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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-07
(45)【発行日】2024-08-16
(54)【発明の名称】アクチュエータシステム
(51)【国際特許分類】
   F15B 21/02 20060101AFI20240808BHJP
   B64C 13/40 20060101ALI20240808BHJP
   F16K 37/00 20060101ALI20240808BHJP
【FI】
F15B21/02
B64C13/40
F16K37/00 D
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2017248076
(22)【出願日】2017-12-25
(65)【公開番号】P2019113140
(43)【公開日】2019-07-11
【審査請求日】2020-12-04
【審判番号】
【審判請求日】2023-01-23
(73)【特許権者】
【識別番号】503405689
【氏名又は名称】ナブテスコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126572
【弁理士】
【氏名又は名称】村越 智史
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 浩二
【合議体】
【審判長】窪田 治彦
【審判官】柿崎 拓
【審判官】伊藤 秀行
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-101415(JP,A)
【文献】特開2012-25521(JP,A)
【文献】特開2011-179647(JP,A)
【文献】特開昭63-225710(JP,A)
【文献】特開2012-163429(JP,A)
【文献】特開2010-247602(JP,A)
【文献】特開2008-111490(JP,A)
【文献】特開2005-106089(JP,A)
【文献】実開平6-63971(JP,U)
【文献】特開平6-10912(JP,A)
【文献】特開平3-223503(JP,A)
【文献】実開昭64-35271(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F15B21/02
F16K37/00
B64C13/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクチュエータと、
前記アクチュエータへの作動流体の給排を制御するソレノイドバルブと、
前記ソレノイドバルブに変位可能に設けられ、変位により前記作動流体の流路を切り替える可動コアの移動距離を積算して、前記アクチュエータの累積での作動量と正の相関を持つ積算移動距離を算出する積算ユニットと、
を備えるアクチュエータシステム。
【請求項2】
前記積算ユニットは、前記積算移動距離を記憶装置に記憶するように構成される、
請求項1に記載のアクチュエータシステム。
【請求項3】
前記積算移動距離を外部装置に送信するように構成される、
請求項1又は請求項2に記載のアクチュエータシステム。
【請求項4】
前記アクチュエータ及び前記ソレノイドバルブが実装されるマニホールドをさらに備え、
前記マニホールドは、内部空間が形成されたハウジングを備え、
前記積算ユニットの少なくとも一部は、前記内部空間に収容されている、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のアクチュエータシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アクチュエータを備えるアクチュエータシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
航空機等の輸送機器及び各種産業機械では、可動部材を駆動するためにアクチュエータが広く用いられている。かかるアクチュエータの一種として流体圧式アクチュエータが知られている。流体圧式アクチュエータは、一般に、シリンダと、当該シリンダの内部空間を2つの圧力室に区画するピストンを有するピストンユニットと、を有している。流体圧式アクチュエータは、流体圧源及びリザーバと当該流体圧式アクチュエータとの間での作動流体の流れを切り換えるソレノイドバルブに接続される。流体圧式アクチュエータの作動は、ソレノイドバルブにより当該一対のシリンダ室への作動流体の給排を切り換えることで制御される。
【0003】
アクチュエータの累積での作動量(例えば、作動時間や作動回数)が増えると、アクチュエータの構成部材に疲労が蓄積し、そのことが動作不良の原因となり得る。したがって、アクチュエータについては、その作動量の正確な把握が望まれる。しかしながら、稼働中のアクチュエータは、輸送機器や産業機械に組み込まれているため、その作動量を把握することは容易ではない。
【0004】
特開2012-025521号公報には、油圧アクチュエータの仕事率を算出し、この算出された仕事率を積算して積算仕事量を求め、この積算仕事量に基づいて当該油圧アクチュエータのメンテナンス時期を推定する装置が開示されている。当該装置では、油圧アクチュエータの一種である油圧モータの仕事率が、当該油圧モータの有効圧力及び吸入流量に基づいて算出される。油圧モータの有効圧力は、当該油圧モータの上流および下流のそれぞれに圧力センサを設け、当該圧力センサが検出した圧力に基づいて算出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2012-025521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は、アクチュエータの累積作動量をモニタリング可能な新規のアクチュエータシステムを提供することを目的とする。
【0007】
本開示のより具体的な目的の一つは、アクチュエータへの作動流体の給排を制御するソレノイドバルブの作動に基づいてアクチュエータの累積作動量をモニタリングすることができるアクチュエータシステムを提供することである。
【0008】
本発明の上記以外の目的は、本明細書全体を参照することにより明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によるアクチュエータシステムは、アクチュエータと、前記アクチュエータへの作動流体の給排を制御するソレノイドバルブと、前記ソレノイドバルブの作動に関連するパラメータの積算値を算出する積算ユニットと、を備える。
【0010】
アクチュエータは、ソレノイドバルブを作動させて当該アクチュエータへ作動流体を供給及び排出することにより作動される。上記実施形態では、当該ソレノイドバルブの作動に関連するパラメータの積算値が算出されるため、この算出された積算値に基づいてアクチュエータの累積での作動量を把握することができる。よって、当該積算値に基づいて、アクチュエータの適切なメンテナンス時期を定めることができる。上記実施形態によれば、ソレノイドバルブの作動に関連するパラメータの積算値を用いてアクチュエータの累積作動量が把握されるので、アクチュエータに改変を加えることなくその累積作動量が把握される。よって、上記実施形態によって、様々なアクチュエータの累積作動量の把握が可能となる。
【0011】
本発明の一態様によるアクチュエータシステムにおいて、前記パラメータは、前記ソレノイドバルブに設けられた電磁コイルが通電されている時間であり、前記積算ユニットは、前記電磁コイルが通電されている時間を積算して積算通電時間を算出するように構成される。
【0012】
上記実施形態によれば、ソレノイドバルブの電磁コイルが通電されている時間を積算して得られる積算通電時間に基づいて、アクチュエータの累積での作動量を把握することができる。
【0013】
本発明の一態様によるアクチュエータシステムにおいて、前記パラメータは、前記ソレノイドバルブに設けられた電磁コイルに供給される電流であり、前記積算ユニットは、前記電磁コイルに供給される電流を積算して積算電流を算出するように構成される。
【0014】
上記実施形態によれば、ソレノイドバルブの電磁コイルに供給される電流を積算して得られる積算電流に基づいて、アクチュエータの累積での作動量を把握することができる。
【0015】
本発明の一態様によるアクチュエータシステムにおいて、前記パラメータは、前記ソレノイドバルブの開放時間であり、前記積算ユニットは、前記ソレノイドバルブの開放時間を積算して積算開放時間を算出するように構成される。
【0016】
上記実施形態によれば、ソレノイドバルブの開放時間を積算して得られる積算開放時間に基づいて、アクチュエータの累積での作動量を把握することができる。
【0017】
本発明の一態様によるアクチュエータシステムにおいて、前記パラメータは、前記ソレノイドバルブに設けられた可動コアの移動距離であり、前記積算ユニットは、前記可動コアの移動距離を積算して積算移動距離を算出するように構成されている。
【0018】
上記実施形態によれば、ソレノイドバルブの可動コアの移動距離を積算して得られる積算移動距離に基づいて、アクチュエータの累積での作動量を把握することができる。
【0019】
本発明の一態様によるアクチュエータシステムは、前記前記積算ユニットは、前記積算通電時間、前記積算電流、前記算開放時間、及び前記積算移動距離の少なくとも一つを記憶装置に記憶するように構成される。
【0020】
上記実施形態によれば、記憶装置に記憶されているソレノイドバルブの作動に関連するパラメータの積算値(積算通電時間、積算電流、算開放時間、及び積算移動距離の少なくとも一つ)を読み出して利用することができる。例えば、当該積算値を用いて、アクチュエータのメンテナンス時期の判断やアクチュエータが搭載される機器または装置の稼働管理を行うことができる。
【0021】
本発明の一態様によるアクチュエータシステムは、前記積算通電時間、前記積算電流、前記算開放時間、及び積算移動距離の少なくとも一つを外部装置に送信するように構成される。
【0022】
上記実施形態によれば、ソレノイドバルブの作動に関連するパラメータの積算値を外部装置において利用することができる。
【0023】
本発明の一態様によるアクチュエータシステムは、前記アクチュエータ及び前記ソレノイドバルブが実装されるマニホールドをさらに備え、前記マニホールドは、内部空間が形成されたハウジングを備え、前記積算ユニットの少なくとも一部は、前記内部空間に収容されている。
【0024】
上記実施形態によれば、低温環境下でも積算ユニットを正常に動作させることが可能となる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の実施形態によって、アクチュエータの累積作動量をモニタリング可能な新規のアクチュエータシステムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の一実施形態によるアクチュエータシステムを模式的に示す図である。
図2】本発明の別の実施形態によるアクチュエータシステムを模式的に示す図である。
図3】本発明の別の実施形態によるアクチュエータシステムを模式的に示す図である。
図4】本発明の別の実施形態によるアクチュエータシステムを模式的に示す図である。
図5】本発明の別の実施形態によるアクチュエータシステムを模式的に示す図である。
図6】本発明の一実施形態によるアクチュエータシステムにおけるアクチュエータが実装されているマニホールドの一部を模式的に示す図である。
図7図6のマニホールドのI-I線に沿った断面の一部を模式的に示す断面図である。
図8図6のマニホールドの一部の背面図である。
図9図6のマニホールドの変形例を示す断面図である。
図10図9のマニホールドの一部の背面図である。
【0027】
以下、適宜図面を参照し、本発明の様々な実施形態を説明する。なお、各図面において共通する構成要素に対しては同一の参照符号が付されている。各図面は、説明の便宜上、必ずしも正確な縮尺で記載されているとは限らない点に留意されたい。
【0028】
本発明は、アクチュエータを備えるアクチュエータシステムに適用され得る。本発明は、例えば、ソレノイドバルブの制御により作動流体が給排されるアクチュエータを備えるアクチュエータシステムに適用され得る。
【0029】
図1は、本発明の一態様によるアクチュエータシステム1を模式的に示す図である。このアクチュエータシステム1は、アクチュエータ10を作動させることにより航空機の動翼1Aを駆動するように構成されている。図示のアクチュエータシステム1は、本発明を適用可能なアクチュエータシステムの一例である。本発明によるアクチュエータシステムは、航空機の動翼を駆動する用途以外にも様々な用途において用いられ得る。
【0030】
アクチュエータシステム1は、動翼1Aを駆動させるためのアクチュエータ10と、アクチュエータ10に圧油を供給する油圧源2と、アクチュエータ10から排出された油を貯留するリザーバ3と、ソレノイドバルブ4と、ソレノイドバルブ4に電圧を印加する電源5と、ソレノイドバルブ4の作動に関連するパラメータを積算する積算ユニット20と、を備える。
【0031】
積算ユニット20は、コントローラ21と、アワーメータ22と、を備える。コントローラ21は、各種の演算処理を行うプロセッサ21aと、各種プログラム及び各種データを格納するメモリ21bと、アワーメータ22及びこれ以外の機器と接続される機器インタフェース21cと、を備える。
【0032】
図示の実施形態において、アクチュエータ10は、油圧式アクチュエータである。アクチュエータ10は、圧油以外の作動液体により作動される液体圧式アクチュエータ、圧縮空気により作動される空気圧式アクチュエータ、及びこれら以外の作動流体により作動される任意の流体圧式アクチュエータであってもよい。アクチュエータシステム1は、複数のアクチュエータを備えてもよい。
【0033】
アクチュエータ10は、中空のシリンダ11と、シリンダ11内に設けられたピストンユニット12と、を有する。シリンダ11は、その長手方向(中心軸Aに沿う方向)の一方が開口し他方が閉塞するように構成されている。
【0034】
ピストンユニット12は、ピストン13と、ピストン13に接続されたピストンロッド14と、を有する。ピストン13及びピストンロッド14は、シリンダ11の内部に配置されている。ピストンロッド14は、その一部がシリンダ11の開口を介してシリンダ11の外部に突出している。
【0035】
ピストン13は、円筒形状に形成されている。ピストン13は、その外周面がシリンダ11の内周面と当接するように、シリンダ11の内側に配置されている。これにより、ピストン13は、シリンダ11を第1油圧室19aおよび第2油圧室19bに区画する。
【0036】
ピストンユニット12は、シリンダ11に対してその中心軸Aに沿って移動可能に設けられている。ピストンユニット12が中心軸Aに沿った第1移動方向W1に移動するとアクチュエータ10は伸長し、ピストンユニット12が中心軸A沿った第2移動方向W2に移動するとアクチュエータ10は収縮する。第2移動方向W2は、中心軸Aに沿う第1移動方向W1と逆向きの方向である。
【0037】
アクチュエータ10は、第1油圧室19a及び第2油圧室19bに対して圧油が給排されることで作動する。アクチュエータ10が作動されるとピストン13がシリンダ11内で変位する。これにより、ピストンロッド14を介して動翼1Aが駆動される。動翼1Aは、例えば、補助翼(エルロン)、方向舵(ラダー)、及び昇降舵(エレベータ)などの主操縦翼面、または、フラップ及びスポイラーなどの二次操縦翼面である。
【0038】
アクチュエータ10は、ピストンユニット12の位置を検出する位置センサを備えてもよい。この位置センサは、例えば、線形可変差動変圧器(LVDT)である。
【0039】
アクチュエータ10と油圧源2およびリザーバ3との間には、ソレノイドバルブ4が設けられている。ソレノイドバルブ4は、油圧源2と油路7aにより接続されており、リザーバ3とは油路7bにより接続されている。また、ソレノイドバルブ4は、アクチュエータ10の第1油圧室19aと油路8aにより接続されており、アクチュエータ10の第2油圧室19bと油路8bにより接続されている。
【0040】
ソレノイドバルブ4は、励磁された電磁コイルから生じる磁束により可動コアを変位させることで作動流体の制御を切り換えるように構成される。ソレノイドバルブ4には、公知のソレノイドバルブが用いられ得る。ソレノイドバルブ4は、例えば、ケーシングと、当該ケーシングに設けられたボビンと、当該ボビンに巻回された電磁コイルと、固定コアと、当該電磁コイルに対して移動可能に設けられた可動コアと、当該可動コアに固定された弁体と、を有する。ソレノイドバルブ4においては、電磁コイルが励磁されることにより、可動コアが固定コアに吸引され、この可動コアの変位に伴って弁体も変位する。この弁体の変位により圧油の流路が切り換えられる。ソレノイドバルブ4は、例えば、第1電磁コイルと第2電磁コイルとを有する。このソレノイドバルブ4は、第1電磁コイルを励磁する一方第2電磁コイルを無励磁とすることにより、第1油圧室19aに油を供給し第2油圧室19bから油を排出する第1連通位置に切り換えられ、第1電磁コイルを無励磁とする一方第2電磁コイルを励磁することにより、第1油圧室19aから油を排出し第2油圧室19bに油を供給する第2連通位置に切り換えられ、また、第1電磁コイル及び第2電磁コイルの両方を無励磁とすることにより、各油圧室19a,19bへの油の供給および各油圧室19a,19bからの油の排出を遮断する遮断位置に切り換えられる。
【0041】
ソレノイドバルブ4の電磁コイルは、電源5に接続されている。電源5は、例えばDC電源である。ソレノイドバルブ4は、電源5から印加される電圧によって通電及び励磁される。電源5からソレノイドバルブ4の電磁コイルへの電圧の印加は、コントローラ21からの制御パルスによって制御され得る。例えば、電源5とソレノイドバルブ4の各電磁コイルとの間には、コントローラ21からの制御パルスによりオンオフされるスイッチング素子が設けられてもよい。このスイッチング素子は、制御パルスがHighレベルの期間においてオンされる一方Lowレベルの期間においてはオフされるように構成されてもよい。これにより、コントローラ21からの制御パルスによって、ソレノイドバルブ4の電磁コイルへの通電をオンオフ制御することができる。
【0042】
以上のように、アクチュエータ10は、ソレノイドバルブ4の電磁弁が通電されているときに作動する。ソレノイドバルブ4は、その電磁弁が通電されているときに開放され、圧油がアクチュエータ10の各油圧室19a,19bに供給される。よって、アクチュエータ10は、ソレノイドバルブが開放されているときに作動する。
【0043】
図示の実施形態において、アワーメータ22は、電源5とソレノイドバルブ4との間に設けられ、ソレノイドバルブ4の電磁コイルが通電されている通電時間を積算するように構成される。アワーメータ22は、例えば、ソレノイドバルブ4の電磁コイルの通電時間をカウントすることにより、当該通電時間を積算した積算通電時間を計測することができる。ソレノイドバルブ4が複数の電磁コイルを有する場合には、その各々の通電時間をカウントし、そのカウント値の合計を当該ソレノイドバルブ4の積算通電時間とすることができる。例えば、ソレノイドバルブ4が第1電磁コイル及び第2電磁コイルを有する場合には、アワーメータ22は、第1電磁コイルの通電時間をカウントしたカウント値T1と、第2電磁コイルの通電時間をカウントしたカウント値T2と、を合計したT1+T2を積算通電時間とすることができる。
【0044】
アワーメータ22は、ディスプレイ22aを備えてもよい。アワーメータ22により計測されたソレノイドバルブ4の電磁コイルの積算通電時間は、ディスプレイ22aに表示されてもよい。
【0045】
アワーメータ22により計測されたソレノイドバルブ4の電磁コイルの積算通電時間は、機器インタフェース21cを介して、コントローラ21に入力されてもよい。
【0046】
次に、アクチュエータシステム1の動作について説明する。動作開始時に、ピストンユニット12は中立位置にあるものとする。アクチュエータ10を収縮させる場合、コントローラ21は、制御パルスを出力し、ソレノイドバルブ4の第1電磁コイルを通電させる。これにより、ソレノイドバルブ4の可動コアが変位し、ソレノイドバルブ4は第1連通位置に切り換えられる。アワーメータ22は、ソレノイドバルブ4の第1電磁コイルが通電されている通電時間を積算する。
【0047】
ソレノイドバルブ4が第1連通位置に切り換えられたことにより、油圧源2から第1油圧室19aに圧油が供給され、第2油圧室19bからリザーバ3に圧油が排出される。これにより、ピストンユニット12は、中立位置から第2移動方向W2に移動する。すなわち、アクチュエータ10は収縮する。
【0048】
一方、アクチュエータ10を伸長させる場合、コントローラ21は、制御パルスを出力し、ソレノイドバルブ4の第2電磁コイルを通電させる。これにより、ソレノイドバルブ4の可動コアが変位し、ソレノイドバルブ4は第2連通位置に切り換えられる。アワーメータ22は、制御パルスによりソレノイドバルブ4の第2電磁コイルが通電されている通電時間を積算する。
【0049】
ソレノイドバルブ4が第2連通位置に切り換えられたことにより、油圧源2から第2油圧室19bに圧油が供給され、第1油圧室19aからリザーバ3に圧油が排出される。これにより、ピストンユニット12は、第1移動方向W1に移動する。すなわち、アクチュエータ10は伸長する。
【0050】
上記実施形態によれば、アクチュエータ10は、ソレノイドバルブ4の電磁弁が通電されているときに作動するように構成されているから、アワーメータ22によって計測される積算通電時間は、アクチュエータ10の累積での作動量と正の相関を持つ。よって、作業員は、アワーメータ22によって計測される積算通電時間に基づいてアクチュエータ10の累積での作動量を把握することができる。
【0051】
次に、図2を参照して、本発明の別の態様によるアクチュエータシステム301について説明する。図2に示されているアクチュエータシステム301は、コントローラ31を有する積算ユニット30を備えている。コントローラ31は、各種の演算処理を行うプロセッサ31aと、各種プログラム及び各種データを格納するメモリ31bと、センサ等の各種機器と接続される機器インタフェース31cと、カウンタ31dと、を備える。
【0052】
カウンタ31dは、コントローラ31から出力される制御パルスのパルス数を計数するように構成される。この制御パルスは、ソレノイドバルブ4の電磁コイルを駆動するためのパルス信号である。カウンタ31dによりカウントされたカウント値は、例えば、メモリ31bに格納される。
【0053】
コントローラ31から出力される制御パルスは、例えば、電源5とソレノイドバルブ4の各電磁コイルとの間に設けられたスイッチング素子に出力されてもよい。カウンタ31dは、ソレノイドバルブ4の第1電磁コイルを通電するための制御パルス、ソレノイドバルブ4の第2電磁コイルを通電するための制御パルス、及びこれら以外のソレノイドバルブ4の電磁コイルを駆動するための任意の制御パルスを計数するように構成され得る。アクチュエータシステム301は、例えば、制御パルスがHighレベルの期間にソレノイドバルブ4の電磁コイルに対して電源5の電圧が印加される(つまり、電磁コイルが通電される)一方、制御パルスがLowレベルの期間にはソレノイドバルブ4の電磁コイルに対して電源5の電圧が印加されない(つまり、電磁コイルが通電されない)ように構成される。
【0054】
コントローラ31は、カウンタ31dによりカウントされたカウント値と制御パルスのパルス幅とに基づいて、ソレノイドバルブ4の電磁コイルが通電されている通電時間の積算値である積算通電時間を算出することができる。この算出された積算値に基づいてアクチュエータ10の累積での作動量が把握される。
【0055】
上記の各実施形態においては、ソレノイドバルブ4の作動に関連するパラメータとして、ソレノイドバルブ4の電磁コイルが通電されている通電時間が用いられている。ソレノイドバルブ4の作動に関連するパラメータは、ソレノイドバルブ4の電磁コイルの通電時間には限られない。本発明で利用可能なソレノイドバルブ4の作動に関連するパラメータには、ソレノイドバルブ4の電磁コイルの通電時間以外に、例えば、ソレノイドバルブ4に設けられた電磁コイルに供給される電流、ソレノイドバルブ4の開放時間、及びソレノイドバルブ4の可動コアの移動距離が含まれ得る。これらのパラメータは、組み合わせて用いられてもよい。以下、レノイドバルブ4の作動に関連するパラメータとして、ソレノイドバルブ4に設けられた電磁コイルに供給される電流、ソレノイドバルブ4の開放時間、及びソレノイドバルブ4の可動コアの移動距離が用いられている実施形態について説明する。
【0056】
まず、図3を参照して本発明のさらに別の態様によるアクチュエータシステム401について説明する。アクチュエータシステム401では、レノイドバルブ4の作動に関連するパラメータとして、ソレノイドバルブ4に設けられた電磁コイルに供給される電流が用いられる。
【0057】
図3に示されているアクチュエータシステム401は、コントローラ41と、電流センサ42と、を有する積算ユニット40を備えている。コントローラ41は、各種の演算処理を行うプロセッサ41aと、各種プログラム及び各種データを格納するメモリ41bと、電流センサ42及びそれ以外の各種機器と接続される機器インタフェース41cと、を備える。
【0058】
電流センサ42は、ソレノイドバルブ4及び電源5に接続されており、電源5とソレノイドバルブ4の間で流れる電流を検出する。電流センサ42の検出信号は、機器インタフェース41cを介して、コントローラ41に入力されてもよい。電流センサ42の検出信号は、電源5からソレノイドバルブ4の電磁コイルに供給される電流の検出値を示す。
【0059】
コントローラ41は、電流センサ42からの検出信号に基づいて、電源5とソレノイドバルブ4の間で流れる電流を積算し、積算電流を算出するように構成される。
【0060】
アクチュエータ10は、ソレノイドバルブ4の電磁弁が通電されているときに作動するように構成されているから、電流センサ42によって検出される電流を積算した積算電流は、アクチュエータ10の累積での作動量と正の相関を持つ。よって、作業員は、算出された積算電流に基づいてアクチュエータ10の累積での作動量を把握することができる。
【0061】
次に、図4を参照して、本発明のさらに別の態様によるアクチュエータシステム501について説明する。アクチュエータシステム401では、ソレノイドバルブ4の作動に関連するパラメータとして、ソレノイドバルブ4の開放時間が用いられる。
【0062】
図4に示されているアクチュエータシステム501においては、ソレノイドバルブ4に位置センサ15が設けられている。位置センサ15は、ソレノイドバルブの可動コアの位置を検出するように構成される。アクチュエータシステム501は、コントローラ51を有する積算ユニット50を備えている。コントローラ51は、各種の演算処理を行うプロセッサ51aと、各種プログラム及び各種データを格納するメモリ51bと、位置センサ15等の各種機器と接続される機器インタフェース51cと、を備える。
【0063】
位置センサ15の検出信号は、機器インタフェース51cを介してコントローラ51に入力される。本発明の一態様において、コントローラ51は、位置センサ15からの検出信号に基づいて、ソレノイドバルブ4が開放されているか否かを判定し、その判定結果に応じてソレノイドバルブ4が開放されている時間を積算して積算開放時間を算出するように構成される。
【0064】
上記実施形態によれば、アクチュエータ10は、ソレノイドバルブ4が開放されているときに、ソレノイドバルブ4を介して供給される圧油により作動するように構成されているから、算出された積算開放時間は、アクチュエータ10の累積での作動量と正の相関を持つ。よって、作業員は、算出されたソレノイドバルブ4の積算開放時間に基づいてアクチュエータ10の累積での作動量を把握することができる。
【0065】
本発明の他の態様において、コントローラ51は、位置センサ15からの検出信号に基づいて、ソレノイドバルブ4の可動コアの移動距離を算出するように構成される。コントローラ51は、アクチュエータ10を作動させるたびに、各作動サイクルにおける可動コアの移動距離を算出し、算出された移動距離を例えばメモリ21bに格納する。コントローラ51は、各作動サイクルにおいて算出された可動コアの移動距離を積算し、積算移動距離を算出するように構成される。
【0066】
第1作動サイクルにおいてアクチュエータ10を中立位置から収縮させ、次に、第2作動サイクルにおいてアクチュエータ10を伸長させる場合を例に、コントローラ51における積算移動距離の算出について説明する。まず、アクチュエータ10を中立位置から収縮させる場合には、ソレノイドバルブ4の可動コアを遮断位置から第1連通位置まで移動させる。コントローラ51は、位置センサ15からの検出信号に基づいて、当該第1作動サイクルにおける遮断位置から第1連通位置までの可動コアの移動距離L1をメモリ51bに格納する。次に、アクチュエータ10を伸長する場合には、ソレノイドバルブ4の可動コアを第1連通位置から第2連通位置まで移動させる。コントローラ51は、位置センサ15からの検出信号に基づいて、当該第2作動サイクルにおける第1連通位置から第2連通位置までの可動コアの移動距離L2をメモリ51bに格納する。コントローラ51は、移動距離L1及び移動距離L2をメモリ51bから読み出し、読み出された移動距離を示す値を加算することにより、積算移動距離を算出することができる。繰り返される作動サイクルが増加しても同様の方法で積算移動距離を算出することができる。
【0067】
ソレノイドバルブ4の可動コアの移動距離を積算した積算移動距離は、アクチュエータ10の累積の作動量と正の相関を持つ。よって、作業員は、算出されたソレノイドバルブ4の可動コアの積算移動距離に基づいてアクチュエータ10の累積での作動量を把握することができる。
【0068】
上記の各実施形態によれば、ソレノイドバルブ4の作動に関連するパラメータの積算値に基づいて、アクチュエータ10の累積での作動量が把握可能となる。そして、このアクチュエータ10の累積作動量に基づいて、アクチュエータ10の適切なメンテナンス時期を定めることができる。これにより、故障や不具合の発生前に、アクチュエータ10のメンテナンスまたは交換を行うことができる。
【0069】
上記の各実施形態によれば、ソレノイドバルブ4の作動に関連するパラメータを用いてアクチュエータ10の累積作動量を把握しているので、アクチュエータ10が搭載されている機器の稼働時間に基づいて間接的に推定されるメンテナンス時期よりも正確にメンテナンス時期を推定することができる。
【0070】
上記の各実施形態によれば、ソレノイドバルブ4の作動に関連するパラメータを用いてアクチュエータ10の累積作動量を把握しているので、アクチュエータ10に改変を加えることなく、その累積作動量を把握することが可能となる。
【0071】
上記の各実施形態によれば、アクチュエータ10の作動に直接関連するパラメータ(例えば、アクチュエータ10内の作動流体の圧力)ではなく、当該アクチュエータ10への作動流体の給排を制御するソレノイドバルブ4の作動に関連するパラメータを用いているため、アクチュエータ10自身を改変する必要がない。このため、上記の各実施形態は、ソレノイドバルブにより給排される作動流体で作動するアクチュエータに幅広く適用され得る。
【0072】
次に、図5を参照して、本発明のさらに別の態様によるアクチュエータシステム601について説明する。このアクチュエータシステム601は、積算ユニット60を備える。コントローラ61を有する積算ユニット60を備えている。コントローラ61は、各種の演算処理を行うプロセッサ61aと、各種プログラム及び各種データを格納するメモリ61bと、センサ等の各種機器と接続される機器インタフェース61cと、外部装置70,外部装置80及びこれら以外の外部装置と通信を行うための通信インタフェース61dと、を備える。外部装置70は、アクチュエータ10が搭載されている機器または装置に搭載され得る。外部装置80は、アクチュエータ10が搭載されている機器または装置から遠隔に配されてもよい。
【0073】
コントローラ61は、ソレノイドバルブ4の作動に関連するパラメータの積算値を計測または算出するように構成される。コントローラ61は、上述したコントローラ21、コントローラ31、コントローラ41、またはコントローラ51と同様の方法でソレノイドバルブ4の作動に関連するパラメータの積算値を得ることができる。アクチュエータシステム601は、必要に応じて、アワーメータ21、電流センサ42、位置センサ15、またはこれら以外の装置を備えてもよい。
【0074】
コントローラ61は、通信インタフェース61dを介して、各種データを外部装置70,外部装置80及びこれら以外の装置に送信することができる。コントローラ61は、例えば、ソレノイドバルブ4の作動に関連するパラメータの積算値を算出し、この算出した積算値を外部装置70及び外部装置80の少なくとも一方に送信することができる。外部装置70及び外部装置80は、任意の情報処理装置である。外部装置70及び外部装置80は、情報処理装置によってデータを読み出し可能なストレージ装置であってもよい。外部装置70または外部装置80がストレージ装置である場合には、コントローラ61は、ソレノイドバルブ4の作動に関連するパラメータの積算値を算出し、この算出した積算値を当該ストレージ装置に記憶することができる。コントローラ61と外部装置70,80との間の通信リンクは、無線リンクであってもよく、有線リンクであってもよい。
【0075】
作業員は、外部装置70または外部装置80において、コントローラ61から受信したデータを用いて、アクチュエータの累積作動量を把握することができる。これにより、アクチュエータ10を設置対象機器から取り外すことなく、その累積作動量を把握することができる。また、外部装置80を用いることにより、遠隔からでもアクチュエータ10の累積作動量を把握することができる。
【0076】
次に、図6から図8を参照して、本発明の一実施形態によるアクチュエータシステムについてさらに説明する。図6は、本発明の各実施形態によるアクチュエータシステムに備えられている各種装置が実装されるマニホールド90の断面を模式的に示す図であり、その一部を破断して示している。マニホールド90には、様々な流体圧装置が実装される。マニホールド90には、例えば、上記の実施形態において説明されたソレノイドバルブ4、アクチュエータ10、各積算ユニット、及びアクチュエータシステム1の前記以外の構成部材が実装されている。
【0077】
マニホールド90は、内部空間92が形成されたマニホールドハウジング91を有する。マニホールドハウジング91には、ソレノイドバルブ4、アクチュエータ10、及びそれ以外の流体圧装置が組み付けられる。マニホールドハウジング91には、複数の油路及び各種油圧機器との複数の接続用ポートが形成されている。マニホールドハウジング91には、例えば、ソレノイドバルブ4とアクチュエータ10とを接続する流路が形成されている。マニホールドハウジング91は、アクチュエータ10のシリンダ11と一体に構成されてもよい。マニホールドハウジング91は、ソレノイドバルブ4のケーシングと一体に形成されてもよい。ソレノイドバルブ4のケーシングには、電磁コイル、可動コア、及び固定コアが収容される。
【0078】
マニホールドハウジング91の内部空間92には、図7に示されているように複数のワイヤ96が収容される。図6では、図示の便宜上、ワイヤ96が省略されている。この複数のワイヤ96の各々は、コントローラ21等の各種コントローラ、ソレノイドバルブ4、アクチュエータ10、及びこれ以外のアクチュエータシステム1の構成部材を互いに電気的に接続する。
【0079】
図7に示されているように、マニホールドハウジング91には、内部空間92と外部空間とを接続する開口が形成されており、当該開口は、リッド95により閉塞されている。リッド95は、マニホールドハウジング91に例えばねじ止めされる。
【0080】
マニホールドハウジング91には、コネクタ93及びコネクタ94が設けられている。コネクタ93及びコネクタ94にはそれぞれ複数の端子が形成されており、これらの端子に、マニホールドハウジング91に実装されているソレノイドバルブ4等の各種機器からのワイヤ96が接続される。コネクタ93及びコネクタ94には各種の外部装置が接続される。マニホールドハウジング91に実装された各種装置と外部装置との間では、このコネクタ93及びコネクタ94を介して電気信号が伝送される。
【0081】
マニホールドハウジング91の内部空間92には、上記各実施形態における積算ユニットの構成部材が収容されてもよい。積算ユニットの構成部材は、その一部またはその全部が内部空間92内に収容される。図示の実施形態においては、内部空間92に、積算ユニット20のアワーメータ22の一部が収容されている。内部空間92には、アワーメータ22以外に、電流センサ42が収容されてもよい。
【0082】
図示の実施形態において、リッド95の中央付近に開口が形成されており、アワーメータ22は、その開口を閉塞するようにリッド95に取り付けられている。これにより、アワーメータ22は、その一部がマニホールドハウジング91の内部空間92内に収容され、残部が内部空間92から外部空間(リッド95に対して内部空間92と反対側の空間)に露出している。具体的には、アワーメータ22は、そのディスプレイ22aが外部空間に露出するようにリッド95に取り付けられている。これにより、リッド95を取り外すことなく、ディスプレイ22aに表示されるアワーメータ22の計測値を読み取ることができる。
【0083】
上記の各実施形態によるアクチュエータシステムは、低温環境で使用される可能性がある。例えば、上記の各実施形態によるアクチュエータシステムが航空機の動翼を駆動する動翼駆動システムに適用される場合には、航空機が高高度を飛行しているときに、当該アクチュエータシステムは低温環境に置かれることになる。かかる低温環境においては、電子部品が動作しなかったり、電子部品の性能が低下したりすることがある。マニホールドハウジング91には、比較的高温(例えば、38°程度)の作動流体が通る流路が形成されているため、この流路からの熱により、内部空間92内は電子部品の動作にとって支障の無い程度の温度に保たれる。上記実施形態によれば、アワーメータ22等の積算ユニットの構成要素がマニホールドハウジング91の内部空間92内に収容されているため、アクチュエータシステムが低温環境に置かれる場合であっても、アワーメータ22またはそれ以外の積算ユニットに含まれる電子部品を正常に動作させることができる。
【0084】
図9及び図10に、本発明の他の実施形態によるマニホールド190を示す。マニホールド190には、アワーメータ22に代えて、アワーメータ122が収容されている。これらの図に示されているように、アワーメータ122は、その全部が内部空間92内に収容されてもよい。図9に示されている実施形態においては、マニホールドハウジング91の開口は、リッド195によって閉塞されている。リッド195にはアワーメータ122を取り付けるための開口は設けられていない。アワーメータ122は、リッド195の内部空間92に臨んでいる面に、例えばねじ止めにより取り付けられている。アワーメータ122の計測値は、ディスプレイ122aに表示される。このディスプレイ122aもマニホールドハウジング91に収容されているため、アワーメータ122の計測値は、リッド195を開けて確認される。
【0085】
上記実施形態によれば、アワーメータ122の全部が内部空間92に収容されているので、アワーメータ122における低温による不具合の発生をさらに抑制することができる。
【0086】
本明細書で説明された各構成要素の寸法、材料、及び配置は、実施形態中で明示的に説明されたものに限定されず、この各構成要素は、本発明の範囲に含まれうる任意の寸法、材料、及び配置を有するように変形することができる。また、本明細書において明示的に説明していない構成要素を、説明した実施形態に付加することもできるし、各実施形態において説明した構成要素の一部を省略することもできる。
【0087】
本明細書で明示されるアクチュエータシステム1,301,401,501,601の構成部材の具体的な形状及び配置は例示である。本発明の趣旨に反しない限り、アクチュエータシステム1,301,401,501,601の各構成部材の形状、配置、及び機能は、適宜変更され得る。アクチュエータシステム1,301,401,501,601の変形例の一部を以下で説明する。以下で説明される変形例はあくまで例示に過ぎず、アクチュエータシステム1,301,401,501の構成,601部材に対して、本明細書で明示的に説明されない変形を加えることも可能である。
【0088】
積算ユニット20,30,40,50,60により行われる制御及び演算は、複数のコントローラによって分散して実行されてもよい。また、積算ユニット20,30,40,50,60により行われる制御及び演算の一部又は全部は、積算ユニット20,30,40,50,60に備えられているコントローラとは別のコントローラにより実行されてもよい。
【0089】
上記の各実施形態は、適宜、組み合わせることが可能である。例えば、本発明の一実施形態によるアクチュエータシステムに備えられる積算ユニットは、アワーメータ22、カウンタ31d、電流センサ42、及び位置センサ15のうち複数以上の機器を備えてもよい。
【0090】
本発明の一実施形態によるアクチュエータシステムに備えられる積算ユニットは、ソレノイドバルブ4の作動に関連する複数のパラメータの積算値を算出してもよい。かかる積算ユニットは、例えば、ソレノイドバルブ4に設けられた電磁コイルが通電されている時間、ソレノイドバルブ4に設けられた電磁コイルに供給される電流、ソレノイドバルブ4の開放時間、ソレノイドバルブ4の可動コアの移動距離、及び前記以外のソレノイドバルブ4の作動を示す任意のパラメータのうちの二つ以上のパラメータを用いることができる。
【0091】
本明細書におけるパラメータの積算値は、所定の基準時以降に測定または検出された当該パラメータの測定値または検出値を積算した値を意味する。所定の基準時は、例えば、アクチュエータ10が製造後に始めて設置対象機器に搭載されたとき、アクチュエータ10のメンテナンスを行ったとき、またはこれら以外の基準となるときを意味する。
【0092】
本明細書において、アクチュエータの作動量は、例えば、当該アクチュエータが作動されている作動時間、または、当該アクチュエータが作動された作動回数を意味することができる。アクチュエータの作動時間は、当該アクチュエータに作動流体が供給されている時間を意味してもよい。
【符号の説明】
【0093】
1,301,401,501,601 アクチュエータシステム
4 ソレノイドバルブ
10 アクチュエータ
20,30,40,50 積算ユニット
22,122 アワーメータ
42 電流センサ
70,80 外部装置
90,190 マニホールド
91 マニホールドハウジング
92 内部空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10