載の方法。
【請求項14】
前記組成物が、1mLあたり少なくとも約1×10
4CFUのパエニバチルス・テラエ株の液体製剤を含む、請求項
12または
13に記載の方法。
【請求項15】
前記組成物が、農業的に許容可能な担体、不活性な安定化剤、保存剤、栄養素および/または物性改変剤をさらに含む、請求項
12~
14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
組成物が、1ヘクタール当たり約1×10
4~約1×10
14コロニー形成単位(CFU)または1ヘクタール当たり約0.1kg~約20kgの発酵固形物で施用される、請求項1~
15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
動物害虫防除のための、動物害虫の被害から保護を必要とする有用植物もしくは有用植物の一部の
保護のための、または、動物害虫による被害から種子もしくは当該種子がそこから成長する植物の保護のための、パエニバチルス・テラエ株の生物学的に純粋な培養物または当該
株の無細胞調製物を含む組成物の使用であって、
前記動物害虫が、昆虫または線虫であり、
前記パエニバチルス・テラエ株が、NRRL B-50972もしくはNRRL B-67129、または、その殺虫性突然変異株であ
り、
前記殺虫性突然変異株が、パエニバチルス・テラエ株NRRL B-67306、パエニバチルス・テラエ株NRRL B-67304またはパエニバチルス・テラエ株NRRL B-67615である、使用。
【請求項18】
前記動物害虫が、甲虫目、鱗翅目または半翅目に由来するか、または、線虫門に由来する、請求項
17に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本申請は、2018年9月20日付けで申請された米国仮特許出願第62/734,057号に優先順位を主張しており、その内容は全体を引用してここに組み込まれている。
【0002】
本発明は、細菌株の分野および動物害虫の防除能力に関する。特に、本発明は、比較的高レベルの殺虫活性を有するパエニバチルス・テラエ(Paenibacillus terrae)株を対象とする。
【背景技術】
【0003】
背景
合成農薬は非特異的である可能性があるため、他の自然に存在する有益な生物を含む標的以外の生物に作用する可能性がある。合成農薬は、それらの化学的性質のため、有毒で生分解されないこともある。世界中の消費者は、特に食品中の化学物質の残留物に関連する潜在的な環境および健康の問題をますます意識するようになっている。これにより、化学(即ち、合成の)農薬の使用を減らすか、または、少なくとも量を減らすことの消費者の圧力が高まっている。したがって、効果的な病害虫防除を可能にしながら、食物連鎖の要件を管理する必要がある。
【0004】
合成殺虫剤の使用によって生じる更なる問題は、殺虫剤の反復的な排他的施用が、耐性昆虫の選択につながることが多いということである。通常、かかる昆虫は、同じ作用機序を有する他の活性成分に対しても交差耐性である。活性化合物による昆虫の効果的な防除はもはや不可能である。しかし、新しい作用機序を有する有効成分を開発することは、難しく、高価である。
【0005】
昆虫個体群における耐性発現のリスクならびに環境およびヒトの健康への懸念は、昆虫による植物および作物の被害を管理するための合成殺虫剤の代替品を同定することへの関心を高めている。生物的防除剤の使用は、一つの代替法である。
【0006】
パエニバチルスは、低GC含量、内生胞子形成、グラム陽性菌(Firmicutes)の属である。この属に属する細菌は、フサリシジンおよびポリミキシンのような非リボソームペプチドクラスを含む、工業的に関連する細胞外酵素および抗菌物質の多産生菌である。フサリシジン類は、種々の植物病原性真菌および細菌に対して抗微生物活性を有することが知られている。パエニバチルスの殺菌活性は良く特徴づけられているが、この属の細菌の殺虫活性についてはあまり知られていない。
【0007】
従来の合成殺虫剤の使用を補完し、昆虫抵抗性の高まりつつある課題に対処するために、殺虫活性を有する効果的な生物的防除剤が必要とされている。
【0008】
要約
本発明は、パエニバチルス・テラエ株の生物学的に純粋な培養物またはその無細胞調製物を含む組成物の有効量を動物害虫に施用することを含む、動物害虫の防除方法を対象とする。
【0009】
いくつかの実施形態において、本発明は、動物害虫、植物、植物繁殖体、植物の種子、および/または植物が生育しているかもしくは生育することを意図する場所に、パエニバチルス・テラエ株の生物学的純粋培養物またはその無細胞調製物を含む有効量の組成物を接触させることを含む、動物害虫被害からの保護を必要とする有用植物または有用植物の一部を保護する方法に関する。
【0010】
他の実施形態において、本発明は、動物害虫、種子および/または種子が生育しているかもしくは生息することを意図する場所を、パエニバチルス・テラエ株の生物学的純粋培養物またはその無細胞調製物を含む有効量の組成物で処理することを含む、種子またはそこから種子が生育する植物を動物害虫による被害から保護する方法に関する。一態様において、種子はトランスジェニック種子である。
【0011】
ある態様において、パエニバチルス・テラエ株は、パエニバチルス・テラエ株NRRL B-50972、パエニバチルス・テラエ株NRRL B-67129、パエニバチルス・テラエ株NRRL B-67306、パエニバチルス・テラエ株NRRL B-67304、パエニバチルス・テラエ株NRRL B-67615、または、それらの殺虫性突然変異株である。一態様では、パエニバチルス・テラエ株はパエニバチルス・テラエ株NRRL B-67615である。
【0012】
いくつかの実施形態において、動物害虫は、甲虫目、鱗翅目、または半翅目に由来する。
【0013】
1つの実施形態において、動物害虫は、甲虫目に由来し、アカントセリデス・オブテクツス(Acanthoscelides obtectus)、アドレツス属種(Adoretus spp.)、アゲラスチカ・アルニ(Agelastica alni)、アグリオテス属種(Agriotes spp.)、アムフィマロン・ソルスチチアリス(Amphimallon solstitialis)、アノビウム・プンクタツム(Anobium punctatum)、アノプロホラ属種(Anoplophora spp.)、アントノムス属種(Anthonomus spp.)、アントレヌス属種(Anthrenus spp.)、アポゴニア属種(Apogonia spp.)、アトマリア属種(Atomaria spp.)、アタゲヌス属種(Attagenus spp.)、ブルキジウス・オブテクツス(Bruchidius obtectus)、ブルクス属種(Bruchus spp.)、セウトリンクス属種(Ceutorrhynchus spp.)、クレオヌス・メンジクス(Cleonus mendicus)、コノデルス属種(Conoderus spp.)、コスモポリテス属種(Cosmopolites spp.)、コステリトラ・ゼアランジカ(Costelytra zealandica)、クルクリオ属種(Curculio spp.)、クリプトリンクス・ラパチ(Cryptorhynchus lapathi)、デルメステス属種(Dermestes spp.)、ジアブロチカ属種(Diabrotica spp.)、エピラクナ属種(Epilachna spp.)、ファウスチヌス・クバエ(Faustinus cubae)、ギビウム・プシロイデス(Gibbium psylloides)、ヘテロニクス・アラトル(Heteronychus arator)、ヒラモルファ・エレガンス(Hylamorpha elegans)、ヒロトルペス・バジュルス(Hylotrupes bajulus)、ヒペラ・ポスチカ(Hypera postica)、ヒポテネムス属種(Hypothenemus spp.)、ラクノステルナ・コンサングイネア(Lachnosterna consanguinea)、レプチノタルサ・デセムリネアタ(Leptinotarsa decemlineata)、リッソロプトルス・オリゾフィルス(Lissorhoptrus oryzophilus)、リキスス属種(Lixus spp.)、リクツス属種(Lyctus spp.)、メリゲテス・アエネウス(Meligethes aeneus)、メロロンタ・メロロンタ(Melolontha melolontha)、ミグドルス属種(Migdolus spp.)、モノカムス属種(Monochamus spp.)、ナウパクツス・キサントグラフス(Naupactus xanthographus)、ニプツス・ホロレウクス(Niptus hololeucus)、オリクテス・リノセロス(Oryctes rhinoceros)、オリザエフィルス・スリナメンシス(Oryzaephilus surinamensis)、オチオリンクス・スルカツス(Otiorhynchus sulcatus)、オキシセトニア・ジュンクンダ(Oxycetonia jucunda)、ファエドン・コクレアリアエ(Phaedon cochleariae)、フィロファガ属種(Phyllophaga spp.)、ポピリア・ジャポニカ(Popillia japonica)、プレムノトリペス属種(Premnotrypes spp.)、プシリオデス・クリソセファラ(Psylliodes chrysocephala)、プチヌス属種(Ptinus spp.)、リゾビウス・ベントラリス(Rhizobius ventralis)、リゾペルタ・ドミニカ(Rhizopertha dominica)、シトフィルス属種(Sitophilus spp.)、スフェノホルス属種(Sphenophorus spp.)、ステルネクス属種(Sternechus spp.)、シムフィレテス属種(Symphyletes spp.)、テネブリオ・モリトル(Tenebrio molitor)、トリボリウム属種(Tribolium spp.)、トロゴデルマ属種(Trogoderma spp.)、チキウス属種(Tychius spp.)、キシロトレクス属種(Xylotrechus spp.)またはザブルス属種(Zabrus spp.)である。
【0014】
別の実施態様では、動物害虫は、鱗翅目に由来し、アクロニクタ・マジョル(Acronicta major)、アエジア・レウコメラス(Aedia leucomelas)、アグロチス属種(Agrotis spp.)、アラバマ・アルギラセア(Alabama argillacea)、アンチカルシア属種(Anticarsia spp.)、バラトラ・ブラシカエ(Barathra brassicae)、ブックラトリキス・ツルベリエラ(Bucculatrix thurberiella)、ブパルス・ピニアリウス(Bupalus piniarius)、カコエシア・ポダナ(Cacoecia podana)、カプア・レチクラナ(Capua reticulana)、カルポカプサ・ポモネラ(Carpocapsa pomonella)、ケイマトビア・ブルマタ(Cheimatobia brumata)、キロ属種(Chilo spp.)、コリストネウラ・フミフェラナ(Choristoneura fumiferana)、クリシア・アムビグエラ(Clysia ambiguella)、クナファロセルス属種(Cnaphalocerus spp.)、エアリアス・インスラナ(Earias insulana)、エフェスチア・クエーニエラ(Ephestia kuehniella)、エウプロクチス・クリソロエア(Euproctis chrysorrhoea)、エウキソア属種(Euxoa spp.)、フェルチア属種(Feltia spp.)、ガレリア・メロネラ(Galleria mellonella)、ヘリコベルパ属種(Helicoverpa spp.)、ヘリオチス属種(Heliothis spp.)、ホフマンノフィラ・プセウドスプレテラ(Hofmannophila pseudospretella)、ホモナ・マグナニマ(Homona magnanima)、ヒポノメウタ・パデラ(Hyponomeuta padella)、ラフィグマ属種(Laphygma spp.)、リトコレチス・ブランカルデラ(Lithocolletis blancardella)、リトファネ・アンテンナタ(Lithophane antennata)、ロキサグロチス・アルビコスタ(Loxagrotis albicosta)、リマントリア属種(Lymantria spp.)、マラコソマ・ネウストリア(Malacosoma neustria)、マメストラ・ブラシカエ(Mamestra brassicae)、モシス・レパンダ(Mocis repanda)、ミチムナ・セパラタ(Mythimna separata)、オリア属種(Oria spp.)、オウレマ・オリザエ(Oulema oryzae)、パノリス・フランメア(Panolis flammea)、ペクチノホラ・ゴッシピエラ(Pectinophora gossypiella)、フィロクニスチス・シトレラ(Phyllocnistis citrella)、ピエリス属種(Pieris spp.)、プルテラ・キシロステラ(Plutella xylostella)、プロデニア属種(Prodenia spp.)、プセウダレチア属種(Pseudaletia spp.)、プセウドプルシア・インクルデンス(Pseudoplusia includens)、ピラウスタ・ヌビラリス(Pyrausta nubilalis)、スポドプテラ属種(Spodoptera spp.)、テルメシア・ゲンマタリス(Thermesia gemmatalis)、チネア・ペリオネラ(Tinea pellionella)、チネオラ・ビッセリエラ(Tineola bisselliella)、トルトリキス・ヴィリダナ(Tortrix viridana)またはトリコプルシア属種(Trichoplusia spp.)である。
【0015】
さらに別の実施態様では、動物害虫は、半翅目および異翅目亜目に由来し、アエリア属種(Aelia spp.)、アナサ・トリスチス属種(Anasa tristisspp.)、アンテスチオプシス属種(Antestiopsis spp.)、ボイセア属種(Boisea spp.)、ブリスス属種(Blissus spp.)、カロコリス属種(Calocoris spp.)、カムピロンマ・リビダ(Campylomma livida)、カベレリウス属種(Cavelerius spp.)、シメキス属種(Cimex spp.)、コラリア属種(Collaria spp.)、クレオンチアデス・ジルツス(Creontiades dilutus)、ダシヌス・ピペリス(Dasynus piperis)、ジケロプス・フルカツス(Dichelops furcatus)、ジコノコリス・ヘウェッチ(Diconocoris hewetti)、ジスデルクス属種(Dysdercus spp.)、エウスキスツス属種(Euschistus spp.)、エウリデマ属種(Eurydema spp.)、エウリガステル属種(Eurygaster spp.)、ハリオモルファ・ハリス(Halyomorpha halys)、ヘリオパルチス属種(Heliopeltis spp.)、ホルシアス・ノビレルス(Horcias nobilellus)、レプトコリサ属種(Leptocorisa spp.)、レプトコリサ・バリコルニス(Leptocorisa varicornis)、レプトグロスス・オッシデンタリス(Leptoglossus occidentalis)、レプトグロスス・フィロプス(Leptoglossus phyllopus)、リゴコリス属種(Lygocoris spp.)、リグス属種(Lygus spp.)、マクロペス・エキスカバツス(Macropes excavatus)、メガコプタ・クリブラリア(Megacopta cribraria)、ミリダエ(Miridae)、モナロニオン・アトラツム(Monalonion atratum)、ネザラ属種(Nezara spp.)、ニシウス属種(Nysius spp.)、オエバルス属種(Oebalus spp.)、ペントミダエ(Pentomidae)、ピエスマ・クアドラタ(Piesma quadrata)、ピエゾドルス属種(Piezodorus spp.)、プサルス属種(Psallus spp.)、プセウダシスタ・ペルセア(Pseudacysta persea)、ロドニウス属種(Rhodnius spp.)、サールベルゲラ・シングラリス(Sahlbergella singularis)、スカプトコリス・カスタネア(Scaptocoris castanea)、スコチノホラ属種(Scotinophora spp.)、ステファニチス・ナシ(Stephanitis nashi)、チブラカ属種(Tibraca spp.)またはトリアトマ属種(Triatoma spp.)である。
【0016】
特定の態様において、動物害虫は線虫門に由来する。一態様において、動物害虫は、アグレンクス属種(Aglenchus spp.)、アングイナ属種(Anguina spp.)、アフェレンコイデス属種(Aphelenchoides spp.)、ベロノライムス属種(Belonolaimus spp.)、ブルサフェレンクス属種(Bursaphelenchus spp.)、カコパウルス属種(Cacopaurus spp.)、クリコネメラ属種(Criconemella spp.)、
クリコネモイデス属種(Criconemoides spp.)、ジチレンクス属種(Ditylenchus spp.)、ドリコドルス属種(Dolichodorus spp.)、グロボデラ属種(Globodera spp.)、ヘリコチレンクス属種(Helicotylenchus spp.)、ヘミクリコネモイデス属種(Hemicriconemoides spp.)、ヘミシクリオホラ属種(Hemicycliophora spp.)、ヘテロデラ属種(Heterodera spp.)、ホプロライムス属種(Hoplolaimus spp.)、ロンギドルス属種(Longidorus spp.)、メロイドギネ属種(Meloidogyne spp.)、メロイネマ属種(Meloinema spp.)、ナコッブス属種(Nacobbus spp.)、ネオチレンクス属種(Neotylenchus spp.)、パラロンギドルス属種(Paralongidorus spp.)、パラフェレンクス属種(Paraphelenchus spp.)、パラトリコドルス属種(Paratrichodorus spp.)、プラチレンクス属種(Pratylenchus spp.)、プセウドハレンクス属種(Pseudohalenchus spp.)、プシレンクス属種(Psilenchus spp.)、プンクトデラ属種(Punctodera spp.)、クイニスルシウス属種(Quinisulcius spp.)、ラドホルス属種(Radopholus spp.)、ロチレンクルス属種(Rotylenchulus spp.)、ロチレンクス属種(Rotylenchus spp.)、スクテロネマ属種(Scutellonema spp.)、スバングイナ属種(Subanguina spp.)、トリコドルス属種(Trichodorus spp.)、チレンクルス属種(Tylenchulus spp.)、チレンコリンクス属種(Tylenchorhynchus spp.)またはキシフィネマ属種(Xiphinema spp.)である。
【0017】
さらに他の態様では、この組成物はパエニバチルス・テラエ株の発酵産物を含む。一態様では、組成物は液体製剤である。別の態様において、該組成物は、1mL当たり少なくとも約1×104CFUのパエニバチルス・テラエ株の液体製剤を含む。さらに別の態様において、組成物は、農業的に許容される担体、不活性、安定化剤、保存剤、栄養素、および/または物性改変剤をさらに含む。
【0018】
いくつかの実施形態において、組成物は、1ヘクタール当たり約1×104から約1×1014コロニー形成単位(CFU)で、または、1ヘクタール当たり約0.1kgから約20kgの発酵固形物で施用される。
【0019】
他の実施形態では、
本発明は、動物害虫を防除するための、動物害虫被害からの保護を必要とする有用植物または有用植物の一部を保護するための、または、動物害虫による被害から種子またはそこから種子が成長する植物を保護するための、パエニバチルス・テラエ株の生物学的純粋培養物またはその無細胞調製物を含む組成物の使用に関する。
【0020】
一実施形態において、動物害虫は、甲虫目、鱗翅目または半翅目由来であるか、あるいは、線虫門由来である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、プルテラ・キシロステラ(Plutella xylostella)(ダイアモンドバックモス)およびトリコプルシア・ニ(Trichoplusia ni)(キャベツルーパー)に対するいくつかのパエニバシルス種の殺虫活性を示す。
【
図2】
図2は、カエノラブディティス・エレガンス(Caenorhabditis elegans)に対するパエニバチルス・テラエ株NRRL B-50972の活性を示す。
【
図3】
図3は、ミナミアオカメムシ(Nezara viridula) (南緑ナメクジウオ)に対するパエニバチルス・テラエ株NRRL B-50972の活性を示す。
【
図4】
図4は、アンチカルシア・ゲマタリス(Anticarsia gemmatalis) (ベルベットビーンキャタピラー)に対するパエニバチルス・テラエ株NRRL B-50972の活性を示す。
【
図5】
図5は、スポドプテラ・エリダニア(Spodoptera eridania)(サザンアーミーワーム)に対するパエニバチルス・テラエ株NRRL B-50972の活性を示す。
【
図6】
図6は、ジアブロティカ・ウンデシムプンクタタ・ウンデシムプンクタタ(Diabrotica undecimpunctata undecimpunctata)(西部斑点キュウリ甲虫)に対するパエニバチルス・テラエ株NRRL B-50972の活性を示す。
【
図7A】
図7Aは、パエニバチルス・テラエ株NRRL B-50972のプルテラ・キシロステラ (ダイアモンドバックモス)に対する活性を示す。
図7Bは、パエニバチルス・テラエ株NRRL B-67129のプルテラ・キシロステラ (ダイアモンドバックモス)に対する活性を示す。
図7Cは、パエニバチルス・テラエ株NRRL B-67306のプルテラ・キシロステラ (ダイアモンドバックモス)に対する活性を示す。
図7Dは、パエニバチルス・テラエ株NRRL B-67304のプルテラ・キシロステラ (ダイアモンドバックモス)に対する活性を示す。および
図7Eは、プルテラ・キシロステラ (ダイアモンドバックモス)に対するパエニバチルス・テラエ株NRRL B-67615の活性を示す。
【
図8】
図8Aは、パエニバチルス・テラエ株NRRL B-50972のトリコプルシア・ニ (キャベツルーパー)に対する活性を示す。
図8Bは、パエニバチルス・テラエ株NRRL B-67129のトリコプルシア・ニ (キャベツルーパー)に対する活性を示す。
図8Cは、パエニバチルス・テラエ株NRRL B-67306のトリコプルシア・ニ (キャベツルーパー)に対する活性を示す。
図8Dは、パエニバチルス・テラエ株NRRL B-67304のトリコプルシア・ニ (キャベツルーパー)に対する活性を示す。そして
図8Eは、パエニバチルス・テラエ株NRRL B-67615のトリコプルシア・ニ (キャベツルーパー)に対する活性を示す。
【0022】
詳細な説明
本明細書に記載される微生物および特定の菌株は、特に特記しない限り、全て自然から分離され、例えば、生物活性代謝産物産生を最大にするためのバイオリアクターにおけるような、振盪フラスコ培養におけるような人工的条件下、またはスケールアップされた製造工程を通して増殖される。このような条件下での増殖は「順化(domestication)」をひき起こす。一般に、このような「順化された」株は、自然環境で見られる淘汰圧の影響を受けず、むしろ人為的な淘汰圧の影響を受けやすい均質な集団として培養されるという点で、自然界で見られる対応物とは異なる。
【0023】
本明細書中で使用される場合、動詞「含む(comprise)」は、本明細書および特許請求の範囲、ならびに、その組み合わせの中で用いられる通り、その非限定的な意味で、後述の項目を意味するために用いられるが、具体的に言及されていない項目を除外することはない。さらに、不定冠詞「a」または「an」による要素への言及は、要素の1つおよび1つのみが存在することを明らかに必要とする文脈を除き、要素の1つ以上が存在する可能性を排除するものではない。したがって、不定の論文「a」または「an」は通常、「少なくとも1つ」を意味する。
【0024】
「場所(locus)」とは、その植物が生育しているか又は生育することが意図されるあらゆる種類の環境、土壌、面積又は物質並びにその植物及び(又は)その繁殖体の成長及び発育に影響を及ぼす環境条件(温度、水の利用可能性、放射線等)をいう。また、「場所」とは、有害動植物が生育しているか又は生育する可能性のある植物、種子、土壌、面積、物質又は環境と理解されるものとする。
【0025】
「種子」の語は、真の種子、種子片、吸盤、コルム、球根、果実、塊茎、穀物、挿し木、切り枝などを含むが、これらに限定されない全ての種類の種子および植物繁殖体を含み、一態様では、真の種子を意味する。
【0026】
パエニバチルス・テラエ株NRRL B-50972およびパエニバチルス・テラエ株NRRL B-67129は、広域スペクトル抗真菌活性を有するフサリシジンおよびフサリシジン様化合物のユニークなグループの産生菌としてこれまでに同定されている(WO 2016/154297)。パエニバチルス・テラエ株NRRL B-67304、パエニバチルス・テラエ株NRRL B-67306、およびパエニバチルス・テラエ株NRRL B-67615は、パエニバチルス・テラエ株NRRL B-50972およびパエニバチルス・テラエ株NRRL B-67129に関連し、野生型DegUおよび野生型DegSを発現するパエニバシラス属株の液体培養と比較して、粘度が低下した液体培養をもたらす突然変異体DegUおよび/または突然変異体DegSを発現する(米国特許出願第62/671,067号)。
【0027】
一態様では、パエニバチルス・テラエ株は、パエニバチルス・テラエ株NRRL B-50972またはその殺虫性突然変異体である。別の局面において、パエニバチルス・テラエ株は、パエニバチルス・テラエ株NRRL B-67129またはその殺虫性突然変異体である。別の局面において、パエニバチルス・テラエ株は、パエニバチルス・テラエ株NRRL B-67304またはその殺虫性突然変異体である。別の局面において、パエニバチルス・テラエ株は、パエニバチルス・テラエ株NRRL B-67306またはその殺虫性突然変異体である。別の局面において、パエニバチルス・テラエ株は、パエニバチルス・テラエ株NRRL B-67615またはその殺虫性突然変異体である。
【0028】
いくつかの実施形態において、パエニバチルス・テラエ株NRRL B-50972、パエニバチルス・テラエ株NRRL B-67129、パエニバチルス・テラエ株NRRL B-67304、パエニバチルス・テラエ株NRRL B-67306、またはパエニバチルス・テラエ株NRRL B-67615の突然変異株が提供される。用語「突然変異体(mutant)」とは、パエニバチルス・テラエ株に由来する遺伝的変異体を意味する。一実施形態において、突然変異体は、パエニバチルス・テラエ株NRRL B-50972、パエニバチルス・テラエ株NRRL B-67129、パエニバチルス・テラエ株NRRL B-67304、パエニバチルス・テラエ株NRRL B-67306、またはパエニバチルス・テラエ株NRRL B-67615の同定(機能)特性を1つ以上有する。特定の例において、該突然変異体またはその発酵産物は、少なくとも親のパエニバチルス・テラエ株NRRL B-50972、パエニバチルス・テラエ株NRRL B-67129、パエニバチルス・テラエ株NRRL B-67304、パエニバチルス・テラエ株NRRL B-67306、またはパエニバチルス・テラエ株NRRL B-67615と同様に(機能的特徴を有する)動物害虫(例えば、昆虫または線虫)、真菌、卵菌および/または細菌を制御する。このような突然変異体は、パエニバチルス・テラエ株NRRL B-50972、パエニバチルス・テラエ株NRRL B-67129、パエニバチルス・テラエ株NRRL B-67304、パエニバチルス・テラエ株NRRL B-67306、またはパエニバチルス・テラエ株NRRL B-67615に対して、約85%を超える、約90%を超える、約95%を超える、約98%を超える、または約99%を超える配列同一性を有する遺伝的変異体であり得る。突然変異体は、パエニバチルス・テラエ株NRRL B-50972、パエニバチルス・テラエ株NRRL B-67129、パエニバチルス・テラエ株NRRL B-67304、パエニバチルス・テラエ株NRRL B-67306、またはパエニバチルス・テラエ株NRRL B-67615の細胞を化学物質で処理するか、放射線照射するか、またはパエニバチルス・テラエ株NRRL B-50972、パエニバチルス・テラエ株NRRL B-67129、パエニバチルス・テラエ株NRRL B-67304、パエニバチルス・テラエ株NRRL B-67306、またはパエニバチルス・テラエ株NRRL B-67615細胞(ファージ耐性または抗生物質耐性突然変異体など)の集団から自然突然変異体を、以下に記載するようにゲノムシャフリングにより、または当業者に既知の他の方法によって、選択することによって得られても良い。
【0029】
パエニバシルス株間のゲノムシャフリングは、プロトプラスト融合とよばれる過程を用いることによって容易に行うことができる。この過程は栄養細菌細胞からプロトプラストが形成されることから始まる。典型的にはリゾチームと浸透圧安定剤を用いてペプチドグリカン細胞壁を除去すると、プロトプラストが形成される。この過程は光学顕微鏡で見ることができ、球形の細胞が出現する。次に、ポリエチレングリコール(PEG)を加えると、プロトプラスト間の融合が誘導され、2つ以上の細胞の遺伝的内容物が接触し、組換えとゲノムシャフリングが促進される。融合細胞はその後再分裂し、固体の増殖培地上で回収される。回復の過程で、プロトプラストはペプチドグリカン細胞壁を再構築し、桿菌の形に戻る。Schaeffer,et al.、(1976)PNAS USA、vol.73, 6:2151-2155を参照のこと)。
【0030】
本発明はまた、植物または植物部分、例えば葉、茎、花、果実、根、または種子に投与することによって、または植物または植物部分、例えば土壌、開示されたパエニバシラス属株もしくはその突然変異体、またはそれらの無細胞調製物、またはそれらの代謝産物のように植物または植物部分が成長する場所に施用することによって、植物の病気を制御するために植物を処理する方法を包含する。
【0031】
本発明による方法では、開示されたパエニバシラス属株またはその殺虫性突然変異体を含む組成物を、植物を生育させるために用いられる任意のタイプの培地(例えば、土壌、バーミキュライト、細断したダンボール、および水)で生育させるか、あるいは、植物またはランもしくはサンゴシダなどの空中で生育される植物の部分に施用することができる。この組成物は、例えば、散布、噴霧、気化、散布、粉塵化、散布、散水、搾取、散布、注射または燻蒸によって施用することができる。すでに示したように、農業、園芸、森林、植林、園芸、保育園、育苗、有機栽培作物、芝草および都市環境など、対象とする植物が位置する任意の所望の場所で施用を行うことができる。
【0032】
本発明の組成物は、開示されたパエニバシラス属株またはそれに由来する殺虫性突然変異体(株)を、当該技術分野で周知の方法に従って培養することにより得ることができ、これは、は、以下の実施例に記載されている培地および他の方法を用いることを含む。従来の大規模微生物培養プロセスには、水中発酵、固体発酵、または液体表面培養が含まれる。発酵の終わりに向けて、栄養分が枯渇すると、細胞は発酵の最終産物が大部分胞子、代謝産物および残留発酵培地であるように、増殖期から胞子形成期への移行を開始する。胞子形成はパエニバシラスの自然の生活環の一部であり、一般に栄養制限に応答して細胞によって開始される。発酵は、高レベルのコロニー形成単位を得て、胞子形成を促進するように構成されている。発酵に起因する培養培地中の細菌細胞、胞子および代謝産物は、遠心分離、接線流ろ過、深部ろ過、および蒸発のような従来の工業的方法によって直接または濃縮して使用することができる。
【0033】
本発明の組成物には、発酵産物が含まれる。いくつかの実施形態において、濃縮発酵ブロスは、例えば、ダイアフィルトレーションプロセスを介して洗浄され、残留発酵ブロスおよび代謝産物を除去する。本明細書中で使用される用語「ブロス濃縮物」は、上記のように、従来の工業的方法によって濃縮されたが、液体形態のままである全ブロス(発酵ブロス)を指し、本明細書中で使用される用語「発酵固体」は、発酵ブロスが乾燥された後に残る固体材料を指し、本明細書中で使用される用語「発酵産物」は、全ブロス、ブロス濃縮物および/または発酵固体を指す。本発明の組成物には、発酵産物が含まれる。
【0034】
発酵ブロスまたはブロス濃縮物は、噴霧乾燥、凍結乾燥、トレー乾燥、流動床乾燥、ドラム乾燥、または蒸発のような従来の乾燥プロセスまたは方法を用いて、担体の添加の有無にかかわらず乾燥することができる。
【0035】
得られた乾燥生成物は、特定の粒径または物理形態を達成するために、粉砕または造粒などによりさらに処理され得る。後述する担体を乾燥後に加えてもよい。
【0036】
細菌により生産される生物学的化学物質(例えば、殺虫性化合物)は、細菌細胞から分離されるか、または他の細菌成分からさらに精製され、かつ互いに分離され得る。用語「無細胞調製物」とは、当業者に周知の手段を介して細胞を除去または実質的に除去した、生物学的に純粋な培養または発酵ブロスを意味する。無細胞調製物は、限定されるわけではないが、発酵ブロスの抽出、遠心および/または濾過を含む、当該技術分野で公知の任意の手段によって得ることができる。当業者は、細胞を除去するために用いられる技術(例えば、遠心速度)に依存して、いわゆる無細胞調製物が、細胞を欠いているのではなく、むしろ大部分が無細胞または実質的に無細胞であり得ることを認識するであろう。得られた無細胞調製物は、その特定の適用を助ける成分とともに乾燥および/または製剤化され得る。発酵ブロスのための本明細書に記載される濃縮方法および乾燥技術は、無細胞調製物にも適用可能である。
【0037】
例えば、発酵ブロスの遠心分離によって無細胞調製物を製造した後、代謝産物を分子量カットオフに基づいて種々の画分に分類するLH-20、G10、およびG15およびG25を含むSEPHADEX(登録商標)樹脂を含むがこれらに限定されないサイズ排除ろ過によって精製することができる。
【0038】
特定の態様において、発酵産物は、製剤成分をさらに含む。製剤成分は、湿潤剤、増量剤、溶媒、自発性促進剤、乳化剤、分散剤、凍結保護剤、増粘剤、および/またはアジュバントであってよい。1つの実施形態において、製剤成分は湿潤剤である。他の局面では、発酵産物は凍結乾燥粉末またはスプレー乾燥粉末である。
【0039】
本発明の組成物は、回復(recovery)、有効性、または物理的特性を改善するため、および/または加工、包装および投与を助けるために本発明の組成物に添加された製剤成分を含み得る。このような処方成分は、個別にまたは組み合わせて添加され得る。
【0040】
製剤成分は、細胞含有組成物、無細胞調製物、単離化合物、および/または代謝物に添加して、有効性、安定性、および物理的特性、使用性を改善する、および/または、加工、包装および最終用途を容易にすることができる。かかる製剤成分は、農業的に許容される担体、不活性剤、安定化剤、保存剤、栄養剤、または物理的特性改変剤を含み、これらを個別にまたは組み合わせて添加することができる。いくつかの実施形態において、担体は、水、油、および他の有機または無機溶媒のような液体材料と、生物学的にまたは化学合成によって誘導されたミネラル、ポリマー、またはポリマー複合体のような固体材料を含むことができる。いくつかの実施形態において、製剤成分は、葉、種子、または根などの植物部分への組成物の付着を容易にする結合剤、アジュバント、または接着剤である。例えば、Taylor、A.G.、et al.、"Concepts and Technologies of Selected Seed Treatments"、Annu.Rev.Phytopathol.、28: 321-339 (1990)を参照されたい。安定化剤は、ケーキング防止剤、酸化防止剤、沈降防止剤、消泡剤、乾燥剤、保護剤または防腐剤を含み得る。栄養素は、炭素、窒素、および糖、多糖類、油、タンパク質、アミノ酸、脂肪酸およびリン酸塩などのリン源を含み得る。物理的特性改質剤は、増量剤、湿潤剤、増粘剤、pH改質剤、レオロジー改質剤、分散剤、アジュバント、界面活性剤、フィルム形成剤、ハイドロトロープ、ビルダー、不凍剤または着色剤を含んでもよい。いくつかの実施形態において、細胞、無細胞調製物および/または発酵によって生成された代謝産物を含む組成物は、他の製剤調製物なく、希釈剤として水を用いてまたは用いずに直接使用することができる。特定の実施形態では、湿潤剤、または分散剤が、凍結乾燥またはスプレー乾燥粉末などの発酵固体に添加される。いくつかの実施形態において、製剤不活性剤は、発酵ブロスを濃縮した後および/または乾燥中および/または乾燥後に添加される。湿潤剤は、拡散および浸透特性を増加させるか、または分散剤は、それが表面に施用されるとき、活性成分(一旦希釈された)の分散性および溶解性を増加させる。例示的な湿潤剤は、当業者に公知であり、スルホコハク酸塩および誘導体、例えばMULTIWET(商標) MO-70R(エジソン、NJ);シロキサン、例えばATLOX(商標) 4894(クロダ、エジソン、NJ);アルキルポリグルコシド、例えばTERWET(登録商標) 3001(ハンツマン・インターナショナル、テキサス); C12-C14アルコールエトキシレート、例えばTERGITOL(登録商標)15-S-15(ミシガン、ダウケミカル社);リン酸エステル、例えばRHODAFAC(登録商標)BG-510(ローディア、Inc.);およびアルキルエーテルカルボキシレート、例えばEMULSOGEN(商標) LS (クラリアント、ノースカロライナ)を含む。
【0041】
一実施形態において、発酵産物は、1mLブロスあたり、少なくとも約1×104コロニー形成単位(CFU)の微生物(例えば、パエニバチルス・テラエ株NRRL B-50972、パエニバチルス・テラエ株NRRL B-67129、パエニバチルス・テラエ株NRRL B-67304、パエニバチルス・テラエ株NRRL B-67306、パエニバチルス・テラエ株NRRL B-67615またはその殺虫性突然変異株)を含む。別の実施形態では、発酵産物は、1mLブロスあたり、少なくとも約1×105コロニー形成単位(CFU)の微生物を含む。別の実施形態では、発酵産物は、少なくとも約1×106 CFUの微生物/mLブロスを含む。さらに別の実施形態では、発酵産物は、少なくとも約1×107 CFUの微生物/mLブロスを含む。別の実施形態では、発酵産物は、少なくとも約1×108 CFUの微生物/mLブロスを含む。別の実施形態では、発酵産物は、少なくとも約1×109 CFUの微生物/mLブロスを含む。別の実施形態では、発酵産物は、少なくとも約1×1010 CFUの微生物/mLブロスを含む。別の実施形態では、発酵産物は、少なくとも約1×1011 CFUの微生物/mLブロスを含む。
【0042】
本発明の組成物は、その特定の物理的および/または化学的性質に応じて、例えばエアロゾル、カプセル懸濁液、温霧濃縮液、カプセル化濃縮液、細粒、種子の処理のための流動可能な濃縮物、乳化可能な濃縮物、水中油乳剤、マクロ顆粒、油分散可能な粉末、油混和可能な濃縮物、ガス生成物、泡沫、農薬コーティングされた種子懸濁液、油分散液、可溶性濃縮物、懸濁剤、水溶性粉末、粉塵および顆粒、水溶性および水分散可能な顆粒または錠剤のような、それらから調製された使用形態で使用することができる 種子、水溶性粉末、天然物、有効成分を浸透させた合成物質、および高分子物質のマイクロカプセル化物の処理のための水溶性および水溶性粉末 種子のコーティング材、ULV冷霧調剤、温霧調剤として用いることができる。
【0043】
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は液体製剤である。液体製剤の非限定的な例としては、懸濁液濃度および油分散液が挙げられる。他の実施形態では、本発明の組成物は固体製剤である。液体製剤の非限定的な例としては、凍結乾燥粉末および噴霧乾燥粉末が挙げられる。
【0044】
すべての植物および植物部分は、本発明に従って処理することができる。本文脈において、植物は、所望および望ましくない野生植物または作物植物(天然に存在する作物植物を含む)のような、全ての植物および植物集団を意味するものとして理解される。作物植物は、伝統的な育種及び最適化方法、又はバイオテクノロジー及び組換え方法、又はこれらの方法の組合せによって得ることができる植物であって、これらの方法の組合せには、遺伝子組換え植物及び植物育種家の権利によって保護されるか又は保護されない植物品種を含む。植物の部分は、シュート、葉、花、根など、植物のすべての地上部と地下部の部分と器官を意味すると理解されている。たとえば、葉、針葉、柄、茎、花、子実体、果実と種子、根、塊茎、根茎などが挙げられることもある。植物部分には、挿し木、塊茎、根茎、すべり、種子などの作物素材や栄養繁殖素材、生殖繁殖素材も含まれる。
【0045】
すでに言及したように、全ての植物及びその部分は、本発明に従って処理することができる。一実施形態において、野生で生育するか、またはハイブリダイゼーションまたはプロトプラスト融合のような伝統的な生物学的育種法によって得られる植物種および植物品種、およびそれらの部分を処理する。さらなる実施形態において、適宜、伝統的な方法(遺伝子組換え生物)と組み合わせて、組換え方法によって得られたトランスジェニック植物および植物品種、およびそれらの部分が処理される。「部分」または「植物の部分」または「植物の部分」という用語は、前述のように説明されている。各々の場合に市販されている、または使用されている植物品種の植物は、特に本発明に従って処理されることが好ましい。植物品種は、伝統的な育種、突然変異誘発または組換えDNA技術の両方によって育種されてきた、新規な形質を有する植物を意味すると理解されている。これらは、品種、人種、生物型および遺伝子型の形態をとることがある。
【0046】
発明に従う組成物による植物及び植物部品の処理は、直接的に又は一般的な処理方法を用いて、浸透、住居又は貯蔵空間を用いて、例えば、浸透、散布、粉砕、蒸留、粉砕、散布、塗装、塗装、拡散、注入、ドレンチング、トリックル潅漑、そして、伝播物質の場合には、特に種子の場合には、乾燥した種子処理方法、湿式種子処理方法、スラリー処理方法、封止、一つ以上の塗布等により実施される。さらに、活性物質を超少量法で塗布するか、活性物質製剤又は活性物質そのものを土壌中に注入することも可能である。
【0047】
植物の直接的な処理は、葉面散布処理である。すなわち、本発明による組成物を葉面に施用し、処理頻度および施用率を問題の病原体の感染圧力(infection pressure)に合わせることが可能である。
【0048】
全身的に活性な化合物の場合、本発明による組成物は根系を経て植物に到達する。この場合、植物の処理は、本発明による組成物が植物の環境に作用することを可能にすることによって行われる。これは、例えば、ドレンチング、土壌中または栄養液中への取り込み、すなわち植物の位置(例えば、土壌または水耕システム)に本発明による組成物の液体形態を含浸させること、または土壌適用により行うことができる。すなわち、本発明による組成物は、植物の位置に固体の形で(例えば、顆粒の形で)組み込まれる。水稲培養の場合には、これは、本発明による組成物を、固体使用形態(例えば、顆粒の形態)で浸水した水田に入れることによっても行うことができる。
【0049】
好ましい植物は、有用植物、観賞用植物、芝生、一般的に公衆や国内の部門で観賞用として採用されている樹木、林業用樹木の群の植物である。森林樹木は、木材、セルロース、紙、および木の一部から作られた産物を生産するための樹木を含む。
【0050】
ここでいう「有用植物」とは、食料、飼料、燃料又は工業用の植物として使用される作物をいう。
【0051】
本発明の組成物および方法によって処理および/または改良することができる有用植物には、例えば、小麦、穀物、大麦、オート麦、米、トウモロコシおよびミツバチ;果実、例えばポメフルーツ、石果および軟果、例えばリンゴ、プラム、プラム、アーモンド、サクラ、ブラックベリー;マメ、例えば、レンチル、エンドウ、ポピエ、オリーブ、ヒマワリ、ココナツ、カカオおよびピーナツ;カボチャ/カボチャおよびメロン;繊維植物、例えば、ワタなどがある 亜麻、大麻、ジャンプ、柑橘類、グレープフルーツ、タンジェリン、野菜、例えばホウレンソウ、アスパラガス、キャベツ、ニンジン、トマト、ジャガイモ、ピーマン; 例えばアボカド、シンナモム、カンフル、または他の植物、例えばタバコ、ナッツ、コーヒー、オーベルギン、サトウキビ、茶、ピーマン、ブドウ、ホップ、バナナ、ラテックス植物および観賞植物、例えば花、低木、落葉樹および針葉樹が含まれる。この列挙には制限はない。
【0052】
以下の植物は、本発明の組成物および方法を適用するのに特に適した標的作物であると考えられる:ワタ、オーベルギン、芝、ポメ果実、石果実、柔らかい果実、トウモロコシ、コムギ、オオムギ、大麦、キュウリ、タバコ、ツバコ、イネ、穀類、ナシ、豆類、大豆、油料ナタネ、トマト、ベルペッパー、メロン、キャベツ、ジャガイモおよびリンゴ。
【0053】
本発明によるパエニバチルス・テラエ株は、良好な植物耐性および温血動物に対する良好な毒性と組み合わせて、植物および植物器官の保護、収穫物の品質の向上、および動物害虫、特に農業、園芸、林業、庭園およびレジャー施設、貯蔵製品および材料の保護、ならびに衛生分野において遭遇する動物害虫の防除に適している。これらは、植物保護剤として使用することが好ましい。これらは、通常は感受性と抵抗性のある種に対して、また、発生の全段階またはいくつかの段階に対して活性である。上記の害虫には以下のものがある:
【0054】
節足動物門、詳細にはクモ綱(Arachnida)からの有害生物、例えば、アカルス属種(Acarus spp.)、アセリア・クコ(Aceria kuko)、アケリア・シェルドニ(Aceria sheldoni)、アキュロプス属種(Aculops spp.)、アカルス属種(Aculus spp.)、アンブリオンマ属種(Amblyomma spp.)、アムピテトラニュクス・ビエネンシス(Amphitetranychus viennensis)、アルガス属種(Argas spp.)、ブーフィラス属種(Boophilus spp.)、ブレビパルプス属種(Brevipalpus spp.)、ブリオビア・グラミナム(Bryobia graminum)、ブリオビア・プラエチオサ(Bryobia praetiosa)、セントルロイデス属種(Centruroides spp.)、コリオプテス属種(Chorioptes spp.)、デルマニサス・ガリナエ(Dermanyssus gallinae)、デルマトファゴイデス・プテロニッシナス(Dermatophagoides pteronyssinus)、デルマトファゴイデス・ファリナエ(Dermatophagoides farinae)、デルマセントル属種(Dermacentor spp.)、エオテトラニカス属種(Eotetranychus spp.)、エピトリメルス ピリ(Epitrimerus pyri)、エウテトラニクス属種(Eutetranychus spp.)、エリオフィエス属種(Eriophyes spp.)、グリシファグス・ドメスチクス(Glycyphagus domesticus)、ハロチデウス・ デストルクトル(Halotydeus destructor)、ヘミタルソネムス属種(Hemitarsonemus spp.)、イボマダニ属(Hyalomma spp.)、イキソデス属種(Ixodes spp.)、ラトロデクタス属種(Latrodectusspp.)、ロキソセレス属種(Loxosceles spp.)、メタテトラニカス属種(Metatetranychus spp.)、ネウトロムビクラ・アウツムナリス(Neutrombicula autumnalis)、ヌフェルサ属種(Nuphersa spp.)、オリゴニクス属種(Oligonychus spp.)、オルニトドロス属種(Ornithodorus spp.)、オルニトニスス属種(Ornithonyssus spp.)、パノニクス属種(Panonychus spp.)、フィロコプトルタ・オレイボラ(Phyllocoptruta oleivora)、プラチテトラニクス・マルチジジツリ(Platytetranychus multidigituli)、ポリファゴタルソネムス・ラツス(Polyphagotarsonemus latus)、プソロプテス属種(Psoroptes spp.)、リピセファルス属種(Rhipicephalus spp.)、リゾグリフス属種(Rhizoglyphus spp.)、サルコプテス属種(Sarcoptes spp.)、スコルピオ・マウルス(Scorpio maurus)、ステネオタルソネムス属種(Steneotarsonemus spp.)、ステネオタルソネムス・スピンキ(Steneotarsonemus spinki)、タルソネムス属種(Tarsonemus spp
.)、テトラニクス属種(Tetranychus spp.)、トロムビクラ・アルフ
レズゲシ(Trombicula alfreddugesi)、バエジョビス属種(V
aejovis spp.)、バサテス・リコペルシシ(Vasates lycope
rsici);
【0055】
唇脚綱(Chilopoda)からの有害生物、例えば、ゲオフィルス属種(Geophilus spp.)、スクチゲラ属種(Scutigera spp.);
【0056】
トビムシ目または綱(Collembola)からの有害生物、例えば、オニキウルス・アルマツス(Onychiurus armatus)、スミンスルス・ビリジス(Sminthurus viridis);
【0057】
倍脚綱(Diplopoda)からの有害生物、例えば、ブラニウルス・グツラツス(
Blaniulus guttulatus);
【0058】
昆虫綱(Insecta)からの有害生物、例えば、ゴキブリ目(Blattodea)の有害生物、例えば、ブラッタ・オリエンタリス(Blatta orientalis)、ブラッテラ・アサヒナイ(Blattella asahinai)、ブラッテラ・ゲルマニカ(Blattella germanica)、レウコファエア・マデラエ(Leucophaea maderae)、ロドプテラ・デシピエンス(Loboptera decipiens)、ネオスティロピガ・ロビフォリア(Neostylopyga rhombifolia)、パンクロラ属種(Panchlora spp.)、パルコブラタ属種(Parcoblatta spp.)、ペリプラネタ属種(Periplaneta spp.)、ピコノスクレルス・スリナメンシス(Pycnoscelus surinamensis)、スペラ・ロンギパルパ(Supella longipalpa);
【0059】
鞘翅(Coleoptera)目からの有害生物、例えば、アカリマ・ビタツム(Acalymma vittatum)、アカントセリデス・オブテクツス(Acanthoscelides obtectus)、アドレツス属種(Adoretus spp.)、アエシナ・ツムダ(Aethina tumida)、アゲラスチカ・アルニ(Agelastica alni)、アグリオテス属種(Agriotes spp.)、アルフィトビウス・ジアペリヌス(Alphitobius diaperinus)、アンフィマロン・ソルチチアリス(Amphimallon solstitialis)、アノビウム・プンクタツム(Anobium punctatum)、アノプロホラ属種(Anoplophora spp.)、アントノムス属種(Anthonomus spp.)、アントレヌス属種(Anthrenusspp.)、アピオン属種(Apion spp.)、アポゴニア属種(Apogonia spp.)、アトマリア属種(Atomaria spp.)、アタゲヌス属種(Attagenus spp.)、バリス・カエルレセンス(Baris caerulescens)、ブルキジウス・オブテクツス(Bruchidiusobtectus)、ブルクス属種(Bruchus spp.)、カッシダ属種(Cassida spp.)、セロトマ・トリフルカタ(Cerotoma trifurcata)、セウトリンクス属種(Ceutorrhynchus spp.)、カエトクネマ属種(Chaetocnema spp.)、クレオヌス・メンジクス(Cleonus mendicus)、コノデルス属種(Conoderus spp.)、コスモポリテス属種(Cosmopolites spp.)、コステリトラ・ゼアランジカ(Costelytra zealandica)、クウテニセラ属種(Ctenicera spp.)、クルクリオ属種(Curculio spp.)、クリプトレステス・フェルギネウス(Cryptolestes ferrugineus)、クリプトリンクス・ラパチ(Cryptorhynchus lapathi)、シリンドロコプツルス属種(Cylindrocopturus spp.)、デルメステス属種(Dermestes spp.)、ジアブロチカ属種(Diabrotica spp.)、ジコクロキス属種(Dichocrocis spp.)、ディクラディスパアルミジェラ(Dicladispa armigera)、ジロボデルス属種(Diloboderus spp.)、エピカエルス属種(Epicaerus spp.)、エピラクナ属種(Epilachna spp.)、エピトリックス属種(Epitrix spp.)、ファウスチヌス属種(Faustinus spp.)、ジビウム・プシロイデス(Gibbium psylloides)、グナトセルス・コルヌトゥス(Gnathocerus cornutus)、ヘルラウンダリス(Hellula undalis)、ヘテロニュクス・アラトル(Heteronychus arator)、ヘテロニュクス属種(Heteronyx spp.)、ヒラモルファ・エレガンス(Hylamorpha elegans)、ヒロトルペス・バジュルス(Hylotrupes bajulus)、ヒペラ・ポスチカ(Hypera postica)、ヒポメセススクアモスス(Hypomeces squamosus)、ヒポテネムス属種(Hypothenemus spp.)、ラクノステルナ・コンサングイネア(Lachnosterna consanguinea)、ラシオデルマ・セリコルネ(Lasioderma serricorne)、ラテチクス・オリザエ(Latheticus oryzae)、ラトリジウス属種(Lathridius spp.)、レマ属種(Lema spp.)、レプチノタルサ・デセムリネアタ(Leptinotarsa decemlineata)、ロイコプテラ属種(Leucoptera spp.)、リソロプトルス・オリゾフィルス(Lissorhoptrus oryzophilus)、リストロノツス(Listronotus)(=ヒペロデス(Hyperodes))属種、リキスス属種(Lixus spp.)、ルペロデス属種(Luperodes spp.)、ルペロモルファ・キサトデア(Luperomorpha xanthodera)、リクツス属種(Lyctus spp.)、メガセリス属種(Megascelis spp.)、メラノツス属種(Melanotus spp.)、メリゲテス・アエネウス(Meligethes aeneus)、メロロンタ属種(Melolontha spp.)、ミゴドルス属種(Migdolus spp.)、モノカムス属種(Monochamus spp.)、ナウパクツス・キサントグラフス(Naupactus xanthographus)、ネクロビア属種(Necrobia spp.)、ネガロレルセラ属種(Neogalerucella spp.)、ニプツス・ホロレウクス(Niptus hololeucus)、オリクテス・リノセロス(Oryctes rhinoceros)、オリザエフィルス・スリナメンシス(Oryzaephilus surinamensis)、オリザファグス・オリザエ(Oryzaphagus oryzae)、オチオリンクス属種(Otiorrhynchus spp.)、オウレマ属種(Oulema spp.)、オウレマ・メラノプス(Oulema melanopus)、オウレマ・オリザエ(Oulema oryzae)、オキシセトニア・ジュクンダ(Oxycetonia jucunda)、ファエドン・コクレアリアエ(Phaedon cochleariae)、フィロファガ属種(Phyllophaga spp.)、フィロファガ・ヘレリー(Phyllophaga helleri)、フィロトレタ属種(Phyllotreta spp.)、ポピリア・ジャポニカ(Popillia japonica)、プレムノトリペス属種(Premnotrypes spp.)、プロステファヌス・トランカタス(Prostephanus truncatus)、プシリオデス属種(Psylliodes spp.)、プチヌス属種(Ptinus spp.)、リゾビウス・ベントラリス(Rhizobius ventralis)、リゾペルタ・ドミニカ(Rhizopertha dominica)、リンコフォラス属種(Rhynchophorus spp.)、リンコフォラス・ファーギネウス(Rhynchophorus ferrugineus)、リンコフォラス・パルマラム(Rhynchophorus palmarum)、シノキシロン・パーフォランス(Sinoxylon perforans)、シトフィルス属種(Sitophilus spp.)、シトフィルス・オリザエ(Sitophilusoryzae)、スフェノホルス属種(Sphenophorus spp.)、ステゴビウム・パセニウム(Stegobium paniceum)、ステルネクス属種(Sternechus spp.)、シンフィレテス属種(Symphyletes spp.)、タニメクス属種(Tanymecus spp.)、テネブリオ・モリトル(Tenebrio molitor)、テネブリオイデス・マウレタニカス(Tenebrioides mauretanicus)、トリボリウム属種(Triboliumspp.)、トロゴデルマ属種(Trogoderma spp.)、チキウス属種(Tychius spp.)、キシロトレクス属種(Xylotrechus spp.)、ザブルス属種(Zabrus spp.);
【0060】
ハサミムシ(Dermaptera)目からの有害生物、例えば、アニソラビス・マリチム(Anisolabis maritime)、フォルフィクラ・アウリクラリア(Forficula auricularia)、ラビヅラ・リパリア(Labidura riparia);
【0061】
双翅目(Diptera)からの有害生物、例えば、アエデス属種(Aedes spp.)、アグロミザ属種(Agromyza spp.)、アナストレファ属種(Anastrepha spp.)、アノフェレス属種(Anopheles spp.)、アスポンジュリア属種(Asphondylia spp.)、バクトロケラ属種(Bactrocera spp.)、ビビオ・ホルツラヌス(Bibio hortulanus)、カリホラ・エリトロセファラ(Calliphora erythrocephala)、カリフォラ・ビシナ(Calliphora vicina)、セラチチス・カピタタ(Ceratitis capitata)、キロノムス属種(Chironomus spp.)、クリソミア属種(Chrysomya spp.)、クリソプス属種(Chrysops spp.)、クリソゾナ・プルビアリス(Chrysozona pluvialis)、コクリオミイア属種(Cochliomyia spp.)、コンタリニア属種(Contarinia spp.)、コルジオビア・アントロポファガ(Cordylobia anthropophaga)、クリコトプス・シルベストリス(Cricotopus sylvestris)、クレクス属種(Culex spp.)、クリコイデス属種(Culicoides spp.)、クリセタ属種(Culiseta spp.)、クテレブラ属種(Cuterebra spp.)、ダクス・オレアエ(Dacus oleae)、ダシネウラ属種(Dasineura spp.)、デリア属種(Delia spp.)、デルマトビア・ホミニス(Dermatobia hominis)、ドロソフィラ属種(Drosophila spp.)、エキノクネムス属種(Echinocnemus spp.)、エウレイア・ヘラクレイ(Euleia heraclei)、ファンニア属種(Fannia spp.)、ガステロフィルス属種(Gasterophilus spp.)、グロッシナ属種(Glossina spp.)、ハエマトポタ属種(Haematopota spp.)、ヒドレリア属種(Hydrellia spp.)、ヒドレリアグリセオラ(Hydrellia griseola)、ハイレミア属種(Hylemya spp.)、ヒポボスカ属種(Hippobosca spp.)、ヒポデルマ属種(Hypoderma spp.)、リリオミザ属種(Liriomyza spp.)、ルシリア属種(Lucilia spp.)、ルトゾミイア属種(Lutzomyia spp.)、マンソニア属種(Mansonia spp.)、ムスカ属種(Musca spp.)、オエストルス属種(Oestrus spp.)、オシネラ・フリト(Oscinella frit)、パラタニタルスス属種(Paratanytarsus spp.)、パラロイテルボルニエラ・スブチンクタ(Paralauterborniella subcincta)、ペゴマイヤ属種(Pegomyia spp.)またはペゴミヤ属種(Pegomya spp.)、、フレボトムス属種(Phlebotomus spp.)、ホルビア属種(Phorbia spp.)、ホルミア属種(Phormia spp.)、ピオフィラ・カゼイ(Piophila casei)、プラティパレア・ポシロプテラ(Platyparea poeciloptera)、プロジプロシス属種(Prodiplosis spp.)、プシラ・ロサエ(Psila rosae)、ラゴレチス属種(Rhagoletis spp.)、サルコファガ属種(Sarcophaga spp.)、シムリウム属種(Simulium spp.)、ストモキス属種(Stomoxys spp.)、タバヌス属種(Tabanus spp.)、テタノプス属種(Tetanops spp.)、チプラ属種(Tipula spp.)、トクソトリパラ・カーヴィカウダ(Toxotrypana curvicauda);
【0062】
ヘミプテラ目(Hemiptera)の有害生物、例えば、アシッツィア・アカシアバイレヤナエ(Acizzia acaciaebaileyanae)、アシッツィア・ドドナエアエ(Acizzia dodonaeae)、アシッツィア・ウンカトイデス(Acizzia uncatoides)、アクリダ・ツリタ(Acrida turrita)、アシルトシポン属種(Acyrthosipon spp.)、アクロゴニア属種(Acrogonia spp.)、アエネオラミア属種(Aeneolamia spp.)、アゴノセナ属種(Agonoscena spp.)、アレウロカンサス属種(Aleurocanthus spp.)、アレウロカンサス属種(Aleurocanthus ssp.)、アレイローデス・プロレッテラ(Aleyrodes proletella)、アレウロロブス・バロデンシス(Aleurolobus barodensis)、アレウロトリクス・フロコスス(Aleurothrixus floccosus)、アロカリダラ・マライエンシス(Allocaridara malayensis)、アムラスカ属種(Amrasca spp.)、アヌラフィス・カルズィ(Anuraphis cardui)、アオニジエラ属種(Aonidiella spp.)、アファノスチグマ・ピリ(Aphanostigma piri)、アフィス属種(Aphis spp.)、アルボリジア・アピカリス(Arboridia apicalis)、アリタイニラ属種(Arytainilla spp.)、アスピジエラ属種(Aspidiella spp.)、アスピジオツス属種(Aspidiotus spp.)、アタヌス属種(Atanus spp.)、アウラコルツム・ソラニ(Aulacorthum solani)、ベミシア・タバシ(Bemisia tabaci)、ブラストプシラ・オクシデンタリス(Blastopsylla occidentalis)、ボレイオグリカスピス・メラロイカエ(Boreioglycaspis melaleucae)、ブラキカウズス・ヘリクリシ(Brachycaudus helichrysi)、ブラキコルス属種(Brachycolus spp.)、ブレビコリネ・ブラシカエ(Brevicoryne brassicae)、カコプシラ属種(Cacopsylla spp.)、カリジポナ・マルギナタ(Calligypona marginata)、カプリニア属種(Capulinia spp.)、カルネオセファラ・フルギダ(Carneocephala fulgida)、セラトバクナ・ラニゲラ(Ceratovacuna lanigera)、セルコピダエ(Cercopidae)、セロプラステス属種(Ceroplastes spp.)、カエトシホン・フラガエホリイ(Chaetosiphon fragaefolii)、キオナスピス・テガレンシス(Chionaspis tegalensis)、クロリタ・オヌキイ(Chlorita onukii)、コンドラクリスロセ(Chondracris rosea)、クロマフィス・ジュグランジコラ(Chromaphis juglandicola)、クロソムファルス・アニヅム(Chrysomphalus aonidum)、クリソムファルス・フィクス(Chrysomphalus ficus)、シカズリナ・ムビラ(Cicadulina mbila)、コッコミチルス・ハリイ(Coccomytilus halli)、コックス属種(Coccus spp.)、クリストミズル・リビス(Cryptomyzus ribis)、クリプトネオッサ属種(Cryptoneossa spp.)、クテノナリタイナ属種(Ctenarytaina spp.)、ダルブルス属種(Dalbulus spp.)、ジアロイロデス・シトリ(Dialeurodes citri)、ジアロイロデス・シッテンデリ(Dialeurodes chittendeni)、ジアホリナ・シトリ(Diaphorina citri)、ジアスピス属種(Diaspis spp.)、ジアウラフィス属種(Diuraphis spp.)、ドラリス属種(Doralis spp.)、ドロシカ属種(Drosicha spp.)、ジサフィス属種(Dysaphis spp.)、ジスミコックス属種(Dysmicoccus spp.)、エンポアスカ属種(Empoasca spp.)、エリオソマ属種(Eriosoma spp.)、エリトロネウラ属種(Erythroneura spp.)、ユーカリプトリマ属種(Eucalyptolyma spp.)、ユーフィルラ属種(Euphyllura spp.)、エウセリス・ビロバツス(Euscelis bilobatus)、フェリシア属種(Ferrisia spp.)、フィオリニア属種(Fiorinia spp.)、フルカピス・オセアニカ(Furcaspis oceanica)、ゲオコックス・コフェアエ(Geococcus coffeae)、グリカスピス属種(Glycaspis spp.)、ヘテロプシラ クバナ(Heteropsylla cubana)、ヘテロプシラ・スピヌロサ(Heteropsylla spinulosa)、ホマロジスカ・コアグラタ(Homalodisca coagulata)、ヒアロプテルス・アルンジニス(Hyalopterus arundinis)、ヒアロプテルス・プルニ(Hyalopterus pruni)、イセリア属種(Icerya spp.)、イジオセルス属種(Idiocerus spp.)、イジオスコプス属種(Idioscopus spp.)、ラオデルファクス・ストリアテルス(Laodelphax striatellus)、レカニウム属種(Lecanium spp.)、レピドサフェス属種(Lepidosaphes spp.)、リパフィス・エリシミ(Lipaphis erysimi)、マクロシフム属種(Macrosiphum spp.)、マクロステレス・ファシフロン(Macrosteles facifrons)、マハナルバ属種(Mahanarva spp.)、メラナフィス・サッカリ(Melanaphis sacchari)、メトカルフィエラ属種(Metcalfiella spp.)、メトカフラ・プルニノサ(Metcalfa pruinosa)、メトポロフィウム・ジロズム(Metopolophium dirhodum)、モネリア・コスタリス(Monellia costalis)、モネリオプシス・ペカニス(Monelliopsis pecanis)、ミズス属種(Myzus spp.)、ナソノビア・ニビスニグリ(Nasonovia ribisnigri)、ネオマスケリア属種(Neomaskellia spp.)、ネホテッチキス属種(Nephotettix spp.)、ネッチゴニクラ・スペクトラ(Nettigoniclla spectra)、ニラパルバタ・ルゲンス(Nilaparvata lugens)、オンコメトピア属種(Oncometopia spp.)、オルテジア・プラテロンガ(Orthezia praelonga)、オクシアチネンシス(Oxya chinensis)、パチプシラ属種(Pachypsylla spp.)、パラベムシア・ミリカエ(Parabemisia myricae)、パラトリオザ属種(Paratrioza spp.)、パルラトリア属種(Parlatoria spp.)、ペムフィグス属種(Pemphigus spp.)、ペレグリヌス・マイジス(Peregrinus maidis)、パーキンシエラ属種(Perkinsiella spp.)、フェナコックス属種(Phenacoccus spp.)、フロエオミズス・パセリニイ(Phloeomyzus passerinii)、ホロドン・フムリ(Phorodon humuli)、フィロキセラ属種(Phylloxera spp.)、ピンナスピス・アスピジストラエ(Pinnaspis aspidistrae)、プラノコックス属種(Planococcus spp.)、プロソピドプシラ・フラバ(Prosopidopsylla flava)、プロトプルビナリア・ピリホルミス(Protopulvinaria pyriformis)、プセウダウラカスピス・ペンタゴナ(Pseudaulacaspis pentagona)、プセウドコックス属種(Pseudococcus spp.)、プシロプシス属種(Psyllopsis spp.)、プシラ属種(Psylla spp.)、プテロマルス属種(Pteromalus spp.)、プルヴィナリア属種(Pulvinaria spp.)、ピリラ属種(Pyrilla spp.)、クアドラスピジオツス属種(Quadraspidiotus spp.)、クエサダ・ギガス(Quesada gigas)、ラストロコックス属種(Rastrococcus spp.)、ロパロシフム属種(Rhopalosiphum spp.)、サイセチア属種(Saissetia spp.)、スカフォイデウス チタヌス(Scaphoideus titanus)、シザフィス・グラミヌム(Schizaphis graminum)、セレナスピズス・アルチクラツス(Selenaspidus articulatus)、シトビオン・アベナエ(Sitobion avenae)、ソガタ属種(Sogata spp.)、ソガテラ・フルシフェラ(Sogatella furcifera)、ソガトデス属種(Sogatodes spp.)、スチクトセファラ・フェスチナ(Stictocephala festina)、シフォニヌス・フィリレアエ(Siphoninus phillyreae)、テナラファラ・マラエンシス(Tenalaphara malayensis)、テトラゴノセフェラ属種(Tetragonocephela spp.)、チノカリス・カリアエホリアエ(Tinocallis caryaefoliae)、トマスピス属種(Tomaspis spp.)、トキソプテラ属種(Toxoptera spp.)、トリアエウロデス・バポラリオルム(Trialeurodes vaporariorum)、トリオザ属種(Trioza spp.)、チフロシバ属種(Typhlocyba spp.)、ウナスピス属種(Unaspis spp.)、ビテウス・ビチホリイ(Viteus vitifolii)、ジギナ属種(Zygina spp.);
【0063】
ヘテロプテラ目(Heteroptera)の有害生物、例えば、アエリア属種(Aelia spp.)、アナサ・トリスチス(Anasa tristis)、アンテスチオプチス属種(Antestiopsis spp.)、ボイセア属種(Boisea spp.)、ブリスス属種(Blissus spp.)、カロコリス属種(Calocoris spp.)、カムピロンマ・リビダ(Campylomma livida)、カベレリウス属種(Cavelerius spp.)、シメックス属種(Cimex spp.)、コラリア属種(Collaria spp.)、クレオンチアデス・ジルツス(Creontiades dilutus)、ダシヌス・ペピリス(Dasynus piperis)、ジケロプス・フルカツス(Dichelops furcatus)、ジコノコリス・ヘウェチ(Diconocoris hewetti)、ジスデルクス属種(Dysdercus spp.)、エウシスツス属種(Euschistus spp.)、エウリデマ属種(Eurydema spp.)、エウリガステル属種(Eurygaster spp.)、ヘリオペルチス属種(Heliopeltis spp.)、ホルシアス・ノビレルス(Horcias nobilellus)、レプトコリサ属種(Leptocorisa spp.)、レプトコリサ・ヴァリコルニス(Leptocorisa varicornis)、レプトグロスス・オクシデタリス(Leptoglossus occidentalis)、レプトグロスス・フィロプス(Leptoglossus phyllopus)、リゴクリス属種(Lygocoris spp.)、リグス属種(Lygus spp.)、マクロペス・イクスカバツス(Macropes excavatus)、メガコプタ・クリブラリア(Megacopta cribraria)、ミリダエ(Miridae)、モナロニオン・アトラツム(Monalonion atratum)、ネザラ属種(Nezara spp.)、ニシウス属種(Nysius spp.)、オエバルス属種(Oebalus spp.)、ペントミダエ(Pentomidae)、ピエスマ・クワドラタ(Piesma quadrata)、ピエゾドルス属種(Piezodorus spp.)、プサルス属種(Psallus spp.)、プセウドアシスタ・ペルセア(Pseudacysta persea)、ロドニウス属種(Rhodnius spp.)、サールベンゲラ・シングラリス(Sahlbergella singularis)、スカプトコリス・カスタネア(Scaptocoris castanea)、スコチノホラ属種(Scotinophora spp.)、ステファニチス・ナシ(Stephanitis nashi)、チブラカ属種(Tibraca spp.)、トリアトマ属種(Triatoma spp.);
【0064】
膜翅目(Hymenoptera)の有害生物、例えば、アクロミルメックス属種(Acromyrmex spp.)、アタリア属種(Athalia spp.)、アッタ属種(Atta spp.)、カムノトス属種(Camponotus spp.)、ドリコベルプラ属種(Dolichovespula spp.)、ジプリオン属種(Diprion spp.)、ホプロカンパ属種(Hoplocampa spp.)、ラシウス属種(Lasius spp.)、リネピセマイエイジオミルメクスフミレ(Linepithema Iridiomyrmex humile)、モノモイウム・ファラオニス(Monomorium pharaonis)、パラトレチナ属種(Paratrechina spp.)、パラべスプラ属種(Paravespula spp.)、プラジオレピス属種(Plagiolepis spp.)、シレクス属種(Sirex spp.)、ソレノプシスインビクタ(Solenopsis invicta)、タピノマ属種(Tapinoma spp.)、テクノミルメクス・アルビペス(Technomyrmex albipes)、ウロセルス属種(Urocerus spp.)、ベスパ属種(Vespa spp.)、ワスマニア・アウロプンクタタ(Wasmannia auropunctata)、キセリス属種(Xeris spp.);
【0065】
等脚目(Isopoda)の有害生物、例えば、アルマジリジウム・ブルガレ(Armadillidium vulgare)、オニスクス・アセルス(Oniscus asellus)、ポルセリオ・スカベル(Porcellio scaber);
【0066】
等翅目(Isoptera)の有害生物、例えば、コプトテルメス属種(Coptotermes spp.)、コルニテルメス・クムランス(Cornitermes cumulans)、クリプトテルメス属種(Cryptotermes spp.)、インシシテルメス属種(Incisitermes spp.)、カロメトメス属種(Kalotermes spp.)、ミクロテルメス・オベシ(Microtermes obesi)、ナスチテルメス属種(Nasutitermes spp.)、オドントテルメス属種(Odontotermes spp.)、ポルテルメス属種(Porotermes spp.)、レチクリテルメス属種(Reticulitermes spp.);
【0067】
鱗翅目(Lepidoptera)の有害生物、例えば、アクロイア・グリセラ(Achroia grisella)、アクロニクタ・マジョル(Acronicta major)、アドキソフィエス属種(Adoxophyes spp.)、アエジア・レウコメラス(Aedia leucomelas)、アグロチス属種(Agrotis spp.)、アラバマ属種(Alabama spp.)、アミエロイス・トランシテッラ(Amyelois transitella)、アナルシア属種(Anarsia spp.)、アンチカルシア属種(Anticarsia spp.)、アルギロプロス属種(Argyroploce spp.)、アウトグラファ属種(Autographa spp.)、バラトラ・ブラシカエ(Barathra brassicae)、ブラストダクナ・アトラ(Blastodacna atra)、ボルボ・シンナラ(Borbo cinnara)、ブックラトリクス・ツルベリエラ(Bucculatrix thurberiella)、ブパルス・ピニアリウス(Bupalus piniarius)、ブッセオラ属種(Busseola spp.)、カコエキア属種(Cacoecia spp.)、カロプチリア・ティボラ(Caloptilia theivora)、カプラ・レチクラナ(Capua reticulana)、カルポカプサ・ポモネラ(Carpocapsa pomonella)、カルポシナ・ニポメンシス(Carposina niponensis)、ケイマトビア・ブルマタ(Cheimatobia brumata)、キロ属種(Chilo spp.)、コレウティス・パリアナ(Choreutis pariana)、コリストネウラ属種(Choristoneura spp.)、クリソデイキス・カルシテス(Chrysodeixis chalcites)、クリシア・アンビグエラ(Clysia ambiguella)、クナファロセルス属種(Cnaphalocerus spp.)、クナファロクロチス・メジナリス(Cnaphalocrocis medinalis)、クネファシア属種(Cnephasia spp.)、コノポモルファ属種(Conopomorpha spp.)、コノトラケルス属種(Conotrachelus spp.)、コピタルシア属種(Copitarsia spp.)、シディア属種(Cydia spp.)、ダラカ・ノクツイデス(Dalaca noctuides)、ジアファニア属種(Diaphania spp.)、ジパラロプシス属種(Diparopsis spp.)、ジアトラエア・サッカラリス(Diatraea saccharalis)、エアリアス属種(Earias spp.)、エクデュトロパ・アウランティウム(Ecdytolopha aurantium)、エラスモパルプス・リグノセルス(Elasmopalpus lignosellus)、エルダナ・サッカリナ(Eldana saccharina)、エフェスチア属種(Ephestia spp.)、エピノチア属種(Epinotia spp.)、エピフィアス・ポスティフィッタナ(Epiphyas postvittana)、エラニス属種(Erannis spp.)、エルショビエラ・ムスクラナ(Erschoviella musculana)、エティエラ属種(Etiella spp.)、エウドシマ(Eudocima)、エウリア属種(Eulia spp.)、ユーポエシリア・アンビグエラ(Eupoecilia ambiguella)、エウプロクチス属種(Euproctis spp.)、エウキソア属種(Euxoa spp.)、フェルチア属種(Feltia spp.)、ガレリア・メロネラ(Galleria mellonella)、グラシラリア属種(Gracillaria spp.)、グラホリタ属種(Grapholitha spp.)、ヘジレプタ属種(Hedylepta spp.)、ヘリコベルパ属種(Helicoverpa spp.)、ヘリオチス属種(Heliothis spp.)、ホフマノフィラ・プセウドスプレテア(Hofmannophila pseudospretella)、ホモエオソマ属種(Homoeosoma spp.)、ホモナ属種(Homona spp.)、ヒピノメウタ・パデラ(Hyponomeuta padella)、カキボリア・フラボファシアタ(Kakivoria flavofasciata)、ラムピデス属種(Lampides spp.)、ラフィグマ属種(Laphygma spp.)、ラスペイレシア・モレスタ(Laspeyresia molesta)、ロイシノデス・オルボナリス(Leucinodes orbonalis)、ロイコプテラ属種(Leucoptera spp.)、リトコレチス属種(Lithocolletis spp.)、リトファネ・アンテンナタ(Lithophane antennata)、ロベシア属種(Lobesia spp.)、ロキサグロチス・アルビコスタ(Loxagrotis albicosta)、リマントリア属種(Lymantria spp.)、リオネチア属種(Lyonetia spp.)、マラコソマ・ネウストリア(Malacosoma neustria)、マルカ・テスツラリス(Maruca testulalis)、マメストラ・ブラシカエ(Mamstra brassicae)、メラニチス・レダ(Melanitis leda)、モキス属種(Mocis spp.)、モノピス・オブビエラ(Monopis obviella)、ミチムナ・セパラタ(Mythimna separata)、ネマポゴン・コロアセルス(Nemapogon cloacellus)、ニュムプラ属種(Nymphula spp.)、オイケチクス属種(Oiketicus spp.)、オムフィサ属種(Omphisa spp.)、プロフテラ属種(Operophtera spp.)、オリア属種(Oria spp.)、オルタガ属種(Orthaga spp.)、オストリニア属種(Ostrinia spp.)、オウレマ・オリザエ(Oulema oryzae)、パノリス・フランメア(Panolis flammea)、パルナラ属種(Parnara spp.)、ペクチノホラ属種(Pectinophora spp.)、ペリロイコプテラ属種(Perileucoptera spp.)、フソリマエア属種(Phthorimaea spp.)、フィロクニスチス・シトレラ(Phyllocnistis citrella)、フィロノリクテル属種(Phyllonorycter spp.)、ピエリス属種(Pieris spp.)、プラチノタ・スツルタナ(Platynota stultana)、プロジア・インテルプンクテラ(Plodia interpunctella)、プルシア属種(Plusia spp.)、プルテラ・キシロステラ(Plutella xylostella)(=プルテラ・マクリペンニス(Plutella maculipennis))、プラユス属種(Prays spp.)、プロデニア属種(Prodenia spp.)、プロトパルセ属種(Protoparce spp.)、プセウダレチア属種(Pseudaletia spp.)、シューダレティア ユニプンクタ(Pseudaletia unipuncta)、プセウドプルシア・インクルデンス(Pseudoplusia includens)、ピラウスタ・ヌビラリス(Pyrausta nubilalis)、ラキプルシア・ヌ(Rachiplusia nu)、スコエノビウス属種(Schoenobius spp.)、スキルポファガ属種(Scirpophaga spp.)、スキルポファガ・イノタタ(Scirpophaga innotata)、スコチア・セゲツム(Scotia segetum)、セサミア属種(Sesamia spp.)、セサミアインフェレンス(Sesamia inferens)、スパルガノチス属種(Sparganothis spp.)、スポドプテラ属種(Spodoptera spp.)、スポドプテラ・プラエフィカ(Spodoptera praefica)、スタトモポダ属種(Stathmopoda spp.)、ステノマ属種(Stenoma spp.)、ストモプテリクス・サブセシヴェラ(Stomopteryx subsecivella)、シナンテドン属種(Synanthedon spp.)、テシア・ソラニボラ(Tecia solanivora)、タウメトポエア属種(Thaumetopoea spp.)、テルメシア・ゲンマタリス(Thermesia gemmatalis)、チネア・クロアセラ(Tinea cloacella)、チネア・ペリオネラ(Tinea pellionella)、チネオラ・ビセリエラ(Tineola bisselliella)、トルトリクス属種(Tortrix spp.)、トリコパガ・タペトゼッラ(Trichophaga tapetzella)、トリコプルシア属種(Trichoplusia spp.)、トリポリザ・インセルツラス(Tryporyza incertulas)、ツタ・アブソルタ(Tuta absoluta)、ビラコラ属種(Virachola spp.);
【0068】
直翅目(Orthoptera)又はサルタトリア目(Saltatoria)の有害生物、例えば、アケタ・ドメスチクス(Acheta domesticus)、ジクロプルス属種(Dichroplus spp.)、グリロタルパ属種(Gryllotalpa spp.)、ヒエログリフス属種(Hieroglyphus spp.)、ロクスタ属種(Locusta spp.)、メラノプルス属種(Melanoplus spp.)、プラトランティカス・ウスリエンシス(Paratlanticus ussuriensis)、シストセルカ・グレガリア(Schistocerca gregaria);
【0069】
シラミ目(Phthiraptera)の有害生物、例えば、ダマリニア属(Damalinia spp.)、ハエマトピヌス属種(Haematopinus spp.)、リノグナツス属種(Linognathus spp.)、ペジクルス属種(Pediculus spp.)、フィロキセラ・ヴァスタリクス(Phylloxera vastatrix)、プチルス・プビス(Phthirus pubis)、トリコデクテス属種(Trichodectes spp.);
【0070】
チャタテムシ目(Psocoptera)の有害生物、例えば、レピノツス属種(Lepinotus spp.)、リポセリス属種(Liposcelis spp.);
ノミ目(Siphonaptera)の、例えば、セラトフィルス属種(Ceratophyllus spp.)、クテノセファリデス属種(Ctenocephalides spp.)、プレクス・イリタンス(Pulex irritans)、ツンガ・ペネトランス(Tunga penetrans)、キセノプシラ・ケオピス(Xenopsylla cheopis);
【0071】
総翅目(Thysanoptera)の有害生物、例えば、アナフォトリプス・オブスクルス(Anaphothrips obscurus)、バリオトリプス・ビホルミス(Baliothrips biformis)、カエタナホトリプス・レーウエニ(Chaetanaphothrips leeuweni)、ドレパノトリプス・ロイテリ(Drepanothrips reuteri)、エンネオトリプス・フラベンス(Enneothrips flavens)、フランクリニエラ属種(Frankliniella spp.)、ハプロトリプス属種(Haplothrips spp.)、ヘリオトリプス属種(Heliothrips spp.)、カコトリプス属種(Kakothrips spp.)、ヘルチノトリプス・フェモラリス(Hercinothrips femoralis)、リピホロトリプス・クルエンタツス(Rhipiphorothrips cruentatus)、シルトトリプス属種(Scirtothrips spp.)、タエニオトリプス・カルダモミ(Taeniothrips cardamomi)、トリプス属種(Thrips spp.);
【0072】
シミ目(Zygentoma)(=Thysanura)の有害生物、例えば、クテノレピスマ属種(Ctenolepisma spp.)、レピスマ・サカリナ(Lepisma saccharina)、レスピモデス・インクイリヌス(Lepismodes inquilinus)、テルモビア・ドメスチカ(Thermobia domestica);
【0073】
コムカデ類(Symphyla)の有害生物、例えば、スクチゲラ属種(Scutigerella spp.);
【0074】
軟体動物門(Mollusca)の有害生物、特に、双殻綱(Bivalvia)の、例えば、ドレイセナ属種(Dreissena spp.)、
【0075】
腹足綱(Gastropoda)の有害生物、例えば、アリオン属種(Arion spp.)、ビオムファラリア属種(Biomphalaria spp.)、ブリヌス属種(Bulinus spp.)、デロセラス属種(Deroceras spp.)、ガルバ属種(Galba spp.)、リムナエア属種(Lymnaea spp.)、オンコメラニア属種(Oncomelania spp.)、ポマケア属種(Pomacea spp.)、スクシネア属種(Succinea spp.);
【0076】
へん形動物門(Plathelminthes)及び線形動物門(Nematoda)の有害動物、例えば、アエルロストロンギルス属種(Aelurostrongylus spp.)、アミドストムム属種(Amidostomum spp.)、アンシロストマ・ズオデナレ(Ancylostoma duodenale)、アンシロストマ・セイラニクム(Ancylostoma ceylanicum)、アシロストマ・ブラジリエンシス(Acylostoma braziliensis)、アンシロストマ属種(Ancylostoma spp.)、アンジオストロンギルス属種(Angiostrongylus spp.)、アニサキス属種(Anisakis spp.)、アンポロセファラ属種(Anoplocephala spp.)、アスカリス属種(Ascaris spp.)、ブルギア・マライ(Brugia malayi)、アスカリジア属種(Ascaridia spp.)、バイリサスカリス属種(Baylisascaris spp.)、ブルギア・チモリ(Brugia timori)、ブノストムム属種(Bunostomum spp.)、カピラリア属種(Capillaria spp.)、カベルチア属種(Chabertia spp.)、クロノルキス属種(Clonorchis spp.)、コオペリア属種(Cooperia spp.)、クレノソマ属種(Crenosoma spp.)、シアトストマ属種(Cyathostoma spp.)、ジクロコエリウム属(Dicrocoelium spp.)、ジクチオカウルス・フィラリア(Dictyocaulus filaria)、ジフィロボトリウム・ラツム(Diphyllobothrium latum)、ジフィジウム属種(Dipylidium spp.)、ジフィラリア属種(Dirofilaria spp.)、ドラクンクルス・メジネンシス(Dracunculus medinensis)、エキノコックス・グラヌロスス(Echinococcus granulosus)、エキノコックス・ムルチロクラリス(Echinococcus multilocularis)、エンテロビウス・ベルミクラリス(Enterobius vermicularis)、エウコレウス属種(Eucoleus spp.)、ファシオラ属種(Fasciola spp.)、ファシオロイデス属種(Fascioloides spp.)、ファシオロプシス属種(Fasciolopsis spp.)、フィラロイデス属種(Filaroides spp.)、ゴンジロネマ属種(Gongylonema spp.)、ジロダクチラス属種(Gyrodactylus spp.)、ハブロネマ(Habronema)、ハエモンクス属種(Haemonchus spp.)、ヘキグモスモイデス属種(Heligmosomoides spp.)、ヘテラキス属種(Heterakis spp.)、ヒメノレピス・ナナ(Hymenolepis nana)、ヒオストロングルス属種(Hyostrongulus spp.)、リトモソイデス属種(Litomosoides spp.)、ロア・ロア(Loa Loa)、マタストロギルス属種(Metastrongylus spp.)、メトルキス属種(Metorchis spp.)、メソセストイデス属種(Mesocestoides spp.)、モニエジア属種(Moniezia spp.)、ムエレリウス属種(Muellerius spp.)、ネクトル属種(Necator spp.)、ネマトジルス属種(Nematodirus spp.)、ニッポストロンギルス属種(Nippostrongylus spp.)、オエソファゴストムム属種(Oesophagostomum spp.)、オルラヌス属種(Ollulanus spp.)、オンコセルカ・ボルブルス(Onchocerca volvulus)、オステルタギア属種(Ostertagia spp.)、オプストルキス属種(Opisthorchis spp.)、オスレルス属種(Oslerus spp.)、パラゴニムス属種(Paragonimus spp.)、パラムフィストムム属種(Paramphistomum spp.)、パラノプロセファラ属種(Paranoplocephala spp.)、パラスカリス属種(Parascaris spp.)、パッサルルス属種(Passalurus spp.)、プロトストロンギルス属種(Protostrongylus spp.)、シストソマ属種(Schistosoma spp.)、セタリア属種(Setaria spp.)、スピロセラ属種(Spirocerca spp.)、ステファノフィラリア属種(Stephanofilaria spp.)、ステファヌルス属種(Stephanurus spp.)、ストロンギロイデス・フエレボルニ(Strongyloides fuelleborni)、ストロンギロイデス・ステルコラリス(Strongyloides stercoralis)、ストロンギルス属種(Strongylus spp.)、シンガムス属種(Syngamus spp.)、タエニア・サギナタ(Taenia saginata)、タエニア・ソリウム(Taenia solium)、テラゾルサギア属種(Teladorsagia spp.)、テラジア属種(Thelazia spp.)、トキサスカリス属種(Toxascaris spp.)、トキソカラ属種(Toxocara spp.)、トリキネラ・スピラリス(Trichinella spiralis)、トリキネラ・ナチバ(Trichinella nativa)、トリキネラ・ブリトビ(Trichinella britovi)、トリキネラ・ネルソニ(Trichinella nelsoni)、トリキネラ・プセウドプシラリス(Trichinella pseudopsiralis)、トリコビルハルジア属種(Trichobilharzia spp.)、トリコストロンギルス属種(Trichostrongylus spp.)、トリクリス・トリクリア(Trichuris trichuria)、ウンシナリア属種(Uncinaria spp.)、ウケレリア・バンクロフチ(Wuchereria bancrofti);
【0077】
線形動物門(Nematoda)の植物寄生性有害生物(phytoparasitic pests)、例えば、アグレンカス属種(Aglenchus spp.)、アウグイナ属種(Anguina spp.)、アフェレンコイデス属種(Aphelenchoides spp.)、ベロノライムス属種(Belonolaimus spp.)、ブルサフェレンクス属種(Bursaphelenchus spp.)、カコパウルス属種(Cacopaurus spp.)、クリコネメラ属種(Criconemella spp.)、クロコネモイデス属種(Criconemoides spp.)、ジチレンクス属種(Ditylenchus spp.)、ドリコドルス属種(Dolichodorus spp.)、グロボデラ属種(Globodera spp.)、ヘリコチレンカス属種(Helicotylenchus spp.)、ヘミクロコネモイデス属種(Hemicriconemoides spp.)、ヘミシクロフォラ属種(Hemicycliophora spp.)、ヘテロデラ属種(Heterodera spp.)、ホプロライムス属種(Hoplolaimus spp.)、ロンギドルス属種(Longidorus spp.)、メロイドギネ属種(Meloidogyne spp.)、メロイネマ属種(Meloinema spp.)、ナコブス属種(Nacobbus spp.)、ネオチレンクス属種(Neotylenchus spp.)、パラロンギドルス属種(Paralongidorus spp.)、パラフェレンカス属種(Paraphelenchus spp.)、パラトリコドルス属種(Paratrichodorus spp.)、プラチレンクス属種(Pratylenchus spp.)、プセウドレンクス属種(Pseudohalenchus spp.)、プシレンクス属種(Psilenchus spp.)、プンクトデラ属種(Punctodera spp.)、クイニスルシウス属種(Quinisulcius spp.)、ラドフォラス属種(Radopholus spp.)、ロチレンクルス属種(Rotylenchulus spp.)、ロチレンクス属種(Rotylenchus spp.)、スクテロネマ属種(Scutellonema spp.)、スバングイナ属種(Subanguina spp.)、トリコドルス属種(Trichodorus spp.)、チレンクルス属種(Tylenchulus spp.)、チレンコリンクス属種(Tylenchorhynchus spp.)、キシフィネマ属種(Xiphinema spp.)、
【0078】
植物の病気や害虫の防除に必要な濃度で、その組成物が植物によく耐えられるという事実は、植物の地上部、繁殖株や種子、土壌の処理を可能にする。
【0079】
本発明によれば、全ての植物及び植物部分は、(植物品種又は植物育種家の権利によって保護可能であるか否かにかかわらず)栽培品種及び植物品種を含めて処理することができる。栽培品種及び植物品種は、二重半数体、プロトプラスト融合、ランダム及び指向突然変異誘発、分子又は遺伝子マーカーの使用、又は生物工学及び遺伝子工学的方法によって、一つ又はそれ以上のバイオテクノロジー的方法によって補助又は補完することができる従来の増殖及び育種方法によって得ることができる。
【0080】
本発明の組成物は、それらが植物によって十分に耐性があり、好ましい恒温毒性を有し、環境によって十分に耐容性があり、植物および植物器官の保護、収穫量の向上、収穫材料の質の改善に適している。これらは、作物保護組成物として使用することが好ましい。これらは、通常は感受性と抵抗性のある種に対して、また、発生の全段階またはいくつかの段階に対して活性である。
【0081】
本発明に従って処理することが可能な植物としては、以下の主要な作物植物を挙げることができる:トウモロコシ、ダイズ、アルファルファ、ワタ、ヒマワリ、アブラナ属油料種子(Brassica oil seeds)、例えば、セイヨウアブラナ(Brassica napus)(例えば、カノラ、ナタネ)、カブ(Brassica rapa)、カラシナ(B.juncea)(例えば、(フィールド)マスタード)及びアビシニアガラシ(Brassica carinata)、ヤシ科各種(Arecaceae sp.)(例えば、ギネアアブラヤシ、ココナツ)、イネ、コムギ、テンサイ、サトウキビ、エンバク、ライムギ、オオムギ、アワ及びソルガム、ライコムギ、アマ、ナッツ、ブドウ及びブドウの木、並びに、種々の植物学的分類群に属するさまざまな果実及び野菜、例えば、バラ科各種(Rosaceae sp.)(例えば、仁果、例えば、リンゴ及びナシ、さらに、核果、例えば、アンズ、サクラ、アーモンド、プラム及びモモ、並びに、液果(berry fruits)、例えば、イチゴ、キイチゴ、アカフサスグリ、クロフサスグリ及びグーズベリー)、リベシオイダエ科各種(Ribesioidae sp.)、クルミ科各種(Juglandaceae sp.)、カバノキ科各種(Betulaceae sp.)、ウルシ科各種(Anacardiaceae sp.)、ブナ科各種(Fagaceae sp.)、クワ科各種(Moraceae sp.)、モクセイ科各種(Oleaceae sp.)(例えば、オリーブの木)、マタタビ科各種(Actinidaceae sp.)、クスノキ科各種(Lauraceae sp.)(例えば、アボガド、シナモン、樟脳)、バショウ科各種(Musaceae sp.)(例えば、バナナの木及びプランテーション)、アカネ科各種(Rubiaceae sp.)(例えば、コーヒー)、ツバキ科各種(Theaceae sp.)(例えば、チャ)、アオギリ科各種(Sterculiceae sp.)、ミカン科各種(Rutaceae sp.)(例えば、レモン、オレンジ、マンダリン及びグレープフルーツ);ナス科各種(Solanaceae sp.)(例えば、トマト、ジャガイモ、カラシ、トウガラシ、ナス、タバコ)、ユリ科各種(Liliaceae sp.)、キク科各種(Compositiae sp.)(例えば、レタス、チョウセンアザミ及びチコリー(これは、ルートチコリー(root chicory)、エンダイブ又はキクニガナを包含する))、セリ科各種(Umbelliferae sp.)(例えば、ニンジン、パセリ、セロリ及びセルリアック)、ウリ科各種(Cucurbitaceae sp.)(例えば、キュウリ(これは、ガーキンを包含する)、カボチャ、スイカ、ヒョウタン及びメロン)、ネギ科各種(Alliaceae sp.)(例えば、リーキ及びタマネギ)、アブラナ科各種(Cruciferae sp.)(例えば、白キャベツ、赤キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、芽キャベツ、タイサイ、コールラビ、ラディッシュ、セイヨウワサビ、コショウソウ及びハクサイ)、マメ科各種(Leguminosae sp.)(例えば、ラッカセイ、エンドウ、ヒラマメ及びインゲンマメ(例えば、インゲンマメ(common bean)及びソラマメ))、アカザ科各種(Chenopodiaceae sp.)(例えば、フダンソウ、飼料用ビート、ホウレンソウ、ビートルート)、アマ科各種(Linaceae sp.)(例えば、アサ)、アサ科各種(Cannabeacea sp.)(例えば、タイマ)、アオイ科(Malvaceae)(例えば、オクラ、ココア)、ケシ科各種(Papaveraceae)(例えば、ケシ)、クサスギカズラ科(Asparagaceae)(例えば、アスパラガス);庭園及び森林における有用な植物及び観賞植物、例えば、芝生(turf)、芝生(lawn)、牧草及びステビア(Stevia rebaudiana);及び、いずれの場合にも、これら植物の遺伝子組み換えが行われたタイプのもの。
【0082】
本発明による方法に従って改善され得る樹木の例は、モミ属各種(Abies sp.)、ユーカリ属各種(Eucalyptus sp.)、トウヒ属各種(Picea sp.)、マツ属各種(Pinus sp.)、トチノキ属各種(Aesculus sp.)、スズカケノキ属各種(Platanus sp.)、シナノキ属各種(Tilia sp.)、カエデ属各種(Acer sp.)、ツガ属各種(Tsuga sp.)、トネリコ属各種(Fraxinussp.)、ナナカマド属各種(Sorbus sp.)、シラカンバ属各種(Betula sp.)、サンザシ属各種(Crataegus sp.)、ニレ属各種(Ulmus sp.)、コナラ属各種(Quercus sp.)、ブナ属各種(Fagus sp.)、ヤナギ属各種(Salix sp.)、ハコヤナギ属各種(Populus sp.)である。
【0083】
一実施形態では、本発明による方法に従って改善され得る樹木は、トチノキ属(Aesculus)の以下の樹木種:セイヨウトチノキ(A.hippocastanum)、アエスクルス・パリフロラ(A.pariflora)、ベニバナトチノキ(A.carnea);スズカケノキ属(Platanus)の以下の樹木種:プラタヌス・アセリフロラ(P.aceriflora)、アメリカスズカケノキ(P.occidentalis)、プラタヌス・ラセモサ(P.racemosa);トウヒ属(Picea)の以下の樹木種:ドイツトウヒ(P.abies);マツ属(Pinus)の以下の樹木種:ピヌス・ラジアテ(P.radiate)、ポンデローサマツ(P.ponderosa)、ロッジポールマツ(P.contorta)、ピヌス・シルベストレ(P.sylvestre)、スラッシュマツ(P.elliottii)、ピヌス・モンテコラ(P.montecola)、ピヌス・アルビカウリス(P.albicaulis)、レジノサアカマツ(P.resinosa)、ダイオウマツ(P.palustris)、テーダマツ(P.taeda)、フレキシマツ(P.flexilis)、ピヌス・ジェフレギ(P.jeffregi)、ピヌス・バクシアナ(P.baksiana)、ピヌス・ストロベス(P.strobes);ユーカリ属(Eucalyptus)の以下の樹木種:エウカリプツス・グランジス(E.grandis)、エウカリプツス・グロブルス(E.globulus)、エウカリプツス・カマデンチス(E.camadentis)、エウカリプツス・ニテンス(E.nitens)、エウカリプツス・オブリクア(E.obliqua)、エウカリプツス・レグナンス(E.regnans)、エウカリプツス・ピルラルス(E.pilularus)である。
【0084】
別の実施形態では、本発明による方法に従って改善され得る樹木は、マツ属(Pinus)の以下の樹木種:ピヌス・ラジアテ(P.radiate)、ポンデローサマツ(P.ponderosa)、ロッジポールマツ(P.contorta)、ピヌス・シルベストレ(P.sylvestre)、ピヌス・ストロベス(P.strobes);ユーカリ属(Eucalyptus)の以下の樹木種:エウカリプツス・グランディス(E.grandis)、エウカリプツス・グロブルス(E.globulus)、エウカリプツス・カマデンチス(E.camadentis)である。
【0085】
さらに別の実施形態では、本発明による方法に従って改善され得る樹木は、セイヨウトチノキ、スズカケノキ科(Platanaceae)、シナノキ(linden tree)、カエデ(mapletree)である。
【0086】
本発明は、さらにまた、寒地型芝草および暖地型芝草などの芝草にも適用可能である。寒地型芝生の例は、ブルーグラス(Poa spp.)、例えばナガハグサ(Poa pratensis L.)、オオスズメノカタビラ(Poa trivialis L.)、コイチゴツナギ(Poa compressa L.)、スズメノカタビラ(Poaannua L.)、アップランドブルーグラス(Poa glaucantha Gaudin)、ウッドブルーグラス(Poa nemoralis L.)およびバルバスブルーグラス(Poa bulbosa L.)等;ベントグラス(Agrostisspp.)、例えばクリーピングベントグラス(Agrostis palustris Huds.)、コロニアルベントグラス(Agrostis tenuis Sibth.)、ベルベットベントグラス(Agrostis canina L.)、サウスジャーマンミックスドベントグラス(コロニアルベントグラス、ベルベットベントグラスおよびクリーピングベントグラスを含むヌカボ属種)およびコブカグサ(Agrostis alba L.)等;
【0087】
ウシノケゲサ(Festuca spp.)、例えばレッドフェスク(Festucarubra L.spp.rubra)、クリーピングフェスク(Festuca rubra L.)、チューイングフェスク(Festuca rubra commutata Gaud.)、シープフェスク(Festuca ovina L.)、ハードフェスク(Festuca longifolia Thuill.)、ヘアフェスク(Festucu capillata Lam.)、トールフェスク(Festucaarundinacea Schreb.)およびメドウフェスク(Festuca elanor L.)等;
【0088】
ライグラス(Lolium spp.)、例えば一年生ライグラス(Lolium multiflorum Lam.)、ペレニアルライグラス(Lolium perenne L.)およびイタリアンライグラス(Lolium multiflorum Lam.)等;および
【0089】
ウィートグラス(Agropyron spp.)、例えばフェアウェイウィートグラス(Agropyron cristatum(L.)Gaertn.)、クレステッドウィートグラス(Agropyron desertorum(Fisch.)Schult.)およびウェスタンウィートグラス(Agropyron smithii Rydb.)等である。
【0090】
さらなる寒地型芝生の例は、ビーチグラス(Ammophila breviligulata Fern.)、スムーズブロムグラス(Bromus inermis Leyss.)、ガマ、例えばオオアワガエリ(Phleum pratense L.)、サンドカットテイル(Phleum subulatum L.)、オーチャードグラス(Dactylis glomerata L.)、ウィーピングアルカリグラス(Puccinellia distans(L.)Parl.)およびクレステッドドッグステール(Cynosurus cristatus L.)である。
【0091】
暖地型芝生の例は、バミューダグラス(Cynodon spp.L.C.Rich)、ゾイシアグラス(Zoysia spp.Willd.)、セントオーガスティングラス(Stenotaphrum secundatum Walt Kuntze)、センチピードグラス(Eremochloa ophiuroides Munro Hack.)、カーペットグラス(Axonopus affinis Chase)、バヒアグラス(Paspalum notatum Flugge))、キクユグラス(Pennisetum clandestinum Hochst.ex Chiov.))、バッファローグラス (Buchloe dactyloids(Nutt.)Engelm.)、ブルーグラマ(Bouteloua gracilis(H.B.K.)Lag.ex Griffiths)、シーショアスズメノヒエ(Paspalum vaginatum Swartz)およびアゼガヤモドキ(sideoats grama)(Bouteloua curtipendula(Michx.Torr.)である。寒地型芝生が、一般的に本発明による使用に好ましい。特に好ましいのは、ブルーグラス、ベントグラスおよびコヌカグサ、ウシノケゲサおよびライグラスである。ベントグラスが特に好ましい。
【0092】
本発明により処理されることが望ましい植物及び植物栽培品種は、(育種及び/又はバイオテクノロジー手段によって得られるか否かにかかわらず)これらの植物に特に有利で有用な形質を付与する遺伝物質を有する全ての植物を含む。
【0093】
本発明により処理されることが好ましい植物及び植物栽培品種は、1以上の生物的ストレスに対して耐性である、すなわち、前記植物は、線虫、昆虫、ダニ、植物病原性真菌、細菌、ウイルス及び/又はウイロイドなどの動物及び微生物害虫に対してより良好な防御を有する。
【0094】
また、本発明に従って処理することができる植物および植物栽培品種は、1つまたはそれ以上の非生物的ストレスに耐性である植物である。非生物的ストレス条件には、例えば、乾燥、低温曝露、熱曝露、浸透圧ストレス、洪水、土壌塩分の増加、ミネラル曝露の増加、オゾン曝露、高光曝露、窒素栄養素の限られた利用可能性、リン栄養素の限られた利用可能性又は日陰回避が含まれ得る。
【0095】
本発明に従って処理され得る植物及び植物栽培品種は、収量特性の向上を特徴とする植物である。前記植物における収量の増加は、例えば、植物生理学の改善、水利用効率、水分保持効率、窒素利用の改善、炭素同化の強化、光合成の改善、発芽効率の増加および成熟の加速などの成長および発達の結果であり得る。収量はさらに、改良された植物構造(ストレス下および非ストレス条件下)の影響を受けることがあり、これには、早期開花、雑種種子生産のための開花制御、実生の活力、植物サイズ、節間数および距離、根の成長、種子サイズ、果実サイズ、莢サイズ、莢または穂数、莢または穂当たりの種子数、種子塊、種子充実の増強、種子散布の減少、莢裂開および倒伏抵抗の減少が含まれる。さらなる収量形質には、炭水化物含量、タンパク質含量、油含量および組成、栄養価、抗栄養化合物の減少、改善された加工性およびより良好な貯蔵安定性などの種子組成物が含まれる。
【0096】
本発明に従って処理することができる植物は、一般的により高い収量、活力、健康および生物的および非生物的ストレス因子に対する抵抗性をもたらすヘテロシスまたはハイブリッド活力の特徴をすでに発現しているハイブリッド植物である。このような植物は、近交系の雄性不稔の親系統(雌親)と、別の近交系の雄性稔性の親系統(雄親)とを交配することによってつくられるのが普通である。雑種種の種子は、典型的には雄性不稔植物から収穫され、栽培者に売られている。雄性不稔植物は(たとえばトウモロコシで)剥離(すなわち、雄性生殖器官や雄花の機械的除去)によってつくられることがあるが、もっと一般的には、雄性不稔は植物ゲノム中の遺伝的決定因子の結果である。その場合、そして特に種子が雑種植物から収穫される所望の産物である場合、雄性不妊の原因となる遺伝的決定因子を含む雑種植物の雄性生殖能が完全に回復することを保証することは、典型的に有用である。このことは、雄性不稔の原因となる遺伝的決定因子を含む雑種植物の雄性稔性を回復させることができる適切な稔性回復遺伝子を雄親に確実にもつことによって成し遂げることができる。雄性不稔の遺伝的決定因子は細胞質に位置している可能性がある。例えば、細胞質雄性不稔(CMS)の例をアブラナ属の種に記載した。しかし、雄性不稔の遺伝的決定因子は核ゲノムに位置することもできる。雄性不稔植物は遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によっても得ることができる。雄性の無菌植物を得るための特に有用な手段は、例えば、バルナーゼのようなリボヌクレアーゼが雄ずいのタペタム細胞において選択的に発現されるWO 89/10396に記載されている。次に、バルスターのようなリボヌクレアーゼインヒビターのタペータム細胞における発現によって、受精能を回復させることができる。
【0097】
本発明に従って処理することができる植物または植物栽培品種(遺伝子工学のような植物バイオテクノロジー法によって得られる)は、除草剤耐性植物、すなわち、1つ以上の与えられた除草剤に耐性を与えられた植物である。このような植物は、遺伝的形質転換、あるいはそのような除草剤耐性を付与する突然変異を含む植物の選択のいずれかによって得ることができる。
【0098】
除草剤耐性植物は、例えば、グリホサート耐性植物、すなわち、除草剤グリホサートまたはその塩に耐性であるように作られた植物である。例えば、グリホサート耐性植物は、酵素5-エノールピルビルシキメート-3-リン酸シンターゼ(EPSPS)をコードする遺伝子で植物を形質転換することによって得ることができる。このようなEPSPS遺伝子の例は、ネズミチフス菌のAroA遺伝子(突然変異体CT7)、細菌Agrobacterium sp.のCP4遺伝子、ペチュニアEPSPSをコードする遺伝子、トマトEPSPS、またはエレウシンEPSPSである。また、変異型EPSPSである可能性もある。グリホサート耐性植物は、グリホサート酸化還元酵素をコードする遺伝子を発現させることによって得ることもできる。グリホサート耐性植物は、グリホサートアセチルトランスフェラーゼ酵素をコードする遺伝子を発現させることによっても得ることができる。グリホサート耐性植物は、上記遺伝子の自然発生突然変異を含む植物を選択することによっても得ることができる。
【0099】
他の除草剤耐性植物は、例えばビアラホス、ホスフィノトリシンまたはグルホシネートのような、グルタミンシンターゼを阻害する除草剤に耐性を示す植物である。このような植物は、除草剤を解毒する酵素、または阻害に抵抗性を示す変異型グルタミンシンターゼ酵素を発現させることによって得ることができる。そのような効率的な解毒酵素の1つは、例えば、ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼをコードする酵素(Streptomyces種由来のbarまたはpatタンパク質など)である。植物は、外因性ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼを発現する。
【0100】
さらに除草剤に耐性をもつ植物も、ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ(HPPD)を阻害する除草剤に耐性をもつ植物である。ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼは、パラオキシフェニルピルビン酸(HPP)がホモゲンチジン酸に変換される反応を触媒する酵素である。HPPD阻害剤に耐性のある植物は、自然界に存在する耐性HPPD酵素をコードする遺伝子、または変異HPPD酵素をコードする遺伝子で形質転換することができる。HPPD-阻害剤に対する耐性は、HPPD-阻害剤による天然のHPPD酵素の阻害にもかかわらずホモゲンチジン酸の形成を可能にするある種の酵素をコードする遺伝子で植物を形質転換することによっても得ることができる。HPPD阻害剤に対する植物の耐性は、HPPD耐性酵素をコードする遺伝子に加えて、酵素プレフェン酸デヒドロゲナーゼをコードする遺伝子を植物に形質転換することによっても改善することができる。
【0101】
さらに除草剤耐性植物は、アセト乳酸シンターゼ(ALS)阻害剤に耐性をもつ植物である。既知のALS阻害剤には、例えば、スルホニル尿素、イミダゾリノン、トリアゾロピリミジン、ピリミジニルオキシ(チオ)安息香酸、および/またはスルホニルアミノカルボニルトリアゾリノン系除草剤が含まれる。ALS酵素の異なる突然変異(アセトヒドロキシ酸シンターゼ、AHASとしても知られる)は、異なる除草剤や除草剤のグループに耐性を与えることが知られている。スルホニル尿素耐性植物およびイミダゾリノン耐性植物の生産が記載されている。他のイミダゾリノン耐性植物も記載されている。さらにスルホニル尿素‐およびイミダゾリノン‐耐性植物も記載されている。
【0102】
イミダゾリノンおよび/またはスルホニル尿素に耐性の他の植物は、誘導突然変異誘発、除草剤の存在下での細胞培養における選択、または例えばダイズ、イネ、サトウダイコン、レタス、またはヒマワリのような突然変異育種によって得ることができる。
【0103】
また、本発明に従って処理することができる植物または植物栽培品種(遺伝子工学のような植物バイオテクノロジー法によって得られる)は、昆虫耐性トランスジェニック植物、すなわち、特定の標的昆虫による攻撃に耐性である植物である。このような植物は、遺伝的形質転換、またはこのような昆虫抵抗性を付与する突然変異を含む植物の選択によって得ることができる。
【0104】
本明細書で使用される「昆虫耐性トランスジェニック植物」は、コードするコード配列を含む少なくとも1つのトランスジーンを含む任意の植物を含む:
1)バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)由来の殺虫性結晶蛋白質、またはその殺虫性部分、例えばCry蛋白質クラスCry1Ab、Cry1Ac、Cry1F、Cry2Ab、Cry3Ae、またはCry3Bbの蛋白質、またはその殺虫性部分;または、オンライン: http://www.lifesci.sussex.ac.uk/Home/Neil_Crickmore/Bt/でのバチルス・チューリンゲンシス毒素命名法においてCrickmoreら(2005)により更新された微生物学および分子生物学レビュー(1998)、62、807-813、などの殺虫性結晶蛋白質、またはその殺虫性部分
2)バチルス・チューリンゲンシス由来の結晶タンパク質、又はバチルス・チューリンゲンシス由来の第二の結晶タンパク質又はその一部(Cy34及びCy35結晶タンパク質から構成される2成分毒素等)の存在下で殺虫性であるその一部;又は
3)上記1)のタンパク質のハイブリッド、または上記2)のタンパク質のハイブリッド、例えばトウモロコシ事象MON98034によって産生されるCry1A.105タンパク質など、バチルス・チューリンゲンシス由来の2つの異なる殺虫性結晶タンパク質の部分を含むハイブリッド殺虫タンパク質;または
4)上記1)~3)のいずれかのタンパク質であって、特に1~10個のアミノ酸が、標的昆虫種に対してより高い殺虫活性を得るために別のアミノ酸に置換されており、および/または影響を受ける標的昆虫種の範囲を拡大するために、および/または、トウモロコシイベントMON863またはMON88017中のCry3Bb1タンパク質、またはトウモロコシイベントMIR604中のCry3Aタンパク質など、クローニングまたは形質転換中にコードDNAに誘導される変化のために、アミノ酸が置換されているもの;または
5)バチルス・チューリンゲンシスまたはバチルス・セレウス(Bacillus cereus)から分泌される殺虫性タンパク質、またはその殺虫性タンパク質(VIP)のような殺虫性部分: http://www.lifesci.sussex.ac.uk/home/Neil_Crickmore/Bt/vip.html,、例えばVIP3Aaタンパク質クラス由来のタンパク質;または
6)バチルス・チューリンゲンシスまたはバチルス・セレウス由来の分泌タンパク質であって、バチルス・チューリンゲンシスまたはバチルス・セレウス由来の第二の分泌タンパク質(VIP1aおよびVIP2Aタンパク質から構成される2成分毒素など)の存在下で殺虫作用を示すもの
7)上記1)のタンパク質のハイブリッド又は上記2)のタンパク質のハイブリッドのような、バチルス・チューリンゲンシス又はバチルス・セレウスから分泌される異なるタンパク質からなるハイブリッド殺虫タンパク質;又は
8)上記1)~3)のいずれかのタンパク質であって、特に1~10個のアミノ酸が、標的昆虫種に対してより高い殺虫活性を得るために別のアミノ酸に置換されている、および/または影響を受ける標的昆虫種の範囲を拡大するため、および/またはワタ事象COT102におけるVIP3Aaタンパク質のような、クローニングまたは形質転換(依然として殺虫性タンパク質をコードしている間)の間にコード化DNAに誘導される変化のために、別のアミノ酸に置換されているタンパク質。
【0105】
もちろん、本明細書で使用される昆虫抵抗性トランスジェニック植物には、上記クラス1~8のいずれか1つのタンパク質をコードする遺伝子の組合せを含む任意の植物も含まれる。1つの実施形態において、昆虫抵抗性植物は、同じ標的昆虫種に対して殺虫性であるが、昆虫における異なる受容体結合部位への結合などの異なる作用様式を有する異なるタンパク質を用いることによって、影響を受ける標的昆虫種の範囲を拡大するか、または植物への昆虫抵抗性発達を遅らせるために、上記クラス1~8のいずれかのタンパク質をコードする1つ以上の導入遺伝子を含む。
【0106】
本発明に従って処理され得る植物または植物栽培品種(遺伝子工学などの植物バイオテクノロジー法によって得られる)は、非生物的ストレスに耐性である。このような植物は、遺伝的形質転換、またはこのようなストレス耐性を付与する突然変異を含む植物の選択によって得ることができる。特に有用なストレス耐性植物は、以下を含む:
a.植物細胞または植物におけるポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)遺伝子の発現および/または活性を低下させることができる導入遺伝子を含む植物;
b.植物または植物細胞の遺伝子をコードするPARGの発現および/または活性を低下させることができるストレス耐性増強導入遺伝子を含む植物;
c.ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドサルベージ生合成経路の植物機能酵素(ニコチンアミダーゼ、ニコチン酸ホスホリボシルトランスフェラーゼ、ニコチン酸モノヌクレオチドアデニルトランスフェラーゼ、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドシンテターゼまたはニコチンアミドホスホリボシルトランスフェラーゼを含む)をコードするストレス耐性増強導入遺伝子を含む植物。
【0107】
本発明に従って処理され得る植物又は植物栽培品種(遺伝子工学のような植物バイオテクノロジー方法によって得られる)であって、収穫された製品の改変された量、品質及び/又は保存-安定性及び/又は収穫された製品の特定の成分の改変された特性を示すもの:
1)改変澱粉を合成するトランスジェニック植物であって、その物理化学的特性、特にアミロース含量又はアミロース/アミロペクチン比、分枝度、平均鎖長、側鎖分布、粘度挙動、ゲル化強度、澱粉粒径及び/又は澱粉粒形態が、野生型植物細胞又は植物中の合成澱粉と比較して変化するので、この改変澱粉は、特別な用途に適している。改変デンプンを合成する前記トランスジェニック植物が記載されている。
2)非澱粉性炭水化物ポリマーを合成するトランスジェニック植物、または遺伝的改変のない野生型植物と比較して性質が変化した非澱粉性炭水化物ポリマーを合成するトランスジェニック植物。例えば、ポリフルクトースを産生する植物、特にイヌリンおよびレバン型の植物、α-1,4-グルカンを産生する植物、α-1,6分岐α-1,4-グルカンを産生する植物、およびオルタナンを産生する植物などである。
3)ヒアルロン酸を生産するトランスジェニック植物。
【0108】
植物または植物品種(遺伝子工学のような植物バイオテクノロジーの方法によって得ることができる)であって、本発明に従って処理することもできるものは、繊維特性が変化したワタ植物のような植物である。このような植物は、遺伝的形質転換、またはそのような改変された繊維特性を付与する突然変異を含む植物の選択によって得ることができ、以下を含む:
a.変化した形のセルロースシンターゼ遺伝子を含むワタ植物のような植物;
b.rsw2またはrsw3相同核酸の改変型を含むワタ植物のような植物;
c.スクロースリン酸シンターゼの発現が増加しているワタなどの植物;
d.スクロースシンターゼの発現が増加しているワタなどの植物;
e.繊維細胞の基礎における原形質連絡ゲートのタイミングが、例えば繊維選択性β-1,3-グルカナーゼのダウンレギュレーションを介して変化するワタ植物のような植物;
f.例えば、nodCおよびキチンシンターゼ遺伝子を含むN-アセチルグルコサミントランスフェラーゼ遺伝子の発現を介して、反応性が変化した繊維を有する綿植物のような植物。
【0109】
また、本発明に従って処理することができる植物または植物栽培品種(遺伝子工学のような植物バイオテクノロジー法によって得ることができる)は、改変された油プロファイル特性を有する油料ナタネまたは関連アブラナ属植物のような植物である。そのような植物は、遺伝的形質転換によって、またはそのような改変された油特性を付与する突然変異を含む植物の選択によって得ることができ、以下を含む:
a.オレイン酸含量の高い油を生産するアブラナなどの植物;
b.リノレン酸含量の低い油分を生産する油料ナタネなどの植物;
c.脂肪酸の飽和レベルが低い油分をつくる菜種菜種などの植物。
【0110】
本発明により処理され得る特に有益なトランスジェニック植物は、YIELD GARD(登録商標)(例えばトウモロコシ、綿、大豆)、KNOCKOUT(登録商標)(例えばトウモロコシ)、BITEGARD(登録商標)(例えばトウモロコシ)、BT-XTRA(登録商標)(例えばトウモロコシ)、STARLINK(登録商標)(例えばトウモロコシ)、BOLLGARD(登録商標)(綿)、NUCOTN(登録商標)(綿)、NUCOTN 33B(登録商標)(綿)、NATUREGARD(登録商標)(例えばトウモロコシ)、PROTECTA(登録商標)およびNEWLEAF(登録商標)(例えばジャガイモ)の商品名で販売される1つ以上の毒素をコードする1つ以上の遺伝子を含む植物である。列挙できる除草剤耐性植物の例は、商品名ROUNDUP READY(登録商標)(グリホサートに対する耐性、例えば、トウモロコシ、綿、大豆)、LIBERTY LINK(登録商標)(ホスフィノトリシンに対する耐性、例えば、油料種子菜種)、IMI(登録商標)(イミダゾリノンに対する耐性)及びSCS(登録商標)(スルホニル尿素に対する耐性、例えば、トウモロコシ)で販売されるトウモロコシ品種、綿品種及び大豆品種である。除草剤耐性植物(除草剤耐性のために従来の方法で育種された植物)であって、CLEARFIELD(登録商標)(例えばトウモロコシ)という名称で販売されている品種が含まれる。
【0111】
特に、本発明に係る形質転換事象を含む植物、又は形質転換事象の組合せであって、様々な国又は地域の規制当局のためのデータベースに記載されているものである。
【0112】
本発明による組成物は、特に種子の処理に適している。害虫による作物への被害の大部分は、種子が貯蔵されている間や土壌に導入された後、また、植物の発芽中や発芽直後に、種子が寄生することによってすでに発生している。この段階は特に重要である。なぜなら、生育中の植物の根やシュートは特に敏感で、少量の被害でも植物体全体の死につながるからである。従って、適切な組成物を用いることにより、種子及び発芽植物を保護することに特に大きな関心が寄せられている。
【0113】
植物の種子を処理することによる害虫の防除は古くから知られており、継続的な改良の対象となっている。しかし、種子の処理は、必ずしも満足な方法で解決できるとは限らない一連の問題を提起する。このように、播種後または植物の出現後に植物保護組成物を追加施用することにより、種子および発芽植物を保護する方法を開発することが望まれる。さらに、種子及び発芽中の植物が有害生物による攻撃を受けないように、最良の可能な保護を提供するような方法で採用される組成物の量を最適化することが望ましい。特に、種子の処理方法は、植物保護組成物の施用率をできるだけ低く保ちながら、種子及び発芽植物の最適保護を達成するために、遺伝子組換え植物の固有の殺菌性及び/又は殺虫性も含むべきである。
【0114】
したがって、本発明はまた、特に、種子を本発明による組成物で処理することによって、種子を保護し、植物を害虫による攻撃から発芽させる方法に関する。
【0115】
特定の態様において、本発明の組成物は、1ヘクタール当たり約1×104~約1×1014のコロニー形成単位(CFU)、1ヘクタール当たり約1×104~約1×1012のコロニー形成単位(CFU)、1ヘクタール当たり約1×104~約1×1010のコロニー形成単位(CFU)、1ヘクタール当たり約1×104~約1×108のコロニー形成単位(CFU)、1ヘクタール当たり約1×106~約1×1014のコロニー形成単位(CFU)、1ヘクタール当たり約1×106~約1×1012のコロニー形成単位(CFU)、1ヘクタール当たり約1×106~約1×1010のコロニー形成単位(CFU)、1ヘクタール当たり約1×106~約1×108のコロニー形成単位(CFU)、1ヘクタール当たり約1×108~約1×1014のコロニー形成単位(CFU)、1ヘクタール当たり約1×108~約1×1012のコロニー形成単位(CFU)、または1ヘクタール当たり約1×108~約1×1010のコロニー形成単位(CFU)で施用される。
【0116】
他の態様において、本発明の組成物は、1ヘクタール当たり約1×106~約1×1014コロニー形成単位(CFU)、1ヘクタール当たり約1×106~約1×1012コロニー形成単位(CFU)、1ヘクタール当たり約1×106~約1×1010コロニー形成単位(CFU)、1ヘクタール当たり約1×106~約1×108コロニー形成単位(CFU)で施用される。さらに他の態様では、本発明の組成物は、1ヘクタール当たり約1×109~約1×1013コロニー形成単位(CFU)で施用される。一態様において、本発明の組成物は、1ヘクタール当たり約1×1010~約1×1012コロニー形成単位(CFU)で施用される。
【0117】
特定の実施形態では、本発明の組成物は、1ヘクタール当たり約0.1kg~約20kgの発酵固形物で施用される。いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、1ヘクタール当たり約0.1kg~約10kgの発酵固形物で施用される。他の実施態様において、本発明の組成物は、1ヘクタール当たり約0.25kg~約7.5kgの発酵固形物で施用される。さらに他の実施形態において、本発明の組成物は、1ヘクタール当たり約0.5kg~約5kgの発酵固形物で施用される。本発明の組成物はまた、1ヘクタール当たり約1kgまたは約2kgの発酵固形物で施用され得る。
【0118】
寄託情報
本発明のパエニバシラス属株のサンプルは、ブダペスト条約の下、米国農務省農業研究サービス農業利用研究センター(NRRL)、1815 North University Street、Peoria、IL 61604、U.S.A.にある農業研究サービス培養コレクションに寄託されている。パエニバシラス属NRRL B-50972は、2014年8月28日に寄託された。パエニバシラス属NRRL B-67129は、2015年9月1日に寄託された。パエニバシラス属NRRL B-67304及びパエニバシラス属NRRL B-67306の双方が、2016年7月22日に寄託された。パエニバシラス属NRRL B-67615は2018年5月3日に寄託された。
【0119】
パエニバシラス属株は、特許庁長官により、37 C.F.R.§1.14および35 U.S.C.§122の下、これに権利があると判断されたものへの本特許出願の期間中に培養へのアクセスが可能になることを保証する条件下で寄託されている。しかし、寄託の利用可能性は、政府の措置により付与された特許権の撤廃において、本発明を実施するための免許を構成するものではないことを理解すべきである。
【0120】
本発明の完全に例示的で非限定的な目的のために、以下の実施例を挙げる。
【0121】
例
例1.プルテラ・キシロステラ(Plutella xylostella)およびトリコプルシア・ニ(Trichoplusia ni)に対するパエニバシルス株の活性
【0122】
以下のパエニバシルス種のプルテラ・キシロステラ(ダイアモンドバックモス)およびトリコプルシア・ニ (キャベツルーパー)に対する殺虫活性を評価した:P. alvei, P. amylolyticus, P. catalpae, P. lautus, P. phyllosphaeraeおよびP. terrae。「P. catalpae (1)」および「P. catalpae (2)」とされた2つの異なるP. catalpae株を評価した。パエニバシルス・テラエ(P. terrae)株NRRL B-50972は、この最初の分析のために選択したP. terrae株であった。
【0123】
96ウェルプレートアッセイを行い、各パエニバシルス株の殺虫活性を試験した。菌株の全ブロス培養(「WB」)は、大豆ベースの培地で菌株を増殖させて作製した。これらの菌株由来のWBサンプルを、Marrone et al. (1985), “Improvements in Laboratory Rearing of the Southern Corn Rootworm, Diabrotica undecimpuncta howardi Barber (Coleoptera: Chrysomelidae), on an Artificial Diet and Corn,” J. Econ. Entomol., 78: 290-293に記載されているのと同様の寒天基質を含む96穴マイクロプレートに適用した。WB試料をプレートに12.5%、25%、50%、100%の濃度で適用した。
【0124】
処理を乾燥させた後、プルテラ・キシロステラ (ダイアモンドバックモス)またはトリコプルシア・ニ (キャベツルーパー)からの約20個の卵を各ウェルに添加した。数日後、殺虫活性を、それぞれのパエニバシラス菌株の50%殺虫に必要な全培養液(すなわち、LD50)の割合を計算することによって測定した。100%のLD50は、パエニバシルス株のLD50 が100%以上であったことを示している。
【0125】
パエニバチルス・テラエ株NRRL B-50972のみが、プルテラ・キシロステラについては全ブロス46%、トリコプルシア・ニについては全ブロス31%のLD
50で有意な殺虫活性を示した(
図1参照)。
【0126】
例2.カエノラブディティス・エレガンス(Caenorhabditis elegans)およびサツマイモネコブセンチュウ(Meloidogyne incognita)に対するパエニバチルス・テラエ株NRRL B-50972の活性
【0127】
パエニバチルス・テラエ株NRRL B-50972のWB試料を大豆ベース培地で増殖させて生産した。次に、WB試料を1.56%、6.25%、25%、および100%のWB濃度でカエノラブディティス・エレガンスを含むプレートに適用し、得られた線虫の死亡率を測定した。また、パエニバチルス・テラエ株NRRL B-50972を含まない増殖培地の効果を示す、ネガティブコントロールと同じ濃度でカエノラブディティス・エレガンスに大豆ベースの培地を適用した。線虫死亡率の増加は陽性率として報告され、100%は生存線虫なしと報告された。死亡率を引き起こすのではなく線虫個体群を増加させた処理は、負のパーセンテージとして報告された。
【0128】
カエノラブディティス・エレガンスをパエニバチルス・テラエ株NRRL B-50972で処理すると、線虫の死亡率が用量依存的に上昇し、100%のWBサンプルで約40%の死亡率が引き起こされた(
図2の黒色バーを参照)。ネガティブコントロールは、逆の効果を示した(
図2の灰色バーを参照)。
【0129】
別の一連の実験において、パエニバチルス・テラエ株NRRL B-50972のWB試料について、サツマイモネコブセンチュウ(根こぶ線虫)に対する殺線虫活性を評価した。15ppmの濃度で、線虫をパエニバチルス・テラエ株NRRL B-50972のWB試料で処理すると、100%の死亡率が得られた。
【0130】
例3.ミナミアオカメムシ(Nezara viridula)(南緑ナメクジウオ)に対するパエニバチルス・テラエ株NRRL B-50972の活性
【0131】
パエニバチルス・テラエ株NRRL B-50972のWB試料を大豆ベース培地で増殖させて生産した。次に、WB試料を1.56%、6.25%、25%、および100%のWB濃度でミナミアオカメムシ (サシガメ)を含むプレートに適用し、結果として生じる昆虫成長の発育阻害を測定した。また、パエニバチルス・テラエ株NRRL B-50972を含まない増殖培地の効果を示すネガティブコントロールと同じ濃度で、大豆ベース培地をミナミアオカメムシに適用した。発育阻害スコアは、総昆虫死-総昆虫脱皮/試験した総昆虫総数として計算した。+1に近い発育阻害スコアは、多数の昆虫が死んだことを示し、-1に近い発育阻害スコアは、より多くの昆虫が脱皮し、正常に発育したことを示す。
【0132】
ミナミアオカメムシをパエニバチルス・テラエ株NRRL B-50972で処理すると、100%のWB試料で用量依存的な昆虫発育阻害の増加が認められ、発育阻害スコアは約0.8となった(
図3の黒色バーを参照)。ネガティブコントロールは逆の効果を示した(
図3の灰色バーを参照)。
【0133】
例4.アンチカルシア・ゲマタリス(Anticarsia gemmatalis) (ベルベットビーンキャタピラー)に対するパエニバチルス・テラエ株NRRL B-50972の活性
パエニバチルス・テラエ株NRRL B-50972のWB試料を大豆ベース培地で増殖させて生産した。次に、WB試料を1.56%、6.25%、25%、および100%のWB濃度でアンチカルシア・ゲマタリス (ビロードビーンキャタピラー)を含むプレートに適用し、結果として生じる昆虫成長の発育阻害を測定した。4に近い発育阻害スコアは、より多くの昆虫が脱皮することなく発育しなかったが、0に近い発育阻害スコアは、より多くの昆虫が正常に発育したことを示す。
【0134】
アンチカルシア・ゲマタリスをパエニバチルス・テラエ株NRRL B-50972で処理すると、発育阻害が用量依存的に増加し、100%のWBサンプルで発育不全スコアが2となった(
図4参照)。
【0135】
例5.スポドプテラ・エリダニア(Spodoptera eridania) (サザンアーミーワーム) に対するパエニバチルス・テラエNRRL B-50972株の活性
【0136】
パエニバチルス・テラエ株NRRL B-50972のWB試料を大豆ベース培地で増殖させて生産した。次に、WB試料を1.56%、6.25%、25%、および100%のWB濃度でスポドプテラ・エリダニア(サザンアーミーワーム)を含むプレートに適用し、結果として生じる昆虫成長の発育阻害を測定した。4に近い発育阻害スコアは、より多くの昆虫が脱皮することなく発育しなかったが、0に近い発育阻害スコアは、より多くの昆虫が正常に発育したことを示す。
【0137】
スポドプテラ・エリダニアをパエニバチルス・テラエ株NRRL B-50972で処理した結果、発育阻害が用量依存的に増加し、100%のWBサンプルで発育不全スコアが2となった(
図5参照)。
【0138】
例6.ジアブロティカ・ウンデシムプンクタタ・ウンデシムプンクタタ(Diabrotica undecimpunctata undecimpunctata) (西洋斑点キュウリ甲虫)に対するパエニバチルス・テラエ株NRRL B-50972の活性
【0139】
パエニバチルス・テラエ株NRRL B-50972のWB試料を大豆ベース培地で増殖させて生産した。次に、WB試料を12%、25%、50%、および100%のWB濃度でジアブロティカ・ウンデシムプンクタタ・ウンデシムプンクタタ (西部斑点キュウリ甲虫)を含むプレートに適用し、得られた昆虫の成長と生存を測定した。4に近い昆虫の成長と生存スコアは、より多くの昆虫が生存し、正常に発育したが、1に近いスコアはより多くの昆虫が死んだことを示す。ポジティブコントロールには、ジアブロティカ・ウンデシムプンクタタ・ウンデシムプンクタタに対する活性が既知の化学標準(「化学Std」)および微生物標準(「微生物Std」)を、ネガティブコントロールには、未処理の昆虫(「未処理」)およびパエニバチルス・テラエ株NRRL B-50972を含まない大豆ベースの培地(「培地コントロール」)に供した昆虫を用いた。
【0140】
ジアブロティカ・ウンデシムプンクタタ・ウンデシムプンクタタをパエニバチルス・テラエ株NRRL B-50972で処理した結果、昆虫の成長と生存が用量依存的に減少し、100%のWBサンプルで2のスコアが得られた(
図6参照)。
【0141】
例7.プルテラ・キシロステラ(Plutella xylostella)(ダイアモンドバックモス)に対するパエニバチルス・テラエ株の活性
【0142】
プルテラ・キシロステラ (ダイアモンドバックモス)に対する殺虫活性を、例1に記載されているように評価した。パエニバチルス・テラエ株のWB試料は、大豆ベースの培地で菌株を増殖させて作製した。次に、WB試料を0.78%、1.56%、6.25%、12.5%、25%、50%、および100%のWB濃度でプルテラ・キシロステラを含むプレートに適用し、得られた昆虫生存率を測定した。4に近い昆虫生存率スコアは、より多くの昆虫が生存したことを、1に近いスコアは、ほとんど昆虫が生存しなかったことを示す。評価した各パエニバチルス・テラエ株について、対応する大豆ベースの培地をネガティブコントロールとして試験した。
【0143】
プルテラ・キシロステラをパエニバチルス・テラエ株NRRL B-50972、NRRL B-67129、NRRL B-67306、NRRL B-67304、またはNRRL B-67615で処理すると、昆虫の生存が用量依存的に低下した(
図7A-7E参照)。
【0144】
例8.トリコプルシア・ニ (Cabbage Looper)に対するパエニバチルス・テラエ株の活性
トリコプルシア・ニ (キャベツルーパー)に対する殺虫活性を、例1に記載したように評価した。パエニバチルス・テラエ株のWB試料を大豆ベースの培地で菌株を増殖させて生産した。次に、WB試料を0.78%、1.56%、3.13%、6.25%、12.5%、25%、50%、および100%のWB濃度でトリコプルシア・ニを含むプレートに適用し、得られた昆虫生存率を測定した。昆虫の生存スコアが4に近いほど、生存した昆虫の数が多く、1に近いスコアは、ほとんど昆虫が生存しなかったことを示している。評価した各パエニバチルス・テラエ株について、対応する大豆ベースの培地をネガティブコントロールとして試験した。
【0145】
トリコプルシア・ニをパエニバチルス・テラエ株NRRL B-50972、NRRL B-67129、NRRL B-67306、NRRL B-67304、またはNRRL B-67615で処理すると、昆虫の生存率が用量依存的に低下した(
図8A-8E参照)。
【0146】
特に規定しない限り、本明細書中の全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する当業者が一般的に理解しているものと同じ意味を有する。引用されるすべての出版物、特許、および特許出版物は、すべての目的のためにここにその全体を引用して組み込まれる。
【0147】
開示された発明は、特定の方法論、プロトコルおよびこれらが変化し得ると記載される材料に限定されないことが理解される。また、本明細書中で使用される用語は、特定の実施態様のみを記述する目的のためであり、添付の請求項によってのみ限定される本発明の範囲を限定することを意図していないことが理解される。
【0148】
当業者は、定型的な実験にすぎないことを用いて、ここで説明した発明の特定の実施例についての多くの等価物を理解し、確認できる。このような均等物は添付の特許請求の範囲に包含されるものとする。