(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-07
(45)【発行日】2024-08-16
(54)【発明の名称】ゴルフフェース面照準システム
(51)【国際特許分類】
A63B 53/00 20150101AFI20240808BHJP
A63B 53/04 20150101ALI20240808BHJP
A63B 102/32 20150101ALN20240808BHJP
【FI】
A63B53/00 G
A63B53/04 H
A63B53/00 H
A63B102:32
(21)【出願番号】P 2020146454
(22)【出願日】2020-09-01
【審査請求日】2023-08-01
(73)【特許権者】
【識別番号】504173437
【氏名又は名称】玉川 雅文
(72)【発明者】
【氏名】玉川 雅文
【審査官】相川 俊
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3000888(JP,U)
【文献】実開平04-120768(JP,U)
【文献】特開2001-178855(JP,A)
【文献】特開2014-026058(JP,A)
【文献】特開2016-140680(JP,A)
【文献】特開2019-067323(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 53/00
A63B 53/04
A63B 102/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズ本体に偏光部材を備える偏光眼鏡と、
ゴルフパタークラブに装着されてパターアドレス時に前記偏光眼鏡を通して視認されるフェース面照準器と、を備え、
前記フェース面照準器は、基材と、この基材上に隣接して設けられた第1及び第2の偏光シート部材とを備え、
前記第1及び第2の偏光シート部材は、
前記偏光眼鏡の偏光部材を通して前記フェース面照準器を視認した状態で、フェース面の中心を通りフェース面に直交するパターヘッドの基線が偏光眼鏡の基線に対して視認左右側へ傾いた時に、
当該フェース面照準器の偏光シート部材の何れかが色濃く視認されて、当該偏光シート部材間に光の濃淡が現れるように構成されており、
パターアドレス時のゴルフプレーヤーが、前記偏光眼鏡を装着した状態で前記フェース面照準器の第1及び第2の偏光シート部材を視認して、当該偏光シート部材間の光の濃淡が消失するようにアドレスを行うことを特徴とするゴルフフェース面照準システム。
【請求項2】
前記第1及び第2の偏光シート部材は、フェース面照準器の基線に並列状に設置され、そのフェース面照準器の基線が前記パターヘッドの基線に対して同一方向又は90゜となるように設けられており、
当該第1及び第2の偏光シート部材の偏光軸が、前記フェース面照準器の基線に対して互いに対称的な角度で傾斜している請求項1に記載のゴルフフェース面照準システム。
【請求項3】
前記第1及び第2の偏光シート部材の偏光軸の傾斜角度は、前記フェース面照準器の基線に対して45°と-45゜である請求項2に記載のゴルフフェース面照準システム。
【請求項4】
前記第1及び第2の偏光シート部材の各々は短冊状に形成されると共に、当該各偏光シート部材が互い違いに並列状に設置され、当該隣接する偏光シート部材間の光の濃淡は縞模様となる請求項1~3のいずれかに記載のゴルフフェース面照準システム。
【請求項5】
前記フェース面照準器の基材における第1及び第2の偏光シート部材が設けられた面は鏡面である請求
項1~4のいずれかに記載のゴルフフェース面照準システム。
【請求項6】
前記鏡面は乱反射加工をされている請求
項5に記載のゴルフフェース面照準システム。
【請求項7】
前記フェース面照準器の基材における第1及び第2の偏光シート部材の下側にバックライトが設けられている請求
項1~4のいずれかに記載のゴルフフェース面照準システム。
【請求項8】
前記基材は、凹面鏡と、この凹面鏡の鏡表面内に設けられた乱反射加工をされた鏡面部を有し、当該凹面鏡の凹部を覆うように前記第1及び第2の偏光シート部材が設けられると共に、当該凹面鏡の縁部分が採光部となっており、
前記採光部及び前記両偏光シート部材から入射した光が、前記凹面鏡及び前記乱反射加工された鏡面部によって反射し前記第1及び第2の偏光シート部材の中心部に集められ、当該両偏光シート部材を透過する請求
項1~4のいずれかに記載のゴルフフェース面照準システム。
【請求項9】
前記フェース面照準器は、ゴルフパターのヘッド又はシャフトに着脱自在に装着され、パターヘッド又はシャフトにフェース面照準器が固定された状態でフェース面照準器の基線をパターヘッドの基線に対して角度調整自在とする取付具を有している請求
項1~8のいずれかに記載のゴルフフェース面照準システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パター用のゴルフクラブのフェース面を目標に向かって正確に方向付けできるゴルフフェース面照準システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ゴルフ場のグリーンでカップ近くまで寄せたゴルフボールをカップに向けて打つ際、パッティングにおいてパターのフェース面をプレーヤーの目標とする方向に正確に向ける必要がある。正しいアドレスでゴルフボールを打とうとしても、特に初心者ではパターのフェース面が傾いてしまい、ゴルフボールが意図しない方向に向かって転がってしまうといったことがある。
【0003】
特許文献1には、パター本体に、ネジにより無段階に回動自在のフェース面部材を取り付けて、ゴルフプレーヤーの癖に合わせてゴルフクラブヘッドの角度調整を可能したものが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されたゴルフクラブでは、ゴルフプレーヤーの癖を修正することはできても、正しいアドレスで目標に向かってフェース面を正確に向けることまではできないといった問題がある。
【0006】
本発明は従来技術の問題点に鑑み、目標に向かってフェース面を簡単かつ正確に向けることができるゴルフフェース面照準システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のゴルフフェース面照準システムは、レンズ本体に偏光部材を備える偏光眼鏡と、ゴルフパタークラブに装着されてパターアドレス時に前記偏光眼鏡を通して視認されるフェース面照準器と、を備え、前記フェース面照準器は、基材と、この基材上に隣接して設けられた第1及び第2の偏光シート部材とを備え、前記第1及び第2の偏光シート部材は、前記偏光眼鏡の偏光部材を通して前記フェース面照準器を視認した状態で、フェース面の中心を通りフェース面に直交するパターヘッドの基線が偏光眼鏡の基線に対して視認左右側へ傾いた時に、当該フェース面照準器の偏光シート部材の何れかが色濃く視認されて、当該偏光シート部材間に光の濃淡が現れるように構成されており、パターアドレス時のゴルフプレーヤーが、前記偏光眼鏡を装着した状態で前記フェース面照準器の第1及び第2の偏光シート部材を視認して、当該偏光シート部材間の光の濃淡が消失するようにアドレスを行うことを特徴とするものである。
【0008】
本発明によれば、パターヘッドの基線が偏光眼鏡の偏光部材の基線に対して視認左右側へ傾いた時に、フェース面照準器の第1及び第2の偏光シート部材の何れかが色濃く視認されて、基材上の隣接する偏光シート部材間に光の濃淡が現れるようになっており、パターを行うゴルフプレーヤーが、フェース面照準器の第1及び第2の偏光シート部材を視認して隣接する偏光シート部材間の、光の濃淡が消失するようにアドレスを行うことによって、パターのフェース面を簡単かつ正確に目標方向に向けることができる。
【0009】
前記第1及び第2の偏光シート部材は、フェース面照準器の基線に並列状に設置され、そのフェース面照準器の基線が前記パターヘッドの基線に対して同一方向又は90゜となるように設けられており、当該第1及び第2の偏光シート部材の偏光軸(直線偏光を通す偏光シートの向き)が、前記フェース面照準器の基線に対して互いに対称的な角度で傾斜していることが好ましい。前記第1及び第2の偏光シート部材の偏光軸の傾斜角度は、前記フェース面照準器の基線に対して45°と-45゜であることが好ましい。
【0010】
例えば、前記第1及び第2の偏光シート部材の各々を短冊状に形成すると共に、当該各偏光シート部材を互い違いに並列状に設置すれば、当該隣接する偏光シート部材間の光の濃淡は縞模様となり、視認し易くなる。
【0011】
前記フェース面照準器の基材における第1及び第2の偏光シート部材が設けられた面を、鏡面としてもよいし、その鏡面を乱反射加工された鏡面としてもよいし、前記フェース面照準器の基材における第1及び第2の偏光シート部材の下側にバックライトを設けてもよい。
【0012】
前記基材は、凹面鏡と、この凹面鏡の鏡表面内に設けられた乱反射加工をされた鏡面部を有するものとし、当該凹面鏡の凹部を覆うように前記第1及び第2の偏光シート部材を設けると共に、当該凹面鏡の縁部分を採光部とし、この採光部及び当該両偏光シート部材から入射した光が、前記凹面鏡及び前記乱反射加工された鏡面部によって反射し当該第1及び第2の偏光シート部材の中心部に集められ、当該両偏光シート部材を透過してもよい。
【0013】
前記フェース面照準器を、ゴルフパターのヘッド又はシャフトに着脱自在に装着し、パターヘッド又はシャフトにフェース面照準器を固定した状態で、フェース面照準器の基線をパターヘッドの基線に対して角度調整自在とする取付具を有するものとしてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、パターヘッドの基線が偏光眼鏡の偏光部材の基線に対して視認左右側へ傾いた時に、フェース面照準器の第1及び第2の偏光シート部材の何れかが色濃く視認されて、基材上の隣接する偏光シート部材間に光の濃淡が現れるようになっており、パターを行うゴルフプレーヤーが、フェース面照準器の第1及び第2の偏光シート部材を視認して、隣接する偏光シート部材間の光の濃淡が消失するようにアドレスを行うことによって、パターのフェース面を簡単かつ正確に目標方向に向けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態に係るゴルフフェース面照準システムを表す図である。
【
図2】ゴルフフェース面照準システムの偏光眼鏡の図である。
【
図3】(a)はフェース面照準器の斜視図である。(b)はフェース面照準器の一部平面図である。
【
図4】フェース面照準器をパターのシャフトに装着した図である。
【
図5】(a)は目標に向かって正確な向きとなった時のフェース面照準器とパターヘッドを、ゴルフプレーヤーが偏光眼鏡を通して視認した図であり、(b)は目標に向かって不正確な向きとなった時のフェース面照準器とパターヘッドを、ゴルフプレーヤーが偏光眼鏡を通して視認した図である。
【
図7】
図6のフェース面照準器をパターヘッドに装着した図である。
【
図8】第1及び第2の偏光シート部材の他の形態を表す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るゴルフフェース面照準システム1を表す図である。本実施形態のゴルフフェース面照準システム1は、偏光眼鏡2と、ゴルフクラブに装着されてパターアドレス時に偏光眼鏡を通して視認されるフェース面照準器3とを備えている。
【0017】
図2はゴルフフェース面照準システム1の偏光眼鏡2の図であり、
図3はフェース面照準器3の斜視図と一部平面図である。偏光眼鏡2は、レンズ本体4に偏光部材5を備えており、
図2のように偏光眼鏡の左右のレンズの中心を結ぶ偏光眼鏡の基線c1(紙面左右方向)は、偏光眼鏡のレンズの偏光部材の偏光軸(直線偏光を通す偏光部材の向き)k1と概ね直交している。
【0018】
図3(a)のようにフェース面照準器3は、基材6と、この基材6の同一表面上に貼り付けられた第1及び第2の偏光シート部材7、8と、ゴルフクラブのシャフトに装着するための装着部材9を備えている。
図3(b)の斜め線は、第1及び第2の偏光シート部材7、8の偏光軸k2、k3を表している。本実施形態の基材6は、第1及び第2の偏光シート部材7、8が貼り付けられた表面を鏡面とした合成樹脂製のものである。基材6を構成する素材や基材の形状、寸法は限定されない。
【0019】
基材6の鏡面とされた同一表面上に貼り付けられた第1及び第2の偏光シート部材7、8は、同じ偏光シートを短冊状にカットして製作したものであり、互い違いに並列状に設置されている。第1及び第2の偏光シート部材7、8は、フェース面照準器の基線c3と同一方向となるように設けられている。第1及び第2の偏光シート部材7、8の偏光軸k2、k3が、基線c3に対して互いに対称的な角度で傾斜している。
【0020】
図3の例では、第1の偏光シート部材7の偏光軸k2は基線c3(
図3(b)紙面左右方向)に対して、左側下がりに45°の角度θ1で傾斜しており、第2の偏光シート部材8の偏光軸k3は基線c3に対して、右側下がりに45°の角度θ2で傾斜している。これら第1及び第2の偏光シート部材7、8の偏光軸k2、k3の傾斜角度θ1、θ2を45°よりも小さく、又は大きくしてもよい。
【0021】
図4はフェース面照準器3をパター20に装着した図である。フェース面照準器3の装着部材9の形態は、シャフト21に着脱自在に構成されていればよい。本実施形態の装着部材9は、
図3(a)のようにリング状部10と、このリング状部10と基材6を連結する支持部11からなる。リング状部10は開閉自在となっており、シャフト21を挟み込んで固定できるようになっている。
【0022】
図5(a)は目標に向かって正確な向きとなった時のフェース面照準器3とパターヘッド22を、ゴルフプレーヤーが偏光眼鏡2を通して視認した図である。フェース面照準器3の基線c3は、パターヘッドの基線c2に同一方向となるように設けられている。パターヘッドの基線c2を、パターアドレス時に偏光眼鏡2の基線c1に平行に合わせると、フェース面照準器3の第1及び第2の偏光シート部材7、8の偏光軸がフェース面照準器の基線c3に対し、互いに対称的な角度で傾斜していることで、偏光眼鏡2の基線c1に対してフェース面照準器3の第1及び第2の偏光シート部材7、8の偏光軸が互いに対称的な角度で傾斜する。フェース面照準器3の第1及び第2の偏光シート部材7、8から出射される別々の偏光成分である反射光の、偏光眼鏡2の偏光部材5を透過する光量が等しくなり、偏光眼鏡2からみて偏光シート部材7、8に光の濃淡は現れない。
【0023】
図5(b)は目標に向かって不正確な向きとなった時のフェース面照準器3とパターヘッド22を、ゴルフプレーヤーが偏光眼鏡2を通して視認した図である。パターヘッドの基線c2が偏光眼鏡2の基線c1に対して左右へ傾いた場合、フェース面照準器3の第1及び第2の偏光シート部材7、8の偏光軸と偏光眼鏡2の偏光部材5との偏光軸との傾きは、一方は前記の対称的な角度より0°に近くなる。この偏光シート部材から出射される偏光成分の反射光の偏光眼鏡2の偏光部材5を透過する光量が増大する。また他方の偏光シート部材の偏光軸と偏光眼鏡2の偏光部材5との偏光軸の傾きは、前記の対称的な角度より90°に近くなり、この偏光シート部材から出射される偏光成分の反射光の偏光眼鏡2の偏光部材5を透過する光量が、減少する。その結果、偏光眼鏡2からみて偏光シート部材7、8に光の濃淡が現れる。
【0024】
図5(b)のように、フェース面照準器3を取り付けたパターヘッドの基線c2が当該偏光眼鏡2の基線c1に対して左右側へ傾き、パターヘッド22のフェース面22aが目標方向に対して不正確である場合、偏光眼鏡2の偏光部材5を通してフェース面照準器3の第1及び第2の偏光シート部材7、8の何れか一方の偏光シート部材(同図では第1の偏光シート部材7)が色薄く視認されて、他方の偏光シート部材(同図では第2の偏光シート部材8)は色濃く視認されて、隣接する偏光シート部材間に光の濃淡が現れるようになっている。本実施形態では、短冊状の第1及び第2の偏光シート部材7、8が、互い違いに並列状に設置されていることから隣接する偏光シート部材間の光の濃淡は縞模様となり、非常に見やすくなる。
【0025】
偏光眼鏡2の偏光部材5を通してフェース面照準器3を視認した状態で、
図5(a)のように第1及び第2の偏光シート部材7、8の偏光シート部材7、8間の光の濃淡が消失するようにパターをアドレスすると、フェース面照準器の第1及び第2の偏光シート部材7、8の偏光軸が偏光眼鏡2の基線c1に対して対称的な角度で傾斜することになり、その結果、パターヘッドの基線c2を偏光眼鏡2の基線c1と平行に合わせることができる。
【0026】
本実施形態のゴルフフェース面照準システム1とすれば、パターヘッドの基線c2が偏光眼鏡2の基線c1に対して視認左右側へ傾いた時に、フェース面照準器の第1及び第2の偏光シート部材7、8の何れかが色濃く視認されて、基材6上の隣接する偏光シート部材7、8間に光の濃淡が現れる。
図1のようにパターを行うゴルフプレーヤー100が、頭部を目標とするホールカップCのある方向に対して90°に向き、偏光眼鏡2を通してフェース面照準器3の第1及び第2の偏光シート部材7、8を視認して、隣接する偏光シート部材7、8間の光の濃淡が消失するように(
図5(a)参照)アドレスを行う。これによって、パターヘッド22のフェース面22aを簡単かつ正確に目標方向に向けることができる。
【0027】
本発明は上記実施形態に限定するものではない。開示した実施形態は本発明に係るゴルフフェース面照準システムの例示であり制限的なものではない。例えば、フェース面照準器の基材における第1及び第2の偏光シート部材の下側にバックライトを設けて、第1及び第2の偏光シート間の光の濃淡をより見やすくしてもよいし、第1及び第2の偏光シート部材7、8が貼り付けられた鏡面を、乱反射加工して反射光の濃淡の差をより見やすくしてもよい。
【0028】
図6はフェース面照準器の他の例を表す図であり、
図7は
図6のフェース面照準器30をパターヘッド22に装着した図である。このフェース面照準器30では、基材31は、凹面鏡32と、この凹面鏡32の凹部内に乱反射する加工をされた鏡面部33とを有している。凹面鏡32の凹部を覆うように第1及び第2の偏光シート部材7、8が設けられている。凹面鏡32の縁部分が採光部34となっている。
【0029】
採光部34及び第1及び第2の偏光シート部材7、8から入射した光は、凹面鏡32と乱反射加工された鏡面部33で反射し当該両偏光シート部7、8材の中心部に集められ、当該両偏光シート部材7、8を透過するようになっている。この場合、入射した光が乱反射して第1及び第2の偏光シート部材7、8を透過するため、ゴルフプレーヤーは隣接する偏光シート部材7、8間の光の濃淡を認識し易くなる。
【0030】
図8は第1及び第2の偏光シート部材7、8の他の形態を表す平面図である。星形の第1の偏光シート部材7の周りが第2の偏光シート部材8で囲われている。この例に表すように、第1及び第2の偏光シート部材7、8の偏光軸k2、k3が基線c3に対して互いに対称的な角度で傾斜していれば、第1及び第2の偏光シート部材7、8の形状は、互いにどのように構成されていてもよい。
【0031】
本実施形態では、フェース面照準器をゴルフパターのシャフトに着脱自在に装着しているが、パターヘッドに着脱自在に設けるようにしてもよい。パターヘッドにフェース面照準器を固定した状態で、フェース面照準器の基線c3をパターヘッドの基線c2に対して角度調整自在とする取付具を有するものとしてもよい。ゴルフフェース面照準システムを構成する偏光眼鏡、フェース面照準器の態様は本発明の効果を損なわない限りにおいて変更可能である。
【符号の説明】
【0032】
1 ゴルフフェース面照準システム
2 偏光眼鏡
3、30 フェース面照準器
4 レンズ本体
5 偏光眼鏡の偏光部材
6、31 基材
7、第1の偏光シート部材
8、第2の偏光シート部材
9 装着部材
10 リング状部材
11 支持部
20 パター
21 シャフト
22 パターヘッド
22a フェース面
32 凹面鏡
33 乱反射加工をされた鏡面部
34 採光部
100 ゴルフプレーヤー
c1 偏光眼鏡の基線
c2 パターヘッドの基線(フェース面の中心を通りフェース面に直角の基線)
c3 フェース面照準器の基線(偏光シート部材の配置方向の基線)
k1 偏光眼鏡の偏光部材の偏光軸
k2、k3 偏光軸(直線偏光を通す偏光シートの向き)
θ1、θ2 偏光軸の傾斜角度
C ホールカップ