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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-07
(45)【発行日】2024-08-16
(54)【発明の名称】充填包装方法および充填包装機
(51)【国際特許分類】
   B65B 9/20 20120101AFI20240808BHJP
【FI】
B65B9/20
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021567314
(86)(22)【出願日】2020-12-15
(86)【国際出願番号】 JP2020046809
(87)【国際公開番号】W WO2021131919
(87)【国際公開日】2021-07-01
【審査請求日】2023-11-21
(31)【優先権主張番号】P 2019236242
(32)【優先日】2019-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000180298
【氏名又は名称】四国化工機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106091
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 直都
(74)【代理人】
【氏名又は名称】渡邉 彰
(72)【発明者】
【氏名】盛川 康弘
(72)【発明者】
【氏名】片山 和幸
【審査官】▲桑▼原 恭雄
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2009/139129(WO,A1)
【文献】国際公開第2009/150693(WO,A1)
【文献】特開2010-143627(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 9/20
B65B 57/00
B65B 57/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェブ状包材の両縁部どうしを重ね合わせて縦シールすることによりチューブ状包材を成形し、
チューブ状包材内に、その上方から挿入された充填管を通じて内容物を供給することにより、内容物を充填し、
内容物が充填されたチューブ状包材を、チューブ状包材の内面との間に環状通路が形成されるように充填管の周囲に設けられたプレッシャフランジよりも下方において、対をなすシールジョーにより挟んで引き下げ、容器1つ分に相当する長さ毎に横シールするとともに横シール部を幅中間で切断することにより、内容物充填容器を成形することを含んでいる、充填包装方法であって、
ウェブ状包材の移動経路の所定箇所においてウェブ状包材の繋ぎ部が通過したことを検出し、
検出された繋ぎ部の通過情報に基づいてチューブ状包材内への内容物の供給量を減少させることにより、対をなすシールジョーによるチューブ状包材の引き下げに伴って陰圧となる可能性のある陰圧発生見込領域に繋ぎ部が到達する前に、チューブ状包材内の内容物充填レベルをプレッシャフランジよりも上方の通常位置からプレッシャフランジよりも下方の陰圧発生回避位置まで下げ、
繋ぎ部が陰圧発生見込領域を通過した後、内容物充填レベルを陰圧発生回避位置から通常位置まで戻すことをさらに含んでいる、充填包装方法。
【請求項2】
ウェブ状包材の両縁部どうしを重ね合わせて縦シールすることによりチューブ状包材を成形し、
チューブ状包材内に、その上方から挿入された充填管を通じて内容物を供給することにより、内容物を充填し、
内容物が充填されたチューブ状包材を、チューブ状包材の内面との間に環状通路が形成されるように充填管の周囲に設けられたプレッシャフランジよりも下方において、対をなすシールジョーにより挟んで引き下げ、容器1つ分に相当する長さ毎に横シールするとともに横シール部を幅中間で切断することにより、内容物充填容器を成形することを含んでいる、充填包装方法であって、
ウェブ状包材の移動経路の所定箇所においてウェブ状包材の繋ぎ部が通過したことを検出し、
検出された繋ぎ部の通過情報に基づいてチューブ状包材内への内容物の供給を停止することにより、対をなすシールジョーによるチューブ状包材の引き下げに伴って陰圧となる可能性のある陰圧発生見込領域に繋ぎ部が到達する前に、チューブ状包材内に内容物が残らないようにし、
繋ぎ部が陰圧発生見込領域を通過した後、チューブ状包材内への内容物の供給を再開することにより、チューブ状包材内の内容物充填レベルをプレッシャフランジよりも上方の通常位置まで戻すことをさらに含んでいる、充填包装方法。
【請求項3】
陰圧発生見込領域が、チューブ状包材内におけるプレッシャフランジの上面に対応する位置と、チューブ状包材を挟んだ状態で下降した最初の1対のシールジョーの上方に次の1対のシールジョーが到来してチューブ状包材の挟圧を開始した時点における当該最初の1対のシールジョーの位置との間の領域である、請求項1または2記載の充填包装方法。
【請求項4】
ウェブ状包材の両縁部どうしを重ね合わせて縦シールすることによりチューブ状包材を成形するチューブ成形装置と、
チューブ状包材内に上方から挿入された充填管、および充填管を通じてチューブ状包材内に供給する内容物の供給量を調整する調整弁を有する内容物充填装置と、
チューブ状包材の内面との間に環状通路が形成されるように充填管の周囲に設けられたプレッシャフランジと、
内容物が充填されたチューブ状包材を、プレッシャフランジよりも下方において、対をなすシールジョーにより挟んで引き下げ、容器1つ分に相当する長さ毎に横シールするとともに横シール部を幅中間で切断することにより、内容物充填容器を成形する容器成形装置とを備えている、充填包装機であって、
ウェブ状包材の移動経路の所定箇所においてウェブ状包材の繋ぎ部が通過したことを検出する検出部と、
検出部で検出された繋ぎ部の通過情報に基づいて、内容物充填装置の調整弁を制御することにより、チューブ状包材内への内容物の供給量を調整する制御部とをさらに備えており、
制御部は、検出部で検出された繋ぎ部の通過情報に基づいてチューブ状包材内への内容物供給量を減少させることにより、対をなすシールジョーによるチューブ状包材の引き下げに伴って陰圧となる可能性のある陰圧発生見込領域に繋ぎ部が到達する前に、チューブ状包材内の内容物充填レベルをプレッシャフランジよりも上方の通常位置からプレッシャフランジよりも下方の陰圧発生回避位置まで下げ、繋ぎ部が陰圧発生見込領域を通過した後、内容物充填レベルを陰圧発生回避位置から通常位置まで戻すように、調整弁を制御するものである、充填包装機。
【請求項5】
ウェブ状包材の両縁部どうしを重ね合わせて縦シールすることによりチューブ状包材を成形するチューブ成形装置と、
チューブ状包材内に上方から挿入された充填管、および充填管を通じてチューブ状包材内に供給する内容物の供給量を調整する調整弁を有する内容物充填装置と、
チューブ状包材の内面との間に環状通路が形成されるように充填管の周囲に設けられたプレッシャフランジと、
内容物が充填されたチューブ状包材を、プレッシャフランジよりも下方において、対をなすシールジョーにより挟んで引き下げ、容器1つ分に相当する長さ毎に横シールするとともに横シール部を幅中間で切断することにより、内容物充填容器を成形する容器成形装置とを備えている、充填包装機であって、
ウェブ状包材の移動経路の所定箇所においてウェブ状包材の繋ぎ部が通過したことを検出する検出部と、
検出部で検出された繋ぎ部の通過情報に基づいて、内容物充填装置の調整弁を制御することにより、チューブ状包材内への内容物の供給量を調整する制御部とをさらに備えており、
制御部は、検出部で検出された繋ぎ部の通過情報に基づいてチューブ状包材内への内容物の供給を停止することにより、対をなすシールジョーによるチューブ状包材の引き下げに伴って陰圧となる可能性のある陰圧発生見込領域に繋ぎ部が到達する前に、チューブ状包材内に内容物が残らないようにし、繋ぎ部が陰圧発生見込領域を通過した後、チューブ状包材内への内容物の供給を再開することにより、チューブ状包材内の内容物充填レベルをプレッシャフランジよりも上方の通常位置まで戻すように、調整弁を制御するものである、充填包装機。
【請求項6】
陰圧発生見込領域が、チューブ状包材内におけるプレッシャフランジの上面に対応する位置と、チューブ状包材を挟んだ状態で下降した最初の1対のシールジョーの上方に次の1対のシールジョーが到来してチューブ状包材の挟圧を開始した時点における当該最初の1対のシールジョーの位置との間の領域である、請求項4または5記載の充填包装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、流動性食品や飲料等の内容物を、紙等のウェブ状包材から成形された容器に充填して包装する充填包装方法および充填包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば流動性食品等の内容物を充填した紙成形容器を製造するための充填包装機として、図5および図6に示すものが一般に知られている(下記特許文献1,2等参照)。
この充填包装機(10)は、ロール状に巻かれたウェブ状包材(W)を支持しているリワインダ(11)と、リワインダ(11)からウェブ状包材(W)を順次巻き戻す巻戻し装置(12)と、巻き戻されたウェブ状包材(W)の両縁部どうしを重ね合わせて縦シールすることによりチューブ状包材(T)に成形するチューブ成形装置(13)と、チューブ状包材(T)内に上方から挿入された充填管(14)によってチューブ状包材(T)内に内容物を充填する内容物充填装置(15)と、内容物が充填されたチューブ状包材(T)を容器1つ分に相当する長さ毎に横シールして横シール部の幅中間で切断することにより、中間形態である枕状の内容物充填容器(C1)を成形する容器成形装置(16)と、上記容器(C1)を完成形態である直方体状の内容物充填容器(C2)に成形する容器完成装置(17)とを備えている。
【0003】
容器成形装置(16)は、チューブ状包材(T)を挟んで開閉自在に配され、チューブ状包材(T)を挟んで引き下げるとともに横シールする2対のシールジョー(161)を備えている。シールジョー(161)は、容器(C1)1つ分の長さに相当するストロークで1対ずつ交互に昇降させられる。
また、図6に示すように、各対のシールジョー(161)には、通常、チューブ状包材(T)をその両側から挟み付けることにより所定の容器形状(例えば横断面正方形)に予備成形する成形フラップ(162)が備えられている。なお、図6では、1対のシールジョー(161)のみを示し、他の1対のシールジョーは省略している。
【0004】
また、充填管(14)の周囲には、フロート(19)が、充填管(14)の長さ方向に沿ってスライド自在に設けられている。このフロート(19)は、チューブ状包材(T)内の内容物充填レベル(L)の変動に応じて昇降するようになっていて、内容物充填レベル(L)を検出してこれを一定レベルに調整する装置の一部を構成している。
【0005】
さらに、図5に示すように、殺菌槽(20)からチューブ成形装置(13)に至るウェブ状包材(W)の移動経路、およびチューブ成形装置(13)から容器成形装置(16)の手前までのチューブ状包材(T)の移動経路は、無菌チャンバ(21)内に配置されている。無菌チャンバ(21)には、図示しないブロワおよびエア供給管によって無菌エアが供給されており、それによって無菌チャンバ(21)内が陽圧に保持されている。エア供給管は、通常、複数箇所に設けられており、例えば、充填管(14)の外周にも、チューブ状包材(T)内に向かって無菌エアを供給するようにエア供給管が設けられている場合がある。したがって、チューブ状包材(T)内における内容物充填レベル(L)の上方領域も、常に無菌エアが供給されて、陽圧に保持されている。
【0006】
上記充填包装機(10)において、中間形態の枕状内容物充填容器(C1)を成形する際、内容物が充填されたチューブ状包材(T)に対して、各対のシールジョー(161)および成形フラップ(162)による加圧力が作用すると、チューブ状包材(T)の下端側は横シール部によって閉鎖されているため、内容物の一部が上方へ逃げようとする。しかしながら、内容物が上方に逃げてしまうと、チューブ状包材(T)の内部圧力が不足して成形フラップ(162)による予備成形が成形不良となったり、内容物の充填量が不足したりするおそれがある。
そのため、充填管(14)における内容物充填レベル(L)よりも下方に位置する部分の周囲に、プレッシャフランジ(18)が取り付けられている。このプレッシャフランジ(18)により、上方へ逃げようとする内容物、換言すれば、内容物の流体圧が受け止められ、容器(C1)の成形に必要な内部圧力が確保されるようになっている。
但し、内部圧力が高くなりすぎると、チューブ状包材(T)が縦シール部の箇所で破れるおそれがあるため、プレッシャフランジ(18)の外周面と、チューブ状包材(T)の内周面との間に、内容物の流体圧力の一部を上方に逃がす環状通路(22)が形成されている(図6参照)。
なお、成形フラップ(162)による予備成形が行われない充填包装機であっても、横シールによる圧力で液面から跳ね上がった飛沫が縦シール部まで到達し、縦シール不良となることを防止するため、やはりプレッシャフランジ(18)による圧力調整が必要となる。
【0007】
ここで、容器材料として使用されるウェブ状包材(W)には、繋ぎ部(W10)が存在する。例えば、ウェブ状包材(W)のロール交換時には、使用中の旧ウェブ状包材(W)の終端部(W11)と交換する新ウェブ状包材(W)の始端部(W12)とを重ねて貼り合わせる必要があり、それによって2枚重ねの繋ぎ部(W10)が形成される(図7(a),(b)参照)。また、このような繋ぎ部(W10)は、ウェブ状包材(W)のロール交換時に形成される他、1つのロールを構成するウェブ状包材(W)の長さの途中に予め形成されている場合もある。
旧ウェブ状包材(W)の終端部(W11)および新ウェブ状包材(W)の始端部(W12)は、図7に示すように、通常、それぞれの長さ方向に対して同一方向に傾斜するようにカットされている。これは、図7(c)に示すように、ウェブ状包材(W)の繋ぎ部(W10)を含んだ部分がチューブ状包材(T)となされた際に、チューブ状包材(T)の両縁部どうしを重ね合わせて縦シールすることにより形成されるオーバーラップ部(T1)において、4枚重ねとなる部分が生じないようにするためである。また、チューブ状包材(T)の内面には、オーバーラップ部(T1)の内側の段差を被覆するように、シーリングテープ(S)が貼り付けられている。
図8は、チューブ状包材(T)における繋ぎ部(W10)が含まれる部分の詳細構造を示したものである。図8(b)(c)中に符号(G1)(G2)(G3)(G4)で表示した箇所(図8(a)中では、2点鎖線及び破線によって画定されている箇所)は、縦シール時に溶融した樹脂によって埋められるが、極稀にシールが不完全となって、いずれかの箇所(G1)(G2)(G3)(G4)において、チューブ状包材(T)の内部と外部とを導通させる隙間が生じてしまう可能性が考えられる。
さらに、チューブ状包材(T)の内面には、繋ぎ部(W10)を構成する一方のウェブ状包材(W)の端面が露出しており(図8参照)、この端面に内容物が浸透するため、繋ぎ部(W10)を含む容器は製品にはならない。
そこで、ウェブ状包材(W)の繋ぎ部(W10)が含まれる容器と、安全を見て同容器の前後数個の容器とを廃棄するようになされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2015-174665号公報
【文献】特開2017-226445号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記の充填包装機(10)において、チューブ状包材(T)を2対のシールジョー(161)で挟んで引き下げる速度に対して、チューブ状包材(T)内におけるプレッシャフランジ(18)よりも下方の領域に、上記環状通路(22)を通じて、内容物が流入するのが追い付かず、同領域付近に陰圧が生じる場合があり得ることが分かってきた。
仮に、チューブ状包材(T)の上記領域付近に陰圧が生じたタイミングで、前述したように、繋ぎ部(W10)を含むチューブ状包材(T)部分において極稀に発生する可能性のある縦シール不完全部が陰圧発生箇所を通過すると、縦シール不完全部を通じて、チューブ状包材内の内容物に菌が混入する可能性がゼロではないと考えられる。
そして、仮に内容物に菌が混入したことを想定すると、菌が混入した内容物が、成形フラップ(162)による加圧力でプレッシャフランジ(18)よりも上方に押し上げられて撹拌される可能性があるため、繋ぎ部が含まれる容器とその前後の容器を廃棄したとしても、チューブ状包材(T)内の菌を完全に排除できない可能性が残ってしまうと考えられる。
【0010】
この発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、ウェブ状包材の繋ぎ部において縦シール不良が生じる場合があったとしても、チューブ状包材に充填された内容物に菌が混入するリスクを確実に排除することができる充填包装方法および充填包装機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明は、上記の目的を達成するために、以下の態様からなる。
【0012】
1)ウェブ状包材の両縁部どうしを重ね合わせて縦シールすることによりチューブ状包材を成形し、
チューブ状包材内に、その上方から挿入された充填管を通じて内容物を供給することにより、内容物を充填し、
内容物が充填されたチューブ状包材を、チューブ状包材の内面との間に環状通路が形成されるように充填管の周囲に設けられたプレッシャフランジよりも下方において、対をなすシールジョーにより挟んで引き下げ、容器1つ分に相当する長さ毎に横シールするとともに横シール部を幅中間で切断することにより、内容物充填容器を成形することを含んでいる、充填包装方法であって、
ウェブ状包材の移動経路の所定箇所においてウェブ状包材の繋ぎ部が通過したことを検出し、
検出された繋ぎ部の通過情報に基づいてチューブ状包材内への内容物の供給量を減少させることにより、対をなすシールジョーによるチューブ状包材の引き下げに伴って陰圧となる可能性のある陰圧発生見込領域に繋ぎ部が到達する前に、チューブ状包材内の内容物充填レベルをプレッシャフランジよりも上方の通常位置からプレッシャフランジよりも下方の陰圧発生回避位置まで下げ、
繋ぎ部が陰圧発生見込領域を通過した後、内容物充填レベルを陰圧発生回避位置から通常位置まで戻すことをさらに含んでいる、充填包装方法。
【0013】
2)ウェブ状包材の両縁部どうしを重ね合わせて縦シールすることによりチューブ状包材を成形し、
チューブ状包材内に、その上方から挿入された充填管を通じて内容物を供給することにより、内容物を充填し、
内容物が充填されたチューブ状包材を、チューブ状包材の内面との間に環状通路が形成されるように充填管の周囲に設けられたプレッシャフランジよりも下方において、対をなすシールジョーにより挟んで引き下げ、容器1つ分に相当する長さ毎に横シールするとともに横シール部を幅中間で切断することにより、内容物充填容器を成形することを含んでいる、充填包装方法であって、
ウェブ状包材の移動経路の所定箇所においてウェブ状包材の繋ぎ部が通過したことを検出し、
検出された繋ぎ部の通過情報に基づいてチューブ状包材内への内容物の供給を停止することにより、対をなすシールジョーによるチューブ状包材の引き下げに伴って陰圧となる可能性のある陰圧発生見込領域に繋ぎ部が到達する前に、チューブ状包材内に内容物が残らないようにし、
繋ぎ部が陰圧発生見込領域を通過した後、チューブ状包材内への内容物の供給を再開することにより、チューブ状包材内の内容物充填レベルをプレッシャフランジよりも上方の通常位置まで戻すことをさらに含んでいる、充填包装方法。
【0014】
3)陰圧発生見込領域が、チューブ状包材内におけるプレッシャフランジの上面に対応する位置と、チューブ状包材を挟んだ状態で下降した最初の1対のシールジョーの上方に次の1対のシールジョーが到来してチューブ状包材の挟圧を開始した時点における当該最初の1対のシールジョーの位置との間の領域である、上記1)または2)の充填包装方法。
【0015】
4)ウェブ状包材の両縁部どうしを重ね合わせて縦シールすることによりチューブ状包材を成形するチューブ成形装置と、
チューブ状包材内に上方から挿入された充填管、および充填管を通じてチューブ状包材内に供給する内容物の供給量を調整する調整弁を有する内容物充填装置と、
チューブ状包材の内面との間に環状通路が形成されるように充填管の周囲に設けられたプレッシャフランジと、
内容物が充填されたチューブ状包材を、プレッシャフランジよりも下方において、対をなすシールジョーにより挟んで引き下げ、容器1つ分に相当する長さ毎に横シールするとともに横シール部を幅中間で切断することにより、内容物充填容器を成形する容器成形装置とを備えている、充填包装機であって、
ウェブ状包材の移動経路の所定箇所においてウェブ状包材の繋ぎ部が通過したことを検出する検出部と、
検出部で検出された繋ぎ部の通過情報に基づいて、内容物充填装置の調整弁を制御することにより、チューブ状包材内への内容物の供給量を調整する制御部とをさらに備えており、
制御部は、検出部で検出された繋ぎ部の通過情報に基づいて、チューブ状包材内への内容物供給量を減少させることにより、対をなすシールジョーによるチューブ状包材の引き下げに伴って陰圧となる可能性のある陰圧発生見込領域に繋ぎ部が到達する前に、チューブ状包材内の内容物充填レベルをプレッシャフランジよりも上方の通常位置からプレッシャフランジよりも下方の陰圧発生回避位置まで下げ、繋ぎ部が陰圧発生見込領域を通過した後、内容物充填レベルを陰圧発生回避位置から通常位置まで戻すように、調整弁を制御するものである、充填包装機。
【0016】
5)ウェブ状包材の両縁部どうしを重ね合わせて縦シールすることによりチューブ状包材を成形するチューブ成形装置と、
チューブ状包材内に上方から挿入された充填管、および充填管を通じてチューブ状包材内に供給する内容物の供給量を調整する調整弁を有する内容物充填装置と、
チューブ状包材の内面との間に環状通路が形成されるように充填管の周囲に設けられたプレッシャフランジと、
内容物が充填されたチューブ状包材を、プレッシャフランジよりも下方において、対をなすシールジョーにより挟んで引き下げ、容器1つ分に相当する長さ毎に横シールするとともに横シール部を幅中間で切断することにより、内容物充填容器を成形する容器成形装置とを備えている、充填包装機であって、
ウェブ状包材の移動経路の所定箇所においてウェブ状包材の繋ぎ部が通過したことを検出する検出部と、
検出部で検出された繋ぎ部の通過情報に基づいて、内容物充填装置の調整弁を制御することにより、チューブ状包材内への内容物の供給量を調整する制御部とをさらに備えており、
制御部は、検出部で検出された繋ぎ部の通過情報に基づいてチューブ状包材内への内容物の供給を停止することにより、対をなすシールジョーによるチューブ状包材の引き下げに伴って陰圧となる可能性のある陰圧発生見込領域に繋ぎ部が到達する前に、チューブ状包材内に内容物が残らないようにし、繋ぎ部が陰圧発生見込領域を通過した後、チューブ状包材内への内容物の供給を再開することにより、チューブ状包材内の内容物充填レベルをプレッシャフランジよりも上方の通常位置まで戻すように、調整弁を制御するものである、充填包装機。
【0017】
6)陰圧発生見込領域が、チューブ状包材内におけるプレッシャフランジの上面に対応する位置と、チューブ状包材を挟んだ状態で下降した最初の1対のシールジョーの上方に次の1対のシールジョーが到来してチューブ状包材の挟圧を開始した時点における当該最初の1対のシールジョーの位置との間の領域である、上記4)または5)の充填包装機。
【発明の効果】
【0018】
上記1)の充填包装方法または上記4)の充填包装機によれば、ウェブ状包材の繋ぎ部が陰圧発生見込領域を通過する間は、チューブ状包材内の内容物充填レベルがプレッシャフランジよりも下方の陰圧発生回避位置まで下げられているので、チューブ状包材内は陰圧とならず、したがって、仮にウェブ状包材の繋ぎ部に縦シール不良が発生した場合であっても、チューブ状包材に充填された内容物に外部から菌が混入する可能性が確実に排除される。
また、上記2)の充填包装方法または上記5)の充填包装機によれば、ウェブ状包材の繋ぎ部が陰圧発生見込領域を通過する間は、チューブ状包材内に内容物が残っていない状態となっているので、チューブ状包材内は陰圧とならず、したがって、仮にウェブ状包材の繋ぎ部に縦シール不良が発生した場合であっても、チューブ状包材に充填された内容物に外部から菌が混入する可能性がより一層確実に排除される。
上記3)の充填包装方法または上記6)の充填包装機によれば、陰圧発生見込領域をチューブ状包材内におけるプレッシャフランジの上面に対応する位置と、チューブ状包材を挟んだ状態で下降した最初の1対のシールジョーの上方に次の1対のシールジョーが到来してチューブ状包材の挟圧を開始した時点における当該最初の1対のシールジョーの位置との間の領域に設定することで、上記効果を得るために必要な内容物の供給量の調整を容易に行うことができる。
さらに、上記1)~3)の充填包装方法または上記4)~6)の充填包装機によれば、繋ぎ部を含む容器または同容器とその前後の容器とを廃棄する場合に、これらの容器に充填される内容物の量が少なくなるため、内容物の無駄な廃棄を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】この発明の実施形態に係る充填包装機の要部を示す正面図である。
図2】同充填包装機の2対のシールジョーによる容器成形工程の一部を順次示す正面図である。
図3】同充填包装機による充填包装方法の第1の態様を工程順に示す正面図である。
図4】同充填包装機による充填包装方法の第2の態様を工程順に示す正面図である。
図5】従来の充填包装機の全体概略を示す斜視図である。
図6】同充填包装機における内容物充填装置および容器成形装置の一部を示す正面図である。
図7】(a)および(b)はロール交換時のウェブ状包材の繋ぎ部の形成工程を順次示す正面図であり、(c)は繋ぎ部を含むチューブ状包材部分の切欠き斜視図である。
図8】同繋ぎ部を含むチューブ状包材部分の詳細を示したものであって、(a)はチューブ状包材の内側から見た垂直断面図であり、(b)は(a)のb-b線に沿う断面図であり、(c)は(a)のc-c線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、この発明の実施形態を、図面を参照して以下に説明する。
図1は、この発明の実施形態に係る充填包装機の要部を示したものである。図2は、充填包装機の2対のシールジョーによる容器整形工程の一部を順次示したものである。また、図3および図4は、同充填包装機による充填包装方法の2つの態様を示したものである。
なお、この実施形態の充填包装機の構造は、後述する点を除けば、図5図8を参照して先に説明した従来技術と実質的に同じであるので、重複する説明は省略する。
【0021】
図1に示すように、この実施形態の充填包装機(10)は、ウェブ状包材(W)の移動経路の所定箇所においてウェブ状包材(W)の繋ぎ部(W10)が通過したことを検出する検出部(23)と、検出部(23)で検出された繋ぎ部(W10)の通過情報に基づいて、内容物充填装置(15)の調整弁(151)を制御することにより、チューブ状包材(T)内への内容物の供給量を調整する制御部(24)とをさらに備えている。
【0022】
また、図1に示すように、充填管(14)の周囲には、チューブ状包材(T)内に無菌エアを供給するエア供給管(25)が同心状に設けられている。このエア供給管(25)を通じて無菌エアが連続的に供給されることにより、チューブ状包材(T)内における内容物充填レベル(L)の上方領域が陽圧に保持されている。
【0023】
さらに、図1において、チューブ状包材(T)の側方には、フロート(19)の昇降範囲に沿うようにレベル検知部(26)が設けられている。レベル検知部(26)は、例えば、フロート(19)内の所定レベルに配置された磁石(図示略)を検知する磁気センサによって構成されており、チューブ状包材(T)内に充填された内容物の充填レベル(L)を検出することができる。
【0024】
検出部(23)は、図1に示すように、巻戻し装置(12)の所定のダンサーローラ(121)の上方に近接して配置されかつ長さ中間部が水平な支持軸(231)によって揺動自在に支持されているレバー(232)と、レバー(232)の一端部に回転自在に取り付けられかつダンサーローラ(121)に沿って移動するウェブ状包材(W)に上方から接触可能となされた接触ローラ(233)と、レバー(232)の他端部の下方に上向きに配置された変位検知スイッチ(234)とを備えている。
上記の検出部(23)によれば、接触ローラ(233)がウェブ状包材(W)の繋ぎ部(W10)に接触することでウェブ状包材(W)の厚み分だけ押し上げられ、それに応じて揺動したレバー(232)の他端部が変位検知スイッチ(234)を押し下げることにより、繋ぎ部(W10)が通過したことを検知することができる。繋ぎ部(W10)の通過が検知されると、その情報が変位検知スイッチ(234)から制御部(24)に送られるようになっている。
なお、検知部の構成や配置は、上記態様には限定されず、適宜変更可能である。
【0025】
制御部(24)は、例えばCPU等を備えたプログラマブルロジックコントローラ(PLC)によって構成されており、レベル検知部(26)から送られてくるレベル信号に基づいて、内容物充填装置(15)の調整弁(151)を制御し、充填管(14)を通じて供給される内容物の供給量を調整することにより、チューブ状包材(T)内の内容物充填レベル(L)を一定範囲に調整する機能を有している。
加えて、この実施形態の制御部(24)は、前述した通り、検出部(23)で検出されたウェブ状包材(W)の繋ぎ部(W10)の通過情報に基づいて、内容物充填装置(15)の調整弁(151)を制御することにより、チューブ状包材(T)内への内容物の供給量を調整する機能も有している。ここで、調整弁(151)は、例えば、電動バタフライ弁、ダイヤフラム式電動弁等の電動弁や、ソレノイド弁等の電磁弁によって構成される。
【0026】
次に、図2を参照して、容器成形装置(16)の2対のシールジョー(161)により中間形態の枕状内容物充填容器(C1)を成形する工程を説明するとともに、各工程におけるチューブ状包材(T)の内部圧力の変化を説明する。
まず、図2(a)に示すように、充填管(14)先端の下方位置において、最初の1対のシールジョー(161)が、チューブ状包材(T)を挟圧して横シールを行い、この状態で下降を開始する。これによりチューブ状包材(T)が引き下げられるので、チューブ状包材(T)の内部圧力が低下し、陰圧が生じる可能性がある。一方、次の1対のシールジョー(161)は、最初の1対のシールジョー(161)が下降する間に、これらの外側を開状態で上昇する。
なお、最初の1対のシールジョー(161)の成形フラップ(162)は、チューブ状包材(T)の横シールが行われる時点では開いたままの状態であり、その後、両シールジョー(161)が下降してチューブ状包材(T)を引き下げる途中で閉じ、それによってチューブ状包材(T)の成形を行うようになっている(図2(a)参照)。この際、チューブ状包材(T)の内部圧力は、瞬間的に上昇して陽圧になる可能性があるが、最初の1対のシールジョー(161)が下降を継続することで再び低下すると考えられる。
【0027】
そして、図2(b)に示すように、最初の1対のシールジョー(161)が下降をほぼ停止すると、内容物が継続的に供給されているチューブ状包材(T)の内部圧力は、上昇し始める。
次いで、図2(c)に示すように、最初の1対のシールジョー(161)の上方に次の1対のシールジョー(161)が到来し、次の1対のシールジョー(161)が閉じていくことで、チューブ状包材(T)の挟圧を開始する。この時点、すなわち、次の1対のシールジョー(161)がチューブ状包材(T)を両側から加圧して潰し始めた時点で、チューブ状包材(T)の内部圧力は急上昇するので、それによってチューブ状包材(T)内は確実に陽圧となる。
その後、2対のシールジョー(161)は、いずれも閉じたままの状態で下降を開始するが、最初の1対のシールジョー(161)はその途中で外側に開くことによりチューブ状包材(T)から離間し、次工程のために再び上昇させられる。
【0028】
以上の工程を繰り返すことにより、枕状内容物充填容器(C1)の成形が連続的に行われ、また、それに伴ってチューブ状包材(T)の内部圧力も昇降を繰り返す。
従って、容器成形装置(16)の2対のシールジョー(161)によるチューブ状包材(T)の引き下げに伴って陰圧となる可能性のある陰圧発生見込領域(A)は、図2(c)に示すように、通常、チューブ状包材(T)内におけるプレッシャフランジ(18)の上面に対応する位置と、チューブ状包材(T)を挟んだ状態で下降した最初の1対のシールジョー(161)の上方に次の1対のシールジョー(161)が到来してチューブ状包材(T)の挟圧を開始した時点における当該最初の1対のシールジョー(T)の位置との間の領域であると規定することができる。
但し、陰圧発生見込領域(A)の範囲、その上限位置や下限位置は、内容物の粘度、プレッシャフランジ(18)とチューブ状包材(T)との間の環状通路(22)のサイズ、シールジョー(161)によるチューブ状包材(T)の引き下げ速度等の要因によって変わる可能性がある。
【0029】
図3は、上記検出部(23)および制御部(24)を備えた充填包装機(10)による充填包装方法の第1の態様を示すものである。
まず、図3(a)に示すように、ウェブ状包材(W)の繋ぎ部(W10)を含まないチューブ状包材(T)によって、容器成形装置(16)による容器(C1)の成形が行われる通常の状態では、内容物充填レベルがプレッシャフランジ(18)よりも上方の通常位置(L1)になるように、レベル検知部(26)からのレベル信号に基づいて制御部(24)が調整弁(151)を制御し、内容物供給量を調整している。
次に、検出部(23)においてウェブ状包材(W)の繋ぎ部(W10)の通過が検出されると、その検出信号が直ちに制御部(24)に送られる。制御部(24)では、繋ぎ部(W10)を含むチューブ状包材(T)が容器成形装置(16)に到達するタイミングが算出され、それに基づいて調整弁(151)に制御信号を送り、内容物供給量を調整する。具体的には、容器成形装置(16)の対をなすシールジョー(161)によるチューブ状包材(T)の引き下げに伴って陰圧となる可能性のある陰圧発生見込領域(A)に繋ぎ部(W10)が到達する前に、チューブ状包材(T)内の内容物充填レベルをプレッシャフランジ(18)よりも上方の通常位置(L1)からプレッシャフランジ(18)よりも下方の陰圧発生回避位置(L2)まで下げるように、内容物供給量を減少させる(図3(b)参照)。
そして、繋ぎ部(W10)が陰圧発生見込領域(A)を通過した後(図3(c)参照)、内容物充填レベルを陰圧発生回避位置(L3)から通常位置(L1)まで戻すように、制御部(24)によって調整弁(151)を制御する。具体的には、繋ぎ部(W10)が陰圧発生見込領域(A)に進入した後、所定のタイミングで、チューブ状包材(T)内への内容物供給量を増加させるように、調整弁(151)が制御される。内容物供給量を増加させるタイミングは、通常、繋ぎ部(W10)が陰圧発生見込領域(A)を通過した後となされるが、それより早いタイミングであってもよい。
【0030】
上記第1の態様の充填包装方法によれば、以下のような効果が奏される。
すなわち、ウェブ状包材(W)の繋ぎ部(W10)が陰圧発生見込領域(A)を通過する間は、チューブ状包材(T)内の内容物充填レベルがプレッシャフランジ(18)よりも下方の陰圧発生回避位置(L2)(L3)まで下げられているので、チューブ状包材(T)内における内容物充填レベル(L2)(L3)よりも上方の領域は、エア供給管(25)を通じて供給された無菌エアで満たされる。この状態では、プレッシャフランジ(18)とチューブ状包材(T)との間の環状通路(22)に流通の抵抗となる液状の内容物が存在しないので、シールジョー(161)によりチューブ状包材(T)が引き下げられても、チューブ状包材(T)内が陰圧になることはない。したがって、仮にウェブ状包材(W)の繋ぎ部(W10)に縦シール不良が発生した場合であっても、チューブ状包材(T)に充填された内容物に外部から菌が混入する可能性を確実に排除することができる。
また、上記態様の充填包装方法によれば、繋ぎ部(W10)を含む容器(C1)または同容器(C1)とその前後の容器(C1)とを廃棄する場合に、これらの容器(C1)に充填される内容物の量が少なくなるため、内容物の無駄な廃棄を低減することができる。
【0031】
図4は、上記検出部(23)および制御部(24)を備えた充填包装機(10)による充填包装方法の第2の態様を示すものである。
まず、図4(a)に示すように、ウェブ状包材(W)の繋ぎ部(W10)を含まないチューブ状包材(T)によって、容器成形装置(16)による容器(C1)の成形が行われる通常の状態では、図3(a)に示す第1の態様の場合と同じである。
次に、検出部(23)においてウェブ状包材(W)の繋ぎ部(W10)の通過が検出されると、その検出信号が直ちに制御部(24)に送られる。制御部(24)では、繋ぎ部(W10)を含むチューブ状包材(T)が容器成形装置(16)に到達するタイミングが算出され、それに基づいて調整弁(151)に制御信号を送り、内容物の供給を停止する。それによって、陰圧発生見込領域(A)に繋ぎ部(W10)が到達する前に、チューブ状包材(T)内に内容物が残らないようにする(図4(b)参照)。
そして、繋ぎ部(W10)が陰圧発生見込領域(A)を通過した後(図4(c)参照)、制御部(24)から調整弁(151)に制御信号を送って、チューブ状包材(T)内への内容物の供給を再開することにより、内容物充填レベルを通常位置(L1)まで戻す。
【0032】
上記第2の態様の充填包装方法によれば、ウェブ状包材(W)の繋ぎ部(W10)が陰圧発生見込領域(A)を通過する間は、チューブ状包材(T)内に内容物が残っていない状態となっているので、チューブ状包材(T)内が陰圧になることはあり得ない。したがって、上記方法によれば、仮にウェブ状包材(W)の繋ぎ部(W10)に縦シール不良が発生した場合であっても、チューブ状包材(T)に充填された内容物に外部から菌が混入する可能性がより一層確実に排除される。
【0033】
なお、この発明による充填包装方法および充填包装機は、上記2つの実施形態のように容器成形装置(16)が2対のシールジョー(161)を交互に昇降させる方式のものである場合の他、容器成形装置が3対以上(例えば4対)のシールジョーを垂直な循環経路に沿って順次移動させるキャタピラー方式のものである場合にも、同様に適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0034】
この発明は、流動性食品や飲料等の内容物を、紙等を主体とするウェブ状包材から形成される容器に充填して包装する充填包装方法および充填包装機として好適に用いられる。
【符号の説明】
【0035】
(10):充填包装機
(13):チューブ成形装置
(14):充填管
(15):内容物充填装置
(151):調整弁
(18):プレッシャフランジ
(16):容器成形装置
(161):シールジョー
(22):環状通路
(23):検出部
(24):制御部
(W):ウェブ状包材
(W10):繋ぎ部
(T):チューブ状包材
(L1):内容物充填レベル(通常位置)
(L2)(L3):内容物充填レベル(陰圧発生回避位置)
(A):陰圧発生見込領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8