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▶ ゲーカーエン パウダー メタルジー エンジニアリング ゲーエムベーハーの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-06
(45)【発行日】2024-08-15
(54)【発明の名称】電動モータ及び電動モータの作動方法
(51)【国際特許分類】
   H02K 16/00 20060101AFI20240807BHJP
   H02K 21/12 20060101ALI20240807BHJP
   H02P 25/02 20160101ALI20240807BHJP
【FI】
H02K16/00
H02K21/12 M
H02P25/02
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022576067
(86)(22)【出願日】2021-06-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-06
(86)【国際出願番号】 EP2021065492
(87)【国際公開番号】W WO2021250108
(87)【国際公開日】2021-12-16
【審査請求日】2023-02-07
(31)【優先権主張番号】102020115263.9
(32)【優先日】2020-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】522478363
【氏名又は名称】ゲーカーエン パウダー メタルジー エンジニアリング ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100159499
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 義典
(72)【発明者】
【氏名】アンドレ,モーリス
(72)【発明者】
【氏名】ティラー,シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】トゥ,ホン ザン
【審査官】服部 俊樹
(56)【参考文献】
【文献】特表2005-532026(JP,A)
【文献】特表2007-533286(JP,A)
【文献】特開2008-245504(JP,A)
【文献】特開2001-037133(JP,A)
【文献】実開昭55-173276(JP,U)
【文献】国際公開第2007/010640(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 16/00
H02K 21/12
H02P 25/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1前側(3)及び第2前側(4)の間で軸方向(5)に延び、上記第1前側(3)における環状のヨーク(6)と、上記ヨーク(6)を起点とし、上記軸方向(5)に第1長さ(8)にわたって上記第2前側(4)までそれぞれ延び、且つ周方向(9)に相互に隣接して配置される複数のコア(7)とを有するステータ(2)を少なくとも備える電動モータ(1)であって、上記ヨーク(6)を起点とし、上記軸方向(5)に第2長さ(11)にわたって上記第2前側(4)に延びるコイル(10)が各コア(7)に配置され、各コア(7)の部分(12)がそれぞれの上記コイル(10)を超えて上記軸方向(5)に延びるように上記第2長さ(11)が上記第1長さ(8)よりも小さく、上記コイル(10)及び上記第2前側(4)の間で上記軸方向(5)において少なくとも上記第2前側(4)に配置される第1ロータ(13)を少なくともさらに備え、上記モータ(1)の作動中に、上記第1ロータ(13)が、上記第1ロータ(13)を駆動するために上記ステータ(2)によって生成される磁束(16)の径方向(14)を向く第1要素(15)を使用し、
上記モータ(1)の作動中に、上記ステータ(2)及び上記第1ロータ(13)の間で作用する駆動力が、上記コア(7)の少なくとも内側又は外側で上記径方向(14)に配置される上記第1ロータ(13)の領域(18)において生じ得、
少なくとも上記第1ロータ(13)及び第2ロータ(19)を備え、一方の上記ロータ(13,19)の上記領域(18)が上記径方向(14)において上記コア(7)の外側に配置され、他方の上記ロータ(19,13)の上記領域(18)が上記径方向(14)において上記コア(7)の内側に配置される、モータ(1)。
【請求項2】
第3ロータ(21)、又は上記第1ロータ(13)若しくは第2ロータ(19)の一部を形成するロータコンポーネント(20)をさらに備え、上記ロータコンポーネント(20)が上記軸方向(5)において上記ステータ(2)に隣接して配置され、上記モータ(1)の作動中に、上記ロータコンポーネント(20)が、上記ロータコンポーネント(20)を駆動するために上記ステータ(2)によって生じる上記磁束(16)の軸方向(5)を向く第2要素(22)を使用する、請求項1に記載のモータ(1)。
【請求項3】
少なくとも2つの上記ロータ(13,19,21)を備え、上記ロータ(13,19,21)が少なくとも異なる速度で又は異なる回転方向で作動され得るように、上記ロータ(13,19,21)が互いに異なる数の磁極を有する請求項1又は請求項2に記載のモータ(1)。
【請求項4】
少なくとも2つの上記ロータ(13,19,21)を備え、少なくとも1つの上記ロータ(13,19,21)が同期機のための第1デザインを有し、少なくとも他の上記ロータ(21,19,13)が非同期機のための第2デザインを有し、上記モータ(1)の作動中に、上記ステータ(2)の回転場が上記第1デザインの上記ロータ(13,19,21)に応じて方向付けされ、上記第2デザインの上記ロータ(21,19,13)が滑りつつ上記回転場に追従する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のモータ(1)。
【請求項5】
少なくとも2つの上記ロータ(13,19,21)を備え、1つの上記ロータ(13,19,21)が1つの速度で作動され得、他の上記ロータ(21,19,13)が静止するように、上記ロータ(13,19,21)が異なる始動トルクを有する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のモータ(1)。
【請求項6】
少なくとも2つの上記ロータ(13,19,21)を備え、1つの上記ロータ(13,19,21)が流体の移送のための流体移送形状(23)を有し、この流体の移送が他の上記ロータ(21,19,13)の温度を調整するために供される請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のモータ(1)。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の電動モータ(1)の作動方法であって、上記モータ(1)がステータ(2)及び少なくとも2つのロータ(13,19,21)を有し、1つの上記ロータ(13,19,21)が第1の数の磁極を有し、他の上記ロータ(21,19,13)が第2の数の磁極を有し、上記ロータ(13,19,21)が少なくとも異なる速度で又は異なる回転方向で作動される作動方法。
【請求項8】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の電動モータ(1)の作動方法であって、上記モータ(1)がステータ(2)及び少なくとも2つのロータ(13,19,21)を備え、1つの上記ロータ(13,19,21)が1つの速度で作動され、他の上記ロータ(21,19,13)が静止するように、上記ロータ(13,19,21)が異なる始動トルクを有する作動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つのステータ及びロータを備える電動モータに関する。
【背景技術】
【0002】
電動モータの構造寸法を小さくする又はその機能を拡充する継続的ニーズが存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この背景に対して、本発明の目的は、これらの側面を実装し得る電動モータを提示することにある。特に、2つのロータが単一のステータを介して互いに独立して作動され得る電動モータが提供される。このユースケースについて、電動モータの有利なデザインが提供される。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的を達成するため、請求項1の特徴に係る電動モータ、請求項9に係る第1の電動モータの作動方法、及び請求項10に係る第2の電動モータの作動方法が提示される。有利な展開は従属項の主題である。請求項で個別に説明された特徴は、技術的に適切な様式で相互に組み合わせることができ、明細書からの説明内容及び図面からの詳細によって補完され得、本発明のさらなる代替実施形態が示される。
【0005】
これは、第1前側及び第2前側の間で軸方向に延び、上記第1前側における環状のヨークと、上記ヨークを起点とし、上記軸方向に第1長さにわたって上記第2前側までそれぞれ延び、且つ周方向に相互に隣接して配置される複数のコアとを有するステータを少なくとも備える電動モータによって達成される。上記ヨークを起点とし、上記軸方向に第2長さにわたって上記第2前側に延びるコイルが各コアに配置される。各コアの部分がそれぞれの上記コイルを超えて上記軸方向に延びるように、上記第2長さは上記第1長さよりも小さい。上記モータは、上記コイル及び上記第2前側の間で上記軸方向において少なくとも上記第2前側に配置される第1ロータを少なくともさらに備え、上記モータの作動中に、上記第1ロータは(実質的に)、上記1ロータを駆動するために、上記ステータによって生じる磁束の径方向を向く第1要素を使用する。
【0006】
特に、アキシャルフラックスモータの様式で構成されたステータが、ここでラジアルフラックスモータの様式で構成及び配置された第1ロータと組み合わせられる。
【0007】
アキシャルフラックスモータでは、上記ステータ及びロータは、上記軸方向に相互に隣接して配置され、上記ロータは、上記軸方向に上記コイル及びコアに対向して配置され、場合によって上記軸方向において(すなわち、例えば同一径上に)上記コイル及び上記コアに位置合わせされる磁極を有する。上記ステータは、環状の基体(ヨーク)を起点として、軸方向に延びるコア及びコイルを有する。上記ロータのコイル及びコアの数、並びに磁極の数は、互いに異なるか又は互いに一致し得る。
【0008】
アキシャルフラックスモータでは実質的に、上記ロータを駆動するため上記ステータによって生じる磁束の、上記軸方向を向く第1要素が使用される。
【0009】
ラジアルフラックスモータでは、上記ステータ及びロータは、上記径方向に配置され、上記ロータは、上記径方向に上記コイル及びコアに対向して配置され、場合によって少なくとも上記径方向において(すなわち、例えば上記軸方向の同一部分上に)上記コイル及び上記コアに位置合わせされる磁極を有する。上記ステータにおいて、ステータ歯又はコアは、環状の基体(ヨーク)を起点として、上記径方向において内向き又は外向きに延びる。
【0010】
ラジアルフラックスモータでは実質的に、上記ロータを駆動するため上記ステータによって生じる磁束の、上記径方向を向く第1要素が使用される。
【0011】
上記電動モータの上記ステータは、特に、例えばいわゆる「軟磁性複合材」(SMC)又は電気板とSMCとの組み合わせ等の、軟磁性材料を有する。上記ステータの上記コアは、好ましくは軟磁性材料からの加圧及び焼成により製造される。ここで、SMC材料は焼結されない。代わりに、その温度は融点よりも低く調整されるが、上記コアがその形状を永久に保つために十分な温度とする。
【0012】
それぞれのロータは、特に永久磁石及び/又は軟磁性要素を、例えば凹部に有する。永久励起同期モータ又はブラシレス直流モータ(略記でBLDC)が好ましくは形成され得る。一方、例えばリラクタンスモータは、軟磁性要素を備える電動モータとして製造され得る。
【0013】
それぞれのロータは、あるいはケージロータつまりかご形ロータとして、又はスリップリングロータとして構成され得、その場合は非同期モータが形成される。
【0014】
特に、上記ロータは少なくとも部分的に焼結によって製造される。特に、複雑な構造は、極めて単純な焼結によって上記ロータ上に形成され得る。
【0015】
特にSMCを使用するステータの構造、及びロータにも関するさらなる詳細は、例えば国際公開第2016/066714号で参照され得る。
【0016】
特に、上記モータの作動中に、上記ステータ及び上記第1ロータの間で作用する駆動力が、上記コアの少なくとも内側又は外側で上記径方向に配置される上記第1ロータの領域において生じ得る。
【0017】
特に、上記領域、すなわち上記ロータの磁極が上記径方向において上記コアの内側又は外側にのみ配置されるように、上記第1ロータが設計される。
【0018】
あるいは、2つの領域が提供されるように、すなわち1つが上記径方向において上記コア内部に、1つが外部に提供されるように、上記第1ロータが設計される。この実施形態では、上記2つの領域が相互に機械的に結合され、それぞれの領域に同数の磁極が存在する。このように、一方で高トルクを得ることが可能であり、またアキシャルフラックスモータの様式で構成されたロータの使用に比べて上記軸方向に作用する小さい合力しか生じない電動モータを提供できる。
【0019】
上記モータは、好ましくは、少なくとも上記第1ロータ及び第2ロータを備え、一方の上記ロータの上記領域が上記径方向において上記コアの外側に配置され、他方の上記ロータの上記領域が上記径方向において上記コアの内側に配置される。上記モータにおいて、特に、少なくとも2つのロータが、単一のステータを介して互いに独立して作動され得る。
【0020】
特に有利な作動モードが、以下で説明されるように、2つのロータを備えるこの設計の結果として得られる。
【0021】
特に、上記モータは、第3ロータ、又は上記第1ロータ若しくは第2ロータの一部を形成するロータコンポーネントをさらに備える。上記ロータコンポーネントは、上記軸方向において上記ステータに隣接して配置される。上記モータの作動中に、上記ロータコンポーネントは、上記ロータコンポーネントを駆動するために上記ステータによって生じる上記磁束の、上記軸方向を向く第2要素を使用する。
【0022】
特に、このロータコンポーネントは、アキシャルフラックスモータの様式で構成される。アキシャルフラックスモータにおいて、上記ステータ及び上記ロータコンポーネントは、上記軸方向において互いに隣接して配置され、上記ロータコンポーネントは上記軸方向に上記ステータの上記コイル及びコアに対向して配置され、場合によって少なくとも上記軸方向において(すなわち、例えば同一径上に)上記コイル及びコアに位置合わせされる磁極を有する。
【0023】
上記ロータコンポーネントは、上記モータが、上記第1ロータ、及び第3ロータ又は追加で上記第2ロータを有するように独立した上記第3ロータを形成し得る。上記第3ロータはまた、上記第1ロータに、又は上記第2ロータを有する場合、上記第2ロータに機械的に結合されるように、形成され得る。機械的結合の場合、関連するロータ又は関連するロータ及び上記ロータコンポーネントは、同数の磁極を有する。
【0024】
特に、上記モータは、少なくとも2つのロータを備え、上記ロータが少なくとも異なる速度で又は異なる回転方向で作動され得るように、上記ロータは互いに異なる数の磁極を有する。各ロータはここで、上記ステータの1つの回転場によって直接駆動される。ここで、ギアボックス又はトランスミッションは不要である。
【0025】
上記モータが同期モータとして構成される場合、上記ステータによって生じる上記回転場は関連するロータのそれぞれの位置に対して固定するように提供されるべきである。ここで、上記回転場は、各ロータの位置に応じて又は1つのロータの位置にのみ応じて特に兼ね合うように提供され得る。後者の場合、それぞれの少なくとも1つの他のロータはこの回転場に追従するべきである。
【0026】
特に、例えば、1つのロータは、他のロータの2倍の速度で、場合によっては反対の回転方向で、上記ステータの回転場を介して作動され得る。したがって、常に1つのステータを介して1つのロータのみが作動され得る2つの既知のモータは、提示されるただ1つのステータを有しつつも少なくとも2つのロータを有するモータによって置き換えることができる。
【0027】
特に、上記モータは少なくとも2つの上記ロータを備え、少なくとも1つの上記ロータは同期機のための第1デザインを有し、少なくとも他の上記ロータは非同期機のための第2デザインを有し、上記モータの作動中に、上記ステータの回転場は上記第1デザインの上記ロータに応じて方向付けされ、上記第2デザインの上記ロータは滑りつつ上記回転場に追従する。したがって、上記第2デザインの上記ロータが上記回転場に受動的に追従するため、上記回転場の調整が単純化され得る。
【0028】
特に、上記モータは、少なくとも2つの上記ロータを備え、1つの上記ロータが1つの速度で作動され得、他の上記ロータが静止するように、上記ロータが異なる始動トルクを有する。特に、1つのロータは他のロータの温度を調整するために作動し得る。
【0029】
特に、上記モータは、少なくとも2つのロータを備え、1つの上記ロータが流体の移送のための流体移送形状を有し、この流体の移送が他の上記ロータの温度を調整するために供される。特に、上記流体移送形状は、上記ロータの回転が特定方向、特に均一な方向での流体の動きを引き起こすようなポンプの様式で構成される。
【0030】
電動モータの、特に上述したモータの(第1の)作動方法がさらに提示される。上記モータは、ステータ及び少なくとも2つのロータを有し、1つのロータが第1の数の磁極を有し、他のロータが第2の数の磁極を有し、上記ロータが少なくとも異なる速度で又は異なる回転方向で作動される。上記モータにおいて、特に、少なくとも2つのロータが、単一のステータを介して互いに独立して作動され得る。
【0031】
各ロータはここで、上記ステータの1つの回転場によって直接駆動される。ここで、ギアボックス又はトランスミッションは不要である。
【0032】
電動モータの、特に上述したモータの(第2の)作動方法が提示される。上記モータはステータ及び少なくとも2つのロータを備え、1つのロータが1つの速度で作動され、他のロータが静止するように、上記ロータが異なる始動トルクを有する。上記モータにおいて、特に、少なくとも2つのロータが、単一のステータを介して互いに独立して作動され得る。
【0033】
上記モータの説明は、上述した方法に特に同様に適用し、逆もまた同様である。
【0034】
特に請求の範囲及びこれらを記載した明細書における不定冠詞(「a」、「an」)の使用は、そのまま解され、数字として解されない。それによって導入された用語及び要素は、少なくとも1つは存在するが、特に複数としても存在し得るように、相応して理解される。
【0035】
疑義を避けるため、ここで使用される数値(「第一」、「第二」、「第三」等)は、主に(専ら)複数の類似する対象、寸法又は工程の間を区別するために機能する、つまり、これら対象、寸法又は工程のいかなる依存関係及び/又は順序を相互に定めない。依存関係及び/又は順序が必要な場合は、その旨がここで明示的に記載されるか、又は具体的に記述された実施形態を検討する際に当業者にとって明らかとなる。
【0036】
本発明及び技術分野は、図面を援用して以下に詳細に説明される。本発明は例示的な実施形態によって限定されないことが指摘される。特に、明示的に示されない限り、図面で説明された内容の部分的な側面を抽出し、本明細書及び/又は図面からの他の部分及び知見と組み合わせることも可能である。他の図面からの説明を補足的に使用し得るように、同一の参照符号は同一の対象に関連づけられる。図面は、模式的に示される。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】電動モータの第1代替実施形態を斜視図で示す。
図2図1に係る電動モータを斜視図で示す。
図3図1及び図2に係る電動モータを側面図で示す。
図4】電動モータの第2代替実施形態を斜視図で示す。
図5】電動モータの第3代替実施形態を斜視図で示す。
図6】電動モータの第4代替実施形態を側面図で示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1に、電動モータの第1代替実施形態を斜視図で示す。図2に、図1に係る電動モータを斜視図で示す。図3に、図1及び図2に係る電動モータを側面図で示す。図1から図3は以下で組み合わせて説明される。
【0039】
電動モータ1は、第1前側3及び第2前側4の間で軸方向5に延び、第1前側3における環状のヨーク6と、上記ヨーク5を起点とし、軸方向5に第1長さ8にわたって第2前側4までそれぞれ延び、且つ周方向に相互に隣接して配置される複数のコア7とを有するステータ2を備える。ヨーク6を起点とし、軸方向5に第2長さ11にわたって第2前側4まで延びるコイル10は、各コア7に配置される。各コア7の部分12がそれぞれのコイル10を超えて軸方向5に延びるように、第2長さ11は第1長さ8よりも小さい。モータ1は、第2前側4に配置され、且つそれぞれ軸方向5においてコイル10及び第2前側4の間に配置される第1ロータ13及び第2ロータ19をさらに備える。モータ1の作動中に、第1ロータ13及び第2ロータ19は(実質的に)、第1ロータ13及び第2ロータ19を駆動するために、ステータ2によって生じる磁束16の、径方向14を向く第1要素15を使用する。
【0040】
ステータ2は、アキシャルフラックスモータの様式で構成され、ラジアルフラックスモータの様式でそれぞれ構成及び配置された第1ロータ13及び第2ロータ19に組み合わせられる。
【0041】
アキシャルフラックスモータにおいて、ステータ2及び第3ロータ21(図5及び図6参照)は軸方向5に互いに隣接して配置され、ロータ21は、軸方向5にコイル10及びコア7に対向して配置され、軸方向5において(同一径上に)コイル10及びコア7に位置合わせされる磁極26を有する。
【0042】
アキシャルフラックスモータでは実質的に、ロータ21を駆動するため、ステータ2によって生じる磁束16の、軸方向5を向く第2要素22が使用される。
【0043】
ラジアルフラックスモータでは、ステータ2及びロータ13,19は、径方向14に互いに隣接して配置され、ロータ13,19は、径方向14にコイル10及びコア7に対向して配置され、場合によって少なくとも径方向14において(軸方向5の同一部分12上に)コイル10及びコア7に位置合わせされる磁極26を有する。
【0044】
ラジアルフラックスモータでは実質的に、ロータ13,19を駆動するため、ステータ2によって生じる磁束16の、径方向14を向く第1要素15が使用される。
【0045】
モータ1の作動中に、ステータ2、第1ロータ13及び第2ロータ19の間で作用する駆動力17が、コア7の内側(第2ロータ19)又は外側(第1ロータ13)でそれぞれ径方向14に配置される第1ロータ13の領域18及び第2ロータ19の領域18において生じ得る。
【0046】
第1ロータ13及び第2ロータ19は、ロータ13,19の領域18及び磁極26が径方向14においてそれぞれコア7の内側又は外側にのみ配置されるようにそれぞれ設計される。
【0047】
モータ1は、第1ロータ13及び第2ロータ19を備え、第1ロータ13の領域18は径方向14においてコア7の外側に配置され、第2ロータ19の領域18は径方向14においてコア7の内側に配置される。
【0048】
ロータ13,19はここで同数の磁極を有する。すなわち、各ロータ13,19は12個の磁極26を有する。
【0049】
図4に、電動モータ1の第2代替実施形態を斜視図で示す。図1から図3の説明が参照される。
【0050】
第1代替実施形態とは対照的に、第2代替実施形態に係る電動モータ1は、1つのロータ、つまり第2ロータ19のみを有し、第2ロータ19の領域18は径方向14においてコア7の内側に配置される。
【0051】
第2ロータ19は、流体の移送のための流体移送形状23を有し、この流体の移送は例えば異なるロータの温度を調整する目的で供され得る。流体移送形状23は、第2ロータ19の回転が特定方向、ここでは実質的に軸方向5での流体の動きを引き起こすようなポンプの様式で構成される。
【0052】
第2ロータ19は第1シャフト24に設置される。
【0053】
図5に、電動モータ1の第3代替実施形態を斜視図で示す。図2の説明が参照される。
【0054】
第2代替実施形態とは対照的に、第3代替実施形態に係るモータ1は、2つのロータ、つまり第2ロータ19に加えて第3ロータ21を有し、第3ロータ21の領域18は径方向14においてコア7の内側に配置される。
【0055】
第3代替実施形態に係るモータ1は、第3ロータ21を形成するロータコンポーネント20を備える。ロータコンポーネント20は、軸方向5においてステータ2に隣接して配置される。モータ1の作動中に、ロータコンポーネント20は、ロータコンポーネント20を駆動するためにステータ2によって生じる磁束16の、軸方向5を向く第2要素22を使用する。
【0056】
ロータコンポーネント20は、アキシャルフラックスモータの様式で構成される。アキシャルフラックスモータにおいて、ステータ2及びロータコンポーネント20は、軸方向5において互いに隣接して配置され、ロータコンポーネント20は、軸方向5にステータ2のコイル10及びコア7に対向して配置され、場合によって軸方向5において(すなわち、例えば同一径上に)位置合わせされる磁極26を有する。
【0057】
ロータコンポーネント20は、モータ1が第2ロータ19及び第3ロータ21を有するように独立した第3ロータ21を形成する。
【0058】
第2ロータ19は、流体を移送する目的で流体移送形状23を備え、この流体の移送が第3ロータ21の温度を調整するために供される。
【0059】
図6に、電動モータ1の第4代替実施形態を側面図で示す。図1から図5の説明が参照される。
【0060】
モータ1は、第1ロータ13及び第2ロータ19を備え、第1ロータ13の領域18が径方向14においてコア7の外側に配置され、第2ロータの領域18が径方向14においてコア7の内側に配置される。第1ロータ13は、第1シャフト24に回転不能に接続される。
【0061】
モータ1は、第2ロータ19の一部を形成するロータコンポーネント20をさらに備える。ロータコンポーネント20は、軸方向5においてステータ2に隣接して配置される。モータ1の作動中に、ロータコンポーネント20は、ロータコンポーネント20を駆動するためにステータ2によって生じる磁束16の、軸方向5を向く第2要素22を使用する。
【0062】
第2ロータ19及びロータコンポーネント20は、互いに結合され、ロータコンポーネント20を介して第2シャフト25に回転不能に接続される。
【符号の説明】
【0063】
1 モータ
2 ステータ
3 第1前側
4 第2前側
5 軸方向
6 ヨーク
7 コア
8 第1長さ
9 周方向
10 コイル
11 第2長さ
12 部分
13 第1ロータ
14 径方向
15 第1要素
16 磁束
17 駆動力
18 領域
19 第2ロータ
20 ロータコンポーネント
21 第3ロータ
22 第2要素
23 流体移送形状
24 第1シャフト
25 第2シャフト
26 磁極

図1
図2
図3
図4
図5
図6