(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-06
(45)【発行日】2024-08-15
(54)【発明の名称】ロッカー装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240807BHJP
【FI】
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2023024058
(22)【出願日】2023-02-20
(62)【分割の表示】P 2018196879の分割
【原出願日】2018-10-18
【審査請求日】2023-02-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】506226658
【氏名又は名称】株式会社アルファロッカーシステム
(73)【特許権者】
【識別番号】000170598
【氏名又は名称】株式会社アルファ
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100124084
【氏名又は名称】黒岩 久人
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】菰岡 真人
(72)【発明者】
【氏名】吉沢 猛
【審査官】加舎 理紅子
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-064511(JP,A)
【文献】特開2003-321124(JP,A)
【文献】特開2013-067446(JP,A)
【文献】特開2005-071301(JP,A)
【文献】特開2016-095782(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物を格納可能であるとともに施錠可能な複数のロッカーと、
前記複数のロッカーの利用率を算出する算出部と、
前記算出部が算出した前記利用率が、荷物の移動要求を行うか否かを決定するための閾値を超えた場合に、前記複数のロッカーのうち、利用中のロッカーに格納されている荷物の移動要求を前記荷物の移動管理を行う外部機器に送信する送信部と、
を有するロッカー装置。
【請求項2】
前記送信部は、前記算出部が算出したロッカーの利用率が、前記閾値よりも低い、荷物の受け入れが可能であることを示す情報を送信するか否かを決定するための閾値未満となった場合に、前記ロッカーの位置を示す位置情報と、前記ロッカーへの荷物の受け入れが可能であることを示す情報を前記外部機器に送信する、
請求項1に記載のロッカー装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロッカー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
荷物を預けるロッカーを管理するロッカー管理システムが開示されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ロッカーの設置場所によっては、混雑するロッカーがある一方で、混雑しないロッカーがある。このため、混雑するロッカーの利用率と、混雑しないロッカーの利用率を平準化し、ロッカー全体における利用率を高めることが求められている。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、複数のロッカーの利用率を高めることができるロッカー装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る荷物を格納可能であるとともに施錠可能な複数のロッカーと、前記複数のロッカーの利用率を算出する算出部と、前記算出部が算出した前記利用率が、荷物の移動要求を行うか否かを決定するための閾値を超えた場合に、前記複数のロッカーのうち、利用中のロッカーに格納されている荷物の移動要求を前記荷物の移動管理を行う外部機器に送信する送信部と、を有する。
【0007】
前記送信部は、前記算出部が算出したロッカーの利用率が、前記閾値よりも低い、荷物の受け入れが可能であることを示す情報を送信するか否かを決定するための閾値未満となった場合に、前記ロッカーの位置を示す位置情報と、前記ロッカーへの荷物の受け入れが可能であることを示す情報を前記外部機器に送信してもよい。
【0008】
前記ロッカー装置は、前記荷物をロッカーに預けるユーザから前記複数のロッカーのいずれかに格納された荷物の移動許可を受け付ける許可受付部をさらに有し、前記送信部は、前記算出部が算出した前記利用率が前記荷物の移動要求を行うか否かを決定するための閾値を超えた場合に、前記許可受付部が移動許可を受け付けた荷物の移動要求を前記外部機器に送信してもよい。
【0009】
前記許可受付部は、前記荷物をロッカーに預けているユーザから前記荷物を引き取る予定時刻である利用終了予定時刻を受け付け、前記送信部は、現在の時刻から、前記利用終了予定時刻までの時間が所定時間以内である場合、前記荷物の移動要求を前記外部機器に送信しないように制御してもよい。
【0010】
前記許可受付部は、前記荷物をロッカーに預けるユーザからロッカーの利用開始時に前記移動許可を受け付けてもよい。
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、複数のロッカーの利用率を高めることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本実施形態に係るロッカー管理装置の概要を示す図である。
【
図2】本実施形態に係るロッカー管理装置の構成を示す図である。
【
図7】本実施形態に係るロッカー管理装置のロッカーに格納されている荷物の移動に係る処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[ロッカー管理装置1の概要]
図1は、本実施形態に係るロッカー管理装置1の概要を示す図である。ロッカー管理装置1は、複数のロッカー5(例えば、ロッカー5A1、5A2、5B1、5B2)を管理するサーバである。ロッカー管理装置1は、ユーザ端末2及び管理者端末3とインターネットや電話回線等の通信ネットワークを介して接続されている。
【0022】
ユーザ端末2は、例えば、ロッカー5を利用するユーザUが所持するスマートフォン等のコンピュータである。管理者端末3は、例えば、ロッカー5を管理する管理者Mが使用するパーソナルコンピュータやスマートフォン等のコンピュータである。
【0023】
ロッカー5は、ロッカー棚4(例えば、ロッカー棚4A、4B)に複数設けられており、駅や公共施設等の様々な施設に設置されている。ロッカー5は、ロッカー扉と、ロッカー管理装置1と通信を行う通信部とを備えている。ロッカー5は、ロッカー管理装置1の制御に応じて、ロッカー扉の施錠又は解錠を行う。
【0024】
ロッカー管理装置1は、ロッカー5の利用性を高めるためのロッカーサービスを提供している。ロッカーサービスを利用するユーザUは、当該サービスの利用登録を予め行っているものとする。ロッカー管理装置1は、ユーザUの氏名や連絡先等のユーザUに関する情報を、ユーザUを識別するユーザ識別情報としてのユーザIDに関連付けたユーザ情報を記憶する。また、ロッカー管理装置1は、ロッカー5に荷物を預けているユーザUの連絡先と、荷物が格納されているロッカー5を識別するロッカー識別情報としてのロッカーIDとを関連付けて記憶する。
【0025】
本実施形態に係るロッカー管理装置1は、例えば、利用率が高く混雑が予想されるロッカー棚4のロッカー5に預けられている荷物の移動をユーザUに打診し、当該ロッカー棚4のロッカー5の空きを確保するために用いられる。
【0026】
図1に示す例では、ロッカー棚4Aが、利用率が高く混雑が予想されるロッカー棚であり、ロッカー棚4Bが、利用率が低く混雑しないロッカー棚であるものとする。ロッカー管理装置1は、ロッカー棚4Aに設置されているロッカー5A1に荷物Bを預けているユーザUの連絡先に、荷物Bの移動先の位置として、ロッカー棚4Bに設置されているロッカー5B1の位置を通知するとともに、荷物Bをロッカー5B1に移動する予定時刻を通知し、荷物Bの移動要求を行う(
図1の(1))。
【0027】
ロッカー管理装置1は、ユーザUから荷物Bの移動許可を受け付けると(
図1の(2))、管理者端末3に荷物Bの移動指示を示す移動指示情報を送信する(
図1の(3))。管理者Mは、移動指示情報を確認し、荷物Bをロッカー5A1からロッカー5B1に移動させる(
図1の(4))。その後、管理者端末3は、管理者Mの操作に応じて、荷物Bの移動が完了したことを示す第1移動完了情報をロッカー管理装置1に送信する(
図1の(5))。ロッカー管理装置1は、第1移動完了情報を受信し、荷物Bがロッカー5B1に移動されたことを特定すると、荷物Bがロッカー5B1に移動されたことをユーザUに通知するための第2移動完了情報をユーザ端末2に送信する(
図1の(6))。
【0028】
このようにすることで、ロッカー管理装置1は、混雑するロッカー5の利用率と、混雑しないロッカー5の利用率を平準化し、複数のロッカー5の利用率を高めることができる。
続いて、ロッカー管理装置1の構成について説明する。
【0029】
[ロッカー管理装置1の構成]
図2は、本実施形態に係るロッカー管理装置1の構成を示す図である。
図2に示すように、ロッカー管理装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを備える。
【0030】
通信部11は、ユーザ端末2、管理者端末3等の、ロッカー管理装置1とは異なる装置と情報を送受信するための通信インターフェースである。
【0031】
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を含む記憶媒体である。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを記憶している。記憶部12は、ロッカー管理装置1を、状態制御部131、許可受付部132、移動指示部133、特定部134、通知部135、位置情報取得部136、及び特典付与部137として機能させるロッカー管理プログラムを記憶している。
【0032】
記憶部12は、ロッカーサービスに登録しているユーザUに関する情報であるユーザ情報を記憶する。
図3は、ユーザ情報の一例を示す図である。
図3に示すように、ユーザ情報は、ユーザIDと、ユーザUの氏名と、ユーザUの住所と、ユーザUの連絡先を示す連絡先情報と、ユーザUに関係する関係者(他のユーザ)の氏名と、当該関係者の連絡先を示す関係者連絡先情報とを関連付けた情報である。連絡先情報は、例えば、ユーザ端末2に対応するメールアドレス又は電話番号である。関係者連絡先情報は、例えば、家族等のユーザUに関係する関係者が使用する端末に対応するメールアドレス又は電話番号である。
【0033】
また、記憶部12は、ロッカー5に関する情報であるロッカー情報を記憶する。
図4は、ロッカー情報の一例を示す図である。
図4に示すように、ロッカー情報は、棚IDと、設置場所と、ロッカーIDと、配置位置と、サイズと、利用可能時間と、利用状態と、利用予定時刻と、利用開始時刻と、利用終了予定時刻と、受取期限と、予約料金と、利用料金と、支払済金額と、解錠キーと、利用者関連情報とを関連付けた情報である。
【0034】
棚IDは、ロッカー5が設置されているロッカー棚4を識別する識別情報である。設置場所は、ロッカー5が設置されている場所、すなわち、ロッカー棚4が設置されている場所を示す。ロッカーIDは、複数のロッカー5のそれぞれを識別する情報である。配置位置は、ロッカー棚4におけるロッカー5の高さ方向の配置位置を示す。サイズは、ロッカー5の内部の高さ、幅、奥行きを示す。利用可能時間は、ロッカー5が利用可能な時間帯を示す。
【0035】
利用状態は、現時点におけるロッカー5の利用状態を示す。本実施形態において、利用状態には、「空」、「利用中」、「予約中」という3つの状態が存在する。「空」は、ロッカー5の利用制限が行われておらず、誰でも利用可能であることを示す状態である。「利用中」は、ロッカー5が利用されている状態であり、他のユーザが利用できない状態である。「予約中」は、ロッカー5が予約されている状態であり、他のユーザが利用できない状態である。「予約中」である場合、利用予定時刻が設定されている。利用予定時刻は、ロッカー5の利用状態が「予約中」である場合においてロッカー5の利用が開始される予定日時を示す。利用状態が「予約中」の状態のまま利用予定時刻が到来すると、利用状態は、自動的に「空」に変更される。
【0036】
利用開始時刻は、ロッカー5の利用状態が、「空」又は「予約中」から「利用中」に変化し、ロッカー5の利用が開始された日時を示す。利用終了予定時刻は、ロッカー5の利用状態が「利用中」である場合に、ロッカー5の利用が終了する予定日時を示す。受取期限は、ユーザUが荷物を取り出す期限となる日時を示す。
【0037】
予約料金は、ロッカー5を予約する場合にユーザが支払う必要がある単位時間あたりの料金を示す。利用料金は、ロッカー5を利用する場合にユーザが支払う必要がある単位時間あたりの料金を示す。予約料金に対して設定される単位時間と、利用料金に対して設定される単位時間とは異なっていてもよい。支払済金額は、ユーザが既に支払った金額の合計額である。解錠キーは、ロッカー5を解錠する場合に必要となる情報である。解錠キーは、例えば、数字、文字、記号の少なくともいずれかを複数含む情報であり、例えば、数字列や文字列である。
【0038】
利用者関連情報は、ロッカー5の状態が利用中である場合においてロッカー5を利用しているユーザUに対応する情報である。利用者関連情報には、ユーザIDと、ユーザUの連絡先を示す連絡先情報と、ユーザUに関係する関係者(他のユーザ)の連絡先を示す関係者連絡先情報とが含まれている。
【0039】
なお、本実施形態では、ロッカー管理装置1が、ロッカー情報を記憶し、複数の位置のそれぞれに設置されているロッカー5のロッカー情報を集中的に管理することとしているが、これに限らない。例えば、同じ設置場所に設置されている複数のロッカー5のロッカー情報を、これらのロッカー5に対応するロッカー棚4に設けられるサーバや、当該設置場所の近傍に設けられるサーバによって管理してもよい。この場合には、ロッカー管理装置1は、当該サーバにアクセスしてロッカー情報を参照できるものとする。
【0040】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部13は、記憶部12に記憶されたロッカー管理プログラムを実行することにより、状態制御部131、許可受付部132、移動指示部133、特定部134、通知部135、位置情報取得部136、及び特典付与部137として機能する。
【0041】
ロッカー管理装置1は、状態制御部131により基本的な機能を実現する。まず、ロッカー管理装置1の基本的な機能について説明する。
【0042】
[ロッカー5の予約]
まず、ロッカー管理装置1が有するロッカー5の予約機能について説明する。状態制御部131は、ユーザ端末2からの要求に応じて、ロッカー5の予約を行う。
【0043】
ユーザ端末2は、ユーザ端末2において実行される、ロッカーサービスを実現するための所定のアプリケーションの操作画面においてロッカー5の予約開始操作を受け付けると、ロッカー管理装置1に、ユーザIDを含みロッカー5の予約を要求する予約要求情報を送信する。
【0044】
状態制御部131は、ユーザ端末2から予約要求情報を受信すると、ユーザIDを特定する。状態制御部131は、ユーザ端末2に予約画面を表示させ、ユーザ端末2からロッカー5の設置場所の選択を受け付ける。状態制御部131は、設置場所の選択を受け付けると、当該設置場所から所定範囲内に設置されているロッカー棚4に設置されているロッカー5のうち、利用状態が「空」のロッカー5を選択する。
【0045】
なお、状態制御部131は、ユーザ端末2から、ロッカー5の設置場所の選択を受け付けるだけでなく、ロッカー5のサイズ、利用目的や用途、ロッカーの数を受け付けてもよい。この場合、例えば、記憶部12に記憶されているロッカー情報において、ロッカーIDに、ロッカー5の利用目的や用途を示す情報を関連付けられているものとする。状態制御部131は、受け付けた設置場所から所定範囲内に設置されているロッカー棚4に設置されているロッカー5のうち、利用状態が「空」であるとともに、受け付けたロッカー5のサイズ、及び利用目的や用途に適合するロッカー5を選択してもよい。
【0046】
状態制御部131は、選択した「空」のロッカー5と、当該ロッカー5の設置場所とを関連付けたロッカーリストをユーザ端末2に表示させ、ユーザUによる予約対象のロッカー5の選択を受け付ける。
【0047】
状態制御部131は、予約対象のロッカー5の選択を受け付けると、ユーザ端末2を介して当該ロッカー5のロッカーIDに関連付けられている予約料金の入金を受け付ける。状態制御部131は、予約料金の入金を受け付けると、入金された金額を示す情報を支払済金額として記憶部12に記憶させるとともに、選択されたロッカー5に対応する解錠キーを生成する。状態制御部131は、選択されたロッカー5のロッカーIDに関連付けられている解錠キーとして、生成した解錠キーを記憶部12に記憶させる。
【0048】
また、状態制御部131は、記憶部12に記憶されているユーザ情報を参照し、特定したユーザIDに関連付けられている連絡先情報及び関係者連絡先情報を特定する。状態制御部131は、選択されたロッカー5のロッカーIDに関連付けられている連絡先情報及び関係者連絡先情報として、特定した連絡先情報及び関係者連絡先情報を記憶部12に記憶させる。
【0049】
[ロッカー5への荷物の収容]
状態制御部131は、ロッカー5の施錠又は解錠を制御する。例えば、ロッカー棚4には、ロッカー棚4に設けられている複数のロッカー5の使用操作を受け付ける操作部と、利用料金の入金を受け付ける入金部と、解錠キーを示す紙を出力する出力部とを備える制御装置が設けられている。以下の説明において、ロッカー棚4と、当該制御装置とをまとめて、ロッカー装置という。操作部は、例えば、ディスプレイとタッチパネルとを含んでおり、ユーザから、ロッカー5に荷物を収容する収容操作、又はロッカー5に収容されている荷物を取り出す取出操作を受け付ける。操作部は、収容操作を受け付けると、利用状態が「空」のロッカー5に荷物を収容するか、利用状態が「予約中」のロッカー5に荷物を収容するかの選択操作を受け付ける。
【0050】
また、操作部は、例えば、Bluetooth(登録商標)等により近距離無線通信を行う近距離無線通信部を含んでおり、ロッカー5の利用開始時に、ユーザUのユーザ端末2と近距離無線通信を行うことにより、ユーザ端末2からユーザIDを取得する。操作部は、ユーザIDを取得すると、取得したユーザIDをロッカー管理装置1に通知する。なお、この場合において、ユーザ端末2は、ロッカーサービスを実現するための所定のアプリケーションが実行されているものとする。ユーザ端末2は、所定のアプリの実行開始時に、近距離無線通信機能をオン状態とし、ロッカー5の利用開始時に、操作部との近距離無線通信を行うことができるものとする。
【0051】
操作部は、「空」のロッカー5に荷物を収容する選択操作を受け付けると、利用状態が「空」のロッカー5の中から、ユーザが利用するロッカー5の選択操作を受け付ける。操作部は、ロッカー5の選択操作を受け付けると、選択されたロッカー5のロッカーIDをロッカー管理装置1に通知する。入金部は、ロッカー5の選択操作が受け付けられると、現金又は電子通貨等による利用料金の入金を受け付ける。
【0052】
なお、ユーザ端末2は、所定のアプリケーションが実行されている場合に、上述した操作部の処理と同様の手順でロッカー5の選択操作及び利用料金の入金を受け付けることができる。ユーザ端末2は、ロッカー5の利用開始時に、ユーザIDをロッカー管理装置1に通知する。そして、ユーザ端末2は、ロッカー5の選択操作を受け付けると、選択されたロッカー5のロッカーIDをロッカー管理装置1に通知する。
【0053】
状態制御部131は、選択されたロッカー5のロッカーIDを取得した後、入金部が利用料金の入金を受け付けると、入金された金額を示す情報を支払済金額として記憶部12に記憶させるとともに、選択されたロッカー5に対応する解錠キーを生成するとともに、選択されたロッカー5にロッカー扉を開く開扉指示を送信してロッカー扉を開かせる。状態制御部131は、選択されたロッカー5のロッカーIDに関連付けられている解錠キーとして、生成した解錠キーを記憶部12に記憶させる。
【0054】
また、状態制御部131は、操作部又はユーザ端末2からユーザIDを取得した場合には、記憶部12に記憶されているユーザ情報を参照し、ユーザIDに関連付けられている連絡先情報及び関係者連絡先情報を特定する。そして、状態制御部131は、選択されたロッカー5のロッカーIDに関連付けられている連絡先情報及び関係者連絡先情報として、特定した連絡先情報及び関係者連絡先情報を記憶部12に記憶させる。ロッカー5は、ロッカー扉が閉じられると、ロッカー扉を施錠する。
【0055】
状態制御部131は、例えば、解錠キーを示すQRコード(登録商標)を印刷した紙を出力部に出力させ、解錠キーをユーザUに通知する。状態制御部131は、操作部又はユーザ端末2からユーザIDを取得した場合には、解錠キーを示すQRコードを、紙で出力するか、ユーザ端末2に通知するかの選択操作を受け付けてもよい。状態制御部131は、選択操作の結果に基づいて、解錠キーを示すQRコードを印刷した紙を出力するか、解錠キーを示すQRコードをユーザ端末2に通知する。また、ロッカーIDにユーザIDが関連付けられて記憶されている場合、ユーザ端末2は、所定のアプリケーションを介してユーザIDをロッカー管理装置1に送信することにより、当該ユーザIDに関連付けられている解錠キーを参照できるものとする。
【0056】
操作部は「予約中」のロッカー5に荷物を収容する選択操作を受け付けると、ユーザUのユーザ端末2と近距離無線通信を行うことにより、ユーザ端末2からユーザIDを取得し、当該ユーザIDと、棚IDとをロッカー管理装置1に送信する。状態制御部131は、棚IDと、ユーザIDとを取得すると、当該棚IDとユーザIDとに関連付けられており、利用状態が「予約中」のロッカー5を特定する。状態制御部131は、利用状態が「予約中」のロッカー5を特定した場合、操作部を介して、当該ロッカー5に対応する解錠キーの入力を受け付ける。状態制御部131は、入力された解錠キーが特定したロッカー5に対応している場合、入金部に、現金又は電子通貨等による利用料金(例えば、1日分)の入金の受付を行わせる。
【0057】
状態制御部131は、入金部が利用料金の入金を受け付けると、入金された金額を示す情報を支払済金額として記憶部12に記憶させるとともに、選択されたロッカー5に対応する解錠キーを生成するとともに、選択されたロッカー5のロッカー扉を開かせる。状態制御部131は、選択されたロッカー5のロッカーIDに関連付けられている解錠キーとして、生成した解錠キーを記憶部12に記憶させる。
【0058】
ユーザは、ロッカー扉が開いたロッカー5に荷物を収容し、ロッカー扉を閉じる。ロッカー5は、ロッカー扉が閉じられると、ロッカー扉を施錠する。状態制御部131は、例えば、解錠キーを示すQRコードを印刷した紙を出力部に出力させ、解錠キーをユーザUに通知する。なお、状態制御部131は、操作部又はユーザ端末2からユーザIDを取得した場合には、解錠キーを示すQRコードを、紙で出力するか、ユーザ端末2に通知するかの選択操作を受け付けてもよい。状態制御部131は、選択操作の結果に基づいて、解錠キーを示すQRコードを印刷した紙を出力するか、解錠キーを示すQRコードをユーザ端末2に通知する。
【0059】
[ロッカー5からの荷物の取出]
操作部は、荷物の取出操作を受け付けると、利用状態が「利用中」のロッカー5から、ユーザが荷物を取り出すロッカー5の選択操作を受け付ける。なお、以下の説明において、操作部の操作により、荷物を取り出す例を説明するが、これに限らず、ユーザ端末2の操作により、荷物を取り出してもよい。以下の説明において、操作部をユーザ端末2と読み替えてもよい。操作部は、ロッカー5が選択されると、選択されたロッカー5からの荷物の一時取出か、選択されたロッカー5の利用終了かの選択操作を受け付ける。
【0060】
操作部は、選択されたロッカー5からの荷物の一時取出の選択操作を受け付けると、解錠キーの入力を受け付ける。操作部は、解錠キーが入力されると、選択されたロッカー5のロッカーIDと、入力された解錠キーをロッカー管理装置1に通知する。状態制御部131は、操作部からロッカーIDと解錠キーとを取得する。状態制御部131は、取得した解錠キーと、ロッカー情報における、取得したロッカーIDに関連付けられている解錠キーとが一致すると、選択されたロッカー5のロッカー扉を開かせる。また、状態制御部131は、選択されたロッカー5に対応する新たな解錠キーを生成するとともに、選択されたロッカー5にロッカー扉を開く開扉指示を送信してロッカー扉を開かせる。状態制御部131は、選択されたロッカー5のロッカーIDに関連付けられている解錠キーとして、生成した解錠キーを記憶部12に記憶させるとともに、当該解錠キーをユーザに通知する。ユーザは、ロッカー扉が開いたロッカー5から荷物を取り出したり、異なる荷物をロッカー5に格納したりすることができる。ロッカー5は、ロッカー扉が閉じられると、ロッカー扉を施錠する。
【0061】
操作部は、選択されたロッカー5の利用終了の選択操作を受け付けると、解錠キーの入力を受け付ける。操作部は、解錠キーが入力されると、選択されたロッカー5のロッカーIDと、入力された解錠キーをロッカー管理装置1に通知する。状態制御部131は、操作部からロッカーIDと解錠キーとを取得する。状態制御部131は、ロッカー情報における、取得したロッカーIDに関連付けられている利用開始時刻と現在時刻とに基づいて、利用時間を算出する。状態制御部131は、支払済金額に対応する利用時間に比べて、算出した利用時間が超過している場合、入金部を介して、超過している利用時間に対応する利用料金の入金を受け付ける。状態制御部131は、利用料金の入金を受け付けると、取得した解錠キーと、ロッカー情報における、取得したロッカーIDに関連付けられている解錠キーとが一致するか否かを判定する。状態制御部131は、解錠キーが一致すると判定すると、選択されたロッカー5のロッカー扉を開かせる。ユーザは、ロッカー扉が開いたロッカー5から荷物を取り出して、当該ロッカー5の利用を終了することができる。
【0062】
なお、状態制御部131は、支払済金額に対応する利用時間に比べて、算出した利用時間が超過しているロッカー5のロッカーIDに関連付けられている連絡先情報が示す連絡先に、利用時間が超過している旨を示す情報を通知し、ユーザ端末2から、超過している利用時間に対応する利用料金の入金を受け付けてもよい。状態制御部131は、利用料金の入金を受け付けると、入金された金額を示す情報を支払済金額に加算するとともに、解錠キーを新たに生成してもよい。そして、状態制御部131は、当該ロッカー5のロッカーIDに関連付けられている解錠キーとして、生成した解錠キーを記憶部12に記憶させるとともに、生成した解錠キーを、当該ロッカー5のロッカーIDに関連付けられている連絡先情報が示す連絡先に通知してもよい。
【0063】
また、状態制御部131は、ロッカー5への荷物の収容時に1つの解錠キーを生成し、操作部が、ロッカー5からの荷物の取出時に、荷物の一時取出か、選択されたロッカー5の利用終了かの選択操作を受け付けたが、これに限らない。例えば、状態制御部131は、ロッカー5の利用を継続しながら開錠するための利用継続用解錠キーと、ロッカー5の利用終了時に用いる終了用解錠キーとを生成してもよい。そして、操作部は、荷物の取出操作を受け付けると、利用継続用解錠キー又は終了用解錠キーを受け付けてもよい。このようにすることで、ユーザUは、2つの解錠キーを使い分けることにより、荷物の一時取出か、選択されたロッカー5の利用終了かを選択することができる。
【0064】
[ロッカー5に収容されている荷物の移動]
本実施形態において、ロッカー管理装置1は、例えば、利用率が高く混雑が予想されるロッカー棚4のロッカー5に預けられている荷物の移動をユーザUに打診し、当該ロッカー棚4のロッカー5の空きを確保する。以下に、ロッカー5に収容されている荷物の移動に関する制御部13の機能について説明を行う。
【0065】
許可受付部132は、ロッカー5の過去の利用状況を示す情報に基づいて、特定したユーザUの連絡先に、荷物の移動先の位置と、当該荷物を移動する予定時刻とを通知するとともに、当該荷物の移動許可を受け付ける。
【0066】
例えば、記憶部12には、ロッカー棚4ごとに、複数のロッカー5の利用履歴が記憶されている。許可受付部132は、複数のロッカー棚4のそれぞれについて、ロッカー5の利用履歴に基づいて、設置されているロッカー5の平均利用率を算出する。許可受付部132は、平均利用率が高く混雑が予想されるロッカー棚4を移動元ロッカー棚として特定する。許可受付部132は、移動元ロッカー棚のロッカー5に荷物を預けているユーザUを特定するとともに、当該ユーザUの荷物を収容しているロッカー5を移動元ロッカーとして特定する。
【0067】
なお、本実施形態において、ロッカー管理装置1が平均利用率を算出したが、これに限らない。例えば、ロッカー棚4と、制御装置とを備えるロッカー装置が平均利用率を算出し、ロッカー管理装置1に平均利用率を通知してもよい。この場合、ロッカー管理装置1が備える制御装置は、識別部と、算出部と、送信部とを備える。
【0068】
識別部は、ロッカー棚4が有する複数のロッカー5のうち、施錠されているロッカー5と、施錠されていないロッカー5とを識別する。算出部は、識別部による識別結果に基づいてロッカーの利用率を算出する。例えば、算出部は、所定期間における識別部による識別結果に基づいて、ロッカー5の平均利用率を算出する。送信部は、算出部が算出した平均利用率が第1の閾値未満となった場合に、ロッカー5を有するロッカー棚4の位置を示す位置情報と、当該ロッカー5への荷物の受け入れが可能であることを示す情報を荷物の移動管理を行うロッカー管理装置1に送信する。また、送信部は、算出部が算出したロッカー5の平均利用率が第1の閾値よりも高い第2の閾値を超えた場合に、複数のロッカー5のうち、利用中のロッカー5に格納されている荷物の移動要求をロッカー管理装置1に送信する。このようにすることで、ロッカー装置は、複数のロッカーの利用率を高めることができる。
【0069】
許可受付部132は、平均利用率が所定の閾値よりも低いロッカー棚4のうち、移動元ロッカー棚の設置位置から所定範囲内のロッカー棚4を移動先ロッカー棚として特定する。許可受付部132は、移動先ロッカー棚において利用状態が「空」であるとともに、利用元ロッカーのサイズ以上のサイズを有するロッカーを移動先ロッカーとして特定する。許可受付部132は、移動先ロッカーのロッカーIDに関連付けられている設置場所を移動先の位置と特定する。また、許可受付部132は、既に移動が許可されている荷物の移動待ち状態に基づいて、荷物を移動する予定時刻を算出する。
【0070】
許可受付部132は、特定したユーザUの連絡先に、特定した移動先の位置と、ユーザUの荷物を移動する予定時刻とを含み、当該荷物の移動許可を受け付ける移動許可依頼画面をユーザ端末2に表示させることにより、当該荷物の移動要求を行う。なお、許可受付部132は、移動元のロッカー5から特定した移動先までの距離及び移動時間を算出し、これらの距離及び移動時間を移動許可依頼画面に表示してもよい。また、許可受付部132は、移動元のロッカー5の場所から移動先までの経路を移動許可依頼画面に表示してもよい。
【0071】
図5は、移動許可依頼画面の一例を示す図である。
図5に示すように、移動許可依頼画面には、現在の荷物の格納先であるロッカー5の場所を示す情報と、荷物の移動先の位置を示す情報と、ユーザUの荷物を移動する予定時刻とが表示されていることが確認できる。また、移動許可依頼画面には、荷物の移動を許可する許可ボタンB1と、荷物の移動を拒否する拒否ボタンB2とが表示されていることが確認できる。また、移動許可依頼画面には、荷物の移動先の詳細位置をユーザ端末2に表示させるための詳細位置確認ボタンB3が表示されていることが確認できる。
【0072】
ユーザ端末2は、許可ボタンB1が押下されると、荷物の移動を許可することを示す許可情報を送信し、拒否ボタンB2が押下されると、荷物の移動を拒否することを示す拒否情報を送信する。許可受付部132は、許可情報を取得することにより、荷物の移動許可を受け付け、拒否情報を取得することにより、荷物の移動拒否を受け付ける。
【0073】
状態制御部131は、許可受付部132が荷物の移動許可を受け付けると、移動先ロッカーであるロッカー5の利用状態を「予約中」に変更するとともに、当該ロッカー5に関連付けられている利用者関連情報として、移動元ロッカーに関連付けられている利用者関連情報を記憶部12に記憶させる。また、状態制御部131は、移動先ロッカーであるロッカー5の解錠キーを生成し、当該ロッカー5に関連付けられている解錠キーとして記憶部12に記憶させる。
【0074】
また、状態制御部131は、移動元ロッカーのロッカーIDに関連付けられている利用開始時刻、利用終了予定時刻、受取期限、支払済金額を、移動先ロッカーのロッカーIDに関連付けられている利用開始時刻、利用終了予定時刻、受取期限、支払済金額として記憶部12に記憶させる。これにより、既に支払っている支払済金額も移動先ロッカーに紐付けられる。なお、移動元ロッカーの利用料金よりも移動先ロッカーの利用料金が安い場合、例えば移動先ロッカーの利用終了時に利用料金の差額を返金するようにしてもよい。
【0075】
また、状態制御部131は、移動元ロッカーに格納されている荷物の移動状態を管理する。例えば、記憶部12には、移動元ロッカーから荷物の移動を許可したユーザUのユーザIDと、荷物の状態とを関連付けた移動状態情報が記憶されている。
図6は、移動状態情報の一例を示す図である。
図6に示すように、移動状態情報は、ユーザIDと、移動元ロッカーのロッカーIDと、移動先ロッカーのロッカーIDと、移動予定時刻と、荷物の移動状態とを関連付けた情報である。
【0076】
移動状態には、「収納中」、「移動前」、「移動中」、「移動完了」がという4つの状態が存在する。「収納中」は、荷物が移動前ロッカーに収納されている状態を示している。「移動前」は、荷物が移動前ロッカーに収納されており、移動予定時刻の所定時間前になったことを示している。「移動中」は、荷物が移動中であることを示している。「移動完了」は、荷物が移動先ロッカーに移動完了したことを示している。
【0077】
状態制御部131は、許可受付部132が荷物の移動許可を受け付けると、荷物の移動許可を行ったユーザUのユーザIDと、移動元ロッカーのロッカーIDと、移動先ロッカーのロッカーIDと、移動予定時刻と、移動状態「収納中」とを関連付けて移動状態情報として記憶部12に記憶させる。状態制御部131は、移動予定時刻の所定時間前になると、移動状態を「収納中」から「移動前」に変化させる。
【0078】
なお、許可受付部132は、荷物の移動先をロッカー5としたが、これに限らず、荷物の預り所を荷物の移動先としてもよい。この場合、記憶部12には、ロッカー情報の他に、荷物の預り所の設置場所等を示す預り所情報を記憶させておいてもよい。そして、許可受付部132は、移動元ロッカー棚の設置位置から所定範囲内の預り所や、荷物を預かる店舗等を移動先として特定してもよい。例えば、預かり所情報の構成は、
図3に示すものとロッカー情報の構成と比較すると、ロッカー情報がロッカーIDを有しているのに対して、預かり所情報が荷物に付与されるタグを識別するタグIDを有している点、及び、ロッカー情報が配置位置、サイズを有しているのに対して、預かり所情報が配置位置、サイズを有していない点で異なり、その他の構成は同様である。
【0079】
また、許可受付部132は、ユーザUの荷物の移動に伴うロッカー5の利用に係る特典をさらに通知してもよい。特典は、例えば、ロッカー5の利用料金の値引き、ユーザに付される金銭的価値としてのポイント、クーポンである。特典が利用料金の値引きである場合において、許可受付部132は、ユーザUの荷物が格納されている移動元ロッカーの位置を示す設置場所と、移動先の位置との位置関係に基づいて値引き額を算出し、算出した値引き額を通知してもよい。また、許可受付部132は、例えば、移動元ロッカーの設置場所と、移動先の位置との距離に基づいて値引き額を算出してもよい。このようにすることで、ユーザUが、荷物の移動による利益を得ようとして、荷物の移動を許可する可能性を高めることができる。なお、許可受付部132は、移動先のロッカーの利用料金を、移動前のロッカーの利用金額と、算出した値引き額とを差し引いた利用料金としてもよい。
【0080】
また、許可受付部132は、ユーザUのロッカー5の利用開始時に、ユーザUがロッカー5に預ける荷物の移動許可を受け付けてもよい。この場合において、許可受付部132は、ユーザUから入金を受け付ける前に、ロッカー棚4に設けられた操作部に移動許可依頼画面を表示させることにより、当該荷物の移動許可を受け付ける。このようにすることで、ロッカー管理装置1は、ロッカー5の利用を開始する時点で荷物の移動を許可するか否かの選択を確実に受け付けることができる。
【0081】
また、状態制御部131は、受付部として機能し、ユーザUがロッカー5に荷物を預けた後のユーザUの移動先を受け付けてもよい。例えば、状態制御部131は、ユーザUのロッカー5の利用開始時に、操作部を介してユーザUの移動先を受け付ける。そして、許可受付部132は、ユーザUの移動先に基づいて、ユーザUの荷物の移動先の位置を選択し、選択した移動先の位置を通知する。許可受付部132は、荷物が格納されているロッカー5の位置から、ユーザUの移動先までの経路上の位置に基づいて、荷物の移動先の位置を選択する。
【0082】
具体的には、許可受付部132は、荷物が格納されているロッカー5の位置からユーザUの移動先までの経路上の複数の位置のいずれか1つから所定範囲内のロッカー5のうち、平均利用率が所定の閾値よりも低いロッカー棚4のロッカー5を荷物の移動先として選択する。このようにすることで、ユーザUが荷物の移動先の位置に到着するまでの距離が増加しないので、ロッカー管理装置1は、ユーザUが荷物を取り出すまでの負荷が増加しないようにすることができる。なお、許可受付部132は、ロッカー5の位置からユーザUの移動先までの経路をユーザ端末2に通知するようにしてもよい。
【0083】
また、状態制御部131は、ユーザUのロッカー5の利用開始時に、ユーザUから荷物を引き取る予定時刻である利用終了予定時刻を受け付けてもよい。この場合、状態制御部131は、ユーザUにより利用されるロッカー5のロッカーIDに関連付けられている利用終了予定時刻として、受け付けた利用終了予定時刻を記憶部12に記憶させる。許可受付部132は、ユーザUの荷物の移動先を選択する場合に、当該荷物が預けられているロッカー5のロッカーIDに関連付けられている利用終了予定時刻に利用可能な移動先を選択する。例えば、許可受付部132は、利用可能時間に当該利用終了予定時刻が含まれているロッカー5や預り所を荷物の移動先として選択する。このようにすることで、ユーザUが荷物を取り出す場合に荷物の移動先が利用できず、荷物を取り出せなくなることを防止することができる。
【0084】
また、許可受付部132は、ユーザUの荷物の移動先を選択する場合に、現在の時刻から、当該荷物が預けられているロッカー5のロッカーIDに関連付けられている利用終了予定時刻までの長さ、すなわち、利用時間の長さに基づいて、当該荷物を移動するか否かを選択してもよい。例えば、許可受付部132は、利用時間の長さが所定時間以内である場合には、荷物を移動しないようにしてもよい。このようにすることで、荷物を格納するロッカー5が早期に空くと予想される場合に、荷物の移動をしないようにして管理者Mの負担を軽減することができる。
【0085】
また、許可受付部132は、ロッカー情報に基づいて、一人のユーザUが複数のロッカーを使用していることを特定してもよい。この場合、許可受付部132は、一人のユーザUが複数のロッカー5を使用している場合に、当該複数のロッカー5のそれぞれに預けられている荷物の移動先として、1つの移動先を特定してもよい。許可受付部132は、当該ユーザUの連絡先に、特定した1つの移動先の位置と、荷物を移動する予定時刻とを通知するとともに、荷物の移動許可を受け付けてもよい。
【0086】
例えば、許可受付部132は、ユーザUが利用している複数のロッカー5の少なくとも2つが異なるロッカー棚4に設置されている場合、許可受付部132は、ユーザUが利用しているロッカー5の数のロッカー5をユーザUが利用可能なロッカー棚4を特定する。ここで、許可受付部132は、相対的に利用状態が「空」のロッカー5の数が多いロッカー棚4を特定する。そして、許可受付部132は、ユーザUが利用しているロッカー5のロッカーIDに関連付けられているユーザUの連絡先に、荷物の格納場所を1つに集約するか否かの選択を受け付ける情報を通知し、荷物の格納場所を1つに集約するか否かの選択を受け付けることにより、荷物の移動許可を受け付ける。
【0087】
このようにすることで、ロッカー管理装置1は、ユーザUの荷物を1つの移動先に集約して移動させることができる。これにより、例えば、ユーザUの荷物が複数の移動先に散らばっている場合に、ユーザUの荷物を1つの移動先に集約されるので、ユーザUの利便性を高めることができる。
【0088】
なお、許可受付部132は、複数のロッカー5のそれぞれに預けられている荷物の移動先として、それぞれの距離が所定距離以内の移動先を特定してもよい。このようにすることで、移動された後の荷物の場所がそれぞれ近くなることから、ユーザUが荷物を取り出すときの負担を軽減することができる。
【0089】
また、記憶部12に記憶されているユーザ情報には、所定のアプリケーションを介して登録が受け付けられる、ユーザUが属するグループを識別するグループ識別情報としてのグループIDが関連付けられていてもよい。この場合、許可受付部132は、1つのグループに属する複数のユーザUが複数のロッカー5を使用している場合に、当該複数のロッカー5のそれぞれに格納されている荷物の移動先を特定する。許可受付部132は、荷物の移動先を、1つの移動先又はそれぞれの距離が所定距離以内の移動先に特定する。許可受付部132は、複数のユーザUの連絡先に、特定した移動先の位置と、荷物を移動する予定時刻とを通知するとともに、荷物の移動許可を受け付ける。
【0090】
また、記憶部12に記憶されているユーザ情報には、所定のアプリケーションを介して他の情報の登録が行われるようにしてもよい。例えば、ユーザ情報に、ユーザUの荷物に関する情報(荷物の数、大きさ、荷物の中身)、グループに属する複数のユーザUの荷物の1つの移動先への移動を許可するか否かを示す情報、及び当該荷物の近くの複数の場所への移動を許可するか否かを示す情報が含まれていてもよい。そして、許可受付部132は、ユーザ情報に含まれているこれらの情報に基づいて、荷物の移動先を特定し、荷物の移動許可を受け付けてもよい。
【0091】
また、記憶部12に記憶されているユーザ情報には、ユーザUがグループの代表者なのか否かを示す情報、荷物の移動許可をグループに属する複数のユーザUのそれぞれが行うか、代表者が行うかを示す情報が含まれていてもよい。そして、許可受付部132は、ユーザ情報に含まれているこれらの情報に基づいて、荷物の移動許可をグループの代表者から受け付けたり、グループに属する複数のユーザUのそれぞれから受け付けたりしてもよい。
【0092】
このようにすることで、ロッカー管理装置1は、1つのグループに属する複数のユーザUの荷物を一度に移動させることができるので、複数のユーザUから荷物の移動許可を受ける可能性を高めることができる。また、ロッカー管理装置1は、1つのグループに属する複数のユーザUの荷物を一度に移動させることができるので、移動元ロッカーの空きを一度に大幅に増加させることができる。
【0093】
移動指示部133は、許可受付部132が荷物の移動許可を受け付けると、当該荷物の移動作業を行う作業者であるロッカー5の管理者Mが使用する管理者端末3に、移動対象の荷物が格納されているロッカー5(移動元ロッカー)の位置を示すロッカー位置情報と、当該荷物の移動先の位置を示す情報と、当該ロッカー5の解錠キーとを含み、荷物の移動を指示する移動指示情報を送信する。なお、荷物の移動先がロッカー5(移動先ロッカー)である場合には、移動指示情報には、当該ロッカー5の解錠キーも含まれる。ここで、ロッカー位置情報は、移動対象の荷物が格納されているロッカー5のロッカーIDと、当該ロッカーIDに関連付けられている設置場所とを含む情報である。
【0094】
管理者Mは、管理者端末3に表示される移動指示情報を確認し、移動指示情報に含まれる解錠キーにより移動元ロッカーを解錠し、荷物を取り出す。管理者Mは、管理者端末3を操作し、荷物を取り出したことを示し、移動元ロッカーのロッカーIDを含む移動開始情報をロッカー管理装置1に通知する。状態制御部131は、移動開始情報を取得すると、記憶部12に記憶されている移動状態情報を参照し、移動開始情報に含まれる移動元ロッカーのロッカーIDに関連付けられている移動状態を「移動前」から「移動中」に変化させる。そして、管理者Mは、移動指示情報に基づいて、荷物の移動先の位置に移動し、荷物の移動先に荷物を預け入れる。荷物の移動先が移動先ロッカーである場合には、管理者Mは、移動先ロッカーに荷物を移動させた後、移動先ロッカーが施錠したことによりロッカー管理装置1が生成する、移動先ロッカーの解錠キーを、ロッカー管理装置1から取得する。管理者Mは、管理者端末3を操作し、荷物の移動が完了したことを示す第1移動完了情報をロッカー管理装置1に送信する。
【0095】
第1移動完了情報には、移動元ロッカーのロッカーIDと、荷物の移動先に関する情報が含まれている。荷物の移動先がロッカー5である場合、荷物の移動先に関する情報には、ロッカー5の設置場所及びロッカーIDと、解錠キーとが含まれる。また、荷物の移動先が預り所である場合には、荷物の移動先に関する情報には、預り所の設置場所が含まれる。
【0096】
特定部134は、許可受付部132が荷物の移動許可を受け付けた後に、当該荷物が移動先に移動されたことを特定する。具体的には、特定部134は、第1移動完了情報を取得すると、当該第1移動完了情報に含まれる移動元ロッカーに格納されている荷物が移動されたことを特定する。状態制御部131は、第1移動完了情報を取得すると、記憶部12に記憶されている移動状態情報を参照し、第1移動完了情報に含まれる移動元ロッカーのロッカーIDに関連付けられている移動状態を「移動中」から「移動完了」に変化させる。
【0097】
通知部135は、荷物が移動先に移動されたことを特定部134が特定すると、荷物が移動先に移動されたことをユーザUに通知する。具体的には、通知部135は、特定部134が取得した第1移動完了情報に含まれている移動先ロッカーのロッカーIDを特定する。そして、通知部135は、記憶部12に記憶されているロッカー情報を参照し、特定したロッカーIDに関連付けられている利用者関連情報に含まれる連絡先情報を特定することにより、荷物が移動されたユーザUの連絡先を特定する。通知部135は、特定したユーザUの連絡先に、荷物が移動先に移動されたことを示す第2移動完了情報を通知する。第2移動完了情報には、荷物の移動先の位置を示す情報が含まれているものとする。また、第2移動完了情報には、前払いで支払っている料金情報が、移動先のロッカーに紐付いて引き継がれることを示す情報が含まれていてもよい。このようにすることで、ユーザUに、前払いで支払っている料金情報が、移動先のロッカーに紐付いて引き継がれていることを通知することができる。
【0098】
なお、通知部135は、荷物の移動先がロッカー5(移動先ロッカー)である場合、第1移動完了情報に含まれている当該ロッカー5の解錠キーを第2移動完了情報に含めることにより、特定したユーザUの連絡先に、移動先のロッカー5の解錠キーを通知する。なお、状態制御部131は、荷物が移動先に移動されたことを特定部134が特定したことに応じて、移動先ロッカーの解錠キーを新たに生成し、移動先ロッカーの解錠キーとして記憶部12に記憶させてもよい。そして、通知部135は、第2移動完了情報に、新たに生成された解錠キーを含めることにより、新たに生成された移動先のロッカー5の解錠キーを通知してもよい。このようにすることで、ユーザUは、第2移動完了情報に基づいて、移動先のロッカー5を解錠することができる。
【0099】
また、通知部135は、ユーザUの位置が荷物の移動先の位置から所定範囲内である場合に、当該ユーザに、第2移動完了情報とは別に、荷物の移動先の位置を通知してもよい。この場合、例えば、位置情報取得部136は、ユーザ端末2の位置を示す位置情報を取得することにより、当該位置情報が示す位置をユーザUの位置として特定する。通知部135は、当該位置情報が示す位置が荷物の移動先の位置から所定範囲内である場合に、当該ユーザUの連絡先に、荷物の移動先の位置を通知する。このようにすることで、ロッカー管理装置1は、ユーザUが荷物の移動先に近づいたことに応じて、当該移動先の位置を知らせることができる。
【0100】
また、通知部135は、荷物の移動状態をユーザUに通知してもよい。例えば、通知部135は、記憶部12に記憶されている移動状態情報を参照し、移動状態が変化したことに応じて、当該移動状態に関連付けられているユーザIDを特定する。そして、通知部135は、記憶部12に記憶されているユーザ情報を参照し、特定したユーザIDに関連付けられている連絡先情報が示す連絡先に、移動状態が変化したことを示す情報を通知してもよい。この場合において、通知部135は、移動状態が「移動完了」に変化した場合のみ、当該移動状態をユーザUに通知してもよい。このようにすることで、ユーザUに移動状態を把握させることができる。
【0101】
また、通知部135は、ユーザ端末2から、ユーザIDを含み、荷物の移動状態の参照を要求する要求情報を取得してもよい。そして、通知部135は、当該要求情報を取得すると、記憶部12に記憶されている移動状態情報を参照し、当該要求情報に含まれている移動状態を、当該要求情報の送信元であるユーザ端末2に通知してもよい。
【0102】
また、通知部135は、ユーザUがグループに属している場合に、当該ユーザUが属するグループの他のユーザUの荷物が預けられているロッカー5のロッカーIDを閲覧することができるようにしてもよい。例えば、制御部13は、ユーザ端末2から、ユーザIDを含み、荷物の格納状況の閲覧を要求する閲覧要求を取得する。制御部13は、ユーザ情報を参照し、閲覧要求に含まれるユーザIDと関連付けられているグループIDを特定するとともに、当該グループIDに関連付けられている他のユーザIDを特定する。そして、制御部13は、ロッカー情報を参照し、特定した他のユーザIDの荷物が格納されているロッカーIDを特定し、特定したロッカーIDと、特定した他のユーザIDとを関連付けた情報を、閲覧要求を送信したユーザ端末2に通知する。このようにすることで、ユーザUは、グループに属する他のユーザUの荷物の格納場所を確認し、当該他のユーザUに伝えることができる。
【0103】
特典付与部137は、利用終了予定時刻までにロッカー5の利用を終了すると、前記ユーザに特典を付与する。具体的には、特典付与部137は、ユーザUがロッカー5から荷物を取り出した時刻を特定し、当該時刻が利用終了予定時刻前である場合に、当該ユーザUに特典を付与する。このようにすることで、ユーザUは、利用終了予定時刻までにロッカー5の利用を終了させようとするので、ロッカー5の利用時間が延長され、ロッカーが空きにくくなることを抑制することができる。
【0104】
[ロッカー管理装置1における処理の流れ]
続いて、ロッカー管理装置1における処理の流れについて説明する。
図7は、本実施形態に係るロッカー管理装置1のロッカー5に格納されている荷物の移動に係る処理の流れを示すシーケンス図である。なお、本シーケンス図の開始時において、ユーザUは、ロッカー5に荷物を預けているものとする。
【0105】
まず、許可受付部132は、移動対象の荷物に対応するユーザUを特定する(S1)。
続いて、許可受付部132は、移動対象の荷物の移動先と、当該荷物の移動予定時刻とを特定する(S2)。
【0106】
続いて、許可受付部132は、ユーザUの連絡先に、特定した移動先の位置と、荷物を移動する予定時刻とを含み、当該荷物の移動許可を受け付ける移動許可依頼画面をユーザ端末2に表示させることにより、当該荷物の移動要求を行う(S3)。
【0107】
ユーザ端末2は、ユーザUから荷物の移動許可を行うか否かの選択操作を受け付ける。ここでは、ユーザUは、荷物の移動許可を行うものとする。ユーザ端末2は、荷物の移動許可を示す情報をロッカー管理装置1に送信する(S4)。許可受付部132は、荷物の移動許可を示す許可情報を取得することにより、荷物の移動許可を受け付ける。
【0108】
続いて、移動指示部133は、ロッカー5の管理者Mが使用する管理者端末3に、移動対象の荷物が格納されているロッカー5(移動元ロッカー)の位置を示すロッカー位置情報と、当該荷物の移動先の位置を示す情報と、当該ロッカー5の解錠キーとを含み、荷物の移動を指示する移動指示情報を送信する(S5)。
【0109】
管理者Mは、管理者端末3に表示される移動指示情報を確認し、移動元ロッカーから荷物を移動先に移動させる。管理者端末3は、管理者Mから、荷物の移動完了を示す移動完了情報の入力を受け付けると(S6)、第1移動完了情報をロッカー管理装置1に送信する(S7)。
【0110】
特定部134は、管理者端末3から、第1移動完了情報を取得すると、移動元ロッカーに格納されている荷物が移動先に移動されたことを特定する(S7)。
通知部135は、荷物が移動先に移動されたことが特定されると、荷物が移動先に移動されたことを示す第2移動完了情報をユーザ端末2に送信することにより、ユーザ端末2のユーザUに、荷物が移動先に移動されたことを通知する(S8)。
【0111】
[本実施形態における効果]
以上説明したように、本実施形態に係るロッカー管理装置1は、ユーザUの連絡先に、荷物の移動先の位置と、荷物を移動する予定時刻とを通知するとともに、荷物の移動許可を受け付ける。そして、ロッカー管理装置1は、荷物の移動許可を受け付けた後に、当該荷物が移動先に移動されたことを特定すると、当該荷物が移動先に移動されたことをユーザUに通知する。このようにすることで、ロッカー管理装置1は、ロッカー5に預けられているユーザUの荷物Bを他の場所に移動させ、混雑するロッカー5の利用率と、混雑しないロッカー5の利用率を平準化することができる。これにより、ロッカー管理装置1は、複数のロッカー5の利用率を高めることができる。
【0112】
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、特に、装置の分散・統合の具体的な実施形態は以上に図示するものに限られず、その全部又は一部について、種々の付加等に応じて、又は、機能負荷に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【符号の説明】
【0113】
1・・・ロッカー管理装置、11・・・通信部、12・・・記憶部、13・・・制御部、131・・・状態制御部、132・・・許可受付部、133・・・移動指示部、134・・・特定部、135・・・通知部、136・・・位置情報取得部、137・・・特典付与部、2・・・ユーザ端末、3・・・管理者端末、4・・・ロッカー棚、5・・・ロッカー