(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-06
(45)【発行日】2024-08-15
(54)【発明の名称】向流接触デバイス
(51)【国際特許分類】
B01J 19/32 20060101AFI20240807BHJP
B01F 23/20 20220101ALI20240807BHJP
B01F 23/50 20220101ALI20240807BHJP
B01F 25/422 20220101ALI20240807BHJP
B01J 8/34 20060101ALI20240807BHJP
F28F 13/12 20060101ALI20240807BHJP
C10G 11/18 20060101ALN20240807BHJP
【FI】
B01J19/32
B01F23/20
B01F23/50
B01F25/422
B01J8/34
F28F13/12 B
C10G11/18
(21)【出願番号】P 2021549410
(86)(22)【出願日】2020-02-12
(86)【国際出願番号】 IB2020051146
(87)【国際公開番号】W WO2020170078
(87)【国際公開日】2020-08-27
【審査請求日】2022-12-06
(32)【優先日】2019-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503195045
【氏名又は名称】コーク-グリッシュ,リミティド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ニーウァウト アイザック
(72)【発明者】
【氏名】エスコバール セルジオ
【審査官】宮部 裕一
(56)【参考文献】
【文献】特開昭58-027632(JP,A)
【文献】実開昭50-047066(JP,U)
【文献】特開平07-185283(JP,A)
【文献】特表2002-500093(JP,A)
【文献】特開平09-264697(JP,A)
【文献】特開昭58-030332(JP,A)
【文献】特開2002-263478(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 19/32
B01J 8/34
F28F 13/12
B01D 3/26
B01J 10/00
B01F 23/20
B01F 23/50
B01F 25/422
C10G 11/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固相及び液相又は液相及び気相の向流接触のための接触デバイスサブアセンブリであって、
互いに離間して平行に延びる第1のセットの偏向ブレードから形成される第1のグリッドと、
互いに離間して平行に延びる第2のセットの偏向ブレードから形成される第2のグリッドであって、予め選択された角度で前記第1のセットの偏向ブレードと交互配置され交差し、前記第1及び第2のセットの偏向ブレードがそれぞれ、対向端部と対向側縁部とを有する、第2のグリッドと、
前記偏向ブレードのうちの隣接ブレードの前記側縁部の未切断部によって形成される横方向ストリップであって、前記偏向ブレード同士が交差する場所に、及び/又は前記対向端部のそれぞれに隣接して位置する、横方向ストリップと、
を備え、
前記横方向ストリップが、前記偏向ブレード同士が交差する場所に位置する場合、前記第1及び/又は第2のセットの偏向ブレード内の前記偏向ブレードが、開口と前記開口に対応する指向性タブとを含み、
前記偏向ブレードがそれぞれ、中央交差セグメントと、逆屈曲部によって前記中央交差セグメントの対向端部に接続される端部セグメントと、を含み、前記横方向ストリップのいくつかが前記偏向ブレードの前記対向端部のそれぞれに隣接して、かつ前記中央交差セグメントに配置され、前記偏向ブレードの前記側縁部が、前記未切断部間を延びる切断部を含んで、前記偏向ブレードを交互配置及び交差構成に屈曲させることを可能にする
、接触デバイスサブアセンブリ。
【請求項2】
前記偏向ブレードの部分が等脚台形の形状である、請求項
1に記載の接触デバイスサブアセンブリ。
【請求項3】
前記逆屈曲部のそれぞれが、屈曲部間に位置決めされた平面セグメントを有する、2つの離間した屈曲部の形態である、請求項
2に記載の接触デバイスサブアセンブリ。
【請求項4】
固相及び液相又は液相及び気相の向流接触のための接触デバイスサブアセンブリであって、
互いに離間して平行に延びる第1のセットの偏向ブレードから形成される第1のグリッドと、
互いに離間して平行に延びる第2のセットの偏向ブレードから形成される第2のグリッドであって、予め選択された角度で前記第1のセットの偏向ブレードと交互配置され交差し、前記第1及び第2のセットの偏向ブレードがそれぞれ、対向端部と対向側縁部とを有する、第2のグリッドと、
前記偏向ブレードのうちの隣接ブレードの前記側縁部の未切断部によって形成される横方向ストリップであって、前記偏向ブレード同士が交差する場所に、及び/又は前記対向端部のそれぞれに隣接して位置する、横方向ストリップと、
を備え、
前記横方向ストリップが、前記偏向ブレード同士が交差する場所に位置する場合、前記第1及び/又は第2のセットの偏向ブレード内の前記偏向ブレードが、開口と前記開口に対応する指向性タブとを含み、
前記指向性タブが、前記指向性タブを前記第1及び/又は第2のセットの偏向ブレード内の該偏向ブレードに接続する未切断縁部を有する
、接触デバイスサブアセンブリ。
【請求項5】
固相及び液相又は液相及び気相の向流接触のための接触デバイスサブアセンブリであって、
互いに離間して平行に延びる第1のセットの偏向ブレードから形成される第1のグリッドと、
互いに離間して平行に延びる第2のセットの偏向ブレードから形成される第2のグリッドであって、予め選択された角度で前記第1のセットの偏向ブレードと交互配置され交差し、前記第1及び第2のセットの偏向ブレードがそれぞれ、対向端部と対向側縁部とを有する、第2のグリッドと、
前記偏向ブレードのうちの隣接ブレードの前記側縁部の未切断部によって形成される横方向ストリップであって、前記偏向ブレード同士が交差する場所に、及び/又は前記対向端部のそれぞれに隣接して位置する、横方向ストリップと、
を備え、
前記横方向ストリップが、前記偏向ブレード同士が交差する場所に位置する場合、前記第1及び/又は第2のセットの偏向ブレード内の前記偏向ブレードが、開口と前記開口に対応する指向性タブとを含み、
前記指向性タブが、前記開口と離間して該開口を少なくとも部分的に覆うように、前記第1及び/又は第2のセットの偏向ブレード内の該偏向ブレードに溶接される
、接触デバイスサブアセンブリ。
【請求項6】
固相及び液相又は液相及び気相の向流接触のための接触デバイスサブアセンブリであって、
互いに離間して平行に延びる第1のセットの偏向ブレードから形成される第1のグリッドと、
互いに離間して平行に延びる第2のセットの偏向ブレードから形成される第2のグリッドであって、予め選択された角度で前記第1のセットの偏向ブレードと交互配置され交差し、前記第1及び第2のセットの偏向ブレードがそれぞれ、対向端部と対向側縁部とを有する、第2のグリッドと、
前記偏向ブレードのうちの隣接ブレードの前記側縁部の未切断部によって形成される横方向ストリップであって、前記偏向ブレード同士が交差する場所に、及び/又は前記対向端部のそれぞれに隣接して位置する、横方向ストリップと、
を備え、
前記横方向ストリップが、前記偏向ブレード同士が交差する場所に位置する場合、前記第1及び/又は第2のセットの偏向ブレード内の前記偏向ブレードが、開口と前記開口に対応する指向性タブとを含み、
前記指向性タブが、前記第1及び/又は第2のセットの偏向ブレード内の該偏向ブレードの平面から5~65度の範囲内の角度で上方又は下方に延びる
、接触デバイスサブアセンブリ。
【請求項7】
固相及び液相又は液相及び気相の向流接触のための接触デバイスサブアセンブリであって、
互いに離間して平行に延びる第1のセットの偏向ブレードから形成される第1のグリッドと、
互いに離間して平行に延びる第2のセットの偏向ブレードから形成される第2のグリッドであって、予め選択された角度で前記第1のセットの偏向ブレードと交互配置され交差し、前記第1及び第2のセットの偏向ブレードがそれぞれ、対向端部と対向側縁部とを有する、第2のグリッドと、
前記偏向ブレードのうちの隣接ブレードの前記側縁部の未切断部によって形成される横方向ストリップであって、前記偏向ブレード同士が交差する場所に、及び/又は前記対向端部のそれぞれに隣接して位置する、横方向ストリップと、
を備え、
前記横方向ストリップが、前記偏向ブレード同士が交差する場所に位置する場合、前記第1及び/又は第2のセットの偏向ブレード内の前記偏向ブレードが、開口と前記開口に対応する指向性タブとを含み、
前記横方向ストリップが、前記偏向ブレード同士が交差する場所に位置し、前記偏向ブレードの前記側縁部が、前記偏向ブレードの前記未切断部から前記対向端部まで延びる切断部を含み、前記第2のグリッドの前記偏向ブレードがそれぞれ、オフセット面内の前記未切断部の対向側に前記偏向ブレードのセグメントを配置する屈曲部を有し、
互いに離間して平行に延びる第3のセットの偏向ブレードから形成される第3のグリッドと、
互いに離間して平行に延びる第4のセットの偏向ブレードから形成される第4のグリッドであって、前記第4のセットの偏向ブレードが、予め選択された角度で前記第3のセットの偏向ブレードと交互配置され交差し、前記第3及び第4のセットの交互配置された偏向ブレードの隣接ブレードがそれぞれ対向端部及び対向側縁部を有し、前記側縁部が、前記偏向ブレード同士が交差する横方向ストリップに沿って交互配置された前記偏向ブレードの隣接ブレード間を接合する未切断部と、前記未切断部から前記偏向ブレードの前記対向端部まで延びる切断部と、を有し、前記第4のグリッドの前記偏向ブレードがそれぞれ、オフセット面内の前記未切断部の対向側に前記偏向ブレードのセグメントを配置する屈曲部を有する、第4のグリッドと、
を含み、
前記第1のセットの偏向ブレードの少なくともいくつかの前記端部の1つが、未切断であり、前記第1及び第2のグリッドの偏向ブレードと前記第3及び第4のグリッドの偏向ブレードとを整列させる逆屈曲部に沿って、前記第3のセットの偏向ブレードの前記端部の未切断端部と相互接続される
、接触デバイスサブアセンブリ。
【請求項8】
前記第2のセットの偏向ブレードの前記セグメントの前記オフセット面が、互いに平行であり、前記第4のセットの偏向ブレードの前記セグメントの前記オフセット面が互いに平行である、請求項
7に記載の接触デバイスサブアセンブリ。
【請求項9】
前記第2のセットの偏向ブレードのそれぞれの前記端部の1つが、前記第4のセットの偏向ブレードのそれぞれの前記端部の1つから離間して整列されている、請求項
8に記載の接触デバイスサブアセンブリ。
【請求項10】
前記第1、第2、第3、及び第4のグリッドが、湾曲した長手平面に一致するように成形された少なくとも1つの側面を有する、請求項
8に記載の接触デバイスサブアセンブリ。
【請求項11】
前記第1、第2、第3、及び第4のセットの偏向ブレードの前記隣接ブレード間を接合する前記側縁部の前記切断部がそれぞれ線形である、請求項
7に記載の接触デバイスサブアセンブリ。
【請求項12】
前記第1及び第2のグリッドが、45~135度の範囲内の夾角で交差し、前記第3及び第4のグリッドが、45~135度の範囲内の夾角で交差する、請求項
8に記載の接触デバイスサブアセンブリ。
【請求項13】
前記第1のセットの偏向ブレードのそれぞれの前記端部の1つが、未切断であり、逆屈曲部に沿って前記第3のセットの偏向ブレードの前記端部の未切断端部と相互接続される、請求項
8に記載の接触デバイスサブアセンブリ。
【請求項14】
固相と液相又は液相と気相の向流接触のための接触デバイスであって、
互いに離間して平行に延びる第1のセットの偏向ブレードから形成される第1のグリッドと、
互いに離間して平行に延びる第2のセットの偏向ブレードから形成される第2のグリッドであって、予め選択された角度で前記第1のセットの偏向ブレードと交互配置され交差し、交互配置された前記第1及び第2のセットの偏向ブレードの隣接ブレードがそれぞれ、対向端部と対向側縁部とを有し、前記側縁部が、前記偏向ブレード同士が交差する横方向ストリップに沿って交互配置された前記偏向ブレードの隣接ブレード間を接合する部分を有する、第2のグリッドと、
前記第1及び/又は前記第2のセットの偏向ブレードに形成された開口、及び前記開口に対応付けられる指向性タブと、
を備え、
前記開口のいくつかに対応する前記指向性タブが、前記第1及び/又は第2のセットの偏向ブレードの偏向ブレードから上方に延び、他の前記開口に対応する前記指向性タブが、偏向ブレードの第1及び/又は第2のセットの偏向ブレードの偏向ブレードから下方に延びる
、接触デバイス。
【請求項15】
固相と液相又は液相と気相の向流接触のための接触デバイスであって、
互いに離間して平行に延びる第1のセットの偏向ブレードから形成される第1のグリッドと、
互いに離間して平行に延びる第2のセットの偏向ブレードから形成される第2のグリッドであって、予め選択された角度で前記第1のセットの偏向ブレードと交互配置され交差し、交互配置された前記第1及び第2のセットの偏向ブレードの隣接ブレードがそれぞれ、対向端部と対向側縁部とを有し、前記側縁部が、前記偏向ブレード同士が交差する横方向ストリップに沿って交互配置された前記偏向ブレードの隣接ブレード間を接合する部分を有する、第2のグリッドと、
前記第1及び/又は前記第2のセットの偏向ブレードに形成された開口、及び前記開口に対応付けられる指向性タブと、
を備え、
前記偏向ブレード同士が交差する前記横方向ストリップに沿って、交互配置された前記偏向ブレードの隣接ブレード間を接合する前記側縁部が、未切断であり、切断部が前記偏向ブレードの前記未切断部から前記対向端部まで延び、前記第2のグリッドの前記偏向ブレードがそれぞれ、オフセット面内の前記未切断部の対向側に前記偏向ブレードのセグメントを配置する屈曲部を有し、
互いに離間して平行に延びる第3のセットの偏向ブレードから形成される第3のグリッドと、
互いに離間して平行に延びる第4のセットの偏向ブレードから形成される第4のグリッドであって、前記第4のセットの偏向ブレードが、予め選択された角度で前記第3のセットの偏向ブレードの第3のセットと交互配置され交差し、前記第3及び第4のセットの交互配置された偏向ブレードの隣接するブレードがそれぞれ対向端部及び対向側縁部を有し、前記側縁部が、前記偏向ブレード同士が交差する横方向ストリップに沿って交互配置された前記偏向ブレードの隣接ブレード間を接合する未切断部と、前記未切断部から前記偏向ブレードの前記対向端部まで延びる切断部と、を有し、前記第4のグリッドの前記偏向ブレードがそれぞれ、オフセット面内の前記未切断部の対向側に前記偏向ブレードのセグメントを配置する屈曲部を有する、第4のグリッドと、
を含み、
前記第1のセットの偏向ブレードの少なくともいくつかの前記端部の1つが、未切断であり、前記第1及び第2のグリッドの偏向ブレードと前記第3及び第4のグリッドの偏向ブレードとを整列させる逆屈曲部に沿って、前記第3のセットの偏向ブレードの前記端部の未切断端部と相互接続される
、接触デバイス。
【請求項16】
前記第1のセットの偏向ブレードのそれぞれの前記端部の1つが、未切断であり、逆屈曲部に沿って前記第3のセットの偏向ブレードの前記端部の未切断端部と相互接続される、請求項
15に記載の接触デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年2月21日に出願された米国非仮出願第16/281,351号、2019年12月13日に出願された米国非仮出願第16/712,995号、及び2020年1月15日に出願された米国非仮出願第16/744,174号に基づく。前述の出願の優先権をここで主張し、それらの開示は参照により本明細書に組み込む。
【0002】
本発明は、概して、流体の向流接触、より具体的には、固相と液相又は液相と気相の向流接触のためのデバイス、及び向流接触デバイスを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
構造パッキンの形態の接触デバイスは、各種用途で使用され、物質移動カラム内を向流で流れる多成分混合物を混合又は流動化させるだけでなく、流体流の化学反応、熱伝達、及び/又は物質移動を促進する。複数の接触デバイスは、通常、カラムの領域内を末端間同士で積み重ねられ、カラムを通じて固相と液相、又は液相と気相が向流で流れる。これらの接触デバイスは、石油、化学、燃焼、及びその他のタイプのプロセスで使用される流動床に関連して使用されることが多く、容器内の流体流と固体粒子との激しい混合と緊密な接触を促進する。この緊密な接触を使用して、流体流、固体粒子、及び/又は固体粒子上にコーティングされた又は固体粒子に同伴された流体間の効率的な熱伝達、物質移動、及び/又は化学反応を達成することができる。流体流と固体粒子の向流を伴う流動床の例は、流体接触分解又はFCCシステムで使用される特定のタイプのストリッパや再生器に見られる。
【0004】
こうしたタイプの接触デバイスの1つは、Koch-Glitsch、Inc.に譲渡された特許文献1に開示されており、KFBE流動床構造パッキンとして販売されている。接触デバイスは、予め選択された角度で互いに交差し、カラム又は容器の縦軸に対してある角度で位置決めされるように配置されたブレード状の交差要素の2つ以上のグリッドを使用する。各グリッド内の交差要素は、交差グリッドの交差要素の幅に対応する距離だけ離間しているため、交差グリッドの交差要素は、交互配置され、交差点で互いに横方向に接触している。これらの接触する交差要素は、典型的には、所定の位置に保持された後、交差点で溶接されて共に固定されなければならない個々の要素である。
【0005】
個々の接触する交差要素を一緒に溶接することによって接触デバイスの交差グリッドを構築することは、時間と労力を要するプロセスである。特許文献2は、静的ミキサの各部又はサブアセンブリを形成する金属鋳造プロセスを使用することによって、静的ミキサとして使用される接触デバイスの構築プロセスを単純化するための1つのアプローチを開示している。次いで、サブアセンブリが接合されて、静的混合デバイスを形成する。このプロセスでは、静的ミキサを構築するために必要な溶接の数が低減される一方、溶接の数を減らすことによって接触デバイスの強度を高めるが、サブアセンブリの鋳造も必要としない接触デバイスを構築するプロセスがいまだに必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】米国特許第6,224,833号
【文献】米国特許第5,435,061号
【発明の概要】
【0007】
一態様では、本発明は、固相と液相又は液相と気相の向流接触のための接触デバイスであって、互いに離間して平行に延びる第1のセットの偏向ブレードから形成される第1のグリッドと、互いに離間して平行に延びる第2のセットの偏向ブレードから形成される第2のグリッドであって、予め選択された角度で第1のセットの偏向ブレードと交互配置され交差し、交互配置された第1及び第2のセットの偏向ブレードの隣接ブレードがそれぞれ、対向端部と対向側縁部とを有し、側縁部が、偏向ブレード同士が交差する横方向ストリップに沿って交互配置された偏向ブレードの隣接ブレード間を接合する部分を有する、第2のグリッドと、第1及び/又は第2のセットの偏向ブレードに形成された開口、及び開口に対応付けられる指向性タブと、を備える、接触デバイスに関する。
【0008】
別の態様では、本発明は、固相及び液相又は液相及び気相の向流接触のための接触デバイスサブアセンブリであって、互いに離間して平行に延びる第1のセットの偏向ブレードから形成される第1のグリッドと、互いに離間して平行に延びる第2のセットの偏向ブレードから形成される第2のグリッドであって、予め選択された角度で第1のセットの偏向ブレードと交互配置され交差し、第1及び第2のセットの偏向ブレードがそれぞれ、対向端部と対向側縁部とを有する、第2のグリッドと、偏向ブレードのうちの隣接ブレードの側縁部の未切断部によって形成される横方向ストリップであって、偏向ブレード同士が交差する場所に、及び/又は対向端部のそれぞれに隣接して位置する、横方向ストリップと、を備え、横方向ストリップが、偏向ブレード同士が交差する場所に位置する場合、第1及び/又は第2のセットの偏向ブレード内の偏向ブレードが、開口と開口に対応する指向性タブとを含む、接触デバイスサブアセンブリに関する。
【0009】
更なる態様では、本発明は、固相及び液相又は液相及び気相の向流接触のための接触デバイスサブアセンブリであって、互いに離間して平行に延びる第1のセットの平面状偏向ブレードから形成される第1のグリッドと、互いに離間して平行に延びる第2のセットの平面状偏向ブレードから形成される第2のグリッドであって、45~135度の範囲内の夾角で第1のセットの偏向ブレードと交互配置され交差し、交互配置された第1及び第2のセットの偏向ブレードの隣接ブレードがそれぞれ、対向端部と対向線形側縁部とを有し、側縁部が、偏向ブレード同士が交差する横方向ストリップに沿って交互配置された偏向ブレードの隣接ブレード間を接合する未切断部と、未切断部から偏向ブレードの対向端まで延びる切断部と、を有し、第2のグリッドの偏向ブレードがそれぞれ、オフセット面内の未切断部の対向側に偏向ブレードのセグメントを配置する屈曲部を有する、第2のグリッドと、互いに離間して平行に延びる第3のセットの平面状偏向ブレードから形成される第3のグリッドと、互いに離間して平行に延びる第4のセットの平面状偏向ブレードから形成される第4のグリッドであって、第4のセットの偏向ブレードが、45~135度の範囲内の夾角で第3のセットの偏向ブレードと交互配置され交差し、交互配置された第3及び第4のセットの偏向ブレードの隣接ブレードがそれぞれ、対向端部と対向線形側縁部とを有し、側縁部が、偏向ブレード同士が交差する横方向ストリップに沿って交互配置された偏向ブレードの隣接ブレード間を接合する未切断部と、未切断部から偏向ブレードの対向端まで延びる切断部と、を有し、第4のグリッドの偏向ブレードがそれぞれ、互いに平行なオフセット面内の未切断部の対向側に偏向ブレードのセグメントを配置する屈曲部を有する、第4のグリッドと、第1及び/又は第2のセットの偏向ブレードの偏向ブレードに形成された開口、及び開口に対応付けられる指向性タブと、を備える接触デバイスサブアセンブリに関する。第1のセットの偏向ブレードの少なくともいくつかの端部の1つが、未切断であり、第1及び第2のグリッドの偏向ブレードと第3及び第4のグリッドの偏向ブレードとを整列させる逆屈曲部に沿って、第3のセットの偏向ブレードの端部の未切断端部と相互接続される。第2のセットの偏向ブレードのそれぞれの端部の1つが、第4のセットの偏向ブレードのそれぞれの端部の1つから離間して整列される。第1、第2、第3及び第4のグリッドは、湾曲した長手平面に一致するように成形された少なくとも1つの側面を有する。
【0010】
更なる態様では、本発明は、接触デバイスサブアセンブリの1つにおける第1及び第3のセットの偏向ブレードの相互接続された未切断端部が、隣接する接触デバイスサブアセンブリの1つにおける第2及び第4のセットの偏向ブレードの、離間され整列された端部に接合される、少なくとも2つの接触デバイスサブアセンブリを備えた接触デバイスに関する。
【0011】
更に別の態様では、本発明は、接触デバイスの製造方法であって、1つ又は複数の材料シートを切断及び屈曲させて、複数の接触デバイスサブアセンブリを形成する工程と、隣接する接触デバイスの1つにおける第1及び第3のセットの偏向ブレードの未切断端部を、隣接する接触デバイスの別の1つにおける第2及び第4のセットの偏向ブレードの、離間され整列された端部に接合することによって、隣接する接触デバイスサブアセンブリ缶を接合して、接触デバイスを形成する工程と、を含む方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】偏向ブレードの交差グリッドを有し、本発明の一実施形態により構築され、カラムの断片部分内に示される接触デバイスの側斜視図である。
【
図2】
図1に示される接触デバイス及びカラムの側面図である。
【
図3】
図1及び
図2に示される接触デバイス及びカラムの上面図である。
【
図4】接触デバイスのサブアセンブリの一実施形態の側斜視図である。
【
図5】
図4とは反対側から見た、接触デバイスのサブアセンブリの側斜視図である。
【
図6】互いに接合されて接触デバイスを形成する前の2つの接触デバイスサブアセンブリの端部立面図である。
【
図7】偏向ブレードに開口を組み込んだ接触デバイスサブアセンブリの第2の実施形態の側斜視図である。
【
図8】接触デバイスを形成するために使用され得る、一連の折り線及び切断線を有する材料片の正面図である。
【
図10】偏向ブレードに開口及び指向性タブを含む接触デバイスサブアセンブリの第3の実施形態の側斜視図である。
【
図11】接触デバイスサブアセンブリの第3の実施形態の端部立面図である。
【
図12】偏向ブレードに開口及び指向性タブを含む接触デバイスサブアセンブリの第4の実施形態の側斜視図である。
【
図13】接触デバイスサブアセンブリの第4の実施形態の端部立面図である。
【
図14】偏向ブレードに開口及び指向性タブを含む接触デバイスサブアセンブリの第5の実施形態の側斜視図である。
【
図15】接触デバイスサブアセンブリの第5の実施形態の端部立面図である。
【
図16】偏向ブレードに開口及び指向性タブを含む接触デバイスサブアセンブリの第6の実施形態の側斜視図である。
【
図17】接触デバイスサブアセンブリの第6の実施形態の端部立面図である。
【
図18】偏向ブレードに開口及び指向性タブを含む接触デバイスサブアセンブリの第7の実施形態の側斜視図である。
【
図19】接触デバイスサブアセンブリの第7の実施形態の側立面図である。
【
図20】接触デバイスサブアセンブリの第7の実施形態の端部立面図である。
【
図21】
図19の線21-21に沿って、矢印の方向に拡大して示された、接触デバイスサブアセンブリの第7の実施形態の1つの偏向ブレードの部分縁部立面図である。
【
図22】偏向ブレードの各開口に対応付けられた複数の指向性タブを含む接触デバイスサブアセンブリの第8の実施形態の側斜視図である。
【
図23】偏向ブレードの側縁部に形成された開口及び指向性タブを含む接触デバイスサブアセンブリの第9の実施形態の側斜視図である。
【
図24】偏向ブレードの両側縁部に形成された開口及び指向性タブを含む接触デバイスサブアセンブリの第10の実施形態の側斜視図である。
【
図25】接触デバイスサブアセンブリの第11の実施形態の側斜視図である。
【
図26】
図25の複数の接触デバイスサブアセンブリを使用して形成された接触デバイスの側斜視図である。
【
図27】
図25に示される接触デバイスサブアセンブリの偏向ブレードに形成された開口及び指向性タブを含む、接触デバイスサブアセンブリの第10の実施形態の側斜視図である。
【
図28】
図25に示される接触デバイスサブアセンブリの偏向ブレードに形成された開口及び指向性タブを含む、接触デバイスサブアセンブリの第11の実施形態の側斜視図である。
【
図29】偏向ブレードのうちの隣接ブレードの側縁部の未切断部によって形成され、隣接する偏向ブレード同士が交差する場所及びそれらの対向端部に配置される横方向ストリップを含む、接触デバイスサブアセンブリの第12の実施形態の側斜視図である。
【
図30】
図29に示されるのと同様の接触デバイスサブアセンブリの第13の実施形態の側面斜視図であるが、矩形ではなく等脚台形の形状を有する偏向ブレードのセグメントを示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ここで、図面をより詳細に、まず
図1~
図3を参照すると、接触デバイスの一実施形態は、全体が数字10で表され、円筒形カラム12内に示されており、円筒形カラムを通じて、異なる相の流が、密着させるために向流で流れて、相成分間の効率的な熱伝達、物質移動、及び/又は化学反応を達成するよう意図される。異なる相流は、固相と液相、又は液相と気相を含んでもよい。接触デバイス10は、カラム12の断面を充たす。単一の接触デバイス10のみが示されているが、複数の接触デバイス10が、カラム12内で末端間の関係で積み重ねられてもよく、隣接する接触デバイス10同士は、カラム12の長手中心軸を中心に互いに対して整列又は回転する。
【0014】
各接触デバイス10は、相互に離間した平行な偏向ブレード18及び20の形態の交差要素からそれぞれ成る対の交差グリッド14及び16の多数サブアセンブリ13を備える。対のグリッド14及び16、並びに個々の偏向ブレード18及び20は、一実施形態では45~135度の範囲内、別の実施形態では60~120度の範囲内であり得る夾角で互いに交差する。グリッド14及び16並びに偏向ブレード18及び20はまた、カラム12の長手中心軸に対して、通常は夾角の半分の角度で配置される。
【0015】
各グリッド14の偏向ブレード18は、対の交差グリッド16のそれぞれの偏向ブレード16と交互配置され、交差する。カラム12の内面に最も近く配置された偏向ブレード18及び20が、カラム12の内面の形状に一致するように成形されることを除いて、偏向ブレード18及び20は、矩形ストリップ又は他の台形形状の形態であり得る。偏向ブレード18は平面状であってもよく、偏向ブレード20は、屈曲部20cによってオフセット面に配置された2つの平面セグメント20a及び20bを有してもよい。オフセット面は互いに平行であってもよい。
【0016】
各グリッド14内の偏向ブレード18はそれぞれ、対向端部22及び24並びに対向側縁部26及び28を有する。各グリッド16内の偏向ブレード20はそれぞれ、同様に、対向端部30及び32並びに対向側縁部34及び36を有する。偏向ブレード18及び20の側縁部26、28及び34、36は、偏向ブレード18及び20が互いに交差する横方向ストリップ38に沿って交互配置された偏向ブレード18及び20の隣接ブレード間を接合する未切断部を含む。この横方向ストリップ38は、各グリッド14及び16の幅全体にわたって延びる偏向ブレード18及び20の隣接ブレード間に強力な一体接続を生成し、個々の偏向ブレード18及び20を位置決めした後、溶接又は他の方法で接合する必要性を排除する。側縁部26、28及び34、36はそれぞれ、未切断部から偏向ブレード18及び20の対向端部22、24及び30、32まで延びる切断部を含む。
【0017】
偏向ブレード20のセグメント20a、20bをオフセット面に配置する屈曲部20cは、横方向ストリップ38を組み込んだS字型屈曲部40の形態であってもよい。
図3に見られるように、S字型屈曲部40は、偏向ブレード18の長手方向長さに対する偏向ブレード20の長手方向長さを短縮することにより、接触デバイス10の固体表面軸方向突出部における隣接する偏向ブレード18の端部30、32間にスリット状の開口部42を形成する。これらの開口部42及び偏向ブレード20のS字型屈曲部40は、流体流が接触デバイス10を通って流れるときに流体流の混合を容易にすると考えられる。
【0018】
一実施形態では、交差グリッド14及び16の各対において、偏向ブレード18のそれぞれの端部24は、未切断であり、
図4及び5に示すように、グリッド14及び16の交差対の1つを交差グリッド14及び16の対の別の1つと整列させて、より大きな接触デバイスサブアセンブリ46を形成する逆屈曲部44に沿って、グリッド14及び16の交差対の別の1つにおける偏向ブレード18の1つの同様に切断された未切断端部22に接合される。別の実施形態では、偏向ブレード18の一部のみの端部24が未切断であり、逆屈曲部44に沿ってグリッド14及び16の交差対の別の1つにおける偏向ブレード18の1つの同様の未切断端部22に接合されて、接触デバイスサブアセンブリ46を形成する。
【0019】
偏向ブレード18の相互接続された未切断端部24及び22は、強力な一体接続を形成して、接触デバイス10の組立中に個々の偏向ブレード18の端部24及び22を位置決めした後、共に溶接する必要性を排除する。各偏向ブレード18は、1つの切断端部22又は24を有するものとして示されている。別の実施形態では、切断端部22又は24は、未切断端部22又は24によって置き換えられ、次に、逆屈曲部44の別の1つに沿って、グリッド14及び16の交差対の更なる1つにおける偏向ブレード18の未切断端部22又は24に接続され、これにより、グリッド14及び16の3つの交差対が互いに整列する。グリッド14及び16の追加の交差対は、このようにして接合することができる。
【0020】
接触デバイスサブアセンブリ46の一実施形態では、グリッド16内の各偏向ブレード20の端部32は、隣接グリッド16内の長手方向に整列した偏向ブレード20の端部30から離間して、間隙48を生成する。
図6に示されるように、間隙48は、別の接触デバイスサブアセンブリ46の偏向ブレード18の未切断端部22、24において逆屈曲部44の少なくともいくらかを受容するようなサイズに設定され、偏向ブレード20の端部32、30は、偏向ブレード18の未切断端部22、24に溶接又は他の方法で固定されて、2つの接触デバイスサブアセンブリ46を共に接合して、組み立てられた接触デバイス10の少なくとも一部を形成することができる。追加の接触デバイスサブアセンブリ46は、このようにして接合することができる。
【0021】
図7及び10~24に示されるように、接触デバイス10の構築に使用される偏向ブレード18及び20の対のグリッド14及び16のいくつかの実施形態では、偏向ブレード18の一部又は全て及び/又は偏向ブレード20の一部又は全ては、流体流の一部が偏向ブレード18及び/又は20を通過することを可能にする開口50を含んでもよく、組み立てられた接触デバイス10を通って向流で流れる際に流体流の混合を容易にする。
【0022】
対のグリッド14及び16の他の実施形態では、
図10~
図24に示されるように、偏向ブレード18の一部又は全て及び/又は偏向ブレード20の一部又は全ては、複数の指向性タブ56を含んでもよく、各指向性タブは、偏向ブレード18及び/又は20に形成された開口58に重なるように位置決めされる。開口58が、前述の開口50と同様に機能して、流体流の部分が偏向ブレード18及び/又は20を通過して流体流の混合を容易にする一方で、指向性タブ56は、対応する開口58への流体流の流入を容易にすること、及び/又は対応する開口58から出るときに流体流の方向を転換することによって、流体流の混合を更に促進する。
図10、
図11及び
図16~
図24に示されるようないくつかの実施形態における指向性タブ56は、対応する偏向ブレード18及び/又は20の平面から上方に延びるように配向されてもよい。
図12及び
図13に示されるような他の実施形態では、指向性タブ56は、対応する偏向ブレード18及び/又は20の平面から下方に延びるように配向されてもよい。
図14及び
図15に示されるような更に他の実施形態では、いくつかの指向性タブ56は下方に延び、他の指向性タブ56は同じ偏向ブレード18及び/又は20から上方に延びてもよい。
【0023】
一般に、指向性タブ56が上方に延びているとき、それらは、偏向ブレード18及び/又は20の上面に沿って対応する開口58内へ、次にそこを通って下降する流体流の方向転換を容易にし、その流体流を、上昇する流体流との所望の混合が起こり得る開放ゾーンに戻す。指向性タブ56が下方に延びているとき、それらは、偏向ブレード18及び/又は20の下面に沿って対応する開口58内へ、及びそこを通って上昇する流体流の方向転換を容易にし、その流体流を、下降する流体流との所望の混合を促進する開放ゾーンに戻す。
【0024】
偏向ブレード18及び/又は20の指向性タブ56及び開口58のサイズ、形状、数、及び位置は、特定の用途に適合するように変更することができる。
図10~
図17及び
図23に示されるようないくつかの実施形態では、指向性タブ56及び開口58は、正方形又は矩形の形状であってもよい。
図24に示される他の実施形態では、指向性タブ56及び開口58は三角形の形状であってもよい。
図18~
図21に示されるような更に他の実施形態では、指向性タブ56はドーム型構造であってもよく、開口58は正方形、矩形、円形、又は他の形状である。
図22に示される更なる実施形態では、複数の指向性タブ56は、開口58の単一の1つに対応付けられてもよい。
図22に示される対のグリッド14及び16の実施形態では、指向性タブ56は、形状が三角形であり、矩形の開口58の周囲に沿って上方に延びる。他の変形例では、三角形の指向性タブ56は、矩形の開口58の周囲に沿って下方に延びてもよく、又はいくつかの三角形の指向性タブ56が上方に延び、他の指向性タブ56が上方に延びてもよい。偏向ブレード18及び20の長手中心線に対して斜めの角度で延びる矩形の開口58が
図22に示されている。
【0025】
図10~
図17及び
図22~
図24に示される偏向ブレード18及び20の対のグリッド14及び16の実施形態では、各指向性タブ56は、偏向ブレード18又は20にスリットを切断して指向性タブ56の1つを除くすべての縁部を形成し、次に、指向性タブ56を偏向ブレード18又は20の平面から曲げることによって構築されて、対応する開口58を形成する。指向性タブ56は、未切断縁部60に沿って偏向ブレード18又は20に接続されたままであり、偏向ブレード18又は20の平面に対して予め選択された角度で延びる。予め選択された角度は、接触デバイス10が使用されるよう意図される特定の用途に応じて変更することができる。いくつかの実施形態では、予め選択された角度は5~65度の範囲内であってもよく、他の実施形態では、予め選択された角度は10~45度の範囲内であってもよい。
【0026】
対のグリッド14及び16の他の実施形態では、各指向性タブ56は、
図18~
図21に示されるように、開口58から離間し少なくとも部分的に覆うように、分離された指向性タブ56を偏向ブレード18又は20に溶接又は他の方法で固定することによって、対応する開口58から離して形成されてもよい。このように分離された指向性タブ56を使用することにより、対応する開口58に関連する指向性タブ56のサイズ設定及び成形がより柔軟になる。
【0027】
指向性タブ56及び開口58は、
図10~
図15及び18~21に示されるように、偏向ブレード18及び/又は20の長手中心線上で中央に位置決めされてもよく、又は
図16及び17に示されるように長手中心線からオフセットされて、指向性タブ56及び開口58の隣接するもの同士が、長手中心線に対して互い違いに配置されてもよい。他の変形例では、指向性タブ56及び開口58は、
図23及び
図24に示されるように、偏向ブレード18及び/又は20の側縁部26、28、34、36に位置決めされてもよく、又は開口58は、
図22に示す長手中心線に直交して延びてもよい。
【0028】
また、指向性タブ56及び開口58を含む偏向ブレード18及び20の対のグリッド14及び16も、様々な構造を採り得ることが理解されよう。例えば、
図10~
図21に示される対のグリッド14及び16の偏向ブレード18及び20は前述のとおりであるが、
図22~
図24に示される対のグリッド14及び16の偏向ブレード18及び20は、上述の特徴のいくつかを欠いている。例えば、それらの実施形態における偏向ブレード20はS字型屈曲部40を欠き、偏向ブレード18の端部24は、未切断であり、逆屈曲部44に沿って、交差グリッド14及び16の交差対の別の1つにおける他の偏向ブレード18の未切断端部24に接合されていない。
【0029】
ここで
図8及び9を参照すると、金属又は合金などの材料の面状シートの形態の材料片52が示され、その材料片から接触デバイスサブアセンブリ46の1つが形成される。材料片52は、偏向ブレード18の切断端部22、24及び側面26、28の切断部、並びに偏向ブレード20の切断端部30、32及び側面34、36の切断部を形成するように切断されている。偏向ブレード20に形成されるS字型屈曲部40と、長手方向に隣接する偏向ブレード18の端部24と22との間に形成される逆屈曲部44とは、破線で示されている。面状材料シートを切断して材料片52を形成した後、S字型屈曲部40及び逆屈曲部44の位置で材料片52を屈曲させることによって、接触デバイスサブアセンブリ46が形成される。偏向ブレード18及び20の横方向に隣接するブレードは、横方向ストリップ38に沿って側部26、28及び34、36の未切断部で一体的に接合され、偏向ブレード18の長手方向に隣接するブレードは、逆屈曲部44に沿って未切断端部22、24で一体的に接合されるため、接触デバイスサブアセンブリ46は、個々の偏向ブレードを一緒に溶接する必要なく一体型要素として形成される。これにより、高強度の接触デバイスサブアセンブリ46が得られ、このサブアセンブリは、偏向ブレード18及び20を共に溶接する必要がある場合に必要とされるよりも迅速かつ安価に製造することができる。同様に、接触デバイス10も、必要最小限の溶接で、接触デバイスサブアセンブリ46から迅速に組み立てることができる。
【0030】
ここで
図25を参照すると、同図に示されるサブアセンブリ46の対のグリッド14及び16における交互配置され交差する偏向ブレード18及び20は、横方向ストリップ38の1つが、偏向ブレード18及び20の端部22及び30に隣接して配置される側縁部26、28及び34、36の未切断部によって形成され、横方向ストリップ38の別の1つが、偏向ブレード18及び20の対向端部24及び32に隣接して配置される側縁部26、28及び34、36の未切断部によって形成されるように構築される。これらの横方向ストリップ38は、各グリッド14及び16の幅全体にわたって延びる偏向ブレード18及び20の横方向に隣接するブレード間で強力な一体接続を生成し、グリッド14及びグリッド16内の偏向ブレード18及び20を個々に位置決めした後、共に溶接又は他の方法で接合する必要性を排除する。
【0031】
偏向ブレード18及び20の側縁部26、28及び34、36は、非切断部間に延びる切断部を含み、偏向ブレード18及び20を交互配置及び交差構成へと屈曲させることを可能にする。偏向ブレード18及び20はそれぞれ、中央交差セグメント60と、逆屈曲部64によって中央交差セグメント60の対向端部に接続される端部セグメント62とを含む。一実施形態では、逆屈曲部64はそれぞれ、偏向ブレード18又は30の単一の曲線状屈曲部として形成されてもよい。
図25に示されるような別の実施形態では、対のグリッド14及び16の隣接するもの同士の接合を容易にして、
図26に示す接触デバイス10を形成するため、逆屈曲部64はそれぞれ、屈曲部66間に位置決めされた平面セグメント68を有する2つの離間した屈曲部66の形態をとってもよい。
【0032】
図26に示されるように、対のグリッド14及び16のそれぞれの偏向ブレード18及び20の平面セグメント68は、隣接する対のグリッド14及び16の偏向ブレード18及び20の平面セグメント68間に受容される。平面セグメント68に沿った側縁部26、28及び34、36は、より大きな表面積を提供し、それに沿って、隣接する対のグリッド14及び16の平面セグメント68は、対の交差グリッド14及び16の個々のサブアセンブリ13からの接触デバイスの組立中に、より確実に共に接合され得る。
図25及び
図26に示される偏向ブレード18及び20は、偏向ブレード18及び20自体の構成を理解し易くするために、開口及び対応する指向性タブを伴って図示されていないが、本明細書の他の図に記載される及び/又は示されるものを含め、開口及び対応する指向性タブが、偏向ブレード18及び20と共に使用されてもよいと理解することができる。
【0033】
例えば、
図27に示されるサブアセンブリ46の実施形態では、指向性タブ56及び対応する開口58が、偏向ブレード18及び20の長手中心線を中心として、各偏向ブレード18及び20の中央交差セグメント60及び端部セグメント62に設けられる。2つの開口58は、中央交差セグメント60のそれぞれにおいて離間して位置決めされ、2つの指向性タブ56が、各開口58に対応付けられる。指向性タブ56の一方は、開口58の一方の縁部に沿って上方に延び、他方の指向性タブ56は、開口58の他方の縁部から下方に延びる。
【0034】
別の例として、
図28に示されるサブアセンブリ46の実施形態では、3つの開口58及び対の指向性タブ56が、各中央交差セグメント60に設けられ、単一の開口58及び対応する指向性タブ56が、偏向ブレード18及び20の長手中心線を中心として、偏向ブレード18及び20のそれぞれの各端部セグメント62に設けられる。開口58及び対応する指向性タブ56も、偏向ブレード18及び20の側縁部26、28、34、36に設けられている。
図28に示されるサブアセンブリ46で使用される開口58及び対応する指向性タブ56の同様の構成はまた、
図4~
図6に示されるサブアセンブリ46に示される偏向ブレード18及び20の構成などの、偏向ブレード18及び20の他の構成に組み込まれてもよく、又は
図22~
図24に示されるサブアセンブリ46の開口58及び指向性タブ56の代わりに使用されてもよい。
【0035】
図25~
図27に示される接触デバイスサブアセンブリ46の実施形態は、偏向ブレード18及び20の端部22及び30に隣接して、及び偏向ブレード18及び20の反対側の端部24及び32に隣接して形成された横方向ストリップ38を有し、第3の横方向ストリップ38は、
図29に示されるように、偏向ブレード18及び20の中央交差セグメント60の側縁部26、28及び34、36の未切断部によって形成されて、接触デバイスサブアセンブリ46により大きな剛性を提供してもよい。中央交差セグメント60に第3の横方向ストリップ38を収容するために、一対の離間した屈曲部70と、屈曲部70の間に位置決めされた平面セグメント72とが、偏向ブレード18及び20の中央交差セグメント60の側縁部26、28及び34、36の未切断部の位置において、中央交差セグメント60に設けられる。偏向ブレード18及び20は、偏向ブレード18及び20自体の構成を理解し易くするために指向性タブ及び開口を伴わずに図示されているが、本明細書の他の図に記載される、及び/又は示されるものを含め、開口及び対応する指向性タブが偏向ブレード18及び20と共に使用されてもよいと理解することができる。
【0036】
前述したように、偏向ブレード18及び20は、矩形以外の台形の形状を有してもよい。例えば、
図30に示される接触デバイスサブアセンブリに示されるように、矩形の平面セグメント68と横方向ストリップ38との間に延びる偏向ブレード18及び20の部分は、等脚台形の形態をとってもよい。流体流の方向へ収束する偏向ブレード18及び20のこれらの等脚台形部分の側縁部26、28及び24、26は、偏向ブレード18及び20からの流体の除去、並びに反対方向に流れる流体との混合を容易にすると考えられる。この場合も、偏向ブレード18及び20自体の構成を理解し易くするために指向性タブ及び開口は図示されていないが、本明細書の他の図に記載される、及び/又は示されるものを含め、開口及び対応する指向性タブが偏向ブレード18及び20と共に使用されてもよいと理解することができる。
【0037】
前述のことから、本発明は、構造に固有の他の利点とともに、上記のすべての目標及び目的を達成するのに十分に適合するものであることが明らかであろう。
【0038】
特定の機能及び部分的組み合わせは有用であり、他の機能及び部分的組み合わせを参照せずに採用できることが理解されるであろう。これは、本発明によって企図され、本発明の範囲内にある。
【0039】
多くの可能な実施形態は、本発明の範囲から逸脱することなく本発明から作製することができるため、本明細書に記載又は添付図面に示されるすべての事項は、限定的な意味ではなく例示として解釈されるべきである。