(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-06
(45)【発行日】2024-08-15
(54)【発明の名称】ウェルプレートインキュベータ
(51)【国際特許分類】
C12M 1/00 20060101AFI20240807BHJP
C12N 1/00 20060101ALI20240807BHJP
C12N 5/00 20060101ALI20240807BHJP
【FI】
C12M1/00 C
C12N1/00 A
C12N5/00
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022155935
(22)【出願日】2022-09-29
(62)【分割の表示】P 2021124577の分割
【原出願日】2016-09-30
【審査請求日】2022-10-31
(32)【優先日】2015-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514304762
【氏名又は名称】バークレー ライツ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ニューストローム,ラッセル
(72)【発明者】
【氏名】マクファーランド,アンドルー
(72)【発明者】
【氏名】ケリー-グリーン,ダーシー
(72)【発明者】
【氏名】ネビル,ジェイ.,タナー
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ガン エフ.
【審査官】上村 直子
(56)【参考文献】
【文献】特許第7152568(JP,B2)
【文献】米国特許出願公開第2008/0090287(US,A1)
【文献】米国特許第05484731(US,A)
【文献】国際公開第2009/103416(WO,A1)
【文献】特開2008-209375(JP,A)
【文献】特表2010-521148(JP,A)
【文献】特開2001-352969(JP,A)
【文献】特表2008-505629(JP,A)
【文献】特開2009-284810(JP,A)
【文献】特開2013-007688(JP,A)
【文献】特表2012-529896(JP,A)
【文献】特開昭60-259178(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0036755(US,A1)
【文献】特表2005-502884(JP,A)
【文献】米国特許第06309608(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2001/0019705(US,A1)
【文献】特表2009-507238(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12M 1/00-3/00
C12N 1/00-5/28
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のウェルを含む細胞培養プレートを支持するように構成された内部チャンバを有する筐体であって、ガスが進入するように構成された少なくとも1つの通路と、前記少なくとも1つの通路に加圧ガス源を接続するように適合されたコネクタと、前記細胞培養プレートの前記ウェルへのアクセスを可能にするように構成された複数の開口と、を含む筐体と、
前記内部チャンバの温度を所望の範囲内に維持するように構成されたコントローラと、
前記筐体に直接的又は間接的に係合される第1の加熱/冷却デバイスであって、前記コントローラにより制御される第1の加熱/冷却デバイスと、
前記筐体の前記複数の開口の少なくともサブセットに対応する第1の複数の開口を含むシーリングエレメントと、を含むインキュベータであって、
前記シーリングエレメントが前記筐体の前記複数の開口のそれぞれを閉塞しかつそれによりシールする閉位置と、前記シーリングエレメントの前記第1の複数の開口が前記筐体の前記複数の開口の少なくともサブセットに位置合せされる第1の開位置との間で前記シーリングエレメントが移動可能であり、それにより、前記筐体の前記内部チャンバ及びその中に入れられている任意の細胞培養プレートへのアクセスを提供し、
前記インキュベータは、前記筐体の前記内部チャンバ内の選択された内部温度、湿度、及びガス含有率を維持するように構成される、インキュベータ。
【請求項2】
前記筐体が、前記内部チャンバを規定する基体及び蓋を含む、請求項1に記載のインキュベータ。
【請求項3】
前記筐体が、基体と、蓋と、フロントプレートと、を含み、前記基体、前記蓋及び前記フロントプレートが前記内部チャンバを規定する、請求項1に記載のインキュベータ。
【請求項4】
前記基体が、熱伝導性を有する剛性材料から形成される、請求項2又は3に記載のインキュベータ。
【請求項5】
前記基体が、前記筐体の前記内部チャンバの一部又は全部を形成する中空領域を有して構成される、請求項2~4のいずれか1項に記載のインキュベータ。
【請求項6】
前記基体が底部と4つの壁とを含み、前記4つの壁の1つが他の3つの壁の高さよりも低い高さを有する、請求項3に記載のインキュベータ。
【請求項7】
前記蓋が、前記基体に前記蓋をシール可能に接続するように構成された1つ以上のコネクタを含み、前記1つ以上のコネクタのそれぞれが、磁石、可撓性タブ、及び/又はクリップからなる群から選択される、請求項2~6のいずれか1項に記載のインキュベータ。
【請求項8】
前記筐体の前記複数の開口の各開口が1mm~10mmの直径を有する、請求項1~7のいずれか1項に記載のインキュベータ。
【請求項9】
前記内部チャンバが、200cm
3~750cm
3の体積又は750cm
3~2000cm
3の体積を有する、請求項1~8のいずれか1項に記載のインキュベータ。
【請求項10】
前記細胞培養プレートが96ウェルプレート又は384ウェルプレートである、請求項1~9のいずれか1項に記載のインキュベータ。
【請求項11】
前記筐体の前記複数の開口が、前記細胞培養プレートの前記複数のウェルに位置合せされるように構成される、請求項1~10のいずれか1項に記載のインキュベータ。
【請求項12】
前記シーリングエレメントが前記筐体の前記内部チャンバ内に位置する、請求項1~
11のいずれか1項に記載のインキュベータ。
【請求項13】
前記第1の開位置と前記閉位置との間で前記シーリングエレメントを移動させるように構成されたシーリングエレメントアクチュエータをさらに含む、請求項1~
12のいずれか1項に記載のインキュベータ。
【請求項14】
前記シーリングエレメントアクチュエータが、第2の開位置と前記閉位置との間で前記シーリングエレメントを移動させるように構成される、請求項
13に記載のインキュベータ。
【請求項15】
前記第1の加熱/冷却デバイスが、抵抗ヒータ、熱交換流体を循環させるように構成された流体コイル、1つ以上のペルチェデバイス、及びそれらの組合せからなる群から選択される、請求項1~
14のいずれか1項に記載のインキュベータ。
【請求項16】
前記第1の加熱/冷却デバイスが前記筐体の底部の外表面に直接接触するか又は熱伝達を間接的に提供し、第2の加熱/冷却デバイスをさらに含み、前記第2の加熱/冷却デバイスが、前記筐体の頂部に近接し、かつ前記コントローラにより制御される、請求項1~
15のいずれか1項に記載のインキュベータ。
【請求項17】
前記第2の加熱/冷却デバイスが、抵抗加熱素子を有するPCBを含み、さらに前記PCBが、前記筐体の前記複数の開口に位置合せされる複数の開口を含む、請求項
16に記載のインキュベータ。
【請求項18】
前記PCBは1つ以上のセンサを含み、前記1つ以上のセンサのそれぞれが、温度センサ、湿度センサ、酸素センサ、及び二酸化炭素センサからなる群から選択される、請求項
17に記載のインキュベータ。
【請求項19】
前記細胞培養プレートの支持体をさらに含み、前記支持体が、前記筐体内の位置から前記筐体の前記内部チャンバ外の位置に前記筐体に対してスライド可能に移動するように構成される、請求項1~
18のいずれか1項に記載のインキュベータ。
【請求項20】
前記細胞培養プレートの支持体と、前記細胞培養プレートの前記支持体に係合されたアクセスドアとをさらに含み、前記支持体及びアクセスドアが、前記筐体の一部にシール可能に界接するフロントプレートを含むアクセスアセンブリを形成する、請求項1~
18のいずれか1項に記載のインキュベータ。
【請求項21】
前記フロントプレートに圧縮力を提供するように構成されている、前記フロントプレートと前記アクセスドアとの間のバイアス接続部をさらに含む、請求項
20に記載のインキュベータ。
【請求項22】
前記アクセスアセンブリが、前記筐体を支持する筐体支持体上に移動可能に取り付けられ、前記筐体支持体がトラックを含み、前記アクセスアセンブリが、前記筐体支持体上の前記トラックに対してスライドするように構成されたレールを含み、前記レールは、前記筐体支持体に対して前記アクセスアセンブリの固定位置を提供するために前記筐体支持体のコンプリメンタリ構造に係合するように構成された係合表面をさらに含み、前記アクセスアセンブリの前記固定位置が前記アクセスアセンブリの開位置又は閉位置に対応する、請求項
20又は21に記載のインキュベータ。
【請求項23】
前記シーリングエレメントの前記複数の開口のそれぞれが1mm~10mm又は1mm~5mmの直径を有する、請求項1~
22のいずれか1項に記載のインキュベータ。
【請求項24】
請求項1~23のいずれか1項に記載のインキュベータの内部チャンバにアクセスする方法であって
、前記方法が、
前記シーリングエレメントを前記第1の開位置に移動させることであって、それにより、前記シーリングエレメントの前記複数の開口を前記筐体の前記複数の開口の前記少なくともサブセットに位置合せし、前記シーリングエレメントの前記複数の開口と前記筐体の前記複数の開口の前記少なくともサブセットとが、それにより、前記インキュベータの外部から前記筐体の前記内部チャンバへの第1の複数の通路を提供する、移動させることと、
前記インキュベータの前記外部と前記筐体の前記内部チャンバとの間の前記複数の通路の1つ以上を介してインポート/エクスポートチップを前進させることと、
前記インポート/エクスポートチップを介して前記筐体の前記内部チャンバ内の細胞培養プレートのウェル内で物質を捕集又は堆積することと、
前記物質を捕集又は堆積した後、前記インキュベータの前記外部と前記筐体の前記内部チャンバとの間の前記通路の1つ以上を介して前記インポート/エクスポートチップを抜き出すことと、
前記シーリングエレメントが前記筐体の前記複数の開口を閉塞するように前記シーリングエレメントを閉位置に移動させることと、を含み、
前記シーリングエレメントが、前記インキュベータの前記内部チャンバ内に存在する二酸化炭素含有率及び/又は空気の湿度が前記インキュベータの周りの二酸化炭素含有率及び/又は空気の湿度と平衡化するのを防止するように十分に短い時間にわたり前記開位置にある、方法。
【請求項25】
前記細胞培養プレートが複数のウェルを含み、前記インポート/エクスポートチップが複数のチップを含み、前記方法が、前記インポート/エクスポートチップの前記複数のチップを用いて前記細胞培養プレートの前記複数のウェルから前記物質を同時に捕集又は堆積することをさらに含む、請求項
24に記載の方法。
【請求項26】
前記細胞培養プレート中で培養される生物学的マイクロ物体を支持するように前記筐体の前記内部チャンバ内の環境を確立することをさらに含む、請求項
24又は
25に記載の方法。
【請求項27】
請求項1~
23のいずれか1項に記載のインキュベータと、
前記インキュベータにアクセスして、前記インキュベータの筐体の内部チャンバ内でサンプルを捕集又は堆積するように構成されたロボットサンプリングコンポーネントと、
少なくとも1つのコントローラであって、
前記インキュベータの外部から前記筐体の前記内部チャンバへの複数の通路を開放及び閉鎖し、かつ
前記筐体の前記内部チャンバ内に入れられているウェルプレートの複数のウェルに前記複数の通路を介してアクセスするように前記ロボットサンプリングコンポーネントを制御するように構成された少なくとも1つのコントローラと、を含む、インキュベーションのためのシステム。
【請求項28】
前記少なくとも1つのコントローラが、前記ウェルプレートの前記複数のウェルの1つから物質を抜き出すように、かつ前記抜き出された物質をマイクロ流体デバイス又は分析機器に送達するように、前記ロボットサンプリングコンポーネントを制御するように構成される、請求項
27に記載のシステム。
【請求項29】
前記少なくとも1つのコントローラが、前記ウェルプレートの1つ以上のウェルに1種以上の物質を送達するように前記ロボットサンプリングコンポーネントを制御するように構成され、前記1種以上の物質がマイクロ流体デバイス又は分析機器から得られる、請求項
27又は28に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、米国法典第35編第119条の規定により、2015年10月1日出願の「Well-Plate Incubator」という名称の米国特許出願第62/235,863号(その開示は参照により本明細書に組み込まれる)の利益を主張する。
【0002】
参照による組込み
[0002] 本明細書に挙げたすべての刊行物及び特許出願は、あたかもそれぞれ個々の刊行物又は特許出願が具体的かつ個別的に明示されて参照により組み込まれたのと同程度まで、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
[0003] インキュベータは、生体細胞に由来するマイクロ物体及び他の成分を含めて物質を含有するサンプルを保持するため、かつ生物学的関連物質の生存能を維持する条件を提供するために使用可能である。例えば、インキュベータの内部環境は、物質の生存能を維持するように選択された特定の温度範囲、湿度、及び二酸化炭素含有率を有し得る。
【0004】
[0004] インキュベータ内に保持された物質は、インキュベータを開けることによりアクセス可能である。しかしながら、例えばインキュベータの蓋を開けてインキュベータを開けると、汚染物質が取り込まれてインキュベータの内部環境が撹乱される可能性がある。繰り返し開けると、インキュベータ内の物質の生物学的生存能が悪影響を受ける可能性がある。
【0005】
[0005] また、ロボットアームを用いてインキュベータの内部にアクセスすると、インキュベータを開けてその内部にアクセスするためにロボットアームに必要とされる運動がかなり複雑になるため、自動化が困難になる可能性がある。蓋を開けた後にインキュベータにアクセスするようにロボットアームを構成したとしても、追加の工程によりプロセスのスループットが大幅に減少する可能性がある。ロボットアームの使用と組み合わせて蓋を繰り返し開けると、物質が悪影響を受ける可能性がある。この問題に対処するために開発された解決策の1つは、物質の生存能を維持するように選択された条件の内部環境を有するより大きいインキュベータ内にロボットアーム及びインキュベータを配置することである。しかしながら、この解決策では、インキュベータ環境内で動作する装置に追加の問題が発生する。例えば、環境内に保持されたツーリング及び装置は、ロボットアームを損傷又は妨害する可能性のある追加の凝縮の影響を受けやすい。また、インキュベータ環境を拡大すると、システムの複雑性及びコストが大幅に増加する。
【0006】
[0006] 従って、これらの課題の多くに対処するとともに、生体物質及び他の物質の生存能を支持する内部インキュベータ環境を維持しつつ、ロボットアーム又は他のインポート/エクスポートチップで容易にアクセス可能であるインキュベータの必要性が存在する。
【発明の概要】
【0007】
[0007] 本発明は、インキュベータ内に支持された細胞培養プレートのウェルへのアクセスを提供可能な複数の開口を有するインキュベータに関する。インキュベータは、インキュベータ内の環境の汚染を防止しつつアクセスを改善可能である。
【0008】
[0008] 本発明の一態様では、インキュベータが提供され、インキュベータは、複数のウェルを含む細胞培養プレートを支持するように構成された内部チャンバを有する筐体を含み、筐体は、細胞培養プレートのウェルへのアクセスを可能にするように構成された複数の開口と、筐体の複数の開口をシールするように構成されたシーリングエレメントと、を含み、シーリングエレメントは、筐体の複数の開口の少なくともサブセットに対応する第1の複数の開口を含む。
【0009】
[0009] インキュベータのいくつかの実施形態では、筐体の複数の開口の各開口は、約1mm~約10mmの直径を有し得る。いくつかの他の実施形態では、筐体の複数の開口の各開口は、約1mm~約5mm、又は約1.0mm、約1.5mm、約2.0mm、約2.5mm、約3.0mm、約3.5mm、約4.0mm、約4.5mm、若しくは約5.0mm、又は上記のサイズの1つにより定義される任意の範囲の直径を有し得る。
【0010】
[00010] インキュベータの種々の実施形態では、筐体の内部チャンバは約50cm3~約300cm3の体積を有し得る。他の実施形態では、内部チャンバは約100cm3~約500cm3の体積を有し得る。さらに他の実施形態では、内部チャンバは約200cm3~約750cm3の体積を有し得る。代替的に、内部チャンバは約400cm3~約1,000cm3の体積を有し得る。さらなる実施形態では、内部チャンバは約500cm3~約1500cm3の体積を有し得る。他の実施形態では、内部チャンバは約750cm3~約2000cm3の体積を有し得る。
【0011】
[00011] インキュベータの種々の実施形態では、細胞培養プレートは96ウェルプレートであり得る。他の実施形態では、細胞培養プレートは384ウェルプレートであり得る。いくつかの他の実施形態では、細胞培養プレートは24ウェル以下(例えば、12ウェル、6ウェルなど)であり得る。
【0012】
[00012] インキュベータの種々の実施形態では、筐体は基体と蓋とを含み得るとともに、基体及び蓋は内部チャンバを規定する。他の実施形態では、筐体は基体と蓋とフロントプレートとを含み得るとともに、基体、蓋、及びフロントプレートは内部チャンバを規定する。基体は、高い熱伝導率と低い熱容量とを有する剛性材料から形成し得る。いくつかの実施形態では、基体は、中空領域が筐体の内部チャンバの一部又は全部を形成するように構成し得る。いくつかの実施形態では、基体は底部と4つの壁とを含み得るとともに、4つの壁の1つは他の3つの壁の高さよりも低い高さを有する。種々の実施形態では、蓋は断熱プラスチックから形成される。いくつかの実施形態では、蓋は、外表面(例えば、インキュベータ外に位置する空気に界接する表面)と、筐体内の内表面(例えば、筐体の内側チャンバ内に位置する空気に界接する表面)とを含み得る。蓋の内表面は、1つ以上の凹部を含み得る。いくつかの実施形態では、蓋は、基体に蓋をシール可能に接続するように構成された1つ以上のコネクタを含み得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のコネクタは、磁石、タブ(例えば、可撓性タブ)、及び/又はクリップを含み得る。
【0013】
[00013] インキュベータの種々の実施形態では、筐体の複数の開口は、細胞培養プレートの複数のウェルに位置合せされるように構成し得る。いくつかの実施形態では、筐体の内部チャンバ及びその中に入れられている任意の細胞培養プレートへのアクセスは、筐体の複数の開口の1つ以上をシーリングエレメントの1つ以上の開口に位置合せされるようにシーリングエレメントを位置決めすることにより提供し得る。種々の実施形態では、シーリングエレメントは、シーリングエレメントが筐体の複数の開口のそれぞれを閉塞する閉位置と、シーリングエレメントの第1の複数の開口が筐体の複数の開口の少なくともサブセットに位置合せされる第1の開位置との間で移動可能であり得る。いくつかの実施形態では、シーリングエレメントの第1の複数の開口の開口数は、筐体の開口数と同一であり得る。他の実施形態では、シーリングエレメントの第1の複数の開口の開口数は、筐体の開口数未満であり得る。
【0014】
[00014] いくつかの実施形態では、シーリングエレメントは、第2の複数の開口をさらに含み得るとともに、第2の複数の開口は、第1の複数の開口と異なる。いくつかの実施形態では、シーリングエレメントの第1の複数の開口及び/又は第2の複数の開口の開口数は、筐体の開口数未満である。種々の実施形態では、シーリングエレメントは、第3の複数の開口をさらに含み得るとともに、第3の複数の開口は、第1の複数の開口及び第2の複数の開口と異なる。実施形態のいくつかでは、シーリングエレメントの第1の複数の開口、第2の複数の開口、及び/又は第3の複数の開口の開口数は、筐体の開口数未満であり得る。例えば、シーリングエレメントの第1の複数の開口、第2の複数の開口、及び第3の複数の開口のそれぞれの開口数は、筐体の開口数未満であり得るとともに、シーリングエレメントの第1、第2、及び第3の複数の開口の合計数は、筐体の開口数に等しい数であり得る。いくつかの実施形態では、シーリングエレメントの第2の複数の開口の開口数は、筐体の開口数の1/2、1/3、又は1/4であり得る。いくつかの実施形態では、シーリングエレメントの第3の複数の開口の開口数は、筐体の開口数の1/3又は1/4であり得る。
【0015】
[00015] いくつかの実施形態では、シーリングエレメントの複数の開口のそれぞれは、約1mm~約10mmの直径を有し得る。他の実施形態では、シーリングエレメントの複数の開口のそれぞれは、約1mm~約5mm、又は約1.0mm、約1.5mm、約2.0mm、約2.5mm、約3.0mm、約3.5mm、約4.0mm、約4.5mm、約5.0mm、又は上記のサイズの1つにより定義される任意の範囲の直径を有する。
【0016】
[00016] インキュベータの種々の実施形態では、シーリングエレメントは、筐体の内部チャンバ内に位置し得る。種々の実施形態では、シーリングエレメントは、閉位置と第1の開位置との間で移動可能であり得る。この場合、シーリングエレメントが閉位置にあるとき、筐体の複数の開口のそれぞれは閉塞し得る。また、シーリングエレメントが第1の開位置にあるとき、シーリングエレメントの第1の複数の開口は筐体の複数の開口の第1のサブセットに位置合せされ得るとともに、筐体の複数の開口のすべての他の開口(存在する場合)は閉塞し得る。関連する実施形態では、シーリングエレメントは、第2の開位置にさらに移動可能であり得る。この場合、シーリングエレメントが第2の開位置にあるとき、シーリングエレメントの第2の複数の開口(シーリングエレメントの第1の複数の開口に等しくてもよく、又はそれと異なっていてもよい)は筐体の開口の第2のサブセットに位置合せされ得るとともに、筐体の複数の開口のすべての他の開口は閉塞し得る。いくつかの実施形態では、筐体の開口の第1のサブセット及び筐体の開口の第2のサブセットは、非オーバーラップサブセットであり得る。他の関連する実施形態では、シーリングエレメントは、第3の開位置にさらに移動可能であり得る。この場合、シーリングエレメントが第3の開位置にあるとき、シーリングエレメントの第3の複数の開口(シーリングエレメントの第1の複数及び/又は第2の複数の開口に等しくてもよく、又はそれと異なっていてもよい)は筐体の開口の第3のサブセットに位置合せされ得るとともに、筐体の複数の開口のすべての他の開口は閉塞し得る。いくつかの実施形態では、筐体の開口の第1、第2、及び第3のサブセットは、非オーバーラップサブセットであり得る。いくつかの実施形態では、筐体の開口の第1、第2、及び第3のサブセットは、オーバーラップサブセットであり得る(例えば、部分的にオーバーラップし得る)。
【0017】
[00017] インキュベータの種々の実施形態では、インキュベータは、第1の開位置と閉位置との間でシーリングエレメントを移動させるように構成されたシーリングエレメントアクチュエータをさらに含み得る。いくつかの実施形態では、シーリングエレメントアクチュエータは、第2の開位置と閉位置との間でシーリングエレメントを移動させるように構成し得る。いくつかの実施形態では、シーリングエレメントアクチュエータは、第3の開位置と閉位置との間でシーリングエレメントを移動させるように構成し得る。いくつかの実施形態では、シーリングエレメントを第1の開位置に移動させることは、シーリングエレメントの開口(例えば、第1の複数の開口)を筐体の複数の開口の第1のサブセットにアライメントすることを含み得る。いくつかの実施形態では、シーリングエレメントを第2の開位置に移動させることは、シーリングエレメントの開口(例えば、第1の複数の開口又は第2の複数の開口)を筐体の複数の開口の第2のサブセットにアライメントすることを含み得る。いくつかの実施形態では、シーリングエレメントを第3の開位置に移動させることは、シーリングエレメントの開口(例えば、第1の複数の開口、第2の複数の開口、又は第3の複数の開口)を筐体の複数の開口の第3のサブセットにアライメントすることを含み得る。いくつかの実施形態では、シーリングエレメントアクチュエータは、モータ又はロータリソレノイドを含み得る。
【0018】
[00018] インキュベータの種々の実施形態では、インキュベータは、ガスが進入するように構成された少なくとも1つの通路を筐体内にさらに含み得る。いくつかの実施形態では、ガスが進入するように構成された少なくとも1つの通路は、筐体の内側チャンバ内に支持体により保持された細胞培養プレートの側部と同じ基体の底部からの高さで基体の壁に位置し得る。インキュベータの種々の実施形態では、インキュベータは、ガスが進入するように構成された筐体内の通路に加圧ガス源を接続するように適合されたコネクタをさらに含み得る。関連する実施形態では、シーリングエレメントは、加圧ガス源からのガスが内部チャンバに流入するとき、筐体の複数の開口とのシールを形成して、筐体が内部チャンバ内の圧力を周囲圧力よりも約0.0005psi~約0.01000psi高く維持することを可能にするように構成し得る。インキュベータの種々の実施形態では、インキュベータは、筐体内の流体リザーバを空にするように構成された少なくとも1つの流体ドレイン通路を筐体内に含み得る。いくつかの実施形態では、流体ドレイン通路はシール可能であり得る。
【0019】
[00019] インキュベータの種々の実施形態では、インキュベータは、プリント回路基板(PCB)をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、PCBは、筐体の頂部(例えば、蓋)の内表面の近くに位置する。種々の実施形態では、PCBは、筐体を貫通する複数の開口に位置合せされる複数の開口を含む。例えば、PCB開口は、筐体の蓋を貫通する複数の開口に位置合せ可能である。いくつかの実施形態では、PCBは、インキュベータのシーリングエレメントに直接隣接して位置する。例えば、PCBは、シーリングエレメントの実質的にフラットな表面に直接接触する実質的にフラットな表面を有し得る。特定の実施形態では、シーリングエレメントは、PCBと筐体の蓋の内表面との間に配設される。種々の実施形態では、インキュベータは、PCB上に1つ以上のセンサをさらに含み得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のセンサのそれぞれは、温度センサ、湿度センサ、酸素センサ、及び二酸化炭素センサからなる群から選択される。
【0020】
[00020] インキュベータの種々の実施形態では、インキュベータは、内部チャンバの温度を所望の範囲内に維持するように構成された温度コントローラをさらに含み得る。
【0021】
[00021] インキュベータの種々の実施形態では、インキュベータは、筐体に係合又は他に結合された第1の加熱/冷却デバイスをさらに含み得るとともに、第1の加熱/冷却デバイスは、温度コントローラにより制御される。いくつかの実施形態では、第1の加熱/冷却デバイスは、抵抗ヒータ、熱交換流体を循環させるように構成された流体コイル、及び1つ以上のペルチェデバイスからなる群から選択し得る。いくつかの実施形態では、第1の加熱/冷却デバイスは、筐体の底部の外表面に直接的又は間接的に接触し得る。いくつかの実施形態では、第1の加熱/冷却デバイスは、筐体の底部の外表面の少なくとも約75%に(直接的又は間接的に)接触し得る。いくつかの実施形態では、第1の加熱/冷却デバイスは、流体コイルを含み得る。
【0022】
[00022] インキュベータの種々の実施形態では、インキュベータは、筐体に係合又は他に結合された第2の加熱/冷却デバイスをさらに含み得るとともに、第1の加熱/冷却デバイスは、温度コントローラにより制御される。いくつかの実施形態では、第2の加熱/冷却デバイスは、筐体の頂部(例えば、蓋)に係合し得る。いくつかの実施形態では、第2の加熱/冷却デバイスは、筐体内に位置し得る。いくつかの実施形態では、第2の加熱/冷却デバイスは、筐体の複数の開口に位置合せされる複数の開口を含み得る。いくつかの実施形態では、第2の加熱/冷却デバイスは、PCB(例えば、以上及び本明細書の他の箇所に記載のPCB)の一部である抵抗加熱素子を含み得る。
【0023】
[00023] いくつかの実施形態では、抵抗加熱素子は、筐体の内部チャンバに面するPCBの側部に位置し得る。他の実施形態では、抵抗加熱素子はPCBの内部に位置し得る。例えば、PCBは多層(例えば、4層)構造を含み得るとともに、抵抗加熱素子はPCBの内層に存在し得る。
【0024】
[00024] インキュベータの種々の実施形態では、インキュベータは、複数の開口を有するスペーサをさらに含み得る。いくつかの実施形態では、スペーサの複数の開口は、筐体の複数の開口に位置合せされ得る。いくつかの実施形態では、スペーサは、PCBとシーリングエレメントとの間に位置し得る。他の実施形態では、スペーサは、シーリングエレメントと筐体の蓋の内表面との間に位置し得る。いくつかの実施形態では、スペーサは、シーリングエレメントが開位置と閉位置との間で移動するとき、シーリングエレメントとPCB又は筐体の蓋の内表面との間の摩擦を低減するように構成し得る。いくつかの実施形態では、スペーサは、シーリングエレメントが開位置と閉位置との間で移動するとき、シーリングエレメントとPCB又は筐体の蓋の内表面との間に形成されるシールを向上させるように構成し得る。
【0025】
[00025] インキュベータの種々の実施形態では、インキュベータは、細胞培養プレートの支持体をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、支持体は、筐体内の位置から筐体の内部チャンバ外の位置に筐体に対してスライド可能に移動するように構成し得る。いくつかの実施形態では、支持体は、筐体の1つ以上の内表面により形成し得る。
【0026】
[00026] インキュベータの種々の実施形態では、インキュベータは、細胞培養プレートの支持体に装着されたアクセスドアをさらに含み得る。いくつかの実施形態では、支持体及びアクセスドアは、筐体の一部にシール可能に界接するフロントプレートを含むアクセスアセンブリを形成し得る。いくつかの実施形態では、アクセスアセンブリは、筐体を支持する筐体支持体上に移動可能に取り付け得る。
【0027】
[00027] インキュベータの種々の実施形態では、インキュベータは、筐体支持体上にトラックをさらに含み得る。この場合、アクセスアセンブリは、筐体支持体上のトラックに対してスライドするように構成される。
【0028】
[00028] インキュベータの種々の実施形態では、インキュベータは、筐体を支持するように構成された筐体支持体をさらに含み得る。インキュベータの種々の実施形態では、インキュベータは、筐体支持体を筐体に接続するように構成された1つ以上のアジャスタブルコネクタをさらに含み得る。
【0029】
[00029] インキュベータの種々の実施形態では、インキュベータは、筐体に結合された断熱材料をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、断熱材料は、筐体の1つ以上の外表面に装着し得る。種々の実施形態では、インキュベータは、筐体の内部チャンバ内の選択された内部温度、湿度、及びガス含有率を維持するように構成し得る。インキュベータの種々の実施形態では、インキュベータは、筐体の内部チャンバ内の選択された内部温度、湿度、及びガス含有率を維持するように構成されたコントローラをさらに含み得る。
【0030】
[00030] 他の態様では、本発明は、インキュベータの内部チャンバにアクセスする方法を提供する。インキュベータは、以上又は本明細書の他の箇所に記載の任意のインキュベータであり得る。例えば、インキュベータは、複数の開口を有する筐体と、筐体の複数の開口の少なくともサブセットに対応する複数の開口を有するシーリングエレメントとを含み得る。種々の実施形態では、本方法は、シーリングエレメントを開位置に移動させて、シーリングエレメントの複数の開口を筐体の複数の開口の第1のサブセットの開口に位置合せする工程であって、シーリングエレメントの複数の開口と筐体の複数の開口の第1のサブセットとが、それにより、インキュベータの外部から筐体の内部チャンバへの複数の通路を提供する、工程と、インキュベータの外部と筐体の内部チャンバとの間の複数の通路の1つ以上を介してインポート/エクスポートチップを前進させる工程と、インポート/エクスポートチップを用いてインキュベータの内部チャンバ内で物質を捕集又は堆積する工程と、を含む。本方法の種々の実施形態では、物質は、生物学的マイクロ物体を含み得る。本方法のいくつかの実施形態では、物質を捕集又は堆積することは、インキュベータの内部チャンバ内に位置決めされた細胞培養プレートのウェル内で物質を捕集又は堆積することを含み得る。
【0031】
[00031] 本方法の種々の実施形態では、本方法は、物質を捕集又は堆積した後、インキュベータの外部と筐体の内部チャンバとの間の通路の1つ以上を介してインポート/エクスポートチップを抜き出す工程と、シーリングエレメントが筐体の複数の開口を覆うようにシーリングエレメントを閉位置に移動させる工程とをさらに含み得る。
【0032】
[00032] 本方法のいくつかの実施形態では、シーリングエレメントは、筐体の内部チャンバ内に存在する二酸化炭素含有率及び/又は空気の湿度がインキュベータの周りの二酸化炭素含有率及び/又は空気の湿度と平衡化するのを防止するように十分に短い時間にわたり開位置にあり得る。
【0033】
[0033] 本方法の種々の実施形態では、本方法は、シーリングエレメントを開位置又は閉位置に移動させるようにシーリングエレメントアクチュエータを作動させる工程をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、開位置と閉位置との間でシーリングエレメントを移動させることは、筐体に対してシーリングエレメントをスライドさせることを含み得る。本方法の種々の実施形態では、シーリングエレメントの複数の開口が開位置にあるとき、シーリングエレメントの複数の開口は、細胞培養プレートの複数のウェルに位置合せされるように構成し得る。
【0034】
[00034] 本方法の種々の実施形態では、インキュベータは、細胞培養プレートを支持するように構成されている、インキュベータの内部チャンバ内の支持体を含み得る。本方法の種々の実施形態では、本方法は、支持体と、支持体上にレストする細胞培養プレートとを筐体の内部チャンバから筐体の内部チャンバ外の位置にスライドさせ、それにより筐体の内部チャンバから細胞培養プレートを抜き出す工程をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、支持体をスライドさせることは、細胞培養プレートの支持体と、支持体に装着されたアクセスドアとを含むアクセスアセンブリをスライドさせることを含み得る。いくつかの実施形態では、支持体(又はアクセスアセンブリ)をスライドさせることは、筐体を支持する筐体支持体の1つ以上のトラックに沿って支持体(又はアクセスアセンブリ)をスライドさせることを含み得る。いくつかの実施形態では、支持体(又はアクセスアセンブリ)をスライドさせることは、人間のオペレータにより行い得る。他の実施形態では、支持体(又はアクセスアセンブリ)をスライドさせることは、ロボットにより行われる。
【0035】
[00035] 本方法の種々の実施形態では、本方法は、インキュベータの内部チャンバから筐体の内部チャンバ外の位置に支持体をスライドさせ、それにより筐体から支持体を抜き出す工程をさらに含み得る。本方法の種々の実施形態では、本方法は、支持体が筐体の内部チャンバ外の位置にある間に細胞培養プレートを支持体上に配置する工程をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、細胞培養プレートを配置することは、人間のオペレータにより行い得る。他の実施形態では、細胞培養プレートを配置することは、ロボットにより行い得る。本方法の種々の実施形態では、本方法は、支持体と、支持体上に配置された細胞培養プレートとを筐体の内部チャンバ内の位置にスライドさせる工程をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、支持体をスライドさせることは、アクセスアセンブリをスライドさせることを含み得る。この場合、アクセスアセンブリは、細胞培養プレートの支持体と、支持体に装着されたアクセスドアとを含む。本方法の種々の実施形態では、支持体をスライドさせる工程は、インキュベータの筐体支持体の1つ以上のトラックに沿って支持体又はアクセスアセンブリをスライドさせることを含む。いくつかの実施形態では、支持体(又はアクセスアセンブリ)をスライドさせることは、人間のオペレータにより行い得る。他の実施形態では、支持体(又はアクセスアセンブリ)をスライドさせることは、ロボットにより行い得る。
【0036】
[00036] 種々の実施形態では、本方法は、筐体の内部チャンバ内に位置決めされた細胞培養プレート中で培養される生物学的マイクロ物体を支持するのに好適な環境を筐体の内部チャンバ内に確立する工程をさらに含み得る。種々の実施形態では、本方法は、インキュベータの内部チャンバの温度、湿度、及び二酸化炭素含有率の1つ以上を測定する工程をさらに含み得る。種々の実施形態では、本方法は、インキュベータの内部チャンバの温度、湿度、及び二酸化炭素含有率の1つ以上を制御する工程をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、温度を制御することは、インキュベータの内部チャンバを加熱又は冷却することを含み得る。いくつかの実施形態では、湿度を制御することは、インキュベータの内部チャンバに湿度源を提供することを含み得る。いくつかの実施形態では、二酸化炭素含有率を制御することは、二酸化炭素を含むガス源(例えば、既知のパーセントの二酸化炭素)をインキュベータの内部チャンバに提供することを含み得る。いくつかの実施形態では、二酸化炭素を含むガス源は、酸素と窒素とをさらに含み得る。いくつかの実施形態では、二酸化炭素を含むガス源を提供することは、内部チャンバにパージガスを提供することを含み得る。
【0037】
[00037] 種々の実施形態では、物質を捕集又は堆積することは、インポート/エクスポートチップを用いて行われる。いくつかの実施形態では、インポート/エクスポートチップは、細胞培養プレートの複数のウェルから物質を実質的に同時に捕集できるようにするか、又は細胞培養プレートの複数のウェルに物質を実質的に同時に堆積できるようにする複数のチップを含む。従って、種々の実施形態では、本方法は、細胞培養プレートの複数のウェルから/に同時に物質を捕集又は堆積する工程をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、捕集又は堆積することは、ロボットにより行い得る。
【0038】
[00038] いくつかの実施形態では、シーリングエレメントは、閉位置にあるとき、周囲空気圧力よりも高い内部チャンバ内の圧力を維持可能である。例えば、筐体の内部チャンバ内の圧力は、周囲圧力よりも約0.0005psi~約0.0100psi高くし得る。従って、種々の実施形態では、本方法は、シーリングエレメントが閉位置にあるとき、筐体の内部チャンバ内の圧力をインキュベータ外の圧力よりも高い圧力に維持する工程をさらに含み得る。他の実施形態では、本方法は、シーリングエレメントが開位置にあるとき、筐体の内部チャンバ内の圧力をインキュベータ外の圧力よりも高い圧力に維持する工程をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、内部チャンバ内の圧力を維持することは、シーリングエレメントが開位置にあるとき、内部チャンバにパージガスを提供することを含み得る。
【0039】
[00039] いくつかの実施形態では、筐体の複数の開口のそれぞれは、約1mm~約10mmの直径を有し得る。他の実施形態では、筐体の複数の開口のそれぞれは、約1mm~約5mm、又は約1.0mm、約1.5mm、約2.0mm、約2.5mm、約3.0mm、約3.5mm、約4.0mm、約4.5mm、約5.0mm、又は上記の値により定義される任意の範囲の直径を有する。いくつかの実施形態では、シーリングエレメントの複数の開口のそれぞれは、約1mm~約10mmの直径を有し得る。いくつかの実施形態では、シーリングエレメントの複数の開口のそれぞれは、約1mm~約5mm、又は約1.0mm、約1.5mm、約2.0mm、約2.5mm、約3.0mm、約3.5mm、約4.0mm、約4.5mm、約5.0mm、又は上記の値により定義される任意の範囲の直径を有し得る。
【0040】
[00040] 本発明のさらに他の態様では、インキュベータの内部チャンバにアクセスする方法が提供され、インキュベータは、複数の開口を有する筐体と、2つ以上の複数の開口を有するシーリングエレメントとを含み、シーリングエレメントの各複数の開口は、筐体の複数の開口の少なくともサブセットに対応する。
【0041】
[00041] 種々の実施形態では、本方法は、シーリングエレメントを第1の開位置に移動させる工程であって、それにより、シーリングエレメントの第1の複数の開口を筐体の複数の開口の第1のサブセットに位置合せし、シーリングエレメントの第1の複数の開口と筐体の複数の開口の第1のサブセットとがインキュベータの外部から筐体の内部チャンバへの第1の複数の通路を提供する、工程と、インキュベータの外部と筐体の内部チャンバとの間の第1の複数の通路の1つ以上を介してインポート/エクスポートチップを前進させる工程と、インポート/エクスポートチップを用いてインキュベータの内部チャンバ内で物質を捕集又は堆積する工程と、を含む。シーリングエレメントが第1の開位置にあるとき、開口の第1のサブセットにない筐体の複数の開口のいずれの開口も、シーリングエレメントにより閉塞可能である。種々の実施形態では、第1の複数の通路は、筐体の内部チャンバ内に位置決めされた細胞培養プレートのウェルの第1のサブセットに位置合せされるように構成し得る。
【0042】
[00042] 本方法の種々の実施形態では、本方法は、シーリングエレメントを第2の開位置に移動させる工程であって、それにより、シーリングエレメントの第2の複数の開口を筐体の複数の開口の第2のサブセットに位置合せし、シーリングエレメントの第2の複数の開口と筐体の複数の開口の第2のサブセットとがインキュベータの外部から内部チャンバへの第2の複数の通路を提供する、工程をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、シーリングエレメントの第1の複数の開口は、シーリングエレメントの第2の複数の開口と同一であり得る。他の実施形態では、シーリングエレメントの第1の複数の開口は、シーリングエレメントの第2の複数の開口と異なり得る(例えば、シーリングエレメントの第1及び第2の複数の開口は、完全非オーバーラップ又は部分オーバーラップであり得る)。シーリングエレメントが第2の開位置にあるとき、開口の第2のサブセットにない筐体の複数の開口のいずれの開口もシーリングエレメントにより閉塞可能である。種々の実施形態では、第2の複数の通路は、筐体の内部チャンバ内に位置決めされた細胞培養プレートのウェルの第2のサブセットに位置合せされるように構成し得る。
【0043】
[00043] 本方法の種々の実施形態では、本方法は、シーリングエレメントを第3の開位置に移動させる工程であって、それにより、シーリングエレメントの第3の複数の開口を筐体の複数の開口の第3のサブセットに位置合せし、シーリングエレメントの第3の複数の開口と筐体の複数の開口の第3のサブセットとがインキュベータの外部から筐体の内部チャンバへの第3の複数の通路を提供する、工程をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、シーリングエレメントの第3の複数の開口は、シーリングエレメントの第1及び/又は第2の複数の開口と同一であり得る。他の実施形態では、シーリングエレメントの第3の複数の開口は、シーリングエレメントの第1及び/又は第2の複数の開口と異なり得る(例えば、シーリングエレメントの第1、第2、及び第3の複数の開口は、完全非オーバーラップ又は部分オーバーラップであり得る)。シーリングエレメントが第3の開位置にあるとき、開口の第3のサブセットにない筐体の複数の開口のいずれの開口もシーリングエレメントにより閉塞可能である。種々の実施形態では、第3の複数の通路は、筐体の内部チャンバ内に位置決めされた細胞培養プレートのウェルの第3のサブセットに位置合せされるように構成し得る。
【0044】
[00044] いくつかの実施形態では、第1の複数の通路の通路数は、細胞培養プレートのウェル数と同一であり得る。いくつかの実施形態では、第1、第2、及び/又は第3の複数の通路のそれぞれの通路数は、細胞培養プレートのウェル数の1/2、1/3、1/4、1/6、又は1/12以下であり得る。
【0045】
[00045] 本方法の種々の実施形態では、本方法は、シーリングエレメントを閉位置に移動させ、それにより筐体の複数の開口のそれぞれを閉塞位置にする工程をさらに含み得る。
【0046】
[00046] 本発明の他の態様では、インキュベーションシステムが提供される。インキュベーションシステムは、以上又は本明細書の他の箇所に記載されるようなウェルプレートインキュベータと、ウェルプレートインキュベータにアクセスしてサンプルを除去/送達するように構成されたロボットサンプリングコンポーネントと、インキュベータの複数の通路を開放し、かつウェルプレートインキュベータ内に入れられているウェルプレートの複数のウェルに複数の通路を介してアクセスするようにロボットサンプリングコンポーネントを制御するように構成された少なくとも1つのコントローラとを含み得る。種々の実施形態では、ウェルプレートのウェルは、生物学的マイクロ物体(例えば、細胞)を含めて生体物質を含有し得る。
【0047】
[00047] いくつかの実施形態では、少なくとも1つコントローラは、複数の通路を閉鎖するようにさらに構成し得る。いくつかの実施形態では、システムは、ウェルプレートインキュベータを正圧下に維持するように構成し得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのコントローラは、ウェルプレートの複数のウェルの1つから物質を抜き出すようにロボットサンプリングコンポーネントを制御するように構成し得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのコントローラは、抜き出された物質をマイクロ流体デバイスに送達するようにロボットサンプルコンポーネントを制御するように構成し得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのコントローラは、抜き出された物質を分析機器に送達するようにロボットサンプルコンポーネントを制御するように構成し得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのコントローラは、ウェルプレートインキュベータ内に入れられているウェルプレートの1つ以上のウェルに1種以上の物質を送達するようにロボットサンプルコンポーネントを制御するように構成し得る。いくつかの実施形態では、1種以上の物質は、マイクロ流体デバイスから得られ得る。他の実施形態では、1種以上の物質は、分析機器から得られ得る。
【0048】
図面の簡単な説明
[00048] 本発明の新規な特徴は、以下の特許請求の範囲に特定的に示される。本発明の原理が利用される例示的な実施形態を示す以下の詳細な説明及び添付の図面を参照すれば、本発明の特徴及び利点のよりよい理解が得られるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図1A】いくつかの実施形態に従ったインキュベータの等角図を例示する。
【
図1B】いくつかの実施形態に従ったインキュベータの分解等角図を例示する。
【
図2A】いくつかの実施形態に従ったインキュベータの蓋の上面図を例示する。
【
図2B-2C】いくつかの実施形態に従ったインキュベータのプリント回路基板及びその関連するコネクタの上面図と、いくつかの実施形態に従ったインキュベータの任意選択的なスペーサの上面図とを例示する。
【
図3A】本明細書に記載のインキュベータの実施形態で使用可能な蓋の頂部表面を示す分解等角図を例示する。
【
図3B-3C】本明細書に記載のインキュベータの実施形態で使用可能なプリント回路基板及びその関連するコネクタの頂部表面を示す分解等角図と、本明細書に記載のインキュベータの実施形態で使用可能なスペーサの頂部表面を示す分解等角図とを例示する。
【
図3D】本明細書に記載のインキュベータの実施形態で使用可能な蓋の頂部表面を示す分解等角図を例示する。
【
図3E】本明細書に記載のインキュベータの実施形態で使用可能なシーリングエレメントの頂部表面を示す分解等角図を例示する。
【
図3F】本明細書に記載のインキュベータの実施形態で使用可能なプリント回路基板及びその関連するコネクタの頂部表面を示す分解等角図を例示する。
【
図4A】本明細書に記載のインキュベータの実施形態で使用可能な蓋の底部表面の分解等角図を例示する。
【
図4B】本明細書に記載のインキュベータの実施形態で使用可能なプリント回路基板及びその関連するコネクタの底部表面の分解等角図を例示する。
【
図5A】本明細書に記載の筐体の一部であり得る可撓性タブを有する蓋を例示する。蓋の頂部表面を例示する。
【
図5B】本明細書に記載の筐体の一部であり得る可撓性タブを有する蓋を例示する。蓋の底部表面の外観を示す。
【
図5C】いくつかの実施形態に従ってシーリングエレメントが閉位置にあるインキュベータの頂部外観を例示する。
【
図5D】いくつかの実施形態に従ってシーリングエレメントが第1の開位置にあるインキュベータの頂部外観を例示する。
【
図5E】いくつかの実施形態に従ってシーリングエレメントが第2の開位置にあるインキュベータの頂部外観を例示する。
【
図5F】いくつかの実施形態に従ってシーリングエレメントが閉位置にある状態で蓋が除去されたインキュベータの一部の頂部外観を例示する。
【
図5G】いくつかの実施形態に従ってシーリングエレメントが開位置にある状態で蓋が除去されたインキュベータの一部の頂部外観を例示する。
【
図5H】いくつかの実施形態に従って蓋及びシーリングエレメントが除去されたかつプリント回路基板を含むインキュベータの一部の頂部外観を例示する。
【
図6A】いくつかの実施形態に従ってシーリングエレメントが開位置にあるインキュベータの一部の上面図を例示する。
【
図6B】いくつかの実施形態に従ってシーリングエレメントが閉位置にあるインキュベータの一部の上面図を例示する。
【
図7】いくつかの実施形態に従ったインキュベータの一部の分解等角図を例示する。
【
図8】いくつかの実施形態に従ったインキュベータの一部の分解等角図を例示する。
【
図9】いくつかの実施形態に従ったインキュベータの一部の上面図を例示する。
【
図10A】いくつかの実施形態に従って細胞培養プレートの支持体が開位置にあるインキュベータの一部の頂部外観を例示する。
【
図10B】いくつかの実施形態に従って細胞培養プレートの支持体が閉位置にあるインキュベータの一部の頂部外観を例示する。
【
図10C】いくつかの実施形態に従って筐体支持体の頂部外観を例示する。
【
図11A】いくつかの実施形態に従ったインキュベータの細胞培養プレートの支持体の一部の外観を例示する。
【
図11B】いくつかの実施形態に従ったインキュベータの細胞培養プレートの支持体の一部の外観を例示する。
【
図11C】いくつかの実施形態に従ったインキュベータの部分的な側部外観を例示する。
【
図12A-12B】本明細書に開示されたインキュベータの実施形態で使用可能な磁石の外観及びスライドレールの外観を例示する。
【
図13】いくつかの実施形態に従ったインキュベータのアクセスアセンブリ上のレールの実施形態を例示する。
【
図14】いくつかの実施形態に従ったインキュベータの筐体支持体の分解外観を例示する。
【
図15】いくつかの実施形態に従ったインキュベータの外部を例示する。
【
図16】いくつかの実施形態に従ったインキュベータの側部外観を例示する。
【
図17A】いくつかの実施形態に従って細胞培養プレートの支持体が開位置にあるインキュベータの等角外観を例示する。
【
図17B】いくつかの実施形態に従って細胞培養プレートの支持体が閉位置にあるインキュベータの等角外観を例示する。
【
図18】エクスポート/インポートのための連続アクセスを有するインキュベーションシステムの概略図を例示する。
【
図19】播種後の最初の24時間にわたり本発明のインキュベータで培養された細胞(実線)及び完全に従来のインキュベータで培養された細胞(点線)から得られた細胞生存能データのグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0050】
[00072] フィーチャ又はエレメントが他のフィーチャ又はエレメント「の上に」存在するとして本明細書で参照された場合、それは、他のフィーチャ若しくはエレメントの上に直接存在し得るか、又は介在するフィーチャ及び/若しくはエレメントも存在し得る。これとは対照的に、フィーチャ又はエレメントが他のフィーチャ又はエレメント「の上に直接」存在するとして本明細書で参照された場合、介在するフィーチャ又はエレメントは存在しない。フィーチャ又はエレメントが他のフィーチャ又はエレメントに「接続」、「装着」、又は「結合」されるとして参照された場合、それは、他のフィーチャ又はエレメントに直接接続、直接装着、若しくは直接結合し得るか、又は介在するフィーチャ若しくはエレメントも存在し得ることも理解されるであろう。これとは対照的に、フィーチャ又はエレメントが他のフィーチャ又はエレメントに「直接接続」、「直接装着」、又は「直接結合」されるとして参照された場合、介在するフィーチャ又はエレメントは存在しない。一実施形態に関して記載又は示されているが、そのように記載又は示されたフィーチャ及びエレメントは、他の実施形態に適用可能である。他のフィーチャ「に近接して」配設された構造体又はフィーチャへの参照は、近接するフィーチャの上又は下に重なる部分を有し得ることも当業者であれば分かるであろう。
【0051】
[00073] 本明細書で用いられる用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としたものであり、本発明を限定することを意図したものではない。例えば、本明細書で用いられる場合、単数形の「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、特に文脈上明確に示されてない限り、複数形も含むことが意図される。「含む」及び/又は「含んでいる」という用語は、本明細書で用いられる場合、明記されたフィーチャ、工程、操作、エレメント、及び/又はコンポーネントの存在を特定するが、1つ以上の他のフィーチャ、工程、操作、エレメント、コンポーネント、及び/又はそれらの群の存在又は追加を除外するものではないことがさらに理解されるであろう。本明細書で用いられる場合、「及び/又は」という用語は、関連する列挙されたアイテムの1つ以上をあらゆる組合せで含み、「/」と略記されることもある。
【0052】
[00074] 「第1」及び「第2」という用語は、各種フィーチャ/エレメントを記述するために本明細書で使用し得るが、これらのフィーチャ/エレメントは、特に文脈上異なる指定がない限り、これらの用語により限定すべきでない。これらの用語は、あるフィーチャ/エレメントと他のフィーチャ/エレメントとを識別するために使用し得る。従って、本発明の教示から逸脱することなく、以下で考察される第1のフィーチャ/エレメントは、第2のフィーチャ/エレメントと称することが可能であり、同様に、以下で考察される第2のフィーチャ/エレメントは、第1のフィーチャ/エレメントと称することが可能である。
【0053】
[00075] 実施例で用いられる場合を含めて、本明細書及び特許請求の範囲で用いられる場合、特に明示的な指定がない限り、数値はすべてあたかも「約」又は「およそ」という単語が前置されているかのように読み得るとともに、この用語が明示的に現われなくても同様である。「約」又は「およそ」という語句は、大きさ及び/又は位置を記載するとき、記載の値及び/又は位置が値及び/又は位置の合理的な予想範囲内にあることを示唆するために使用し得る。例えば、数値は、明記された値(又は値の範囲)±0.1%、明記された値(又は値の範囲)±1%、明記された値(又は値の範囲)±2%、明記された値(又は値の範囲)±5%、明記された値(又は値の範囲)±10%などの値を有し得る。本明細書に挙げられた数値範囲はいずれも、それに含まれるすべての部分範囲を含むことが意図される。
【0054】
[00076] 本明細書で用いられる場合、「マイクロ物体」という用語は、無生物マイクロ物体、例えば、マイクロ粒子、マイクロビーズ(例えば、ポリスチレンビーズ、Luminex(商標)ビーズなど)、磁気ビーズ、マイクロロッド、マイクロワイヤ、量子ドットなど、生物学的マイクロ物体、例えば、細胞(例えば、胚、卵母細胞、精子細胞、組織分離細胞、真核細胞、原生生物細胞、動物細胞、哺乳動物細胞、ヒト細胞、免疫細胞、ハイブリドーマ、培養細胞、細胞系由来細胞、癌細胞、感染細胞、トランスフェクト細胞及び/又はトランスフォーム細胞、レポーター細胞、原核細胞など)、生物学的オルガネラ、ベシクル又は複合体、合成ベシクル、リポソーム(例えば、合成又は膜調製物由来)、脂質ナノラフト(Ritchie et al.(2009)“Reconstitution of Membrane Proteins in Phospholipid Bilayer Nanodiscs,”Methods Enzymol., 464:211-231に記載)など、又は無生物マイクロ物体と生物学的マイクロ物体との組合せ(例えば、細胞装着マイクロビーズ、リポソーム被覆マイクロビーズ、リポソーム被覆磁気ビーズなど)の1つ以上を包含し得る。ビーズは、共有結合又は非共有結合された他の部分/分子、例えば、蛍光標識、タンパク質、低分子シグナリング部分、抗原、又はアッセイで使用可能な化学的/生物学的種をさらに有し得る。
【0055】
[00077] 本明細書で用いられる場合、「細胞」という用語は、植物細胞、動物細胞(例えば、哺乳動物細胞)、細菌細胞、菌類細胞などであり得る生体細胞を意味する。哺乳動物細胞は、例えば、ヒト、マウス、ラット、ウマ、ヤギ、ヒツジ、ウシ、霊長動物などに由来し得る。
【0056】
[00078] 本明細書で用いられる場合、「細胞を維持する」という用語は、細胞の生存可能性及び/又は拡大を保つのに必要な条件を提供する流体成分及び気体成分の両方を含む環境を提供することを意味する。
【0057】
[00079] 本明細書で用いられる場合、細胞を参照するときの「拡大する」という用語は、細胞数が増加することを意味する。
【0058】
[00080] 本明細書で用いられる場合、「インポート/エクスポートチップ」とは、細胞培養プレートの1つ以上のウェルに嵌合するようにかつ物質及び/又は媒体の堆積/抜出しを行うようにサイズ調整された機械的送達デバイスを意味する。インポート/エクスポートチップは、例えば、ニードル、ピン、又は細胞培養プレート内に位置する若しくは細胞培養プレート用として意図された物質及び/若しくは媒体に接着可能な表面を有する類似の構造体を含み得る。インポート/エクスポートチップは、例えば、細胞培養プレート内に位置する又は細胞培養プレート用として意図された物質及び/又は媒体の通過を可能にするのに十分な大きさの内径を有する中空送達チューブをさらに含み得る。いくつかの実施形態では、インポート/エクスポートチップは、金属材料又はセラミック材料から作製し得る。いくつかの実施形態では、インポート/エクスポートチップは、ポリマー(例えば、プラスチック)から作製し得る。例えば、インポート/エクスポートチップは、外側スリーブを用いて剛性化してもしなくてもよいプラスチックチューブを含み得る。他の実施形態では、インポート/エクスポートチップは、カニューレ又はニードルであり得る。インポート/エクスポートチップは、移動する物質に適合可能な任意のタイプの材料であり得る。インポート/エクスポートチップは、オートクレーブ処理に好適であり得るか又はディスポーザブルであり得る。
【0059】
[00081] 本明細書で用いられる場合、「マイクロ流体デバイス」とは、流体を保持するように構成された1つ以上の離散マイクロ流体回路(各回路は、限定されるものではないが、領域、チャンバ、チャネル、及び/又はペンをはじめとする相互接続回路エレメントを含む)と、マイクロ流体デバイスに対して流体(及び任意選択的に流体中に懸濁されたマイクロ物体)の流入及び/又は流出を可能にするように構成された少なくとも2つのポートとを含むデバイスである。典型的には、マイクロ流体デバイスのマイクロ流体回路は、約1mL未満、例えば、約750、500、250、200、150、100、75、50、25、20、15、10、9、8、7、6、若しくは5μL未満(又は約2~5、2~10、2~15、2~20、5~20、5~30、5~40、5~50、10~50、10~75、10~100、20~100、20~150、20~200、50~200、50~250、若しくは50~300μL)の体積の流体を保持するであろう。
【0060】
[00082] 本明細書で用いられる場合、「ナノ流体デバイス」とは、約1μL未満、例えば、約750、500、250、200、150、100、75、50、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1nL未満、若しくはそれを下回る(又は約100pL~1nL、100pL~2nL、100pL~5nL、250pL~2nL、250pL~5nL、250pL~10nL、500pL~5nL、500pL~10nL、500pL~15nL、750pL~10nL、750pL~15nL、750pL~20nL、1~10nL、1~15nL、1~20nL、1~25nL、若しくは1~50nLの)体積の流体を保持するように構成された少なくとも1つの回路エレメントを含むマイクロ流体回路を有するタイプのマイクロ流体デバイスである。
【0061】
[00083] 本明細書で用いられる場合、本発明の詳細な説明の参照番号は、具体的な実施形態を意味するだけでなく、発明事項の全範囲の外観を明確かつ容易にするためにも使用される。各エレメントの具体的な実施形態が図に示され、同一の参照番号が使用されるが、かかる使用は、発明事項の範囲を単一の実施形態に限定することを何ら意図したものではない。
【0062】
[00084] インキュベータの筐体内の内部チャンバの細胞培養プレートへのアクセス性を向上させるとともに、さらにインキュベータの内部チャンバの汚染可能性を最小限に抑える、インキュベータ及びインキュベータの使用方法が本明細書に開示される。本明細書に記載のインキュベータは、インキュベータの内部チャンバにアクセスするためにスイング蓋又はドアを開ける必要のある従来のインキュベータと比べて、ロボットアーム又は他のツール、例えば、インポート/エクスポートチップ若しくは他のサンプリングデバイスを用いてより容易にアクセス可能である。インキュベータの内部チャンバを外部環境に曝すスイング蓋又はドアがないため、インキュベータの汚染可能性を大幅に減少させることが可能である。
【0063】
[00085] インキュベータは、複数のウェルを有する細胞培養プレートを支持するように構成された内部チャンバを有する筐体を含み得る。筐体は、ウェルへのアクセスを可能にするように構成された複数の開口を含み得る。インキュベータは、筐体の複数の開口をシールするように構成されたシーリングエレメントを含み得る。シーリングエレメントは、筐体の複数の開口の少なくともサブセットに対応する第1の複数の開口を含み得る。
【0064】
[00086] 筐体。インキュベータ100は筐体102を含む。筐体102は、基体104と蓋106、206とを含み得る(
図1A~
図1Bの1つの代表例並びに
図16及び
図5C~
図5Eの他の代表例を参照されたい)。基体104及び蓋106、206は、インキュベータ100の内部チャンバ110を規定し得る。いくつかの実施形態では、基体104、蓋106、206、及びフロントプレート156は、インキュベータ100の内部チャンバ110を規定し得る。いくつかの実施形態では、基体104は、高い熱伝導率及び低い熱容量を有する剛性材料から形成可能である。いくつかの好適な材料は、アルミニウム、黄銅、セラミック、又は他の銅含有合金を含み得る。銅含有合金は、銅含有分が抗微生物性を付与するために特に有用であり得る。
【0065】
[00087] インキュベータ100は、筐体に結合された断熱材料(例えば、
図7~
図8の断熱パネル170を参照されたい)をさらに含み得る。断熱材料は、筐体の1つ以上の外表面に装着可能である。基体104の外壁に分離可能若しくは永久的に結合し得る又は蓋として使用するように作製し得る断熱パネルを形成するために、さまざまなプラスチックを使用し得る。例えば、好適な断熱プラスチックの1クラスは、広範にわたる配合物で利用可能であるかつULTEM(商標)(SABIC)として市販されているアモルファス熱可塑性ポリエーテルイミドであり得る。断熱パネルは、1つ以上の凹部を組み込むように形成し得るとともに、凹部は、筐体をさらに断熱する空気を含む。いくつかの実施形態では、断熱パネルは、約1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mmm、9mm、又は約10mmの厚さであり得る。断熱パネルは、パネルの外表面と、それが装着された筐体の外表面との間に凹部を形成するように作製し得る。例えば、筐体102の基体104に装着される断熱パネルは、その内表面を空洞化させることにより、パネル170が基体104に装着される箇所を除いて、断熱パネルの内表面が基体102の外表面から約1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、又は約11mm離して配設されるように作製し得る。これにより、約1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、又は約11mmの厚さのエアポケットを基体104の側部に形成し得る。断熱パネルは、オートクレーブ処理に好適であり得るか、又はオートクレーブ処理の前に筐体から除去し得る。
【0066】
[00088] 蓋。蓋106、206は、筐体102外の外表面と筐体102内の内表面とを含み得る(
図1A~
図1Bの1つの代表例及び
図16の他の代表例を参照されたい)。蓋106、206は、蓋アセンブリ108の一部であり得る(
図3A~
図3Cの1つの代表例を参照されたい)。蓋106、206の内表面は、1つ以上の凹部124を含み得る。蓋106、206の凹部124は、蓋アセンブリ108の一部、例えば、プリント回路基板(PCB)132、232及び/又はスペーサ134(それぞれ以下でさらに詳細に記載される)を収容するように構成可能である。いくつかの場合、凹部124は、ガスフローのチャネルを形成するように及び/又は断熱を提供するように構成可能である。いくつかの実施形態では、内表面は、開口212の群213を実質的に包囲可能な1つ以上の凹部を含み得る(
図5Bの1つの代表例を参照されたい)。各群213は、複数の開口212の2つ以上(例えば、3、4、6など)の開口212を含み得る。開口212の群213は、シーリングエレメント116、216が閉位置にあるとき、蓋206とシーリングエレメント116、216との間に形成されるシールを向上させ得る。例えば、シーリングエレメント116、216の開口118、218は、群213の開口212間のスペースにより閉塞可能である。群213の左側の開口212は、開口の第1のサブセットを形成可能であり、一方、群213の右側の開口212は、開口の第2のサブセットを形成可能である。いくつかの実施形態では、蓋106、206の凹部は、シーリング材料及び/又は断熱材料を用いてシール可能である。シーリング材料は、筐体内の空気が1つ以上の凹部を充填するのを防止するように構成可能である。従って、蓋106、206は、ガスが充填された又はガスが実質的に欠如した複数のポケットを含み得る(例えば、ポケットは真空又は大気圧未満の圧力を含み得る)。いくつかの実施形態では、シーリング材料は、蓋106、206の内表面に接着された接着剤層を含み得る。接着剤層は、断熱材料を含み得る。いくつかの実施形態では、蓋106、206は、ポリマー又はプラスチックなどの剛性断熱材料から作製される。他の実施形態では、蓋106、206は、高い熱伝導率及び低い熱容量を有する剛性材料(例えば、アルミニウム、銅、黄銅、他の銅含有合金、又はセラミック)から作製される。蓋を作製し得る好適な一クラスのプラスチックは、以上に記載のポリエーテルイミド(例えば、ULTEM(商標))である。蓋は、使用後にオートクレーブ処理可能な物質から作製し得る。
【0067】
[00089] 蓋106、206は、蓋106を基体104にシール可能に接続するように構成された1つ以上のコネクタを含み得る。1つ以上のコネクタの例としては、磁石、可撓性タブ、可撓性クリップ、又は類似の構造体が挙げられる。一例では、蓋は、ピン215bに係合して蓋206を基体に固定するように構成可能な可撓性タブ215を含む(
図5C~
図5Eの1つの代表例を参照されたい)。基体104と蓋106との間のシールは、気密にする必要はない。
【0068】
[00090] いくつかの実施形態では、蓋は、「引き上げて除去する」などの指示マーク207aを含む外表面207を含み得る(
図5Aの1つの代表例を参照されたい)。蓋206はまた、「押して設置する」などの指示215cを圧縮タブ215上に含み得る。マーク207a及び指示215cは、コンピュータイメージングプログラムにより機械可読になるように着色、エッチング、又は適合が可能である。
【0069】
[00091] 蓋106及び関連する蓋アセンブリ108は、細胞培養プレート114のウェル120へのアクセスを提供する複数の開口112を筐体102内に含み得る。
【0070】
[00092] 蓋アセンブリ。インキュベータ100の蓋アセンブリ108は、プリント回路基板(PCB)132、232を含み得る(
図3B、
図3F、
図4B、及び
図5Hの各種代表例を参照されたい)。PCB132は、インキュベータ100の蓋106の一部であり得るか、又は蓋に結合し得る。他の例では、PCB132は、筐体とシーリングエレメント216との間に位置決め可能である。例えば、PCB132は、シーリングエレメント116と蓋106などの筐体102の頂部の内表面との間に位置し得る。代替的に、PCB232は、PCB232と筐体102の頂部との間にシーリングエレメントを介設して筐体102の頂部(例えば、蓋206)の近くに(例えば、近接して)位置決め可能である(
図3E~
図3Fの代表例を参照されたい)。PCB132、232は、シーリングエレメント116、216及び/又はスペーサ134の実質的にフラットな表面に直接接触する実質的にフラットな表面を有し得る。PCB132、232は、筐体102の開口を提供する蓋106、206の複数の開口112、212に位置合せして複数の開口138、238を含み得る。いくつかの実施形態では、PCB132、232は、PCB132、232上に1つ以上のセンサを含む。1つ以上のセンサは、温度センサ、湿度センサ、酸素センサ、及び二酸化炭素センサからなる群から選択可能である。さらに他の実施形態では、PCB132、232は、より詳細に以下に記載されるように抵抗加熱素子を含み得る。抵抗加熱素子は、筐体102の内部チャンバ110に面するPCB132、232及び/又は細胞培養プレート114の側部に位置し得る。代替的に、抵抗加熱素子は、PCB132、232の内部に位置し得る。PCB132、232は、多層構造を含み得る。多層構造は、抵抗加熱素子がPCB132、232の外部のインキュベータ環境に曝されないように内部に抵抗加熱素子を含み得る。PCB132、232の多層構造は、PCB132、232の剛性を向上させて、結果として、シーリングエレメント116、2116とPCB132、232との間のシールを向上させ得る。1つ以上のセンサ及び/又は抵抗加熱素子がPCB132、232に含まれる場合、これらの素子のそれぞれは、各素子がPCB132、232の開口138、238を妨害しないように位置する。いくつかの実施形態では、蓋アセンブリ108は、インキュベータから取外し可能であり得る。いくつかの実施形態では、PCBは、各使用後に使い捨てできるように設計し得る。PCB132、232は、コネクタ136を介してコントローラ174及び/又は他のコンポーネントに接続し得る(
図17の1つの代表例を参照されたい)。
【0071】
[00093] いくつかの実施形態では、インキュベータ100は、蓋アセンブリ108の一部としてスペーサ134を含み得る(いくつかの例示的な実施形態が
図2C及び
図3Cに示される)。スペーサ134は、シーリングエレメント116、216が開位置と閉位置との間で移動するとき、シーリングエレメント116、216とPCB132、232との間の摩擦を低減するように構成可能である。スペーサ134は、複数の開口142を有し得る。スペーサ134の複数の開口142は、筐体102の開口を提供する蓋106、206の複数の開口112、212に位置合せされ得る。スペーサ134の複数の開口142は、PCB132、232の複数の開口138、238に位置合せされ得る。種々の実施形態では、スペーサ134の複数の開口142は、蓋106、206の複数の開口112、212に位置合せされ、かつPCB132、232の複数の開口138、238に位置合せされる。スペーサ134は、PCB132、232とシーリングエレメント116、216との間に位置し得る。スペーサ134は、シーリングエレメント116、216が閉位置と任意の可能な開位置との間で移動する際、シーリングエレメント116、216に係合するように構成し得る。スペーサ134は、ゴム、シリコーンなどの圧縮性材料、又はシーリングエレメント116、216とPCB132、232との間の摩擦を低減可能な他の高分子材料から作製可能である。いくつかの実施形態では、スペーサ134は、使用間でオートクレーブ処理し得るように取外し可能にアセンブルし得る。他の実施形態では、スペーサ134は、各使用後に使い捨て可能であり得る。
【0072】
[00094] いくつかの実施形態では、スペーサ134は蓋アセンブリ108から省略される。いくつかの実施形態では、PCB132、232の外表面は、気相堆積によりParylene(商標)で被覆可能であり、これによりシーリングエレメントの運動により引き起こされる摩耗からPCBを保護可能である。他のタイプのコーティング、例えば、シーリングエレメント116、216とPCB132、232との間の摩擦を低減するウレタン系コーティング並びに他の化学品、材料、及びポリマーをPCB上で使用可能である。
【0073】
[00095] 筐体の開口。蓋106、206の開口112、212により提供される筐体102の開口(いくつかの例示的な実施形態が
図1A~
図1B及び
図5A~
図5Eに示され)及び関連する蓋アセンブリ108(PCB132、232及び任意選択的にスペーサ134を含み得る)の開口(138及び任意選択的に142)の数は、細胞培養プレート114のウェル120の数と同一であり得る。蓋106、206、PCB132、232、及び任意選択的なスペーサ134の開口(112、212、138、238、142)は、筐体102内の細胞培養プレート114のウェル120に位置合せされ得る。いくつかの他の実施形態では、筐体102の開口の数は、細胞培養プレート114のウェル120の数と異なり得る。これは、2つ以上のタイプの細胞培養プレート114がインキュベータ100内で使用される場合かつより少ない開口を有するように筐体102エレメントを変更することがオペレータにより望まれない場合に使用し得る。
【0074】
[00096] いくつかの実施形態では、筐体102は96の開口を有し得る。他の実施形態では、筐体102は、384の開口を有し得る。いくつかの実施形態では、開口数は、96未満であり得るか又は384超若しくは未満であり得る。いくつかの実施形態では、筐体102は、24以下(例えば、12又は6つ)の開口を有し得る。他の実施形態では、筐体102は、6つ以下の開口を有し得る。
【0075】
[00097] 基体。基体104は、筐体102の内部チャンバ110の一部又は全部を形成する中空領域を有するように構成可能である(
図1Bに1つの代表例が示され、
図10A及び
図17Aに他の代表例が示される)。基体104は、底部と4つの壁とを含み得る。4つの壁は、筐体102の内部チャンバ110の一部又は全部を形成する中空領域を規定可能である。いくつかの実施形態では、4つの壁の1つは他の3つの壁の高さよりも低い高さを有し得る。いくつかの実施形態では、4つの壁の3つの高さは同一である。基体104は、高い熱伝導率及び低い熱容量を有する剛性材料で作製し得るとともに、以上に記載の好適な材料のいずれかであり得る。一実施形態では、基体104は、黄銅又は他の銅含有合金から作製される。基体104は、以上に記載のように装着された断熱パネルを有し得るとともに、アセンブル時又は部分若しくは完全ディスアセンブリ時のいずれかでオートクレーブ処理し得る。
【0076】
[00098] いくつかの実施形態では、基体104及び蓋106は同一の材料で形成される。他の実施形態では、基体104及び蓋106は異なる材料から形成される。
【0077】
[00099] シーリングエレメント。本明細書に記載のインキュベータ100は、シーリングエレメント116(
図1Bに1つの代表例が示される)及びシーリングエレメント216(
図5F~
図5Gに1つの代表例が示される)を含む。シーリングエレメント116、216は、筐体102の内部チャンバ110内に位置し得る。例えば、シーリングエレメント116、216は、細胞培養プレート114とインキュベータ100の蓋106、206との間に位置するように構成可能である。シーリングエレメント116、216は、筐体102内の細胞培養プレート114のウェル120へのアクセスを提供するインキュベータ100の蓋106、206の開口112、212をブロックするように構成可能である。例えば、シーリングエレメント116、216は、細胞培養プレート114のウェル120と蓋106、206の開口112、212との間の複数の経路をブロック、閉塞、又は妨害するように構成可能である。シーリングエレメント116、216は、それぞれ筐体102の複数の開口の一部又は全部に対応する1つ以上の複数の開口118、218を含み得る。筐体102の内部チャンバ110及び存在する場合にはその中の細胞培養プレート114へのアクセスは、筐体102の複数の開口(112、212、138、238及び任意選択的に142)の1つ以上がシーリングエレメント116、216の1つ以上の開口118、218に位置合せされるようにシーリングエレメント116、216を位置決めすることにより提供し得る。
【0078】
[000100] シーリングエレメント116、216は、金属又はプラスチックを含めて多様な材料で作製可能である。好適な金属及びプラスチックの例としては、アルミニウム、黄銅、及びULTEM、PEEK、Teflonなどのポリマーが挙げられる。金属シーリングエレメントを使用すると、熱伝達を向上させることが可能になり、シーリングエレメント上で生成又は凝集する凝縮の可能性を減少させることが可能になる。いくつかの実施形態では、シーリングエレメント116、216は、アルミニウム又は黄銅、シーリングエレメント116、216をディスポーザブルなもの又はオートクレーブ処理に好適なものにする安価な代替品で作製される。他の実施形態では、ディスポーザビリティー又はオートクレーブ処理耐性をも可能にするプラスチック材料を使用し得る。
【0079】
[000101] シーリングエレメント116、216は、シーリングエレメント116、216が筐体102の複数の開口(112、212、138、238、及び任意選択的に142)をカバーする閉位置と、シーリングエレメント116、216の複数の開口118、218が筐体102の複数の開口(112、212、138、238、及び任意選択的に142)の少なくとも一部に位置合せされる開位置との間で移動可能であり得る。シーリングエレメント116、216の複数の開口118、218は、筐体102内の細胞培養プレート114の複数のウェル120に位置合せされるように構成可能である。
【0080】
[000102] いくつかの実施形態では、シーリングエレメント116、216の第1の複数の開口118、218は、筐体102の複数の開口(112、212、138、238、及び任意選択的に142)と同数であり得る。他の実施形態では、シーリングエレメント116、216の第1の複数の開口118、218は、筐体102の複数の開口(112、212、138、238、及び任意選択的に142)よりも少ない数であり得る。いくつかの実施形態では、シーリングエレメント116、216の第1の複数の開口の開口数は、筐体102の開口(112、212、138、238、及び任意選択的に142)の数の1/2、1/3、1/4、1/6、1/12、又はそれを下回る。
【0081】
[000103]
図5C~
図5Eは、それぞれシーリングエレメント116、216が第1の開位置及び第2の開位置にあるときに筐体102内に位置する細胞培養プレート114へのアクセスを提供可能な筐体102の開口の第1及び第2のサブセット212a、212b(238及び任意選択的に142を含む)を例示する。
図5Cは、蓋206の開口212が閉塞されるように閉位置にあるシーリングエレメント216を例示する。
図5Dは、シーリングエレメント216の第1の複数の開口218(図示せず)が蓋206の開口列212aに位置合せされた結果として開口列212aが開状態になると同時に開口列212bが閉塞されるように第1の開位置にあるシーリングエレメント216を例示する。
図5Eは、シーリングエレメント218の第1の複数の開口218(図示せず)が蓋206の開口列212bに位置合せされた結果として開口列212bが開状態になると同時に蓋206の開口列212aが閉塞されるように第2の開位置にあるシーリングエレメント216を例示する。
【0082】
[000104] いくつかの実施形態では、シーリングエレメント116、216は、第1の複数の開口118、218と異なり得る第2の複数の開口118、218をさらに有し得る。例えば、第2の複数の開口118、218は、第1の複数の開口118、218と物理的に異なる位置に存在し得る。第1及び第2の複数の開口118、218は、筐体102の複数の開口(112、212、138、238、及び任意選択的に142)のサブセット対応し得る。例えば、シーリングエレメント116、216の第1及び/又は第2の複数の開口118、218の開口数は、筐体102の開口(112、212、138、238、及び任意選択的に142)の数よりも少なくし得る。いくつかの実施形態では、シーリングエレメント116、216の第1及び/又は第2の複数の開口118、218の開口数は、筐体102の開口(112、212、138、238、及び任意選択的に142)の数の1/2、1/3、1/4、1/6、1/12、又はそれを下回る。
【0083】
[000105] いくつかの実施形態では、シーリングエレメント116、216は、第1及び/又は第2の複数と異なり得る第3の複数の開口118、218をさらに有し得る。例えば、第3の複数の開口118、218は、第1の複数及び/又は第2の複数の開口118、218と物理的に異なる位置に存在し得る。いくつかの実施形態では、シーリングエレメント116、216の第3の複数の開口118、218の開口数は、筐体102の開口(112、212、138、238、及び任意選択的に142)の数の1/2、1/3、1/4、1/6、1/12、又はそれを下回る。いくつかの実施形態では、シーリングエレメント116、216の第1、第2、及び/又は第3の複数の開口118、218の開口数は、筐体102の開口(112、212、138、238及び任意選択的に142)の数の1/2、1/3、1/4、1/6、1/12、又はそれを下回る。
【0084】
[000106] シーリングエレメント116、216をシーリングエレメント116、216が筐体102の複数の開口(112、212、138、238、及び任意選択的に142)をカバーする閉位置から第1の開位置に移動させた場合、シーリングエレメント116、216の第1の複数の開口118、218は、筐体102の複数の開口(112、212、138、238、及び任意選択的に142)の第1のサブセットに位置合せされ、かつ第1のサブセットに存在しない筐体102のすべての他の開口は閉塞される。シーリングエレメント116、216が第2の複数の開口118、218を有する場合、シーリングエレメント116、216は、閉位置又は第1の開位置から第2の開位置にさらに移動し得るとともに、シーリングエレメント116、216の第2の複数の開口118、218は、筐体102の複数の開口(112、212、138、238、及び任意選択的に142)の第2のサブセットに位置合せされ、かつ第2のサブセットに存在しない筐体102のすべての他の開口は閉塞される。シーリングエレメント116、216が第3の(又はさらなる)複数の開口118、218を有する場合、シーリングエレメント116、216は、閉位置、第1の開位置、又は第2の開位置から第3の(又はさらなる)開位置に移動し得るとともに、シーリングエレメント116、216の第3の(又はさらなる)複数の開口118、218は、筐体102の複数の開口(112、212、138、238、及び任意選択的に142)の第3の(又はさらなる)サブセットに位置合せされ、かつ第3の(又はさらなる)サブセットに存在しない筐体102のすべての他の開口は閉塞される。シーリングエレメント116、216を第1、第2、第3、又はさらなる開位置に移動させることにより開位置になった筐体102の開口(112、212、138、238、及び任意選択的に142)のサブセットは、シーリングエレメント116、216を他の開位置の1つ又はすべてに移動させることにより開位置になった筐体102の開口(112、212、138、238、及び任意選択的に142)のサブセットに対して非オーバーラップ状態であり得る。
【0085】
[000107] 筐体及びシーリングエレメントの開口のサイズ。筐体102の複数の開口(112、212、138、238、及び任意選択的に142)(蓋106、206の開口及び蓋アセンブリ108を構成するエレメントの開口を含む)及びシーリングエレメント116、216の1つ以上の複数の開口118、218は、細胞培養プレート114の個別ウェル120へのインポート/エクスポートチップのアクセスを可能にするようにサイズ調整可能である。いくつかの場合、開口は、細胞培養プレート114のウェル120のサイズ及び形状に対応するようにサイズ調整可能である。他の実施形態では、筐体102の複数の開口(112、212、138、238、及び任意選択的に142)及びシーリングエレメント116、216の開口118、218は、細胞培養プレートの個別ウェル120へのインポート/エクスポートチップのアクセスを可能にするのに十分な大きさにサイズ調整可能であり、必ずしもウェル120と同一のサイズ又は形状であるわけではない。例えば、開口は八角形であり得ると同時にウェル120は丸形であり得るか、又は開口はウェル120よりもわずかに小さくし得ると同時に依然としてウェル120へのインポート/エクスポートチップのアクセスを可能にし得る。いくつかの実施形態では、開口(112、212、118、218、138、238、及び任意選択的に142)は、インキュベータ100の内部チャンバ110の蒸気相が開口を通り抜けてインキュベータ100の外部に出るのを制限するようにサイズ調整可能である。
【0086】
[000108] 種々の実施形態では、筐体102及び/又はシーリングエレメント116の複数の開口(112、212、118、218、138、238、及び任意選択的に142)は、独立して、約1.0mm、1.1mm、1.2mm、1.3mm、1.4mm、1.5mm、1.6mm、1.7mm、1.8mm、1.9mm、2.0mm、2.2mm、2.4mm、2.6mm、2.8mm、3.0mm、3.2mm、3.4mm、3.6mm、3.8mm、4.0mm、4.2mm、4.4mm、4.6mm、4.8mm、5.0mm、5.2mm、5.4mm、5.6mm、5.8mm 6.0mm、6.2mm、6.4mm、6.6mm、6.8mm、7.0mm、7.2mm 7.6mm 7.8mmの7.4mm、8.0mm、8.2mm、8.4mm、8.6mm、8.8mm、9.0mm、9.2mm、9.4mm、9.6mm、9.8mm、又は約10.0mmの直径を有し得る。いくつかの実施形態では、筐体102及び/又はシーリングエレメント116、216の複数の開口は、独立して、約1mm~約10mmの直径を有し得る。いくつかの実施形態では、筐体102及び/又はシーリングエレメント116、216の複数の開口は、独立して、約1mm~約5mmの直径を有し得る。いくつかの実施形態では、筐体102及び/又はシーリングエレメント116、216の複数の開口は、独立して、約1.5mm~約4.5mmの直径を有し得る。いくつかの実施形態では、筐体102及び/又はシーリングエレメント116、216の複数の開口は、独立して、約1.7mm~約4.0mmの直径を有し得る。いくつかの実施形態では、筐体102及び/又はシーリングエレメント116、216の複数の開口は、独立して、約1.7mm~約1.8mmの直径を有し得る。いくつかの実施形態では、筐体102及び/又はシーリングエレメント116、216の複数の開口は、独立して、約10mm未満かつ約1mm超の直径を有し得る。いくつかの実施形態では、筐体102及び/又はシーリングエレメント116、216の複数の開口は、独立して、約5mm未満かつ約1mm超の直径を有し得る。いくつかの実施形態では、筐体102及び/又はシーリングエレメント116、216の複数の開口は、独立して、約4mm未満かつ約1mm超の直径を有し得る。いくつかの実施形態では、筐体102及び/又はシーリングエレメント116、216の複数の開口は、独立して、約3mm未満かつ約1mm超の直径を有し得る。いくつかの実施形態では、筐体102及び/又はシーリングエレメント116、216の複数の開口は、独立して、約2mm未満かつ約1mm超の直径を有し得る。
【0087】
[000109] 筐体102及び/又はシーリングエレメント116の複数の開口(112、212、118、218、138、238、及び任意選択的に142)のそれぞれの直径は、インキュベータ100のプロセス条件及び性質並びにインキュベータ100で使用される細胞培養プレート114に基づいて選択可能である。インキュベータ100のプロセス条件及び性質の例としては、開口(112、212、118、218、138、238、及び任意選択的に142)のサイズ及び数、開口を通る所望の蒸気流量、ウェル120の数を含めて細胞培養プレート114の構成、インキュベータ100の内部チャンバ110の所望の正圧動作範囲、パージガス組成などが挙げられる。例えば、96ウェル120を有する細胞培養プレート114をインキュベータ100で使用する場合、筐体102及び/又はシーリングエレメント116、216の開口(112、212、118、218、138、238、及び任意選択的に142)は、それぞれ約1.5mm~約4mm、約1.7mm~約4mm、又は約1.726mm~約4mmの直径になるようにサイズ調整可能である。例えば、384ウェル120を有する細胞培養プレート114をインキュベータ100で使用する場合、筐体102及び/又はシーリングエレメント116、216の開口(112、212、118、218、138、238、及び任意選択的に142)は、それぞれ約1.5mm~約2.5mm、約1.7mm~約2.0mm、又は約1.726mm~約1.8mmの直径になるようにサイズ調整可能である。
【0088】
[000110] 筐体102の複数の開口(112、212、138、238、及び任意選択的に142)は、シーリングエレメント116、216の1つ以上の複数の開口118、218の直径サイズと同一の直径サイズを有し得る。筐体102の複数の開口(112、212、138、238、及び任意選択的に142)及びシーリングエレメント116、216の1つ以上の複数の開口118、218は、複数の異なるサイズの開口を含み得る。筐体102及び/又はシーリングエレメント116、216の複数の開口の第1のサブセットは、第1のサイズを有し得る。筐体102及び/又はシーリングエレメント116、216の複数の開口の第2のサブセットは、第2のサイズを有し得る。いくつかの場合、筐体102及び/又はシーリングエレメント116、216の複数の開口の第3のサブセットは、第3のサイズを有し得る。第1のサイズ、第2のサイズ、及び第3のサイズは異なり得る。いくつかの実施形態では、筐体102の開口(112、212、138、238、及び任意選択的に142)のサイズは第1のサイズであり、かつシーリングエレメント116、216の開口118、218のサイズは第2のサイズであり、インポート/エクスポートチップが進入可能であるという条件で、第2のサイズは第1のサイズと異なる。
【0089】
[000111] インキュベータ100のシーリングエレメント116、216と他の構造体との間のシールは、気密にする必要はない。シールは、開口(112、212、138、238、及び任意選択的に142)を介して内部チャンバ110からインキュベータ100の外部へのいくつかのガスの流動を可能にするように構成可能である。例えば、内部チャンバ110にパージガスを提供するために加圧ガス源を提供可能である。シーリングエレメント116、216が、蓋106、206の開口112、212をシールする閉位置にある間、パージガスの少量のガスフローは、筐体102の内部チャンバ110を通り抜けて蓋106、206の開口112、212から流出可能である。いくつかの実施形態では、内部チャンバ110内の環境の汚染の可能性を回避するために又は最小限に抑えるために、内部チャンバ110内の低い正圧を維持することが可能である。いくつかの実施形態では、シーリングエレメント116、216は、加圧ガス源からのガスが内部チャンバ110に流入するとき、筐体102が内部チャンバ110の周囲圧力よりも約0.0005psi~約0.01000psi高い圧力を維持することを可能にする筐体102の複数の開口(112、212、138、238、及び任意選択的に142)とのシールを形成するように構成される。
【0090】
[000112] 筐体の内部チャンバ。内部チャンバ110の体積は、所望のサイズを有する細胞培養プレート114を収容するように変更可能である。いくつかの実施形態では、内部チャンバ110は約50cm3~約300cm3の体積を有する。いくつかの実施形態では、内部チャンバ110は約100cm3~約500cm3の体積を有する。いくつかの実施形態では、内部チャンバ110は約200cm3~約750cm3の体積を有する。いくつかの実施形態では、内部チャンバ110は約400cm3~約1,000cm3の体積を有する。いくつかの実施形態では、内部チャンバ110は約500cm3~約1500cm3の体積を有する。いくつかの実施形態では、内部チャンバ110は約750cm3~約2000cm3の体積を有する。
【0091】
[000113] 本明細書に記載のインキュベータ100は、さまざまなサイズの細胞培養プレートを筐体102内に収容可能である。いくつかの実施形態では、細胞培養プレート114は96ウェルプレートである。96ウェルプレートは、8ウェル×12ウェル構成を有し得る。いくつかの実施形態では、細胞培養プレート114は384ウェルプレートである。いくつかの実施形態では、細胞培養プレート114は96ウェル未満であり得る。例えば、12ウェル以下の細胞培養プレート114を使用可能である。いくつかの実施形態では、細胞培養プレート114は6ウェル以下である。細胞培養プレートは、培養プレートのウェルのそれぞれが丸底(U字底、V字底を含む)又は平底のいずれかであり得る。
【0092】
[000114] シーリングエレメントアクチュエータ。インキュベータ100はシーリングエレメントアクチュエータ144を含み得る(
図6A~
図6Bに代表例が示され、
図14及び
図16に他の代表例が示される)。シーリングエレメントアクチュエータ144は、開位置と閉位置との間でシーリングエレメントを移動させるように構成可能である。シーリングエレメントアクチュエータ144は、モータ又はロータリソレノイド又は類似のアクチュエータを含み得る。例えば、いくつかの場合、ステッパーモータを使用可能である。ステッパーモータは、例えば、0.5hzの周波数で動作可能である。代替的に、60hzの周波数で動作するロータリソレノイドを使用可能である。
【0093】
[000115] いくつかの実施形態では、アクチュエータ144は、閉位置と開位置との間でシーリングエレメント116/216を移動させるように構成し得る。いくつかの実施形態では、アクチュエータ144は、閉位置と複数の開位置との間でシーリングエレメント116、216を移動させるように構成可能である。例えば、アクチュエータ144は、閉位置と第1の開位置及び第2の開位置との間でシーリングエレメント116、216を移動させるように構成可能である。いくつかの実施形態では、アクチュエータ144は、シーリングエレメント116、216を第3の(又はさらなる)開位置に移動させるようにさらに構成可能である。アクチュエータ144は、第1の開位置と閉位置との間でシーリングエレメント116、216を移動させるように構成し得る。次いで、アクチュエータ144は、第2の開位置と閉位置との間でシーリングエレメント116、216を移動させるように構成し得る。アクチュエータ144は、第3の開位置と閉位置との間でシーリングエレメント116、216を移動させるようにさらに構成し得る。
【0094】
[000116] インキュベータ100は、筐体102の内部チャンバ110内の選択された内部温度、湿度、及びガス含有率を維持するように構成可能である。インキュベータ100は、筐体102の内部チャンバ110内の選択された内部温度、湿度、及びガス含有率を維持するように構成されたコントローラ174を含み得る(
図18に代表例が示される)。筐体102の内部チャンバ110内の内部温度、湿度、及びガス含有率は、インキュベータ100内の物質を維持するように選択可能である。いくつかの実施形態では、温度は、約4℃~約40℃の範囲内に維持し得る。いくつかの実施形態では、温度は、約4℃~約39℃、約15℃~約39℃、約20℃~約38℃、約25℃~約38℃、又は約30℃~約38℃に維持可能である。いくつかの実施形態では、相対湿度は、約60%、70%、80%超、又は約90%超に維持される。いくつかの実施形態では、相対湿度は、約70%、75%、80%、85%、90%、又は約95%に維持される。いくつかの実施形態では、二酸化炭素含有率は、約1%、2%、3%、4%、又は約5%に維持される。
【0095】
[000117] いくつかの実施形態では、インキュベータ100は、内部チャンバ110の温度を所望の範囲内に維持するように構成された温度コントローラ174(
図18に代表例が示される)を含み得る(
図2B、
図3B、
図4B)。インキュベータ100は、基体104の底部、例えば筐体102に係合された第1の加熱/冷却デバイスを含み得る。代替的に、第1の加熱/冷却デバイスは、インキュベータ100の筐体102に直接接触又は間接接触する熱伝導性層に係合可能である。第1の加熱/冷却デバイスは、熱伝導性層に加熱又は冷却を提供可能である。熱伝導性層は、筐体102の一部に加熱又は冷却を提供可能である。熱伝導性層は、以上で考察したように熱伝導性材料(例えば、アルミニウム、銅、黄銅、他の銅含有合金、又はセラミック)で作製可能である。熱伝導性層を使用することにより筐体102への熱伝達の均一性を向上させることが可能である。第1の加熱/冷却デバイスは、温度コントローラ174により制御可能である。加熱/冷却デバイスの例としては、抵抗ヒータ、熱交換流体を循環させるように構成された流体コイル、1つ以上のペルチェデバイスなどが挙げられる。いくつかの実施形態では、流体コイルは、ペルチェデバイスにより冷却/加熱するために流体の進入を可能にするアクセスポートをその外部に含む。流体コイルを有するいくつかの実施形態では、加熱/冷却デバイスは、基体104から分離したコンポーネントである。基体から分離可能な加熱/冷却デバイスを有する実施形態では、オートクレーブ処理できるようにディスアセンブリが可能である。他の実施形態では、第1の加熱/冷却デバイスは、筐体102と一体化可能である。例えば、流体コイルは、筐体102の基体104と一体化可能である。温度コントローラ174は、1つ以上の温度センサを含み得るか又はそれからの入力を受信し得る。温度センサは、PCB132、232、筐体102の一部(例えば、基体104)、及び/又は第1の加熱/冷却デバイスに装着可能である。温度センサの例としては、サーミスター及び/又は集積回路が挙げられる。集積回路は、より少ない電気ノイズ及び校正を必要とすることなく±0.25℃の確度を有し得る。
【0096】
[000118] 第1の加熱/冷却デバイスは、筐体102の底部、例えば基体104の外表面に直接接触可能である(又は間接的に熱伝達を提供可能である)。いくつかの実施形態では、第1の加熱/冷却デバイスは、筐体の底部の外表面102の少なくとも約75%に接触する。いくつかの実施形態では、第1の加熱/冷却デバイスは、筐体の底部の外表面102の少なくとも約80%に接触する。いくつかの実施形態では、第1の加熱/冷却デバイスは、筐体の底部の外表面102の少なくとも約85%に接触する。いくつかの実施形態では、第1の加熱/冷却デバイスは、筐体の底部の外表面102の少なくとも約90%に接触する。いくつかの実施形態では、第1の加熱/冷却デバイスは、筐体の底部の外表面102の少なくとも約95%に接触する。いくつかの実施形態では、第1の加熱/冷却デバイスは、筐体102の内部チャンバ110の温度を約4℃~約40℃、約4℃~約39℃、約4℃~約38℃か約4℃~約37℃の範囲内に維持可能である。いくつかの実施形態では、温度は、約10℃~約37℃、約15℃~約39℃、約20℃~約38℃、約25℃~約38℃、約30℃~約38℃に維持可能である。他の実施形態では、第1の加熱/冷却デバイスは、筐体102の内部チャンバ110の温度を約4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、又は40℃に維持可能である。いくつかの実施形態では、筐体の内部チャンバ110は約37℃に維持される。
【0097】
[000119] 本明細書に記載のインキュベータ100は、筐体102の頂部、例えば、蓋106、206又は蓋アセンブリ108又はPCB132、232の一部に係合された第2の加熱/冷却デバイスを含み得る。第2の加熱/冷却デバイスは、筐体102内に位置し得る。加熱/冷却デバイスの例としては、抵抗ヒータ、熱交換流体を循環させるように構成された流体コイル、1つ以上のペルチェデバイスなどが挙げられる。いくつかの実施形態では、第2の加熱/冷却デバイスは抵抗ヒータであり得る。いくつかの実施形態では、第2の加熱/冷却デバイスは、筐体102の頂部、例えば蓋106、206に係合されたPCB132、232の一部である。第2の加熱/冷却デバイスは、温度コントローラ174により制御可能である(
図18)。第2の加熱/冷却デバイスは、筐体102の複数の開口(112、212、138、238、及び任意選択的に142)に位置合せされる複数の開口138、238を含み得る。第2の加熱/冷却デバイスは、PCB132、232の一部である抵抗加熱素子を含み得る。抵抗加熱素子140は、筐体102の内部チャンバ110に面するPCB132、232及び/若しくは細胞培養プレート114の側部又はPCB132、232内に位置し得る(
図4B)。いくつかの実施形態では、第2の加熱/冷却デバイスは、約4℃~約40℃、約4℃~約39℃、約4℃~約38℃、約4℃~約37℃の範囲内の温度を維持可能である。いくつかの実施形態では、温度は、約10℃~約37℃、約15℃~約39℃、約20℃~約38℃、約25℃~約38℃、又は約30℃~約38℃に維持可能である。種々の実施形態では、第2の加熱/冷却デバイスは、第1の加熱/冷却デバイスよりも0.1℃、0.2℃、0.3℃、0.4℃、0.5℃、0.6℃、0.7℃、0.8℃、0.9℃、1.0℃、1.1℃、1.2℃、1.3℃、1.4℃、1.5℃、1.7℃、1.9℃、2.0℃、2.3℃、2.5℃、2.7℃、2.9℃、3.0℃、3.3℃、3.5℃、3.7℃、3.9℃、4.0℃、4.3℃、4.5℃、4.7℃、4.9℃、又は5.0℃高い温度を維持し得る。第2の加熱/冷却デバイスが第1の加熱/冷却デバイスにより維持される温度よりも高い温度を維持する場合、内部チャンバ110の頂部の近傍及び従って細胞培養プレート114上での凝縮を防止し得る。
【0098】
[000120] 細胞培養プレート支持体。本明細書に開示されるインキュベータ100は、細胞培養プレート114、224の支持体122、222を含み得る(
図1B、
図7~
図8、及び
図10A~
図10Bに代表例が示される)。細胞培養プレート支持体122、222は、筐体102内の位置から筐体102の内部チャンバ110外の位置に筐体102に対してスライド可能に移動するように構成可能である。例示された支持体122、222はT字形を有するが、他の形状を用いて細胞培養プレート114を支持可能である。細胞培養プレート114の支持体122、222は、インキュベータ100のアクセスドア154に直接装着可能であるか、又は1つ以上の介在する構造体又は部品、例えばバイアス接続部255を介して係合可能である(
図11A~
図11C)。培養プレート支持体122、222は、プラスチックから作製可能である。いくつかの実施形態では、培養プレート支持体122、222は、限定されるものではないが例として金属(黄銅であり得る)で作製可能である。支持体はまた、細胞培養プレート114の支持体222上に先端リップ223を含み得る(
図17A~
図17Bの1つの代表例を参照されたい)。
【0099】
[000121] いくつかの実施形態では、細胞培養プレート114の支持体122、222及びアクセスドア154、254は、アクセスアセンブリ168、268を形成可能である(
図8及び
図11A~
図11Bに代表例が示される)。アクセスアセンブリ168、268は、
図7~
図9及び
図10Aに示されるように筐体102の一部にシール可能に界接するフロントプレート156、256を含み得る。アクセスアセンブリ168、268は、フロントプレートとアクセスドアとの間にフローティング接続を含み得る。例えば、フロントプレートとアクセスドアとの間のバイアス接続部255は、フロントプレートに圧縮力を提供して筐体102の一部に対してフロントプレートをシールするように構成可能である(
図11A~
図11Bの1つの代表例を参照されたい)。アクセスアセンブリは、細胞培養支持体122、222が細胞培養プレート114をある高さで筐体102内に保持して、環境ガス又はパージガスを導入する通路150Aが筐体の底部及び頂部に対して細胞培養プレート114と同一の高さになるように構成し得る。(以下の説明を参照されたい。)細胞培養プレートと同一のレベルにガス進入を維持すると、最適化湿度制御、最適化ガス循環が提供され、細胞培養プレート上での凝縮が防止される。従って、支持ノッチ146は、細胞培養支持体の側部をガスの通路150Aと同一の高さに支持するように構成し得る。いくつかの実施形態では、細胞培養プレート114の頂部は、筐体102の内部チャンバ110の頂部から少なくとも約2、mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、11mm、12mm、13mm、14mm、15mm、16mm、17mm、18mm、19mm、又は約20mmの位置にある。いくつかの実施形態では、細胞培養プレート支持体の下表面は、筐体102の内部チャンバ110の底部の内表面から少なくとも約0mm、1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、又は約10mmの位置にある。
【0100】
[000122] アクセスアセンブリ168、268は、アクセスアセンブリ168、268をスライドさせて開閉し、細胞培養プレート114へのアクセスを可能にするためのトラックガイド166又はレール266を含み得る。トラックガイド166又はレール266は、筐体支持体160、260上をトラック162、262に対してスライドするように構成可能である。アクセスアセンブリ168、268の移動は、インキュベータ100の一部として含まれ得るコントローラ174により指示し得る(
図18参照)。
【0101】
[000123] アクセスアセンブリ168、268は、筐体102も支持する筐体支持体160、260上に移動可能に取り付け可能である。筐体支持体160は、筐体支持体160上のトラック162に対してアクセスアセンブリ168がトラックガイド166でスライドし得るようにトラック162を含み得る。トラックガイド166は、各種断面形状を有し得る。一例では、トラックガイドは、
図8に示されるように長方形又は正方形の断面形状でフラット表面を有し得る。いくつかの実施形態では、トラックガイド166は、
図10B、
図11A、及び
図11Bに例示されるレール266のように環状又は丸形の断面形状を有し得る。アクセスドア154、254のフロントプレート156、256は、筐体102に好適なものとして以上に記載した材料と同様に金属又はプラスチックで作製し得る。いくつかの実施形態では、フロントプレート156、256は、高い熱伝導率を有する材料(例えば、アルミニウム、銅、黄銅、銅含有合金、又はセラミック)で作製し得る。アクセスドア154、254は、金属又はプラスチックで作製し得るとともに、ハンドル172、272を有し得る。培養プレート支持体は、例えばオートクレーブ処理によりクリーニングするためにアクセスドア154、254から取外し可能とし得る。フロントプレート156、256及びアクセスドア154、254はまた、アセンブルしたままか又はディスアセンブリを行うかのいずれかでオートクレーブ処理することによりクリーニングし得る。
【0102】
[000124] アクセスアセンブリ168、268のトラックガイド/レールは、開位置及び閉位置などの1つ以上の離散位置にアクセスアセンブリ168、268を保持するのを支援するために1つ以上のストップ又は係合表面を含み得る。トラックガイド166又はレール266は、筐体支持体160、260に対してアクセスアセンブリ168、268の位置を固定するために筐体支持体160、260のコンプリメンタリ構造に係合するように構成された係合表面を含み得る。アクセスアセンブリ168、268の位置は、アクセスアセンブリ168、268の開位置又は閉位置に対応し得る。いくつかの実施形態では、インキュベータは、アクセスアセンブリ168、268のコンプリメンタリ構造に機械的、電子的、又は磁気的に係合するように構成されたドアスイッチを含み得る。
【0103】
[000125] いくつかの実施形態では、細胞培養プレート114の支持体122は、筐体102の内表面上に取り付けられた又はその一部として作製された1つ以上の内表面又はフィーチャであり得る。例えば、1つ以上の突起を筐体102の側部から内部チャンバ110の方向に延在させて、細胞培養プレート114を内部チャンバ110内に支持することが可能である。他の例では、フロントプレート156、256(
図7に代表例が示される)への装着の反対側に培養プレート支持体122、222の一部に対するレスト支持体146、246、247(
図7、17A、及び17Bに代表例が示される)を提供するために、筐体102の内表面にノッチを設け得る。細胞培養プレート114を筐体102内の支持体122、222上に配置したとき、筐体102の開口(112、212、138、238、及び任意選択的に142)を細胞培養プレート114のウェル120に位置合せされ得る。
【0104】
[000126] インキュベータ100は、ガスが進入するように構成された少なくとも1つ通路150Aを筐体102内に含み得る(
図7~
図8に代表例が示される)。通路は、インキュベータ100内の所望の内部環境を維持するように選択されたパージガス又は他のガスを供給するために使用可能である。いくつかの実施形態では、ガス進入通路150Aは、基体104の壁を貫通して形成し得る。いくつかの実施形態では、ガス進入通路150Aは、筐体102の内部チャンバ110の頂部から少なくとも約2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、11mm、12mm、13mm、14mm、15mm、16mm、17mm、18mm、19mm、又は20mmの位置にあり得る。いくつかの実施形態では、ガス進入通路150Aは、筐体102内に支持されたときの細胞培養プレート114の側部の高さと等価な高さで基体の側部に位置する。ガスは、内部チャンバ110内を正圧に維持するために提供し得る。例えば、内部チャンバ110の圧力は、周囲圧力よりも約0.0005psi~約0.01000psi高く維持可能である。クリーンルームは、典型的には、約0.0072psi以下の正圧を使用する。いくつかの実施形態では、内部チャンバ110の圧力は、周囲圧力よりも約0.0072psi低く維持可能である。いくつかの実施形態では、内部チャンバ110の圧力は、周囲圧力よりも約0.0072psi高く維持可能である。いくつかの場合、ガスの流量は、約10リットル/時、9リットル/時、8リットル/時、7リットル/時、6リットル/時、5リットル/時、4リットル/時、3リットル/時、2リットル/時、又は1リットル/時以下であり得る。流量は、約0.5リットル/時超であり得る。いくつかの実施形態では、流量は、約1リットル/時~約10リットル/時であり得る。
【0105】
[000127] パージガス又は環境ガスは、所望の湿度さらには所望のガス混合物を提供するようにコンディショニングし得る。いくつかの実施形態では、環境ガスは、約50%、60%、70%、75%、80%、85%超、又は約90%超の相対湿度を提供するようにコンディショニングされる。いくつかの実施形態では、ガスは、約70%、75%、80%、85%、90%、又は約95%の相対湿度を提供するようにコンディショニングされる。いくつかの実施形態では、環境ガスは、約1%、2%、3%、4%、又は約5%の二酸化炭素含有率を提供するようにコンディショニングされる。
【0106】
[000128] いくつかの実施形態では、筐体102の内部チャンバ110は、流体リザーバのように流体を保持するように構成されたリザーバを含み得る。インキュベータ100は、筐体102内の流体リザーバを空にするように又は筐体102自体を空にするように構成された少なくとも1つの流体ドレイン通路150Bを筐体102内に含み得る(
図7~8に代表例が示される)。いくつかの場合、流体は、内部チャンバ110に湿度を提供するために使用可能である。いくつかの場合、流体は、内部チャンバ110の温度を制御するために使用可能である。いくつかの実施形態では、流体ドレイン通路150Bは、基体104の側壁を貫通して形成し得る。流体ドレイン通路150Bはシール可能であり得る。
【0107】
[000129] インキュベータ100は、シーリングアクチュエータ144に電力供給するために、筐体102を加熱及び冷却するために、培養プレート支持体122、222を開閉するために、並びに/又は動作の中でも特にPCB132、232のセンサを動作させるために、電気接続部152、252を含み得る(
図14に代表例が示され、
図8に他の代表例が示される)。電気接続部152、252は、基体104の底部側に接触する第1の加熱/冷却デバイス、筐体支持体160、260、筐体102、PCB132、232、シーリングエレメント116、216、又は蓋アセンブリ108の他のコンポーネントに接続し得る。
【0108】
[000130] インキュベータ100は、筐体102を支持するように構成された筐体支持体160、260を含み得る(
図7~8の1つの代表例及び
図14の他の代表例を参照されたい)。支持脚164上の1つ以上のアジャスタブルコネクタは、筐体102に筐体支持体160を接続するように構成可能である。
【0109】
[000131] 本明細書に記載のインキュベータは、筐体内又はインキュベータの他の部分での凝縮の形成を低減するように又は最小限に抑えるように構成可能である。蓋106、206は、蓋の部品上での凝縮の形成を最小限に抑えるとともにさらにオートクレーブ処理又は他のクリーニング方法を用いて容易にクリーニングできるように設計可能である。一例では、蓋106、206の開口112、212に位置合せされる蓋の下側の凹部の一部を発泡セルポリマーで充填可能である。他の例では、凹部の一部は、Parylene(商標)のような疎水性材料などの材料及び/又はKapton(商標)シート若しくはテープで充填可能である。さらに他の例では、凹部の一部は、薄い金属シートを用いてシール可能である。さらに他の例では、テクスチャー側がインキュベータの外部に面するように蓋の構造を反転可能である。他の例では、蓋106、206の内側表面は、シーリングを向上させるために追加のフラット部を含むように造形可能である。いくつかの場合、わずかに高い温度まで、例えば、蓋106、206上での凝縮を低減するために約40℃まで、蓋を加熱するために、PCB132、232を使用可能である。他の場合、蓋106、206を横切る漏れの制御を追加するために、筐体内の正圧を使用可能である。また、チャンネルを設けて蓋106、206上に形成されるいずれの凝縮の排出も制御するように、蓋106、206の内側の輪郭を造形可能である。PCB132、232はまた、凝縮によるPCB132、232の腐食を低減するために又は最小限に抑えるためにコンフォーマルコーティングを含み得る。
【0110】
[000132] 本明細書に記載のインキュベータ100は、
図1~
図17の詳細を調べることによりさらに理解し得る。
図1~
図17は例示的なインキュベータの各種フィーチャを例示するが、図は単に例示を目的としたものにすぎず、本発明を明示された実施形態に何ら限定するものではないことを理解すべきである。インキュベータ100の各エレメントは、本明細書の説明全体を通じて記載されるように変更を加え得る。
【0111】
[000133]
図1A~
図1Bは、それぞれいくつかの実施形態に従ってインキュベータ100の等角図及び分解等角図を例示する。インキュベータ100は筐体102を含み、筐体102は基体104と蓋106とを含む。基体104及び蓋106は、内部チャンバ110を有する筐体102を規定可能である。蓋106は複数の開口112を含む。内部チャンバ110は、細胞培養プレート114を受容するようにサイズ調整される。インキュベータ100は、シーリングエレメントアクチュエータ144とともに例示される複数の開口118を有するシーリングエレメント116を含む。例示された細胞培養プレート114は複数のウェル120を含む。例示された細胞培養プレート114は、96ウェル120の8×12構成を有する。蓋106の開口112、シーリングエレメント116の開口118、及び細胞培養プレート114のウェル120は、位置合せされるように構成可能である。インキュベータ100は、細胞培養プレート114の支持体122を含む。
【0112】
[000134]
図2A~
図2Cは、それぞれいくつかの実施形態に従ってインキュベータ100の蓋106及び蓋アセンブリ108(蓋アセンブリ108はプリント回路基板(PCB)132と任意選択的なスペーサ134とを含む)の上面図を例示する。
図3A~
図3Cは、それぞれ本明細書に記載のインキュベータ100の実施形態で使用可能な蓋106、PCB132、及びスペーサ134の頂部側の分解等角図を例示する。
図2Aは、蓋106の頂部側106Aを示す。蓋106の開口112は、蓋106の厚さを貫通して延在する。蓋106はまた、インキュベータ100の他の部分、例えば、プリント回路基板130のコネクタ136を収容するためにカットアウト126を含む。蓋106は、蓋106を基体104に取外し可能に装着するために使用可能なコネクタ開口128を含む。
図2Bは、プリント回路基板(PCB)132及びコネクタ136の上面図を示す。PCB132は開口138を含む。開口138は、蓋106上の開口112に位置合せされるようにするように構成可能である。カットアウト130Aは、蓋106に位置合せしてPCB132を配置するために使用可能であり、これにより、コネクタは、コネクタ開口128をアライメントして蓋106及びPCB132を基体104に装着する。
図2Cは、スペーサ134の上面図を示す。開口142は、蓋上の開口112さらにはPCB132上の開口138に位置合せされるように構成可能である。スペーサ134のカットアウト130Bは、PCB132を蓋106及びPCB132に位置合せして配置するために使用可能であり、これにより、コネクタは、コネクタ開口128をアライメントして蓋106、PCB132、及びスペーサ134を基体104に装着する。
【0113】
[000135]
図3D~
図3Fは、それぞれ本明細書に記載のインキュベータの実施形態で使用可能な蓋106、シーリングエレメント116、並びにプリント回路基板132及びその関連するコネクタの頂部表面を示す分解等角図を例示する。
図3A~
図3Cとは対照的に、
図3D~
図3Fに例示される構成は、スペーサ134を省略し、かつ蓋106とPCB132との間にシーリングエレメント116を位置決めする。蓋とPCB132との間にシーリングエレメント116を位置決めすることにより、シーリングエレメントが蓋106及びPCB132のそれぞれの間にシールを形成できるため、全体的シールを向上させることが可能である。
【0114】
[000136]
図4A~
図4Bは、蓋106及びPCB132の底部側の分解等角図を例示する。
図4Aでは、蓋106の底部側106Bは、蓋106の外周の一部の近傍に凹部124を含む。PCB132の上側132A(
図3A)は、蓋106の底部側106Bに係合するように構成可能である。例えば、蓋106の凹部124は、PCB132を受容するようにサイズ調整して造形可能である。蓋106及びPCB132が係合する場合、開口112及び138はアライメントし得る。ノッチ126は、蓋106及びPCB132が係合したときにコネクタ136が嵌合可能になるようにサイズ調整し得る。コネクタ開口128は、蓋106を基体102にアライメントするために使用し得る。蓋106の開口112は、蓋106の底部側106Bの開口の周りに隆起リングを有し得る。
【0115】
[000137]
図4Bに示されるように、PCB132の底部側132Bが例示される。蓋106を基体104に装着する際、カットアウト130Bは、蓋106に係合したときにPCB132をアライメントするように使用可能である。コントローラ174(
図18参照)は、PCB132の底部表面132B上に作製されたヒータ140を制御可能である。ヒータ140は、開口138を閉塞しないように、PCB132に係合可能であるか又はPCB132と一体的に形成可能である。PCB132は、以上で考察したように複数のセンサを含み得るとともに、温度センサ、湿度センサ、及び/又は気相センサとの任意の組合せで存在可能である。
【0116】
[000138]
図2A~
図2C、
図3A~
図3F、及び
図4A~
図4Bは、一緒になって、アライメント及び取付け順序に関して並びに蓋及び蓋アセンブリ108のコンポーネントの開口のアライメントに関して蓋とPCB132と任意選択的なスペーサ134との各種関係を示す。
【0117】
[000139]
図5Aは、本明細書に記載のインキュベータの実施形態で使用可能な蓋206を例示する。蓋206は蓋カバー207を含む。蓋206の外表面207は、「引き上げて除去する」などの指示のマーク207aを蓋カバー207上に含む。蓋206はまた、「押して設置する」などの指示215cを圧縮タブ215上に含む。マーク207a及び指示215cは、コンピュータイメージングプログラムにより機械可読になるように着色、エッチング、又は適合が可能である。
【0118】
[000140] 蓋は、蓋の下側に各種突起及び輪郭を含み得る。
図4A及び
図5Bは、異なる蓋構成を例示する。
図5Bは、いくつかの実施形態に従ってインキュベータの蓋206の底部表面の外観を例示する。蓋206は複数の開口212を含む。蓋206は、開口212の群213を実質的に包囲する複数の凹部を含むパターン化表面を含む。シーリングエレメント116、216は、細胞培養プレート114のウェル120へのツールのアクセスを可能にするために、閉位置とさまざまな開位置との間で移動可能である。開口212の群213は、シーリングエレメント116、216が閉位置にあるとき、蓋206とシーリングエレメント116、216との間に形成されるシールを向上させ得る。例えば、シーリングエレメント116、216の開口118、218は、群213の開口212間のスペースにより閉塞可能である。群213の左側の開口212は、開口の第1のサブセットを形成可能であり、一方、群213の右側の開口212は、開口212の第2のサブセットを形成可能である。
【0119】
[000141]
図5C~
図5Eは、いくつかの実施形態に従って各種位置にシーリングエレメントを有するインキュベータの頂部外観を例示する。
図5Cは、蓋206の開口212が閉塞されるように閉位置にあるシーリングエレメント216を例示する。
図5Dは、蓋206の開口212が1つおきの開口列212で開状態になりかつ他の開口列212が閉塞されるように第1の開位置にあるシーリングエレメント216を例示する。
図5Eは、蓋206の開口212aが1つおきの開口列212で開状態になりかつ他の開口列212bが閉塞されるように第2の開位置にあるシーリングエレメント216を例示する。開状態の開口212及び閉塞された開口212は、第1の開位置(
図12B)と第2の開位置(
図12C)との間で逆転する。
図5Eでは、開口212bは開状態でありかつ212aは閉塞される。蓋206はまた、4つの圧縮タブ215を含み、各タブは、ピン215bに係合して蓋をインキュベータに固定するように適合された表面215aを有する。圧縮タブ215の表面215aは、下方に曲がってピン215bに係合し、蓋206を所定の位置に保持する圧力を提供可能である。
【0120】
[000142]
図5F~
図5Gは、いくつかの実施形態に従って各種位置にあるインキュベータのシーリングエレメント216の頂部外観を例示する。
図5Fは、開口218が蓋206(図示せず)の開口212a/212bに位置合せされないように閉位置にあるシーリングエレメント216を示す。
図5Gは、開口218が蓋206(図示せず)の開口の第1のサブセット212に位置合した第1の開位置にあるシーリングエレメント216を示す。例示されたシーリングエレメント216は、6つの開口列218を有する。シーリングエレメント216は、12列の開口列212を有する
図5C~
図5Eに例示される蓋206とともに使用可能である。シーリングエレメント216は、細胞培養プレート120の所望のウェル120へのアクセスに依存して、閉位置と第1の開位置と第2の開位置との間で移動可能である。例示されたシーリングエレメント216は、蓋206とPCB232との間に位置決め可能である。シーリングエレメント216を蓋206とPCB232との間に位置決めすることにより、シーリングエレメント216と蓋206との間にシールを形成可能でありかつシーリングエレメント216とPCB232との間に第2のシールを形成可能であるため、全体的シールを向上させることが可能である。
【0121】
[000143]
図5Hは、いくつかの実施形態に従って開口238を有するプリント回路基板(PCB)232を含むインキュベータの頂部外観を例示する。インキュベータは、PCB232を露出させるために蓋206及びシーリングエレメント216を除去した状態で示される。PCB232は、多層構造を含み得る。例えば、一実施形態では、PCB232は4層の基板を含み得る。銅層などの加熱エレメント又は加熱デバイスは、筐体内の空気中の湿分への暴露から加熱エレメントを保護するためにPCB232の内層であり得る。PCB232を多層構造で使用することにより、より厚いかつそれほど可撓性でないPCB232を得ることが可能である。それほど可撓性でないPCB232により、PCB232とシーリングエレメント216との間に形成されるシールを向上させることが可能である。
【0122】
[000144]
図6A及び
図6Bは、いくつかの実施形態に従ってインキュベータ100の一部の頂部外観を例示する。インキュベータ100の頂部外観は、基体104及びシーリングエレメント116を示す。シーリングエレメント116は、シーリングエレメントの開口118を含む。シーリングエレメント116は、シーリングエレメントアクチュエータ144により移動可能である。内部チャンバ110内には、基体104のフロント側から離れた細胞培養プレート支持体122の末端が支持ノッチ146にレストした状態で見える。培養プレート114はこの外観に存在する。基体104の上内側エッジのノッチ148は、閉位置と1つ以上の開位置との間で作動するようにシーリングエレメント116の移動を可能にする。ノッチ148の他の構成では、1つ以上の開位置への作動を支持可能である。
【0123】
[000145] シーリングエレメント116は、
図6Aでは第1の位置にあり、
図6Bでは第2のリトラクト位置にある。シーリングエレメントアクチュエータ144は、
図6Bでは回転してシーリングエレメント116をリトラクトするように例示される。シーリングエレメント116の移動は、基体104の上内側エッジのノッチ148により促進される。第1の位置及び第2のリトラクト位置は、シーリングエレメント116の開位置及び閉位置に対応し得る。開位置では、インポート/エクスポートチップ(図示せず)を使用することにより開口(112、118)を通り抜けてインキュベータ100の外部からウェル120にアクセスできるように、シーリングエレメント116の開口118は、細胞培養プレート114(
図6Bには記されていない)のウェル120(図示せず)及び蓋の開口112(この図には示されていない)と一列に並ぶ。閉位置では、シーリングエレメント116は、蓋106(この図には示されていない)の開口112をブロックするか又は部分的に覆い隠す。シーリングエレメント116は、蓋106の開口112に対して気密シールを形成する必要はない。例えば、いくつかの場合、シーリングエレメント116は、インキュベータ100の内部チャンバ110からパージガスを流出させ得る。
【0124】
[000146]
図7~
図8は、アクチュエータ144に接続された開口118を有するシーリングエレメント116と、ウェル120を備えた細胞培養プレート114と、それぞれ閉位置及び開位置でアクセスドア154を有する基体104とを示す、インキュベータ100の一部の分解等角図を例示する。
図7及び
図8の基体104の図には、内部チャンバ110と、インキュベータ100が閉位置にあるときに細胞培養プレート支持体122がレストする支持ノッチ146と、が見られる。支持ノッチ146は、筐体102内の基体104の内表面に形成し得る。通路150A及び150Bは、それぞれガス供給及び流体排出のために基体104の側部を貫通して接続される。通路150A及び150Bはシール可能であり得る。ノッチ148は、シーリングエレメント116の移動のために基体104の上内表面に形成される。電気接続部152は、基体104の側部に接続されて示される。細胞培養プレート支持体122及びアクセスドア154は、アクセスアセンブリ168を形成可能である(
図8)。アクセスドア154はハンドル172を有し得る。アクセスアセンブリ168はまた、インキュベータ100の筐体102のフロント部158にシール可能に界接するフロントプレート156を含み得る。アクセスアセンブリ168はまた、細胞培養プレート114の移動を支持するために及び筐体102に対する出し入れを支持するためにアクセストラックガイド166を含み得る。例示されたアクセスアセンブリ168は、アクセスドア154のフロントプレート156上に取り付けられた細胞培養プレート支持体122を有する。基体104に断熱パネル170を装着し得る。
【0125】
[000147] アセンブリ164は、筐体102を支持する筐体支持体160上に取付け可能である。筐体支持体160は、閉位置(
図7)と開位置(
図8及び
図9)との間で筐体102に対してトラックガイド166でアクセスアセンブリ168のスライドを可能にし得るトラック162を含み得る。筐体支持体160はまた、基体104をさらに支持するためにアジャスタブルであり得る脚164を含み得る。
【0126】
[000148]
図9は、開位置のインキュベータ100及びアクセスドア154の上面図を例示する。この例示では、トラック162が基体104のリア側を越えて延在するため、トラック162の範囲が見える。これにより、トラックガイド166は、細胞培養プレート支持体122を完全にスライドさせて閉状態にし、支持ノッチ146内にレストさせ得る。トラック162は、筐体支持体160上に取り付けられる。細胞培養プレート支持体122は、アクセスドア154のフロントプレート156に装着されてアクセスアセンブリ168を形成し、トラックガイド166をさらに含み得る。アクセスドア154はハンドル172を有し得る。アクチュエータ144に装着されたシーリングエレメント116は、基体104上に位置し、作動時にシーリングエレメント116の移動を可能にするノッチ148内に嵌合する。内部チャンバ110内には、細胞培養プレート支持体122が係合されないときの(すなわち、アクセスアセンブリ開状態である)基体104内の支持ノッチ146が示される。作動時にシーリングエレメント116の移動を可能にするノッチ148は、基体104の上内表面に示される。基体104に断熱パネル170を装着し得る。
【0127】
[000149]
図10A~
図10Bは、それぞれいくつかの実施形態に従って細胞培養プレートの支持体222が開位置及び閉位置にあるインキュベータの頂部外観を例示する。
図10Aは、支持体122と異なる形状を有する支持体222を例示する。支持体222は、ハンドル272を掴んでレール266を
図10Bに示される開位置にスライドさせることにより移動可能である。支持体222は、細胞培養プレート114の上にエアスペースが得られるように筐体の底部近傍に位置決め可能である。細胞培養プレート114の上にエアスペースを得ることは、細胞培養プレート114のウェル120の上の適正湿度を維持するうえで及び細胞培養プレート114のウェル120に入れられている培養培地の蒸発を回避するうえで重要であり得る。支持体222は、
図10Bに示されるようにアクセスドアを水平にスライドさせることにより支持体222を移動させるようにアクセスドア254に装着される。支持体222は、アクセスドア254に直接装着又は間接装着し得る。
図10Bは、円柱形のレール266を示す。レール266は、筐体支持体260のコンプリメンタリ形状開口に沿ってスライド可能である。
【0128】
[000150]
図11A~
図11Bは、いくつかの実施形態に従ってインキュベータの細胞培養プレートの支持体122の一部の外観を例示する。支持体122は、アクセスアセンブリ268の一部である。アクセスアセンブリ268は、アクセスドア254内にバイアル又は試験管を保持するように構成された4つの開口269を含む。アクセスアセンブリ268はフロントプレート256を含む。アクセスドア254はハンドル272を有する。例示されたフロントプレート256は、バイアス接続部255を介してアクセスドア254とのフローティング係合を有する。フロントプレート256は、支持体222に直接装着される。バイアス接続部255は、アクセスドア254に対してフロントプレート256をバイアス又はプレスするためにフロントプレート256に装着されたスクリュー及びスクリューのそれぞれを包囲するスプリングとともに例示される。アクセスアセンブリ268が開位置にあるとき、スクリューのヘッドはアクセスドア254のCボアに保持される。アクセスアセンブリ268が閉位置にあるとき、バイアス接続部255は、筐体に対してフロントプレート256を固定する力をフロントプレート256に提供可能である。
【0129】
[000151]
図11Cは、いくつかの実施形態に従ってインキュベータの側部外観を例示する。
図11Cは、ほぼ閉位置のアクセスアセンブリ268を例示する。
図11Cは、筐体に対してフロントプレート256を固定するバイアス接続部255を示す。レール266は、閉位置で筐体支持体260内の可撓性ロッキングピンなどのコンプリメンタリ接続部267に対して固定可能である。
図11Cは、閉位置にクリックする前、筐体に対するフロントプレート256及びコンプリメンタリ接続部267の係合直前のレール266を例示する。バイアス接続部255はまた、アクセスドア268の開閉時及び所定の位置へのロック時に支持体222さらには支持体222により支持された任意のウェルプレートによる急激な運動事象の量を低減可能である。急激な運動を低減することにより、アクセスドア254を閉じたとき、細胞培養プレート114のウェル120内のいずれの流体もスプラッシング及びスロッシングを最小限に抑え得るか又は防止し得る。例示されたインキュベータを閉じるために、フロントプレート256が筐体に係合するまでレールアクセスアセンブリ268を前進させる。次いで、レールが筐体支持体260内のコンプリメンタリ接続部267に対して固定されて閉位置になるように、追加の力を加えてアクセスアセンブリ268及びレール266をさらに移動させることが可能である。バイアス接続部255は、フロントプレート256が筐体に係合して閉位置になった後、アクセスアセンブリ268を前進させる力により引き起こされる細胞培養プレート120の移動を低減又は排除する。
【0130】
[000152] アクセスアセンブリ168、268のレールは、開位置及び閉位置などの1つ以上の離散位置にアクセスアセンブリ168、268を保持するのを支援するために1つ以上のストップ又は係合表面を含み得る。
図12A~
図12Bは、本明細書に開示されたインキュベータの実施形態で使用可能な磁石の外観及びレールの外観を例示する。磁石297と磁石ハウジング299とを有する磁石アセンブリ295が示される。磁石アセンブリ295はレール266内に含まれ得る。磁石アセンブリ295内の磁石297は、筐体支持体260内のコンプリメンタリ磁石に係合して接続を形成することにより、アクセスアセンブリ268の開位置又は閉位置などの所定の設計位置にレール266を保持することが可能である。いくつかの実施形態では、磁石297はドアスイッチ273に係合可能である(
図16)。
図13は、本明細書に記載のインキュベータの実施形態で使用可能なレール266の実施形態を例示する。
図13は、筐体支持体260内の可撓性ロッキングピンなどのコンプリメンタリ接続部267に界接するように設計されたフラット表面266aを有するレール266を示す。ロッキングピンは、アクセスアセンブリ268を開位置又は閉位置を保持するのを支援する。
【0131】
[000153]
図14は、いくつかの実施形態に従って筐体支持体260を含むインキュベータの一部の分解外観を例示する。例示された筐体支持体260は伝熱素子261を含む。伝熱素子261は、筐体の底部に熱を提供可能である。伝熱素子は、循環加熱/冷却流体、抵抗ヒータ、又は他の加熱/冷却デバイスに接触可能である。例示された筐体支持体260はガスケット材料263を含む。ガスケット材料263は、凝縮を防止したり又は液体が筐体支持体に落下して電子部品のいずれかと筐体支持体260とが接触するのを防止したりすることが可能である。筐体支持体は、所望の通路に沿って凝縮物及び他の液体をチャネル輸送して凝縮物と電子部品との接触を回避したり最小限に抑えたりするために、ドリップトレイ又は他のドレインを任意選択的に含み得る。筐体支持体は、インキュベータ内の伝熱素子261及び他の電子部品に接続し得る電気接続部252を有する。
【0132】
[000154]
図15は、いくつかの実施形態に従ってインキュベータの外部を例示する。筐体支持体260は、アクセスアセンブリ268が閉位置と開位置との間で筐体に対してレール266上をスライドできるようにするトラック262を含み得る。筐体支持体260は、熱交換流体の入口265a及び出口265bを含む。筐体支持体260は、異なる電気接続ポート271a、271b、及び271cを含む。例えば、電気接続ポート271aはイーサーネットポートとして例示される。電気接続ポート271a、271b、及び271cは、インキュベータのソフトウェア/ファームウェアの制御、モニタ、及び更新を行うために使用可能である。
【0133】
[000155]
図16は、いくつかの実施形態に従ってインキュベータの側部外観を例示する。筐体支持体260及びアクセスアセンブリ268が閉位置で例示される。筐体支持体260は、アクセスアセンブリ268が閉位置にあるときにレール268の一部に機械的、電気的、又は磁気的に係合可能なドアスイッチ273を含む。ドアスイッチ273は、アクセスアセンブリ268が閉位置にある時を認識して、その情報をインキュベータに実装されたプロセッサーに送信可能である。
【0134】
[000156]
図17A~
図17Bは、それぞれいくつかの実施形態に従って細胞培養プレートの支持体222が開位置及び閉位置にあるインキュベータの等角外観を例示する。例示された支持体222は、細胞培養プレート114のエッジに係合するように構成された先端リップ223を含む。先端リップ223は、支持体222が閉位置にあるときにレスト支持体246により支持可能である。支持体222の先端リップ223はまた、開位置で支持体の振動及び運動を防止する場合、
図23Aに示されるように筐体の一部247にレスト可能である。
【0135】
[000157]
図1、
図3、及び
図6~
図9では、図は、96開口118、218を有するシーリングエレメント116、216を細胞培養プレート114の96ウェル120に位置合せされるように移動させ得ることを示すが、他の構成も想定される。いくつかの実施形態では、細胞培養プレート114上のウェル120の96ウェル未満に位置合せされるように移動させ得る、96開口を有し得る開口118、218の第1のセットと開口118、218の第2のセットとが存在し得る。限定されるものではないが、例として、第2のセットは、96ウェル120の1/2に位置合せされるように移動させ得るか、又は96ウェル120の24ウェルに位置合せされるように移動させ得る。いくつかの実施形態では、細胞培養プレート114の全96ウェル120よりも少ないウェルに位置合せされるように移動させ得るシーリングエレメント116、216の開口118、218の第3のセットがさらに存在し得る。限定されるものではないが、例として、開口118、218の第3のセットは、ウェル120の1/2に位置合せされるように移動させ得る48開口であり得るか、又はウェル120の1/4に位置合せされるように移動させ得る24開口であり得る。開口118、218の第3のセットは、開口118、218の第2のセットの使用によりアクセスし得るウェル120と異なるウェル120に位置合せされるように移動させ得る。開口118、218の第2及び第3のセットが異なるウェル120へのアクセスを提供する場合、ウェル120は、細胞培養プレート114の異なる1/2若しくは側に位置し得るか、物理的に位置が交互であり得るか、又は他の所定のパターンに従って位置し得る。
【0136】
[000158] 他の実施形態では、開口118、218の第1のセットは、細胞培養プレート114の全96ウェル120よりも少ないウェルに位置合せされるように移動させ得る。限定されるものではないが例としては、開口118、218の第1のセットを細胞培養プレート114のウェル120の1/2又は1/4に位置合せされるように移動させ得る場合が挙げられる。シーリングエレメント116、216は、細胞培養プレート114のウェル120の96未満に位置合せされるように移動させ得る開口118、218の第2のセットをさらに有し得る。限定されるものではないが、例として、第2のセットは、96ウェル120の1/2に位置合せされるように移動させ得るか、又は96ウェル120の24ウェルに位置合せされるように移動させ得る。いくつかの実施形態では、細胞培養プレート114の全96ウェル120よりも少ないウェルに位置合せされるように移動させ得るシーリングエレメント116、216の開口118、218の第3のセットがさらに存在し得る。限定されるものではないが、例として、開口118、218の第3のセットは、ウェル120の1/2に位置合せされるように移動させ得る48開口であり得るか、又はウェル120の1/4に位置合せされるように移動させ得る24開口であり得る。開口118、218の第1、第2、又は第3のセットは、開口118、218の他の2つのセットのいずれかの使用によりアクセスし得るウェル120と異なるウェル120に位置合せされるように移動させ得るか、又はウェル120のオーバーラップ位置にアクセスし得る。ウェル120は、細胞培養プレート114の異なる1/2若しくは側に位置し得るか、物理的に位置が交互であり得るか、又は他の所定のパターンに従って位置し得る。
【0137】
[000159]
図1及び
図7~
図9は96ウェル120を有する細胞培養プレート114を例示するが、蓋106、206、シーリングエレメント116、216、PCB132、232、スペーサ134、及びそれらのそれぞれの開口(112、212、138、238、及び任意選択的に142)は、異なって割り当てられた細胞培養プレート114及び/又はそれらに含まれるウェル120の数が異なる細胞培養プレート114を収容可能であることも想定される。いくつかの実施形態では、細胞培養プレート114に384ウェルが存在し得る。384ウェル120が存在する場合、PCB132、232及び任意選択的なスペーサ134を含む蓋106、206及び蓋アセンブリ108コンポーネントは、384開口又はそのいくつかサブセットを有し得る。細胞培養プレート114が384開口を有する場合、シーリングエレメント116、216は、ウェル120に位置合せされるように移動させ得る384開口118、218を有し得るか、又はウェル120に位置合せされるように移動させ得るより少ない開口118、218を有し得る。シーリングエレメント116、216は、96細胞培養プレート114構成に対して以上に記載したのと同様に構成し得る開口118、218の追加のセットを有し得るとともに、任意の類似の組合せで構成し得る。細胞培養プレート114はまた、12又は6又はそれよりも少ないウェル120を有するように構成し得るとともに、蓋106、206、シーリングエレメント116、216、PCB132、232、任意選択的なスペーサ134、及びそれらのそれぞれの開口(112、212、138、138、及び任意選択的に142)は、このより少数のウェル120及び/又はそのサブセットへのアクセスを提供するように構成し得る。
【0138】
[000160] 以上に記載のインキュベータ100はいずれも、開口112、212、138、238、及び/若しくは142のサイズの任意の好適な組合せ、並びに/又は追加のコンポーネントのいずれか、例えば、任意の組合せで、断熱材、センサ、1つ以上のコントローラ174(
図18参照)、電気接続部152、252、加熱及び冷却デバイス、ガスの入口、並びに流体排出の入口を有し得る。1つ以上のコントローラ174は、シーリングエレメント116、216、温度、相対湿度、及び/又は内部チャンバ110のガス環境、及び/又はアクセスアセンブリ168、268を制御し得る。
【0139】
[000161] いくつかの実施形態では、インキュベータ100は、複数のウェル120を含む細胞培養プレート114を支持するように構成された内部チャンバ110を有する筐体102を含み、筐体102は、蓋106、206の開口112及び関連する蓋アセンブリ108の開口(138、238、及び任意選択的に142)により提供される複数の開口を有する。筐体の開口(112、212、138、238、及び任意選択的に142)は、細胞培養プレート114のウェル120へのアクセスを可能にするように構成され、かつシーリングエレメント116、216は、筐体102の複数の開口をシールするように構成され、シーリングエレメント116、216は、筐体の複数の開口の少なくともサブセットに対応する第1の複数の開口118、218を含む。筐体102は、基体104と蓋106とを含み得るとともに、基体104及び蓋106は、内部チャンバを規定する。いくつかの実施形態では、内部チャンバ110は約200cm3~約750cm3の体積を有する。他の実施形態では、内部チャンバ110は約400cm3~約1,000cm3の体積を有する。基体104は、高い熱伝導率及び低い熱容量を有する剛性材料から形成し得る。蓋106は断熱プラスチックから形成し得る。インキュベータ100はプリント回路基板(PCB)132、232を含み得る。PCB132、232は、シーリングエレメント116、216と筐体の頂部の内表面との間に位置し得る。PCB132、232は、筐体を貫通する複数の開口に位置合せされる複数の開口138、238を含み得る。PCB132、232は、温度センサ、湿度センサ、酸素センサ、及び二酸化炭素センサからなる群から選択し得る1つ以上のセンサを含み得る。インキュベータ100はスペーサ134を含み得るとともに、スペーサ134は、PCB132、232とシーリングエレメント116との間に位置する。スペーサ134は、筐体を貫通する複数の開口及びPCBの複数の開口138、238に位置合せされる複数の開口142を含み得る。スペーサ134は、シーリングエレメント116に係合するように構成し得る。いくつかの実施形態では、インキュベータ100はスペーサ134を有しない。インキュベータ100のシーリングエレメント116、216は、シーリングエレメント116、216が筐体の複数の開口のそれぞれを閉塞する閉位置と、シーリングエレメント116、216の第1の複数の開口142が少なくとも筐体102の複数の開口のサブセットに位置合せされる第1の開位置との間で移動可能であり得る。シーリングエレメント116、216の第1の複数の開口138、238は、筐体102の開口と同数であり得る。いくつかの実施形態では、シーリングエレメント116は第1の複数の開口138のみを有する。いくつかの実施形態では、筐体102及びシーリングエレメント116、216は、96開口138を有する。他の実施形態では、筐体102及びシーリングエレメント116、216は、384開口を有する。シーリングエレメント116、216は、第2の複数の開口138、238をさらに含み得るとともに、第2の複数の開口138、238は、第1の複数の開口138、238と異なる。シーリングエレメント116、216の第2の複数の開口138、238の開口138、238の数は、筐体102の開口数の1/2、1/3、又は1/4であり得る。筐体の複数の開口の各開口は、約1mm~約10mm又は約1mm~約5mmの直径を有し得る。シーリングエレメント116、216の複数の開口138、238の各開口は、約1mm~約10mm又は約1mm~約5mmの直径を有し得る。インキュベータ100は、筐体に係合された第1の加熱/冷却デバイスを含み得るとともに、第1の加熱/冷却デバイスは、インキュベータに装着された温度コントローラにより制御される。第1の加熱/冷却デバイスは、抵抗ヒータ、熱交換流体を循環させるように構成された流体コイル、及び1つ以上のペルチェデバイスからなる群から選択し得る。第1の加熱/冷却デバイスは、筐体の底部の外表面に直接接触し得る。第1の加熱/冷却デバイスは、流体コイルを含み得る。インキュベータは、筐体内に位置し得る第2の加熱/冷却デバイスを含み得る。第2の加熱/冷却デバイスは、筐体の頂部に係合し得るとともに、インキュベータに装着された温度コントローラにより制御し得る。第2の加熱/冷却デバイスは、PCB132の一部である抵抗加熱素子140であり得るとともに、筐体の内部チャンバに面するPCB132の側部上に位置する。第2の加熱/冷却デバイスは、筐体の複数の開口に位置合せされる複数の開口を含み得る。インキュベータ100は、第1及び/又は第2の加熱/冷却デバイスを制御することにより内部チャンバの温度を所望の範囲内に維持するように構成された温度コントローラであり得るコントローラ174を含み得る。コントローラ174はまた、シーリングエレメント116、216、内部チャンバの相対湿度、ガス環境、及び/又はアクセスアセンブリ168を制御し得る。インキュベータ100は、細胞培養プレート114の支持体122、222を含み得る。支持体122、222は、筐体102内の位置から筐体102の内部チャンバ110外の位置に筐体102に対してスライド可能に移動するように構成し得る。インキュベータ100は、細胞培養プレート114の支持体122、222に装着されたアクセスドア154、254をさらに含み得る。支持体122、222及びアクセスドア154、254は、筐体の一部にシール可能に界接するフロントプレート156、256を含めてアクセスアセンブリ168、268を形成し得る。アクセスアセンブリ168、268は、筐体102を支持する筐体支持体160、260上に移動可能に取り付け得る。インキュベータ102は、ガスに対して構成された筐体の少なくとも1つの通路150Aをさらに含み得るとともに、少なくとも1つ通路150Aは、細胞培養プレート114の側部と基体の底部から同一の高さで基体104の壁に位置し得る。
【0140】
[000162] 方法。方法も、本明細書に開示されたインキュベータ100を使用するために提供される。本方法は、複数の開口118、218を有するシーリングエレメント116、216を、シーリングエレメント116、216の複数の開口118、218が筐体102の複数の開口(112、212、138、238、及び任意選択的に142)の第1のサブセットの開口に位置合せされる開位置に移動させることを含み得るとともに、これは蓋106、206及び関連する蓋アセンブリ108により提供される。シーリングエレメント116、216の複数の開口118、218及び筐体102の複数の開口(112、212、138、238、及び任意選択的に142)の第1のサブセットの開口は、インキュベータ100の外部から筐体102の内部チャンバ110への第1の複数の通路を提供する。インポート/エクスポートチップは、インキュベータ100の外部と筐体102の内部チャンバ110との間の第1の複数の通路の1つ以上を介して前進可能である。本方法は、インポート/エクスポートチップを介して筐体102の内部チャンバ110内で物質を捕集又は堆積することを含み得る。開口の第1のサブセットは、筐体の複数の開口の全開口又は全開口未満(例えば、1/2、1/3、1/4、又はそれを下回る)を含み得る。
【0141】
[000163] 筐体102の内部チャンバ110内の細胞培養プレート114のウェル120から捕集し得る、そこから抜き出し得る、又はそこに堆積し得る物質としては、マイクロ物体(1種以上の生物学的マイクロ物体をさらに含み得る)、タンパク質、核酸、脂質、又は生物学的マイクロ物体内に見いだされる若しくはそれにより分泌される他の細胞成分、限定されるものではないが培養培地などの流体、限定されるものではないがジメチルスルホキシド若しくはエチルアルコールなどの溶媒、界面活性剤、アッセイ試薬、又は透過化試薬、標識試薬、融合試薬などの試薬、及び培養又は試薬と抜き出された若しくは堆積された物質の成分との反応に由来する老廃物が挙げられ得る。種々の実施形態では、物質は、培養プレート114のウェル120内で維持又は拡大し得る少なくとも1種の生体細胞を含有し得る。他の実施形態では、物質は、存在細胞を有していなくてもよく、規定の温度及び/又は湿度の条件下で保持するのに好適であり得る誘導タンパク質、核酸、脂質、又は以上に記載の他の細胞成分を含有し得る。さらに他の実施形態では、ウェルに堆積される物質は、生物学的マイクロ物体又は生物学的マイクロ物体内に見いだされる若しくはそれにより分泌される他の細胞成分をアッセイ、固定、トランスフェクト、又は安定化する1種以上の試薬であり得る。さらに他の実施形態では、ウェル120に堆積される又はそこから抜き出される物質としては、ビーズなどのマイクロ物体が挙げられ得る。ビーズは、タンパク質、糖、及び/又は標識を含み得る(標識は、比色法、蛍光法、又は発光法で検出し得る)。いくつかの実施形態では、物質は、以上に記載の2つ以上のタイプの物質を含み得る。
【0142】
[000164] 物質を捕集又は堆積することは、筐体102の内部チャンバ110内の細胞培養プレート114のウェル120内で物質を捕集又は堆積することを含む。いくつかの実施形態では、物質を捕集又は堆積することは、インポート/エクスポートチップを用いて行い得る。いくつかの実施形態では、インポート/エクスポートチップ、複数のチップを含み得る。いくつかの実施形態では、インポート/エクスポートチップの複数のチップは、インキュベータ100内の細胞培養プレート114の複数のウェル120で物質を同時に捕集又は堆積することが可能である。インポート/エクスポートチップは、物質を捕集又は堆積した後、インキュベータ100の外部と筐体102の内部チャンバ110との間の1つ以上通路を介して抜き出すことが可能である。物質を捕集又は堆積することは、ロボットにより行うことが可能である。種々の実施形態では、インポート/エクスポートチップは、約0.01μl、0.02μl、0.05μl、0.1μl、0.2μl、0.5μl、1μl、2μl、3μl、4μl、5μl、6μl、7μl、8μl、9μl、10μl、11μl、12μl、15μl、17μl、20μl、22μl、24μl、25μl、27μl、29μl、30μl/sec、又は上記の値の2つにより定義される任意の範囲の速度で物質の抜出し/堆積を行い得る。
【0143】
[000165] ウェル120内で物質を捕集又は堆積することと組み合わせて細胞培養プレート114のウェル120の内容物を撹拌する方法も提供される。いくつかの実施形態では、ミキシングチップは、インキュベータ100の外部と筐体102の内部チャンバ110との間の通路の1つ以上を介して挿入される。通路は、シーリングエレメント116、216の開口118、218をインキュベータ100の筐体102の開口(112、212、138、238、及び任意選択的に142)に位置合せすることにより形成される。ミキシングチップは、注入流体(例えば、培養培地)、注入ガスなどの回転、振動、又は他の運動を行うことにより、ウェル120内に存在する流体内にアジテーションを提供し得る。アジテーションは、ウェル内に存在する物質のより均一なサンプルを提供し得るか、あるいは物質を添加する前に、又は同一若しくは異なるタイプの物質(例えば、異なるタイプの生物学的マイクロ物体又は結合された標識若しくは試薬を有するビーズなどのマイクロ物体)又は望まれ得る他の化学成分のいずれかを含有する他の組成物を添加する前に、ウェル内の液体媒体のより均一な組成物を提供し得る。いくつかの実施形態では、インポート/エクスポートチップ(図示せず)により物質をウェル120に添加する前又はウェル120から抜き出す前、ミキシングチップによりウェル120から流体のアリコートを抜き出してそれを再注入してウェル120の内容物を混合し得る。いくつかの実施形態では、ミキシングチップにより約10μl~約50μlの流体をウェルから抜き出して、約1μl、2μl、3μl、4μl、5μl、6μl、7μl、8μl、9μl、10μl、11μl、12μl、15μl、17μl、20μl、22μl、24μl、25μl、27μl、29μl、又は約30μl/secの速度でそれをウェルに再注入し得る。いくつかの実施形態では、ウェル120から抜き出す前又はそこに堆積する前、ミキシングチップにより約10μl、11μl、12μl、13μl、14μl、15μl、16μl、17μl、18μl、19μl、20μl、21μl、22μl、23μl、24μl、25μl、26μl、27μl、28μl、29μl、30μl、35μl、40μl、45μl、又は約50μlの流体を抜き出してウェルの内容物を混合する。
【0144】
[000166] 本方法はまた、インポート/エクスポートチップ及び/又はミキシングチップの各使用前及び/又は後、クリーニング工程を提供する。クリーニング工程は、ティシュー若しくはクロスによる手動ワイピング、チップ上への水/漂白剤のフラッシング、水/漂白剤のディッピング、超音波クリーニング、又はオゾン水中へのディッピングを含み得る。
【0145】
[000167] シーリングエレメント116、216は、シーリングエレメント116、216が筐体102の複数の開口(112、212、138、238、及び任意選択的に142)を閉塞する閉位置に移動させることが可能である。開位置と閉位置との間でシーリングエレメント116、216を移動させることは、筐体102に対してシーリングエレメント116、216をスライドさせることを含み得る。シーリングエレメント116、216は、シーリングエレメントアクチュエータ144を作動させることにより開位置と閉位置との間で移動させることが可能である。例えば、モータ又はロータリソレノイドを用いて、シーリングエレメントアクチュエータ144を作動させること可能である。シーリングエレメント116,216は、内部チャンバ110内に存在する二酸化炭素含有率及び/又は空気の湿度がインキュベータ100の周りの二酸化炭素含有率及び/又は空気の湿度と平衡化するのを防止するように十分に短い時間にわたり開位置にあり得る。
【0146】
[000168] 閉位置と複数の開位置との間でシーリングエレメント116、216を移動させる方法も提供される。本方法は、シーリングエレメント116、216を、シーリングエレメント116、216の第1の複数の開口118、218が筐体102の複数の開口(112、212、138、238、及び任意選択的に142)の第1のサブセットに位置合せされる第1の開位置に移動させることを含み得る。いくつかの実施形態では、シーリングエレメント116、216の複数の開口118、218の数は、細胞培養プレート114の複数のウェル120の数と同一であり得る。いくつかの実施形態では、シーリングエレメント116、216の第1の複数の開口118、218の開口118、216の数は、細胞培養プレート114の複数のウェル120の数の1/2、1/3、1/4、1/6、又は1/12以下である。
【0147】
[000169] 本方法は、シーリングエレメント116、216を、シーリングエレメント116、216の第2の複数の開口118、218が筐体102の複数の開口(112、212、138、238、及び任意選択的に142)の第2のサブセットに位置合せされ、かつ筐体102の複数の開口(112、212、138、238、及び任意選択的に142)のすべての他の開口が閉塞される第2の開位置に移動させることを含み得る。シーリングエレメント116、216の第2の複数の開口118、218及び筐体102の複数の開口(112、212、138、238、及び任意選択的に142)の第2のサブセットは、インキュベータ100の外部から内部チャンバ110への第2の複数の通路を提供する。種々の実施形態では、シーリングエレメント116、216の第2の複数の開口118、218の開口118、218の数は、細胞培養プレート114の複数のウェル120の数の1/2、1/3、1/4、1/6、又は1/12以下である。
【0148】
[000170] 本方法はまた、シーリングエレメント116、216を、シーリングエレメント116、216の第3の複数の開口118、218が筐体102の複数の開口(112、212、138、238、及び任意選択的に142)の第3のサブセットに位置合せされ、かつ筐体102の複数の開口(112、212、138、238、及び任意選択的に142)のすべての他の開口が閉塞される第3の開位置に移動させることを含み得る。シーリングエレメント116、216の第3の複数の開口118、218及び筐体102の複数の開口(112、212、138、238、及び任意選択的に142)の第3のサブセットは、インキュベータ100の外部から内部チャンバ110への第3の複数の通路を提供する。いくつかの実施形態では、シーリングエレメント116、216の第3の複数の開口118、218の開口数は、細胞培養プレート114の複数のウェル120の数の1/2、1/3、1/4、1/6、又は1/12以下である。本方法の種々の実施形態では、シーリングエレメント116、216の第1の複数の開口118、218、シーリングエレメント116、216の第2の複数の開口118、218、及びシーリングエレメント116、216の第3の複数の開口118、218は、存在する場合、非オーバーラップである。いくつかの実施形態では、シーリングエレメント116、216の第1の複数の開口118、218、シーリングエレメント116、216の第2の複数の開口118、218、及びシーリングエレメント116、216の第3の複数の開口118、218は、存在する場合、筐体102の開口(112、212、138、238、及び任意選択的に142)に位置合せされるとき、細胞培養プレート114の異なる部分のウェル120へのアクセスを提供する。いくつかの実施形態では、アクチュエータ144は、シーリングエレメント116、216を閉位置から第1の開位置に及び閉位置から第2の開位置に移動させ得る。いくつかの実施形態では、アクチュエータ144は、シーリングエレメント116、216を閉位置から開位置にさらに移動させ得る。他の実施形態では、アクチュエータ144は、シーリングエレメント116、216を閉位置から第1の開位置、第2の開位置、及び/又は存在する場合には第3の開位置のいずれかに移動させ得る。
【0149】
[000171] 本方法はまた、筐体102の内部チャンバ110の温度、湿度、及び二酸化炭素含有率の1つ以上を測定することと、筐体102の内部チャンバ110の温度、湿度、及び二酸化炭素含有率の1つ以上を制御することとを含み得る。温度を制御することは、筐体102の内部チャンバ110を加熱又は冷却することを含み得る。湿度を制御することは、筐体102の内部チャンバ110に湿度源を提供することを含み得る。二酸化炭素含有率を制御することは、筐体102の内部チャンバ110に二酸化炭素源を提供することを含み得る。
【0150】
[000172] いくつかの実施形態では、インキュベータ100の内部チャンバ110の圧力は、シーリングエレメント116が閉位置にある間、所望の範囲に維持することが可能である。シーリングエレメント116は、閉位置にあるとき、筐体102の内部チャンバ110内の圧力を周囲圧力よりも約0.0005psi~約0.0100psi高く又は本明細書に開示される圧力範囲のいずれかに維持することが可能である。例えば、内部チャンバ110の圧力は、周囲圧力よりも約0.0005psi~約0.01000psi高く維持可能である。いくつかの実施形態では、内部チャンバ110の圧力は、約0.0005psi、0.0010psi、0.0015psi、0.0020psi、0.0025psi、0.0030psi、0.0035psi、0.0040psi、0.0045psi、0.0050psi、0.0055psi、0.0060psi、0.0065psi、0.0070psi、0.0075psi、0.0080psi、0.0085psi、0.0090psi、0.0095psi、又は約0.0010psiに維持し得る。クリーンルームは、典型的には、約0.0072psi以下の正圧を使用する。いくつかの実施形態では、内部チャンバ110の圧力は、周囲圧力よりも約0.0072psi低く維持可能である。いくつかの実施形態では、内部チャンバ110の圧力は、周囲圧力よりも約0.0072psi高く維持可能である。
【0151】
[000173] いくつかの実施形態では、圧力を維持するためにパージガスを提供することが可能である。本方法は、筐体102の内部チャンバ110にパージガスを提供することにより、シーリングエレメント116、216が閉位置にありかつ細胞培養プレート114の支持体122、222が筐体102の内部チャンバ110内に位置決めされたとき、筐体102の内部チャンバ110内の圧力を周囲圧力よりも約0.0005psi~約0.0100psi高く維持することを含み得る。パージガスは、二酸化炭素、酸素、窒素、及び貴ガスの1つ以上を含み得る。いくつかの実施形態では、パージガスは、約5%体積の二酸化炭素を含み得る。
【0152】
[000174] いくつかの実施形態では、開口を通るパージガスの所望の流量が達成されるようにパージガスを用いて圧力を維持することが可能である。いくつかの場合、流量は、約10リットル/時、9リットル/時、8リットル/時、7リットル/時、6リットル/時、5リットル/時、4リットル/時、3リットル/時、2リットル/時、1リットル/時以下、又は上記の値の2つにより定義される任意の範囲であり得る。流量は、約0.5リットル/時超であり得る。いくつかの実施形態では、流量は、約1リットル/時~約10リットル/時であり得る。
【0153】
[000175] いくつかの実施形態では、シーリングエレメント116、216が開位置にあるとき、内部チャンバ110内を正圧に維持することが可能である。例えば、シーリングエレメント116、216が開位置にあるとき、パージガスを提供して汚染の可能性を減少させることが可能である。
【0154】
[000176] 細胞培養プレート114は、支持体をスライドさせて筐体102の内部チャンバ110から筐体102の内部チャンバ110外の位置に支持体を抜き出すことにより、続いて、支持体が筐体102の内部チャンバ110外の位置にある間、支持体上に細胞培養プレート114を配置することにより、インキュベータ100に提供することが可能である。細胞培養プレート114を配置することは、人間のオペレータ又はロボットツールにより行うことが可能である。細胞培養プレート114を支持体122、222上に配置した後、支持体122、222を筐体102の内部チャンバ110内の位置にスライドさせることにより、細胞培養プレートを筐体102の内部チャンバ110内に移動させることが可能である。支持体122、222をスライドさせることは、細胞培養プレート114の支持体に装着されたアクセスドア154、254をスライドさせることを含み得る。支持体122、222をスライドさせることは、インキュベータ100の筐体支持体160、260上の1つ以上のトラック162、262に沿って支持体をスライドさせることを含み得る。支持体122、222をスライドさせることは、人間のオペレータ又はロボットツールにより行うことが可能である。細胞培養プレート114を筐体102内に装填した後、細胞培養プレート114により支持された物質を支持する筐体102の内部チャンバ110内の環境を確立することが可能である。
【0155】
[000177] 以上に記載の装填工程と同様に細胞培養プレート114を細胞培養プレート114の支持体から取り出すことが可能である。細胞培養プレート114の支持体122、222は、支持体122、222を筐体102の内部チャンバ110から筐体102の内部チャンバ110外の位置にスライドさせることによりアクセス可能であり、それにより、筐体102の内部チャンバ110から細胞培養プレート114を抜き出すことが可能である。支持体122、222をスライドさせることは、支持体122、222に装着されたアクセスドア154、254をスライドさせることにより行うことが可能である。いくつかの実施形態では、支持体122、222をスライドさせることは、人間のオペレータにより行うことが可能である。いくつかの実施形態では、支持体122、222をスライドさせることは、ロボットにより、例えばロボットツールにより行うことが可能である。細胞培養プレート114をインキュベータ100の内部チャンバ110外に配置した後、細胞培養プレート114を支持体から取り出すことが可能である。取出しは、人間のオペレータ又はロボットツールにより行うことが可能である。
【0156】
[000178] 種々の実施形態では、物質を含有する1つ以上のサンプルをウェルプレートインキュベータ100に入れられている細胞培養プレート114の1つ以上のウェル120に送達する方法が提供される。この場合、サンプルは、マクロスケール細胞培養装置、マイクロ流体デバイス、及び/又は分析機器から得られたものであり得る。いくつかの実施形態では、物質は、維持及び/又は拡大が可能な生物学的マイクロ物体を含み得る。生物学的マイクロ物体を含有するサンプルは、生物学的マイクロ物体がこの生物学的マイクロ物体と異なり得る他の生物学的マイクロ物体から単離されるように提供し得るか、又はマクロスケール細胞培養装置、マイクロ流体デバイス、及び/若しくは分析機器に存在する生物学的マイクロ物体の所望のセットの単一代表物であるように単純に選択し得る。いくつかの実施形態では、物質内の送達される単一生物学的マイクロ物体は、連続アクセス細胞培養インキュベータ内でクローン集団を形成するように拡大し得る。いくつかの実施形態では、マクロスケール細胞培養装置から得られるサンプルは、すでに選別されたものであることもそうでないこともある生物学的マイクロ物体を有するサンプルを提供し得る。限定されるものではないがいくつかの代表例では、サンプルが得られるマイクロ流体デバイス及び/又は分析機器は、生物学的マイクロ物体を選別し得るか、解離された生物学的マイクロ物体を提供し得るか、又は細胞培養プレートに送達される生物学的マイクロ物体に化学的処理又は他の処理を施し得る。
【0157】
[000179] 物質は、すでに媒体又は他の試薬を含有する細胞培養プレート114のウェル120に送達し得る。いくつかの実施形態では、連続アクセスインキュベータ100の細胞培養プレート114は、そのウェルに送達された細胞に処理を施すための試薬を含有し得る。例えば、溶解試薬が存在し得るか、又は流動媒体が存在し得る。こうして、凍結、溶解、透過化などのさらなる処理に供すために細胞が準備されるであろう。
【0158】
[000180] 他の実施形態では、連続アクセスインキュベータ内の細胞培養プレートのウェルから抜き出された生物学的マイクロ物体を含有するサンプルを、マクロスケール細胞培養装置、マイクロ流体デバイス(ナノ流体デバイスであり得る)、分析機器、又は貯蔵装置に送達する方法が提供される。生物学的マイクロ物体は、マクロスケール細胞培養装置、マイクロ流体デバイス、又は分析機器に送達するために抜き出される前、所定の時間にわたり培養したもの(すなわち、好適な条件下で成長させたもの)であり得る。他の実施形態では、限定されるものではないが2つの例を挙げると、生物学的マイクロ物体は、生物学的マイクロ物体中に存在する細胞を透過化させるために連続アクセスインキュベータ中の存在する間に処理し得るか、又はマイクロ流体デバイス若しくは分析機器でさらに分析するために溶解し得る。いくつかの実施形態では、生物学的マイクロ物体は、分析又は貯蔵のために安定化処理を施し得る。限定されるものではないが一例としては、凍結及び長期貯蔵のための安定化に好適な媒体を用いて生物学的マイクロ物体を処理することが挙げられる。
【0159】
[000181] いくつかの実施形態では、インキュベータ100の内部チャンバ110にアクセスする方法が提供される。インキュベータ100は、複数の開口を有する筐体102と、2つ以上の複数の開口118、218を有するシーリングエレメント116、216とを含み得る。シーリングエレメント116、216の各複数の開口118、218は、筐体102の複数の開口の少なくともサブセットに対応し得る。本方法は、シーリングエレメント116、216を第1の開位置に移動させることにより、シーリングエレメント116、216の第1の複数の開口118、218を筐体102の複数の開口の第1のサブセットに位置合せすることを含み得る。シーリングエレメント116、216の第1の複数の開口118、218及び筐体の複数の開口の第1のサブセットの開口は、インキュベータ100の外部から筐体102の内部チャンバ110への第1の複数の通路を提供する。本方法は、インキュベータ100の外部と筐体102の内部チャンバ110との間の第1の複数の通路の1つ以上を介してインポート/エクスポートチップを前進させることを含み得る。本方法は、インポート/エクスポートチップを用いて筐体102の内部チャンバ110内で物質を捕集又は堆積することを含み得る。本方法は、シーリングエレメント116、216を閉位置に移動させることにより筐体102の複数の開口のそれぞれを閉塞することをさらに含み得る。
【0160】
[000182] シーリングエレメント116、216が開位置にあるとき、シーリングエレメント116、216の第1の複数の開口118、218は、細胞培養プレート114の複数のウェル120の第1のサブセットに位置合せされるように構成可能である。いくつかの実施形態では、シーリングエレメント116、216の複数の開口118、218の数は、細胞培養プレート114の複数のウェル120の数と同一であり得る。いくつかの実施形態では、シーリングエレメント116、216の第3の複数の開口118、218の数は、細胞培養プレート114の複数のウェル120の数の1/2、1/3、1/4、1/6、又は1/12以下である。
【0161】
[000183] 本方法は、シーリングエレメント116、216を第2の開位置に移動させることにより、シーリングエレメント116、216の第2の複数の開口118、218を筐体102の複数の開口の第2のサブセットに位置合せすることをさらに含み得る。シーリングエレメント116、216の第2の複数の開口118、218及び筐体102の複数の開口の第2のサブセットの開口は、インキュベータ100の外部から筐体102の内部チャンバ110への第2の複数の通路を提供する。いくつかの実施形態では、シーリングエレメント116、216が第2の開位置にあるとき、開口の第2のサブセット以外の筐体102の複数の開口のすべての開口は、シーリングエレメント116、216により閉塞される。
【0162】
[000184] 本方法は、シーリングエレメント116、216を第3の開位置に移動させることにより、シーリングエレメント116、216の第3の複数の開口118、218を筐体102の複数の開口の第3のサブセットに位置合せすることをさらに含み得る。シーリングエレメント116、216の第3の複数の開口118、218及び筐体102の複数の開口の第3のサブセットの開口は、インキュベータ100の外部から筐体102の内部チャンバ110への第3の複数の通路を提供する。いくつかの実施形態では、シーリングエレメント116、216が第3の開位置にあるとき、開口の第3のサブセット以外の筐体102の複数の開口のすべての開口は、シーリングエレメント116、216により閉塞される。
【0163】
[000185] システム。本明細書に記載のウェルプレートインキュベータ100を含むシステムも提供される。いくつかの実施形態では、インポート/エクスポートのための継続的アクセスを提供しつつインキュベーションのためのシステム200が提供される。1つの例示的なシステムの概略図が
図18に示される。システム200は、ウェルプレートインキュベータ100と、ウェルプレートインキュベータ100にアクセスしてウェルプレートインキュベータの内部チャンバ内でサンプルを捕集又は堆積するように構成されたロボットサンプリングコンポーネント(サンプリング駆動コントローラ178及びサンプリングモータ182を含む)と、少なくとも1つのコントローラとを含み得る。いくつかの実施形態では、インキュベータ100はコントローラ174を含み、一方、他の実施形態では、インキュベータコントローラ174はシステム200の一部であり得る。いくつかの実施形態では、サンプリング駆動コントローラ178及びポンプコントローラ180は識別可能なコントローラであり得るか、又は同一のコントローラの一部であり得る。いかなる場合も、174、178、及び/又は180を含めて、コントローラはいずれも、制御ソフトウェア176により指示し得る。コントローラ174は、インキュベータ100の外部から筐体の内部チャンバへの複数の通路を開けるように制御ソフトウェア176により指示し得る。コントローラ174は、複数の通路を介して筐体102の内部チャンバ102に入れられているウェルプレート114の複数のウェル120にアクセスするようにロボットサンプリングコンポーネントを制御するように、制御ソフトウェア176により指示し得る。コントローラ174は、複数の通路を閉めるように制御ソフトウェア176により指示し得る。システム200は、指示コントローラ174により筐体102の内部チャンバ110を正圧下に維持するように構成可能である。加えて、サンプリング駆動コントローラ178及びポンプコントローラ180は、インポート/エクスポートチップ186を動作させ、ウェルプレートの複数のウェル120の1つから物質を抜き出すようにそれぞれシステム200のロボットサンプリングコンポーネントのモータ182及びハイドロリックコンポーネントのポンプ184(ポンプコントローラ180及びポンプ184を含む)を制御するように構成可能である。コントローラ178及び180は、抜き出された物質をシステム200の外部にあってもよい他の装置に送達するようにシステム200のロボットサンプリングコンポーネント/ハイドロリックコンポーネントを制御するように構成可能である。いくつかの実施形態では、抜き出された物質を送達する装置は、システム200の追加のコンポーネントとして含まれ得るとともに、制御ソフトウェア176は、同様に追加の装置に指示し得る。いくつかの実施形態では、インポート/エクスポートチップ186によりインキュベータ100から抜き出された物質が送達され得る装置は、マイクロ流体デバイス190であり得る。いくつかの実施形態では、マイクロ流体デバイス190はナノ流体デバイスであり得る。他の実施形態では、インポート/エクスポートチップ186を介してインキュベータ100から抜き出された物質は、システム200のロボットサンプリングコンポーネント/ハイドロリックコンポーネントを介して分析機器192に送達し得る。システム内で培養される又はシステム200のインキュベータに送達される物質は、本明細書に記載の任意の好適な物質であり得るとともに、マイクロ物体及び/又は生物学的マイクロ物体を含み得る。いくつかの実施形態では、生物学的マイクロ物体は、システム200において培養、インポート、及び/又はエクスポートが行われる。物質が送達され得る好適な分析機器のいくつかの例としては、限定されるものではないが、シーケンシング機器及びそのためのサンプル調製機、アッセイ機器、質量分析器及びそのためのサンプル調製機、並びに貯蔵装置及びそのための安定化調製機が挙げられる。さらに他の実施形態では、インポート/エクスポートチップ186を介してインキュベータ100から抜き出された物質は、ロボットサンプリングコンポーネントを介してマクロスケール細胞培養装置194に送達し得る。
【0164】
[000186] 制御ソフトウェア176は、ウェルプレートインキュベータ100に入れられているウェルプレートの1つ以上のウェル120に物質の1つ以上のサンプルを送達するようにロボットサンプルコンポーネント及び/又はハイドロリックコンポーネントを制御するように、サンプリング駆動コントローラ178及び/又はポンプコントローラ180に指示し得る。物質の1つ以上のサンプルは、マクロスケール細胞培養装置194、マイクロ流体デバイス(ナノ流体デバイスであり得る)190、又は分析機器192から得ることが可能である。マクロスケール細胞培養装置194は、細胞培養プレート、フラスコ、又は反応器を含み得る。ナノ流体デバイスを含めて、マイクロ流体デバイス190としては、限定されるものではないがドロップレット発生デバイス、マイクロ流体細胞選別デバイス、及び/又は細胞培養デバイスが挙げられる。物質の1つ以上のサンプルが得られ得る分析機器192の例としては、限定されるものではないが細胞選別装置、例えばフローサイトメーター、細胞解離装置、及び細胞貯蔵装置が挙げられ得る。
【0165】
[000187] システム200は、ハイドロリックコンポーネントの一部であり得るミキシングチップ188をさらに含み得る。ミキシングチップ188はまた、ウェル120へ/からインポート及び/又はエクスポートする前に開放通路から細胞培養プレート114に存在する内容物の入ったウェル120にアクセスしてウェル120の内容物を混合し得る。ミキシングチップ188の動作は、コントローラ180により制御し得る。ミキシングチップは、注入ガス又は注入液体の回転、振動、又は他の運動を行って混合などを行い得る。いくつかの実施形態では、システム200の制御ソフトウェア176は、インポート/エクスポートチップ186により物質をウェル120に添加する前又はウェル120から抜き出す前、ミキシングチップを制御することによりウェル120から流体のアリコートを抜き出してそれを再注入してウェル120の内容物を混合し得る。いくつかの実施形態では、システムは、ミキシングチップを制御することにより約10μl~約50μlの流体をウェルから抜き出して、約1μl、2μl、3μl、4μl、5μl、6μl、7μl、8μl、9μl、10μl、11μl、12μl、15μl、17μl、又は約20μl/secの速度でそれをウェルに再注入し得る。いくつかの実施形態では、ウェル120から抜き出す前又はそこに堆積する前、ミキシングチップにより約10μl、11μl、12μl、13μl、14μl、15μl、16μl、17μl、18μl、19μl、20μl、25μl、30μl、35μl、40μl、45μl、又は約50μlの流体を抜き出してウェルの内容物を混合する。
【0166】
[000188] システム200のインポート/エクスポートチップ186は、インキュベータ100をマイクロ流体デバイス190、マクロスケール細胞培養装置194、又は分析機器192に接続可能なチューブ(図示せず)に接続し得る。生体物質のインポート及び/又はエクスポートのためにチューブに接続する場合、チューブは、オートクレーブ処理に好適な物質で作製し得るか、又はディスポーザブルであり得る。チューブは典型的には疎水性材料で作製される。いくつかの実施形態では、チューブは、Teflon(商標)(ポリテトラフルオロエチレン)又はPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)で作製し得る。Teflon(商標)チューブは、1/16”の外径、1/32”内径を有し得る。PEEKチューブは、1/32”の外径、0.015”の内径を有し得る。後者の寸法は、384ウェルプレートから物質をインポート/エクスポートするために使用し得る。種々の実施形態では、システムは、インポート/エクスポートチップを制御することにより約0.01μl、0.02μl、0.05μl、0.1μl、0.2μl、0.5μl、1μl、2μl、3μl、4μl、5μl、6μl、7μl、8μl、9μl、10μl、11μl、12μl、15μl、17μl、20μl、22μl、24μl、25μl、27μl、29μl、30μl/sec、又は上記の値の2つにより定義される任意の範囲の速度で物質の抜出し/堆積を行い得る。
【0167】
[000189] ロボットサンプリングコンポーネントは、限定されるものではないがリニアステージロボット、xyzロボット、又はSelective Compliance Assembly/Articulated Robot Arm(SCARA)ロボットサンプラーから選択し得る。ロボットサンプリングコンポーネントは、インポート/エクスポートチップを誘導してインキュベータ100内で細胞培養プレート114のウェル120への/からの物質の堆積/抜出しを行い得る。
【実施例】
【0168】
実施例
[000190]実施例1:ウェルプレートインキュベータ内のCHO細胞生存能
材料:CHO-S細胞は、Fisher Scientific(Invitrogen(商標)Freestyle(商標)CHO-S cells、カタログ番号R80007)から入手した。ガス環境として空気中5%の二酸化炭素を用いて2×105生細胞/mlで播種し、37℃でインキュベートすることにより、培養物を維持した。2~3日ごとに細胞を分割した。
【0169】
[000191] 培養培地:Freestyle(商標)Expression Medium(ThermoFisher Scientific、カタログ番号12651014)、動物源フリー、化学的規定、タンパク質フリーの培地を使用した。それにGibco製のHT Supplement(カタログ番号11067-030)及びGibco製のL-グルタミン200mM(カタログ番号25030-081)を追加した。
【0170】
[000192] インキュベータ:Berkeley Lights, Inc.製。以上に記載の蓋、シャッター、並びに温度及び環境入力を含む。実験全体を通じて、蓋を38℃に加熱し、ウェルプレートの周囲の筐体を37℃に加熱し、シャッターを閉じた。雰囲気は5%CO2が追加された空気であり、インキュベータへの流量は各インキュベータに対して10L/hrであった。ガス混合物は、インキュベータへの導入前に90%の相対湿度に加湿した。
【0171】
[000193] 対照インキュベータ:対照インキュベータは市販品である(Heracel(商標), VIOS 160i CO2Incubator)。対照インキュベータは、製造業者の操作説明書に従って操作した。雰囲気は5%CO2が追加された空気であり、温度は37℃で維持した。
【0172】
[000194] ウェルプレート:非組織培養処理の低蒸発蓋付き96ウェル平底ウェルプレートを使用した(Falcon、カタログ番号351172)。
【0173】
[000195] 生存能アッセイ:Promega製のCell Titer Glo Assay(カタログ番号G7572)を入手し、PerkinElmer製のEnVision Xcite Multilabel Plate Reader(カタログ番号:2104-002A)を用いて発光を測定した。
【0174】
[000196] 空の状態を維持したH12以外、各ウェルプレートに対する細胞の目標播種は20細胞/ウェルであった。試験及び対照のインキュベータ内に充填ウェルプレートを配置した。全実験期間にわたり試験インキュベータでは合計4つのウェルプレートでインキュベートし、対照インキュベータでは合計10のウェルプレートでインキュベートした。試験インキュベータで24時間培養した後、試験インキュベータウェルプレートを市販のインキュベータに移した。すべての培養プレートをさらに7日間インキュベートした。
【0175】
[000197] 播種後8日目の終了時、各インキュベータプレートの各ウェルからサンプルを採取し、個別にCell Titer Glo Assayに付し、製造業者の説明書に従って処理した。アッセイでは存在するATPに比例して定量可能な蛍光シグナルを発生する。この場合、ATPは細胞代謝活性のマーカーとして使用される。製造業者の説明書に従って各ウェルの生の蛍光強度(データは示されていない)を標準曲線に対して規格化し、それから細胞の数を計算した。計算細胞数から1ウェル当たりの細胞分裂数を計算した。
【0176】
[000198] ウェルプレートの各ウェルの細胞分裂数を各ウェルプレートに対して1つの曲線でグラフ化した(
図24に示される)。試験インキュベータでインキュベートした4つのウェルプレートのそれぞれのデータは、曲線(太実線)により表され、完全に対照インキュベータでインキュベートしたウェルプレートのデータは、個別の黒丸(・)を有する曲線により表される。
図24に示されるように、成長速度はx軸に沿って表され、グラフの左側ではより遅い成長(より少ない細胞分裂)であり、グラフの右側ではより速い成長(より多い細胞分裂)である。y軸の値は、各ウェルプレートの個別のウェルを表した。
【0177】
[000199] 試験インキュベータでインキュベートしたウェルプレートの曲線(実線)は、完全に対照インキュベータでインキュベートしたウェルプレートの曲線と比べて成長の遅延を示さなかった。播種後のクリティカルな初期24時間にわたり試験インキュベータではインキュベーションの有害作用が見られないことが結果から実証された。加えて、試験インキュベータでインキュベートしたウェルプレートの曲線は、完全に対照インキュベータで培養した細胞の成長を表す曲線と比較して、x軸に沿って広がりがより少ないことが示されたことから、ウェルプレート全体にわたりより均一に成長することが示唆される(例えば、ウェルプレート全体にわたりすべてのウェルの細胞分裂数がより類似している)。
【0178】
実施例2:ウェルプレートインキュベータ内のOKT3細胞生存能
[000200] 材料:OKT3細胞(ネズミ骨髄腫ハイブリドーマ細胞系)はATCC(ATCC(登録商標)カタログ番号CRL-8001(商標))から得られる。細胞はサスペンジョン細胞系として提供される。ガス環境として5%の二酸化炭素を用いて約1×105~約2×105生細胞/mlで播種し、37℃でインキュベートすることにより、培養物を維持する。2~3日ごとに細胞を分割する。OKT3細胞数及び生存能をカウントし、細胞密度を5×105/mlに調整してウェルプレートに充填し、連続アクセスウェルプレートインキュベータでのインキュベーションに供した。
【0179】
[000201] 培養培地:500mlイスコフ改変ダルベッコ培地(IMDM,ATCC(登録商標)カタログ番号30-2005)、200mlウシ胎仔血清(ATCC(登録商標)カタログ番号30-2020)及び1mlペニシリン-ストレプトマイシン(Life Technologies(登録商標)カタログ番号15140-122)を組み合わせて培養培地を作製する。完全培地を0.22μmフィルタに通して濾過し、使用時まで4℃で明所を避けて貯蔵する。培養培地は、インキュベータへの導入前に空気中5%の二酸化炭素を用いてコンディショニングする。
【0180】
[000202] インキュベータ:Berkeley Lights, Inc.製。以上に記載の蓋、シャッター、並びに温度及び環境入力を含む。インキュベータの温度を37℃に維持し、空気中5%の二酸化炭素を約10リットル/時の流量でインキュベータに通して流動させることによりガス正圧下に維持する。ガス混合物は、インキュベータへの導入前に90%の相対湿度に加湿する。
【0181】
[000203] 細胞培養プレート:Falcon(登録商標)96ウェルU底プレートを使用する(Corning, カタログ番号351177)。
【0182】
[000204] 生存能アッセイ:各ウェルに10細胞のOKT3細胞が入るように2つの96ウェル細胞培養プレートに播種し、以上に記載のように調製された100マイクロリットルのIMDM培養培地を両方のウェルプレートの各ウェルに添加する。2つのウェルプレートのそれぞれは、ウェルプレート内の同一位置に細胞型の同一分布を有する。2つのプレートの第1のウェルプレートは、Heracell(商標)150i(Fisher Scientific、カタログ番号51026283)などの標準的組織培養インキュベータに直接配置する。第2の実験ウェルプレートは、連続アクセスを有するウェルプレートインキュベータに配置する。両方のインキュベータは、同一温度(37℃)でかつ5%の二酸化炭素を有する調整ガスを含む同一の環境条件下に維持する。湿度は両方の系で90%に維持する。
【0183】
[000205] 24時間後、連続アクセスを有するウェルプレートインキュベータから実験ウェルプレートを取り出し、以上に記載のものと同一の条件に維持された以上に記載の同一のモデルの市販の組織培養インキュベータに入れる。対照及び実験のウェルプレートの両方をさらなる6日間培養する。7日間の全培養時期の終了時、細胞生存能を評価し、およその細胞数を得る。CellTiterGlo(登録商標)(Promega Corp.)ルシフェラーゼアッセイを用いて細胞を均一に溶解し、存在するATPの量に比例するオキシルシフェリン発光シグナルを発生させ。これは存在する細胞の数に正比例する、等価量のCellTiterGlo(登録商標)試薬を各ウェルに直接添加し、得られた発光をWallac 1420 Victor2(商標)(PerkinElmer、カタログ番号1420-832)で記録する。生じた発光は、生存細胞の数に正比例し、各ウェル内の生細胞の数を近似する。比較生存能/成長は、対照に対する実験プレートでの細胞/ウェルの数に基づく。
【0184】
[000206] 実験ウェルプレートの細胞生存能は、評価した各細胞系の対照の少なくとも95%であることが結果から示唆される。
【0185】
実施例3:連続アクセスウェルプレートインキュベータでのOKT3細胞の培養及びマイクロ流体デバイスへの移行
[000207] マイクロ流体デバイスマテリアル:マイクロ流体デバイス及びシステム:Berkeley Lights, Inc.製。システムは、少なくともフローコントローラ、温度コントローラ、流体媒体コンディショニング及びポンプコンポーネント、光作動DEP構成用の光源及びプロジェクター、取付けステージ、及びカメラを含む。マイクロ流体デバイスは、細胞単離、アッセイ、及び/又は成長のためにフローチャネル及びペンを含み、単一のペン体積はおよそ1.5×106μm3である。
【0186】
[000208] システムの移行コンポーネント:リニアステージロボット、1.067mmの外径のマイクロ流体デバイスを有するインポート/エクスポートチップ。
【0187】
[000209] マイクロ流体デバイス用プライミング溶液:0.1%Pluronic(登録商標)F127(Life Technologies(登録商標)カタログ番号P6866)を含有する培養培地(実施例2に記載)。
【0188】
[000210] 移行前のマイクロ流体デバイスの準備:マイクロ流体デバイスをシステムに導入し、15psiの100%二酸化炭素を用いて5分間パージする。二酸化炭素パージの直後、2.5mlの全体積がマイクロ流体デバイスを通って灌流するまで8μl/secでプライミング溶液をマイクロ流体デバイスに通して灌流させる。次いで、合計1mlの培養培地がマイクロ流体デバイスを通って灌流するまで8μl/secで培養培地をマイクロ流体デバイスに通して流動させる。マイクロ流体デバイスの温度は37℃に維持する。0.01μl/secで4時間の灌流を1回、1分間未満の短時間灌流停止時間を介在させて、続いて、8μl/secで約3秒間の短時間高速灌流を含む、さまざまな灌流方法を用いて実験全体を通じて培養培地を灌流させる。
【0189】
[000211] 実験:OKT3細胞を96ウェル細胞培養プレートの各ウェルに播種する。連続アクセスウェルプレートインキュベータ内で細胞を1日培養する。培養時間の終了時、96ウェルプレートの1つのウェルで細胞生存能及び細胞数を決定する分析を行う。生存能及び成長要件が満たされていることを確認した後、マイクロ流体デバイスの準備を行って移行に備える。ウェルプレートインキュベータのコントローラによりウェルプレートインキュベータの筐体の開口を開け、正圧のガスフローを継続させる。移行される各ウェルに対して、最初に筐体の開口を介してミキシングチップを導入し、ウェルを外部環境に接続する。ウェル内で50μlの培養培地の抜出し及び再注入を行うことにより、加えて、ウェルの壁に接着するいずれの細胞も移動させることにより、アジテーションを行う。アジテーションは、インポート/エクスポートチップの挿入前又は同時のいずれかで行われる。ウェルの内容物のサンプルをインポート/エクスポートチップに抜き出して、マイクロ流体デバイスの入力に送達する。マイクロ流体デバイスのチャネルを介して流動、重力、又は誘電泳動の力により細胞を移動させ、さらなる分析のためにマイクロ流体デバイスの個別のペンに配置する。
【0190】
本発明の番号付き実施形態
[000212] 1.複数のウェルを含む細胞培養プレートを支持するように構成された内部チャンバを有する筐体であって、細胞培養プレートのウェルへのアクセスを可能にするように構成された複数の開口を含む筐体と、内部チャンバの温度を所望の範囲内に維持するように構成された温度コントローラと、筐体に直接的又は間接的に係合される第1の加熱/冷却デバイスであって、温度ントローラーにより制御される第1の加熱/冷却デバイスと、筐体の複数の開口の少なくともサブセットに対応する第1の複数の開口を含むシーリングエレメントと、を含むインキュベータであって、シーリングエレメントが筐体の複数の開口のそれぞれを閉塞しかつそれによりシールする閉位置と、シーリングエレメントの第1の複数の開口が筐体の複数の開口の少なくともサブセットに位置合せされる第1の開位置との間でシーリングエレメントが移動可能であり、それにより、筐体の内部チャンバ及びその中に入れられている任意の細胞培養プレートへのアクセスを提供する、インキュベータ。
【0191】
[000213] 2.ガスが進入するように構成された筐体の少なくとも1つの通路と、少なくとも1つの通路に加圧ガス源を接続するように適合されたコネクタとをさらに含み、シーリングエレメントが、加圧ガス源からのガスが内部チャンバに流入するとき、筐体の複数の開口とのシールを形成して、筐体が内部チャンバ内の圧力を周囲圧力よりも約0.0005psi~約0.01000psi高く維持することを可能にするように構成される、実施形態1に記載のインキュベータ。
【0192】
[000214] 3.筐体の複数の開口の各開口が、約1mm~約10mm、又は約1.0mm、1.5mm、約2.0mm、約2.5mm、約3.0mm、約3.5mm、約4.0mm、約4.5mm、約5.0mm、約5.5mm、約6.0mm、約6.5mm、約7.0mm、約7.5mm、約8.0mm、約8.5mm、約9.0mm、約9.5mm、若しくは約10.0mm、又は上記のサイズの1つにより定義される任意の範囲の直径を有する、実施形態1~2のいずれか一項に記載のインキュベータ。
【0193】
[000215] 4.内部チャンバが約200cm3~約750cm3の体積を有する、いずれかの先行実施形態に記載のインキュベータ。
【0194】
[000216] 5.内部チャンバが約750cm3~約2000cm3の体積を有する、いずれかの先行実施形態に記載のインキュベータ。
【0195】
[000217] 6.細胞培養プレートが96ウェルプレート又は384ウェルプレートである、いずれかの先行実施形態に記載のインキュベータ。
【0196】
[000218] 7.筐体の複数の開口が、細胞培養プレートの複数のウェルに位置合せされるように構成される、いずれかの先行実施形態に記載のインキュベータ。
【0197】
[000219] 8.内部チャンバが、流体を保持するように構成されたリザーバを含む、いずれかの先行実施形態に記載のインキュベータ。
【0198】
[000220] 9.筐体が基体と蓋とを含み、基体及び蓋が内部チャンバを規定する、いずれかの先行実施形態に記載のインキュベータ。
【0199】
[000221] 10.筐体が基体と蓋とフロントプレートとを含み、基体、蓋、及びフロントプレートが内部チャンバを規定する、いずれかの先行実施形態に記載のインキュベータ。
【0200】
[000222] 11.基体が、高い熱伝導率及び低い熱容量を有する剛性材料から形成される、実施形態9~10のいずれか1つに記載のインキュベータ。
【0201】
[000223] 12.基体が、筐体の内部チャンバの一部又は全部を形成する中空領域を有して構成される、実施形態9~11のいずれか1つに記載のインキュベータ。
【0202】
[000224] 13.基体が底部と4つの壁とを含み、4つの壁の1つが他の3つの壁の高さよりも低い高さを有する、実施形態10~12のいずれか1つに記載のインキュベータ。
【0203】
[000225] 14.蓋が断熱プラスチックから形成される、実施形態9~13のいずれか1つに記載のインキュベータ。
【0204】
[000226] 15.蓋が外表面と筐体内の内表面とを含み、内表面が1つ以上の凹部を含む、実施形態9~14のいずれか1つに記載のインキュベータ。
【0205】
[000227] 16.蓋が、内表面に接着された接着剤層をさらに含み、接着剤層が、筐体内の空気が1つ以上の凹部を充填するのを防止するように構成される、実施形態15に記載のインキュベータ。
【0206】
[000228] 17.1つ以上の凹部が、筐体の複数の開口の開口の群を実質的に包囲し、各群が、複数のうちの2つ以上の開口を含む、実施形態15又は16のいずれか1つに記載のインキュベータ。
【0207】
[000229] 18.蓋が、基体に蓋をシール可能に接続するように構成された1つ以上のコネクタを含む、実施形態9~17のいずれか1つに記載のインキュベータ。
【0208】
[000230] 19.1つ以上のコネクタが、磁石、可撓性タブ、及び/又はクリップを含む、実施形態18に記載のインキュベータ。
【0209】
[000231] 20.1つ以上のコネクタが可撓性タブであり、各可撓性タブが、ピンに係合しかつそれにより蓋を基体に固定するように構成される、実施形態18に記載のインキュベータ。
【0210】
[000232] 21.シーリングエレメントの第1の複数の開口が筐体の開口と同数である、いずれかの先行実施形態に記載のインキュベータ。
【0211】
[000233] 22.シーリングエレメントが第2の複数の開口をさらに含み、第2の複数の開口が第1の複数の開口と異なる、いずれかの先行実施形態に記載のインキュベータ。
【0212】
[000234] 23.シーリングエレメントの第1の複数の開口及び/又は第2の複数の開口の開口数が筐体の開口数よりも少ない、実施形態22に記載のインキュベータ。
【0213】
[000235] 24.シーリングエレメントの第2の複数の開口の開口数が、筐体の開口数の1/2、1/3、又は1/4である、実施形態22~23のいずれか1つに記載のインキュベータ。
【0214】
[000236] 25.シーリングエレメントが、閉位置と、第1の開位置と、第2の開位置との間で移動可能であり、シーリングエレメントが閉位置にあるとき、筐体の複数の開口のそれぞれが閉塞され、シーリングエレメントが第1の開位置にあるとき、シーリングエレメントの第1の複数の開口が筐体の複数の開口の第1のサブセットに位置合せされ、かつ筐体の複数の開口のすべての他の開口が閉塞され、及びシーリングエレメントが第2の開位置にあるとき、シーリングエレメントの第1の複数の開口が筐体の開口の第2のサブセットに位置合せされ、かつ筐体の複数の開口のすべての他の開口が閉塞される、いずれかの先行実施形態に記載のインキュベータ。
【0215】
[000237] 26.筐体の開口の第1のサブセット及び筐体の開口の第2のサブセットが非オーバーラップサブセットである、実施形態25に記載のインキュベータ。
【0216】
[000238] 27.シーリングエレメントが筐体の内部チャンバ内に位置する、いずれかの先行実施形態に記載のインキュベータ。
【0217】
[000239] 28.第1の開位置と閉位置との間でシーリングエレメントを移動させるように構成されたシーリングエレメントアクチュエータをさらに含む、いずれかの先行実施形態に記載のインキュベータ。
【0218】
[000240] 29.シーリングエレメントアクチュエータが、第2の開位置と閉位置又は第1の開位置との間でシーリングエレメントを移動させるように構成される、実施形態28に記載のインキュベータ。
【0219】
[000241] 30.シーリングエレメントを第2の開位置に移動させることが、シーリングエレメントの第1の複数の開口と筐体の複数の開口の第2のサブセットとを一列に並べることを含み、筐体の複数の開口の第2のサブセットが筐体の複数の開口よりも少ない、実施形態29に記載のインキュベータ。
【0220】
[000242] 31.シーリングエレメントアクチュエータがモータ又はロータリソレノイドを含む、実施形態28~30のいずれか1つに記載のインキュベータ。
【0221】
[000243] 32.プリント回路基板(PCB)をさらに含む、いずれかの先行実施形態に記載のインキュベータ。
【0222】
[000244] 33.筐体が基体と蓋とを含み、シーリングエレメントがPCBと蓋との間に位置する、実施形態32に記載のインキュベータ。
【0223】
[000245] 34.PCB上に1つ以上のセンサをさらに含む、実施形態32~33のいずれか1つに記載のインキュベータ。
【0224】
[000246] 35.1つ以上のセンサのそれぞれが、温度センサ、湿度センサ、酸素センサ、及び二酸化炭素センサからなる群から選択される、実施形態34に記載のインキュベータ。
【0225】
[000247] 36.第1の加熱/冷却デバイスが、抵抗ヒータ、熱交換流体を循環させるように構成された流体コイル、1つ以上のペルチェデバイス、及びそれらの組合せからなる群から選択される、いずれかの先行実施形態に記載のインキュベータ。
【0226】
[000248] 37.第1の加熱/冷却デバイスが筐体の底部の外表面に直接接触するか又は熱伝達を間接的に提供する、いずれかの先行実施形態に記載のインキュベータ。
【0227】
[000249] 38.第1の加熱/冷却デバイスが筐体の底部の外表面の少なくとも約75%に接触する、実施形態37に記載のインキュベータ。
【0228】
[000250] 39.第1の加熱/冷却デバイスが流体コイルを含む、いずれかの先行実施形態に記載のインキュベータ。
【0229】
[000251] 40.第2の加熱/冷却デバイスをさらに含み、第2の加熱/冷却デバイスが筐体の頂部に近接し、かつ温度コントローラにより制御される、いずれかの先行実施形態に記載のインキュベータ。
【0230】
[000252] 41.第2の加熱/冷却デバイスが筐体内にある、実施形態40に記載のインキュベータ。
【0231】
[000253] 42.第2の加熱/冷却デバイスが、筐体の複数の開口に位置合せされる複数の開口を含む、実施形態40~41のいずれか1つに記載のインキュベータ。
【0232】
[000254] 43.第2の加熱/冷却デバイスが、PCBの一部である抵抗加熱素子を含む、実施形態40~42のいずれか1つに記載のインキュベータ。
【0233】
[000255] 44.PCBが、筐体を貫通する複数の開口に位置合せされる複数の開口を含む、実施形態43に記載のインキュベータ。
【0234】
[000256] 45.抵抗加熱素子がPCBの多層構造の一部としてPCBの内部に位置決めされる、実施形態43~44のいずれか1つに記載のインキュベータ。
【0235】
[000257] 46.細胞培養プレートの支持体をさらに含む、先の実施形態のいずれか1つに記載のインキュベータ。
【0236】
[000258] 47.支持体が、筐体内の位置から筐体の内部チャンバ外の位置に筐体に対してスライド可能に移動するように構成される、実施形態46に記載のインキュベータ。
【0237】
[000259] 48.細胞培養プレートのエッジに係合するように構成された支持体上に先端リップをさらに含む、実施形態46~47のいずれか1つに記載のインキュベータ。
【0238】
[000260] 49.細胞培養プレートの支持体に係合されたアクセスドアをさらに含む、実施形態46~48のいずれか1つに記載のインキュベータ。
【0239】
[000261] 50.支持体及びアクセスドアが、筐体の一部にシール可能に界接するフロントプレートを含むアクセスアセンブリを形成する、実施形態49に記載のインキュベータ。
【0240】
[000262] 51.フロントプレートに圧縮力を提供するように構成されている、フロントプレートとアクセスドアとの間のバイアス接続部をさらに含む、実施形態50に記載のインキュベータ。
【0241】
[000263] 52.アクセスアセンブリが、筐体を支持する筐体支持体上に移動可能に取り付けられる、実施形態50~51のいずれか1つに記載のインキュベータ。
【0242】
[000264] 53.筐体支持体上にトラックをさらに含み、アクセスアセンブリが、筐体支持体上のトラックに対してスライドするように構成される、実施形態52に記載のインキュベータ。
【0243】
[000265] 54.アクセスアセンブリが、筐体支持体上のトラックに対してスライドするように構成されたレールをさらに含む、実施形態53に記載のインキュベータ。
【0244】
[000266] 55.筐体支持体に対してアクセスアセンブリの位置を固定するために筐体支持体のコンプリメンタリ構造に係合するように構成されている、レール上の係合表面をさらに含む、実施形態54に記載のインキュベータ。
【0245】
[000267] 56.アクセスアセンブリの位置がアクセスアセンブリの開位置又は閉位置に対応する、実施形態55に記載のインキュベータ。
【0246】
[000268] 57.アクセスアセンブリのコンプリメンタリ構造に機械的、電子的、又は磁気的に係合するように構成されたドアスイッチをさらに含む、実施形態50~56のいずれか1つに記載のインキュベータ。
【0247】
[000269] 58.支持体が筐体の1つ以上の内表面により形成される、実施形態46に記載のインキュベータ。
【0248】
[000270] 59.ガスが進入するように構成された少なくとも1つの通路が、細胞培養プレートの側部と同じ基体の底部からの高さで基体の壁に位置する、実施形態2に記載のインキュベータ。
【0249】
[000271] 60.筐体内の流体リザーバを空にするように構成されている、筐体内の少なくとも1つの流体ドレイン通路をさらに含み、流体ドレイン通路がシール可能である、いずれかの先行実施形態に記載のインキュベータ。
【0250】
[000272] 61.筐体に結合された断熱材料をさらに含む、いずれかの先行実施形態に記載のインキュベータ。
【0251】
[000273] 62.断熱材料が筐体の1つ以上の外表面に装着される、実施形態61に記載のインキュベータ。
【0252】
[000274] 63.インキュベータが、筐体の内部チャンバ内の選択された内部温度、湿度、及びガス含有率を維持するように構成される、いずれかの先行実施形態に記載のインキュベータ。
【0253】
[000275] 64.筐体の内部チャンバ内の選択された内部温度、湿度、及びガス含有率を維持するように構成されたコントローラをさらに含む、実施形態63に記載のインキュベータ。
【0254】
[000276] 65.筐体を支持するように構成された筐体支持体をさらに含む、いずれかの先行実施形態に記載のインキュベータ。
【0255】
[000277] 66.筐体支持体を筐体に接続するように構成された1つ以上のアジャスタブルコネクタをさらに含む、実施形態65に記載のインキュベータ。
【0256】
[000278] 67.筐体の複数の開口の各開口が、約1mm~約5mm、又は約1.0mm、約1.5mm、約2.0mm、約2.5mm、約3.0mm、約3.5mm、約4.0mm、約4.5mm、若しくは約5.0mm、又は上記のサイズの1つにより定義される任意の範囲の直径を有する、いずれかの先行実施形態に記載のインキュベータ。
【0257】
[000279] 68.シーリングエレメントの複数の開口のそれぞれが、約1mm~約10mm、又は約1.0mm、1.5mm、約2.0mm、約2.5mm、約3.0mm、約3.5mm、約4.0mm、約4.5mm、約5.0mm、約5.5mm、約6.0mm、約6.5mm、約7.0mm、約7.5mm、約8.0mm、約8.5mm、約9.0mm、約9.5mm、若しくは約10.0mm、又は上記のサイズの1つにより定義される任意の範囲の直径を有する、いずれかの先行実施形態に記載のインキュベータ。
【0258】
[000280] 69.シーリングエレメントの複数の開口のそれぞれが、約1mm~約5mm、又は約1.0mm、約1.5mm、約2.0mm、約2.5mm、約3.0mm、約3.5mm、約4.0mm、約4.5mm、若しくは約5.0mm、又は上記のサイズの1つにより定義される任意の範囲の直径を有する、いずれかの先行実施形態に記載のインキュベータ。
【0259】
[000281] 70.インキュベータの内部チャンバにアクセスする方法であって、インキュベータが、複数の開口を有する筐体と、筐体の複数の開口の少なくともサブセットに対応する複数の開口を有するシーリングエレメントとを含み、方法が、シーリングエレメントを開位置に移動させることであって、それにより、シーリングエレメントの複数の開口を筐体の複数の開口の第1の開口のサブセットに位置合せし、シーリングエレメントの複数の開口と筐体の複数の開口の第1の開口のサブセットとが、それにより、インキュベータの外部から筐体の内部チャンバへの第1の複数の通路を提供する、移動させることと、インキュベータの外部と筐体の内部チャンバとの間の第1の複数の通路の1つ以上を介してインポート/エクスポートチップを前進させることと、インポート/エクスポートチップを介して筐体の内部チャンバ内で物質を捕集又は堆積することとを含む、方法。
【0260】
[000282] 71.物質を捕集又は堆積することが、筐体の内部チャンバ内の細胞培養プレートのウェル内で物質を捕集又は堆積することを含む、実施形態70に記載の方法。
【0261】
[000283] 72.物質を捕集又は堆積した後、インキュベータの外部と筐体の内部チャンバとの間の通路の1つ以上を介してインポート/エクスポートチップを抜き出すことをさらに含む、実施形態70~71のいずれか1つに記載の方法。
【0262】
[000284] 73.シーリングエレメントが筐体の複数の開口を閉塞するようにシーリングエレメントを閉位置に移動させることをさらに含む、実施形態72に記載の方法。
【0263】
[000285] 74.シーリングエレメントが、内部チャンバ内に存在する二酸化炭素含有率及び/又は空気の湿度がインキュベータの周りの二酸化炭素含有率及び/又は空気の湿度と平衡化するのを防止するように十分に短い時間にわたり開位置にある、実施形態70~73のいずれか1つに記載の方法。
【0264】
[000286] 75.シーリングエレメントアクチュエータを作動させてシーリングエレメントを開位置又は閉位置に移動させることを含む、実施形態70~74のいずれか1つに記載の方法。
【0265】
[000287] 76.シーリングエレメントアクチュエータを作動させることが、モータ又はロータリソレノイドを作動させることを含む、実施形態75に記載の方法。
【0266】
[000288] 77.開位置と閉位置との間でシーリングエレメントを移動させることが、筐体に対してシーリングエレメントをスライドさせることを含む、実施形態70~76のいずれか1つに記載の方法。
【0267】
[000289] 78.シーリングエレメントの複数の開口が開位置にあるとき、複数の開口が、細胞培養プレートの複数のウェルに位置合せされるように構成される、実施形態70~77のいずれか1つに記載の方法。
【0268】
[000290] 79.インキュベータが、細胞培養プレートを支持するように構成されている、筐体の内部チャンバ内の支持体を含む、実施形態70~78のいずれか1つに記載の方法。
【0269】
[000291] 80.支持体を筐体の内部チャンバ外の位置にスライドさせ、それにより筐体の内部チャンバから細胞培養プレートを抜き出すことをさらに含む、実施形態79に記載の方法。
【0270】
[000292] 81.支持体をスライドさせることが、支持体に装着されたアクセスドアをスライドさせることを含む、実施形態80に記載の方法。
【0271】
[000293] 82.支持体をスライドさせることが、インキュベータの筐体支持体の1つ以上のトラックに沿ってスライドさせることを含む、実施形態80~81のいずれか1つに記載の方法。
【0272】
[000294] 83.支持体をスライドさせることが人間のオペレータにより行われる、実施形態80~82のいずれか1つに記載の方法。
【0273】
[000295] 84.支持体をスライドさせることがロボットにより行われる、実施形態80~82のいずれか1つに記載の方法。
【0274】
[000296] 85.支持体をスライドさせて支持体をインキュベータの内部チャンバから筐体の内部チャンバ外の位置に抜き出すことをさらに含む、実施形態79に記載の方法。
【0275】
[000297] 86.支持体が筐体の内部チャンバ外の位置にある間に細胞培養プレートを支持体上に配置することをさらに含む、実施形態85に記載の方法。
【0276】
[000298] 87.細胞培養プレートを配置することが人間のオペレータにより行われる、実施形態86に記載の方法。
【0277】
[000299] 88.細胞培養プレートを配置することがロボットにより行われる、実施形態86に記載の方法。
【0278】
[000300] 89.支持体を筐体の内部チャンバ内の位置にスライドさせることにより細胞培養プレートを筐体の内部チャンバ内に移動させることをさらに含む、実施形態85~88のいずれか1つに記載の方法。
【0279】
[000301] 90.支持体をスライドさせることが、細胞培養プレートの支持体に装着されたアクセスドアをスライドさせることを含む、実施形態89に記載の方法。
【0280】
[000302] 91.支持体をスライドさせることが、インキュベータの筐体支持体の1つ以上のトラックに沿ってスライドさせることを含む、実施形態89又は90のいずれか1つに記載の方法。
【0281】
[000303] 92.支持体をスライドさせることが人間のオペレータにより行われる、実施形態89~91のいずれか1つに記載の方法。
【0282】
[000304] 93.支持体をスライドさせることがロボットにより行われる、実施形態89~91のいずれか1つに記載の方法。
【0283】
[000305] 94.筐体の内部チャンバの温度、湿度、及び二酸化炭素含有率の1つ以上を測定することをさらに含む、実施形態70~93のいずれか1つに記載の方法。
【0284】
[000306] 95.筐体の内部チャンバの温度、湿度、及び二酸化炭素含有率の1つ以上を制御することをさらに含む、実施形態70~94のいずれか1つに記載の方法。
【0285】
[000307] 96.温度を制御することが、筐体の内部チャンバを加熱又は冷却することを含む、実施形態95に記載の方法。
【0286】
[000308] 97.湿度を制御することが、湿度源を筐体の内部チャンバに提供することを含む、実施形態95又は96のいずれか1つに記載の方法。
【0287】
[000309] 98.二酸化炭素含有率を制御することが、二酸化炭素を含むガス源をインキュベータの内部チャンバに提供することを含む、実施形態95~97のいずれか1つに記載の方法。
【0288】
[000310] 99.二酸化炭素を含むガス源が酸素と窒素とをさらに含む、実施形態98に記載の方法。
【0289】
[000311] 100.シーリングエレメントが、閉位置にあるとき、筐体の内部チャンバ内の圧力を周囲圧力よりも約0.0005psi~約0.0100psi高く維持することが可能である、実施形態70~99のいずれか1つに記載の方法。
【0290】
[000312] 101.パージガスを筐体の内部チャンバに提供することをさらに含み、それにより、シーリングエレメントが閉位置にあり、及び細胞培養プレートの支持体が筐体の内部チャンバ内に位置決めされているとき、筐体の内部チャンバ内の圧力が周囲圧力よりも約0.0005psi~約0.0100psi高く維持される、実施形態100に記載の方法。
【0291】
[000313] 102.インポート/エクスポートチップが複数のチップを含む、実施形態70~101のいずれか1つに記載の方法。
【0292】
[000314] 103.インポート/エクスポートチップの複数のチップを用いて細胞培養プレートの複数のウェルから物質を同時に捕集又は堆積することをさらに含む、実施形態102に記載の方法。
【0293】
[000315] 104.物質を捕集又は堆積することがロボットにより行われる、実施形態103に記載の方法。
【0294】
[000316] 105.シーリングエレメントが開位置にあるとき、インキュベータの内部チャンバ内の圧力をインキュベータ外の圧力よりも高く維持することをさらに含む、実施形態70~104のいずれか1つに記載の方法。
【0295】
[000317] 106.筐体の複数の開口の各開口が、約1mm~約10mm、又は約1.0mm、1.5mm、約2.0mm、約2.5mm、約3.0mm、約3.5mm、約4.0mm、約4.5mm、約5.0mm、約5.5mm、約6.0mm、約6.5mm、約7.0mm、約7.5mm、約8.0mm、約8.5mm、約9.0mm、約9.5mm、若しくは約10.0mm、又は上記のサイズの1つにより定義される任意の範囲の直径を有する、実施形態70~105のいずれか1つに記載の方法。
【0296】
[000318] 107.筐体の複数の開口の各開口が、約1mm~約5mm、又は約1.0mm、約1.5mm、約2.0mm、約2.5mm、約3.0mm、約3.5mm、約4.0mm、約4.5mm、若しくは約5.0mm、又は上記のサイズの1つにより定義される任意の範囲の直径を有する、実施形態70~105のいずれか1つに記載の方法。
【0297】
[000319] 108.シーリングエレメントの複数の開口の各開口が、約1mm~約10mm、又は約1.0mm、1.5mm、約2.0mm、約2.5mm、約3.0mm、約3.5mm、約4.0mm、約4.5mm、約5.0mm、約5.5mm、約6.0mm、約6.5mm、約7.0mm、約7.5mm、約8.0mm、約8.5mm、約9.0mm、約9.5mm、若しくは約10.0mm、又は上記のサイズの1つにより定義される任意の範囲の直径を有する、実施形態70~107のいずれか1つに記載の方法。
【0298】
[000320] 109.シーリングエレメントの複数の開口の各開口が、約1mm~約5mm、又は約1.0mm、約1.5mm、約2.0mm、約2.5mm、約3.0mm、約3.5mm、約4.0mm、約4.5mm、若しくは約5.0mm、又は上記のサイズの1つにより定義される任意の範囲の直径を有する、実施形態70~107のいずれか1つに記載の方法。
【0299】
[000321] 110.筐体の内部チャンバ内で捕集又は堆積される物質が生物学的マイクロ物体を含む、実施形態70~109のいずれか1つに記載の方法。
【0300】
[000322] 111.細胞培養プレート中で培養される生物学的マイクロ物体を支持するように筐体の内部チャンバ内の環境を確立することをさらに含む、実施形態70~110のいずれか1つに記載の方法。
【0301】
[000323] 112.インキュベータの内部チャンバにアクセスする方法であって、インキュベータが、複数の開口を有する筐体と、2つ以上の複数の開口を有するシーリングエレメントとを含み、シーリングエレメントの各複数の開口が筐体の複数の開口の少なくともサブセットに対応し、方法が、シーリングエレメントを第1の開位置に移動させ、かつそれによりシーリングエレメントの第1の複数の開口を筐体の複数の開口の第1のサブセットに位置合せすることであって、シーリングエレメントの第1の複数の開口と筐体の複数の開口の第1の開口のサブセットとが、位置合せされるとき、インキュベータの外部から筐体の内部チャンバへの複数の通路を提供する、移動させかつ位置合せすることと、インキュベータの外部と筐体の内部チャンバとの間の第1の複数の通路の1つ以上を介してインポート/エクスポートチップを前進させることと、筐体の内部チャンバ内でインポート/エクスポートチップを用いて物質を捕集又は堆積することとを含む、方法。
【0302】
[000324] 113.シーリングエレメントが開位置にあるとき、シーリングエレメントの第1の複数の開口が、細胞培養プレートの複数のウェルの第1のサブセットに位置合せされるように構成される、実施形態112に記載の方法。
【0303】
[000325] 114.シーリングエレメントの複数の開口の数が細胞培養プレートの複数のウェルの数と同一である、実施形態112又は113のいずれか1つに記載の方法。
【0304】
[000326] 115.シーリングエレメントの複数の開口の数が細胞培養プレートの複数のウェルの数の1/2、1/3、1/4、1/6、又は1/12以下である、実施形態112又は113のいずれか1つに記載の方法。
【0305】
[000327] 116.シーリングエレメントを第2の開位置に移動させることであって、それにより、シーリングエレメントの第2の複数の開口を筐体の複数の開口の第2のサブセットに位置合せし、シーリングエレメントの第2の複数の開口と筐体の複数の開口の第2のサブセットとが、位置合せされるとき、インキュベータの外部から筐体の内部チャンバへの第2の複数の通路を提供する、移動させることをさらに含む、実施形態112~115のいずれか1つに記載の方法。
【0306】
[000328] 117.シーリングエレメントが第2の開位置にあるとき、開口の第2のサブセット以外の筐体の複数の開口のすべての開口がシーリングエレメントにより閉塞される、実施形態116に記載の方法。
【0307】
[000329] 118.シーリングエレメントを第3の開位置に移動させることであって、それにより、シーリングエレメントの第3の複数の開口を筐体の複数の開口の第3のサブセットに位置合せし、シーリングエレメントの第3の複数の開口と筐体の複数の開口の第3のサブセットとが、位置合せされるとき、インキュベータの外部から筐体の内部チャンバへの第3の複数の通路を提供する、移動させることをさらに含む、実施形態112~117のいずれか1つに記載の方法。
【0308】
[000330] 119.シーリングエレメントが第3の開位置にあるとき、開口の第3のサブセット以外の筐体の複数の開口のすべての開口がシーリングエレメントにより閉塞される、実施形態118に記載の方法。
【0309】
[000331] 120.シーリングエレメントを閉位置に移動させ、かつそれにより筐体の複数の開口のそれぞれを閉塞することをさらに含む、実施形態112~119のいずれか1つに記載の方法。
【0310】
[000332] 121.実施形態1~69のいずれか1つに記載のウェルプレートインキュベータと、ウェルプレートインキュベータにアクセスして、ウェルプレートインキュベータの筐体の内部チャンバ内でサンプルを捕集又は堆積するように構成されたロボットサンプリングコンポーネントと、少なくとも1つのコントローラであって、インキュベータの外部から筐体の内部チャンバへの複数の通路を開放し、かつ筐体の内部チャンバ内に入れられているウェルプレートの複数のウェルに複数の通路を介してアクセスするようにロボットサンプリングコンポーネントを制御するように構成された少なくとも1つのコントローラと、を含む、インキュベーションのためのシステム。
【0311】
[000333] 122.少なくとも1つのコントローラが、複数の通路を閉鎖するようにさらに構成される、実施形態121に記載のシステム。
【0312】
[000334] 123.システムが、筐体の内部チャンバを正圧下に維持するように構成される、実施形態121~122のいずれか1つに記載のシステム。
【0313】
[000335] 124.少なくとも1つのコントローラが、ウェルプレートの複数のウェルの1つから物質を抜き出すようにロボットサンプリングコンポーネントを制御するように構成される、実施形態121~123のいずれか1つに記載のシステム。
【0314】
[000336] 125.少なくとも1つのコントローラが、抜き出された物質をマイクロ流体デバイスに送達するようにロボットサンプルコンポーネントを制御するように構成される、実施形態124に記載のシステム。
【0315】
[000337] 126.少なくとも1つのコントローラが、抜き出された物質を分析機器に送達するようにロボットサンプルコンポーネントを制御するように構成される、実施形態124に記載のシステム。
【0316】
[000338] 127.物質が生物学的マイクロ物体を含む、実施形態121~126のいずれか1つに記載のシステム。
【0317】
[000339] 128.少なくとも1つのコントローラが、ウェルプレートインキュベータ内に入れられているウェルプレートの1つ以上のウェルに1種以上の物質を送達するようにロボットサンプリングコンポーネントを制御するように構成される、実施形態121~127のいずれか1つに記載のシステム。
【0318】
[000340] 129.1種以上の物質がマイクロ流体デバイスから得られる、実施形態128に記載のシステム。
【0319】
[000341] 130.1種以上の物質が分析機器から得られる、実施形態128に記載のシステム。
【0320】
[000342] 各種の例示的な実施形態が以上に記載されているが、各種実施形態に対するいくつかの変更形態が、いずれも特許請求の範囲に記載の本発明の範囲から逸脱することなくなされ得る。例えば、代替実施形態では、記載の各種方法工程を行い得る順序を変更し得ることが多く、他の代替実施形態では、1つ以上の方法工程をまとめてスキップし得る。デバイス及びシステムの各種実施形態の任意選択的な特徴は、いくつかの実施形態では含まれ得るが、他の実施形態では含まれないこともある。従って、以上の説明は、主に例示を目的として提供されており、特許請求の範囲に示される本発明の範囲を限定するものと解釈すべきではない。説明内の見出し及び小見出しはいずれも読みやすいように付けたものであり、本発明並びに本明細書に記載の組合せ及び部分的組合せを限定することを何ら意図したものではない。
【0321】
[000343] 本明細書に含まれる実施例及び例示は、限定ではなく例示を目的として、本主題を実施し得る具体的な実施形態を示す。挙げられた場合、他の実施形態は、それに基づいて、本開示の範囲から逸脱することなく構造的及び論理的な置換形態及び変更形態がなされ得るように利用及び誘導し得る。本出願の範囲を任意の単一の発明又は発明概念に何ら自発的に限定することを意図するものではないが、実際に2つ以上が開示されたとしても、あくまでも便宜上、本明細書では本発明の主題のかかる実施形態を個別に又は全体として「発明」という用語で参照し得る。従って、具体的な実施形態を本明細書に例示及び記載してきたが、同一の目的を達成するように計画された構成はいずれも、示された具体的な実施形態の代わりになり得る。本開示は、各種実施形態のあらゆる適合形態又は変形形態を対象とすることが意図される。以上の実施形態の組合せ及び本明細書に特に記載されていない他の実施形態は、以上の説明を概観すれば当業者に明らかであろう。