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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-07
(45)【発行日】2024-08-16
(54)【発明の名称】箱
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/66 20060101AFI20240808BHJP
【FI】
B65D5/66 311G
B65D5/66 301G
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020156929
(22)【出願日】2020-09-18
(65)【公開番号】P2022050803
(43)【公開日】2022-03-31
【審査請求日】2023-08-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000205306
【氏名又は名称】大阪シーリング印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100154014
【弁理士】
【氏名又は名称】正木 裕士
(74)【代理人】
【識別番号】100154520
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 祐子
(72)【発明者】
【氏名】村中 成仁
【審査官】矢澤 周一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-347757(JP,A)
【文献】米国特許第02395364(US,A)
【文献】特表2002-538050(JP,A)
【文献】米国特許第03734392(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 5/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱本体と、蓋体と、を有する箱であって、
前記蓋体には、差込片が設けられ、
前記箱本体には、内外を貫通している差込孔が設けられると共に、該差込孔の内側に押出部が設けられ、
前記押出部は、移動可能なように、前記差込孔との間に隙間を空けて、前記箱本体の内側に設けられ、
前記差込片は、
前記差込孔に挿入される際、先端側が前記隙間に入り込んで前記差込孔の縁部に係止されてなる箱。
【請求項2】
前記押出部は、一対の押出片で形成されてなる請求項1に記載の箱。
【請求項3】
前記一対の押出片は、互いに重ならないように、前記差込孔の内側に設けられてなる請求項2に記載の箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の箱として、例えば、特許文献1に記載のものが知られている。特許文献1に記載の箱は、箱本体の側壁における開口側の端縁に蓋体係止用舌片が設けられ、閉蓋時には、この蓋体係止用舌片が、蓋体の内側に設けられた係止用舌片係合部に係止して不用意に蓋体が開かないようにロックするというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第4536881号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような箱は、蓋体係止用舌片が係止用舌片係合部にしっかりと係止してしまい開蓋できない可能性があるという問題があった。さらには、蓋体係止用舌片が係止用舌片係合部にしっかりと係止した際、開蓋時に、蓋体係止用舌片が破れてしまい、箱が破損してしまう可能性があるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑み、箱を簡単容易に開閉することができると共に、蓋体が閉じられた状態では、しっかりとロックし不用意に開放できなくすることができ、さらには、箱の破損を防止することができる箱を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記本発明の目的は、以下の手段によって達成される。なお、括弧内は、後述する実施形態の参照符号を付したものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0007】
請求項1の箱によれば、箱本体(2)と、蓋体(3)と、を有する箱(1)であって、
前記蓋体(3)には、差込片(30)が設けられ、
前記箱本体(2)には、内外を貫通している差込孔(20)が設けられると共に、該差込孔(20)の内側に押出部(押出片21)が設けられ、
前記押出部(押出片21)は、移動可能なように、前記差込孔(20)との間に隙間(K1)を空けて、前記箱本体(2)の内側に設けられ、
前記差込片(30)は、
前記差込孔(20)に挿入される際、先端(30a)側が前記隙間(K1)に入り込んで前記差込孔(20)の縁部(上縁部20a)に係止されてなることを特徴としている。
【0008】
また、請求項2の発明によれば、上記請求項1に記載の箱において、前記押出部は、一対の押出片(21)で形成されてなることを特徴としている。
【0009】
さらに、請求項3の発明によれば、上記請求項2に記載の箱において、前記一対の押出片(21)は、互いに重ならないように、前記差込孔(20)の内側に設けられてなることを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
次に、本発明の効果について、図面の参照符号を付して説明する。なお、括弧内は、後述する実施形態の参照符号を付したものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0011】
請求項1の発明によれば、差込片(30)が差込孔(20)に挿入される際、先端(30a)側が隙間(K1)に入り込んで差込孔(20)の縁部(上縁部20a)に係止されることとなる。これにより、箱本体(2)を蓋体(3)にて閉止する際、軽くロックされることとなり、もって、箱(1)を簡単容易に開閉することができることとなる。また、差込片(30)の先端(30a)側が隙間(K1)に入り込んで差込孔(20)の縁部(上縁部20a)に係止されていることから、蓋体(3)が閉じられた状態では、しっかりとロックし不用意に開放できなくすることができる。さらには、差込片(30)の先端(30a)側だけが、差込孔(20)の縁部(上縁部20a)に係止されていることから、箱本体(2)を蓋体(3)にて開放する際、差込片(30)が破れてしまうという事態を防止することができ、もって、箱(1)の破損を防止することができる。
【0012】
しかして、本発明によれば、箱を簡単容易に開閉することができると共に、蓋体が閉じられた状態では、しっかりとロックし不用意に開放できなくすることができ、さらには、箱の破損を防止することができる。
【0013】
また、請求項2の発明によれば、押出部は、一対の押出片(21)で形成されているから、箱をより簡単容易に開閉することができると共に、箱の破損をより防止することができる。
【0014】
さらに、請求項3の発明によれば、一対の押出片(21)は、互いに重ならないように、差込孔(20)の内側に設けられているから、箱をさらに簡単容易に開閉することができると共に、箱の破損をさらに防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本実施形態に係る箱が開放されている状態を正面側から見た斜視図である。
図2】(a)は同実施形態に係る箱が開放されている状態を示す簡略縦断面図、(b)は同実施形態に係る箱が閉止されている状態を示す簡略縦断面図、(c)は(b)に示す一点斜線からなる円で囲まれた部分の拡大図である。
図3】同実施形態に係る箱を展開した状態を示す平面図である。
図4図3に示す状態から箱を組み立てている状態の過程を示す斜視図である。
図5図4に示す状態から箱を組み立てている状態の過程を示す斜視図である。
図6図5に示す状態から箱を組み立てている状態の過程を示す斜視図である。
図7図6に示す状態から箱を組み立てている状態の過程を示す斜視図である。
図8図7に示す状態から箱を組み立てている状態の過程を示す斜視図である。
図9図8に示す状態から箱を組み立てている状態の過程を示す斜視図である。
図10図9に示す状態から箱を組み立て、箱を組み立てた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して具体的に説明する。なお、以下の説明において、上下左右の方向を示す場合は、図示正面から見た場合の上下左右をいうものとする。
【0017】
<箱の説明>
図2に示すように、本実施形態に係る箱1は、断面視凹状の箱本体2と、断面視三角形状の蓋体3と、で主に構成されている。この箱本体2と、蓋体3とは、図1に示すように、連結部4にて連結されており、連結部4を基点として、箱本体2と蓋体3とが開閉できるようになっている。
【0018】
ところで、この箱本体2には、図2(a)及び図2(c)に示すように、箱本体2の一側面2a(図示、左側)に、その一側面2aの内外を貫通している貫通孔である差込孔20が設けられている。なお、この差込孔20は、図1に示すように、横長矩形状に形成されている。
【0019】
また、箱本体2には、図2(a)に示すように、箱本体2の一側面2a(図示、左側)の内側、すなわち、差込孔20の内側に、断面視逆L状の押出片21が設けられている。この押出片21は、図2(c)に示すように、差込孔20側の一側面21a(図示、左側)が矢印Y1方向に移動可能となっており、差込孔20との間に僅かな隙間K1を空けて箱本体2の一側面2a(図示、左側)の内側に設けられている。そして、この押出片21は、図1に示すように、差込孔20を介して外部より視認できるようになっており、左右に一対設けられている。なお、図1に示すように、一対の押出片21は、僅かな隙間K2を開けて設けられている。
【0020】
一方、蓋体3には、図2(a)に示すように、蓋体3の一側面3aの内壁面3a1に、断面視矩形状の差込片30が一体的に設けられている。この差込片30は、図2(b)に示すように、箱本体2を蓋体3にて閉止する際、箱本体2の差込孔20に差し込めるようになっている。しかしながら、差込孔20の内側には、一対の押出片21が設けられていることから、この一対の押出片21によって、差込孔20に挿入された差込片30が外方に押し出されることとなる。これにより、差込孔20に差込片30を差し込む際、差込片30の全体を差込孔20に差し込むことができず、図2(c)に示すように、差込片30の先端30a側が、押出片21の一側面21aを押して、隙間K1に入り込むこととなる。より詳しく説明すると、差込片30の先端30a側が、図2(c)に示す差込孔20の上縁部20aに接触し、隙間K1内に入り込むこととなる。この際、押出片21の一側面21aと差込孔20との間に、差込片30の先端30a側が、引っ掛かることとなるから、差込片30が、差込孔20の上縁部20aに係止されることとなる。しかして、差込片30の先端30a側だけが、差込孔20の上縁部20aに係止されることとなるから、箱本体2を蓋体3にて閉止する際、軽くロックされることとなる。なお、押出片21の一側面21aと差込孔20との間に、差込片30の先端30a側が、引っ掛かるようにするため、隙間K1は、差込片30の厚み程度の隙間となっている。また、差込片30の先端30a側が、差込孔20の上縁部20aに接触し、押出片21の一側面21aと差込孔20との間に引っ掛かった際、カチッという音が鳴る。これは、差込片30の先端30a側が、差込孔20の上縁部20aに接触し、その接触から解放されると、直ちに押出片21の一側面21aに当接するためである。すなわち、差込片30の先端30a側と、差込孔20の上縁部20aとの擦れる音が明瞭に聞こえることによって、カチッという音が発生する。また、箱本体2を蓋体3にて開放する際、差込片30の先端30a側が、差込孔20の上縁部20aに接触し、その接触から解放されると、直ちに箱本体2の一側面2a(図2(c)に示す左側)に当接する。そのため、差込片30の先端30a側と、差込孔20の上縁部20aとの擦れる音が明瞭に聞こえることによって、カチッという音が発生する。それゆえ、使用者は、箱本体2が蓋体3にて開放閉止されたことを音で認識できることとなる。
【0021】
ここで、更に詳しく各構成について説明することとする。
【0022】
<箱本体の説明>
箱本体2と、蓋体3と、連結部4とは、図3に示すように、厚紙等で形成された1枚のシートSからなるものである。この点、詳しく説明すると、箱本体2は、四角形状の本体底部24を有している。この本体底部24の外周面には、折り曲げ線24a~24dが形成されており、この折り曲げ線24a~24dを基点として、第1本体壁部25~第4本体壁部28が、本体底部24に連なって設けられている。
【0023】
第1本体壁部25は、図3に示すように、折り曲げ線24aを基点として形成された四角形状の第1本体側部25aを有している。この第1本体側部25aの左側面には、折り曲げ線25a1が形成されており、この折り曲げ線25a1を基点として、略縦長矩形状の第1本体額縁部25bが、第1本体側部25aに連なって設けられている。さらに、この第1本体額縁部25bの左側面には、折り曲げ線25b1が形成されており、この折り曲げ線25b1を基点として、略矩形状の第1本体内壁部25cが、第1本体額縁部25bに連なって設けられている。またさらに、この第1本体内壁部25cの上側面には、折り曲げ線25c1が形成されており、この折り曲げ線25c1を基点として、略矩形状の第1本体上フラップ25dが、第1本体内壁部25cに連なって設けられている。なお、折り曲げ線25c1の左端部側には、切込み25c1aが形成されている。これにより、第1本体内壁部25cと第1本体上フラップ25dの一部が離間されることとなる。
【0024】
一方、第1本体内壁部25cの左側面には、折り曲げ線25c2が形成されており、この折り曲げ線25c2を基点として、略矩形状の第1本体押え片25eが、第1本体内壁部25cに連なって設けられている。なお、折り曲げ線25c2の中間部分には、矩形状のスリット25e1が形成されている。
【0025】
また一方、第1本体内壁部25cの下側面には、折り曲げ線25c3が形成されており、この折り曲げ線25c3を基点として、略矩形状の第1本体下フラップ25fが、第1本体内壁部25cに連なって設けられている。なお、折り曲げ線25c3の左端部側には、切込み25c3aが形成されている。これにより、第1本体内壁部25cと第1本体下フラップ25fの一部が離間されることとなる。
【0026】
他方、第1本体下フラップ25fの右側面には、折り曲げ線25f1が形成されており、この折り曲げ線25f1を基点として、略縦長矩形状の第1本体連結部25gが、第1本体内壁部25cに連なって設けられている。そしてさらに、この第1本体連結部25gの右側面には、折り曲げ線25g1が形成されており、この折り曲げ線25g1を基点として、略台形状の第1本体右フラップ25hが、第1本体連結部25gに連なって設けられている。なお、第1本体下フラップ25f、及び、第1本体連結部25g、並びに、第1本体右フラップ25hが、図2に示す押出片21を構成するものである。そして、第1本体右フラップ25hが、図2に示す押出片21の一側面21aを構成するものである。
【0027】
第2本体壁部26は、図3に示すように、折り曲げ線24bを基点として形成された四角形状の第2本体側部26aを有している。この第2本体側部26aの左側面には、折り曲げ線26a1が形成されており、この折り曲げ線26a1を基点として、略三角形状の第2本体左連結部26bが、第2本体側部26aに連なって設けられている。そして、この第2本体左連結部26bの中間位置には、第2本体左連結部26bの斜辺の中間部分から、折り曲げ線24bの左端点に連なるように、傾斜状の折り曲げ線26b1が形成されている。そしてさらに、第2本体左連結部26bの下側面には、折り曲げ線26b2が形成されており、この折り曲げ線26b2を基点として、第1本体側部25aが、第2本体左連結部26bに連なって設けられている。
【0028】
一方、第2本体側部26aの右側面には、折り曲げ線26a2が形成されており、この折り曲げ線26a2を基点として、略三角形状の第2本体右連結部26cが、第2本体側部26aに連なって設けられている。そして、この第2本体右連結部26cの中間位置には、第2本体右連結部26cの斜辺の中間部分から、折り曲げ線24bの右端点に連なるように、傾斜状の折り曲げ線26c1が形成されている。そしてさらに、第2本体右連結部26cの下側面には、折り曲げ線26c2が形成されており、この折り曲げ線26c2を基点として、後述する第3本体側部27aが、第2本体右連結部26cに連なって設けられている。なお、第2本体側部26aの上側面には、折り曲げ線26a3が形成されており、この折り曲げ線26a3は、図1に示す連結部4を構成するものである。
【0029】
第3本体壁部27は、図3に示すように、折り曲げ線24cを基点として形成された四角形状の第3本体側部27aを有している。この第3本体側部27aの右側面には、折り曲げ線27a1が形成されており、この折り曲げ線27a1を基点として、略縦長矩形状の第3本体額縁部27bが、第3本体側部27aに連なって設けられている。さらに、この第3本体額縁部27bの右側面には、折り曲げ線27b1が形成されており、この折り曲げ線27b1を基点として、略矩形状の第3本体内壁部27cが、第3本体額縁部27bに連なって設けられている。またさらに、この第3本体内壁部27cの上側面には、折り曲げ線27c1が形成されており、この折り曲げ線27c1を基点として、略矩形状の第3本体上フラップ27dが、第3本体内壁部27cに連なって設けられている。なお、折り曲げ線27c1の右端部側には、切込み27c1aが形成されている。これにより、第3本体内壁部27cと第3本体上フラップ27dの一部が離間されることとなる。
【0030】
一方、第3本体内壁部27cの右側面には、折り曲げ線27c2が形成されており、この折り曲げ線27c2を基点として、略矩形状の第3本体押え片27eが、第3本体内壁部27cに連なって設けられている。なお、折り曲げ線27c2の中間部分には、矩形状のスリット27e1が形成されている。
【0031】
また一方、第3本体内壁部27cの下側面には、折り曲げ線27c3が形成されており、この折り曲げ線27c3を基点として、略矩形状の第3本体下フラップ27fが、第3本体内壁部27cに連なって設けられている。なお、折り曲げ線27c3の右端部側には、切込み27c3aが形成されている。これにより、第3本体内壁部27cと第3本体下フラップ27fの一部が離間されることとなる。
【0032】
他方、この第3本体下フラップ27fの左側面には、折り曲げ線27f1が形成されており、この折り曲げ線27f1を基点として、略縦長矩形状の第3本体連結部27gが、第3本体内壁部27cに連なって設けられている。そしてさらに、この第3本体連結部27gの左側面には、折り曲げ線27g1が形成されており、この折り曲げ線27g1を基点として、略台形状の第3本体左フラップ27hが、第3本体連結部27gに連なって設けられている。なお、第3本体下フラップ27f、及び、第3本体連結部27g、並びに、第3本体左フラップ27hが、図2に示す押出片21を構成するものである。そして、第3本体左フラップ27hが、図2に示す押出片21の一側面21aを構成するものである。
【0033】
第4本体壁部28は、図3に示すように、折り曲げ線24dを基点として形成された四角形状の第4本体側部28aを有している。この第4本体側部28aには、やや折り曲げ線24d寄り中間部分に、図1及び図2に示す、差込孔20が形成されている。そして、このような第4本体側部28aの左側面には、折り曲げ線28a1が形成されており、この折り曲げ線28a1を基点として、階段形状の第4本体左連結部28bが、第4本体側部28aに連なって設けられている。この第4本体左連結部28bの中間位置には、第4本体左連結部28bの斜辺の略中間部分から、折り曲げ線24dの左端点に連なるように、傾斜状の折り曲げ線28b1が形成されている。そしてさらに、第4本体左連結部28bの上側面には、折り曲げ線28b2が形成されており、この折り曲げ線28b2を基点として、第1本体側部25aが、第4本体左連結部28bに連なって設けられている。
【0034】
一方、第4本体側部28aの右側面には、折り曲げ線28a2が形成されており、この折り曲げ線28a2を基点として、階段形状の第4本体右連結部28cが、第4本体側部28aに連なって設けられている。そして、この第4本体右連結部28cの中間位置には、第4本体右連結部28cの斜辺の略中間部分から、折り曲げ線24dの右端点に連なるように、傾斜状の折り曲げ線28c1が形成されている。そしてさらに、第4本体右連結部28cの上側面には、折り曲げ線28c2が形成されており、この折り曲げ線28c2を基点として、第3本体側部27aが、第4本体右連結部28cに連なって設けられている。
【0035】
また一方、第4本体側部28aの下側面には、折り曲げ線28a3が形成されており、この折り曲げ線28a3を基点として、横長矩形状の第4本体額縁部28dが、第4本体側部28aに連なって設けられている。そして、この第4本体額縁部28dの下側面には、折り曲げ線28d1が形成されており、この折り曲げ線28d1を基点として、略矩形状の第4本体内壁部28eが、第4本体額縁部28dに連なって設けられている。
【0036】
また一方、第4本体内壁部28eの下側面左側面には、第4本体左係止部28e1が形成されており、第4本体内壁部28eの下側面右側面には、第4本体右係止部28e2が形成されている。さらに、第4本体内壁部28eの下側面には、折り曲げ線28e3が形成されており、この折り曲げ線28e3を基点として、略矩形状の第4本体下フラップ28fが、第4本体内壁部28eに連なって設けられている。この第4本体下フラップ28fの左側面には、第4本体左係止部28f1が形成されており、第4本体下フラップ28fの右側面には、第4本体右係止部28f2が形成されている。なお、折り曲げ線28e3には、一定間隔を開けて一対の矩形状のスリット28f3が形成されている。
【0037】
<蓋体の説明>
蓋体3は、図3に示すように、四角形状の蓋天部32を有している。この蓋天部32の外周面には、折り曲げ線32a~32dが形成されており、この折り曲げ線32a~32dを基点として、第1蓋壁部33~第4蓋壁部36が、蓋天部32に連なって設けられている。
【0038】
第1蓋壁部33は、図3に示すように、折り曲げ線32aを基点として形成された略三角形状の第1蓋左連結部33aが、蓋天部32に連なって設けられている。そして、この第1蓋左連結部33aの中間位置には、第1蓋左連結部33aの斜辺の中間部分から、折り曲げ線32bの左端点に連なるように、傾斜状の折り曲げ線33a1が形成されている。
【0039】
第2蓋壁部34は、図3に示すように、折り曲げ線32bを基点として形成された四角形状の第2蓋側部34aを有している。この第2蓋側部34aには、やや折り曲げ線32b寄り中間部分に、図1及び図2に示す、差込片30が形成されている。この差込片30は、折り曲げ線34a1を基点として折り曲げ可能となっている。
【0040】
一方、第2蓋側部34aの上側面には、折り曲げ線34a1が形成されており、この折り曲げ線34a1を基点として、略矩形状の第2蓋内壁部34bが、第2蓋側部34aに連なって設けられている。この第2蓋内壁部34bの左側面には、第2蓋左係止部34b1が形成されており、第2蓋内壁部34bの右側面には、第2蓋右係止部34b2が形成されている。
【0041】
また一方、第2蓋内壁部34bの上側面には、折り曲げ線34b3が形成されており、この折り曲げ線34b3を基点として、略矩形状の第2蓋上フラップ34cが、第2蓋内壁部34bに連なって設けられている。この第2蓋上フラップ34cの上側左側面には、第2蓋左係止部34c1が形成されており、上側右側面には、第2蓋右係止部34c2が形成されている。
【0042】
また一方、第2蓋上フラップ34cの上側面には、折り曲げ線34c3が形成されており、この折り曲げ線34c3を基点として、略矩形状の第2蓋押え片34dが、第2蓋上フラップ34cに連なって設けられている。
【0043】
第3蓋壁部35は、図3に示すように、折り曲げ線32cを基点として形成された略三角形状の第3蓋右連結部35aが、蓋天部32に連なって設けられている。そして、この第3蓋右連結部35aの中間位置には、第3蓋右連結部35aの斜辺の中間部分から、折り曲げ線32dの右端点に連なるように、傾斜状の折り曲げ線35a1が形成されている。
【0044】
第4蓋壁部36は、図3に示すように、折り曲げ線32dを基点として形成された四角形状の第4蓋側部36aを有している。この第4蓋側部36aの左側面には、折り曲げ線36a1が形成されており、この折り曲げ線36a1を基点として、略矩形状の第4蓋左内壁部36bが、第4蓋側部36aに連なって設けられている。この第4蓋左内壁部36bには、対角線上に、左上隅から右下隅に向かって傾斜状の折り曲げ線36b1が形成されている。そして、第4蓋左内壁部36bの上側面には、折り曲げ線36b2が形成されており、この折り曲げ線36b2を基点として、第1蓋左連結部33aが連なって設けられている。さらに、第4蓋左内壁部36bの左側面には、折り曲げ線36b3が形成されており、この折り曲げ線36b3を基点として、第4蓋左押え片36cが連なって設けられている。そしてさらに、第4蓋左内壁部36bの下側面には、折り曲げ線36b4が形成されており、この折り曲げ線36b4を基点として、第4蓋左下フラップ36dが連なって設けられている。なお、折り曲げ線36b4には、中間部分に、矩形状のスリット36d1が形成されている。
【0045】
一方、第4蓋側部36aの右側面には、折り曲げ線36a2が形成されており、この折り曲げ線36a2を基点として、略矩形状の第4蓋右内壁部36eが、第4蓋側部36aに連なって設けられている。この第4蓋右内壁部36eには、対角線上に、右上隅から左下隅に向かって傾斜状の折り曲げ線36e1が形成されている。そして、第4蓋右内壁部36eの上側面には、折り曲げ線36e2が形成されており、この折り曲げ線36e2を基点として、第3蓋右連結部35aが連なって設けられている。さらに、第4蓋右内壁部36eの右側面には、折り曲げ線36e3が形成されており、この折り曲げ線36e3を基点として、第4蓋右押え片36fが連なって設けられている。そしてさらに、第4蓋右内壁部36eの下側面には、折り曲げ線36e4が形成されており、この折り曲げ線36e4を基点として、第4蓋右下フラップ36gが連なって設けられている。なお、折り曲げ線36e4には、中間部分に、矩形状のスリット36g1が形成されている。
【0046】
ところで、図3に示すように、第4蓋側部36aの下側面には、図1に示す連結部4を構成する折り曲げ線26a3が形成されており、この折り曲げ線26a3を基点として、第2本体側部26aが連なって設けられている。これにより、図1に示すように、箱本体2と、蓋体3とは、連結部4にて連結されることとなる。
【0047】
<箱の組み立て方の説明>
かくして、上記のように構成されるシートSを用いて、箱1は、以下のように組み立てられる。
【0048】
まず、図3に示す折り曲げ線36a1を基点として、第4蓋左内壁部36bを内側に折り曲げると共に、傾斜状の折り曲げ線36b1を基点として、第4蓋左内壁部36bを半分に折り曲げると、図4に示すような状態となる。なお、第4蓋左下フラップ36dは、図4に示すように、折り曲げ線36b4を基点として、内側に折り曲げられている。また、この際、図3に示す折り曲げ線32aを基点として、第1蓋左連結部33aが内側に折り曲げられ、さらに、図3に示す折り曲げ線33a1を基点として、半分に折り曲げられることとなる。なお、この半分に折り曲げられた第1蓋左連結部33aは、図4に示す第4蓋左押え片36cの背面に位置することとなる。
【0049】
また、図3に示す折り曲げ線36a2を基点として、第4蓋右内壁部36eを内側に折り曲げると共に、傾斜状の折り曲げ線36e1を基点として、第4蓋右内壁部36eを半分に折り曲げると、図4に示すような状態となる。なお、第4蓋右下フラップ36gは、図4に示すように、折り曲げ線36e4を基点として、内側に折り曲げられている。また、この際、図3に示す折り曲げ線32cを基点として、第3蓋右連結部35aが内側に折り曲げられ、さらに、図3に示す折り曲げ線35a1を基点として、半分に折り曲げられることとなる。なお、この半分に折り曲げられた第3蓋右連結部35aは、図4に示す第4蓋右押え片36fの背面に位置することとなる。
【0050】
次いで、図4に示す折り曲げ線32dを基点として、蓋天部32を内側に折り曲げると、図5に示すような状態となる。
【0051】
次いで、図5に示す折り曲げ線32bを基点として、第2蓋側部34aを内側に折り曲げると、図6に示すように、第2蓋側部34aによって、図5に示す第4蓋左押え片36c及び第4蓋右押え片36fが隠蔽されることとなる。また、図5に示す折り曲げ線34a1を基点として、第2蓋内壁部34bを内側に折り曲げ、第2蓋左係止部34b1を、図5に示すスリット36d1に挿入し係止する。さらに、図5に示す第2蓋右係止部34b2を、スリット36g1(図3参照)に挿入し係止する。これにより、第4蓋左下フラップ36d、及び、第4蓋右下フラップ36gは、第2蓋内壁部34bに隠蔽されることとなる。
【0052】
かくして、このようにして、図6に示すように、蓋体3が組み立てられることとなる。
【0053】
次いで、図6に示す折り曲げ線24aを基点として、第1本体側部25aを内側に折り曲げ、図6に示す折り曲げ線28a1を基点として、第4本体左連結部28bを内側に折り曲げる。そしてさらに、図6に示す折り曲げ線26a1を基点として、第2本体左連結部26bを内側に折り曲げる。これにより、図7に示すような状態となる。
【0054】
次いで、図6に示す折り曲げ線24cを基点として、第3本体側部27aを内側に折り曲げ、図6に示す折り曲げ線28a2を基点として、第4本体右連結部28cを内側に折り曲げる。そしてさらに、図6に示す折り曲げ線26a2を基点として、第2本体右連結部26cを内側に折り曲げる。これにより、図7に示すような状態となる。
【0055】
次いで、図7に示す折り曲げ線25a1を基点として、第1本体額縁部25bを内側に折り曲げ、図7に示す折り曲げ線25b1を基点として、第1本体内壁部25cを内側に折り曲げる。そして、図7に示す折り曲げ線25c3を基点として、第1本体下フラップ25fを内側に折り曲げ、図7に示す折り曲げ線25f1を基点として、第1本体連結部25gを内側に折り曲げる。そしてさらに、図7に示す折り曲げ線25g1を基点として、第1本体右フラップ25hを内側に折り曲げる。これにより、図8に示すような状態となる。なお、上述したように、第1本体下フラップ25f、及び、第1本体連結部25g、並びに、第1本体右フラップ25hが、図2に示す押出片21を構成する。そして、第1本体右フラップ25hが、図2に示す押出片21の一側面21aを構成する。
【0056】
次いで、図3に示す折り曲げ線27a1を基点として、第3本体額縁部27bを内側に折り曲げ、図3に示す折り曲げ線27b1を基点として、第3本体内壁部27cを内側に折り曲げる。そして、図7に示す折り曲げ線27c3を基点として、第3本体下フラップ27fを内側に折り曲げ、図7に示す折り曲げ線27f1を基点として、第3本体連結部27gを内側に折り曲げる。そしてさらに、図7に示す折り曲げ線27g1を基点として、第3本体左フラップ27hを内側に折り曲げる。これにより、図8に示すような状態となる。なお、上述したように、第3本体下フラップ27f、及び、第3本体連結部27g、並びに、第3本体左フラップ27hが、図2に示す押出片21を構成する。そして、第3本体左フラップ27hが、図2に示す押出片21の一側面21aを構成する。
【0057】
かくして、このようにして、一対の押出片21が形成されることとなる。
【0058】
次いで、図8に示す折り曲げ線24dを基点として、第4本体内壁部28eを内側に折り曲げ、図3に示す折り曲げ線24bを基点として、第2本体側部26aを内側に折り曲げる。さらに、図8に示す折り曲げ線25c1を基点として、第1本体上フラップ25dを内側に折り曲げ、図3に示す折り曲げ線27c1を基点として、第3本体上フラップ27dを内側に折り曲げる。そしてさらに、図3に示す折り曲げ線26b1を基点として、第2本体左連結部26bを半分に折り曲げ、図3に示す折り曲げ線26c1を基点として、第2本体右連結部26cを半分に折り曲げる。またさらに、図3に示す折り曲げ線28b1を基点として、図8に示す第4本体左連結部28bを半分に折り曲げ、図3に示す折り曲げ線28c1を基点として、図8に示す第4本体右連結部28cを半分に折り曲げる。これにより、図9に示すような状態となる。
【0059】
次いで、図9に示す状態から、図3に示す折り曲げ線34b3を基点として、第2蓋上フラップ34cを内側に折り曲げ、第1本体上フラップ25d、及び、第3本体上フラップ27dを、第2蓋上フラップ34cにて隠蔽する。この際、図9に示す第2蓋左係止部34c1を、図9に示す切込み25c1a内に挿入することによって係止し、図9に示す第2蓋右係止部34c2を、図9に示す切込み27c1a内に挿入することによって係止する。
【0060】
次いで、図3に示す折り曲げ線28d1を基点として、第4本体内壁部28eにて、一対の押出片21が隠蔽されるように、第4本体内壁部28eを内側に折り曲げる。そして、図9に示す折り曲げ線28e3を基点として、第4本体下フラップ28fにて、第2蓋押え片34dが隠蔽されるように、第4本体下フラップ28fを内側に折り曲げる。この際、図9に示す第4本体左係止部28f1を、スリット25e1に挿入することによって係止し、図9に示す第4本体右係止部28f2を、スリット27e1に挿入することによって係止する。そしてさらに、この際、図3に示す第4本体左係止部28e1を、切込み25c3a内に挿入することによって係止し、図3に示す第4本体右係止部28e2を、切込み27c3a内に挿入することによって係止する。これにより、図10に示すような状態となる。
【0061】
かくして、このようにして、図10に示すように、箱本体2が組み立てられ、もって、図1及び図2に示すような箱1が組み立てられることとなる。
【0062】
しかして、以上説明した本実施形態によれば、差込片30が差込孔20に挿入される際、一対の押出片21に外方に押し出されることによって、差込片30の先端30a側が差込孔20の上縁部20aに係止されることとなる。これにより、箱本体2を蓋体3にて閉止する際、軽くロックされることとなり、もって、箱1を簡単容易に開閉することができることとなる。また、差込片30の先端30a側が差込孔20の上縁部20aに係止されていることから、蓋体3が閉じられた状態では、しっかりとロックし不用意に開放できなくすることができる。さらには、差込片30の先端30a側だけが、差込孔20の上縁部20aに係止されていることから、箱本体2を蓋体3にて開放する際、差込片30が破れてしまうという事態を防止することができ、もって、箱1の破損を防止することができる。
【0063】
しかして、本実施形態によれば、箱を簡単容易に開閉することができると共に、蓋体が閉じられた状態では、しっかりとロックし不用意に開放できなくすることができ、さらには、箱の破損を防止することができる。
【0064】
なお、本実施形態において示した形状等はあくまで一例であり、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。例えば、箱1の形状は、どのような形状にも適用可能で、本実施形態において示した形状に限定されるものではない。
【0065】
また、本実施形態においては、一対の押出片21を設ける例を示したが、それに限らず、押出片21を1つだけ設けるようにしても良い。しかしながら、押出片21は、一対あった方が好ましい。1つの押出片21だけでは、差込片30が差込孔20に深く差し込まれてしまう可能性があり、これによって、従来と同様、箱の開閉ができなくなったり、箱が破損してしまったりする可能性があるためである。それゆえ、押出片21は、一対あった方が好ましい。
【0066】
さらに、本実施形態においては、一対の押出片21を設けるにあたって、僅かな隙間K2を開けて設ける例を示したが、それに限らず、隙間K2を設けず一対の押出片21を接触させても良い。しかしながら、一対の押出片21は互いに重ならないように設けるのが好ましい。重なってしまうと、その重なった部分の隙間に、差込片30が入り込んでしまい、これによって、従来と同様、箱の開閉ができなくなったり、箱が破損してしまったりする可能性があるためである。それゆえ、一対の押出片21は互いに重ならないように設けるのが好ましい。また、一対の押出片21を設けるにあたって、隙間K2の幅はどの程度も良いが、一対の押出片21によって、差込孔20に挿入された差込片30が外方に押し出される機能が発揮できるような幅にするのが好ましい。
【0067】
一方、本実施形態において例示した組み立て方法は、あくまで例であり、どのような順番で組み立てても良い。
【符号の説明】
【0068】
1 箱
2 箱本体
20 差込孔
20a 上縁部(縁部)
21 押出片(押出部)
3 蓋体
30 差込片
30a 先端
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10