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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-07
(45)【発行日】2024-08-16
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20240808BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20240808BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240808BHJP
【FI】
H04N1/00 912
H04N1/00 127B
G06F3/12 360
G06F3/12 303
G06F3/12 367
G06F3/12 373
B41J29/38 201
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2023503732
(86)(22)【出願日】2022-02-22
(86)【国際出願番号】 JP2022007110
(87)【国際公開番号】W WO2022185988
(87)【国際公開日】2022-09-09
【審査請求日】2023-08-24
(31)【優先権主張番号】P 2021034216
(32)【優先日】2021-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114971
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修
(72)【発明者】
【氏名】加藤 亮祐
(72)【発明者】
【氏名】福島 経介
(72)【発明者】
【氏名】金光 重中
(72)【発明者】
【氏名】塚本 康史
(72)【発明者】
【氏名】伊ヶ崎 明彦
【審査官】橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-039406(JP,A)
【文献】特開2007-048303(JP,A)
【文献】特開2012-011698(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 29/38
G06F 3/12
G06Q 10/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置において、
予約者ユーザーによる要求に応じて、前記予約者ユーザーのプリントジョブを予約する予約管理部を備え、
前記予約管理部は、(a)所定期間に実行されたジョブについて前記ジョブの実行時刻および前記ジョブを実行させたユーザーを記録したジョブログを取得し、(b)前記ジョブログに記録されているジョブのうち、前記ユーザーが、前記予約者ユーザーに対して所定の関連性を有するユーザーではないジョブを特定ジョブとして抽出し、(c)前記特定ジョブの実行時刻の時間的分布に基づいて予約タイミングを導出し、(d)導出した前記予約タイミングに実行すべき前記予約者ユーザーのプリントジョブの予約を実行し、
前記関連性を有するユーザーは、前記予約者ユーザーと同一のユーザーグループに属するユーザーであって、前記ユーザーグループは、互いに物理的に近接して活動しているユーザーのユーザーグループであり、
前記互いに物理的に近接して活動しているユーザーは、同一の部屋で活動しているユーザーであること、
を特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記予約管理部は、前記特定ジョブの実行時刻の時間的分布に基づいて、前記期間を分割して得られる所定時間長の時間帯のうち、前記特定ジョブの実行頻度が最も低い時間帯に前記予約者ユーザーのプリントジョブを予約することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記予約管理部は、前記関連性を有するユーザーのジョブ実行頻度に拘わらず予約タイミングを導出することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ある画像形成装置は、ユーザーにより指定された予約時間帯が空きである場合に、ユーザーのジョブの予約をその予約時間帯に対して行っている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-204386号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
新型コロナウイルスなどの感染予防のためにソーシャルディスタンスを確保したいという要求がある。そのため、複数ユーザーによって使用される複合機などといった画像形成装置についても、あるユーザーが画像形成装置を物理的に直接使用しているときに、他のユーザーが(例えばプリント生成物の引き取りのために)画像形成装置の設置場所に来ることは避けるほうが好ましい。
【0005】
上述の画像形成装置では空き時間帯に予約が入れられるものの、予約時間帯が比較的多くのユーザーにより画像形成装置が利用される時間帯である場合、予約したユーザーが、その予約時間帯に画像形成装置を使用しているときに、他のユーザー(リモートからプリントジョブを実行させプリント生成物を引き取りに来たユーザー、前や後の時間帯にジョブを予約しているユーザーなど)に出会う可能性がある。
【0006】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、画像形成装置にプリントジョブを実行させたユーザーがプリント生成物を引き取りにくるときに他のユーザーに出会う確率を低くする画像形成装置および予約管理プログラムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る画像形成装置は、予約者ユーザーによる要求に応じて、前記予約者ユーザーのプリントジョブを予約する予約管理部を備える。そして、前記予約管理部は、(a)所定期間に実行されたジョブについて前記ジョブの実行時刻および前記ジョブを実行させたユーザーを記録したジョブログを取得し、(b)前記ジョブログに記録されているジョブのうち、前記ユーザーが、前記予約者ユーザーに対して所定の関連性を有するユーザーではないジョブを特定ジョブとして抽出し、(c)前記特定ジョブの実行時刻の時間的分布に基づいて予約タイミングを導出し、(d)導出した前記予約タイミングに実行すべき前記予約者ユーザーのプリントジョブの予約を実行する。そして、前記関連性を有するユーザーは、前記予約者ユーザーと同一のユーザーグループに属しているユーザーであって、前記ユーザーグループは、互いに物理的に近接して活動しているユーザーのユーザーグループであり、前記互いに物理的に近接して活動しているユーザーは、同一の部屋で活動しているユーザーである。



【0008】
本発明に係る予約管理プログラムは、コンピューターを、予約者ユーザーによる要求に応じて、画像形成装置における前記予約者ユーザーのプリントジョブを予約する予約管理部として動作させる予約管理プログラムである。前記予約管理部は、(a)所定期間に実行されたジョブについて前記ジョブの実行時刻および前記ジョブを実行させたユーザーを記録したジョブログを取得し、(b)前記ジョブログに記録されているジョブのうち、前記ユーザーが、前記予約者ユーザーに対して所定の関連性を有するユーザーではないジョブを特定ジョブとして抽出し、(c)前記特定ジョブの実行時刻の時間的分布に基づいて予約タイミングを導出し、(d)導出した前記予約タイミングに実行すべき前記予約者ユーザーのプリントジョブの予約を実行する。そして、前記関連性を有するユーザーは、前記予約者ユーザーと同一のユーザーグループに属しているユーザーであって、前記ユーザーグループは、互いに物理的に近接して活動しているユーザーのユーザーグループである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、画像形成装置にプリントジョブを実行させたユーザーがプリント生成物を引き取りにくるときに他のユーザーに出会う確率を低くする画像形成装置および予約管理プログラムが得られる。
【0010】
本発明の上記又は他の目的、特徴および優位性は、添付の図面とともに以下の詳細な説明から更に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置を含む画像形成システムの構成を示す図である。
図2図2は、図1における画像形成装置およびユーザー端末装置の構成を示すブロック図である。
図3図3は、図1および図2に示す画像形成装置1の動作について説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0013】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置を含む画像形成システムの構成を示す図である。図2は、図1における画像形成装置およびユーザー端末装置の構成を示すブロック図である。
【0014】
図1に示すシステムは、複数のユーザーが使用可能な画像形成装置1(複合機、プリンター、コピー機など)と、画像形成装置1に対してネットワーク2などを介してプリントジョブの予約要求を送信するユーザー端末装置3(パーソナルコンピューターなど)とを備える。
【0015】
図2に示すように、画像形成装置1は、複数のユーザーにより使用可能な複合機などであって、プリント装置11、画像読取装置12、操作パネル13、ネットワークインターフェイス14、記憶装置15、およびコントローラー16を備える。
【0016】
プリント装置11は、プリントジョブ要求により指定された画像をプリント用紙に(例えば電子写真方式などで)プリントする内部装置である。画像読取装置12は、原稿から原稿画像を読み取り、その画像データを生成する内部装置である。
【0017】
ユーザー端末装置3からのプリントジョブ要求、画像形成装置1の操作パネル13からのプリントジョブ要求などに基づくプリントジョブは、プリント装置11を使用して実行される。また、画像形成装置1の操作パネル13からのコピージョブ要求などに基づくコピージョブは、画像読取装置12およびプリント装置11を使用して実行される。
【0018】
操作パネル13は、画像形成装置1の筐体表面に配置され、ユーザーに対して各種メッセージを表示する表示装置13aと、ユーザー操作を受け付ける入力装置13bとを備える。表示装置13aとしては例えば液晶ディスプレイなどが使用される。入力装置13bとしては、ハードキー、タッチパネルなどが使用される。
【0019】
操作パネル13は、当該画像形成装置1を物理的直接使用するユーザーに対して操作画面などを表示装置13aで表示するとともに、そのユーザーのユーザー操作を入力装置13bで検出する。
【0020】
ネットワークインターフェイス14は、無線LAN(Local Area Network)、有線LANなどのネットワーク2に接続され、そのネットワーク2に接続された外部の装置(ユーザー端末装置3、図示せぬサーバーなど)とデータ通信を行う通信装置である。
【0021】
また、記憶装置15は、フラッシュメモリー、ハードディスクなどの不揮発性の記憶装置である。記憶装置15には、後述の処理に必要なプログラムやデータなどが記憶されている。
【0022】
また、コントローラー16は、操作パネル13に対するユーザー操作に基づくジョブ要求やネットワークインターフェイス14で外部装置から受信されたジョブ要求に従って、必要に応じてデータ処理を行い、画像形成装置1の内部装置を制御して、要求された各種ジョブ(プリントジョブ、コピージョブ、ファクシミリ送信ジョブなど)を実行する。コントローラー16は、コンピューターを備え、そのコンピューターが、プログラムに従って各種処理部として動作する。ここでは、コントローラー16は、ログイン処理部21、ジョブ管理部22、ジョブログ管理部23、および予約管理部24として動作する。特に、コントローラー16のコンピューターは、予約管理プログラム15aに従って、予約管理部24として動作する。
【0023】
ログイン処理部21は、当該画像形成装置1の起動時に操作パネル13にログイン画面を表示し、操作パネル13のログイン画面に対して入力されたユーザー識別情報(ユーザーID、ユーザーIDおよびパスワードの対など)を特定し、そのユーザー識別情報に基づいて、そのユーザーのユーザー認証処理を実行し、そのユーザーのユーザー認証に成功した場合には、ログインを許可し、各種ジョブ要求を指示するためのメニュー画面を操作パネル13に表示し、そのユーザーのユーザー認証に失敗した場合には、ログインを拒否し、引き続き、ログイン画面を表示する。また、ログイン処理部21は、ログイン後にユーザーがログアウト操作を行った場合には、操作パネル13にログイン画面を再度表示する。
【0024】
なお、ログイン処理部21は、当該画像形成装置1内に記憶されたユーザー登録データ(登録ユーザーのユーザー識別情報や属性情報など)に基づいて上述のユーザー認証を実行してもよいし、ユーザー登録データを管理する外部の認証サーバーにネットワークインターフェイス14を使用してアクセスし、その認証サーバーを使用して上述のユーザー認証を実行してもよい。この認証サーバーは、アクティブディレクトリサーバーなどといったリソース管理サーバーでもよい。
【0025】
また、そのユーザー登録データは、各登録ユーザーについて、ユーザーIDなどのユーザー識別情報、および属性情報(氏名、ユーザーの属するユーザーグループ、メッセージの宛先など)を含む。この実施の形態では、例えば、上述の属性情報は、オフィスで座席が隣接しているユーザー、同一の部屋で活動しているユーザーなどといった、互いに物理的に近接して活動しているユーザーのユーザーグループを示す。
【0026】
ジョブ管理部22は、操作パネル13や、ユーザー端末装置3などの外部装置からのジョブ要求を受け付け、そのジョブ要求により指定されたジョブを、内部装置(プリント装置11など)を使用して実行する。
【0027】
ジョブログ管理部23は、ジョブ管理部22により実行されたジョブのジョブログを所定の不揮発性記憶装置に記憶する。
【0028】
ジョブログは、1つのジョブごとに、ジョブの種別(プリントジョブ、コピージョブ、ファクシミリ送信ジョブ、スキャントゥセンドジョブなど)、ジョブの実行時刻、ジョブを実行させたユーザー(ユーザーIDなど)などを含む。
【0029】
ジョブログが記憶される不揮発性記憶装置は、記憶装置15でもよいし、ネットワーク2上のサーバーでもよい。
【0030】
予約管理部24は、予約者ユーザー(予約をしたいユーザー)によるプリントジョブの予約要求に応じて、予約者ユーザーのプリントジョブを予約する。具体的には、予約管理部24は、そのプリントジョブの予約レコード(プリントジョブを実行すべき予約タイミング、プリントデータ、および予約者ユーザーのユーザーID)を予約データに登録し、その予約タイミングが到来すると、自動的にそのプリントジョブのプリントジョブ要求をジョブ管理部22に出力し、ジョブ管理部22にそのプリントジョブを実行させる。なお、この予約データは、記憶装置15などの所定の不揮発性記憶装置に記憶される。
【0031】
また、予約管理部24は、予約が完了したときに、予約結果情報(予約タイミングなど)を予約者ユーザー(ここでは、予約者ユーザーの操作するユーザー端末装置3)に送信する。
【0032】
具体的には、予約管理部24は、(a)所定期間(後述の所定周期より長い期間)に実行されたジョブについてのジョブログを取得し、(b)そのジョブログに記録されているジョブのうち、ジョブを実行させたユーザーが、予約者ユーザーに対して所定の関連性を有するユーザーではないジョブを特定ジョブとして抽出し、(c)その特定ジョブの実行時刻の時間的分布に基づいて、所定周期(例えば1日、1週間、1か月など)における予約タイミング(プリントジョブを実行すべき時刻や時間帯)を導出し、(d)導出した予約タイミングに実行すべき予約者ユーザーのプリントジョブの予約を実行する。
【0033】
ここで、「関連性を有するユーザー」は、予約者ユーザーと同一のユーザーグループに属するユーザーであって、そのユーザーグループは、互いに物理的に近接して活動しているユーザーのユーザーグループである。各ユーザーの属するユーザーグループは、ユーザー登録データにおける属性情報として設定されており、当該画像形成装置1内の、あるいは上述のサーバー内のユーザー登録データを参照することで、特定される。
【0034】
より具体的には、予約管理部24は、上述の特定ジョブの実行時刻の時間的分布に基づいて、上述の所定周期を分割して得られる所定時間長の時間帯(例えば1日または1週間といった所定周期における1時間単位の時間帯など)のうち、上述の特定ジョブの実行頻度が最も低い時間帯に予約者ユーザーのプリントジョブを予約する。つまり、上述の特定ジョブの実行頻度が最も低い時間帯に、予約タイミングが設定される。したがって、予約者ユーザーが、そのプリントジョブで得られるプリント生成物を引き取りに画像形成装置1まで行く際に、物理的に近接して活動しているユーザー以外の他のユーザーに出会う確率が低くなる。
【0035】
このように、予約管理部24は、上述の「関連性を有するユーザー」のジョブ実行頻度に拘わらず予約タイミングを導出する。つまり、「関連性を有するユーザー」は、予約者ユーザーに対して物理的に近接して活動しているユーザー(例えばオフィスなどで座席が隣接しているユーザーなど)であり、そのようなユーザーとは日常的にソーシャルディスタンス内で活動しており画像形成装置1周辺でのみソーシャルディスタンスを確保する必要性はないため、そのようなユーザーのジョブについては、特定ジョブから除外される。
【0036】
なお、予約管理部24は、予約データを参照して、他のユーザーにより予約されている未実行のジョブを特定し、その未実行ジョブについて、当該他のユーザーが「関連性を有するユーザー」ではない場合には、その未実行のジョブを特定ジョブに含めて、特定ジョブの実行時刻の時間的分布に基づいて、予約タイミングを導出するようにしてもよい。また、当該予約者ユーザーのジョブも特定ジョブから除外される。
【0037】
他方、図2に示すように、ユーザー端末装置3は、ネットワークインターフェイス31、表示装置32、入力装置33、記憶装置34、コントローラー35などを備える。
【0038】
ネットワークインターフェイス31は、無線LAN、有線LANなどのネットワークインターフェイスである。
【0039】
表示装置32は、ユーザーに対して操作画面などを表示する液晶ディスプレイなどといった内部装置である。入力装置33は、ユーザー操作を検出するタッチパネル、キーボードなどといった内部装置である。なお、表示装置32および入力装置33は、ユーザー端末装置3に接続される外部装置としてもよい。
【0040】
記憶装置34は、フラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶装置であって、プログラムやデータを格納している。
【0041】
コントローラー35は、当該ユーザー端末装置3の内部装置を制御したり、各種データ処理を実行する。コントローラー35は、コンピューターを備え、各種プログラムをコンピューターで実行することで各種処理部として動作する。ここでは、コントローラー16は、画像形成装置1用のドライバー41として動作する。
【0042】
ドライバー41は、入力装置33に対するユーザー操作に従って、プリント設定およびプリントすべき画像(画像データ)を特定し、そのプリント設定およびプリントすべき画像を指定したプリントジョブの予約要求を生成し、ネットワークインターフェイス31を使用して、プリントジョブの予約要求を画像形成装置1に送信する。
【0043】
ドライバー41は、画像形成装置1において当該プリントジョブの予約要求に対する予約結果情報(予約タイミングなど)を示す応答メッセージを、ネットワークインターフェイス31を使用して画像形成装置1から受信し、その応答メッセージを表示装置32に表示する。
【0044】
次に、上記画像形成装置1の動作について説明する。図3は、図1および図2に示す画像形成装置1の動作について説明するフローチャートである。
【0045】
画像形成装置1において、ジョブ管理部22は、ユーザーにより要求されたジョブを実行し、ジョブログ管理部23は、実行されたジョブについてのジョブログを生成し所定の記憶装置(記憶装置15など)に記憶する。
【0046】
また、画像形成装置1において、予約管理部24は、プリントジョブの予約要求を受け付けると、その予約要求により示される予約者ユーザー(予約要求を送信したユーザーのユーザーID)およびプリントジョブ(プリント設定およびプリント画像データ)を特定し(ステップS1)、また、所定期間のジョブログをその所定の記憶装置から取得する(ステップS2)。
【0047】
そして、予約管理部24は、記憶装置15や外部サーバーにおけるユーザー登録データを参照し、ユーザー登録データに基づいて、予約者ユーザーに対して所定の関連性を有するユーザー(つまり、同一のユーザーグループに属するユーザー)を特定し、そのジョブログから、その関連性を有するユーザー以外のユーザーのジョブを特定ジョブとして抽出する(ステップS3)。
【0048】
次に、予約管理部24は、ジョブログに基づいて特定ジョブの実行時刻を特定し、特定した特定ジョブの実行時刻に基づく特定ジョブの時間的分布に基づいて、当該予約要求のプリントジョブの予約タイミングを導出し(ステップS4)、その予約タイミングおよびプリントジョブを予約として予約データに登録する(ステップS5)。予約データの登録を完了すると、予約管理部24は、予約結果情報(予約タイミングなど)を示す応答メッセージを、予約要求の送信元(ここでは、ユーザー端末装置3の予約者ユーザー)に送信する。
【0049】
その後、予約タイミングが到来すると、予約管理部24は、予約されたプリントジョブのプリントジョブ要求をジョブ管理部22に出力し、そのプリントジョブをジョブ管理部22に実行させる。その際、予約管理部24は、予約した予約者ユーザーのユーザーIDに対応する宛先を上述のユーザー登録データに基づいて特定し、電子メールなどで、プリントジョブが実行される旨のメッセージをその宛先に送信するようにしてもよい。
【0050】
以上のように、上記実施の形態によれば、予約管理部24は、(a)所定期間に実行されたジョブについてジョブの実行時刻およびジョブを実行させたユーザーを記録したジョブログを取得し、(b)そのジョブログに記録されているジョブのうち、そのユーザーが、予約者ユーザーに対して所定の関連性を有するユーザーではないジョブを特定ジョブとして抽出し、(c)特定ジョブの実行時刻の時間的分布に基づいて予約タイミングを導出し、(d)導出した予約タイミングに実行すべき予約者ユーザーのプリントジョブの予約を実行する。そして、上述の関連性を有するユーザーは、予約者ユーザーと同一のユーザーグループに属するユーザーであって、そのユーザーグループは、互いに物理的に近接して活動しているユーザーのユーザーグループである。
【0051】
これにより、物理的に近接して活動するユーザー以外のユーザーが画像形成装置1周辺にいる確率が高い時間帯を避けてジョブが予約されるため、画像形成装置1にプリントジョブを実行させたユーザーがプリント生成物を引き取りにくるときに、ソーシャルディスタンスを確保すべき他のユーザーに出会う確率が低くなる。
【0052】
なお、上述の実施の形態に対する様々な変更および修正については、当業者には明らかである。そのような変更および修正は、その主題の趣旨および範囲から離れることなく、かつ、意図された利点を弱めることなく行われてもよい。つまり、そのような変更および修正が請求の範囲に含まれることを意図している。
【0053】
例えば、上記実施の形態では、予約管理部24が画像形成装置1内に実装されているが、予約管理部24は、他の装置(ユーザー端末装置3、外部サーバーなど)に実装されていてもよい。その場合、ジョブログは、画像形成装置1から当該他の装置に転送され当該他の装置において記憶されてもよいし、画像形成装置1において記憶され画像形成装置1から当該他の装置に転送されるようにしてもよい。また、予約要求は、ユーザーの操作する装置(ユーザー端末装置3または画像形成装置1)から当該他の装置に転送され、予約タイミング到来時のプリントジョブ要求は、当該他の装置から画像形成装置1に転送される。
【0054】
また、上記実施の形態において、予約管理プログラム15aは、非一時的でコンピューター読取可能な記憶媒体に記憶され、その記憶媒体から当該画像形成装置1(あるいは上述の他の装置)にインストールされるようにしてもよい。
【0055】
また、上記実施の形態において、上述の特定ジョブから、ユーザーが画像形成装置1に物理的に直接近づかなくても済むジョブ種別(例えば、ファクシミリ送信画像をユーザー端末装置3から供給するファクシミリ送信ジョブなど)のジョブを除外するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、例えば、画像形成装置に適用可能である。
図1
図2
図3