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特許7535291商品登録システム、取引管理装置、商品登録方法、取引管理方法、及び受信装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-07
(45)【発行日】2024-08-16
(54)【発明の名称】商品登録システム、取引管理装置、商品登録方法、取引管理方法、及び受信装置
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/00 20060101AFI20240808BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20240808BHJP
【FI】
G07G1/00 311D
G07G1/12 301E
G07G1/00 331C
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020055512
(22)【出願日】2020-03-26
(65)【公開番号】P2021157373
(43)【公開日】2021-10-07
【審査請求日】2023-03-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100145481
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 昌邦
(72)【発明者】
【氏名】ウチュンチュ コライ
【審査官】永安 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-122448(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00 - 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客が所持し、自装置を識別する識別情報を出力する出力装置と、
前記出力装置によって出力される前記識別情報を受信する受信装置と、
商品の取引を管理する取引管理装置と、
を備えた商品登録システムであって、
前記受信装置は、
前記出力装置から前記識別情報を受信した場合、受信した前記識別情報と、自装置のアドレス情報と、受信した前記識別情報の信号強度とを前記取引管理装置へ送信する送信手段を備え、
前記取引管理装置は、
アドレス情報と、信号強度とに応じた収納領域を示す情報を記憶する領域情報記憶手段を参照し、前記受信装置から受信したアドレス情報と信号強度とに基づいて、前記識別情報を出力する前記出力装置が位置する収納領域を特定する領域特定手段と、
収納領域に応じた商品の情報を記憶する商品情報記憶手段を参照し、前記領域特定手段によって特定された収納領域に応じた商品を特定する商品特定手段と、
前記商品特定手段によって特定された商品を、前記出力装置を所持する顧客の購入商品として登録する登録手段と、
を備えることを特徴とする商品登録システム。
【請求項2】
顧客が所持し、自装置を識別する識別情報を出力する出力装置と、
前記出力装置によって出力される前記識別情報を受信する受信装置と、
商品の取引を管理する取引管理装置と、
収納領域に収納される商品の重量を検出し、検出結果を前記取引管理装置へ送信する検出装置と、
を備えた商品登録システムであって、
前記受信装置は、
前記出力装置から受信した前記識別情報と、自装置のアドレス情報とを前記取引管理装置へ送信する送信手段を備え、
前記取引管理装置は、
アドレス情報に応じた収納領域を示す情報を記憶する領域情報記憶手段を参照し、前記受信装置から受信したアドレス情報に基づいて、前記識別情報を出力する前記出力装置が位置する収納領域を特定する領域特定手段と、
収納領域に応じた商品の情報を記憶する商品情報記憶手段を参照し、前記領域特定手段によって特定された収納領域に応じた商品を特定する商品特定手段と、
前記商品特定手段によって特定された商品を、前記出力装置を所持する顧客の購入商品として登録する登録手段と、
を備え、
前記商品情報記憶手段に記憶される商品の情報は、収納領域に応じて収納される各商品の重量に関する情報を含み、
前記商品特定手段は、前記商品情報記憶手段に記憶される重量に関する情報と、前記検出装置から受信した商品の重量とに基づいて、商品の数量を特定し、
前記登録手段は、前記商品特定手段によって特定された商品の数量を、前記出力装置を所持する顧客が購入する商品の数量として登録する、
ことを特徴とする商品登録システム。
【請求項3】
前記商品情報記憶手段に記憶される各商品の重量に関する情報は、各商品の単価を示す情報を含み、
前記商品特定手段は、前記商品情報記憶手段に記憶される前記単価の情報と、前記検出装置から受信した検出結果に基づいて、前記商品特定手段によって特定された商品の購入価格を特定し、
前記登録手段は、前記商品特定手段によって特定された購入価格を、前記出力装置を所持する顧客の購入価格として登録する、
ことを特徴とする請求項2に記載の商品登録システム。
【請求項4】
前記検出装置は、収納領域に複数設けられ、
一の前記検出装置は、他の前記検出装置に載置され、
一の前記検出装置と、他の前記検出装置とは、互いに異なる種別の商品を載置して商品の重量を検出する、
ことを特徴とする請求項2または3に記載の商品登録システム。
【請求項5】
顧客が所持し、自装置を識別する識別情報を出力する出力装置と、
前記出力装置によって出力される前記識別情報を受信する受信装置と、
商品の取引を管理する取引管理装置と、
を備えた商品登録システムであって、
前記受信装置は、
商品棚の近傍に位置する前記出力装置から受信した前記識別情報と、自装置のアドレス情報とを前記取引管理装置へ送信する第1受信装置と、
前記商品棚の中の収納領域に位置する前記出力装置から受信した前記識別情報と、自装置のアドレス情報とを前記取引管理装置へ送信する第2受信装置と、
を含み、
前記取引管理装置は、
アドレス情報に応じた収納領域を示す情報を記憶する領域情報記憶手段を参照し、前記受信装置から受信したアドレス情報に基づいて、前記識別情報を出力する前記出力装置が位置する収納領域を特定する領域特定手段と、
収納領域に応じた商品の情報を記憶する商品情報記憶手段を参照し、前記領域特定手段によって特定された収納領域に応じた商品を特定する商品特定手段と、
前記商品特定手段によって特定された商品を、前記出力装置を所持する顧客の購入商品として登録する登録手段と、
を備える、
ことを特徴とする商品登録システム。
【請求項6】
顧客が所持し、商品に付されたコードの読み取り結果を前記取引管理装置へ送信する携帯端末を備え、
前記取引管理装置は、
前記携帯端末を識別する端末識別情報と、前記出力装置の前記識別情報とを関連付ける関連付け手段を備え、
前記登録手段は、前記商品特定手段によって特定された商品と、前記携帯端末によって読み取られたコードから得られる商品とを、前記出力装置および前記携帯端末を所持する顧客の購入商品として登録する、
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の商品登録システム。
【請求項7】
顧客が所持し、自装置を識別する識別情報を出力する出力装置と、
前記出力装置によって出力された前記識別情報と、自装置のアドレス情報とを取引管理装置へ送信する受信装置と、
商品の取引を管理する前記取引管理装置と、
を備えた商品登録システムに用いられる前記取引管理装置であって、
前記取引管理装置は、
前記受信装置が前記出力装置から前記識別情報を受信することにより、前記受信装置から、前記識別情報と、自装置のアドレス情報と、受信した前記識別情報の信号強度とを受信する受信手段と、
アドレス情報と、信号強度とに応じた収納領域を示す情報を記憶する領域情報記憶手段を参照し、前記受信装置から受信したアドレス情報と信号強度とに基づいて、前記識別情報を出力する前記出力装置が位置する収納領域を特定する領域特定手段と、
収納領域に応じた商品の情報を記憶する商品情報記憶手段を参照し、前記領域特定手段によって特定された収納領域に応じた商品を特定する商品特定手段と、
前記商品特定手段によって特定された商品を、前記出力装置を所持する顧客の購入商品として登録する登録手段と、
を備えることを特徴とする取引管理装置。
【請求項8】
顧客が所持し、自装置を識別する識別情報を出力する出力装置と、
前記出力装置によって出力される前記識別情報を受信する受信装置と、
商品の取引を管理する取引管理装置と、
を備えた商品登録システムの商品登録方法であって、
前記受信装置が、
前記出力装置から前記識別情報を受信した場合、受信した前記識別情報と、自装置のアドレス情報と、受信した前記識別情報の信号強度とを前記取引管理装置へ送信するステップを含み、
前記取引管理装置が、
アドレス情報と、信号強度とに応じた収納領域を示す情報を記憶する領域情報記憶部を参照し、前記受信装置から受信したアドレス情報と信号強度とに基づいて、前記識別情報を出力する前記出力装置が位置する収納領域を特定する領域特定ステップと、
収納領域に応じた商品の情報を記憶する商品情報記憶部を参照し、前記領域特定ステップにおいて特定された収納領域に応じた商品を特定する商品特定ステップと、
前記商品特定ステップにおいて特定された商品を、前記出力装置を所持する顧客の購入商品として登録する登録ステップと、
を含むことを特徴とする商品登録方法。
【請求項9】
顧客が所持し、自装置を識別する識別情報を出力する出力装置と、
前記出力装置によって出力される前記識別情報を受信する受信装置と、
商品の取引を管理する取引管理装置と、
収納領域に収納される商品の重量を検出し、検出結果を前記取引管理装置へ送信する検出装置と、
を備えた商品登録システムの商品登録方法であって、
前記受信装置が、
前記出力装置から受信した前記識別情報と、自装置のアドレス情報とを前記取引管理装置へ送信するステップを含み、
前記取引管理装置が、
アドレス情報に応じた収納領域を示す情報を記憶する領域情報記憶部を参照し、前記受信装置から受信したアドレス情報に基づいて、前記識別情報を出力する前記出力装置が位置する収納領域を特定する領域特定ステップと、
収納領域に応じた商品の情報を記憶する商品情報記憶部を参照し、前記領域特定ステップにおいて特定された収納領域に応じた商品を特定する商品特定ステップと、
前記商品特定ステップにおいて特定された商品を、前記出力装置を所持する顧客の購入商品として登録する登録ステップと、
を含み、
前記商品情報記憶部に記憶される商品の情報は、収納領域に応じて収納される各商品の重量に関する情報を含み、
前記商品特定ステップでは、前記商品情報記憶部に記憶される重量に関する情報と、前記検出装置から受信した商品の重量とに基づいて、商品の数量を特定し、
前記登録ステップでは、前記商品特定ステップにおいて特定された商品の数量を、前記出力装置を所持する顧客が購入する商品の数量として登録する、
ことを特徴とする商品登録方法。
【請求項10】
顧客が所持し、自装置を識別する識別情報を出力する出力装置と、
前記出力装置によって出力される前記識別情報を受信する受信装置と、
商品の取引を管理する取引管理装置と、
を備えた商品登録システムの商品登録方法であって、
前記受信装置が、
商品棚の近傍に位置する前記出力装置から受信した前記識別情報と、自装置のアドレス情報とを前記取引管理装置へ送信する第1送信ステップと、
前記商品棚の中の収納領域に位置する前記出力装置から受信した前記識別情報と、自装置のアドレス情報とを前記取引管理装置へ送信する第2送信ステップと、
を含み、
前記取引管理装置が、
アドレス情報に応じた収納領域を示す情報を記憶する領域情報記憶部を参照し、前記受信装置から受信したアドレス情報に基づいて、前記識別情報を出力する前記出力装置が位置する収納領域を特定する領域特定ステップと、
収納領域に応じた商品の情報を記憶する商品情報記憶部を参照し、前記領域特定ステップにおいて特定された収納領域に応じた商品を特定する商品特定ステップと、
前記商品特定ステップにおいて特定された商品を、前記出力装置を所持する顧客の購入商品として登録する登録ステップと、
を含むことを特徴とする商品登録方法。
【請求項11】
顧客が所持し、自装置を識別する識別情報を出力する出力装置と、
前記出力装置によって出力された前記識別情報と、自装置のアドレス情報とを取引管理装置へ送信する受信装置と、
商品の取引を管理する前記取引管理装置と、
を備えた商品登録システムに用いられる前記取引管理装置の取引管理方法であって、
前記取引管理装置が、
前記受信装置が前記出力装置から前記識別情報を受信することにより、前記受信装置から、前記識別情報と、自装置のアドレス情報と、受信した前記識別情報の信号強度とを受信する受信ステップと、
アドレス情報と、信号強度とに応じた収納領域を示す情報を記憶する領域情報記憶部を参照し、前記受信装置から受信したアドレス情報と信号強度とに基づいて、前記識別情報を出力する前記出力装置が位置する収納領域を特定する領域特定ステップと、
収納領域に応じた商品の情報を記憶する商品情報記憶部を参照し、前記領域特定ステップにおいて特定された収納領域に応じた商品を特定する商品特定ステップと、
前記商品特定ステップにおいて特定された商品を、前記出力装置を所持する顧客の購入商品として登録する登録ステップと、
を含むことを特徴とする取引管理方法。
【請求項12】
顧客が所持し、自装置を識別する識別情報を出力する出力装置と、
前記出力装置によって出力される前記識別情報を受信し、受信した前記識別情報と自装置のアドレス情報とを取引管理装置へ送信する受信装置と、
アドレス情報に応じた収納領域を示す情報を記憶する領域情報記憶手段を参照し、前記受信装置から受信したアドレス情報に基づいて、前記識別情報を出力する前記出力装置が位置する収納領域を特定し、
収納領域に応じた商品の情報を記憶する商品情報記憶手段を参照し、前記特定した収納領域に応じた商品を特定し、
前記特定した商品を、前記出力装置を所持する顧客の購入商品として登録する前記取引管理装置と、
を備えた商品登録システムに用いられる前記受信装置であって、
前記受信装置は、
商品棚の近傍に位置する前記出力装置から受信した前記識別情報と、自装置のアドレス情報とを前記取引管理装置へ送信する第1受信装置と、
前記商品棚の中の収納領域に位置する前記出力装置から受信した前記識別情報と、自装置のアドレス情報とを前記取引管理装置へ送信する第2受信装置と、
を含むことを特徴とする受信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品登録システム、取引管理装置、商品登録方法、取引管理方法、及び受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、客が商品を登録して精算を行う、いわゆるセルフレジシステムが普及している。例えば、携帯端末のカメラ機能を用いて商品に付されたバーコードを読み取り、読取結果をクラウドサーバに送信して、クラウドサーバで客ごとの登録商品を管理し、精算装置で精算を行うセルフレジシステムが知られている。(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-219034号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、顧客にとって、商品のバーコードを携帯端末のカメラで読み取らせる操作が面倒なことや、バーコードを上手く読み取れないことがあるため、顧客にとって商品の登録操作が負荷となり、商品の登録を好適に行えないことがある、という問題があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、商品の登録を好適に行うことができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の一態様である商品登録システムは、顧客が所持し、自装置を識別する識別情報を出力する出力装置と、前記出力装置によって出力される前記識別情報を受信する受信装置と、商品の取引を管理する取引管理装置と、を備えた商品登録システムであって、前記受信装置は、前記出力装置から前記識別情報を受信した場合、受信した前記識別情報と、自装置のアドレス情報と、受信した前記識別情報の信号強度とを前記取引管理装置へ送信する送信手段を備え、前記取引管理装置は、アドレス情報と、信号強度とに応じた収納領域を示す情報を記憶する領域情報記憶手段を参照し、前記受信装置から受信したアドレス情報と信号強度とに基づいて、前記識別情報を出力する前記出力装置が位置する収納領域を特定する領域特定手段と、収納領域に応じた商品の情報を記憶する商品情報記憶手段を参照し、前記領域特定手段によって特定された収納領域に応じた商品を特定する商品特定手段と、前記商品特定手段によって特定された商品を、前記出力装置を所持する顧客の購入商品として登録する登録手段と、を備えることを特徴とする商品登録システムである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態に係るショッピングシステム1のネットワーク構成を示す説明図である。
図2】ショッピングリング60の構成の一例を示す説明図である。
図3】IRレシーバユニット40が配置例を示す説明図である。
図4A】IRレシーバユニット40によってショッピングリング60を検出可能な領域の一例を示す説明図である。
図4B】IRレシーバユニット40によるショッピングリング60の検出例を示す説明図である。
図5】クラウドサーバ20のハードウェア構成の一例を示す説明図である。
図6】クラウドサーバ20が管理する各種情報の一例を示す説明図である。
図7】カート情報の一例を示す説明図である。
図8】ショッピングシステム1における商品の登録および精算の処理の流れを示すシーケンス図である。
図9】クラウドサーバ20が行う商品登録処理の一例を示すフローチャートである。
図10】一の収納領域に、異なる複数の商品が収納される場合のロードセルの配置例を示す説明図である。
図11】メインレシーバユニット400とサブレシーバユニット401とを含むIRレシーバユニット40の斜視図である。
図12】メインレシーバユニット400とサブレシーバユニット401とを含むIRレシーバユニット40の側面図である。
図13】変形例8のショッピングシステム1における商品の登録および精算の処理の流れを示すシーケンス図である。
図14】変形例8にかかる携帯端末70が行う処理の一例を示すフローチャートである。
図15】変形例8にかかるクラウドサーバ20が行う処理の一例を示すフローチャートである。
図16】携帯端末70に表示される画面の一例を示す説明図である。
図17】計量装置の構成の一例を示す説明図である。
図18】携帯端末70における計量商品の登録手順の一例を示す説明図である。
図19】計量装置1700に表示される待機画面の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(実施形態)
(ショッピングシステム1のネットワーク構成)
図1は、実施形態に係るショッピングシステム1のネットワーク構成を示す説明図である。ショッピングシステム1は、商品登録システムの一例であり、いわゆる、セルフレジシステムである。また、本明細書において、「客」、「顧客」、および「ユーザ」は、特に区別して説明しない限り、同義とする。
【0009】
図1において、ショッピングシステム1は、管理装置(ストアコンピュータ、ストアコントローラ)10と、クラウドサーバ20と、精算装置30と、IR(Infrared Radiation)レシーバユニット40と、ロードセル50と、ショッピングリング60とを含む。クラウドサーバ20は、取引管理装置の一例である。IRレシーバユニット40は、受信装置の一例である。ショッピングリング60は、出力装置の一例である。
【0010】
管理装置10と、クラウドサーバ20と、精算装置30と、IRレシーバユニット40と、ロードセル50とは、それぞれ、ネットワークを介して、有線または無線で接続されている。ネットワークは、例えば、LAN(Local Area Network)WAN(Wide Area Network)、インターネットなどである。例えば、管理装置10と、精算装置30と、IRレシーバユニット40と、ロードセル50とは、店舗に設置され、有線回線11を介して、通信可能に接続されている。
【0011】
管理装置10は、精算装置30や、不図示の計量装置など、店舗内に設置される各種装置を管理するコンピュータ装置である。管理装置10は、例えば、商品マスタなどを記憶する。商品マスタは、各商品の商品識別情報(例えばJAN(Japanese Article Number)コード)、商品名称、販売価格などの商品情報を格納するファイルである。
【0012】
クラウドサーバ20は、各店舗において顧客ごとの商品の登録情報や、IRレシーバユニット40が配置されている位置を管理するサーバ装置である。例えば、クラウドサーバ20は、顧客に関する情報や、店舗に関する情報、店舗ごとの商品に関する情報などの各種情報を管理することが可能である。クラウドサーバ20が管理(生成および記憶)する情報の一例については、図6および図7を用いて後述する。
【0013】
精算装置30は、クラウドサーバ20に登録された商品の決済(精算)を行う精算処理(会計処理、決済処理とも称する)を実行することが可能なコンピュータ装置である。精算装置30は、少なくとも精算処理を実行可能であればよく、購入される商品の登録を行う登録処理が可能であってもよい。また、登録処理が可能な精算装置30の場合、例えば、会計を行うモードに設定されることにより、精算を行う。なお、図1において、精算装置30の台数は、複数台を例示しているが、1台であってもよい。
【0014】
ここで、図2を用いて、ショッピングリング60の構成について説明する。図2は、ショッピングリング60の構成の一例を示す説明図である。なお、図2(A)と、図2(B)は、外観が異なる別々のショッピングリング60の一例を示す。図2(A)、図(B)において、ショッピングリング60は、スマートフォンなどの通信機器と通信可能な指輪型のウェアラブル端末である。ショッピングリング60には、例えば、伸縮性のあるバンド101が用いられる。ショッピングリング60には、キャラクタなどがデザインされていてもよい。ショッピングリング60は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、通信部などを備える。また、ショッピングリング60は、ショッピングリング60ごとに固有に割り当てられる顧客識別情報を赤外線通信によって出力するIRエミッタ100を有する。
【0015】
ショッピングリング60は、起動中、IRエミッタ100により、常時、顧客識別情報を出力する。ショッピングリング60は、例えば、店舗が顧客に貸与する貸与品であるが、顧客の所有物であってもよい。ショッピングリング60が顧客の所有物である場合、当該ショッピングリング60には、会員情報(顧客名、購入履歴等)が対応付けられており、ショッピングリング60が検出されることにより、顧客を特定することが可能である。
【0016】
ショッピングリング60は、顧客の指に装着される。また、ショッピングリング60は、右手用と左手用とを用意しておき、顧客の右手と左手とに装着されてもよい。ただし、それぞれのショッピングリング60の顧客識別情報は、同一の顧客識別情報とする。なお、ショッピングリング60の数(稼働中の数)は、来店者数に応じて変化する。図1において、ショッピングリング60は、2台を例示しているが、実際には、数十台や数百台、または、それ以上の台数になることもある。
【0017】
図1に戻り、IRレシーバユニット40は、商品棚の所定の位置に設置され、ショッピングリング60のIRエミッタ100から出力される顧客識別情報を検出する赤外線レシーバである。IRレシーバユニット40は、顧客識別情報を受信すると、受信した顧客識別情報と、自装置を識別するアドレス情報とを、管理装置10を介して、クラウドサーバ20へ送信する。これにより、クラウドサーバ20は、どの顧客がどの位置(商品の付近)に位置するのかを判別することが可能になる。
【0018】
ロードセル50は、商品棚の載置板上に配置され、商品棚に載置される同一商品の全体の重量を検出する検出装置である。ロードセル50は、載置される商品の重量の情報をクラウドサーバ20へ送信する。これにより、クラウドサーバ20は、顧客が取り出した商品の重量を判別することが可能になる。
【0019】
(IRレシーバユニット40の配置の一例)
次に、図3図4Bを用いて、IRレシーバユニット40の配置の一例について説明する。
図3は、IRレシーバユニット40が配置例を示す説明図である。
図4Aは、IRレシーバユニット40によってショッピングリング60を検出可能な領域の一例を示す説明図である。
図4Bは、IRレシーバユニット40によるショッピングリング60の検出例を示す説明図である。
【0020】
図3に示すように、店舗210には、複数の商品棚200a~200dが配置されている。なお、以下において、商品棚200a~200dは、特に区別しない限り、商品棚200と称する。各商品棚200には、商品が収納される。また、各商品棚200には、商品が収納される領域に応じて、IRレシーバユニット40が配置されている。IRレシーバユニット40は、上方と下方とに一対ずつ配置されている。一対のIRレシーバユニット40は、それぞれ、商品棚200から通路側に迫り出すようにして配置されている。
【0021】
IRレシーバユニット40には、それぞれアドレスが割り当てられている。IRレシーバユニット40は、図4Aに示すように、商品棚200の各収納領域A1~F4内のショッピングリング60を検出可能である。各収納領域A1~F4には、収納領域A1~F4ごとに同一の商品が収納されているものとする。具体的には、収納領域A1に商品a1が収納され、収納領域A2に商品a2が収納され、収納領域A3に商品a3が収納されている。
【0022】
一対のIRレシーバユニット40は、商品棚200における縦方向の領域(縦領域A、縦領域B、…、縦領域F)内のショッピングリング60を検出することが可能である。縦領域Aを例に挙げると、図4Bに示すように、一対のIRレシーバユニット40a、40bは、縦領域Aを3分割した、収納領域A1、収納領域A2および収納領域A3に位置するショッピングリング60を検出することが可能である。
【0023】
ここで、IRレシーバユニット40a、40bは、複数のオペアンプ(IC OP-Amp)を有しており、収納領域A1~A3の位置を区別することが可能である。例えば、収納領域A1~A3を区別するために、IRエミッタ100からの距離に応じた電圧閾値が設定されている。本実施形態では、IRエミッタ100から出力される信号がIRレシーバユニット40に直接入射される構成である。設定されている電圧閾値よりも高い電圧が検出された場合に、IRエミッタ100(ショッピングリング60)がIRレシーバユニット40の近くに存在するものと判別することができる。
【0024】
また、環境条件や商品棚200の構造によっては、設定されている電圧閾値よりも低い電圧が検出される場合がある。この場合、当該電圧の信号は、無視されることになる。このように、赤外線の信号強度(電圧)は、赤外線通信に不適な環境では適切に測定できないことがある。このような環境の場合、赤外線方式に代えて又は加えて、超音波センサを用いた方式を適用することも可能である。
【0025】
信号強度は、IRエミッタ100とIRレシーバユニット40との距離に依存する。ここで、第1閾値と、第1閾値よりも小さい第2閾値とが設定されているものとする。例えば、ショッピングリング60が収納領域A1に位置する場合、IRレシーバユニット40aがショッピングリング60から受信する顧客識別情報の信号強度は高く(第1閾値以上)、一方で、IRレシーバユニット40bがショッピングリング60から受信する顧客識別情報の信号強度は低い(第2閾値未満)。また、ショッピングリング60が収納領域B1に位置する場合、IRレシーバユニット40aがショッピングリング60から受信する顧客識別情報の信号強度と、IRレシーバユニット40bがショッピングリング60から受信する顧客識別情報の信号強度とは同程度である(いずれの信号強度も第2閾値以上であり第1閾値未満)。ショッピングリング60が収納領域C1に位置する場合、IRレシーバユニット40aがショッピングリング60から受信する顧客識別情報の信号強度は低く(第2閾値未満)、一方で、IRレシーバユニット40bがショッピングリング60から受信する顧客識別情報の信号強度は高い(第1閾値以上)。
【0026】
IRレシーバユニット40a、40bは、ショッピングリング60から顧客識別情報を受信すると、受信した顧客識別情報とともに信号強度をクラウドサーバ20へ送信する。これにより、クラウドサーバ20は、各顧客(各ショッピングリング60)がどの顧客がどの位置の商品の付近に位置するのかをより詳細に判別することができる。
【0027】
ここで、IRレシーバユニット40によるデータの転送方法について説明する。例えば、店舗210内の全てのIRレシーバユニット40は、クラウドサーバ20と、ワイヤレスで接続されている。例えば、IRレシーバユニット40は、インターネットに接続し、指定のサーバIP(Internet protocol)に、データを直接転送することが可能である。クラウドサーバ20は、IRレシーバユニット40からデータを受信すると、当該データが示す顧客識別情報と信号強度とを保存する。また、精算を行う際には、クラウドサーバ20において処理したデータが用いられる。
【0028】
なお、IRレシーバユニット40は、クラウドサーバ20に直接接続されることに限らない。例えば、IRレシーバユニット40は、店舗210内のローカルサーバ(例えば、管理装置10や他のコンピュータ装置)を介して、クラウドサーバ20と接続されていてもよい。具体的には、店舗210内の全てのIRレシーバユニット40は、ローカルサーバと、ワイヤレスで接続される。IRレシーバユニット40は、インターネットに接続し、ローカルサーバにデータを転送することが可能である。ローカルサーバは、IRレシーバユニット40からデータを受信すると、当該データを処理し、クラウドサーバ20へ送信する。また、精算を行う際には、ローカルサーバにおいて処理したデータが用いられるようにしてもよい。
【0029】
また、IRレシーバユニット40は、有線接続であってもよい。例えば、ワイヤレス接続が不可能である場合や、インターネットの通信速度が低下してしまう場合など、その他様々な問題が発生することがある。このような場合には、有線接続とし、また、管理装置10などによるローカルコンピューティングにより、クラウドサーバ20へデータの転送を行うようにしてもよい。
【0030】
なお、本実施形態では、上下に一対のIRレシーバユニット40を配置することとしたが、上下のうち、いずれか一方にIRレシーバユニット40を配置するようにしてもよい。このようにしたとしても、ショッピングリング60から顧客識別情報を得ることができるとともに、信号強度についても得ることも可能である。
【0031】
また、IRレシーバユニット40は、商品棚200に設置されるほか、ショッピングリング60の返却置き場(以下「返却ボックス」という。)にも設置される。返却ボックスに設置されるIRレシーバユニット40は、ショッピングリング60の返却を検出する。これにより、クラウドサーバ20は、買い物の終了(商品の登録の終了)、および精算の開始を判別することが可能である。
【0032】
本実施形態では、説明の便宜上、収納領域ごとに、一のロードセル50が配置されるものとする。具体的には、収納領域A1には一のロードセルが配置され、収納領域A2には他の一のロードセルが配置されているものとする。また、上述したように、一の収納領域には同一の商品のみが収納されている。このため、ロードセル50は、同一の商品に対して、1対1で配置されている。なお、重さの異なる商品であれば、一のロードセル50でも、いずれの商品が取り出されたのかを検出することは可能である。
【0033】
(クラウドサーバ20のハードウェア構成について)
次に、図5を用いて、クラウドサーバ20のハードウェア構成について説明する。図5は、クラウドサーバ20のハードウェア構成の一例を示す説明図である。
【0034】
図5に示すように、クラウドサーバ20は、CPU501と、ROM502と、RAM503と、メモリ504と、通信部505と、時計506とを備える。各部は、それぞれバス520によって接続されている。
【0035】
CPU501は、クラウドサーバ20の全体の制御を司る。ROM502に記憶されるプログラムは、CPU501にロードされることで、コーディングされている処理をCPU501に実行させる。ROM502は、本実施形態に係る商品登録プログラムなどの各種プログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。
【0036】
なお、本実施形態では、CPU501がプログラムを実行することにより本実施形態に係る画像処理を行うこととしているが、これに限らない。例えば、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)を用いて本画像処理を行うことも可能であるし、ソフトウェアとハードウェアの協働により本画像処理を行うことも可能である。
【0037】
また、プログラムは、予めHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよい。また、プログラムは、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体が記憶媒体I/Fに装着されることでインストールされてもよい。
【0038】
メモリ504は、詳細については図6および図7を用いて後述するが、IRレシーバ情報、収納領域特定テーブル、ロードセル情報、カート情報などの各種データを記憶する。メモリ504には、例えば、フラッシュROMが用いられる。
通信部505は、ネットワークに接続され、管理装置10との間で情報を送受信するインターフェースとして機能する。通信部505は、管理装置10から、IRレシーバユニット40やロードセル50の検出結果を受信する。また、通信部505は、管理装置10へ、精算装置30の精算処理に用いる精算情報を送信する。
時計506は、現在時刻を出力する。また、時計506は、タイマ機能を有する。
【0039】
(クラウドサーバ20が管理する情報の一例)
次に、図6および図7を用いて、クラウドサーバ20が管理する情報の一例について説明する。
図6は、クラウドサーバ20が管理する各種情報の一例を示す説明図である。クラウドサーバ20は、図6に示す、(A)IRレシーバ情報と、(B)領域特定テーブルと、(C)ロードセル情報と、図7に示すカート情報とを含む各種情報を記憶する。
【0040】
(IRレシーバ情報)
図6(A)は、IRレシーバ情報の一例を示す。IRレシーバ情報は、店舗210ごとのIRレシーバユニット40の情報である。図6(A)に示すように、IRレシーバ情報は、店舗識別情報と、アドレス情報との各項目を含む。
【0041】
店舗識別情報は、店舗を識別する情報であり、店(屋号)または企業のコードと、支店のコードとを含む。アドレス識別情報は、各IRレシーバユニット40に固有に割り当てられた、IRレシーバユニット40の配置位置を示す情報である。
【0042】
例えば、アドレス情報が「001a」のIRレシーバユニット40と、アドレス情報が「001b」のIRレシーバユニット40とは、一対のIRレシーバユニット40を示す。具体的には、アドレス情報が「001a」のIRレシーバユニット40は、商品棚αの縦領域Aの上側に配置されることを示す。また、アドレス情報が「001b」のIRレシーバユニット40は、商品棚αの縦領域Aの下側に配置されることを示す。同様に、アドレス情報が「002a」のIRレシーバユニット40と、アドレス情報が「002b」のIRレシーバユニット40とは、一対のIRレシーバユニット40を示す。また、アドレス情報が「9999」のIRレシーバユニット40は、返却ボックスに配置されるIRレシーバユニット40示す。
【0043】
(収納領域特定テーブル)
図6(B)は、収納領域特定テーブルの一例を示す。収納領域特定テーブルは、IRレシーバユニット40の信号強度を用いて、収納領域を特定する際に用いられるテーブルである。図6(B)に示すように、アドレス情報は、図6(A)に示したアドレス情報と同様の情報である。信号強度は、IRレシーバユニット40がショッピングリング60から顧客識別情報を受信した際の信号の強度を示す。信号強度は、IRレシーバユニット40とショッピングリング60との距離が長くなると弱くなり、当該距離が短くなると大きくなる。収納領域は、商品棚200ごとの収納領域を示しており、例えば、図4Aに示した各収納領域A1~F4を示す。
【0044】
具体的に説明すると、IRレシーバ識別情報「001a」の信号強度が「高」である場合、ショッピングリング60が収納領域A1にあることが特定される。なお、このとき、IRレシーバ識別情報「001b」の信号強度が「低」となり、当該信号強度からも、ショッピングリング60が収納領域A1にあることが特定される。
【0045】
(ロードセル情報)
図6(C)は、ロードセル情報の一例を示す。ロードセル情報は、店舗210ごとのロードセル50による計量に関する情報である。図6(C)に示すように、ロードセル情報は、ロードセル識別情報と、収納領域と、商品コードと、商品名と、単位重量と、単価との各項目を含む。ロードセル識別情報は、各ロードセル50に固有に割り当てられた情報である。収納領域は、図6(B)に示した収納領域と同様である。商品コードは、商品の商品識別情報である。商品コードは、例えば、商品に付されているバーコード(JANコード)に対応する情報である。商品名は、商品に付された品名である。単位重量は、購入単位における重量を示す。単価は、購入単位の価格を示す。なお、単価は、例えば精肉などの場合、単位重量(例えば100g)あたりの価格となることもある。
【0046】
なお、本実施形態では、ロードセル50は、収納領域(同一商品)に対して、1対1で配置されている。このため、ロードセル識別情報と、収納領域とは、対応している。言い換えれば、収納領域が特定されると、ロードセル(ロードセル識別情報)も特定されることになる。
【0047】
一例を挙げると、ロードセル識別情報「001c」は、収納領域A1に配置されるロードセル50を示している。具体的には、ロードセル識別情報「001c」は、商品コードが「○○○○」であり、商品名が「○○チョコ」であり、単位重量が「50g/1個」であり、単価が「¥98/1個」であることを示している。
【0048】
(カート情報)
図7は、カート情報の一例を示す説明図である。カート情報は、店舗における顧客の購入に関する情報である。具体的には、カート情報は、カート識別情報と、取引開始日時と、取引終了日時と、顧客識別情報と、登録商品情報とを含む。
カート識別情報は、カート情報を識別するための情報である。具体的には、カート識別情報は、店舗識別情報と、日付と、シリアル番号(例えば、各店舗の日付別のシリアル番号)とを含む。
【0049】
取引開始日時は、取引を開始した日時であり、例えば、当該カート情報の生成日時である。当該カート情報の生成日時は、例えば、IRレシーバユニット40によって初回の顧客識別情報が検出された日時である。なお、当該カート情報の生成日時は、1品目の商品の登録日時(図7に示す登録商品情報(登録商品1)を記憶した日時)としてもよい。
【0050】
取引終了日時は、取引を終了した日時であり、具体的には、精算した日時である。例えば、取引終了日時は、精算を開始した日時であってもよいし、精算を終了した日時であってもよい。
顧客識別情報は、当該取引を行う顧客を識別する情報であり、ショッピングリング60に割り当てられた識別情報である。なお、クラウドサーバ20は、カート情報の生成時に、カート識別情報、取引開始日時、顧客識別情報を生成するものの、実際の取引(精算処理)の前であることから、取引終了日時等の情報については生成しない。
【0051】
登録商品情報(計)は、商品が登録されるごとに更新される情報である。登録商品情報(計)は、品数(商品数)、小計金額、全重量等を含む。登録商品情報(1)は、1品目の商品の登録情報である。なお、図7に示す例では、登録商品情報(2)以降の図示を省略している。登録商品情報(N:Nは整数)は、商品コード、品名(商品名)、価格、重量、日時等を含む。
【0052】
登録商品情報(N)は、当該N品目の商品の登録日時を含む。つまり、クラウドサーバ20は、登録商品情報として、当該登録商品の登録日時を記憶する。各商品の登録日時は、タイムサービス等のサービス適用の要否や適用後の効果の判断材料としても用いてもよい。
【0053】
なお、クラウドサーバ20は、自装置内のメモリ504にカート情報を記憶することに代えて又は加えて他の装置(クラウドサーバ20がアクセス可能なファイルサーバ等)にカート情報の一部または全部を記憶してもよい。
【0054】
(ショッピングシステム1における商品の登録および精算の処理の一例)
図8は、ショッピングシステム1における商品の登録および精算の処理の流れを示すシーケンス図である。なお、図8では、ある顧客が、ある店舗210に来店して、ショッピングリング60を装着して購入対象の商品を登録し、精算装置30で当該商品の精算を完了するまでの流れについて説明する。
【0055】
まず、顧客は、店舗210に来店すると、所定の置き場(以下「リング供給ボックス」という。)に置いてあるショッピングリング60を取り出して、指に装着する。
ステップS801:ショッピングリング60は、起動中、常時、IRエミッタ100から顧客識別情報を出力する。
【0056】
顧客は、店舗210内の購入を希望する商品の商品棚200の前で、商品棚200から商品を取り出すために、商品が置かれている収納領域(図4Aの収納領域A1~F4)に手を伸ばす。これにより、顧客の指に装着されているショッピングリング60は、収納領域内に進入する。
ステップS802:ショッピングリング60が収納領域内に進入すると、商品棚200に設置されたIRレシーバユニット40は、ショッピングリング60から出力される信号(顧客識別情報)を受信(検出)する。
【0057】
ステップS803:IRレシーバユニット40は、ショッピングリング60を受信すると、管理装置10を介して、IRレシーバのアドレス情報と、顧客識別情報と、顧客識別情報の受信時の信号強度とを含む受信情報をクラウドサーバ20へ送信する。
ステップS804:受信情報の送信が初回の送信であれば、言い換えれば、来店後、最初に商品棚200から商品を取り出したのであれば、クラウドサーバ20は、当該顧客に対応するカート情報を生成する。
【0058】
なお、カート情報の生成は、来店した顧客がリング供給ボックスに置いてあるショッピングリング60を取り出したときに行われてもよい。具体的には、リング供給ボックスの近傍に、リング供給ボックスから取り出したことを判別するためのIRレシーバユニット40を設置しておき、当該IRレシーバユニット40によってショッピングリング60(顧客識別情報)が受信された際に、当該顧客識別情報のカート情報が生成されてもよい。
【0059】
ステップS805:初回の受信情報の送信でなければ、クラウドサーバ20は、顧客識別情報を用いて、当該顧客に対応するカート情報を特定する。
ステップS806:そして、クラウドサーバ20は、IRレシーバ情報(図6(A))および収納領域特定テーブル(B))を参照し、アドレス情報と信号強度とに基づいて、収納領域を特定する。また、収納領域が特定されることにより、ロードセル(ロードセル識別情報)も特定される(図6(C)参照)。
【0060】
ステップS807:そして、顧客が収納領域内の商品を取り出すと、ロードセル50は、載置板上の商品の重量の変化を検出する。このロードセル50は、ステップS806で特定された収納領域に配置されるロードセル50であるものとする。
ステップS808:ロードセル50は、ロードセル識別情報を含む重量の変化の検出結果をクラウドサーバ20へ送信する。なお、重量の変化の検出結果は、変化前後の重量の差分でもよいし、変化前後の重量の値そのものでもよい。
【0061】
ステップS809:クラウドサーバ20は、ロードセル情報(図6(C))を参照し、当該ロードセル50のロードセル識別情報に対応する商品を特定する。
ステップS810:また、クラウドサーバ20は、ロードセル情報(図6(C))を参照し、重量の変化と単価とを用いて、商品の購入価格を算出する。具体的には、ステップS809において特定した商品の単価を取得し、当該単価と、重量の変化とを乗算することにより、商品の価格を算出する。
ステップS811:クラウドサーバ20は、カート情報(図7参照)の登録商品情報を更新(追加)する。
【0062】
なお、IRレシーバユニット40によってショッピングリング60が検出されている状態で、ユーザが商品を戻した場合(具体的には、商品の重量が変化したものの変化前の重量に戻った場合)、クラウドサーバ20は、ユーザが商品を戻したものとして、当該商品を登録しないようにすればよい。
【0063】
なお、図8では、説明の便宜上、図示を省略しているが、ステップS801~ステップS811(ステップS804を除く)の処理は、商品棚200から商品が取り出されるごとに繰り返し実行される。すなわち、後述するステップS812のショッピングリング60が返却されるまで、ステップS801~ステップS811(ステップS804を除く)の処理がループする。
【0064】
ステップS812:返却ボックスに配置されるIRレシーバユニット40は、ショッピングリング60が返却ボックス内に進入すると、ショッピングリング60から出力される信号(顧客識別情報)を受信する。
ステップS813:このIRレシーバユニット40は、ショッピングリング60から顧客識別情報を受信すると、管理装置10を介してクラウドサーバ20へ、受信情報を送信する。なお、商品棚200の場合(ステップS803)とは異なり、返却ボックス内の位置を特定する必要がないという観点から、返却ボックス内における信号の検出においては、位置を特定する際の閾値に比べて、小さい値の閾値が設定されていてもよい。
【0065】
ステップS814:クラウドサーバ20は、当該顧客に対応するカート情報を特定する。
ステップS815:クラウドサーバ20は、カート情報に含まれる小計金額(登録商品情報(計))を算出して、小計金額を示す小計情報を精算装置30へ送信する。小計情報は、管理装置10を介して、カート識別情報とともに精算装置30へ送信される。
【0066】
ステップS816:精算装置30は、クラウドサーバ20から小計情報を受信すると、ディスプレイに精算画面を表示する。
ステップS817:精算装置30は、精算処理を実行する。精算処理において、精算装置30は、決済種別の選択を受け付ける。決済種別は、現金、各種カードなどのほか、仮想通貨などであってもよい。精算が完了すると、精算装置30は、レシートを発行し、精算完了情報をクラウドサーバ20に送信する。
【0067】
ステップS818:クラウドサーバ20は、精算完了情報を受信すると、当該識別情報を用いた買い物を終了させるための終了処理を行う。終了処理は、例えば、当該カート情報の取引終了日時(精算日時)を記憶することや、当該カート情報を購入履歴としてメモリ504に別途記憶されることや、次の顧客が当該ショッピングリング60を用いて買い物をできるよう当該ショッピングリング60に対応するカート情報内の情報をリセットさせること、などの各種処理を含む。
これにより、一連の処理が終了する。
【0068】
(クラウドサーバ20が行う商品登録処理の一例)
図9は、クラウドサーバ20が行う商品登録処理の一例を示すフローチャートである。図9において、クラウドサーバ20は、IRレシーバユニット40から、IRレシーバユニット40のアドレス情報、顧客識別情報、および信号強度を含む受信情報を受信したか否かを判断する(ステップS901)。
【0069】
クラウドサーバ20は、IRレシーバユニット40から受信情報を受信するまで待機する(ステップS901:NO)。クラウドサーバ20は、IRレシーバユニット40から受信情報を受信した場合(ステップS901:YES)、IRレシーバ情報(図6(A))を参照し、送信元のIRレシーバユニット40が返却ボックスに配置されるIRレシーバユニット40であるか否かを判断する(ステップS902)。具体的には、ステップS902では、送信元のIRレシーバユニット40のアドレス情報が、返却ボックスに配置されるIRレシーバユニット40のアドレス情報であるか否かが判断される。
【0070】
送信元のIRレシーバユニット40が返却ボックスに配置されるIRレシーバユニット40ではない場合、(ステップS902:NO)、すなわち、商品棚200に配置されるIRレシーバユニット40である場合、クラウドサーバ20は、当該顧客識別情報を含むカート情報を生成済みであるか否かを判断する(ステップS903)。
【0071】
当該顧客識別情報を含むカート情報を生成済みはない場合(ステップS903:NO)、クラウドサーバ20は、当該顧客識別情報を含むカート情報を生成し(ステップS904)、ステップS905に進む。当該顧客識別情報を含むカート情報を生成済みである場合(ステップS903:YES)、クラウドサーバ20は、当該顧客識別情報を含むカート情報を特定する(ステップS905)。
【0072】
そして、クラウドサーバ20は、領域特定テーブル(図6(B))を参照し、アドレス情報と信号強度とに基づいて、ショッピングリング60が進入した収納領域を特定する(ステップS906)。なお、クラウドサーバ20は、収納領域を特定することにより、当該収納領域に配置されるロードセルも特定する(図6(C)参照)。そして、クラウドサーバ20は、当該ロードセルから、ロードセルの検出結果(重量の変化)を受信したか否かを判断する(ステップS907)。
【0073】
クラウドサーバ20は、当該ロードセルから、ロードセルの検出結果を受信した場合(ステップS907:YES)、ロードセル情報(図6(C))を参照し、当該ロードセル50のロードセル識別情報に対応する商品を特定する(ステップS908)。そして、クラウドサーバ20は、重量の変化と、特定した商品の商品単価とから、購入価格を算出する(ステップS909)。次いで、クラウドサーバ20は、カート情報の登録商品情報を追加し(ステップS910)、一連の処理を終了する。
【0074】
ステップS907において、クラウドサーバ20は、当該ロードセルから、ロードセルの検出結果を受信しない場合(ステップS907:NO)、クラウドサーバ20は、IRレシーバユニット40によるショッピングリング60の検出が非検出となったか否かを判断する(ステップS911)。IRレシーバユニット40によるショッピングリング60の検出が非検出となるとは、収納領域内の商品が取り出されずに、ショッピングリング60が収納領域内から退避したことにより、ショッピングリング60から出力される信号(顧客識別情報)がIRレシーバユニット40によって受信されなくなることである。
【0075】
IRレシーバユニット40によるショッピングリング60の検出が非検出となった場合(ステップS911:YES)、すなわち、収納領域内に進入させた手を、商品を取らずに戻したことにより、収納領域からショッピングリング60が退避した場合、クラウドサーバ20は、そのまま処理を終了する。一方、IRレシーバユニット40によるショッピングリング60の検出が非検出となっていない場合(ステップS911:NO)、クラウドサーバ20は、ステップS907に戻る。
【0076】
ステップS902において、送信元のIRレシーバユニット40が返却ボックスに配置されるIRレシーバユニット40である場合、(ステップS902:YES)、クラウドサーバ20は、小計金額を算出する(ステップS912)。なお、商品毎に割引などがある場合は、商品ごとに割引額を算出して、小計金額を算出すればよい。また、商品毎に税率が異なる場合は、商品ごとの税率を勘案して小計金額を算出すればよい。
【0077】
そして、クラウドサーバ20は、管理装置10を介して、小計情報を精算装置30へ送信する(ステップS913)。次いで、クラウドサーバ20は、管理装置10を介して、精算装置30から精算完了情報を受信したか否かを判断する(ステップS914)。クラウドサーバ20は、精算装置30から精算完了情報を受信するまで待機する(ステップS914:NO)。一方、精算装置30から精算完了情報を受信した場合(ステップS914:YES)、クラウドサーバ20は、カート情報内の情報をリセットさせるなどの終了処理を実行し(ステップS915)、一連の処理を終了する。
【0078】
(ショッピングシステム1の機能的構成)
次に、ショッピングシステム1の機能的構成について説明する。商品登録システムの一例であるショッピングシステム1は、出力装置の一例であるショッピングリング60と、受信装置の一例であるIRレシーバユニット40と、検出装置の一例としてロードセル50とを備える。出力装置は、IRエミッタ100の機能を備え、客の動作や行動を感知できるものであればよい。特に、出力装置は、手や腕の動きを精度よく感知できる部位に装着されることが望ましく、本実施形態では、指にはめるリング型(ショッピングリング60)としている。
【0079】
但し、出力装置は、リング型に限らず、他の形状のウェアラブル端末であってもよい。例えば、出力装置は、腕時計型、リストバンド型、ブレスレット型とすることも可能である。さらに、出力装置は、客の動作や行動を感知できるものであればよく、眼鏡型のウェアラブル端末であってもよい。ショッピングリング60は、顧客が所持し、自装置を識別する識別情報を出力する。識別情報は、例えば、顧客識別情報である。
【0080】
IRレシーバユニット40は、ショッピングリング60によって出力される顧客識別情報を受信する。クラウドサーバ20は、商品の取引を管理する。IRレシーバユニット40は、例えば、商品棚200の収納領域に収納される商品に対応して設置される。
【0081】
IRレシーバユニット40は、顧客識別情報を受信した場合、顧客識別情報と、自装置のアドレス情報とをクラウドサーバ20へ送信する。クラウドサーバ20は、領域特定部と、商品特定部と、登録部と、領域情報記憶部と、商品情報記憶部と、を備える。領域特定部と、商品特定部と、登録部とは、CPU501によって実現される。すなわち、CPU501がROM502に記憶される商品登録プログラムを実行することにより、各部の機能を実現する。また、領域情報記憶部と、商品情報記憶部とは、メモリ504によって実現される。なお、領域情報記憶部と、商品情報記憶部とは、外部の記憶装置によって実現されてもよい。
【0082】
領域情報記憶部は、アドレス情報に応じた収納領域を示す情報を記憶する。領域情報記憶部は、図6(A)に示したIRレシーバ情報や、図6(B)に示した収納領域特定テーブルを記憶する。領域特定部は、領域情報記憶部を参照し、IRレシーバユニット40から受信したアドレス情報に基づいて、ショッピングリング60が位置する収納領域を特定する。
【0083】
商品情報記憶部は、収納領域に応じた商品の情報を記憶する。商品情報記憶部は、図6(C)に示したロードセル情報を記憶する。商品特定部は、商品情報記憶部を参照し、領域特定部によって特定された収納領域に応じた商品を特定する。登録部は、商品特定部によって特定された商品を、ショッピングリング60を所持する顧客の購入商品として登録する。具体的には、登録部は、商品特定部によって特定された商品を、カート情報に登録する。
【0084】
(信号強度について)
IRレシーバユニット40は、顧客識別情報を受信した場合、顧客識別情報と、IRレシーバユニット40のアドレス情報と、受信した顧客識別情報の信号強度とをクラウドサーバ20へ送信する。領域情報記憶部は、アドレス情報と、信号強度とに応じた収納領域の情報(例えば、図6(B)の収納領域特定テーブル)を記憶する。領域特定部は、領域情報記憶部を参照し、受信装置から受信したアドレス情報と信号強度とに基づいて、ショッピングリング60が位置する収納領域を特定する。
【0085】
(商品の重量の検出について)
ロードセル50は、収納領域に収納される商品の重量を検出し、検出結果をクラウドサーバ20へ送信する。商品情報記憶部に記憶される商品の情報は、収納領域に応じて収納される各商品の重量に関する情報を含む。各商品の重量に関する情報は、例えば、各商品の重量そのものの情報と、各商品の単価を示す情報とを含む(図6(C)のロードセル情報を参照)。
【0086】
商品特定部は、商品情報記憶部に記憶されている重量そのもの情報と、ロードセル50から受信した商品の重量とに基づいて、商品の数量を特定する。具体的には、商品特定部は、アドレス情報や信号強度に応じて特定された収納領域における重量の変化に基づいて商品の数量を特定する。重量の変化は、ロードセル50から受信した商品の重量の変化前後の差分である。変化前後の差分は、クラウドサーバ20で算出されてもよいし、ロードセル50で算出されてもよい。登録部は、商品特定部よって特定された商品の数量を、ショッピングリング60を所持する顧客が購入する商品の数量として登録する。
【0087】
商品特定部は、商品情報記憶部に記憶されている商品の単価を示す情報と、ロードセル50から受信した検出結果に基づいて、商品特定部によって特定された商品の購入価格を特定する。具体的には、商品特定部は、商品の重量の変化量と、単価とを乗算することにより、商品の購入価格を特定する。登録部は、商品特定部によって算出された購入価格を、ショッピングリング60を所持する顧客の購入価格として登録する。
【0088】
以上説明した、実施形態に係るショッピングシステム1は、IRレシーバユニット40のアドレス情報に基づいて、ショッピングリング60が位置する収納領域に応じた商品を特定し、当該商品を、ショッピングリング60を所持する顧客の購入商品として登録するようにした。したがって、セルフレジシステムにおいて、顧客は、商品のバーコードを携帯端末のカメラで読み取らせなくても、商品棚200から商品を取り出すだけで、クラウドサーバ20に商品を登録させることができる。したがって、商品の登録操作に係る負荷を抑えることができ、商品の登録を好適に行うことができる。
【0089】
また、本実施形態によれば、店舗210にカメラを設置したり、商品にRFID(radio frequency identifier)タグなどの非接触タグを付したりしなくてもよいため、非接触タグを付すなどの作業を要さないため、店舗スタッフの負荷となることを抑え、低廉かつ簡単な構成で、セルフレジシステムにおける商品の登録を好適に行うことができる。また、購入履歴として記憶したカート情報から、ある商品を登録した顧客が、次にどの商品を登録するかといったことを把握することができる。したがって、店舗210における商品棚200の配置や、レイアウトの変更など、販売促進に役立てることができる。
【0090】
また、ショッピングシステム1は、IRレシーバユニット40のアドレス情報と、IRレシーバユニット40が顧客識別情報を受信した際の信号強度とに基づいて、ショッピングリング60が位置する収納領域を特定するようにした。これにより、収納領域ごとにIRレシーバユニット40を設けなくても、ショッピングリング60が位置する収納領域を特定することができる。このため、IRレシーバユニット40の設置数の低減化を図ることができる。
【0091】
また、ショッピングシステム1は、ロードセル50から受信した商品の重量に基づいて、商品の数量を特定するようにした。したがって、一の収納領域内に異なる重さの商品がある場合でも、いずれの商品であるのかを判別することができる。
【0092】
また、ショッピングシステム1は、ロードセル50の検出結果に基づいて、商品の購入価格を特定し、当該購入価格を、ショッピングリング60を所持する顧客の購入価格として登録するようにした。これにより、セルフレジシステムにおいて、顧客は、商品のバーコードを携帯端末のカメラで読み取らせなくても、商品棚200から商品を取り出すだけで、クラウドサーバ20に商品および購入金額を登録させることができる。
【0093】
(実施形態の変形例)
以下に、実施形態の変形例について説明する。なお、以下の変形例において、上述した実施の形態において説明した内容と同様の内容については同様の符号を付し、説明を省略する。
【0094】
(変形例1)
(ロードセル50を重ねて配置する構成)
以下に、変形例1について説明する。上述した実施形態では、一の収納領域に同一の商品が収納される場合について説明した。変形例1では、このような構成に加えて、または、このような構成に代えて、一の収納領域に、異なる種類の商品が収納される場合について説明する。
【0095】
図10は、一の収納領域に、異なる複数の商品が収納される場合のロードセルの配置例を示す説明図である。図10において、商品棚200の上部には、IRレシーバユニット40a、40cが配置されている。IRレシーバユニット40aは、収納領域A1内に位置するショッピングリング60を検出する。IRレシーバユニット40bは、収納領域B1内に位置するショッピングリング60を検出する。なお、図10において、商品棚200の下部に、IRレシーバユニット40a、40cに対応するIRレシーバユニット40が配置されていてもよい。
【0096】
また、変形例1では、ロードセル50が重ねて配置されている。具体的には、ロードセル50は、下段ロードセル50aと、第1上段ロードセル50bと、第2上段ロードセル50cとを含む。下段ロードセル50aは、収納領域A1と収納領域B1とで共用される。第1上段ロードセル50bは、収納領域A1において、下段ロードセル50a上に配置されている。第2上段ロードセル50cは、収納領域B1において下段ロードセル50a上に配置されている。
【0097】
各収納領域A1、B1には、それぞれ、複数の種類の商品が収納されている。例えば、収納領域A1には、それぞれ異なる種類の、第1商品1001(例えば、○○チョコ)と、第2商品1002(例えば、○○飴)と、第3商品1003(例えば、○○キャラメル)とが収納されている。また、収納領域B1には、第4商品1004(例えば、○○せんべい)と、第5商品1005(例えば、○○クッキー)と、第6商品1006(例えば、○○ガム)とが収納されている。各商品の重さについて述べると、例えば、第1商品1001と、第6商品1006とは、50gである。また、他の商品1002、1003、1004、1005は、100gである。
【0098】
また、各商品のロードセル50上の載置位置について述べると、第1商品1001と、第3商品1003と、第4商品1004と、第6商品1006とは、下段ロードセル50aの直上に載置されている。また、第2商品1002は、第1上段ロードセル50b上に載置されている。第6商品1006は、第2上段ロードセル50c上に載置されている。
【0099】
変形例1では、IRレシーバユニット40a、40bの検出結果と、ロードセル50a、50b、50cの検出結果とを用いることにより、これらの商品1001~1006のうち、いずれの商品1001~1006が取り出されたのかを判別することが可能である。これについて具体的に説明する。
【0100】
まず、IRレシーバユニット40aによって収納領域A1にショッピングリング60が位置することが検出された場合、すなわち、収納領域A1の商品が取り出される場合について説明する。下段ロードセル50aの検出結果から重量の変化が「-50g」であることが得られ、第1上段ロードセル50bの検出結果から重量の変化がないことが得られた場合、第1商品1001が取り出されたと判別することができる。また、下段ロードセル50aの検出結果から重量の変化が「-100g」であることが得られ、第1上段ロードセル50bの検出結果から重量の変化が「-100g」であることが得られた場合、第2商品1002が取り出されたと判別することができる。また、下段ロードセルの検出結果から重量の変化が「-100g」であることが得られ、第1上段ロードセル50bの検出結果から重量の変化がないことが得られた場合、第3商品1003が取り出されたと判別することができる。
【0101】
次に、IRレシーバユニット40bによって収納領域B1にショッピングリング60が位置することが検出された場合、すなわち、収納領域B1の商品が取り出される場合について説明する。下段ロードセルの検出結果から重量の変化が「-100g」であることが得られ、第2上段ロードセル50cの検出結果から重量の変化がないことが得られた場合、第4商品1004が取り出されたと判別することができる。また、下段ロードセル50aの検出結果から重量の変化が「-100g」であることが得られ、第2上段ロードセル50cの重量の変化が「-100g」であることが得られた場合、第5商品1005が取り出されたと判別することができる。また、下段ロードセルの検出結果から重量の変化が「-50g」であることが得られ、第2上段ロードセル50cの検出結果から重量の変化がないことが得られた場合、第6商品1006が取り出されたと判別することができる。
【0102】
変形例1の機能的構成について補足すると、ロードセル50は、収納領域(例えば、収納領域A1)に複数設けられる。一のロードセル50(第1上段ロードセル50b)は、他のロードセル50(例えば、下段ロードセル50a)に載置される。一のロードセル50(第1上段ロードセル50b)と、他のロードセル50(例えば、下段ロードセル50a)とは、互いに異なる種別の商品(第1上段ロードセル50bは第2商品1002、下段ロードセル50aは第1商品1001および第3商品1003)を載置して商品の重量を検出する。
【0103】
変形例1によれば、一の収納領域内に異なる種類の商品であり、重量が同程度の商品が収納される場合でも、複数のロードセル50を用いることにより、いずれの商品が取り出されたことを判別することができる。また、変形例1によれば、使用するロードセル50の数を減らすことができる。また、ロードセル50により、一の収納領域内でいずれの商品が取り出されたことを判別することができるため、IRレシーバユニット40の数を減らすことができる。したがって、構成をより簡素化することができるとともに、IRレシーバユニット40およびロードセル50に係るコストの削減を図ることができる。
【0104】
(変形例2)
(サブレシーバを用いる構成)
上述した実施形態では、IRレシーバユニット40にサブレシーバを用いない構成について説明した。変形例2では、このような構成に加えて、または、このような構成に代えて、IRレシーバユニット40にサブレシーバを用いる構成について説明する。図11および図12を用いて、変形例2に係るIRレシーバユニット40について説明する。
【0105】
図11は、メインレシーバユニット400とサブレシーバユニット401とを含むIRレシーバユニット40の斜視図である。
図12は、メインレシーバユニット400とサブレシーバユニット401とを含むIRレシーバユニット40の側面図である。なお、図12は、図11の図中左側から見た側面図である。
【0106】
図11に示すように、IRレシーバユニット40は、メインレシーバユニット400と、サブレシーバユニット401とを含む。メインレシーバユニット400は、実施形態に示したIRレシーバユニット40と同様に、商品棚200の上下に一対配置されている。図11において、メインレシーバユニット400は、縦領域Aに位置するショッピングリング60が検出可能なものと、縦領域Bに位置するショッピングリング60が検出可能なものとがある。以下では、縦領域Aに位置するショッピングリング60が検出可能なメインレシーバユニット400について説明する。
【0107】
サブレシーバユニット401は、第1サブレシーバユニット401aと、第2サブレシーバユニット401bと、第3サブレシーバユニット401cとを含む。以下において、特に区別して説明する場合を除き、これら3つのサブレシーバユニット401a、401b、401cを、単にサブレシーバユニット401として説明する。載置板1100の上には商品が載置される。
【0108】
各サブレシーバユニット401は、上方に一つずつ配置されており、すなわち、下方には配置されていない。各サブレシーバユニット401は、収納領域A1を図中の横方向に3分割した、収納領域A11、収納領域A12および収納領域A13に位置するショッピングリング60をそれぞれ検出することが可能である。サブレシーバユニット401は、ショッピングリング60から出力される識別情報の信号強度を取得する。取得した信号強度は、識別情報とともに、クラウドサーバ20へ送信される。クラウドサーバ20は、信号強度に応じて、ショッピングリング60がどの収納領域A11、A12、A13に位置するのかを判別することが可能である。
【0109】
例えば、ショッピングリング60が収納領域A11に位置する場合、第1サブレシーバユニット401aによって受信される信号強度が最も強い。言い換えれば、第1サブレシーバユニット401aによって受信される信号強度が予め設定される閾値以上となった場合に、クラウドサーバ20は、ショッピングリング60が収納領域A11に位置するものと判別することが可能である。また、ショッピングリング60が収納領域A12に位置する場合、第2サブレシーバユニット401bによって受信される信号強度が最も強い(第1閾値以上)。言い換えれば、第2サブレシーバユニット401bによって受信される信号強度が予め設定される閾値以上となった場合に、クラウドサーバ20は、ショッピングリング60が収納領域A12に位置するものと判別することが可能である。また、ショッピングリング60が収納領域A13に位置する場合、第3サブレシーバユニット401cによって受信される信号強度が最も強い(第1閾値以上)。第3サブレシーバユニット401cによって受信される信号強度が予め設定される閾値以上となった場合に、クラウドサーバ20は、ショッピングリング60が収納領域A13に位置するものと判別することが可能である。
【0110】
また、載置板1100上には、一のロードセル50が設けられている。すなわち、収納領域A1の商品の重量と、収納領域B1の商品の重量とは、共通のロードセル50によって検出される。
【0111】
また、図12に示すように、メインレシーバユニット400は、サブレシーバユニット401と比較して、通路側(図中の右側)に突出して配置されている。このため、顧客が収納領域A1の商品を取り出そうとするときには、まず、メインレシーバユニット400によってショッピングリング60が検出されることになる。そして、この後、サブレシーバユニット401によってショッピングリング60が検出されることになる。このとき、信号強度の最も高いサブレシーバユニット401a、401b、401cに対応する収納領域A11、A12、A13に、ショッピングリング60が位置するものと判別される。そして、収納領域A11に設置されるロードセルの検出結果から重量の変化が得られると、当該顧客が商品1200を取り出したものと判別することができる。
【0112】
なお、メインレシーバユニット400によってショッピングリング60が検出された後、メインレシーバユニット400およびサブレシーバユニット401のいずれによってもショッピングリング60が検出されなくなった場合には、顧客が商品1200を取り出さずに、収納領域A1から手を退避させたものと判別できる。
【0113】
なお、本明細書に記載する各変形例を組み合わせることも可能である。例えば、変形例2に変形例1を適用することも可能である。すなわち、例えば、各収納領域(例えば、収納領域A11)に、ロードセル50を重ねて配置することにより、一の収納領域A11に異なる種類の商品を収納することも可能である。
【0114】
次に、変形例2の機能的構成について補足する。IRレシーバユニット40は、商品棚200の中の収納領域に位置するショッピングリング60から顧客識別情報を受信する第1受信装置(サブレシーバユニット401)を含む。また、IRレシーバユニット40は、商品棚200の近傍に位置するショッピングリング60から顧客識別情報を受信する第2受信装置(メインレシーバユニット400)を含む。
【0115】
変形例2によれば、収納領域A11、A12、A13のように、収納領域A1を細分化して商品を収納することができる。したがって、商品棚200の商品1200の配置にかかる自由度を高めることができる。また、顧客が商品を取り出す際には、メインレシーバユニット400によってショッピングリング60が検出された後に、サブレシーバユニット401によってショッピングリング60が検出されるため、ショッピングリング60の検出の精度を高めることができる。具体的には、メインレシーバユニット400によってショッピングリング60が検出されていないにもかかわらず、サブレシーバユニット401によってショッピングリング60が検出された場合に、誤登録などのエラーであると判別することができる。
【0116】
(変形例3)
(カートの重量を測定する構成)
上述した実施形態では、精算時に登録した商品の全体の重量を考慮しない構成について説明した。変形例3では、このような構成に加えて、または、このような構成に代えて、精算時に登録した商品の全体の重量を考慮する構成について説明する。
【0117】
変形例3では、精算装置30に、または、精算装置30の周囲に、登録した商品の重量を測定する測定器が設置されているものとする。この測定器は、顧客が持ち運ぶ買い物かごごとに重量を測定できてもよいし、顧客が押して運ぶカート(ショッピングカート)ごとに重量を測定できてもよい。図7のカート情報に示したように、ショッピングシステム1では、顧客が登録した商品の全重量が記憶されている。このため、精算処理を行う際に、登録した商品の重量を測定することにより、クラウドサーバ20に記憶されている商品の重量との整合を確認することができる。具体的には、精算時に、測定器で測定された結果をクラウドサーバ20へ送信する。クラウドサーバ20は、顧客が実際に商品棚200から取り出した全商品の全重量と、カート情報に記憶されている全商品の全重量とを比較し、重量に相違がないかを判別する。
【0118】
重量に相違がない場合には、クラウドサーバ20は、その旨を精算装置30に通知させ、精算処理を実行可能にする。一方、重量に相違がある場合には、クラウドサーバ20は、エラーを精算装置30に通知させる。エラーの通知には、例えば、相違分の重量を表示して、顧客にこれらを確認させる。例えば、ショッピングリング60を装着していない側の手で商品を取り出したりした場合には、クラウドサーバ20は、顧客に対応付けられない商品が記録されることになる。このため、顧客に対応付けられない商品を上位に表示させるといった推定リストを表示させて、顧客の確認を促してもよい。
【0119】
また、この場合、精算装置30の表示画面にエラー画面を表示させたり、サインポールを点灯させたりすることにより、店員を呼び出すようにしてもよい。また、重量が不足している場合には、不足している商品の登録を促すように通知する。この場合における商品の登録処理は、ユーザまたは店員の操作に応じて精算装置30において行われればよい。ただし、この場合、精算装置30が登録処理を行う機能を有しているものとする。
【0120】
また、エラーの通知では、店舗210内の顧客が移動した経路や、購入した商品の位置などを表示してもよい。これにより、登録されている商品や、登録されていない商品を顧客が思い出させることを支援することができる。
【0121】
また、エラーの通知において、顧客が認識している商品の登録タイミングとは、異なるタイミングで当該商品が登録されていたり、心当たりのない商品が登録されていたりすることもある。この要因としては、例えば、バグが発生した可能性もあるし、当該顧客のショッピングリング60が他の顧客(家族、友人、他人等)に渡ってしまったり、ショッピングリング60を装着していな家族等が商品を取り出したりするといった意図しない登録が行われた可能性もある。このため、エラーの内容を蓄積し、解析することにより、バグの改善等に役立てることも可能である。
【0122】
(変形例4)
(確認用ディスプレイを設置する構成)
上述した実施形態では、顧客は精算処理が行われるまで、顧客が購入した内容の商品を確認することについては特に触れずに説明した。変形例4では、上述した実施形態の構成に加えて又は代えて、店舗210内に、確認用ディスプレイを設置する構成について説明する。
【0123】
変形例4において、店舗には、確認用ディスプレイと、確認用ディスプレイの近傍に、確認用ディスプレイに近付いたショッピングリング60を検出するIRレシーバユニット40とを配置しておく。そして、IRレシーバユニット40が確認用ディスプレイに近付いたショッピングリング60から顧客識別情報を受信した場合、IRレシーバユニット40は、クラウドサーバ20へ受信情報を送信する。クラウドサーバ20は、受信情報を受信すると、当該顧客識別情報を含むカート情報を特定し、現時点で登録されている当該顧客の商品の画面情報を確認用ディスプレイに送信する。これにより、確認用ディスプレイに、顧客が購入した商品を買い物中に表示することができる。したがって、顧客の利便性を向上させることができる。
【0124】
(変形例5)
(出口の鍵を設ける構成)
上述した実施形態では、セルフレジシステムであるがゆえに、顧客が支払いをせずに退店してしまうことも想定される。変形例5では、上述した実施形態の構成に加えて、または、代えて、店舗210の出口(ドア)に鍵を設ける構成とする。変形例5では、例えば、店舗の出口には、2次元コードを読み取るスキャナを備えたドア装置が設けられる。このスキャナに読み取らせる2次元コードは、例えば、レシートに印字される。クラウドサーバ20は、精算が完了すると、出口の開錠を制御するドア装置に、精算が完了した旨を示す情報を送信する。そして、レシートに印字された2次元コードが、ドア装置のスキャナに読み取られ、精算が完了した旨を示す結果が得られた場合に、ドアが解錠される。なお、ドアの鍵は、2次元コードに限らず、レシートに記載された4桁の数字とし、ドア装置が備える操作部等の入力部に、当該数字が入力されることとしてもよい。
【0125】
また、出口の解錠の条件は、ショッピングリング60の返却を条件としてもよい。この場合、ショッピングリング60の返却を精算処理の開始の条件とはしない。例えば、精算処理は、精算装置30の周囲にIRレシーバユニット40を配置しておき、当該IRレシーバユニット40によってショッピングリング60が検出されることにより、精算処理が開始されるようにしてもよい。また、返却ボックスは、出口に設けられる。出口において、顧客がショッピングリング60を返却ボックスに返却し、精算が完了している場合に、ドアが解錠されるようにしてもよい。具体的には、返却ボックスのIRレシーバユニット40がショッピングリング60を検出すると、クラウドサーバ20は、ドア装置にドアの解錠を示す情報を送信し、ドアが解錠されるようにすればよい。
【0126】
(変形例6)
(家族やグループなどの複数人での買い物をする場合について)
上述した実施形態では、一顧客が買い物を行う場合について説明した。変形例6では、このような構成に加えて、または、このような構成に代えて、家族やグループなどの複数人で買い物をする場合について説明する。変形例6において、それぞれのショッピングリング60は、予めグルーピングされているものとする。例えば、リング供給ボックス内に人数に応じたグループ用のリングが用意されているものとする。また、複数人の顧客のそれぞれは、予めグルーピングされたショッピングリング60(マイリング)を用いてもよい。
【0127】
変形例6において、各顧客によって登録される商品は、同じカート情報に記憶される。なお、クラウドサーバ20は、どのショッピングリング60によって商品が登録されたか(グループ内の誰によって登録されたか)についても記憶する。精算処理は、グループ全員分をまとめて行うか、グループの各人ごとに行うかを選択可能であってもよい。例えば、グループの顧客が買い物を終え、返却ボックスにショッピングリング60が返却されると、精算装置30に、全員分をまとめて支払うか、個別に支払うかの選択画面が表示されるようにしてもよい。このように、変形例6によれば、グループで買い物を行うことも可能である。
【0128】
(変形例7)
(顧客の位置を常時監視する構成)
上述した実施形態では、商品棚200にのみIRレシーバユニット40を設ける構成について説明した。変形例7では、このような構成に加えて、または、このような構成に代えて、店舗210の通路などにもIRレシーバユニット40を設置するようにしてもよい。変形例7では、クラウドサーバ20は、顧客ごとの導線を記録することができる。この導線を解析することによって、ある商品を登録した顧客が、次にどの経路を辿ったのかということを把握することができる。したがって、店舗210における商品棚200の配置や、レイアウトの変更など、販売促進に役立てることができる。
【0129】
(変形例8)
(携帯端末70を併用する構成)
上述した実施形態では、ショッピングリング60を用いて商品を登録する構成について説明した。変形例8では、このような構成に加えて、または、このような構成に代えて、携帯端末70の撮像機能を用いて商品に付されたコードを読み取り、クラウドサーバ20が読み取ったコードに応じて登録商品情報を追加する構成について説明する。変形例8では、ショッピングリング60を用いた商品の登録と、携帯端末70を用いた商品の登録とを行えるものとして説明する。
【0130】
まず、携帯端末70を用いた商品の登録について説明し、ショッピングリング60を用いた商品の登録との併用については、後述する。
【0131】
変形例8において、携帯端末70は、スマートフォン、タブレット装置、携帯電話などの表示画面を備えた可搬型の通信機器であり、客(当該店舗の会員である買物客等)によって操作される。
携帯端末70は、ネットワークを介して、クラウドサーバ20と接続される。携帯端末70は、通信部、撮像部(カメラ)、タッチパネルなどを備える。携帯端末70は、商品に付されるバーコードをスキャンして商品コードを読み取り、商品の登録を受け付ける。すなわち、携帯端末70は、商品に付されるバーコードを認識する認識機能を備える。
【0132】
携帯端末70には、変形例8のショッピングシステム1に係る商品の登録および精算を行うためのアプリケーションソフトウェア(以下、「本アプリ」という場合がある。)がインストールされている。携帯端末70は、本アプリを起動させることにより、商品に付されたバーコードを読み取って、読み取った情報をクラウドサーバ20に送信することにより、当該バーコードに対応する商品を登録することが可能である。また、携帯端末70は、精算を行う際に、登録した商品(カート情報)に対応するコード(例えば、2次元コード:QRコード(登録商標))を表示する。当該2次元コードが精算装置30に読み取られることにより、精算装置30において精算を行うことが可能になる。
【0133】
また、携帯端末70は、客が所有するものであるが、店舗が客に貸与する貸与品であってもよい。また、携帯端末70は、買い物中に、カート(ショッピングカート)に備え付けられてもよいし、客に所持されていてもよい。
【0134】
また、商品に付されたバーコードの読み取りは、携帯端末70のカメラ機能に限らない。例えば、リングスキャナなどのように、指や腕で保持するホルダー型であって、携帯端末70と連動するスキャナ装置であってもよい。また、ショッピングリング60に、このようなスキャナ機能が具備されていてもよい。
【0135】
携帯端末70は、ショッピングリング60とペアリング(近距離無線通信)を行う。具体的には、携帯端末70と、ショッピングリング60とは、近距離無線通信を行う。近距離無線通信は、例えば、Bluetooth(登録商標)である。なお、近距離無線通信は、NFC(Near Field Communication)、Wi-Fi(登録商標)、光通信、4G(Generation)回線等などの通信プロトコルによる通信であってもよい。
【0136】
(変形例8のショッピングシステム1における商品の登録および精算の処理の一例)
図13は、変形例8のショッピングシステム1における商品の登録および精算の処理の流れを示すシーケンス図である。なお、図13では、ある客が、ある店舗に来店して、自身の携帯端末70を用いて購入対象の商品を登録し、精算装置30で当該商品の精算を完了するまでの流れについて説明する。
【0137】
ステップS1301:まず、携帯端末70は、店舗を特定する情報(店舗特定情報)を取得する。ここで、店舗特定情報の取得態様の一例について説明する。例えば、店舗の入り口付近には、店舗特定情報を示す2次元コードが表示されている。2次元コードは、所定の表示装置に表示出力されていてもよいし、媒体への印刷によって表示出力されていてもよい。
【0138】
なお、印刷された媒体は、例えば紙媒体である。この紙媒体は、店舗の入り口付近に貼付されたものでもよいし、店舗において顧客に配布されたものでもよい。来店した客の操作により、携帯端末70のカメラは、当該2次元コードをスキャンする。これにより、携帯端末70は、店舗特定情報を取得することが可能である。なお、2次元コードには、店舗を識別するための店舗識別情報が含まれていてもよい。
【0139】
店舗特定情報を取得した携帯端末70は、クラウドサーバ20に取引開始の要求を行う。具体的には、携帯端末70は、取得した店舗特定情報と、顧客識別情報とをクラウドサーバ20へ送信する(図13の送受信データD1)。顧客識別情報は、例えば、新規に顧客登録を行う際(例えば、携帯端末70に本アプリをインストールする際)に、クラウドサーバ20や携帯端末70に記憶される情報である。具体的には、登録フォームにおいて入力された氏名等の情報は、クラウドサーバ20によって顧客識別情報が付されて、クラウドサーバ20および携帯端末70に記憶される。
【0140】
ステップS1302:クラウドサーバ20は、携帯端末70から取引の開始要求として、顧客識別情報および店舗特定情報を受信すると、当該取引のカート情報を生成する。具体的には、クラウドサーバ20は、図7に示したように、カート情報を生成する。
【0141】
ステップS1303:クラウドサーバ20は、当該取引のカート情報を生成すると、商品登録初期画面情報(初期画面である商品登録画面の画面情報)を生成し、携帯端末70へ送信する。具体的には、クラウドサーバ20は、商品登録初期画面情報とともに、カート識別情報も携帯端末70へ送信する(図13の送受信データD2)。
【0142】
ステップS1304:携帯端末70は、クラウドサーバ20からバスケット識別情報および商品登録初期画面情報を受信すると、カート識別情報を記憶するとともに、商品登録初期画面を表示部に表示する。
【0143】
ステップS1305:携帯端末70は、客の操作に応じて、商品に付されたバーコードをスキャンし、商品コードを読み取る。バーコードのスキャンに成功すると、携帯端末70は、商品コードを取得し、取得した商品コードと、カート識別情報とをクラウドサーバ20へ送信する(図13の送受信データD3参照)。
【0144】
ステップS1306:クラウドサーバ20は、携帯端末70から商品コードとカート識別情報とを受信すると、受信したカート識別情報が含まれるカート情報を特定する。
ステップS1307:クラウドサーバ20は、特定したカート情報の登録商品情報を更新する。
【0145】
ステップS1308:クラウドサーバ20は、カート情報内の登録商品情報を更新すると、商品登録更新画面情報(登録した商品が追加される更新画面である商品登録画面の画面情報)を生成し、携帯端末70へ送信する。具体的には、クラウドサーバ20は、商品登録更新画面情報とともに、カート識別情報も携帯端末70へ送信する(図13の送受信データD4)。また、クラウドサーバ20は、ショッピングリング60を用いた商品の登録を行った場合も(図8のステップS810)、商品登録更新画面情報とともに、カート識別情報も携帯端末70へ送信する。
【0146】
ステップS1309:携帯端末70は、クラウドサーバ20からカート識別情報および商品登録更新画面情報を受信すると、登録画面に商品を追加した商品登録更新画面を表示する。
【0147】
なお、図13では、説明の便宜上、図示を省略しているが、ステップS1305~ステップS1309の処理は、商品に付されたバーコードをスキャンする毎に繰り返し実行される。すなわち、後述するステップS1310の会計指示を受け付けるまで、ステップS1305~ステップS1309の処理がループする。
【0148】
ステップS1310:携帯端末70は、顧客の操作による会計指示を受け付ける。例えば、携帯端末70は、ディスプレイに表示される会計ボタンが押下されることによって、会計指示を受け付ける。
【0149】
ステップS1311:携帯端末70は、会計指示を受け付けると、2次元コード(以下「精算用2次元コード」という。)を生成する。この精算用2次元コードには、購入対象の商品について、精算装置30において精算処理を実行するために必要となる情報(例えば、カート識別情報)が含まれる。携帯端末70は、精算用2次元コードを生成すると、生成した精算用2次元コードをディスプレイに表示する。
【0150】
ステップS1312:商品の登録を終えた客は、精算装置30まで行き、精算装置30のスキャナ部に、携帯端末70のディスプレイに表示されている精算用2次元コードをスキャンさせる。これにより、精算装置30は、カート識別情報を取得することが可能である。
【0151】
ステップS1313:精算装置30は、携帯端末70のディスプレイに表示されている精算用2次元コードを読み取ると、クラウドサーバ20に小計金額の算出を要求する。例えば、精算装置30は、小計金額の算出を要求する算出要求(小計算出要求情報)と、精算用2次元コードから復元したカート識別情報とをクラウドサーバ20へ送信する(図13の送受信データD5)。
【0152】
ステップS1314:クラウドサーバ20は、精算装置30からカート識別情報および小計算出要求情報を受信すると、受信したカート識別情報を含むカート情報を特定する。
【0153】
ステップS1315:クラウドサーバ20は、カート情報を特定すると、カート情報に含まれる小計金額(登録商品情報(計))を算出する。なお、商品毎に割引などがある場合は、ステップS1315において、商品ごとに割引額を算出して、小計金額を算出すればよい。
【0154】
ステップS1316:クラウドサーバ20は、算出した小計金額を示す小計情報をカート識別情報とともに精算装置30へ送信する(図13の送受信データD6)。
ステップS1317:精算装置30は、クラウドサーバ20から小計情報を受信すると、表示部に小計金額を表示する。
【0155】
ステップS1318:精算装置30は、精算処理(支払い)を実行する。また、精算処理において、精算装置30は、レシートを発行し、精算完了情報をカート情報とともにクラウドサーバ20に送信する。そして、クラウドサーバ20は、当該カートの取引終了日時(精算日時)を記憶する。精算装置30は、精算処理が完了すると、その旨を示す情報をクラウドサーバ20へ送信する。
【0156】
ステップS1319:クラウドサーバ20は、精算装置30において精算処理が完了すると、精算完了情報を携帯端末70へ送信する。
ステップS1320:携帯端末70は、クラウドサーバ20から精算完了情報を受信すると、買い物の終了を示す終了画面を表示する。
これにより、一連の処理が終了する。
【0157】
(ショッピングリング60を用いた商品の登録方法との併用について)
次に、携帯端末70を用いた商品の登録方法と、ショッピングリング60を用いた商品の登録方法との併用について説明する。なお、これらの機器の併用は、家族やグループなどの複数人での買い物のときに有効である。
【0158】
これらの機器を併用するにあたり、まず、携帯端末70と、ショッピングリング60とを関連付ける(ペアリングする)必要がある。ここでは、一の携帯端末70に一のショッピングリング60をペアリングさせる場合について説明するが、一の携帯端末70に複数台のショッピングリング60をペアリングさせることも可能である。例えば、ショッピングリング60を貸与品とする場合、ショッピングリング60に、認証に必要な情報やショッピングリング60の顧客識別情報を含む2次元コードを付して、ショッピングリング60をリング供給ボックスに置いておく。
【0159】
客がショッピングリング60を取り出し、携帯端末70で当該2次元コードを読み取らせると、ショッピングリング60とのペアリングが行われる。ペアリングに成功すると、携帯端末70は、認証に成功した旨を示す認証成功情報をクラウドサーバ20へ送信する。なお、認証成功情報は、携帯端末70の顧客識別情報と、ショッピングリング60の顧客識別情報と、認証に成功した旨を示す情報とを含む。
【0160】
クラウドサーバ20は、認証成功情報を受信すると、ショッピングリング60に割り当てられる顧客識別情報と、携帯端末70に割り当てられる顧客識別情報とを関連付ける。例えば、図7に示したショッピングリング60のカート情報が既に生成されている場合に、ペアリングが行われると、クラウドサーバ20は、ショッピングリング60の顧客識別情報に、携帯端末70の顧客識別情報を関連付ける。このように、ショッピングリング60を用いた商品の登録を既に開始した後に、携帯端末70を用いた商品の登録を行った場合でも、同じカート情報に商品を登録することができる。
【0161】
また、これとは逆に、携帯端末70のカート情報が既に生成されている場合に、ペアリングが行われると、クラウドサーバ20は、携帯端末70の顧客識別情報に、ショッピングリング60の顧客識別情報を関連付ける。クラウドサーバ20は、携帯端末70で登録された商品と、ショッピングリング60で登録された商品をそれぞれ区別して商品を登録する。
【0162】
また、ペアリングを行うタイミングは、顧客が店舗210に入店してから精算終了時までのタイミングであれば任意のタイミングとすることができる。また、ペアリングが行われていない場合、携帯端末70には、ペアリングを促す画面を表示してもよい。例えば、携帯端末70は、ステップS1304における初期画面の表示において、ペアリングを促す画面を表示してもよい。
【0163】
なお、ショッピングリング60が顧客の所有物(マイリング)である場合など、携帯端末70とショッピングリング60とが予めペアリングが行われている場合は、ペアリングを促す画面を表示しないでもよい。これにより、ペアリングを行うための操作や、クラウドサーバ20における顧客識別情報の関連付けを要さずに、双方の機器で商品の登録を開始することが可能である。
【0164】
(携帯端末70が表示する商品登録更新画面について)
次に、ショッピングリング60と携帯端末70とを併用して商品を登録する場合に携帯端末70が表示する商品登録更新画面について説明する。携帯端末70は、ショッピングリング60を用いた商品の登録を行った場合も、自端末でバーコードをスキャンして商品の登録を行った場合と同様の商品登録更新画面を表示する。すなわち、ショッピングリング60で商品の登録が行われると、当該ショッピングリング60に関連付けられる携帯端末70に、クラウドサーバ20から商品登録更新画面情報が送信される。これにより、ショッピングリング60を承認の登録を行った場合でも、顧客は、登録した内容を携帯端末70で確認することができる。なお、携帯端末70に表示される画面の詳細については、図16を用いて後述する。
【0165】
(精算処理について)
次に、ショッピングリング60と携帯端末70とを併用して商品を登録する場合における精算処理について説明する。まず、ショッピングリング60で登録した商品と、携帯端末70で登録した商品とを別々の精算とする場合について説明する。この場合、携帯端末70で登録した商品については、精算装置30に精算用2次元コードを読み取らせることによって精算処理がおこなわれるようにすればよい。なお、この場合、クラウドサーバ20は、携帯端末70で登録された商品について合計金額を算出すればよい。
【0166】
一方で、ショッピングリング60で登録した商品については、図8のステップS802に示した例と同様、ショッピングリング60が返却ボックスに返却されることによって精算処理が行われるようにすればよい。なお、この場合、クラウドサーバ20は、ショッピングリング60で登録された商品について合計金額を算出すればよい。
【0167】
次に、ショッピングリング60で登録した商品と、携帯端末70で登録した商品とを同じ精算とする場合について説明する。この場合、会計指示の受け付けは、ステップS1310に示した、携帯端末70に表示される会計ボタンが押下されることとする。ただし、会計指示の受け付けは、このほかにも、ショッピングリング60が返却ボックスに返却されることによっても行われてもよい。この場合、ショッピングリング60が返却ボックスに返却されることにより、携帯端末70は、会計ボタンが押下されなくても、クラウドサーバ20からの指示に基づいて、精算用2次元コードを生成すればよい。
【0168】
なお、会計指示の受け付けは、携帯端末70に表示される会計ボタンが押下されることと、ショッピングリング60が返却ボックスに返却されることとのうち、いずれか一方のみによって行われてもよい。すなわち、他方が行われたとしても、会計指示を受け付けないようにしてもよい。また、この会計指示の受け付けをいずれとするかは、予め顧客が選択可能であってもよい。
【0169】
(登録方法の選択について)
また、携帯端末70を用いることによる商品の登録方法と、ショッピングリング60を用いることによる商品の登録方法と、これら二つの機器を併用する登録方法とのうちのいずれか一つを選択可能にしてもよい。この場合、例えば、携帯端末70は、ステップS1304における初期画面の表示において、いずれか一つの登録方法を受け付ける選択画面を表示し、受け付けた方法で商品の登録を行うようにしてもよい。また、登録方法の選択は、精算が完了するまで、いつでも切り替え可能であってもよい。
【0170】
また、グループの構成員のうち、いずれかの者を削除できるようにしてもよい。例えば、グループの中に、携帯端末70を所持する顧客の意図しない商品の登録をショッピングリング60で行う者がいる場合、携帯端末70を所持する顧客は、携帯端末70を操作して、その者に対して商品の登録を行えないようにしてもよい。すなわち、買い物の途中であっても、その者を、グループの中から削除できるようにしてもよい。また、この場合、当該商品を商品棚200に戻すように促してもよい。
【0171】
(両方の機器で同じ商品が登録される場合について)
携帯端末70でバーコードをスキャンして登録を行った商品と、ショッピングリング60で登録を行った商品とが重複する場合、クラウドサーバ20は、いずれかの登録をキャンセルするようにしてもよい。具体的には、クラウドサーバ20は、先に登録された商品の登録方法と、後に登録される商品の登録方法とが異なり、且つ、登録される商品が同一である場合に、先に登録された商品および後に登録される商品とのうちいずれか一方をキャンセル(削除)するようにしてもよい。
【0172】
また、クラウドサーバ20は、異なる機器で同一商品が登録された旨を示す情報を携帯端末70に送信してもよい。この場合、携帯端末70は、いずれの商品をキャンセルするか、または、いずれもキャンセルしないかを受け付けるようにし、受け付けた結果をクラウドサーバ20へ送信するようにしてもよい。
【0173】
また、重複する商品を商品棚200に戻すように促した場合や、携帯端末70でキャンセルを受け付けた場合、その後に、クラウドサーバ20は、キャンセルを成立させることが可能である。具体的には、クラウドサーバ20は、IRレシーバユニット40やロードセル50によって当該商品が商品棚200に戻されたことが検出された場合、当該商品のキャンセルを成立させるようにすればよい。
【0174】
また、変形例8では、携帯端末70でバーコードをスキャンして商品が登録されると、ロードセル50によって検出される当該商品の重量が減少するが、どの顧客の登録操作によって重量が減少したのかが不明となるおそれがある。ここで、携帯端末70でバーコードをスキャンして商品が登録されると、登録された商品の数量(重量)に応じて、ロードセル50によって検出される当該商品の重量が減少する。すなわち、携帯端末70で登録された商品の数量(重量)と、ロードセル50によって検出された重量の変化分とは、理屈上は同じ値である。
【0175】
このため、クラウドサーバ20は、ロードセル50から検出された重量の変化分が、携帯端末70で登録された商品の数量(重量)であると判別することができる。これにより、クラウドサーバ20は、ロードセル50から検出された重量の変化分を、携帯端末70で登録した商品の数量として、携帯端末70の顧客識別情報に対応付けることが可能である。また、クラウドサーバ20は、商品棚200の商品がどの顧客の登録操作によって重量が減少したのかを管理することができる。
【0176】
(保留商品がある場合について)
次に、保留商品について説明する。保留商品は、例えば、購入される商品であるが、正常に登録されずに、登録が保留された商品である。保留商品は、保留商品情報としてカート情報に記憶される。
【0177】
まず、携帯端末70で登録を試みた際の保留商品について説明する。例えば、登録商品情報は、携帯端末70で商品コードのスキャンに成功し、かつ、該商品コードに基づいて商品を特定できた場合に記憶される商品である。一方で、保留商品情報は、携帯端末70で商品コードのスキャンに成功しなかった場合や、商品コードのスキャンに成功したものの該商品コードに基づいて商品を特定できなかった場合に記憶される商品である。
【0178】
保留商品には、読取りNGの保留商品と、問合せNGの保留商品とがある。読取りNGの保留商品は、携帯端末70で商品コードのスキャンに失敗したこと(スキャナによる読み取りがNGとなったこと)によって登録できなかった保留商品である。一例を挙げると、商品のパッケージにシワが存在する場合や、バーコードの印字にカスレや汚れが生じている場合に、タイムアウトによりバーコードの認識に至らないことがある。
【0179】
ここで、タイムアウトによりバーコードの認識に至らないことについて詳述する。携帯端末70は、各種センサ(例えば、ジャイロセンサ、加速度センサ、距離センサなど)を備え、各種センサの検出結果やカメラの撮像結果を用いて、バーコードの読取中であることを判別可能である。
【0180】
具体的には、携帯端末70は、各種センサの検出結果を用いて、携帯端末70が傾けられている状況であり、かつ、当該携帯端末70から一定距離だけ離れた位置に商品が存在している状況を、バーコードの読取中であることとして判別可能である。そして、携帯端末70は、バーコードの読取中であると判別してから、所定時間内にバーコードを読み取れなかった場合に、タイムアウトとして、読取NGの保留商品として特定する。
【0181】
また、読取りNGとなるのは、例えば、商品のバーコードを読んだフリして、当該商品をカゴへ投入した場合がある。このため、保留商品(読取りNG)は、不正操作の可能性があることから、不正操作であるかの確認を要する要不正操作確認の保留商品であるとも言える。
【0182】
問合せNGの保留商品は、商品コードのスキャンに成功し(読取りNGとならず)、商品マスタに該商品コードの商品を問い合わせたものの、商品の特定に失敗した(商品の問い合わせがNGとなった)ことによって登録できなかった保留商品である。
【0183】
このような保留商品がある場合、精算時に店員を呼び出し、店員によるチェックが行われる。
【0184】
ショッピングリング60を用いた登録においても、クラウドサーバ20は、登録する内容を判別できない場合がある。例えば、ショッピングリング60を用いた登録において、複数人の顧客が商品を同時に取り出した場合など、商品の個数や重量が不明である場合や、商品自体を特定できない場がある。また、顧客が、商品を返却する場合がある。この場合、クラウドサーバ20は、当該商品を保留商品としてカート情報に記憶する。なお、ショッピングリング60を用いた登録における保留商品は、ペアリングが行われていない場合(例えば、上記実施形態の構成の場合)でも生じる。このため、クラウドサーバ20は、上記実施形態の構成においても、同様にして、保留商品情報を記憶することは可能である。
【0185】
なお、クラウドサーバ20は、携帯端末70に、ショッピングリング60を用いた登録において商品を判別できない旨を示す情報を送信するようにしてもよい。例えば、クラウドサーバ20は、個数や重量が不明である場合、携帯端末70に、個数や重量を入力させる画面を表示させ、携帯端末70から個数や重量を得るようにしてもよい。また、例えば、クラウドサーバ20は、ショッピングリング60を用いた登録において商品が不明である場合、携帯端末70に、バーコードのスキャンによって登録を促す画面を表示させ、携帯端末70から商品コードを得るようにしてもよい。
【0186】
また、ショッピングリング60を用いた登録において商品を返却した場合、すなわち、商品を登録したものの、再び、IRレシーバユニット40によって当該商品の収納領域が特定されて、ロードセル50によって元の重量分の変化が検出された場合、クラウドサーバ20は、携帯端末70に商品を戻したか否かの確認画面を表示させるようにしてもよい。また、このように顧客に入力を委ねた場合でも、念のため、保留商品として記憶しておき、精算時に店員によるチェックを行うようにしてもよい。
【0187】
(出口に鍵を設ける場合について)
上述した変形例5のように、変形例8においても、出口に鍵を設けるようにすることも可能である。この場合、出口のスキャナに読み取らせる2次元コードは、携帯端末70に表示されるようにしてもよい。
【0188】
(変形例8にかかる携帯端末70が行う処理の一例)
図14は、変形例8にかかる携帯端末70が行う処理の一例を示すフローチャートである。図14において、携帯端末70は、ショッピングリング60との関連付け(ペアリング)が完了しているか否かを判断する(ステップS1401)。ショッピングリング60との関連付けが完了している場合(ステップS1401:YES)、携帯端末70は、ステップS1404に進む。
【0189】
ショッピングリング60との関連付けが完了していない場合(ステップS1401:NO)、携帯端末70は、認証に成功した旨を示す認証情報を取得したか否かを判断する(ステップS1402)。認証情報を取得しない場合(ステップS1402:NO)、携帯端末70は、ステップS1404に進む。認証情報を取得した場合(ステップS1402:YES)、携帯端末70は、認証情報をクラウドサーバ20へ送信する(ステップS1403)。
【0190】
そして、携帯端末70は、商品に付されたバーコードをスキャンしたか否かを判断する(ステップS1404)。商品に付されたバーコードをスキャンしない場合(ステップS1404:NO)、携帯端末70は、ステップS1406に進む。商品に付されたバーコードをスキャンした場合(ステップS1404:YES)、携帯端末70は、スキャンによって得られた商品コードをクラウドサーバ20へ送信する(ステップS1405)。
【0191】
そして、携帯端末70は、クラウドサーバ20から商品登録更新画面情報を受信したか否かを判断する(ステップS1406)。クラウドサーバ20から商品登録更新画面情報を受信しない場合(ステップS1406:NO)、携帯端末70は、ステップS1408に進む。クラウドサーバ20から商品登録更新画面情報を受信した場合(ステップS1406:YES)、携帯端末70は、登録画面に商品を追加する(ステップS1407)。
【0192】
そして、携帯端末70は、支払いが完了したことを示す精算完了情報を受信したか否かを判断する(ステップS1408)。精算完了情報を受信しない場合(ステップS1408:NO)、携帯端末70は、ステップS1401に戻る。精算完了情報を受信した場合(ステップS1408:YES)、携帯端末70は、買い物の終了を示す終了画面を表示し(ステップS1409)、一連の処理を終了する。
【0193】
(変形例8にかかるクラウドサーバ20が行う処理の一例)
図15は、変形例8にかかるクラウドサーバ20が行う処理の一例を示すフローチャートである。なお、図15のフローチャートに示す処理は、クラウドサーバ20において、常時(非常に短い時間間隔で定期的に)開始される。
【0194】
図15において、クラウドサーバ20は、携帯端末70から、携帯端末70の認証に成功した旨を示す認証情報を受信したか否かを判断する(ステップS1501)。認証情報を受信しない場合(ステップS1501:NO)、クラウドサーバ20は、ステップS1503に進む。
【0195】
認証情報を受信した場合(ステップS1501:YES)、クラウドサーバ20は、ショッピングリング60に割り当てられる顧客識別情報と、携帯端末70に割り当てられる顧客識別情報とを関連付ける(ステップS1502)。そして、クラウドサーバ20は、登録商品情報を更新したか否かを判断する(ステップS1503)。登録商品情報の更新は、携帯端末70でバーコードが読み取られた場合や、ショッピングリング60を用いて商品棚200の収納領域から商品が取り出させた場合に行われる。
【0196】
登録商品情報を更新しない場合(ステップS1503:NO)、クラウドサーバ20は、ステップS1505に進む。登録商品情報を更新した場合(ステップS1503:YES)、クラウドサーバ20は、携帯端末70へ商品登録画面情報を送信する(ステップS1504)。そして、クラウドサーバ20は、精算装置30から精算が完了したか否かを判断する(ステップS1505)。精算が完了していない場合(ステップS1505:NO)、クラウドサーバ20は、一連の処理を終了する。精算が完了した場合(ステップS1505:YES)、クラウドサーバ20は、精算完了情報を携帯端末70へ送信し(ステップS1506)、一連の処理を終了する。
【0197】
(携帯端末70に表示される画面の一例について)
次に、図16を用いて、携帯端末70に表示される画面の一例について説明する。図16は、携帯端末70に表示される画面の一例を示す説明図である。
【0198】
図16(A)は、携帯端末70のディスプレイ1600に表示される商品一覧画面を示す。図16(A)に示すように、携帯端末70のディスプレイ1600には、合計表示領域1601と、登録完了ボタン1602と、登録商品表示領域1603と、カメラ起動ボタン1604とが表示されている。
【0199】
合計表示領域1601は、登録した各種商品の合計点数や合計金額を示す領域である。登録完了ボタン1602は、登録の完了および精算の開始を受け付けるボタンである。登録商品表示領域1603は、登録した商品の商品名、数量、価格などが表示される領域である。カメラ起動ボタン1604は、商品に付されたバーコードを読み取る撮像機能を起動させるボタンである。
【0200】
携帯端末70は、クラウドサーバ20から商品登録更新画面情報を受信するごとに、合計表示領域1601の内容を更新し、登録商品表示領域1603に登録した商品を追加して表示する(図14のステップS1406、S1407参照)。また、新たに商品が登録されると、例えば、当該商品を示す内容が登録商品表示領域1603の最上段に表示される。
【0201】
図16(A)において、携帯端末70は、登録完了ボタン903が押下されると、図16(B)に示す画面に移行する。図16(B)は、カメラの撮像機能によって商品を登録することが可能な画面を示す。図16(B)に示すように、携帯端末70のディスプレイ1600には、例えば、撮像領域1610と、一覧画面移行ボタン1611と、合計表示領域1601と、登録完了ボタン1602と、登録商品表示領域1603とが表示されている。
【0202】
撮像領域1610は、携帯端末70のカメラの機能により、商品に付されたバーコードを撮像することが可能な領域である。携帯端末70は、撮像領域1610に表示されたバーコードを読み取り、当該バーコードから得られる商品コードをクラウドサーバ20へ送信する(図14のステップS1404、S1405参照)。
【0203】
一覧画面移行ボタン1611は、商品一覧画面への移行を受け付けるボタンである。一覧画面移行ボタン1611が押下されると、携帯端末70は、図16(A)に示す商品一覧画面を表示する。
【0204】
図16に示したように、携帯端末70は、撮像機能が不要なときは、図16(A)に示す商品一覧画面を表示することができる。このため、ユーザは、登録した商品を容易に把握することができる。一方で、撮像機能を用いた商品の登録を行うときには、図16(B)に示すようにカメラを起動した画面を表示する。これにより、多様な商品の登録を可能にし、状況に応じた商品の登録を行うことができる。
【0205】
変形例8によれば、携帯端末70を用いた商品の登録と、ショッピングリング60を用いた商品の登録とを併用することができる。したがって、買い物にかかる利便性を向上させることができる。
【0206】
(変形例9)
(計量装置を用いる場合の一例)
変形例9では、上述した実施形態および各変形例に構成に加えて、計量装置を用いて商品を登録する構成について説明する。
【0207】
図17は、計量装置の構成の一例を示す説明図である。図17に示す計量装置1700は、計量対象商品の計量を行うコンピュータ装置である。計量装置1700は、計量した重量(または個数)と、計量対象商品の単価とを用いて、計量対象商品の金額を算出する。計量対象商品は、通常の商品とは異なる商品である。ここで、通常の商品は、例えば、JANコードが付された商品である。一方で、計量対象商品は、品物の重量や数量により価格が異なる商品である。計量対象商品は、例えば、野菜、果物、鮮魚、精肉などの生鮮食品である。
【0208】
計量装置1700は、計量対象商品の金額や重量等をバーコード化したラベルを印刷して出力する。当該ラベルには、価格が含まれている。すなわち、計量対象商品に付されるラベル(バーコード)は、NON-PLU(Price Look Up)の方式が用いられている。なお、ショッピングシステム1において、計量装置1700の台数は、1台であってもよいし、複数台であってもよい。
【0209】
ここで、計量装置1700の具体的な構成について説明する。計量装置1700は、タッチパネル1701と、印刷部1702と、読取部1703と、載台1704と、不図示の、通信部と、音声出力部と、CPUと、ROMと、RAMと、メモリとを備える。これらは、バスを介して相互に通信可能である。
【0210】
タッチパネル1701は、客に各種情報を表示するとともに、客から操作を受け付ける。タッチパネルに表示される各種情報は、計量中の計量対象商品の商品名や計量数などのほか、計量に関するガイダンスなどを含む。
【0211】
印刷部1702は、計量対象商品に関する情報(計量対象商品の重量、売価、およびこれらを示すバーコードなど)が印刷された印刷物(以下「ラベル」ともいう)を出力する。
読取部1703は、各種コード(バーコード、2次元コード等)を読み取る。
載台1704は、商品が載置される台である。載台1704に商品が載置されると、載置された商品の重量が計量される。例えば、計量装置1700は、例えば、ロードセル方式を用いて、載台1704に載置された計量対象商品を計量する。
【0212】
通信部は、外部の機器との間で情報を送受信するインターフェースである。通信部は、管理装置10から、計量対象商品の商品識別情報に対応する単価を受信する。計量装置1700は、載台1704に載置された商品の重量(または個数)と、単価とを用いて、計量対象商品の売価を算出する。
【0213】
音声出力部は、音声を出力する。例えば、音声出力部は、計量に関する音声ガイダンス等を出力する。
【0214】
CPUは、中央演算処理装置であり、ROMに記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、計量装置1700の動作を制御する。
ROMは、読み出し専用メモリであり、プログラムをはじめとしてCPUが利用する各種の情報を記憶する。
【0215】
RAMは、読み出し書き込みメモリであり、種々の情報を記憶する。例えば、RAMは、ROMやメモリから読みだした情報や、外部から取得した情報や、処理において生成した情報等を記憶する。
【0216】
メモリは、種々の情報を記憶する。メモリは、例えば、管理装置10から取得した計量対象商品の単価を記憶する。また、メモリは、ROMに代えて、CPUが実行するプログラム等を記憶してもよい。また、メモリは、RAMに代えて、ROMから読みだした情報や、外部から取得した情報や、処理において生成した情報等を記憶してもよい。
【0217】
また、計量装置1700には、IRレシーバユニット40が上下に配置されている。IRレシーバユニット40は、上方と下方とに一対ずつ配置されている。一対のIRレシーバユニット40は、それぞれ、計量装置1700から客側(通路側)に迫り出すようにして配置されている。IRレシーバユニット40は、顧客の指に装着されたショッピングリング60のIRエミッタ100から出力される顧客識別情報を検出する。
【0218】
IRレシーバユニット40は、顧客識別情報を受信すると、受信した顧客識別情報と、自装置を識別するアドレス情報とを、管理装置10を介して、クラウドサーバ20へ送信する。このアドレス情報は、計量装置1700を示すアドレスとして割り当てられた情報である。これにより、クラウドサーバ20は、ある顧客が、計量装置1700で計量対象商品を購入しようとしていることを判別することが可能になる。
【0219】
計量装置1700は、客が載台1704に置いた商品の計量を行う。計量装置1700は、計量を終えると、客の操作を受け付けて、計量結果を示すラベルを出力する。また、計量装置1700は、ラベルを出力すると、計量結果をクラウドサーバ20へ送信する。計量結果は、例えば、商品名、重量、金額などを示す情報を含む。
【0220】
クラウドサーバ20は、IRレシーバユニット40から受信した顧客識別情報およびアドレス情報と、計量装置1700から受信した計量結果とを用いて、顧客識別情報に対応する登録商品情報(図7参照)を更新する。
【0221】
なお、上述した説明では、IRレシーバユニット40は、顧客識別情報を受信すると、受信した顧客識別情報と、自装置を識別するアドレス情報とを、管理装置10を介して、クラウドサーバ20へ送信するようにしたが、これに限らない。例えば、計量装置1700が予めIRレシーバユニット40のアドレス情報を記憶するものとし、IRレシーバユニット40が、顧客識別情報を受信すると、受信した顧客識別情報を計量装置1700へ送信するようにしてもよい。
【0222】
そして、計量装置1700は、顧客識別情報を受信すると、予め記憶しているIRレシーバユニット40のアドレス情報と、顧客識別情報とをクラウドサーバ20へ送信するようにしてもよい。このようにしても、クラウドサーバ20は、ある顧客が、計量装置1700で計量対象商品を購入しようとしていることを判別することが可能になる。また、このようにした場合、計量装置1700がこれらの情報をクラウドサーバ20へ送信するタイミングは、計量結果を示すラベルを出力するタイミングとすればよい。
【0223】
(計量対象商品の種類の特定について)
次に、計量対象商品の種類の特定について詳述する。以下では、計量対象商品を、例えば、レモン、リンゴ、オレンジなどの果物として説明する。これらの計量対象商品は、単位重量当りの金額(単価)が定められている。計量対象商品は、それぞれ、店舗210内において、収納領域としてのカゴや大皿に置かれている。図18に示すように、計量対象商品が置かれているカゴや大皿には、それぞれIRレシーバユニット40が上下に配置されている。
【0224】
具体的には、IRレシーバユニット40は、各カゴや各大皿の上方と下方とに一対ずつ配置されている。一対のIRレシーバユニット40は、それぞれ、カゴや大皿から客側(通路側)に迫り出すようにして配置されている。IRレシーバユニット40は、顧客の指に装着されたショッピングリング60のIRエミッタ100から出力される顧客識別情報を検出する。IRレシーバユニット40は、顧客識別情報を受信すると、自装置を識別するアドレス情報をクラウドサーバ20へ送信する。アドレス情報は、レモン、リンゴ、オレンジに割り当てられている。これにより、クラウドサーバ20は、顧客が、いずれの商品(例えば、レモン)を取り出そうとしているのかを特定することができる。
【0225】
(クラウドサーバ20における計量対象商品の特定について)
そして、顧客が、レモンを取り出し、計量装置1700に載置させたとする。ここで、レモンを取り出した顧客の顧客識別情報が、計量装置1700のIRレシーバユニット40によって検出されたとすると、当該顧客がレモンを取り出して計量を開始させたものと見なすことができる。このため、クラウドサーバ20は、レモン置き場に配置されているIRレシーバユニット40によって顧客識別情報が検出された後の所定時間内に、計量装置1700のIRレシーバユニット40によって顧客識別情報が検出された場合には、当該顧客識別情報が示す同一の顧客がレモンの計量を開始したものと判別することができる。すなわち、クラウドサーバ20は、計量対象商品(レモン)を特定することができる。また、クラウドサーバ20は、特定し計量対象商品を示す情報を計量装置1700に送信すればよい。これにより、計量装置1700は、計量対象商品(レモン)の計量を開始することができる。
【0226】
(計量装置1700における計量対象商品の特定について)
また、計量対象商品の特定は、クラウドサーバ20による特定に限らない。以下に、計量装置1700が行う計量対象商品の特定について、いくつか例を挙げて説明する。例えば、計量装置1700における計量対象商品の特定は、顧客の操作に基づく特定としてもよい。顧客の操作に基づく計量対象商品の特定は、具体的には、例えば、計量装置1700のタッチパネル1701上に、自装置における計量の対象となる商品を選択肢として表示しておき、当該選択肢の中から、顧客の指定を受け付けることによる特定である。このようにしても、計量装置1700は、計量対象商品を特定することができる。
【0227】
また、計量装置1700における計量対象商品の特定は、IRレシーバユニット40から出力されたアドレス情報(レモン置き場のアドレス情報)に基づく特定としてもよい。具体的に説明すると、計量装置1700は、IRレシーバユニット40から、直接、または間接的に(クラウドサーバ20または管理装置10を介して)アドレス情報を受信すればよい。但し、この場合、計量装置1700は、予め、カゴや大皿に配置されるIRレシーバユニット40のアドレス情報と、計量対象商品の種類(レモン、リンゴ、オレンジ)とを対応付けた情報(以下「対応情報」という。)を記憶しているものとする。計量装置1700は、各IRレシーバユニット40から直接または間接的にアドレス情報を受信すると、対応情報を参照し、受信したアドレス情報に対応する計量対象商品を特定する。このようにしても、計量装置1700は、計量対象商品を特定することができる。
【0228】
(計量中および計量完了後について)
計量装置1700は、計量対象商品を特定すると、載台1704に載置された計量対象商品の計量を行う。なお、計量対象商品が載台1704に載置される際に、計量装置1700に配置されたIRレシーバユニット40によって、顧客識別情報がクラウドサーバ20に送信される。計量装置1700は、計量を終えると、計量結果をクラウドサーバ20へ送信する。計量結果は、計量対象商品の商品名、購入金額などを含む。クラウドサーバ20は、計量装置1700から計量結果を受信すると、計量装置1700に配置されたIRレシーバユニット40から先に受信している顧客識別情報を参照し、当該顧客識別情報が含まれるカード情報(登録商品情報)を更新する。
【0229】
(計量対象商品を携帯端末70で商品を登録する場合について)
また、変形例9において、携帯端末70で計量対象商品を登録することも可能である。これについて、具体的に説明する。
【0230】
(携帯端末70における計量商品の登録手順について)
次に、図18を用いて、携帯端末70における計量商品の登録手順について説明する。
図18は、携帯端末70における計量商品の登録手順の一例を示す説明図である。図13では、携帯端末70のカメラ機能を用いて、客が購入を希望する計量対象商品の識別情報を取得する例について説明する。店舗210内の果物が置かれているコーナー(売場)には、例えば、レモン1801a、リンゴ1801b、および、オレンジ1801cの計量対象商品が陳列されているものとする。各計量対象商品の背後には、それぞれ、ディスプレイを有する標識1802a~1802cが置かれている。なお、以下では、主に標識1802aを例に挙げて説明するが、標識1802b、1802cについても同様である。
【0231】
標識1802aには、「レモン」の文字と、単価と、バーコード1803aとが表示されている。単価は、1kgあたり、nn円であることを示している。バーコード1803aは、レモン1801aを識別する情報(商品識別情報)や、単価が含まれる。バーコード1803aは、携帯端末70によって読み取られる。
【0232】
なお、標識1802aは、紙などに印刷されて掲示されていてもよいし、ディスプレイに表示されていてもよい。ディスプレイに標識1802aを表示した場合には、時間に応じてバーコード1803aの内容を変えることができる。このため、例えば、タイムサービスにおける値引きを行ったり、不正を防止したりすることができる。不正とは、例えば、前日のタイムサービス中のバーコードをカメラで撮影しておき、翌日に当該バーコードを読み取らせることにより、前日のタイムサービス中の単価で、計量対象商品を登録するといった不正である。
【0233】
図18において、携帯端末70の表示画面は、レモンとリンゴのバーコードが読み取られた後の仮登録の画面を示している。具体的には、携帯端末70には、商品名(商品識別情報)が表示され、各商品の計量がされていないことを示す画面が表示されている。
【0234】
より具体的に説明すると、携帯端末70のディスプレイ509には、小計欄550と、仮登録欄551b、552bと、本登録欄553aとが表示されている。小計欄550は、本登録された商品の合計金額が表示される。仮登録欄551b、552bは、仮登録された計量対象商品が表示されている。具体的には、仮登録欄551bには、レモンの計量が必要であること(「要計量」)や、計量していないことから価格が不明であること(「??円」)が表示されている。同様に、仮登録欄552bには、リンゴの計量が必要であること(「要計量」)や、計量していないことから価格が不明であること(「??円」)が表示されている。
【0235】
また、仮登録欄551b、552bは、本登録欄553aと異なる表示態様で表示されている。図示では、仮登録欄551b、552bは、網掛け表示の表示態様で表示されている。このような表示態様とすることにより、仮登録中であることを強調できるため、計量を促すことができる。
【0236】
本登録欄553aは、本登録された商品および金額が表示されている。本登録欄553aには、160円のヨーグルトが1点、登録されていることを示している。仮登録されている商品については、価格が不明であるため、小計欄550には、本登録欄553aに記載されている商品の合計金額が表示されている。
【0237】
また、小計欄550の右側には、登録完了ボタン(「お会計へ進む」ボタン)が表示されている。登録完了ボタンが押下されると、本登録されている商品で会計が行われることになる。
【0238】
なお、計量対象商品を登録する画面は、計量対象商品ではない通常の商品を登録する画面とは異なる専用画面であってもよい。例えば、通常の商品を登録する画面が表示されているときに、計量対象商品のバーコードが読み取られた場合、上記専用画面を表示すればよい。この専用画面では、例えば、計量対象商品のみを登録可能とする。これにより、計量対象商品が仮登録されたことや、計量が必要であることをより明確にすることができる。
【0239】
(計量装置1700の待機画面について)
次に、図19を用いて、計量装置1700に表示される待機画面の一例について説明する。
図19は、計量装置1700に表示される待機画面の一例を示す説明図である。図19に示すように、タッチパネル1701には、待機状態中に表示される待機画面1900が表示されている。待機画面1900には、第1案内欄1910と、第2案内欄1920とが表示されている。第1案内欄1910は、携帯端末70を使用して計量対象商品の登録を行う場合の案内を示す。具体的には、第1案内欄1910には、接続用2次元コード1911が表示され、接続用2次元コード1911を携帯端末70に読み取らせる旨の案内が表示されている。
【0240】
第2案内欄1920は、携帯端末70を使用せずに、計量対象商品の登録を行う場合の案内を示す。具体的には、第2案内欄1920には、商品を秤に載せて計量を促す旨の案内が表示されている。以下では、携帯端末70を使用する場合について説明する。
【0241】
図18に示したように、携帯端末70へのレモンとリンゴの仮登録を終えると、客は、携帯端末70に接続用2次元コード1911を読み取らせる。仮登録を終えた後も、携帯端末70には、商品のバーコードを読み取るときと同様の画面が表示されている。このため、客は、画面を切り替える操作を行わなくても、携帯端末70に接続用2次元コード1911を読み取らせることができる。
【0242】
接続用2次元コード1911を読み取った携帯端末70は、接続用2次元コード1911が示す指示に基づいて、計量装置1700に通信接続の要求を行う。
【0243】
ここで、計量装置1700の通信部は、ネットワークの通信を介した通信のほかに、携帯端末70と近距離無線通信を行うことが可能である。通信部が近距離無線通信によって携帯端末70と通信接続可能な台数は、例えば、1台である。具体的に説明すると、携帯端末70と1対1で近距離無線通信を行う。1対1の近距離無線通信は、例えば、Bluetooth(登録商標)である。なお、1対1の近距離無線通信は、NFC(Near Field Communication)、Wi-Fi(登録商標)、光通信、4G(Generation)回線等などの通信プロトコルによる通信であってもよい。なお、通信部が近距離無線通信によって携帯端末70と通信接続可能な台数は、1台に限らず、2台や3台であってもよい。
【0244】
図19において、接続用2次元コード1911を読み取った携帯端末70が計量装置1700に通信接続の要求を行うと、携帯端末70と、計量装置1700とは、1対1の通信を開始する。通信が確立すると、携帯端末70は、計量装置1700に仮登録した商品の情報を送信する。例えば、図18に示したように、レモンとリンゴとを仮登録した場合には、携帯端末70は、レモンとリンゴとの識別情報を送信する。
【0245】
商品の識別情報を受信した計量装置1700は、識別情報に示される計量対象商品の計量を促す画面を表示するようにタッチパネル306を制御する。本実施形態では、商品の識別情報が携帯端末70により取得された順番に応じて、計量対象商品の計量を促す画面を表示するようにタッチパネル306を制御する。例えば、レモンを示す識別情報を先に取得した場合には、レモンの計量を促す画面を表示する。具体的には、レモンを載台1704に載置させることを促す画面を表示し、載置後にラベルの出力を促す画面を表示する。そして、次に、リンゴの計量を促す画面を表示する。具体的には、リンゴを載台1704に載置させることを促す画面を表示し、載置後にラベルの出力を促す画面を表示する。
【0246】
計量装置1700は、商品ごとに計量を終えると、計量結果(商品識別情報、価格等)を携帯端末70に近距離無線通信で送信する。そして、携帯端末70は、計量結果から得られる計量対象商品の商品情報と、カート識別情報とをクラウドサーバ20へ送信する。そして、クラウドサーバ20は、カート識別情報が含まれるカート情報を特定し、特定したカート情報の登録商品情報を更新する。
【0247】
このように、変形例9によれば、計量装置1700を用いて商品を登録することもできる。
【0248】
(変形例10)
上述した実施形態では、出力装置の一例を顧客が所持する装置(例えば、ショッピングリング60)とし、受信装置の一例を商品棚200に配置される装置(IRレシーバユニット40)とした構成について説明した。変形例10では、このような構成に加えて、または、このような構成に代えて、出力装置を商品棚200に配置される装置とし、受信装置を顧客が所持する装置とする構成について説明する。
【0249】
以下に、変形例10の機能的構成について説明する。変形例10において、出力装置は、商品棚200に配置されるIRエミッタ(以下「棚側IRエミッタ」という。)である。棚側IRエミッタは、自装置のアドレス情報を出力する。
【0250】
また、変形例10において、受信装置は、顧客が所持し、棚側IRエミッタによって出力されるアドレス情報を受信するIRレシーバ(以下「携帯IRレシーバ」という。)である。携帯IRレシーバは、客の動作や行動を感知できるものであればよく、例えば、指にはめるリング型である。携帯IRレシーバは、棚側IRエミッタからアドレス情報を受信すると、棚側IRエミッタから受信したアドレス情報と、自装置の識別情報とをクラウドサーバ20へ送信する。
【0251】
クラウドサーバ20は、領域情報記憶部と、領域特定部と、商品情報記憶部と、商品特定部と、登録部とを備える。領域情報記憶部は、アドレス情報に応じた収納領域を示す情報を記憶する。領域特定部は、領域情報記憶部を参照し、棚側IRエミッタによって出力されたアドレス情報に基づいて、識別情報を送信した携帯IRレシーバが位置する収納領域を特定する。
【0252】
商品情報記憶部は、収納領域に応じた商品の情報を記憶する。商品特定部は、商品情報記憶部を参照し、領域特定部によって特定された収納領域に応じた商品を特定する。登録部は、商品特定部によって特定された商品を、携帯IRレシーバを所持する顧客の購入商品として登録する。
【0253】
変形例10に係るショッピングシステム1は、棚側IRエミッタのアドレス情報に基づいて、携帯IRレシーバが位置する収納領域に応じた商品を特定し、当該商品を、携帯IRレシーバを所持する顧客の購入商品として登録するようにした。したがって、セルフレジシステムにおいて、顧客は、商品のバーコードを携帯端末のカメラで読み取らせなくても、商品棚200から商品を取り出すだけで、クラウドサーバ20に商品を登録させることができる。したがって、商品の登録操作に係る負荷を抑えることができ、商品の登録を好適に行うことができる。
【0254】
以下、実施形態総括を記載する。
[技術分野] 商品登録システム、取引管理装置、商品登録方法、取引管理方法、及びプログラム
本発明は、商品登録システム、取引管理装置、商品登録方法、取引管理方法、及びプログラムに関する。
[背景技術]
近年、客が商品を登録して精算を行う、いわゆるセルフレジシステムが普及している。例えば、携帯端末のカメラ機能を用いて商品に付されたバーコードを読み取り、読取結果をクラウドサーバに送信して、クラウドサーバで客ごとの登録商品を管理し、精算装置で精算を行うセルフレジシステムが知られている。(例えば、特許文献1参照)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2016-219034号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
【0255】
しかしながら、従来技術では、顧客にとって、商品のバーコードを携帯端末のカメラで読み取らせる操作が面倒なことや、バーコードを上手く読み取れないことがあるため、顧客にとって商品の登録操作が負荷となり、商品の登録を好適に行えないことがある、という問題があった。
【0256】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、商品の登録を好適に行うことができる技術を提供することにある。
[課題を解決するための手段]
上述した課題を解決するために、本発明の一態様である商品登録システムは、顧客が所持し、自装置を識別する識別情報を出力する出力装置と、前記出力装置によって出力される前記識別情報を受信する受信装置と、商品の取引を管理する取引管理装置と、を備えた商品登録システムであって、前記受信装置は、前記出力装置から受信した前記識別情報と、自装置のアドレス情報とを前記取引管理装置へ送信する送信手段を備え、前記取引管理装置は、アドレス情報に応じた収納領域を示す情報を記憶する領域情報記憶手段を参照し、前記受信装置から受信したアドレス情報に基づいて、前記識別情報を出力する前記出力装置が位置する収納領域を特定する領域特定手段と、収納領域に応じた商品の情報を記憶する商品情報記憶手段を参照し、前記領域特定手段によって特定された収納領域に応じた商品を特定する商品特定手段と、前記商品特定手段によって特定された商品を、前記出力装置を所持する顧客の購入商品として登録する登録手段と、を備えることを特徴とする商品登録システムである。
上記構成によれば、商品の登録操作に係る負荷を抑えることができ、商品の登録を好適に行うことができる。
上記構成において、前記受信装置は、前記識別情報を受信した場合、前記識別情報と、自装置のアドレス情報と、受信した前記識別情報の信号強度とを前記取引管理装置へ送信し、前記領域情報記憶手段は、アドレス情報と、信号強度とに応じた収納領域の情報を記憶し、前記領域特定手段は、前記領域情報記憶手段を参照し、前記受信装置から受信したアドレス情報と信号強度とに基づいて、前記識別情報を出力する前記出力装置が位置する収納領域を特定してもよい。
上記構成によれば、IRレシーバユニット40の設置数の低減化を図ることができる。
上記構成において、収納領域に収納される商品の重量を検出し、検出結果を前記取引管理装置へ送信する検出装置をさらに備え、前記商品情報記憶手段に記憶される商品の情報は、収納領域に応じて収納される各商品の重量に関する情報を含み、前記商品特定手段は、前記商品情報記憶手段に記憶される重量に関する情報と、前記検出装置から受信した商品の重量とに基づいて、商品の数量を特定し、前記登録手段は、前記商品特定手段によって特定された商品の数量を、前記出力装置を所持する顧客が購入する商品の数量として登録してもよい。
上記構成によれば、一の収納領域内に異なる重さの商品がある場合でも、いずれの商品であるのかを判別することができる。
上記構成において、前記商品情報記憶手段に記憶される各商品の重量に関する情報は、各商品の単価を示す情報を含み、
前記商品特定手段は、前記商品情報記憶手段に記憶される前記単価の情報と、前記検出装置から受信した検出結果に基づいて、前記商品特定手段によって特定された商品の購入価格を特定し、前記登録手段は、前記商品特定手段によって特定された購入価格を、前記出力装置を所持する顧客の購入価格として登録してもよい。
上記構成によれば、セルフレジシステムにおいて、顧客は、商品のバーコードを携帯端末のカメラで読み取らせなくても、商品棚から商品を取り出すだけで、取引管理装置に商品および購入金額を登録させることができる。
上記構成において、前記検出装置は、収納領域に複数設けられ、一の前記検出装置は、他の前記検出装置に載置され、一の前記検出装置と、他の前記検出装置とは、互いに異なる種別の商品を載置して商品の重量を検出してもよい。
上記構成によれば、構成を簡素化することができるとともに、IRレシーバユニット40およびロードセル50に係るコストの削減を図ることができる。
上記構成において、前記受信装置は、商品棚の中の収納領域に位置する前記出力装置から前記識別情報を受信する第1受信装置と、前記商品棚の近傍に位置する前記出力装置から前記識別情報を受信する第2受信装置と、を含んでもよい。
上記構成によれば、商品棚の商品の配置にかかる自由度を高めることができる。
上記構成において、顧客が所持し、商品に付されたコードの読み取り結果を前記取引管理装置へ送信する携帯端末を備え、前記取引管理装置は、前記携帯端末を識別する端末識別情報と、前記出力装置の前記識別情報とを関連付ける関連付け手段を備え、前記登録手段は、前記商品特定手段によって特定された商品と、前記携帯端末によって読み取られたコードから得られる商品とを、前記出力装置および前記携帯端末を所持する顧客の購入商品として登録してもよい。
上記構成によれば、携帯端末を用いた商品の登録と、出力装置を用いた商品の登録とを併用することができるため、買い物にかかる利便性を向上させることができる。
上述した課題を解決するために、本発明の他の態様である取引管理装置は、顧客が所持し、自装置を識別する識別情報を出力する出力装置と、前記出力装置によって出力された前記識別情報と、自装置のアドレス情報とを取引管理装置へ送信する受信装置と、商品の取引を管理する前記取引管理装置と、を備えた商品登録システムに用いられる前記取引管理装置であって、前記取引管理装置は、アドレス情報に応じた収納領域を示す情報を記憶する領域情報記憶手段を参照し、前記受信装置から受信したアドレス情報に基づいて、前記識別情報を出力する前記出力装置が位置する収納領域を特定する領域特定手段と、収納領域に応じた商品の情報を記憶する商品情報記憶手段を参照し、前記領域特定手段によって特定された収納領域に応じた商品を特定する商品特定手段と、前記商品特定手段によって特定された商品を、前記出力装置を所持する顧客の購入商品として登録する登録手段と、を備えることを特徴とする取引管理装置である。
上記構成によれば、商品の登録操作に係る負荷を抑えることができ、商品の登録を好適に行うことができる。
上述した課題を解決するために、本発明の他の態様である商品登録方法は、顧客が所持し、自装置を識別する識別情報を出力する出力装置と、前記出力装置によって出力される前記識別情報を受信する受信装置と、商品の取引を管理する取引管理装置と、を備えた商品登録システムの商品登録方法であって、前記受信装置が、前記出力装置から受信した前記識別情報と、自装置のアドレス情報とを前記取引管理装置へ送信するステップを含み、前記取引管理装置が、アドレス情報に応じた収納領域を示す情報を記憶する領域情報記憶部を参照し、前記受信装置から受信したアドレス情報に基づいて、前記識別情報を出力する前記出力装置が位置する収納領域を特定する領域特定ステップと、収納領域に応じた商品の情報を記憶する商品情報記憶部を参照し、前記領域特定ステップにおいて特定された収納領域に応じた商品を特定する商品特定ステップと、前記商品特定ステップにおいて特定された商品を、前記出力装置を所持する顧客の購入商品として登録する登録ステップと、を含むことを特徴とする商品登録方法である。
上記構成によれば、商品の登録操作に係る負荷を抑えることができ、商品の登録を好適に行うことができる。
上述した課題を解決するために、本発明の他の態様である取引管理方法は、顧客が所持し、自装置を識別する識別情報を出力する出力装置と、前記出力装置によって出力された前記識別情報と、自装置のアドレス情報とを取引管理装置へ送信する受信装置と、商品の取引を管理する前記取引管理装置と、を備えた商品登録システムに用いられる前記取引管理装置の取引管理方法であって、前記取引管理装置が、アドレス情報に応じた収納領域を示す情報を記憶する領域情報記憶部を参照し、前記受信装置から受信したアドレス情報に基づいて、前記識別情報を出力する前記出力装置が位置する収納領域を特定する領域特定ステップと、収納領域に応じた商品の情報を記憶する商品情報記憶部を参照し、前記領域特定ステップにおいて特定された収納領域に応じた商品を特定する商品特定ステップと、前記商品特定ステップにおいて特定された商品を、前記出力装置を所持する顧客の購入商品として登録する登録ステップと、を含むことを特徴とする取引管理方法である。
上記構成によれば、商品の登録操作に係る負荷を抑えることができ、商品の登録を好適に行うことができる。
上述した課題を解決するために、本発明の他の態様であるプログラムは、顧客が所持し、自装置を識別する識別情報を出力する出力装置と、前記出力装置によって出力される前記識別情報を受信する受信装置と、商品の取引を管理する取引管理装置と、を備えた商品登録システムに用いられる、前記受信装置として第1のコンピュータを機能させ、前記取引管理装置として第2のコンピュータを機能させるプログラムであって、前記第1のコンピュータを前記出力装置から受信した前記識別情報と、自装置のアドレス情報とを前記取引管理装置へ送信する送信手段として機能させ、前記第2のコンピュータを、アドレス情報に応じた収納領域を示す情報を記憶する領域情報記憶部を参照し、前記受信装置から受信したアドレス情報に基づいて、前記識別情報を出力する前記出力装置が位置する収納領域を特定する領域特定手段、収納領域に応じた商品の情報を記憶する商品情報記憶部を参照し、前記領域特定手段によって特定された収納領域に応じた商品を特定する商品特定手段、
前記商品特定手段によって特定された商品を、前記出力装置を所持する顧客の購入商品として登録する登録手段、として機能させることを特徴とするプログラムである。
上記構成によれば、商品の登録操作に係る負荷を抑えることができ、商品の登録を好適に行うことができる。
上述した課題を解決するために、本発明の他の態様であるプログラムは、顧客が所持し、自装置を識別する識別情報を出力する出力装置と、前記出力装置から受信した前記識別情報と、自装置のアドレス情報とを取引管理装置へ送信する受信装置と、商品の取引を管理する前記取引管理装置と、を備えた商品登録システムに用いられる前記取引管理装置としてコンピュータを機能させるプログラムであって、前記コンピュータを、アドレス情報に応じた収納領域を示す情報を記憶する領域情報記憶部を参照し、前記受信装置から受信したアドレス情報に基づいて、前記識別情報を出力する前記出力装置が位置する収納領域を特定する領域特定手段、収納領域に応じた商品の情報を記憶する商品情報記憶部を参照し、前記領域特定手段によって特定された収納領域に応じた商品を特定する商品特定手段、前記商品特定手段によって特定された商品を、前記出力装置を所持する顧客の購入商品として登録する登録手段、として機能させることを特徴とするプログラムである。
上記構成によれば、商品の登録操作に係る負荷を抑えることができ、商品の登録を好適に行うことができる。
【0257】
上述した課題を解決するために、本発明の他の態様である商品登録システムは、
自装置のアドレス情報を出力する出力装置と、
顧客が所持し、前記出力装置によって出力される前記アドレス情報を受信する受信装置と、
商品の取引を管理する取引管理装置と、
を備えた商品登録システムであって、
前記受信装置は、
前記出力装置から受信したアドレス情報と、自装置の識別情報とを前記取引管理装置へ送信する送信手段を備え、
前記取引管理装置は、
アドレス情報に応じた収納領域を示す情報を記憶する領域情報記憶手段を参照し、前記出力装置によって出力されたアドレス情報に基づいて、前記識別情報を送信した前記受信装置が位置する収納領域を特定する領域特定手段と、
収納領域に応じた商品の情報を記憶する商品情報記憶手段を参照し、前記領域特定手段によって特定された収納領域に応じた商品を特定する商品特定手段と、
前記商品特定手段によって特定された商品を、前記受信装置を所持する顧客の購入商品として登録する登録手段と、
を備えることを特徴とする商品登録システムである。
上記構成によれば、商品の登録操作に係る負荷を抑えることができ、商品の登録を好適に行うことができる。
【0258】
上述した課題を解決するために、本発明の他の態様である取引管理装置は、
自装置のアドレス情報を出力する出力装置と、
顧客が所持し、前記出力装置によって出力されたアドレス情報と、自装置の識別情報とを取引管理装置へ送信する受信装置と、
商品の取引を管理する前記取引管理装置と、
を備えた商品登録システムに用いられる前記取引管理装置であって、
前記取引管理装置は、
アドレス情報に応じた収納領域を示す情報を記憶する領域情報記憶手段を参照し、前記出力装置によって出力されたアドレス情報に基づいて、前記識別情報を送信した前記受信装置が位置する収納領域を特定する領域特定手段と、
収納領域に応じた商品の情報を記憶する商品情報記憶手段を参照し、前記領域特定手段によって特定された収納領域に応じた商品を特定する商品特定手段と、
前記商品特定手段によって特定された商品を、前記受信装置を所持する顧客の購入商品として登録する登録手段と、
を備えることを特徴とする取引管理装置である。
上記構成によれば、商品の登録操作に係る負荷を抑えることができ、商品の登録を好適に行うことができる。
【0259】
上述した課題を解決するために、本発明の他の態様であるプログラムは、
自装置のアドレス情報を出力する出力装置と、
顧客が所持し、前記出力装置によって出力される前記アドレス情報を受信する受信装置と、
商品の取引を管理する取引管理装置と、
を備えた商品登録システムに用いられる、前記受信装置として第1のコンピュータを機能さえ、前記取引管理装置として第2のコンピュータを機能させるプログラムであって、
前記第1のコンピュータを、
前記出力装置から受信したアドレス情報と、自装置の識別情報とを前記取引管理装置へ送信する送信手段として機能させ、
前記第2のコンピュータを、
アドレス情報に応じた収納領域を示す情報を記憶する領域情報記憶部を参照し、前記出力装置によって出力されたアドレス情報に基づいて、前記識別情報を送信した前記受信装置が位置する収納領域を特定する領域特定手段、
収納領域に応じた商品の情報を記憶する商品情報記憶部を参照し、前記領域特定手段によって特定された収納領域に応じた商品を特定する商品特定手段と、
前記商品特定手段によって特定された商品を、前記受信装置を所持する顧客の購入商品として登録する登録手段、
として機能させることを特徴とするプログラムである。
上記構成によれば、商品の登録操作に係る負荷を抑えることができ、商品の登録を好適に行うことができる。
【0260】
上述した課題を解決するために、本発明の他の態様であるプログラムは、
自装置のアドレス情報を出力する出力装置と、
顧客が所持し、前記出力装置によって出力されたアドレス情報と、自装置の識別情報とを取引管理装置へ送信する受信装置と、
商品の取引を管理する前記取引管理装置と、
を備えた商品登録システムに用いられる前記取引管理装置としてコンピュータを機能させるプログラムであって、
前記コンピュータを、
アドレス情報に応じた収納領域を示す情報を記憶する領域情報記憶部を参照し、前記出力装置によって出力されたアドレス情報に基づいて、前記識別情報を送信した前記受信装置が位置する収納領域を特定する領域特定手段、
収納領域に応じた商品の情報を記憶する商品情報記憶部を参照し、前記領域特定手段によって特定された収納領域に応じた商品を特定する商品特定手段、
前記商品特定手段によって特定された商品を、前記受信装置を所持する顧客の購入商品として登録する登録手段、
として機能させることを特徴とするプログラムである。
上記構成によれば、商品の登録操作に係る負荷を抑えることができ、商品の登録を好適に行うことができる。
【0261】
なお、上述した説明では、クラウドサーバ20が、領域特定部と、商品特定部と、登録部とを備える構成について説明したが、これらの機能部は、他のコンピュータ装置に具備されていてもよい。例えば、これらの機能部は、管理装置10に具備されていてもよいし、精算装置30に具備されていてもよいし、これら以外のコンピュータ装置に具備されていてもよい。また、これらの機能部が具備されるコンピュータ装置は、1台であることに限らず、複数台であってもよい。例えば、これらの機能部の一部の機能部を一のコンピュータ装置が具備し、他の機能部を他のコンピュータ装置が具備していてもよい。
【0262】
なお、以上に説明したショッピングシステム1、クラウドサーバ20、およびIRレシーバユニット40を実現するためのプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、そのプログラムをコンピュータシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0263】
1…ショッピングシステム
10…管理装置
20…クラウドサーバ
30…精算装置
40…IRレシーバユニット
50…ロードセル
60…ショッピングリング
70…携帯端末
501…CPU
502…ROM
503…RAM
504…メモリ
505…通信部
506…時計
1700…計量装置
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