(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-06
(45)【発行日】2024-08-15
(54)【発明の名称】船積み用雨除け装置
(51)【国際特許分類】
B63B 19/26 20060101AFI20240807BHJP
B63B 19/18 20060101ALI20240807BHJP
【FI】
B63B19/26 D
B63B19/18
(21)【出願番号】P 2023534309
(86)(22)【出願日】2022-10-20
(86)【国際出願番号】 JP2022039080
(87)【国際公開番号】W WO2023090041
(87)【国際公開日】2023-05-25
【審査請求日】2023-06-14
(31)【優先権主張番号】P 2021186342
(32)【優先日】2021-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000198363
【氏名又は名称】IHI運搬機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100128509
【氏名又は名称】絹谷 晴久
(74)【代理人】
【識別番号】100119356
【氏名又は名称】柱山 啓之
(72)【発明者】
【氏名】大竹 泰弘
【審査官】中島 昭浩
(56)【参考文献】
【文献】特許第6849865(JP,B1)
【文献】実開昭62-040090(JP,U)
【文献】特開2020-118244(JP,A)
【文献】特開平05-301547(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63B 19/26
B63B 19/14 - 19/21
B63B 17/02
B65G 63/00 - 63/06
B65G 67/60 - 67/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
船倉の上部開口を開閉するスライド式ハッチカバーが開いたときに形成されるハッチ口を覆うように構成された装置本体と、
前記装置本体に設けられ前記スライド式ハッチカバー上に載置される基部と、
弾性材料により形成され、前記基部の側面部に着脱可能に取り付けられる基端部と、前記基端部から下方に延びて前記スライド式ハッチカバーに接触される先端部とを有するシール部材と、
前記シール部材より軟質で多孔質の弾性材料により形成され、前記基部の側面部に着脱可能に取り付けられる基端部と、前記基端部から下方に延びて前記スライド式ハッチカバーに接触される先端部とを有する追加シール部材と、
を備え、
前記シール部材の先端部の厚さは、基端側から先端側に向かうにつれ徐々に減少され
、
前記追加シール部材は、前記シール部材よりハッチ口側に位置され、
前記シール部材および前記追加シール部材は、前記スライド式ハッチカバーの開閉方向とは垂直な方向に延び、
前記スライド式ハッチカバーの上面には、溶接ビードによる段差状の突起、または溶接による鋼板の継ぎ目からなる段差が形成され、
前記突起および前記段差は、前記スライド式ハッチカバーの開閉方向に延び、
前記シール部材および前記追加シール部材が前記突起または前記段差および前記スライド式ハッチカバーに押し付けられたとき、前記シール部材は前記突起または前記段差の外形状に追従せず、前記突起または前記段差および前記スライド式ハッチカバーとの間に隙間を形成し、前記追加シール部材は前記突起または前記段差の外形状に追従し、前記突起または前記段差および前記スライド式ハッチカバーとの間に隙間を形成しないよう、前記シール部材および前記追加シール部材が構成されている
ことを特徴とする船積み用雨除け装置。
【請求項2】
前記シール部材の基端部は、前記スライド式ハッチカバーに対し垂直な向きに配置される
請求項1に記載の船積み用雨除け装置。
【請求項3】
前記シール部材の先端部は、自然状態において、先端側がハッチ口側または反ハッチ口側に向くよう湾曲されている
請求項1に記載の船積み用雨除け装置。
【請求項4】
前記シール部材の基端部は、ブラケットを介して前記基部の側面部に着脱可能に取り付けられる
請求項1に記載の船積み用雨除け装置。
【請求項5】
前記追加シール部材の基端部は、追加ブラケットを介して前記基部の側面部に着脱可能に取り付けられる
請求項
1に記載の船積み用雨除け装置。
【請求項6】
弾性材料のシートにより形成され、前記基部の底面部に取り付けられる基部シール部材を備える
請求項1に記載の船積み用雨除け装置。
【請求項7】
前記追加シール部材は、前記基部シール部材よりハッチ口側に位置される
請求項6に記載の船積み用雨除け装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、穀物等の荷をシップローダで船積みするに際し、荷が降雨で濡れたり、風で荷役中の荷が飛散するのを防ぐ船積み用雨除け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
荷役中の荷が降雨で濡れるのを防ぐ船積み用雨除け装置として、特許文献1に記載の装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の装置では、スライド式ハッチカバー上に載置される装置本体の基部の底面部にリップシールを取り付け、このリップシールにより、基部とスライド式ハッチカバーの隙間をシールしている。
【0005】
しかしこの構成だと、リップシールを交換するときに装置全体を横にしなければならず、交換が比較的困難である。
【0006】
そこで本開示は、かかる事情に鑑みて創案され、その目的は、シール部材の交換を容易に行うことができる船積み用雨除け装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一の態様によれば、
船倉の上部開口を開閉するスライド式ハッチカバーが開いたときに形成されるハッチ口を覆うように構成された装置本体と、
前記装置本体に設けられ前記スライド式ハッチカバー上に載置される基部と、
弾性材料により形成され、前記基部の側面部に着脱可能に取り付けられる基端部と、前記基端部から下方に延びて前記スライド式ハッチカバーに接触される先端部とを有するシール部材と、
を備え、
前記シール部材の先端部の厚さは、基端側から先端側に向かうにつれ徐々に減少される
ことを特徴とする船積み用雨除け装置が提供される。
【0008】
好ましくは、前記シール部材の基端部は、前記スライド式ハッチカバーに対し垂直な向きに配置される。
【0009】
好ましくは、前記シール部材の先端部は、自然状態において、先端側がハッチ口側または反ハッチ口側に向くよう湾曲されている。
【0010】
好ましくは、前記シール部材の基端部は、ブラケットを介して前記基部の側面部に着脱可能に取り付けられる。
【0011】
好ましくは、前記船積み用雨除け装置は、前記シール部材より軟質の弾性材料により形成され、前記基部の側面部に着脱可能に取り付けられる基端部と、前記基端部から下方に延びて前記スライド式ハッチカバーに接触される先端部とを有する追加シール部材をさらに備える。
【0012】
好ましくは、前記追加シール部材は、多孔質の弾性材料により形成される。
【0013】
好ましくは、前記追加シール部材の基端部は、追加ブラケットを介して前記基部の側面部に着脱可能に取り付けられる。
【0014】
好ましくは、前記船積み用雨除け装置は、弾性材料のシートにより形成され、前記基部の底面部に取り付けられる基部シール部材を備える。
【0015】
本開示によれば、シール部材の交換を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本開示の実施形態に係る船積み用雨除け装置の概略図である。
【
図10】第2シールとその周辺の構成を示す断面図である。
【
図12】第1変形例において、ハッチカバー上に突起がある場合の様子を示す断面図である。
【
図18】第1変形例において、ハッチカバー上に段差がある場合の様子を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して本開示の実施形態を説明する。
図1は、シップローダ、船舶及び本実施の形態に係る船積み用雨除け装置の概略図である。
図2は、船舶にセットされた船積み用雨除け装置を斜め上方から視た概略斜視図である。
図3は、蓋部材の正面図である。
図4は
図3の要部拡大図である。
【0018】
本実施形態において、スライド式ハッチカバーの開閉方向は船舶の左右方向および幅方向と一致する。また船積み用雨除け装置の長さ方向は船舶の前後方向および長さ方向と一致し、船積み用雨除け装置の幅方向は船舶の左右方向および幅方向と一致する。
【0019】
まず、シップローダ及び船舶について説明する。
図1に示すように、シップローダ1は、岸壁2上に敷設されたレール3上を走行する走行部4と、走行部4に旋回自在に設けられた旋回部5と、旋回部5に俯仰自在に設けられたブーム6と、ブーム6の先端に吊下して設けられ穀物等の荷を船倉7内に供給するためのノズル部8とを備える。ブーム6には、岸壁2からの荷をノズル部8に移送するためのコンベア(図示せず)が設けられる。なお、荷は穀物に限るものではない。荷は、雨に濡れることが好ましくない他のバラ物であってもよい。
【0020】
図1に示すように、船舶9は、貨物船である。船舶9は、上部開口10を有する船倉7と、上部開口10を開閉するスライド式ハッチカバー11とを備える。スライド式ハッチカバー11は、船舶9の左右両側に対向して一対設けられると共に、それぞれ左右方向にスライド自在に設けられる。すなわち、スライド式ハッチカバー11は、左右両開き式であり、対向端12を互いに突き合わせることで上部開口10を閉じ、対向端12を互いに離間させることで上部開口10を開く。また、スライド式ハッチカバー11は、任意の間隔で上部開口10を開けるように形成される。以後、スライド式ハッチカバー11が開いて形成されるスライド式ハッチカバー11間の開口をハッチ口13という。なお、スライド式ハッチカバー11は、船舶9の前後方向に開閉可能に設けられてもよい。
【0021】
次に、本実施の形態に係る船積み用雨除け装置について説明する。
【0022】
図1~
図3に示すように、船積み用雨除け装置20は、ハッチ口13を覆うように構成された装置本体20Aを備える。装置本体20Aは、一対のスライド式ハッチカバー11が開いたときにその一対のスライド式ハッチカバー11上に跨がって配置され、ハッチ口13を覆う。
【0023】
装置本体20Aは、スライド式ハッチカバー11上に配置されるレール19と、レール19に走行自在に設けられハッチ口13の一部を覆う船上シュート22と、ハッチ口13の他の部分を覆う蓋部材23とを備える。
【0024】
レール19は、左右のスライド式ハッチカバー11上に平行に、かつ、前後方向に延びて配置される。また、レール19は、ハッチ口13の前後方向の寸法より短いレール片21を、長手方向(前後方向)に複数連結して構成される。レール19の長さは、レール片21を所定数連結したときハッチ口13の前後長さと概ね同じ長さとなるように設定される。なお、レール19は連結構造でなくともよい。この場合、1本のレール片21によりレール19が構成され、レール片21の長さは、ハッチ口13の長さと概ね同じに設定されるとよい。
【0025】
図2に示すように、船上シュート22は、レール19に走行自在に設けられる走行部31と、ノズル部8が挿入される略円筒状のシュート本体部32とを備える。走行部31は、複数の固定キャスターを備える。固定キャスターは、
図4に示す蓋部材23の固定キャスター34と共通である。
【0026】
シップローダ1のノズル部8には、シュート本体部32を上方から覆って荷が濡れるのを防止するカバー部材14が設けられる。
【0027】
蓋部材23は、前後方向に伸縮自在に形成され、船上シュート22の前後に配置される。蓋部材23の前後方向における一端は、船上シュート22に固定される。蓋部材23の前後方向における他端は、ハッチ口13の端部近傍のレール19に着脱可能に固定される。蓋部材23は、船上シュート22の走行に応じて伸縮する。例えば、
図5および
図6に示すように、荷Bの供給時にノズル部8により船上シュート22が押され、船上シュート22が前方に走行したときには、船上シュート22より前方の蓋部材23が前方に収縮し、船上シュート22より後方の蓋部材23が前方に伸長する。
【0028】
蓋部材23は、前後方向に伸縮可能に形成された複数の蛇腹部69と、蛇腹部69を支持する蛇腹支持部70とを備える。
【0029】
蛇腹部69は、左右のレール片21に跨がるアーチ状に形成された複数のアーチフレーム42と、これらアーチフレーム42同士を前後方向に近接離間自在に連結する伸縮リンク43と、これらを覆う止水シート41とを備える。
【0030】
図7に示すように、伸縮リンク43は、一対の棒状フレーム50をピン51を介してX字状に結合してなる交差部材52を複数連結して構成される。交差部材52同士の連結は、棒状フレーム50の先端同士をピン51を介して結合することでなされる。また、交差部材52の端部は、アーチフレーム42に固定される固定端部52aと、アーチフレーム42にスライド可能に設けられる可動端部52bとに分類される。可動端部52bは、ピン51を介してスライダ53に回動自在に結合される。スライダ53は、筒状の部材であり、アーチフレーム42にスライド自在に嵌合される。
【0031】
止水シート41は、柔軟なシートであり、アーチフレーム42間で伸縮するように変形可能である。
【0032】
図2及び
図8に示すように、蛇腹支持部70は、蛇腹部69の端部に設けられ、一対のハッチカバー11に跨がるアーチ状に形成される。蛇腹支持部70の下端にも、前記同様の固定キャスターが設けられる。蛇腹支持部70には、雨除けシート76が設けられる。
【0033】
また、
図2および
図8に示すように、蓋部材23の他端に位置される蛇腹支持部70に、端部シート64が設けられる。これにより、スライド式ハッチカバー11の側面間に形成されるハッチ口13も塞ぐことができる。
【0034】
ところで、装置本体20Aとスライド式ハッチカバー11との間には隙間があり、この隙間からハッチ口側に雨水が浸入することが考えられる。具体的には、
図4の蛇腹部69の外皮を構成する止水シート41は、蛇腹状に変形する。このため、レール19と止水シート41との間には隙間があり、この隙間からハッチ口13側に雨水が浸入することが考えられる。また、
図4のスライド式ハッチカバー11とレール19が密接されずスライド式ハッチカバー11とレール19との間に隙間ができる場合、スライド式ハッチカバー11とレール19との間からハッチ口13側に雨水が浸入することが考えられる。
【0035】
そこで、
図4及び
図9に示すように、船積み用雨除け装置20は、スライド式ハッチカバー11と装置本体20Aとの隙間からハッチ口13側(右側)への浸水を抑制する止水部100を備える。止水部100は、レール19及びスライド式ハッチカバー11間から風水が浸入することを抑制するための第1シール80及び第2シール81と、止水シート41とレール19との間に設けられる止水部材88とを備える。
【0036】
ここで、レール19は、装置本体20Aに設けられスライド式ハッチカバー11上に載置される基部20Bをなすものである。基部20Bは、装置本体20Aの最下端に位置され、その上方の装置本体20Aの部分の重量を支持する役割を果たす。
【0037】
止水部材88は、ブラシで構成され、ブラシヘッド89と、ブラシヘッド89に植えられるブラシ毛90とを備える。ブラシヘッド89は、ブラケット82を介してレール19に支持される。ブラシ毛90は、樹脂、金属、動物の毛等によって形成される。ブラシ毛90の先端は、止水シート41の内面に当接される。止水部材88は、ブラシで構成されるため通気性を有する。これにより、船倉7内の圧力を逃がすことができる。なお、止水部材88は、メッシュ状に形成された軟質の樹脂シート等で構成されてもよい。レール19と止水シート41との間の隙間にブラシ等からなる止水部材88を設けることで止水シート41の伸縮によって変わる隙間に対して適切に変形したブラシ等が外部からの風水の浸入を防ぐように働くことができる。
【0038】
第1シール80は、比較的軟質なゴム等の弾性材料により一定厚さの薄いシート状に形成される。第1シール80の基端部はブラケット82を介してレール19に支持され、第1シール80の先端部はスライド式ハッチカバー11の上面に重ねて当接される。ブラケット82は、レール19の延長方向(前後方向)に連続的に延びて形成されると共に、ハッチ口13の反対側すなわち反ハッチ口側(左側)に延びる。ブラケット82の傾斜取付面82aには、第1シール80の基端部がボルト91で取り付けられる。第1シール80の中間部は、基端部及び先端部間に生じた角度差を許容するように湾曲される。これにより、中間部には第1シール80の形状を復元させる方向の力が発生し、この力は先端部をスライド式ハッチカバー11に圧接させる。ブラシヘッド89は、第1シール80の基端部と共に共通のボルト91でブラケット82にボルト締めされる。これにより、止水部材88と第1シール80は連続的に接続され、スライド式ハッチカバー11から止水シート41に亘る範囲を止水できる。
【0039】
第2シール81は、特許請求の範囲にいうシール部材に相当し、本実施形態の特徴部分をなす。
【0040】
まず本実施形態の第2シール81について説明する前に、特許文献1の装置(比較例という)の第2シールを説明する。
【0041】
図17に示すように、比較例では、第2シールとして、断面V字状のリップシール150が用いられている。このリップシール150は、ゴム等の弾性材料により形成され、レール19の底面部に着脱可能に取り付けられている。
【0042】
具体的には、レール19の底面部に金属製のシールホルダ151が設けられ、リップシール150はこのシールホルダ151により保持される。シールホルダ151は、レール19の底面部に一体的に取り付けられた取付基部152と、取付基部152の底面部にボルト153で着脱可能に取り付けられ互いに離間された一対の脚部154とを備える。一対の脚部154は、リップシール150を挟んで保持すると共に、リップシール150に係合する爪155,156を備える。一対の脚部154の底面部には第3シール157が設けられる。
【0043】
しかし、比較例の構成だと、リップシール150を交換するときに装置全体を横にしなければならず、交換が比較的困難である。すなわち、装置全体を横にしてボルト153を緩めて一対の脚部154を取り外し、リップシール150を取り外す。そして逆の手順で新しいリップシール150を取り付け、装置全体を起こして元に戻す。
【0044】
そこで本実施形態では、
図9に示すように、第2シール81をレール19の側面部に着脱可能に取り付けた。以下、この本実施形態の構成を、要部を拡大して示す
図10を用いて説明する。
【0045】
図10(A)は、レール19がハッチカバー11に載置されておらず、第2シール81がハッチカバー11に接触していない自然状態であるときの状態を示す。
図10(B)は、レール19がハッチカバー11に載置され、第2シール81がハッチカバー11に接触しているときの状態を示す。このとき、第2シール81が自然状態から曲げられ、その反力で第2シール81がハッチカバー11に押し付けられ、シールを行う。
図10(C)は、レール19が基本的にハッチカバー11に載置されているものの、ハッチカバー11の表面の変形等によって図示の位置でレール19とハッチカバー11の間に隙間ができてしまい、第2シール81のハッチカバー11への押し付けがやや弱くなっているときの状態を示す。
【0046】
図示するように、第2シール81は、ゴム等の弾性材料により形成されている。第2シール81は、レール19の左側(反ハッチ口側)の側面部100に着脱可能に取り付けられる基端部101と、基端部101から下方に延びてハッチカバー11に接触される先端部102とを有する。線aは基端部101と先端部102の境界位置を示す。特に先端部102の厚さtは、基端側(図中上側)から先端側(図中下側)に向かうにつれ徐々に減少される。
【0047】
図9に示すように、第1シール80の厚さは、比較的薄い一定の厚さtaである。これに対し、
図10(A)に示すように、第2シール81の先端部102の厚さtは、先端側に向かうにつれ徐々に減少される。この点が第1シール80との主な相違点である。なお第2シール81は、第1シール80よりも右側(ハッチ口側)に配置されている。
【0048】
レール19がハッチカバー11上に載置されたとき、第2シール81はハッチカバー11から受ける反力によって面圧を生じ、優れた防水機能を発揮する。そのため、第2シール81の形状は、面圧が適切に生じるように設計されている。
【0049】
図10(A)に示すように、第2シール81の基端部101の厚さtbは、第1シール80の厚さtaより大きい一定の厚さである。また第2シール81の先端部102の厚さtは、基端部101と接続する最も基端側の位置で、基端部101の厚さtbと等しく、この厚さtbから先端側に向かうにつれ徐々に減少される。第2シール81の先端部102の最も先端側の部分は刃状に形成される。
【0050】
この構成により、第2シール81は、所謂腰の強い構造となり、
図10(B)に示すようにハッチカバー11に接触したときの面圧を上げることができる。
【0051】
第2シール81の基端部101は、ハッチカバー11に対し垂直な向きに配置される。すなわち、ハッチカバー11が水平に配置されるのに対し、第2シール81の基端部101は鉛直に配置される。これにより、先端部102をハッチカバー11に効率よく押し付けることができ、ハッチカバー11に接触したときの面圧を上げることができる。
【0052】
図10(A)に示すように、第2シール81の先端部102は、自然状態において、先端側が左側(反ハッチ口側)に向くよう湾曲されている。これにより
図10(B)に示すように、先端部102がハッチカバー11に接触したとき、先端部102の曲がり方向が特定され、レール19をハッチカバー11に載置するのと同時に先端部102を所望の方向に曲げることができる。
【0053】
第2シール81は、ブラケット103を介してレール19の側面部100に取り付けられる。ブラケット103は、側面部100の所定高さ位置に固定されると共に、側面部100から左側に向かって水平に延びる。ブラケット103の中間部に下方に突出する取付面部104が設けられ、この取付面部104の左面に第2シール81の基端部101が重ね合わされる。基端部101の左面には押圧板105が重ね合わされる。押圧板105と基端部101がボルト106により取付面部104に合わせ止めされる。すなわち、押圧板105がボルト106により取付面部104に固定されると、これと同時に基端部101が、押圧板105と取付面部104に挟まれて固定される。ボルト106を取り外せば押圧板105と第2シール81を取り外すことができる。こうして第2シール81は、ブラケット103、ひいてはレール19の側面部100に、着脱可能に取り付けられる。なお押圧板105と基端部101にはボルト挿通穴が設けられ、取付面部104にはネジ穴が設けられる。
【0054】
また本実施形態では、レール19の底面部に第3シール107が設けられる。第3シール107は、ゴム等の弾性材料により形成された一定厚さtcのシートにより形成される。この第3シール107は、
図10(B)に示すように、レール19の底面部とハッチカバー11の隙間をシールすると共に、レール19がハッチカバー11に直接載置されることによるハッチカバー11の損傷(凹み、傷付き等)を防止する。第3シール107は、特許請求の範囲にいう基部シール部材に相当する。
【0055】
図10(A)に示す自然状態において、第2シール81の先端部102は、レール19の底面部および第3シール107よりも下方の位置まで延びる。第2シール81の先端部102の下端は、第3シール107よりも所定距離Hだけ下方に位置される。
【0056】
なお、第2シール81と第3シール107はレール19の全長に亘って設けられる。ブラケット103と押圧板105は、レール19の全長に亘って設けられるのが好ましいが、レール19の全長に対し部分的ないし間欠的に設けられてもよい。ボルト106は、レール19の全長に亘り所定間隔で設けられる。
【0057】
さて、
図9に示すように、第1シール80よりも左側(反ハッチ口側)のハッチカバー11上に雨水が存在する場合、その雨水の右側(ハッチ口側)に向かう流れは、最初に第1シール80により堰き止められる。
【0058】
もし仮に、雨水の流れが第1シール80を通過した場合でも、その雨水の流れは、第2シール81、さらには第3シール107により堰き止められる。
【0059】
ところで、第2シール81が長期使用等によって劣化した場合、それを交換する必要がある。この交換時、レール19の左側からボルト106を取り外して既存の第2シール81を取り外すことができる。また、レール19の左側からボルト106を締め付けて新品の第2シール81を取り付けることができる。
【0060】
このように、装置全体を横にしなくても第2シール81を交換できるので、第2シール81の交換を、比較例に比べて格段に容易に行うことができる。また、交換が容易なので、より安価な第2シール81を採用することができ、製造コストを抑制することができる。
【0061】
また、第2シール81が前述したように腰の強い構造なので、
図10(B)に示すようにレール19ないし第3シール107がハッチカバー11上に正常に着座したときには勿論のこと、
図10(C)に示すように第3シール107とハッチカバー11の間に隙間が空いてしまった場合でも、第2シール81を高い面圧でハッチカバー11に押し付けることができる。これにより高いシール性能を確保することができる。
【0062】
なお、レール19ないし第3シール107がハッチカバー11上に正常に着座しているとき、第2シール81の面圧は第1シール80の面圧より高い。
【0063】
また本実施形態は、
図17に示したような比較例のリップシール150を省略し、代わりに第2シール81を採用したので、金属製のシールホルダ151を省略した点も特徴である。
【0064】
すなわち、シールホルダ151は重い構造であるため、シールホルダ151を採用すると装置の重量が増加してしまう。またシールホルダ151の脚部154には、爪155,156を機械加工しなければならないため、シールホルダ151を採用すると装置の製造コストが増加してしまう。
【0065】
しかし本実施形態では、シールホルダ151を省略したので、シールホルダ151を採用することによる欠点を解消し、装置を軽量化すると共に、装置の製造コストを抑制することができる。
【0066】
なお、可能であれば第3シール107は省略してもよい。第2シール81の基端部101は、ハッチカバー11に対し垂直な向きから若干傾斜した向きに配置してもよい。すなわち、第2シール81の基端部101は、鉛直から若干傾斜した向きに配置してもよい。
【0067】
次に、変形例を説明する。なお前記基本実施形態と同様の部分については説明を割愛し、以下、基本実施形態との相違点を主に説明する。
【0068】
[第1変形例]
図11に示すように、第1変形例に係る船積み用雨除け装置は、第4シール110をさらに備える。第4シール110は、特許請求の範囲にいう追加シール部材に相当する。
【0069】
第4シール110は、第2シール81より軟質の弾性材料、例えばゴムにより形成されている。特に第4シール110は、多孔質の弾性材料、例えば発泡ゴムにより形成されている。
【0070】
第4シール110は、レール19の左側(反ハッチ口側)の側面部100に着脱可能に取り付けられる基端部111と、基端部111から下方に延びてハッチカバー11に接触される先端部112とを有する。線aは、第2シール81の基端部101および先端部102の境界位置と、第4シール110の基端部111および先端部112の境界位置とを示す。第4シール110の厚さは、比較的大きい一定の厚さtdとされている。第4シール110の厚さtdは、第2シール81の基端部101の厚さtbより大きくされている。
【0071】
第4シール110は、
図11(A)に示すような自然状態において、縦に長い長方形の断面形状を有し、その全体がハッチカバー11に対し垂直な向きに配置される。すなわち、第4シール110は鉛直に配置される。これにより、先端部112をハッチカバー11に効率よく押し付けることができる。
【0072】
第4シール110は、第2シール81と共に、共通のブラケット113を介してレール19の側面部100に取り付けられる。ブラケット113は、側面部100の所定高さ位置に固定されると共に、側面部100から左側に向かって水平に延びる。ブラケット113は、特許請求の範囲にいうブラケットおよび追加ブラケットに相当する。ブラケット113の中間部に、下方に突出する左側取付面部114Aと右側取付面部114Bが互いに間隔を隔てて設けられる。
【0073】
左側取付面部114Aの左面に第2シール81の基端部101が重ね合わされる。また左側取付面部114Aと右側取付面部114Bの間に第4シール110の基端部111が挟まれる。第2シール81の基端部101の左面に押圧板115が重ね合わされる。押圧板115と、第2シール81の基端部101と、第4シール110の基端部111とが、ボルト116によりブラケット113に合わせ止めされる。すなわちボルト116が、押圧板115、第2シール81の基端部101、左側取付面部114A、および第4シール110の基端部111の各ボルト挿通穴に順次挿通された後、右側取付面部114Bのネジ穴に締め付けられる。これにより押圧板115と、第2シール81の基端部101と、第4シール110の基端部111とが、ブラケット113に固定される。
【0074】
ボルト116を取り外せば押圧板115、第2シール81および第4シール110を取り外すことができる。こうして第2シール81のみならず、第4シール110も、ブラケット113、ひいてはレール19の側面部100に、着脱可能に取り付けられる。
【0075】
図11(A)に示す自然状態において、第4シール110の先端部112は、レール19の底面部および第3シール107よりも下方の位置まで延びる。第4シール110の先端部112の下端は、第3シール107よりも所定距離Haだけ下方に位置される。また図示例の場合、第4シール110の先端部112の下端は、第2シール81の先端部102の下端より僅かに下方に位置される。すなわちH<Haである。レール19がハッチカバー11上に載置されたとき、第4シール110は、ハッチカバー11から受ける反力によって適切な面圧を生じ、優れた防水機能を発揮する。
【0076】
第4シール110もレール19の全長に亘って設けられる。ブラケット113と押圧板115は、レール19の全長に亘って設けられるのが好ましいが、レール19の全長に対し間欠的に設けられてもよい。ボルト116は、レール19の全長に亘って所定間隔で設けられる。
【0077】
図11(B)に示すように、レール19がハッチカバー11上に載置されたとき、第2シール81のみならず、第4シール110もハッチカバー11に押し付けられる。よって第4シール110によっても、後側(ハッチ口側)に向かう雨水の流れを堰き止めることができ、シール性能を向上することができる。
【0078】
このとき、第4シール110の先端部112は、厚さtd方向に垂直な方向に圧縮されると共に、厚さtd方向に膨張する。
図11(C)に示すように、第3シール107とハッチカバー11の間に隙間が空いてしまった場合には、第4シール110の圧縮量および膨張量が少なくなるが、それでも一定のシール性能を確保できる。
【0079】
また、第4シール110を交換するときにも、第2シール81のときと同様、レール19の左側からボルト116を取り外して既存の第4シール110を取り外し、レール19の左側からボルト116を締め付けて新品の第4シール110を取り付けることができる。よって装置全体を横にしなくても第4シール110を交換でき、交換を容易に行うことができる。
【0080】
また、第4シール110は第2シール81より軟質なので、第2シール81に比べ、ハッチカバー11の凹凸に対する追従性が良好である。特に、第4シール110を多孔質の弾性材料、例えば発泡ゴムにより形成したので、凹凸に対する追従性を極めて良好にすることができる。
【0081】
図12には、ハッチカバー11の上面に溶接ビードによる段差状の突起117がある場合を示す。一般にハッチカバー11は鋼板を溶接して製造されるため、こうした突起117が存在することが多い。図示例の場合、突起117は左右方向、すなわち反ハッチ口側からハッチ口側に向かう方向に延びている。そしてこの突起117に上方から第2シール81と第3シール107と第4シール110が押し付けられる。これらシールの長手方向は突起117の長手方向と交差、特に直交している。
【0082】
この場合、
図12(B)に示すように、第2シール81が突起117の外形状に完全に追従できず、突起117の両側で、第2シール81とハッチカバー11および突起117との間に隙間118ができてしまう。
【0083】
しかし、
図12(C)に示すように、第4シール110の場合だと、第4シール110が突起117の外形状に完全に追従できる。このため、突起117の両側で隙間ができるのを回避でき、シール性能を高めることができる。
【0084】
特に、第4シール110は、内部の気泡が潰れて圧縮変形できるため、相手方の外形状に対する追従性が極めて良好である。そのため、突起117の両側で、突起117の表面からハッチカバー11の上面に移行する角張った形状に追従して変形することができ、隙間ができるのを回避することができる。
【0085】
よって、第2シール81とハッチカバー11の隙間118を通過した雨水を第4シール110で確実に遮断することができる。なお、第3シール107を第4シール110と同様の材料で形成することも可能である。
【0086】
図18には、ハッチカバー11の上面に段差117Aがある場合を示す。一般にハッチカバー11は鋼板を溶接で繋ぎ合わせて製造されるため、継ぎ目にこうした段差117Aが存在することがある。図示例の場合、段差117Aは左右方向、すなわち反ハッチ口側からハッチ口側に向かう方向に延びている。第2シール81と第3シール107と第4シール110の長手方向は段差117Aの長手方向と交差、特に直交している。
【0087】
この場合にも、
図18(B)に示すように、第2シール81が段差117Aの外形状に完全に追従できず、段差117Aの上側に隙間118ができてしまう。
【0088】
しかし、
図18(C)に示すように、第4シール110の場合だと、第4シール110が段差117Aの外形状に完全に追従できる。このため、段差117Aの上側に隙間ができるのを回避でき、シール性能を高めることができる。
【0089】
[第2変形例]
図13に示すように、第2変形例においては、第2シール81と第4シール110の配置が第1変形例と逆になっており、第2シール81が右側(ハッチ口側)、第4シール110が左側(反ハッチ口側)に配置されている。
【0090】
また、ブラケット周辺の構成も第1変形例から若干変更されている。
【0091】
第2シール81および第4シール110は、共通のブラケット123を介してレール19の側面部100に着脱可能に取り付けられる。ブラケット123は、側面部100の所定高さ位置に固定されると共に、側面部100から左側に向かって水平に延びる。ブラケット123の中間部に、下方に突出する左側取付面部124Aと右側取付面部124Bが設けられる。但しこれらの間隔は、第1変形例の左側取付面部114Aと右側取付面部114Bの間隔より大きい。
【0092】
左側取付面部124Aの左面に第4シール110の基端部111が重ね合わされる。第4シール110の基端部111の左面に前側押圧板125Aが重ね合わされる。左側ボルト116Aが、左側押圧板125Aと第4シール110の基端部111を左側取付面部124Aに合わせ止めする。
【0093】
右側取付面部124Bの左面に第2シール81の基端部101が重ね合わされる。第2シール81の基端部101の左面に右側押圧板125Bが重ね合わされる。右側ボルト116Bが、右側押圧板125Bと第2シール81を右側取付面部124Bに合わせ止めする。
【0094】
本変形例によれば、第4シール110と第2シール81が別々のボルト125A,125Bにより取り付けられるので、一方のシールを交換するときに他方のシールを取り外さなくて済み、交換作業をスムーズに行うことができる。
【0095】
[第3変形例]
図14に示すように、第3変形例においては、第2シール81と第4シール110がレール19の異なる側面部に取り付けられている。すなわち、第2シール81は、基本実施形態(
図10)と同様、レール19の左側の側面部100に取り付けられている。しかし、第4シール110は、レール19の右側の側面部130に取り付けられている。
【0096】
第2シール81の取付方法は基本実施形態(
図10)と同様である。一方、第4シール110の取付方法は、レール19を境に左右対称である点を除き、第2シール81の取付方法と同様である。よって対応する各部材を図示して詳細な説明を省略する。
【0097】
左側のブラケット103に対応するのが右側のブラケット133であり、左側の押圧板105に対応するのが右側の押圧板135であり、左側のボルト106に対応するのが右側のボルト136である。
【0098】
この構成によれば、右側(ハッチ口側)に向かう雨水の流れが第3シール107を通過した場合でも、その雨水の流れを第4シール110で堰き止めることができる。
【0099】
また、第4シール110の交換時、レール19の右側からボルト136を取り外して既存の第4シール110を取り外すことができ、レール19の右側からボルト136を締め付けて新品の第4シール110を取り付けることができる。よって装置全体を横にすることなく第4シール110を交換でき、交換を容易に行うことができる。
【0100】
[第4変形例]
図15に示すように、第4変形例は、基本実施形態(
図10)とほぼ同様であるが、第2シール81の先端部102の湾曲の向きが基本実施形態と逆になっている。すなわち
図15(A)に示すように、第2シール81の先端部102は、自然状態において、先端側が右側(ハッチ口側)に向くよう湾曲されている。
【0101】
これに対応して、第2シール81の基端部101は、基本実施形態よりも左側に位置され、
図15(B)に示すように先端部102が曲がったときでも。先端部102がレール19および第3シール107に干渉しないようになっている。また、ブラケット103の長さも左側に向かってより長くされ、取付面部104の位置もより左側とされる。
【0102】
このように先端部102の湾曲の向きを変えても、基本実施形態と同様の作用効果を発揮できる。
【0103】
なお、本変形例においても第4シール110を追加で設けることが可能である。
【0104】
[第5変形例]
図16に示すように、第5変形例では、第2シール81がブラケットを介さず直接的に、レール19の左側側面部100に着脱可能に取り付けられている。
【0105】
第2シール81の基端部101は、ハッチカバー11に対し垂直な向き、すなわち鉛直に配置されると共に、レール19の左側の側面部100に重ね合わされる。
図16(A)に示すように、第2シール81の先端部102は、自然状態において、先端側が左側(反ハッチ口側)に向くよう湾曲されている。
【0106】
基端部101の左面には押圧板105が重ね合わされる。押圧板105と基端部101がボルト106により側面部100に合わせ止めされる。
【0107】
この構成によれば、中間のブラケットを省略できるので、装置をよりシンプル、軽量、安価にすることができる。
【0108】
以上、本開示の実施形態を詳細に述べたが、本開示の実施形態および変形例は他にも様々考えられる。例えば、装置本体について、前記実施形態では蛇腹構造で伸縮可能なものを採用したが、これに限らず、装置本体の形態は任意である。例えば、装置本体は、伸縮しない固定式のものであってもよい。この場合、装置本体を比較的軽量な材料、例えば樹脂(FRPを含む)、アルミ等で作製してもよい。
【0109】
第2シール81および第4シール110は、レール19の長手方向に分割してもよい。こうすると、レール19とハッチカバー11の隙間の大きさがレール19の長手方向の位置に応じて変化する場合に、各位置の隙間の大きさに合わせた最適な長さ(基端から先端までの長さ)の第2シール81および第4シール110を各位置毎に採用でき、シール性能を高められる。この場合、第2シール81および第4シール110はレール片21単位で分割することができる。
【0110】
前述の各実施形態および各変形例の構成は、特に矛盾が無い限り、部分的にまたは全体的に組み合わせることが可能である。本開示の実施形態は前述の実施形態のみに限らず、特許請求の範囲によって規定される本開示の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が本開示に含まれる。従って本開示は、限定的に解釈されるべきではなく、本開示の思想の範囲内に帰属する他の任意の技術にも適用することが可能である。