(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-06
(45)【発行日】2024-08-15
(54)【発明の名称】センシング装置
(51)【国際特許分類】
G01L 3/10 20060101AFI20240807BHJP
【FI】
G01L3/10 305
(21)【出願番号】P 2021569236
(86)(22)【出願日】2020-05-22
(86)【国際出願番号】 KR2020006695
(87)【国際公開番号】W WO2020235958
(87)【国際公開日】2020-11-26
【審査請求日】2023-03-14
(31)【優先権主張番号】10-2019-0059973
(32)【優先日】2019-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517099982
【氏名又は名称】エルジー イノテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100202267
【氏名又は名称】森山 正浩
(74)【代理人】
【識別番号】100182132
【氏名又は名称】河野 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100172683
【氏名又は名称】綾 聡平
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(72)【発明者】
【氏名】ピョン,ソンウク
【審査官】公文代 康祐
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第102005011196(DE,A1)
【文献】特表2008-506102(JP,A)
【文献】特開2018-132509(JP,A)
【文献】国際公開第2019/022325(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 3/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステータートゥースを含むステーター;及び
マグネットを含むローターを含み、
前記ステータートゥースは、第1ステータートゥースと前記第1ステータートゥース内に配置される第2ステータートゥースを含み、
前記第1ステータートゥースは、複数の第1歯を含み、
前記第2ステータートゥースは、複数の第2歯を含み、
前記第1歯は、前記第2歯と前記ステーターの中心から半径方向にオーバーラップされ、
センサーとコレクターをさらに含み、
前記センサーは、第1センサーと第2センサーを含み、
半径方向に前記ステーターの中心を通過する仮想の直線を第1基準線とし、半径方向に前記第1基準線と垂直な仮想の直線を第2基準線とするとき、
前記コレクターは、半径方向に前記第1ステータートゥースと前記第2ステータートゥースとの間にのみ配置され、前記第1基準線の一側にのみ配置され、同時に前記第2基準線を基準として対称に配置され、
前記第1センサーは、前記第2基準線の一側に配置され、
前記第2センサーは、前記第2基準線の他側に配置される、
ことを特徴とする、センシング装置。
【請求項2】
前記コレクターは、第1コレクターと第2コレクターを含み
、
前記第1コレクターと
前記第2コレクターは、前記第1基準線を基準として対称となるように配置され、前記第2
基準線の一側にのみ配置されることを特徴とする、
請求項1に記載のセンシング装置。
【請求項3】
前記コレクターは、前記第1センサーと対向して配置される第1本体と、前記第1本体から延長されて前記第2センサーと対向して配置される第2本体と、前記第1本体及び前記第2本体からそれぞれ延長される延長部と、を含み、
前記延長部の曲率中心を基準として、前記コレクターの両先端がなす角は、180°以下であることを特徴とする、
請求項1に記載のセンシング装置。
【請求項4】
前記コレクターは、前記第1センサーと対向して配置される第1本体と、前記第1本体から延長されて前記第2センサーと対向して配置される第2本体と、前記第1本体及び前記第2本体からそれぞれ延長される延長部と、を含むことを特徴とする、請求項1に記載のセンシング装置。
【請求項5】
前記第1コレクターは、前記第1センサーと対向して配置される第1本体と、前記第1本体から延長される第1延長部と、を含み、
前記第2コレクターは、前記第2センサーと対向して配置される第2本体と、前記第2本体から延長される第2延長部と、を含むことを特徴とする、請求項2に記載のセンシング装置。
【請求項6】
前記第1本体と前記第2本体は、折り曲げられて連結されることを特徴とする、請求項4又は請求項5に記載のセンシング装置。
【請求項7】
回路基板を収容するハウジングをさらに含み、
前記ハウジングは、前記第1センサーが貫通する第1ホールと、前記第2センサーが貫通する第2ホールを含み、
前記第1ホールと前記第2ホールは、折り曲げられて連結されることを特徴とする、請求項6に記載のセンシング装置。
【請求項8】
回路基板を収容するハウジングをさらに含み、
前記コレクターは、両先端にそれぞれ配置されて外側に折り曲げられる折り曲げ部を含み、
前記ハウジングは、前記折り曲げ部が配置される溝部を含むことを特徴とする、請求項1~請求項3のうちいずれか一項に記載のセンシング装置。
【請求項9】
前記ハウジングは、軸方向に突出する環状の突起部を含み、
前記溝部は、前記突起部の内周面に凹面で配置されることを特徴とする、請求項8に記載のセンシング装置。
【請求項10】
前記センサーは、半径方向に前記コレクターと前記第1ステータートゥースの間に配置されることを特徴とする、請求項1~請求項3のうちいずれか一項に記載のセンシング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センシング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電動式操向装置(Electronic Power System、以下、「EPS」と言う)は、運行条件に応じて電子制御装置(Electronic Control Unit)でモーターを駆動して旋回安定性を保障して迅速な復原力を提供することによって運転者の安全な走行を可能にする。
【0003】
EPSは、適切なトルクを提供するために、操向軸のトルク、操向角などを測定するセンサー組立体を含む。前記センサー組立体は、操向軸に加えられるトルクを測定するトルクセンサーと、操向軸の角加速度を測定するインデックスセンサーと、を含むことができる。そして、前記操向軸は、ハンドルに連結される入力軸、車輪側の動力伝達構成と連結される出力軸及び入力軸と出力軸を連結するトーションバーを含むことができる。
【0004】
前記トルクセンサーは、トーションバーの捩れ程度を測定して操向軸に加えられるトルクを測定する。そして、インデックスセンサーは、出力軸の回転を感知して操向軸の角加速度を測定する。前記センサー組立体において、前記トルクセンサーとインデックスセンサーは、共に配置されて一体に構成され得る。
【0005】
前記トルクセンサーは、ハウジング、ローター、ステータートゥースを含むステーター及びコレクターを含んで前記トルクを測定することができる。
【0006】
このとき、前記トルクセンサーは、マグネチックタイプの構造であって、前記コレクターがステータートゥースの外側に配置される構造で提供され得る。
【0007】
しかし、外部の磁場が生成されるとき、前記構造で前記コレクターが外部磁場の通路の役目を行うので、ホール素子(Hall IC)の磁束値に影響を及ぼすという問題がある。それによって、前記トルクセンサーの出力値に変化が発生してトーションバーの捩れ程度を正確に測定できないという問題が発生する。
【0008】
特に、車両に電装化が多くなるに従って外部磁界により前記トルクセンサーが影響を受ける場合が多くなるので、外部磁界に影響を受けないトルクセンサーが要請されているのが実情である。
【0009】
また、環状のコレクターの場合、ハウジングが流動する場合、コレクターが配置されたハウジングとステータートゥースが偏心してコレクターとステータートゥースの半径方向の長さが変わり、測定磁束の敏感度が増加するという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の実施例は、トルク測定時に外部で生成される外部磁場による磁界干渉を回避し得るセンシング装置を提供することをその目的とする。
【0011】
特に、実施例は、ハウジングの流動による測定磁束の敏感度を減らすセンシング装置を提供することをその目的とする。
【0012】
実施例が解決しようとする課題は、以上で言及した課題に限定されず、ここで言及されないまた他の課題は、下の記載から当業者に明確に理解され得る。
【課題を解決するための手段】
【0013】
実施例は、ステータートゥースを含むステーター及びマグネットを含むローターを含み、前記ステータートゥースは、第1ステータートゥースと前記第1ステータートゥース内に配置される第2ステータートゥースを含み、前記第1ステータートゥースは、複数の第1歯を含み、前記第2ステータートゥースは、複数の第2歯を含み、前記第1歯は、前記第2歯と前記ステーターの中心から半径方向にオーバーラップされ、半径方向に前記第1ステータートゥースと前記第2ステータートゥースの間に配置されるセンサーとコレクターをさらに含み、第1ステータートゥースは、円周方向に前記コレクターと対応する第1領域を含み、第2ステータートゥースは、円周方向に前記コレクターと対応する第2領域を含み、前記第1領域の中心角及び前記第2領域の中心角は、それぞれ180°以下であるセンシング装置を提供することができる。
【0014】
実施例は、ステータートゥースを含むステーター及びマグネットを含むローターを含み、前記ステータートゥースは、第1ステータートゥースと前記第1ステータートゥース内に配置される第2ステータートゥースを含み、前記第1ステータートゥースは、複数の第1歯を含み、前記第2ステータートゥースは、複数の第2歯を含み、前記第1歯は、前記第2歯と前記ステーターの中心から半径方向にオーバーラップされ、半径方向に前記第1ステータートゥースと前記第2ステータートゥースの間の空間に配置されたセンサーとコレクターをさらに含み、前記コレクターは、第1コレクターと第2コレクターを含み、半径方向に前記ステーターの中心を通過する仮想の直線を第1基準線とし、半径方向に前記第1基準線と垂直な仮想の直線を第2基準線とするとき、前記第1コレクターと第2コレクターは、前記第1基準線を基準として対称となるように配置され、前記第2基準線の一側にのみ配置されるセンシング装置を提供することができる。
【0015】
実施例は、ステータートゥースを含むステーター及びマグネットを含むローターを含み、前記ステータートゥースは、第1ステータートゥースと前記第1ステータートゥース内に配置される第2ステータートゥースを含み、前記第1ステータートゥースは、複数の第1歯を含み、前記第2ステータートゥースは、複数の第2歯を含み、前記第1歯は、前記第2歯と前記ステーターの中心から半径方向にオーバーラップされ、半径方向に前記第1ステータートゥースと前記第2ステータートゥースの間の空間に配置されたセンサーとコレクターをさらに含み、前記センサーは、第1センサーと第2センサーを含み、前記コレクターは、前記第1センサーと対向して配置される第1本体と、前記第1本体から延長されて前記第2センサーと対向して配置される第2本体と、前記第1本体及び前記第2本体からそれぞれ延長される延長部を含み、前記延長部の曲率中心を基準として、前記コレクターの両先端がなす角は、180°以下であるセンシング装置を提供することができる。
【0016】
好ましくは、前記センサーは、第1センサーと第2センサーを含み、前記コレクターは、前記第1センサーと対向して配置される第1本体と、前記第1本体から延長されて前記第2センサーと対向して配置される第2本体と、前記第1本体及び前記第2本体からそれぞれ延長される延長部と、を含むことができる。
【0017】
好ましくは、前記センサーは、第1センサーと第2センサーを含み、前記第1コレクターは、前記第1センサーと対向して配置される第1本体と、前記第1本体から延長される第1延長部と、を含み、前記第2コレクターは、前記第2センサーと対向して配置される第2本体と、前記第2本体から延長される第2延長部と、を含むことができる。
【0018】
好ましくは、前記第1本体と前記第2本体は、折り曲げられて連結され得る。
【0019】
好ましくは、前記回路基板を収容するハウジングをさらに含み、前記ハウジングは、前記第1センサーが貫通する第1ホールと、前記第2センサーが貫通する第2ホールを含み、前記第1ホールと前記第2ホールは、折り曲げられて連結され得る。
【0020】
好ましくは、前記回路基板を収容するハウジングをさらに含み、前記コレクターは、両先端にそれぞれ配置されて外側に折り曲げられる折り曲げ部を含み、前記ハウジングは、前記折り曲げ部が配置される溝部を含むことができる。
【0021】
好ましくは、前記ハウジングは、軸方向に突出する環状の突起部を含み、前記溝部は、前記突起部の内周面に凹面で配置され得る。
【0022】
好ましくは、前記センサーは、半径方向に前記コレクターと前記第1ステータートゥースの間に配置され得る。
【発明の効果】
【0023】
上記のような構成を有する実施例によるセンシング装置は、コレクターが流動しても測定磁束の敏感度を減らし得るという利点がある。
【0024】
また、一対のステータートゥースの間にコレクターを配置し、前記コレクターの間にセンサーを配置することによって、トルクの測定時に外部から生成される外部磁場による磁界干渉を防止又は最小化することができる。
【0025】
また、半径方向に相互離隔して配置される第1ステータートゥースの第1歯と第2ステータートゥースの第2歯をオーバーラップして配置し、マグネットを前記第1歯と前記第2歯の間で回転させることによって、前記第1歯と前記第2歯を互いに異なる極に帯電させ得る。
【0026】
また、収集されるフラックスの大きさを高め得るという利点がある。
【0027】
また、ステーターホルダーの内側から流入して生成される外部磁場による磁界干渉を防止又は最小化することができる。
【0028】
また、センシング装置の側面から流入する外部磁場による磁界干渉を防止又は最小化することができる。
【0029】
実施例の多様で且つ有益な長所と効果は、上述した内容に限定されず、実施例の具体的な実施形態を説明する過程でより容易に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】
図1は、実施例によるセンシング装置を示す斜視図である。
【0031】
【
図2】
図2は、
図1のセンシング装置を示す分解斜視図である。
【0032】
【
図3】
図3は、
図1のA-Aを基準として示したセンシング装置の断面斜視図である。
【0033】
【
図4】
図4は、実施例によるセンシング装置のステーターを示す斜視図である。
【0034】
【
図5】
図5は、実施例によるセンシング装置のステーターを示す分解斜視図である。
【0035】
【
図6】
図6は、実施例によるセンシング装置のステーターを示す断面図である。
【0036】
【
図7】
図7は、ステーターのステーター本体を示す斜視図である。
【0037】
【
図8】
図8は、ステーターのステーター本体を示す平面図である。
【0038】
【
図9-10】
図9及び
図10は、ステーターのステーター本体を示す断面図である。
【0039】
【
図11】
図11は、第1ステータートゥースを示す側面図である。
【0040】
【
図12】
図12は、第2ステータートゥースを示す側面図である。
【0041】
【
図13】
図13は、第1ステータートゥースと第2ステータートゥースとマグネットを示す平面図である。
【0042】
【
図14】
図14は、マグネットの第1極と第2極を示した図である。
【0043】
【0044】
【0045】
【
図17】
図17は、第1角度θ1、第2角度θ2及び第3角度θ3に対するフラックス(flux)を示したグラフである。
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】
【
図21】
図21は、第1ステータートゥースと第2ステータートゥースに対するマグネットの配置を示す斜視図である。
【0050】
【
図22】
図22は、第1ステータートゥースを示した斜視図である。
【0051】
【
図23】
図23は、第2ステータートゥースを示した斜視図である。
【0052】
【0053】
【
図25】
図25は、第1ステータートゥース及び第2ステータートゥースの平面図である。
【0054】
【
図26】
図26は、同心円上に配置される第1歯と第2歯と第3歯を示した図である。
【0055】
【
図27】
図27は、ステーターホルダーの内側から流入する外部磁場の流れを示した第1ステータートゥース及び第2ステータートゥースの平面図である。
【0056】
【
図28】
図28は、第3歯にガイドされる外部磁場の流れを示した第1ステータートゥースの断面図である。
【0057】
【
図29】
図29は、第1ステータートゥースと第2ステータートゥースとセンサーとコレクターの側断面図である。
【0058】
【0059】
【
図31】
図31は、第1ステータートゥースと第2ステータートゥースの間に配置されるコレクターを示したものであって、第1ステータートゥースの第1領域と第2ステータートゥースの第2領域を示した図である。
【0060】
【
図32】
図32は、第1ステータートゥースと第2ステータートゥースの間に配置されるコレクターを示したものであって、第1基準線と第2基準線に対するコレクターの位置を示した図である。
【0061】
【
図33】
図33は、コレクターの延長部の曲率中心に対するコレクターの形状を示した図である。
【0062】
【
図34】
図34は、コレクターとセンサーが配置されたハウジングを示した図である。
【0063】
【0064】
【0065】
【
図37】
図37は、コレクターがいずれか一側に流動するとき、第1ステータートゥース及び第2ステータートゥースとコレクターの相対的位置を示した図である。
【0066】
【
図38】
図38は、コレクターが他の一側に流動するとき、第1ステータートゥース及び第2ステータートゥースとコレクターの相対的位置を示した図である。
【0067】
【
図39】
図39は、実施例によるセンシング装置と比較例によるセンシング装置の測定磁束の敏感度を比較したグラフである。
【0068】
【
図40】
図40は、メインギアと噛み合う第1ギアと第2ギアを示した図である。
【0069】
【
図41】
図41は、ステータートゥースに対する外部磁場の方向性を示した図である。
【0070】
【
図42】
図42は、z軸方向性を有する外部磁場に対するセンサーの回避状態を示した図である。
【0071】
【
図43】
図43は、y’軸方向性を有する外部磁場に対する第1、2ステータートゥースの回避状態を示した図である。
【0072】
【
図44】
図44は、z軸方向の外部磁場に対応した角度変化量に対して比較例と実施例を比較したグラフである。
【0073】
【
図45】
図45は、y’軸方向の外部磁場に対応した角度変化量に対して比較例と実施例を比較したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0074】
以下、添付された図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳しく説明する。
【0075】
ただし、本発明の技術思想は、説明される一部実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態に具現され得、本発明の技術思想の範囲内であれば、実施例の間のその構成要素のうち一つ以上を選択的に結合、置換して用いることができる。
【0076】
また、本発明の実施例で用いられる用語(技術及び科学的用語を含む)は、明白に特に定義されて記述されない限り、本発明が属する技術分野において通常の知識を有した者により一般的に理解され得る意味で解釈され得、辞典に定義された用語のように一般的に用いられる用語は、関連技術の文脈上の意味を考慮してその意味を解釈することができる。
【0077】
また、本発明の実施例で用いられた用語は、実施例を説明するためのものであって、本発明を限定するものではない。
【0078】
本明細書で、単数形は、文句で特に言及しない限り複数形も含むことができ、「A及び(と)B、Cのうち少なくとも一つ(又は一つ以上)」と記載される場合、A、B、Cで組み合わせることができる全ての組み合わせのうち一つ以上を含むことができる。
【0079】
また、本発明の実施例の構成要素を説明するにあたって、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を用いることができる。
【0080】
このような用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものに過ぎず、その用語によって該当構成要素の本質や順番又は手順などが限定されない。
【0081】
また、ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」又は「接続」されたと記載された場合、その構成要素は他の構成要素に直接的に連結、結合又は接続される場合だけではなく、その構成要素と他の構成要素の間にあるまた他の構成要素により「連結」、「結合」又は「接続」される場合も含むことができる。
【0082】
また、各構成要素の「上又は下」に形成又は配置されるものと記載される場合、上又は下は、二つの構成要素が互いに直接接触する場合だけではなく、一つ以上のまた他の構成要素が二つの構成要素の間に形成又は配置される場合も含む。また、「上又は下」で表現される場合、一つの構成要素を基準として上側方向だけでなく下側方向の意味も含むことができる。
【0083】
以下、添付した図面を参照して実施例を詳しく説明するが、図面符号に関係なく同一であるか対応する構成要素には同一の参照番号を付与し、これに対する重複説明は省略する。
【0084】
図1は、実施例によるセンシング装置を示す斜視図であり、
図2は、
図1のセンシング装置を示す分解斜視図であり、
図3は、
図1のA-Aを基準として示したセンシング装置の断面斜視図である。
図1及び
図2で、z方向は、軸方向を意味し、y方向は、半径方向を意味する。そして、軸方向と半径方向は互いに垂直である。
【0085】
図1~
図3を参照すると、実施例によるセンシング装置1は、ステーター100、ステーター100に一部が配置されるローター200、センサー500、センサー500と電気的に連結された回路基板600、回路基板600が結合されたハウジング700、第1部材800及び第2部材900を含むことができる。
【0086】
ここで、ステーター100は、出力軸(図示せず)と連結され、ステーター100に少なくとも一部が回転可能に配置されるローター200は、入力軸(図示せず)と連結され得るが、必ずしもこれに限定されない。
【0087】
このとき、前記ローター200は、ステーター100に対して回転可能に配置され得る。以下、内側とは、前記半径方向を基準として中心Cを向いて配置される方向を意味し、外側とは、内側と反対する方向を意味し得る。
【0088】
図4は、実施例によるセンシング装置のステーターを示す斜視図であり、
図5は、実施例によるセンシング装置のステーターを示す分解斜視図であり、
図6は、実施例によるセンシング装置のステーターを示す断面図である。
【0089】
ステーター100は、操向軸の出力軸(図示せず)と連結され得る。
【0090】
図4~
図6を参照すると、ステーター100は、ステーターホルダー110と、ステーター本体120と、第1ステータートゥース130及び第2ステータートゥース140を含むことができる。
【0091】
ステーターホルダー110は、電動式操向装置の出力軸(Output shaft)に連結され得る。それによって、ステーターホルダー110は、前記出力軸の回転に連動して回転し得る。ステーターホルダー110は、円筒形状に形成され得る。そして、ステーターホルダー110は、金属材質で形成され得るが、必ずしもこれに限定されるものではなく、ステーターホルダー110は、前記出力軸が嵌め込み固定できるように一定以上の強度を考慮した他の材質が用いられ得ることは勿論である。
【0092】
ステーターホルダー110は、溝111を含むことができる。溝111は、ステーターホルダー110の外周面に凹面で形成される。溝111は、ステーターホルダー110の外周面に沿って配置される。溝111には、固定部材(
図2の900)が挿入される。
【0093】
ステーターホルダー110は、ステーター本体120と結合することができる。
【0094】
ステーター本体120は、ステーターホルダー110の一側端部に配置され得る。ステーター本体120は、レジンのような合成樹脂を用いたインサート射出方式によりステーターホルダー110と結合され得る。ステーター本体120の外周面には、メインギア121aが形成され得る。メインギア121aは、ステーター本体120の回転力を第1ギア(
図40の1100)と第2ギア(
図40の1200)に伝達する。
【0095】
第1ステータートゥース130と第2ステータートゥース140は、半径方向に相互離隔して配置され得る。そして、第1ステータートゥース130と第2ステータートゥース140は、ステーター本体120に固定され得る。第1ステータートゥース130は、第1本体131と第1歯132と第3歯133を含む。第2ステータートゥース140は、第2本体141と第2歯142を含む。
【0096】
図7は、ステーターのステーター本体を示す斜視図であり、
図8は、ステーターのステーター本体を示す平面図であり、
図9及び
図10は、ステーターのステーター本体を示す断面図である。
【0097】
図7~
図10を参照すると、ステーター本体120は、内側部121と外側部122と隔板123を含む。内側部121と外側部122は、円筒形状である。外側部122は、半径方向を基準として内側部121の外側に離隔して配置される。隔板123は、内側部121と外側部122を連結する。内側部121、外側部122及び隔板123は、一体であってもよい。内側部121の内側には、ステーターホルダー110が結合され得る。外側部122と内側部121の間には、空間Sが形成され得る。隔板123は、板状で形成され得る。隔板123は、内側部121と外側部122の間に配置され得る。
【0098】
空間Sは、隔板123により第1空間S1と第2空間S2に区分され得る。第1空間S1には、センサー500が配置され、第2空間S2には、マグネット230が配置され得る。隔板123は、仮想の水平線L1より下に配置され得る。ここで、仮想の水平線L1は、軸方向を基準として外側部122の中心を通過する。
【0099】
一方、隔板123は、第1ホール124と第2ホール125を含むことができる。第1ホール124と第2ホール125は、第1ステータートゥース130と第2ステータートゥース140の配置のためのものである。
【0100】
第1空間S1には、第1本体131と第2本体141が配置され得る。前記第2空間S2には、第1歯132と第2歯142が配置され得る。
【0101】
第1ホール124は、円周方向に沿って相互離隔して複数個が形成され得る。そして、第1歯132は、第1ホール124を貫通して第2空間S2に配置される。このとき、第1ホール124の個数は、第1歯132の個数と同一である。第1ホール124は、外側部122の内周面に隣接して配置され得る。
図8に示したように、第1ホール124は、外側部122の内周面に触れ合うように隔板123に形成され得る。
【0102】
第2ホール125は、円周方向に沿って相互離隔して複数個が形成され得る。このとき、半径方向を基準として、第2ホール125は、第1ホール124の内側に離隔して配置され得る。そして、第2歯142は、第2ホール125を貫通して第2空間S2に配置される。このとき、第2ホール125の個数は、第2ステータートゥース140の第2歯142の個数と同一である。第2ホール125は、内側部121の外周面に隣接するように配置され得る。
図8に示したように、第2ホール125は、内側部121の外周面に触れ合うように隔板123に形成され得る。
【0103】
第3ホール127は、円周方向に沿って相互離隔して複数個が形成され得る。第3ホール127は、円周方向を基準として、第2ホール125と第2ホール125の間に配置され得る。第3歯133は、第3ホール127を貫通して第2空間S2に配置される。このとき、第3ホール127の個数は、第1ステータートゥース130の第3歯133の個数と同一であってもよい。第3ホール127は、内側部121の外周面に隣接するように配置され得る。第3ホール127は、内側部121の外周面に触れ合うように隔板123に形成され得る。
【0104】
第1ステータートゥース130と第2ステータートゥース140は、ステーター本体120の内側部121の外周面と外側部122の内周面の間に配置され得る。ここで、第1ステータートゥース130と第2ステータートゥース140は、マグネット230の回転による帯電のために金属材質で形成され得る。
【0105】
そして、第1ステータートゥース130は、ボンドのような接着部材(図示せず)により外側部122の内周面に固定され得、第2ステータートゥース140は、ボンドのような接着部材(図示せず)により内側部121の外周面に固定され得るが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、締結部材(図示せず)又はコーキング方式などを通じて第1ステータートゥース130と第2ステータートゥース140それぞれはステーター本体120に固定され得る。
【0106】
隔板123の下側にボス126が延長して配置される。ボス126の側壁と外側部122は離隔されて第1スロットU1を形成する。第1歯132は、第1スロットU1に挿入されて第1ホール124を貫通して第2空間S2に位置する。そして、ボス126の側壁と内側部121は、離隔されて第2スロットU2を形成する。第2歯142及び第3歯133は、第2スロットU2に挿入されてそれぞれ第2ホール125及び第3ホール127を貫通して第2空間S2に位置する。
【0107】
第1スロットU1は、第1ステータートゥース130がステーター本体120に結合する過程で、第1歯132を第1ホール124にガイドして結合を容易にする。
【0108】
第2スロットU2は、第2ステータートゥース140がステーター本体120に結合する過程で、第2歯142及び第3歯133をそれぞれ第2ホール125及び第3ホール127にガイドして結合を容易にする。
【0109】
図11は、第1ステータートゥースを示す側面図であり、
図12は、第2ステータートゥースを示す側面図である。
【0110】
図5及び
図11を参照すると、第1ステータートゥース130は、第1本体131と、第1本体131から相互離隔して軸方向に突出した複数個の第1歯132を含むことができる。
【0111】
図5及び
図12を参照すると、第2ステータートゥース140は、第2本体141及び第2本体141から相互離隔して軸方向に突き出された複数個の第2歯142を含むことができる。
【0112】
第1本体131の上面131aを基準として第1本体131の高さH1は、第1歯132の高さH2より小さい。そして、第2本体141の上面141aを基準として第2本体141の高さH3は、第2歯142の高さH4より小さい。しかし、本発明は、これに限定されず、第1歯132の高さH2と第2歯142の高さH4が相異なっていてもよい。
【0113】
図13は、第1ステータートゥースと第2ステータートゥースとマグネットを示す平面図である。
【0114】
図13を参照すると、第1ステータートゥース130は、第2ステータートゥース140の外側に配置される。半径方向(y方向)から見るとき、第1歯132と第2歯142は、半径方向にオーバーラップするように配置され得る。このような第1歯132と第2歯142の配列は、磁束漏洩を減らす効果がある。
【0115】
図14は、マグネットの第1極と第2極を示した図である。
【0116】
図14を参照すると、マグネットは、第1極230Aと第2極230Bを含む。第1極230Aと第2極230Bは、マグネットの円周方向に沿って交互に配置され得る。
【0117】
第1極230Aと第2極230Bは、それぞれN極領域NとS極領域Sを含むことができる。第1極230Aと第2極230Bは、それぞれN極領域NとS極領域Sが内外側に区分された複層構造であってもよい。
【0118】
第1極230Aは、N極領域Nが相対的に外側に配置され、S極領域SがN極領域Nの内側に配置され得る。第2極230Bは、N極領域Nが相対的に内側に配置され、S極領域SがN極領域Nの外側に配置され得る。
【0119】
第1極230AのN極領域Nと第2極230BのS極領域Sは、互いに隣接して配置される。第1極230AのS極領域Sと第2極230BのN極領域Nは、互いに隣接して配置される。
【0120】
マグネット230が回転して第1歯132がS極領域Sに近接してS極帯電されると、第2歯142は、N極領域Nに近接するので、N極に帯電される。又は、マグネット230が回転して第1歯132がN極領域Nに近接してN極に帯電されると、第2歯142は、S極領域Sに近接するので、S極に帯電される。それによって、センサー500は、第1ステータートゥース130、第2ステータートゥース140及びコレクター(
図29の300)を通じて印加される磁界を通じて角度を測定することできる。
【0121】
実施例によるセンシング装置の第1歯132と第2歯142は、半径方向にオーバーラップされる。第2歯142の両端が第1歯132にオーバーラップされ得る。例えば、第1歯132と第2歯142の位置及び大きさを設計するにおいて、第1角度θ1と第2角度θ2と第3角度θ3が同一であってもよい。
【0122】
第1角度θ1とは、ステーターの中心Cを基準として第1極230Aの両端が成す角度を示す。例えば、第1極230Aが8個、第2極230Bが8個である場合、第1角度θ1は、22.5°であってもよい。
【0123】
図15は、第2角度θ2を示した図であり、
図16は、第3角度θ3を示した図である。
【0124】
図15を参照すると、第2角度θ2とは、ステーターの中心Cを基準として第1歯132の両端P1が成す角度を示す。軸方向に第1歯132の両端P1を定義する基準点G1は次の通りである。基準点G1は、第1歯132がマグネット230の本体231と対向して配置されたとき、マグネット230の本体231の高さH1の中間地点と対応する第1歯132の地点に該当する。マグネット230の本体231の高さH1とは、軸方向を基準としてマグネット230の上面231aと下面231bが成す高さを意味する。基準点G1で第1歯132と第1歯132の間の角度θ4は、第2角度θ2と同一であってもよい。
【0125】
図16を参照すると、第3角度θ3とは、ステーターの中心Cを基準として第2歯142の両端P2が成す角度を示す。軸方向に第2歯142の両端P2を定義する基準点G2は次の通りである。基準点G2は、第2歯142がマグネット230の本体231と対向して配置されたとき、マグネット230の本体231の高さH1の中間地点と対応する第2歯142の地点に該当する。基準点G2で第2歯142と第2歯142の間の角度θ5は、第3角度θ3と同一であってもよい。
【0126】
図17は、第1角度θ1、第2角度θ2及び第3角度θ3に対するフラックス(flux)を示したグラフである。
【0127】
図17を参照すると、第2角度θ2と第3角度θ3を同一にセッティングした状態で、第2角度θ2及び第3角度θ3が第1角度θ1に近接するほどフラックスの大きさが増加し、第2角度θ2及び第3角度θ3が第1角度θ1から遠くなるほどフラックスの大きさが減少することが確認できる。第2角度θ2及び第3角度θ3が第1角度θ1と同一となるように、第1歯132と第2歯142の大きさ及び位置を整列させた場合、第1、2ステータートゥース130、140のフラックスの大きさが最も大きいことが分かる。
【0128】
【0129】
図2及び
図18を参照すると、ローター200は、ローターホルダー210、ローター本体220と、マグネット230を含むことができる。ローターホルダー210、ローター本体220と、マグネット230は、一体であってもよい。
【0130】
ローターホルダー210は、電動式操向装置の入力軸(Input shaft)に連結され得る。それによって、ローターホルダー210は、前記入力軸の回転に連動して回転することができる。ローターホルダー210は、円筒形状に形成され得る。そして、ローターホルダー210の端部は、ローター本体220に結合され得る。ローターホルダー210は、金属材質で形成され得るが、必ずしもこれに限定されるものではなく、ローターホルダー210は、入力軸が嵌め込み固定されるように一定以上の強度を考慮した他の材質が用いられ得ることは勿論である。
【0131】
ローターホルダー210は、突起211を含むことができる。突起211は、ローターホルダー210の外周面から半径方向に延長して配置され得る。
【0132】
ローター本体220は、ローターホルダー210の外周面の一側に配置される。ローター本体220は、環状部材であってもよい。ローター本体220の内周面には、溝221が配置され得る。溝221は、ローターホルダー210の突起が挿入される部分である。
【0133】
マグネット230は、ローター本体220に結合される。マグネット230は、ローターホルダー210が回転すれば連動して回転する。
【0134】
図19は、マグネットを示した図であり、
図20は、マグネットの平面である。
【0135】
図19及び
図20を参照すると、マグネット230は、リング状の本体231と本体231の上面から突出する突起232を含むことができる。突起232は、複数個であってもよい。突起232は、第1パート232aと第2パート232bを含むことができる。第1パート232aは、本体231の上面から上側に突出する。第2パート232bは、第1パート232aからマグネット230の半径方向に突出して配置され得る。第2パート232bは、本体231の内周面231aより内側に突出し得る。このような突起232は、ローター本体220と結合力を高めるためのものである。第1パート232aは、回転方向へのローター本体220とマグネット230のスリップを防止し、第2パート232bは、軸方向にローター本体220とマグネット230が分離されることを防止する。
【0136】
図21は、第1ステータートゥースと第2ステータートゥースに対するマグネットの配置を示す斜視図である。
【0137】
図21を参照すると、第1歯132と第2歯142の間にマグネット230が配置される。そして、第3歯133と第1歯132の間にマグネット230が配置される。
【0138】
マグネット230の本体231は、第1歯132と第2歯142と第3歯133に対向して配置される。マグネット230の突起232は、第1歯132と第2歯142と第3歯133の上側に配置される。
【0139】
図22は、第1ステータートゥースを示した斜視図である。
【0140】
図22を参照すると、第1ステータートゥース130は、第1本体131と第1歯132と第3歯133と延長部134を含むことができる。第1本体131は、リング状部材であってもよい。第1歯132は、円周方向に沿って相互離隔して配置され得、第1本体131の上部側から上側に延長され得る。第1本体131と複数個の第1歯132は、一体に形成され得る。延長部134は、第1本体131から内側に突き出される。第3歯133は、延長部134に連結される。
【0141】
第1歯132及び第3歯133は、下広上狭の形状で形成され得る。例えば、半径方向から見るとき、第1歯132及び第3歯133のそれぞれの下部側の幅は、上部側の幅より大きくなり得る。第1歯132及び第3歯133は、それぞれ台形状で形成され得る。そして、第1歯132が第1ホール124を貫通し、第3歯133が第3ホール127を貫通することによって、第1本体131の上面と延長部134の上面は隔板123の下面に接触され得る。
【0142】
図23は、第2ステータートゥースを示した斜視図である。
【0143】
図23を参照すると、第2ステータートゥース140は、第2本体141と、第2歯142を含むことができる。第2歯142は、円周方向に沿って相互離隔して配置され得、第2歯142の上部側から上側に延長され得る。第2本体141と複数個の第2歯142は、一体に形成され得る。第2歯142は、下広上狭の形状で形成され得る。例えば、半径方向から見るとき、第2歯142の下部側の幅は、上部側の幅より大きくなり得る。第2歯142は、台形状を含むことができる。
【0144】
第2本体141は、突出部141aを含むことができる。突出部141aは、第2歯142に対して外側にバンディングして突出する環状部材であってもよい。突出部141aは、センサー500と第2本体141のエアギャップを減らしてセンサー500に印加されるフラックスの量を増加させる。
【0145】
【0146】
図24を参照すると、第1ステータートゥース130の中心Cから第1歯132までの最短距離R1は、第1ステータートゥース130の中心Cから第3歯133までの最短距離R2より長い。相対的に、第3歯133が第1歯132より第1ステータートゥース130の中心Cに近接して配置される。これは、ステーターホルダー110の内側から流入する外部磁場を第3歯133にガイドするためである。
【0147】
図25は、第1ステータートゥース及び第2ステータートゥースの平面図である。
【0148】
図25を参照すると、複数個の第3歯133が成す直径D3は、複数個の第1歯132が成す直径D1より小さく、複数個の第2歯142が成す直径D2は、複数個の第1歯132が成す直径D1より小さい。マグネット230を基準として、第1歯132は、マグネット230の外側に配置され、第2歯142と第3歯133は、マグネット230の内側に配置される。
【0149】
図26は、同心円上に配置される第1歯と第2歯と第3歯を示した図である。
【0150】
図26を参照すると、第1歯132と第2歯142と第3歯133は、同心円上に配置され得る。第2歯142、第3歯133は、仮想の第1円周O1上に配置され、第1歯132は、仮想の第1円周O1とは異なる仮想の第2円周O1上に配置され得る。第2歯142、第3歯133は、ステーター100の円周方向に沿って交互に配置され得る。第1円周O1は、第2円周O1の内側に配置される。これは、ステーターホルダー110の内側から流入する外部磁場を全方位的に第2歯142と第3歯133を通じて分散するためである。
【0151】
一方、第3歯133の下端の円周方向の幅t3は、第1歯132の下端の円周方向の幅t1より小さくてもよい。また、第3歯133の下端の円周方向の幅t3は、第2歯142の下端の円周方向の幅t2より小さくてもよい。
【0152】
図27は、ステーターホルダーの内側から流入する外部磁場の流れを示した第1ステータートゥース及び第2ステータートゥースの平面図であり、
図28は、第3歯にガイドされる外部磁場の流れを示した第1ステータートゥースの断面図である。
【0153】
図27を参照すると、ステーターホルダー110に沿って流入する外部磁場W1、W2は、ステーター100の半径方向を基準として第1ステータートゥース130及び第2ステータートゥース140側に流入する。このような外部磁場W1、W2は、第2歯142とともに第3歯133に分散してガイドされる。
【0154】
図28を参照すると、第3歯133に流入した外部磁場W1は、延長部134にガイドされる。このとき、第3歯133に流入した外部磁場M1は、マグネット230から第1歯132に流入して延長部134にガイドされた外部磁場M2と相殺され得る。このように、ステーターホルダー110に沿って流入する外部磁場が第1ステータートゥース130にガイドされて相殺されるので、外部磁場がセンサー500に影響を及ぼすことを大きく減少させるという利点がある。
【0155】
下の表1は、比較例と実施例のトルクを比較したものである。
【0156】
【0157】
比較例は、第3歯133のような構造がないセンシング装置である。実施例は、第3歯133を含むセンシング装置である。半径方向に外部磁場がない場合、トルクは、0Nmが正常である。比較例と実施例において、半径方向に外部磁場(1000A/m)が及ぶ場合、比較例の場合、0.41Nmのトルクが測定されて外部磁場により大きく影響を受けることが分かる。しかし、実施例の場合、測定トルクが0.05Nmであって、外部磁場によりあまり影響を受けないことが分かる。
【0158】
図29は、第1ステータートゥースと第2ステータートゥースとセンサーとコレクターの側断面図である。
【0159】
図29を参照すると、第1ステータートゥース130と第2ステータートゥース140の間に1個のコレクター300のみが配置される。そして、センサー500に印加されるフラックスを増やすために第2ステータートゥース140に突出部141aが配置される。
【0160】
コレクター300がセンサー500の内側に配置されて第1ステータートゥース130から離隔して配置される場合、半径方向を基準としてセンシング装置1の外部から流入する外部磁場の影響を少なく受けるという利点がある。また、突出部141aは、外側に向かってバンディングされているので、半径方向に突出部141aとステーターホルダー110のエアギャップが増加してステーターホルダー110を通じて流入する外部磁場の影響を減らすという利点がある。
【0161】
センサー500と第2本体141の間に一つのコレクター300が配置されるので、2個のコレクターを配置する場合よりセンシング装置の構成を簡素化し、センシング装置のサイズを減らすことができ、製造工程及び製造コストを減らすと共にセンシング装置の性能を確保するという利点がある。
【0162】
【0163】
図30を参照すると、コレクター300は、ステーター100のフラックス(flux)を収集する。ここで、コレクター300は、金属材質で形成され得る。コレクター300は、半円状の部材であってもよい。コレクター300は、第1本体310と、第2本体320と、延長部330を含むことができる。第1本体310と第2本体320は、それぞれセンサー500に対向して配置される。第2本体320は、第1本体310から延長され得る。延長部330は、第1本体310と第2本体320からそれぞれ延長され得る。第1本体310と第2本体320は、それぞれフラットな形態の平面を含むことができ、延長部330は、曲面を含むことができる。延長部330は、折り曲げ部340を含むことができる。折り曲げ部340は、延長部330の先端から外側に折り曲げられて配置され得る。折り曲げ部340は、ハウジング700とコレクター300の結合のためのものである。
【0164】
図31は、第1ステータートゥースと第2ステータートゥースの間に配置されるコレクター300を示したものであって、第1ステータートゥースの第1領域と第2ステータートゥースの第2領域を示した図である。
【0165】
図30及び
図31を参照すると、第1ステータートゥース130は、第1領域R1を含むことができる。第2ステータートゥース140は、第2領域R2を含むことができる。第1領域R1とは、ステーター100の円周方向を基準として第1ステータートゥース130とコレクター300が対応する領域である。第2領域R2とは、ステーターの円周方向を基準として第2ステータートゥース140とコレクター300が対応する領域である。第1領域R1は、ステーター100の中心Cを基準として円周方向に沿って中心角が180°以下となるように配置される。第2領域R2は、ステーター100の中心Cを基準として円周方向に沿って中心角が180°以下となるように配置される。
【0166】
センサー500は、ステーター100とローター200の間で発生した磁場の変化を検出する。センサー500は、Hall ICであってもよい。センサー500は、ローター200のマグネット230とステーター100の電気的相互作用によって発生するステーター100の磁化量を検出する。センシング装置1は、検出された磁化量を基盤としてトルクを測定する。
【0167】
センサー500は、第1センサー510と第2センサー520を含むことができる。第1センサー510は、第1-1センサー511と第1-2センサー512を含むことができる。第2センサー520は、第2-1センサー521と第2-2センサー522を含むことができる。第1センサー510は、第1本体310と対向して配置される。第2センサー520は、第2本体320と対向して配置される。
【0168】
図32は、第1ステータートゥースと第2ステータートゥースの間に配置されるコレクターを示したものであって、第1基準線と第2基準線に対するコレクターの位置を示した図である。
【0169】
図30及び
図32を参照すると、コレクター300は、第1コレクター300Aと第2コレクター300Bを含むことができる。第1コレクター300Aは、第1本体310を含む。第2コレクター300Bは、第2本体320を含む。第1コレクター300Aと第2コレクター300Bは、第2基準線B2を基準として対称となるように配置され得る。そして、第1コレクター300Aと第2コレクター300Bは、第1基準線B1の一側にのみ配置され、第1コレクター300Aと第2コレクター300Bの一部であっても第1基準線B1の他側を超えないように配置され得る。ここで第1基準線B1は、半径方向にステーターの中心Cを通過する仮想の直線を意味し、第2基準線B2は、半径方向にステーターの中心Cを通過するものであって、第1基準線B1に垂直である仮想の直線を意味する。
【0170】
図33は、コレクターの延長部の曲率中心に対するコレクターの形状を示した図である。
【0171】
図33を参照すると、コレクター300の延長部330は、曲面を含むことができる。コレクター300は、延長部330の曲率中心を基準として延長部330の両先端が成す角R3が180°以下となるように形成され得る。
【0172】
図34は、コレクターとセンサーが配置されたハウジングを示した図であり、
図35は、
図34に示したハウジングに配置された突起の溝を示した図であり、
図35は、
図34に示したハウジングの底面を示した図である。
【0173】
図34~
図36を参照すると、ハウジング700は、ハウジング本体710と突起720を含むことができる。ハウジング本体710は、上面711と下面712を含むプレート形状を有し、上部及び下部が開放された形態である。ハウジング本体710の中心には、ホール713が配置される。ホール713の内側には、ステーターホルダー110が位置する。ハウジング本体710の下面712には、回路基板600が装着され得る。センサー500は、回路基板600に装着される。センサー500は、ハウジング700を貫通してハウジング700の上面711上に配置され得る。ハウジング本体710の下側でカバーが結合して回路基板600を覆うことができる。
【0174】
突起720は、ハウジング700の上面711から軸方向に突出し得る。突起720は、ホール713の周りに沿って配置される。突起720は、環状の部材であってよい。突起720の内周面は、コレクター300の外周面と接触することができる。
【0175】
図35を参照すると、突起720は、溝721を含むことができる。溝721は、突起720の内周面に凹面で配置され得る。溝721は、2個が配置され得る。コレクター300の折り曲げ部340は、溝721に結合される。
【0176】
図36を参照すると、ハウジング700は、第1センサー510が貫通する第1ホール731と、第2センサー520が貫通する第2ホール732を含むことができる。第1ホール731と第2ホール732は、それぞれハウジング700本体の上面711と下面712を貫通して形成される。そして、第1ホール731と第2ホール732は、折り曲げられて連結され得る。
【0177】
図37は、コレクターがいずれか一側に流動するとき、第1ステータートゥース及び第2ステータートゥースとコレクターの相対的位置を示した図であり、
図38は、コレクターが他の一側に流動するとき、第1ステータートゥース及び第2ステータートゥースとコレクターの相対的位置を示した図である。
【0178】
図37を参照すると、例えば、ハウジング700がステーター100の中心Cを基準として図面で左側に移動すると、コレクター300も連動して図面の左側に移動する。コレクター300が移動して、コレクター300のいずれか一地点の位置が
図37のP1からP2に移動すると、コレクター300は、全体的に第1ステータートゥース130に近くなるが、同時に第2ステータートゥース140からは遠くなる。したがって、センサー500で測定される磁束の敏感度の変化量は大きくない。
【0179】
図38を参照すると、反対に、ハウジング700がステーター100の中心Cを基準として図面で右側に移動すると、コレクター300のいずれか一地点の位置が
図38のP1からP3に移動して、コレクター300は、全体的に第1ステータートゥース130から遠くなる一方で、第2ステータートゥース140に近くなる。したがって、センサー500で測定される磁束の敏感度の変化量は大きくない。
【0180】
ここで、測定磁束の敏感度とは、ステーター100とローター200の相対的回転角度に対応した測定磁束の変化程度を意味する。
【0181】
このように、コレクター300の流動にもかかわらず、測定される磁束の敏感度の変化量は大きくないのは、
図31~
図33に示したように、ステーター100の中心Cを通過する基準線を基準としてコレクター300がいずれか一側にのみ配置されるからである。
【0182】
もし、コレクター300の全体形状がステーター100の中心Cを通過する基準線を基準として区分される両側領域にわたって配置される円弧形状を有するか環形状を有する場合、
図37の場合のように、コレクター300が図面の左側に移動するとき、ステーター100の中心Cを通過する基準線を基準としていずれか一側に配置されたコレクター300の一部領域は、第1ステータートゥース130と近くなり、同時にステーター100の中心Cを通過する基準線を基準として他側に配置されたコレクター300の他の領域は、第2ステータートゥース140に近くなる。
【0183】
結果的に、コレクター300と第1ステータートゥース130のギャップが小さくなると同時にコレクター300と第2ステータートゥース140のギャップも小さくなるので、測定磁束の敏感度が大きく増加するという問題点がある。一方で、実施例によるセンシング装置は、ステーター100の中心Cを通過する基準線を基準としてコレクター300がいずれか一側にのみ配置されるので、このような問題点を基本的に除去したという利点がある。
【0184】
図39は、実施例によるセンシング装置と比較例によるセンシング装置の測定磁束の敏感度を比較したグラフである。
【0185】
図31及び
図39を参照すると、実施例1、実施例2、実施例3及び実施例4は、ハウジング700の動きに対応して第1-1センサー511、第1-2センサー512、第2-1センサー521及び第2-2センサー522でそれぞれ測定された磁束の敏感度を示す。比較例1、比較例2、比較例3及び比較例4は、環状のコレクターを具備したセンシング装置の4個のセンサーでそれぞれ測定された磁束の敏感度を示す。
【0186】
比較例1~比較例4の場合、ハウジング700の動きが増加するほど測定磁束の敏感度が大きく増加する。一方で、実施例1~実施例4は、相対的にハウジング700の動きが増加しても測定磁束の敏感度が大きく増加しないことが分かる。実施例1~実施例4の場合、比較例1~比較例4の場合より測定磁束の敏感度が約70%~80%減少することが確認できる。
【0187】
図40は、メインギアと噛み合う第1ギアと第2ギアを示した図である。
【0188】
図2及び
図40を参照すると、メインギア121aと噛み合うサブギアとして、第1ギア1100と第2ギア1200を含む。メインギア121aと第1ギア1100と第2ギア1200と第3センサー610は、操向軸の角度を測定するためのものである。
【0189】
メインギア121aと第1ギア1100と第2ギア1200は、相互噛み合って回転する。メインギア121aは、ステーター本体120の外周面に配置される。第1ギア1100と第2ギア1200は、ハウジング本体710に回転可能に配置される。メインギア121a、第1ギア1100及び第2ギア1200は、それぞれのギア比があらかじめ決定される。例えば、メインギア121aが全体角度で1620°ある場合、メインギア121aが4.5回転するとき、第1ギア1100は、15.6回転し、そして、第2ギア1200は、14.625回転するように設計され得る。ここで、全体角度とは、すべてのギアが回転する直前の状態に再び戻った場合のメインギア121aの回転を累積して算出した角度である。
【0190】
第1ギア1100及び第2ギア1200には、マグネットが配置され得る。マグネットは、第3センサー610に対向するように配置される。第3センサー610は、回路基板に実装される。
【0191】
図41は、ステータートゥースに対する外部磁場の方向性を示した図であり、
図42は、z軸方向性を有する外部磁場に対するセンサーの回避状態を示した図であり、
図43は、y’軸方向性を有する外部磁場に対する第1、2ステータートゥースの回避状態を示した図である。
【0192】
図41を参照すると、外部磁場は、軸方向であるz軸方向とz軸方向と垂直であるy’軸方向でセンシング装置に影響を大きく及ぼす。ここで、y’軸方向とは、軸方向と垂直な半径方向のうち、センサー500に向いた方向を意味する。
【0193】
図42を参照すると、実施例によるセンシング装置のセンサー500は、z軸方向に立てられた状態で配置される。したがって、z軸から見たセンサー500の面積は、y’軸から見たセンサー500の面積より非常に小さい。したがって、実施例によるセンシング装置は、z軸方向を基準として外部磁場がセンサー500に及ぼす影響が小さいという利点がある。
【0194】
図43を参照すると、y’軸方向の外部磁場は、z軸方向に立てられた状態のセンサー500の状態を見るとき、センサー500に大きく影響を及ぼすことができる。しかし、y’軸方向の外部磁場は、第1ステータートゥース130と第2ステータートゥース140に沿って誘導されるので、センサー500に影響を及ぼさずに流れることになる。それによって、実施例によるセンシング装置は、y’軸方向を基準とするときにも外部磁場がセンサー500に及ぼす影響が小さいという利点がある。
【0195】
図44は、z軸方向の外部磁場に対応した角度変化量に対して比較例と実施例を比較したグラフである。
【0196】
図44を参照すると、比較例の場合、ステータートゥースが上下に配置され、センサーが横になって配置される構造のセンシング装置であって、z軸方向の外部磁場が増加するほど角度変化量が線形的に増加して外部磁場によって測定角度が大きく変わる点が分かる。
【0197】
一方で、実施例の場合、z軸方向の外部磁場が増加しても角度変化がほとんどなく外部磁場によって影響を受けないことが分かる。
【0198】
図45は、y’軸方向の外部磁場に対応した角度変化量に対して比較例と実施例を比較したグラフである。
【0199】
図45を参照すると、比較例の場合、ステータートゥースが上下に配置され、センサーが横になって配置される構造のセンシング装置であって、y’軸方向の外部磁場が増加するほど角度変化量が線形的に増加して外部磁場によって測定角度が大きく変わる点が分かる。
【0200】
一方で、実施例の場合、y’軸方向の外部磁場が増加しても角度変化がほとんどなく外部磁場によって影響を受けないことが分かる。