(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-06
(45)【発行日】2024-08-15
(54)【発明の名称】高フィルファクタ光学アレイ製造のための方法
(51)【国際特許分類】
H01S 3/10 20060101AFI20240807BHJP
H01S 3/067 20060101ALI20240807BHJP
H01S 3/00 20060101ALI20240807BHJP
【FI】
H01S3/10 Z
H01S3/10 D
H01S3/067
H01S3/00 G
(21)【出願番号】P 2022520712
(86)(22)【出願日】2020-09-09
(86)【国際出願番号】 US2020049900
(87)【国際公開番号】W WO2021067013
(87)【国際公開日】2021-04-08
【審査請求日】2023-06-21
(32)【優先日】2019-10-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520128820
【氏名又は名称】ノースロップ グラマン システムズ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100173565
【氏名又は名称】末松 亮太
(74)【代理人】
【識別番号】100195408
【氏名又は名称】武藤 陽子
(72)【発明者】
【氏名】グッドノ,グレゴリー・ディー
(72)【発明者】
【氏名】ローゼンバーグ,ジョシュア・イー
(72)【発明者】
【氏名】ホー,ジェームズ・ジー
(72)【発明者】
【氏名】ギュンター,ダスティン
【審査官】百瀬 正之
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-043808(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0169323(US,A1)
【文献】米国特許第10267992(US,B1)
【文献】特開2015-072955(JP,A)
【文献】特表2009-523253(JP,A)
【文献】特開2002-043673(JP,A)
【文献】特開2006-126566(JP,A)
【文献】特開2008-040447(JP,A)
【文献】特開2017-038094(JP,A)
【文献】米国特許第10008821(US,B1)
【文献】米国特許第07187492(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0201429(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 3/00-3/30
H01S 5/00-5/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビーム整形器アレイアセンブリを製造するための方法であって、前記ビーム整形器アレイアセンブリは、複数のビームの形状を変化させ、前記方法は、
複数のコネクタステムを含む光学エンドキャップを提供するステップと、
エミッタアレイを形成するために前記
コネクタステムの各々にファイバを溶接するステップと、
前記
コネクタステムの反対側の前記
光学エンドキャップに隣接して主ビーム整形器アレイを位置付けるステップと、
各ファイバの角度誤差および位置誤差を測定するステップと、
前記角度誤差および前記位置誤差について各ファイバのための補正を計算するステップと、
計算された前記補正を使用して各ファイバの角度および位置を補正するステップと
を含む方法。
【請求項2】
各ファイバの角度および位置誤差を測定するステップは、前記ファイバを伝搬する光ビームを提供すること、各ファイバの先端が前記
コネクタステムに接触する画像点を規定すること、ならびに遠方場平面および近接場平面内で前記画像点において各光ビームを撮像することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
各光ビームを撮像することは、遠方場内の画像点を撮像するために望遠鏡を使用すること、および近接場内の画像点を撮像するために顕微鏡を使用することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
各光ビームを撮像することは、干渉計を使用することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
各ファイバの角度を補正するステップは、前記計算された補正によって決定された方向に前記ファイバに力を印加して前記ファイバを屈曲すること、前記ファイバと前記
コネクタステムとの間の溶接継手を加熱すること、前記ファイバおよび前記
コネクタステムを冷ますこと、ならびに次いで、前記ファイバが屈曲したままであるように前記力を除去することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
力を印加することは、サファイアロッドを用いて力を印加することを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
各ファイバの位置を補正するステップは、前記計算された補正によって決定された方向に前記ファイバと前記
コネクタステムとの間の溶接継手に力を印加すること、前記溶接継手からいくらか離れて前記
コネクタステムを加熱すること、前記ファイバおよび前記
コネクタステムを冷ますこと、ならびに次いで、前記
コネクタステムが屈曲されるように前記力を除去することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
力を印加することは、サファイアロッドを用いて力を印加することを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
各ファイバの角度および位置を補正するステップは、前記主ビーム整形器アレイに隣接してトリムビーム整形器アレイを提供することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記エミッタアレイは、1Dエミッタアレイであり、前記方法は、複数の1Dエミッタアレイを光学的に整列させるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記ビーム整形器アレイ
アセンブリは、1Dビーム整形器アレイであり、前記方法は、複数の前記1Dビーム整形器アレイを前記1Dエミッタアレイに光学的に整列させるステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ビーム整形器アレイ
アセンブリは、2Dビーム整形器アレイであり、前記方法は、前記2Dビーム整形器アレイを前記複数の1Dエミッタアレイに光学的に整列させるステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記ビーム整形器アレイアセンブリは、タイル状に互いに隣接しかつ互いと接触して位置付けられる複数の直線入力アレイセルを有する入力ビーム整形器アレイであって、各
直線入力アレイセルが、複数のビームのうちの1つを受信し、前記ビームを、円形ガウスプロファイルから高フィルファクタフラットトッププロファイルへ変換されるように、前記ビームが前記入力ビーム整形器アレイから離れる方へ伝搬する際に拡大させ、前記高フィルファクタフラットトッププロファイル
の強度分布を、各ビームの周囲においてより低い値へと漸減させるように、整形する入力ビーム整形器を含む、入力ビーム整形器アレイと、複数の直線出力アレイセルを含む出力ビーム整形器アレイであって、前記複数の直線出力アレイセルは、各
直線出力アレイセルが
直線入力アレイセルに適合するようにタイル状に互いに隣接しかつ互いと接触して位置付けられ、各
直線出力アレイセルは
、変換されたビームのうちの1つを受信し、前記出力ビーム整形器アレイが、複数の隣接ビームを前記
複数の隣接ビーム間に最小の重複および最小の空隙を伴って提供するように、前記変換されたビームの波面を平坦にするように整形する出力ビーム整形器を含む、出力ビーム整形器アレイと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記複数の
直線入力アレイセルおよび前記複数の
直線出力アレイセルは、すべて正方形セルである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ビーム整形器アレイアセンブリは、コヒーレントビーム結合(CBC)ファイバレーザ増幅器システムの一部である、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記ビーム整形器アレイアセンブリは、スペクトルビーム結合(SBC)ファイバレーザ増幅器システムの一部である、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記ビーム整形器アレイアセンブリは、ハイブリッドのコヒーレントビーム結合(CBC)およびスペクトルビーム結合(SBC)ファイバレーザ増幅器システムの一部である、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
ビーム整形器アレイアセンブリを製造するための方法であって、前記ビーム整形器アレイアセンブリは、複数のビームの形状を変化させ、前記方法は、
複数のコネクタステムを含む光学エンドキャップを提供するステップと、
エミッタアレイを形成するために前記
コネクタステムの各々にファイバを溶接するステップと、
前記
コネクタステムの反対側の前記
光学エンドキャップに隣接して、および互いから離間して、入力ビーム整形器アレイおよび出力ビーム整形器アレイを位置付けるステップと、
各ファイバの角度誤差および位置誤差を測定するステップと、
前記角度誤差および前記位置誤差について各ファイバのための補正を計算するステップと、
前記計算された補正を使用してビーム整形補正を提供する前記入力ビーム整形器アレイおよび前記出力ビーム整形器アレイの一方または両方に隣接してトリムビーム整形器アレイを位置付けるステップと
を含む方法。
【請求項19】
前記入力ビーム整形器
アレイは、タイル状に互いに隣接しかつ互いと接触して位置付けられる複数の直線入力アレイセルを含み、各
直線入力アレイセルは、複数のビームのうちの1つを受信し、前記ビームを、円形ガウスプロファイルから高フィルファクタフラットトッププロファイルへ変換されるように、前記ビームが前記入力ビーム整形器アレイから離れる方へ伝搬する際に拡大させ、前記高フィルファクタフラットトッププロファイル
の強度分布を、各ビームの周囲においてより低い値へと漸減させるように、整形する入力ビーム整形器を含み、前記出力ビーム整形器アレイは、複数の直線出力アレイセルを含み、前記複数の直線出力アレイセルは、各
直線出力アレイセルが
直線入力アレイセルに適合するようにタイル状に互いに隣接しかつ互いと接触して位置付けられ、各
直線出力アレイセルは
、変換されたビームのうちの1つを受信し、前記出力ビーム整形器アレイが、複数の隣接ビームを前記
複数の隣接ビーム間に最小の重複および最小の空隙を伴って提供するように、前記変換されたビームの波面を平坦にするように整形する出力ビーム整形器を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
ビーム整形器アレイアセンブリを製造するための方法であって、前記ビーム整形器アレイアセンブリは、複数のビームの形状を変化させ、前記方法は、
前記複数のビームを、タイル状に互いに隣接しかつ互いと接触して位置付けられる複数の入力アレイセルを含む入力ビーム整形器アレイ上へ向けるステップであって、その結果として、各ビームが前記入力アレイセルのうちの1つを通って向けられる、ステップと、
各ビームが、低フィルファクタプロファイルから高フィルファクタプロファイルへ変換されるように、前記ビームが前記ビーム整形器アレイ
アセンブリから離れる方へ伝搬する際に拡大すること、および前記高フィルファクタプロファイル
の強度分布を、各ビームの周囲において、
前記高フィルファクタプロファイルと等価の
フィルファクタプロファイルを有するフィルファクタガウスビーム
を用いた場合に得られる漸減よりも
、スムーズに低い値へ漸減させることを可能にするステップと、
前記入力ビーム整形器アレイから、各出力アレイセルが入力アレイセルに適合するようにタイル状に互いに隣接しかつ互いと接触して位置付けられる複数の出力アレイセルを含む出力ビーム整形器アレイ上へ、前記複数のビームを向けるステップであって、各ビームは、前記出力ビーム整形器アレイが、複数の隣接ビームを前記
複数の隣接ビーム間に最小の重複および最小の空隙を伴って提供するように、前記変換されたビームの波面を平坦にするために前記出力アレイセルのうちの1つを通って向けられる、ステップと、
前記入力ビーム整形器アレイおよび/または前記出力ビーム整形器アレイの出力側において、各ビームのビーム強度プロファイル内の波面収差および誤差を測定するステップと、
タイル状に互いに隣接して位置付けられる複数のトリムアレイセルを含み
、前記入力ビーム整形器アレイおよび/または前記出力ビーム整形器アレイに隣接して位置付けられるトリムビーム整形器アレイを提供するステップであって、その結果として、各トリムアレイセルが、
前記入力ビーム整形器アレイからのビームのうちの1つを受信し
、および/または前記出力ビーム整形器アレイからのビームのうちの1つを受信し、前記ビーム強度プロファイル内の測定された前記波面収差および誤差に基づいてビーム補正を提供する、ステップと
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は、概して、ビーム整形器アレイアセンブリを製造するための方法、より詳細には、エンドキャップおよびそこに溶接される複数のファイバを有するエミッタアレイとビーム整形器アレイとを含む低精度ビーム整形器アレイアセンブリを製造するステップ、ファイバ角度および位置誤差を測定するステップ、ならびに測定に基づいてファイバ角度および位置誤差補正を提供するステップを含む、ビーム整形器アレイアセンブリを製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]高パワーレーザ増幅器は、工業、商業、軍用などを含む多くの用途を有する。レーザ増幅器の設計者は、これらの用途および他の用途のためにレーザ増幅器のパワーを増大させる方法を継続して調査している。レーザ増幅器の1つの知られているタイプは、シードビームとシードビームを増幅するポンプビームとを受信するドープファイバを採用し、高パワーレーザビームを生成するファイバレーザ増幅器であり、ファイバは、約10~20μm以上の活性コア直径を有する。ファイバレーザ増幅器は、それらの高い効率、高いパワー拡張性、および優れたビーム品質が理由で、指向性エネルギー兵器のエネルギー源として有用である。
【0003】
[0003]ファイバレーザ増幅器設計における改善は、その実用パワーおよびビーム品質限界に近づくためにファイバ増幅器の出力パワーを増大させている。出力パワーをさらに増大させるため、いくつかのファイバレーザシステムは、より高いパワーを生成するために何らかの方式で増幅ビームを結合する複数のファイバレーザ増幅器を採用する。このタイプのファイバレーザ増幅器システム、特に、高エネルギービームをターゲットに向ける指向性エネルギー兵器に採用されるものの設計課題は、ビームがビーム直径にわたって均一相を有する単一ビーム出力を提供し、その結果として、ビームが小焦点に集束され得るように、複数のファイバ増幅器からのビームを結合することである。長距離(遠方場)における小さい点に結合ビームを集束させることが、ビームの品質を画定する。
【0004】
[0004]ビームコンバイナレーザ兵器システムをより高いパワーへとスケーリングするのには2つの手法が存在する。1つの手法は、スペクトルビーム結合(SBC)として知られており、この場合、異なる波長の複数のレーザが、回折格子または他の分散光学素子上で単一ビームへと結合される。他方の手法は、コヒーレントビーム結合(CBC)として知られており、この場合、複数の相互にコヒーレントなレーザが、互いと位相ロックされ、ビームスプリッタを使用して近接場内で重複すること、または合成ビーム、俗に「フェーズドアレイ」と称される構成、を形成するために並んでタイリングすること、のいずれかによって、単一ビームへと結合される。
【0005】
[0005]異なるビーム結合手法のうち、フェーズドアレイ手法は、良好なビーム品質を有する単により高いパワーを超えた追加の有用性を提供するという点で唯一無二である。並んだレーザタイル間の相対位相(「ピストン」)を変えることにより、タイル状ビームにわたる複合波面が合成され得る。この合成された波面は、アレイ素子にわたって線形位相ランプを適用することによって高速ビーム操作を提供し得るか、またはより一般的には、複合タイル状ビームに共役波面を押し付けることによって任意の下流波面収差を補償し得るか、のいずれかである。これは、高プラットフォームジッタにもかかわらず、高速移動するターゲットに対する照準点維持を可能にし得、また大きな介在大気乱流および空中光学収差にもかかわらず、遠隔ターゲットに対する近回折限界点の形成を可能にし得る。この点に関して、能力は、本質的に、従来の可変鏡(DM)を使用したビーム制御システムのものと同様であるが、DMハードウェアの必要性はなく、桁違いに高速の作動能力を伴う。DMは、典型的には、鏡面を物理的に変形させる必要性に起因して、それらの作動速度が音響クラス(multi-kHz)の速度に制限される一方、フェーズドアレイピストンは、商業的にファイバ結合された導波電気光学変調器を使用してGHzクラスの速度で作動され得る。これらの高速度は、迅速に変化する波面障害、特に、移動する空気プラットフォームに対する空中光学効果から生じるもの、の能動的補償のために望ましい場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
[0006]これらのタイプのファイバアレイ増幅器においては、フラットトップビームの場合、高パワービームによって占有される結合ビームエリアの一部と規定される、高い空間フィルファクタを有するファイバビームのアレイを提供することが望ましい。非フラットトッププロファイルを有するビームの場合、フィルファクタは、より一般的には、1-σp2/(4P2)と規定され得、式中、Pは、平均レーザ強度であり、σp2は、結合ビームエリアにわたるレーザ強度の分散である。これらのシステム内のファイバビームエミッタは、典型的には円形の近ガウスプロファイルを有するビームを放出するが、他の非ガウスプロファイルが可能であり、ビームは、互いに隣り合ってアレイ内に配置される。次いで、ファイバビームは、コリメーティング光学素子によってコリメートされ、ビーム間の空間が、遠方場においてはオフターゲットである可能性が高い空間サイドローブ内に光パワーを発生させる。したがって、遠方場において可能な限り小さい点を獲得するためにフィルファクタを増加させることによって、ターゲットに結合ビームを投影する望遠鏡の開口全体を充填することが望ましい。知られているファイバ増幅器システムは、典型的には、フィルファクタを増加させるために円形ガウスビームをコリメートするレンズを採用する。しかしながら、その素子が近ガウスプロファイルを有する高フィルファクタビームアレイは、ビームのウイングが近隣素子によってブロックされるため、高いクリッピング損失を呈する。故に、単レンズおよび近ガウスビームを使用して可能であるものより高いフィルファクタおよびより低いクリッピング損失を有するビーム整形器アレイが必要とされる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】ビーム整形器アレイアセンブリを含むCBCファイバレーザ増幅器システムの概略ブロック図である。
【
図2】
図1に示されるファイバレーザ増幅器システムから分離されたビーム整形器アレイアセンブリの等角図である。
【
図3】
図2に示されるビーム整形器アレイアセンブリ内のビーム整形器アレイの前面図である。
【
図4A】
図2に示されるビーム整形器アレイアセンブリを通じて伝搬するファイバビームのうちの1つについてのビームプロファイルであり、どのようにしてビームプロファイルが、円形ガウスプロファイルから正方形フラットトッププロファイルへ進むために、1つのビーム整形器アレイから他のビーム整形器アレイへ伝搬する際に展開および拡大するかを示す図である。
【
図4B】
図2に示されるビーム整形器アレイアセンブリを通じて伝搬するファイバビームのうちの1つについてのビームプロファイルであり、どのようにしてビームプロファイルが、円形ガウスプロファイルから正方形フラットトッププロファイルへ進むために、1つのビーム整形器アレイから他のビーム整形器アレイへ伝搬する際に展開および拡大するかを示す図である。
【
図4C】
図2に示されるビーム整形器アレイアセンブリを通じて伝搬するファイバビームのうちの1つについてのビームプロファイルであり、どのようにしてビームプロファイルが、円形ガウスプロファイルから正方形フラットトッププロファイルへ進むために、1つのビーム整形器アレイから他のビーム整形器アレイへ伝搬する際に展開および拡大するかを示す図である。
【
図4D】
図2に示されるビーム整形器アレイアセンブリを通じて伝搬するファイバビームのうちの1つについてのビームプロファイルであり、どのようにしてビームプロファイルが、円形ガウスプロファイルから正方形フラットトッププロファイルへ進むために、1つのビーム整形器アレイから他のビーム整形器アレイへ伝搬する際に展開および拡大するかを示す図である。
【
図4E】
図2に示されるビーム整形器アレイアセンブリを通じて伝搬するファイバビームのうちの1つについてのビームプロファイルであり、どのようにしてビームプロファイルが、円形ガウスプロファイルから正方形フラットトッププロファイルへ進むために、1つのビーム整形器アレイから他のビーム整形器アレイへ伝搬する際に展開および拡大するかを示す図である。
【
図4F】
図2に示されるビーム整形器アレイアセンブリを通じて伝搬するファイバビームのうちの1つについてのビームプロファイルであり、どのようにしてビームプロファイルが、円形ガウスプロファイルから正方形フラットトッププロファイルへ進むために、1つのビーム整形器アレイから他のビーム整形器アレイへ伝搬する際に展開および拡大するかを示す図である。
【
図5】X方向およびY方向の両方に整形される、
図3に示されるビーム整形器アレイ内のビーム整形器のうちの1つの模式図である。
【
図6】X方向に整形される、
図3に示されるビーム整形器アレイ内のビーム整形器のうちの1つの模式図である。
【
図7】Y方向に整形される、
図3に示されるビーム整形器アレイ内のビーム整形器のうちの1つの模式図である。
【
図8】トリムビーム整形器アレイを含む、
図2に示されるビーム整形器アレイアセンブリの等角図である。
【
図9】ブロックの対向する側にビーム整形器アレイを含む、
図2に示されるタイプのビーム整形器アレイアセンブリの等角図である。
【
図10】ビーム整形器アレイの外縁が円形開口により密接に適合するようにセルがタイル状にされている、いくつかの別個の正方形ビームセルを有するビーム整形器アレイの前面図である。
【
図11】異なる形状のビームセルを有するビーム整形器アレイの前面図である。
【
図12】異なるサイズのビームセルを有するビーム整形器アレイの前面図である。
【
図13】円形開口のための異なるサイズおよび形状のビームセルを有するビーム整形器アレイの前面図である。
【
図14】ダイオードレーザバービーム源を含む、
図2に示されるタイプのビーム整形器アレイアセンブリの等角図である。
【
図15】
図2に示されるビーム整形器アレイアセンブリと同様の一次元ビーム整形器アレイアセンブリを含むSBCファイバレーザ増幅器システムの概略ブロック図である。
【
図16】
図15に示される増幅器システムから分離された一次元ビーム整形器アレイアセンブリの等尺図である。
【
図17】
図2に示されるタイプのビーム整形器アレイアセンブリを含み、マルチディザーサンプルビーム位相ロックを含む、ハイブリッドCBCおよびSBCファイバレーザ増幅器システムの概略ブロック図である。
【
図18】
図17に示されるビーム整形器アレイアセンブリのためのエンドキャップの等角図である。
【
図19】
図2に示されるタイプのビーム整形器アレイアセンブリを含み、光ヘテロダイン検出位相ロックを含む、別のハイブリッドCBCおよびSBCファイバレーザ増幅器システムの概略ブロック図である。
【
図20】ビーム整形器アレイアセンブリを製造するためのプロセスのためのプロセスを示すフローチャート図である。
【
図21】ファイバをエンドキャップに溶接し、望遠鏡および顕微鏡を使用してビーム角度および位置誤差を測定するためのプロセスを示す1D光学アセンブリの模式図である。
【
図22】ビーム位置誤差を示す近接場画像の前面図である。
【
図23】ビーム角度誤差を示す遠方場画像の前面図である。
【
図24】遠方場および近接場においてビームを撮像するために光学素子を使用してビーム整形器アレイアセンブリについてのビーム角度および位置誤差を測定するためのプロセスを示す1D光学アセンブリの模式図である。
【
図25】干渉計を使用してビーム整形器アレイアセンブリについてのビーム角度および位置誤差を測定するためのプロセスを示す1D光学アセンブリの模式図である。
【
図27A】アレイ内のファイバの角度を補正するためのプロセスを示すエミッタアレイの側面図である。
【
図27B】アレイ内のファイバの角度を補正するためのプロセスを示すエミッタアレイの側面図である。
【
図27C】アレイ内のファイバの角度を補正するためのプロセスを示すエミッタアレイの側面図である。
【
図27D】アレイ内のファイバの角度を補正するためのプロセスを示すエミッタアレイの側面図である。
【
図28A】
図28Aは、アレイ内のファイバの位置を補正するためのプロセスを示すエミッタアレイの側面図である。
【
図28B】
図28Bは、アレイ内のファイバの位置を補正するためのプロセスを示すエミッタアレイの側面図である。
【
図28C】
図28Cは、アレイ内のファイバの位置を補正するためのプロセスを示すエミッタアレイの側面図である。
【
図29】対向するサイドブリッジによって光学素子に結合されているエンドキャップを示す光学アセンブリの模式図である。
【
図30】トップブリッジによって光学素子に結合されているエンドキャップを示す光学アセンブリの模式図である。
【
図31】複数の1D光学アセンブリおよび光学素子を含む2D光学アセンブリの模式図である。
【
図32】複数の1D光学アセンブリおよび単一の光学素子を含む2D光学アセンブリの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[0039]複数のファイバを含むビーム整形器アレイアセンブリを製造するための方法を対象とした本開示の実施形態の以下の議論は、本質的に例示にすぎず、本開示またはその応用もしくは使用を限定することはいかようにも意図されない。例えば、製造されたビーム整形器アレイアセンブリは、CBCまたはSBCファイバレーザ増幅器システム内のエミッタとしての特定の用途を有する。しかしながら、当業者によって理解されるように、ビーム整形器アレイアセンブリは、他の光学システムのための用途を有し得る。
【0009】
[0040]
図1は、ファイバ14上に中心波長λを有する連続波周波数変調シードビームを生成するシードビーム源12を含むCBCファイバレーザ増幅器システム10の概略ブロック図である。源12は、単一縦モード分散フィードバック(DFB)ダイオードレーザ発振器などの主発振器(MO)、および電気光学変調器(EOM)などの周波数変調器を含み得る。EOMは、変調されたシードビームが、下流の高パワーファイバ増幅器内の誘導ブリルアン散乱を抑える実質的に広がった線幅を有するように、ホワイトノイズまたは擬似乱数ビットシーケンス(PRBS)などの周波数変調広がりを提供するRF源(図示せず)からの増幅無線周波数(RF)電気駆動信号によって提供される印加電圧を受信し得る。ファイバ14上の変調されたシードビームは、同じ波長λを有するファイバ18上の複数のスプリットシードビームを作成するために、光スプリッタ16によって分割され、各スプリットシードビームは、位相ロック目的のためにシードビームのサーボ位相制御を提供する別個のEOM20へ送られる。
【0010】
[0041]ファイバ22上の変調されたシードビームの各々は、Ybドープファイバ増幅器などのファイバ増幅器24へ送られ、増幅器24は、典型的には、光ポンプビーム(図示せず)を受信するファイバ22のドープ増幅部分である。増幅ビームのすべては、ファイバ26上へ向けられ、システムエミッタとして動作する、以下に詳細に論じられるビーム整形器アレイアセンブリ40に送られる。ビーム整形器アレイアセンブリ40からの放出された増幅ビームは、結合ビーム内の別個のビームの各々のサンプル部分をサンプリングする位相感知アセンブリ38内のビームスプリッタ28を通って、結合増幅ビームとして向けられる。光スプリッタ16はまた、参照ビーム58を生成するように構成され、この参照ビーム58は、参照ビーム58を変調する参照ビーム変調器178へ送られる。参照ビーム変調器178は、例えば、参照ビーム58の中心周波数をシフトする音響光学変調器、または参照ビーム58にデジタル位相シフトを付与するEOMを含み得る。変調された参照ビーム58は、平坦波面を提供し、またビームスプリッタ28上の結合増幅ビームと重複するように、ビーム拡大器78によって拡大される。重複した参照およびサンプルビームの強度は、光検出器32のアレイ30によって検出される。結合増幅ビームの主部分は、出力ビーム54をターゲット(図示せず)へ向けるビームディレクタ望遠鏡34へ送られる。
【0011】
[0042]光検出器32からの電気信号は、例えば、当業者によく知られている光ヘテロダイン検出(OHD)などの位相ロック技術を使用して、シードビームの位相を補正するようにEOM20を制御するために位相ロック制御器36によって使用される。しかしながら、周波数シフトされた参照ビームを必要としない場合があるか、または代わりに、ビームアレイ全体を単一の検出器に集束させる遠方場生成レンズを使用する他の位相ロック技術(図示せず)が採用され得、この場合、各チャネルのための誤差信号が、当業者によく知られている、例えば、確率的並列勾配下降(SPGD)アルゴリズムなどの様々なマルチディザー手法を使用して電気的に抽出される。制御器36は、波面収差データまたはビーム操作設定点などの位相設定点を決定するために、ボックス58によって提供される他のデータおよび情報を受信し得る。より詳細には、制御器36は、サンプリングされたビーム間の位相差の誤差信号を受信し、それらの誤差信号をEOM20に提供して、シードビームのすべてが位相をロックされるように個々のシードビームの位相を制御する。言い換えると、EOM20は、結合増幅ビームの「ピストン」位相がビーム波面にわたって空間的に均一であるようにシードビーム位相制御を提供する。これはまた、シードビームの位相が電子ビーム操作目的で互いに対して変更されることを可能にする。制御器36はまた、測定された大気異常を補正するためにビームの位相制御を付与することができ、出力ビーム54は、大気収差を通じて伝搬した結果として補正される波面収差を有し得、その結果として、ビーム54が、それがターゲットに衝突するときに所望の品質のものである。
【0012】
[0043]
図2は、ファイバレーザ増幅器システム10から分離されたビーム整形器アレイアセンブリ40の等角図である。論じられるように、アレイアセンブリ40は、100%近くのフィルファクタに、均一のまたは調整された位相または位相面を伴う望遠鏡34の放出開口にわたって均一のまたは調整されたビーム強度を提供する。位相は、上に説明されるような収差のビーム操作または補償のために調整され得る。アレイアセンブリ40は、光学ガラスのモノリシックブロック、またはモノリシックブロックのグループである光エンドキャップ42を含み、ファイバ26の端部が、表面46内に機械加工される好適なステム44によってエンドキャップ42の入力表面46に光学的に溶接され、結果として、増幅ビームは、最小の反射を伴ってエンドキャップ42内へ放出され、マイクロメートル級の精度で正確に離間される。アレイアセンブリ40はまた、一対の離間したタイル状のビーム整形器アレイ48および50を含み、ビーム整形器アレイ48および50の各々は、ビームが所望の様式で整形されるようにビームの空間位相分布または波面を変化させるビーム整形器を各ビームにつき1つ有する密充填されたタイル状のセルのアレイを含む。
【0013】
[0044]
図3は、ビームが本明細書に論じられる様式で集束されるように整形される表面を伴うビーム整形器52を各々が有する正方形タイル状の副開口ビーム整形器セル56のアレイを示すビーム整形器アレイ48の前面図であり、ビーム整形器アレイ48からビーム整形器アレイ50への伝搬後、ビームは、円形ガウスプロファイルから、セル56のサイズを有する正方形フラットトッププロファイルへ変更される。言い換えると、ビーム整形器アレイ48は、ビームが伝搬する際にビームが平坦になり、ビーム間の空間を光で充填するように、ビームの位相を変化させる。ビーム整形器アレイ50は、ビーム整形器アレイ48と同じ構成のセルおよびビーム整形器を含むが、ビーム整形器は、ビームを拡大する代わりに、それらが、ビームがさらに伝搬する際にビームをフラットトッププロファイルに維持するためにビームの位相面を変化させるように、異なって整形される。この非限定的な実施形態において、セル56のうちの1つによって提供される副開口サイズは、2×2mm
2である。
【0014】
[0045]述べられたように、ビーム整形器アレイ48は、円形ガウス状の増幅ビームの形状を正方形フラットトップビームへと変化させるように動作し、正方形フラットトップビームは、所望される100%近くのフィルファクタを提供するためにビーム間に最小空隙が存在するように、ある特定の既定の伝搬距離にわたって互いに非常に密接して位置付けられ、すなわち、タイル状にされ、密充填される。言い換えると、ファイバ26からのガウス状のビームは、エンドキャップ42によって二次元アレイ内に互いに隣り合って位置付けられ、次いでガウスピーク間の低い強度エリアは、ビームのアレイにわたるビーム強度がビーム間の最小重複および最小空隙を伴って一定であるように、ビーム整形器アレイ48からビーム整形器アレイ50への伝搬時にビーム整形器アレイ48によって充填される。ビーム整形器アレイ50は、ビーム整形器アレイ48から既定の距離に位置付けられ、ビーム整形器アレイ50からの出力ビームが平坦な位相面を有するようにビームの形状変化を停止するように動作する。
【0015】
[0046]
図4A~
図4Fは、増幅ビームのうちの1つについてのビームプロファイルであり、どのようにしてビームプロファイルが、円形ガウスプロファイルから正方形フラットトッププロファイルへ進むために、ビーム整形器アレイ48からビーム整形器アレイ50へ伝搬する際に展開および拡大するかを示す。具体的には、
図4Aは、ビーム整形器アレイ48の出力におけるビームのプロファイルを、ガウスプロファイルを有するものとして示し、
図4Bは、アレイ48から10mmにおけるビームのプロファイルを示し、
図4Cは、アレイ48から20mmにおけるビームのプロファイルを示し、
図4Dは、アレイ48から30mmにおけるビームのプロファイルを示し、
図4Eは、アレイ48から30mmにおけるビームのプロファイルを示し、
図4Fは、ビーム整形器アレイ50の場所でアレイ48から50mmにおけるビームのプロファイルを示す。ビーム整形器アレイ50は、次いで、残留位相およびビームの発散を除去するために、広がったビームをコンジュゲートまたはコリメートして、正方形平坦波面ビームを提供する。連続的な副開口内にビームの重複が存在しないか、最小の重複が存在することから、電子ビーム操作は、様々なビームの位相を変化させることによって利用可能である。言い換えると、別個のビームフットプリントが、ファイバレーザ増幅器システム10の完全適応の光学素子能力を保護する。
【0016】
[0047]ビーム整形器52は、アレイ48からアレイ50への伝搬時にビームプロファイルを平坦にし、また正方形にするために必要な形状を獲得するために、ビームのZ伝搬方向に対してX方向およびY方向の両方に整形される。ビーム整形器52の1つの好適な形状は、
図5に示され、この形状は、1つの表面に形成される。この実施形態において、ビーム整形器52の基板材料は、溶融シリカであり、XおよびY軸は各々2mmに及び、Z軸は、表面起伏をマイクロメートルで示す。代替的に、別個の表面が、ビーム整形器の形状のXおよびY方向について整形され得る。例えば、
図6は、X方向についての好適な形状を示し、
図7は、Y方向についての好適な形状を示す。別個のXおよびY方向形状は、同じビーム整形器アレイの対向する側に形成され得るか、または2つの隣接するビーム整形器アレイの片側にあり得る。分けられたXおよびY方向形状を用いたこれらの実施形態は、ビーム整形器アレイ48および50の最大表面起伏を低減し、故にそれらを高い正確性で製造するのをより簡単にすることから、組み合わされたXおよびY方向形状と比較して有利である。
【0017】
[0048]この非限定的な実施形態において、ビーム整形器アレイ48は、エンドキャップ42の出力表面から離間して示される。しかしながら、ビーム整形器アレイ48は、エンドキャップ42の出力表面に光学的に取り付けられ得るか、またはエンドキャップ42の出力表面上に直接整形され得る。何らかのビーム拡大を可能にするために入力表面46に溶接されるファイバ26の先端とビーム整形器アレイ48との間にいくらかの効果的な自由空間距離を提供することが必要である。
図1に示されるように、この効果的な自由空間は、ガラス媒体内の伝搬から、媒体の屈折率を適切に考慮して、部分的または全体的になり得る。ファイバ先端とビーム整形器アレイ48との間の効果的な自由空間の量は、ファイバ26間の副開口ピッチ(間隔)、各ファイバ26から放出されるガウスビームの、開口数、すなわち発散、および望遠鏡34の開口に依存し、目標は、目に見えるわずかなピッチであるが、クリッピング損失なしに副開口内に完全に含まれるように、ビーム整形器アレイ48におけるビームフットプリントサイズを獲得することである。故に、0.03ラジアンの開口数、すなわち半角発散を有する典型的な大モードエリアファイバの場合、および2mmのピッチの場合、ファイバ先端とビーム整形器アレイ48との間の効果的な自由空間距離は、約10mmとなる。
【0018】
[0049]一対のビーム整形器アレイ48および50は、理論上、説明されるような所望のビーム整形を提供することができるものとするが、実際には、アセンブリ40の製造公差によって引き起こされる、ビーム整形器アレイ50の出力におけるビーム強度プロファイルに様々な波面収差および誤差が存在する可能性が高く、そしてアセンブリ40の製造公差は、アレイ48および50ならびにエンドキャップ42の製造公差と、構成要素の特定の組立セットについて測定されることができる、それらの相対的整列とによって部分的に決定され得る。
【0019】
[0050]
図8は、ファイバレーザ増幅器システム10から分離されたビーム整形器アレイアセンブリ40の等角図であり、収差の逆を提供するために測定値に基づいて波面補正を提供するように整形されるトリムビーム整形器素子64のアレイを含むトリムビーム整形器アレイ62が、ビーム整形器アレイ50に隣接して提供される。アレイ62内のトリムビーム整形器アレイ素子64の各々は、測定された誤差に基づいて他とは異なり得る。アセンブリ40はまた、ビーム整形器アレイ48からビーム整形器アレイ50へのビームの伝搬後、ビーム整形器アレイ50の出力において測定される強度分布におけるいかなる不均一性も補正されるように、整形されるトリムビーム整形器素子68のアレイを含む、ビーム整形器アレイ48に隣接して提供されるトリムビーム整形器アレイ66を含む。アレイ66内の素子68の各々は、測定された誤差に基づいて他とは異なり得る。代替的に、または加えて、個々の構成要素、例えば、アレイ48および50、またはファイバ26、コネクタ44、およびエンドキャップ42を備える組み立てられたファイバエンドキャップアレイなど、の波面収差が、別個に測定され得、トリムビーム整形器アレイ62および66はまた、それぞれアレイ48および50に隣接して提供され得る。
【0020】
[0051]上で論じた実施形態において、ビーム整形器アレイ48および50は、離散素子である。代替の実施形態において、2つのビーム整形器アレイが、単一の光学ブロックの対向面に提供され得、この単一の光学ブロックは、ビームがブロックを通って伝搬する際に低フィルファクタビームがフラットトップ高フィルファクタビームに変換されるように必要な厚さを有する。この実施形態は、光学ブロック72、ブロック72の入力表面に光学的に取り付けられるか、またはそこに直接整形される入力ビーム整形器アレイ74、およびブロック72の出力表面に光学的に取り付けられるか、またはそこに直接整形される出力ビーム整形器アレイ76を含むビーム整形器アレイアセンブリ70の側面図を示す
図9に例示され、ビーム整形器アレイ74は、入力表面46に溶接されるファイバ26の先端とビーム整形器アレイ74との間の効果的な自由空間距離を提供するために、エンドキャップ42から離間されるか、またはこれに取り付けられる。同様に、ビーム整形器アレイ48は、エンドキャップ42の表面上に直接整形され得る。これらの実施形態は、高パワービームが通過する表面の数を低減し、故に、望ましくない散乱または後方反射からの光パワー損失を低減することから、有利である。
【0021】
[0052]上の実施形態において、ビーム整形器アレイ48および50は、正方形である。他の実施形態において、個々のビーム整形器およびビームの正方形タイリングは維持するが、結合ビームの外形を望遠鏡34の開口の形状により密接に適合させることが望ましい場合がある。
図10は、アレイ48および50として使用され得、ビーム整形器を含むいくつかの正方形ビーム整形器セル82を有するビーム整形器アレイ80の前面図であり、セル82は、ビーム整形器アレイ80の外縁86が円形開口により密接に適合するようにタイリングされる。さらに、本明細書に説明されるタイプの特定のファイバ増幅器システムにおいて、望遠鏡34の主開口は、副鏡を受け入れるためなど、中心オブスキュレーションを有し得る。この問題を解決するため、ビーム整形器アレイ80は、ビームが伝搬しない中心開口部88を有し、これにより、さもなければオブスキュレーションに衝突するビームパワーを無駄にしないようにする。
【0022】
[0053]セル56のすべてが同じ正方形状を有することが上で提案されているが、他の設計においては、中心など、異なるエリア内の結合ビームのパワーまたは強度を制御することが望ましい場合があり、この場合、ビームパワーを相応に調節するために、一部のセルが正方形であり他のセルが長方形であるなど、外側セルは内側セルとは異なる形状を有し得る。この実施形態は、アレイ48および50として使用され得、ビーム整形器94を有するいくつかの正方形内側ビーム整形器セル92およびビーム整形器98を有するいくつかの長方形外側ビーム整形器セル96を有するビーム整形器アレイ90の前面図を示す
図11に例示される。
【0023】
[0054]また、セル56は、すべて同じサイズである必要はなく、異なるサイズのセルは、
図10に示されるものなど、外周または内周形状をより良好に受け入れ得る。この実施形態は、アレイ48および50として使用され得、1つのサイズのビーム整形器104を有するいくつかの正方形ビーム整形器セル102および別のサイズのビーム整形器108を有するいくつかの正方形ビーム整形器セル106を有するビーム整形器アレイ100の前面図を示す
図12に例示される。
【0024】
[0055]セル56のすべてが直線アレイ内に配置されることも上に提案されているが、他の設計では非直線状のアレイ内にセルを配置することが望ましい場合がある。例えば、六角形形状のセルの密充填された六角形アレイは、直線形状のセルよりも円形ビームディレクタ開口をより良好に充填するのに有利であり得る。さらには、様々なセル形状のより一般的な応用は、開口境界をより良好に受け入れるのに望ましい場合がある。
【0025】
[0056]
図13は、これらの特徴を例示する円形開口118に一致するように外側の略円形の周囲を有する、アレイ48および50として同じく使用され得る、ビーム整形器アレイ116の前面図である。アレイ116は、円形形状を提供するために、六角形セル146、長方形セル148、台形セル190、三角形セル192、およびダイアモンド形状セル194を含む様々な特別な形状のビーム整形器セルを含む。
【0026】
[0057]上の実施形態は、ファイバエミッタのアレイを使用するが、別の実施形態は、ダイオードレーザエミッタなどの他のタイプのレーザエミッタを使用し得、エミッタの数は、著しく増加され得るということに留意されたい。より詳細には、ダイオードレーザは、多くの場合、レーザが密接に配置され得る半導体内にリソグラフィで製造される。
図14は、採用され得るレーザのタイプを一般化するレーザシステム110の例示であり、エミッタアレイ112は、ビーム整形器アレイ48の入力側に提供され、ダイオードレーザ114を含む。
【0027】
[0058]ビーム整形器アレイ50の後の所望の出力強度分布がアレイセルの各々についてフラットトップを有することも上で提案されているが、いくつかの応用では、これは望ましくない場合がある。例えば、ビーム整形器アレイ90および100の構成を使用する場合のように、例えば、タイル状のアレイの中心セルが周囲セルよりも高い強度を呈する状態で、遠方場サイドローブを最小にするように周囲付近では低い値へ漸減する強度分布でタイル状のアレイを合成することが望ましい場合、それらの強度がアレイの中心に最も近いセルの縁近くではより大きく、アレイ90などのアレイの外側境界におけるセルの外縁近く、または中心開口部88などの環状リングの内縁近くではより小さくなるように、アレイ内のセルのいくつかまたはすべてに対して内側に強度分布を漸減させることも有利であり得る。これは、アレイの各素子に固有であり得る所望の漸減強度分布をもたらすように2つのビーム整形器アレイ内のビーム整形器の設計を調整することによって達成され得る。
【0028】
[0059]ビーム整形器アレイアセンブリ40と同様であるが、位相ロックによるコヒーレント結合を採用しないビーム整形器アレイアセンブリもまた、SBCファイバレーザ増幅器アーキテクチャにおいて採用され得る。
図15は、N個の波長チャネル122を含むそのようなアーキテクチャであって、N個の波長チャネル122の各々が、特定のチャネル122のためのファイバ128上に中心波長λを有する連続波周波数変調シードビームを生成するシードビーム源124を有し、各シードビーム源124が異なるビーム波長λ
1-λ
Nを生成する、アーキテクチャを例示する、SBCファイバレーザ増幅器システム120の概略ブロック図である。ファイバ128上のシードビームの各々は、Ybドープファイバ増幅器などのファイバ増幅器130へ送られ、増幅器130は、典型的には、光ポンプビーム(図示せず)を受信するファイバ128のドープ増幅部分である。増幅ビームのすべては、ビーム整形器アレイアセンブリ40と同様であるが、ビームのすべてが異なる波長を有することから上で論じられるように位相ロックを提供しない、一次元ビーム整形器アレイアセンブリ132に向けられる。
【0029】
[0060]
図16は、増幅器システム120から分離された一次元ビーム整形器アレイアセンブリの等尺図である。ビーム整形器アレイアセンブリ132は、結合分散軸および直交する非結合非分散軸では異なり得るビーム整形を提供する、結合軸に沿った1列のファイバを有する一次元アレイである。結合軸に沿って、ビーム整形は、完全に充填された長方形開口を提供することは必ずしも意図されず、むしろハイパーガウス、または入力ビーム形状よりも高いフィルファクタを伴う同様の形状のものであり得、スムーズに漸減した強度プロファイルを伴い得る。ビーム整形器アレイアセンブリ132は、フィルファクタを増加させるために、各ファイバ128からのビームの強度分布を平坦にする。より詳細には、ビーム整形器アレイアセンブリ132は、ファイバ128が結合されるエンドキャップ134、
図4A~
図4Fに示されるようなアレイ48と同様の様式でビーム強度を広げるビーム整形器を含むビーム整形器アレイ136、および、ビーム整形器アレイアセンブリ132が、波長多様の増幅した高フィルファクタビームのセットを自由空間内に出力するように、アレイ50と同じ様式でビーム広がりを停止するビーム整形器を含むビーム整形器アレイ138を含み、個々のビーム波長λ
1-λ
Nは、わずかに異なるエミッタ位置から伝搬している。
【0030】
[0061]高フィルファクタビームは、多様なビームをコリメートし、それらをSBC格子142上へ、個々のビームのすべてが格子142に衝突し、同じフットプリントに重複するように、向けるコリメーティング光学素子140のセットから反射される。格子142は、個々のビーム波長λ1-λNを空間的に回折し、個々の増幅ビームを結合した出力ビーム144と同じ方向に向ける。
【0031】
[0062]SBCビーム品質は、回折格子142からの角度分散により制限される。個々のファイバ増幅器が、周波数変調に起因して有限光学線幅を有するため、パワーは、回折格子142からの回折の後に異なる方向に広がる。これらの異なる方向の広がりが、回折限界角度と比較して著しい場合、ビーム品質は劣化する。ビーム品質の劣化は、回折限界角度を増加させる、結合分散軸に沿って格子142上のビームフットプリントのサイズを減少させることによって最小限にされ得る。格子142はアレイ138のフーリエ面にあるため、これは、アレイ138における個々のビームサイズの増加に対応する。故に、アレイ138の結合軸に沿った高空間フィルファクタは、改善されたビーム品質を提供する。ガウスビームのアレイでは、アレイ138におけるフィルファクタは、損失パワーをもたらすガウスビームのウイングのクリッピングなしに増加することはできない。整形された高フィルファクタビームのアレイ、例えば、ハイパーガウス状のビームのアレイでは、アレイ138の空間フィルファクタは、クリッピング損失を招くことなく増大され得、故に、パワーの損失なしに改善されたビーム品質をもたらす。
【0032】
[0063]レーザシステム120のSBC構成の場合、アレイ138から出力されるビームの形状は、最適には、ビームのすべてについて同一である。しかしながら、ビーム形状は、結合軸および非結合軸に沿って異なり得る。結合軸に沿って、ビームは、角度分散に起因するビーム品質損失を最小限にするためにより高いフィルファクタに提供するように、上で論じられるように整形され得る。非結合軸に沿って、ビームは、例えば、格子142上に近ガウスビームプロファイルを生成するために未整形のままであり得る。これは、2×回折限界よりも大きい角度で遠方場サイドローブ内に回折されるパワーを最小限にすることから、サイズが1×~2×回折限界(DL)である遠方場ターゲットに対するパワーを最大限にするのに有利であり得る。代替的に、ビームは、格子142上に高フィルファクタプロファイルを生成するために非結合軸に沿って整形され得、強度は、望遠鏡開口においてはゼロ近くへと漸減する。これは、望遠鏡開口におけるクリッピング損失を最小限にしながら、サイズが1×回折限界未満であるターゲットに対する遠方場ピーク強度を最大限にするために、ビームディレクタ望遠鏡を完全に充填するのに有利であり得る。格子142の分散的影響は、格子142に入射する整形ビームが分散方向においては狭いが、直交する非分散方向においては広くなるように、ビーム整形器アレイ136および138ならびにコリメーティング光学素子140のセットを選択することによって、出力ビーム品質に対して最小限にされ得る。この非対称構成が、結合ビーム品質の劣化を最小限にしながら、格子142におけるピーク放射輝度を下げる。
【0033】
[0064]エンドキャップ42に結合されるファイバの数は、一般的に、密集したファイバをエンドキャップ42に結合する能力の機械的制限によって制限される。SBCおよびCBCアーキテクチャの両方において結合され得るビームの数は、他の理由で制限される。特に、SBCに必要とされる一次元線形ファイバアレイは、非現実的に大きい場合がある。しかしながら、CBCおよびSBC結合ビームを提供する制限は、CBCアーキテクチャおよびSBCアーキテクチャの両方を組み合わせるハイブリッドファイバレーザ増幅器アーキテクチャによって増加され得る。これは、CBC結合ビームを一方向に、およびSBC結合ビームを直交方向に提供することによって達成され得る。この組み合わされたCBCおよびSBCアーキテクチャは、次いで、上で論じられるビーム整形器アレイアセンブリ40またはビーム整形器アレイアセンブリ132によって提供されるビームフィルファクタにより改善され得る。
【0034】
[0065]いくつかのアーキテクチャが、ハイブリッドCBCおよびSBCファイバレーザ増幅器システムにおいてビーム位相を測定するために採用され得る。
図17は、1つのそのようなアーキテクチャを例示するハイブリッドCBCおよびSBCファイバレーザ増幅器システム150の概略ブロック図であり、システム10と同じ素子は、同じ参照番号により識別される。システム150は、N個のSBCチャネル152であって、各チャネル152が、波長λ
iを有するシードビーム源12の別個のグループを含み、式中、iは、範囲1≦i≧Nにある、N個のSBCチャネル152、スプリッタ16、EOM20、およびシステム10内に示されるような増幅器24を含む。そのようなものとして、第iのチャネル152は、別個に増幅され、同じ波長λ
iのものであるM個の複数シードビームへと分割される単一の波長λ
iシードビームを含み、M個のEOM20のN個のグループが存在し、チャネル152のすべてが一緒に、異なるビーム波長λ
1-λ
Nの各々において増幅されるM×Nシードビームを生成する。M×Nファイバ26のすべては、M×N出力ビーム162を出力する、
図2に示されるタイプの入力ビーム整形器アレイ158および出力ビーム整形器アレイ160を含むビーム整形器アレイアセンブリ156の部分であるエンドキャップ154に結合される。
【0035】
[0066]
図18は、システム150から分離されたエンドキャップ154の等角図である。エンドキャップ154は、入力側166および出力側168を有する光学ブロック164を含み、矢印172によって識別される非分散CBC軸は、ブロック164の片側に沿って規定され、
図17における紙面に垂直であり、矢印170によって識別される分散SBC軸は、ブロック164の垂直側に沿って規定され、
図17における紙面内にある。ファイバ26は、ブロック164の入力側166に光学結合され、各ファイバ26からのビーム174は、ブロック164の出力側168に示され、CBC軸172に沿った各列内のビーム174は、同じ波長λ
iを有し、チャネル152のうちの1つによって提供され、SBC軸170に沿った各行内のビーム174は、複数の波長λ
1-λ
Nを含み、チャネル152のうちの異なるものによって提供される。ビームを受信するビーム整形器アレイ158および160は、ビームの位相ロックがCBC軸172に沿って発生し、ビーム強度平坦化がSBC軸170に沿ってフィルファクタを増加させるために発生するように、上に論じられる様式で構成されるセルおよびビーム整形器を有する。
【0036】
[0067]ビーム整形器アレイ160からのM×Nビーム162は、円筒状の光学系196によってコリメートされ、回折格子142と同様の様式で動作する回折格子198上へ向けられる。光学系196は、紙面内で分散SBC軸170に沿って湾曲を有する。光学系196の焦点距離は、格子198からの回折した出力ビームのすべてが、できる限り高い精度で同じ方向に共同伝搬するように、N個の異なる波長λiのすべてが正しい角度で格子198に入射することを確実にするように選択される。結果として、格子198からの結合した出力ビーム176は、ページに直交するCBC軸172に沿ってタイリングされるM個の平行ビームを含み、1つの軸に沿った個々のビーム、および垂直軸に沿った空間的に回折されたビームの位相制御を有する。
【0037】
[0068]さらに格子198から反射されるのは、個々の検出器186を有する検出器アレイ184上へレンズ182によって集束される弱鏡面反射0次ビーム180である。ビーム180を含む波長グループは線形アレイ内を異なる角度で伝搬することから、各波長グループのためのレンズ182からの集束ビームは、線に沿って分離され、検出器186の線形アレイへ向けられ得る。N個の検出器186の各々は、各波長グループを含むM個の集束CBCビームの重複を受信する。各検出器186における強度は、位相ロック制御信号と重ね合わされるディザー信号を、例えば、SPGDアルゴリズムを使用して、各波長グループのための対応するEOM20に提供するマルチディザープロセッサ188によって最大限にされる。
【0038】
[0069]
図19は、位相感知および制御特徴を除いて増幅器システム150と同様である別のハイブリッドCBCおよびSBCファイバレーザ増幅器システム200の概略ブロック図であり、システム150と同じ素子は、同じ参照番号により識別される。この実施形態では、スプリッタ16は、各波長グループのための参照として使用されることになる参照ビーム202を提供する。各参照ビーム202は、変調器204によって変調され、変調された参照ビーム202のすべてが、波長分割多重化装置(WDM)206によって単一のファイバ208上へ結合され、次いで、レンズ210によってコリメートされて、大きな多色平面参照ビーム212を形成する。平面参照ビーム212は、サンプル光学素子216によって、ビーム整形器アレイ160から伝送されるM×Nビーム162の小サンプルと結合される。
【0039】
[0070]結合された参照ビーム212およびサンプリングされたM×Nビーム162は、個々の検出器220を含む2D M×N検出器アレイ218によって受信され、波長フィルタ(図示せず)が、所与の検出器220に意図される正しい波長λi以外の波長を有する参照ビーム212からノイズを除去するためにアレイ218において採用され得る。代替的に、検出器アレイ218は、所与の検出器220に意図される正しい波長以外の波長を有する参照ビームから生じるDC光電流を拒否するためにAC結合され得る。アレイ218内の各検出器220からのヘテロダイン干渉信号は、M個のビームの各グループを各波長λiに位相ロックするために位相補正信号をEOM20に提供するOHDプロセッサ222に伝送される。
【0040】
[0071]増幅器システム150および200は特定の位相制御手法を提供するが、これは、他の手法が好適な場合があるという点で非限定的であることに留意されたい。ハイブリッドファイバレーザ増幅器システム150および200における本質的な要素は、CBCビームが、システム10と同様の所望の位相プロファイルと一緒に位相ロックされる必要がある、ということである。ハイブリッドシステム150および200における本質的な差は、CBCビームが一方向のみであり、これは、他の次元におけるビームがスペクトル結合されるためである、ということである。
【0041】
[0072]上で論じられる様々な実施形態においてビーム整形器アレイアセンブリ40のための必要な光学整列精度を獲得することが非常に困難であることから、ビーム整形器アレイアセンブリ40は、著しいおよび様々な波面収差および誤差がビーム内で発生するのを防ぐのに十分な正確性で製造されない場合があるということが上で述べられた。例えば、ファイバ26をステム44に溶接するための知られている製造プロセスは、一般的に、ビーム偏向をもたらす位置誤差および角度誤差の両方を完全に防ぐには十分に正確ではない。レンズ製造および機械公差からの統合において発生し得るさらなる誤差もまた、発射機アレイビーム偏向をもたらす。誤差は、一般的に、光路に沿った3つの異なる場所において補正され得、具体的には、ファイバ26とステム44との間の溶接継手を変えること、ビーム整形器アレイアセンブリ40を変えること、ならびにトリムビーム整形器アレイ62および66などのトリム板を提供することである。これらの波面収差を補正するための1つのやり方は、上で論じられるように、収差を測定し、トリムビーム整形器アレイ62および66を提供することである。しかしながら、他の技術もまた、収差を補正するために採用され得る。これらの技術のうちのいくつかの詳細な議論は、以下で論じられる。
【0042】
[0073]
図20は、光学素子、および特にビーム整形器アレイアセンブリ40を製造および補正するための一般的なプロセスを概説するフローチャート
図230である。ボックス232で、光学素子、例えば、アセンブリ40は、著しい製造誤差がアセンブリ40内に存在する可能性の高い、安価で低精度の製造プロセスを使用して製造される。アセンブリ40を製造するためのこのプロセスステップの間、ステム44を伴うエンドキャップ42が提供され、ファイバ26は、1Dエミッタアレイなどのエミッタアレイを形成するためにステム44に光学的に溶接される。いくつかの1Dエミッタアレイが、例えば2Dエミッタアレイを形成するために、一緒に組み立てられ得る。1Dまたは2Dエミッタアレイは、次いで、例えば、ビーム整形器アレイ48および50と統合される。ボックス234で、例えばアセンブリ40によって引き起こされる波面誤差は、ビーム整形器アレイ48の平面、ビーム整形器アレイ50の平面、および遠方場平面から、例えば、分布のセンサ上に画像中継を作成する光学系を使用して、測定され、センサは、放射照度分布を測定するためのカメラまたは波面分布を測定するための干渉計であり得る。ボックス236で、誤差を補正するために使用される指示および解決策のために計算が行われる。ボックス238で、好適なプロセスが、ビーム整形器アレイアセンブリ40を再製造すること、スタンドアロン光学トリム板を提供すること、ファイバエミッタ位置および角度トリミングを変化させることなど、指示に基づいて誤差を補正するために実施される。さらなる補正が必要とされる場合、プロセスは、ボックス234へ戻って波面誤差を再度測定する。補正が成功した場合、ビーム整形器アレイアセンブリ40は、正確であり、ボックス240で動作可能である。
【0043】
[0074]光学素子を製造するための上で論じた様々なステップは、いくつかの好適な方法およびプロセスによって実施され得る。これらのプロセスのうちのいくつかは、以下に論じられ、それらのうちの一部は、Fiber Launcher(ファイバ発射機)という表題の、Goodnoらに対する、2019年4月23日に発行された米国特許第10,267,992号に関連し得、これは、本出願の譲受人に委譲され、参照により本明細書に組み込まれる。
【0044】
[0075]
図21は、機械加工ステム254を有するエンドキャップ252を含む1D光学アセンブリ250の例示であり、機械加工ステム254には、4つが代表として示されるファイバ256が、高電圧電極からのプラズマアーク、CO
2レーザビーム、H
2+O
2フレーム、グラファイトフィラメント、タングステンフィラメントなどの任意の好適な溶接プロセスを使用して光学的に溶接されて、エミッタアレイ248を形成する。アセンブリ250は、矢印268によって表されるグローバル座標に対して較正される、マイクロメートルレベルの解像が可能である定置型光学撮像システム266を含む。エンドキャップ252は、エンドキャップ252と関連付けられた光学基準の精密な並進および撮像によってエンドキャップ座標をグローバル座標268に一致させて、ファイバ256が溶接される各ステム254の端部において撮像点270を規定するために、矢印262によって表される並進ステージ上に位置付けられる。ファイバ256がステム254に溶接される前に、ファイバ256は、矢印260によって表される並進ステージ上に装着され、ファイバ256は、ファイバ256がステム254に溶接されると、並進ステージ260から離脱される。光源258は、撮像システム266および撮像点270を使用してファイバ256をステム254に整列させるために使用されるファイバ256の芯に沿って伝搬する光学モードを有する光ビーム264を提供する。ある特定のステム254に取り付けられるある特定のファイバ256は、ビーム264によって照明され、エンドキャップ座標262に対する光ビームモードの場所を撮像することによって誘導されるその特定のステム254へとステージ260上で移動される。ファイバ先端およびステム先端は、局所的に溶融され、自動化ジグ(図示せず)によって接合される。溶融接合部が冷却された後、ファイバ256の機械的保持が解放される。これらのステップは、ファイバ256のすべてがエンドキャップ252に接続されるまで、各ファイバ256について繰り返される。
【0045】
[0076]ファイバ256がステム254に溶接されると、次のステップは、ファイバ256から放出されているビーム264の各々の場所、配向、および角度を測定することによって、グローバル座標268に対するファイバ256の位置および角度誤差を決定することであり得る。エミッタアレイ248は、精密エンコーダにより所望の場所へ移動され得る。これらの測定値を獲得するために、顕微鏡274が、ビーム264の近接場画像276を提供して、ビーム264の位置誤差を決定するために使用され、望遠鏡278が、ビーム264の遠方場画像280を提供して、ビーム264の指向方向(角度)誤差を決定するために使用される。
【0046】
[0077]
図22は、ビーム264の近接場画像276の前面図であり、ビーム264は、ファイバ256から放出されており、ビーム264の中心点282と理想のx、y位置284との間のxおよびy方向における誤差を示している。
図23は、ターゲット中心点286に対するビーム264の中心点282のx、y方向における誤差を示す遠方場画像280の前面図である。レンズ(図示せず)は、これらの誤差を補正するために使用され得る。
【0047】
[0078]
図24は、光学アセンブリ250と同様である1D光学アセンブリ290の例示であり、同じ素子は、同じ参照番号により識別される。アセンブリ290は、例えば、アレイ48または50のうちの1つを表す、レンズ294を有する光ビーム整形器素子292がエンドキャップ252の隣に位置付けられるとき、近接場および遠方場におけるビーム264の位置および角度誤差を決定する。この設計では、素子292は、矢印296によって表される並進ステージに装着される。ビーム264は、一般的に、コリメートされたビーム298として素子292から出力される。コリメートされたビーム298は、ビームスプリッタ300によって分割され、一方のスプリットビームは、近接場画像276を生成するために画像中継光学素子302へ送られ、他方のビームは、遠方場画像280を生成するためにレンズ304によって遠方場内に集束され、近接場画像276および遠方場画像280は、素子292の画像平面にあり、ファイバ256の先端にはなく、画像平面は、ビーム整形器アレイ50にあり得る。
【0048】
[0079]ビーム264の位置および角度誤差は、干渉法を使用して測定され得る。
図25は、これを例示する1D光学アセンブリ310の例示であり、アセンブリ290と同じ素子は、同じ参照番号により識別される。この設計では、干渉計312が、ビームスプリッタ300の下流に提供される。干渉計312において生成される画像316の前面図は、
図26に示され、コリメートされたビーム298の各々の干渉パターン318を示す。干渉パターン318の中心と所望の位置との間のオフセット誤差が、ビーム位置および角度を補正するために使用され得る。
【0049】
[0080]
図27A~
図27Dは、ファイバ256のビーム指向偏差角を補正するためのプロセスを示す、エミッタアレイ320の例示であり、アセンブリ290と同じ素子は、同じ参照番号により示される。ビーム264の指向角度誤差は、
図27Aに示されるように、上で論じられるものなどの任意の好適なプロセスを使用して測定されて、指向補正を行うためにファイバ256を屈曲する方向および大きさを決定する。測定値は、
図27Bに示されるように、角度誤差と反対の方向にファイバ256を屈曲および保持するために、ファイバ256とステム254との間で、数十ミリメートルなど、溶接接合点322から何らかの距離だけ離れたファイバ256に印加されるべき静的力324を決定するために使用され、ビーム264の角度誤差は、ファイバ256が屈曲されるとき変化しない。局所加熱326が、
図27Cに示されるように、ガラスを軟化するのに十分であるがガラスを溶融しない任意の好適な技術によって、ファイバ256およびステム254の溶接接合点322近くのステム254に印加される。軟化の際、ガラスは、力324に応答して変形し、力324によって作成される内部応力が緩和されるまでビーム指向角度を変化させる。加熱が停止され、溶接接合点322が冷め、その後、力324が除去される。ガラス変形は、
図27Dに示されるように、溶接接合点322におけるファイバ角度変化が理由でビーム指向角度を変化させる。本プロセスは、ビーム指向方向が特定の公差内になるまで繰り返される。
【0050】
[0081]
図28A~
図28Cは、ファイバ256の位置誤差を補正するためのプロセスを示す、エミッタアレイ330の例示であり、アセンブリ290および320と同じ素子は、同じ参照番号により識別される。ビーム264のビーム位置誤差332は、ステム形状が変化する方向および大きさを決定するために、
図28Aに示されるように、上で論じられるものなどの任意の好適なプロセスを使用して測定される。例えば、非常に高い溶融点を有し、高電圧に対応するサファイア棒による静的力334が、溶接接合点322において、ビーム位置偏差と反対の方向にステム254に印加される。高温ガラスおよび熱源の近接が理由で、ステム254に物理的に接触して力を印加するデバイスは、周囲ガラスに汚染をもたらすことなく、高温および高電圧局所環境に対応している必要がある。
図28Bに示されるような局所加熱326は、ガラスを軟化するには十分であるが溶融に到達せずに、ステム254に印加され、こうしてステム254が静的力によって変形することを可能にする。加熱が停止され、溶接接合点322が冷め、その後、力334が除去される。ガラス変形は、
図28Cに示されるように、ステム254の形状が理由でビーム位置偏差に変化を引き起こす。本プロセスは、ビーム位置偏差が所望の公差内になるまで繰り返される。
【0051】
[0082]素子292の適切な位置がエンドキャップ252に対して設定され、固定具(図示せず)によって保持されると、素子292は、例えばアセンブリ40の部分として、エンドキャップ252に接続される必要がある。
図29は、対向するサイドブリッジ342および344によって、エンドキャップ252および素子292の側面においてエンドキャップ252に接続される素子292を示す1D光学アセンブリ340の例示であり、アセンブリ290と同じ素子は、同じ参照番号により識別される。
図30は、トップブリッジ352によって、エンドキャップ252および素子292の上面においてエンドキャップ252に接続される素子292を示す1D光学アセンブリ350の例示であり、アセンブリ290と同じ素子は、同じ参照番号により識別される。ブリッジ342、344、および352は、糊、溶接、拡散接合、光学接触などの任意の好適な様式によって、エンドキャップ252および素子292に固定され得る。
【0052】
[0083]上で論じられるいくつかの1D光学アセンブリが、上で論じられる技術のいずれかによって構成および整列されていると、1D光学アセンブリのうちの2つ以上は、互いに積層されて2D光学アセンブリを形成し得る。
図31は、示されるように、第1列1D光学アセンブリ362、光学アセンブリ362に積層される第2列1D光学アセンブリ364、および光学アセンブリ364に積層される第3列1D光学アセンブリ366を含む、積層された2D光学アセンブリ360の例示であり、アセンブリ340と同じ素子は、同じ参照番号により識別される。好適な精密並進テーブル(図示せず)が、光学アセンブリ362、364、および366を、それらが組み立てられるときに、整列させるために採用され得、これらの光学アセンブリは、任意の好適な技術によって適切な場所に一緒に固定され得る。トリムビーム整形器アレイ62および66などの補正器レンズアセンブリ(図示せず)が、次いで、さらなるビーム整列補正を提供するために採用され得る。
【0053】
[0084]代替的に、ファイバ256は、2D光学アセンブリの部分である1D光学アセンブリの各々においてエンドキャップ252に整列され、次いで、一緒に積層され得、その後、単一片の2D光学素子がスタックに整列され得る。
図32は、互いと積層および整列され、次いで単一の2D素子372と整列される光学アセンブリ362、364、および366を含む光学アセンブリ370を例示し、アセンブリ360と同じ素子は、同じ参照番号により識別される。
【0054】
[0085]前述の議論は、本開示の例示的な実施形態を開示および説明するにすぎない。当業者は、そのような議論から、ならびに添付の図面および特許請求の範囲から、様々な変更、修正、および変形が、以下の特許請求の範囲に規定されるような本開示の趣旨および範囲から逸脱することなくなされ得ることを容易に認識するものとする。