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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-06
(45)【発行日】2024-08-15
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0207 20230101AFI20240807BHJP
【FI】
G06Q30/0207 328
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2024045407
(22)【出願日】2024-03-21
【審査請求日】2024-03-21
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】栗田 咲子
(72)【発明者】
【氏名】相馬 汐美
(72)【発明者】
【氏名】吉田 勝敏
(72)【発明者】
【氏名】今井 明彦
【審査官】大野 朋也
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-125201(JP,A)
【文献】特開2023-066919(JP,A)
【文献】特開2023-118282(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1事業者が運営する店舗がユーザに付与する非代替性トークンであって、第1コンテンツと関連付けられた前記非代替性トークンである第1トークンの、ブロックチェーン上における所有者の移転状況を示す移転情報を取得する第1取得部と、
前記第1取得部が取得した前記移転情報に基づいて、複数の第1トークンのうち、ユーザに移転した第1トークンである移転済第1トークンを特定する特定部と、
第2事業者が提供するサービスであって、前記移転済第1トークンを、前記第1コンテンツと異なる第2コンテンツと関連付けられた非代替性トークンである第2トークンに変換するサービスにおける、前記移転済第1トークンと前記第2トークンとの変換履歴を示す変換履歴情報を取得する第2取得部と、
前記第2取得部が取得した前記変換履歴情報に基づいて、前記移転済第1トークンと前記第2トークンとの変換状況を分析する分析部と、
前記分析部による分析結果を出力する出力部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記分析部は、前記移転済第1トークンの数と、前記第2トークンに引き換えられた前記移転済第1トークンの数との関係を分析する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記特定部は、前記第1トークンの発行数を特定し、
前記分析部は、前記第1トークンの発行数と、前記第2トークンに引き換えられた前記第1トークンの数との関係を分析する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第1取得部は、前記第1トークンの所有者が移転した日時を示す移転日時情報を含む前記移転情報を取得し、
前記第2取得部は、前記第1トークンが前記第2トークンに変換された日時を示す変換日時情報を含む前記変換履歴情報を取得し、
前記分析部は、前記移転情報と、前記変換履歴情報とに基づいて、所定期間にわたって前記第2トークンに変換されていない前記移転済第1トークンの数を分析する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第2トークンは、前記店舗で利用可能な特典の付与を受けるために使用可能なトークンである、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記第2取得部は、前記店舗における前記特典の付与を受けるために使用された前記第2トークンの使用履歴を示す使用履歴情報を取得し、
前記分析部は、前記変換履歴情報と前記使用履歴情報とに基づいて、前記第1トークンと交換された複数の第2トークンの数と、前記特典の付与を受けるために使用された第2トークンの数との関係を分析する、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記サービスは、前記第1トークンを前記第2トークンに変換するとともに、複数の前記第2トークンを使用することにより、複数の前記第2トークンを、前記店舗で利用可能な特典の付与を受けるために使用可能な非代替性トークンである第3トークンに変換するサービスであり、
前記第2取得部は、前記サービスにおける、複数の前記第2トークンと前記第3トークンとの変換履歴を示す第2変換履歴情報を取得し、
前記分析部は、前記第2取得部が取得した前記第2変換履歴情報に基づいて、複数の前記第2トークンと前記第3トークンとの変換状況を分析する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記第2取得部は、前記第2変換履歴情報と、前記店舗における前記第3トークンの使用履歴を示す使用履歴情報とを取得し、
前記分析部は、前記第2変換履歴情報と前記使用履歴情報とに基づいて、前記第2トークンと交換された第3トークンの数と、前記特典の付与を受けるために使用された第3トークンの数との関係を分析する、
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記第2取得部は、前記第1トークンが前記第2トークンに変換された日時を示す第1変換日時情報を含む前記変換履歴情報と、前記第2変換履歴情報とを取得し、
前記分析部は、前記変換履歴情報及び前記第2変換履歴情報に基づいて、所有者がユーザであるとともに、所定期間にわたって前記第3トークンに変換されていない第2トークンの数を分析する、
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記第2トークンには、複数の種別の前記第2コンテンツが関連付けられており、
前記ユーザは、自身が所有する前記複数の種別の前記第2コンテンツそれぞれに関連付けられている複数の第2トークンを使用することにより、前記複数の第2トークンと前記第3トークンとを交換可能であり、
前記分析部は、所有者がユーザであるとともに、所定期間にわたって前記第3トークンに変換されていない第2トークンの数を、第2トークンに関連付けられている前記第2コンテンツの種別ごとに分析する、
請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記第2トークンを所有するユーザは、前記第2トークンを販売可能であり、前記第2トークンが販売されたことに応じて、前記第2トークンの所有者が販売先のユーザに移転し、
前記ブロックチェーンを参照し、ユーザが所有している前記第2トークンを特定し、当該第2トークンに関連付けられている前記第2コンテンツの種別を特定し、特定した前記第2コンテンツの種別に基づいて、当該ユーザが前記第3トークンへの変換に必要な、当該ユーザが所有していない前記第2コンテンツの種別に対応する第2トークンを特定し、前記ブロックチェーンを参照し、特定した種別に対応する前記第2トークンを所有している他のユーザを特定し、当該ユーザに対し、特定した種別に対応する第2トークンを当該他のユーザから購入するための情報を通知する通知部を有する、
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記第2トークンを所有するユーザは、前記第2トークンを販売可能であり、前記第2トークンが販売されたことに応じて、前記第2トークンの所有者が販売先のユーザに移転し、
前記第2取得部は、前記第1トークン又は前記第2トークンの販売履歴を示す販売履歴情報を取得し、
前記分析部は、前記販売履歴情報に基づいて、前記第1トークン又は前記第2トークンの販売数を分析する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項13】
コンピュータが実行する、
第1事業者が運営する店舗がユーザに付与する非代替性トークンであって、第1コンテンツと関連付けられた前記非代替性トークンである第1トークンの、ブロックチェーン上における所有者の移転状況を示す移転情報を取得するステップと、
取得した前記移転情報に基づいて、複数の第1トークンのうち、ユーザに移転した第1トークンを特定するステップと、
第2事業者が提供するサービスであって、前記第1トークンを、前記第1コンテンツと異なる第2コンテンツと関連付けられた非代替性トークンである第2トークンに変換するサービスにおける、前記第1トークンと前記第2トークンとの変換履歴を示す変換履歴情報を取得するステップと、
取得した前記変換履歴情報に基づいて、前記第1トークンと前記第2トークンとの変換状況を分析するステップと、
前記第1トークンと前記第2トークンとの変換状況の分析結果を出力するステップと、
を有する情報処理方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザが店舗において決済したことに応じて、店舗に関連する特典として、非代替性トークンをユーザに付与することが行われている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2023-118282号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
店舗に関連する特典をユーザに付与する際の面白みを高めるために、ユーザに付与された第1トークンを使用して、特典を付与するための抽選を行い、抽選結果に基づいて第1トークンと、特典としての第2トークンとを引き換えることがある。この場合に、第1トークンをユーザに付与する事業者と、第1トークンと第2トークンとの変換を行うサービスを提供する事業者とが異なると、第1トークンをユーザに付与する事業者が、第1トークンと第2トークンとの変換状況等のユーザの第1トークンの使用状況を把握しにくいという問題が発生する。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、第1トークンをユーザに付与する事業者が、ユーザの第1トークンの使用状況を把握しやすくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る情報処理装置は、第1事業者が運営する店舗がユーザに付与する非代替性トークンであって、第1コンテンツと関連付けられた前記非代替性トークンである第1トークンの、ブロックチェーン上における所有者の移転状況を示す移転情報を取得する第1取得部と、前記第1取得部が取得した前記移転情報に基づいて、複数の第1トークンのうち、ユーザに移転した第1トークンである移転済第1トークンを特定する特定部と、第2事業者が提供するサービスであって、前記移転済第1トークンを、前記第1コンテンツと異なる第2コンテンツと関連付けられた非代替性トークンである第2トークンに変換するサービスにおける、前記移転済第1トークンと前記第2トークンとの変換履歴を示す変換履歴情報を取得する第2取得部と、前記第2取得部が取得した前記変換履歴情報に基づいて、前記移転済第1トークンと前記第2トークンとの変換状況を分析する分析部と、前記分析部による分析結果を出力する出力部と、を有する。
【0007】
前記分析部は、前記移転済第1トークンの数と、前記第2トークンに引き換えられた前記移転済第1トークンの数との関係を分析してもよい。
前記特定部は、前記第1トークンの発行数を特定し、前記分析部は、前記第1トークンの発行数と、前記第2トークンに引き換えられた前記第1トークンの数との関係を分析してもよい。
【0008】
前記第1取得部は、前記第1トークンの所有者が移転した日時を示す移転日時情報を含む前記移転情報を取得し、前記第2取得部は、前記第1トークンが前記第2トークンに変換された日時を示す変換日時情報を含む前記変換履歴情報を取得し、前記分析部は、前記移転情報と、前記変換履歴情報とに基づいて、所定期間にわたって前記第2トークンに変換されていない前記移転済第1トークンの数を分析してもよい。
【0009】
前記第2トークンは、前記店舗で利用可能な特典の付与を受けるために使用可能なトークンであってもよい。
前記第2取得部は、前記店舗における前記特典の付与を受けるために使用された前記第2トークンの使用履歴を示す使用履歴情報を取得し、前記分析部は、前記変換履歴情報と前記使用履歴情報とに基づいて、前記第1トークンと交換された複数の第2トークンの数と、前記特典の付与を受けるために使用された第2トークンの数との関係を分析してもよい。
【0010】
前記サービスは、前記第1トークンを前記第2トークンに変換するとともに、複数の前記第2トークンを使用することにより、複数の前記第2トークンを、前記店舗で利用可能な特典の付与を受けるために使用可能な非代替性トークンである第3トークンに変換するサービスであり、前記第2取得部は、前記サービスにおける、複数の前記第2トークンと前記第3トークンとの変換履歴を示す第2変換履歴情報を取得し、前記分析部は、前記第2取得部が取得した前記第2変換履歴情報に基づいて、複数の前記第2トークンと前記第3トークンとの変換状況を分析してもよい。
【0011】
前記第2取得部は、前記第2変換履歴情報と、前記店舗における前記第3トークンの使用履歴を示す使用履歴情報とを取得し、前記分析部は、前記第2変換履歴情報と前記使用履歴情報とに基づいて、前記第2トークンと交換された第3トークンの数と、前記特典の付与を受けるために使用された第3トークンの数との関係を分析してもよい。
【0012】
前記第2取得部は、前記第1トークンが前記第2トークンに変換された日時を示す第1変換日時情報を含む前記変換履歴情報と、前記第2変換履歴情報とを取得し、前記分析部は、前記変換履歴情報及び前記第2変換履歴情報に基づいて、所有者がユーザであるとともに、所定期間にわたって前記第3トークンに変換されていない第2トークンの数を分析してもよい。
【0013】
前記第2トークンには、複数の種別の前記第2コンテンツが関連付けられており、前記ユーザは、自身が所有する前記複数の種別の前記第2コンテンツそれぞれに関連付けられている複数の第2トークンを使用することにより、前記複数の第2トークンと前記第3トークンとを交換可能であり、前記分析部は、所有者がユーザであるとともに、所定期間にわたって前記第3トークンに変換されていない第2トークンの数を、第2トークンに関連付けられている前記第2コンテンツの種別ごとに分析してもよい。
【0014】
前記第2トークンを所有するユーザは、前記第2トークンを販売可能であり、前記第2トークンが販売されたことに応じて、前記第2トークンの所有者が販売先のユーザに移転し、前記ブロックチェーンを参照し、ユーザが所有している前記第2トークンを特定し、当該第2トークンに関連付けられている前記第2コンテンツの種別を特定し、特定した前記第2コンテンツの種別に基づいて、当該ユーザが前記第3トークンへの変換に必要な、当該ユーザが所有していない前記第2コンテンツの種別に対応する第2トークンを特定し、前記ブロックチェーンを参照し、特定した種別に対応する前記第2トークンを所有している他のユーザを特定し、当該ユーザに対し、特定した種別に対応する第2トークンを当該他のユーザから購入するための情報を通知する通知部を有してもよい。
【0015】
前記第2トークンを所有するユーザは、前記第2トークンを販売可能であり、前記第2トークンが販売されたことに応じて、前記第2トークンの所有者が販売先のユーザに移転し、前記第2取得部は、前記第1トークン又は前記第2トークンの販売履歴を示す販売履歴情報を取得し、前記分析部は、前記販売履歴情報に基づいて、前記第1トークン又は前記第2トークンの販売数を分析してもよい。
【0016】
本発明の第2の態様に係る情報処理方法は、コンピュータが実行する、第1事業者が運営する店舗がユーザに付与する非代替性トークンであって、第1コンテンツと関連付けられた前記非代替性トークンである第1トークンの、ブロックチェーン上における所有者の移転状況を示す移転情報を取得するステップと、取得した前記移転情報に基づいて、複数の第1トークンのうち、ユーザに移転した第1トークンを特定するステップと、第2事業者が提供するサービスであって、前記第1トークンを、前記第1コンテンツと異なる第2コンテンツと関連付けられた非代替性トークンである第2トークンに変換するサービスにおける、前記第1トークンと前記第2トークンとの変換履歴を示す変換履歴情報を取得するステップと、取得した前記変換履歴情報に基づいて、前記第1トークンと前記第2トークンとの変換状況を分析するステップと、前記第1トークンと前記第2トークンとの変換状況の分析結果を出力するステップと、を有する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、第1トークンをユーザに付与する事業者が、ユーザの第1トークンの使用状況を把握しやすくすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】情報処理装置の概要を示す図である。
図2】情報処理装置の機能構成を示す図である。
図3】トークンの変換を説明する図である。
図4】第1トークンのデータ構造の一例を示す図である。
図5】第2トークンのデータ構造の一例を示す図である。
図6】第1変換履歴情報の一例を示す図である。
図7】第3トークンのデータ構造の一例を示す図である。
図8】第2変換履歴情報の一例を示す図である。
図9】分析結果画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[情報処理装置1の概要]
図1は、情報処理装置1の概要を示す図である。情報処理装置1は、第1事業者が運営する所定の店舗がユーザに付与する非代替性トークン(NFT:Non-Fungible Token)の他の非代替性トークンへの変換状況を分析するコンピュータである。以下、非代替性トークンをNFTともいう。
【0020】
情報処理装置1は、NFT管理システム2と、第1事業者が使用する事業者端末3とに、インターネットや携帯電話回線等の通信ネットワークを介して通信可能に接続されている。NFT管理システム2は、NFTを管理するための情報処理システムであり、ユーザに対してNFTを付与したり、ユーザ間でのNFTの売買を仲介したりする。NFT管理システム2が管理するNFTの所有者は、所定のブロックチェーン5において管理される。NFT管理システム2が管理するNFTには、第1トークンと、第2トークンとが含まれる。
【0021】
第1トークンは、第1事業者が運営する店舗がユーザに付与するNFTであって、第1コンテンツと関連付けられたNFTである。第1コンテンツは、例えば、第1事業者と異なる第2事業者が提供するサービスであって、第1トークンを第2トークンに変換する変換サービス(例えばガチャサービス)を利用する権利を示す抽選権(例えばガチャ券)である。
【0022】
第2トークンは、第1コンテンツと異なる第2コンテンツと関連付けられたNFTである。第2コンテンツは、例えば、特典と交換するためのアイテムである。ユーザは、自身に付与された第1トークンを使用して、第2事業者が提供する変換サービスを利用することにより、第2トークンを取得することができる。すなわち、ユーザは、店舗から付与された第1トークンを使用して変換サービスを利用することにより、第1トークンを第2トークンに変換することができる。NFT管理システム2は、第1トークンと第2トークンとの変換履歴を記憶する。
【0023】
情報処理装置1は、第1トークンの第2トークンへの変換状況を分析するにあたり、まず、NFT管理システム2を参照して、第1トークンのブロックチェーン5における所有者の移転状況を示す移転情報を取得する(図1における(1))。情報処理装置1は、取得した複数の第1トークンのうち、ユーザに移転した第1トークンである移転済第1トークンを特定する(図1における(2))。
【0024】
情報処理装置1は、変換サービスにおける移転済第1トークンと第2トークンとの変換履歴を示す変換履歴情報をNFT管理システム2から取得する(図1における(3))。情報処理装置1は、取得した変換履歴情報に基づいて、移転済第1トークンと第2トークンとの変換状況を分析し(図1における(4))、当該分析結果を示す分析結果情報を事業者端末3に出力する(図1における(5))。
【0025】
このように、情報処理装置1は、第1事業者と異なる第2事業者が提供する変換サービスにより、第1トークンが第2トークンに変換された状況を事業者端末3に出力することから、第1トークンをユーザに付与する事業者が、ユーザの第1トークンの使用状況を把握しやすくすることができる。
【0026】
[情報処理装置1の機能構成]
続いて、情報処理装置1の構成の詳細を説明する。図2は、情報処理装置1の機能構成を示す図である。情報処理装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを有する。
【0027】
通信部11は、インターネットや携帯電話回線等の通信ネットワークを介してNFT管理システム2及び事業者端末3等の外部装置とデータを送受信するための通信インターフェースである。
【0028】
記憶部12は、各種のデータを記憶する記憶媒体であり、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及びハードディスク等を有する。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを記憶する。記憶部12は、制御部13を、第1取得部131、特定部132、第2取得部133、分析部134、出力部135及び通知部136として機能させるプログラムを記憶する。
【0029】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部13は、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、第1取得部131、特定部132、第2取得部133、分析部134、出力部135及び通知部136として機能する。
【0030】
[トークンの変換の流れ]
制御部13の機能の詳細を説明するにあたり、トークンの変換について説明する。図3は、トークンの変換を説明する図である。図3に示すように、まず、ユーザが、第1事業者が運営する所定の店舗において商品を購入し、ユーザ端末4を用いて決済を行う(図3における(1))。ユーザがユーザ端末4を用いて決済を行ったことに応じて、NFT管理システム2により、所定の店舗からユーザに対して第1トークンが付与される(図3における(2))。
【0031】
図4は、第1トークンのデータ構造の一例を示す図である。図3に示す第1トークンにおいては、第1トークンを識別するためのトークン識別情報としてのトークンIDと、第1トークンの所有者の識別情報と、ユーザが第1トークンを所有し始めた日時を示す所有開始日時とが少なくとも関連付けられている。
【0032】
図3に説明を戻す。NFT管理システム2により、ユーザに対して第1トークンが付与されたことに応じて、第1トークンのトークンIDに関連付けられる所有者の識別情報が、所定の店舗を示す識別情報を示す店舗IDから、ユーザのユーザIDに変更されるとともに、所有開始日時がユーザに対して第1トークンが付与された日時に書き替えられる。
【0033】
また、NFT管理システム2により第1トークンがユーザに付与されたことに応じて、当該第1トークンの所有者が所定の店舗からユーザに移転し、ブロックチェーン5に、第1トークンの所有者が所定の店舗からユーザに移転したことを示すトランザクションデータが記憶される。トランザクションデータには、第1トークンのトークンIDと、当該第1トークンの所有者が移転する前の当該第1トークンの所有者の識別情報である店舗IDと、当該第1トークンの所有者が移転した後の当該第1トークンの所有者の識別情報であるユーザIDと、第1トークンの所有者が移転した日時を示す移転日時情報とが含まれる。
【0034】
続いて、ユーザが第1トークンを使用して変換サービスを利用したことに応じて、第1トークンが第2トークンに変換される(図3における(3))。第2トークンは、店舗で利用可能な特典の付与を受けるために使用可能なトークンである。第2トークンには、特典と交換するための複数の種別の第2コンテンツとしてのアイテムのいずれかが関連付けられている。
【0035】
図5は、第2トークンのデータ構造の一例を示す図である。図5に示す第2トークンにおいては、第2トークンを識別するためのトークン識別情報としてのトークンIDと、第2トークンに関連付けられているアイテム(第2コンテンツ)の種別と、第2トークンの所有者の識別情報と、ユーザが第2トークンを所有し始めた日時を示す所有開始日時とが少なくとも関連付けられている。例えば、アイテムの複数の種別は、所定の店舗が販売する商品を構成する複数の部材を示している。例えば、所定の店舗が牛丼の販売チェーンである場合、複数の種別は、商品としての牛丼を構成する「牛肉」、「ご飯」、「紅ショウガ」、「器」である。
【0036】
図3に説明を戻す。第1トークンが第2トークンに変換されたことに応じて、第2トークンのトークンIDに関連付けられる所有者の識別情報が、所定の店舗を示す識別情報を示す店舗IDから、ユーザのユーザIDに変更されるとともに、所有開始日時が第2トークンに変換された日時に書き替えられる。
【0037】
また、NFT管理システム2は、第1トークンが第2トークンに変換されたことに応じて、第1トークンと第2トークンとの変換履歴を示す第1変換履歴情報を自身の記憶部に記憶させる。図6は、第1変換履歴情報の一例を示す図である。図6に示すように、第1変換履歴情報は、第1トークンの第2トークンへの変換時における第1トークンの所有者のユーザIDと、第1トークンを識別するためのトークンIDである第1トークンIDと、第2トークンを識別するためのトークンIDである第2トークンIDと、第1トークンが第2トークンに変換された日時を示す第1変換日時情報とを少なくとも関連付けた情報である。
【0038】
図3に説明を戻す。交換サービスは、上述したように第1トークンを第2トークンに変換するだけでなく、複数の第2トークンを使用することにより、当該複数の第2トークンを、所定の店舗で利用可能な特典の付与を受けるために使用可能なトークンである第3トークンに変換するサービスである。
【0039】
ユーザは、例えば、第2事業者が提供するトークンの交換サービスを利用することにより、自身が所有する複数の種別それぞれのアイテムに関連付けられている第2トークンを第3トークンに変換することができる(図3における(4))。図7は、第3トークンのデータ構造の一例を示す図である。図7に示す第3トークンにおいては、第3トークンのトークンIDと、第3トークンが使用されたか否かを示す使用フラグと、第3トークンの所有者の識別情報と、ユーザが第3トークンを所有し始めた日時を示す所有開始日時とが少なくとも関連付けられている。使用フラグには、第3トークンが使用されていないことを示す値である「0」、又は第3トークンが使用されたことを示す値である「1」が格納される。第2トークンとの交換により第3トークンがユーザに付与された時点において、使用フラグの値は「0」であるものとする。
【0040】
例えば、所定の店舗が牛丼の販売チェーンである場合、ユーザは、全ての種別それぞれのアイテムに関連付けられている複数の第2トークンをまとめて使用することにより、第3トークンに変換することができる。すなわち、ユーザは、「牛肉」が関連付けられている複数の第2トークンを1つのセットとし、交換サービスを介して、当該第2トークンのセットを第3トークンと交換することができる。同様に、ユーザは、「ご飯」が関連付けられている複数の第2トークン、「紅ショウガ」が関連付けられている複数の第2トークン、又は「器」が関連付けられている複数の第2トークンを1つのセットとし、交換サービスを介して、当該第2トークンのセットを第3トークンと交換することができる。この場合、アイテムごとに、第3トークンと交換可能な複数の第2トークンの数を異ならせてもよい。
【0041】
NFT管理システム2は、第2トークンと第3トークンとの変換履歴を示す第2変換履歴情報を記憶する。図8は、第2変換履歴情報の一例を示す図である。図8に示すように、第2変換履歴情報は、第3トークンに変換された複数の第2トークンを所有していた所有者のユーザIDと、当該複数の第2トークンそれぞれの第2トークンIDと、当該第3トークンを識別するためのトークンIDである第3トークンIDと、第2トークンが第3トークンに変換された日時である変換日時を示す第2変換日時情報とを少なくとも関連付けた情報である。
【0042】
ユーザは、例えば、所定の店舗において自身が所有する第3トークンを使用することにより、第3トークンを特典としての商品と引き換えることができる(図3における(5))。例えば、ユーザが、所定の店舗において、ユーザ端末4を操作することにより、自身が所有するトークンの使用を受け付ける受付画面であって、第3トークンを使用する使用ボタンを含む受付画面を表示させる。例えば所定の店舗の店員が受付画面を確認し、店員又はユーザが当該受付画面において使用ボタンを押下すると、第3トークンの第3トークンIDを含む使用情報がNFT管理システム2に送信される。NFT管理システム2は、使用情報を受信すると、ブロックチェーン5において、当該使用情報に含まれているトークンIDに関連付けられている使用フラグの値を、第3トークンが使用されていないことを示す値から、第3トークンが使用されたことを示す値に更新する。
【0043】
また、NFT管理システム2は、第3トークンの所有者のユーザIDと、第3トークンの第3トークンIDと、当該第3トークンが使用された日時を示す使用日時情報とを関連付けた使用履歴情報を自身の記憶部に記憶させる。なお、NFT管理システム2は、使用情報を受信すると、第3トークンのトークンIDに関連付けられている第3トークンの所有者の識別情報をユーザのユーザIDから、第3トークンが使用されたこと管理する管理用のユーザのユーザIDに変更してもよい。
【0044】
なお、図示は省略するが、第1トークン、第2トークン又は第3トークンの所有者は、これらのトークンを他のユーザに販売することができる。第1トークン、第2トークン及び第3トークンの販売は、例えば、NFT管理システム2を介して実現される。NFT管理システム2は、第1トークン、第2トークン又は第3トークンが販売されたことに応じて、第1トークン、第2トークン又は第3トークンの所有者を、販売元のユーザから、販売先のユーザに移転するとともに、第1トークン、第2トークン又は第3トークンの販売履歴を示す販売履歴情報を自身の記憶部12に記憶させる。
【0045】
[制御部13の機能の詳細]
続いて、制御部13の機能の詳細について説明する。
第1取得部131は、第1事業者が運営する所定の店舗がユーザに付与する非代替性トークンであって、第1コンテンツと関連付けられた第1トークンの、ブロックチェーン5における所有者の移転状況を示す移転情報を取得する。例えば、第1取得部131は、NFT管理システム2を介して、ブロックチェーン5から、全ての第1トークンそれぞれに対応し、第1トークンの所有者が移転した日時を示す移転日時情報を含むトランザクションデータを移転情報として取得する。
【0046】
特定部132は、第1取得部131が取得した移転情報に基づいて、複数の第1トークンのうち、ユーザに移転した第1トークンである移転済第1トークンを特定する。例えば、特定部132は、第1取得部131が取得した移転情報としてのトランザクションデータに基づいて、全ての第1トークンそれぞれの現在の所有者を特定する。そして、特定部132は、現在の所有者が所定の店舗とは異なる第1トークンを、移転済第1トークンとして特定する。
【0047】
なお、特定部132は、移転情報に基づいてユーザに移転した第1トークンである移転済第1トークンを特定したが、これに限らない。特定部132は、ブロックチェーン5において第1トークンのトークンIDに関連付けられている所有者の識別情報を参照することにより、現在の所有者が所定の店舗とは異なる第1トークンを、移転済第1トークンとして特定してもよい。
【0048】
また、特定部132は、第1トークンの発行数を特定する。例えば、特定部132は、取得したトランザクションデータに含まれる異なる第1トークンIDの数を集計することにより、第1トークンの発行数を特定する。
【0049】
第2取得部133は、第2事業者が提供する変換サービスにおける、移転済第1トークンと第2トークンとの変換履歴を示す第1変換履歴情報を取得する。第2取得部133は、例えば、NFT管理システム2から、第1トークンが第2トークンに変換された日時を示す第1変換日時情報を含む第1変換履歴情報を取得する。
【0050】
また、第2取得部133は、変換サービスにおける、複数の第2トークンと第3トークンとの変換履歴を示す第2変換履歴情報を取得する。第2取得部133は、例えば、NFT管理システム2から、第2変換履歴情報を取得する。
【0051】
また、第2取得部133は、店舗における第3トークンの使用履歴を示す使用履歴情報を取得する。例えば、第2取得部133は、例えば、NFT管理システム2から、使用履歴情報を取得する。また、第2取得部133は、第1トークン、第2トークン又は第3トークンの販売履歴を示す販売履歴情報を取得する。例えば、第2取得部133は、例えば、NFT管理システム2から、販売履歴情報を取得する。
【0052】
分析部134は、第2取得部133が取得した第1変換履歴情報に基づいて、移転済第1トークンと第2トークンとの変換状況を分析する。分析部134は、移転済第1トークンの数と、第2トークンに引き換えられた移転済第1トークンの数との関係を分析する。例えば、分析部134は、移転済第1トークンの数に対する、第2トークンに引き換えられた移転済第1トークンの数の割合である移転済第1トークンの変換率を算出する。
【0053】
また、分析部134は、第1トークンの発行数と、第2トークンに引き換えられた第1トークン(移転済第1トークン)との関係を分析する。例えば、分析部134は、第1トークンの発行数に対する、第2トークンに引き換えられた移転済第1トークンの数の割合である発行済第1トークンの変換率を算出する。
【0054】
また、分析部134は、第1取得部131が取得した移転情報としてのトランザクションデータと、第2取得部133が取得した第1変換履歴情報とに基づいて、所定期間にわたって第2トークンに変換されていない移転済第1トークンの数を分析する。例えば、分析部134は、移転情報としてのトランザクションデータと、第1変換履歴情報とに基づいて、第2トークンに変換されていない移転済第1トークンのトークンIDを特定する。続いて、分析部134は、特定した移転済第1トークンのトークンIDに対応するトランザクションデータに含まれる移転日時情報を参照し、第2トークンに変換されていない移転済第1トークンのうち、所有者がユーザに移転してからの経過時間が所定期間よりも長い第1トークンを、滞留第1トークンと特定する。分析部134は、移転済第1トークンの数に対する、滞留第1トークンの数を第1トークン滞留率として特定してもよい。
【0055】
また、分析部134は、第2取得部133が取得した第2変換履歴情報に基づいて、複数の第2トークンと第3トークンとの変換状況を分析する。例えば、分析部134は、複数の種類それぞれの第2トークンの発行数に対する、第3トークンに変換された第2トークンの数の割合である第2トークン変換率を算出する。
【0056】
また、分析部134は、第2取得部133が取得した第1変換履歴情報及び第2変換履歴情報に基づいて、所有者がユーザであるとともに、所定期間にわたって第3トークンに変換されていない第2トークンの数を分析する。例えば、分析部134は、第1変換履歴情報と、第2変換履歴情報とに基づいて、第1トークンに変換された第2トークンのうち、第3トークンに変換されていない第2トークンのトークンIDを特定する。続いて、分析部134は、特定した第2トークンのトークンIDに対応する第1変換履歴情報に含まれる第1変換日時情報を参照し、第3トークンに変換されていない第2トークンのうち、ユーザが所有を開始してからの経過時間が所定期間よりも長い第2トークンを滞留第2トークンと特定する。そして、分析部134は、当該特定した滞留第2トークンの数を特定する。分析部134は、第1トークンから変換された第2トークンの数に対する、滞留第2トークンの数を第2トークン滞留率として特定してもよい。
【0057】
ここで、分析部134は、所有者がユーザであるとともに、所定期間にわたって第3トークンに変換されていない第2トークンの数(滞留第2トークンの数)を、当該第2トークンに関連付けられている第2コンテンツの種別ごとに分析してもよい。例えば、分析部134は、第2コンテンツの種別ごとに、滞留第2トークンの数を特定する。このようにすることで、分析者は、どの種別の第2コンテンツに関連付けられている第2トークンが第3トークンに変換されていないのかを特定することができる。
【0058】
また、分析部134は、第2変換履歴情報と、使用履歴情報とに基づいて、第2トークンと交換された複数の第3トークンの数と、特典の付与を受けるために所定の店舗で使用された第3トークンの数との関係を分析する。例えば、分析部134は、第2トークンと交換された複数の第3トークンの数に対する、所定の店舗で使用された第3トークンの数の割合である、第3トークン使用率を算出する。
【0059】
また、分析部134は、第2取得部133が取得した販売履歴情報に基づいて、第1トークン、第2トークン、又は第3トークンの販売数を分析する。例えば、分析部134は、移転済第1トークンの数に対する、販売された第1トークンの数を第1トークンの流通率として算出する。同様に分析部134は、第1トークンから変換された第2トークンの数に対する、販売された第2トークンの数を第2トークンの流通率として算出し、第2トークンから変換された第3トークンの数に対する、販売された第3トークンの数を第3トークンの流通率として算出する。
【0060】
出力部135は、分析部134による分析結果を示す分析結果情報を出力する。例えば、出力部135は、事業者端末3から、分析結果情報の取得要求を取得したことに応じて、分析結果情報として、分析部134が分析した各種の情報を示す分析結果画面を出力する。図9は、分析結果画面の一例を示す図である。図9には、分析部134が分析した各種の情報が表示されていることが確認できる。なお、図9では、各種の情報をリスト形式で示しているが、これに限らず、円グラフ等のグラフを用いて分析結果が示されていてもよい。
【0061】
通知部136は、ブロックチェーン5を参照し、ユーザが所有している第2トークンを特定し、当該第2トークンに関連付けられている第2コンテンツの種別を特定する。そして、通知部136は、特定した第2コンテンツの種別に基づいて、当該ユーザが第3トークンへの変換に必要な、当該ユーザが所有していない第2コンテンツの種別に対応する第2トークンを特定する。
【0062】
通知部136は、ブロックチェーン5を参照し、特定した種別に対応する第2トークンを所有している他のユーザを特定する。ここで、通知部136は、特定した種別に対応する第2トークンを、他の種別に対応する第2トークンに対して多く保有している他のユーザを特定してもよい。そして、通知部136は、当該ユーザに対し、特定した種別に対応する第2トークンを当該他のユーザから購入するための情報を通知するとともに、当該他のユーザに対し、特定した種別に対応する第2トークンを当該ユーザに販売するための情報を通知する。
【0063】
例えば、通知部136は、当該ユーザに対し、特定した種別に対応する第2トークンを当該他のユーザが保持しており、当該ユーザが当該他のユーザからの購入を希望するか否かを受け付ける受付画面を当該ユーザのユーザ端末4に送信する。同様に、当該他のユーザに対し、特定した種別に対応する第2トークンの当該ユーザへの販売を希望するか否かを受け付ける受付画面を、当該他のユーザのユーザ端末4に送信する。その後、ユーザと他のユーザとが特定した種別に対応する第2トークンの売買を希望したことに応じて、NFT管理システム2を介して、当該ユーザと他のユーザとの間での第2トークンの売買が行われる。このようにすることで、ユーザが、自身が所望する種別に対応する第2トークンを所有できる確率を高めることができるとともに、他のユーザが、余っている当該種別に対応する第2トークンを販売できる確率を高めることができる。
【0064】
[変形例1]
上述の実施の形態では、ユーザが、第2トークンを使用することにより、複数の第2トークンが、店舗で利用可能な特典の付与を受けるために使用可能な第3トークンに変換されることとしたが、これに限らない。ユーザが第2トークンを使用することにより、店舗で利用可能な特典の付与を直接受けられるものであってもよい。この場合、第2取得部133は、所定の店舗における特典の付与を受けるために使用された第2トークンの使用履歴を示す使用履歴情報を取得してもよい。そして、分析部134は、第2取得部133が取得した第1変換履歴情報と使用履歴情報とに基づいて、第1トークンと交換された複数の第2トークンの数と、特典の付与を受けるために使用された第2トークンの数との関係を分析してもよい。例えば、分析部134は、第1トークンと交換された複数の第2トークンの数に対する、特典の付与を受けるために使用された第2トークンの数の割合である、第2トークン使用率を算出する。このようにすることで、例えば、情報処理装置1は、第2トークンがどの程度特典と交換されているのかを事業者が確認しやすくすることができる。
【0065】
[変形例2]
また、上述の実施形態において、第1トークンと変換される第2トークンは、第1トークンとは異なるものであることとしたが、これに限らない。例えば、第1トークンに対して、予め第2コンテンツの内容を、ユーザが確認できない状態で関連付けておいてもよい。そして、ユーザが第1トークンを使用して変換サービスを利用したことに応じて、第1トークンに関連付けられている第2コンテンツの内容をユーザが確認できる状態に変更してもよい。そして、このように、第1トークンが、あたかも第1トークンと異なる第2トークンに変換されるように演出することが、第1トークンが第2トークンに変換される一例に含まれてもよい。
【0066】
[情報処理装置1による効果]
以上説明したように、本実施の形態に係る情報処理装置1は、第1事業者が運営する店舗がユーザに付与する第1トークンの、ブロックチェーン上における所有者の移転状況を示す移転情報を取得し、当該移転情報に基づいて、複数の第1トークンのうち、ユーザに移転した第1トークンである移転済第1トークンを特定する。そして、情報処理装置1は、第2事業者が提供するサービスであって、移転済第1トークンを第2トークンに変換するサービスにおける、移転済第1トークンと第2トークンとの変換履歴を示す変換履歴情報を取得し、当該変換履歴情報に基づいて分析した、移転済第1トークンと第2トークンとの変換状況の分析結果を出力する。このようにすることで、情報処理装置1は、第1トークンをユーザに付与する事業者が、ユーザの第1トークンの使用状況を把握しやすくことができる。
【0067】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0068】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0069】
1 情報処理装置
2 NFT管理システム
3 事業者端末
4 ユーザ端末
5 ブロックチェーン
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 第1取得部
132 特定部
133 第2取得部
134 分析部
135 出力部
136 通知部

【要約】
【課題】第1トークンをユーザに付与する事業者が、ユーザの第1トークンの使用状況を把握しやすくする。
【解決手段】情報処理装置1は、第1事業者が運営する店舗がユーザに付与する第1トークンの、ブロックチェーン上における所有者の移転状況を示す移転情報を取得する第1取得部131と、移転情報に基づいて、複数の第1トークンのうち、ユーザに移転した第1トークンである移転済第1トークンを特定する特定部132と、第2事業者が提供するサービスであって、移転済第1トークンを第2トークンに変換するサービスにおける、移転済第1トークンと第2トークンとの変換履歴を示す変換履歴情報を取得する第2取得部133と、変換履歴情報に基づいて、移転済第1トークンと第2トークンとの変換状況を分析する分析部134と、分析部134による分析結果を出力する出力部135と、を有する。
【選択図】図2

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9