IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ KDDI株式会社の特許一覧

特許7535150情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
<>
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法及びプログラム 図1
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法及びプログラム 図2
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法及びプログラム 図3
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法及びプログラム 図4
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法及びプログラム 図5
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法及びプログラム 図6
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法及びプログラム 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-06
(45)【発行日】2024-08-15
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/20 20230101AFI20240807BHJP
【FI】
G06Q10/20
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023053627
(22)【出願日】2023-03-29
【審査請求日】2023-06-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 正登
(72)【発明者】
【氏名】大滝 拓郎
【審査官】毛利 太郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/189606(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/146581(WO,A1)
【文献】特開2018-092237(JP,A)
【文献】特開2017-068639(JP,A)
【文献】特開2018-077626(JP,A)
【文献】特開2018-074757(JP,A)
【文献】特開2019-009919(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
設備点検において飛行体により撮影する対象の設備と、該設備における1以上の撮影ポイントと、該撮影ポイントの位置と、該撮影ポイントにおける時間帯毎の撮影の可否と、を関連付けた撮影ポイント情報を記憶し、前記設備と、該設備における1以上の前記撮影ポイントを撮影するための飛行経路であって、時間帯ごとに異なる前記飛行経路と、前記飛行経路を飛行するための所要時間と、を関連付けた飛行計画情報を記憶する記憶部と、
複数の撮影対象の設備の選択を受付ける受付部と、
前記受付部が受付けた複数の撮影対象の設備に関連付けられた複数の撮影ポイントそれぞれの位置と、該複数の撮影ポイントそれぞれの時間帯毎の撮影の可否と、前記飛行計画情報が示す前記飛行経路に基づいて前記飛行体が前記撮影ポイントにおいて飛行するために必要な時間帯ごとの所要時間と、に基づいて、該複数の撮影ポイントそれぞれを飛行体により撮影するスケジュールを決定するスケジュール決定部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記受付部が受付けた撮影対象における複数の撮影ポイントそれぞれの間を前記飛行体が移動する移動時間を算出する算出部をさらに有し、
前記スケジュール決定部は、前記算出部が算出した移動時間にさらに基づいて、前記スケジュールを決定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記スケジュール決定部は、前記飛行体が前記複数の撮影ポイントそれぞれを撮影する所要時間にさらに基づいて、前記スケジュールを決定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記受付部が受付けた複数の点検対象の設備それぞれの間を移動する移動時間を算出する算出部をさらに有し、
前記スケジュール決定部は、算出部が算出した前記移動時間にさらに基づいて、前記スケジュールを決定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記記憶部は、飛行体の性能をさらに記憶し、
前記算出部は、前記記憶部が記憶する飛行体の性能に基づいて、前記移動時間を算出する、
請求項又は4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
撮影対象の撮影ポイントを含むエリアにおける天気を示す天気情報を取得する天気情報取得部と、
前記スケジュール決定部は、前記天気情報が示す撮影対象の撮影ポイントを含むエリアの天気にさらに基づいて前記スケジュールを決定する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記撮影ポイントにおける時間帯毎の撮影の可否は、該撮影ポイントの該時間帯における太陽の方向に基づいて定められていることを特徴とする、
請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータが実行する、
設備点検において飛行体により撮影する対象の設備の選択を受付けるステップと、
設備点検において飛行体により撮影する対象の設備と、該設備における1以上の撮影ポイントと、該撮影ポイントの位置と、該撮影ポイントにおける時間帯毎の撮影の可否と、を関連付けた撮影ポイント情報を記憶する記憶部を参照するとともに、前記記憶部が記憶する前記設備と、該設備における1以上の前記撮影ポイントを撮影するための飛行経路であって、時間帯ごとに異なる前記飛行経路と、前記飛行経路を飛行するための所要時間と、を関連付けた飛行計画情報を参照し、前記受付けるステップにおいて受付けた撮複数の撮影対象の設備に関連付けられた複数の撮影ポイントそれぞれの位置と、該複数の撮影ポイントそれぞれの時間帯毎の撮影の可否と、前記飛行計画情報が示す前記飛行経路に基づいて前記飛行体が前記撮影ポイントにおいて飛行するために必要な時間帯ごとの所要時間と、に基づいて、該複数の撮影ポイントそれぞれを飛行体により撮影するスケジュールを決定するステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項9】
コンピュータに、
設備点検において飛行体により撮影する対象の設備の選択を受付けるステップと、
設備点検において飛行体により撮影する対象の設備と、該設備における1以上の撮影ポイントと、該撮影ポイントの位置と、該撮影ポイントにおける時間帯毎の撮影の可否と、を関連付けた撮影ポイント情報を記憶する記憶部を参照するとともに、前記記憶部が記憶する前記設備と、該設備における1以上の前記撮影ポイントを撮影するための飛行経路であって、時間帯ごとに異なる前記飛行経路と、前記飛行経路を飛行するための所要時間と、を関連付けた飛行計画情報を参照し、前記受付けるステップにおいて受付けた撮複数の撮影対象の設備に関連付けられた複数の撮影ポイントそれぞれの位置と、該複数の撮影ポイントそれぞれの時間帯毎の撮影の可否と、前記飛行計画情報が示す前記飛行経路に基づいて前記飛行体が前記撮影ポイントにおいて飛行するために必要な時間帯ごとの所要時間と、に基づいて、該複数の撮影ポイントそれぞれを飛行体により撮影するスケジュールを決定するステップと、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
無人航空機により撮像対象物を撮像するシステムにおいて、撮像対象物を逆光とならない位置から撮像するよう無人航空機を制御するシステムが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-92237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、撮像対象物を特定の方向から撮像する必要がある場合等や逆光を回避するために時間を要する場合があり、作業効率が悪化し、予定通りの点検ができない場合が生じるという問題が生じていた。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、撮影対象物を効率的に撮影するための情報を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の情報処理装置においては、設備点検において飛行体により撮影する対象の撮影ポイントと、該撮影ポイントの位置と、該撮影ポイントにおける時間帯毎の撮影の可否と、を関連付けた撮影ポイント情報を記憶する記憶部と、複数の撮影対象の選択を受付ける受付部と、前記受付部が受付けた撮影対象における複数の撮影ポイントそれぞれの位置と、該複数の撮影ポイントそれぞれの時間帯毎の撮影の可否と、に基づいて、該複数の撮影ポイントそれぞれを飛行体により撮影するスケジュールを決定するスケジュール決定部と、を有する。
【0007】
前記受付部が受付けた撮影対象における複数の撮影ポイントそれぞれの間を前記飛行体が移動する移動時間を算出する算出部をさらに有し、前記スケジュール決定部は、前記算出部が算出した移動時間にさらに基づいて、前記スケジュールを決定してもよい。
【0008】
前記スケジュール決定部は、前記飛行体が前記複数の撮影ポイントそれぞれを撮影する所要時間にさらに基づいて、前記スケジュールを決定してもよい。
【0009】
前記記憶部は、設備点検において飛行体により点検する対象の設備と、該点検する対象の設備における1以上の撮影ポイントとをさらに関連付けた撮影ポイント情報を記憶し、前記受付部は、複数の点検対象の設備の選択を受付け、前記スケジュール決定部は、前記受付部が受付けた複数の点検対象の設備に関連付けられた前記複数の撮影ポイントそれぞれを、設備ごとに撮影するための前記スケジュールを決定してもよい。
【0010】
前記記憶部は、前記設備と、該設備における1以上の前記撮影ポイントを撮影するための飛行計画であって、時間帯ごとに異なる前記飛行計画と、を関連付けた飛行計画情報をさらに記憶し、前記スケジュール決定部は、前記飛行計画情報が示す前記飛行計画に基づいて算出される飛行体が飛行するために必要な所要時間にさらに基づいて、前記スケジュールを決定してもよい。
【0011】
前記受付部が受付けた複数の点検対象の設備それぞれの間を移動する移動時間を算出する算出部をさらに有し、前記スケジュール決定部は、算出部が算出した前記移動時間にさらに基づいて、前記スケジュールを決定してもよい。
【0012】
前記記憶部は、飛行体の性能をさらに記憶し、前記算出部は、前記記憶部が記憶する飛行体の性能に基づいて、前記移動時間を算出してもよい。
【0013】
撮影対象の撮影ポイントを含むエリアにおける天気を示す天気情報を取得する天気情報取得部と、前記スケジュール決定部は、前記天気情報が示す撮影対象の撮影ポイントを含むエリアの天気にさらに基づいて前記スケジュールを決定してもよい。
【0014】
前記撮影ポイントにおける時間帯毎の撮影の可否は、該撮影ポイントの該時間帯における太陽の方向に基づいて定められていることを特徴としていてもよい。
【0015】
本発明の第2の態様の情報処理方法においては、コンピュータが実行する、設備点検において飛行体により撮影する対象の選択を受付けるステップと、設備点検において飛行体により撮影する対象の撮影ポイントと、該撮影ポイントの位置と、該撮影ポイントにおける時間帯毎の撮影の可否と、を関連付けた撮影ポイント情報を記憶する記憶部を参照し、前記受付けるステップにおいて受付けた撮影対象における複数の撮影ポイントそれぞれの位置と、該複数の撮影ポイントそれぞれの時間帯毎の撮影の可否と、に基づいて、該複数の撮影ポイントそれぞれを飛行体により撮影するスケジュールを決定するステップと、を有する。
【0016】
本発明の第3の態様のプログラムにおいては、コンピュータに、設備点検において飛行体により撮影する対象の選択を受付けるステップと、設備点検において飛行体により撮影する対象の撮影ポイントと、該撮影ポイントの位置と、該撮影ポイントにおける時間帯毎の撮影の可否と、を関連付けた撮影ポイント情報を記憶する記憶部を参照し、前記受付けるステップにおいて受付けた撮影対象における複数の撮影ポイントそれぞれの位置と、該複数の撮影ポイントそれぞれの時間帯毎の撮影の可否と、に基づいて、該複数の撮影ポイントそれぞれを飛行体により撮影するスケジュールを決定するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、撮影対象物を効率的に撮影するための情報を提供するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施形態にかかる情報処理システムSの概要を説明する図である。
図2】情報処理装置1の構成を示すブロック図である。
図3】記憶部12が記憶する撮影ポイント情報のデータ構造の一例を示す図である。
図4】情報処理装置1における処理の流れを示すフローチャートである。
図5】変形例にかかる情報処理装置1における処理について説明する図である。
図6】記憶部12が記憶する撮影ポイント情報のデータ構造の一例を示す図である。
図7】記憶部12が記憶する飛行計画情報のデータ構造の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[情報処理システムSの概要]
図1は、実施形態にかかる情報処理システムSの概要について説明する図である。情報処理システムSは、飛行体により撮影対象物の撮影をするスケジュールを決定するためのシステムである。図1(a)に示すように情報処理システムSは、情報処理装置1及び情報端末2を有する。撮影の対象物は、例えば点検対象の設備であり、より具体的には鉄塔、電柱又は橋脚等の構造物である。撮影の対象物においては、当該撮影物を撮影する1以上の位置(以下、「撮影ポイント」という)が予め定められている。撮影ポイントにおいては撮影対象物を撮影する方向が予め定められていてもよい。
【0020】
情報処理装置1は、撮影対象を飛行体3により撮影するスケジュールを生成するための装置である。情報処理装置1においては、撮影ポイントと、該撮影ポイントにおける時間帯毎の撮影可否と、を関連付けた撮影ポイント情報を記憶している。情報処理装置1は、ネットワークを介してユーザが使用する情報端末2と通信可能に接続される。情報処理装置1は、決定したスケジュールを情報端末2に表示する。情報処理装置1は、撮影の対象を選択するための画面を情報端末2に表示する。
【0021】
情報端末2は、ユーザが使用する情報端末であり、例えばパーソナルコンピュータ、タブレット又はスマートフォンである。情報端末2のユーザは例えば撮影対象の設備を運用する事業者における保守担当者である。
【0022】
情報処理システムSにおける処理について説明する。なお、図1(b)に示す例においては、1つの対象物に対して1以上の撮影ポイントが設定されている。具体的には、対象物O1には、撮影ポイントP11及びP12が、対象物O2には、撮影ポイントP21及びP22が、対象物O3には、撮影ポイントP31が、それぞれ設定されている。
【0023】
情報処理装置1は、撮影ポイントの選択を受け付ける。図1(b)に示す例においては撮影ポイントとして、P11、P12、P21、P22、P31が選択されている。情報処理装置1は、撮影ポイント情報を参照し、受付けた撮影ポイントについての撮影ポイント情報を取得する。情報処理装置1は、選択された撮影ポイントそれぞれについて撮影ポイント情報が示す撮影可能な時間帯に撮影できるようスケジュールを決定する。情報処理装置1は、決定したスケジュールを情報端末2に表示させる。
【0024】
情報処理装置1がこのように構成されることで、撮影対象物を効率的に撮影するための情報を提供することができる。
【0025】
[情報処理装置1の構成]
図2は、情報処理装置1の構成を示すブロック図である。情報処理装置1は、通信部11、記憶部12及び制御部13を有する。制御部13は、受付部131、スケジュール決定部132、算出部133及び天気情報取得部134を有する。
【0026】
通信部11は、ネットワークを介して他の装置とデータの送受信をするための通信インターフェースである。記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、SSD(Solid State Drive)、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを予め記憶している。
【0027】
記憶部12は、設備点検において飛行体3により撮影する対象の撮影ポイントと、該撮影ポイントの位置と、該撮影ポイントにおける時間帯毎の撮影の可否と、を関連付けた撮影ポイント情報を記憶する。図3は、記憶部12が記憶する撮影ポイント情報のデータ構造の一例を示す図である。図3に示す撮影ポイント情報においては、「撮影ポイント」、「位置」、「時間帯」及び「撮影可否」が関連付けられている。「撮影ポイント」は、撮影対象物が所在する撮影ポイントを識別するID(IDentification)である。「位置」は、撮影ポイントの位置を示す。「位置」は、一例として、撮影ポイントの3次元的な位置を示す座標で表される。「時間帯」及び「撮影可否」は、「時間帯」が示す時間帯において当該撮影ポイントの撮影対象物が撮影可能か否かを示す。「撮影可否」において、「〇」であれば当該時間帯において撮影対象物を撮影できることを示し、「×」であれば当該時間帯において撮影対象物を撮影できないことを示す。なお、時間帯は日付を含んでいてもよい。
【0028】
記憶部12が記憶する撮影ポイント情報における、撮影ポイントにおける時間帯毎の撮影の可否は、該撮影ポイントの該時間帯における太陽の方向に基づいて定められている。すなわち、撮影ポイントにおいて撮影の対象物を予め定められた方向から撮影した場合に逆光となる時間帯においては、「撮影可否」に「×」が設定され、逆光とならない時間帯においては、「撮影可否」に「〇」が設定される。また、日没後又は日の出前等の撮影に適さない時間帯において「撮影可否」に「×」が設定されていてもよい。
【0029】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサである。制御部13は、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、受付部131、スケジュール決定部132、算出部133及び天気情報取得部134として機能する。
【0030】
受付部131は、複数の撮影対象の選択を受付ける。一例として、受付部131は、選択対象の撮影ポイントを選択するための画面を情報端末2に表示させ、ユーザは情報端末2に表示された画面において撮影対象の撮影ポイントを選択する。情報端末2はユーザの選択を受付けると、受付けた撮影ポイントを情報処理装置1に送信し、受付部131は、ユーザが選択した撮影ポイントを情報端末2から取得する。
【0031】
スケジュール決定部132は、受付部131が受付けた撮影対象における複数の撮影ポイントそれぞれの位置と、該複数の撮影ポイントそれぞれの時間帯毎の撮影の可否と、に基づいて、該複数の撮影ポイントそれぞれを飛行体3により撮影するスケジュールを決定する。スケジュール決定部132は、記憶部12が記憶する撮影ポイント情報を参照し、受付部131が受付けた撮影ポイントに対応する時間帯毎の撮影可否を取得する。スケジュール決定部132は、それぞれの撮影ポイントに対応する撮影可否が撮影可能であることを示す時間帯にそれぞれの撮影ポイントを撮影するよう、選択された各撮影ポイントを撮影する時刻を決定する。
【0032】
情報処理装置1がこのように構成されることで、撮影対象物を効率的に撮影できるようにするための情報を提供することができる。
【0033】
撮影ポイント間を移動する時間を算出し、算出した移動時間に基づいてスケジュールを決定するよう情報処理装置1が構成されていてもよい。移動時間は飛行体3が撮影ポイントにおいて対象物を撮影した後、着陸せずに飛行したまま撮影ポイント間を移動することに要する時間であってもよいし、撮影ポイントにおいて対象物を撮影後に着陸して車両等により撮影ポイント間を移動することに要する時間であってもよい。
【0034】
算出部133は、受付部131が受付けた撮影対象における複数の撮影ポイントそれぞれの間を飛行体3が移動する移動時間を算出する。一例として、記憶部12においては、各撮影ポイント間の移動に要する時間が記憶されており、算出部133は、記憶部12を参照し、撮影ポイントそれぞれの間を移動する移動時間を算出してもよい。算出部133は、記憶部12が記憶する撮影ポイント情報において各撮影ポイントに関連付けられた位置及び地図情報に基づいて撮影ポイントそれぞれの間を移動する移動時間を算出してもよい。
【0035】
スケジュール決定部132は、算出部133が算出した移動時間にさらに基づいて、スケジュールを決定する。スケジュール決定部132は、下記の2つの条件を満足するようスケジュールを決定する。1つ目の条件は、それぞれの撮影ポイントを撮影する時刻が、各撮影ポイントに対応する撮影可否が撮影可能であることを示す時間帯であることである。2つ目の条件は、撮影する順序において連続する撮影ポイントを撮影する時刻の差分が、算出部133が算出した当該連続する撮影ポイントの間を移動するための移動時間より大きいことである。
【0036】
算出部133が算出する移動時間は、飛行体3の性能に基づいて算出されてもよい。記憶部12は、飛行体3の性能をさらに記憶する。飛行体3の性能は、例えば飛行体3の最高速度、最大上昇速度、バッテリー容量、連続飛行可能時間等である。
【0037】
算出部133は、記憶部12が記憶する飛行体3の性能に基づいて、移動時間を算出する。算出部133は、飛行体3の性能が高いほど撮影ポイント間の移動時間が短くなるよう移動時間を算出する。
【0038】
撮影ポイント間の移動時間を考慮してスケジュールを決定することにより、より精度の高い情報を提供することができる。
【0039】
撮影に要する所要時間にさらに基づいてスケジュールを決定するよう情報処理装置1が構成されてもよい。スケジュール決定部132は、飛行体3が複数の撮影ポイントそれぞれを撮影する所要時間にさらに基づいて、スケジュールを決定する。記憶部12が記憶する撮影ポイント情報において、撮影に要する所要時間が各撮影ポイントに関連付けて記憶されていてもよい。また、記憶部12は、各時間帯における対象物の撮影に要する所要時間を記憶していてもよい。算出部133は、記憶部12を参照し、各撮影ポイントにおける撮影の所要時間を算出する。スケジュール決定部132は、撮影する順序において連続する撮影ポイントを撮影する時刻の差分が、算出部133が算出した撮影の所要時間より大きくなるようスケジュールを決定する。スケジュール決定部132は、スケジュール決定部132は、連続する撮影ポイントを撮影する時刻の差分が、算出部133が算出した、撮影する順序において連続する撮影ポイントの間を移動するための移動時間と、算出部133が算出した撮影ポイントにおける撮影の所要時間と、の合計よりも大きくなるようスケジュールを決定してもよい。
【0040】
撮影ポイントにおける所要時間を考慮してスケジュールを決定することにより、より精度の高い情報を提供することができる。
【0041】
スケジュール決定部132は、バッテリーの交換等の作業に要する時間にさらに基づいてスケジュールを決定することで、より精度の高い情報を提供することができる。具体的には、スケジュール決定部132は、記憶部12が記憶する飛行体3の連続飛行可能時間を参照し、算出部133が算出した撮影の所要時間と移動時間との合計が、飛行体3の連続飛行可能時間を超えるかどうかを判定する。算出部133が算出した撮影の所要時間と移動時間との合計が、飛行体3の連続飛行可能時間を超える場合、スケジュール決定部132は、飛行体3が移動又は撮影のために飛行している時間が連続飛行可能時間を超えないよう、スケジュールを決定する。
【0042】
すなわち、スケジュール決定部132は、撮影する順序において連続する撮影ポイントを撮影する時刻の差分のいずれかが、連続する撮影ポイントの間を移動するための移動時間と、所定の作業に要する時間として与えられた所定の時間と、の合計以上となるようスケジュールを決定する。所定の作業に要する時間として与えられた所定の時間は、飛行体3のバッテリーや飛行体3自体の交換、点検等に要する時間として設定された時間であり、例えば15分、30分等の時間である。なお、スケジュール決定部132は、休憩時間や車両による移動時間に所定の作業が行われるものとしてスケジュールを決定してもよい。
【0043】
なお、記憶部12が飛行体3の性能として飛行体3のバッテリー容量を記憶している場合、スケジュール決定部132は、記憶部12が記憶する飛行体3のバッテリー容量に基づいて連続飛行可能時間を算出してもよい。
【0044】
スケジュール決定部132が撮影ポイントにおける天気に基づいてスケジュールを決定するよう情報処理装置1が構成されてもよい。
【0045】
天気情報取得部134は、撮影対象の撮影ポイントを含むエリアにおける天気を示す天気情報を取得する。天気情報取得部134は、不図示の外部装置から天気情報を取得する。エリアは例えば県域又は市町村単位に設定されており、天気情報取得部134は、選択された撮影対象の撮影ポイントを含む市町村又は県域に対応する天気情報を取得する。天気情報に含まれる天気は例えば晴、曇り、雨、雪等である。天気情報においては、時間帯毎(例えば1時間毎、3時間毎)の天気が含まれていてもよい。
【0046】
スケジュール決定部132は、天気情報が示す撮影対象の撮影ポイントを含むエリアの天気にさらに基づいてスケジュールを決定する。一例として、スケジュール決定部132は、撮影ポイントを含むエリアの天気が曇りであれば、撮影ポイント情報の撮影可否に関わらず当該撮影ポイントにおいて撮影が可能と判定しスケジュールを決定してもよい。また、スケジュール決定部132は、撮影ポイントを含むエリアの天気が雨や雪等であれば撮影可否に関わらず、当該撮影ポイントにおいては撮影ができないと判定し、スケジュールを決定してもよい。
【0047】
スケジュール決定部132が撮影ポイントにおける天気に基づいてスケジュールを決定するよう情報処理装置1が構成されることで、逆光に影響を受けない場合に撮影ポイント情報が示す撮影可否に関わらずスケジュールを決定することができ、効率的に撮影するためのスケジュールを生成することができる。
【0048】
[情報処理装置1における処理の流れ]
図4は、情報処理装置1における処理の流れを示すフローチャートである。図4に示すフローチャートは、情報端末2から撮影対象の選択を開始する操作を受付けた時点から開始している。
【0049】
受付部131は、撮影対象の選択を受付ける(S01)。受付部131は、撮影対象の撮影ポイントの選択を受付ける。スケジュール決定部132は、記憶部12が記憶する撮影ポイント情報を参照し、受付部131が受付けた撮影ポイントに対応する撮影可能な時間帯を特定する(S02)。
【0050】
算出部133は、撮影ポイント間の移動時間を算出する(S03)。スケジュール決定部132は、選択された撮影ポイントを撮影するためのスケジュールを生成する(S04)。一例として、スケジュール決定部132は、それぞれの撮影ポイントを撮影する時刻が、撮影ポイント情報において各撮影ポイントに対応する撮影可否が撮影可能であることを示す時間帯であり、かつ、撮影の順序において連続する撮影ポイントを撮影する時刻の差分が、算出部133が算出した当該連続する撮影ポイントの間を移動するための移動時間より大きくなるよう、各撮影ポイントを撮影するスケジュールを生成する。
【0051】
スケジュール決定部132は、所定の時刻までに撮影が完了するスケジュールを生成できるか否かを判定する(S05)。所定の時刻は例えば日没の時刻や撮影担当者の勤務が終了する時刻として予め定められた時刻である。所定の時刻までに撮影が完了するスケジュールを生成できない場合(S05におけるNO)、情報処理装置1は、処理をS01に進める。所定の時刻までに撮影が完了するスケジュールを生成できる場合(S05におけるYES)、スケジュール決定部132は、スケジュールを決定する(S06)。スケジュール決定部132は、情報端末2に決定したスケジュールを表示させ(S07)、情報処理装置1は処理を終了する。
【0052】
<変形例>
図5は、変形例にかかる情報処理装置1Aの処理の概要について説明する図である。変形例にかかる情報処理装置1Aにおいては点検対象の設備と撮影ポイントとが関連付けられており、設備単位で移動しながら設備に関連付けられた撮影ポイントを撮影するようスケジュールを決定する点で、既に説明した情報処理装置1と相違する。換言すれば、変形例にかかる情報処理装置1Aにおいては、設備に関連付けられた撮影ポイントを全て撮影した後、次の撮影対象の設備に移動するようスケジュールを決定する。以下では、既に説明した内容と同一の内容については説明を省略し、異なる内容を中心に説明する。
【0053】
記憶部12は、設備点検において飛行体3により点検する対象の設備と、該点検する対象の設備における1以上の撮影ポイントとをさらに関連付けた撮影ポイント情報を記憶する。図6は、記憶部12が記憶する撮影ポイント情報のデータ構造の一例を示す図である。図6に示す撮影ポイント情報においては「設備」がさらに関連付けられている。「設備」は、1以上の撮影ポイントが設定された点検対象の設備を識別するためのIDである。
【0054】
受付部131は、複数の点検対象の設備の選択を受付ける。一例として、受付部131は、点検対象の設備を選択するための画面を情報端末2に表示させ、ユーザは情報端末2に表示された画面において点検対象の設備を選択する。情報端末2はユーザの選択を受付けると、受付けた設備を情報処理装置1Aに送信し、受付部131は、情報端末2からユーザが選択した設備を受付ける。
【0055】
スケジュール決定部132は、受付部131が受付けた複数の点検対象の設備に関連付けられた複数の撮影ポイントそれぞれを、設備ごとに撮影するためのスケジュールを決定する。スケジュール決定部132は、撮影ポイント情報を参照し、選択された設備に関連付けられた撮影ポイントを特定する。スケジュール決定部132は、特定した撮影ポイントそれぞれ対応する時間帯毎の撮影可否を取得する。
【0056】
スケジュール決定部132は、下記の2つの条件を満たすようスケジュールを決定する。1つめの条件は、選択された設備に関連付けられた撮影ポイントそれぞれを撮影する時刻は、該撮影ポイントに対応する撮影可否が撮影可能であることを示す時間帯に含まれることである。2つ目の条件は、同一の設備に関連付けられた全ての撮影ポイントは、撮影する順序において連続することである。図5(b)に示す例においては、撮影対象の設備として、O1、O2及びO3が選択されており、設備O2に関連付けられた撮影ポイントP21及びP22と、設備O1に関連付けられたP11及びP12の撮影順序が連続するようスケジュールが決定されている。
【0057】
変形例にかかる情報処理装置1Aがこのように構成されることで、設備間の移動時間を削減することができ、効率的に対象物を撮影することが可能となる。
【0058】
撮影の所要時間は予め定められた飛行計画に基づいて決定されてもよい。記憶部12は、設備と、該設備における1以上の撮影ポイントを撮影するための飛行計画であって、時間帯ごとに異なる飛行計画と、を関連付けた飛行計画情報をさらに記憶する。図7は、記憶部12が記憶する飛行計画情報のデータ構造の一例を示す図である。飛行計画情報においては、「設備」、「時間帯」、「飛行経路」及び「所要時間」が関連付けられている。「設備」は、対象の設備を識別するIDである。「時間帯」は、当該レコードが対象とする時間帯である。「飛行経路」は、当該時間帯における飛行体3が飛行する経路を示す。「飛行経路」にデータが無い場合は、当該時間帯においては当該設備を撮影することができないことを示す。飛行経路は、一例として飛行体3が通過するウェイポイントである。飛行経路においては撮影ポイントにおいて撮影する位置がさらに含まれていてもよい。所要時間は、当該飛行経路に基づいて飛行するために要する時間を示す。
【0059】
スケジュール決定部132は、飛行計画情報が示す飛行計画に基づいて算出される飛行体3が飛行するために必要な所要時間にさらに基づいて、スケジュールを決定する。スケジュール決定部132は、飛行計画情報に基づいて選択された設備における時間帯ごとの所要時間を特定する。スケジュール決定部132は、下記の2つの条件を満足するようスケジュールを決定する。1つ目の条件は、選択された設備に関連付けられた撮影ポイントそれぞれを撮影する時刻が、各撮影ポイントに対応する撮影可否が撮影可能であることを示す時間帯であることである。2つ目の条件は、設備における最初の撮影ポイントを撮影する時刻と、当該設備における最後の撮影ポイントの次の撮影ポイントを撮影する時刻と、の差分が飛行計画に基づいて決定された所要時間より大きくなることである。
【0060】
算出部133が設備ごとの移動時間を算出するよう情報処理装置1Aが構成されてもよい。算出部133は、受付部131が受付けた複数の点検対象の設備それぞれの間を移動する移動時間を算出する。一例として、記憶部12においては、各設備間の移動に要する時間が記憶されており、算出部133は、記憶部12を参照し、点検対象の設備の間を移動する移動時間を算出してもよい。算出部133は、記憶部12が記憶する撮影ポイント情報において各設備に関連付けられた位置と地図情報に基づいて点検対象の設備それぞれの間を移動する移動時間を算出してもよい。
【0061】
スケジュール決定部132は、算出部133が算出した移動時間にさらに基づいて、スケジュールを決定する。撮影する順序において連続する撮影ポイントに関連付けられた設備が異なる場合に、スケジュール決定部132は、設備における最初の撮影ポイントを撮影する時刻と、当該設備における最後の撮影ポイントの次の撮影ポイントを撮影する時刻と、の差分が、算出部133が算出した移動時間より大きくなるよう、スケジュールを決定する。スケジュール決定部132は、設備における最初の撮影ポイントを撮影する時刻と、当該設備における最後の撮影ポイントの次の撮影ポイントを撮影する時刻と、の差分が、算出部133が算出した移動時間と飛行計画に基づいて算出された所要時間との合計より大きくなるようスケジュールを決定してもよい。
【0062】
情報処理装置1Aがこのように構成されることで、設備ごとの移動時間を考慮してスケジュールを決定することができ、効率的に撮影をするための情報を提供することができる。
【0063】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0064】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0065】
1 情報処理装置
2 情報端末
3 飛行体
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 受付部
132 スケジュール決定部
133 算出部
134 天気情報取得部
【要約】
【課題】撮影対象物を効率的に撮影できるようにするための情報を提供する。
【解決手段】設備点検において飛行体3により撮影する対象の撮影ポイントと、該撮影ポイントの位置と、該撮影ポイントにおける時間帯毎の撮影の可否と、を関連付けた撮影ポイント情報を記憶する記憶部12と、複数の撮影対象の選択を受付ける受付部131と、受付部131が受付けた撮影対象における複数の撮影ポイントそれぞれの位置と、該複数の撮影ポイントそれぞれの時間帯毎の撮影の可否と、に基づいて、該複数の撮影ポイントそれぞれを飛行体3により撮影するスケジュールを決定するスケジュール決定部132と、を有する情報処理装置1である。
【選択図】図2

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7