(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-06
(45)【発行日】2024-08-15
(54)【発明の名称】回転式カッター
(51)【国際特許分類】
A61F 9/007 20060101AFI20240807BHJP
【FI】
A61F9/007 130Z
(21)【出願番号】P 2021570406
(86)(22)【出願日】2020-05-27
(86)【国際出願番号】 IB2020055038
(87)【国際公開番号】W WO2020240444
(87)【国際公開日】2020-12-03
【審査請求日】2023-05-17
(32)【優先日】2019-05-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】319008904
【氏名又は名称】アルコン インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100165995
【氏名又は名称】加藤 寿人
(72)【発明者】
【氏名】ニッコロ マシオ
(72)【発明者】
【氏名】ニールス アレクサンダー アプト
(72)【発明者】
【氏名】レト グリューエブラー
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ シャラー
(72)【発明者】
【氏名】ティモ ユング
(72)【発明者】
【氏名】ロドルフォ ウルファー
【審査官】松江 雅人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0360603(US,A1)
【文献】特開平08-206149(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 9/007
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼の網膜から膜を剥離するための回転式カッターであって、
第1シャフトと、
ブレード部を含む第2シャフトであって、前記第2シャフトは、前記第2シャフトを前記第1シャフトに対して少なくとも部分的に回転させるように構成されているドライバに結合されており、前記第2シャフトが回転すると、前記膜を剥離するための前記ブレード部が回転する、第2シャフトと、
前記網膜の表面と接続するように構成されている底部であって、前記底部は、1つ以上の湾曲した縁部を含む、底部と、を含
み、
前記第1シャフトは前記網膜の前記表面と接続するように構成されている露出部を備え、前記露出部は、前記露出部の近位端から前記底部へ連続的に延びている、湾曲した背面を有する、回転式カッター。
【請求項2】
前記第1シャフトは内部シャフトであり、前記第2シャフトは、前記第1シャフトを少なくとも部分的に収容する外部シャフトである、請求項1に記載の回転式カッター。
【請求項3】
前記ブレード部は上歯を含み、
前記第1シャフトは、
湾曲した背面を有する露出部と、
前記底部を含む第2ブレード部であって、前記第2ブレード部は下歯を含む、第2ブレード部と、を含む、請求項2に記載の回転式カッター。
【請求項4】
前記第2シャフトを前記第1シャフトに対して少なくとも部分的に回転させるように構成されている前記ドライバは、
前記第2シャフトを前記第1シャフトに対して第1の方向に回転させるように構成されている前記ドライバが、前記ブレード部を前記第2ブレード部に対して前記第1の方向にスライドさせることと、
前記第2シャフトを前記第1シャフトに対して第2の方向に回転させるように構成されている前記ドライバが、前記ブレード部を前記第2ブレード部に対して前記第2の方向にスライドさせることと、
を含む、請求項3に記載の回転式カッター。
【請求項5】
前記第2シャフトを前記第1シャフトに対して少なくとも部分的に回転させるように構成されている前記ドライバは、前記第2シャフトを前記第1シャフトに対して振動的に少なくとも部分的に回転させるように構成されている前記ドライバを含む、請求項4に記載の回転式カッター。
【請求項6】
前記第1の方向における前記第2シャフトの回転は、前記上歯の第1外歯が前記下歯の第1外歯と位置合わせされると終了し、
前記第2の方向における前記第2シャフトの回転は、前記上歯の第2外歯が前記下歯の第2外歯と位置合わせされると終了する、請求項5に記載の回転式カッター。
【請求項7】
前記第1シャフトは外部シャフトであり、
前記第2シャフトは内部シャフトであり、
前記第1シャフトは前記第2シャフトを少なくとも部分的に収容する、請求項1に記載の回転式カッター。
【請求項8】
前記ブレード部は上歯を含み、
前記第1シャフトは、
前記底部と、
第2ブレード部であって、前記第2ブレード部は下歯を含む、第2ブレード部と、を含む、請求項7に記載の回転式カッター。
【請求項9】
前記第2シャフトを前記第1シャフトに対して少なくとも部分的に回転させるように構成されている前記ドライバは、
前記第2シャフトを前記第1シャフトに対して第1の方向に回転させるように構成されている前記ドライバが、前記ブレード部を前記第2ブレード部に対して前記第1の方向にスライドさせることと、
前記第2シャフトを前記第1シャフトに対して第2の方向に回転させるように構成されている前記ドライバが、前記ブレード部を前記第2ブレード部に対して前記第2の方向にスライドさせることと、を含む、請求項8に記載の回転式カッター。
【請求項10】
前記第2シャフトを前記第1シャフトに対して少なくとも部分的に回転させるように構成されている前記ドライバは、前記第2シャフトを前記第1シャフトに対して振動的に少なくとも部分的に回転させるように構成されている前記ドライバを含む、請求項9に記載の回転式カッター。
【請求項11】
前記第1の方向における前記第2シャフトの回転は、前記上歯の第1外歯が前記下歯の第1外歯と位置合わせされると終了し、
前記第2の方向における前記第2シャフトの回転は、前記上歯の第2外歯が前記下歯の第2外歯と位置合わせされると終了する、請求項10に記載の回転式カッター。
【請求項12】
前記第1シャフトは、前記底部と開口部とを含む外部シャフトであり、
前記第2シャフトは、前記第1シャフトによって少なくとも部分的に収容された内部シャフトであり、前記ブレード部は、前記開口部を通って前記第1シャフトの外周部の外側に延びるように構成されている、請求項1に記載の回転式カッター。
【請求項13】
前記第2シャフトは、前記第1シャフトの中心点と位置合わせされない回転中心の周りを回転するように構成されており、前記回転中心は、前記第2シャフトの長手方向軸線に沿って位置する、請求項12に記載の回転式カッター。
【請求項14】
前記第2シャフトを前記第1シャフトに対して少なくとも部分的に回転させるように構成されている前記ドライバは、前記ブレード部を前記回転中心の周りで全回転させるように構成されている前記ドライバを更に含む、請求項13に記載の回転式カッター。
【請求項15】
前記第2シャフトを前記第1シャフトに対して少なくとも部分的に回転させるように構成されている前記ドライバは、前記ブレード部を前記回転中心の周りで振動的に部分的に回転させるように構成されている前記ドライバを更に含む、請求項13に記載の回転式カッター。
【請求項16】
眼の網膜から膜を剥離するための回転式カッターであって、
前記回転式カッターは、
第1シャフトと、
ブレード部を含む第2シャフトであって、前記第2シャフトは、前記第2シャフトを前記第1シャフトに対して少なくとも部分的に回転させるように構成されているドライバに結合されており、前記第2シャフトが回転すると、前記膜を剥離するための前記ブレード部が回転する、第2シャフトと、
前記網膜の表面と接続するように構成されている底部であって、前記底部は、1つ以上の湾曲した縁部を含む、底部と、を含み、
前記第1シャフトは内部シャフトであり、前記第2シャフトは、前記第1シャフトを少なくとも部分的に収容する外部シャフトであり、
前記ブレード部は上歯を含み、
前記第1シャフトは、
湾曲した背面を有する露出部と、
前記底部を含む第2ブレード部であって、前記第2ブレード部は下歯を含む、第2ブレード部と、を含み、
前記第2シャフトを前記第1シャフトに対して少なくとも部分的に回転させるように構成されている前記ドライバは、
前記第2シャフトを前記第1シャフトに対して第1の方向に回転させることによって、前記ブレード部を前記第2ブレード部に対して前記第1の方向にスライドさせ、前記第1の方向における前記第2シャフトの回転が、前記上歯の第1外歯が前記下歯の第1外歯と位置合わせされると終了するように構成されている、前記ドライバと、
前記第2シャフトを前記第1シャフトに対して第2の方向に回転させることによって、前記ブレード部を前記第2ブレード部に対して前記第2の方向にスライドさせ、前記第2の方向における前記第2シャフトの回転が、前記上歯の第2外歯が前記下歯の第2外歯と位置合わせされると終了するように構成されている、前記ドライバと、
前記第2シャフトを前記第1シャフトに対して振動的に少なくとも部分的に回転させるように構成されている前記ドライバとを備える、回転式カッター。
【請求項17】
眼の網膜から膜を剥離するための回転式カッターであって、
前記回転式カッターは、
第1シャフトと、
ブレード部を含む第2シャフトであって、前記第2シャフトは、前記第2シャフトを前記第1シャフトに対して少なくとも部分的に回転させるように構成されているドライバに結合されており、前記第2シャフトが回転すると、前記膜を剥離するための前記ブレード部が回転する、第2シャフトと、
前記網膜の表面と接続するように構成されている底部であって、前記底部は、1つ以上の湾曲した縁部を含む、底部と、を含み、
前記第1シャフトは外部シャフトであり、前記第2シャフトは内部シャフトであり、前記第1シャフトは前記第2シャフトを少なくとも部分的に収容し、
前記ブレード部は上歯を含み、
前記第1シャフトは、
前記底部と、
第2ブレード部であって、前記第2ブレード部は下歯を含む、第2ブレード部と、を含み、
前記第2シャフトを前記第1シャフトに対して少なくとも部分的に回転させるように構成されている前記ドライバは、
前記第2シャフトを前記第1シャフトに対して第1の方向に回転させることによって、前記ブレード部を前記第2ブレード部に対して前記第1の方向にスライドさせ、前記第1の方向における前記第2シャフトの回転が、前記上歯の第1外歯が前記下歯の第1外歯と位置合わせされると終了するように構成されている、前記ドライバと、
前記第2シャフトを前記第1シャフトに対して第2の方向に回転させることによって、前記ブレード部を前記第2ブレード部に対して前記第2の方向にスライドさせ、前記第2の方向における前記第2シャフトの回転が、前記上歯の第2外歯が前記下歯の第2外歯と位置合わせされると終了するように構成されている、前記ドライバと、
前記第2シャフトを前記第1シャフトに対して振動的に少なくとも部分的に回転させるように構成されている前記ドライバとを備える、回転式カッター。
【請求項18】
眼の網膜から膜を剥離するための回転式カッターであって、
前記回転式カッターは、
第1シャフトと、
ブレード部を含む第2シャフトであって、前記第2シャフトは、前記第2シャフトを前記第1シャフトに対して少なくとも部分的に回転させるように構成されているドライバに結合されており、前記第2シャフトが回転すると、前記膜を剥離するための前記ブレード部が回転する、第2シャフトと、
前記網膜の表面と接続するように構成されている底部であって、前記底部は、1つ以上の湾曲した縁部を含む、底部と、を含み、
前記第1シャフトは、前記底部と開口部とを含む外部シャフトであり、
前記第2シャフトは、前記第1シャフトによって少なくとも部分的に収容された内部シャフトであり、前記ブレード部は、前記開口部を通って前記第1シャフトの外周部の外側に延びるように構成されており、
前記第2シャフトは、前記第1シャフトの中心点と位置合わせされない回転中心の周りを回転するように構成されており、前記回転中心は、前記第2シャフトの長手方向軸線に沿って位置する、回転式カッター。
【請求項19】
前記第2シャフトを前記第1シャフトに対して少なくとも部分的に回転させるように構成されている前記ドライバは、前記ブレード部を前記回転中心の周りで全回転させるように構成されている前記ドライバを更に含む、請求項18に記載の回転式カッター。
【請求項20】
前記第2シャフトを前記第1シャフトに対して少なくとも部分的に回転させるように構成されている前記ドライバは、前記ブレード部を前記回転中心の周りで振動的に部分的に回転させるように構成されている前記ドライバを更に含む、請求項18に記載の回転式カッター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、眼科手術用の回転式カッターに関する。
【背景技術】
【0002】
膜除去は、様々な黄斑表面の疾患に対する有用な外科的治療法である。膜とは、一般に、網膜の表面上に形成される瘢痕組織の非常に薄い層を指す。様々な種類の膜としては、内境界膜(ILM:internal limiting membrane)、網膜上膜(ERM:epi-retinal membrane)、及び増殖膜が挙げられる。これらの膜はそれぞれ、異なる眼疾患又は状態の結果として発生し得る。例えば、ERMの場合、瘢痕組織形成は、以前の網膜裂孔若しくは剥離、又は網膜血管病、例えば糖尿病性網膜症若しくは静脈閉塞性疾患などのいくつかの眼状態に関連し得る。ERMはまた、眼の手術に関連する又は眼内(眼の内部の)炎症に関連する外傷によって発生する可能性がある。別の例では、増殖膜は、糖尿病性網膜症に起因する場合がある。糖尿病性網膜症はその進行形態において、網膜の表面上で新たな異常血管が増殖する(数が増加する)原因となり、それによって増殖膜が形成される。
【0003】
膜の除去又は剥離のための外科的手法には技能及び忍耐が必要である。精密且つ慎重に構築された外科用器具が外科的手法のそれぞれの区分に対して使用される。外科的治療自体が、膜の縁部を把持し、膜を剥離することを含む。しかしながら、膜は、膜を網膜に付着させる組織又は血管(本明細書では「結合組織」と呼ばれる)を発生している可能性があるため、特定の膜を剥離することには更なる複雑さを伴う可能性がある。したがって、このような場合、外科医は、膜の剥離を継続するために、膜と網膜との間の結合組織を剥離又は除去する必要がある。現在、外科医は、結合組織を剥離するために鋏を使用する場合がある。しかしながら、鋏は、網膜の表面を損傷するおそれがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、概して、眼科手術用の回転式カッターに関する。
【0005】
本明細書に開示される特定の実施形態は、眼の網膜から膜を剥離するための回転式カッターを提供する。回転式カッターは、第1シャフトと、ブレード部を含む第2シャフトであって、第2シャフトは、第2シャフトを第1シャフトに対して少なくとも部分的に回転させるように構成されているドライバに結合されており、第2シャフトが回転すると、膜を剥離するためのブレード部が回転する、第2シャフトと、を含んでもよい。回転式カッターはまた、網膜の表面と接続するように構成されている底部であって、底部は、1つ以上の湾曲した縁部を含む、底部を含んでもよい。
【0006】
以下の説明及び関連する図面は、1つ又は複数の実施形態の、ある特定の例示的な特徴を詳述する。
【0007】
添付の図面は、1つ又は複数の実施形態の特定の態様を示しており、それゆえ、本開示の範囲を限定するものとみなされるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1A】
図1Aは、本開示の特定の実施形態による例示的な回転式カッターを示す。
【
図2A-2B】
図2A、
図2Bは、本開示の特定の実施形態による、回転式カッターの内部シャフトに対する
図1A~
図1Bの回転式カッターの外部シャフトの例示的な振動運動を示す。
【
図3】
図3は、本開示の特定の実施形態による別の例示的な回転式カッターを示す。
【
図4A-4B】
図4A、
図4Bは、本開示の特定の実施形態による、偏心ブレード部を含む別の例示的な回転式カッターを示す。
【
図4C-4D】
図4Cから
図4Dは、本開示の特定の実施形態による、偏心ブレード部を含む別の例示的な回転式カッターを示す。
【
図4E】
図4Eは、本開示の特定の実施形態による、偏心ブレード部を含む別の例示的な回転式カッターを示す。
【
図5】
図5は、本開示の特定の実施形態による、歯を有する例示的なブレード部を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
理解を容易にするために、各図面に共通する同一の要素は、可能な限り同一の参照符号を使用して示している。一実施形態の要素及び特徴は、更なる説明を伴わずに他の実施形態に有益に組み込むことができると考えられる。
【0010】
本開示の特定の実施形態は、眼科手術用の回転式カッターを提供する。
【0011】
図1Aは、本開示の特定の実施形態による例示的な回転式カッター100を示す。回転式カッター100は、外部シャフト102及び内部シャフト104を含む。外部シャフト102は、その近位端に円筒部103、その遠位端にブレード部106、及び円筒部103とブレード部106とを接続する延長部105を含む。上部ブレード部106は複数の上歯107を含み、複数の上歯107のそれぞれは、結合組織を切断するための鋭利な先端113を含む。
図1Aの例では、上歯107は4つの歯を含み、3つの間隙が4つの歯を互いに分離している。上歯107は、2つの外歯141a、141bと2つの内歯(個別に符号は付されていない)とを含む。
【0012】
外部シャフト102の円筒部103は、内部シャフト104の少なくとも一部分の周りに配置され、内部シャフト104の少なくとも一部分を収容している。内部シャフト104は、円筒部103によって収容される近位部と、円筒部103を越えて延びる遠位部117とを含む。遠位部117は、外部シャフト102の上部ブレード部106に当接する下部ブレード部108を含む。特に、下部ブレード部108は、上部ブレード部106の内部表面(図示せず)と接続する内部表面121を含む。
【0013】
下部ブレード部108は複数の下歯109を含む。
図1Aの例では、下歯109は、2つの外歯114a、114bと、2つの内歯120a、120bと、1つの中間歯122とを含む。これら5つの下歯は、4つの間隙によって分離されている。更に、
図1Aに示されるように、下歯109は、互いを比較すると異なる幾何学的形状、例えば異なる高さ又は厚さを有してもよい。例えば、外歯114a、114bのそれぞれは、外面116及び内面118を含む。外歯114は、その外面116の高さがその内面118よりも低い。同様に、内歯120a、120bのそれぞれもまた、外面123及び内面125を有する。内歯120は、その外面123の高さがその内面125よりも低い。中間歯122は、その側面のそれぞれが同じ高さを有し得る。更に、下歯109のそれぞれは、丸みのある又は湾曲した下縁部110と鋭い上縁部又は先端112とを含む。結合組織を切断するために鋭い上縁部112が使用されるものの、これら丸みのある下縁部110は、回転式カッター100を網膜の表面上に置くことで網膜に生じ得る潜在的損傷のリスクを低下させる。丸みのある下縁部110と異なる歯高さは共に、網膜と接続するように構成されている概ね丸みのある又は円弧状の底部プロファイルである下歯109を集合的に提供する。
【0014】
回転式カッター100の動作時、外部シャフト102は、内部シャフト104に対して且つ内部シャフト104の長手方向軸線(例えば、外部シャフト102の長手方向軸線にも平行である軸線Z)の周りで振動する(又は部分的に回転する)ように構成されている。一例では、外部シャフト102は、外部シャフト102を内部シャフト104の周りで且つ内部シャフト104に対して振動させる電気機械式モータ(例えば、ステッピングモータ)などのドライバに結合されている。別の例では、外部シャフト102は、ハンドルなどのドライバに結合されてもよい。このハンドルは、手動式ハンドル(例えば、Fort Worth、TXに所在のAlcon Vision,LLCにより販売されているRENAISSANCE(登録商標)Handle)であってもよく、又はコンソールに接続された自動式ハンドル(例えば、Fort Worth、TXに所在のAlcon Vision,LLCにより販売されているCONSTELLATION(登録商標)Vision System Pneumatic Handpiece)であってもよい。このような例では、ハンドルは、長手方向の又は直線運動を生じさせるように機能し得る。長手方向の又は直線運動は、次いで、外部シャフト102を回転させるための機構により回動又は回転運動に変換され得る。機構は、ハンドルの一部であってもよい、又はハンドルと別個であってもよい。いくつかの実施形態では、機構は、回転式スピン分割機構(rotational spin-split mechanism)と呼ばれ得る。
【0015】
図2A~
図2Bに関して更に図示するように、内部シャフト104の周りにおける外部シャフト102の振動により、上歯107が下歯109に対して横方向にスライドする。下歯109に対する上歯107の振動及び横方向運動により、回転式カッター100が、網膜を損傷することなく膜と網膜の表面との間の結合組織を切断することを可能にする。
【0016】
図1Bは、回転式カッター100の背面図を示す。図示されるように、内部シャフト104の露出部分117の背面は曲面である。これは、回転式カッター100が網膜の表面上に配置されたときに、露出部分117の背面が網膜の表面に損傷を生じさせないようにするためである。露出部分117の背面は、下部ブレード部108の外部表面131とも呼ばれるブレード部108の背面を含む。
図1Bはまた、下歯109の丸みのある下縁部110を示す。下歯109の丸みのある下縁部110は、下歯109が網膜と接触して配置されたときに網膜の表面を損傷するリスクを低下させる。下部ブレード部108の外部表面131は、回転式カッター100の底部とも呼ばれる。回転式カッター100の底部は、網膜の表面に接続する又は接触するように構成されている。
【0017】
図2A~
図2Bは、内部シャフト104に対する外部シャフト102の振動運動を示す。例えば、
図2Aは、第1の方向(例えば、左)に及び内部シャフト104の長手方向軸線を中心に回転した後の外部シャフト102を示す。図示されるように、第1の方向における外部シャフト102の回転により、上部ブレード部106が下部ブレード部108に対して第1の方向に横方向にスライドする。第1の方向における外部シャフト102の回転は、上歯107間の間隙が下歯109間の間隙のうちの少なくともいくつかと位置合わせされると及び/又は外歯141bと外歯114bとが位置合わせされると(例えば、外歯141bの外面と外歯114bの外面とが互いに面一になると)終了し得る。
【0018】
図2Bは、第2の方向(例えば、右)に及び内部シャフト104の長手方向軸線を中心に回転した後の外部シャフト102を示す。第2の方向における外部シャフト102の回転により、上部ブレード部106もまた、下部ブレード部108に対して第2の方向に横方向にスライドする。第2の方向における外部シャフト102の回転は、上歯107間の間隙が下歯109間の間隙のうちの少なくともいくつかと位置合わせされると及び/又は外歯141aと外歯114aとが位置合わせされると終了し得る。外部シャフト102の振動運動により、上部ブレード部106が
図2Aに示される位置と
図2Bに示される位置との間を特定の振動数で往復移動する。
【0019】
図2A及び
図2Bは、また、下歯109の鋭い側縁部143と上歯107の鋭い側縁部145とを示す。より具体的には、内側にのみ鋭い側縁部を有する外歯141a~141b以外は、上歯107のそれぞれが、両側に、鋭い側縁部145などの鋭い側縁部を含む。同様に、内側にのみ鋭い側縁部を有する外歯114a~114b以外は、下歯109のそれぞれが、両側に、鋭い側縁部143などの鋭い側縁部を含む。回転式カッター100が動作しているとき(即ち、外部シャフト102が上述のように振動しているとき)、組織(例えば、ILM又はERMを網膜に結合している結合組織)は上歯107の間隙と下歯109の間隙との間に捕らえられ、次いで、上歯107が横方向に移動する際に切断される、即ち、切られる。例えば、組織は、上歯107のうちの1つの鋭い側縁部145と下歯109のうちの1つの鋭い側縁部143との間に捕らえられると切断され得る。上歯107の鋭い先端113と下歯109の鋭い先端112もまた、それらに接触し得る任意の結合組織を切るように機能し得る。
【0020】
特定の実施形態では、外科医は、挿入カニューレを通して患者の眼に回転式カッター100を挿入し得る。挿入カニューレは、強膜及び毛様体扁平部に小さな切開を作製した後、眼に挿入され得る。挿入カニューレは、使用者が周囲組織(例えば、強膜、毛様体扁平部)に外傷を生じさせることなく眼に様々な外科用デバイスを挿入することを可能にするように構成されている。したがって、挿入カニューレ(手術中、挿入カニューレを通して眼内に回転式カッター100が挿入され得る)の内部の利用可能な空間の量が制限されているため、内部シャフト104の周りを及び内部シャフト104に対して振動的に回転するように外部シャフト102を構成することは有利である。換言すると、回転式カッター100の構成により、回転式カッター100及びその構成要素が挿入カニューレの内部の利用可能な制限された空間を通して挿入される一方で、それらの動作を可能にする。
【0021】
図3は、外部シャフト302と内部シャフト304とを含む別の回転式カッター300を示す。内部シャフト104の一部分が網膜の表面と接続するように構成されている回転式カッター100(
図1A~
図2Bに示される)とは異なり、回転式カッター300においては、外部シャフト302の一部分が網膜の表面と接続するように構成されている。特に、外部シャフト302は、湾曲した底部314をその遠位端に含み、湾曲した底部314は、網膜の表面上に置かれるように構成されている(底部314は、回転式カッター300の底部とも呼ばれ得る)。底部314は湾曲しており、湾曲した又は丸みのある縁部を有するため、回転式カッター300を網膜の表面上に置いても網膜に損傷を生じさせない。外部シャフト302はまた、その遠位端に、個々の歯の間に間隙を有する複数の下歯312を含む下部ブレード部309を含む。下歯312のそれぞれは鋭い先端317を有し、鋭い先端317は、それらに接触し得る結合組織を切断するためのものである。また、内側にのみ鋭い側縁部を有する外歯316a及び外歯316b以外は、下歯312のそれぞれが、その側部のそれぞれに鋭い側縁部を含む。下歯312はまた、湾曲した底部319を有し、湾曲した底部319は底部314に同化し、回転式カッター300を網膜の表面上に置くことで網膜に生じさせる可能性のある潜在的損傷のリスクを低下させる。
【0022】
外部シャフト302は、内部シャフト304の少なくとも一部分の周りに配置されており、内部シャフト304の少なくとも一部分を収容している。内部シャフト304は、外部シャフト302内で、外部シャフト302に対して回転するように構成されている。したがって、内部シャフト304は、外部シャフト302の内径よりも小さい外径を有する。内部シャフト304は、外部シャフト302の遠位端の近傍の開口部308から角度を成して延びる上部ブレード部306を含む。上部ブレード部306は、個々の歯の間に間隙を有する複数の上歯310を含む。上歯310は下歯312の上面と接続する。各上歯310は、結合組織を切断するために使用される鋭い先端311を有する。上歯310はまた、外部シャフト302に対する内部シャフト304の回転及び振動運動の結果、下歯312に対して横方向にスライドするように構成されている。より具体的には、内部シャフト304は、第1の方向(例えば、左)及び第2の方向(例えば、右)に振動的に回転する。特定の実施形態では、内部シャフト304は、内部シャフト304を特定の振動数で振動的に回転させるドライバ(例えば、上述のように、モータ又はハンドル)に結合されている。
【0023】
第1の方向における内部シャフト304の回転により、上部ブレード部306が下部ブレード部309に対して第1の方向に横方向にスライドする。第1の方向(例えば、左)における内部シャフト304の回転は、上歯310間の間隙が下歯312間の間隙のうちの少なくともいくつかと位置合わせされると及び/又は上歯310の外歯318aと下歯312の外歯316aとが位置合わせされると(例えば、外歯318aの外面と外歯316aの外面とが互いに面一になると)終了し得る。第2の方向(例えば、右)における内部シャフト304の回転は、上歯310間の間隙が下歯312間の間隙のうちの少なくともいくつかと位置合わせされると及び/又は上歯310の外歯318bと下歯312の外歯316bとが位置合わせされると終了し得る。
【0024】
回転式カッター100と同様に、回転式カッター300が動作しているとき(即ち、内部シャフト304が上述のように振動しているとき)、結合組織は、上歯310と下歯312との間の間隙に捕らえられ、上歯310が横方向に移動する際に切断される、即ち、切られる。例えば、結合組織は、上歯310のうちの1つの鋭い側縁部と下歯312のうちの1つの鋭い側縁部との間に捕らえられると切断され得る。上歯312の鋭い先端311と下歯312の鋭い先端317もまた、それらに接触し得る任意の結合組織を切るように機能する。
【0025】
図4A~
図4Dは、偏心ブレード部を含む回転式カッター400の別の例を示す。
図4Aは、外部シャフト402と内部シャフト412とを有する回転式カッター400の側面図を示す。外部シャフト402は、その遠位端に底部414、遠位端の近傍の外部シャフト202の側面に開口部404を含む。内部シャフト412は、外部シャフト402内に配置され、外部シャフト402によって収容されており、外部シャフト402内で、外部シャフト402に対して回転するように構成されている。例えば、内部シャフト412は、内部シャフト412の長手方向軸線の周りを又は内部シャフト412の長手方向軸線に対して回転する。内部シャフト412は、外部シャフト402内に収容された円筒部と、外部シャフト402の開口部404によって少なくとも部分的に露出した鋭い先端408を有するブレード部406とを含む。特定の実施形態では、内部シャフト412は、外部シャフト402内の内部シャフト412を回転させるように構成されているドライバ(例えば、上述のように、モータ又はハンドル)に結合されている。特定の実施形態では、ドライバは、内部シャフト412を外部シャフト402の長手方向軸線の周りで特定の速度で全回転させるように構成され得る。図示されるように、外部シャフト402の開口部404は、ブレード部406が内部シャフト412の長手方向軸線を中心に全回転(例えば、360度以上)することができるように構成されている。ブレード部406を回転させることにより、鋭い先端408はそれが接触している任意の結合組織を切断することができる。他の特定の実施形態では、
図5Eに関連して記載したように、ドライバは、内部シャフト412、ゆえに、ブレード部406を、内部シャフト412の長手方向軸線を中心に特定の振動数で振動的に部分的に回転させるように構成され得る。
【0026】
回転式カッター400の底部414とも呼ばれ得る外部シャフト402の底部414は、図示されるように湾曲している。底部414は、湾曲した又は丸みのある縁部を含む。底部414の湾曲した底部並びにその丸みのある縁部は、外科医が底部414を網膜の表面上に置くときの網膜の潜在的損傷のリスクを低下させる。
【0027】
図4Bは、カッターの長手方向軸線に沿って見た、
図4Aの回転式カッター400の底面からの二次元図を示す。より具体的には、
図4Bは、外部シャフト402の底部414と、切断のために回転式カッター400の外周部418の外側に延びる、ブレード部406の鋭い先端408とを示す。
図4Bは、偏心内部シャフト412の作動原理を更に示す。より具体的には、底部414は中心点420を有する一方で、内部シャフトは、中心点420と位置合わせされない中心点422を有する(例えば、ブレード部406は底部414に対して偏心している)。中心ポート422は、回転中心422と呼ぶこともでき、内部シャフト412の長手方向軸線に沿った点に相当し、その点の周りをブレード部406が回転する。
【0028】
図4Cは、ブレード部406が
図4Aのブレード部406の状態と比べて180度回転した回転式カッター400の側面図を示す。図示されるように、このような状態において、ブレード部406の先端408が回転式カッター400の外周部の外側に延びないように、ブレード部406は外部シャフト402によってカバーされている。したがって、ブレード部406は、カバーされた状態にあると称され得る。
【0029】
図4Dは、底面から見た
図4Cの回転式カッター400を示す。図示されるように、内部シャフト412は、その
図4Bの位置と比較すると、回転中心422の周りを180度回転している。更に図示されるように、この位置において、ブレード部406の鋭い先端408は回転式カッター400の外周部418の外側に延びない。特定の実施形態において、外科医が挿入カニューレを通して回転式カッター400を眼に挿入する前、ブレード部406はカバーされた状態に置かれてもよい。しかしながら、回転式カッター400が網膜の表面上に置かれると、外科医は、膜剥離のために、回転式カッター400、又は内部シャフト412に結合されたドライバを作動させることができ、この場合、ドライバは始動して内部シャフト412を回転させ、先端408をカバーのない状態にし、外部シャフト402の外周部418の外側に延ばす。
【0030】
記載したように、特定の実施形態において、回転式カッター400が動作しているとき(即ち、内部シャフト412に結合されているドライバが作動中のとき)、ブレード部406は回転中心422の周りを全回転する。しかしながら、他の実施形態では、内部シャフト412に結合されているドライバは、
図4Eに更に示されるように、内部シャフト412、それゆえ、ブレード部406を振動的に部分的にのみ回転させるように構成されてもよい。
【0031】
図4Bと同様に、
図4Eは、カッターの長手方向軸線に沿って見た、ブレード部406の振動運動の底面からの二次元図を示す。
図4Eでは、内部シャフト412は回転中心422の周りを特定の回転角Θ(例えば、180度未満)だけ振動的に回転する。特定の実施形態では、内部シャフト412が振動する振動数即ち速度は調整され得る。
【0032】
回転式カッター内におけるブレード(例えば、鋭い先端408を有するブレード部406)と歯(例えば、
図1A~
図3に示される様々な上歯及び下歯)の任意の組み合わせの使用は、本開示の範囲内であることに留意されたい。例えば、
図1A及び
図1Bでは、ブレード部406などのブレード部が上歯107及び109の1つ又は両方の代わりに使用されてもよい。上述の要素のいくつかの組み合わせの別の例が
図5に示される。
図5は、ブレード部506が歯508を含む回転式カッター500の二次元図を示す。回転式カッター500が動作しているとき、内部シャフト512及びブレード部506は(例えば、完全に又は振動的手法のいずれかで)回転中心522の周りを回転する。回転中心522は、底部514の中心点520と位置合わせされない。回転中、歯508は、切断のために外周部518の外側に延びる。
【0033】
前述の説明は、当業者が本明細書に記載の様々な実施形態を実践できるようにするために提供されている。これらの実施形態に対する様々な修正形態は、当業者には容易に明らかであり、本明細書で定義する一般的な原理は、他の実施形態に適用され得る。したがって、特許請求の範囲は、本明細書に示す実施形態に限定されることを意図されるものではなく、特許請求の範囲の文言に一致する全範囲が認められるべきである。
また、本開示は以下の発明を含む。
第1の態様は、
眼の網膜から膜を剥離するための回転式カッターであって、
第1シャフトと、
ブレード部を含む第2シャフトであって、前記第2シャフトは、前記第2シャフトを前記第1シャフトに対して少なくとも部分的に回転させるように構成されているドライバに結合されており、前記第2シャフトが回転すると、前記膜を剥離するための前記ブレード部が回転する、第2シャフトと、
前記網膜の表面と接続するように構成されている底部であって、前記底部は、1つ以上の湾曲した縁部を含む、底部と、を含む、回転式カッターである。
第2の態様は、
前記第1シャフトは内部シャフトであり、前記第2シャフトは、前記第1シャフトを少なくとも部分的に収容する外部シャフトである、第1の態様における回転式カッターである。
第3の態様は、
前記ブレード部は上歯を含み、
前記第1シャフトは、
湾曲した背面を有する露出部と、
前記底部を含む第2ブレード部であって、前記第2ブレード部は下歯を含む、第2ブレード部と、を含む、第2の態様における回転式カッターである。
第4の態様は、
前記第2シャフトを前記第1シャフトに対して少なくとも部分的に回転させるように構成されている前記ドライバは、
前記第2シャフトを前記第1シャフトに対して第1の方向に回転させるように構成されている前記ドライバが、前記ブレード部を前記第2ブレード部に対して前記第1の方向にスライドさせることと、
前記第2シャフトを前記第1シャフトに対して第2の方向に回転させるように構成されている前記ドライバが、前記ブレード部を前記第2ブレード部に対して前記第2の方向にスライドさせることと、を含む、第3の態様における回転式カッターである。
第5の態様は、
前記第2シャフトを前記第1シャフトに対して少なくとも部分的に回転させるように構成されている前記ドライバは、前記第2シャフトを前記第1シャフトに対して振動的に少なくとも部分的に回転させるように構成されている前記ドライバを含む、第4の態様における回転式カッターである。
第6の態様は、
前記第1の方向における前記第2シャフトの回転は、前記上歯の第1外歯が前記下歯の第1外歯と位置合わせされると終了し、
前記第2の方向における前記第2シャフトの回転は、前記上歯の第2外歯が前記下歯の第2外歯と位置合わせされると終了する、第5の態様における回転式カッターである。
第7の態様は、
前記第1シャフトは外部シャフトであり、
前記第2シャフトは内部シャフトであり、
前記第1シャフトは前記第2シャフトを少なくとも部分的に収容する、第1の態様における回転式カッターである。
第8の態様は、
前記ブレード部は上歯を含み、
前記第1シャフトは、
前記底部と、
第2ブレード部であって、前記第2ブレード部は下歯を含む、第2ブレード部と、を含む、第7の態様における回転式カッターである。
第9の態様は、
前記第2シャフトを前記第1シャフトに対して少なくとも部分的に回転させるように構成されている前記ドライバは、
前記第2シャフトを前記第1シャフトに対して第1の方向に回転させるように構成されている前記ドライバが、前記ブレード部を前記第2ブレード部に対して前記第1の方向にスライドさせることと、
前記第2シャフトを前記第1シャフトに対して第2の方向に回転させるように構成されている前記ドライバが、前記ブレード部を前記第2ブレード部に対して前記第2の方向にスライドさせることと、を含む、第8の態様における回転式カッターである。
第10の態様は、
前記第2シャフトを前記第1シャフトに対して少なくとも部分的に回転させるように構成されている前記ドライバは、前記第2シャフトを前記第1シャフトに対して振動的に少なくとも部分的に回転させるように構成されている前記ドライバを含む、第9の態様における回転式カッターである。
第11の態様は、
前記第1の方向における前記第2シャフトの回転は、前記上歯の第1外歯が前記下歯の第1外歯と位置合わせされると終了し、
前記第2の方向における前記第2シャフトの回転は、前記上歯の第2外歯が前記下歯の第2外歯と位置合わせされると終了する、第10の態様における回転式カッターである。
第12の態様は、
前記第1シャフトは、前記底部と開口部とを含む外部シャフトであり、
前記第2シャフトは、前記第1シャフトによって少なくとも部分的に収容された内部シャフトであり、前記ブレード部は、前記開口部を通って前記第1シャフトの外周部の外側に延びるように構成されている、第1の態様における回転式カッターである。
第13の態様は、
前記第2シャフトは、前記第1シャフトの中心点と位置合わせされない回転中心の周りを回転するように構成されており、前記回転中心は、前記第2シャフトの長手方向軸線に沿って位置する、第12の態様における回転式カッターである。
第14の態様は、
前記第2シャフトを前記第1シャフトに対して少なくとも部分的に回転させるように構成されている前記ドライバは、前記ブレード部を前記回転中心の周りで全回転させるように構成されている前記ドライバを更に含む、第13の態様における回転式カッターである。
第15の態様は、
前記第2シャフトを前記第1シャフトに対して少なくとも部分的に回転させるように構成されている前記ドライバは、前記ブレード部を前記回転中心の周りで振動的に部分的に回転させるように構成されている前記ドライバを更に含む、第13の態様における回転式カッターである。