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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-06
(45)【発行日】2024-08-15
(54)【発明の名称】電池パック及び電気自動車
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/289 20210101AFI20240807BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20240807BHJP
   H01M 50/131 20210101ALI20240807BHJP
   H01M 50/244 20210101ALI20240807BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20240807BHJP
   H01M 10/6567 20140101ALI20240807BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20240807BHJP
   H01M 50/242 20210101ALI20240807BHJP
   H01M 50/233 20210101ALI20240807BHJP
   H01M 50/271 20210101ALI20240807BHJP
   H01M 50/548 20210101ALI20240807BHJP
   H01M 50/50 20210101ALI20240807BHJP
   H01M 50/51 20210101ALI20240807BHJP
   H01M 50/503 20210101ALI20240807BHJP
   H01M 50/524 20210101ALI20240807BHJP
   H01M 50/517 20210101ALI20240807BHJP
   H01M 50/186 20210101ALI20240807BHJP
   H01M 50/293 20210101ALI20240807BHJP
   H01M 50/204 20210101ALI20240807BHJP
   H01M 50/211 20210101ALN20240807BHJP
【FI】
H01M50/289
H01M50/249
H01M50/131
H01M50/244 A
H01M10/613
H01M10/6567
H01M10/625
H01M50/242
H01M50/233
H01M50/271 Z
H01M50/548 301
H01M50/50 201Z
H01M50/51
H01M50/503
H01M50/524
H01M50/517
H01M50/186
H01M50/293
H01M50/204 401H
H01M50/211
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2022571132
(86)(22)【出願日】2020-10-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-23
(86)【国際出願番号】 CN2020124745
(87)【国際公開番号】W WO2021232680
(87)【国際公開日】2021-11-25
【審査請求日】2023-01-17
(31)【優先権主張番号】202010444245.9
(32)【優先日】2020-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【弁理士】
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】▲孫▼▲華▼▲軍▼
(72)【発明者】
【氏名】王▲暁▼▲鵬▼
(72)【発明者】
【氏名】彭青波
(72)【発明者】
【氏名】▲魯▼志佩
(72)【発明者】
【氏名】朱燕
【審査官】前田 寛之
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-001554(JP,A)
【文献】国際公開第2019/230294(WO,A1)
【文献】国際公開第2012/140728(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/016937(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M50/10-50/298
H01M50/50-50/598
H01M10/00-10/04
H01M10/06-10/34
H01M10/52-10/667
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースと、前記ケース内に位置する互いに電気的に接続された複数の電極体列と、を含む電池パックであって、前記ケースは、ケース本体を含み、前記ケース本体は、互いに接続された複数のサブケースを含み、少なくとも1つの前記サブケース内に少なくとも1つの補強板が設置され、
前記サブケースは、ケースの高さ方向である第1の方向に沿って対向して設置された天板と底板を含み、前記補強板は、前記天板と前記底板との間に位置し、少なくとも1つの前記補強板は、前記天板と前記底板に接続され、前記補強板は、対応する前記サブケースの内部を複数の収容キャビティに仕切り、少なくとも1つの前記収容キャビティ内に少なくとも1つの前記電極体列が設置され、
各電極体列は、第2の方向に沿って順に配列され直列接続された複数の電極体アセンブリを含み、前記電極体アセンブリは、封止膜内に封止され、前記電極体列の長さは、前記第2の方向に沿って延在し、前記第2の方向は、前記ケースの長さ方向又は前記ケースの幅方向であり、
前記ケースに、外部支持体に固定接続される取付部が設置されている、ことを特徴とする電池パック。
【請求項2】
前記ケースは、第3の方向に沿って前記ケース本体の両側に配置された第1の側部梁と第2の側部梁をさらに含み、
前記第2の方向は、前記ケースの長さ方向であり、前記第3の方向は、前記ケースの幅方向であり、或いは、前記第2の方向は、前記ケースの幅方向であり、前記第3の方向は、前記ケースの長さ方向である、ことを特徴とする請求項1に記載の電池パック。
【請求項3】
複数の前記サブケースは、前記第3の方向に沿って順に配列され、複数の前記サブケースのうちの前記第3の方向の両端に位置するサブケースは、端部サブケースであり、2つの前記端部サブケースのうちの一方は、前記第1の側部梁に接続され、他方は、前記第2の側部梁に接続される、ことを特徴とする請求項2に記載の電池パック。
【請求項4】
前記第1の側部梁に接続された端部サブケースが前記第1の側部梁と一体成形されるか、又は
前記第2の側部梁に接続された端部サブケースが前記第2の側部梁と一体成形されるか、或いは
前記第1の側部梁に接続された端部サブケースが前記第1の側部梁と一体成形され、かつ前記第2の側部梁に接続された端部サブケースが前記第2の側部梁と一体成形される、ことを特徴とする請求項3に記載の電池パック。
【請求項5】
各サブケース内に第3の方向に沿って間隔を置いて配置された複数の補強板が設置され、各前記補強板の長さは、第2の方向に沿って延在し、前記第3の方向は、前記第1の方向及び第2の方向と異なり、各補強板は、前記天板と前記底板に接続され、前記天板と前記底板のうちの少なくとも一方は、前記補強板と一体成形される、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項6】
前記収容キャビティの前記第2の方向に沿った長さは、500mmより大きい、ことを特徴とする請求項1に記載の電池パック。
【請求項7】
前記サブケースは、前記第2の方向に沿って反対側に位置する第1の端部及び第2の端部を有し、前記サブケースの第1の端部及び第2の端部のうちの少なくとも一方に開口部が設置され、前記ケースは、前記開口部を閉塞する端板をさらに含み、各開口部は、少なくとも1つの前記端板に対応する、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項8】
前記電極体列の長さは、400mmより大きく、前記電極体アセンブリは、電流を引き出す第1の電極引き出し部材及び第2の電極引き出し部材を含み、前記第1の電極引き出し部材及び第2の電極引き出し部材は、前記第2の方向に沿って電極体アセンブリの反対側に配置され、前記電極体列における隣接する2つの電極体アセンブリのうちの一方の電極体アセンブリの第1の電極引き出し部材は、他方の電極体アセンブリの第2の電極引き出し部材に電気的に接続される、ことを特徴とする請求項1に記載の電池パック。
【請求項9】
前記電極体アセンブリは、電極体アセンブリ本体と、電流を引き出す第1の電極引き出し部材及び第2の電極引き出し部材とを含み、前記第1の電極引き出し部材及び第2の電極引き出し部材は、前記第2の方向に沿って前記電極体アセンブリ本体の反対の両側に配置され、前記電極体列のうちの隣接する2つの電極体アセンブリのうちの一方の電極体アセンブリの第1の電極引き出し部材と、他方の電極体アセンブリの第2の電極引き出し部材とは、第2の導電部品により電気的に接続され、
隣接する2つの電極体アセンブリの電極体アセンブリ本体の間に固定スペーサーが設置され、前記第2の導電部品は、前記固定スペーサー内に固定され、隣接する2つの電極体アセンブリの電極体アセンブリ本体と前記固定スペーサーとの間に構造用接着剤が充填され、
前記固定スペーサーは、第3の方向に沿って対向して設けられた第1のスペーサーと第2のスペーサーを含み、前記第2の導電部品は、前記第1のスペーサーと第2のスペーサーとの間に位置し、前記第1のスペーサーと第2のスペーサーとは、前記第2の導電部品を挟持固定するように接続され、前記第3の方向は、前記第1の方向及び第2の方向とは異なる、ことを特徴とする請求項1に記載の電池パック。
【請求項10】
電極体列を構成する前記複数の電極体アセンブリは、1つの封止膜内に封止され、各電極体アセンブリは、電極体アセンブリ本体と、電流を引き出す第1の電極引き出し部材及び第2の電極引き出し部材とを含み、直列接続された2つの電極体アセンブリのうちの一方の電極体アセンブリの第1の電極引き出し部材と、他方の電極体アセンブリの第2の電極引き出し部材との接続箇所は、前記封止膜内に位置し、前記第1の電極引き出し部材及び/又は前記第2の電極引き出し部材の対向する位置には、前記封止膜に封止部が形成され、隣接する2つの電極体アセンブリ本体を分離する、ことを特徴とする請求項1に記載の電池パック。
【請求項11】
各電極体アセンブリは、1つの封止膜内に封止されて電極体モジュールを形成し、前記電極体モジュールの間は、直列接続される、ことを特徴とする請求項1に記載の電池パック。
【請求項12】
前記収容キャビティ内の気圧は、前記ケース外の気圧より低い、ことを特徴とする請求項1に記載の電池パック。
【請求項13】
前記ケースに接着剤注入孔が設置され、各収容キャビティは、少なくとも1つの前記接着剤注入孔に対応して連通する、ことを特徴とする請求項1に記載の電池パック。
【請求項14】
前記電池パックは、複数の前記サブケースの底板に対応して設置された複数の液冷部品をさらに含み、複数の前記液冷部品は一体成形部品である、ことを特徴とする請求項1に記載の電池パック。
【請求項15】
前記ケースは、第3の方向に沿って前記ケース本体の反対の両側に配置された第1の側部梁及び第2の側部梁をさらに含み、
各前記サブケース内に第3の方向に沿って間隔を置いて複数の補強板が設置され、各前記補強板の長さは、第2の方向に沿って延在し、各前記補強板は、前記天板及び前記底板に接続され、前記天板と前記底板のうちの少なくとも一方は、前記補強板と一体成形され、
前記サブケースは、前記第2の方向に沿って反対側に位置する第1の端部及び第2の端部を有し、前記サブケースの第1の端部及び第2の端部にいずれも開口が設置され、前記ケースは、前記開口部を閉塞する端板をさらに含み、各開口部は、少なくとも1つの前記端板に対応し、
前記第2の方向は、前記ケースの長さ方向であり、前記第3の方向は、前記ケースの幅方向であり、或いは、前記第2の方向は、前記ケースの幅方向であり、前記第3の方向は、前記ケースの長さ方向である、ことを特徴とする請求項1に記載の電池パック。
【請求項16】
車体と、請求項1~15のいずれか1項に記載の電池パックとを含む電気自動車であって、前記取付部により前記車体に固定されたことを特徴とする電気自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本開示は、ビーワイディーカンパニーリミテッドが2020年5月22日に提出した、発明の名称が「電池パック及び電気自動車」の中国特許出願第「202010444245.9」号の優先権を主張するものであり、その全ての内容は参照により本開示に組み込まれるものとする。
【0002】
本開示は、電池の分野に関し、具体的には、電池パック及び電気自動車に関する。
【背景技術】
【0003】
従来の電池パックは、ケース及びケース内に設置された電池モジュールを含み、電池パックのケースは、トレイ及びトレイに接続された上部カバーを含み、電池モジュールは、トレイに固定される。電池パックを組み立てる場合、一般的には、複数の電池を順に配列して電池列を形成し、次に電池列の長さ方向の両端に端板を設置し、電池列の幅方向の両側に側板を設置し、ボルト又はタイロッド又は溶接により端板及び側板を固定接続して電池モジュールを形成し、最後に電池モジュールをボルトなどの締結具によりトレイ内に取り付ける。
【0004】
上記組立過程において、関連構造部品により電池パックの全体重量が大きくなるため、電気自動車の軽量化設計を実現することに寄与しないとともに、電池パックのケースの内部の空間利用率を低下させ、ユーザーの電気自動車への高い航続能力の要求を満たすことができない。また、上記組立過程は、非常に複雑であり、製造コストを増加させる。さらに、トレイは通常、複数の側部梁及び底板で溶接されてなる。トレイは、主な荷重部材として、それが十分な構造強度を有することを保証するために、一般的にはトレイの内部にいくつかの補強横方向梁と縦方向梁を溶接する。このようにして、トレイの部品が多く、構造が複雑であり、空間利用率が低いことをもたらす。また、現在、電池パックのケースは、構造が単一であり、汎用性が低く、電池パックの標準化、モジュール化、量産製造に好ましくない。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、少なくとも従来技術における技術的課題の1つを解決することを目的とする。このために、本開示の第1の態様に係る電池パックケースは、ケースと、前記ケース内に位置する互いに電気的に接続された複数の電極体列と、を含み、前記ケースは、接続された複数のサブケースを含むケース本体を含み、少なくとも1つの前記サブケース内に少なくとも1つの補強板が設置され、
前記サブケースは、ケースの高さ方向である第1の方向に沿って対向して設置された天板と底板を含み、前記補強板は、前記天板と前記底板との間に位置し、少なくとも1つの前記補強板は、前記天板と前記底板に接続され、対応する前記サブケースの内部を複数の収容キャビティに仕切り、少なくとも1つの前記収容キャビティ内に少なくとも1つの前記電極体列が設置され、
前記電極体列は、第2の方向に沿って順に配列されて直列接続された複数の電極体アセンブリを含み、前記電極体アセンブリは、封止膜内に封止され、前記電極体列の長さは、前記第2の方向に沿って延在し、前記第2の方向は、前記ケースの長さ方向又は前記ケースの幅方向であり、
前記ケースに、外部支持体に固定接続される取付部が設置されている。
【0006】
本開示の第2の態様に係る電気自動車は、車体と、前記取付部により前記車体に固定された電池パックと、を含む。
【0007】
本開示の有益な効果は、以下のとおりである。本開示における電池パックのケースは、複数の接続されたサブケース本体を含み、実際の必要に応じてサブケース本体の数量を選択することができ、このように電池パックの設計上の柔軟性及び汎用性を向上させることができ、それにより電池パックの標準化、モジュール化、及び量産製造に役立つ。また、本開示において補強板は、天板と底板との間に位置し、天板と底板に接続され、このような設計により、補強板、天板及び底板の3者は、「工」字状の構造を構成し、このような構造が高い強度及び剛性を有するため、電池パックのケースは、優れた耐荷重性、耐衝撃性及び耐圧壊性などの性能を有する。また、このような電池パックを車両に取り付ける場合、該電池パックの構造強度は、車両構造強度の一部となるため、車両の構造強度を向上させることができ、電気自動車の軽量化の設計要求を実現することに役立つとともに、車両の設計及び製造コストを低減する。また、本願では、電極体アセンブリを封止膜内に封止し、複数の電極体アセンブリを直列接続して電極体列を形成し、電極体列を電池パックのケース内に設置して、封止膜と電池パックのケースにより2重封止を実現し、封止効果の向上に役立つ。本開示で用いられた電極体列は、電池ケースと電池モジュールを構成する構造部品とを省略することにより、電池パックの空間利用率を向上させ、電池パックの重量を軽減し、電池パックのエネルギー密度を向上させることができ、本開示の電池パックは、構造が簡単であり、組立効率が高く、製造コストの低減に役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示の実施例における技術手段をより明確に説明するために、以下、実施例の説明に必要な図面を簡単に説明し、明らかに、以下に説明される図面は、本開示のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労働をしない前提で、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
図1】本開示の一実施例に係る電池パックの概略構成図である。
図2】本開示の一実施例に係る電池パックの分解図である。
図3】本開示の一実施例に係るケースの概略構成図である。
図4図3におけるA部の部分拡大図である。
図5】本開示の一実施例に係るケースの分解図である。
図6】本開示の一実施例に係る電池パックの部分構造の分解図である。
図7】本開示の一実施例に係る別の電池パックの部分構造の分解図である。
図8】本開示の一実施例に係る電極体列の概略構成図である。
図9】本開示の一実施例に係る、電極体アセンブリと固定スペーサーとの接続を示す概略構成図である。
図10図9の分解図である。
図11】本開示の一実施例に係る、同一の収容キャビティ内の直列接続された2つの電極体列の概略構成図である。
図12】本開示の一実施例に係る、同一の収容キャビティ内の直列接続された2つの電極体列の別の概略構成図である。
図13】本開示の一実施例に係る、同一の収容キャビティ内の並列接続された2つの電極体列の概略構成図である。
図14】本開示の一実施例に係る、2つの収容キャビティ内の直列接続された2つの電極体列の概略構成図である。
図15】本開示の一実施例に係る、2つの収容キャビティ内の並列接続された2つの電極体列の概略構成図である。
図16】本開示の一実施例に係る、2つの収容キャビティ内の直列接続された2つの電極体列の別の概略構成図である。
図17】本開示の一実施例に係る、2つの収容キャビティ内の並列接続された2つの電極体列の別の概略構成図である。
図18】本開示の一実施例に係る、封止膜により電極体アセンブリを封止する場合の概略構成図である。
図19】本開示の別の実施例に係る、封止膜により電極体アセンブリを封止する場合の概略構成図である。
図20】本開示の一実施例に係る防爆弁の概略構成図である。
図21】本開示の一実施例に係る電気自動車の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の説明は、本開示の好ましい実施形態であり、なお、当業者であれば、本開示の原理から逸脱しない前提でいくつかの改良と修飾を行うこともでき、これらの改良と修飾も本開示の保護範囲に含まれる。
【0010】
なお、本開示の説明において、用語「長さ」、「幅」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」などで示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本開示を容易に説明し説明を簡略化するためのものに過ぎず、示された装置又は部品が特定の方位を有し、特定の方位において構成されて操作されなければならないことを示すか又は示唆するものではないため、本開示を限定するものとして理解してはならない。
【0011】
また、用語「第1」、「第2」は、説明のためのものに過ぎず、相対的な重要性を示すか又は示唆し、或いは示された技術的特徴の数量を示唆するものとして理解してはならない。これにより、「第1」、「第2」で限定された特徴は、1つ以上の該特徴を明示的又は暗示的に含んでもよい。本開示の説明において、「複数」とは、明確で具体的な限定がない限り、2つ以上を意味する。
【0012】
本開示において、別に明確な規定及び限定がない限り、用語「取り付け」、「連結」、「接続」、「固定」などは、広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続、着脱可能な接続、一体的な接続であってもよく、機械的な接続、又は電気的な接続であってもよく、直接的な連結、中間媒体を介した間接的な連結であってもよく、2つの部品内部の連通、又は2つの部品の相互作用の関係であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて本開示における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0013】
図1図4を参照すると、本開示の第1の実施例に係る電池パック10は、ケース100と、ケース100内に位置する互いに電気的に接続された複数の電極体列401と、を含む。ケース100に、外部支持体に固定接続される取付部104が設置されている。ケース100は、接続された複数のサブケース101を含むケース本体113を含み、少なくとも1つのサブケース101内に少なくとも1つの補強板200が設置されている。サブケース101は、第1の方向に沿って対向して設置された天板102と底板103を含み、補強板200は、天板102と底板103との間に位置し、少なくとも1つの補強板200は、天板102と底板103に接続され、対応するサブケース101の内部を複数の収容キャビティ300に仕切る。少なくとも1つの収容キャビティ300内に少なくとも1つの電極体列401が設置され、電極体列401は、第2の方向に沿って順に配列されて直列接続された複数の電極体アセンブリ400を含み、電極体アセンブリ400は、封止膜500(図18及び図19に示す)内に封止され、電極体列401の長さは、第2の方向に沿って延在する。本開示において、第1の方向は、ケース100の高さ方向であり、第2の方向は、ケース100の長さ方向又はケース100の幅方向である。図に示すように、第1の方向は、図におけるX方向であり、第2の方向は、図におけるZ方向出る。
【0014】
本開示の実施例における電池パック10のケース100は、接続された複数のサブケース101を含み、実際の需要に応じてサブケース101の数量を選択することができ、このようにして電池パック10の設計の柔軟性及び汎用性を向上させることができ、それにより電池パック10の標準化、モジュール化、及び量産製造に役立つ。また、本開示において補強板200は、天板102と底板103との間に位置し、補強板200は、天板102と底板103に接続され、このような設計により、補強板200、天板102及び底板103の3者は、「工」字状の構造を構成し、このような構造は、高い強度及び剛性を有するため、電池パック10のケース100は、良い耐荷重性、耐衝撃性及び耐圧壊性などの性能を有することができる。このような電池パック10を車両に取り付ける場合、該電池パック10の構造強度は、車両構造強度の一部となるため、車両の構造強度を向上させることができ、電気自動車の軽量化の設計要求を実現することに役立つとともに、車両の設計及び製造コストを低減する。また、本開示では、電極体アセンブリ400を封止膜500内に封止し、複数の電極体アセンブリ400を直列接続して電極体列401を形成し、電極体列401を電池パック10のケース100内に設置して、封止膜500と電池パック10のケース100により2重封止を実現し、封止効果の向上に役立ち、本開示で用いられた電極体列401は、電池ケースと電池モジュールを構成する構造部品とを省略することにより、電池パック10の空間利用率を向上させ、電池パック10の重量を軽減し、電池パック10のエネルギー密度を向上させることができ、本開示の電池パック10は、構造が簡単であり、組立効率が高く、製造コストの低減に役立つ。
【0015】
本開示において、電極体アセンブリ400は、少なくとも1つの電極体を含む。電極体アセンブリ400が2つ以上の電極体を含む場合、電極体は、並列接続される。
【0016】
本開示において言及された電極体は、動力電池の分野における一般的な電極体であり、電極体及び電極体アセンブリ400は、電池の構成部分であり、電池自体として理解してはならず、また、電極体は、巻回して形成された電極体であってもよく、積層の方式で製造された電極体であってもよく、一般的には、電極体は、少なくとも正極シート、セパレータ及び負極シートを含む。
【0017】
また、補強板200が天板102と底板103に接続されることについて、補強板200が天板102及び底板103と一体成形され、或いは、補強板200、天板102及び底板103がそれぞれ単独で製造されてから、直接接続方式又は間接接続方式で接続されることを理解されたい。これに対して、本開示は、具体的に限定しない。直接接続は、補強板200の一端が底板103に接続され、反対側に位置する他端が天板102に接続されることであってもよい。間接接続は、補強板200の一端が中間板により底板103に接続され、反対側に位置する他端が中間板により天板102に接続されることであってもよい。
【0018】
いくつかの実施例では、少なくとも1つの補強板200は、天板102と底板103に接合される。天板102、底板103及び補強板200の3者は、一体成形され、或いは、天板102と底板103のうちの一方は、補強板200と一体成形され、他方は、補強板200に溶接され、或いは、補強板200は、一端が底板103に溶接され、反対側に位置する他端が天板102に溶接され、或いは、補強板200は、一端が底板103に溶接されてから、反対側に位置する他端が天板102に溶接されることを理解されたい。
【0019】
なお、複数の電極体列401が相互に電気的に接続されることについて、隣接する2つの収容キャビティ300内の電極体列401が直列接続又は並列接続されてもよく、間隔を置いた2つの収容キャビティ300内の電極体列401が直列接続又は並列接続されてもよく、3つ又はそれ以上の収容キャビティ300内の電極体列401が直列接続又は並列接続されてもよい。
【0020】
また、各収容キャビティ300内の電極体列401の数量、及び各電極体列401に含まれる電極体アセンブリ400の数量は、異なる電量要求に応じて設計されてもよい。そして、各収容キャビティ300内の電極体列401の数量は、同じであってもよく、異なってもよい。収容キャビティ300内に複数の電極体列401が設置されている場合、電極体列401は、直列接続されても、並列接続されても、直並列接続されてもよい。
【0021】
また、本開示の電池パック10のケース100に取付部104が設置され、電池パック10のケース100は、それに設置された取付部104により外部支持体に取り外し可能又は取り外し不可能に接続固定される。通常、電池パック10のケース100が外部支持体に接続固定される必要があるため、該ケースの耐衝撃性、耐圧壊性などの性能に対して特別な要求があるので、該ケースを電池モジュール又は単電池のケース100と同じにしてはならない。一般的には、電池パック10は、電池管理システム(BMS)、電池コネクタ、電池サンプラー及び電池熱管理システムのうちの少なくとも1つをさらに含む。
【0022】
一実施例において、図1図3に示すように、ケース100は、第3の方向に沿ってケース本体113の反対の両側に分布する第1の側部梁106と第2の側部梁107をさらに含み、第2の方向は、ケース100の長さ方向であり、第3の方向は、ケース100の幅方向であり、或いは、第2の方向は、ケース100の幅方向であり、第3の方向は、ケース100の長さ方向である。
【0023】
一実施例において、図3図5に示すように、複数のサブケース101は、第3の方向に沿って順に配列され、複数のサブケース101のうちの第3の方向の両端に位置するサブケース101は、端部サブケースであり、2つの端部サブケースのうちの一方は、第1の側部梁106に接続され、他方は、第2の側部梁107に接続される。図5においてY方向に沿った1番目のサブケース101と最後のサブケース101は、それぞれ端部サブケースである。
【0024】
さらに、第1の側部梁106に接続された端部サブケースは、第1の側部梁106と一体成形され、第2の側部梁107に接続された端部サブケースは、第2の側部梁107と一体成形される。このようにして、加工プロセスを簡略化し、コストを低減することができるだけでなく、それが十分な構造強度を有することを保証することができる。
【0025】
具体的には、第1の側部梁106に接続された端部サブケースの天板102と底板103のうちの少なくとも一方は、第1の側部梁106と一体成形され、第2の側部梁107に接続された端部サブケースの天板102と底板103のうちの少なくとも一方は、第2の側部梁107と一体成形される。例えば、一体型アルミ型材で押出成形される。
【0026】
しかしながら、他の実施例において、第1の側部梁106に接続された端部サブケースは、第1の側部梁106と一体成形され、第2の側部梁107に接続された端部サブケースは、直接又は間接の方式で第2の側部梁107に接続される。或いは、第2の側部梁107に接続された端部サブケースは、第2の側部梁107と一体成形され、第1の側部梁106に接続された端部サブケースは、直接又は間接の方式で第1の側部梁106に接続される。
【0027】
一実施例において、図3図5に示すように、第1の側部梁106と第2の側部梁107は、内部にキャビティがあり、キャビティ内に仕切り板108が設置され、仕切り板108によりキャビティが複数のサブキャビティに仕切られる。このように設置すると、第1の側部梁106及び第2の側部梁107が一定の構造強度を有することを保証することができ、それにより電池パック10の耐衝撃及び耐圧壊の強度を向上させることに役立つ。しかしながら、他の実施例において、第1の側部梁106又は第2の側部梁107は、内部にキャビティがある。
【0028】
一実施例において、図3図5に示すように、ケース本体113は、隣接する2つのサブケース101の間に接続された接続板109をさらに含む。本開示は、該接続方式を具体的に限定せず、例えばボルト接続、リベット接合などの取り外し可能な接続であってもよく、或いは、例えば溶接、接着などの着脱不能な接続であってもよい。
【0029】
一実施例では、接続板109は、内部にキャビティがあり、キャビティ内に仕切り板108が設置され、仕切り板108によりキャビティが複数のサブキャビティに仕切られる。このように設置すると、接続板109の構造強度を向上させることができ、2つのサブケース101の接続の信頼性をさらに向上させることができる。
【0030】
一実施例において、図3図5に示すように、サブケース101内に複数の補強板200が設置され、複数の補強板200は、第3の方向に沿って間隔を置いて分布し、各補強板200の長さは、第2の方向に沿って延在し、各補強板200は、天板102と底板103に接続され、第3の方向は、第1の方向、第2の方向と異なる。本実施例において、各サブケース101内にいずれも複数の補強板200が設置される。当然のことながら、他の実施例において、実際の需要に応じて一部のサブケース101内に複数の補強板200が設置されてもよい。
【0031】
本開示において、第1の方向は、ケース100の高さ方向であり、第2の方向は、ケース100の幅方向であり、第3の方向は、ケース100の長さ方向であり、或いは、第2の方向は、ケース100の長さ方向であり、第3の方向は、ケース100の幅方向である。第1の方向は、図におけるX方向であり、第2の方向は、図におけるZ方向であり、第3の方向は、図におけるY方向である。
【0032】
しかしながら、他の実施例では、第1の方向、第2の方向及び第3の方向のうちの任意の2つは、他の夾角、例えば、80°又は85°をなすように設定されてもよく、これに対して、本開示は、具体的に限定しない。
【0033】
なお、補強板200が天板102及び底板103に接続されることについて、補強板200が天板102及び底板103と一体成形され、或いは、補強板200、天板102及び底板103がそれぞれ単独で製造されてから、直接接続方式又は間接接続方式で接続されることを理解されたい。これに対して、本開示は、具体的に限定しない。
【0034】
いくつかの実施例では、天板102及び底板103のうちの少なくとも一方は、補強板200と一体成形される。このように設置することにより、加工プロセスが簡単であるだけでなく、製造コストを低減することに役立ちつだけでなく、ケース100の耐荷重性、耐衝撃性及び耐圧壊性などの性能要求を満たすように、ケース100が十分な構造強度及び剛性を有することを保証することができる。
【0035】
具体的には、天板102、底板103及び補強板200は、一体成形により製造される。例えば、一体型アルミ型材で押出成形される。別の実施例では、底板103は、補強板200と一体成形されてから、天板102は、補強板200に溶接される。或いは、天板102は、補強板200と一体成形されてから、底板103は、補強板200に溶接される。
【0036】
各補強板200が天板102及び底板103に接続される場合、各補強板200、天板102及び底板103は、「工」字状の構造を構成し、このような構造は、高い強度及び剛性を有するため、ケース100の耐荷重性、耐衝撃性及び耐圧壊性などの性能の要求を満たすことができることを理解されたい。そして、ケース100は、構造が簡単であり、空間利用率が高い。このような電池パック10を車両に取り付ける場合、該電池パック10の構造強度は、車両構造強度の一部となるため、車両の構造強度を向上させることができ、電気自動車の軽量化の設計要求を実現することに役立つとともに、車両の設計及び製造コストを低減する。
【0037】
さらなる実施例において、第1の側部梁106と第2の側部梁107に、外部支持体に固定接続される取付部104が設置されている。
【0038】
当然のことながら、他の実施例では、取付部104は、天板102又は底板103に設置されてもよい。
【0039】
一実施例において、図1及び図2に示すように、取付部104は、第1の側部梁106及び第2の側部梁107に設置された取付孔105である。取付孔105は、電池パック10を外部支持体に接続固定するように、締結具(例えば、ボルト又はリベット)が貫通する。
【0040】
具体的には、第1の側部梁106に設置された取付孔105は、第1の方向に沿って第1の側部梁106を貫通し、第2の側部梁107に設置された取付孔105は、第1の方向に沿って第2の側部梁107を貫通する。しかしながら、取付孔105の軸方向は、第1の方向と例えば5°又は10°の夾角をなすように設定されてもよい。
【0041】
さらに、取付孔105は、複数設置され、第1の側部梁106に設置された取付孔105は、第1の側部梁106の長さ方向に沿って順に配列される。第1の側部梁106の長さ方向は、第2の方向と平行である。
【0042】
同様に、第2の側部梁107に設置された取付孔105は、第2の側部梁107の長さ方向に沿って順に配列される。第2の側部梁107の長さ方向は、第2の方向に平行である。
【0043】
当然のことながら、別の実施例において、取付部104は、第1の側部梁106及び第2の側部梁107に設置されたアイボルトである。アイボルトは、電池パック10を外部支持体に接続固定するように、外部支持体に固定接続される。
【0044】
しかしながら、別の実施例において、取付部104は、第1の側部梁106及び第2の側部梁107に設置された取付ブロックであり、取付ブロックは、溶接の方式で外部支持体に固定されてもよい。当然のことながら、取付ブロックは、接着又は係止により外部支持体に固定されてもよい。
【0045】
一実施例において、収容キャビティ300の第2の方向に沿った長さは、500mmより大きく、さらに、収容キャビティ300の第2の方向に沿った長さは、500mm~2500mmである。このように設計することにより、収容キャビティ300内に設置された電極体列401の長さは、大きく、すなわち、電池パック10が大きな容量及び高い空間利用率の要求を満たすように、より多くの電極体アセンブリ400を収容することができる。
【0046】
さらに、収容キャビティ300の第2の方向に沿った長さは、1000mm~2000mmである。
【0047】
さらに、収容キャビティ300の第2の方向に沿った長さは、1300mm~2200mmである。
【0048】
いくつかの実施例において、図2図6及び図7に示すように、サブケース101は、第2の方向に沿って反対側に位置する第1の端部と第2の端部を有し、サブケース101の第1の端部と第2の端部のうちの少なくとも一方に開口部110が設置され、ケース100は、開口部110を密閉する端板111をさらに含み、各開口部110は、少なくとも1つの端板111に対応する。このように設置すると、交換するか又は点検する場合に、サブケース101の開口部110に対応する端板111を取り外すだけでよく、それにより操作を簡略化することができる。
【0049】
電極体列401は、サブケース101の開口部110により収容キャビティ300内に取り付けられてもよく、このような取付方式は、操作しやすいとともに、サブケース101が高い構造強度を有することを保証することができることを理解されたい。
【0050】
端板111がサブケース101の開口部110を閉塞する方式は、具体的に限定されず、例えば、端板111とサブケース101とを溶接することによりサブケース101の開口部110を密閉するか、又は、端板111とサブケース101とを接着することによりサブケース101の開口部110を密閉するか、又は、端板111とサブケース101とをリベット接合するか又は螺着し、端板111とサブケース101との間にガスケットを設置することにより、サブケース101の開口部110を密閉する。
【0051】
本実施例において、各サブケース101の第1の端部と第2の端部にいずれも開口部110が設置され、各開口部110は、それぞれ1つの端板111に対応する。当然のことながら、他の実施例において、各開口部110は、複数の端板111に対応してもよく、すなわち複数の端板111は、サブケース101の一つの開口部110を密閉する。
【0052】
さらに、図3及び図6に示すように、ケース本体113の第2の方向に沿った同一の端部に位置する複数の端板111は、一体成形部品である。すなわち、ケース本体113の第1の端部に位置する複数の端板111は一体成形部品であり、及び/又は、ケース本体113の第2の端部に位置する複数の端板111は、一体成形部品である。このように設置すると、端板111の加工を簡略化することができ、コストの低減に役立つ。
【0053】
いくつかの実施例において、図2図6及び図7に示すように、電池パック10は、端板111の内側に位置する複数の絶縁ブラケット600をさらに含み、サブケース101の第1の端部と第2の端部のうちの少なくとも一方の開口部110に絶縁ブラケット600が設置されている。サブケース101の第2の方向に沿った同一の端部の開口部110に位置し、かつ隣接する2つの収容キャビティ300内にそれぞれ位置する2つの電極体アセンブリ400は、絶縁ブラケット600に固定された第1の導電部品440により電気的に接続される。このように設置すると、点検するか又は交換する場合に、サブケース101に対応する絶縁ブラケット600を取り外すだけでよく、それにより操作を簡略化することができる。また、各絶縁ブラケット600は、それに設置された第1の導電部品440に対して固定支持及び絶縁の役割を果たすことができる。
【0054】
本実施例において、各サブケース101の第1の端部又は第2の端部の開口部110に絶縁ブラケット600が設置されている。
【0055】
端板111の内側は、端板111の電極体アセンブリ400に近接する側であると理解されたい。第1の導電部品440は接続シートであり、当然のことながら、他の形状、例えば、柱状であってもよい。
【0056】
さらなる実施例において、図3及び図6に示すように、ケース本体113の第2の方向に沿った同一の端部に位置する複数の絶縁ブラケット600は、一体成形部品である。すなわち、ケース本体113の第1の端部に位置する複数の絶縁ブラケット600は、一体成形部品であり、ケース本体113の第2の端部に位置する複数の絶縁ブラケット600は、一体成形部品である。このように設置すると、絶縁ブラケット600の加工を簡略化することができ、コストの低減に役立つ。
【0057】
いくつかの実施例において、第1の導電部品440は、絶縁ブラケット600の電極体アセンブリ400から離れた側に設置され、電極体アセンブリ400は、電流を引き出す第1の電極引き出し部材410及び第2の電極引き出し部材420を含み、第1の電極引き出し部材410及び第2の電極引き出し部材420は、第2の方向に沿って電極体アセンブリ400の反対の両側に配置され、サブケース101の第2の方向に沿った同一の端部の開口部110に位置し、かつ隣接する2つの収容キャビティ300内にそれぞれ位置する2つの電極体アセンブリ400のうちの一方の電極体アセンブリ400の第1の電極引き出し部材410と、他方の電極体アセンブリ400の第1の電極引き出し部材410とは、隣接する2つの収容キャビティ300の電極体アセンブリ400の並列接続を実現するように、絶縁ブラケット600及び第1の導電部品440を貫通し、かつ第1の導電部品440により電気的に接続され、該接続方式の接続経路は、比較的短く、内部抵抗を低減することに役立つ。
【0058】
別の実施例において、サブケース101の第2の方向に沿った同一の端部の開口部110に位置し、かつ隣接する2つの収容キャビティ300内にそれぞれ位置する2つの電極体アセンブリ400のうちの一方の電極体アセンブリ400の第2の電極引き出し部材420と、他方の電極体アセンブリ400の第2の電極引き出し部材420とは、隣接する2つの収容キャビティ300の電極体アセンブリ400の並列接続を実現するように、絶縁ブラケット600及び第1の導電部品440を貫通し、かつ第1の導電部品440により電気的に接続され、該接続方式の接続経路は、比較的短く、内部抵抗を低減することに役立つ。
【0059】
別の実施例において、サブケース101の第2の方向に沿った同一の端部の開口部110に位置し、かつ隣接する2つの収容キャビティ300内にそれぞれ位置する2つの電極体アセンブリ400のうちの一方の電極体アセンブリ400の第1の電極引き出し部材410と、他方の電極体アセンブリ400の第2の電極引き出し部材420とは、隣接する2つの収容キャビティ300の電極体アセンブリ400の直列接続を実現するように、絶縁ブラケット600及び第1の導電部品440を貫通し、かつ第1の導電部品440により電気的に接続され、該接続方式の接続経路は、比較的短く、内部抵抗を低減することに役立つ。
【0060】
さらなる実施例において、図2図6及び図7に示すように、電池パック10は、絶縁ブラケット600と端板111との間に設置された複数の絶縁保護カバー700をさらに含む。絶縁保護カバー700は、絶縁ブラケット600に固定された第1の導電部品440を保護して、第1の導電部品440、及び第1の導電部品440と第1の電極引き出し部材410又は第2の電極引き出し部材420との接続箇所が損傷されることを回避することができるとともに、第1の導電部品440が他の金属部品と接触して短絡が発生することを回避することができる。
【0061】
さらなる実施例において、図3及び図6に示すように、ケース本体113の第2の方向に沿った同一の端部に位置する複数の絶縁保護カバー700は、一体成形部品である。すなわち、ケース本体113の第1の端部に位置する複数の絶縁保護カバー700は、一体成形部品であり、及び/又は、ケース本体113の第2の端部に位置する複数の絶縁保護カバー700は、一体成形部品である。このように設置すると、絶縁保護カバー700の加工を簡略化することができ、コストの低減に役立つ。
【0062】
一実施例において、図7に示すように、電極体列401の長さは、400mmより大きく、さらに、電極体列401の長さは、400mm~2500mmである。さらに、電極体列401の長さは、1000mm~2000mmである。さらに、電極体列401の長さは、1300mm~2200mmである。収容キャビティ300内に複数の電極体アセンブリ400を設置して直列接続して電極体列401を形成することは、従来の電極体列401と同じ長さの電極体アセンブリ400を1つのみ設置することに比べて、内部抵抗を低減することができることを理解されたい。電極体アセンブリ400が長ければ長いほど、集電体として使用される銅アルミニウム箔の長さがそれに応じて増加して、内部の抵抗が大幅に向上し、現在ますます高くなる電力及び急速充電の要求を満たすことができず、本開示の複数の電極体アセンブリ400が直列接続された方式を用いると、上記問題の発生を回避することができる。
【0063】
図9及び図10を参照すると、さらなる実施例において、電極体アセンブリ400は、電流を引き出す第1の電極引き出し部材410と第2の電極引き出し部材420を含み、第1の電極引き出し部材410と第2の電極引き出し部材420は、第2の方向に沿って電極体アセンブリ400の反対の両側に配置され、隣接する2つの電極体アセンブリ400が直列接続されるように、電極体列401のうちの隣接する2つの電極体アセンブリ400のうちの一方の電極体アセンブリ400の第1の電極引き出し部材410は、他方の電極体アセンブリ400の第2の電極引き出し部材420に電気的に接続される。すなわち、電極体列401を構成する複数の電極体アセンブリ400に「ヘッドトゥーテール」の配列方式を用い、この配列方式で電極体アセンブリ400が2つずつ直列接続されることを容易に実現することができ、接続構造が簡単である。
【0064】
一実施例において、図2図4に示すように、収容キャビティ300内に複数の電極体列401が設置され、複数の電極体列401は、電極体アセンブリ400の厚さ方向に沿って順に配列されるとともに、電気的に接続され、電極体アセンブリ400の厚さ方向は、第3の方向と平行である。このようにして、実際の使用ニーズを満たすように、収容キャビティ300内に多くの電極体列401を設置することができる。
【0065】
以下、同一の収容キャビティ300内の複数の電極体列401の電気的な接続のいくつかの状況を具体的に説明し、なお、以下、単に例を挙げて説明し、本開示の実施形態は、これらに限定されない。
【0066】
図11及び図12を参照すると、さらなる実施例において、同一の収容キャビティ300内の複数の電極体列401は、直列接続される。
【0067】
隣接する2つの電極体列401のうちの一方の電極体列401の1番目の電極体アセンブリ400は、他方の電極体列401の1番目の電極体アセンブリ400に電気的に接続される。或いは、隣接する2つの電極体列401のうちの一方の電極体列401の最後の電極体アセンブリ400は、他方の電極体列401の最後の電極体アセンブリ400に電気的に接続される。図11及び図12に示すように、2つの電極体列401の最も左側の電極体アセンブリは、1番目の電極体アセンブリ400であり、最も右側の電極体アセンブリは、最後の電極体アセンブリ400である。
【0068】
さらに、隣接する2つの電極体列401のうちの一方の電極体列401の1番目の電極体アセンブリ400の第1の電極引き出し部材410と、他方の電極体列401の1番目の電極体アセンブリ400の第2の電極引き出し部材420とは、同一側に位置する(図11に示す)。或いは、隣接する2つの電極体列401のうちの一方の電極体列401の最後の電極体アセンブリ400の第2の電極引き出し部材420と、他方の電極体列401の最後の電極体アセンブリ400の第1の電極引き出し部材410とは、同一側に位置する(図12に示す)。
【0069】
同一の収容キャビティ300内の複数の電極体列401を上記接続方式で直列接続すると、電気的な接続経路を短くすることができ、内部抵抗を低減することに役立つ。他の実施例では、他の直列接続方式を用いてもよい。
【0070】
図13を参照すると、さらなる実施例において、同一の収容キャビティ300内の複数の電極体列401は、並列接続される。
【0071】
隣接する2つの電極体列401のうちの一方の電極体列401の1番目の電極体アセンブリ400は、他方の電極体列401の1番目の電極体アセンブリ400に電気的に接続され、隣接する2つの電極体列401のうちの一方の電極体列401の最後の電極体アセンブリ400は、他方の電極体列401の最後の電極体アセンブリ400に電気的に接続される。図13に示すように、2つの電極体列401の最も左側の電極体アセンブリは、1番目の電極体アセンブリ400であり、最も右側の電極体アセンブリは、最後の電極体アセンブリ400である。
【0072】
さらに、隣接する2つの電極体列401のうちの一方の電極体列401の1番目の電極体アセンブリ400の第1の電極引き出し部材410と、他方の電極体列401の1番目の電極体アセンブリ400の第1の電極引き出し部材410は、同一側に位置し、隣接する2つの電極体列401のうちの一方の電極体列401の最後の電極体アセンブリ400の第2の電極引き出し部材420と、他方の電極体列401の最後の電極体アセンブリ400の第2の電極引き出し部材420は、同一側に位置する。
【0073】
同一の収容キャビティ300内の複数の電極体列401を上記接続方式で並列接続すると、電気的な接続経路を短くすることができ、内部抵抗を低減することに役立つ。他の実施例では、他の並列接続方式を用いてもよい。
【0074】
さらに、以下、隣接する2つの収容キャビティ300内の電極体列401の電気的な接続のいくつかの状況を具体的に説明し、なお、以下、単に例を挙げて説明し、本開示の実施形態は、これらに限定されない。
【0075】
図14を参照すると、さらなる実施例において、隣接する2つの収容キャビティ300内の電極体列401は、直列接続される。
【0076】
隣接する2つの収容キャビティ300のうちの一方の収容キャビティ300内の1つの電極体列401の1番目の電極体アセンブリ400は、他方の収容キャビティ300内の1つの電極体列401の1番目の電極体アセンブリ400に電気的に接続され、或いは、隣接する2つの収容キャビティ300のうちの一方の収容キャビティ300内の1つの電極体列401の最後の電極体アセンブリ400は、他方の収容キャビティ300内の1つの電極体列401の最後の電極体アセンブリ400に電気的に接続される。図14において、電極体列401の1番目の電極体アセンブリ400は、最も左側の電極体アセンブリ400であり、電極体列401の最後の電極体アセンブリ400は、最も右側の電極体アセンブリ400である。或いは、電極体列401の1番目の電極体アセンブリ400は、最も右側の電極体アセンブリ400であり、電極体列401の最後の電極体アセンブリ400は、最も左側の電極体アセンブリ400である。図14は、各収容キャビティ300に3つの電極体列401が含まれ、2つの収容キャビティ300内の間隔位置が最も近い2つの電極体列401が電気的に接続される状況を示す。他の実施例において、収容キャビティ300に1つ又は3つではない数の電極体列401が含まれる状況があり、収容キャビティ300に複数の電極体列401が含まれる場合、一方の収容キャビティ300内の第3の方向における1番目の電極体列401が他方の収容キャビティ300内の第3の方向における2番目の電極体列401に電気的に接続されてもよく、つまり、2つの収容キャビティ300内の間隔位置が最も近い2つの電極体列401が電気的に接続される状況でなくてもよい。
【0077】
さらなる実施例において、隣接する2つの収容キャビティ300のうちの一方の収容キャビティ300内の1つの電極体列401の1番目の電極体アセンブリ400の第1の電極引き出し部材410と、他方の収容キャビティ300内の1つの電極体列401の1番目の電極体アセンブリ400の第2の電極引き出し部材420とは、同一側に位置し、
或いは、隣接する2つの収容キャビティ300のうちの一方の収容キャビティ300内の1つの電極体列401の最後の電極体アセンブリ400の第1の電極引き出し部材410と、他方の収容キャビティ300内の1つの電極体列401の最後の電極体アセンブリ400の第2の電極引き出し部材420とは、同一側に位置する。
【0078】
隣接する2つの収容キャビティ300内の電極体列401を上記接続方式で直列接続すると、電気的な接続経路を短くすることができ、内部抵抗を低減することに役立つ。他の実施例では、他の直列接続方式を用いてもよい。
【0079】
いくつかの好ましい実施例において、隣接する2つの収容キャビティ300は、それぞれ第1の収容キャビティ300と第2の収容キャビティ300であると定義され、第1の収容キャビティ300内の、第2の収容キャビティ300に近接して設置された1つの電極体列401は、第2の収容キャビティ300内の、第1の収容キャビティ300に近接して設置された1つの電極体列401に直列接続される。
【0080】
さらに、第1の収容キャビティ300内の、第2の収容キャビティ300に近接して設置された1つの電極体列401の1番目の電極体アセンブリ400は、第2の収容キャビティ300内の、第1の収容キャビティ300に近接して設置された1つの電極体列401の1番目の電極体アセンブリ400に電気的に接続される。
【0081】
或いは、第1の収容キャビティ300内の、第2の収容キャビティ300に近接して設置された1つの電極体列401の最後の電極体アセンブリ400は、第2の収容キャビティ300内の、第1の収容キャビティ300に近接して設置された1つの電極体列401の最後の電極体アセンブリ400に電気的に接続される。
【0082】
上記接続方式を用いると、電気的な接続経路と短くすることができ、内部抵抗を低減することに役立つことを理解されたい。
【0083】
図15を参照すると、さらなる実施例において、隣接する2つの収容キャビティ300内の電極体列401は、並列接続される。
【0084】
具体的には、隣接する2つの収容キャビティ300のうちの一方の収容キャビティ300内の1つの電極体列401の1番目の電極体アセンブリ400は、他方の収容キャビティ300内の1つの電極体列401の1番目の電極体アセンブリ400に電気的に接続され、隣接する2つの収容キャビティ300のうちの一方の収容キャビティ300内の1つの電極体列401の最後の電極体アセンブリ400は、他方の収容キャビティ300内の1つの電極体列401の最後の電極体アセンブリ400に電気的に接続される。図15において、電極体列401の1番目の電極体アセンブリ400は、最も左側の電極体アセンブリ400であり、電極体列401の最後の電極体アセンブリ400は、最も右側の電極体アセンブリ400である。或いは、電極体列401の1番目の電極体アセンブリ400は、最も右側の電極体アセンブリ400であり、電極体列401の最後の電極体アセンブリ400は、最も左側の電極体アセンブリ400である。
【0085】
さらに、隣接する2つの収容キャビティ300のうちの一方の収容キャビティ300内の1つの電極体列401の1番目の電極体アセンブリ400の第1の電極引き出し部材410と、他方の収容キャビティ300内の1つの電極体列401の1番目の電極体アセンブリ400の第1の電極引き出し部材410とは、同一側に位置し、隣接する2つの収容キャビティ300のうちの一方の収容キャビティ300内の1つの電極体列401の最後の電極体アセンブリ400の第2の電極引き出し部材420と、他方の収容キャビティ300内の1つの電極体列401の最後の電極体アセンブリ400の第2の電極引き出し部材420とは、同一側に位置する。
【0086】
隣接する2つの収容キャビティ300内の電極体列401を上記接続方式で並列接続すると、電気的な接続経路を短くすることができ、内部抵抗を低減することに役立つ。他の実施例では、他の並列接続方式を用いてもよい。
【0087】
好ましくは、隣接する2つの収容キャビティ300は、それぞれ第1の収容キャビティ300と第2の収容キャビティ300であると定義され、第1の収容キャビティ300内の、第2の収容キャビティ300に近接して設置された1つの電極体列401は、第2の収容キャビティ300内の、第1の収容キャビティ300に近接して設置された1つの電極体列401に並列接続される。
【0088】
具体的には、第1の収容キャビティ300内の、第2の収容キャビティ300に近接して設置された1つの電極体列401の1番目の電極体アセンブリ400は、第2の収容キャビティ300内の、第1の収容キャビティ300に近接して設置された1つの電極体列401の1番目の電極体アセンブリ400に電気的に接続され、第1の収容キャビティ300内の、第2の収容キャビティ300に近接して設置された1つの電極体列401の最後の電極体アセンブリ400は、第2の収容キャビティ300内の、第1の収容キャビティ300に近接して設置された1つの電極体列401の最後の電極体アセンブリ400に電気的に接続される。上記接続方式を用いると、電気的な接続経路と短くすることができ、内部抵抗を低減することに役立つことを理解されたい。
【0089】
各収容キャビティ300内に1つの電極体列401が設置され、隣接する2つの収容キャビティ300内の電極体列401が電気的な接続される方式は、上記方式と類似するため、以下、簡単に説明する。
【0090】
いくつかの実施例において、図16に示すように、収容キャビティ300内に1つのみの電極体列401が設置され、このときに隣接する2つの収容キャビティ300内の電極体アセンブリ400が直列接続される方式は、以下のとおりである。隣接する2つの収容キャビティ300のうちの一方の収容キャビティ300内の電極体列401の1番目の電極体アセンブリ400は、他方の収容キャビティ300内の電極体列401の1番目の電極体アセンブリ400に電気的に接続され、或いは、隣接する2つの収容キャビティ300のうちの一方の収容キャビティ300内の電極体列401の最後の電極体アセンブリ400は、他方の収容キャビティ300内の電極体列401の最後の電極体アセンブリ400に電気的に接続される。図16において、電極体列401の1番目の電極体アセンブリ400は、最も左側の電極体アセンブリ400であり、電極体列401の最後の電極体アセンブリ400は、最も右側の電極体アセンブリ400である。或いは、電極体列401の1番目の電極体アセンブリ400は、最も右側の電極体アセンブリ400であり、電極体列401の最後の電極体アセンブリ400は、最も左側の電極体アセンブリ400である。
【0091】
いくつかの実施例において、図17に示すように、収容キャビティ300内に1つのみの電極体列401が設置され、このときに隣接する2つの収容キャビティ300内の電極体アセンブリ400が並列接続される方式は、以下のとおりである。隣接する2つの収容キャビティ300のうちの一方の収容キャビティ300内の電極体列401の1番目の電極体アセンブリ400は、他方の収容キャビティ300内の電極体列401の1番目の電極体アセンブリ400に電気的に接続され、隣接する2つの収容キャビティ300のうちの一方の収容キャビティ300内の電極体列401の最後の電極体アセンブリ400は、他方の収容キャビティ300内の電極体列401の最後の電極体アセンブリ400に電気的に接続される。図17において、電極体列401の1番目の電極体アセンブリ400は、最も左側の電極体アセンブリ400であり、電極体列401の最後の電極体アセンブリ400は、最も右側の電極体アセンブリ400である。或いは、電極体列401の1番目の電極体アセンブリ400は、最も右側の電極体アセンブリ400であり、電極体列401の最後の電極体アセンブリ400は、最も左側の電極体アセンブリ400である。
【0092】
再び図9及び図10を参照すると、さらなる実施例において、電極体アセンブリ400は、電極体アセンブリ本体430と、電流を引き出す第1の電極引き出し部材410及び第2の電極引き出し部材420とを含み、第1の電極引き出し部材410及び第2の電極引き出し部材420は、第2の方向に沿って電極体アセンブリ本体430の反対の両側に配置され、電極体列401内の隣接する2つの電極体アセンブリ400のうちの一方の電極体アセンブリ400の第1の電極引き出し部材410と、他方の電極体アセンブリ400の第2の電極引き出し部材420とは、第2の導電部品460により電気的に接続され、
隣接する2つの電極体アセンブリ400の電極体アセンブリ本体430の間に固定スペーサー450が設置され、第2の導電部品460は、固定スペーサー450内に固定され、隣接する2つの電極体アセンブリ400の電極体アセンブリ本体430と固定スペーサー450との間に構造用接着剤が充填され、このようにして、構造用接着剤により複数の電極体アセンブリ400を一体に接続することにより、電極体列401の構造強度を向上させて、電極体列401を収容キャビティ300内に取り付けやすい。
【0093】
固定スペーサー450は、第3の方向に沿って対向して設置された第1のスペーサー453と第2のスペーサー454を含み、第2の導電部品460は、第1のスペーサー453と第2のスペーサー454との間に位置し、第1のスペーサー453と第2のスペーサー454とは、第2の導電部品460を挟持固定して、電極体アセンブリ400間の動きを回避するように接続される。
【0094】
本実施例において、第1のスペーサー453と第2のスペーサー454のうちの一方のスペーサーの第2の導電部品460に向かう表面には、挿入ピン451が設置され、第1のスペーサー453と第2のスペーサー454のうちの他方のスペーサーには、挿入孔452が設置され、第1のスペーサー453と第2のスペーサー454は、挿入ピン451が挿入孔452に挿入することにより固定接続され、かつ第2の導電部品460が両者の間に介設される。
【0095】
図18を参照すると、さらなる実施例において、電極体列401を構成する複数の電極体アセンブリ400は、封止膜500内に封止され、電極体アセンブリ400は、電極体アセンブリ本体430と、電流を引き出す第1の電極引き出し部材410及び第2の電極引き出し部材420とを含み、直列接続された2つの電極体アセンブリ400のうちの一方の電極体アセンブリ400の第1の電極引き出し部材410と、他方の電極体アセンブリ400の第2の電極引き出し部材420との接続箇所は、封止膜500内に位置し、封止膜500の、第1の電極引き出し部材410及び/又は第2の電極引き出し部材420との相対的位置には、隣接する2つの電極体アセンブリ本体430を分離する封止部510が形成されている。
【0096】
封止部510により複数の電極体アセンブリ400を分離して、複数の電極体アセンブリ400の間の電解液が互いに流通することを回避し、複数の電極体アセンブリ400は、互いに影響を与えず、複数の電極体アセンブリ400の電解液は、電位差が大きすぎて分解することなく、電池の安全性と耐用年数を保証する。
【0097】
封止部510は、様々な実施形態を有してもよく、例えば、結束バンドを用いて封止膜500を締め付けて封止部510を形成してもよく、封止膜500を直接熱溶着して接続して封止部510を形成してもよい。封止部510の具体的な形態は、特に限定されない。
【0098】
本開示において、好ましい封止膜500が用いる封止材料は、PET-PP複合膜又はアルミラミネートフィルムである。電極体アセンブリ400を用いる場合、容量選別と化成の後に膨張する。本開示において、好ましくは、封止膜500内部のキャビティに対して負圧吸引を行って電極体アセンブリ400を拘束するため、封止膜500内の収容キャビティ300に対して気密性の要求を有する。
【0099】
図19を参照すると、別の実施例において、各電極体アセンブリ400は、それぞれ1つの封止膜500内に封止されて電極体アセンブリモジュールを形成し、電極体アセンブリモジュールは、直列接続される。
【0100】
換言すれば、封止膜500の数と電極体アセンブリ400の数は、一対一に対応し、各電極体アセンブリ400は、1つの封止膜500に単独で封止され、このような実施形態では、複数の電極体アセンブリ400の製造が完了した後、各電極体アセンブリ400の外部に1つの封止膜500を単独で嵌着してから、電極体アセンブリ400を直列接続することができる。
【0101】
さらなる実施例において、収容キャビティ300の気圧は、ケース100外の気圧より低い。収容キャビティ300の気圧がケース100外の気圧より低いように、収容キャビティ300の内部に真空引きを行うことができ、収容キャビティ300に真空引きを行うと、ケース100内の水蒸気、酸素ガスなどの物質の存在量を低減し、水蒸気、酸素ガスによるケース100内の電極体アセンブリ400及び各部品への長時間の老化作用を回避し、ケース100内部の電極体アセンブリ400又は各部品の耐用年数を延長することができる。
【0102】
さらなる実施例において、ケース100に排気孔が設置されている。排気孔は、1つであってもよく、複数であってもよく、天板102又は底板103の収容キャビティ300に対応する位置に設置されてもよく、第1の側部梁106と第2の側部梁107に設置されてもよい。
【0103】
さらなる実施例において、ケース100に接着剤注入孔112(図2に示すように)が設置され、各収容キャビティ300は、少なくとも1つの接着剤注入孔112に対応して連通し、接着剤注入孔112により、対応する収容キャビティ300内に接着剤を充填することで、電極体アセンブリ400とケース100とが固定接続される。中空ガラス微小球充填接着剤又は構造用接着剤を用いて注型封止により電極体アセンブリ400、ケース100及び補強板200を固定接続して、電池パック10の構造強度をさらに向上させることができる。本実施例において、接着剤注入孔112は、サブケース101の天板102に設置される。当然のことながら、他の実施例において、接着剤注入孔112は、サブケース101の底板103に設置されてもよい。
【0104】
さらなる実施例において、電極体列401内の隣接する2つの電極体アセンブリ400は、第2の導電部品460により電気的に接続され、接着剤注入孔112は、第2の導電部品460に対応するように設置される。このように設置すると、電極体アセンブリ400の間に高い接続強度を有することを保証することができる。
【0105】
いくつかの実施例において、図2に示すように、ケース100に防爆弁800が設置され、防爆弁800は、接着剤注入孔112を封止する。このように、防爆弁800は、接着剤注入孔112を封止する封止カバーとして機能することができるだけでなく、安全防爆の役割を果たすことができる。
【0106】
いくつかの実施例において、図2及び図20に示すように、防爆弁800は、脆弱領域803を有し、ケース100に封止接続されたカバー本体802と、カバー本体802に設置された突起部801と、を含み、突起部801は、電極体アセンブリ400から離れた側に向かって突出し、突起部801の外周壁に脆弱領域803が形成されている。このように、電池パック10内の電極体アセンブリ400が異常に動作することによりガス発生が過剰になる場合、気圧により、防爆弁800の脆弱領域803が切断されることにより、電池パック10に安全上の事故が発生することを回避することができる。
【0107】
なお、脆弱領域803は、凹溝又は切込みであってもよい。又は、脆弱領域803の厚さは、防爆弁800の他の部分の厚さよりも低い。
【0108】
さらに、接着剤注入孔112は、天板102に設置され、カバー本体802は、天板102に封止接続される。該封止接続方式は、具体的に限定されず、例えば、溶接又は接着の方式で封止接続を実現することができる。
【0109】
一実施例において、電池パック10は、複数のサブケース101の底板103に対応して設置された複数の液冷部品900をさらに含み、液冷部品900を設置することにより電極体アセンブリ400を冷却放熱することができる。さらに、複数の液冷部品900は、一体成形部品である。このように設置すると、加工プロセスを簡略化して、コストを低減することができる。
【0110】
本開示に係る電気自動車1は、車体20と、取付部104により車体20に固定された上記電池パック10とを含む。本開示に係る電気自動車1では、このような電池パック10を車両に取り付ける場合、該電池パック10の構造強度は、車両構造強度の一部となるため、車両の構造強度を向上させることができ、電気自動車の軽量化の設計要求を実現することに役立つとともに、車両の設計及び製造コストを低減する。また、本開示の電池パック10の高さは、比較的低く、このようにして、車両の高さ方向における空間を過度に占有することがない。
【0111】
上述した実施例は、単に本開示のいくつかの実施形態を示し、その説明が具体的で詳細であるが、本開示の特許範囲を限定するものと理解すべきではない。なお、当業者にとっては、本開示の構想から逸脱しない前提で、さらにいくつかの変形及び改善を行うことができ、これらは、いずれも本開示の保護範囲に属する。したがって、本開示の特許の保護範囲は、添付された特許請求の範囲を基準とすべきである。
【符号の説明】
【0112】
1 電気自動車
10 電池パック
100 ケース
101 サブケース
102 天板
103 底板
104 取付部
105 取付孔
106 第1の側部梁
107 第2の側部梁
108 仕切り板
109 接続板
110 開口部
111 端板
112 接着剤注入孔
113 ケース本体
200 補強板
300 収容キャビティ
400 電極体アセンブリ
401 電極体列
410 第1の電極引き出し部材
420 第2の電極引き出し部材
430 電極体アセンブリ本体
440 第1の導電部品
450 固定スペーサー
451 挿入ピン
452 挿入孔
453 第1のスペーサー
454 第2のスペーサー
460 第2の導電部品
500 封止膜
510 封止部
600 絶縁ブラケット
700 絶縁保護カバー
800 防爆弁
801 突起部
802 カバー本体
803 脆弱領域
900 液冷部品
20 車体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21