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特許7535363ブロックチェーンが実現される方法及びシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-07
(45)【発行日】2024-08-16
(54)【発明の名称】ブロックチェーンが実現される方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   H04L 9/32 20060101AFI20240808BHJP
   G06Q 20/38 20120101ALI20240808BHJP
   G06Q 20/22 20120101ALI20240808BHJP
【FI】
H04L9/32 200B
G06Q20/38 310
G06Q20/22 400
【請求項の数】 10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023115612
(22)【出願日】2023-07-14
(62)【分割の表示】P 2022000460の分割
【原出願日】2017-07-24
(65)【公開番号】P2023134665
(43)【公開日】2023-09-27
【審査請求日】2023-07-14
(31)【優先権主張番号】1613109.6
(32)【優先日】2016-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】318001991
【氏名又は名称】エヌチェーン ライセンシング アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】サヴァナ,ステファヌ
(72)【発明者】
【氏名】ライト,クレイグ スティーヴン
(72)【発明者】
【氏名】チャン,イーン
【審査官】中里 裕正
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/171580(WO,A1)
【文献】米国特許第08401970(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0337206(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 9/32
G06Q 20/38
G06Q 20/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロックチェーン上でマイクロペイメントチャネルを実現するためのコンピュータにより実現される方法であって、前記方法は、第1ユーザのコンピュータにおいて、
第2ユーザとのコントラクトと前記コントラクトを表すトークンとを選択するステップであって、前記トークンは、前記ブロックチェーンに発行された鋳造トランザクションの出力に含まれる、ステップと、
前記トークンを表す少なくとも1つの第1入力と、前記第1ユーザの暗号化シグネチャと前記第2ユーザの暗号化シグネチャを提供することにより前記第1ユーザに支払い可能な第1金額を表す少なくとも1つの第1出力と、を含むファンディングトランザクションを生成するステップと、
前記ファンディングトランザクションに署名して、前記第2ユーザへ送信するステップと、
前記第2ユーザから、支払いが要求されていることの指示を受信すると、
(a)前記第1金額を表す少なくとも1つの第2入力と、前記第1ユーザの暗号化シグネチャと前記第2ユーザの暗号化シグネチャとを提供することにより前記第2ユーザに支払い可能な第2金額を表す少なくとも1つの第2出力と、前記トークンを表す少なくとも1つの第3出力と、を有する第1置換可能トランザクションを生成するステップと、
(b)前記第1置換可能トランザクションに署名して、前記第2ユーザへ送信するステップと、
前記第2ユーザから、更なる支払いが要求されていることの更なる指示を受信すると、
要求された前記更なる支払いに応答して、前記第2金額を更新し、前記第1置換可能トランザクションを置換するためにステップ(a)及び(b)を繰り返すステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記ファンディングトランザクションは、前記第1ユーザの暗号化シグネチャと前記第2ユーザの暗号化シグネチャを提供することにより前記第2ユーザに支払い可能な第3金額を表す少なくとも1つの第3出力を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ファンディングトランザクションは、前記第1ユーザからのデポジットを表す少なくとも1つの第3入力と、前記トークンの値と前記デポジットとの和に等しい、第1金額及び第3金額の和と、を更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
第3金額は、第1ロック時間の終了後に、前記第2ユーザの暗号化シグネチャを提供することにより、償還可能である、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1金額は、前記第1ユーザの暗号化シグネチャを提供することにより、前記第2金額の非償還の結果として、償還可能である、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1金額は、第1ロック時間の終了後に、前記第1ユーザの暗号化シグネチャを提供することにより、償還可能である、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも1つの前記第1入力は、リファンドトランザクションを生成するための制御データを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
指定時間の後に前記ブロックチェーンに置換可能トランザクションが提出されていないという条件を識別するステップと、
前記第1ユーザの暗号化シグネチャを提供することにより前記第1ユーザに支払可能な、前記ファンディングトランザクションからの前記第1金額を表す出力を有するリファンドトランザクションを生成するステップと、
前記リファンドトランザクションに署名して、前記ブロックチェーンに提出するステップと、
を含む請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記トークンは機械実行可能コードを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
コンピュータにより実装されるシステムであって、請求項1~9のいずれかに記載の方法を実行するよう構成され、前記システムは、
ブロックチェーンネットワークと、
ブロックチェーントランザクションを生成し及び/又はブロックチェーントランザクションをブロックチェーンネットワークに提出するよう構成される少なくとも1つのコンピュータベースのリソースと、
を含むシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1のユーザと第2のユーザとの間でデジタルアセットなどのアセットを転送するためのコンピュータにより実現される方法に関する。特に、排他的でなく、それはアセット転送処理がブロックチェーンプラットフォーム上で複数のトランザクションを介しどのように実行されるべきかを判断するためのコンピュータにより実現される制御機構に関するものでありうる。本発明は、マイクロペイメントチャネルの利用を含みうる。
【背景技術】
【0002】
本文において、それが本文脈において現在最も広く知られている用語であるため、便宜上及び参照の容易さのため“ブロックチェーン”という用語を利用する。当該用語は、コンセンサスベースブロックチェーン、代替チェーン、サイドチェーン及びトランザクションチェーン技術、許可型及び非許可型台帳、プライベート及びパブリック台帳、共有台帳及びこれらの変形を含む全ての形態の電子、コンピュータベース分散型台帳を含むのにここでは利用される。
【0003】
ブロックチェーンは、コンピュータベースの非集権的な分散システムとして実現される、トランザクションから構成されるブロックから構成される電子台帳である。各トランザクションは、少なくとも1つの入力と少なくとも1つの出力とを含む。各ブロックは、それの開始以来ブロックチェーンに書き込まれた全てのトランザクションの永続的で変更不可なレコードを作成するため一緒にチェーン化された当該ブロックの前のブロックのハッシュを含む。トランザクションは、トランザクションの出力がどのようにして誰によってアクセス可能であるかを特定する、それらの入力及び出力に埋め込まれたスクリプトとして知られる小さなプログラムを含む。例えば、出力に埋め込まれたスクリプトは、何れの暗号化シグネチャがトランザクションの出力にアクセスするのに必要とされるかを特定してもよい。ビットコインプラットフォーム上で、これらのスクリプトはスタックベーススクリプト言語を利用して書き込まれる。
【0004】
トランザクションがブロックチェーンに書き込まれるために、それは、i)トランザクションを受信した最初のノードによって検証され、すなわち、トランザクションが検証された場合、ノードはそれをネットワークにおける他のノードに中継し、ii)マイナーによって構成された新たなブロックに追加され、iii)マイニング、すなわち、過去のトランザクションの台帳に追加される必要がある。
【0005】
最も広く知られるブロックチェーン技術の適用は、他のブロックチェーン実現形態が提案及び開発されてきたが、ビットコイン台帳である。ビットコインは便宜及び説明の目的のためにここで参照されうるが、本発明はビットコインブロックチェーンによる利用に限定されず、他のブロックチェーン実現形態が本発明の範囲内に属することが留意されるべきである。
【0006】
ブロックチェーン技術は、仮想通貨の実現形態の利用について最も広く知られている。しかしながら、より最近では、デジタル起業家は、ビットコインが基づく暗号化セキュリティシステムの利用と、ブロックチェーンに格納可能なデータとの双方を利用して、新たなシステムを実現し始めている。
【0007】
現在の興味及び研究の1つのエリアは、“スマートコントラクト”の実現のためのブロックチェーンの利用である。これらは、契約又は合意の条項の実行を自動化するよう設計されたコンピュータプログラムである。自然言語で記述される従来の契約とは異なって、スマートコントラクトは、結果を生成するため、入力を処理可能なルールを含み、その後にこれらの結果に応じてアクションを実行させることが可能なマシーン実行可能なプログラムである。
【0008】
ブロックチェーン関連の興味の他のエリアは、ブロックチェーンを介し実世界のエンティティを表現及び転送するための“トークン”(又は“カラードコイン”)の利用である。潜在的に機密又は秘密のアイテムはトークンによって表すことが可能であり、それは区別不可な意味又は値を有さない。従って、トークンは、実世界のアイテムが参照可能な識別子として機能する。
【0009】
ブロックチェーン関連技術の更なる他の利用は、“マイクロペイメントチャネル”に関する。記載時点において、マイクロペイメントチャネルの説明は、https://bitcoinj.github.io/working-with-micropaymentsにおいてインターネット上で利用可能である。これらは、例えば、インターネットアクセスなどの時間関連のオンラインサービスについて支払うため、カスタマからマーチャントへの通常の支払が行われることを可能にするのに利用可能である。そのようなマイクロペイメントチャネルは、カスタマによってマーチャントに支払可能であって、指定されたロック時間後にカスタマにリファンド可能であり、生成後にブロックチェーンに送信されるデポジットを表す出力を有する第1のファンディングブロックチェーン(funding blockchain)を生成することによって動作する。従来技術では、このファンディングトランザクションはまた“リファンドトランザクション”として知られうる。第2の“リプレーサブル(replaceable)”ブロックチェーントランザクションは、マーチャントへの支払を表す出力を有するよう生成される。リプレーサブルトランザクションは、前のトランザクションのコピーであるが、カスタマにあまりリファンドしない。この処理は、リプレーサブルトランザクションがマーチャントに対する支払額をインクリメントするよう周期的に更新されるように繰り返し可能である。マーチャントは、最終的なトランザクションのみが支払を償還(redeem)するためにブロックチェーンに送信されるまで、リプレーサブルトランザクション上に保持し、これによって、不要なデータ処理及びブロックチェーン上のメモリの不要な占有を最小化する。リプレーサブルトランザクションは、クライアントによって提供された前のトランザクションを置換するため、この名前が与えられる。ファンディング及びリプレーサブルトランザクションは、通常の利用がブロックチェーンから構成されることを可能にする、従来技術において知られる通常のブロックチェーントランザクションである。
【0010】
図1において、既知のそのような一方向マイクロペイメントチャネルの具体例が示される。
【0011】
図1を参照して、カスタマがインターネットアクセスなどのオンラインの時間に依存するデジタルアセットについてマーチャントに支払うことを可能にするマイクロペイメントチャネルが、例えば、デポジットサイズ、支払額及び支払頻度など、契約がどのように実行されるべきかの詳細を規定する暗黙的/明示的な契約にカスタマ及びマーチャントが同意することによって、ステップS1において初期的に作成される。マイクロペイメントチャネルは、アセット(支払の形式で)がブロックチェーンを介しカスタマからマーチャントに転送されるが、マーチャントからカスタマへは転送されないという意味で一方向である。第1のファンディングブロックチェーントランザクションが、その後にステップS2において生成され、当該トランザクションはカスタマによるファンドのデポジットを表す第1の入力と、デポジット全体がカスタマ又はマーチャントの何れかのシグネチャによって、又はロック時間N後にカスタマのシグネチャのみによってリディーム可能(redeemable)なスクリプトに支払われる第1の出力とを有する。ファンディングトランザクションは、ステップS3においてカスタマによって署名され、ブロックチェーンに送信される。
【0012】
リプレーサブルブロックチェーントランザクションは、その後に、マーチャントに対するカスタマによる支払を行うため、ステップS4において生成される。リプレーサブルブロックチェーントランザクションは、ファンディングトランザクションからデポジットを使う単一の入力と、一方の出力はマーチャントに対する支払額を支払い、他方の出力はカスタマに残りを払い戻す出力との出力のペアとを有する。リプレーサブルトランザクションは、カスタマ及びマーチャントのシグネチャによってアンロック可能である。リプレーサブルトランザクションは、ステップS5においてカスタマによって署名され、その後にマーチャントに送信される。
【0013】
例えば、インターネットアクセス又はコンテンツなどのマーチャントによってカスタマに供給される時間に依存したオンラインアセットの量が時間と共に増加するに従って、リプレーサブルトランザクションは、ステップS6において、マーチャントに対する支払可能な第1の出力の金額を増加させ、カスタマに払戻可能な第2の出力を減少させるよう更新される。支払を償還するため、マーチャントは、ステップS7において、最終的なリプレーサブルトランザクションを署名し、署名されたトランザクションをブロックチェーンに送信する。他方、リプレーサブルトランザクションが時間Nまでに受信されなかった場合、カスタマは、ステップS8において、カスタマシグネチャを提供することによって、ファンディングトランザクションからデポジットを使う単一の入力と、カスタマによって指定されたアドレスにデポジット全体を支払う単一の出力とを有するリファンディングトランザクションの出力を償還可能である。カスタマは、ステップS9において、リファンドトランザクションを署名し、それをブロックチェーンに送信する。
【0014】
この構成は、デポジットの支払を表すファンディングトランザクションがマーチャントに対する支払のセキュリティを保証するが、カスタマからマーチャントにブロックチェーンを介し転送されるアセットは、カスタマとマーチャントとの間の合意から切り分けられるという問題がある。この結果、マーチャントとカスタマとの間の不同意の場合、マーチャントがマイクロペイメントチャネルを終了させるために最新のリプレーサブルトランザクションを償還する以外によって、同意と関連するブロックチェーントランザクションとの間の必要な相関を示すか、あるいは、未承認のアクティビティの場合にアクションをとるか、又はオンラインサービスの供給に関する条件を課すことは困難になる可能性がある。
【発明の概要】
【0015】
本発明の好適な実施例は、従来技術の上記の問題点の1つ以上を解消しようとする。
【0016】
本発明は、添付した請求項において規定されるようなコンピュータにより実現される方法及び対応するシステムを提供しうる。
【0017】
本発明は、トークナイゼーション方法/システムとして説明されうる。それは、ある主体から他の主体に転送されるアセット及び/又はアセットの転送を規定する契約をブロックチェーンを介し表すトークン又はカラードコインの利用を含みうる。このアセットは、“転送アセット”として参照されうる。アセットの転送は、機械実行可能なスマートコントラクトにおいて規定又は詳述されうる。
【0018】
さらに又はあるいは、本発明は、ブロックチェーンを介しマイクロペイメントチャネルを実現及び/又は実行するための方法/システムとして説明されうる。
【0019】
さらに又はあるいは、本発明は、制御方法/システムとして説明されうる。それは、ある主体(ユーザ)から他の主体への転送アセットの提供を制御しうる。
【0020】
さらに又はあるいは、それは、本発明のユーザ間の転送アセットの転送及び/又は交換を制御しうる。ユーザは、“主体”又は“参加者”として参照されうる。それらは、“アセット受信機又は受信者”及び対応する“アセットプロバイダ”として参照されうる。
【0021】
転送アセットは、何れかのタイプのデジタル、物理的、電子的又は抽象的アセットであってもよい。それは、サービス又は財であってもよい。
【0022】
本発明の方法は、第1のユーザと第2のユーザとの間の(転送)アセットを転送するステップを含みうる。
【0023】
当該方法は、ブロックチェーンによるアセットの転送を可能又は実現しうる。これは、ビットコインブロックチェーンであってもよいし、あるいは、なくてもよい。
【0024】
一形態の記載によると、本発明は、コンピュータにより実現される方法を提供しうる。当該方法は、ブロックチェーン上でマイクロペイメントを実現及び/又は実行する方法であってもよい。さらに又はあるいは、当該方法は、ブロックチェーンを介し交換又はトランザクションを実行する方法であってもよい。それは、ブロックチェーンへのトランザクションの送信を制御する方法であってもよい。
【0025】
当該方法は、
ファンディングトランザクションをブロックチェーンネットワークに送信するステップであって、ファンディングトランザクションは、i)第2のユーザから第1のユーザに転送されるアセットに関するトークナイズされた契約を含み、ii)第1のユーザによって署名される、送信するステップと、
第1のユーザから第2のユーザに1つ以上の以降のトランザクションを送信するステップであって、以降のトランザクションはそれぞれファンディングトランザクションの出力を使い、第1のユーザによって署名される、送信するステップと、
以降のトランザクションの1つをブロックチェーンネットワークに送信するステップであって、送信されるトランザクションは第2のユーザによって署名されている、送信するステップとを含んでもよい。
【0026】
生成される複数の以降のトランザクションがあってもよい。これらは交互に連続して生成されうる。ファンディングトランザクション及び/又は以降のトランザクションは、ある値/アセット/資金(例えば、BTC)を第1のユーザに転送する出力(TxO)を含んでもよい。以降の各トランザクションは、より少ない値/資金/アセットを第1のユーザに払い戻してもよい。
【0027】
“トークナイズされた契約”は、契約又はそれの位置を表すトークン(カラードコインとして参照されうる)であってもよい。契約は、機械実行可能なスマートコントラクトであってもよい。スマートコントラクトは、アセットプロバイダ“によって生成されてもよい。トークンは、スクリプト内に提供されうる。それは、スクリプトのメタデータ内に提供されうる。スクリプトは、ブロックチェーントランザクションのロッキングスクリプトにおいて提供されうる。
【0028】
契約は第2のユーザ(アセットプロバイダ)によって生成されうる。従って、1つ以上の実施例では、本発明は、スマートコントラクト、トークン及びマイクロペイメントチャネルを含む複数の技術の新規な組み合わせを提供しうる。
【0029】
他の記載によると、当該方法は、
第2のユーザから第1のユーザに転送可能なそれぞれの第1のアセットを表す少なくとも1つの第1の入力と、第1のユーザの暗号化シグネチャ及び第2のユーザの暗号化シグネチャを提供することによって償還可能であるそれぞれの第2のアセットを表す少なくとも1つの第1の出力とを含む第1のブロックチェーントランザクションを生成するステップと、
それぞれの第2のアセットを表す少なくとも1つの第2の入力と、第1のユーザから第2のユーザに転送可能なそれぞれの第3のアセットを表す少なくとも1つの第2の出力とを有する第2のブロックチェーントランザクションを生成するステップであって、第3のアセットはそれぞれの第1のアセットについて交換され、第2の出力は第1のユーザの暗号化シグネチャ及び第2のユーザの暗号化シグネチャを提供することによって償還可能である、生成するステップと、
第3のアセットの値を更新するため、第2のブロックチェーントランザクションの生成を繰り返すステップと、
を含む方法が提供されうる。
【0030】
それぞれの第1のアセットを表す少なくとも1つの第1の入力を含む第1のブロックチェーントランザクションを生成することによって、これは、第1のアセットに関するデータを第1のトランザクションに含めることを可能にするという効果を提供する。例えば、第1のブロックチェーントランザクションは、第1のユーザと第2のユーザとの間の合意の修正不可なレコードを提供し、特定の状況のイベントにおいてアクションをとらせることを可能にする日付を含んでもよく、例えば、スマートコントラクト又は制御データは、指定された主体への支払などの第1のユーザによる未認証のアクティビティのイベントにおいて特定のアクションを実行させる。
【0031】
第2のブロックチェーントランザクションは、それぞれの第1のアセットを表す少なくとも1つの第3の出力を有してもよい。
【0032】
これは、第1のアセットを利用後に他の主体に転送すること、例えば、再利用のために第2のユーザに戻すことを可能にし、これにより、第1のアセットがブロックチェーンにおける処理パワーを奪い、又はメモリを不要に占有することを防ぐという効果を提供する。
【0033】
少なくとも1つの第1の入力は、第3のブロックチェーントランザクションを生成するための制御データを含んでもよい。
【0034】
これは、例えば、第1のユーザによる未認証のアクティビティの場合など、自動的アクションはとられることを可能にする効果を提供する。
【0035】
少なくとも1つの第2のアセットは、第1のユーザの暗号化シグネチャを提供することによって、第3のアセットの非償還の結果として償還可能であってもよい。
【0036】
少なくとも1つの第2のアセットは、第1のユーザの暗号化シグネチャを提供することによって、第1のロック時間の経過後に償還可能であってもよい。
【0037】
本発明の他の態様によると、ブロックチェーンによって第1のユーザと第2のユーザとの間で少なくとも1つのアセットを転送するためのコンピュータにより実現される方法であって、
第2のユーザから第1のユーザに転送可能なそれぞれの第1のアセットを表し、第1のブロックチェーントランザクションのそれぞれの第1の入力に対応する少なくとも1つの第4の出力を有する第4のブロックチェーントランザクションを生成するステップと、
それぞれの第1のアセットを表す少なくとも1つの第1の入力と、第1のユーザの暗号化シグネチャ及び第2のユーザの暗号化シグネチャを提供することによって償還可能であるそれぞれの第2のアセットを表す少なくとも1つの第1の出力とを含む第1のブロックチェーントランザクションを受信するステップと、
第1のブロックチェーントランザクションをブロックチェーンに送信するステップと、
複数の第2のブロックチェーントランザクションを受信するステップであって、第2のブロックチェーントランザクションのそれぞれは、それぞれの第2のアセットを表す少なくとも1つのそれぞれの第2の入力と、第1のユーザから第2のユーザに転送可能なそれぞれの第3のアセットを表す少なくとも1つのそれぞれの第2の出力とを含み、第3のアセットはそれぞれの第1のアセットについて交換され、第3のアセットは第1のユーザの暗号化シグネチャ及び第2のユーザの暗号化シグネチャを提供することによって償還可能である、受信するステップと、
第2のブロックチェーントランザクションをブロックチェーンに送信するステップと、
を含む方法が提供されうる。
【0038】
第1のブロックチェーントランザクションは、第2のユーザの暗号化シグネチャを提供することによって償還可能なそれぞれの第4のアセットを表す少なくとも1つの第5の出力を含んでもよい。
【0039】
第4のアセットは、第2のユーザの暗号化シグネチャを提供することによって、第3のアセットの非償還の結果として償還可能であってもよい。
【0040】
第4のアセットは、第2のユーザの暗号化シグネチャを提供することによって、第2のロック時間の経過後に償還可能であってもよい。
【0041】
少なくとも1つの第1及び/又は第2のアセットは、機械実行可能なコードから構成されてもよい。
【0042】
上述した各種“態様”は、本発明の限定であることを意図していない。本発明の一態様又は記載に関連して述べられる何れかの特徴はまた、上述した1つ以上の態様又は記載に適用可能であってもよい。
【0043】
本発明は、以下に提供される以下の例示的な実施例又は利用ケースにおいて説明されるように方法/システムを実質的に提供しうる。
【0044】
本発明の好適な実施例が、添付図面を参照して何れかの限定的な意味でなく単なる例示によって説明される。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】既知の一方向マイクロペイメントチャネルの処理を示す概略図である。
図2】本発明を実現する一方向マイクロペイメントチャネルの処理を示す概略図である。
図3図2の方法において利用されるブロックチェーントークナイゼーション処理を示す。
図4A図2のマイクロペイメントチャネルにおいて利用されるブロックチェーントランザクションを示す。
図4B図2のマイクロペイメントチャネルにおいて利用されるブロックチェーントランザクションを示す。
図5A図2のマイクロペイメントチャネルにおいて利用されるブロックチェーントランザクションを示す。
図5B図2のマイクロペイメントチャネルにおいて利用されるブロックチェーントランザクションを示す。
図6A図2のマイクロペイメントチャネルにおいて利用されるブロックチェーントランザクションを示す。
図6B図2のマイクロペイメントチャネルにおいて利用されるブロックチェーントランザクションを示す。
図7A図2のマイクロペイメントチャネルにおいて利用されるブロックチェーントランザクションを示す。
図7B図2のマイクロペイメントチャネルにおいて利用されるブロックチェーントランザクションを示す。
図8A図2のマイクロペイメントチャネルにおいて利用されるブロックチェーントランザクションを示す。
図8B図2のマイクロペイメントチャネルにおいて利用されるブロックチェーントランザクションを示す。
図9A】具体例1において利用されるブロックチェーントランザクションを示す。
図9B】具体例1において利用されるブロックチェーントランザクションを示す。
図10A】具体例1において利用されるブロックチェーントランザクションを示す。
図10B】具体例1において利用されるブロックチェーントランザクションを示す。
図11A】具体例1において利用されるブロックチェーントランザクションを示す。
図11B】具体例1において利用されるブロックチェーントランザクションを示す。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図面を参照して、サービスの購入に関する例示的な利用ケースを示す。しかしながら、本発明がこの点に限定されないことに留意することは重要である。本発明の実施例は、何れかのアセットの交換を実現するよう構成されうる。このアセットは、“転送アセット”として参照されうる。転送アセットは、デジタルアセットであってもよく、例えば、物理的、電子的、デジタル又は抽象的な何れかのタイプのエンティティを表すものであってもよい。以下の説明では、第1、第2、第3及び第4のブロックチェーントランザクションと、第1、第2、第3及び第4のアセットとの言及は、請求項において同じ意味を有する。
【0047】
ここに提供される具体例は購入が行われるシナリオに関連することに留意することがまた重要である。従って、“カスタマ”及び“マーチャント”という用語は、交換の参加者を参照するのに利用されうる。しかしながら、本発明はリテール指向の用途に限定されることを意図していない。代わりに、本発明は財又はサービスが購入されない用途に等しく適用可能である。ブロックチェーントランザクションによって行われるデジタルアセット(ファンド)の転送は、全てのブロックチェーントランザクション(Txs)が入力と出力とを有する必要があるため、ブロックチェーン関連の実現形態を実現するのに純粋に機能しうる。
【0048】
図2を参照して、本発明を実現するマイクロペイメントチャネルが示される。マイクロペイメントチャネルは、“一方向マイクロペイメントチャネル”として参照されうる。マイクロペイメントチャネルは、1回以上更新可能なペイメントトランザクションによってインターネットアクセスなどのオンラインの時間に依存したデジタルアセットに対して他の参加主体(以降、“マーチャント(merchant)”)に参加主体(以降、“カスタマ(customer)”)が支払うことを可能にするよう構成される。これは、時間依存するアセットに対する支払を表すマイクロペイメントチャネルの出力が、それが経時的にアセットのより多くを転送するに従って更新されることを可能にする。これは、あるユーザから他のユーザに提供されるアセットであるため、“転送アセット”として参照されうる。従って、本発明は、転送アセットが転送される方法を制御するための技術的機構を提供する。ブロックチェーントランザクションは、アセットが主体間で転送可能であるか否か、また、当該転送が何時どのようにして実行されるべきかを判定するための技術的伝達手段を提供する。
【0049】
本発明の重要な効果は、交換処理が完全に自動化可能であり、従って、当該処理が開始されると手動の参加の必要を削除することである。システムは、計算エージェントが何時どのようにしてトランザクションが生成され、及び/又はブロックチェーンに送信されるべきかを判定できるように構成可能である。
【0050】
まず、マーチャントは、ステップS101において、サービス又はアセットについてC個の契約を作成する。好ましくは、当該契約は、デポジットサイズ、支払額及び支払頻度などの特定の詳細を規定する機械により実行可能なスマートコントラクトである。従って、スマートコントラクトを利用することによって、本発明は、アセットプロバイダ(例えば、マーチャント)がマイクロペイメント処理への入力を有することを可能にする。これは、従来技術の構成に対する効果であり、本発明は、どのようにしてマイクロペイメントチャネルが実行されるかを制御するための他の技術的機構を提供する。より大きな粒度又はコンディショナリティの程度がスマートコントラクトを介し実行に導入される。例えば、アセットプロバイダはまた、スマートコントラクトを利用してインターネットアクセスなどのアセットへのアクセスを物理的に制御可能である。
【0051】
その後、マーチャントは、ステップS102において、マーチャントによって提供される資金を表す入力と、各出力がマーチャントとカスタマとの間の契約の一部を構成する各自の第1のアセットを表すスクリプト又はトークンに対して資金の一部を支払うC個の出力の系列とを有する鋳造ブロックチェーントランザクション(“minting Tx”)の形式で第4のブロックチェーントランザクションを生成する。鋳造トランザクションを生成する主体(“鋳造者(minter)”)はマーチャントである必要はないことが当業者によって理解されるであろう。例えば、マーチャントは、第三者に対する鋳造トランザクションの生成を契約することを選択してもよいし、あるいは、第三者によってこの目的のために供給されたソフトウェアを利用してもよい。
【0052】
トークンは、サーバなどのコンピュータベースリソース上に格納可能なスマートコントラクトを表すものであってもよい。スマートコントラクトは、機械実行可能な形式で記述され、従って、自動化されたエージェント(“ボット”と呼ばれうる)によって読取、実行及び/又は実施可能である。コントラクトは、例えば、オフブロックに提供される分散ハッシュテーブル(DHT)に格納されてもよい。トークンは、何れかの時点において鋳造者によって鋳造又は融解されてもよい。
【0053】
契約を表すトークン(又は“カラードコイン(colored coin)”)が、スクリプトにおいてメタデータとして提供されうる。トークンは、契約がアクセスされることを可能にしうる。例えば、トークンは、スマートコントラクトが格納可能な場所の位置又はURI又は当該位置のハッシュを提供してもよい。
【0054】
その後、マーチャントは、ステップS103において、ブロックチェーンに鋳造トランザクションを送信する。図4Aにおいて、鋳造トランザクションの詳細が示され、図4Bにおいて、鋳造トランザクションの出力がそれの資金を支払うトランザクション及びスクリプトの入力及び出力の詳細が示される。
【0055】
鋳造トランザクションの出力がそれの資金を支払うスクリプト及びトランザクションの入力及び出力の詳細は以下である。
【0056】
【表1】
ステップS103において鋳造トランザクションがブロックチェーンに送信された後、マーチャントは、ステップS104において、カスタマにアクセス可能なプラットフォーム上で契約の詳細及びトークンのスクリプトを公開する。ステップS101~S104は、何れの時点でも実行可能であり、マーチャントがリストに新たなトークンを追加することを可能にし、トークンは、何れの時点でもマーチャントによって融解(すなわち、削除又は再利用)可能である。
【0057】
図3は、図2のステップS102の鋳造トランザクションでありうるトークン鋳造トランザクションと、図2のステップS108のリプレーサブルトランザクションの出力を構成する転送トランザクションでありうるトークン転送トランザクションとの具体例を示す。鋳造トランザクションは、ステップS201において、トークン鋳造者によって生成され、電子証明書を指し示すメタデータを含むマルチシグネチャスクリプトのハッシュである場合、鋳造者によって提供される資金を表す入力と、スクリプトハッシュに資金を支払う単一の出力とを有する。スクリプトは、以下の形態を有する。
【0058】
【表2】
ただし、Metadata1・・・などは、偽の圧縮公開鍵(32バイト)である。メタデータフォーマットの具体例は以下に見ることができる。
【0059】
【表3】
PubK1・・・は、真の公開鍵である。
【0060】
トークンは図2に示されるような鋳造者の公開鍵を含むスクリプトによって償還可能である。
【0061】
トークン転送トランザクションが、ステップS202において生成され、トークン及びそれの関連する資金を使う入力と、トークンが主体Aによって所有されていることを表すスクリプトのハッシュに対して資金を支払う出力とを有する。
【0062】
図2を再び参照して、ステップS105において、カスタマが契約をブラウジングし、入ることを所望する契約についてファンディングトランザクションの形式で第1のブロックチェーントランザクションを作成すると、マイクロペイメントチャネルが初期的に作成される。ファンディングトランザクションは、カスタマによる資金のデポジットを表す第1の入力と、マーチャントによって提供されるトークンを構成するスクリプトを含む第2の入力によって表される第1のアセットを表す第2の入力とを有する。ファンディングトランザクションは、カスタマのシグネチャ及びマーチャントのシグネチャを提供することによって、あるいは、ロック時間Nの経過後のみカスタマのシグネチャを提供することによって償還可能な金額Xをカスタマに支払うことによって第2のアセットを表す出力と、ロック時間Nの経過後のみカスタマのシグネチャを提供することによって償還可能な金額Xをカスタマに支払うことによって第3のアセットを表す出力とを有する。金額Xは、典型的には、カスタマに対するデポジットの完全なリファンドを表すデポジットの全額である可能性があり、Yはマーチャントに対するトークン値の完全なリファンドを表しうる。しかしながら、Xをより小さい値に設定し、Yをより大きな値に設定し、マーチャントに対するリファンド不可なデポジットの支払を表すことが可能である。
【0063】
カスタマは、その後、ステップS106においてファンディングトランザクションを署名し、それをマーチャントに送信する。マーチャントは、ステップS107においてファンディングトランザクションを署名し、それをブロックチェーンに送信する。図5Aにおいて、ファンディングトランザクションの詳細が示され、図5Bにおいて、ファンディングトランザクションの入力及び出力をアンロックするためのスクリプトとファンディングトランザクションの入力及び出力の詳細とが示される。
【0064】
ファンディングトランザクションの入力及び出力をアンロックするためのスクリプトとファンディングトランザクションの入力及び出力の詳細とは以下の通りである。
【0065】
【表4】
図2を再び参照するに、支払が行われるとき、カスタマは、ステップS108において、リプレーサブルブロックチェーントランザクションの形式で第2のブロックチェーントランザクションを生成する。リプレーサブルトランザクションは、ファンディングトランザクションからそれぞれ金額X及びYを使う入力と、トークンのスクリプトにトークン値を支払う出力、マーチャントのための金額を支払うことによって第三者を表す出力及び残りのファンドをカスタマに支払う出力とを有する。カスタマは、ステップS109において、リプレーサブルトランザクションを署名し、それをマーチャントに送信する。リプレーサブルトランザクションはブロックチェーンに送信されないことが留意されるべきである。代わりに、それらはカスタマによって署名され、何れのリプレーサブルトランザクションが何時ブロックチェーンに署名及び送信されるか選択可能なマーチャントに送信される。
【0066】
リプレーサブルトランザクションの出力のそれぞれを償還するため、カスタマのシグネチャ及びマーチャントのシグネチャが必要とされる。以降の支払が期限になると、ステップS108及びS109が繰り返され、マーチャントのための金額を増加させ、カスタマに払い戻される金額を減少させる。
【0067】
最後に、マーチャントは、直近のリプレーサブルトランザクションの双方の入力を署名し、ステップS110において、マーチャントのための金額を償還するため、トランザクションをブロックチェーンに送信する。図6Aにおいて、リプレーサブルトランザクションの詳細が示され、図6Bにおいて、リプレーサブルトランザクションの入力及び出力をアンロックするためのスクリプト及びトランザクションの入力及び出力の詳細とが示される。
【0068】
リプレーサブルトランザクションの入力及び出力をアンロックするためのスクリプト及びトランザクションの入力及び出力の詳細とは以下の通りである。
【0069】
【表5】
リプレーサブルトランザクションがロック時間Nの経過によって受信されなかった場合、カスタマ及びマーチャントのリファンドブロックチェーントランザクションが実行される。特に、ステップS111において生成されたカスタマのリファンドトランザクションは、ステップS105のファンディングトランザクションから資金Xを使う単一の入力を有し、カスタマによって指定されたアドレスに金額Xを支払う。カスタマリファンドトランザクションの出力のみが、カスタマのシグネチャを必要とする。カスタマは、ステップS112において、トランザクションを署名し、それをブロックチェーンに送信する。図7Aにおいて、カスタマリファンドトランザクションの詳細が示され、図7Bにおいて、カスタマリファンドトランザクションの入力及び出力をアンロックするためのスクリプト及びカスタマリファンドトランザクションの入力及び出力の詳細とが示される。
【0070】
同様に、ステップS113において生成されるマーチャントリファンドトランザクションは、ステップS105のファンディングトランザクションから資金Yを使う単一の入力を有し、カスタマによって指定されたアドレスに金額Yを支払う。マーチャントリファンドトランザクションの出力のみが、マーチャントのシグネチャを必要とする。マーチャントは、ステップS114において、トランザクションを署名し、それをブロックチェーンに送信する。マーチャントリファンドトランザクションの入力及び出力をアンロックするためのスクリプト及びトランザクションの入力及び出力の詳細とは以下の通りである。
【0071】
【表6】
マーチャントリファンドトランザクションの入力及び出力をアンロックするためのスクリプトとマーチャントリファンドトランザクションの入力及び出力の詳細とは以下の通りである。
【0072】
【表7】
具体例1
以下の具体例では、マーチャントは、インターネットアクセスを提供するホテルであり、カスタマは、インターネットアクセスを購入することを所望するホテルのゲストである。ホテルは、帯域幅、ダウンロード及び時間制限を異なるIP/MACアドレスにそれが設定することを可能にするルータ管理ソフトウェアを有する。インターネットアクセスを収益化するため、ホテルはそれのゲストに以下のサービスを提供する。
【0073】
【表8】
他の設定詳細
・ホテルは、1BTC(100,000,000 Satoshi)を有する秘密/公開鍵Hを所有する。
・ゲストは、0.06BTC(6,000,000 Satoshi)を有する秘密/公開鍵Gを所有する。
・ホテルは、それがトークン/契約を格納するサーバを有する。それはまた、利用可能なトークン/契約を表示するため利用するイントラサイトを有する。
【0074】
ステップ
1.ホテルは、それの4つのサービスのそれぞれについて契約を作成する。それは、pdfとしてそれらを保存し、それのサーバに格納する。
2.ホテルは、それの4つの契約のそれぞれについてmetadata1及びmetadata2を作成する。フォーマットは以下の通りである。
【0075】
【表9】
3.ホテルは、5つの計画をトークナイズする鋳造トランザクションを作成する。
【0076】
a.ここでは、4つのトークンのみが簡単化のため作成されることに留意されたい。実際には、各サービス/トークンについて複数作成可能である。
【0077】
図9Aにおいて、鋳造トランザクションの詳細が示され、図9Bにおいて、鋳造トランザクションの出力がそれの資金を支払うスクリプト及びトランザクションの入力及び出力の詳細とが示される。
【0078】
鋳造トランザクションの出力がそれの資金を支払うスクリプトとトランザクションの入力及び出力の詳細とは以下の通りである。
【0079】
【表10】
4.ホテルは、ブロックチェーンに鋳造トランザクションを送信する。
5.ホテルは、ゲストがブラウズするそれのイントラネットサイト上でトークン及び契約を表示する。
6.ホテルのゲストは、インターネットアクセスオプションについてイントラネットをブラウズし、サービス3に同意することを決める。それはトークン3をとり、関連する契約3毎にファンディングトランザクションを作成する。
【0080】
図10Aにおいて、ファンディングトランザクションの詳細が示され、図10Bにおいて、ファンディングトランザクションの入力及び出力をアンロックするためのスクリプト及びファンディングトランザクションの入力及び出力の詳細とが示される。
【0081】
ファンディングトランザクションの入力及び出力をアンロックするためのスクリプト及びファンディングトランザクションの入力及び出力の詳細は以下の通りである。
【0082】
【表11】
ロックされた資金は、48時間でホテルによって請求可能である。これは、契約3及びトークン自体の値による最小の支払期限である。
7.ゲストは、イントラネットサイト上でフォームを介しホテルにファンディングトランザクションを送信する。
8.ホテルは、ファンディングトランザクションをチェックし、署名することによってそれを承認し、それをブロックチェーンに送信する。
9.ホテルは、インターネットにアクセスするための詳細をゲストに提供する。あるいは、トークンは、インターネットへのアクセスを自動的に可能及び終了させるための機械実行可能な指示を含んでもよい。
10.ゲストは、インターネットを利用することを開始する。接続時間及びダウンロード量は、ルータ管理ソフトウェアによって追跡される。
11.ルータ管理ソフトウェアは、接続が1分間利用されたことを検出する。それは、支払に対するリクエストをゲストに送信する。ゲストは、それがホテルに送信するリプレーサブルトランザクションを作成する。
【0083】
図11Aにおいて、リプレーサブルトランザクションの詳細が示され、図11Bにおいて、リプレーサブルトランザクションの入力及び出力をアンロックするためのスクリプト及びリプレーサブルトランザクションの入力及び出力の詳細とが示される。
【0084】
リプレーサブルトランザクションの入力及び出力をアンロックするためのスクリプト及びリプレーサブルトランザクションの入力及び出力の詳細は以下の通りである。
【0085】
【表12】
12.ゲストがインターネットに接続している間、ルータ管理ソフトウェアは、接続タイマを増加し続け、毎分支払リクエストを送信する。ゲストは、リプレーサブルトランザクションの出力2及び3を最新金額に単に更新し、ホテルに送信する。
13.契約3のように2時間の終わりに、ホテルは、最新のリプレーサブルトランザクションを署名し、ブロックチェーンに送信する。合計でゲストは70分間利用しており、出力2は4,750,000であり、出力3は1,250,000である。
【0086】
上記実施例は何れか限定的な意味でなく例示のためだけに説明されており、添付した請求項によって規定されるような本発明の範囲から逸脱することなく各種変更及び修正が可能であることが当業者によって理解されるであろう。
図1
図2-1】
図2-2】
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B